(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094967
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】遊技システム、管理装置及びポイント管理方法
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240703BHJP
G06Q 30/0207 20230101ALI20240703BHJP
【FI】
A63F7/02 329
A63F7/02 340
G06Q30/0207 324
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022211908
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114306
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 史郎
(74)【代理人】
【識別番号】100148655
【弁理士】
【氏名又は名称】諏訪 淳一
(72)【発明者】
【氏名】岡本 創
【テーマコード(参考)】
2C088
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
2C088BB32
2C088BC80
2C088CA04
2C088CA30
2C088CA31
2C088CA35
5L030BB07
5L049BB07
(57)【要約】
【課題】遊技店が遊技客を集客する手段としてポイントを有効に活用することを課題とする。
【解決手段】
図1(a)に示すように、通常日に遊技客が遊技店に来店したならば、該遊技客に対して、有効期間のない10円相当のポイントを1ポイント付与する。イベント日に来店したならば、有効期間のある20円相当のポイントを1ポイント付与する。
図1(b)に示すように、付与されたポイントは、通常ポイント及びイベントポイントに区分して管理される。例えば、通常ポイントとして、ポイント数が「3」ポイントであり、ポイント価値が「30」であり、有効期間が「-」として管理され、イベントポイントとして、ポイント数が「1」ポイントであり、ポイント価値が「20」であり、有効期間が「2023/3/31」として管理される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも遊技店に来店する遊技客に付与されたポイントを管理する管理装置を有する遊技システムであって、
前記管理装置は、
前記遊技店の営業形態と、少なくとも価値が異なる複数のポイントの一つとを対応付けたポイント条件情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、
前記遊技店の営業形態が特定された場合に、前記記憶手段に記憶されたポイント条件情報に基づいて、前記遊技客に対して該営業形態に応じた価値のポイントに係る制御を行う制御手段と
を備えたことを特徴とする遊技システム。
【請求項2】
前記記憶手段は、
遊技店の営業形態ごとに、1ポイントあたりの金額価値と、前記ポイントの更新可否と、前記ポイントの更新条件とを対応付けて記憶することを特徴とする請求項1に記載の遊技システム。
【請求項3】
前記記憶手段は、
遊技店の営業形態ごとに、前記ポイントの有効期間をさらに記憶することを特徴とする請求項2に記載の遊技システム。
【請求項4】
前記記憶手段は、
遊技店の営業形態ごとに、前記ポイントの有効期間経過時の猶予期間をさらに記憶し、
前記制御手段は、
前記記憶手段に記憶された猶予期間中に所定の復活操作を受け付けた場合に、前記有効期間を経過したポイントを使用可能に制御することを特徴とする請求項3に記載の遊技システム。
【請求項5】
前記記憶手段は、
遊技店の営業形態ごとに、前記ポイントの猶予期間経過時の最終猶予期間をさらに記憶し、
前記制御手段は、
前記記憶手段に記憶された前記最終猶予期間中に所定の操作を受け付けた場合に、前記有効期間を経過したポイントを使用可能に制御することを特徴とする請求項4に記載の遊技システム。
【請求項6】
前記制御手段は、
前記遊技店の従業員による所定従業員操作又は前記遊技客による遊技客操作を受け付けた場合に、前記有効期間を経過したポイントを使用可能に制御することを特徴とする請求項5に記載の遊技システム。
【請求項7】
前記記憶手段は、
遊技店の営業形態ごとに、前記ポイントの猶予期間経過時の最終猶予期間の経過時の処理内容をさらに記憶し、
前記制御手段は、
前記記憶手段に記憶された前記最終猶予期間を経過するまでに前記所定の操作を受け付けない場合に、前記記憶手段に記憶した処理内容を実行するよう制御することを特徴とする請求項5に記載の遊技システム。
【請求項8】
少なくとも遊技店に来店する遊技客に付与されたポイントを管理する管理装置であって、
前記遊技店の営業形態と、少なくとも価値が異なる複数のポイントの一つとを対応付けたポイント条件情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、
前記遊技店の営業形態が特定された場合に、前記記憶手段に記憶されたポイント条件情報に基づいて、前記遊技客に対して該営業形態に応じた価値のポイントに係る制御を行う制御手段と
を備えたことを特徴とする管理装置。
【請求項9】
少なくとも遊技店に来店する遊技客に付与されたポイントを管理する管理装置を有する遊技システムにおけるポイント管理方法であって、
前記管理装置が、前記遊技店の営業形態と、少なくとも価値が異なる複数のポイントの一つとを対応付けたポイント条件情報とを対応付けて記憶部に記憶する記憶工程と、
前記管理装置が、前記遊技店の営業形態が特定された場合に、前記記憶部に記憶されたポイント条件情報に基づいて、前記遊技客に対して該営業形態に応じた価値のポイントに係る制御を行う制御工程と
を含むことを特徴とするポイント管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技店が遊技客を集客する手段としてポイントを有効に活用することができる遊技システム、管理装置及びポイント管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ店等の遊技店では、遊技客が遊技店に会員登録をした場合や、該遊技店に会員が来店した場合に、該会員に対してポイントを付与することが多い。このため、来店ポイント付与対象情報に応じて会員に対してポイントを付与する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。かかるポイントが一定数溜まったならば、かかるポイントを遊技店が準備した所定の商品等に交換することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術のように、遊技店が会員に対して付与するポイントの価値は固定的なものであり、通常営業日に付与したポイントの価値(例えば、1ポイント10円相当)と、イベント日に付与したポイントの価値(例えば、1ポイント10円相当)は同じである。また、ポイントの有効期間についても一律に設定される。このため、遊技店は、遊技客を集客する手段としてポイントを有効に活用することが難しいという問題がある。
【0005】
本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたものであって、遊技店が遊技客を集客する手段としてポイントを有効に活用することができる遊技システム、管理装置及びポイント管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は、少なくとも遊技店に来店する遊技客に付与されたポイントを管理する管理装置を有する遊技システムであって、前記管理装置は、前記遊技店の営業形態と、少なくとも価値が異なる複数のポイントの一つとを対応付けたポイント条件情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、前記遊技店の営業形態が特定された場合に、前記記憶手段に記憶されたポイント条件情報に基づいて、前記遊技客に対して該営業形態に応じた価値のポイントに係る制御を行う制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、上記発明において、前記記憶手段は、遊技店の営業形態ごとに、1ポイントあたりの金額価値と、前記ポイントの更新可否と、前記ポイントの更新条件とを対応付けて記憶することを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、上記発明において、前記記憶手段は、遊技店の営業形態ごとに、前記ポイントの有効期間をさらに記憶することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上記発明において、前記記憶手段は、遊技店の営業形態ごとに、前記ポイントの有効期間経過時の猶予期間をさらに記憶し、前記制御手段は、前記記憶手段に記憶された猶予期間中に所定の復活操作を受け付けた場合に、前記有効期間を経過したポイントを使用可能に制御することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上記発明において、前記記憶手段は、遊技店の営業形態ごとに、前記ポイントの猶予期間経過時の最終猶予期間をさらに記憶し、前記制御手段は、前記記憶手段に記憶された前記最終猶予期間中に所定の操作を受け付けた場合に、前記有効期間を経過したポイントを使用可能に制御することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上記発明において、前記制御手段は、前記遊技店の従業員による所定従業員操作又は前記遊技客による遊技客操作を受け付けた場合に、前記有効期間を経過したポイントを使用可能に制御することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記発明において、前記記憶手段は、遊技店の営業形態ごとに、前記ポイントの猶予期間経過時の最終猶予期間の経過時の処理内容をさらに記憶し、前記制御手段は、前記記憶手段に記憶された前記最終猶予期間を経過するまでに前記所定の操作を受け付けない場合に、前記記憶手段に記憶した処理内容を実行するよう制御することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、少なくとも遊技店に来店する遊技客に付与されたポイントを管理する管理装置であって、前記遊技店の営業形態と、少なくとも価値が異なる複数のポイントの一つとを対応付けたポイント条件情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、前記遊技店の営業形態が特定された場合に、前記記憶手段に記憶されたポイント条件情報に基づいて、前記遊技客に対して該営業形態に応じた価値のポイントに係る制御を行う制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、少なくとも遊技店に来店する遊技客に付与されたポイントを管理する管理装置を有する遊技システムにおけるポイント管理方法であって、前記管理装置が、前記遊技店の営業形態と、少なくとも価値が異なる複数のポイントの一つとを対応付けたポイント条件情報とを対応付けて記憶部に記憶する記憶工程と、前記管理装置が、前記遊技店の営業形態が特定された場合に、前記記憶部に記憶されたポイント条件情報に基づいて、前記遊技客に対して該営業形態に応じた価値のポイントに係る制御を行う制御工程とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、遊技店が遊技客を集客する手段としてポイントを有効に活用することができることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る遊技システムの概要の説明図である。
【
図2】
図2は、実施形態1に係る遊技システムのシステム構成を示す図である。
【
図3】
図3は、
図2に示した台間カード処理機及び遊技機の外観構成を示す図である。
【
図4】
図4は、
図2に示した台間カード処理機の構成を示す機能ブロック図である。
【
図5】
図5は、
図4に示した自装置状態データ及びカードデータの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、
図4に示したポイントデータの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、
図2に示した遊技機の構成を示す機能ブロック図である。
【
図8】
図8は、
図2に示した管理装置の構成を示す機能ブロック図である。
【
図9】
図9は、
図8に示したカード管理データ、装置管理データ及び会員管理データの一例を示す図である。
【
図10】
図10は、
図8に示したポイント設定データ、有効期間設定データ及び遊技実績データの一例を示す図である。
【
図12】
図12は、実施形態1に係る管理装置における処理手順を示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、実施形態2に係る遊技システムの概要の説明図である。
【
図14】
図14は、実施形態3に係る有効期間更新の一例を示す図である。
【
図15】
図15は、実施形態4に係る景品交換必要ポイント数及び遊技条件の一例を示す図である。
【
図16】
図16は、実施形態4に係る景品交換可否判定の一例を示す図である。
【
図17】
図17は、変形例に係る条件と獲得ポイントの一例を示す図である。
【
図18】
図18は、実施形態5に係る遊技システムの概要の説明図である。
【
図19】
図19は、実施形態5に係る管理装置における処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[実施形態1]
以下に、本実施形態1に係る遊技システム、管理装置及びポイント管理方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0018】
本明細書中において、「持玉」とは遊技客が遊技において獲得した遊技媒体を示すデータであって、その当日中(遊技店の閉店時刻より前の時間)にのみ遊技に再度供することができるものをいう。なお、「持玉数」とは、遊技客が遊技により獲得した遊技媒体数をいう。また、「貯玉」とは、遊技客が遊技店に預け入れた遊技媒体を示すデータであって、翌日以降(遊技店の閉店時刻より後の時間)も遊技に再度供することができるものをいう。なお、「貯玉数」とは、遊技客が遊技店に預け入れた遊技媒体数をいう。持玉は、一般遊技客及び会員遊技客の双方が使用可能であり、遊技機を移動した場合などに使用される。貯玉は、原則として会員遊技客のみが使用可能であり、獲得した遊技媒体を翌日以降、遊技機の遊技に用いる場合に使用される。また、「遊技球数」とは、遊技客が遊技に使用可能な遊技可能数をいう。
【0019】
<実施形態1に係る遊技システムの概要>
まず、本実施形態1に係る遊技システムの概要について説明する。
図1は、本実施形態1に係る遊技システムの概要を説明するための説明図である。
【0020】
図1(a)に示すように、本実施形態1に係る遊技システムでは、通常日に遊技客が遊技店に来店したならば、該遊技客に対して、有効期間のない10円相当のポイントを1ポイント付与する。イベント日に来店したならば、有効期間のある20円相当のポイントを1ポイント付与する。
【0021】
図1(b)に示すように、付与されたポイントは、通常ポイント及びイベントポイントに区分して管理される。例えば、通常ポイントとして、ポイント数が「3」ポイントであり、ポイント価値が「30」であり、有効期間が「-」として管理され、イベントポイントとして、ポイント数が「1」ポイントであり、ポイント価値が「20」であり、有効期間が「2023/3/31」として管理される。また、ポイントの合計として、ポイント数が「4」ポイントであり、ポイント価値が「50」として管理される。
【0022】
このように、本実施形態1に係る遊技システムでは、通常日及びイベント日に来店した遊技客に付与するポイントの価値を個別に指定するとともに、それぞれに付与したポイントを区分して管理するよう構成したので、遊技店が遊技客を集客する手段としてポイントを有効に活用することができる。
【0023】
<システム構成>
次に、本実施形態1に係る遊技システムのシステム構成について説明する。
図2は、本実施形態1に係る遊技システムのシステム構成を示す図である。
図2に示すように、遊技店には、複数の遊技機20と、各遊技機20にそれぞれ対応して設けられた台間カード処理機10とが設置される。台間カード処理機10は、島コントローラ30を介して店内のネットワークである通信回線と接続される。通信回線には、島コントローラ30、管理装置50、賞品管理装置60及び精算機70が接続される。
【0024】
遊技機20は、装置内部に封入された遊技玉を遊技盤面に打ち込んで遊技を行う装置である。なお、この遊技玉は遊技に使用される物理的な「玉」であり、遊技機20がデータとして扱う「遊技球」とは異なる。この遊技機20の遊技盤面には、複数の入賞領域(入賞口)が設けられており、当該入賞領域を遊技玉が通過したことに基づいて所定個数の遊技玉を賞玉として付与するようになっている。また、遊技盤面には、所定個数の始動領域(始動口)が設けられており、当該始動領域を遊技玉が通過したことに基づいて所定の抽選を行うこととなっている。当該抽選が大当りとなれば、所定の可動部材等の作動により、前述の入賞領域あるいは他の始動領域への遊技玉の通過確率を向上する等、遊技上有利となる作動が行われる。なお、始動領域と入賞領域を兼ねた領域があってもよい。
【0025】
上記入賞領域には、当該入賞領域への遊技玉の通過を検出するために入賞センサが設けられており、入賞センサにより入賞領域へ打ち込まれた遊技玉の通過(入賞)を検知するようになっている。また、遊技機20の制御部は、入賞領域ごとに何個の遊技玉を賞玉として付与するかを記憶する賞玉メモリと、遊技球数を示す遊技可能数メモリを有している。また、遊技機20の制御部は、遊技球数を定期的に台間カード処理機10に送信する。
【0026】
台間カード処理機10は、遊技客から入金を受け付けた場合に、入金の金額に対応するプリペイド価値を自装置の内部に収納したカードの識別情報(カードID)に関連付ける。このプリペイド価値は、遊技玉の貸出に使用することができる。また、台間カード処理機10は、プリペイド価値や持玉、貯玉等が関連付けられたカードの挿入を受け付けることができる。そして、遊技終了時には、プリペイド価値や持玉、貯玉等が関連付けられたカードを排出して遊技客に返却する。また、台間カード処理機10は、入金、カード挿入、カード排出などの動作の履歴を管理装置50に送信する。
【0027】
遊技機20は、遊技盤面に所定個数の遊技玉が打ち出されたならば、アウトデータを台間カード処理機10に送信する。また、遊技機20は、遊技玉が入賞領域を通過して(いわゆる入賞)所定個数の賞玉が遊技球に加算されたならば、セーフデータを台間カード処理機10に送信する。さらに、遊技により大当りなどの特別の状態が発生したならば、かかる状態の発生を示す特賞データを台間カード処理機10に送信する。
【0028】
アウトデータは、遊技客が遊技盤面に打ち込んだ玉数である打込玉数に対応する。セーフデータは、入賞により獲得される賞出玉数に対応する。また、特賞データは、大当りなどの遊技機20の状態を示す。各データは、台間カード処理機10を介して管理装置50に送信され、管理装置50は、アウトデータ、セーフデータ及び特賞データを蓄積することで、遊技機20の動作の履歴を得ることができる。
【0029】
台間カード処理機10は、入金の受け付け、遊技玉の貸し出し、管理装置50との通信並びに遊技機20との通信を行う。台間カード処理機10は、遊技客が投入した紙幣を受け付けたならば、入金額を含む入金通知を管理装置50に送信することで、入金額相当のプリペイド価値を管理装置50が管理するプリペイド価値に加算させる。そして、所定の玉貸操作がなされたならば、玉貸要求を管理装置50に送信し、管理装置50が管理するプリペイド価値を減算させて、減算したプリペイド価値分に対応する数を遊技機20に通知し、遊技球数に加算させる。
【0030】
台間カード処理機10は、カードの挿入を受け付けたならば、管理装置50にカード挿入通知を送信する。また、台間カード処理機10は、管理装置50からプリペイド価値、持玉又は貯玉の残高を受信した場合には、該残高を記憶する。そして、持玉の残高を受信し、記憶した場合には、管理装置50に対して持玉減算要求を送信することで、管理装置50が管理する持玉の残高(持玉数)をゼロにクリアする。
【0031】
台間カード処理機10は、持玉再プレイ操作を受け付けると、自装置が管理する持玉数を所定数減算し、減算した持玉数に対応する数を遊技機20に通知し、遊技球数に加算させる。また、台間カード処理機10は、貯玉再プレイ操作を受け付けると、管理装置50に対して貯玉再プレイ要求を送信することで、管理装置50が管理する貯玉数を所定数減算させ、減算させた貯玉数に対応する数を遊技機20に通知し、遊技球数に加算させる。
【0032】
台間カード処理機10は、カード返却操作を受け付けたならば、持玉数を含む持玉加算要求を管理装置50に送信し、管理装置50に持玉数を加算させた後、カード排出通知を管理装置50に送信し、カードを排出制御する。なお、カード返却操作の前に、遊技機20から計数操作を受け付けた場合には、遊技球数を持玉数に加算する。
【0033】
台間カード処理機10は、遊技機20から遊技機IDを取得し、取得した遊技機IDと、管理装置50から受信した認証鍵とを用いて遊技機20の認証を行なう機能を有する。この認証は、開店処理時等に行なわれ、認証の成功を条件に遊技機20は遊技可能となる。
【0034】
また、台間カード処理機10は、管理装置50からポイントデータを受信したならば、このポイントデータを記憶するとともに、通常ポイント、第1イベントポイント、第2イベントポイント及びそれぞれのポイントの合計を区分して表示する。
【0035】
島コントローラ30は、遊技島に設けられた一群の遊技機20及び台間カード処理機10を束ね、各種情報を管理装置50に対して中継する装置である。
【0036】
管理装置50は、台間カード処理機10からカード挿入通知を受信したならば、挿入されたカードの識別情報(以下、「カードID」と言う)と台間カード処理機10とを関連づけて管理し、該カードIDに関連づけられたプリペイド価値及び持玉の残高を台間カード処理機10に送信する。また、カード挿入通知に示されたカードIDが会員カードのカードIDである場合には、貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
【0037】
また、管理装置50は、台間カード処理機10から持玉減算要求を受信した場合には、持玉の残高をゼロにクリアし、台間カード処理機10から持玉加算要求を受信した場合には、持玉加算要求に示された持玉数を持玉の残高に加算する。
【0038】
また、管理装置50は、台間カード処理機10から玉貸要求を受信した場合には、カードIDに関連付けられたプリペイド価値を所定値減算し、玉貸許可を台間カード処理機10に送信する。そして、貯玉再プレイ要求を受信した場合には、貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
【0039】
また、管理装置50は、賞品管理装置60からカードIDを受信したならば、このカードIDに関連付けられた持玉数を賞品管理装置60に対して通知する。
【0040】
また、管理装置50は、台間カード処理機10から遊技機IDを取得し、自店舗に設置された遊技機20を管理する。そして、遊技店外の図示しない認証鍵管理センタから自店舗に設定された遊技機20を認証するための認証鍵を取得し、台間カード処理機10に配信する。
【0041】
また、管理装置50は、遊技店に会員登録された会員の会員管理データを管理する。具体的には、会員に対して発行した会員カードIDに関連づけて、貯玉数、ポイント、暗証番号及び氏名等を管理する。
【0042】
管理装置50は、台間カード処理機10からカード挿入通知を受信したならば、カード挿入通知に示されたカードIDに対応する貯玉の残高と暗証番号とを含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。また、管理装置50は、台間カード処理機10から貯玉再プレイ要求を受信したならば、貯玉再プレイ要求に示されたカードIDに関連づけられた貯玉の残高を所定数減算し、減算後の貯玉の残高を含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
【0043】
また、管理装置50は、賞品管理装置60から貯玉数の問い合わせを受けたならば、指定されたカードIDに対応する貯玉の残高を賞品管理装置60に通知する。
【0044】
また、管理装置50は、ポイント設定及び有効期間設定を受け付けたならば、ポイント設定データ及び有効期間設定データに記憶する。
【0045】
ここで、ポイント設定及び有効期間設定について説明する。ポイント設定では、ポイントの付与区分毎に、付与ポイント、有効期間区分、更新可否、更新条件及び有効期間を設定し、この有効期間は、第1段階、第2段階及び第3段階に区分される。
【0046】
付与区分では、「通常」、「第1イベント」、「第2イベント」等を設定する。付与ポイントでは、1ポイントに対するポイントの価値を設定する。有効期間区分では、有効期間を指定しない「永続」又は有効期間を指定する「期間指定」を設定する。
【0047】
更新可否では、有効期間を経過した際に、有効期間の更新を許可するか否かを設定する。更新条件では、更新可否において有効期間の更新を許可する場合に、更新の条件を設定する。具体的には、「来店」、「カード挿入」、「入金」、「玉貸」、「遊技」、獲得玉数としての玉数(例えば、「500玉」)等を設定する。
【0048】
有効期間において、第1段階では、ポイント付与日からの有効期間を設定し、第2段階では、第1段階の有効期間経過後からの猶予期間を設定し、第3段階では、第2段階の猶予期間経過後からポイント失効までの最終猶予期間を設定する。
【0049】
また、有効期間設定では、有効期間毎に、従業員復活、遊技客復活、復活条件及びポイント処理を設定する。有効期間では、第1段階、第2段階及び第3段階に区分して設定する。従業員復活では、従業員によるポイント復活処理の可否を設定する。遊技客復活では、遊技客によるポイント復活処理の可否を設定する。
【0050】
復活条件では、従業員復活又は遊技客復活においてポイント復活処理を許可する場合に、ポイント復活処理の条件を設定する。ポイント処理では、有効期間の各段階が経過した場合に、ポイントに対する処理を設定する。例えば、「1/2に削減」、「失効」等を設定する。
【0051】
また、管理装置50は、図示しない来店客管理装置から来店客のカードIDを受信したならば、該カードIDに対応付けたデータ領域を遊技実績データに生成し、該カードIDに対応付けた全ての項目に「無」を記憶する。なお、来店客管理装置は、来店客を管理する装置であり、図示しないカメラを用いて来店客の顔画像を撮影し、会員登録の際に登録された遊技客の顔画像と来店客の顔画像を用いて、来店客が会員か否かを判定し、会員と判定したならば、該会員のカードIDを管理装置50に通知する。
【0052】
また、管理装置50は、台間カード処理機10からカード挿入通知を受信したならば、遊技実績データのカード挿入の項目を「有」に更新する。管理装置50は、台間カード処理機10から受信したアウトデータ、セーフデータ、特賞データ等の遊技データを蓄積する。
【0053】
また、管理装置50は、蓄積した遊技データを用いて、入金、玉貸又は遊技が行われたと判定したならば、遊技実績データの入金、玉貸又は遊技の項目を「有」に更新する。管理装置50は、蓄積した遊技データを用いて獲得玉数を積算し、この獲得玉数を遊技実績データの獲得玉数に記憶する。
【0054】
また、管理装置50は、台間カード処理機10からカード挿入通知を受信したならば、このカード挿入通知に含まれるカードIDに対応するデータをポイントデータから抽出し、台間カード処理機10に送信する。
【0055】
また、管理装置50は、台間カード処理機10から、会員カードに係るカード挿入通知又はカード排出通知を受信したならば、受信した通知に含まれるカードIDに対応するポイントデータを抽出し、通常ポイント、第1イベントポイント、第2イベントポイント等の区分毎に次の処理を行う。
【0056】
当日の日付が、抽出したポイントデータの有効期間内であり、遊技実績データを用いて更新条件を満足すると判定したならば、ポイントデータの有効期間を更新する。当日の日付が、抽出したポイントデータの有効期間を経過しているならば、ポイントデータに対して第1段階におけるポイント処理を行う。
【0057】
また、当日の日付が猶予期間内である場合に、第2段階における従業員復活又は遊技客復活が「許可」であり、遊技実績データを用いて第2段階における復活条件を満足すると判定したならば、ポイントデータの有効期間を更新する。当日の日付が猶予期間を経過しているならば、ポイントデータに対して第2段階におけるポイント処理を行う。
【0058】
また、当日の日付が最終猶予期間内である場合に、第3段階における従業員復活又は遊技客復活が「許可」であり、遊技実績データを用いて第3段階における復活条件を満足すると判定したならば、ポイントデータの有効期間を更新する。当日の日付が最終猶予期間を経過しているならば、ポイントデータに対して第3段階におけるポイント処理を行う。
【0059】
賞品管理装置60は、遊技店内の賞品交換カウンタに併設された賞品交換用の端末装置であり、獲得玉、貯玉及び持玉の賞品交換処理を行う。この賞品管理装置60には、カードのカードIDを読み取るカードリーダライタ及び賞品を払い出す賞品払出装置が接続されている。
【0060】
また、賞品管理装置60は、カードからカードIDを読み取ったならば、該カードIDに関連付けられた持玉数及び貯玉数を管理装置50に要求し、管理装置50からカードIDに関連付けられた持玉数及び貯玉数を受信したならば、この持玉数及び貯玉数を保有価値データに記憶する。
【0061】
また、賞品管理装置60は、管理装置50からポイントデータを受信したならば、受信したデータをポイントデータに記憶する。賞品管理装置60は、図示しない賞品払出装置から景品在庫データ及び賞品在庫データを受信したならば、受信したそれぞれのデータを記憶する。
【0062】
また、賞品管理装置60は、ポイントデータのポイント価値の範囲内で、景品在庫データに基づいて景品の選択を受け付け、景品が選択されたならば、選択景品の景品コード及び個数を含む払出指示を図示しない賞品払出装置に通知し、賞品払出装置は、受信した払出指示に基づいて景品を払い出す。
【0063】
また、賞品管理装置60は、持玉及び貯玉の残高の範囲内で、賞品在庫データに基づいて賞品の選択を受け付け、賞品が選択されたならば、選択賞品の賞品コード及び個数を含む払出指示を図示しない賞品払出装置に通知し、賞品払出装置は、受信した払出指示に基づいて賞品を払い出す。
【0064】
また、賞品管理装置60は、図示しない賞品払出装置から払出通知を受け取ったならば、持玉及び貯玉の残高を端玉数として扱い、払い出された賞品の種類及び個数、並びに、端玉数を印字した交換レシートを発行する。
【0065】
精算機70は、プリペイド価値が関連付けられたカードが挿入されると、このカードのカードIDを管理装置50に送信し、該カードに関連付けられたプリペイド価値を取得し、取得したプリペイド価値に相当する現金の払出を行う。
【0066】
次に、本実施形態1に係る遊技システムにおける玉貸処理について説明する。遊技客が台間カード処理機10に対して玉貸操作を行うと、台間カード処理機10は、管理装置50のローカルアドレスを宛先とした電文を送信する。この電文は、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、玉貸要求とを含む。
【0067】
管理装置50は、玉貸要求を含む電文を受信したならば、該電文内のカードIDに関連付けられたプリペイド価値を所定値(例えば、1度数が1円である場合の500円分を示す500度数)を減算してカード管理データを更新し、玉貸許可を送信元の台間カード処理機10に送信する。玉貸許可を受信した台間カード処理機10は、減算したプリペイド価値に対応する数(例えば「125」)の遊技球数への加算を要求する加算信号を遊技機20に送信する。
【0068】
加算信号を受信した遊技機20は、遊技球数を加算し、加算後の遊技球数を台間カード処理機10に送信する。台間カード処理機10は、加算前の遊技球数と玉貸しを行った数との和を加算後の遊技球数と比較して、遊技球数の加算が適切に行われたか否かを判定する。
【0069】
次に、本実施形態1に係る遊技システムにおける持玉再プレイ処理について説明する。台間カード処理機10は、一般カードあるいは会員カードの挿入を受け付けた場合に、管理装置50のローカルアドレスを宛先とした電文を送信する。この電文は、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、台間カード処理機10のレートを特定するための情報と、カード挿入通知とを含む。
【0070】
管理装置50は、台間カード処理機10からカード挿入通知を受信したならば、該電文内のカードIDに関連付けられた持玉のうち、該電文により特定されたレートの持玉の残高を台間カード処理機10に通知する。
【0071】
台間カード処理機10は、管理装置50から受信した持玉の残高を記憶する。そして、カードID及びレートを特定する情報と、持玉減算要求とを含む電文を管理装置50に送信する。管理装置50は、持玉減算要求を受信したならば、カードID及びレートにより特定される持玉の残高をゼロにクリアする。また、台間カード処理機10は、持玉再プレイ操作を受け付けたならば、持玉の残高を一定数ずつ減算し、対応する数を遊技機20に通知し、遊技球数に加算させる。
【0072】
台間カード処理機10は、遊技機20の遊技球数を台間カード処理機10の持玉とすることでその管理を移行させる管理移行要求を遊技機20から受信したならば、管理移行要求に示された遊技球数を自装置の持玉に加算する。その後、カード返却操作を受け付けたならば、管理装置50に対して持玉加算要求を含む電文を送信する。この電文は、排出するカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、台間カード処理機10のレートを特定するための情報と、持玉の残高と、持玉加算要求とを含む。
【0073】
管理装置50は、持玉加算要求を受け付けたならば、該電文内のカードIDに関連付けられた持玉のうち、該電文により特定されたレートの持玉の残高(持玉数)を受信した値に更新する。その後、台間カード処理機10は、管理装置50にカード排出通知を送信し、カードを排出制御する。
【0074】
次に、本実施形態1に係る遊技システムにおける貯玉再プレイ処理について説明する。台間カード処理機10は、会員カードを受け付けた場合に、管理装置50のローカルアドレスを宛先とした電文を送信する。この電文は、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、台間カード処理機10のレートを特定するための情報と、カード挿入通知とを含む。
【0075】
管理装置50は、該電文内のカードIDに関連付けられた暗証番号と、貯玉のうち、該電文により特定されたレートの貯玉の残高とを含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
【0076】
台間カード処理機10は、受信した貯玉再プレイデータを記憶し、貯玉再プレイデータに示された貯玉の残高が貯玉再プレイにおける遊技玉の払出単位数(貯玉再プレイ単位数。例えば「125玉」)以上である場合には貯玉再プレイ操作を受付可能とする。
【0077】
台間カード処理機10は、貯玉再プレイデータの記憶後、最初に貯玉再プレイ操作を受け付けた場合に、遊技客に対して暗証番号の入力を求め、入力された暗証番号が貯玉再プレイデータに示された暗証番号と一致するかを確認する。
【0078】
台間カード処理機10は、暗証番号が一致した場合に、管理装置50のローカルアドレスを宛先とした電文を送信する。この電文は、台間カード処理機10に挿入されているカードのカードIDと、送信元である台間カード処理機10を特定するアドレス若しくは任意の識別情報と、台間カード処理機10のレートを特定するための情報と、貯玉再プレイ要求とを含む。
【0079】
管理装置50は、該電文内のカードIDに関連付けられた貯玉のうち、該電文により特定されたレートの貯玉の残高を所定値減算し、減算後の残高を含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
【0080】
台間カード処理機10は、貯玉再プレイデータを受信して貯玉の残高を更新し、貯玉再プレイ単位数に対応する数を遊技機20に通知して遊技球数に加算させる。また、更新後の貯玉の残高が貯玉再プレイ単位数未満となったかを判定する。更新後の貯玉データの残高が貯玉再プレイ単位数以上であれば、再度貯玉再プレイ操作を受け付け可能であり、貯玉再プレイ操作を受け付けたならば貯玉再プレイ要求を送信する。2回目以降の貯玉再プレイ操作では、暗証番号の確認は不要である。更新後の貯玉データの残高が貯玉再プレイ単位数未満となったならば、貯玉再プレイ操作を受け付け不能とする。
【0081】
次に、閉店処理における持玉からの貯玉への移行について説明する。管理装置50は、閉店処理時にカード管理データの持玉の残高を確認し、持玉の残高が「0」より大きい持玉が存在する場合には、該持玉の残高を貯玉の残高に加算して更新する。その後、管理装置50は、該持玉の残高をゼロにクリアする。
【0082】
<台間カード処理機10と遊技機20の外観構成>
次に、
図2に示した台間カード処理機10及び遊技機20の外観構成について説明する。
図3は、
図2に示した台間カード処理機10及び遊技機20の外観構成を示す図である。同図には、紙幣のみを受け付ける台間カード処理機10を図示したが、電子マネーを受け付けることができるユニットを設けることもできる。
【0083】
図3に示すように、台間カード処理機10には、台間カード処理機10の装置の状態を所定色のランプの点灯あるいは点滅で表示する状態表示部11、各種紙幣を受け付ける紙幣挿入口12a、タッチパネルディスプレイ等の表示操作部13、カードIDが関連付けられたカードを受け付けるカード挿入口14a及び固有IDを関連付けるために遊技客の持つ携帯端末を受け付けるかざし部14bが設けられている。また、かざし部14bは、固有IDを関連付けられた携帯端末を受け付けて、固有IDを読み取る。
【0084】
遊技機20には、遊技盤面、封入された遊技玉を遊技盤面に投出する際に使用するハンドル21及び計数ボタン22が設けられている。
【0085】
計数ボタン22は、遊技機20の遊技球数を減算し、対応する数を台間カード処理機10の持玉に加算することで、投出可能な玉数の管理を遊技機20から台間カード処理機10に移行させる管理移行を行うための操作ボタンである。この管理移行は、入賞により現物の遊技玉が払い出される開放式の遊技機20では、払い出された遊技玉を台間カード処理機10が計数して持玉に加算する計数処理に対応する。
【0086】
<台間カード処理機10の構成>
次に、
図2に示した台間カード処理機10の構成について説明する。
図4は、
図2に示した台間カード処理機10の構成を示す機能ブロック図である。
図4に示すように、台間カード処理機10は、紙幣搬送部12、表示操作部13、リーダライタ14、通信部15、記憶部16、制御部17及び遊技管理部18を有する。
【0087】
紙幣搬送部12は、紙幣挿入口12aから挿入された紙幣の金種及び真偽を判別しつつ図示しない紙幣収納部に搬送する搬送部である。表示操作部13は、有価価値等の各種情報の表示と、玉貸操作等の各種操作の受け付けを行なうタッチパネルディスプレイ等の入出力装置である。
【0088】
リーダライタ14は、カード挿入口14aに挿入されたカードからカードIDを読み取る読取部である。なお、カード挿入口14aに挿入されたカードは、このリーダライタ14を経て図示しないカード収納部に収納される。通信部15は、島コントローラ30を介して管理装置50との間のデータ通信を行なうためのインタフェース部である。
【0089】
記憶部16は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部16は、自装置状態データ16a、カードデータ16b及びポイントデータ16cを記憶する。
【0090】
自装置状態データ16aは、台間カード処理機10の状態を示すデータである。この自装置状態データ16aには、台間カード処理機ID、遊技機ID、遊技種等を含む。台間カード処理機IDは、台間カード処理機10を遊技店内で一意に識別するための識別情報である。遊技種は、台間カード処理機10に設定されたレートを示すデータである。遊技店内で複数のレートの遊技玉を扱う場合には、4円レートの遊技玉に「玉1」、2円レートの遊技玉に「玉2」、1円レートの遊技玉に「玉3」のように、レート毎に遊技種名を設定して管理している。台間カード処理機10は、これらの遊技種から遊技に使用するレートを選択して、遊技種として記憶する。遊技種は、台間カード処理機10が設置された区画毎に固定した遊技種を用いることとしてもよいし、遊技客の操作により変更可能としてもよい。
【0091】
カードデータ16bは、遊技客が使用中のカードに係るデータである。カードデータ16bには、カードID、暗証番号、プリペイド価値、持玉、貯玉等を含む。カードIDは、リーダライタ14により読み取られたカードIDである。図示しないカード収納部からカード挿入口14aにカードが搬送され、該カードが排出される場合には、この搬送途中でリーダライタ14により読み取られたカードIDによってカードデータ16bが更新される。また、カード挿入口14aから図示しないカード収納部にカードが搬送される場合にも、この搬送途中でリーダライタ14により読み取られたカードIDによってカードデータ16bが更新される。プリペイド価値は、玉貸しに使用可能なプリペイド価値の残高を示し、持玉及び貯玉は、それぞれの残高を示す。
【0092】
ポイントデータ16cは、遊技客が使用中のカードに関連付けられたポイントを示すデータである。ポイントデータ16cは、通常ポイント及びイベントポイントのそれぞれに係るポイント数、ポイント価値、有効期間を含む。
【0093】
遊技管理部18は、認証や遊技機20との通信に係る処理を行なう処理部である。この遊技管理部18は、制御部17と異なる基板上に形成することが望ましい。遊技管理部18は、認証処理部18a、認証鍵管理部18b及び遊技機状態管理部18cを有する。実際には、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、認証処理部18a、認証鍵管理部18b及び遊技機状態管理部18cにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0094】
認証処理部18aは、管理装置50から受信した認証鍵を使用して遊技機20の認証を実施する。認証処理部18aは、認証が成功したならば、遊技機20へ動作許可を送信する。認証処理部18aは、認証が失敗した場合には、遊技機20の使用を禁止する。なお、認証が失敗した場合であっても、最後の認証成功から所定期間内であれば遊技機20への動作許可を送信し、最後の認証成功から所定期間が経過した後は遊技機20への動作許可を送信せず、遊技機20の使用を禁止するよう構成してもよい。
【0095】
認証鍵管理部18bは、認証鍵の管理を行なう処理部である。認証鍵には使用時間が設定されており、遊技機20の稼働時間の累計が認証鍵の使用時間に達した場合に該認証鍵は使用不能となる。具体的には、認証鍵管理部18bは、遊技管理部18が形成された基板の通電時間を遊技機20の稼働時間として用い、認証鍵の使用時間を管理している。認証鍵が使用不能となった場合には、認証鍵管理部18bは、管理装置50を介して店舗外の認証鍵管理センタから新たな認証鍵を取得し、認証鍵の更新を行なう。
【0096】
遊技機状態管理部18cは、遊技機20と通信し、遊技機20の状態を管理する処理部である。具体的には、遊技機状態管理部18cは、遊技機20からの遊技機IDの取得、玉貸による遊技球数への加算要求の送信、持玉再プレイによる持玉から遊技球数への管理移行要求の送信、貯玉再プレイによる遊技球数への加算要求の送信、遊技機20における打込玉数や賞出玉数等の遊技結果の受信、計数による遊技球数から持玉への管理移行要求の受信を行なう。かかる台間カード処理機10と遊技機20との通信は、所定の暗号方式を用いた暗号通信を用いる。
【0097】
また、遊技機状態管理部18cは、遊技機20の現在の遊技球数、スタート、大当り、大当り種別、抽選回数などの遊技に設定された状態をさらに取得する。遊技機状態管理部18cが遊技機20の状態を取得する時間間隔は、遊技機20において遊技玉が発射(使用)される間隔よりも短く設定することが望ましい。また、遊技機状態管理部18cは、遊技機20から遊技球数を取得したならば、該遊技球数を制御部17に受け渡す。
【0098】
なお、遊技機状態管理部18cが遊技機20から新たに遊技機IDを取得するタイミングは、開店前に限定されるものではない。台間カード処理機10の電源オンや電源オフを行なった場合、定期的な通信時、遊技球数に関する処理(玉貸、再プレイ、計数など)を行なった場合、オフライン状態からの復帰時などに遊技機IDの取得や遊技機20の入れ替えの判定を行なうことができる。また、これらのタイミングを組み合わせて用いてもよい。
【0099】
制御部17は、台間カード処理機10を全体制御する制御部であり、データ管理部17a及び表示制御部17bを有する。実際には、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、データ管理部17a及び表示制御部17bにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0100】
データ管理部17aは、カードが挿入された場合に、カードID及び台間カード処理機IDを含むカード挿入通知を管理装置50に送信する。データ管理部17aは、管理装置50から有価価値(プリペイド価値、持玉及び貯玉の少なくともいずれか)を含むデータを受信したならば、受信した有価価値をカードデータ16bに記憶する。データ管理部17aは、管理装置50からポイントデータを受信したならば、受信したポイントデータをポイントデータ16cに記憶する。
【0101】
また、データ管理部17aは、紙幣挿入口12aに紙幣が挿入されると、挿入された紙幣の金額、カードID及び台間カード処理機IDを含む入金通知を管理装置50に送信する。
【0102】
また、データ管理部17aは、遊技客により玉貸操作が行なわれた場合に、カードID及び台間カード処理機IDを含む玉貸要求を管理装置50に送信する。この玉貸要求への応答として玉貸許可を受信したならば、データ管理部17aは、カードデータ16bのプリペイド価値を減算し、所定数の玉数を遊技機20の遊技球数に加算させるよう遊技管理部18に指示する。
【0103】
また、データ管理部17aは、持玉再プレイ操作を受け付けたならば、カードデータ16bの持玉を減算して更新し、対応する玉数を遊技機20の遊技球数に加算させるよう遊技管理部18に指示する。
【0104】
また、データ管理部17aは、カードデータ16bに示された貯玉の残高が貯玉再プレイ単位数以上である場合には、表示操作部13に貯玉再プレイボタンを表示し、貯玉再プレイ操作を受け付け可能とする。データ管理部17aは、遊技客により貯玉再プレイ操作が行なわれた場合に、カードID及び台間カード処理機IDを含む貯玉再プレイ要求を管理装置50に送信する。この貯玉再プレイ要求への応答として貯玉再プレイデータを受信したならば、カードデータ16bの貯玉の残高を更新し、貯玉再プレイ単位数に対応する玉数を遊技機20の遊技球数に加算させるよう遊技管理部18に指示する。なお、初回の貯玉再プレイ操作時には、暗証番号の入力を求め、カードデータ16bに示された暗証番号と一致することを、貯玉再プレイ要求を送信するための条件とする。
【0105】
また、データ管理部17aは、遊技管理部18が遊技機20から遊技玉の移行要求を受け付けた場合には、遊技管理部18に指示された玉数をカードデータ16bの持玉に加算して更新する。
【0106】
また、データ管理部17aは、カード返却操作を受け付けた場合には、カードID、台間カード処理機ID、持玉の残高を含む持玉加算要求を管理装置50に送信する。そして、カードデータ16bをクリアした後、カード排出通知を管理装置50に送信し、カードを排出する。
【0107】
表示制御部17bは、保有するポイントに係る表示を制御する処理部である。表示制御部17bは、データ管理部17aによりポイントデータ16cが更新されたならば、通常ポイント、第1イベントポイント、第2イベントポイント及びそれぞれのポイントの合計を表示操作部13に表示する。
【0108】
次に、
図4に示した台間カード処理機10の記憶部16が記憶するデータの具体例について説明する。
図5及び
図6は、
図4に示した自装置状態データ16a、カードデータ16b及びポイントデータ16cの一例を示す図である。
【0109】
図5(a)に示す自装置状態データ16aは、台間カード処理機10のIDが「A101」であり、接続されている遊技機20の遊技機IDが「B201」であり、台間カード処理機10の遊技種として「玉1」が設定された状態であることを示している。
【0110】
図5(b)に示すカードデータ16bは、台間カード処理機10に挿入されたカードのIDが「2005」であることを示している。ここでは、カードIDの上1桁がカードの種別を示しており、上1桁が「1」のカードが一般カード、上1桁が「2」のカードが会員カードであるものとする。また、カードデータ16bは、貯玉再プレイ用の暗証番号が「1234」であり、プリペイド価値が「3000」度数である状態を示している。
【0111】
また、カードデータ16bは、玉1の持玉の残高が「1150」玉であり、玉2の持玉の残高が「0」玉であり、玉3の持玉の残高が「0」玉である。また、玉1の貯玉の残高が「4000」玉であり、玉2の貯玉の残高が「0」玉であり、玉3の貯玉の残高が「0」玉である状態を示している。
【0112】
図6に示すポイントデータ16cは、通常ポイントに関して、ポイント数が「20」ポイントであり、ポイント価値が「200」であり、有効期間が「-」である状態を示し、第1イベントポイントに関して、ポイント数が「5」ポイントであり、ポイント価値が「100」であり、有効期間が「2023/3/14」である状態を示し、第2イベントポイントに関して、ポイント数が「2」ポイントであり、ポイント価値が「30」であり、有効期間が「2023/7/31」である状態を示している。
【0113】
<遊技機20の構成>
次に、
図2に示した遊技機20の構成について説明する。
図7は、
図2に示した遊技機20の構成を示す機能ブロック図である。
図7に示すように、遊技機20は、通信制御部23、演出制御部24、遊技制御部25及び遊技玉制御部26を有する。通信制御部23は、台間カード処理機10との間のデータ通信を制御するための制御部である。台間カード処理機10との通信は、所定の暗号方式を用いた暗号通信を用いる。
【0114】
通信制御部23は、遊技機20の起動時に、遊技制御部25及び/又は遊技玉制御部26に設けられる制御CPUから識別情報を読み出し、識別情報が適切かどうかを確認し、適切であれば、台間カード処理機10との通信を確立して待機状態となる。待機状態において、台間カード処理機10から動作許可を受信したならば、演出制御部24、遊技制御部25及び遊技玉制御部26を起動し、遊技可能な状態とする。
【0115】
遊技制御部25は、遊技機20による遊技を制御する制御部である。実際には、遊技制御部25に対応するプログラムをCPUにロードして実行することにより、プロセスを実行させることになる。
【0116】
具体的には、遊技制御部25は、ハンドル操作検出による遊技玉の遊技盤面への発射制御、遊技盤面における入賞口に入った遊技玉の検出、始動口に入った遊技玉による乱数(0~65535の乱数値の中で、所定の範囲ごとに大当り、小当り、はずれの数値が割り当てられているもの)の取得及び抽選(特別図柄及び普通図柄)、遊技盤面に設けられる可動部材(チューリップ等)の制御、遊技盤面に設けられる特別図柄表示装置の表示制御、不正の虞がある異常(前枠が開いている、振動を検出した等)の検出及び上位装置への通知等を行う。
【0117】
遊技盤面には多数の障害釘が植設されており、ハンドル操作によって遊技盤面に発射された遊技玉は、障害釘の間を落下していき、入賞口、始動口に入賞するか、入賞せずに遊技盤面のアウト口から遊技盤面外に排出される。遊技玉が始動口に入賞したことにより抽選が行われ、大当りとなると、遊技盤面上の所定の入賞口を複数回開放状態に制御する大当り遊技が行われ、この入賞口への遊技玉の入賞が容易になることにより、遊技客に賞玉を付与する。
【0118】
また、大当りには、大当り遊技終了後、遊技客に所定の特典遊技を付与する特典付大当り遊技がある。特典付き大当り遊技には、確率変動大当りと時短大当りが含まれる。確率変動大当りと時短大当りは、それぞれ大当り後に特典遊技として確率変動遊技と時短遊技を付与するものである。時短遊技は、普通図柄抽選(上記する可動部材の開閉抽選)及び/又は特別図柄抽選(上記する遊技玉の入賞による大当り抽選)の変動時間(抽選処理を開始してから結果を表示するまでの時間)を短縮することにより、単位時間あたりの抽選回数を増大させ、単位時間あたりに大当りに当選する確率を高める特典遊技である。この特典遊技には、普通図柄の当選確率を高くする普通図柄確率変動を含んでいても良い。時短大当りによる時短遊技は、特別図柄抽選の抽選回数が大当り後所定の回数行われた場合に終了する。確率変動遊技については後述する。
【0119】
遊技制御部25は、確率変動機能を有する。確率変動機能とは、抽選結果が大当りのうち、特に定められた乱数範囲になった場合に、次回抽選に用いる大当りの乱数範囲を変更する(一般的には10倍程度にする)制御を行う機能である。確率変動遊技は、この変更された後の確率を用いて特別図柄抽選を行うものである。確率変動遊技は、次回大当り当選まで継続される。また、確率変動遊技と時短遊技を同時に付与してもよい。ただし、不測の遊技店の損害を予防するため、確率変動遊技あるいは時短遊技開始後、一定の遊技媒体を遊技客が獲得した場合は、打ち止め(一旦カードを排出し、賞品交換あるいは台移動を要求する)処理としてもよい。この場合、確率変動遊技状態になった後の遊技媒体数を遊技機20にて計数し、この計数値が所定値になった場合に遊技玉の発射を停止する等の遊技停止制御を行うことで実現できる。
【0120】
演出制御部24は、遊技中の演出を制御する制御部であり、演出図柄抽選部24a及び演出抽選部24bを有する。実際には、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、演出図柄抽選部24a及び演出抽選部24bにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0121】
演出図柄抽選部24aは、遊技制御部25での特別図柄抽選に基づく、演出図柄(遊技盤面内の表示装置等の演出図柄表示装置で表示する図柄)の抽選(具体的には表示を最終的に7,7,7で止めるかどうかなど)を行う。
【0122】
演出抽選部24bは、演出図柄による抽選結果を表示するまでに行う演出の種類の抽選(キャラクタが出てきてリーチ演出をするなど)を行う。かかる演出は、メインの抽選結果に対して選択される演出が異なるように設定される。
【0123】
演出制御部24は、各演出の演出データを記憶する。さらに、演出制御部24は、演出図柄表示装置の表示を制御し、演出実行時には、背景図柄データに演出データを重ねて演出表示を行う。また、確率変動時には、通常状態と異なる背景色データを設定する。
【0124】
遊技玉制御部26は、遊技球数を制御する制御部である。実際には、遊技玉制御部26に対応するプログラムをCPUにロードして実行することにより、プロセスを実行させることになる。遊技可能数管理部26aは、遊技可能数すなわち遊技球数を管理する管理部である。
【0125】
具体的には、遊技玉制御部26は、遊技球数を遊技可能数メモリに記憶させ、遊技玉を発射する度に遊技球数を「1」減算し、入賞により獲得される賞出玉数を遊技球数に加算する。また、台間カード処理機10より玉数を通知された場合には、通知された玉数を遊技球数に加算して、台間カード処理機10に対して遊技球数に加算した旨を示す確認信号を送信する。また、遊技玉制御部26は、遊技機20に封入された遊技玉(循環玉)のクリーニング制御を行うこともできる。
【0126】
また、遊技玉制御部26は、遊技可能数メモリに記憶された遊技球数を定期的に台間カード処理機10に送信する。この場合には、遊技玉制御部26は、遊技可能数メモリの内容をゼロクリアすることなく、遊技状態によって遊技球数の更新を継続しつつ、台間カード処理機10へデータ取得時点での遊技球数の送信を行う。
【0127】
また、遊技機20には、計数ボタン22が設けられており、この計数ボタン22が押下されたことを示す信号が遊技玉制御部26に入力される。遊技玉制御部26は、計数ボタン22の押下操作を検出し、検出信号の立ち上がりから立ち下がりまでが一定時間未満あると、一定数ずつ(例えば1回の操作あたり100玉)の遊技球数のデータとともに、台間カード処理機10に管理移行要求を送信する。そして、台間カード処理機10の管理に移行した分の玉数を遊技球数から減算(無効化)する。また、計数ボタン22の押下操作を検出し、検出信号が立ち上がってから所定時間以上立ち下がりが検出されない場合には、検出信号が立ち上がった状態が一定時間続くごとに一定数ずつ(例えば5秒あたり200玉)の遊技球数のデータとともに、台間カード処理機10に管理移行要求を送信する。そして、台間カード処理機10の管理に移行した分の玉数を遊技球数から減算(無効化)する。遊技球数からの減算にあたっては、メモリに記憶した1の値から減算対象の値をディクリメントする方法や、メモリに記憶した値を減算後の値で更新し、減算前の値を削除あるいは論理削除して無効化する方法等が考えられるが、減算後の値が特定可能な状態であれば特に限定はされない。
【0128】
遊技制御部25と遊技玉制御部26とは、それぞれ個別の基板上に構成される。遊技制御部25が構成された遊技制御基板と遊技玉制御部26が構成された遊技玉制御基板は、それぞれ固有のIDを有する。遊技機20は、遊技制御基板のIDと遊技玉制御基板のIDとを組合せ、遊技機IDとして使用する。
【0129】
<管理装置50の構成>
次に、
図2に示した管理装置50の構成について説明する。
図8は、
図2に示した管理装置50の構成を示す機能ブロック図である。
図8に示すように、管理装置50は、表示部51及び入力部52と接続され、外部ネットワーク通信部53、店舗ネットワーク通信部54、記憶部55及び制御部56を有する。
【0130】
表示部51は、液晶パネルやディスプレイ装置等の表示デバイスである。入力部52は、キーボードやマウス等の入力デバイスである。外部ネットワーク通信部53は、外部ネットワークを介して図示しない認証鍵管理センタとデータ通信するためのインタフェース部である。店舗ネットワーク通信部54は、遊技店内において通信回線を介して島コントローラ30、賞品管理装置60及び精算機70とデータ通信するためのインタフェース部である。
【0131】
記憶部55は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、カード管理データ55a、装置管理データ55b、会員管理データ55c、ポイント設定データ55d、有効期間設定データ55e、遊技実績データ55f及びポイントデータ55gを記憶する。
【0132】
カード管理データ55aは、カードIDにプリペイド価値の残高や持玉の残高等を関連付けたデータである。装置管理データ55bは、遊技店に設置された台間カード処理機10及び遊技機20に関するデータである。会員管理データ55cは、会員に対して発行した会員カードのカードIDに対して、会員の氏名、貯玉の情報等を関連付けたデータである。
【0133】
ポイント設定データ55dは、付与区分毎の付与ポイント及び有効期間等の基準を示すデータである。有効期間設定データ55eは、有効期間毎の復活の可否、復活条件等を示すデータである。遊技実績データ55fは、遊技の実績を示すデータである。ポイントデータ55gは、遊技客が保有するポイント数等を示すデータである。
【0134】
制御部56は、管理装置50の全体制御を行う制御部であり、カード管理部56a、装置管理部56b、会員管理部56c、ポイント設定管理部56d、遊技実績管理部56e及びポイント管理部56fを有する。実際には、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、カード管理部56a、装置管理部56b、会員管理部56c、ポイント設定管理部56d、遊技実績管理部56e及びポイント管理部56fにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0135】
カード管理部56aは、カード管理データ55aの管理を行う処理部である。カード管理部56aは、台間カード処理機10、賞品管理装置60と通信して、カードIDに関連付けられたプリペイド価値及び持玉の残高を更新する。
【0136】
また、カード管理部56aは、台間カード処理機10からカード挿入通知を受信した場合には、該カードに関連づけられたプリペイド価値及び持玉の残高を通知する。カード管理部56aは、賞品管理装置60からカードに関連づけられた価値の要求を受信した場合には、該カードに関連づけられた持玉の残高を通知する。
【0137】
装置管理部56bは、装置管理データ55bの管理を行う処理部である。装置管理部56bは、台間カード処理機10から取得した台間カード処理機ID、設置場所及び遊技機IDを装置管理データ55bに記憶する。
【0138】
会員管理部56cは、会員管理データ55cの管理を行う処理部である。会員管理部56cは、台間カード処理機10及び賞品管理装置60と通信して、カードIDに関連付けられた貯玉の残高を更新する。
【0139】
ここで、会員管理部56cによる貯玉再プレイ処理について説明する。会員管理部56cは、台間カード処理機10から貯玉再プレイ要求データを受信したならば、該貯玉再プレイ要求データ内のカードIDに関連付けられた貯玉のうち、払出先のレートの貯玉の残高を払出単位数だけ引落し、貯玉再プレイの可能数を再計算する。そして、減算後の残高と貯玉再プレイの可能数とを含む貯玉再プレイデータを台間カード処理機10に送信する。
【0140】
ポイント設定管理部56dは、ポイント設定データ55d及び有効期間設定データ55eを管理する処理部である。ポイント設定管理部56dは、入力部52からポイント設定及び有効期間設定を受け付けたならば、このポイント設定及び有効期間設定をポイント設定データ55d及び有効期間設定データ55eに記憶する。
【0141】
遊技実績管理部56eは、遊技実績データ55fを管理する処理部である。遊技実績管理部56eは、図示しない来店客管理装置から来店客のカードIDを受信したならば、該カードIDに対応付けたデータ領域を遊技実績データ55fに生成し、該カードIDに対応付けた全ての項目に「無」を記憶する。
【0142】
また、遊技実績管理部56eは、台間カード処理機10からカード挿入通知を受信したならば、遊技実績データ55fのカード挿入の項目を「有」に更新する。遊技実績管理部56eは、台間カード処理機10から受信したアウトデータ、セーフデータ、特賞データ等の遊技データを蓄積する。
【0143】
また、遊技実績管理部56eは、蓄積した遊技データを用いて、入金、玉貸又は遊技が行われたと判定したならば、遊技実績データ55fの入金、玉貸又は遊技の項目を「有」に更新する。遊技実績管理部56eは、蓄積した遊技データを用いて獲得玉数を積算し、この獲得玉数を遊技実績データ55fの獲得玉数に記憶する。
【0144】
ポイント管理部56fは、ポイントデータ55gを管理する処理部である。ポイント管理部56fは、台間カード処理機10からカード挿入通知を受信したならば、このカード挿入通知に含まれるカードIDに対応するデータをポイントデータ55gから抽出し、台間カード処理機10に送信する。
【0145】
また、ポイント管理部56fは、台間カード処理機10から、会員カードに係るカード挿入通知又はカード排出通知を受信したならば、受信した通知に含まれるカードIDに対応するポイントデータをポイントデータ55gから抽出し、通常ポイント、第1イベントポイント、第2イベントポイント等の区分毎に次の処理を行う。
【0146】
当日の日付が抽出したポイントデータの有効期間内であり、遊技実績データ55fを用いて、ポイント設定データ55dの更新条件を満足すると判定したならば、ポイントデータ55gの有効期間を更新する。具体的には、当日の日付に、ポイント設定データ55dの第1段階の有効期間を加算した日付をポイントデータ55gの有効期間に記憶する。
【0147】
また、当日の日付が抽出したポイントデータの有効期間を経過しているならば、ポイントデータ55gのポイント数及びポイント価値に対して有効期間設定データ55eの第1段階におけるポイント処理を行う。
【0148】
また、当日の日付が、抽出したポイントデータの有効期間を経過し、かつ、該有効期間にポイント設定データ55dの第2段階の有効期間を加算した日付内である場合に、有効期間設定データ55eの第2段階における従業員復活又は遊技客復活が「許可」であり、遊技実績データ55fを用いて、有効期間設定データ55eの第2段階における復活条件を満足すると判定したならば、ポイントデータ55gの有効期間を更新する。
【0149】
また、当日の日付が、抽出したポイントデータの有効期間にポイント設定データ55dの第2段階の有効期間を加算した日付を経過しているならば、ポイントデータ55gのポイント数及びポイント価値に対して有効期間設定データ55eの第2段階におけるポイント処理を行う。
【0150】
また、当日の日付が、抽出したポイントデータの有効期間にポイント設定データ55dの第2段階の有効期間を加算した日付を経過し、かつ、抽出したポイントデータの有効期間に第2段階及び第3段階の有効期間をそれぞれ加算した日付内である場合に、有効期間設定データ55eの第3段階における従業員復活又は遊技客復活が「許可」であり、遊技実績データ55fを用いて、有効期間設定データ55eの第3段階における復活条件を満足すると判定したならば、ポイントデータ55gの有効期間を更新する。
【0151】
また、当日の日付が、抽出したポイントデータの有効期間にポイント設定データ55dの第2段階及び第3段階の有効期間をそれぞれ加算した日付を経過しているならば、ポイントデータ55gのポイント数及びポイント価値に対して有効期間設定データ55eの第3段階におけるポイント処理を行う。
【0152】
次に、
図8に示した管理装置50の記憶部55が記憶するデータの一例について説明する。
図9~
図11は、
図8に示したカード管理データ55a、装置管理データ55b、会員管理データ55c、ポイント設定データ55d、有効期間設定データ55e、遊技実績データ55f及びポイントデータ55gの一例を示す図である。
【0153】
図9(a)に示すカード管理データ55aでは、カードID「1001」に対して、プリペイド価値が「0」度数であり、各レートの持玉の残高が「0」玉であり、使用先IDが「A101」である状態を対応付けている。すなわち、カードID「1001」のカードは、装置ID「A101」の台間カード処理機10に挿入されており、持玉については台間カード処理機10に管理が移っている。このため、各レートの持玉の残高はゼロとなる。
【0154】
また、カード管理データ55aでは、カードID「2001」に対して、プリペイド価値が「3000」度数である状態を対応付けている。また、持玉として、玉1の持玉の残高が「100」玉であり、玉2の持玉の残高が「50」玉であり、玉3の持玉の残高が「80」玉である状態を対応付けている。ただし、使用先IDの対応付けはされていない。すなわち、カードID「2001」のカードは、台間カード処理機10に挿入されておらず、持玉の管理が管理装置50により行われている。
【0155】
図9(b)に示す装置管理データ55bは、ID「A101」の台間カード処理機10に対して、設置場所が「島1-1」であり、遊技台番号が「11」であり、接続された遊技機20のIDが「B201」であり、遊技種が「玉1」であり、遊技機20の機種が「EV01」であり、製造番号が「a」である状態を対応付けている。また、この遊技機20が使用中の状態にあることも示している。
【0156】
また、装置管理データ55bは、ID「A201」の台間カード処理機10に対して、その設置場所が「島2-1」であり、遊技台番号が「21」であり、接続された遊技機20のIDが「B506」であり、遊技種が「玉3」であり、遊技機20の機種が「DX03」であり、製造番号が「g」である状態を対応付けている。また、この遊技機20が使用中の状態にあることも示している。
【0157】
図9(c)に示す会員管理データ55cは、カードIDに対応付けられた、氏名、貯玉等を示している。具体的には、会員管理データ55cは、カードID「2005」に対して、氏名が「特許太郎」であり、玉1の貯玉の残高が「4000」玉であり、玉2の貯玉の残高が「0」玉であり、玉3の貯玉の残高が「0」玉である状態を対応付けている。
【0158】
図10(a)に示すポイント設定データ55dは、付与区分「通常」に対して、付与ポイントが「10円」であり、有効期間区分が「永続」であり、更新可否が「-」であり、更新条件が「-」であり、有効期間の第1段階が「-」であり、有効期間の第2段階が「-」であり、有効期間の第3段階が「-」である状態を対応付けている。
【0159】
また、ポイント設定データ55dは、付与区分「第1イベント」に対して、付与ポイントが「20円」であり、有効期間区分が「期間指定」であり、更新可否が「禁止」であり、更新条件が「-」であり、有効期間の第1段階が「1カ月」であり、有効期間の第2段階が「14日」であり、有効期間の第3段階が「7日」である状態を対応付けている。
【0160】
また、ポイント設定データ55dは、付与区分「第2イベント」に対して、付与ポイントが「15円」であり、有効期間区分が「期間指定」であり、更新可否が「許可」であり、更新条件が「カード挿入」であり、有効期間の第1段階が「半年」であり、有効期間の第2段階が「20日」であり、有効期間の第3段階が「10日」である状態を対応付けている。
【0161】
図10(b)に示す有効期間設定データ55eは、有効期間「第1段階」に対して、従業員復活が「-」であり、遊技客復活が「-」であり、復活条件が「-」であり、ポイント処理が「-」である状態を対応付けている。
【0162】
また、有効期間設定データ55eは、有効期間「第2段階」に対して、従業員復活が「許可」であり、遊技客復活が「許可」であり、復活条件が「獲得玉数:500玉」であり、ポイント処理が「1/2に削減」である状態を対応付けている。
【0163】
また、有効期間設定データ55eは、有効期間「第3段階」に対して、従業員復活が「許可」であり、遊技客復活が「禁止」であり、復活条件が「従業員操作」であり、ポイント処理が「失効」である状態を対応付けている。
【0164】
図10(c)に示す遊技実績データ55fは、カードID「2005」に対して、カード挿入が「有」であり、入金が「有」であり、玉貸が「有」であり、遊技が「有」であり、獲得玉数が「800」玉である状態を対応付けている。
【0165】
また、遊技実績データ55fは、カードID「2012」に対して、カード挿入が「有」であり、入金が「無」であり、玉貸が「無」であり、遊技が「有」であり、獲得玉数が「300」玉である状態を対応付けている。
【0166】
図11に示すポイントデータ55gは、会員ID「2015」に対して、通常ポイントにおけるポイント数が「20」ポイントであり、ポイント価値が「200」であり、有効期間が「-」であり、第1イベントポイントにおけるポイント数が「5」ポイントであり、ポイント価値が「100」であり、有効期間が「2023/3/14」であり、第2イベントポイントにおけるポイント数が「2」ポイントであり、ポイント価値が「30」であり、有効期間が「2023/7/31」である状態を対応付けている。
【0167】
また、ポイントデータ55gは、会員ID「2032」に対して、通常ポイントにおけるポイント数が「15」ポイントであり、ポイント価値が「150」であり、有効期間が「-」であり、第1イベントポイントにおけるポイント数が「3」ポイントであり、ポイント価値が「60」であり、有効期間が「2023/4/21」であり、第2イベントポイントにおけるポイント数が「1」ポイントであり、ポイント価値が「15」であり、有効期間が「2023/8/31」である状態を対応付けている。
【0168】
<実施形態1に係る管理装置50における処理手順>
次に、本実施形態1に係る管理装置50における処理手順について説明する。
図12は、本実施形態1に係る管理装置50における処理手順を示すフローチャートである。
【0169】
図12に示すように、管理装置50は、台間カード処理機10からカード挿入通知又はカード排出通知を受信したならば(ステップS101:Yes)、当日の日付が第1段階有効期間を経過したか否かを判定する(ステップS102)。
【0170】
当日の日付が第1段階有効期間内であり(ステップS102:No)、ポイント設定データ55dの更新条件を満足するならば(ステップS108:Yes)、有効期間を更新し(ステップS110)、そのまま処理を終了する。
【0171】
当日の日付が第1段階有効期間内であり(ステップS102:No)、ポイント設定データ55dの更新条件を満足しないならば(ステップS108:No)、そのまま処理を終了する。
【0172】
当日の日付が第1段階有効期間を経過しているならば(ステップS102:Yes)、有効期間設定データ55eにおける第1段階でのポイント処理を行い(ステップS103)、更に第2段階有効期間を経過したか否かを判定する(ステップS104)。
【0173】
当日の日付が第2段階有効期間内であり(ステップS104:No)、有効期間設定データ55eにおける第2段階での復活条件を満足しているならば(ステップS109:Yes)、有効期間を更新して(ステップS110)、そのまま処理を終了する。第2段階での復活条件を満足していないならば(ステップS109:No)、そのまま処理を終了する。
【0174】
当日の日付が第2段階有効期間を経過しているならば(ステップS104:Yes)、有効期間設定データ55eにおける第2段階でのポイント処理を行い(ステップS105)、更に第3段階有効期間を経過したか否かを判定する(ステップS106)。
【0175】
当日の日付が第3段階有効期間内であり(ステップS106:No)、有効期間設定データ55eにおける第3段階での復活条件を満足しているならば(ステップS109:Yes)、有効期間を更新して(ステップS110)、そのまま処理を終了する。第3段階での復活条件を満足していないならば(ステップS109:No)、そのまま処理を終了する。
【0176】
当日の日付が第3段階有効期間を経過しているならば(ステップS106:Yes)、有効期間設定データ55eにおける第3段階でのポイント処理を行い(ステップS107)、処理を終了する。
【0177】
上述してきたように、本実施形態1に係る遊技システムでは、通常日及びイベント日に来店した遊技客に付与するポイントの価値を個別に指定するとともに、それぞれに付与したポイントを区分して管理するよう構成したので、遊技店が遊技客を集客する手段としてポイントを有効に活用することができる。
【0178】
なお、上記の実施形態1では、通常日及びイベント日に獲得したポイントを区分して表示する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、通常日及びイベント日に獲得したポイントの合計数のみを表示する設定を設けるよう構成することもできる。
【0179】
また、上記の実施形態1では、通常日及びイベント日に獲得したポイントを区分して表示する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。台間カード処理機や賞品管理装置においてカードを読み取った際、ポイントの有効期間の残日数が少ない場合に、その旨をそれぞれの装置で強調して表示するよう構成することもできる。また、スマホアプリサービスがある場合には、このサービスを用いて、ポイントの有効期間の残日数が少ない旨を通知するよう構成することもできる。また、ポイントの有効期間の残日数が少ない旨を従業員の所持する従業員端末やインカム等に通知するよう構成することもできる。
【0180】
また、上記の実施形態1では、ポイントの有効期間等を従業員が設定する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ポイントの有効期間等の設定を行うことができる従業員を制限するよう構成することもできる。
【0181】
また、上記の実施形態1では、ポイントの有効期間等を遊技店の営業日に応じて設定する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、会員毎にポイントの有効期間等を設定するよう構成することもできる。また、会員が複数のランクに区分されて管理されている場合に、それぞれのランクに応じてポイントの有効期間等を設定するよう構成することもできる。この際、会員のランクは、貯玉数の残高に応じて変更できるよう構成することもできる。
【0182】
また、上記の実施形態1では、ポイントの有効期間の更新を管理装置において行う構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、賞品管理装置等の装置において従業員が操作することにより、失効したポイントの復活及びポイントの有効期間の更新を行うよう構成することもできる。
【0183】
また、上記の実施形態1では、ポイントで景品交換を行う際は、通常日及びイベント日に獲得したポイントの総数を用いて交換する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、通常日及びイベント日に獲得したポイントを区分して、それぞれに景品交換するよう構成することもできる。
【0184】
また、上記の実施形態1では、通常日及びイベント日に獲得するポイント数はいずれも1ポイントとする構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、通常日及びイベント日に獲得するポイント数をそれぞれに設定するよう構成することもできる。
【0185】
また、上記の実施形態1では、第1段階、第2段階、第3段階の有効期間を設けて、ポイントの失効する期間を第3段階まで延長する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1段階又は第2段階で失効するよう構成することもできる。
【0186】
また、上記の実施形態1では、各段階の有効期間経過時にポイントに対する処理を行う構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各段階の有効期間中に復活条件を満足した場合に、ポイントに対する処理を行うよう構成することもできる。
【0187】
[実施形態2]
ところで、上記の実施形態1では、有効期間を更新する条件としてカード挿入、入金等を設定する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。遊技情報サイトが運営されている場合に、この遊技情報サイトにおいて、遊技客が保有するポイントを提供する遊技店に対する好意的な発言を掲載したならば、有効期間を更新するよう構成することもできる。本実施形態2では、遊技情報サイトにおいて、遊技客が保有するポイントを提供する遊技店に対する好意的な発言を掲載したならば、有効期間を更新する遊技システムについて説明する。
【0188】
<実施形態2に係る遊技システムの概要>
まず、本実施形態2に係る遊技システムの概要について説明する。
図13は、本実施形態2に係る遊技システムの概要を説明するための説明図である。
【0189】
図13(a)に示すように、本実施形態2に係る遊技システムでは、遊技店のカードIDと遊技情報サイトの会員IDの関連付けを行う(S1)。例えば、遊技店名が「パーラーABC」のカードID「2015」と、遊技情報サイトの会員ID「YJ0123」とを関連付ける。
【0190】
図13(b)に示すように、ポイントの有効期間の残日数が少ない場合に、遊技情報サイトにおいて、遊技店に好意的な発言を登録すれば(S2)、有効期間が更新して通知される(S3)。
【0191】
例えば、有効期間が「2023/1/31」で残日数が2日の場合に、遊技情報サイトで「パーラーABCはサービスよくていいね!」と発言したならば、「ポイントが更新されました。」、「ポイント数:20」、「有効期間:2023/2/20」と通知される。
【0192】
上述してきたように、本実施形態2に係る遊技システムでは、遊技情報サイトにおいて、遊技客が保有するポイントを提供する遊技店に対する好意的な発言を掲載したならば、有効期間を更新するよう構成したので、遊技店が遊技客を集客する手段としてポイントを有効に活用することができる。
【0193】
[実施形態3]
ところで、上記の実施形態1では、有効期間を更新する条件としてカード挿入、入金等を設定する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技客の店内利用に応じて有効期間の更新期間を設定するよう構成することもできる。本実施形態3では、遊技客の店内利用に応じて有効期間の更新期間を設定する遊技システムについて説明する。
【0194】
<実施形態3に係る有効期間更新の一例>
まず、本実施形態3に係る有効期間更新の一例について説明する。
図14は、本実施形態3に係る有効期間更新の一例を説明するための説明図である。
【0195】
図14に示すように、本実施形態3に係る遊技システムでは、店内機器の利用パターンに応じて、ポイントを更新する期間を設定する。具体的には、店内の全ての機器において、会員カードを機器で利用したならば、1カ月の期間更新を行う。
【0196】
ユニットにおいては、玉やメダル貸しを行ったならば、6カ月の期間更新を行う。この際、金額設定を可能とする。アウトが検知されたならば、一定数超えた時点で1年の期間更新を行う。この際、アウト数の設定を可能とする。再プレイを行ったならば、一定数超えた時点で1年の期間更新を行う。この際、再プレイ数の設定を可能とする。持玉又は持メダルの払出を行ったならば、一定数超えた時点で1年の期間更新を行う。この際、払出数の設定を可能とする。ユニットにおいてポイント照会を行った場合は、期間更新は行わない。
【0197】
賞品管理装置であるPOSにおいては、賞品交換を行ったならば、6カ月の期間更新を行う。端玉貯玉を行ったならば、3カ月の期間更新を行う。セルフPOSを使用したならば、6カ月の期間更新を行う。
【0198】
精算機において精算を行った場合は、期間更新は行わない。この際、精算金額の設定を可能とする。計数機において玉又はメダルの計数を行ったならば、6カ月の期間更新を行う。この際、計数値の設定を可能とする。自販機において会員カードで飲料などと交換を行ったならば、6カ月の期間更新を行う。
【0199】
アプリにおいては、店内でアプリを使用したならば、6カ月の期間更新を行う。店内に設置した近距離通信規格であるBluetooth Low Energy(登録商標)等を用いたビーコンをアプリで検知したならば、1年の期間更新を行う。アプリで店内設置のWi-Fi(登録商標)接続を行ったならば、3カ月の期間更新を行う。
【0200】
上述してきたように、本実施形態3に係る遊技システムでは、遊技客の店内利用に応じて有効期間の更新期間を設定するよう構成したので、遊技店が遊技客を集客する手段としてポイントを有効に活用することができる。
【0201】
なお、上記の実施形態3では、遊技客の店内利用に応じて有効期間の更新期間を設定する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ユニットでキャッシュレス決済が行える場合に、キャッシュレス決済により遊技した場合にのみ、有効期間の更新を可能とするよう構成することもできる。
【0202】
また、上記の実施形態3では、遊技客の店内利用に応じて有効期間の更新期間を設定する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、所定の期間内に所定の玉又はメダル貸しを継続している場合には、有効期間を無期限に更新するよう構成することもできる。
【0203】
また、上記の実施形態3では、遊技客の店内利用に応じて有効期間の更新期間を設定する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、有効期間の残日数が所定値以下となった場合に、ユニット等に警告メッセージを表示する、又は、ポイントで交換できる景品を制限するよう構成することもできる。
【0204】
また、上記の実施形態3では、遊技客の店内利用に応じて有効期間の更新期間を設定する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、景品交換に必要な最小ポイント数に満たないポイントを保有している場合には、有効期間を限定するよう構成することもできる。
【0205】
[実施形態4]
ところで、上記の実施形態1では、有効期間を更新する条件としてカード挿入、入金等を設定する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ポイント数及び遊技の状況を条件として景品交換を許可するよう構成することもできる。本実施形態4では、ポイント数及び遊技の状況を条件として景品交換を許可する遊技システムについて説明する。
【0206】
<実施形態4に係る景品交換必要ポイント数及び遊技条件の一例>
まず、本実施形態4に係る景品交換必要ポイント数及び遊技条件の一例について説明する。
図15は、本実施形態4に係る景品交換必要ポイント数及び遊技条件の一例を示す図である。
【0207】
図15に示すように、本実施形態4に係る遊技システムでは、ポイントを景品に交換するための条件として、ポイント数及び遊技内容に条件を設定する。具体的には、景品Aに交換する条件としては、必要ポイント数は5ポイントであり、遊技条件は、機種Aで3回以上カードを挿入する、又は、遊技実績があることである。
【0208】
景品Bに交換する条件としては、必要ポイント数は5ポイントであり、遊技条件は、新機種の機種B又は機種Cで5回以上カードを挿入する、又は、遊技実績があることである。景品Yに交換する条件としては、必要ポイント数は10ポイントであり、遊技条件は、X社製の機種D、機種E又は機種Fで2回以上カードを挿入する、又は、遊技実績があることである。景品Zに交換する条件としては、必要ポイント数は5ポイントであり、遊技条件は、遊技島1に属する機種で8回以上カードを挿入する、又は、遊技実績があることである。
【0209】
<実施形態4に係る景品交換可否判定の一例>
次に、本実施形態4に係る景品交換可否判定の一例について説明する。
図16は、本実施形態4に係る景品交換可否判定の一例を示す図である。
【0210】
図16は、2023/1/3から2023/1/30の間で、遊技客が来店し、遊技を行った機種の一覧を示している。例えば、2023/1/3では、機種A、機種D及び機種Gで遊技を行い、2023/1/6では、機種Bで遊技を行っている。また、この期間の遊技客の獲得ポイント数は8ポイントである。
【0211】
ポイントを景品に交換するための条件を
図15に示す条件とした場合、景品Aについては、必要なポイント数「5ポイント」以上を獲得しており、機種Aでの遊技実績も遊技条件の「3回以上」を満たしているため、景品交換が可能である。
【0212】
景品Bについては、必要なポイント数「5ポイント」以上を獲得しているが、機種B又は機種Cでの遊技実績が遊技条件の「5回以上」に満たないため、景品交換は不可である。
【0213】
景品Yについては、機種D、機種E又は機種Fでの遊技実績が遊技条件の「2回以上」を満たしているが、必要なポイント数「10ポイント」を獲得していないため、景品交換は不可である。
【0214】
景品Zについては、必要なポイント数「5ポイント」以上を獲得しているが、遊技島1に属する機種G又は機種Hでの遊技実績が遊技条件の「8回以上」に満たないため、景品交換は不可である。
【0215】
上述してきたように、本実施形態4に係る遊技システムでは、ポイント数及び遊技の状況を条件として景品交換を許可するよう構成したので、遊技店が遊技客を集客する手段としてポイントを有効に活用することができる。
【0216】
なお、上記の実施形態4では、ポイント数及び遊技の状況を条件として景品交換を許可する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、レート毎に必要な条件を設定して景品交換を許可するよう構成することもできる。
【0217】
また、上記の実施形態4では、景品交換を許可する条件の一つとして、ユニットにカードを挿入することを条件とする構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ユニットにカードが挿入されなかった場合に、賞品管理装置においてカードを認証したならば、この認証により取得した遊技履歴を用いて条件の管理を行うよう構成することもできる。
【0218】
また、上記の実施形態4では、ポイント数及び遊技の状況を条件として景品交換を許可する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ポイント獲得条件に有効期間を設けるよう構成することもできる。また、運用が変更された条件カウントは削除可能とするよう構成することもできる。
【0219】
また、上記の実施形態4では、ポイント数及び遊技の状況を条件として景品交換を許可する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、同一景品の複数回の交換は禁止するよう構成することもできる。なお、複数回の交換を可能とする場合は、交換時に条件カウントをクリア可能とするよう構成することもできる。
【0220】
また、上記の実施形態4では、ポイント数及び遊技の状況を条件として景品交換を許可する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、総付景品(200円以下)についても条件を設定して提供するよう構成することもできる。
【0221】
[変形例]
ところで、上記の実施形態4では、ポイント数及び遊技の状況を条件として景品交換を許可する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、設定した条件に基づいて獲得するポイントを指定するよう構成することもできる。本変形例では、設定した条件に基づいて獲得するポイントを指定する遊技システムについて説明する。
【0222】
<変形例に係る条件と獲得ポイントの一例>
まず、本変形例に係る条件と獲得ポイントの一例について説明する。
図17は、本変形例に係る条件と獲得ポイントの一例を示す図である。
【0223】
図17に示すように、本変形例に係る遊技システムでは、設定した条件に基づいて、獲得ポイント数及びポイント価値を指定する。具体的には、条件が「来店(会員カードで認証)」の場合、獲得ポイント数は「0.25ポイント」であり、ポイント価値は「5円分」である。条件が「特定機種でカード認証」の場合、獲得ポイント数は「0.5ポイント」であり、ポイント価値は「10円分」である。
【0224】
条件が「貯玉価値が増減」の場合、獲得ポイント数は「0.25ポイント」であり、ポイント価値は「5円分」である。条件が「携帯アプリと連携」の場合、獲得ポイント数は「0.25ポイント」であり、ポイント価値は「5円分」である。条件が「アプリで入場抽選を実施」の場合、獲得ポイント数は「0.25ポイント」であり、ポイント価値は「5円分」である。
【0225】
条件が「アプリでアンケートに回答」の場合、獲得ポイント数は「0.5ポイント」であり、ポイント価値は「10円分」である。条件が「一定時間カードを挿入」の場合、獲得ポイント数は「0.25ポイント」であり、ポイント価値は「5円分」である。条件が「SNSに投稿」の場合、獲得ポイント数は「0.25ポイント」であり、ポイント価値は「5円分」である。
【0226】
上述してきたように、本変形例に係る遊技システムでは、設定した条件に基づいて獲得するポイントを指定するよう構成したので、遊技店が遊技客を集客する手段としてポイントを有効に活用することができる。
【0227】
[実施形態5]
ところで、上記の実施形態1では、有効期間を更新する条件としてカード挿入、入金等を設定する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技実績のある遊技客に対してのみ来店ポイントを付与するよう構成することもできる。本実施形態5では、遊技実績のある遊技客に対してのみ来店ポイントを付与する遊技システムについて説明する。
【0228】
<実施形態5に係る遊技システムの概要>
まず、本実施形態5に係る遊技システムの概要について説明する。
図18は、本実施形態5に係る遊技システムの概要の説明図である。
【0229】
図18に示すように、本実施形態5に係る遊技システムでは、店内の各装置と管理装置100が通信可能に接続されている。管理装置100には、ポイント付与の条件を設定する設定データ及び遊技の実績を記録する遊技履歴データが記憶されている。
【0230】
設定データには、遊技実績チェックを「有」と設定しており、ポイント付与の条件として遊技実績をチェックすることを意味している。また、未遊技での付与回数を「1」と設定しており、遊技実績がない場合にも、1週間に1回までポイントを付与することを意味している。
【0231】
<実施形態5に係る管理装置100における処理手順>
次に、本実施形態5に係る管理装置100における処理手順について説明する。
図19は、本実施形態5に係る管理装置100における処理手順を示すフローチャートである。
【0232】
図19に示すように、管理装置100は、台間カード処理機10から会員情報問合せを受信し(ステップS201:Yes)、この問合せが、同一会員での当日初の問合せであったならば(ステップS202:Yes)、ポイント付与候補フラグをONにする(ステップS203)。そして会員情報を台間カード処理機10に通知する(ステップS204)。
【0233】
閉店処理が開始されないならば(ステップS205:No)、ステップS201に移行する。閉店処理が開始されたならば(ステップS205:Yes)、ポイント付与候補フラグがONである会員IDの遊技履歴データを検索する(ステップS206)。
【0234】
検索した遊技履歴に、遊技実績があったならば(ステップS207:Yes)、ポイントを付与し(ステップS209)、そのまま処理を終了する。
【0235】
検索した遊技履歴に、遊技実績がなく(ステップS207:No)、1週間以内にポイント付与がないならば(ステップS208:No)、ポイントを付与し(ステップS209)、そのまま処理を終了する。1週間以内にポイント付与済みならば(ステップS208:Yes)、処理を終了する。
【0236】
上述してきたように、本実施形態5に係る遊技システムでは、遊技実績のある遊技客に対してのみ来店ポイントを付与するよう構成したので、遊技店が遊技客を集客する手段としてポイントを有効に活用することができる。
【0237】
なお、上記の実施形態5では、遊技実績のある遊技客に対してのみ来店ポイントを付与する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、来店したものの遊技実績のない遊技客に対して、一定期間内に遊技することを条件に、付与しなかったポイントを加算して付与できるよう構成することもできる。
【0238】
また、上記の各実施形態で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0239】
本発明に係る遊技システム、管理装置及びポイント管理方法は、遊技店が遊技客を集客する手段としてポイントを有効に活用する場合に適している。
【符号の説明】
【0240】
10 台間カード処理機
11 状態表示部
12 紙幣搬送部
12a 紙幣挿入口
13 表示操作部
14 リーダライタ
14a カード挿入口
14b かざし部
15 通信部
16 記憶部
16a 自装置状態データ
16b カードデータ
16c ポイントデータ
17 制御部
17a データ管理部
17b 表示制御部
18 遊技管理部
18a 認証処理部
18b 認証鍵管理部
18c 遊技機状態管理部
20 遊技機
21 ハンドル
22 計数ボタン
23 通信制御部
24 演出制御部
24a 演出図柄抽選部
24b 演出抽選部
25 遊技制御部
26 遊技玉制御部
26a 遊技可能数管理部
30 島コントローラ
50 管理装置
51 表示部
52 入力部
53 外部ネットワーク通信部
54 店舗ネットワーク通信部
55 記憶部
55a カード管理データ
55b 装置管理データ
55c 会員管理データ
55d ポイント設定データ
55e 有効期間設定データ
55f 遊技実績データ
55g ポイントデータ
56 制御部
56a カード管理部
56b 装置管理部
56c 会員管理部
56d ポイント設定管理部
56e 遊技実績管理部
56f ポイント管理部
60 賞品管理装置
70 精算機
100 管理装置