(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094945
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】液体洗浄剤組成物
(51)【国際特許分類】
C11D 17/08 20060101AFI20240703BHJP
C11D 1/66 20060101ALI20240703BHJP
C11D 1/02 20060101ALI20240703BHJP
C11D 3/20 20060101ALI20240703BHJP
C11D 1/22 20060101ALI20240703BHJP
C11D 3/37 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
C11D17/08
C11D1/66
C11D1/02
C11D3/20
C11D1/22
C11D3/37
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022211880
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【弁理士】
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100153763
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 広之
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 有紀
(72)【発明者】
【氏名】長谷部 巴優
(72)【発明者】
【氏名】大塚 聡
【テーマコード(参考)】
4H003
【Fターム(参考)】
4H003AB03
4H003AB19
4H003AB31
4H003AC03
4H003AC05
4H003AC08
4H003AC12
4H003DA01
4H003EB04
4H003EB06
4H003EB08
4H003EB09
4H003EB14
4H003EB22
4H003EB28
4H003EB36
4H003EB38
4H003EC01
4H003ED02
4H003ED29
4H003FA06
4H003FA12
4H003FA15
4H003FA16
4H003FA26
4H003FA28
4H003FA34
(57)【要約】
【課題】固体成分を配合せずとも、安定して、色褪せ抑制効果が得られる液体洗浄剤組成物を提供する。
【解決手段】(A1)成分:ノニオン界面活性剤及び(A2)成分:非石鹸系アニオン界面活性剤からなる(A)成分15~55質量%と、(B1)成分:炭素数が18~26である脂肪族1価アルコール、(B2)成分:炭素数が12~26である1種又は2種の直鎖脂肪酸とグリセリンとからなるエステルである、モノグリセリド又はジグリセリド、(B3)成分:脂肪酸と脂肪族1価アルコールからなる炭素数が20~38である脂肪酸エステルであって、炭素数が12~26である直鎖アルキル鎖を有する脂肪酸エステルから選ばれる少なくとも1種の(B)成分0.01~3質量%を含み、質量の比[(A1)/(A2)]が1.5~8である液体洗浄剤組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A1)成分及び(A2)成分からなる(A)成分と、
(B1)成分、(B2)成分及び(B3)成分から選ばれる少なくとも1種の(B)成分とを含有する液体洗浄剤組成物であって、
前記(A1)成分はノニオン界面活性剤であり、
前記(A2)成分は非石鹸系アニオン界面活性剤であり、
前記(B1)成分は炭素数が18~26である脂肪族1価アルコールであり、
前記(B2)成分は炭素数が12~26である1種又は2種の直鎖脂肪酸とグリセリンとからなるエステルである、モノグリセリド又はジグリセリドであり、
前記(B3)成分は脂肪酸と脂肪族1価アルコールからなる炭素数が20~38である脂肪酸エステルであって、炭素数が12~26である直鎖アルキル鎖の末端にカルボキシ基を有する脂肪酸と1価アルコールとからなる脂肪酸エステル、又は炭素数が12~26である直鎖アルキル鎖の末端に水酸基を有する1価アルコールと脂肪酸とからなる脂肪酸エステルであり、
前記(A)成分の含有量が前記液体洗浄剤組成物の総質量に対して15~55質量%であり、
前記(B)成分の含有量が前記液体洗浄剤組成物の総質量に対して0.01~3質量%であり、
前記(A2)成分の質量に対する前記(A1)成分の質量の比[(A1)/(A2)]が1.5~8である液体洗浄剤組成物。
【請求項2】
前記(A2)成分が直鎖アルキルベンゼンスルホン酸あるいはその塩を含み、
前記直鎖アルキルベンゼンスルホン酸あるいはその塩の含有量が前記液体洗浄剤組成物の総質量に対して3質量%以上である、請求項1に記載の液体洗浄剤組成物。
【請求項3】
さらに、(C)成分を含有し、
前記(C)成分は、アルキレンテレフタレート単位及びアルキレンイソフタレート単位からなる群より選ばれる少なくとも1種の単位と、オキシアルキレン単位及びポリオキシアルキレン単位からなる群より選ばれる少なくとも1種の単位を有する水溶性ポリマーである、請求項1又は2に記載の液体洗浄剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液体洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、黒色や紺色などの濃色衣類は、洗濯や着用を繰り返すと色褪せをする傾向がある。
従来、液体洗浄剤組成物では、色褪せを防ぐため、種々の工夫が成されている。例えば、特許文献1では、色褪せの要因となる水道水中の次亜塩素酸イオンを補足する添加剤として、粘土鉱物にアンモニウム塩を担持させた複合体が提案されている。
また、特許文献2では、特定の屈折率の固体微量子を配合することが提案されている。
また、特許文献3では、セルラーゼを配合し、毛羽立ちを防止することで色褪せを目立たなくする方法がとられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10-88188号公報
【特許文献2】特開2005-126828号公報
【特許文献3】特開2011-184685号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1、2に開示された液体洗浄剤組成物では、固体成分を使用するため、洗濯後の衣料がごわつきやすい問題があった。また、特許文献3のように酵素を使用する方法では、液体洗浄剤組成物の酵素による効果を持続させることが困難であった。
本発明は、上記事情に鑑みて、固体成分を配合せずとも、安定して、色褪せ抑制効果が得られる液体洗浄剤組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
[1](A1)成分及び(A2)成分からなる(A)成分と、
(B1)成分、(B2)成分及び(B3)成分から選ばれる少なくとも1種の(B)成分とを含有する液体洗浄剤組成物であって、
前記(A1)成分はノニオン界面活性剤であり、
前記(A2)成分は非石鹸系アニオン界面活性剤であり、
前記(B1)成分は炭素数が18~26である脂肪族1価アルコールであり、
前記(B2)成分は炭素数が12~26である1種又は2種の直鎖脂肪酸とグリセリンとからなるエステルである、モノグリセリド又はジグリセリドであり、
前記(B3)成分は脂肪酸と脂肪族1価アルコールからなる炭素数が20~38である脂肪酸エステルであって、炭素数が12~26である直鎖アルキル鎖の末端にカルボキシ基を有する脂肪酸と1価アルコールとからなる脂肪酸エステル、又は炭素数が12~26である直鎖アルキル鎖の末端に水酸基を有する1価アルコールと脂肪酸とからなる脂肪酸エステルであり、
前記(A)成分の含有量が前記液体洗浄剤組成物の総質量に対して15~55質量%であり、
前記(B)成分の含有量が前記液体洗浄剤組成物の総質量に対して0.01~3質量%であり、
前記(A2)成分の質量に対する前記(A1)成分の質量の比[(A1)/(A2)]が1.5~8である液体洗浄剤組成物。
[2]前記(A2)成分が直鎖アルキルベンゼンスルホン酸あるいはその塩を含み、
前記直鎖アルキルベンゼンスルホン酸あるいはその塩の含有量が前記液体洗浄剤組成物の総質量に対して3質量%以上である、[1]に記載の液体洗浄剤組成物。
[3]さらに、(C)成分を含有し、
前記(C)成分は、アルキレンテレフタレート単位及びアルキレンイソフタレート単位からなる群より選ばれる少なくとも1種の単位と、オキシアルキレン単位及びポリオキシアルキレン単位からなる群より選ばれる少なくとも1種の単位を有する水溶性ポリマーである、[1]又は[2]に記載の液体洗浄剤組成物。
【発明の効果】
【0006】
本発明の液体洗浄剤組成物によれば、固体成分を配合せずとも、安定して、色褪せ抑制効果が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の液体洗浄剤組成物は、後述する(A)成分、(B)成分と水を含有する液体洗浄剤組成物である。本発明の液体洗浄剤組成物は、さらに、後述する(C)成分を含有することが好ましい。また、後述する(D)成分を含有することが好ましい。
以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。
なお、本明細書において「~」を用いて表される数値範囲は「~」前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。また、酸の形態と塩の形態をとりうる成分の含有量は、酸の形態としての含有量である。
【0008】
<(A)成分>
(A)成分は、下記(A1)成分及び(A2)成分からなる。(A)成分を含有することにより、(B)成分の低温における安定性が得られる。
(A1)成分:ノニオン界面活性剤。
(A2)成分:非石鹸系アニオン界面活性剤。
【0009】
(A)成分の含有量、すなわち、(A1)成分及び(A2)成分の合計含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して15~55質量%であり、17~53質量%であることが好ましく、20~51質量%であることがより好ましく、38~49質量%であることがさらに好ましい。
【0010】
(A)成分の含有量が上記下限値以上であることにより、低温における安定性が得られ、良好な洗浄力も得られる。(A)成分の含有量が上記上限値以下であることにより、外観の均一安定性が得られ、粘度が高くなりすぎず、良好な濯ぎ性が得られる。
【0011】
[(A1)成分]
(A1)成分はノニオン界面活性剤である。(A1)成分は1種を用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。(A1)成分を配合することにより、(B)成分の低温における安定性が得られる。また、衣料に対する再汚染を抑制する効果も得られる。また、洗浄力も高まる。
【0012】
(A1)成分の含有量は、9~48質量%であることが好ましく、10~40質量%であることがより好ましく、13~35質量%であることがさらに好ましく、25~35質量%であることが特に好ましい。
(A1)成分の含有量が上記下限値以上であることにより、低温における安定性がより高まる。また、再汚染抑制、洗浄力の点でも好ましい。(A1)成分の含有量が上記上限値以下であることにより、外観の均一安定性が得られ、粘度が高くなりすぎず、良好な濯ぎ性が得られる。
【0013】
(A1)成分としては、例えばポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤、アルキルフェノール、炭素数8~22の脂肪酸又は炭素数8~22のアミン等のアルキレンオキサイド付加体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、脂肪酸アルカノールアミド、後述の(B2)成分を除く多価アルコール脂肪酸エステル又はそのアルキレンオキサイド付加体、硬化ヒマシ油のアルキレンオキサイド付加体、糖脂肪酸エステル、N-アルキルポリヒドロキシ脂肪酸アミド、アルキルグリコシドなどが挙げられる。
【0014】
中でも、ポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤、炭素数8~22の脂肪酸又は炭素数8~22のアミン等のアルキレンオキサイド付加体を含むことが好ましい。特に、洗浄力、再汚染抑制の点でポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤を含むことが好ましい。(A1)成分は、ポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤であることが特に好ましい。
【0015】
ポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤としては、下記一般式(a1)で表される化合物(以下、「化合物(a1)」ともいう。)、下記一般式(a2)で表される化合物(以下、「化合物(a2)」ともいう。)、下記一般式(a3)で表される化合物(以下、「化合物(a3)」ともいう。)が挙げられる。
【0016】
[化合物(a1)]
化合物(a1)は、直鎖の炭化水素基を有するポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤である。
R11-O-[(EO)s/(A11O)t]-(EO)u-R12 ・・・(a1)
(一般式(a1)中、R11は炭素数8~22の直鎖の炭化水素基である。R12は水素原子、炭素数1~6のアルキル基又は炭素数2~6のアルケニル基である。EOはオキシエチレン基である。sはEO平均繰り返し数を示す3~25の数である。A11OはPO(オキシプロピレン基)及びBO(オキシブチレン基)の少なくとも一方を表す。tはA11Oの平均繰り返し数を示す0~6の数である。uはEOの平均繰り返し数を表す0~20の数である。)
【0017】
一般式(a1)中、R11の炭化水素基の炭素数は、8~22であり、10~18が好ましく、12~18がより好ましい。R11の炭化水素基は直鎖である。また、R11の炭化水素基は不飽和結合を有していてもよいし、有していなくてもよい。
-O-に結合するR11の炭素原子は、第一級炭素原子でも第二級炭素原子でもよい。
【0018】
R12がアルキル基の場合、炭素数は1~6であり、1~3が好ましい。
R12がアルケニル基の場合、炭素数は2~6であり、2~3が好ましい。
R12は水素原子が特に好ましい。
【0019】
sは3~25であり、洗浄力に優れる点で、5~25が好ましく、7~20がより好ましく、7~18がさらに好ましく、7~15が特に好ましい。
tは0~6であり、0~3が好ましい。
uは0~20であり、0~15が好ましく、0~10がより好ましい。
【0020】
tが0でない場合、つまり化合物(a1)が、EOとPO、EOとBO、又はEOとPOとBOを有する場合、[(EO)s/(A11O)t]においてEOとPO、EOとBO、又はEOとPOとBOの分布(配列順)に特に限定はなく、これらはブロック状に配列していてもよく、ランダム状に配列していてもよい。また、EOが「R11-O-」に結合してもよいし、PO又はBOが「R11-O-」に結合してもよい。
tが0でない場合、化合物(a1)は、EOとPO、又はEOとBOを有することが好ましい。
【0021】
[化合物(a2)]
化合物(a2)は、分岐鎖の炭化水素基を有するポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤である。
R13-O-[(EO)v/(A12O)w]-(EO)x-R14 ・・・(a2)
(一般式(a2)中、R13は炭素数8~22の分岐鎖の炭化水素基である。R14は水素原子、炭素数1~6のアルキル基又は炭素数2~6のアルケニル基である。EOはオキシエチレン基である。vはEO平均繰り返し数を示す3~25の数である。A12OはPO(オキシプロピレン基)及びBO(オキシブチレン基)の少なくとも一方を表す。wはA12Oの平均繰り返し数を示す0~6の数である。xはEOの平均繰り返し数を表す0~20の数である。)
【0022】
一般式(a2)中、R13の炭化水素基の炭素数は、8~22であり、10~18が好ましく、12~18がより好ましい。R13の炭化水素基は分岐鎖である。また、R13の炭化水素基は不飽和結合を有していてもよいし、有していなくてもよい。
-O-に結合するR13の炭素原子は、第一級炭素原子でも第二級炭素原子でもよい。
【0023】
R14がアルキル基の場合、炭素数は1~6であり、1~3が好ましい。
R14がアルケニル基の場合、炭素数は2~6であり、2~3が好ましい。
R14は水素原子が特に好ましい。
【0024】
vは3~25であり、洗浄力に優れる点で、5~18が好ましく、7~15がより好ましく、7~12がさらに好ましい。
wは0~6であり、0~3が好ましい。
xは0~20であり、0~15が好ましく、0~10がより好ましい。
【0025】
wが0でない場合、つまり化合物(a2)が、EOとPO、EOとBO、又はEOとPOとBOを有する場合、[(EO)v/(A12O)w]においてEOとPO、EOとBO、又はEOとPOとBOの分布(配列順)に特に限定はなく、これらはブロック状に配列していてもよく、ランダム状に配列していてもよい。また、EOが「R13-O-」に結合してもよいし、PO又はBOが「R13-O-」に結合してもよい。
wが0でない場合、化合物(a2)は、EOとPO、又はEOとBOを有することが好ましい。
【0026】
化合物(a2)の市販品としては、例えば、三菱化学社製のダイヤドール(登録商標)(C13、Cの次の数字は、アルコールの炭素数を示す。以下同様。)、Shell社製のNeodol(登録商標)(C12とC13との混合物)、Sasol社製のSafol(登録商標)23(C12とC13との混合物)、EXXAL(登録商標)13(C13)等のアルコールに対して、3~10モル相当のエチレンオキシドを付加したもの;
ブテンを3量化して得られる炭素数12のアルケンをオキソ法に供して得られるC13のアルコールに対して、3又は5モル相当、もしくは7モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(Lutensol(登録商標) TO3、Lutensol TO5、Lutensol TO7、BASF社製);
ブテンを3量化して得られる炭素数12のアルケンをオキソ法に供して得られるC13のアルコールに対して、12モル相当又は15モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(Lutensol(登録商標) TO12、Lutensol TO15等、BASF社製);
ペンタノールをガーベット反応に供して得られるC10のアルコールに対して、9モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(Lutensol XP90、BASF社製);
ペンタノールをガーベット反応に供して得られるC10のアルコールに対して、7モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(Lutensol XL70、BASF社製);
ペンタノールをガーベット反応に供して得られるC10のアルコールに対して、6モル相当のエチレンオキシドを付加したもの(Lutensol XA60、BASF社製)などが挙げられる。
【0027】
これらの中で、Sasol社製の商品名Safol23(分岐率:50質量%)(石炭のガス化から得られるオレフィンをオキソ法によりアルコールを得て、更に水素化したもの)や、シェルケミカルズ社製の商品名ネオドール23(分岐率:20質量%)(n-オレフィンから改良オキソ法により生成し、精留したもの)のように、一般式(a2)中でR13の炭化水素基が分岐鎖である化合物と、一般式(a1)中でR11の炭化水素基が直鎖である化合物の「混合物」の場合は、分岐鎖を有するものを化合物(a2)とし、一方、直鎖を有するものを化合物(a1)と区別して定義する。なお、「分岐率」とは、全高級アルコールに対する、分岐鎖をもつ高級アルコールの割合(質量%)を示す。
【0028】
[化合物(a3)]
化合物(a3)は、-COO-又は-CONH-を有するポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤である。
R15-X-[(EO)p/(A13O)q]-(EO)r-R16 ・・・(a3)
(一般式(a3)中、R15は炭素数7~21の炭化水素基である。-X-は、-COO-又は-CONH-である。R16は水素原子、炭素数1~6のアルキル基又は炭素数2~6のアルケニル基である。EOはオキシエチレン基である。pはEO平均繰り返し数を示す3~25の数である。A13はPO(オキシプロピレン基)及びBO(オキシブチレン基)の少なくとも一方を表す。qはA13Oの平均繰り返し数を示す0~6の数である。rはEOの平均繰り返し数を表す0~20の数である。)
【0029】
一般式(a3)中、R15の炭化水素基の炭素数は、7~21であり、9~19が好ましく、11~19がより好ましい。R15の炭化水素基は直鎖であってもよいし、分岐鎖であってもよい。また、R15の炭化水素基は不飽和結合を有していてもよいし、有していなくてもよい。
-X-に結合するR15の炭素原子は、第一級炭素原子でも第二級炭素原子でもよい。
【0030】
R16がアルキル基の場合、炭素数は1~6であり、1~3が好ましい。
R16がアルケニル基の場合、炭素数は2~6であり、2~3が好ましい。
R16はアルキル基が特に好ましい。
【0031】
pは3~25であり、洗浄力に優れる点で、5~20が好ましく、10~18がより好ましく、12~18がさらに好ましい。
qは0~6であり、0~3が好ましい。
rは0~20であり、0~15が好ましく、0~10がより好ましい。
洗浄力に優れる点で、p+rは5~30が好ましく、5~25がより好ましく、5~20がさらに好ましく、10~20が特に好ましい。
【0032】
qが0でない場合、つまり化合物(a3)が、EOとPO、EOとBO、又はEOとPOとBOを有する場合、[(EO)p/(A13O)q]においてEOとPO、EOとBO、又はEOとPOとBOの分布(配列順)に特に限定はなく、これらはブロック状に配列していてもよく、ランダム状に配列していてもよい。また、EOが「R15-X-」に結合してもよいし、PO又はBOが「R15-X-」に結合してもよい。
qが0でない場合、化合物(a3)は、EOとPO、又はEOとBOを有することが好ましい。
(A1)成分は、洗浄力に優れる観点から、化合物(a1)を含むことが好ましい。
【0033】
[(A2)成分]
(A2)成分は、非石鹸系アニオン界面活性剤である。「非石鹸系アニオン界面活性剤」とは、高級脂肪酸又はその塩(いわゆる石鹸)を除くアニオン界面活性剤である。
(A2)成分は1種を用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。(A2)成分を配合することにより、(B)成分の低温における安定性が得られる。また、衣料に対する再汚染を抑制する効果も得られる。また、洗浄力も高まる。
【0034】
(A2)成分の含有量は、2~22質量%であることが好ましく、5~20質量%であることがより好ましく、7~18質量%であることがさらに好ましく、10~15質量%であることが特に好ましい。
(A2)成分の含有量が上記下限値以上であることにより、(B)成分の低温における安定性がより高まる。また、再汚染抑制、洗浄力の点でも好ましい。(A2)成分の含有量が上記上限値以下であることにより、良好な液安定性が得られる。
【0035】
(A2)成分としては、例えば直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩(LAS)、α-オレフィンスルホン酸又はその塩(AOS)、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル硫酸エステル又はその塩(AS)、ポリオキシアルキレンアルキル(アルケニル)エーテル硫酸エステル又はその塩(AES)、アルキル基を有するアルカンスルホン酸又はその塩、α-スルホ脂肪酸エステル又はその塩、内部オレフィンスルホン酸又はその塩(IOS)、ヒドロキシアルカンスルホン酸又はその塩(HAS)、アルキルエーテルカルボン酸又はその塩、ポリオキシアルキレンエーテルカルボン酸又はその塩、アルキルアミドエーテルカルボン酸又はその塩、アルケニルアミドエーテルカルボン酸又はその塩、アシルアミノカルボン酸又はその塩等のカルボン酸型アニオン界面活性剤;アルキルリン酸エステル又はその塩、ポリオキシアルキレンアルキルリン酸エステル又はその塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルリン酸エステル又はその塩、グリセリン脂肪酸エステルモノリン酸エステル又はその塩等のリン酸エステル型アニオン界面活性剤などが挙げられる。
アニオン界面活性剤の塩の形態としては、例えばアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(マグネシウム塩等)、アルカノールアミン塩(モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩等)などが挙げられる。
【0036】
中でも(A2)成分としては、LAS、AOS、AS、AESが好ましく、洗浄力がより高まる観点から、LAS、AESがより好ましい。液体洗浄剤は少なくともLASを含むことが好ましく、LASとAESの両方を含むことがより好ましい。(A2)成分はLASとAESとからなることが特に好ましい。
【0037】
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩(LAS)は、ベンゼン環に直鎖のアルキル基が結合した直鎖アルキルベンゼンにスルホ基が結合した化合物である。
この直鎖のアルキル基に対して、スルホフェニル基が結合する位置に特に限定はない。
【0038】
(A2)成分が直鎖アルキルベンゼンスルホン酸あるいはその塩を含む場合、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸あるいはその塩の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して3質量%以上であることが好ましく、3~15質量%であることがより好ましく、5~13質量%であることがさらに好ましく、7~13質量%であることがさらに好ましく、8~12量%であることが特に好ましい。
【0039】
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸あるいはその塩の含有量が上記下限値以上であることにより、低温での流動性が高まり、洗浄力が向上する。また、後述の(C)成分を配合した際、(C)成分の吸着率が高まり、(C)成分の色褪せ抑制効果、及び再汚染抑制効果が向上する。
また、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸あるいはその塩の含有量が上記上限値以下であることにより、液体洗浄剤組成物の外観の黄色みを抑制できる。
【0040】
ポリオキシアルキレンアルキル(アルケニル)エーテル硫酸エステル又はその塩(AES)は、下記一般式(a4)で表される。
R17-O-[(EO)e/(PO)f]-SO3
-M+ ・・・(a4)
(一般式(a4)中、R17は、炭素数8~20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基又は炭素数8~20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルケニル基である。EOはオキシエチレン基である。POはオキシプロピレン基である。eはEOの平均繰り返し数を表す0.1以上の数である。fはPOの平均繰り返し数を表す0~6の数である。[(EO)e/(PO)f]は、EOとPOの配列順に限定がないことを示し、M+は対カチオンである。)
【0041】
AESとしては、炭素数10~20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有し、平均1~5モルのアルキレンオキシドが付加されたものが好ましい。上記アルキル基又はアルケニル基の炭素数としては、10~20が好ましく、12~14がより好ましい。特に、炭素数10~20の直鎖のアルキル基が好ましく、炭素数12~14の直鎖のアルキル基がより好ましい。具体的には、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基等が挙げられる。
【0042】
eは0.1~5が好ましく、0.1~3がより好ましく、0.5~2がさらに好ましく、0.5~1.5が特に好ましい。
fは0~6であり、0~3が好ましく、0がより好ましい。
e+fは0超が好ましく、1~5がより好ましい。
【0043】
fが0でない場合、つまりAESが、EOとPOを有する場合、[(EO)e/(PO)f]においてEOとPOの分布(配列順)に特に限定はなく、これらはブロック状に配列していてもよく、ランダム状に配列していてもよい。また、EOが「R17-O-」に結合してもよいし、POが「R17-O-」に結合してもよい。
【0044】
EOとPOとをブロック状に配列させる方法としては、例えば、エチレンオキシドを導入した後にプロピレンオキシドを導入する方法、プロピレンオキシドを導入した後にエチレンオキシドを導入する方法、エチレンオキシドを導入した後にプロピレンオキシドを導入し、さらに、エチレンオキシドを導入する方法等が挙げられる。
なお、上記式(a4)におけるe=0、f=0の化合物は、式(a4)で表される化合物の総質量に対して35~55質量%含有することが好ましい。
【0045】
[(A1)/(A2)]
(A2)成分の質量に対する(A1)成分の質量の比[(A1)/(A2)]は1.5~8であり、1.5~5が好ましく、2.0~4.0がより好ましい。
比[(A1)/(A2)]が上記下限値以上であることにより、低温においても(B)成分を安定して配合できる。また、洗浄力も向上する。比[(A1)/(A2)]が上記上限値以下であることにより、低温における安定性が得られ、低温における流動性が確保しやすい。また、洗浄力も向上する。
【0046】
<(B)成分>
(B)成分は、下記(B1)成分、(B2)成分及び(B3)成分から選ばれる少なくとも1種である。(B)成分を含有することにより、色褪せ抑制効果が得られる。
【0047】
(B1)成分:炭素数が18~26である脂肪族1価アルコール。
(B2)成分:炭素数が12~26である1種又は2種の直鎖脂肪酸とグリセリンとからなるエステルである、モノグリセリド又はジグリセリド。
(B3)成分:脂肪酸と脂肪族1価アルコールからなる炭素数が20~38である脂肪酸エステルであって、炭素数が12~26である直鎖アルキル鎖を有する脂肪酸エステル。
【0048】
(B)成分の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して0.01~3質量%であり、0.1~2.8質量%であることが好ましく、0.2~2.0質量%であることがより好ましく、0.3~1.2質量%であることがさらに好ましい。
(B)成分の含有量が上記下限値以上であることにより、色褪せ抑制効果が得られる。(B)成分の含有量が上記上限値以下であることにより、低温における安定性が得られる。
【0049】
(A)成分の質量に対する(B)成分全体の質量の比[(B)/(A)]は0.004~0.05が好ましく、0.005~0.03がより好ましく、0.007~0.02がさらに好ましい。
比[(B)/(A)]が上記下限値以上であることにより、色褪せ抑制効果が高まる。比[(B)/(A)]が上記上限値以下であることにより、低温における安定性が高まる。
【0050】
(B)成分としては、(B3)成分から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。(B)成分は、(B3)成分から選ばれる少なくとも1種からなることが特に好ましい。
(B3)成分は配合量を増やしても低温での安定性が保ちやすい。そのため、(B3)成分を用いる場合、液体洗浄剤組成物における(B3)成分量を増やして色褪せ効果を高めやすくなる。また、(B3)成分は少ない量でも色褪せ抑制効果を発揮しやすい。
【0051】
[(B1)成分]
(B1)成分は、炭素数が18~26である脂肪族1価アルコールである。
(B1)成分の炭素数は18~22であることが好ましく、18~20であることがより好ましい。炭素数が上記下限値以上であることにより、衣料の表面に作用しやすく、高い色褪せ抑制効果が得られる。炭素数が上記上限値以下であることにより、低温における安定性が高まる。
【0052】
(B1)成分の水酸基が結合する脂肪族炭化水素基は、直鎖状でも、分岐鎖状でもよい。また、飽和でも不飽和でもよい。
(B1)成分は、天然油脂を原料とする脂肪アルコールであっても、石油化学製品を原料とする合成アルコールであってもよい。
【0053】
(B1)成分としては、オクチルドデカノール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、ノナデシルアルコール、アラキジルアルコール、ヘンエイコサノール、ベヘニルアルコール、リグノセリルアルコール、2-デシル-1-テトラデカノール、セリルアルコールが挙げられる。中でも低温での安定性を保ちつつ色褪せ抑制効果を向上させやすいことから、アラキジルアルコール、オクチルドデカノールが好ましく、オクチルドデカノールがより好ましい。
【0054】
(B)成分が(B1)成分から選ばれる少なくとも1種からなる場合、(B1)成分の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して0.01~3質量%であり、0.2~1.0質量%であることが好ましく、0.2~0.4質量%であることがより好ましい。
(B1)成分の含有量が上記下限値以上であることにより、色褪せ抑制効果が得られる。(B1)成分の含有量が上記上限値以下であることにより、低温における安定性が得られる。
【0055】
(B)成分が(B1)成分から選ばれる少なくとも1種からなる場合、(A)成分の質量に対する(B1)成分の質量の比[(B1)/(A)]は0.004~0.022が好ましく、0.007~0.010がより好ましい。
比[(B1)/(A)]が上記下限値以上であることにより、色褪せ抑制効果が高まる。比[(B1)/(A)]が上記上限値以下であることにより、低温における(B1)成分の安定性が高まる。
【0056】
[(B2)成分]
(B2)成分は、炭素数が12~26である1種又は2種の直鎖脂肪酸とグリセリンとからなるエステルである、モノグリセリド又はジグリセリドである。
(B2)成分は、モノグリセリドのみでも、ジグリセリドのみでも、モノグリセリドとジグリセリドとの混合物でもよい。
【0057】
(B2)成分の炭素数は14~22であることが好ましく、16~20であることがより好ましい。炭素数が上記下限値以上であることにより、衣類の表面に作用しやすく、高い色褪せ抑制効果が得られる。炭素数が上記上限値以下であることにより、低温における安定性が高まる。
【0058】
グリセリンと結合して(B2)成分を構成する直鎖脂肪酸は、飽和でも不飽和でもよい。
(B2)成分がジグリセリドの場合、グリセリンと結合する2つの直鎖脂肪酸は同一であっても異なっていてもよい。
直鎖脂肪酸がグリセリンに結合する位置に特に限定はない。
【0059】
(B2)成分であるモノグリセリドとしては、パルミチン酸グリセリル、ステアリン酸グリセリル、オレイン酸グリセリル、ラウリン酸グリセリル、ミリスチン酸グリセリル、リノール酸グリセリル、リノレン酸グリセリル、アラキドン酸グリセリル、エイコサペンタエン酸グリセリル、ドコサヘキサエン酸グリセリルが挙げられる。中でも低温での安定性を保ちつつ色褪せ抑制効果を向上させやすいであることから、パルミチン酸グリセリル、ステアリン酸グリセリル、オレイン酸グリセリルが好ましい。
(B2)成分であるジグリセリドとしては、ジパルミチン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル、ジオレイン酸グリセリル、パルミチン酸ステアリン酸グリセリル、パルミチン酸オレイン酸グリセリル、ステアリン酸オレイン酸グリセリルが挙げられる。
【0060】
(B)成分が(B2)成分から選ばれる少なくとも1種からなる場合、(B2)成分の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して0.01~3質量%であり、0.5~1.8質量%であることが好ましく、0.8~1.2質量%であることがより好ましい。
(B2)成分の含有量が上記下限値以上であることにより、色褪せ抑制効果が得られる。(B2)成分の含有量が上記上限値以下であることにより、低温における安定性が得られる。
【0061】
(B)成分が(B2)成分から選ばれる少なくとも1種からなる場合、(A)成分の質量に対する(B2)成分の質量の比[(B2)/(A)]は0.011~0.039が好ましく、0.017~0.026がより好ましい。
比[(B2)/(A)]が上記下限値以上であることにより、色褪せ抑制効果が高まる。比[(B2)/(A)]が上記上限値以下であることにより、低温における(B2)成分の安定性が高まる。
【0062】
[(B3)成分]
(B3)成分は、脂肪酸と脂肪族1価アルコールからなる炭素数が20~38である脂肪酸エステルであって、炭素数が12~26である直鎖アルキル鎖を有する脂肪酸エステルである。炭素数が12~26である直鎖アルキル鎖は、(B3)成分を構成する脂肪酸と脂肪族1価アルコールの少なくとも一方に由来する。
【0063】
すなわち、(B3)成分は、脂肪酸と脂肪族1価アルコールからなる炭素数が20~38である脂肪酸エステルであって、炭素数が12~26である直鎖アルキル鎖の末端にカルボキシ基を有する脂肪酸と1価アルコールとからなる脂肪酸エステル、又は炭素数が12~26である直鎖アルキル鎖の末端に水酸基を有する1価アルコールと脂肪酸とからなる脂肪酸エステルである。
【0064】
脂肪酸と脂肪族1価アルコールからなる炭素数が20~38である脂肪酸エステルであって、炭素数が12~26である直鎖アルキル鎖の末端にカルボキシ基を有する脂肪酸と、炭素数が12~26である直鎖アルキル鎖の末端に水酸基を有する1価アルコールとからなる脂肪酸エステルも(B3)成分に含まれる。
【0065】
(B3)成分の全炭素数は20~38であり、22~32であることが好ましく、24~28であることがより好ましい。
全炭素数が上記下限値以上であることにより、衣類の表面に作用しやすく、高い色褪せ抑制効果が得られる。炭素数が上記上限値以下であることにより、低温における安定性が高まる。
【0066】
(B3)成分の脂肪酸と脂肪族1価アルコールの少なくとも一方に由来する直鎖アルキル鎖の炭素数は12~26であり、14~22であることが好ましく、16~20であることがより好ましい。
直鎖アルキル鎖の炭素数が上記下限値以上であることにより、衣類の表面に作用しやすく、高い色褪せ抑制効果が得られる。直鎖アルキル鎖の炭素数が上記上限値以下であることにより、低温における安定性が高まる。
【0067】
炭素数が12~26である直鎖アルキル鎖の末端にカルボキシ基を有する脂肪酸と(B3)成分を構成する1価アルコールの水酸基が結合する脂肪族炭化水素基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。また、飽和でも不飽和でもよい。
炭素数が12~26である直鎖アルキル鎖の末端に水酸基を有する1価アルコールと(B3)成分を構成する脂肪酸のカルボキシ基が結合する脂肪族炭化水素基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。また、飽和でも不飽和でもよい。
【0068】
(B3)成分としては、パルミチン酸エチルヘキシル、パルミチン酸セチル、イソナン酸セテアリル、イソノナン酸ステアリル、イソノナン酸セチル、エチルヘキサン酸セチル、ステアリン酸エチルヘキシル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、が挙げられる。中でも低温での安定性を保ちつつ色褪せ抑制効果を向上させやすいことから、パルミチン酸エチルヘキシル、エチルヘキサン酸セチル、イソナン酸セテアリル、イソノナン酸ステアリル、イソノナン酸セチル、ステアリン酸エチルヘキシルが好ましく、パルミチン酸エチルヘキシル、エチルヘキサン酸セチルがより好ましい。
【0069】
(B)成分が(B3)成分から選ばれる少なくとも1種からなる場合、(B3)成分の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して0.01~3質量%であり、0.2~1.8質量%であることが好ましく、0.3~1.0質量%であることがより好ましく、0.3~0.5質量%であることがさらに好ましい。
(B3)成分の含有量が上記下限値以上であることにより、色褪せ抑制効果が得られる。(B3)成分の含有量が上記上限値以下であることにより、低温における安定性が得られる。
【0070】
(B)成分が(B3)成分から選ばれる少なくとも1種からなる場合、(A)成分の質量に対する(B3)成分の質量の比[(B3)/(A)]は0.004~0.039が好ましく、0.011~0.022がより好ましい。
比[(B3)/(A)]が上記下限値以上であることにより、色褪せ抑制効果が高まる。比[(B3)/(A)]が上記上限値以下であることにより、低温における(B3)成分の安定性が高まる。
【0071】
<(C)成分>
(C)成分は、アルキレンテレフタレート単位及びアルキレンイソフタレート単位からなる群より選ばれる少なくとも1種の単位((c1)単位)と、オキシアルキレン単位及びポリオキシアルキレン単位からなる群より選ばれる少なくとも1種の単位((c2)単位)を有する水溶性ポリマーである。
(C)成分を含有することにより、色褪せ抑制効果が高まる。また、衣料に対する再汚染を抑制する効果も得られる。
【0072】
液体洗浄剤組成物が(C)成分を含有する場合、(C)成分の含有量は液体洗浄剤組成物の総質量に対して、0.5~5.0質量%が好ましく、0.7~3.5質量%がより好ましく、0.7~3.0質量%がさらに好ましく、1.5~3.0質量%が特に好ましい。
(C)成分の含有量が上記下限値以上であると、色褪せ抑制効果がより高まる。また、再汚染抑制効果も高まる。(C)成分の含有量が上記上限値以下であると、液安定性が高まる。また、液の外観が黄変することも抑制できる。
【0073】
(c1)単位は、アルキレンテレフタレート単位及びアルキレンイソフタレート単位からなる群より選択される少なくとも1種の単位である。
アルキレンテレフタレート単位は、下記式(c1-1)で表される単位である。
【0074】
【0075】
式(c1-1)中、R31は低級アルキレン基である。R31の炭素数は1~5が好ましく、1~4がより好ましく、2~4がさらに好ましい。
アルキレンテレフタレート単位としては、例えば、エチレンテレフタレート単位、n-プロピレンテレフタレート単位、イソプロピレンテレフタレート単位、n-ブチレンテレフタレート単位、イソブチレンテレフタレート単位、sec-ブチレンテレフタレート単位、tert-ブチレンテレフタレート単位等が挙げられる。これらの中でも、イソプロピレンテレフタレート単位が好ましい。
すなわち、R31としては、具体的には、エチレン、n-プロピレン、イソプロピレン、n-ブチレン、イソブチレン、sec-ブチレンが挙げられ、イソプロピレンが好ましい。
(C)成分には、これらアルキレンテレフタレート単位が1種単独で含まれていてもよく、2種以上が含まれていてもよい。
【0076】
アルキレンイソフタレート単位は、下記式(c1-2)で表される単位である。
【0077】
【0078】
式(c1-2)中、R41は低級アルキレン基である。R41の炭素数は1~5が好ましく、1~4がより好ましく、2~4がさらに好ましい。
アルキレンイソフタレート単位としては、例えば、エチレンイソフタレート単位、n-プロピレンイソフタレート単位、イソプロピレンイソフタレート単位、n-ブチレンイソフタレート単位、sec-ブチレンイソフタレート単位、tert-ブチレンイソフタレート単位等が挙げられる。これらの中でも、イソプロピレンイソフタレート単位が好ましい。
すなわち、R41としては、具体的には、エチレン、プロピレン、n-ブチレン、sec-ブチレン、及びtert-ブチレンが挙げられ、プロピレンが好ましい。
(C)成分には、これらアルキレンイソフタレート単位が1種単独で含まれていてもよく、2種以上が含まれていてもよい。
【0079】
(C)成分は、(c1)単位として、アルキレンテレフタレート単位及びアルキレンイソフタレート単位の両方を有していてもよく、アルキレンテレフタレート単位及びアルキレンイソフタレート単位のいずれか一方のみを有していてもよい。(C)成分としては、アルキレンテレフタレート単位及びアルキレンイソフタレート単位の双方を有していることがより好ましい。
(C)成分における1分子が有する繰り返し単位(c1)の繰り返し数は、1~10が好ましく、1~6がより好ましく、1~4がさらに好ましい。
【0080】
(c2)単位)は、オキシアルキレン単位及びポリオキシアルキレン単位からなる群より選ばれる少なくとも1種の単位である。
(c2)単位は、下記式(c2-1)で表される。
【0081】
-(R51O)w- ・・・(c2-1)
【0082】
式(c2-1)中、R51における低級アルキレン基の炭素数は、1~4が好ましく、2~4がより好ましく、2又は3がさらに好ましい。
wは、(R51O)の平均繰り返し数を表し、wが1の場合、式(c2-1)で示される単位はオキシアルキレン単位であり、wが2以上の場合、式(c2-1)で示される単位はポリオキシアルキレン単位である。wは1~100の整数であり、1~80の整数が好ましく、1~50の整数がより好ましい。
【0083】
(c2)単位としては、オキシエチレン単位、ポリオキシエチレン単位、オキシプロピレン単位、ポリオキシプロピレン単位、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン単位等が挙げられ、オキシエチレン単位又はポリオキシエチレン単位が好ましい。
(c2)単位は、上記オキシアルキレン単位及びポリオキシアルキレン単位から選択される単位を、単独で、又は2種以上の単位を組み合わせて使用することができる。すなわち、(C)成分は、その1分子中に、繰り返し単位(c2)として、例えば、オキシエチレン単位のみを有していてもよく、オキシプロピレン単位のみを有していてもよく、オキシエチレン単位とオキシプロピレン単位との両方を有していてもよい。
また、(C)成分は、オキシアルキレン単位のみを有していてもよく、ポリオキシアルキレン単位のみを有していてもよく、オキシアルキレン単位とポリオキシアルキレン単位の両方を有していてもよい。
【0084】
(C)成分は、(c1)単位と(c2)単位とがブロック状に重合しているポリマーでもよく、ランダム状に重合しているポリマーでもよい。これらの中でも(C)成分としては(c1)単位と(c2)単位とがブロック状に重合しているポリマーが好ましい。
(C)成分は、(c1)単位及び(c2)単位以外の単位(例えば、重合開始剤、重合停止剤等に由来する単位、その他、(c1)単位又は(c2)単位と重合可能な単位)を含んでいてもよい。ただし、(c1)単位と(c2)単位との合計は、(C)成分における繰り返し単位の総量に対して、80モル%以上が好ましく、90モル%以上がより好ましい。
【0085】
(C)成分としては、例えば、下記式(C1-1)又は下記一般式(C1-2)で表される化合物が挙げられる。
【0086】
【0087】
式(C1-1)式中、Z1はそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基であり、好ましくは共にメチル基である。
R61及びR62はそれぞれ独立して、炭素数2~4のアルキレン基、好ましくは炭素数2~3のアルキレン基である。
x1は、構成単位の平均繰り返し数を表す0~10の数であり、0.5~5が好ましく、0.5~2.5がより好ましい。x1が上記下限値以上であると、色褪せ抑制効果に優れる。x1が上記上限値以下であると、外観安定性に優れた液体洗浄剤が得られやすい。
y1は、(R61O)の平均繰り返し数を表す数であり、それぞれ独立して1~100が好ましく、1~80がより好ましく、1~50がさらに好ましく、10~50が特に好ましく、20~30が最も好ましい。y1が前記の好ましい範囲内であると色褪せ抑制、再汚染防止性等の(C)成分の配合効果がより高められ、かつ水に対する溶解性がより高められる。
式(C1-1)中、x1とy1との比率(x1:y1)は、1:5~1:20が好ましく、1:8~1:18がより好ましい。(x1:y1)が上記範囲内であると、色褪せ抑制、再汚染防止性等の(C)成分の配合効果がより高められ、かつ水に対する溶解性がより高められる。
【0088】
【0089】
式(C1-2)中、Z2はそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基であり、好ましくは共にメチル基である。
R63及びR64はそれぞれ独立して、炭素数2~4のアルキレン基、好ましくは炭素数2~3のアルキレン基である。
x2は、構成単位の平均繰り返し数を表す0~10の数であり、0.5~5が好ましく、0.5~2.5がより好ましい。x2が上記下限値以上であると、色褪せ抑制効果に優れる。x2が上記上限値以下であると、外観安定性に優れた液体洗浄剤がられやすい。
y2は、(R63O)の平均繰り返し数を表す数であり、それぞれ独立して1~100が好ましく、1~80がより好ましく、1~50がさらに好ましく、10~50が特に好ましく、20~30が最も好ましい。y2が前記の好ましい範囲内であると色褪せ抑制、再汚染防止性等の(C)成分の配合効果がより高められ、かつ水に対する溶解性がより高められる。
式(C1-2)式中、x2とy2との比率(x2:y2)は、1:5~1:20が好ましく、1:8~1:18がより好ましい。(x2:y2)が上記範囲内であると色褪せ抑制、再汚染防止性等の(C)成分の配合効果がより高められ、かつ水に対する溶解性がより高められる。
【0090】
(C)成分の質量平均分子量は500~10,000が好ましい。質量平均分子量が上記範囲内であると、水への溶解分散性が向上し、色褪せ抑制効果及び再汚染防止効果がより高められやすくなる。
(C)成分の質量平均分子量の下限値は、800以上がより好ましく、1,000以上がさらに好ましい。
(C)成分の質量平均分子量の上限値は、9,000以下がより好ましく、8,000以下がさらに好ましい。
従って、(C)成分の質量平均分子量は、800~9,000がより好ましく、1,000~8,000がさらに好ましく、1,000~5,000が特に好ましい。
【0091】
(C)成分の質量平均分子量は、溶媒としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いてGPC(ゲルパーミネーションクロマトグラフィー)により測定した値を、PEG(ポリエチレングリコール)を較正曲線に用いて換算した値である。
【0092】
(C)成分は、市場において容易に入手される。また、(C)成分は、各種の刊行物等に記載された方法により合成されてもよい。(C)成分の製造方法が記載された刊行物としては、例えば、Journal of Polymer Science,第3巻,609~630ページ(1948年)、Journal of Polymer Science,第8巻,1~22ページ(1951年)、特開昭61-218699号公報等が挙げられる。
【0093】
(C)成分の市販品としては、例えば、Rhodia社によって供給されているRepel-o-tex(登録商標)ポリマー(SF、SF-2及びSRP6を含む)などのポリエステルソイルリリース剤が挙げられる。
他の好適なソイルリリース剤としては、Clariant社によって供給されているTexcare(登録商標)ポリマー(SRA100、SRA300、SRN100、SRN170、SRN170C、SRN240、SRN300及びSRN325を含む)が挙げられる。また、Sasol社によって供給されているMarloquest(登録商標)SL等のMarloquestポリマーが挙げられる。
【0094】
これらの中でも、水への溶解性が高く、保存安定性にも優れる点から、「TexCare SRN-100」(重量平均分子量2,000~3,000)が好ましい。また、取り扱い性に優れる点から、前記「TexCare SRN-100」の70%水溶液として市販されている、Clariant社製の商品名「TexCare SRN-170C」が好ましい。
【0095】
<(B)成分と(C)成分の合計含有量>
(B)成分と(C)成分の合計含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して0.2~3.4質量%であることが好ましく、1.2~3.0質量%であることがより好ましく、1.7~2.5質量%であることがさらに好ましい。
(B)成分と(C)成分の合計含有量が上記下限値以上であることにより、色褪せ抑制効果が高まる。(B)成分と(C)成分の合計含有量が上記上限値以下であることにより、低温における液安定性が得られる。
【0096】
<(D)成分>
(D)成分は、ポリアルキレンイミンのアルキレンオキシド付加体(以下、「(D11)成分」ともいう。)及びポリアルキレンアミンのアルキレンオキシド付加体(以下、「(D12)成分」ともいう。)からなる群より選ばれる少なくとも1種である。
(D)成分を含有することにより、色褪せ抑制効果が高まる。また、衣料に対する再汚染を抑制する効果も得られる。
【0097】
(D11)成分は、ポリアルキレンイミンのアルキレンオキシド付加体である。
ポリアルキレンイミンは、下記式(d1)で表される。
NH2-R21-(NA21-R21)n-NH2 ・・・(d1)
(式(d1)中、R21はそれぞれ独立して、炭素数2~6のアルキレン基であり、A21は水素原子又は分岐による別のポリアミン鎖を示し、nは、1以上の数である。ただし、前記A21がすべて水素原子であることはない。)
【0098】
R21は、炭素数2~6の直鎖状のアルキレン基又は炭素数3~6の分岐鎖状のアルキレン基である。R21は、炭素数2~4のアルキレン基が好ましく、炭素数2のアルキレン基がより好ましい。
ポリアルキレンイミンは、炭素数2~6のアルキレンイミンの1種又は2種以上を常法により重合して得られる。炭素数2~6のアルキレンイミンとしては、エチレンイミン、プロピレンイミン、1,2-ブチレンイミン、2,3-ブチレンイミン、1,1-ジメチルエチレンイミン等が挙げられる。
ポリアルキレンイミンとしては、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリプロピレンイミンが好ましく、PEIがより好ましい。PEIは、エチレンイミンを重合することによって得られ、その構造中に、1級、2級及び3級アミン窒素原子を含む分岐鎖構造を有している。
【0099】
ポリアルキレンイミンの重量平均分子量は、200~2,000が好ましく、300~1,500がより好ましく、400~1,000がさらに好ましく、500~800が特に好ましい。
なお、本明細書における重量平均分子量は、ポリエチレングリコールを標準物質とし、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により求めた値を意味する。
【0100】
ポリアルキレンイミンとしては、その1分子中に活性水素を5~30個有するものが好ましく、7~25個有するものがより好ましく、10~20個有するものがさらに好ましい。
【0101】
(D11)成分は、ポリアルキレンイミンにアルキレンオキシドを付加して得られる。この方法としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート等の塩基性触媒の存在下、出発物質であるポリアルキレンイミンに対して、100~180℃でエチレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加させる方法等が挙げられる。
アルキレンオキシドとしては、炭素数2~4のアルキレンオキシドが挙げられる。前記アルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドが挙げられ、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドが好ましく、エチレンオキシドがより好ましい。
【0102】
(D11)成分としては、ポリアルキレンイミンのエチレンオキシド付加体、ポリアルキレンイミンのプロピレンオキシド付加体、ポリアルキレンイミンのエチレンオキシド-プロピレンオキシド付加体等が挙げられる。なお、前記ポリアルキレンイミンのエチレンオキシド-プロピレンオキシド付加体は、ポリアルキレンイミンにエチレンオキシド及びプロピレンオキシドを付加したものであり、ポリアルキレンイミンに対するエチレンオキシドとプロピレンオキシドの付加順序や付加形態(ブロック状、ランダム状)は任意である。
(D11)成分としては、ポリアルキレンイミンのエチレンオキシド付加体、ポリアルキレンイミンのエチレンオキシド-プロピレンオキシド付加体が好ましく、ポリアルキレンイミンのエチレンオキシド付加体がより好ましい。
【0103】
(D11)成分としては、原料であるポリアルキレンイミンが有する活性水素1原子に対し、平均5~40個のアルキレンオキシドが付加されたものが好ましく、平均10~30個のアルキレンオキシドが付加されたものが好ましい。即ち、原料であるポリアルキレンイミンが有する活性水素1モルあたりに、平均5~40モルのアルキレンオキシドが付加されたものが好ましく、平均10~30モルのアルキレンオキシドが付加されたものが好ましい。
【0104】
(D11)成分の重量平均分子量は、1,000~80,000が好ましく、2,000~50,000がより好ましく、5,000~30,000がさらに好ましく、10,000~20,000が特に好ましい。
(D11)成分としては、例えば、下記式(d1-1)で表される化合物が挙げられる。
【0105】
【0106】
式(d1-1)中、R22はそれぞれ独立して、炭素数2~6のアルキレン基であり、mはそれぞれ独立して、1以上の数である。
R22は、炭素数2又は3のアルキレン基が好ましく、炭素数2のアルキレン基がより好ましい。
mは、(R22O)の平均繰り返し数であり、5~40が好ましく、10~30がより好ましい。なお、本明細書において、オキシアルキレン基(アルキレンオキシド)の平均繰り返し数を「平均付加モル数」ともいう。
(D11)成分としては、合成品が用いられてもよいし、市販品が用いられてもよい。
(D11)成分の市販品としては、例えばBASF社製の商品名「Sokalan HP20」等が挙げられる。
【0107】
(D12)成分は、ポリアルキレンアミンのアルキレンオキシド付加体である。
ポリアルキレンアミンは、下記式(d2)で表される。
NH2(R23NH)lH ・・・(d2)
(式(d2)中、R23は炭素数2~6のアルキレン基であり、lは1以上の数である。)
【0108】
R23は、炭素数2~6の直鎖状のアルキレン基又は炭素数3~6の分岐鎖状のアルキレン基である。R31は、炭素数2~4のアルキレン基が好ましく、炭素数2のアルキレン基がより好ましい。
ポリアルキレンアミンとしては、ポリエチレンアミンが好ましい。ポリエチレンアミンとしては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン等が挙げられる。なお、これらのポリエチレンアミンは、公知の製造方法、例えばアンモニア及びエチレンジクロリドを反応させることで得られる。
【0109】
ポリアルキレンアミンの重量平均分子量は、60~1800が好ましく、60~1,000がより好ましく、60~800がさらに好ましい。
【0110】
ポリアルキレンアミンとしては、その1分子中に活性水素を6~30個有するものが好ましく、7~20個有するものがさらに好ましい。
【0111】
(D12)成分は、ポリアルキレンアミンにアルキレンオキシドを付加して得られる。この反応は、(D11)成分と同様に行える。アルキレンオキシドとしては、炭素数2~4のアルキレンオキシドが挙げられる。前記アルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドが挙げられ、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドが好ましく、エチレンオキシドがより好ましい。
【0112】
(D12)成分としては、ポリアルキレンアミンのエチレンオキシド付加体、ポリアルキレンアミンのプロピレンオキシド付加体、ポリアルキレンアミンのエチレンオキシド-プロピレンオキシド付加体等が挙げられる。
(D12)成分としては、ポリアルキレンアミンのエチレンオキシド付加体、ポリアルキレンアミンのエチレンオキシド-プロピレンオキシド付加体が好ましく、ポリアルキレンアミンのエチレンオキシド付加体がより好ましい。
【0113】
(D12)成分としては、原料であるポリアルキレンアミンが有する活性水素1原子に対し、平均5~40個のアルキレンオキシドが付加されたものが好ましく、平均10~30個のアルキレンオキシドが付加されたものが好ましい。即ち、原料であるポリアルキレンアミンが有する活性水素1モルあたりに、平均5~40モルのアルキレンオキシドが付加されたものが好ましく、平均10~30モルのアルキレンオキシドが付加されたものが好ましい。
【0114】
(D12)成分の重量平均分子量は、1,000~80,000が好ましく、2,000~50,000がより好ましく、5,000~30,000がさらに好ましく、10,000~20,000が特に好ましい。
【0115】
(D)成分としては、(D11)成分が好ましい。(D11)成分の中でも、ポリエチレンイミンのエチレンオキシド付加体が好ましい。
(D)成分は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
【0116】
(D)成分の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して0.1~10質量%が好ましく、1~5質量%がより好ましい。(D)成分の含有量が上記下限値以上であると、被洗物の色褪せをより良好に抑制できる。(D)成分の含有量が上記上限値以下であると、低温下での液安定性をより高められる。
【0117】
<その他の界面活性剤>
本発明の液体洗浄剤組成物は(A)成分以外の界面活性剤(他の界面活性剤)を含んでもよい。
他の界面活性剤としては、カチオン界面活性剤、半極性界面活性剤、両極性界面活性剤等が挙げられる。他の界面活性剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
【0118】
カチオン界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩等が挙げられる。第4級アンモニウム塩の形態としては、例えばアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(マグネシウム塩等)、アルカノールアミン塩(モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩等)等が挙げられる。
カチオン界面活性剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
【0119】
両性界面活性剤としては、例えばアルキルベタイン型、アルキルアミドベタイン型、イミダゾリン型、アルキルアミノスルホン型、アルキルアミノカルボン酸型、アルキルアミドカルボン酸型、アミドアミノ酸型、リン酸型両性界面活性剤等が挙げられる。
両性界面活性剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
【0120】
半極性界面活性剤としては、例えばアルキルアミンオキシド、アルキルアミドプロピルジメチルアミンオキシド等が挙げられる。
半極性界面活性剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
【0121】
<pH調整剤>
本発明の液体洗浄剤組成物は、pH調整剤を含有してもよい。
pH調整剤としては、例えば塩酸、硫酸、リン酸、パラトルエンスルホン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アンモニアなどが挙げられる。
pH調整剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
【0122】
<その他の任意成分>
本発明の液体洗浄剤組成物は、上述した以外にも、任意成分として、キレート剤、酵素、水混和性溶媒、高級脂肪酸又はその塩、構造化剤、構造化剤以外の増粘剤、抗菌剤、防腐剤、酸化防止剤、無機還元剤、酵素安定化剤、風合い向上剤、移染防止剤、着色剤、香料、乳濁化剤、蛍光剤、カチオン化ポリマー、変色防止剤、ハイドロトロープ剤、漂白剤、パール剤、天然物等のエキス等が挙げられる。
酵素としては、例えばプロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、マンナナーゼ等が挙げられる。
【0123】
水混和性有機溶剤は、25℃の水1Lに25g以上溶解する有機溶剤である。
水混和性有機溶剤としては、例えばエタノール、グリセリン、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール(ソルフィット、商品名)等のアルコール類;プロピレングリコール(PG)、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール等のグリコール類;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、分子量約200~1,000のポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のポリグリコール類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のアルキルエーテル類等が挙げられる。
【0124】
高級脂肪酸又はその塩としては、例えばカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸等の単一脂肪酸又はその塩;ヤシ脂肪酸、牛脂脂肪酸等の混合脂肪酸又はその塩等が挙げられる。
液体洗浄剤組成物が高級脂肪酸又はその塩(石鹸)を含んでいると、消泡性が高まる。なお、「消泡性」とは、液体洗浄剤組成物を用いて洗濯する際、具体的には液体洗浄剤組成物が水道水等で希釈されて使用されるときの泡立ちを抑える性質のことである。
【0125】
抗菌剤としては、例えばダイクロサン、トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール、ポリリジン、ポリヘキサメチレンビグアニド等が挙げられる。これらの中でも、ジフェニル構造を有する抗菌剤が好ましく、ダイクロサン、トリクロサンがより好ましい。
抗菌剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
【0126】
<物性>
液体洗浄剤組成物のpHは、25℃で6.2~8.3であることが好ましく、6.5~7.25であることがより好ましい。pHをこの範囲とすることで、保存後の成分の安定性が高まる。また、ほぼ中性とすることで、使用時の安全性が高まる。
液体洗浄剤組成物のB型粘度計で測定した25℃における粘度は10~1,000mPa・sが好ましく、10~500Pa・sがより好ましい。この粘度にすることで液体洗剤を計量する際の取り扱いが良好となる。
【0127】
<製造方法>
本発明の液体洗浄剤組成物は、従来公知の液体洗浄剤組成物の製造方法に準じて製造することができる。例えば、水の一部に、(A)成分と、(B)成分と、必要に応じて(C)成分と、他の任意成分とを加えて溶解させ、必要に応じてpH調整剤でpHを調整し、残りの水を加えることにより調製される。
【0128】
<使用方法>
液体洗浄剤組成物の使用方法としては、例えば液体洗浄剤組成物を洗濯機の液体洗浄剤組成物の投入口に入れてから洗濯機を稼働させる方法、液体洗浄剤組成物を洗濯時に被洗物と一緒に水に投入する方法、液体洗浄剤組成物を予め水に溶解して調製される洗浄液に被洗物を浸漬する方法、液体洗浄剤組成物を被洗物に直接塗布して、例えば3分~24時間放置し、その後、通常の洗濯を行う方法等が挙げられる。
【0129】
また、近年実用化された洗剤自動投入装置を備えた洗濯機を使用することも好ましい。洗剤自動投入装置は、液体洗浄剤組成物を収容したタンクから、タンクの底に設けられたゴミ取り用のフィルター、及び投入用配管を経由して、自動的に洗濯槽に液体洗浄剤組成物を投入する装置である。投入用配管の途中には、シリンジポンプ等の計量手段が設けられており、洗濯物の量等に応じて設定された一定量を、タンクから洗濯槽へと移送できるようになっている。
洗剤自動投入装置を利用すれば、計量の手間が省けるだけでなく、計量時に液体洗浄剤組成物が手に付着したり、こぼれて洗濯機や周囲を汚してしまったりすることを回避できる。
【0130】
また、自動で所定の量の液体を吐出できる自動ディスペンサーを使用することも好ましい。自動ディスペンサーを使用する場合も、少量の液体洗浄剤組成物でも正確に計量することができるため、充分な洗浄力を発揮しやすく、使いすぎによる無駄も回避できるので好ましい。
自動ディスペンサーの中には、赤外線センサ等を利用して、スイッチ等に触れなくとも自動的に吐出するものも市販されている。このような自動ディスペンサーを使用すれば、片手に保持した容器を差し出すだけで液体洗浄剤組成物を計量することができ、使用者の負担軽減効果が大きい。
【0131】
また、自動ディスペンサーを使用する場合、軟質容器に吐出された液体洗浄剤組成物を受け、その軟質容器をそのまま洗濯機に投入することも好ましい。これにより、吐出された液体洗浄剤組成物の全量を、確実に洗浄液中に溶解させることができる。
そのまま洗濯機に投入可能な軟質容器の材質としては、例えば、シリコ-ン樹脂、ポリ塩化ビニル、エラストマー、軟質ポリエステル、軟質ポリプロピレン、ポリウレタン等が挙げられる。
【0132】
被洗物の例としては、例えば衣類(衣料)、布巾、タオル類、シーツ、カーテン等の繊維製品等が挙げられる。繊維製品の素材は特に限定されず、綿、絹、羊毛等の天然繊維、ポリエステル、ポリアミド等の化学繊維等のいずれでもよい。
液体洗浄剤組成物を水に溶解して使用する場合、例えば5~6,000倍(体積基準)に希釈することが好ましい。
衣類量あたりの水量である浴比(洗濯時の洗浄液の質量/衣類の質量)は、ドラム型洗濯機であれば5以上、縦型洗濯機であれば10以上が好ましい。
液体洗浄剤組成物は、繊維製品用の洗浄剤として好適である。
【実施例0133】
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によって限定されるものではない。
本実施例において使用した原料は、下記の<使用原料>に示す通りである。
【0134】
<使用原料>
[(A)成分]
・A1-1:AE(7)、炭素数12~14の直鎖アルコールに、7モル相当のエチレンオキシドを付加した、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、商品名「レオックスCL-70」、前記式(a1)中、R11が炭素数12~14の直鎖アルキル基であり、R12が水素原子であり、sが0、tが0、uが7である化合物。
【0135】
・A1-2:AE(12)、炭素数12~14の直鎖アルコールに、12モル相当のエチレンオキシドを付加した、ポリオキシエチレンアルキルエーテル。前記式(a1)中、R11が炭素数12~14の直鎖アルキル基であり、R12が水素原子であり、sが0、tが0、uが12である化合物。
【0136】
・A1-3:AE(15)、炭素数12~14の直鎖アルコールに、15モル相当のエチレンオキシドを付加した、ポリオキシエチレンアルキルエーテル。前記式(a1)中、R11が炭素数12~14の直鎖アルキル基であり、R12が水素原子であり、sが0、tが0、uが15である化合物。
【0137】
・A1-4:分岐AE(7)、炭素数12~14の分岐アルコールに、7モル相当のエチレンオキシドを付加した、ポリオキシエチレンアルキルエーテル。前記式(a2)中、R13が炭素数12~14の分岐アルキル基であり、R14が水素原子であり、vが0、wが0、xが7である化合物。
【0138】
・A2-1:LAS-H、炭素数10~14のアルキル基を有する直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、商品名「ライポンLH-200」)。
【0139】
・A2-2:AES(1)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム塩(炭素数12の直鎖状のアルキル基(C12)を有しオキシエチレン基の平均繰り返し数が1であるものと、炭素数14の直鎖状のアルキル基(C14)を有しオキシエチレン基の平均繰り返し数が1であるもの、との混合物(質量比でC12:C14=75:25)。前記式(a4)中、R17が炭素数12又は14の直鎖アルキル基であり、mが1、nが0、Mがナトリウムである化合物。
【0140】
[(B)成分]
・B―1:オクチルドデカノール、商品名「Eutanol(登録商標)G-JP」、BASF社製。
・B―2:アルキルポリグルコシドと部分的にエステル化された脂肪酸とグリセロールの水性ブレンド、商品名「Plantatex(登録商標)LLE」、BASF社製。
・B―3:パルミチン酸エチルヘキシル、商品名「Cegesoft(登録商標)C24RC」、BASF社製。
【0141】
・B-4:エチルヘキサン酸セチル、商品名「Cetiol(登録商標)SN1」、BASF社製。
・B-5:イソノナン酸セテアリル、セテアレス-20、セテアリルアルコール、ステアリン酸グリセリル、グリセリン、セテアレス-12、パルミチン酸セチルの混合物、商品名「Emulgade(登録商標)CM」、BASF社製。
【0142】
[(BX)成分]
・BX―1:ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸グリセリル、商品名「Cetiol(登録商標)HE-JP」、BASF社製。
【0143】
[(C)成分]
・C―1:ソイルリリース剤、質量平均分子量=2,000~3,000、pH(20℃の5質量%水溶液)=4、粘度(20℃)=300mPa・s。商品名「Texcare(登録商標)SRN170C」、CLARIANT社製。TexCare SRN-170Cは、商品名:TexCare SRN-100(クラリアントジャパン社製、質量平均分子量:2,000~3,000)の70質量%水溶液である。
【0144】
[その他]
・ヤシ脂肪酸:商品名「椰子脂肪酸」、日油株式会社製。
・Sokalan HP20:ポリエチレンイミンのエチレンオキシド付加体商品名「Sokalan(登録商標) HP20」、BASF社製。
・ダイクロサン:4,4’-ジクロロ-2-ヒドロキシジフェニルエーテル、商品名「TINOSAN(登録商標) HP100」、BASF社製。
・PEG1000:ポリエチレングリコール、商品名「PEG#1000-L60」重量平均分子量=1,000)、ライオン株式会社製。
・ソルフィット:3-メトキシ-3-メチルブタノール、商品名「ソルフィット(登録商標)」、株式会社クラレ製。
・エタノール:商品名「特定アルコール95度合成」、日本アルコール販売株式会社製。
・乳酸Na:商品名「乳酸ナトリウム」、株式会社武蔵野化学研究所製。
・pTs-H:p-トルエンスルホン酸、商品名「PTS酸」、明友産業株式会社製。
・MEA:MEA(モノエタノールアミン)、株式会社日本触媒製。
・クエン酸:商品名「液体クエン酸」、扶桑学工業株式会社製。
・酵素:酵素液体製剤、商品名「Medley Core 210L」、ノボザイムズ社製、。
・香料:商品名「Aquatic Powdery」、ジボダン ジャパン株式会社製。
・色素:商品名「Liquitint SeaGreenCC」、ミリケン・ジャパン合同会社製。
・水:蒸留水。
【0145】
<実施例1~18、比較例1~7>
表1~3の配合(単位:質量%)に従い、各例の液体洗浄剤組成物1,000gを調整した。なお、表1~3における共通成分の内訳は、表4に示すとおりである。ただしpH調整債であるMEAの使用量はpを7とするために必要な適量である。表4には、平均的な使用量である2.5質量%を記載した。各例の液体洗浄剤組成物1,000gは、下記の手順で調製した。
【0146】
1Lビーカーに水の一部と表1~3に示す成分を入れ、マグネチックスターラー(Fine社製、「F-606N」)で充分に攪拌した。攪拌後、25℃のpHが表1~3の値となるように必要に応じてさらにpH調整剤を適量添加した後、全体量が100質量%になるように水を入れ、さらによく攪拌し、液体洗浄剤組成物を得た。
【0147】
液体洗浄剤組成物のpH(25℃)は、液体洗浄剤組成物を25℃に調温し、ガラス電極式pHメーター(東亜ディーケーケー株式会社製、「HM-30G」)を用い、ガラス電極を液体洗浄剤組成物に直接浸漬し、1分間経過後に示すpHを測定した。測定方法はJIS Z 8802:1984「pH測定方法」に準拠して行った。
【0148】
<色褪せ抑制効果>
各例で得られた液体洗浄剤組成物の色褪せ抑制効果を以下の評価方法により評価した。結果を表1~3に示す。
【0149】
[評価方法]
液体洗浄剤組成物(実施例1~7及び11~18、比較例1~7は8.3g、実施例8は6g、実施例9は21g、実施例10は33g)と水25Lと評価布(下記黒Tシャツ、あるいはEMPA277)1.25kgとを洗濯機に投入し、下記洗濯条件に従い評価布を洗浄することを10回繰り返した。その後自然乾燥により乾燥させた。
【0150】
なお、各例における液体洗浄剤組成物の使用量は、一律ではなく、各例の洗浄剤組成物の活性剤濃度に応じて変更した。
各例の液体洗浄剤組成物に代えて比較例1の液体洗浄剤組成物を用いた他は同様にして、洗濯し乾燥させた評価布(黒Tシャツ、あるいはEMPA277)を基準評価布とした。
【0151】
・評価布(黒Tシャツ):GUソフトコットンクルーネックT(長袖)品番336119。
・評価布(EMPA277):Swissatest社より購入、Cotton Jeans fabric with Indigo dyeing。
・洗濯条件:東芝縦型洗濯機NA-VX7600L、洗浄10分、ためすすぎ2回、脱水6分。
【0152】
[採点基準]
専門パネラー10人が、シェッフェの一対比較法により、液体洗浄剤組成物で洗濯した各例の評価布と基準品評価布との一対比較を行い、下記採点基準に従って採点した。
各例の評価布と基準評価布とを比較して「色褪せのなさ」にはっきりと差がある場合、色褪せがない方の評価布に+2点、ある方の評価布に-2点を与える。
各例の評価布と基準評価布とを比較して「色褪せのなさ」にやや差がある場合、色褪せがややない方の評価布に+1点、ややある方の評価布に-1点を与える。
各例の評価布と基準評価布とを比較して「色褪せのなさ」に差が認められない場合、両者に0点を与える。
【0153】
[評価基準]
専門パネラー10人の採点の合計点を求め、下記評価基準に基づいて、各例の色褪せ抑制効果を評価した。
◎:10人の合計点が10~20点であった。
○:10人の合計点が6~9点であった。
△:10人の合計点が1~5点であった。
×:10人の合計点が0点以下であった。
【0154】
<低温安定性評価試験>
ガラス容器(PS11瓶)に各例の液体洗浄剤組成物を充填・密閉し、-5℃で1か月静置保存した。保存後の液体洗浄剤組成物の外観を目視で確認し、下記評価基準に従って評価した。結果を表1~3に示す。
【0155】
[評価基準]
〇:析出・沈殿や相分離、流動性の悪化がない
△:析出・沈殿や相分離、流動性の悪化がわずかに認められる
×:顕著に析出・沈殿や相分離、流動性の悪化がある
【0156】
【0157】
【0158】
【0159】
【0160】
表1、2に示すように、実施例の液体洗浄剤組成物は、色褪せ抑制効果に優れ、実用上問題のない低温安定性が得られた。これに対して、表3に示すように、比較例の液体洗浄剤組成物は、色褪せ抑制効果と低温安定性の何れかで劣っていた。