特開 2024-94961 印刷装置及び印刷量管理システム

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024094961

(43)【公開日】2024-07-10

(54)【発明の名称】印刷装置及び印刷量管理システム

(51)【国際特許分類】

   B41J 29/38 20060101AFI20240703BHJP

   G06F 3/12 20060101ALI20240703BHJP

   B41J 29/00 20060101ALI20240703BHJP

   B41J 29/42 20060101ALI20240703BHJP

   H04N 1/00 20060101ALI20240703BHJP

【ＦＩ】

B41J29/38 201

G06F3/12 373

G06F3/12 304

B41J29/00 Z

B41J29/42 F

H04N1/00 127Z

H04N1/00 C

【審査請求】未請求

【請求項の数】14

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2022211900

(22)【出願日】2022-12-28

(71)【出願人】

【識別番号】000005267

【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】110003096

【氏名又は名称】弁理士法人第一テクニカル国際特許事務所

(72)【発明者】

【氏名】奥野 哲也

【テーマコード（参考）】

2C061

5C062

【Ｆターム（参考）】

2C061AP01

2C061AP07

2C061AQ05

2C061AQ06

2C061AR03

2C061AS02

2C061CQ05

2C061CQ24

2C061CQ34

2C061HJ07

2C061HJ08

2C061HK15

2C061HN05

2C061HN15

2C061HP00

5C062AA05

5C062AA13

5C062AA29

5C062AB20

5C062AB22

5C062AB23

5C062AB38

5C062AB40

5C062AC02

5C062AC04

5C062AC05

5C062AC34

5C062AF07

5C062AF08

(57)【要約】

【課題】ユーザの手動操作に基づき印刷権限の購入を行う場合とユーザの操作なく印刷権限を自動購入する場合とで、印刷装置を互いに異なる態様で制御し、ユーザの利便性向上を図る。
【解決手段】複合機２００は、印刷部２９０と、プロセッサ２１０と、を有し、プロセッサ２１０は、印刷可能枚数に対し、ユーザの手動操作による購入要求に基づくチャージ枚数、若しくは、ユーザの購入要求に基づかずに自動購入されたチャージ枚数、のいずれが加算されるかを表すモード情報を取得するステップＳ５と、ステップＳ５で取得されたモード情報に基づき、端末装置３００のタッチパネル３４０又は複合機２００の表示部２４０での表示又は端末装置３００のタッチパネル３４０又は複合機２００の操作部２５０での操作に係わる制御モードを、手動チャージ動作モード、若しくは、オートチャージ動作モード、に切り替えるステップＳ１５，ステップＳ２０と、を実行する。
【選択図】図５

【特許請求の範囲】

【請求項1】

印刷部と、
制御部と、
を有し、
許容印刷量を上限として印刷を実行可能に構成され、かつ、ユーザの金銭的負担により取得される印刷権限が保証する所定の保証印刷量に応じて前記許容印刷量を増加可能に構成された印刷装置であって、
前記制御部は、
前記許容印刷量に対し、ユーザの手動操作による購入要求に基づく第１印刷権限に対応する第１保証印刷量、若しくは、ユーザの前記購入要求に基づかずに自動購入された第２印刷権限に対応する第２保証印刷量、のいずれが加算されるかを表す加算種別情報を取得する取得処理と、
前記取得処理で取得された前記加算種別情報に基づき、表示部での表示又は操作部での操作に係わる制御モードを、前記第１保証印刷量が加算される場合の第１モード、若しくは、前記第２保証印刷量が加算される場合の第２モード、に切り替えるモード切替処理と、
を実行するよう構成されている、印刷装置。

【請求項2】

前記制御部は、さらに、
前記モード切替処理で前記第２モードに切り替えられた場合に、前記操作部での前記手動操作による前記購入要求を実行不可とする不可化処理を実行するよう構成されている、請求項１記載の印刷装置。

【請求項3】

前記制御部は、前記不可化処理において、
前記購入要求の実行に必要な表示を前記表示部に行わせない制御信号を出力するよう構成されている、請求項２記載の印刷装置。

【請求項4】

前記制御部は、前記不可化処理において、
前記操作部における前記購入要求のための前記手動操作を無効化する制御信号を出力するよう構成されている、請求項２記載の印刷装置。

【請求項5】

前記制御部は、さらに
前記モード切替処理で前記第１モード及び前記第２モードのいずれに切り替えられるかによって、前記表示部における表示内容を切り替える制御信号を出力する表示切替処理を実行するよう構成されている、請求項１記載の印刷装置。

【請求項6】

前記制御部は、前記表示切替処理において、
前記モード切替処理で前記第２モードに切り替えられている場合には、前記表示部において当該第２モードである旨の表示を行わせる制御信号を出力するよう構成されている、請求項５記載の印刷装置。

【請求項7】

前記制御部は、さらに、
前記許容印刷量が第１閾値以下となったか否かを判定する第１判定処理を実行し、
前記第１判定処理にて前記許容印刷量が前記第１閾値以下となったと判定されたとき、前記モード切替処理で前記第２モードに切り替えられていた場合には、前記表示切替処理において、前記表示部に前記自動購入の完了まで待機する待機要請メッセージの表示を行わせる制御信号を出力し、前記モード切替処理で前記第１モードに切り替えられていた場合には、前記表示切替処理において、前記表示部に前記手動操作による前記購入要求の購入要請メッセージの表示を行わせる制御信号を出力するよう構成されている、請求項５記載の印刷装置。

【請求項8】

前記制御部は、
前記第１判定処理にて前記許容印刷量が前記第１閾値以下となったと判定されたとき、前記モード切替処理で前記第１モードに切り替えられていた場合には、さらに、前記表示切替処理において、前記表示部に前記第２モードへの切替操作の要請メッセージの表示を行わせる制御信号を出力するよう構成されている、請求項７記載の印刷装置。

【請求項9】

前記制御部は、さらに、
前記許容印刷量が第２閾値以下となったか否かを判定する第２判定処理を実行し、
前記第２判定処理にて前記許容印刷量が前記第２閾値以下となったと判定されたとき、前記モード切替処理で前記第２モードに切り替えられていた場合には、前記表示切替処理において前記表示部に要請メッセージの表示を行わせる制御信号を出力せず、前記モード切替処理で前記第１モードに切り替えられていた場合には、前記表示切替処理において前記表示部に前記手動操作による前記購入要求の検討要請メッセージの表示を行わせる制御信号を出力するよう構成されている、請求項５記載の印刷装置。

【請求項10】

前記制御部は、さらに、
前記印刷装置が、前記印刷権限を管理する情報管理装置に対してオンライン状態にあるか否かを判定する第３判定処理を実行し、
前記第３判定処理にて前記オンライン状態ではないと判定され、かつ前記モード切替処理で前記第２モードに切り替えられていた場合には、前記表示切替処理において、前記表示部に前記印刷装置を前記情報管理装置に対し通信可能な状態に接続する接続要請メッセージの表示を行わせる制御信号を出力するよう構成されている、請求項５記載の印刷装置。

【請求項11】

前記制御部は、前記表示切替処理において、
前記モード切替処理で前記第２モードに切り替えられていた場合には、前記表示部に前記許容印刷量の表示を行わせる制御信号を出力せず、前記モード切替処理で前記第１モードに切り替えられていた場合には、前記表示部に前記許容印刷量の表示を行わせる制御信号を出力するよう構成されている、請求項５記載の印刷装置。

【請求項12】

前記制御部は、前記表示切替処理において、
前記モード切替処理で前記第２モードに切り替えられていた場合には、前記表示部に前記許容印刷量の表示を通常態様で行わせる制御信号を出力し、前記モード切替処理で前記第１モードに切り替えられていた場合には、前記表示部に前記許容印刷量の表示を所定の強調態様で行わせる制御信号を出力するよう構成されている、請求項５記載の印刷装置。

【請求項13】

前記制御部は、前記表示切替処理において、
前記モード切替処理で前記第２モードに切り替えられている場合には、前記表示部に、前記自動購入による決済に係わる与信関連情報の表示を行わせる制御信号を出力するよう構成されている、請求項５記載の印刷装置。

【請求項14】

端末装置と、
シート上に画像を印刷可能な印刷装置と、
前記印刷装置と前記端末装置とに対しネットワーク経由で通信可能な通信Ｉ／Ｆ、及び、前記印刷装置を管理し、ユーザの金銭的負担により取得される印刷権限が保証する所定の保証印刷量に応じて前記印刷装置の許容印刷量を増加可能とする制御部、を有する情報管理装置と、
を有する印刷量管理システムであって、
前記許容印刷量に対し、ユーザの手動操作による購入要求に基づく第１印刷権限に対応する第１保証印刷量、若しくは、ユーザの前記購入要求に基づかずに自動購入された第２印刷権限に対応する第２保証印刷量、のいずれが加算されるかを表す加算種別情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記加算種別情報に基づき、表示部での表示又は操作部での操作に係わる制御モードを、前記第１保証印刷量が加算される場合の第１モード、若しくは、前記第２保証印刷量が加算される場合の第２モード、に切り替えるモード切替部と、
を有する、印刷量管理システム。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、印刷装置及び印刷量管理システムに関する。

【背景技術】

【0002】

印刷装置を使用するユーザが、サービス提供者に対して印刷内容に応じた課金料金を支払う印刷サービスにおいて、プリペイド方式の料金システムが導入される場合がある。従来、例えば特許文献１に記載のように、ユーザが有償で印刷権限を購入し、その印刷権限が保証する所定の印刷量を上限として印刷を行えるようにした技術が知られている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】特開２０２１－６８３７２号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

上記従来技術では、印刷権限が保証する保証印刷量に基づく印刷処理が完遂され、印刷装置にて印刷可能な上限値である許容印刷量がゼロとなった場合、ユーザは新たに印刷権限を購入しその印刷権限が保証する保証印刷量を加えて許容印刷量を増大させることで、印刷を続行することができる。

【0005】

上記従来技術では、ユーザの手動操作による購入要求により印刷権限を取得し保証印刷量を加える手法以外の許容印刷量の増大手法については考慮されていない。
ここで新たに、所定条件を満たす場合にユーザの購入要求に基づくことなく印刷権限を自動購入し保証印刷量を加えることで、上記許容印刷量を加算可能とする場合を考える。この場合、ユーザは、前述の印刷権限の購入のための手動操作を行う手間なく、印刷装置における許容印刷量を増やせることになる。
そして、上記のようにユーザの手動操作による購入要求により印刷権限を取得する場合と、ユーザの購入要求に基づくことなく印刷権限を自動購入する場合とで、印刷装置の各部の動作を切り替えて制御するようにすれば、ユーザにとって便利である。

【0006】

本発明の目的は、ユーザの手動操作に基づき印刷権限の購入を行う場合とユーザの操作なく印刷権限を自動購入する場合とで、印刷装置を互いに異なる態様で制御し、ユーザの利便性向上を図ることができる印刷装置及び印刷量管理システムを提供することにある。

【課題を解決するための手段】

【0007】

上記目的を達成するために、本願発明の印刷装置は、印刷部と、制御部と、を有し、許容印刷量を上限として印刷を実行可能に構成され、かつ、ユーザの金銭的負担により取得される印刷権限が保証する所定の保証印刷量に応じて前記許容印刷量を増加可能に構成された印刷装置であって、前記制御部は、前記許容印刷量に対し、ユーザの手動操作による購入要求に基づく第１印刷権限に対応する第１保証印刷量、若しくは、ユーザの前記購入要求に基づかずに自動購入された第２印刷権限に対応する第２保証印刷量、のいずれが加算されるかを表す加算種別情報を取得する取得処理と、前記取得処理で取得された前記加算種別情報に基づき、表示部での表示又は操作部での操作に係わる制御モードを、前記第１保証印刷量が加算される場合の第１モード、若しくは、前記第２保証印刷量が加算される場合の第２モード、に切り替えるモード切替処理と、を実行するよう構成されている。

【0008】

本願発明の印刷装置においては、制御部により取得処理が行われる。取得処理では、加算種別情報が取得される。加算種別情報は、印刷装置の許容印刷量に対し第１保証印刷量及び第２保証印刷量のいずれが加算されるかを表す。第１保証印刷量は、第１印刷権限に対応する。第１印刷権限は、ユーザの手動操作による購入要求に基づく印刷権限である。第２保証印刷量は第２印刷権限に対応する。第２印刷権限は、自動購入された印刷権限である。
取得された加算種別情報に基づき、制御部によりモード切替処理が行われる。モード切替処理では、制御モードが、第１モード若しくは第２モードに切り替えられる。ユーザの手動操作に基づき第１印刷権限が取得されている場合には、第１モードに切り替えられる。ユーザの手動操作によらずに自動購入で第２印刷権限が取得されている場合には、第２モードに切り替えられる。
本願発明によれば、ユーザの手動操作に基づき第１印刷権限が購入される場合とユーザの操作なく第２印刷権限が自動購入される場合とで、印刷装置を互いに異なる態様で制御する。そのため、本願発明の印刷装置によれば、ユーザの利便性向上を図ることができる。

【0009】

また、上記目的を達成するために、本願発明の印刷量管理システムは、端末装置と、シート上に画像を印刷可能な印刷装置と、前記印刷装置と前記端末装置とに対しネットワーク経由で通信可能な通信Ｉ／Ｆ、及び、前記印刷装置を管理し、ユーザの金銭的負担により取得される印刷権限が保証する所定の保証印刷量に応じて前記印刷装置の許容印刷量を増加可能とする制御部、を有する情報管理装置と、を有する印刷量管理システムであって、前記許容印刷量に対し、ユーザの手動操作による購入要求に基づく第１印刷権限に対応する第１保証印刷量、若しくは、ユーザの前記購入要求に基づかずに自動購入された第２印刷権限に対応する第２保証印刷量、のいずれが加算されるかを表す加算種別情報を取得する取得部と、前記取得部により取得された前記加算種別情報に基づき、表示部での表示又は操作部での操作に係わる制御モードを、前記第１保証印刷量が加算される場合の第１モード、若しくは、前記第２保証印刷量が加算される場合の第２モード、に切り替えるモード切替部と、を有する。

【発明の効果】

【0010】

本発明によれば、ユーザの手動操作に基づき印刷権限の購入を行う場合とユーザの操作なく印刷権限を自動購入する場合とで、印刷装置を互いに異なる態様で制御し、ユーザの利便性向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【0011】

【図1】実施形態に係る印刷サービス提供システムの構成の一例を表すブロック図である。

【図2】端末装置の構成の一例を表すブロック図である。

【図3】印刷サービス提供システムにおける情報の送受形態の一例を表す図である。

【図4】オートチャージモードへの切替や手動チャージモードへの切替の際に、管理サーバのプロセッサ、複合機のプロセッサ、及び端末装置のＣＰＵが実行する制御手順の一例を表すシーケンスチャートである。

【図5】複合機の制御モードを切り替える際に、複合機のプロセッサが実行する制御手順の一例を表すフローチャートである。

【図6】制御モードの切り替えを実行しない場合に、手動チャージモードにおいてユーザの手動操作によりチャージ枚数が印刷可能枚数に対して加算される際の、端末装置のタッチパネルに表示される画面の一例を表す図である。

【図7】不可化処理が実行された場合に、端末装置のタッチパネルに表示されるホーム画面の具体例を表す図である。

【図8】オートチャージモードである旨を表示させる表示切替処理が実行された場合に、端末装置のタッチパネルに表示されるホーム画面の具体例を表す図である。

【図9】印刷を実行する際に、複合機のプロセッサが実行する制御手順の一例を表すフローチャートである。

【図10】購入要求の検討要請メッセージを表示させる処理が実行された場合に、端末装置のタッチパネルに表示されるホーム画面の具体例を表す図である。

【図11】購入要求の購入要請メッセージを表示させる処理が実行された場合に、端末装置のタッチパネルに表示されるホーム画面の具体例を表す図である。

【図12】待機要請メッセージを表示させる処理が実行された場合に、端末装置のタッチパネルに表示されるホーム画面の具体例を表す図である。

【図13】接続要請メッセージと待機要請メッセージを表示させる処理が実行された場合に、端末装置のタッチパネルに表示されるホーム画面の具体例を表す図である。

【図14】手動チャージモードからオートチャージモードへの切替を要請する変形例において、印刷を実行する際に、複合機のプロセッサが実行する制御手順の一例を表すフローチャートである。

【図15】モード切替操作の要請メッセージを表示させる処理が実行された場合に、端末装置のタッチパネルに表示されるホーム画面の具体例を表す図である。

【図16】制御モードに応じて印刷可能枚数の表示の有無を切り替える変形例において、複合機の制御モードを切り替える際に、複合機のプロセッサが実行する制御手順の一例を表すフローチャートである。

【図17】制御モードに応じて印刷可能枚数の表示の有無を切り替える変形例における、端末装置のタッチパネルに表示されるホーム画面の具体例を表す図である。

【図18】制御モードに応じて印刷可能枚数の表示態様を変更する変形例において、複合機の制御モードを切り替える際に、複合機のプロセッサが実行する制御手順の一例を表すフローチャートである。

【図19】制御モードに応じて印刷可能枚数の表示態様を変更する変形例における、端末装置のタッチパネルに表示されるホーム画面の具体例を表す図である。

【図20】オートチャージが完了した際に与信関連情報を表示する変形例における、端末装置のタッチパネルに表示されるホーム画面の具体例を表す図である。

【発明を実施するための形態】

【0012】

本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。

【0013】

＜印刷サービス提供システムの概要＞
図１に、実施形態に係る印刷サービス提供システム１の構成の一例を示す。印刷サービス提供システム１は、顧客であるユーザがあらかじめ料金を支払って複合機２００の印刷機能を使用するプリペイド印刷サービスを提供する。図１において、印刷サービス提供システム１は、管理サーバ１００と、複合機２００と、端末装置３００と、取引サーバ４００と、を有している。これら管理サーバ１００、複合機２００、端末装置３００、及び取引サーバ４００は、ネットワークＮＴに接続されており、互いに通信可能である。ネットワークＮＴは携帯電話通信回線を含んでいてよい。なお、印刷サービス提供システム１が印刷量管理システムの一例であり、管理サーバ１００が情報管理装置の一例であり、複合機２００が印刷装置の一例である。

【0014】

＜管理サーバ＞
管理サーバ１００は、例えば複合機２００のメーカーが設置及び管理するサーバである。図１に示すように、管理サーバ１００は、プロセッサ１１０と、記憶装置１１５と、通信インタフェース１９０と、を有している。これらプロセッサ１１０、記憶装置１１５、及び通信インタフェース１９０は、バス１０５を介して互いにデータ送受信可能に接続されている。

【0015】

記憶装置１１５は、揮発性記憶装置１２０と、不揮発性記憶装置１３０と、を備えている。揮発性記憶装置１２０は、例えば、ＤＲＡＭであり、処理対象となる各種のプログラムやデータを記憶する。不揮発性記憶装置１３０は、例えば、ハードディスクドライブ、あるいはソリッドステートドライブであり、プログラム記憶領域１３１と、データ記憶領域１３２と、を有している。

【0016】

プログラム記憶領域１３１には各種プログラムが格納されている。各種プログラムには、後述の図４のシーケンスチャート等に基づく処理プログラムが含まれる。データ記憶領域１３２には、例えば、管理対象である複合機２００ごとに印刷可能枚数やチャージ枚数等が記憶されている。

【0017】

プロセッサ１１０は、データ処理を行う装置、例えばＣＰＵであり、プログラム記憶領域１３１に格納された各種プログラムを実行する。プロセッサ１１０は、ネットワークＮＴに接続された端末装置３００、複合機２００、及び取引サーバ４００に対するデータ通信を含む各種の処理を行う。プロセッサ１１０は、本実施形態の印刷サービス提供システム１による印刷権限の購入を実行する。プロセッサ１１０と上記プログラム記憶領域１３１に記憶されたプログラムとが、制御部の一例である。

【0018】

通信インタフェース１９０は、他の装置と通信するための例えば有線ＬＡＮインタフェース又は無線インタフェースであり、ネットワークＮＴに接続されている。通信インタフェース１９０が通信Ｉ／Ｆの一例である。

【0019】

なお、上記記憶装置１１５は上述した装置要素での構成に限られず、例えば、ＲＡＭ、ＲＯＭ、ＥＥＰＲＯＭ、ＨＤＤ、管理サーバ１００に着脱されるＵＳＢメモリ等の可搬記録媒体、プロセッサ１１０が備えるバッファ等、或いはそれらの組み合わせによって構成されてもよい。
また、記憶装置１１５は、コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体であってもよい。コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体とは、ｎｏｎ－ｔｒａｎｓｉｔｏｒｙな媒体である。ｎｏｎ－ｔｒａｎｓｉｔｏｒｙな媒体には、上記の例の他に、ＣＤ－ＲＯＭ、ＤＶＤ－ＲＯＭ等の記録媒体も含まれる。また、ｎｏｎ－ｔｒａｎｓｉｔｏｒｙな媒体は、ｔａｎｇｉｂｌｅな媒体でもある。後述する複合機２００の記憶装置２１５についても同様である。

【0020】

＜複合機＞
複合機２００は、例えば印刷、スキャナ、コピー機能等の複数の機能を有しており、例えば、上記プリペイド印刷サービスの提供を受けるユーザによって保有されている。図１に示すように、複合機２００は、プロセッサ２１０と、記憶装置２１５と、表示部２４０と、操作部２５０と、搬送機構２６０と、通信インタフェース２７０と、印刷部２９０と、を有している。これらプロセッサ２１０、記憶装置２１５、表示部２４０、操作部２５０、搬送機構２６０、通信インタフェース２７０、及び印刷部２９０は、バス２０５を介して互いにデータ送受信可能に接続されている。

【0021】

記憶装置２１５は、揮発性記憶装置２２０と、不揮発性記憶装置２３０と、を備えている。揮発性記憶装置２２０は、例えば、ＤＲＡＭであり、印刷対象の画像データを記憶する画像データ記憶領域２２２を備えている。不揮発性記憶装置２３０は、例えばＮＶＲＡＭ、フラッシュメモリ等であり、プログラム記憶領域２３１と、データ記憶領域２３２と、を備えている。プログラム記憶領域２３１には各種プログラムが格納されている。各種プログラムには、後述の図４、図５、図９、図１４、図１６、図１８のシーケンスチャート又はフローチャート等に基づく処理プログラムや、印刷処理プログラムなどのファームウェア等が含まれる。データ記憶領域２３２には、印刷可能枚数や、複合機２００がオートチャージモード又は手動チャージモードのいずれであるかを表すモード情報等が記憶されている。

【0022】

プロセッサ２１０は、データ処理を行う装置であり、例えば、ＣＰＵである。プロセッサ２１０は、プログラム記憶領域２３１に格納された各種プログラムを実行する。プロセッサ２１０と上記プログラム記憶領域２３１に記憶されたプログラムとが、制御部の一例である。

【0023】

表示部２４０は、例えば、液晶ディスプレイであり、種々の情報を表示可能である。操作部２５０は、ユーザによる操作を受け付ける装置である。ユーザは、操作部２５０を操作することによって、種々の指示を複合機２００に入力可能である。通信インタフェース２７０は、他の装置と通信するための有線または無線のネットワークインタフェースであり、ネットワークＮＴに接続されている。

【0024】

搬送機構２６０は、複数のシートを載置可能なトレイから供給されるシートを搬送する。印刷部２９０は、搬送機構２６０によるシートの搬送経路に設けられており、搬送機構２６０により搬送されるシートに対して印刷ジョブに対応した画像を所定の方式で形成する。所定の方式は特に限定されるものではないが、例えばインクジェット方式やレーザ方式等である。印刷部２９０は、端末装置３００から送信された印刷ジョブ、若しくは、操作部２５０での操作に基づき自ら生成した印刷ジョブに応じて、シートに対して印刷を行う。

【0025】

＜端末装置＞
図２に、端末装置３００の構成の一例を示す。端末装置３００は、例えばユーザの所有するスマートフォン等の携帯端末であり、無線通信を介してネットワークＮＴに接続される。図２に示すように、端末装置３００は、ＣＰＵ３１０と、メモリ３２０と、無線通信を介してネットワークＮＴに接続するための通信制御部３３０と、タッチパネル３４０と、大容量記憶装置３５０と、を有している。

【0026】

大容量記憶装置３５０は、例えばフラッシュメモリであり、プログラム記憶領域３５１と、データ記憶領域３５２と、を備えている。プログラム記憶領域３５１には各種プログラムが例えばファームウェアとして格納されている。ＣＰＵ３１０は、プログラム記憶領域３５１に格納された各種プログラムを実行する。ＣＰＵ３１０は、ネットワークＮＴに接続された管理サーバ１００に対するデータ通信を含む種々の処理を実行する。

【0027】

端末装置３００はまた、液晶ディスプレイとタッチパッドを一体的に組み合わせたタッチパネル３４０で各種の情報の表示と、ユーザによる各種の操作を受け付ける。ユーザは、タッチパネル３４０を操作することによって、種々の指示を端末装置３００に入力可能である。

【0028】

なお、端末装置３００として、携帯端末に代えて、例えばタブレットコンピュータやノート型ＰＣ、デスクトップ型ＰＣ等の他の情報端末を用いてもよい。

【0029】

＜取引サーバ＞
図１に示すように、取引サーバ４００は、ネットワークＮＴを介してオンラインで決済を行うためのサーバである。取引サーバ４００は、プロセッサと、記憶装置と、ネットワークＮＴに接続するための通信インタフェースと、を有している（図示省略）。

【0030】

＜プリペイド印刷サービス＞
本実施形態の印刷サービス提供システム１においては、管理サーバ１００、複合機２００、端末装置３００、及び取引サーバ４００がネットワークＮＴを介して情報送受可能に接続されている。情報の送受形態としては、図３に示すように複数のユーザがそれぞれ所有する複数の端末装置３００と、各所に設置される複数の複合機２００とが、いずれも管理サーバ１００に対して個別に情報を送受する。管理サーバ１００は、複数の端末装置３００から複数の複合機２００を対象にそれぞれ行われたイベントを一元的に管理する。イベントとは、指定した複合機２００を対象とする印刷権限の購入又は取得や、印刷の実行等である。管理サーバ１００は、端末装置３００からの指示に応じて、また、所定条件を満たした際には自動的に、これらのイベントを実行する。

【0031】

本実施形態において印刷サービス提供システム１が提供する印刷サービスは、プリペイド印刷サービスである。プリペイド印刷サービスとは、ユーザの金銭的負担により取得される印刷権限が保証する所定のチャージ枚数が、対象となる複合機２００の印刷可能枚数に加算され、当該印刷可能枚数に基づいて当該複合機２００における印刷処理を実行できるサービスである。チャージ枚数の印刷可能枚数への加算は、例えば管理サーバ１００のプロセッサ１１０により実行され、例えば定期的なタイミングで複合機２００に送信される。印刷可能枚数は、例えば複合機２００の不揮発性記憶装置２３０のデータ記憶領域２３２に記憶されており、印刷が実行される度に印刷枚数分だけ減少する。印刷可能枚数の減少は例えば複合機２００のプロセッサ２１０により実行され、例えば定期的なタイミングで管理サーバ１００に送信される。チャージ枚数が保証印刷量の一例であり、印刷可能枚数が許容印刷量の一例である。

【0032】

本実施形態の印刷サービス提供システム１では、上記印刷権限の購入形態として、ユーザの手動操作による購入要求に基づく印刷権限の購入が実行可能となっている。ユーザの購入要求に基づく印刷権限の購入は、ユーザの操作に応じて端末装置３００から管理サーバ１００に上記印刷権限の購入申し込みが送信され、管理サーバ１００によって受け付けられることにより、実行される。上記印刷権限の購入は、ユーザが所望する任意のタイミングで実行される。例えばユーザは、チャージ枚数５０枚＝５００円、１００枚＝９００円、２５０枚＝２０００円、など、互いに価格及び購入単位の異なる複数のチャージプランのうち、いずれかのチャージプランを選択して、対応する印刷権限を購入する。

【0033】

ユーザが購入したチャージプランに対応する印刷権限は、ユーザが指定した複合機２００のプリンタＩＤに対応付けられる形で取得され、当該印刷権限が保証するチャージ枚数が、当該複合機２００ごとの印刷可能枚数に対し加算される。なお、上記印刷権限がユーザのユーザＩＤに対応付けられる形で取得され、上記チャージ枚数がユーザＩＤごとの印刷可能枚数に加算されてもよい。上記ユーザの手動操作による購入要求に基づく印刷権限の購入を、以下適宜「手動チャージ」と称する。

【0034】

なお、上記のようにユーザが手動チャージにより印刷権限を新規購入した後、対応する複合機２００の印刷可能枚数が少なくなるたびに手動チャージにより印刷権限を追加購入するとなると、その都度手間がかかりユーザの負担が大きくなる。

【0035】

そこで、本実施形態の印刷サービス提供システム１では、上記手動チャージ以外の印刷権限の別の購入形態として、ユーザの手動操作による購入要求に基づかない印刷権限の自動購入が実行可能となっている。自動購入された印刷権限が保証するチャージ枚数は、対応する複合機２００の印刷可能枚数に対し加算される。上記ユーザの手動操作による購入要求に基づかない印刷権限の自動購入を、以下適宜「オートチャージ」と称する。

【0036】

プリペイド印刷サービスをユーザに提供している状況で、所定の閾値条件を満たしたと管理サーバ１００が判断した場合、管理サーバ１００によりオートチャージが実行される。つまり、オートチャージが実行されるタイミングは、所定の閾値条件を満たしたタイミングである。本実施形態では、上記所定の閾値条件の一例として、対象となる複合機２００の印刷可能枚数が閾値以下となったとき、オートチャージが実行される。閾値はユーザにより自由に設定可能である。

【0037】

＜手動チャージモードとオートチャージモード＞
複合機２００は、一例として、手動チャージモードとオートチャージモードとが切り替え可能に構成されている。手動チャージモードは、ユーザの手動操作による購入要求に基づく印刷権限に対応するチャージ枚数が印刷可能枚数に対して加算されるモードである。オートチャージモードは、ユーザの手動操作による購入要求に基づかずに自動購入された印刷権限に対応するチャージ枚数が印刷可能枚数に対して加算されるモードである。なお、ユーザの手動操作による購入要求に基づく印刷権限が第１印刷権限の一例であり、手動チャージモードによるチャージ枚数が第１保証印刷量の一例である。また、ユーザの手動操作による購入要求に基づかずに自動購入された印刷権限が第２印刷権限の一例であり、オートチャージモードによるチャージ枚数が第２保証印刷量の一例である。

【0038】

複合機２００は、例えば初期設定では手動チャージモードとなっており、ユーザの要求によりオートチャージモードに切り替えることが可能である。複合機２００がオートチャージモードに切り替えられると、当該オートチャージモードであることを表すモード情報が、例えば複合機２００の記憶装置２１５のデータ記憶領域２３２に記憶される。また、複合機２００は、ユーザの要求により手動チャージモードに戻すことが可能である。複合機２００が手動チャージモードに切り替えられると、当該手動チャージモードであることを表すモード情報が、例えば複合機２００の記憶装置２１５のデータ記憶領域２３２に記憶される。図４に、上記オートチャージモードへの切替や手動チャージモードへの切替の際に、管理サーバ１００のプロセッサ１１０、複合機２００のプロセッサ２１０、及び端末装置３００のＣＰＵ３１０が実行する制御手順の一例を示す。

【0039】

図４に示すように、ステップＳ２０５では、端末装置３００のＣＰＵ３１０は、ユーザによる所定の操作に基づいて、オートチャージモードをＯＮとすることの要求信号を管理サーバ１００に送信する。要求信号には、要求対象である複合機２００のＩＤ情報或いは複合機２００のＩＤ情報と関連付けられた情報等が含まれる。

【0040】

ステップＳ２１０では、管理サーバ１００のプロセッサ１１０は、端末装置３００から送信されたオートチャージモードＯＮの要求信号を受信する。

【0041】

ステップＳ２１５では、管理サーバ１００のプロセッサ１１０は、要求信号に基づき取得された要求対象である複合機２００について、設定情報を手動チャージモードからオートチャージモードに切り替える。

【0042】

ステップＳ２２０では、管理サーバ１００のプロセッサ１１０は、オートチャージモードに切り替えたことを表すモード情報を複合機２００に送信する。モード情報は、例えばオートチャージモードであることを判別するための判別フラグ等でもよい。

【0043】

ステップＳ２２５では、複合機２００のプロセッサ２１０は、管理サーバ１００から送信されたモード情報を受信する。

【0044】

ステップＳ２３０では、複合機２００のプロセッサ２１０は、上記ステップＳ２２５で受信したオートチャージモードであることを表すモード情報を、例えば記憶装置２１５のデータ記憶領域２３２に記憶する。

【0045】

ステップＳ２３５では、端末装置３００のＣＰＵ３１０は、ユーザによる所定の操作に基づいて、オートチャージモードをＯＦＦとすることの要求信号を管理サーバ１００に送信する。要求信号には、要求対象である複合機２００のＩＤ情報或いは複合機２００のＩＤ情報と関連付けられた情報等が含まれる。

【0046】

ステップＳ２４０では、管理サーバ１００のプロセッサ１１０は、端末装置３００から送信されたオートチャージモードＯＦＦの要求信号を受信する。

【0047】

ステップＳ２４５では、管理サーバ１００のプロセッサ１１０は、要求信号に基づき取得された要求対象である複合機２００について、設定情報をオートチャージモードから手動チャージモードに切り替える。

【0048】

ステップＳ２５０では、管理サーバ１００のプロセッサ１１０は、手動チャージモードに切り替えたことを表すモード情報を複合機２００に送信する。モード情報は、例えば手動チャージモードであることを判別するための判別フラグ等でもよい。

【0049】

ステップＳ２５５では、複合機２００のプロセッサ２１０は、管理サーバ１００から送信されたモード情報を受信する。

【0050】

ステップＳ２６０では、複合機２００のプロセッサ２１０は、上記ステップＳ２５５で受信した手動チャージモードであることを表すモード情報を、例えば記憶装置２１５のデータ記憶領域２３２に記憶する。

【0051】

複合機２００のプロセッサ２１０は、記憶装置２１５のデータ記憶領域２３２に記憶された上記モード情報により、複合機２００がオートチャージモードであるか手動チャージモードであるかを把握できる。つまり、モード情報は、印刷可能枚数に対し、手動チャージモードによるチャージ枚数、若しくは、オートチャージモードによるチャージ枚数、のいずれが加算されるかを表す加算種別情報の一例である。

【0052】

＜実施形態の特徴＞
以上のように印刷サービス提供システム１では、複合機２００が手動チャージモードとオートチャージモードとに切り替え可能に構成されている。複合機２００が手動チャージモードである場合と、オートチャージモードである場合とで、例えば表示又は操作に係わる制御を切り替えるようにすれば、ユーザにとって便利である。なお、上記表示は、複合機２００の表示部２４０による表示及び端末装置３００のタッチパネル３４０による表示を含む。また、上記操作は、複合機２００の操作部２５０による操作及び端末装置３００のタッチパネル３４０による操作を含む。

【0053】

そこで本実施形態では、複合機２００が手動チャージモードである場合とオートチャージモードである場合とで、複合機２００を互いに異なる態様で制御することで、ユーザの利便性向上を図ることができる。以下、上記処理を実現するための詳細について説明する。

【0054】

＜制御モードの切替時の制御手順＞
本実施形態における上記処理を実現するために、制御モードの切替時に複合機２００のプロセッサ２１０が実行する制御手順の一例を、図５のフローチャートにより説明する。なお、図５のフローチャートは、例えば複合機２００の電源起動時、印刷開始時、あるいは、端末装置３００におけるプリペイド印刷サービスに係る専用アプリケーションの起動時、等に実行される。

【0055】

図５に示すように、ステップＳ５では、複合機２００のプロセッサ２１０は、例えば記憶装置２１５のデータ記憶領域２３２からモード情報を読み出し、取得する。当該ステップＳ５が取得処理の一例であり、当該ステップＳ５を実行する複合機２００が取得部の一例である。

【0056】

ステップＳ１０では、複合機２００のプロセッサ２１０は、上記ステップＳ５で取得したモード情報に基づいて、複合機２００がオートチャージモードであるか否かを判定する。プロセッサ２１０は、複合機２００が手動チャージモードである場合には（ステップＳ１０：Ｎｏ）、次のステップＳ１５に移行する。

【0057】

ステップＳ１５では、複合機２００のプロセッサ２１０は、複合機２００の表示部２４０又は端末装置３００のタッチパネル３４０での表示、又は、複合機２００の操作部２５０又は端末装置３００のタッチパネル３４０での操作に係わる制御モードを、手動チャージモードに対応した手動チャージ動作モードに切り替える。なお、手動チャージ動作モードが第１モードの一例であり、当該ステップＳ１５がモード切替処理の一例である。また、当該ステップＳ１５を実行する複合機２００がモード切替部の一例である。

【0058】

一方、上記ステップＳ１０において、複合機２００のプロセッサ２１０は、複合機２００がオートチャージモードである場合には（ステップＳ１０：Ｙｅｓ）、次のステップＳ２０に移行する。

【0059】

ステップＳ２０では、複合機２００のプロセッサ２１０は、複合機２００の表示部２４０又は端末装置３００のタッチパネル３４０での表示、又は、複合機２００の操作部２５０又は端末装置３００のタッチパネル３４０での操作に係わる制御モードを、オートチャージモードに対応したオートチャージ動作モードに切り替える。なお、オートチャージ動作モードが第２モードの一例であり、当該ステップＳ２０がモード切替処理の一例である。また、当該ステップＳ２０を実行する複合機２００がモード切替部の一例である。

【0060】

ステップＳ２５では、複合機２００のプロセッサ２１０は、端末装置３００に対し、タッチパネル３４０での手動操作による購入要求を実行不可とする制御信号を送信する。具体的には、プロセッサ２１０は、例えば購入要求の実行に必要な表示をタッチパネル３４０に行わせないように制御する制御信号を送信してもよい。また例えば、プロセッサ２１０は、タッチパネル３４０における購入要求のための手動操作を無効化する制御信号を送信してもよい。なお、プロセッサ２１０は、端末装置３００のタッチパネル３４０に代えて又は加えて、複合機２００の操作部２５０に対し、手動操作による購入要求を実行不可としてもよい。当該ステップＳ２５が不可化処理の一例である。

【0061】

ステップＳ３０では、複合機２００のプロセッサ２１０は、端末装置３００に対し、タッチパネル３４０においてオートチャージモードが設定中である旨を表示させる制御信号を送信する。なお、プロセッサ２１０は、端末装置３００のタッチパネル３４０に代えて又は加えて、複合機２００の表示部２４０に対し、オートチャージモードが設定中である旨を表示させてもよい。その後、プロセッサ２１０は本フローチャートを終了する。

【0062】

＜端末装置での表示の具体例＞
上述した複合機２００のプロセッサ２１０の制御による、端末装置３００のタッチパネル３４０に表示される画面の一例を説明する。まず、比較のために、図６（ａ）～図６（ｄ）に、上述した制御モードの切り替えを実行しない場合に、端末装置３００のタッチパネル３４０に表示される画面の一例を示す。図６（ａ）～図６（ｄ）は、手動チャージモードにおいてユーザの手動操作によりチャージ枚数が印刷可能枚数に対して加算される例である。

【0063】

ユーザが端末装置３００において上記プリペイド印刷サービスに係る専用アプリケーションを起動すると、図６（ａ）に示すホーム画面３４０Ａが表示される。このホーム画面３４０Ａでは、当該ユーザが使用可能なプリンタＩＤが「Ｐｒｉｎｔｅｒ０１」である複合機２００の印刷可能枚数が、例えば円グラフと共に表示される。またホーム画面３４０Ａには、複合機２００に対して手動チャージの実行を指示するための「チャージ」ボタンが表示される。

【0064】

ホーム画面３４０Ａにおいて、ユーザが「チャージ」ボタンを操作すると、図６（ｂ）に示すチャージプラン画面３４０Ｂに移行する。チャージプラン画面３４０Ｂでは、手動チャージのプランとして、例えば「５０枚／５００円」、「１００枚／９００円」、「２５０枚／２０００円」、「５００枚／３５００円」、「１０００枚／６０００円」、「１５００枚／７５００円」を表すボタンが表示されている。ユーザは、これら６種類のチャージプランのうちいずれか１つを選択することで、手動チャージを実行可能となっている。図６（ｂ）に示す例では、例えば「１００枚／９００円」が選択されている。

【0065】

チャージプラン画面３４０Ｂにおいて、ユーザがいずれかのチャージプランを選択して「チャージ」ボタンを操作すると、図６（ｃ）に示すカード情報入力画面３４０Ｃに移行する。カード情報入力画面３４０Ｃでは、例えばカード番号や有効期限等、オンライン決済を実行するためのクレジットカード情報が入力される。なお、ユーザが別途の画面で予めカード情報を登録している場合には、カード情報入力画面３４０Ｃは省略されてもよい。

【0066】

カード情報入力画面３４０Ｃにおいて、ユーザがクレジットカード情報を入力した上で「確定」ボタンを操作すると、図６（ｄ）に示すチャージ後のホーム画面３４０Ｄに移行する。ホーム画面３４０Ｄでは、上記チャージプラン画面３４０Ｂで選択されたチャージプランに対応するチャージ枚数が加算された印刷可能枚数が表示される。この例では、チャージ前の印刷可能枚数７００枚に購入されたチャージ枚数１００枚が加算され、印刷可能枚数が８００枚となったことが表示されている。

【0067】

図７（ａ）及び図７（ｂ）に、図５のステップＳ２５が実行された場合に、端末装置３００のタッチパネル３４０に表示されるホーム画面３４０Ａの具体例を示す。図７（ａ）に示す例では、例えば「チャージ」ボタンがグレーアウトされることで操作不可能となっている。また図７（ｂ）に示す例では、ホーム画面３４０Ａにおいて「チャージ」ボタンが非表示となっている。これにより、複合機２００がオートチャージモードである状態において、ホーム画面３４０Ａからチャージプラン画面３４０Ｂに移行することができなくなり、ユーザの手動操作によりチャージ枚数が購入されるのを阻止することができる。なお、例えばホーム画面３４０Ａにおいてチャージボタンは表示されるものの、ユーザがチャージボタンを操作しても無反応である等、手動操作を無効化してもよい。

【0068】

図８（ａ）及び図８（ｂ）に、図５のステップＳ３０が実行された場合に、端末装置３００のタッチパネル３４０に表示されるホーム画面３４０Ａの具体例を示す。図８（ａ）に示す例は、上記図７（ａ）に対応しており、例えば「チャージ」ボタンがグレーアウトされた上で、「オートチャージ設定中」のテキストが表示されている。また図８（ｂ）に示す例は、上記図７（ｂ）に対応しており、例えば「チャージ」ボタンが非表示となった上で、「オートチャージ設定中」のテキストが表示されている。これにより、ユーザに対し、チャージ枚数が自動購入される状態であることを認識させることができる。

【0069】

＜印刷実行時の制御手順＞
次に、印刷実行時に複合機２００のプロセッサ２１０が実行する制御手順の一例を、図９のフローチャートにより説明する。

【0070】

図９に示すように、ステップＳ１０５では、複合機２００のプロセッサ２１０は、端末装置３００から送信された印刷ジョブを受信する。なお、ユーザが操作部２５０を操作して印刷指示をする場合には、プロセッサ２１０は、操作部２５０の操作内容に基づいて印刷ジョブを取得してもよい。

【0071】

ステップＳ１１０では、複合機２００のプロセッサ２１０は、上記ステップＳ１０５で受信した印刷ジョブに基づく印刷をシートの１枚分だけ実行する。また、プロセッサ２１０は、１枚分の印刷の実行と共に印刷可能枚数を１だけ減少させる。

【0072】

ステップＳ１１５では、複合機２００のプロセッサ２１０は、印刷可能枚数が所定の第２閾値以下となったか否かを判定する。第２閾値は、後述のステップＳ１３５における第１閾値より大きな値であれば特に限定されないが、例えば３０枚等である。当該ステップＳ１１５が第２判定処理の一例である。プロセッサ２１０は、印刷可能枚数が第２閾値よりも大きい場合には（ステップＳ１１５：Ｎｏ）、次のステップＳ１２０に移行する。

【0073】

ステップＳ１２０では、複合機２００のプロセッサ２１０は、印刷ジョブに基づく全枚数の印刷が完了したか否かを判定する。プロセッサ２１０は、印刷が完了していない場合には（ステップＳ１２０：Ｎｏ）、上記ステップＳ１１０に戻る。一方、プロセッサ２１０は、印刷が完了した場合には（ステップＳ１２０：Ｙｅｓ）、本フローチャートを終了する。

【0074】

なお、上記ステップＳ１１５において、複合機２００のプロセッサ２１０は、印刷可能枚数が第２閾値以下となった場合には（ステップＳ１１５：Ｙｅｓ）、次のステップＳ１２５に移行する。

【0075】

ステップＳ１２５では、複合機２００のプロセッサ２１０は、制御モードがオートチャージ動作モードであるか否かを判定する。プロセッサ２１０は、制御モードが手動チャージ動作モードである場合には（ステップＳ１２５：Ｎｏ）、次のステップＳ１３０に移行する。

【0076】

ステップＳ１３０では、複合機２００のプロセッサ２１０は、端末装置３００に対し、タッチパネル３４０に手動操作による購入要求の検討要請メッセージの表示を行わせる制御信号を送信する。検討要請メッセージは、例えば「印刷可能枚数が少なくなっています。チャージしますか？」等である。なお、プロセッサ２１０は、端末装置３００のタッチパネル３４０に代えて又は加えて、複合機２００の表示部２４０に対し、上記検討要請メッセージを表示させてもよい。その後、ステップＳ１３５に移行する。

【0077】

一方、上記ステップＳ１２５において、複合機２００のプロセッサ２１０は、制御モードがオートチャージ動作モードである場合には（ステップＳ１２５：Ｙｅｓ）、次のステップＳ１３５に移行する。この場合、プロセッサ２１０は、端末装置３００に対し、タッチパネル３４０に上記検討要請メッセージの表示を行わせる制御信号を送信しない。

【0078】

ステップＳ１３５では、複合機２００のプロセッサ２１０は、印刷可能枚数が所定の第１閾値以下となったか否かを判定する。第１閾値は典型的には０であるが、０以外の値でもよい。例えば、オートチャージモードが設定されている場合のように、ユーザによるチャージ枚数の購入が予定されているような場合には、予め所定の印刷枚数分だけ前借りする形で所定のマイナスの値としてもよい。また、例えば両面印刷をする場合において、片面だけ印刷された状態で印刷停止となるのを回避する場合には、１としてもよい。当該ステップＳ１３５が第１判定処理の一例である。プロセッサ２１０は、印刷可能枚数が第１閾値よりも大きい場合には（ステップＳ１３５：Ｎｏ）、次のステップＳ１４０に移行する。

【0079】

ステップＳ１４０では、複合機２００のプロセッサ２１０は、印刷ジョブに基づく全枚数の印刷が完了したか否かを判定する。プロセッサ２１０は、印刷が完了していない場合には（ステップＳ１４０：Ｎｏ）、上記ステップＳ１１０に戻る。一方、プロセッサ２１０は、印刷が完了した場合には（ステップＳ１４０：Ｙｅｓ）、本フローチャートを終了する。

【0080】

なお、上記ステップＳ１３５において、複合機２００のプロセッサ２１０は、印刷可能枚数が第１閾値以下となった場合には（ステップＳ１３５：Ｙｅｓ）、次のステップＳ１４５に移行する。

【0081】

ステップＳ１４５では、複合機２００のプロセッサ２１０は、制御モードがオートチャージ動作モードであるか否かを判定する。プロセッサ２１０は、制御モードが手動チャージ動作モードである場合には（ステップＳ１４５：Ｎｏ）、次のステップＳ１５０に移行する。

【0082】

ステップＳ１５０では、複合機２００のプロセッサ２１０は、端末装置３００に対し、タッチパネル３４０に手動操作による購入要求の購入要請メッセージの表示を行わせる制御信号を送信する。購入要請メッセージは、例えば「印刷可能枚数が０になりました。チャージしてください。」等である。なお、プロセッサ２１０は、端末装置３００のタッチパネル３４０に代えて又は加えて、複合機２００の表示部２４０に対し、上記購入要請メッセージを表示させてもよい。その後、本フローチャートを終了する。

【0083】

一方、上記ステップＳ１４５において、複合機２００のプロセッサ２１０は、制御モードがオートチャージ動作モードである場合には（ステップＳ１４５：Ｙｅｓ）、次のステップＳ１５５に移行する。

【0084】

ステップＳ１５５では、複合機２００のプロセッサ２１０は、複合機２００が印刷権限を管理する管理サーバ１００に対してオンライン状態にあるか否かを判定する。プロセッサ２１０は、複合機２００がオンライン状態である場合には（ステップＳ１５５：Ｙｅｓ）、次のステップＳ１６０に移行する。なお、当該ステップＳ１５５が第３判定処理の一例である。

【0085】

ステップＳ１６０では、複合機２００のプロセッサ２１０は、端末装置３００に対し、タッチパネル３４０にオートチャージの完了まで待機するようにユーザに要請する待機要請メッセージの表示を行わせる制御信号を送信する。待機要請メッセージは、例えば「オートチャージされるまでお待ちください。」等である。なお、プロセッサ２１０は、端末装置３００のタッチパネル３４０に代えて又は加えて、複合機２００の表示部２４０に対し、上記待機要請メッセージを表示させてもよい。その後、本フローチャートを終了する。

【0086】

一方、上記ステップＳ１５５において、複合機２００のプロセッサ２１０は、複合機２００がオフライン状態である場合には（ステップＳ１５５：Ｎｏ）、次のステップＳ１６５に移行する。

【0087】

ステップＳ１６５では、複合機２００のプロセッサ２１０は、端末装置３００に対し、タッチパネル３４０に複合機２００を管理サーバ１００に対し通信可能な状態に接続する接続要請メッセージと、上記待機要請メッセージの表示を行わせる制御信号を送信する。接続要請メッセージと待機要請メッセージを含むメッセージは、例えば「プリンタをインターネットに接続してオートチャージされるまでお待ちください。」等である。なお、プロセッサ２１０は、端末装置３００のタッチパネル３４０に代えて又は加えて、複合機２００の表示部２４０に対し、上記接続要請メッセージ及び待機要請メッセージを表示させてもよい。その後、本フローチャートを終了する。

【0088】

なお、上記ステップＳ２５、ステップＳ３０、ステップＳ１３０、ステップＳ１５０、ステップＳ１６０及びステップＳ１６５では、複合機２００のプロセッサ２１０は、次の処理を実行する。複合機２００のプロセッサ２１０は、手動チャージ動作モード及びオートチャージ動作モードのいずれに切り替えられるかによって、端末装置３００のタッチパネル３４０又は複合機２００の表示部２４０における表示内容を切り替える制御信号を出力する。これらステップＳ２５、ステップＳ３０、ステップＳ１３０、ステップＳ１５０、ステップＳ１６０及びステップＳ１６５はいずれか１つでも設けられていればよく、１つ以上が省略されていても良い。したがって、上記ステップＳ２５、ステップＳ３０、ステップＳ１３０、ステップＳ１５０、ステップＳ１６０及びステップＳ１６５のうち１つ以上が表示切替処理の一例である。

【0089】

＜端末装置での表示の具体例＞
上述した複合機２００のプロセッサ２１０の制御による、端末装置３００のタッチパネル３４０に表示される画面の一例を説明する。図１０に、図９のステップＳ１３０が実行された場合に、端末装置３００のタッチパネル３４０に表示されるホーム画面３４０Ａの具体例を示す。図１０に示す例では、手動チャージ動作モードにおいて、例えば印刷可能枚数が第２閾値である３０枚となったことにより、検討要請メッセージとして例えば「印刷可能枚数が少なくなっています。チャージしますか？」が表示されている。

【0090】

これにより、ユーザは、近々チャージ枚数の購入のための手動操作を行う必要があることを認識することができる。なお、オートチャージ動作モードに切り替えられている場合は、例えば印刷可能枚数が第１閾値以下となった時点で自動的にチャージ枚数の購入がなされて印刷可能枚数が増大され、印刷不可能となることはない。そのため、例えば印刷可能枚数が第２閾値である３０枚となった場合でも、ホーム画面３４０Ａに検討要請メッセージを表示させないようにし、ユーザに余計な不安を与えないようにすることができる。

【0091】

図１１に、図９のステップＳ１５０が実行された場合に、端末装置３００のタッチパネル３４０に表示されるホーム画面３４０Ａの具体例を示す。図１１に示す例では、手動チャージ動作モードにおいて、例えば印刷可能枚数が第１閾値である０枚となったことにより、購入要請メッセージとして例えば「印刷可能枚数が０になりました。チャージしてください。」が表示されている。

【0092】

図１２に、図９のステップＳ１６０が実行された場合に、端末装置３００のタッチパネル３４０に表示されるホーム画面３４０Ａの具体例を示す。図１２に示す例では、複合機２００がオンライン状態且つオートチャージ動作モードの場合において、例えば印刷可能枚数が第１閾値である０枚となったことにより、待機要請メッセージとして例えば「オートチャージされるまでお待ちください。」が表示されている。なお、図１２に示す例は、前述の図７（ａ）に対応しており、例えば「チャージ」ボタンがグレーアウトされている。これにより、ユーザは、オートチャージの完了まで、チャージ枚数の購入のための手動操作を行わずに円滑に待機することができる。なお、「チャージ」ボタンのグレーアウトはされなくともよい。

【0093】

図１３に、図９のステップＳ１６５が実行された場合に、端末装置３００のタッチパネル３４０に表示されるホーム画面３４０Ａの具体例を示す。図１３に示す例では、複合機２００がオフライン状態且つオートチャージ動作モードの場合において、例えば印刷可能枚数が第１閾値である０枚となったことにより、接続要請メッセージと待機要請メッセージが表示されている。接続要請メッセージ及び待機要請メッセージは、例えば「プリンタをインターネットに接続してオートチャージされるまでお待ちください。」等である。これにより、ユーザに対し、管理サーバ１００に対するオフライン状態を解消するよう促すことができる。その結果、チャージ枚数の自動購入が確実に行われるようにすることができる。なお、図１３に示す例は、前述の図７（ａ）に対応しており、例えば「チャージ」ボタンがグレーアウトされている。但し、「チャージ」ボタンのグレーアウトはされなくともよい。

【0094】

＜実施形態の効果＞
本実施形態の複合機２００においては、プロセッサ２１０によりステップＳ５が行われる。ステップＳ５では、モード情報が取得される。モード情報は、複合機２００の印刷可能枚数に対し手動チャージモードによるチャージ枚数及びオートチャージモードによるチャージ枚数のいずれが加算されるかを表す。
取得されたモード情報に基づき、プロセッサ２１０によりステップＳ１５又はステップＳ２０が行われる。ステップＳ１５又はステップＳ２０では、複合機２００の制御モードが、手動チャージ動作モード若しくはオートチャージ動作モードに切り替えられる。手動チャージモードにおいてユーザの手動操作に基づきチャージ枚数が取得されている場合には、手動チャージ動作モードに切り替えられる。オートチャージモードにおいてユーザの手動操作によらずにチャージ枚数が自動購入されている場合には、オートチャージ動作モードに切り替えられる。
本実施形態によれば、ユーザの手動操作に基づきチャージ枚数が購入される場合とユーザの操作なくチャージ枚数が自動購入される場合とで、複合機２００を互いに異なる態様で制御する。そのため、本実施形態の複合機２００によれば、ユーザの利便性向上を図ることができる。

【0095】

また、本実施形態では特に、オートチャージ動作モードに切り替えられている場合には、ステップＳ２５においてプロセッサ２１０により手動チャージ操作を実行不可とする処理が実行され、ユーザの手動操作によるチャージ枚数の購入が実行不可となる。本実施形態によれば、オートチャージ動作モードでチャージ枚数が自動購入される状態において、ユーザが誤って手動操作によりチャージ枚数を無駄に購入してしまうことを防止できる。

【0096】

また、本実施形態では特に、ステップＳ２５において、ユーザの手動操作によるチャージ枚数の購入実行のために必要な表示が行われないようにしてもよい。これにより、ユーザは手動操作によりチャージ枚数を購入できない。本実施形態によれば、オートチャージ動作モードでチャージ枚数が自動購入される状態において、ユーザが誤って手動操作によりチャージ枚数を購入することを阻止することができる。

【0097】

また、本実施形態では特に、ステップＳ２５において、ユーザがチャージ枚数の購入のため手動操作を行っても、その操作が無効化され、有効に機能しないようにしてもよい。これにより、ユーザは手動動作によりチャージ枚数を購入できない。本実施形態によれば、オートチャージ動作モードでチャージ枚数が自動購入される状態において、ユーザが誤って手動操作によりチャージ枚数を購入することを阻止することができる。

【0098】

また、本実施形態では特に、ユーザの手動操作に基づきチャージ枚数が購入される場合とユーザの操作なくチャージ枚数が自動購入される場合とで、端末装置３００のタッチパネル３４０又は複合機２００の表示部２４０における表示内容を互いに異ならせる。そのため、本実施形態の複合機２００によれば、ユーザの利便性向上を図ることができる。

【0099】

また、本実施形態では特に、端末装置３００のタッチパネル３４０又は複合機２００の表示部２４０において、オートチャージ動作モードである旨の表示が行われる。そのため、ユーザに対し、チャージ枚数が自動購入される状態であることを認識させることができる。本実施形態によれば、ユーザが誤ってチャージ枚数を手動で購入してしまう無駄を抑制できる。

【0100】

また、本実施形態では特に、ステップＳ１３５において、印刷可能枚数が第１閾値以下、例えば０又は０に近い値以下になったか否かが判定される。印刷可能枚数が少なくなると、ステップＳ１３５の判定が満たされる。
オートチャージ動作モードに切り替えられている場合は、チャージ枚数の自動購入によって印刷可能枚数が増大される。ステップＳ１６０又はステップＳ１６５では、端末装置３００のタッチパネル３４０又は複合機２００の表示部２４０に待機要請メッセージが表示される。そのため、ユーザは、自動購入の完了まで、チャージ枚数の購入のための手動操作を行わずに円滑に待機することができる。
手動チャージ動作モードに切り替えられている場合は、ユーザの手動操作により印刷可能枚数を増大させる必要がある。ステップＳ１５０では、端末装置３００のタッチパネル３４０又は複合機２００の表示部２４０に購入要請メッセージが表示される。そのため、ユーザは、チャージ枚数の購入のための手動操作を行い、印刷可能枚数を増大させることができる。

【0101】

また、本実施形態では特に、ステップＳ１１５において、印刷可能枚数が第２閾値以下になったか否かが判定される。第２閾値は、例えば第１閾値より所定値だけ大きい値である。複合機２００における印刷の実行によって印刷可能枚数がある程度減少すると、ステップＳ１１５の判定が満たされる。
手動チャージ動作モードに切り替えられている場合は、近い将来、ユーザの手動操作により印刷可能枚数を増大させる必要が生じる。ステップＳ１３０では、端末装置３００のタッチパネル３４０又は複合機２００の表示部２４０に購入要求の検討要請メッセージが表示される。そのため、ユーザは、近々チャージ枚数の購入のための手動操作を行う必要があることを認識することができる。
オートチャージ動作モードに切り替えられている場合は、近い将来印刷可能枚数が大きく減少したとしても、その時点でチャージ枚数の自動購入がなされる。印刷可能枚数が増大され、印刷不可能となることはない。そのため、ステップＳ１２５でＹｅｓ判定となっても、端末装置３００のタッチパネル３４０又は複合機２００の表示部２４０に要請メッセージを表示させないようにし、ユーザに余計な不安を与えないようにすることができる。

【0102】

また、本実施形態では特に、オートチャージ動作モードに切り替えられていても、複合機２００が管理サーバ１００と情報通信できなければチャージ枚数の自動購入が行えない。本実施形態においては、ステップＳ１５５において、複合機２００が管理サーバ１００に対してオンライン状態であるか否かが判定される。オートチャージ動作モードになっていてかつオンライン状態でないと判定された場合は、端末装置３００のタッチパネル３４０又は複合機２００の表示部２４０において接続要請メッセージが表示される。本実施形態によれば、ユーザに対し、管理サーバ１００に対するオフライン状態を解消するよう促すことができる。これにより、チャージ枚数の自動購入が確実に行われるようにすることができる。

【0103】

＜変形例＞
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を、順を追って説明する。

【0104】

（１）手動チャージモードからオートチャージモードへの切替を要請する場合
上記実施形態では、ステップＳ１３５の判定が満たされ、且つ、手動チャージ動作モードに切り替えられている場合、端末装置３００のタッチパネル３４０又は複合機２００の表示部２４０に購入要請メッセージを表示させるようにしたが、これに限らない。例えば、手動チャージモードからオートチャージモードへの切替を要請してもよい。

【0105】

図１４に、本変形例において印刷実行時に複合機２００のプロセッサ２１０が実行する制御手順の一例を示す。図１４のフローチャートが前述の図９と異なる点は、ステップＳ１５０の代わりにステップＳ１５１を実行する点である。図１４のその他のステップＳ１０５～ステップＳ１４５及びステップＳ１５５～ステップＳ１６５は、図９と同様であるため説明を省略する。

【0106】

ステップＳ１４５において、複合機２００のプロセッサ２１０は、制御モードが手動チャージ動作モードである場合には（ステップＳ１４５：Ｎｏ）、次のステップＳ１５１に移行する。

【0107】

ステップＳ１５１では、複合機２００のプロセッサ２１０は、端末装置３００に対し、タッチパネル３４０にオートチャージモードへの切替操作の要請メッセージの表示を行わせる制御信号を送信する。切替操作の要請メッセージは、例えば「オートチャージへの切替をお勧めします。」等である。なお、プロセッサ２１０は、端末装置３００のタッチパネル３４０に代えて又は加えて、複合機２００の表示部２４０に対し、上記要請メッセージを表示させてもよい。当該ステップＳ１５１も表示切替処理の一例である。その後、本フローチャートを終了する。

【0108】

図１５に、図１４のステップＳ１５１が実行された場合に、端末装置３００のタッチパネル３４０に表示されるホーム画面３４０Ａの具体例を示す。図１５に示す例では、手動チャージ動作モードにおいて、例えば印刷可能枚数が第１閾値である０枚となったことにより、切替操作の要請メッセージとして例えば「オートチャージへの切替をお勧めします。」が表示されている。

【0109】

本変形例によれば、手動チャージモードからオートチャージモードに切り替われば、チャージ枚数が自動購入されるようになる。そのため、ユーザの手動操作により印刷可能枚数を増大させる必要がなくなる。本変形例によれば、ステップＳ１５１において、端末装置３００のタッチパネル３４０又は複合機２００の表示部２４０にオートチャージモードへの切替操作の要請メッセージが表示される。本変形例によれば、ユーザは、チャージ枚数の購入のための手動操作を行う手間なく、印刷可能枚数を増やせるようになる。

【0110】

（２）制御モードに応じて印刷可能枚数の表示の有無を切り替える場合
上記実施形態では、複合機２００が手動チャージモードであるかオートチャージモードであるかに関わらず印刷可能枚数を表示するようにしたが、これに限らない。例えば、オートチャージモードでは印刷可能枚数を表示しないようにしてもよい。

【0111】

図１６に、本変形例において制御モードの切替時に複合機２００のプロセッサ２１０が実行する制御手順の一例を示す。図１６のフローチャートが前述の図５と異なる点は、ステップＳ１５の次にステップＳ１６を実行する点と、ステップＳ３０の次にステップＳ３５を実行する点である。図１６のその他のステップＳ５～ステップＳ１５及びステップＳ２０～ステップＳ３０は、図５と同様であるため説明を省略する。

【0112】

複合機２００のプロセッサ２１０は、ステップＳ１５の後、次のステップＳ１６に移行する。

【0113】

ステップＳ１６では、複合機２００のプロセッサ２１０は、端末装置３００に対し、タッチパネル３４０に印刷可能枚数を表示させる制御信号を送信する。なお、プロセッサ２１０は、端末装置３００のタッチパネル３４０に代えて又は加えて、複合機２００の表示部２４０に対し、印刷可能枚数を表示させてもよい。当該ステップＳ１６も表示切替処理の一例である。その後、プロセッサ２１０は本フローチャートを終了する。

【0114】

また、複合機２００のプロセッサ２１０は、ステップＳ３０の後、次のステップＳ３５に移行する。

【0115】

ステップＳ３５では、複合機２００のプロセッサ２１０は、端末装置３００に対し、タッチパネル３４０において印刷可能枚数を非表示とする制御信号を送信する。言い換えると、タッチパネル３４０に印刷可能枚数を表示させる制御信号を送信しない。なお、プロセッサ２１０は、端末装置３００のタッチパネル３４０に代えて又は加えて、複合機２００の表示部２４０に対し、印刷可能枚数を非表示としてもよい。当該ステップＳ３５も表示切替処理の一例である。その後、プロセッサ２１０は本フローチャートを終了する。

【0116】

なお、本変形例では、上記ステップＳ２５及びステップＳ３０の少なくとも１つについては実行しなくともよい。

【0117】

図１７（ａ）に、図１６のステップＳ１６が実行された場合に、端末装置３００のタッチパネル３４０に表示されるホーム画面３４０Ａの具体例を示す。図１７（ａ）に示す例では、ホーム画面３４０Ａに例えば印刷可能枚数が７００枚である旨が表示されている。

【0118】

図１７（ｂ）に、図１６のステップＳ３５が実行された場合に、端末装置３００のタッチパネル３４０に表示されるホーム画面３４０Ａの具体例を示す。図１７（ｂ）に示す例では、ホーム画面３４０Ａに印刷可能枚数が表示されていない。なお、図１７（ｂ）に示す例は、前述の図８（ａ）に対応しており、例えば「チャージ」ボタンがグレーアウトされると共に「オートチャージ設定中」のテキストが表示されている。なお、「チャージ」ボタンのグレーアウト及び「オートチャージ設定中」の表示の少なくとも１つはされなくともよい。

【0119】

本変形例において、手動チャージ動作モードでは、手動操作に基づくチャージ枚数の購入が行われる。そのため、手動チャージ動作モードにおいては、現状の印刷可能枚数がどれだけであるかをユーザが把握しておく必要がある。一方、オートチャージ動作モードでは、チャージ枚数が自動購入されるため、上記ユーザの把握は必ずしも必要ない。
本変形例においては、手動チャージ動作モードの場合にのみ端末装置３００のタッチパネル３４０又は複合機２００の表示部２４０において印刷可能枚数の表示が行われる。本変形例によれば、オートチャージ動作モードで必ずしも必要でない印刷可能枚数の表示を省略することで、ユーザにとっての利便性を向上できる。

【0120】

（３）制御モードに応じて印刷可能枚数の表示態様を変更する場合
上記実施形態では、複合機２００が手動チャージモードであるかオートチャージモードであるかに関わらず印刷可能枚数の表示態様は一様としたが、これに限らない。例えば、複合機２００が手動チャージモードであるかオートチャージモードであるかに応じて印刷可能枚数の表示態様を変更してもよい。

【0121】

図１８に、本変形例において制御モードの切替時に複合機２００のプロセッサ２１０が実行する制御手順の一例を示す。図１８のフローチャートが前述の図５と異なる点は、ステップＳ１５の次にステップＳ１７を実行する点と、ステップＳ３０の次にステップＳ３６を実行する点である。図１８のその他のステップＳ５～ステップＳ１５及びステップＳ２０～ステップＳ３０は、図５と同様であるため説明を省略する。

【0122】

複合機２００のプロセッサ２１０は、ステップＳ１５の後、次のステップＳ１７に移行する。

【0123】

ステップＳ１７では、複合機２００のプロセッサ２１０は、端末装置３００に対し、タッチパネル３４０に印刷可能枚数の表示を所定の強調態様で行わせる制御信号を送信する。所定の強調態様は特に限定されないが、例えば文字を大きくする、文字を太字にする、フォントを変更する、文字色を赤色等の強調色に変更する、背景色を強調色に変更する、強調するためのマーク、記号、図柄を付加する、等である。なお、プロセッサ２１０は、端末装置３００のタッチパネル３４０に代えて又は加えて、複合機２００の表示部２４０に対し、印刷可能枚数の表示を所定の強調態様で行わせてもよい。当該ステップＳ１７も表示切替処理の一例である。その後、プロセッサ２１０は本フローチャートを終了する。

【0124】

また、複合機２００のプロセッサ２１０は、ステップＳ３０の後、次のステップＳ３６に移行する。

【0125】

ステップＳ３６では、複合機２００のプロセッサ２１０は、端末装置３００に対し、タッチパネル３４０に印刷可能枚数の表示を通常態様で行わせる制御信号を送信する。通常態様とは、上記の強調態様を行っていない態様である。なお、プロセッサ２１０は、端末装置３００のタッチパネル３４０に代えて又は加えて、複合機２００の表示部２４０に対し、印刷可能枚数の表示を通常態様で行わせてもよい。当該ステップＳ３６も表示切替処理の一例である。その後、プロセッサ２１０は本フローチャートを終了する。

【0126】

なお、本変形例では、上記ステップＳ２５及びステップＳ３０の少なくとも１つについては実行しなくともよい。

【0127】

図１９（ａ）に、図１８のステップＳ１７が実行された場合に、端末装置３００のタッチパネル３４０に表示されるホーム画面３４０Ａの具体例を示す。図１９（ａ）に示す例では、ホーム画面３４０Ａにおいて印刷可能枚数を表す７００の数字が例えば通常よりも大きな態様で強調して表示されている。

【0128】

図１９（ｂ）に、図１８のステップＳ３６が実行された場合に、端末装置３００のタッチパネル３４０に表示されるホーム画面３４０Ａの具体例を示す。図１９（ｂ）に示す例では、ホーム画面３４０Ａにおいて印刷可能枚数を表す７００の数字が通常の態様で表示されている。なお、図１９（ｂ）に示す例は、前述の図８（ａ）に対応しており、例えば「チャージ」ボタンがグレーアウトされると共に「オートチャージ設定中」のテキストが表示されている。但し、「チャージ」ボタンのグレーアウト及び「オートチャージ設定中」の表示の少なくとも１つはされなくともよい。

【0129】

本変形例によれば、手動チャージ動作モードでは、手動操作に基づくチャージ枚数の購入が行われる。そのため、手動チャージ動作モードにおいては、現状の印刷可能枚数の把握はユーザにとって重要である。オートチャージ動作モードでは、チャージ枚数が自動購入されるため、上記把握はそれほど重要ではない。
本変形例においては、オートチャージ動作モードの場合は印刷可能枚数は通常態様にて表示される一方、手動チャージ動作モードの場合は印刷可能枚数は強調態様にて表示される。本変形例によれば、手動チャージ動作モードでは印刷可能枚数をより目立つ態様で表示することで、ユーザにとっての利便性を向上できる。

【0130】

（４）オートチャージが完了した際に与信関連情報を表示する場合
例えば、手動チャージ動作モードにおいてチャージ枚数の購入が行われた際には、決済に係わる与信関連情報を表示しないが、オートチャージ動作モードにおいてチャージ枚数の自動購入が行われた際には、決済に係わる与信関連情報を表示してもよい。

【0131】

本変形例では、オートチャージ動作モードにおいてチャージ枚数の自動購入が行われた際に、複合機２００のプロセッサ２１０は、端末装置３００に対し、タッチパネル３４０に自動購入による決済に係わる与信関連情報の表示を行わせる制御信号を送信する。与信関連情報は、例えばクレジットカードによる決済完了通知、残高通知、残高不足による決済未完了通知等である。なお、プロセッサ２１０は、端末装置３００のタッチパネル３４０に代えて又は加えて、複合機２００の表示部２４０に対し、与信関連情報の表示を行わせてもよい。フローチャートによる図示は省略するが、当該処理も表示切替処理の一例である。

【0132】

図２０に、上記処理が実行された場合に、端末装置３００のタッチパネル３４０に表示されるチャージ後のホーム画面３４０Ｄの具体例を示す。図２０に示す例では、チャージ後のホーム画面３４０Ｄにおいて、例えば印刷可能枚数が８００枚となったことが表示されると共に、与信関連情報として例えば「クレジットカードの決済が完了しました。」が表示されている。なお、図２０に示す例は、前述の図７（ａ）に対応しており、例えば「チャージ」ボタンがグレーアウトされている。但し、「チャージ」ボタンのグレーアウトはされなくともよい。なお、手動チャージ動作モードにおいて手動操作に基づくチャージ枚数の購入が行われた際には、前述の図６（ｄ）に示すチャージ後のホーム画面３４０Ｄが表示される。この場合、与信関連情報は表示されない。

【0133】

オートチャージ動作モードにおけるチャージ枚数の自動購入は、例えばユーザの口座からの自動引き落としやユーザ名義のクレジットカード等、ユーザの与信に基づく決済処理に基づき実行される。本変形例においては、自動購入が行われるオートチャージ動作モードでは、端末装置３００のタッチパネル３４０又は複合機２００の表示部２４０において上記決済に係わる与信関連情報の表示が行われる。本変形例によれば、ユーザは、チャージ枚数の自動購入に伴う決済が問題なく行われたことを確認し、安心感を得ることができる。

【0134】

（５）その他
以上では、記憶装置２１５から読み出したモード情報に基づいて、印刷可能枚数に対し、手動チャージモードによるチャージ枚数、若しくは、オートチャージモードによるチャージ枚数、のいずれが加算されるかを把握したが、これに限らない。例えば、複合機２００のプロセッサ２１０が適宜のタイミングで上記のいずれであるかを管理サーバ１００に対して問合せしてもよい。この場合、モード情報の記憶は不要となる。適宜のタイミングは、例えば複合機２００の電源起動時、印刷開始時、あるいは、端末装置３００におけるプリペイド印刷サービスに係る専用アプリケーションの起動時、等でもよい。

【0135】

また以上では、複合機２００がオートチャージ動作モードである場合にのみ、複合機２００が管理サーバ１００に対してオンラインであるか否かを判定したが、これに限らない。例えば、複合機２００が手動チャージ動作モードである場合についても、オンラインであるか否かを判定してもよい。この場合には、オンラインの場合には購入要請メッセージを表示させ、オフラインの場合には接続要請メッセージと購入要請メッセージの両方を表示させてもよい。

【0136】

また、以上の実施形態で説明した複合機２００のプロセッサ２１０による処理の少なくとも一部を、例えば管理サーバ１００のプロセッサ１１０又は端末装置３００のＣＰＵ３１０が実行するようにしてもよい。例えば、取得処理の一例であるステップＳ５を、管理サーバ１００のプロセッサ１１０又は端末装置３００のＣＰＵ３１０が実行してもよい。この場合、管理サーバ１００又は端末装置３００が取得部の一例である。また、モード切替処理の一例であるステップＳ１５又はステップＳ２０を、管理サーバ１００のプロセッサ１１０又は端末装置３００のＣＰＵ３１０が実行してもよい。この場合、管理サーバ１００又は端末装置３００がモード切替部の一例である。

【0137】

また以上では、印刷装置が複合機２００である場合を例にとって説明したが、これに限られない。本発明に係る印刷装置は、複合機以外にも、例えばプリンタ、コピー機でもよい。

【0138】

また、以上の説明において、外観上の寸法や大きさが「同一」「等しい」「異なる」等の記載がある場合は、当該記載は厳密な意味ではない。すなわち、それら「同一」「等しい」「異なる」とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に同一」「実質的に等しい」「実質的に異なる」という意味である。
但し、例えばしきい値（図５、図９、図１４、図１６、図１８のフローチャート参照）や基準値等、所定の判定基準となる値あるいは区切りとなる値の記載がある場合は、それらに対しての「同一」「等しい」「異なる」等は、上記とは異なり、厳密な意味である。

【0139】

また、図４、図５、図９、図１４、図１６、図１８に示すフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。

【0140】

また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。

【0141】

その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。

【符号の説明】

【0142】

１ 印刷サービス提供システム（印刷量管理システムの一例）
１００ 管理サーバ（情報管理装置の一例）
１１０ プロセッサ
１３０ 不揮発性記憶装置
１９０ 通信インタフェース（通信Ｉ／Ｆの一例）
２００ 複合機（印刷装置、取得部、モード切替部の一例）
２０１ トレイ
２１０ プロセッサ
２３０ 不揮発性記憶装置
２９０ 印刷部
３００ 端末装置
３１０ ＣＰＵ
３５０ 大容量記憶装置

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18】

【図19】

【図20】