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特開2024-94938情報処理装置、情報処理方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094938
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 8/72 20180101AFI20240703BHJP
【FI】
G06F8/72
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022211867
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】390002761
【氏名又は名称】キヤノンマーケティングジャパン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】592135203
【氏名又は名称】キヤノンITソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100189751
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 友輔
(74)【代理人】
【識別番号】100227857
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 圭
(72)【発明者】
【氏名】田村 雅博
(72)【発明者】
【氏名】高塚 剛
【テーマコード(参考)】
5B376
【Fターム(参考)】
5B376BC07
5B376BC21
5B376BC49
5B376DA22
(57)【要約】
【課題】 本発明は、画面項目の削除に対応して、ソースコードを開発者が修正すべきか開発者は修正せずに対応できるかを容易に識別表示することを目的とする。
【解決手段】
画面項目を有するアプリケーションのプログラムを修正する情報処理装置であって、前記アプリケーションの画面項目の削除を受け付ける受付手段と、前記受付手段で受け付けた削除する画面項目と紐付く前記アプリケーションのアクション内で定義された変数を特定する特定手段と、前記特定手段で特定される変数の係る部分を削除して所定の条件を満たすアクションの場合は、前記変数の係る部分を削除制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面項目を有するアプリケーションのプログラムを修正する情報処理装置であって、
前記アプリケーションの画面項目の削除を受け付ける受付手段と、
前記受付手段で受け付けた削除する画面項目と紐付く前記アプリケーションのアクション内で定義された変数を特定する特定手段と、
前記特定手段で特定される変数の係る部分を削除して所定の条件を満たすアクションの場合は、前記変数の係る部分を削除制御する制御手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記アクションが前記所定の条件を満たさない場合、前記変数に係る部分を削除せず、前記変数の係る部分を識別表示するよう制御する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記アクションとは、アプリケーションの画面上のUIボタンの押下により実行される処理であることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記受付手段で受け付けた画面項目の削除により前記所定の条件を満たさないアクションがある場合、該アクションの前記変数の係る部分を優先して表示することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記所定の条件を満たさないアクションの前記変数の係る部分を優先して表示した後で、前記所定の条件を満たすアクションの前記変数の係る部分を削除することを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記所定の条件を満たさないアクションとは、前記特定手段で特定される変数の係る部分を削除した場合に前記アプリケーションが不整合を生じるアクションであることを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記所定の条件を満たさないアクションとは、前記特定手段で特定される変数の係る部分を削除した場合に前記アプリケーションの実行時にエラーが生じるアクションであることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記所定の条件を満たさないアクションとは、前記特定手段で特定される変数の係る部分を削除した場合に前記アプリケーションが実行できないアクションであることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記所定の条件を満たさないアクションとは、データベースへアクセスするアクション以外を含むアクションであることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項10】
画面項目を有するアプリケーションのプログラムを修正する情報処理装置における制御方法であって、
前記アプリケーションの画面項目の削除を受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップで受け付けた削除する画面項目と紐付く前記アプリケーションのアクション内で定義された変数を特定する特定ステップと、
前記特定ステップで特定される変数の係る部分を削除して所定の条件を満たすアクションの場合は、前記変数の係る部分を削除制御する制御ステップと、
を有することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項11】
コンピュータを、請求項1又は2に記載された情報処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開発中のアプリケーションソフトウェアのリファクタリングを実行する情報処理装置、情報処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
Webアプリケーションにおいて画面に配置している入力項目に対するアクションを定義するにあたり、入力項目とアクションで使用する変数と紐づける必要がある。また、アクションの結果を出力項目に出力するために、出力項目とアクションの出力結果とを紐づける必要もある。
【0003】
しかし、画面の入出力項目IDとアクション(たとえばJavaScript(登録商標))で使用する変数の名前はそれぞれ別々に定義する必要がある。
【0004】
特許文献1には、ソースプログラムの解析対象の変数から関連する変数名を抽出し、出現回数、出現確率の情報を出力して、関連する変数名の確認を容易にする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002-132544号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1には、関連する変数名を出力し確認させるのみであり、1つの画面項目を削除すると、対応する変数が使われているJavaScript(登録商標)などのソースコードを修正するべきかどうかをすぐには判断できない。
【0007】
本発明は、画面項目の削除に対応して、ソースコードを開発者が修正すべきか開発者は修正せずに対応できるかを容易に識別表示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、画面項目を有するアプリケーションのプログラムを修正する情報処理装置であって、
前記アプリケーションの画面項目の削除を受け付ける受付手段と、
前記受付手段で受け付けた削除する画面項目と紐付く前記アプリケーションのアクション内で定義された変数を特定する特定手段と、
前記特定手段で特定される変数の係る部分を削除して所定の条件を満たすアクションの場合は、前記変数の係る部分を削除制御する制御手段と、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、画面項目の削除に対応して、ソースコードを開発者が修正すべきか開発者は修正せずに対応できるかを容易に識別表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態に係るシステム構成図である。
図2】本実施形態に係るプログラム開発装置、実行サーバ、データベースサーバ、クライアント端末として適用可能なハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3】アプリケーション生成処理のフローチャートの一例である。
図4】画面定義削除処理のフローチャートの一例である。
図5】画面項目IDに紐付く変数識別表示or削除処理のフローチャートの一例である。
図6】アプリケーション生成時の画面表示例である。
図7】画面項目削除前後のアプリケーション修正時の画面表示例である。
図8】画面項目削除前のアプリケーション修正時の画面表示例である。
図9】画面項目削除後のアプリケーション修正時の画面表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明に係る情報処理装置101(開発者がWebアプリケーション生成のために操作するプログラム開発装置)、実行サーバ102、データベースサーバ103、クライアント端末104の構成の一例を示すシステム(情報処理システム)構成図である。
【0013】
情報処理装置101は、開発者の操作に従って画面レイアウト及びデータベース検索指示などを定義する。情報処理装置101は、プログラムなどのアプリケーションソフトウェア(以下、単にアプリケーションと称する)の生成を行う。具体的には、情報処理装置101は、Webアプリケーションを開発する開発者によりリポジトリ定義として、アプリケーション定義、入出力定義、データモデル定義、ビジネスプロセス定義、データベース定義の各定義を設定し、これらの定義を用いて、Webアプリケーションを生成する。これら、アプリケーション定義、入出力定義、データモデル定義、ビジネスプロセス定義、データベース定義の定義は、Webアプリケーション開発ツールを介して、開発者によって事前に入力設定、または配置されてもよい。
【0014】
この実施形態においては、情報処理装置101で生成するアプリケーションはWebアプリケーションとするが、これに限定するものではなく、携帯電話・スマートフォン・タブレットなどの情報処理装置で動作するアプリケーションや組込みソフトウェアなど、Web技術による通信を利用したアプリケーションでなくてもよい。
【0015】
実行サーバ102は、情報処理装置101で開発されたアプリケーションを実行する。また、データベースサーバ103と接続して動作することが可能である。
【0016】
データベースサーバ103は、開発されたアプリケーションが使用するデータベースであり、また本発明では開発時にも動作確認などのために利用してもよい。例えば、開発者が利用するためにデータベースサーバ103は、情報処理装置101や、実行サーバ102と同一の装置で構成されていてもよいし、LANなどのネットワーク105内に配置されてもよい。
【0017】
クライアント端末104は、実行サーバ102と協調して情報処理装置101で開発したアプリケーションプログラムを動作させる、エンドユーザの入力端末である。この、クライアント端末104は、携帯端末などの情報処理装置であってもよいこととする。
【0018】
なお、情報処理装置101、実行サーバ102、データベースサーバ103、および、クライアント端末104の何れかを、クラウドなどのインターネット上に配置してもよい。
【0019】
図2は、本発明に係る情報処理装置101、実行サーバ102、データベースサーバ103、クライアント端末104として適用可能な各ハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0020】
図2において、CPU201は、システムバス204に接続される各デバイスを統括的に制御する。
【0021】
また、ROM203あるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるオペレーティングシステム(OS)や、各サーバ、クライアント、装置など情報処理装置の後述する各種機能を実現するためのプログラムが記憶されている。
【0022】
RAM202は、CPU201の主メモリ、ワークエリア、一時待避領域等として機能する。
【0023】
入力コントローラ205は、入力部209からの入力を制御する。この入力部209としては、情報処理装置では、キーボード、マウス等のポインティングデバイス、タッチパネルが挙げられる。
【0024】
なお、入力部209がタッチパネルの場合、ユーザがタッチパネルに表示されたアイコンやカーソルやボタンに合わせて押下(指等でタッチ)することにより、各種の指示を行うことができることとする。
【0025】
また、タッチパネルは、マルチタッチスクリーン等の、複数の指でタッチされた位置を検出することが可能なタッチパネルであってもよい。
【0026】
出力コントローラ206は、出力部210を表示制御する。この出力部210としては、例えば、CRTや液晶ディスプレイ等が挙げられる。尚、本体と一体になったノート型パソコンのディスプレイも含まれるものとする。また、プロジェクタであってもよいこととする。
【0027】
外部メモリコントローラ207は、ブートプログラム、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザーファイル、編集ファイル、プリンタドライバ等を記憶する外部メモリ211へのアクセスを制御する。外部メモリ211には、各サーバ、クライアント、装置等の各種機能を実現するための各種テーブル、パラメータが記憶されている。この外部メモリ211としては、ハードディスク(HD)やフレキシブルディスク(FD)、PCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)、スマートメディア等が挙げられる。
【0028】
なお、CPU201は、例えばRAM202内の表示情報用領域へアウトラインフォント展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、出力部210上での表示を可能としている。また、CPU201は、出力部210上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
【0029】
通信I/Fコントローラ208は、ネットワークを介して外部機器との通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いた通信等が可能である。
【0030】
本発明を実現するためのプログラム212は外部メモリ211に記録されており、必要に応じてRAM202にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。
【0031】
図3は、Webアプリケーション生成のフローチャートの一例を示す図である。なお、図3のフローチャートの各ステップは、情報処理装置101のCPU201が実行する。
【0032】
S301において、情報処理装置101は、アプリケーションの画面定義の入力を開発者から受け付ける。画面定義の例を図6を参照して説明する。
【0033】
図6(a)は、開発者により入力された画面定義の例である、左側の「入出力」や「選択リスト」などのパレットから右側のエディタエリア604にマウスを使いドラッグアンドドロップをするなどにより、右側の入出力画面のような画面定義を受け付ける。
【0034】
図6(b)は、図6(a)のテキスト型入力エリア601のプロパティを示す図である。
【0035】
図6(b)では、テキスト入力エリア601のコード(ソースコードの生成時に変数名として記述される名前)として、「G_ITEM_TEXT」が自動的に設定されている。図3のフローチャートの説明に戻る。
【0036】
S302において、情報処理装置101は、開発者から画面定義のアクション定義に関する入力要求があったかにより処理を分ける。アクション定義の入力要求があった場合は、S303へと処理を遷移し、入力要求がなければS304へと処理を遷移する。
【0037】
S303において、情報処理装置101は、開発者からアクション定義の入力を受け付ける。アクションの例を図7図8を参照して説明する。
【0038】
図7(a)は、図6(a)のアップデートのアクションボタン602に対応するアクション定義であり、アップデートのアクションボタン602の押下後に真ん中のフローチャートの処理が実施される定義である。
【0039】
図8(a)は、図6(a)のインサートのアクションボタン603に対応するアクション定義であり、インサートのアクションボタン603の押下後に真ん中のフローチャートの処理が実施される定義である。
【0040】
それぞれの定義の際、テキスト入力エリア601に入力されたデータは、図7(a)では701で、図8(a)では801でそれぞれ「ptext」という変数名に記憶されて、データのアップデートやインサートに使われる。図3のフローチャートの説明に戻る。
【0041】
S304において、情報処理装置101は、開発者から画面定義の保存要求があったかにより、処理を分ける。保存要求があった場合はS505へと処理を遷移し、保存要求がない場合はS306へと処理を遷移する。
【0042】
S305へと処理を遷移すると、情報処理装置101は、画面定義(アクション定義含む)を外部メモリ211に保存する。
【0043】
S306において、情報処理装置101は、開発者からアプリケーション生成要求があったかにより、処理を分ける。アプリケーション生成要求があった場合はS307へと処理を遷移し、アプリケーション生成要求がない場合はS301へと処理を戻し、画面定義の入力処理へと戻る。
【0044】
S307において、情報処理装置101は、S301で定義された画面定義とS303で定義されたアクション定義からアプリケーションを生成する。図3のフローチャートの処理の結果、図6(a)のエディタエリア604の画面のような入力画面を有するWebアプリケーションが生成される。
【0045】
次に、図4を参照して、図3で生成したWebアプリケーションから画面定義を削除する際の処理の流れを説明する。なお、図4のフローチャートの各ステップは、情報処理装置101のCPU201が実行する。
【0046】
S401において、情報処理装置101は、出力部210に図3で生成された、もしくは生成中の画面エディタを表示する。図6(a)が画面エディタの表示例である。
【0047】
S402において、情報処理装置101は、S401で表示された画面エディタの中の画面項目(たとえば、テキスト入力エリア601)の削除指示を受け付ける。削除指示を受け付けると、画面エディタ上では図6(c)のように、テキスト入力エリア621が消えた画面が表示される。
【0048】
S403において、情報処理装置101は、画面定義内に削除した画面項目に対応する変数が使用されているアクションイベントがあるかどうかにより、処理を分ける。アクションイベントがある場合は、S404へと処理を遷移し、アクションイベントが無い場合は、図4のフローチャートを終えて、画面定義から画面項目を削除する処理だけで終了する。
【0049】
S404において、情報処理装置101は、削除される画面項目のID(コード)に紐付く変数を識別表示するか、画面項目のID(コード)に紐付く処理を削除するかを選択する処理を実行する。詳細は図5を参照して説明する。
【0050】
図5は、本実施形態の削除される画面項目のID(コード)に紐付く変数を識別表示するか、画面項目のID(コード)に紐付く処理を削除するかを選択して実行する処理の流れを説明するフローチャートである。

S501において、情報処理装置101は、削除される画面項目のID(コード)に紐付く変数の名前を取得する。たとえば、図6(c)の621のようにテキスト入力エリア601を削除する場合、図7(a)や図8(a)では、701や801のように「ptext」と言う変数名を取得する。
【0051】
S502において、情報処理装置101は、S501で取得した変数名を使ったアクションがあるかどうかで処理を分ける。S501で取得した変数名を使ったアクションがある場合は、S503へと処理を遷移し、S501で取得した変数名を使ったアクションがない場合は、図5のフローチャートの処理を終える。
【0052】
S503へと処理を遷移すると、情報処理装置101は、S501で取得した変数名を使ったアクションがデータモデルバインド処理だけかどうかで処理を分ける。S501で取得した変数名を使ったアクションがデータモデルバインド処理だけの場合はS508へと処理を遷移し、S501で取得した変数名を使ったアクションがデータモデルバインド処理以外で使用されていれば、S504へと処理を遷移する。
【0053】
データモデルバインド処理とは、ユーザから入出力されたデータをデータベースに対応付ける処理である。変数名をデータモデルバインド処理のみでしか使わない状況とは、S307でアプリケーションを生成する際に、S303で開発者によりアクション定義で変数名が使われていないことを意味する。データモデルバインド処理はS307で自動的にアプリケーション生成できる処理であり、S303で開発者によりアクション定義で変数名が使われている場合は、加工式や条件式として開発者の手を加えている。そのため、開発者が手を加えた部分の変数名をただ削除するだけでは、加工式や条件式が構文エラーを生じるリスクがある。
【0054】
S504において、情報処理装置101は、アクション内のS501で取得した変数名を識別可能に表示(優先表示)する。
【0055】
S505において、情報処理装置101は、S501で取得した変数名のデータモデルバインドステップを識別可能に表示する。S504とS505の処理結果の画面イメージを図9を参照して説明する。
【0056】
図9(a)は、データモデルバインドの設定である図8(a)の「G_ITEM_TEXT」のデータモデルバインド801の登録の内、図6(c)の621のように画面項目「G_ITEM_TEXT」が削除されている場合の例である。901のように画面項目のコード「G_ITEM_TEXT」が削除されているが、変数名に該当する「ptext」は削除していない。そのため、901のように太下線などで「ptext」を他の変数名など識別可能に表示する。また、図9(b)の真ん中のフローチャートのように、変数名「ptext」が使用されている処理ステップには、912のようにエクスクラメーションマーク「!」が付され、他の処理ステップと識別可能に表示している。
【0057】
901の「ptext」の行自体を削除しない理由は、開発者により手を加えられた(引用された)変数名「ptext」901を勝手に削除することによる構文エラーの発生を防ぐためである。たとえば、図9(b)の条件式913内で引用されている「ptext」911をただ単に削除すると、条件式913は「pkey != ‘’ && ptext !=‘’」から「pkey != ‘’ && !=‘’」に変更され、第2項の不等号の条件式の左側の項がない構文エラーとなってしまう。削除された条件式を見た開発者は何が記載されていたのかが不明となるため、デバッグに時間がかかることになる。そのため、S501で取得した変数名は敢えて表示したまま、識別可能なように911のような太下線で表示して、開発者が適切に修正できるように促す。図5のフローチャートの説明に戻る。
【0058】
図5のS506において、情報処理装置101は、開発者からアクションのソースコードの変更を受け付ける。
【0059】
S507において、情報処理装置101は、S506における開発者のソースコード変更後、ソースコードのエラーチェックを行い、エラーが解消されていれば、S508の処理へと遷移する。エラーが解消されていない場合は、S506へと処理を戻し、開発者にエラー解消を促す。
【0060】
S508において、情報処理装置101は、アクションからS501で取得した変数名に該当するデータモデルバインド処理定義を削除する。具体的には、図9(a)の902の行を削除する。また、S501で取得した変数名を使ったアクションがデータモデルバインド処理だけの場合(S503から直接S508へ遷移した場合)も同様に図7(a)から図7(b)のように、701行を削除することで対応できる。
【0061】
以上のように、S501で取得した変数名を使ったアクションがデータモデルバインドのみであれば、データモデルバインド処理定義自体を削除するが、S501で取得した変数名を使ったアクションがデータモデルバインド以外で使用されている場合は、データモデルバインド処理定義をすぐに消さない。開発者に関連するS501で取得した変数名が使われているアクション定義を識別可能に表示させ修正させることにより、構文エラーなどによるデバッグの作業を極力減らすことができる。図4のフローチャートの説明に戻る。
【0062】
図4のS405において、ほかにもアクションがある場合(たとえば、INSERTアクションの他にUPDATEアクション等がある場合)は他のアクションについても、削除される画面項目のID(コード)に紐付く変数を識別表示するか、画面項目のID(コード)に紐付く処理を削除するかを選択する処理を実行するため、S404へと処理を戻す。
【0063】
以上の処理により、画面項目の削除に対応して、ソースコードを開発者が修正すべきか開発者は修正せずに対応できるかを容易に識別表示することができる。
【0064】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読み出し、実行することによっても本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0065】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記録した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0066】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R、DVD-ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、EEPROM、シリコンディスク等を用いることが出来る。
【0067】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0068】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0069】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、ひとつの機器から成る装置に適用しても良い。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0070】
上記プログラムの形態は、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラムコード、OS(オペレーティングシステム)に供給されるスクリプトデータ等の形態から成ってもよい。
【0071】
さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ、データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0072】
101 プログラム開発装置(情報処理装置)
102 実行サーバ
103 データベースサーバ
104 クライアント端末
105 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9