(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024009494
(43)【公開日】2024-01-23
(54)【発明の名称】パウチ容器
(51)【国際特許分類】
B65D 75/58 20060101AFI20240116BHJP
B65D 75/56 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
B65D75/58
B65D75/56
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022111059
(22)【出願日】2022-07-11
(71)【出願人】
【識別番号】313004403
【氏名又は名称】株式会社フジシール
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】橋本 美峰
【テーマコード(参考)】
3E067
【Fターム(参考)】
3E067AA03
3E067AA05
3E067BA13A
3E067BB11A
3E067BB14A
3E067BB25A
3E067CA10
3E067CA12
3E067CA17
3E067CA24
3E067EB32
3E067EE15
3E067FA01
3E067FC01
3E067GD10
(57)【要約】
【課題】内容物を取り出す際の作業性を向上可能なパウチ容器を提供する。
【解決手段】パウチ容器100は、前後方向に対向する前壁部11と後壁部12と、前壁部11と後壁部12との間に位置する上壁部13と、上壁部13に設けられたスパウト60と、を備え、後壁部12および上壁部13の少なくとも一方は、正面から見た場合に、前壁部11の上端およびスパウト60よりも上方に向けて延出する延出部121を有し、延出部121には、左右方向に沿って延在し、延出部121の切断を誘導する切断誘導部16が設けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向に対向する前壁部と後壁部と、
前記前壁部と前記後壁部との間に位置する上壁部と、
前記上壁部に設けられたスパウトと、を備え、
前記後壁部および前記上壁部の少なくとも一方は、正面から見た場合に、前記前壁部の上端および前記スパウトよりも上方に向けて延出する延出部を有し、
前記延出部には、左右方向に沿って延在し、前記延出部の切断を誘導する切断誘導部が設けられている、パウチ容器。
【請求項2】
前記延出部には、前記切断誘導部の上方に前記延出部を貫通する貫通部が設けられている、請求項1に記載のパウチ容器。
【請求項3】
前記切断誘導部は、ミシン目によって構成されており、
前記ミシン目は、前記左右方向の両側に第1端部および第2端部を有し、
前記第1端部および前記第2端部は、前記左右方向における前記延出部の両端よりも内側に位置する、請求項1または2に記載のパウチ容器。
【請求項4】
正面から見た場合に、前記切断誘導部は、前記スパウトの上端よりも下方に設けられている、請求項1または2に記載のパウチ容器。
【請求項5】
前記延出部は、前記左右方向の中央部が、前記左右方向の両端よりも後方に位置するように湾曲している、請求項1または2に記載のパウチ容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、パウチ容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のパウチ容器として、特許第5946406号公報(特許文献1)には、互いに向かい合う第1側壁部および第2側壁部と、容器天井部と、容器天井部に設けられたスパウトとを備えた容器が開示されている。
【0003】
第1側壁部に容器天井部を超えて上方に向かうように延びる上方張出部が設けられており、容器天井部の片側には上方に向けて折り曲げられた折曲げ片部が設けられている。上方張出部と折曲げ片部とは隣接しており、容器の襟部となるように外周に沿って互いに固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1において、スパウトから内容物を取り出す際には、襟部が内容物、あるいは周囲に配置されたものに干渉しないように、使用者が意識して作業しなければならず、作業性が悪くなることが懸念される。
【0006】
本開示は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、本開示の目的は、内容物を取り出す際の作業性を向上可能なパウチ容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に基づくパウチ容器は、前後方向に対向する前壁部と後壁部と、上記前壁部と上記後壁部との間に位置する上壁部と、上記上壁部に設けられたスパウトと、を備える。上記後壁部および前記上壁部の少なくとも一方は、正面から見た場合に、上記前壁部の上端および前記スパウトよりも上方に向けて延出する延出部を有する。上記延出部には、左右方向に沿って延在し、上記延出部の切断を誘導する切断誘導部が設けられている。
【0008】
上記本開示に基づくパウチ容器にあっては、上記延出部には、上記切断誘導部の上方に上記延出部を貫通する貫通部が設けられていてもよい。
【0009】
上記本開示に基づくパウチ容器にあっては、上記切断誘導部は、ミシン目によって構成されていてもよい。上記ミシン目は、上記左右方向の両側に第1端部および第2端部を有する。この場合には、上記第1端部および上記第2端部は、上記左右方向における上記延出部の両端よりも内側に位置することが好ましい。
【0010】
上記本開示に基づくパウチ容器にあっては、正面から見た場合に、上記切断誘導部は、上記スパウトの上端よりも下方に設けられていることが好ましい。
【0011】
上記本開示に基づくパウチ容器にあっては、上記前壁部は、前面シート部によって構成されており、上記上壁部および上記後壁部は、天襠シート部および後面シート部によって構成されている。上記後面シート部は、上記前面シート部に上記前後方向に対向する対向部と、上記対向部から上方に向けて突出する突出部と、を含んでいてもよく、上記天襠シート部は、上記上壁部を構成する上壁構成部と、上記突出部に向かい合うように上記上壁構成部から延在する延在部とを含んでいてもよい。また、上記上壁構成部は、前方側に位置する前方側周縁部と後方側に位置する後方側周縁部とを含んでいてもよい。上記前方側周縁部は、上記前面シート部の上端部に接合されており、上記後方側周縁部は、上記対向部の上端部に接合されている。この場合には、上記延在部と上記突出部とが接合されることで上記延出部が構成されていることが好ましい。
【0012】
上記本開示に基づくパウチ容器にあっては、上記延出部は、上記左右方向の中央部が、上記左右方向の両端よりも後方に位置するように湾曲していてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、内容物を取り出す際の作業性を向上可能なパウチ容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施の形態1に係るパウチ容器の概略斜視図である。
【
図2】
図1に示すII-II線に沿った概略断面図である。
【
図3】実施の形態1に係るパウチ容器において、内容物を充填する前の状態を示す平面図である。
【
図4】実施の形態2に係るパウチ容器において、内容物を充填する前の状態を示す平面図である。
【
図5】実施の形態3に係るパウチ容器において、内容物を充填する前の状態を示す平面図である。
【
図6】実施の形態4に係るパウチ容器において、内容物を充填する前の状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
【0016】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係るパウチ容器の概略斜視図である。
図2は、
図1に示すII-II線に沿った概略断面図である。
図1および
図2を参照して、実施の形態1に係るパウチ容器100について説明する。
【0017】
図1および
図2に示すように、実施の形態1に係るパウチ容器100は、前壁部11、後壁部12、上壁部13、底壁部14、およびスパウト60を備える。
【0018】
前壁部11および後壁部12は、前後方向(DR1方向)に対向する。上壁部13は、前壁部11と後壁部12の間に配置され、パウチ容器100の上壁を構成する。底壁部14は、前壁部11と後壁部12の間に配置され、パウチ容器100の底部を構成する。上壁部13および底壁部14は、上下方向(DR2方向)に対向する。
【0019】
上壁部13には、スパウト60が設けられている。スパウト60は、蓋部61、胴部62、およびフランジ部63(
図3参照)を有する。胴部62は、略円筒形状を有し、上壁部13を貫通するように設けられている。フランジ部63は、胴部62の根元から胴部62の径方向外側に延在するように設けられている。フランジ部63は、たとえば平坦なリング状に設けられている。フランジ部53は、上壁部13の内表面に接合されている。なお、フランジ部53は、上壁部13の外表面に接合されていてもよい。蓋部61は、胴部62の先端を開閉可能に閉塞する。
【0020】
前壁部11、後壁部12、上壁部13、および底壁部14によって収容空間が規定され、収容空間には内容物Cが充填されている。内容物Cとしては、たとえば液状、粒状、粉状のもの等を適宜採用することができる。
【0021】
後壁部12は、正面から見た場合に、前壁部11の上端11aおよびスパウト60よりも上方に向けて延出する延出部121を有する。延出部121は、左右方向の中央部121cが、左右方向の両端121a,121bよりも後方に位置するように湾曲している。なお、上記両端121a,121b、および中央部121cは、左右方向に沿って直線状に並んでいてもよい。
【0022】
延出部121には、貫通部15と、切断誘導部16とが設けられている。貫通部15は、前後方向に延出部121を貫通するように設けられている。貫通部15は、延出部121の上部側に設けられており、左右方向(DR3方向)の略中央に設けられている。貫通部15は、切断誘導部16の上方に設けられている。貫通部15の形状としては、円形状、楕円形状、オーバル形状、多角形、左右方向の中央部が上方に突出するブロック形状等を適宜採用することができる。また、貫通部15は、U字状等の切り込みによって形成されていてもよい。
【0023】
切断誘導部16は、延出部121の切断箇所を表示するものであり、延出部121の切断を誘導するための部位である。切断誘導部16は、貫通部15の下方に設けられている。切断誘導部16は、左右方向に沿って延在するように設けられている。正面から見た場合に、切断誘導部16は、スパウト60の上端60aよりも下方に位置する。なお、スパウト60の上端60aは、蓋部61の上面によって構成されている。
【0024】
前壁部11は、前面シート部20によって構成されている。底壁部14は、底襠シート部50によって構成されている。上壁部13および後壁部12は、天襠シート部30および後面シート部40によって構成されている。より具体的には、上壁部13は、天襠シート部30の一部によって構成され、後壁部12は、天襠シート部30の残りの部分と、後面シート部40によって構成されている。
【0025】
後面シート部40は、対向部41と突出部42とを含む。対向部41は、前後方向に前面シート部20に対向する。突出部42は、対向部41から上方に向けて突出する。
【0026】
天襠シート部30は、上方側において前面シート部20と後面シート部40との間に配置されている。天襠シート部30は、上壁構成部31と、延在部32とを含む。上壁構成部31は、上壁部13を構成する部分である。上壁構成部31は、前方側に位置する前方側周縁部311と後方側に位置する後方側周縁部312とを有する。前方側周縁部311と後方側周縁部312とによって上壁構成部31の周縁部が形成される。
【0027】
前方側周縁部311は、前面シート部20の上端部20aに接合されている。後方側周縁部312は、対向部41の上端部41aに接合されている。
【0028】
延在部32は、上壁構成部31の後部から突出部42に向かい合うように延在する。延在部32は、上記突出部42に接合されることにより、延出部121が構成されている。
【0029】
底襠シート部50は、下方側において、前面シート部20と後面シート部40との間に配置されている。なお、底襠シート部50を省略してもよく、この場合には、前面シート部20の下端部と後面シート部40との下端部とが接合される。
【0030】
前面シート部20、天襠シート部30、後面シート部40、および底襠シート部50は、たとえば、樹脂シートで構成されている。樹脂シートは、単層または複数の樹脂フィルムから構成されていてもよい。
【0031】
樹脂シートを構成する樹脂フィルムには、耐衝撃性、耐磨耗性、耐熱性など、包装体としての基本的な性能を備えることが要求される。また、上記の各種接合部が、ヒートシール、超音波シール、高周波シール等の溶着方法によって形成される場合には、樹脂フィルムには、ヒートシール性も要求される。
【0032】
樹脂シートとしては、ベースフィルムと、ヒートシール性を付与するシーラント層とを有する複層樹脂シートが好適であり、高いガスバリア性や遮光性が要求される場合には、ベースフィルムとシーラント層との間にバリア層を設けることが好適である。なお、ベースフィルムそのものにバリア性を付与してもよい。この場合は、バリア層をベースフィルムとして用い、バリア層とシーラント層とを有する複層樹脂シートとなる。
【0033】
ベースフィルムは、たとえば、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂等のフィルム材シートを採用することができる。シーラント層としては、たとえば、ポリオレフィン樹脂を主成分とするフィルムシート材を採用することができる。
【0034】
バリア層としては、アルミニウム等の金属薄膜、また、塩化ビニリデン(PVDC)、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)などの樹脂フィルム、あるいは、任意の合成樹脂フィルムに、アルミニウム、酸化アルミニウムやシリカ等の無機酸化物などを積層したフィルムを採用することができる。
【0035】
なお、後述する各種接合部71~76(
図3参照)は、溶着によって形成されずに、接着剤等によって形成されていてもよい。また、上記樹脂シートには、意匠層が設けられていてもよい。意匠層は、たとえば、ベースフィルムの外面に設けられていてもよいし、内面に設けられていてもよい。特に、延出部121に意匠層が設けられる場合には、延出部121を内容物Cに関する情報等を表示する表示部として機能させることができる。たとえば、延出部121を正面から視認可能となるようにパウチ容器100を店頭に配置することにより、延出部121に印刷された表示部によって客の注意を惹きやすくすることができる。
【0036】
図3は、実施の形態1に係るパウチ容器において、内容物を充填する前の状態を示す平面図である。より具体的には、
図3は、収容空間に内容物が充填されておらず、天襠シート部30が前方側を向くように、天襠シート部30が前後方向において後面シート部40と重なって配置された充填前のパウチ容器100の状態を図示している。この状態において、前面シート部20の上部側は、下方側に向けて折り返されている。
【0037】
図2および
図3を参照して、パウチ容器100の接合態様および切断誘導部16の詳細について説明する。
【0038】
図2および
図3に示すように、パウチ容器100は、前方側接合部71、後方側接合部72、左側接合部73、右側接合部74、下部側接合部75、および延出部接合部76を備える。
【0039】
前方側接合部71は、上壁構成部31の前方側周縁部311と前面シート部20の上端部20aとが接合された部位である。後方側接合部72は、上壁構成部31の後方側周縁部312と対向部41の上端部41aとが接合された部位である。前方側接合部71および後方側接合部72によって環状の接合部が形成されている。
【0040】
左側接合部73は、前面シート部20の左側端部11cと後面シート部40の左側端部12cとが接合された部位である。右側接合部74は、前面シート部20の右側端部11dと後面シート部40の右側端部12dとが接合された部位である。
【0041】
下部側接合部75は、底襠シート部50の周縁部と、前面シート部20の下部側周縁部および後面シート部40の下部側周縁部とが接合された部位である。
【0042】
このように、前方側接合部71、後方側接合部72、左側接合部73、右側接合部74、下部側接合部75が設けられることにより、パウチ容器100が袋状に形成される。
【0043】
延出部接合部76は、天襠シート部30の延在部32および後面シート部40の突出部42とが接合された部位である。より具体的には、延出部接合部76は、延在部32と突出部42とを全体的に接合されることで形成される部位である。延在部32と突出部42とが接合されることにより、延出部121が構成されている。
【0044】
延出部121には、上述のように切断誘導部16が設けられている。本実施の形態においては、切断誘導部16は、ミシン目によって構成されている。ミシン目は、延出部121が部分的に切断された切断部と、非切断部とが線状に繰り返し設けられることで構成されている。なお、切断部は、延出部121を貫通するように設けられていてもよいし、延出部121を貫通せずにハーフカットによって形成されていてもよい。
【0045】
切断誘導部16は、左右方向の両側に第1端部16aおよび第2端部16bを有する。第1端部16aは、左側の端部であり、ミシン目において最も左に位置する切断部の左端部によって構成されている。第2端部16bは、右側の端部であり、ミシン目において最も右側に位置する切断部の右端部によって構成されている。
【0046】
第1端部16aおよび第2端部16bは、左右方向における延出部121の両端よりも内側に位置している。より具体的には、第1端部16aは、延出部121の左端部よりも右側に位置し、延出部121の左端部と第1端部16aとの間には延出部121が貫通していない非貫通部が設けられている。第2端部16bは、延出部121の右端部よりも左側に位置し、延出部121の右端部と第2端部16bとの間には延出部121が貫通していない非貫通部が設けられている。
【0047】
以上のように、実施の形態1に係るパウチ容器100にあっては、延出部121に貫通部15が設けられていることにより、陳列棚に設けられたフック部等に貫通部15を通すことにより、パウチ容器100を吊り下げることができる。
【0048】
さらに、貫通部15の下方に切断誘導部16が設けられることにより、スパウト60から内容物Cを取り出す際には、切断誘導部16に沿って延出部121を切断することにより、パウチ容器100に残る部分の延出部121と内容物Cとが干渉することを抑制することができる。また、パウチ容器100に残る部分の延出部121と周囲のものが干渉することを抑制できる。これにより、内容物を取り出す際の作業性を向上させることができる。
【0049】
また、スパウト60の上端よりも下方に切断誘導部16を設けることにより、切断誘導部16に沿って延出部121を切断した際に、パウチ容器100に残る部分の延出部121と内容物Cとが干渉することをより確実に防止することができる。
【0050】
さらに、上述のように、左右方向において、ミシン目の両端部が、延出部121の両端よりも内側に位置することにより、意図しない状況において、延出部121の両端に外力が作用した際にミシン目が、部分的に切断されることを抑制することができる。
【0051】
加えて、左右方向の中央部121cが、左右方向の両端121a,121bよりも後方に位置するように延出部121が湾曲することにより、視認性を高めることができる。延在部121が湾曲することにより、たとえば、パウチ容器100を吊り下げた際に、延出部121の不用意な折れ曲がりが防止され、良好な吊り下げ状態が維持される。すなわち、延在部121が湾曲状となることで、折れ曲がりに対する強度を向上させることができる。
【0052】
延出部121の湾曲度合いは、パウチ容器100の左右方向の長さに対する延出部121の左右方向の長さを設定することで調整することができる。上面視した場合に、たとえば、上壁部13が略6角形形状となる場合には、延出部121の左右方向の長さが大きくなると、湾曲度合いが高まり、延出部121の左右方向の長さが短くなると、湾曲度合いが低くなる。
【0053】
なお、中央部121c、および両端121a,121bが略直線状に並んでいてもよく、この場合には、延出部121が上下方向に略平行に起立することでデザイン性を高めることができる。
【0054】
また、延在部32と突出部42とが接合されることで延出部121が構成されることにより、延出部121の剛性を高めることができ、起立した状態を容易に維持することができる。
【0055】
(実施の形態2)
図4は、実施の形態2に係るパウチ容器において、内容物を充填する前の状態を示す平面図である。
図4を参照して、実施の形態2に係るパウチ容器100Aについて説明する。
【0056】
図4に示すように、実施の形態2に係るパウチ容器100Aは、実施の形態1に係るパウチ容器100と比較した場合に、左右方向における延出部121の両端に切欠部122,123が設けられている点において相違する。その他の構成についてはほぼ同様である。
【0057】
切欠部122,123は、内側に向かうにつれて上下方向の長さが小さくなるように設けられている。切欠部122,123は、たとえば、略半円形状を有し、当該切欠部122,123の間に切断誘導部16が設けられている。
【0058】
略半円形状の切欠部122,123を設けることにより、意図しない状況において、左右方向における延出部121の両端に外力が作用した場合でも円弧状に外力を分散することができる。これにより、意図しない状況において、切欠部122,123の近傍が切断されることを抑制することができる。
【0059】
なお、切欠部122,123の形状は上記のように半円形状に限定されず、半オーバル形状であってもよいし、切断誘導部16を切断しやすい形状を適宜採用することができる。また、上述においては、左右方向における延出部121の両端に切欠部122,123が設けられている場合を例示したが、切欠部は、左右方向における延出部121の両端のいずれか一方に設けられていてもよい。
【0060】
以上のように構成される場合であっても、実施の形態2に係るパウチ容器100Aにあっては、実施の形態1とほぼ同様の効果が得られる。
【0061】
(実施の形態3)
図5は、実施の形態3に係るパウチ容器において、内容物を充填する前の状態を示す平面図である。
図5を参照して、実施の形態3に係るパウチ容器100Bについて説明する。
【0062】
図5に示すように、実施の形態3に係るパウチ容器100Bは、実施の形態1に係るパウチ容器100と比較した場合に、切断誘導部16Bの形状が相違する。その他の構成についてはほぼ同様である。
【0063】
切断誘導部16Bは、ハの字状の切断部が左右方向に間隔をあけて並ぶように設けられている。より特定的には、切断誘導部16Bは、上下方向の一方側に向かうにつれて互いの間隔が広がるように傾斜する一対の切断部161、162が所定の間隔で左右方向に並ぶように設けられている。
【0064】
以上のように構成される場合であっても、実施の形態3に係るパウチ容器100Bにあっては、実施の形態1とほぼ同様の効果が得られる。
【0065】
(実施の形態4)
図6は、実施の形態4に係るパウチ容器において、内容物を充填する前の状態を示す平面図である。
図6を参照して、実施の形態4に係るパウチ容器100Cについて説明する。
【0066】
図6に示すように、実施の形態4に係るパウチ容器100Cは、実施の形態1に係るパウチ容器100と比較した場合に、切断誘導部16Cの構成が相違する。その他の構成についてはほぼ同様である。
【0067】
切断誘導部16Cは、切り取り表示線によって構成されている。なお、切り取り表示線は、直線で表示されていてもよいし、破線等で表示されていてもよい。この場合には、切断誘導部16Cに沿ってハサミ等の切断具によって延出部121を切断する。
【0068】
以上のように構成される場合であっても、実施の形態4に係るパウチ容器100Cにあっては、実施の形態1とほぼ同様の効果が得られる。
【0069】
(その他の変形例)
なお、上述の実施の形態1から3では、延在部32と突出部42とが接合されることにより、延出部121が構成される場合を例示して説明したが、これに限定されず、延出部121は、突出部42のみによって構成されていてもよい。この場合には、天襠シート部30には、延在部32が設けられず、天襠シート部30は、上壁構成部31のみによって構成される。また、延出部121は、上壁部13の延在部32のみによって構成されていてもよい。この場合には、後面シート部40には、突出部42が設けられずに、対向部41のみによって構成される。
【0070】
また、上述の実施の形態1から3では、延出部121が、上端部の左右方向の両端部に丸みを帯びた角部を有する略矩形形状を有する場合を例示したが、これに限定されず、延出部121は、正面視した場合に、台形形状、矩形形状、多角形形状、外縁が円弧状となる形状等、適宜の形状を採用することができる。
【0071】
また、上述の実施の形態1から3に係るパウチ容器100~100Cは、複数のシートが接合されることで構成されていてもよいし、単一のシートが折り返されて接合されることで構成されてもよい。
【0072】
以上、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0073】
11 前壁部、11a 上端、11c 左側端部、11d 右側端部、12 後壁部、12c 左側端部、12d 右側端部、13 上壁部、14 底壁部、15 貫通部、16,16B,16C 切断誘導部、16a 第1端部、16b 第2端部、20 前面シート部、20a 上端部、30 天襠シート部、31 上壁構成部、32 延在部、40 後面シート部、41 対向部、41a 上端部、42 突出部、50 底襠シート部、60 スパウト、60a 上端、61 蓋部、62 胴部、63 フランジ部、71 前方側接合部、72 後方側接合部、73 左側接合部、74 右側接合部、75 下部側接合部、76 延出部接合部、100,100A,100B,100C パウチ容器、121 延出部、121a,121b 両端、121c 中央部、122,123 切欠部、161,162 切断部、311 前方側周縁部、312 後方側周縁部、C 内容物。