(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094962
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】サーバ装置、ドキュメント校正システム、サーバ装置の作動方法、及びドキュメント校正方法
(51)【国際特許分類】
G06F 40/166 20200101AFI20240703BHJP
【FI】
G06F40/166
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022211901
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】502087080
【氏名又は名称】富士フイルムイメージングシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083116
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲三
(72)【発明者】
【氏名】松下 太輔
(72)【発明者】
【氏名】山口 智史
(72)【発明者】
【氏名】崎玉 和裕
(72)【発明者】
【氏名】戸田 貴典
(72)【発明者】
【氏名】酒井 正樹
(72)【発明者】
【氏名】須藤 圭
【テーマコード(参考)】
5B109
【Fターム(参考)】
5B109VC03
(57)【要約】
【課題】本発明は、複数のユーザが効率的にドキュメントを校正でき、校正の進捗管理が容易なサーバ装置、ドキュメント校正システム、サーバ装置の作動方法、及びドキュメント校正方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の一態様に係るサーバ装置において、プロセッサは、サーバ装置とネットワークを介して接続された複数の校正用端末に対して、ドキュメントの校正領域を個別に指定し、ドキュメントと、校正領域の情報と、校正領域についての校正依頼とを、複数の校正用端末に個別に送信し、校正領域についてのコメントと修正指示とのうち少なくとも一方を含む校正結果を、校正依頼の送信先である校正用端末から受信し、受信した校正結果と、校正領域の情報と、を第1表示装置に表示させる。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドキュメント校正システムのサーバ装置であって、プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
前記サーバ装置とネットワークを介して接続された制作用端末にドキュメントの制作指示または修正指示を送信し、
前記制作指示または修正指示に対応して前記制作用端末から受信したドキュメントを第1表示装置に表示させ、
前記サーバ装置とネットワークを介して接続された複数の校正用端末に対して、前記ドキュメントの校正領域を個別に指定し、
前記ドキュメントと、前記校正領域の情報と、前記校正領域についての校正依頼とを、前記複数の校正用端末に個別に送信し、
前記プロセッサは、
前記校正領域についてのコメントと修正指示とのうち少なくとも一方を含む校正結果を、前記校正依頼の送信先である前記校正用端末から受信し、
前記受信した前記校正結果と、前記校正領域の情報と、を前記第1表示装置に表示させ、
前記プロセッサは、
前記ドキュメントを示す情報を前記制作用端末から受信する、
サーバ装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、一の前記校正用端末について指定された前記校正領域の情報を、前記一の校正用端末のみに送信し、他の前記校正用端末には送信しない、請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
一の前記校正用端末に対し指定された前記校正領域について、他の前記校正用端末からの閲覧及び編集を禁止する禁止情報を前記ドキュメントに付加し、
前記禁止情報を付加した前記ドキュメントを前記複数の校正用端末に送信する請求項1または2に記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、一の前記校正用端末について指定された前記校正領域以外の前記校正領域についてのマスクを前記禁止情報として前記ドキュメントに付加する請求項3に記載のサーバ装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記校正用端末から、前記校正結果と、前記校正領域の情報と、前記校正用端末のユーザである第2ユーザを示す情報であって、前記校正結果を入力した前記第2ユーザを示す情報と、を受信し、
前記校正用端末から受信した前記校正結果と、前記校正領域の情報と、前記校正結果を入力した前記第2ユーザを示す情報と、を関連付けて前記第1表示装置に表示させる請求項1または2に記載のサーバ装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記複数の校正用端末から受信した前記校正結果と、前記ドキュメントにおける前記校正領域のレイアウトを示す情報及び前記校正領域のコンテンツを示す情報と、前記校正結果を入力した前記第2ユーザを示す情報と、を関連付けて前記第1表示装置に表示させる請求項5に記載のサーバ装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記複数の校正用端末から受信した前記校正結果を、前記ドキュメントの全領域について一括して、または一部の領域について個別に表示させる請求項1または2に記載のサーバ装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記サーバ装置とネットワークを介して接続された管理用端末のユーザである第1ユーザの指示に応じて、
前記複数の校正用端末から受信した前記校正結果の採用または不採用を決定し、
前記採用した前記校正結果を、前記採用した前記校正結果が付された前記校正領域の情報と共に前記制作用端末に送信する請求項1または2に記載のサーバ装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、前記校正領域の情報と、前記校正結果と、を関連付けて記録装置に記録させる請求項1または2に記載のサーバ装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、
前記校正結果の採用または不採用を示す採用情報と、前記校正結果を採用または不採用とする理由を示す理由情報と、を前記サーバ装置とネットワークを介して接続された管理用端末から受信し、
前記校正領域の情報と、前記校正結果と、前記採用情報及び前記理由情報と、を関連付けて前記記録装置に記録させる請求項9に記載のサーバ装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、前記管理用端末に対する、前記校正結果を採用または不採用としたユーザであって、前記管理用端末のユーザである第1ユーザを示す識別情報の入力を受け付け、
前記採用情報及び前記理由情報と、前記識別情報とを関連付けて前記記録装置に記録させる請求項10に記載のサーバ装置。
【請求項12】
前記プロセッサは、前記校正結果が採用または不採用されたタイミングを示すタイミング情報を、前記採用情報及び前記理由情報、及び前記識別情報と関連付けて記録装置に記録させる請求項11に記載のサーバ装置。
【請求項13】
前記プロセッサは、前記サーバ装置とネットワークを介して接続された管理用端末のユーザである第1ユーザの指示に応じて、
前記校正用端末のユーザである第2ユーザであって、前記校正領域についての校正を担当する前記第2ユーザと、校正期限と、を設定し、
前記校正領域の情報と、前記設定した校正期限と、前記校正領域についての校正を担当する前記第2ユーザの前記校正用端末から前記校正結果を受信したか否かを示す情報と、を関連付けて前記第1表示装置に表示させる請求項1または2に記載のサーバ装置。
【請求項14】
前記プロセッサは、前記ドキュメントに校正のバージョンを設定し、指定されたバージョンの前記ドキュメントを前記第1表示装置に表示させる請求項1または2に記載のサーバ装置。
【請求項15】
前記プロセッサは、指定されたバージョンの前記ドキュメントである第1ドキュメントと、指定されたバージョンより以前のバージョンの前記ドキュメントである第2ドキュメントに対する前記校正結果と、を関連付けて前記第1表示装置に表示させる請求項1または2に記載のサーバ装置。
【請求項16】
前記ドキュメントのデータを記録する記録装置をさらに備え、
前記プロセッサは、前記サーバ装置とネットワークを介して接続された管理用端末、前記校正用端末、及び前記制作用端末に対し、前記記録装置に記録されたデータの閲覧及び修正を許可または禁止する請求項1または2に記載のサーバ装置。
【請求項17】
前記プロセッサは、
前記ドキュメントの情報と、前記ドキュメントの担当者である第1ユーザであって、前記サーバ装置とネットワークを介して接続された管理用端末のユーザである前記第1ユーザの情報と、を関連付けて保存し、
前記担当者である前記第1ユーザの前記管理用端末に対し、前記第1ユーザが担当するドキュメントの情報を閲覧させる請求項1または2に記載のサーバ装置。
【請求項18】
前記プロセッサは、
前記校正領域の情報として、
前記ドキュメントにおける前記校正領域の位置、大きさ、及び形状を示すレイアウト情報と、
前記校正領域に含まれるテキストと画像とのうち少なくとも一方を示すコンテンツ情報と、
を含む情報を前記複数の校正用端末に送信する請求項1または2に記載のサーバ装置。
【請求項19】
サーバ装置と、管理用端末と、複数の校正用端末と、制作用端末と、がネットワークを介して接続されたドキュメント校正システムであって、
前記サーバ装置は、
前記制作用端末にドキュメントの制作指示または修正指示を送信し、
前記制作指示または修正指示に対応して前記制作用端末から受信したドキュメントを第1表示装置に表示させ、
前記複数の校正用端末を構成する校正用端末に対して、前記ドキュメントの校正領域を個別に指定し、
前記校正領域の情報と、前記校正領域についての校正依頼とを、前記複数の校正用端末に個別に送信し、
前記校正領域についてのコメントと修正指示とのうち少なくとも一方を含む校正結果を、前記校正依頼の送信先である前記校正用端末から受信し、
前記受信した前記校正結果と、前記校正領域の情報と、を前記第1表示装置に表示させ、
前記校正用端末は、
前記校正用端末のユーザである第2ユーザの指示に応じて、
前記校正領域の情報を第2表示装置に表示させ、
前記校正領域について、前記第2ユーザによる前記校正結果を受け付け、
前記受け付けた前記校正結果を、前記校正領域の情報と関連付けて前記サーバ装置に送信し、
前記制作用端末は、
前記制作用端末のユーザである第3ユーザの指示に応じて、前記ドキュメントを示す情報を前記サーバ装置に送信する、
ドキュメント校正システム。
【請求項20】
プロセッサを備えるサーバ装置の作動方法であって、
前記プロセッサは、
前記サーバ装置とネットワークを介して接続された制作用端末にドキュメントの制作指示または修正指示を送信し、
前記制作指示または修正指示に対応して前記制作用端末から受信したドキュメントを第1表示装置に表示させ、
前記サーバ装置とネットワークを介して接続された複数の校正用端末に対して、前記ドキュメントの校正領域を個別に指定し、
前記校正領域の情報と、前記校正領域についての校正依頼とを、前記複数の校正用端末に個別に送信し、
前記プロセッサは、
前記校正領域についてのコメントと修正指示とのうち少なくとも一方を含む校正結果を、前記校正依頼の送信先である前記校正用端末から受信し、
前記受信した前記校正結果と、前記校正領域の情報と、を前記第1表示装置に表示させ、
前記プロセッサは、
前記ドキュメントを示す情報を前記制作用端末から受信する、
作動方法。
【請求項21】
サーバ装置と、管理用端末と、複数の校正用端末と、制作用端末と、がネットワークを介して接続されたドキュメント校正システムにより実行されるドキュメント校正方法であって、
前記サーバ装置は、
前記制作用端末にドキュメントの制作指示または修正指示を送信し、
前記制作指示または修正指示に対応して前記制作用端末から受信したドキュメントを第1表示装置に表示させ、
前記複数の校正用端末を構成する校正用端末に対して、前記ドキュメントの校正領域を個別に指定し、
前記校正領域の情報と、前記校正領域についての校正依頼とを、前記複数の校正用端末に個別に送信し、
前記校正領域についてのコメントと修正指示とのうち少なくとも一方を含む校正結果を、前記校正依頼の送信先である前記校正用端末から受信し、
前記受信した前記校正結果と、前記校正領域の情報と、を前記第1表示装置に表示させ、
前記校正用端末は、
前記校正用端末のユーザである第2ユーザの指示に応じて、
前記校正領域の情報を第2表示装置に表示させ、
前記校正領域について、前記第2ユーザによる前記校正結果を受け付け、
前記受け付けた前記校正結果を、前記校正領域の情報と関連付けて前記サーバ装置に送信し、
前記制作用端末は、
前記制作用端末のユーザである第3ユーザの指示に応じて、前記ドキュメントを示す情報を前記サーバ装置に送信する、
ドキュメント校正方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバ装置、ドキュメント校正システム、サーバ装置の作動方法、及びドキュメント校正方法に関し、特にドキュメントを電子的に校正する際に用いられるサーバ装置、ドキュメント校正システム、サーバ装置の作動方法、及びドキュメント校正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ドキュメントの制作において、従来は紙媒体を用いての校正が行われていたが、近年、電子的に校正を行う技術が開発されている。例えば、特許文献1は、所定のデータ(ワードプロセッサ、表計算、CAD等のソフトウェアで作成したデータ)にネットワーク上でコメントを付加できる技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ドキュメントの制作や校正は複数のメンバーにより多数の工程を経て行われることが多く、このような場合、紙媒体による校正では複数のメンバーによる並行した校正が困難で時間がかかり、また進捗管理が困難であった。
【0005】
また、特許文献1に記載の技術では、複数のユーザがデータの全体を閲覧しコメントを付加できるが、意見の集約が考慮されていない。また、ドキュメントが複数の領域から構成されてそれぞれ異なるユーザがコンテンツを提供し、また校正を行うことも多いが、特許文献1に記載の技術では、このような場合に、校正範囲を限定し各ユーザが並行して校正を行うことが困難であった。
【0006】
このように、従来の技術では、複数のユーザが効率的にドキュメントを校正することや、校正の進捗管理が困難であった。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、複数のユーザが効率的にドキュメントを校正でき、校正の進捗管理が容易なサーバ装置、ドキュメント校正システム、サーバ装置の作動方法、及びドキュメント校正方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した目的を達成するため、本発明の第1の態様に係るサーバ装置は、ドキュメント校正システムのサーバ装置であって、プロセッサを備え、プロセッサは、サーバ装置とネットワークを介して接続された制作用端末にドキュメントの制作指示または修正指示を送信し、制作指示または修正指示に対応して制作用端末から受信したドキュメントを第1表示装置に表示させ、サーバ装置とネットワークを介して接続された複数の校正用端末に対して、ドキュメントの校正領域を個別に指定し、ドキュメントと、校正領域の情報と、校正領域についての校正依頼とを、複数の校正用端末に個別に送信し、プロセッサは、校正領域についてのコメントと修正指示とのうち少なくとも一方を含む校正結果を、校正依頼の送信先である校正用端末から受信し、受信した校正結果と、前正領域の情報と、を第1表示装置に表示させ、プロセッサは、ドキュメントを示す情報を制作用端末から受信する。
【0009】
第1の態様に係るサーバ装置は、ドキュメントの校正領域を個別に指定し、複数の校正用端末に個別に送信して、送信先の校正用端末から校正結果(コメントと修正指示とのうち少なくとも一方を含む)を受信する。またサーバ装置は、受信した校正結果と、校正領域の情報と、を第1表示装置に表示させる。このため、個々のユーザ(校正用端末のユーザ)が並行して、必要な範囲について校正できるので、複数のユーザが効率的にドキュメントを校正することができる。また、ある校正領域の校正を担当するユーザに関する情報(その校正領域に掲載する情報、例えば、アイテムのデザインや価格等)が、ドキュメントの正式な発行前に他人(他の校正領域の校正を担当するユーザ)に漏れてしまうのを防止することができる。さらに、サーバ装置のユーザは、「どの領域についてどのような校正結果であるのか(どのようなコメントや修正指示がなされたのか)」を第1表示装置の表示により把握でき、進捗管理が容易である。
【0010】
なお第1の態様及び以下の各態様において、校正結果はコメントと修正指示とのうちいずれか一方のみを含んでいてもよいし、コメントと修正指示の両方を含んでいてもよい。また校正結果は「コメントと修正結果とのうち少なくとも一方」のみを含んでいてもよいし、他の情報(例えば、校正領域に関する追加や差替の画像等)をさらに含んでいてもよい。
【0011】
なお、第1の態様及び以下の各態様において、サーバ装置は、非一時的かつ有体の記録媒体を参照して各処理を行うことができる。この記録媒体には、サーバ装置を動作させるプログラムのコンピュータ読み取り可能なコードが記録されていることが好ましい。なお、この「非一時的かつ有体の記録媒体」は、搬送波信号や伝播信号そのもののような、非有体の記録媒体を含まない。
【0012】
なお、第1の対応及び以下の各態様において、サーバ装置は、ユーザの操作に応じて処理を実行してもよいし、ユーザの処理に依らずに処理を実行してもよい。サーバ装置がユーザの処理に依らずに処理を実行する場合、例えば所定の条件が満たされた場合に実行する、ドキュメントの制作や校正に関する処理の学習結果を利用して実行する、等の態様が可能である。また、第1の態様及び以下の各態様において、サーバ装置は、ユーザの操作を受け付けてその内容をサーバ装置に伝える端末装置(管理用端末)を有していてもよい。
【0013】
また、第1の態様及び以下の各態様において、サーバ装置は、管理用端末が備える表示装置や管理用端末に接続された表示装置を第1表示装置として用いてもよいし、サーバ装置に接続された表示装置を第1表示装置として用いてもよい。すなわち、サーバ装置は第1ユーザをサーバ装置のユーザとして表示を閲覧させてもよいし、第1ユーザとは別のユーザに表示を閲覧させてもよい。
【0014】
第2の態様に係るサーバ装置は第1の態様において、プロセッサは、一の校正用端末について指定された校正領域の情報を、一の校正用端末のみに送信し、他の校正用端末には送信しない。第2の態様は、第1の態様における「個別に送信」の意味を具体的に規定するものである。
【0015】
第3の態様に係るサーバ装置は第1または第2の態様において、プロセッサは、一の校正用端末に対し指定された校正領域について、他の校正用端末からの閲覧及び編集を禁止する禁止情報をドキュメントに付加し、禁止情報を付加したドキュメントを複数の校正用端末に送信する。第3の態様は、一の校正用端末についての校正領域の情報が他の校正用端末のユーザに漏れるのを防止する手段を具体的に規定するものである。なお校正用端末は、禁止情報を参照して、その禁止情報が付された校正領域の内容をユーザに閲覧させないようにすることができる。
【0016】
第4の態様に係るサーバ装置は第3の態様において、プロセッサは、一の校正用端末について指定された校正領域以外の校正領域についてのマスクを禁止情報としてドキュメントに付加する。第4の態様は、第3の態様における禁止情報の一態様を具体的に規定するものである。
【0017】
第5の態様に係るサーバ装置は第1から第4の態様のいずれか1つにおいて、プロセッサは、校正用端末から、校正結果と、校正領域の情報と、校正用端末のユーザである第2ユーザを示す情報であって、校正結果を入力した第2ユーザを示す情報と、を受信し、校正用端末から受信した校正結果と、校正領域の情報と、校正結果を入力した第2ユーザを示す情報と、を関連付けて第1表示装置に表示させる。第5の態様によれば、サーバ装置のユーザは、「どのユーザ(第2ユーザ)が、どの校正領域について、どのような校正結果を入力したのか」(すなわち、校正の経緯)を容易に把握することができる。
【0018】
第6の態様に係るサーバ装置は第5の態様において、プロセッサは、複数の校正用端末から受信した校正結果と、ドキュメントにおける校正領域のレイアウトを示す情報及び校正領域のコンテンツを示す情報と、校正結果を入力した第2ユーザを示す情報と、を関連付けて第1表示装置に表示させる。第6の態様によれば、サーバ装置のユーザは、「どの第2ユーザが、どの校正領域について、どのような校正結果を入力したのか」(校正の経緯)を、ドキュメントにおける校正領域のレイアウト及びコンテンツとの関係も含めて、容易に把握することができる。
【0019】
第7の態様に係るサーバ装置は第1から第6の態様のいずれか1つにおいて、プロセッサは、複数の校正用端末から受信した校正結果を、ドキュメントの全領域について一括して、または一部の領域について個別に表示させる。第7の態様によれば、サーバ装置のユーザ(上述のように、第1ユーザでもよい)は、所望の領域について校正結果を閲覧することができる。
【0020】
第8の態様に係るサーバ装置は第1から第7の態様のいずれか1つにおいて、プロセッサは、サーバ装置とネットワークを介して接続された管理用端末のユーザである第1ユーザの指示に応じて、複数の校正用端末から受信した校正結果の採用または不採用を決定し、採用した校正結果を、採用した校正結果が付された校正領域の情報と共に制作用端末に送信する。第8の態様によれば、第1ユーザは、適切な、あるいは必要な校正結果について採用を指示することができ、また制作用端末のユーザは、サーバ装置が送信した校正結果を、ドキュメントの修正作業に反映することができる。
【0021】
なお第8の態様及び以下の各態様において、「第1ユーザ(管理用端末のユーザ)」は、例えばドキュメントの発行元の担当者であり、ドキュメント発行までの工程(プロジェクト)を取り纏めるユーザであってよいが、これに限定されるものではない。「第1ユーザ」は複数人存在していてもよいし、複数の種別のユーザに分かれていてもよい。また、「第1ユーザ」がドキュメントに対し校正結果を付加してもよい。なお、管理用端末は1台でもよいし、複数台でもよい。
【0022】
第9の態様に係るサーバ装置は第1から第8の態様のいずれか1つにおいて、プロセッサは、校正領域の情報と、校正結果と、を関連付けて記録装置に記録させる。第9の態様によれば、サーバ装置のユーザ(上述のように、第1ユーザでもよい)は、記録された情報を参照して校正履歴の把握や進捗管理を容易に行うことができる。また第9の態様において、プロセッサは、第1ユーザの指示に応じて記録を行ってもよいし、第1ユーザの指示によらずに(例えば、記録時間の間隔や情報量等についての所定の条件が満たされた場合に自動的に)記録を行ってもよい。なお第9の態様において、プロセッサは、記録された情報を第1表示装置等の表示装置に表示させてもよい。
【0023】
第10の態様に係るサーバ装置は第9の態様において、プロセッサは、校正結果の採用または不採用を示す採用情報と、校正結果を採用または不採用とする理由を示す理由情報と、をサーバ装置とネットワークを介して接続された管理用端末から受信し、校正領域の情報と、校正結果と、採用情報及び理由情報と、を関連付けて記録装置に記録させる。第10の態様によれば、校正結果を採用または不採用とした理由についても他の情報と関連付けて記録することができ、サーバ装置のユーザは校正履歴の把握や進捗管理をいっそう容易に行うことができる。
【0024】
第11の態様に係るサーバ装置は第10の態様において、プロセッサは、管理用端末に対する、校正結果を採用または不採用としたユーザであって、管理用端末のユーザである第1ユーザを示す識別情報の入力を受け付け、採用情報及び理由情報と、識別情報とを関連付けて記録装置に記録させる。第11の態様によれば、識別情報についても他の情報と関連付けて記録することができるので、誰が(どの第1ユーザが)どの校正結果を採用または不採用したか、とその理由を記録でき、校正の経緯や履歴の把握、進捗管理を容易に行うことができる。なお第11の態様において、プロセッサは、記録された情報を第1表示装置等の表示装置に表示させてもよい。なお、第11の態様において「第1ユーザ」の意味は第8の態様と同様である。
【0025】
第12の態様に係るサーバ装置は第11の態様において、プロセッサは、校正結果が採用または不採用されたタイミングを示すタイミング情報を、採用情報及び理由情報、及び識別情報と関連付けて記録装置に記録させる。第12の態様によれば、タイミング情報についても他の情報と関連付けて記録することにより、サーバ装置のユーザは、記録の閲覧により校正履歴を詳細かつ容易に把握することができる。なお第12の態様において、プロセッサは、記録された情報を第1表示装置等の表示装置に表示させてもよい。
【0026】
第13の態様に係るサーバ装置は第1から第12の態様のいずれか1つにおいて、プロセッサは、サーバ装置とネットワークを介して接続された管理用端末のユーザである第1ユーザの指示に応じて、校正用端末のユーザである第2ユーザであって、校正領域についての校正を担当する第2ユーザと、校正期限と、を設定し、校正領域の情報と、設定した校正期限と、校正領域についての校正を担当する第2ユーザの校正用端末から校正結果を受信したか否かを示す情報と、を関連付けて第1表示装置に表示させる。第13の態様によれば、サーバ装置のユーザは、第2ユーザから校正結果を受信したか否か、及び期限内に受信したか否かを容易に把握することができる。なお、第13の態様において「第1ユーザ」の意味は第8,第11の態様と同様である。
【0027】
第14の態様に係るサーバ装置は第1から第13の態様のいずれか1つにおいて、プロセッサは、ドキュメントに校正のバージョンを設定し、指定されたバージョンのドキュメントを第1表示装置に表示させる。第14の態様によれば、サーバ装置のユーザはバージョンの管理及び把握を容易に行うことができる。なお、第14の態様において、プロセッサは、第1ユーザの指示に応じてバージョンを設定してもよいし、第1ユーザの指示によらずに(例えば、設定の時間間隔、校正結果の記録回数や情報の記録量等についての所定の条件が満たされた場合に自動的に)バージョンを設定してもよい。
【0028】
第15の態様に係るサーバ装置は第1から第14の態様のいずれか1つにおいて、プロセッサは、指定されたバージョンのドキュメントである第1ドキュメントと、指定されたバージョンより以前のバージョンのドキュメントである第2ドキュメントに対する校正結果と、を関連付けて第1表示装置に表示させる。第15の態様によれば、ユーザは、第1表示装置の表示を参照して、以前のバージョンに対する校正結果が、指定されたバージョンにどのように反映されたのかを確認することができる。
【0029】
第16の態様に係るサーバ装置は第1から第15の態様のいずれか1つにおいて、ドキュメントのデータを記録する記録装置をさらに備え、プロセッサは、サーバ装置とネットワークを介して接続された管理用端末、校正用端末、及び制作用端末に対し、記録装置に記録されたデータの閲覧及び修正を許可または禁止する。第16の態様において、プロセッサは第1ユーザを許可または禁止の対象とすることができ、これによりユーザの権限等に応じた閲覧及び修正の制限が可能となる。なお第16の態様において、「データ」はドキュメントを示す情報、校正領域の情報、校正結果等であってよい。
【0030】
第17の態様に係るサーバ装置は第1から第16の態様のいずれか1つにおいて、プロセッサは、ドキュメントの情報と、ドキュメントの担当者である第1ユーザであって、サーバ装置とネットワークを介して接続された管理用端末のユーザである第1ユーザの情報と、を関連付けて保存し、担当者である第1ユーザの管理用端末に対し、第1ユーザが担当するドキュメントの情報を閲覧させる。第17の態様によれば、第1ユーザは、自分が担当するドキュメントの情報を閲覧することができる。なお第17の態様において、プロセッサは第1表示装置に情報を表示させることで、第1ユーザにドキュメントの情報を閲覧させてもよい。
【0031】
第18の態様に係るサーバ装置は第1から第17の態様のいずれか1つにおいて、プロセッサは、校正領域の情報として、ドキュメントにおける校正領域の位置、大きさ、及び形状を示すレイアウト情報と、校正領域に含まれるテキストと画像とのうち少なくとも一方を示すコンテンツ情報と、を含む情報を複数の校正用端末に送信する。第18の態様は、「校正領域の情報」の一態様を具体的に規定するものである。
【0032】
上述した目的を達成するため、本発明の第19の態様に係るドキュメント校正システムは、サーバ装置と、管理用端末と、複数の校正用端末と、制作用端末と、がネットワークを介して接続されたドキュメント校正システムであって、サーバ装置は、制作用端末にドキュメントの制作指示または修正指示を送信し、制作指示または修正指示に対応して制作用端末から受信したドキュメントを第1表示装置に表示させ、複数の校正用端末を構成する校正用端末に対して、ドキュメントの校正領域を個別に指定し、校正領域の情報と、校正領域についての校正依頼とを、複数の校正用端末に個別に送信し、校正領域についてのコメントと修正指示とのうち少なくとも一方を含む校正結果を、校正依頼の送信先である校正用端末から受信し、受信した校正結果と、校正領域の情報と、を第1表示装置に表示させ、校正用端末は、校正用端末のユーザである第2ユーザの指示に応じて、校正領域の情報を第2表示装置に表示させ、校正領域について、第2ユーザによる校正結果を受け付け、受け付けた校正結果を、校正領域の情報と関連付けてサーバ装置に送信し、制作用端末は、制作用端末のユーザである第3ユーザの指示に応じて、ドキュメントを示す情報をサーバ装置に送信する。
【0033】
第19の態様によれば、第1の態様と同様に、複数のユーザが効率的にドキュメントを校正でき、校正の進捗管理が容易である。なお、第19の態様に係るドキュメント校正システムは、第2から第18の態様について上述した構成と同様の構成を含んでいてもよい。
【0034】
第19の態様において、「第1ユーザ」が複数存在していてもよい。また、管理用端末は1台でもよいし、複数台でもよい。さらに、「第1ユーザ」が複数の種別のユーザに分かれていてもよい。これらの点は、第1の態様について上述したのと同様である。
【0035】
上述した目的を達成するため、本発明の第20の態様に係る作動方法は、プロセッサを備えるサーバ装置の作動方法であって、プロセッサは、サーバ装置とネットワークを介して接続された制作用端末にドキュメントの制作指示または修正指示を送信し、制作指示または修正指示に対応して制作用端末から受信したドキュメントを第1表示装置に表示させ、サーバ装置とネットワークを介して接続された複数の校正用端末に対して、ドキュメントの校正領域を個別に指定し、校正領域の情報と、校正領域についての校正依頼とを、複数の校正用端末に個別に送信し、プロセッサは、校正領域についてのコメントと修正指示とのうち少なくとも一方を含む校正結果を、校正依頼の送信先である校正用端末から受信し、受信し記校正結果と、校正領域の情報と、を第1表示装置に表示させ、プロセッサは、ドキュメントを示す情報を制作用端末から受信する。
【0036】
第20の態様によれば、第1,第19の態様と同様に、複数のユーザが効率的にドキュメントを校正でき、校正の進捗管理が容易である。なお、第20の態様に係る作動方法は、第2から第18の態様と同様の構成を含んでいてもよい。
【0037】
また、上述した態様の作動方法をコンピュータに実行させるプログラム、及び斯かるプログラムのコンピュータ読み取り可能なコードを記録した非一時的(non-transitory)かつ有体(tangible)の記録媒体も、本発明の態様として挙げることができる。なお、この「非一時的かつ有体の記録媒体」は、搬送波信号や伝播信号そのもののような、非有体の記録媒体を含まない。
【0038】
上述した目的を達成するため、本発明の第21の態様に係るドキュメント校正方法は、サーバ装置と、管理用端末と、複数の校正用端末と、制作用端末と、がネットワークを介して接続されたドキュメント校正システムにより実行されるドキュメント校正方法であって、サーバ装置は、制作用端末にドキュメントの制作指示または修正指示を送信し、制作指示または修正指示に対応して制作用端末から受信したドキュメントを第1表示装置に表示させ、複数の校正用端末を構成する校正用端末に対して、ドキュメントの校正領域を個別に指定し、校正領域の情報と、校正領域についての校正依頼とを、複数の校正用端末に個別に送信し、校正領域についてのコメントと修正指示とのうち少なくとも一方を含む校正結果を、校正依頼の送信先である校正用端末から受信し、受信した校正結果と、校正領域の情報と、を第1表示装置に表示させ、校正用端末は、校正用端末のユーザである第2ユーザの指示に応じて、校正領域の情報を第2表示装置に表示させ、校正領域について、第2ユーザによる校正結果を受け付け、受け付けた校正結果を、校正領域の情報と関連付けてサーバ装置に送信し、制作用端末は、制作用端末のユーザである第3ユーザの指示に応じて、ドキュメントを示す情報をサーバ装置に送信する。
【0039】
第21の態様によれば、第1,第19,第20の態様と同様に、複数のユーザが効率的にドキュメントを校正でき、校正の進捗管理が容易である。なお、第21の態様に係るドキュメント校正方法は、第2から第18の態様と同様の構成を含んでいてもよい。
【0040】
また、これら態様のドキュメント校正方法をコンピュータに実行させるプログラム、及び斯かるプログラムのコンピュータ読み取り可能なコードを記録した非一時的(non-transitory)かつ有体(tangible)の記録媒体も、本発明の態様として挙げることができる。なお、この「非一時的かつ有体の記録媒体」は、搬送波信号や伝播信号そのもののような、非有体の記録媒体を含まない。
【発明の効果】
【0041】
以上説明したように、本発明のサーバ装置、ドキュメント校正システム、サーバ装置の作動方法、及びドキュメント校正方法によれば、複数のユーザが効率的にドキュメントを校正でき、校正の進捗管理が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係るドキュメント校正システムの構成を示す図である。
【
図4】
図4は、制作用端末の構成及び校正用端末の構成を示す図である。
【
図5】
図5は、ドキュメントのイメージを示す図である。
【
図6】
図6は、校正の取り纏めの様子を示す図である。
【
図7】
図7は、ドキュメント校正システムにおける業務フローの例を示す図である。
【
図9】
図9は、校正領域を指定した状態での校正依頼の様子を示す図である。
【
図10】
図10は、ドキュメントにマスクを設定する様子を示す図である。
【
図11】
図11は、マスクをレイヤー化する様子を示す図である。
【
図12】
図12は、校正依頼を校正用端末に個別に送信する様子を示す図である。
【
図13】
図13は、校正用端末での校正の様子を示す図である。
【
図14】
図14は、管理用端末での校正結果の表示例を示す図である。
【
図15】
図15は、ドキュメントと校正結果とを関連付けて表示する例を示す図である。
【
図16】
図16は、ユーザが校正結果の採用または不採用を示す情報を入力する様子を示す図である。
【
図17】
図17は、データベースにおける記録の例を示す図である。
【
図18】
図18は、校正依頼及び校正結果の記録の例を示す図である。
【
図19】
図19は、各ユーザが担当するプロジェクトの進捗管理画面の例を示す図である。
【
図20】
図20は、管理用端末に関する変形例を示す図である。
【
図21】
図21は、校正の取り纏めについての変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
本発明に係るサーバ装置、ドキュメント校正システム、サーバ装置の作動方法、及びドキュメント校正方法の実施形態についての詳細な説明は以下の通りである。説明においては、必要に応じて添付図面が参照される。
【0044】
[第1の実施形態]
[ドキュメント校正システムの構成]
図1は、第1の実施形態に係るドキュメント校正システムの構成を示す図である。同図に示すように、ドキュメント校正システム10(ドキュメント校正システム)は、サーバ装置100(サーバ装置)と、管理用端末200(管理用端末)と、制作用端末300(制作用端末)と、校正用端末400A~400D(複数の校正用端末)と、を備え、これらがインターネット等のネットワークNW(通信回線)を介して接続されている。なお、
図1では4つの校正用端末400A~Dを示しているが、校正用端末400の数は2以上(複数)であればよい。なお、本実施形態では、校正用端末400A~400Dのユーザ(第2ユーザ)がそれぞれサプライヤーA~サプライヤーDであるものとするが、校正用端末のユーザを区別しない状況においては、これら端末を一括して「校正用端末400」と記載する場合がある。
【0045】
また、ドキュメント校正システム10は不図示のDAMサーバ(DAM:Digital Asset Management、デジタル資産管理サーバ)と接続されていてもよく、DAMサーバが管理するデジタル資産を管理用端末200、制作用端末300、及び校正用端末400のユーザに利用させてもよい。DAMサーバは、テキスト、画像、音声その他ドキュメントの制作に必要な各種の素材(デジタル資産)を管理するサーバであり、素材の記録(例えば、データベース化してユーザが必要な素材を見つけやすくする)、バージョン管理(例えば、最新のデータを提供する)、閲覧制限(例えば、秘密保持や著作権等により使用が制限される素材を管理する、権限のあるユーザにのみ素材の閲覧や使用を許可する)等を行うことができる。
【0046】
[サーバ装置の構成]
図2は、サーバ装置100の構成を示す図である。同図に示すように、サーバ装置100は、プロセッサ104(プロセッサ)と、ROM106(ROM:Read Only Memory)と、RAM108(RAM:Random Access Memory)と、通信インタフェース110と、データベース112(記録装置)と、を備える。
【0047】
[プロセッサの機能]
プロセッサ104の機能(各種情報の送受信や記録、表示、マスクの設定等)は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、PLD(Programmable Logic Device)等の各種のプロセッサや電気回路で実現することができる。これらのプロセッサや電気回路がソフトウェア(プログラム)を実行する際は、実行するソフトウェアのコンピュータ(例えば、プロセッサを構成する各種のプロセッサや電気回路、及び/またはそれらの組み合わせ)で読み取り可能なコードをROM106等の非一時的かつ有体の記録媒体に記憶しておき、コンピュータがそのソフトウェアを参照する。非一時的かつ有体の記録媒体に記憶しておくソフトウェアは、本発明に係るプログラム(サーバ装置の作動方法を実行させるプログラム、及びドキュメント校正方法を実行させるプログラム)、及びその実行に際して用いられるデータを含む。ROM106ではなく、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)やフラッシュROM等の非一時的かつ有体の記録媒体にコードを記録してもよい。なお、この「非一時的かつ有体の記録媒体」は、搬送波信号や伝播信号そのもののような非有体の記録媒体を含まない。ソフトウェアを用いた処理の際には、RAM108が、一時的記憶領域あるいは作業領域として用いられる。
【0048】
上述した構成のプロセッサ104を用いた処理については、詳細を後述する。
【0049】
[通信インタフェース]
通信インタフェース110は、サーバ装置100がネットワークNWを介して管理用端末200、制作用端末300、及び校正用端末400と通信する際に用いられる。
【0050】
[データベース112]
データベース112(記録装置;非一時的かつ有体の記録媒体)は、ハードディスク等の光磁気記録媒体や半導体メモリ等の記録媒体と、それら記録媒体の制御部等とにより構成され、詳細を後述するように、ドキュメントのデータ、校正領域の情報、校正結果、採用情報、理由情報、及び識別情報等が記録される。
【0051】
[管理用端末の構成]
図3は、管理用端末200の構成を示す図である。同図に示すように、管理用端末200は、プロセッサ202(プロセッサ)と、ディスプレイ204(表示装置、第1表示装置)と、操作部206と、ROM208(非一時的かつ有体の記録媒体)と、RAM210と、記録部210とを備え、サーバ装置とネットワークNWを介して接続される(
図1を参照)。ドキュメント校正システム10において、管理用端末200のユーザ(第1ユーザ)は、この管理用端末200を用いて、ドキュメントを制作及び構成するメンバーを取り纏めることができ、またサーバ装置100の管理を行うことができる。なお、本実施形態において管理用端末200のユーザを「第1ユーザ」と呼ぶ。
【0052】
プロセッサ202は、CPUやGPU等のプロセッサや電気回路で構成され、管理用端末200における処理を制御する。またプロセッサ202による処理の際には、ROM208に記録されたプログラム及びデータが使用され、処理の際の一時的記憶領域や作業領域としてRAM210が用いられる。これらの点は、上述したサーバ装置100のプロセッサ104、ROM106、及びRAM108について上述したのと同様である。
【0053】
操作部206はキーボードやマウス等の入力デバイスやポインティングデバイスを含み、ユーザの操作を受け付ける。ディスプレイ204がタッチパネルの機能を有している場合、ディスプレイ204を操作部206として用いてもよい。ディスプレイ204は液晶モニタ等のデバイスにより構成され、ドキュメントや校正結果を表示することができる。
【0054】
上述した構成の管理用端末200は、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン等のデバイスを用いて構成することができる。なお、ドキュメント校正システム10において、管理用端末200は複数台存在していてもよいし、複数のユーザ(第1ユーザ)が存在していてもよい(
図20,21について後述する変形例を参照)。例えば、複数のメンバーがそれぞれ管理用端末200を用いてドキュメント校正作業の取り纏めを行う、という態様も可能である。
【0055】
記録部212は、光磁気記録媒体や半導体メモリ等の非一時的かつ有体の記録媒体、及びその制御部を含み、ドキュメントのデータや校正結果等の情報を記録することができる。
【0056】
[制作用端末及び校正用端末の構成]
図4は制作用端末300の構成及び校正用端末400の構成を示す図である。同図の(a)部分に示すように、制作用端末300はプロセッサ302と、ディスプレイ304(表示装置)と、操作部306と、ROM308と、RAM310と、記録部312とを備える。制作用端末300のユーザ(第3ユーザ)は、例えばデザイン部門の担当者やデザイン会社のスタッフ等の制作担当者であってよいが、これに限定されるものではない。
【0057】
なお、ドキュメントの制作及び修正に関し、サーバ装置100は制作用端末300で制作及び/または修正されたドキュメントをその制作用端末300から取得してもよいし、他の端末(不図示)で制作及び/または修正されたドキュメントを制作用端末が記録媒体やネットワークNW経由で取得して、サーバ装置100がこのドキュメントを制作用端末300から取得してもよい。すなわち、ドキュメント校正システム10では、制作用端末300でドキュメントの制作や修正が行われてもよいし、制作用端末300とは別の端末で制作や修正が行われてもよい。
【0058】
また、
図4の(b)部分に示すように、校正用端末400はプロセッサ402と、ディスプレイ404(第2表示装置)と、操作部406と、ROM408と、RAM410と、記録部412とを備える。校正用端末400のユーザ(第2ユーザ)は、例えばドキュメントに掲載する商品やサービス、あるいは情報を提供する事業者(サプライヤー)の担当者であってよいが、これに限定されるものではない。
【0059】
プロセッサ302,402、ROM308,408、及びRAM310,410の構成及び作用については、サーバ装置100のプロセッサ104、ROM106、及びRAM108について上述したのと同様である。制作用端末300及び校正用端末400は、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン等のデバイスを用いて構成することができる。
【0060】
第1の実施形態に係るドキュメント校正システム10では、上述した構成により、ソフトウェアによる情報処理(サーバ装置の作動方法及びプログラムによる処理、並びにドキュメント校正方法及びプログラムによる処理)がハードウェア資源(各端末、プロセッサ等)を用いて具体的に実現される。
【0061】
[ドキュメント校正システムにおける処理]
上述した構成のドキュメント校正システム10におけるサーバ装置100の作動方法、及びドキュメント校正方法の処理について説明する。
【0062】
[ドキュメントのデータ形式及び種類]
なお、第1の実施形態において、「ドキュメント」のデータ形式としては、例えばワードプロセッサや表計算用のソフトウェア、プレゼンテーション用資料を作成するソフトウェア、画像編集用ソフトウェア、CAD(Computer Aided Design System)用のソフトウェアで作成したデータや、PDFデータ(PDF:Portable Document Format)を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。ドキュメントは、画像や、文字、数字、記号等のテキスト、図表、1次元または2次元のバーコード、ネットワーク上のデータに対するリンク等を含んでいてよい。また、ドキュメントは紙等の媒体に印刷(出力)されて顧客の閲覧に供されてもよいし、インターネット等のネットワークや記録媒体を介して公表あるいは配布されてもよい。
【0063】
また、第1の実施形態において、ドキュメントは例えばチラシ、カタログ、パンフレット、デジタルフォトアルバム、ポスター等の制作物を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。ドキュメントには商品やサービス、イベント等の情報が掲載されていてよい。なお、ドキュメントは1ページでもよいし複数ページでもよいが、複数ページの場合、後述する「校正領域の情報」がページを特定する情報を含むことが好ましい。同様に、ドキュメントは両面(表面及び裏面)に情報が掲載された状態で印刷(出力)されるものでもよいが、その場合、後述する「校正領域の情報」が面を特定する情報を含むことが好ましい。
【0064】
[ドキュメントの例]
図5は、ドキュメントの例を示す図である。同図に示すドキュメントは、スーパーマーケット「FUJIストア」による「大感謝セール」のチラシ500(ドキュメント、制作物)であり、チラシ500は、ストア名やイベントの名称が記載される共通領域502(校正領域)と、各サプライヤーのアイテムが記載される個別領域504,506,508,510(校正領域)とを含んでいる。なお、上述した「共通領域」は、ストアのアクセス先(地図、電話番号、メールアドレス、URL等)やセール期間等の、サプライヤーに共通の情報が記載される領域であってもよい。チラシ500に対する校正の様子は、後述する。
【0065】
[校正の取り纏め]
ドキュメント校正システム10では、第1ユーザ(管理用端末200のユーザ)が校正の取り纏めを行うことができる。
図6は、校正の取り纏めの様子を示す図である。同図の例では、ある制作物(ドキュメント)に対し校正指示が4件(校正指示1~4;修正指示)、コメント及び校正指示が2件(コメント6,7及び校正指示6,7)、その他コメントが1件(コメント5)付加されている。具体的には、取り纏め担当(第1ユーザ)がコメント5及び校正指示1~4を付加し、校正者1(サプライヤーA;第2ユーザ)がコメント6及び校正指示6を付加し、校正者2(サプライヤーB;第2ユーザ)がコメント7及び校正指示7を付加している。
【0066】
ドキュメント校正システム10では、校正者同士は、他の校正者が付加したコメント及び校正指示を閲覧及び編集できないようになっている(詳細は後述)。
図6の例では、校正者1は校正者2が付加したコメント7及び校正指示7を閲覧できず、校正者2は校正者1が付加したコメント6及び校正指示6を閲覧できない。これにより、校正者1に関する情報(その校正領域に掲載する情報、例えば、アイテムのデザインや価格等)が、制作物(ドキュメント)の正式な発行前に校正者2(他の校正領域の校正を担当するユーザ)に漏れてしまうのを防止することができる。
【0067】
なお、取り纏め担当(第1ユーザ)自身がコメント及び校正指示を付加することもでき、また取り纏め担当は全てのコメント及び校正指示を閲覧することができる。
【0068】
また、コメント及び校正指示は、取り纏め担当(第1ユーザ)の判断により採用される場合もあるし、不採用となる場合もある(後述)。即ち、必ずしも全てのコメントや校正指示が採用されるわけではない。
図6の例では、最終的に、校正指示1、コメント5、コメント6及び校正指示6が採用され、制作担当のユーザ(制作用端末300のユーザ;第3ユーザ)に伝えられる。
【0069】
[ドキュメント校正システムにおける業務フロー]
図7は、ドキュメント校正システムにおける業務フローの例を示す図である。同図において、「制作担当」は制作用端末300のユーザ(第3ユーザ)であり、「取り纏め担当」は管理用端末200のユーザ(第1ユーザ)であり、「校正担当」は校正用端末400のユーザ(第2ユーザ)である。なお、
図7ではサーバ装置100の図示を省略しているが、各端末での処理、及び一の端末での処理に基づく他の端末での処理にサーバ装置100が介在する場合がある。
【0070】
なお、
図7の例では、
図1に対応させて4つの校正用端末400(ユーザは第2ユーザであるサプライヤーA~D)を記載しているが、校正用端末400の数はこの例に限定されるものではない。
【0071】
[ドキュメントの制作指示または修正指示]
制作用端末300は、ユーザ(第3ユーザ)の指示に応じて、制作物のデザイン原稿(ドキュメントを示す情報;ここでは
図5に示すチラシ500の原稿)をサーバ装置100に送信する(ステップS100)。なお、「ドキュメントを示す情報」は、例えば、そのドキュメントについての、上述した各種の形式(PDF等)のデータファイルを含んでいてよい。
【0072】
なお、ステップS100に先立って、ドキュメントの制作指示または修正指示が管理用端末200からサーバ装置100に送信され、サーバ装置100がこの指示を制作用端末300に送信しているものとする。送信される制作指示または修正指示は、ドキュメントの新規な制作指示でもよいし、ステップS250について後述する修正依頼でもよい。
【0073】
ドキュメントの校正において、端末(管理用端末200、制作用端末300、校正用端末400)間のデータの送受信は、サーバ装置100を介して行うことができる。ステップS100の例では、制作用端末300のユーザ(第3ユーザ)がデザイン原稿の送信を指示すると、制作用端末300からの要求に応じて、サーバ装置100から管理用端末200に対し、電子メールやSNS(Social Networking Service)により、データ格納場所を示すURL(Uniform Resource Locator)等の情報を含むメッセージが送信される。管理用端末200のユーザ(第1ユーザ)は、管理用端末200を介してその情報にアクセスしてデータを取得(ダウンロード)させることができる。管理用端末200が、ユーザの指示によらずに(例えば、上記通知に応じて自動的に)データを取得してもよい。
【0074】
サーバ装置100を介したデータの送受信は、他のステップにおいても同様に行うことができる。なお、本実施形態では、サーバ装置100を介したデータの送受信について、サーバ装置100の記載を省略して「制作用端末300から管理用端末200にデータを送信する」のように記載する場合がある。
【0075】
[原稿の受信及び表示]
サーバ装置100のプロセッサ104(プロセッサ)は、制作指示または修正指示に対応して制作用端末300からドキュメント(チラシ500)の原稿を受信し、管理用端末200のプロセッサ202は、このドキュメントを受信(受領)して(ステップS200)、ディスプレイ204(第1表示装置)に表示させる(ステップS200)。
【0076】
[校正依頼]
図8は、校正依頼の様子を示す図である。同図の(a)部分は、校正依頼画面の例を示す。同部分に示すように、校正依頼画面520はプロジェクト名、ドキュメントの情報、校正担当者を識別する情報、校正依頼者を識別する情報、校正領域の指定結果、マスクの設定結果、校正期限、校正依頼者のコメント等の情報を含んでいてよい。プロセッサ202は、このような画面をディスプレイ204(第1表示装置)に表示させることができる。校正依頼画面にはプロジェクト名が表示され、また管理用端末200のユーザ(第1ユーザ)は、依頼内容、担当者(ここでは校正用端末400のユーザであるサプライヤーA;第2ユーザ)、校正期限、コメントを入力することができる。校正依頼者の所属や名前が表示されていてもよいし、または入力可能でもよい。ユーザは、
図8の(b)部分に例示するように校正領域を指定し、またマスクを適用することができる(後述)。
【0077】
なお、第1の実施形態において、ドキュメントについての一連の工程(例えば、企画から制作、校正、発行が完了するまでの全体)を、「プロジェクト」と呼ぶことができる。
【0078】
[校正領域の指定]
[個別領域についての校正領域の指定]
ユーザが
図8の(a)部分に示す校正依頼画面520で「ドキュメントに校正領域を指定する」のボタン522をクリックすると、校正領域を指定することができる。
図8の(b)部分は校正領域指定画面の例を示す図である。同部分に示す校正領域指定画面524において、管理用端末200のユーザ(第1ユーザ)は、ディスプレイ204に表示されたドキュメントにおいて、所望の領域をマウスでクリックする、領域の一覧表やリストから選択する等の操作により、校正領域として指定する領域を選択する(ステップS210)。この際、管理用端末200のユーザは、チラシ500(ドキュメント)の校正領域を個別に(校正用端末400のユーザごとに)選択することができる(ステップS205)。「個別に」「ユーザごとに」とは、チラシ500の例では、各アイテムを提供するサプライヤーに、そのアイテムが掲載されている領域を校正領域として選択することである。例えば、サプライヤーA~Dがそれぞれアイテム「カラーTシャツ」、「デニムパンツ」、「定番ソックス」、「デザインジャケット」を提供する場合、管理用端末200のユーザ(第1ユーザ)は、サプライヤーA~Dに対して、それぞれ個別領域504,506,508,510を校正領域として指定することができる。具体的には、
図8の(b)部分に示すように、ユーザは、サプライヤーAに対しチラシ500の個別領域504を校正領域として指定することができる。同部分では、校正領域として指定されたことを太い枠線で示している。
【0079】
なお、プロセッサ202(及びプロセッサ104)は、取り纏め担当のユーザ(第1ユーザ)が例えばサプライヤーAについて個別領域504を選択した場合、他のサプライヤーについて個別領域504が選択されていないかどうかチェックすることが好ましく、またそのような個別領域が選択されている場合に警告を発することや、そのような選択自体を受け付けないようにすることが好ましい。
【0080】
図9は、校正領域を指定した状態での校正依頼の様子(校正依頼画面526)を示す図である。
【0081】
[共通領域についての校正領域の指定]
なお、管理用端末200のユーザは、個別領域に加えて、共通領域502等の共通領域を、複数のユーザ(校正用端末400のユーザ;第2ユーザ)に共通の校正領域として選択してもよい。プロセッサ202は、そのような選択の操作を受け付けることができる。ユーザは、必ずしも全てのユーザに対し共通領域を校正領域として設定しなくてもよい。例えば、「サプライヤーA,Bに対しては個別領域に加えて共通領域を校正領域として指定するが、サプライヤーC,Dに対しては個別領域のみを校正領域として指定する」という態様も可能である。
【0082】
[マスクの適用]
ドキュメント校正システム10では、校正依頼の際に、ドキュメントにマスク(禁止情報)を適用することができる。管理用端末200のユーザが、操作部206により
図9に示す「ドキュメントにマスクを適用する」のボタン528を選択すると、マスク設定画面に移行する。マスク設定画面で、管理用端末200のユーザは、マスクを適用するための操作を、操作部206により行うことができる(例えば、マスクを適用する領域をマウスのクリックで選択する、領域の一覧表から必要な領域を選択する、等)。また、プロセッサ202は、校正領域として指定された領域以外の領域に自動的にマスクを適用してもよい。
【0083】
図10は、チラシ500(ドキュメント)にマスクを適用(設定)する様子を示す図である。
図10の(a)部分に示す例では、個別領域504が校正領域として指定されており、それ以外の領域(共通領域502、個別領域506,608,510)にマスク(黒で塗りつぶした部分)が適用された状態が表示されている。このマスクは、一の校正用端末に対し指定された校正領域について、他の校正用端末からの閲覧及び編集を禁止する禁止情報であり、
図10の(a)部分に示す例では、サプライヤーAは、自分が校正を担当する個別領域504を閲覧できるが、他のサプライヤーB~Dが校正を担当する個別領域506~510は閲覧及び編集できない。逆に、サプライヤーA(校正用端末400A)に対し指定された個別領域504については、他のサプライヤーB~D(校正用端末400B~400D)は閲覧及び編集できない。
【0084】
図10の(b)部分は、共通領域502及び個別領域504が校正領域として指定されており、これら以外の領域(個別領域506~510)についてマスクが設定された様子を示す。
【0085】
[レイヤーの重ね合わせによるマスク設定]
プロセッサ104は、元のドキュメントに対しマスク用のレイヤーを重ねることにより、マスクを設定することができる。
図11は、マスクをレイヤー化したイメージを示す図であり、同図の(a)部分は元のドキュメント(チラシ500)のレイヤー(コンテンツは表示を省略)を示す。また、同図の(b)部分はマスクのレイヤーを示しており、校正領域(この例では個別領域504)の部分はマスク無しである。プロセッサ104は、これらのレイヤーを重ね合わせることにより、マスクを設定することができる
なお、
図10,11では、マスクが「黒色の塗り潰し」である場合の例を示しているが、指定された校正領域以外の領域が閲覧できないものであれば、マスクは黒色の塗り潰しには限定されない。即ち、マスクは黒以外の色でもよいし、模様が付いていてもよいし、モザイクを掛けた状態でもよい。
【0086】
ドキュメントに校正領域が指定されマスクが適用されると、その結果が
図9のような校正依頼画面526に反映される。管理用端末200のユーザは、このような画面により、校正依頼前に校正領域及びマスクのイメージを確認することができる。
【0087】
なお、本実施形態において、
図8~10に例示する画面は「校正領域が指定されマスクが適用された状態のドキュメントのイメージ」を示すものであり、実際にドキュメントにマスクを適用する処理は、プロセッサ202から送信される情報に基づいてプロセッサ104(サーバ装置100)が行う。
【0088】
プロセッサ202は、管理用端末200のユーザが入力した情報を、サーバ装置100に送信すると共に、関連付けて記録部212に記録する。なお、サーバ装置100のプロセッサ104も、データベース112(記録装置)に情報を記録してよい。
【0089】
[SDKによる処理]
本実施形態において、ドキュメントに対する校正領域の指定、マスクの適用、コメントや修正指示の付加等の処理は、SDK(Software Development Kit)を用いて行うことができる。SDKはシステムやアプリケーションを構築するための開発ツールの集合であり、一般的にコンパイラ、デバッガ、API(Application Programming Interface)等を含む。近年、各種オフィスソフトウェア(ワードプロセッサ、表計算、プレゼンテーション用資料作成、文書レイアウト、画像編集等のソフトウェア)やそれらソフトウェアで作成したファイル(PDF形式のファイルを含む)を利用するSDKが広く利用されており、本実施形態においてもそのようなSDKを用いることができる。
【0090】
[校正用端末への校正依頼の送信]
プロセッサ202(管理用端末200)は、
図8,9に示す情報(プロジェクト名、ドキュメントの情報、校正担当者を識別する情報、校正依頼者を識別する情報、校正領域の指定結果、マスクの設定結果、校正期限、コメント等)を含む校正依頼を、サーバ装置100に送信する(
図7のステップS220)。プロセッサ104(サーバ装置100)は、受信した情報に基づいてドキュメントの校正領域を個別に指定すると共に、選択されたマスクをドキュメントに設定(付加)する(ステップS220)。
【0091】
プロセッサ104は、管理用端末200から受信した情報に基づいて、ドキュメントと、校正領域の情報と、校正領域についての校正依頼とを、校正用端末400A~300D(複数の校正用端末)に個別に送信する(ステップS220)。
図12は、校正依頼等を校正用端末400に個別に送信するイメージを示す図であり、プロセッサ104は、同図の(a)部分~(d)部分に示す校正領域及びマスクの情報(個別領域504~510、マスク500A~500D)等を、それぞれ校正用端末400A~400Dに個別に送信する。プロセッサ104は、校正領域の情報として、ドキュメントにおける校正領域の位置、大きさ、及び形状を示すレイアウト情報と、校正領域に含まれるテキストと画像とのうち少なくとも一方を示すコンテンツ情報と、を含む情報を送信することが好ましい。
【0092】
[校正用端末での校正]
次に、校正用端末での校正について説明する。ここでは校正用端末400Aでの処理について説明する(
図7のステップS300A~S304A)が、校正用端末400B~400Dでも同様の処理を行うことができる。
【0093】
プロセッサ402(校正用端末400A)は、サーバ装置100を介して管理用端末200から校正依頼等(ドキュメント、校正領域の情報、及び校正依頼を含む)を受信し(ステップS300A)、校正用端末400Aのユーザ(第2ユーザ)の指示に応じて、受信した校正依頼等をディスプレイ404(第2表示装置)に表示させる。この際、プロセッサ402は、プロジェクト名、ドキュメントの情報、校正担当者を識別する情報、校正依頼者を識別する情報、校正領域の指定結果、マスクの設定結果、校正期限、コメント等を表示させることができる。この際、プロセッサ402は、ドキュメントにマスクが付加されている場合は、そのマスクをドキュメントに重ねて表示し、マスクが付加されている領域の内容をユーザに閲覧及び編集させない。
【0094】
また、プロセッサ402は、ドキュメントの校正領域部分のみを表示させてもよいし(
図13の(a)部分の例を参照)、マスク付きのドキュメント全体を表示させてもよい(
図13の(b)部分の例を参照)。校正用端末400Aのユーザ(サプライヤーA;第2ユーザ)は、校正依頼に対し、校正結果(校正領域についてのコメントと修正指示とのうち少なくとも一方を含むものとする)を入力することができる。
【0095】
図13の(a)部分は、コメント及び修正指示の入力例を示す。同部分では、校正結果がNGであり画像の差替指示をする例を示している。なお、同部分では、チラシ500のうちサプライヤーA(第2ユーザ)について指定された校正領域(個別領域504)についてのみ表示した様子を示している。同部分に示す状態で、ユーザは、「ファイルを添付する」のボタンをクリックすることにより、校正結果に画像その他のファイル(同部分の例では、Tシャツの差替用画像)を添付することができる。
【0096】
また、
図13の(b)部分は、コメントの入力例を示す。同部分の例では、「問題なし」「校正OK」なので、修正指示は入力されていない。また、
図13の(b)部分では、マスクが適用されたチラシ500の全体を表示(個別領域504のみについてコンテンツを表示)した例を示している。このような表示によれば、サプライヤーA(第2ユーザ)は、自分が校正を担当する領域(校正領域)に含まれるコンテンツ(テキストと画像とのうち少なくとも一方を含むコンテンツ情報)、及びドキュメントにおける校正領域の位置、大きさ、及び形状(レイアウト情報)を、容易に把握することができる。なお、ユーザ(第2ユーザ)は、ドキュメント上に校正指示を書き込む操作を行うことができる(後述する
図14,15の例を参照)。
【0097】
図13の画面でユーザが「回答する」のボタン604をクリックすると、プロセッサ402は、校正領域(個別領域504)についてのコメントと修正指示とのうち少なくとも一方を含む校正結果をサーバ装置100に送信(返送)し(ステップS304A)、プロセッサ104(サーバ装置100)は、校正依頼の送信先である校正用端末400Aから校正結果を受信する(ステップS304A)。プロセッサ104は、校正結果をドキュメントとは別のファイルとしてもよいし、レイヤー化してドキュメントに関連付けてもよい。プロセッサ104は、校正結果と校正領域の情報とを、ディスプレイ204(第1表示装置)に表示させるために、受信した校正結果を管理用端末200に送信する。
【0098】
プロセッサ202(管理用端末200)は、サーバ装置100から受信した(ステップS230)校正結果と校正領域の情報とを、ディスプレイ204に表示する(ステップS230)。プロセッサ202は、校正用端末400A~400D(複数の校正用端末)のそれぞれについて、校正結果を収集する(ステップS304A,S304B,S304C,S304D;S230)。なお、プロセッサ202は、ユーザ(第1ユーザ)の指示に応じてサーバ装置100に校正結果の送信を要求し、情報を取得してもよい。
【0099】
なお、プロセッサ104は、ユーザの指示に応じて、またはユーザの指示によらずに自動的に、校正依頼及び校正結果をマージ(統合)して(ステップS240)、データベース112(記録装置)に記録することができる(後述する
図16の例を参照)。プロセッサ104は、ドキュメントのバージョンごとに記録を行うことが好ましい。
【0100】
[校正結果の表示]
図14は、管理用端末での校正結果の表示例(ディスプレイ204での画面表示例)を示す図である。
図14の(a)部分は、ドキュメント及び全ての校正担当者(サプライヤーA~D)からの校正結果532,534,536をドキュメントの全領域について一括して表示する例を示しており、同図の(b)部分は、ドキュメント及び一部の校正担当者(ここではサプライヤーA)からの校正結果534(一部の校正領域についての校正結果)を個別に表示する例を示している。ユーザは、校正結果の表示を、「個別表示」「一括表示」のボタン540,542をクリックすることにより切り替えることができる。
【0101】
共通領域502の部分に示すように、プロセッサ104,202は、ユーザ(第1ユーザ)の指示に応じてドキュメント上に校正指示を書き込むことができる。この例では点線の枠538が書き込まれているが、ユーザは文字、数字、記号、画像の書き込みを指示してもよい。なお、プロセッサ104,202は、上述したマスクと同様に、校正指示をレイヤー化してドキュメントに重ねることができる。
【0102】
また、
図14に示す例では、括弧書きの数字により校正領域とコメントとを対応付けしているが、プロセッサ104,202は、ユーザの指示に応じて文字、記号、引き出し線、枠線等により対応付けしてもよく、また線種を換えたり文字や記号等に色彩を付したりしてもよい。例えば、校正領域を囲む枠と校正結果を囲む枠とを同じ色にすることが考えられる。
【0103】
このような表示により、ユーザ(第1ユーザ)は、ドキュメントと校正結果とを対比して確認することができる。
【0104】
[ドキュメントのバージョン管理]
プロセッサ104(サーバ装置100)は、ドキュメントに校正のバージョンを設定することができる。プロセッサ104は、管理用端末200のユーザ(第1ユーザ)の指示に応じてバージョンを設定してもよいし、ユーザの指示によらずに(例えば、設定の時間間隔、校正結果の記録回数や情報の記録量、全ての校正領域について校正結果が得られた、等についての所定の条件が満たされた場合に自動的に)バージョンを設定してもよい。プロセッサ104は、ドキュメントを、バージョン毎にデータベース112(記録装置)に記録することができる。
【0105】
プロセッサ104(サーバ装置100)は、管理用端末200のユーザ(第1ユーザ)の指示に応じて、指定されたバージョンのドキュメントを管理用端末200に送信し、プロセッサ202(管理用端末200)は、サーバ装置100が送信したドキュメントを受信して、ディスプレイ204(第1表示装置)に表示させる。なお、プロセッサ104,202は、ユーザの指示に応じて、複数バージョンのドキュメント(例えば、バージョン1とバージョン2)を一度に表示させてもよく、これによりユーザは、異なるバージョンのドキュメントを容易に比較することができる。
【0106】
[ドキュメントと校正結果の関連付け表示]
プロセッサ104(サーバ装置100)は、管理用端末200のユーザ(第1ユーザ)の指示に応じて、指定されたバージョンのドキュメント(第1ドキュメント)と、指定されたバージョンより以前の(例えば、直前の)バージョンのドキュメント(第2ドキュメント)に対する校正結果と、を関連付けて管理用端末200に送信することができ、プロセッサ202(管理用端末200)は、サーバ装置100が送信したドキュメント及び校正結果を受信して、ディスプレイ204(第1表示装置)に表示させる。
【0107】
図15は、ドキュメントと校正結果とを関連付けて表示する例を示す図である。
図15の(a)部分において、図の左側のドキュメント表示領域552における「Version 2」(現バージョン表示領域556)は表示されたドキュメントのバージョンを示し、図の右側の校正結果表示領域554における前バージョン表示領域558は、「Version 2」より以前の(直前の)バージョンである「Version 1」のドキュメントに対する校正結果を示している。前バージョン表示領域558において、数字の右側の三角形をクリックするとバージョン2,3,・・・のように新しいバージョンのドキュメントとそれ以前のバージョンに対する校正結果が順次表示され、数字左側の三角形をクリックするとバージョン3,2,・・・のように古いバージョンのドキュメントとそれ以前のバージョンに対する校正結果が順次表示される。
【0108】
このように、
図15に示す例では、指定されたバージョンのドキュメントと指定されたバージョンより以前のバージョンのドキュメントに対する校正結果とが連動して表示される。なお、これら表示は、指定されたバージョンのドキュメント及びこれに対応するコメントが存在している場合にのみ行われる。
【0109】
なお、
図15の(b)部分に示すように、プロセッサ104,202は、ユーザの指示に応じて、校正結果(ここではVersion 2のドキュメントに対する校正結果550)のみを表示させることもできる。
【0110】
図15に例示する表示により、ユーザは、以前のバージョンに対する校正結果が、指定されたバージョンにどのように反映されているのかを容易に確認することができる。
【0111】
[校正結果の採用または不採用]
プロセッサ104,202は、管理用端末200のユーザ(第1ユーザ)の指示に応じて、校正結果を採用または不採用とし、その理由を付加することができる。
図16は、ユーザが校正結果の採用または不採用を示す情報(採用情報)を入力する様子を示す図である。同図では、
図15の例と同様に、指定されたバージョンのドキュメントと指定されたバージョンより以前のバージョンのドキュメントに対する校正結果とが連動して表示されており、これらの情報に加えてさらに、「採用」「不採用」(採用情報)を入力するボタン572,574、及び校正結果を採用または不採用とする理由を示す情報(理由情報)を入力するためのボタン576が設けられている。これらのボタンは、コメント及び修正指示ごとに設けられる。
【0112】
[校正結果等の記録]
プロセッサ104(サーバ装置100)は、校正領域の情報と、校正結果とを管理用端末200から受信し、これらを関連付けてデータベース112(記録装置)に記録させることができる。また、プロセッサ104は、採用情報及び理由情報を管理用端末200から受信し、これらの情報を校正領域の情報及び校正結果と関連付けて(即ち、いずれの校正領域についてどのような校正結果が付加され、その校正結果がどのような理由で採用または不採用されたのか、を)、データベース112(記録装置)に記録させることが好ましい。さらに、プロセッサ104は、校正結果を採用または不採用とした第1ユーザの識別情報の入力を受け付け、上述した情報と関連付けて(即ち、だれがそのような採用または不採用の判断をしたのか、を)記録することが好ましい。ここで「識別情報」は、例えば会社名、所属部門名、役職、氏名、個人を特定できるニックネーム、社員番号等の、ユーザを一意に特定できる情報である。
【0113】
さらにまた、プロセッサ104は、校正結果が採用または不採用されたタイミング(例えば、採用または不採用された日時)を示すタイミング情報を、上述した採用情報及び理由情報と関連付けてデータベース112(記録装置)に記録させることが好ましい。
【0114】
図17は、データベース112における記録の例を示す図である。
図17に示す例では、各バージョンのドキュメントについて、校正領域、校正結果の日時、担当者、採用情報、理由情報、担当者の識別情報、タイミング情報、及び結論が関連付けて記録されている。また、図中の下線はデータとのリンクを示し、管理用端末200のユーザ(第1ユーザ)がそのリンクをクリックすると、プロセッサ104(サーバ装置100)は、そのユーザの管理用端末200に、リンクに対応したデータを表示させる。プロセッサ104は、ユーザの指示に応じて、データベース112に記録されたデータを抽出して管理用端末200に送信し、ディスプレイ204に表示させてもよい。このような表示により、ユーザ(第1ユーザ)は、「誰が、いつ、どのような理由でどのような判断(各バージョンのドキュメントにおける校正領域についての校正結果の、採用または不採用)をしたのか」を把握することができ、校正の進捗管理を容易に行うことができる。
【0115】
[校正依頼及び校正結果の記録]
プロセッサ104(サーバ装置100)は、
図17について上述した項目以外にも、校正依頼と校正結果とを関連付けてデータベース112(記録装置)に記録することが好ましい。プロセッサ104は、管理用端末200のユーザ(第1ユーザ)の指示に応じて、または指示によらず決められた条件が満たされたら自動的に、記録を行うことができる。
【0116】
図18は、校正依頼及び校正結果の記録の例を示す図である。この例では、各バージョンのドキュメントについて、校正領域、校正担当者、依頼日時、校正期限、返信日時、校正OK(修正指示なし)/NG(修正指示あり)、及びコメント及び/または修正指示が、関連付けて表示されている。また、図中の下線は、
図17について上述したのと同様の、データへのリンクを示す。このような表示により、ユーザ(第1ユーザ)は、構成状況(どの校正担当者が校正を終えており、どの校正担当者が校正を終えていないか)を把握することができ、校正の進捗管理を容易に行うことができる。
【0117】
また、プロセッサ104は、
図17に例示する情報と、
図18に例示する情報とを一体として(関連付けて)記録することが好ましい。関連付けて記録しておけば、ユーザの指示等に応じて必要な項目を抽出し、表示させることができる。
【0118】
また、プロセッサ104(サーバ装置100)は、ドキュメントの情報と、ドキュメントの担当者である管理用端末200のユーザ(第1ユーザ)の情報とを、関連付けて保存する(記録する)ことが好ましい。これによりプロセッサ104は、担当者である第1ユーザの管理用端末200に対し、その第1ユーザが担当するドキュメントの情報を閲覧させることができる(第1ユーザは、自分が担当するプロジェクトやドキュメントの情報を閲覧することができる;後述する
図19の例を参照)。
【0119】
プロセッサ104(サーバ装置100)は、
図17,18について上述した情報を、テキスト形式や、カンマ区切り、タブ区切り、空白区切り等のテーブル形式(例えば、CSV形式(CSV:Comma-Separated Values))、PDF形式、画像ファイル形式等で出力し、管理用端末200に送信してもよい。このような形式で出力されたデータは、一般的なコンピュータにおいて、表計算ソフトウェアや文書作成ソフトウェア等のオフィスソフトウェア、データベースソフトウェア、Webブラウザ等で容易に利用することができる。また、プロセッサ202(管理用端末200)は、サーバ装置100から受信した情報を記録部212に記録してもよい。
【0120】
[公式見解の作成及びドキュメントの修正依頼]
管理用端末200のユーザ(第1ユーザ)は、各ユーザによる校正結果の採用または不採用をとりまとめて、管理用端末200のユーザとしての(ドキュメントの制作者としての)公式見解を作成する。具体的には、管理用端末200のユーザ(第1ユーザ)のうちの責任者(
図18の例では制作部長の「採用 史太郎」氏)が最終的な採用または不採用を判断し、管理用端末200に判断結果を入力する(ステップS250:
図18の例では「結論」の列)。プロセッサ202(管理用端末200)は判断結果の入力を受け付け、プロセッサ104(サーバ装置100)を介して制作用端末300にドキュメントの修正依頼を送信する(ステップS260)。プロセッサ202(管理用端末200)は、ユーザ(第1ユーザ)の指示(操作)に応じて修正依頼を送信してもよい。プロセッサ402(制作用端末300)は修正依頼を受信し(ステップS110)、これにより制作用端末300のユーザ(第3ユーザ)がドキュメントを修正することが可能となる。
【0121】
[プロジェクトの進捗管理]
図19は、各ユーザが担当するプロジェクトの進捗管理画面の例を示す図である。ユーザ識別情報等により、ユーザ(同図の例では、営業部の「港 九太郎」氏)が特定されているものとする。プロセッサ104(サーバ装置100)は、管理用端末200のユーザ(第1ユーザ)の指示に応じてデータベース112に記録された情報を抽出して管理用端末200に送信し、プロセッサ202(管理用端末200)は、受信した情報に基づいて同図のような画面をディスプレイ204に表示させることができる。
【0122】
図19に示す例では、各プロジェクトのステータス(制作中、校正中、発行済み等;領域589A,589B,589C)、及び制作担当者や校正担当者の作業状況(原稿を受信しているかどうか、校正依頼に対する返信があるかどうか、等)が表示されている。
図19において、ドキュメント名の左側の矩形582B,584B,586Bは、そのドキュメントのリンク付きサムネイル画像を示しており、ユーザがサムネイル画像をクリックすると、その画像に対応するドキュメントがディスプレイ204に表示される。
【0123】
また、各担当者の作業状況は、原稿の受領や校正結果の返信等のステータスに応じて色分け表示されている(領域582A,584A,586A)。作業状況の領域に、担当者の氏名等の識別情報、アイコン等を表示してもよい。
【0124】
さらに、各プロジェクトの領域の左側端部は、プロジェクトのステータスに応じて色分け表示(例えば、制作中:赤色、校正中:黄色、発行済み:緑色)されている。
【0125】
図19の例では、ユーザが「詳細をみる」のボタン583をクリックすると、
図17や
図18に示すような、各プロジェクトの詳細な状況が表示される。また、ユーザが「共有データ」のボタン585をクリックすると、上述したDAMサーバやサーバ装置100が管理する、ユーザが共有するデジタル資産(ドキュメントの素材となり得るデータ)にアクセスすることができる。また、ユーザが「作業する」のボタン587をクリックすると、そのドキュメントに対するコメント及び/または修正指示、あるいはそれらの採用または不採用、採用または不採用の理由等を入力することができる。
【0126】
このような進捗状況の表示により、ユーザは、自分が担当するプロジェクトの進捗管理を容易に行うことができる。
【0127】
[第1の実施形態の効果]
以上説明したように、第1の実施形態に係るサーバ装置、ドキュメント校正システム、サーバ装置の作動方法、及びドキュメント校正方法によれば、複数のユーザが効率的にドキュメントを校正でき、校正の進捗管理が容易である。
【0128】
[変形例]
第1の実施形態の変形例について、以下に説明する。
【0129】
[自動での校正領域の指定及びマスクの設定]
図8~10について上述した例において、プロセッサ104は、ユーザ(第1ユーザ)の操作に応じて校正領域の指定及びマスクの設定を行っている。しかしながら本実施形態において、プロセッサ104は、ユーザの操作によらずに(自動的に)校正領域を指定してもよい。例えば、プロセッサ104は、定型的なフォーマットあるいはレイアウトのドキュメントで、過去に制作したものとサプライヤー(校正担当者)が同じドキュメントについて、アイテムあるいはサービスの情報だけ更新する場合等に、ユーザの操作によらずに校正領域を指定することができる。
【0130】
プロセッサ202またはプロセッサ104がユーザの操作によらずに校正領域を指定する場合、データベース(データベース112等)に記録された情報や、機械学習のアルゴリズムにより構築された学習器(学習済みモデル)を用いてもよい。例えば、ドキュメントのフォーマットやレイアウトと、アイテムの情報と、校正担当のユーザとの関係(どのようなフォーマットのドキュメントで、どのようなアイテムであれば、どのユーザに校正を依頼すべきか)が記録されたデータベースや、そのような関係を学習した学習器を用いることができる。
【0131】
なお、プロセッサ104は、校正領域の指定と同様に、マスクを自動設定してもよい。
【0132】
[管理用端末に関する変形例]
図20は、管理用端末に関する変形例を示す図である。同図に示す例では、管理用端末200が、取り纏め者用端末200A(管理用端末)と社内メンバー用端末200B(管理用端末)とを備えている。取り纏め者用端末200Aのユーザである取り纏め者(第1ユーザ)は、プロジェクトの取り纏め、校正結果(コメントと修正指示とのうち少なくとも一方を含む)の入力、校正依頼、コメント及び修正指示の採用または不採用等の操作を行うことができ、社内メンバー用端末200Bのユーザである社内メンバー(第1ユーザ)は、校正結果の入力等を行うことができる。取り纏め者用端末200A、社内メンバー用端末200Bの構成は、管理用端末200の構成(
図4参照)と同様である。
【0133】
上述の変形例において、
図21(校正の取り纏めについての変形例を示す図)に示すように、社内メンバーは複数存在していてもよく、これに対応して社内メンバー用端末200Bが複数存在していてもよい。社内メンバーが複数存在する場合、プロセッサ104及びプロセッサ202は、それらメンバーに対し同じ情報(例えば、ドキュメント全体、及びドキュメントに関する全てのコメント及び修正指示;データベース112に記録されたデータを含む)を閲覧させてもよいし、メンバーの所属や権限等に応じて異なる情報を閲覧させてもよい(権限のない者に対し一部のデータの閲覧を禁止する、等)。
【0134】
なお、社内メンバーと同様に、取り纏め者が複数存在していてもよく、これに対応して取り纏め者用端末200Aが複数存在していてもよい。取り纏め者が複数存在する場合、それら取り纏め者は、例えば各部門内でのメンバーの意見をとりまとめてコメント及び修正指示を採用または不採用する担当者と、それら採用または不採用の可否を最終的に判断する責任者(公式見解を決定する者)とに分けることができる。
【0135】
上述した変形例においても、校正領域の指定やマスクの適用、校正依頼、校正結果の収集等の処理は、第1の実施形態と同様に行うことができる。
【0136】
[校正領域の指定及びマスクの適用に関する変形例]
第1の実施形態では、プロセッサ104(サーバ装置100)が、管理用端末200から受信した情報等に基づいて校正領域の指定及びマスクの付加を行う場合について説明している。しかしながら、本発明においては、これらの処理をプロセッサ202(管理用端末200)が行ってもよい。この場合、プロセッサ202は、例えばユーザ(第1ユーザ)の指示に応じてこれらの処理を行い、サーバ装置100にその結果を送信する。サーバ装置100は、受信した情報を、必要に応じて各端末(管理用端末200、制作用端末300、及び校正用端末400;一部の端末でもよいし、全ての端末でもよい)に送信することができる。このような変形例においても、校正領域の指定やマスクの適用、校正依頼、校正結果の収集等の処理は、第1の実施形態と同様に行うことができる。
【0137】
以上で本発明の実施形態に関して説明してきたが、本発明は上述した態様に限定されず、本発明の精神を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0138】
10 ドキュメント校正システム
100 サーバ装置
104 プロセッサ
110 通信インタフェース
112 データベース
200 管理用端末
200A 取り纏め者用端末
200B 社内メンバー用端末
202 プロセッサ
204 ディスプレイ
206 操作部
210 記録部
212 記録部
300 制作用端末
300D 校正用端末
302 プロセッサ
304 ディスプレイ
306 操作部
312 記録部
400 校正用端末
400A 校正用端末
400B 校正用端末
400C 校正用端末
400D 校正用端末
402 プロセッサ
404 ディスプレイ
406 操作部
412 記録部
500 チラシ
500A マスク
500B マスク
500C マスク
500D マスク
502 共通領域
504 個別領域
505 個別領域
506 個別領域
507 個別領域
508 個別領域
509 個別領域
510 個別領域
520 校正依頼画面
522 ボタン
524 校正領域指定画面
526 校正依頼画面
528 ボタン
532 校正結果
534 校正結果
536 校正結果
538 枠
540 ボタン
542 ボタン
550 校正結果
552 ドキュメント表示領域
554 校正結果表示領域
556 現バージョン表示領域
558 前バージョン表示領域
572 ボタン
574 ボタン
576 ボタン
582A 領域
582B 矩形
583 ボタン
584A 領域
584B 矩形
585 ボタン
586A 領域
586B 矩形
587 ボタン
589A 領域
589B 領域
589C 領域
604 ボタン
608 個別領域