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特開2024-94985魚釣関連情報処理システム、魚釣用リール、魚釣用釣竿、及び魚釣関連情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024094985
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】魚釣関連情報処理システム、魚釣用リール、魚釣用釣竿、及び魚釣関連情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   A01K 89/012 20060101AFI20240703BHJP
   A01K 89/015 20060101ALI20240703BHJP
   A01K 89/017 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
A01K89/012
A01K89/015 A
A01K89/017
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022211942
(22)【出願日】2022-12-28
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(72)【発明者】
【氏名】十朱 洋平
(72)【発明者】
【氏名】中川 勝二
(72)【発明者】
【氏名】楠田 周
【テーマコード(参考)】
2B108
【Fターム(参考)】
2B108DA06
2B108DA08
2B108EA01
2B108EA14
2B108GA03
2B108GA06
2B108GA21
2B108GA25
2B108GA29
2B108GA37
(57)【要約】
【課題】実釣中において発生したイベントに関連する情報の記録が的確に行われるようにする。
【解決手段】魚釣りに関する所定情報を取得する情報取得部と、前記情報取得部により取得された前記所定情報に基づいてイベント発生の有無を判定する判定部と、前記判定部によりイベントが発生したと判定された時点を基準とし、所定時間前からの前記所定情報をイベント情報として第1記憶部に記憶させる第1記憶制御部とを備えて魚釣関連情報処理システムを構成する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
魚釣りに関する所定情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部により取得された前記所定情報に基づいて、イベント発生の有無を判定する判定部と、
前記判定部によりイベントが発生したと判定された時点を基準とし、所定時間前からの前記所定情報をイベント情報として第1記憶部に記憶させる第1記憶制御部と
を備える魚釣関連情報処理システム。
【請求項2】
前記情報取得部が取得する前記所定情報は、魚釣用リールに関するリール情報である
請求項1に記載の魚釣関連情報処理システム。
【請求項3】
前記リール情報は、前記魚釣用リールの使用時期に関する情報、前記魚釣用リールの使用回数に関する情報、前記魚釣用リールのスプールに関する情報、前記魚釣用リールのスプールに巻かれた釣糸に関する情報、前記魚釣用リールのブレーキ設定に関する情報、前記魚釣用リールのドラグ設定に関する情報の少なくとも一部を含む
請求項2に記載の魚釣関連情報処理システム。
【請求項4】
前記リール情報は、前記魚釣用リールに対して行われる操作に関するリール操作情報である
請求項2または3に記載の魚釣関連情報処理システム。
【請求項5】
前記リール操作情報は、前記魚釣用リールのハンドル操作に関する情報、前記魚釣用リールのクラッチ操作に関する情報、前記魚釣用リールのドラグ操作に関する情報、前記魚釣用リールのスプールの回転に関する情報の少なくとも一部を含む
請求項4に記載の魚釣関連情報処理システム。
【請求項6】
前記リール操作情報は、前記魚釣用リールのスプールに巻かれた釣糸に係る張力の変化に関する情報、繰出し方向への釣糸の変化に関する情報、前記魚釣用リールのハンドル回転の変化に関する情報の少なくとも一部を含むリール変化情報を有する
請求項4に記載の魚釣関連情報処理システム。
【請求項7】
前記判定部は、前記リール変化情報に基づいてイベント発生の有無を判定する
請求項6に記載の魚釣関連情報処理システム。
【請求項8】
前記情報取得部が取得する前記所定情報は、釣竿に関する釣竿情報である
請求項1から3のいずれか一項に記載の魚釣関連情報処理システム。
【請求項9】
前記釣竿情報は、前記釣竿の使用時期に関する情報、前記釣竿の使用回数に関する情報、前記釣竿の硬度に関する情報、前記釣竿の調子に関する情報の少なくとも一部を含む
請求項8に記載の魚釣関連情報処理システム。
【請求項10】
前記釣竿情報は、釣竿の操作に関する釣竿操作情報である
請求項8に記載の魚釣関連情報処理システム。
【請求項11】
前記釣竿操作情報は、前記釣竿の操作速度に関する情報、前記釣竿に伝わる振動に関する情報、前記釣竿の楊角に関する情報、前記釣竿の向きに関する情報の少なくとも一部を含む
請求項10に記載の魚釣関連情報処理システム。
【請求項12】
前記釣竿操作情報は、前記釣竿の様態の変化に関する情報、前記釣竿の操作速度の変化に関する情報、前記釣竿に伝わる振動の変化に関する情報、前記釣竿の楊角の変化に関する情報、前記釣竿の向きの変化に関する情報の少なくとも一部を含む釣竿変化情報を有する
請求項10に記載の魚釣関連情報処理システム。
【請求項13】
前記判定部は、前記釣竿変化情報に基づいて、イベント発生の有無を判定する
請求項12に記載の魚釣関連情報処理システム。
【請求項14】
前記情報取得部が取得する前記所定情報は、釣行に関連する釣行関連情報である、請求項1から3のいずれか一項に記載の魚釣関連情報処理システム。
【請求項15】
前記釣行関連情報は、釣行の時期に関する情報、釣行回数に関する情報、釣行の際の位置に関する情報、釣行の際の気温に関する情報、釣行の際の天候に関する情報、釣行の際の気圧に関する情報、釣行の際の風向に関する情報、前記釣行の際の風力(風速)に関する情報の少なくとも一部を含む
請求項14に記載の魚釣関連情報処理システム。
【請求項16】
前記情報取得部により取得された前記所定情報を蓄積情報として継続的に第2記憶部に記憶させる第2記憶制御部をさらに備え、
前記第1記憶制御部は、前記判定部によってイベントが発生したと判定された時点を基準とし、前記所定時間前からの前記蓄積情報をイベント情報として、前記第1記憶部に記憶させる
請求項1から3のいずれか一項に記載の魚釣関連情報処理システム。
【請求項17】
前記蓄積情報と前記イベント情報との少なくともいずれか一方を、外部装置に送信する送信部をさらに備える
請求項16に記載の魚釣関連情報処理システム。
【請求項18】
請求項1から3のいずれか一項に記載の魚釣関連情報処理システムを備える魚釣用リール。
【請求項19】
請求項1から3のいずれか一項に記載の魚釣関連情報処理システムを備える魚釣用釣竿。
【請求項20】
コンピュータを、請求項1から3のいずれか一項に記載の魚釣関連情報処理システムとして機能させるための魚釣関連情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、魚釣関連情報処理システム、魚釣用リール、魚釣用釣竿、及び魚釣関連情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
実釣中において、魚を釣り上げた、魚が釣針に掛かった、あるいは根掛かりしたなどのイベントが発生した際に、ユーザがイベント記録の操作を行うことに応じて、糸長、ハンドル速度、及び位置等の情報を記録可能とされた魚釣用リールが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-038636号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、実釣中においてイベントが発生した際には、ユーザは対応のイベントへの対処に気を取られることも多く、イベント記録の操作を忘れたり、適切なタイミングで行えなかったりする場合がある。
このため、イベントの発生に応じたイベント関連の情報の記憶(記録)が的確に行われるようにすることが求められる。
また、イベントの発生は、あくまでも結果であって、その過程を記憶させることが重要である。例えば、どのようなアクション(リール操作や竿操作など)を、どのような環境下(潮の巡りや天候など)で行ったから、イベントが発生(魚のヒット等の成功例や、根がかりやバックラッシュなどの失敗例)したのかを、的確に記憶されることが求められる。
【0005】
本発明は、上記した課題を考慮して、実釣中において発生したイベントに関連する情報に加え、イベントに至る過程の記録が的確に行われるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)上述した課題を解決する本発明の一態様は、魚釣りに関する所定情報を取得する情報取得部と、前記情報取得部により取得された前記所定情報に基づいてイベント発生の有無を判定する判定部と、前記判定部によりイベントが発生したと判定された時点を基準とし、所定時間前からの前記所定情報をイベント情報として第1記憶部に記憶させる第1記憶制御部とを備える魚釣関連情報処理システムである。
【0007】
上記構成によれば、実釣中において所定のイベントが発生したことに応じて、当該イベントに対応して実釣時に記憶されていた情報を、ユーザの操作によらなくとも、当該イベントの発生を基準として、所定時間前からの所定情報をイベント情報として記憶することができる。これにより、実釣中において発生したイベントに関連する情報の記憶が的確に行われる。イベントの発生を基準として所定時間前からの所定情報、つまりは、イベントに至る原因を的確に記憶することができる。
【0008】
(2)本発明の一態様は、(1)に記載の魚釣関連情報処理システムであって、前記情報取得部が取得する前記所定情報は、魚釣用リールに関するリール情報である。
【0009】
上記構成によれば、実釣時における魚釣用リールに関する情報をイベント情報に含めることができる。
【0010】
(3)本発明の一態様は、(2)に記載の魚釣関連情報処理システムであって、前記リール情報は、前記魚釣用リールの使用時期に関する情報、前記魚釣用リールの使用回数に関する情報、前記魚釣用リールのスプールに関する情報、前記魚釣用リールのスプールに巻かれた釣糸に関する情報、前記魚釣用リールのスプールの制動制御設定に関する情報、前記魚釣用リールのドラグ設定に関する情報の少なくとも一部を含んでよい。
【0011】
上記構成によれば、魚釣用リールに関する情報として、魚釣用リールの使用に関する情報や釣糸、スプールの制動制御設定、ドラグ設定等に関する情報をイベント情報に含めることができる。
【0012】
(4)本発明の一態様は、(2)または(3)に記載の魚釣関連情報処理システムであって、前記リール情報は、前記魚釣用リールに対して行われる操作に関するリール操作情報であってよい。
【0013】
上記構成によれば、魚釣用リールに関する情報として、魚釣用リールの操作に関する情報をイベント情報に含めることができる。
【0014】
(5)本発明の一態様は、(4)に記載の魚釣関連情報処理システムであって、前記リール操作情報は、前記魚釣用リールのハンドル操作に関する情報、前記魚釣用リールのクラッチ操作に関する情報、前記魚釣用リールのドラグ操作に関する情報、前記魚釣用リールのスプールの回転に関する情報の少なくとも一部を含んでよい。
【0015】
上記構成によれば、魚釣用リールの操作に関する情報として多様な情報をイベント情報に含めることができる。
【0016】
(6)本発明の一態様は、(4)または(5)に記載の魚釣関連情報処理システムであって、前記リール操作情報は、前記魚釣用リールのスプールに巻かれた釣糸に係る張力の変化に関する情報、繰出し方向への釣糸の変化に関する情報、前記魚釣用リールのハンドル回転の変化に関する情報の少なくとも一部を含むリール変化情報を有してよい。
【0017】
上記構成によれば、魚釣用リールの操作に関する情報として、操作に応じた所定の変化についての多様な情報(リール変化情報)をイベント情報に含めることができる。
【0018】
(7)本発明の一態様は、(6)に記載の魚釣関連情報処理システムであって、前記判定部は、前記リール変化情報に基づいてイベント発生の有無を判定してよい。
【0019】
上記構成によれば、リール変化情報に基づいて良好な精度でイベント発生の有無を判定することができる。
【0020】
(8)本発明の一態様は、(1)から(7)のいずれか1つに記載の魚釣関連情報処理システムであって、前記情報取得部が取得する前記所定情報は、釣竿に関する釣竿情報であってよい。
【0021】
上記構成によれば、実釣時において釣竿に関して得られた情報を利用してイベント情報を記録させることができる。
【0022】
(9)本発明の一態様は、(8)に記載の魚釣関連情報処理システムであって、前記釣竿情報は、前記釣竿の使用時期に関する情報、前記釣竿の使用回数に関する情報、前記釣竿の硬度に関する情報、前記釣竿の調子に関する情報の少なくとも一部を含んでよい。
【0023】
上記構成によれば、竿に関する使用の履歴、竿の仕様に関する情報をイベント情報に含めることができる。
【0024】
(10)本発明の一態様は、(8)または(9)に記載の魚釣関連情報処理システムであって、前記釣竿情報は、釣竿の操作に関する釣竿操作情報であってよい。
【0025】
上記構成によれば、ユーザが竿をどのように操作していたのかを示す釣竿操作情報を含めた的確な内容のイベント情報を得ることができる。
【0026】
(11)本発明の一態様は、(10)に記載の魚釣関連情報処理システムであって、前記釣竿操作情報は、前記釣竿の操作速度に関する情報、前記釣竿に伝わる振動に関する情報、前記釣竿の楊角に関する情報、前記釣竿の向きに関する情報の少なくとも一部を含んでよい。
【0027】
上記構成によれば、多様な釣竿操作情報を含めた的確な内容のイベント情報を得ることができる。
【0028】
(12)本発明の一態様は、(10)または(11)に記載の魚釣関連情報処理システムであって、前記釣竿操作情報は、前記釣竿の様態の変化に関する情報、前記釣竿の操作速度の変化に関する情報、前記釣竿に伝わる振動の変化に関する情報、前記釣竿の楊角の変化に関する情報、前記釣竿の向きの変化に関する情報の少なくとも一部を含む釣竿変化情報を有してよい。
【0029】
上記構成によれば、実釣時において生じる釣竿の変化に関する情報を含めた的確な内容のイベント情報を得ることができる。
【0030】
(13)本発明の一態様は、(12)に記載の魚釣関連情報処理システムであって、前記判定部は、前記釣竿変化情報に基づいてイベント発生の有無を判定してよい。
請求項12に記載の魚釣関連情報処理システム。
【0031】
上記構成によれば、釣竿の状態変化を利用して良好な精度でイベント発生の有無を判定することができる。
【0032】
(14)本発明の一態様は、(1)から(13)のいずれか1つに記載の魚釣関連情報処理システムであって、前記情報取得部が取得する前記所定情報は、釣行に関連する釣行関連情報であってよい。
【0033】
上記構成によれば、釣行(実釣)に関連して得られる情報を含む有用なイベント情報を生成することができる。
【0034】
(15)本発明の一態様は、(14)に記載の魚釣関連情報処理システムであって、前記釣行関連情報は、釣行の時期に関する情報、釣行回数に関する情報、釣行の際の位置に関する情報、釣行の際の気温に関する情報、釣行の際の天候に関する情報、釣行の際の気圧に関する情報、釣行の際の風向に関する情報、前記釣行の際の風力(風速)に関する情報の少なくとも一部を含んでよい。
【0035】
上記構成によれば、多様な内容の釣行関連情報をイベント情報に含めることが可能となる。
【0036】
(16)本発明の一態様は、(1)から(15)のいずれか1つに記載の魚釣関連情報処理システムであって、前記情報取得部により取得された前記所定情報を蓄積情報として継続的に第2記憶部に記憶させる第2記憶制御部をさらに備え、前記第1記憶制御部は、前記判定部によってイベントが発生したと判定された時点を基準とし、前記所定時間前からの前記蓄積情報をイベント情報として、前記第1記憶部に記憶させてよい。
【0037】
上記構成によれば、実釣時において得られる情報を蓄積しておくことで、蓄積された情報から的確にイベント情報を得ることが可能となる。
【0038】
(17)本発明の一態様は、(16)に記載の魚釣関連情報処理システムであって、前記蓄積情報と前記イベント情報との少なくともいずれか一方を、外部装置に送信する送信部をさらに備えてよい。
【0039】
上記構成によれば、釣りに関連して得られた情報(蓄積情報、イベント情報)を、例えば複数のユーザ間の端末で提供可能となる。つまり、ユーザ間で釣りに関連して得られた情報を共有可能となる。
【0040】
(18)本発明の一態様は、(1)から(17)のいずれか1つに記載の魚釣関連情報処理システムを備える魚釣用リールである。
【0041】
(19)本発明の一態様は、(1)から(17)のいずれか1つに記載の魚釣関連情報処理システムを備える魚釣用釣竿である。
【0042】
(20)本発明の一態様は、コンピュータを、(1)から(17)のいずれか1つに記載の魚釣関連情報処理システムとして機能させるための魚釣関連情報処理プログラムである。
【発明の効果】
【0043】
本発明によれば、実釣中において発生したイベントに関連する情報の記録が的確に行われるようになるとの効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】第1実施形態における魚釣関連情報処理システムの全体的な構成例を示す図である。
図2】第1実施形態における電動リールとしての魚釣用リールの外観例を示す図である。
図3】第1実施形態における電動リールとしての魚釣用リールの外観例を示す図である。
図4】第1実施形態における電動リールとしての魚釣用リールの機能構成例を示す図である。
図5】第1実施形態におけるユーザ端末の機能構成例を示す図である。
図6】第1実施形態における魚釣用リールが、イベント情報の記憶に関連して実行する処理手順例を示すフローチャートである。
図7】第4実施形態における両軸受けリールとしての魚釣用リールの外観例を示す図である。
図8】第4実施形態における両軸受けリールとしての魚釣用リールの外観例を示す図である。
図9】第4実施形態における回路ユニット部の機能構成例を示す図である。
図10】第5実施形態におけるスピニングリールとしての魚釣用リールの外観例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
<第1実施形態>
[魚釣関連情報処理システムの構成例]
図1は、本実施形態の魚釣関連情報処理システムの全体的な構成例を示している。同図の魚釣関連情報処理システムは、魚釣用リール1Aと、釣竿400(魚釣用釣竿の一例)と、ユーザ端末500とを備える。
魚釣用リール1Aは、釣竿400に装着されて使用される。なお、同図において釣竿400に設けられている釣竿センサユニット401は、第2実施形態に対応することから、ここでの説明を省略する。
【0046】
ユーザ端末500は、釣り人であるユーザが利用する端末である。ユーザ端末500は、例えばスマートフォン、タブレット端末等であってよい。
【0047】
魚釣用リール1Aは、ユーザ端末500と通信可能に接続される。ユーザ端末500と魚釣用リール1Aとの通信は、無線であっても有線であってもよいが、以降においては、無線である場合を例に説明する。また、ユーザ端末500と魚釣用リール1Aとの間の無線通信の方式は特に限定されないが、例えばBLE(Bluetooth Low Energy)、NFC(Near Field Communication)等のような近距離無線通信であってよい。
【0048】
[魚釣用リールの構造例]
本実施形態においては、魚釣用リール1Aが電動リールである場合を例に挙げる。
図2及び図3は、電動リールとしての魚釣用リール1Aの外観例を示している。図2及び図3に示される魚釣用リール1Aは、外部電源から供給された電力により駆動されるとともに、手巻きの両軸受リールとして使用するときの電源を内部に有している。
【0049】
魚釣用リール1Aは、釣り竿に装着可能なリール本体2と、リール本体2に対してハンドル軸C1回りに回転可能に取り付けられたハンドル20と、リール本体2に対してハンドル軸C1と平行なスプール軸C2回りに回転可能で図示しない釣糸が巻かれるスプール3と、リール本体2に設けられ、スプール3に回転駆動力を伝達するモータ4とを備える。
また、魚釣用リール1Aは、クラッチ機構5を備える。クラッチ機構5は、スプール3とハンドル20とを連結する連結(クラッチオン)状態と、スプール3とハンドル20とを遮断する遮断(クラッチオフ)状態とで切り替え可能なようにされた機構部位である。クラッチオン状態とクラッチオフ状態との切り替えは、ユーザとしての釣り人がクラッチ操作部材50を操作することによって可能とされている。
【0050】
ここで、本実施形態では、ハンドル軸C1及びスプール軸C2は、それぞれ平行に設けられ、これらの方向を必要に応じて左右方向L1として定義するとともに、左右方向L1に直交するとともにスプール3に巻かれた釣糸が繰り出される方向に沿う方向を前後方向L2として定義する。また、前後方向L2においてスプール3から釣糸が繰り出される方向を前方、その反対方向を後方と定義するとともに、魚釣用リール1Aを後方側から見た視点で左右を定義する。
図2は魚釣用リール1Aを上斜め後方から見た斜視図であり、図3は魚釣用リール1Aを下斜め前方から見た斜視図である。
【0051】
リール本体2は、本体フレーム21と、本体フレーム21の一部を覆うカバー22と、本体フレーム21の上側に位置する表示操作パネル部23と、を備えている。
本体フレーム21は、例えば合成樹脂または金属製の一体形成された部材である。本体フレーム21は、左右方向L1でスプール3を挟んでハンドル20側となる右側板21Aと、右側板21Aと反対側に位置する左側板21Bと、右側板21Aと左側板21Bとを連結する複数の連結部材21Cと、を有している。
右側板21Aと左側板21Bは、互いに左右方向L1に間隔を隔てて配置されている。また、それぞれの側板21A、21Bには、スプール3やモータ4を支持する支持部、及びクラッチ機構5等の回転駆動機構が配置されている。
【0052】
右側板21A及び左側板21Bには、スプール3のスプール回転軸(図示省略)の端部が回転自在に支持された状態で装着されている。図3に示す連結部材21Cは、板状をなし、右側板21A及び左側板21Bの下部を連結する。連結部材21Cのうちの1つには、左右方向L1の略中央部分に釣り竿に取り付けるための釣り竿装着部24が装着されている。
【0053】
カバー22は、右側カバー22A、左側カバー22B、及び前カバー22Cを備えている。右側カバー22Aは、右側板21Aを所定の収容空間を設けて覆い、右側板21Aの外縁部に例えばネジ止めされている。左側カバー22Bは、左側カバー22Bを所定の収容空間を設けて覆い、左側板21Bの外縁部に例えばネジ止めされている。前カバー22Cは、本体フレーム21の前部を覆っている。
また、図示は省略するが、右側板21Aの前方下部には、外部からの給電ケーブルを接続するためのコネクタが設けられている。
【0054】
表示操作パネル部23は、魚釣用リール1Aを使用する釣り人に向けての表示と、釣り人による操作(ここでは、ボタン操作となる)が行われる部位である。
表示操作パネル部23は、右側板21Aと左側板21Bとの間に配置されている。表示操作パネル部23は、ボタン部231と表示面部232とを備える。
ボタン部231は、釣り人によるボタン操作が行われる部位である。同図の例では、ボタン部231において、ボタン操作が行われるボタン(操作子)として、第1ボタンBT-1、第2ボタンBT-2、第3ボタンBT-3、BT-4の4つのボタンが配置されている。
なお、以降の説明にあたり、第1ボタンBT-1、第2ボタンBT-2、第3ボタンBT-3について特に区別しない場合には、ボタンBTと記載する。
【0055】
第1ボタンBT-1は、スプール3を電動により予め定められた速度パターンで回転させる操作に用いられる。
具体的に、第1ボタンBT-1は、通常では、一時モータ巻上の操作が行われる。一時モータ巻上は、第1ボタンBT-1が押圧された状態であるときに、速度パターンとして、予め設定された一定の速度でスプール3が回転するようにモータ4を駆動させる動作である。一時モータ巻上におけるスプール3の回転速度は、釣り人の操作によって変更可能とされてよい。
また、第1ボタンBT-1は、さそいモードのときには、さそい動作の実行を指示する操作が行われる。さそい動作は、第1ボタンBT-1を1回押圧する操作が行われたことに応じて、速度パターンとして、予め設定されたさそいパターンでスプール3を回転させる動作である。さそいパターンは、例えば設定された時間にわたって所定の速度で釣糸を巻き上げるようにスプール3を回転させ、次に設定された時間にわたってスプール3の回転を停止させるという動作が得られるように設定される。
【0056】
表示面部232は、魚釣用リール1Aの動作に応じて所定の内容の表示が行われる部位である。表示面部232に対応して備えられる表示デバイスについては特に限定されないが、例えば液晶表示デバイス、有機EL表示デバイス等を挙げることができる。
【0057】
ハンドル20は、図2及び図3に示すように、ハンドル軸の先端部20aに回転不能に装着されたハンドルアーム25と、ハンドルアーム25の一端にハンドル軸C1と平行な軸回りに回転自在に装着されたハンドルノブ26と、リール本体2側に配置されたドラグ27と、を有している。
ハンドル20からのトルクは、クラッチ機構5がクラッチオンされた状態においてスプール3に直接伝達される。
【0058】
スプール3は、右側板21Aと左側板21Bとの間でそれぞれ軸受(図示省略)をかいして回転自在に設けられている。スプール3は、不図示のスプール回転軸と、スプール回転軸と同軸に配置されて連動して回転可能な筒状の糸巻胴部32と、糸巻胴部32の両端に径方向の外側に向けて拡径されたフランジ部33と、を備えている。
スプール3は、モータ4から図示しないスプール駆動機構を介して回転駆動され、クラッチ操作部材50によって駆動されるクラッチ機構5が連動している。スプール回転軸は、右側カバー22A及び左側カバー22Bに軸受を介して回転自在に各別に支持されている。
【0059】
クラッチ機構5は、クラッチ操作部材50の操作によってハンドル20の回転をスプール3に伝達可能なクラッチオン状態と、ハンドル20の回転をスプール3に伝達不能なクラッチオフ状態とに切換可能である。クラッチオン位置では、ピニオンギアの回転がスプール回転軸に伝達され、クラッチオン状態になり、ピニオンギアとスプール回転軸とが一体回転可能になる。また、クラッチオフ位置では、ピニオンギアの回転がスプール回転軸に伝達されないため、クラッチオフ状態になり、スプール3は自由回転可能になる。
【0060】
クラッチ操作部材50は、図2に示すように、クラッチ機構5をクラッチオン状態とクラッチオフ状態とで切り換えるための操作が行われる部位である。
クラッチ操作部材50は、リール本体2の後部において、右側板21Aと左側板21Bとの間でリール本体2の後部に釣り竿装着部24に対して接近及び離反する方向に移動可能に設けられている。クラッチ操作部材50は、本実施形態において、スプール回転軸回りに揺動可能に設けられる。
【0061】
スプール駆動機構は、スプール3が釣糸の巻上(巻取)方向に回転するよう駆動する。また、巻き上げ時にスプール3に対してドラグ27によりドラグ力を発生させて釣糸の切断を防止する。
ドラグ27は、ハンドル20のハンドルアーム25と右側カバー22Aとの間においてハンドル軸に同軸に設けられている。スプール駆動機構は、図示しないローラクラッチの形態の逆転防止部によって巻上方向の回転が禁止された上記のモータ4と、モータ4の回転を減速してスプール3に伝達したり、ハンドル20の回転を増速してスプール3に伝達する回転伝達機構と、を備えている。
【0062】
モータ4は、図3に示すように、魚釣用リール1Aの前部においてスプール3(図2参照)よりも前側の位置に配置され、半割れ形状のモータ収容体40に覆われた状態で設けられている。
【0063】
スプール駆動レバー28は、ユーザの操作に応じて、一定の回転範囲において回転軸C3回りに回転可能とされている。スプール駆動レバー28は、釣糸を巻き上げる方向(巻上方向)に対応する回転方向によりスプール3を駆動するための操作が行われる操作子である。スプール駆動レバー28は、回転位置に応じてスプール3の回転速度が変化するようにされている。例えばスプール駆動レバー28の回転位置が、例えば最も後方側に回転された位置(操作を行うユーザからみて場合には最も手前側)ではスプール3の駆動は停止された状態であり、ここから前方に回転させていくことに応じて、スプールの回転速度が段階的に高くなっていくようにされる。なお、スプール駆動レバー28を前方に回転させていくことに応じて、スプール3の回転速度が、段階的ではなくリニアに高くなっていくようにされてもよい。以下の説明では、段階的に速度が変更される場合を例に挙げる。
【0064】
[イベント情報記録の概要]
本実施形態の魚釣関連情報処理システムにおいて、魚釣用リール1Aは各種のセンサを備える。魚釣用リール1Aは、実釣時において、センサの出力等を用いて所定の事象について検出、測定を行うことで、魚釣用リール1Aに関する所定の情報(リール情報)を取得するようにされる。
【0065】
リール情報は、魚釣用リール1Aの使用時期(例えば、使用した日時であってよい。あるいは、1年を所定の期間で区切った季節であってもよい。)に関する情報、魚釣用リール1Aの使用回数に関する情報、スプール3に関する情報(例えば、スプールの径などの仕様の情報であってよい)、スプール3に巻かれた釣糸に関する情報、ドラグ設定に関する情報等のうちの少なくとも一部が含められてよい。
また、リール情報には、ユーザによる魚釣用リール1Aに対する操作に関する情報(リール操作情報)が含まれてよい。リール操作情報は、例えばハンドル20の操作に関する情報(例えば、ハンドルの回転数(回転回数)、回転速度など)、クラッチ機構のオン・オフ操作に関する情報(例えば、オン・オフ操作の回数など)、ドラグ27の操作に関する情報(例えば、操作により設定されたドラグ力に関する情報など)、スプール3の回転に関する情報(例えば、スプール3の回転方向、回転速度、回転数(回転回数)など)のうちの少なくとも一部が含められてよい。
リール操作情報は、さらにリール変化情報を含んでよい。リール変化情報は、スプール3に巻かれた釣糸に係る張力の変化に関する情報、繰出し方向での釣糸の変化(スプール3の回転回数に基づいて測定される仕掛けの水深に相当)に関する情報、ハンドル20の回転の変化に関する情報のうちの少なくとも一部が含められてよい。
【0066】
魚釣用リール1Aは、実釣時において取得したリール情報を蓄積情報として記憶(蓄積、バッファリング)する。魚釣用リール1Aは、蓄積情報について、例えばリングバッファとしての態様により、所定の記憶容量に対して過去の蓄積情報を上書きしていくようにして循環的に記憶させるようにしてバッファリングしてよい。
【0067】
また、魚釣用リール1Aは、蓄積情報の記憶にあたり、蓄積情報において仕掛けの投入(キャスト)単位で区切りが示されるようにして記憶するようにしてよい。
具体的には、例えば、魚釣用リール1Aは、クラッチ機構5がオフとされてスプール3が自由回転可能な状態で釣糸を繰り出す方向に回転したことを検出したときに仕掛けの投入が開始されたタイミングであると判定し、対応のタイミングで記憶する蓄積情報についてキャスト単位に応じた区切り位置を設定するようにしてよい。
【0068】
そのうえで、魚釣用リール1Aは、実釣時において、センサ等から得られる出力に基づいて所定のイベントが発生したか否かを判定するようにしている。
イベントの種類としては、例えば魚が仕掛けにかかった(魚がヒットした)こと、魚のアタリのあったこと、仕掛けにかかった魚を取り込んだこと、一度針掛かりした魚が針から外れたこと、釣糸が切れたこと(ラインブレイク)、根掛かりしたこと、などのようにいくつか挙げることができる。
以降においては、説明を簡単にすることの便宜上、魚がヒットしたことをイベントとする場合を例に説明していくこととする。
【0069】
魚釣用リール1Aは、イベントが発生した(魚がヒットした)と判定すると、今回判定したイベントの発生タイミングから一定時間前までの期間における蓄積情報(イベントに至る過程の情報、イベントの発生となった原因の情報)を、イベント情報として取得する。魚釣用リール1Aは、取得したイベント情報を、蓄積情報とは異なる記憶領域に記憶させる。
このようにして、魚釣用リール1Aは、魚がヒットしたとのイベントが発生するごとに、対応のイベント情報を記憶していくようにされる。イベント情報は、蓄積情報のように過去のものが上書きされることなく蓄積されてよい。
【0070】
上記のように記憶されるイベント情報は、対応のイベントが発生する一定時間前から当該イベントが発生した時点までの期間のリール情報を有する。具体的に、魚のヒットに対応するイベント情報が含むリール情報によっては、例えば、魚のヒットのイベントが発生した時点から一定期間前における魚釣用リール1Aのスプール3の回転状態(回転方向、回転速度)の履歴、仕掛けの水深、ユーザの釣竿400の操作(ロッドアクション)に応じた魚釣用リール1A自体の動き(位置変化)等を示す。
上記のようなイベント情報は、魚がヒットしたときの水深、巻き取り操作、ロッドアクション等を示すものとなる。魚がヒットしたときの水深、ロッドアクション、魚釣用リール1Aに対する釣糸の巻き取り操作等の(イベント発生条件)を再現すれば、魚がヒットする確率が高まるものとの考え方をとることができる。
【0071】
そこで、ユーザは、例えば実釣中において、魚釣用リール1Aを操作して過去に記憶されたイベント情報の内容を呼び出して表示させることができる。ユーザは、表示されたイベント情報の内容を確認し、確認した水深、巻き取り速度、ロッドアクション等を再現するようにして釣りを行うことができる。このようにしてユーザが釣りを行えることで、釣果の高まることが期待でき、釣りの楽しみが増す。
【0072】
また、本実施形態においては、魚釣用リール1Aに記憶されたイベント情報を、通信経由でユーザ端末500に送信することも可能とされる。魚釣用リール1Aからユーザ端末500へのイベント情報の送信は、例えば魚釣用リール1Aとユーザ端末500とで通信の接続が確立したことをトリガとして実行されるようにしてもよいし、魚釣用リール1Aとユーザ端末500との通信の接続を確立させた状態のもとで、ユーザのイベント情報送信指示の操作をトリガとして実行されてもよい。ユーザ端末500は、このように送信されたイベント情報を記憶してよい。
ユーザは、ユーザ端末500を操作して、ユーザ端末500にて記憶されたイベント情報の内容をユーザ端末500の表示部に表示させることができる。この場合、ユーザは、任意の場所と任意の機会において、過去に魚をヒットさせたときのイベント発生条件がどのような内容であるのかを確認することができる。このようにしてユーザが、過去に魚がヒットしたときの状況(魚がヒットするに至る過程、魚がヒットするに至る原因)を確認できることで、これからの釣行での釣りの仕方を検討することも可能となり、釣りの楽しみが増す。
【0073】
[魚釣用リールの機能構成例]
図4を参照して、電動リールとしての魚釣用リール1Aの機能構成例について説明する。同図において、図2図3と同一部分には、同一符号を付して適宜説明を省略する。
同図の魚釣用リール1は、センサ部101、操作部102、表示部103、制御部104、記憶部105、通信部106、モータ駆動回路107、モータ4、スプール3、回転センサ108を備える。
【0074】
センサ部101は、魚釣用リール1に備えられる1以上の所定のセンサ111を包含して示すものである。センサ111には、例えば、魚釣用リール1自体の動きを検出するセンサ、魚釣用リール1の振動を検出するセンサ等が含まれてよい。このような魚釣用リール1の動きや振動を検出するセンサ111には、例えば角速度センサや圧電センサ等が用いられてよい。
【0075】
操作部102は、魚釣用リール1に備えられるボタン、ハンドル、レバー等のようにユーザが操作する部位を包含して示したものである。図2との対応では、操作部102は、ボタン部231が含まれる。
【0076】
表示部103は、制御部104の制御に応じて表示を行う部位である。表示部203は、図2との対応では表示面部232を含む。
【0077】
制御部104は、魚釣用リール1における各種の制御を実行する。制御部104としての機能は、魚釣用リール1が備えるCPU(Central Processing Unit)がプログラムを実行することにより実現される。
制御部104は、情報取得部141、蓄積情報記憶制御部142、判定部143、イベント情報記憶制御部144、及びイベント情報出力部145を備える。
【0078】
情報取得部141は、蓄積情報記憶部151に記憶させる蓄積情報に含める情報を取得する。本実施形態の情報取得部141は、リール情報を取得する。
情報取得部141は、リール情報としての魚釣用リール1Aの使用時期については、制御部104が有する時計機能が示す日時に基づいて取得してよい。
また、情報取得部141は、リール情報としての魚釣用リール1Aの使用回数については、センサ部101がセンサ111として備える加速度センサや振動センサ等の出力に基づいて魚釣用リール1Aが使用されたか否かを判定することにより、使用された回数をカウントするようにされてよい。
また、情報取得部141は、リール情報としてのスプール3の仕様等に関する情報については、記憶部105に予め記憶させておいたスプール3の仕様等に関する情報から取得してよい。あるいは、情報取得部141は、ユーザの操作部102に対する操作によって入力されたスプール3の仕様等に関する情報をリール情報として取得してもよい。
また、情報取得部141は、リール情報としてのスプール3に巻かれた釣糸に関する情報については、ユーザの操作部102に対する操作によって入力された釣糸の種類、巻長などの情報を取得してよい。
また、情報取得部141は、リール情報としてのドラグ設定に関する情報については、ドラグ27に設けられてドラグ力を検出するセンサ111が出力するドラグ力を取得するようにしてよい。あるいは、情報取得部141は、リール情報としてのドラグ設定に関する情報として、例えば仕掛けに掛かった魚とのやりとりにおいて測定される釣糸の張力と、検出されるドラグ27の動作とに基づいて制御部104が測定したドラグ力を取得してもよい。
また、情報取得部141は、リール情報に含まれるリール操作情報であるハンドル20の操作に関する情報、クラッチ機構のオン・オフ操作に関する情報、ドラグ27の操作に関する情報、スプール3の回転に関する情報について、以下のように取得してよい。
つまり、情報取得部141は、ハンドル20の操作に関する情報については、ハンドル20の回転(回転位置)を検出するセンサ111の出力に基づいて取得してよい。
また、情報取得部141は、クラッチ機構のオン・オフ操作に関する情報については、クラッチ機構のオン・オフを検出するように設けられたセンサ111の出力に基づいて取得してよい。
また、情報取得部141は、ドラグ27について検出または測定されるドラグ力の変化と、変化したタイミングとを示す情報を、ドラグ27の操作に関する情報として取得してよい。
また、情報取得部141は、スプール3の回転に関する情報として、回転センサ108が検出するスプール3の回転方向、回転速度を取得し、回転センサ108が検出するスプール3の回転回数に基づいて測定した仕掛けの水深を取得してよい。
【0079】
蓄積情報記憶制御部142(第2記憶制御部の一例)は、蓄積情報記憶部151(第2記憶部の一例)に蓄積情報を継続的に記憶させる。本実施形態の蓄積情報記憶制御部142は、情報取得部により取得されたリール情報を蓄積情報に含めて蓄積情報記憶部151に記憶させる。
また、蓄積情報記憶制御部142は、蓄積情報記憶部151について所定の記憶容量によるリングバッファとして機能させ、蓄積情報記憶部151に循環的に蓄積情報を記憶するようにされてよい。
【0080】
判定部143は、イベントが発生したか否かを判定する。一具体例として、判定部143は、スプール3から繰り出されている釣糸の張力の測定値の変化(リール変化情報の一例)に基づいて、魚のヒットに対応するイベントが発生したか否かを判定してよい。また、判定部143は、例えばリール操作情報に基づいて、魚を誘うための釣竿400と魚釣用リール1Aの操作を行っていた状態から魚が針掛かりし、魚とのやりとりに応じた釣竿400と魚釣用リール1Aの操作に移ったことを判定したことに応じて、魚のヒットに対応するイベントが発生したか否かを判定してもよい。判定部143は、イベントが発生したと判定した際には、当該イベントが発生したタイミングについても特定するようにされる。
【0081】
イベント情報記憶制御部144は、判定部143が特定したイベントの発生タイミングに応じた時刻から一定時間前までの期間(イベント情報抽出期間)において蓄積情報記憶部151に記憶された蓄積情報を抽出する。
なお、蓄積情報記憶部151において蓄積情報がキャスト単位で区分されるようにして記憶されている場合において、イベント情報抽出期間において前回のキャストとの区分位置が含まれる場合がある。このような場合、イベント情報記憶制御部144は、イベントの発生タイミングに応じた時刻から前回のキャストとの区分位置までの期間の蓄積情報を抽出してよい。
【0082】
イベント情報記憶制御部144(第1記憶制御部の一例)は、抽出した蓄積情報を、イベント情報としてイベント情報記憶部152(第1記憶部の一例)に記憶させる。
【0083】
イベント情報出力部145(送信部の一例)は、イベント情報記憶部152が記憶するイベント情報の出力に関する処理を実行する。
具体的に、イベント情報出力部145は、イベント情報記憶部152が記憶するイベント情報を表示部103にて表示させてよい。この際、イベント情報出力部145は、イベント情報記憶部152が記憶するイベント情報のうちで、ユーザの操作により指定された条件に合致するイベント情報を表示させてよい。
また、イベント情報出力部145(送信部の一例)は、イベント情報記憶部152が記憶するイベント情報を通信部106からユーザ端末500に送信させてよい。イベント情報出力部145は、例えばユーザ端末500との通信が確立したことに応じて、イベント情報を送信してもよい。あるいは、イベント情報出力部145は、ユーザによる魚釣用リール1Aもしくはユーザ端末500に対する操作によって指定された条件に合致するイベント情報を送信してよい。
また、イベント情報出力部145は、ユーザ端末500に送信したイベント情報をイベント情報記憶部152から削除してよい。
【0084】
記憶部105は、魚釣用リール1に対応する各種の情報を記憶する。記憶部105は、蓄積情報記憶部151とイベント情報記憶部152とを備える。
蓄積情報記憶部151は、蓄積情報記憶制御部142の制御に応じて蓄積情報を記憶する。
イベント情報記憶部152は、イベント情報記憶制御部144の制御に応じてイベント情報を記憶する。
【0085】
通信部106は、例えば近距離無線通信に対応し、ユーザ端末500と通信可能に接続する。
【0086】
モータ駆動回路107は、制御部104の制御に応じてモータ4を駆動する。制御部104は、PWM(Pulse Width Modulation)制御によりモータ駆動信号のパルス幅のデューティ比を変化させることでモータ4の回転速度を変化させる。
回転センサ108は、スプール回転数(回転回数)、スプール3の回転速度等を検出する。
【0087】
[ユーザ端末の機能構成例]
図5を参照して、ユーザ端末500の機能構成例について説明する。同図のユーザ端末500は、通信部501、操作部502、表示部503、音出力部504、カメラ505、制御部506、記憶部507、及び測位部508を備える。
【0088】
通信部501は、ユーザ端末500が有する通信機能に対応する部位である。具体的に、通信部501は、近距離無線通信に対応し、通信距離にある魚釣用リール1A等と通信可能に接続する。また、通信部501は、ネットワーク通信に対応し、ネットワーク経由で他の端末やサーバ等のノードと接続する。
【0089】
操作部502は、ユーザ端末500が備える操作子や入力デバイス、あるいはユーザ端末500に接続される入力デバイスを包括して示す部位である。
表示部503は、制御部506の制御に応じて表示を行う。
なお、操作部502及び表示部503として、ユーザ端末500において画像が表示される表示面に対する操作が可能なタッチパネルが備えられてよい。
音出力部504は、制御部506の制御に応じて音を出力する。
カメラ505は、撮像を行って得た撮像画像を出力する。
【0090】
制御部506は、ユーザ端末500における各種制御を実行する。制御部104としての機能は、ユーザ端末500が備えるCPUがプログラムを実行することにより実現される。
記憶部507は、ユーザ端末500が対応する各種の情報を記憶する。
【0091】
測位部508は、例えばGPS(Global Positioning System)等に対応してユーザ端末500の位置を測位し、測位した位置を示す位置情報を出力する。
【0092】
[処理手順例]
図6のフローチャートを参照して、本実施形態の魚釣用リール1Aが、イベント情報の記憶に関連して実行する処理手順例について説明する。
【0093】
ステップS100:魚釣用リール1Aにおいて情報取得部141は、例えば電源が投入されて起動したことに応じて、リール情報を含む蓄積情報の取得を開始する。
【0094】
ステップS102:蓄積情報記憶制御部142は、ステップS100以降において情報取得部141が取得した蓄積情報を、蓄積情報記憶部151に記憶させる制御を開始する。
【0095】
ステップS104:ステップS102により蓄積情報の記憶が開始されて以降において、蓄積情報記憶制御部142は、キャストが開始されたタイミングとなったか否かを判定する。
【0096】
ステップS106:ステップS104にてキャストが開始されたタイミングとなったと判定された場合、蓄積情報記憶制御部142は、キャストが開始されたタイミングに応じた時刻の蓄積情報に対して、キャスト単位に応じた区切り位置を新規に設定する。
【0097】
ステップS108:ステップS106の処理の後、あるいはステップS104にてキャストが開始されたタイミングではないと判定された場合、判定部143は、魚のヒットに対応するイベントが発生したか否かを判定する。イベントが発生しないと判定された場合には、ステップS104に処理が戻される。
【0098】
ステップS110:ステップS108にてイベントが発生したと判定された場合、イベント情報記憶制御部144は、イベントが発生したタイミングを起点とするイベント情報抽出期間における蓄積情報を蓄積情報記憶部151から取得する。イベント情報記憶制御部144は、取得した蓄積情報をイベント情報として、イベント情報記憶部152に記憶させる。
【0099】
<第2実施形態>
続いて、第2実施形態について説明する。第2実施形態においては、図1に示すようにして、釣竿400に釣竿センサユニット401が設けられる。釣竿センサユニット401は、釣竿400に予め組み込まれるようにして取り付けられたものであってもよいし、釣竿400に後付けで取り付け可能なものとされてもよい。
【0100】
釣竿センサユニット401は、所定の1以上のセンサを備え、センサから出力される検出情報(釣竿情報)を、例えば近距離無線通信経由で魚釣用リール1Aに送信するように構成される。釣竿センサユニット401が備えるセンサのそれぞれは、対応の検出対象に応じて、適宜、釣竿400における所定の部位に設けられてよい。
【0101】
具体的に、釣竿情報は、釣竿400がユーザにどのように操作されたのかを示す釣竿操作情報を含む。
釣竿操作情報は、釣竿400の操作速度に関する情報(例えば、キャスト時のキャストスピード、しゃくりのスピードなど)、釣竿400に伝わる振動に関する情報(例えば、魚のあたりや、リール操作時の振動など)、釣竿400の楊角に関する情報(例えば、竿の持ち方、竿のしなり具合など)、釣竿400の向きに関する情報(例えば、竿先の方向など)の少なくとも一部を含んでよい。
また、釣竿操作情報は、以下のような釣竿変化情報を含んでよい。釣竿変化情報は、釣竿400の様態の変化に関する情報(例えば、竿のしなりによる変化、竿の破損による変化など)、釣竿400の操作速度の変化に関する情報(例えば、キャストスピードやしゃくりスピードなど)、釣竿400に伝わる振動の変化に関する情報(例えば、魚あたりによる振動の変化、波による振動の変化、リール操作による振動の変化など)、釣竿400の楊角の変化に関する情報、釣竿400の向きの変化に関する情報の少なくとも一部であってよい。
釣竿センサユニット401は、加速度センサや圧電センサ等を釣竿400の所定の部位に設けることによって上記のような釣竿操作情報を得るようにされてよい。
【0102】
また、釣竿情報は、釣竿400の使用履歴に関する情報として、釣竿400の使用時期(例えば、日時)に関する情報、釣竿400の使用回数に関する情報の少なくともいずれか1つを含んでよい。釣竿センサユニット401は、釣竿400の所定部位に設けられた加速度センサや圧電センサ等により釣竿400が使用されているか否かを判定し、判定した結果に基づいて、釣竿400の使用履歴に関する情報を得るようにされてよい。
【0103】
また、釣竿情報は、釣竿400の仕様に関する情報として、釣竿400の硬度に関する情報、釣竿400の調子に関する情報、釣竿400の継数、ガイドの数・材質等の少なくともいずれか1つを含んでよい。
このような釣竿400の仕様に関する情報は、釣竿センサユニット401に予め記憶させておくようにしてよい。
【0104】
本実施形態において、魚のヒットとしてのイベントに応じたイベント情報の記憶を行うようにする場合、釣竿情報としては、上記の情報要素のうちから、ロッドアクション、魚の針掛かり等の状況に応じた釣竿400の姿勢、撓み具合(釣竿の態様の一例)、振動等の変化を判定するのに利用可能な釣竿変化情報が用いられてよい。
具体的に、釣竿センサユニット401は、釣竿400の姿勢や撓み具合の変化を検出するセンサとして、例えば釣竿における所定部位の位置変化を検出する加速度センサを備えてよい。また、釣竿センサユニット401は、釣竿400の振動を検出するセンサとして、釣竿センサユニット401の所定部位に設けられた加速度センサあるいは圧電センサ等を備えてよい。
【0105】
また、釣竿情報は、例えば釣竿400が折れたとのイベントの判定や、釣竿400が折れたとのイベントに応じたイベント情報に含めることができる。この場合、例えば釣竿情報における竿の硬度や調子の情報と釣糸の張力などをイベント情報に含めるようにされてよい。このようなイベント情報であれば、釣竿が折れるまでの竿の強度と釣糸の張力との関係を把握することが可能となる。
【0106】
釣竿センサユニット401は、魚釣用リール1Aと通信可能に接続される。釣竿センサユニット401と魚釣用リール1Aとの通信は、無線であっても有線であってもよいが、以降においては、無線である場合を例に説明する。釣竿センサユニット401と魚釣用リール1Aとの間の無線通信の方式も特に限定されないが、例えばBLE、NFC等であってよい。
【0107】
本実施形態において、魚釣用リール1Aと通信可能に接続された釣竿センサユニット401は、自己が備えるセンサが出力した情報(釣竿情報)を、魚釣用リール1Aに送信する。
魚釣用リール1Aにおいて、情報取得部141は、リール情報とともに、釣竿センサユニット401から送信された釣竿情報を蓄積情報に含めるべき情報として取得する。蓄積情報記憶制御部142は、リール情報と釣竿情報とを含む蓄積情報を、蓄積情報記憶部151に記憶させる。
また、魚釣用リール1Aの判定部143は、イベントが発生したか否かを判定するにあたり、情報取得部141が取得したリール情報に加えて釣竿情報も利用してよい。このようにリール情報と釣竿情報とを併用することで、イベントが発生したか否かの判定の的確さを高めることが可能になる。
イベント情報記憶制御部144は、判定部143によりイベントが発生したと判定されたことに応じて、イベント発生のタイミングを基準として、所定時間前からのリール情報と釣竿情報とを含むイベント情報をイベント情報記憶部152に記憶させる。このようにリール情報と釣竿情報とが含まれるイベント情報をユーザが確認することで、魚がヒットするに至る経過の情報(イベントの発生に至る原因の情報)として、ロッドアクション等の状況をより的確に把握することができる。
【0108】
<第3実施形態>
続いて、第3実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態と第2実施形態とのいずれにも適用可能とされる。以降の説明では、第2実施形態に適用する場合を例に挙げる。
【0109】
本実施形態においては、蓄積情報記憶部151に蓄積させる蓄積情報は、リール情報と釣竿情報に加えて、さらに釣行関連情報を含む。釣行関連情報は、ユーザの釣行に関連する情報である。ここでの「釣行」とは、ユーザの過去の実釣を指してよい。
【0110】
釣行関連情報には、釣行としての行動の履歴に関連する情報(釣行履歴情報)が含まれてよい。釣行履歴情報には、釣行ごとの時期に関する情報(例えば、釣行時期、釣行日時、釣行時間など)、釣行回数に関する情報(例えば、年平均回数、月別平均回数、特定場所における釣行回数など)、釣行における(実釣時における)ユーザの位置を示すユーザ位置情報(例えば、GPSによる位置情報など)等の少なくとも一部を含んでよい。
また、釣行関連情報には、実釣時に対応する気象の情報(釣行気象情報)が含まれてよい。釣行気象情報には、実釣時の現地の天候(晴れ、曇り、雨等)の情報、実釣時の現地の気温に関する情報、実釣時の現地の気圧に関する情報、実釣時の現地の風向・風力(風速)に関する情報、実釣時の潮汐に関する情報の少なくとも一部を含んでよい。
【0111】
本実施形態において、上記の釣行関連情報は、一例として以下のように取得されてよい。
ユーザは、釣行する都度、釣行先の現地にて、ユーザ端末500にインストールされている釣行支援アプリケーションに対して、例えばこれから実釣することの宣言(実釣宣言)の操作を行う。
実釣宣言が行われたことに応じて、ユーザ端末500は、現在日時に基づく釣行時期を取得し、これまでの実釣宣言回数に基づいて釣行回数の情報を取得し、実釣宣言されたタイミングで測位部508に測位された位置を、ユーザ位置情報として取得してよい。
また、ユーザ端末500は、実釣宣言が行われたことに応じて、ネットワーク経由で気象情報を提供する所定の気象情報サイトにアクセスし、現在位置と現在日時に応じた気象情報(天候、気温、気圧、風向・風力、潮汐等)を取得してよい。1回の実釣宣言に対応する実釣の期間においては、気象情報が変化し得る。また、1回の実釣宣言に対応してユーザが実釣する場所を移動した場合には、ユーザ位置情報も変化し得る。ユーザ端末500は、このように1回の実釣宣言のもとで時間経過に応じて変化し得る釣行関連情報については、一定時間ごとあるいは変化が生じたタイミングで現在の情報を魚釣用リール1Aに送信するようにされてよい。
ユーザ端末500は、上記のように取得した釣行関連情報を魚釣用リール1Aに送信する。魚釣用リール1Aにおいて、情報取得部141は、送信された釣行関連情報を取得し、蓄積情報記憶制御部142は、取得された釣行関連情報を、リール情報及び釣竿情報とともに蓄積情報に含めて蓄積情報記憶制御部142に記憶させる。なお、釣行関連情報については、リール情報や釣竿情報のようにリアルタイムに変化を示す情報ではないことから、蓄積情報記憶制御部142は、例えば蓄積情報記憶制御部142においてリングバッファとは別の領域に釣行関連情報を記憶させるようにしてよい。このように記憶される釣行関連情報は、上記のように一定時間ごとあるいは変化が生じたタイミングでユーザ端末500から送信されるごとに、蓄積情報記憶制御部142が更新してよい。
【0112】
本実施形態において、魚釣用リール1Aにおける判定部143によりイベントが発生したと判定された場合、イベント情報記憶制御部144は、イベント発生を基準として、所定時間前からのリール情報と釣竿情報とに加えて釣行関連情報を含む蓄積情報を蓄積情報記憶制御部142から取得する。イベント情報記憶制御部144は、取得した蓄積情報をイベント情報としてイベント情報記憶部152に記憶させる。
【0113】
このような本実施形態のイベント情報は、例えば魚のヒットに対応するイベントであれば、ロッドアクションの操作や魚釣用リール1Aの操作のパターンに加えて、魚がヒットしたときの場所、日時(時期)、気象等も、魚がヒットしたときの条件として示すことができる。ユーザは、このようなイベント情報を、魚釣用リール1Aもしくはユーザ端末500にて表示させることで、魚がヒットした条件に関して、釣竿と魚釣用リールの操作の仕方に加えて、実釣した場所、日時、気象等も加味して確認することができる。
【0114】
なお、本実施形態における変形例として、ユーザ端末500は、取得した気象情報を魚釣用リール1Aに送信せずに、自己の記憶部507に記憶させてもよい。
【0115】
<第4実施形態>
続いて、第4実施形態について説明する。上記各実施形態の魚釣関連情報処理システムにおいて使用される魚釣用リール1Aは電動リールであった。しかしながら、魚釣関連情報処理システムにおいて使用される魚釣用リールは電動リールに限定されない。本実施形態の魚釣関連情報処理システムにおいては、以下のように、魚釣用リールとして両軸受けリール(ベイトリール)が使用される。
【0116】
図7及び図8は、本実施形態の魚釣関連情報処理システムにおいて使用される両軸受けリールとしての魚釣用リール1Bの外観例を示している。図7は、本体10に着脱ユニット220が取り付けられた状態の魚釣用リール1の外観例を示している。図8は、本体210から着脱ユニット220が取り外された状態の魚釣用リール1Bの外観例を示している。
同図の魚釣用リール1Bは、本体210、ハンドル230、スプール240、及びクラッチ操作部250を備える。
【0117】
本体210は、本体210と着脱ユニット220とを含む。本体210は、側板部211とフレーム部212とサムレスト213とを含む。
フレーム部212は、スプール240のスプール軸の一端を回転可能に保持し、ハンドル軸が取り付けられるハンドル側フレーム部212Aと、スプール240のスプール軸の他端側にて、当該スプール240を回転可能に保持するホールド側フレーム部212Bを含む。
【0118】
着脱ユニット220は、本体210に対して着脱可能である。具体的には、着脱ユニット220は、本体210においてハンドル230とは反対の側となるホールド側フレーム部212Bに設けられる。
同図のように着脱ユニット220が本体210に装着されている状態では、本体210と着脱ユニット220のカバー221とにより魚釣用リール1Bの外形を形成する。
【0119】
同図に示されるように、着脱ユニット220は、カバー221の裏側に制動ユニット部222が一体となるように設けられている。制動ユニット部222は、キャスト時にフリーの状態で回転するスプール240に制動を与える制動部材を収納する部位である。制動ユニット部222は、カバー221を含む着脱ユニット220の筐体と一体化されるようにして設けられる。
【0120】
制動ユニット部222は、着脱ユニット220が本体210に装着されているときには、スプール240の側面におけるスプール軸241とスプール周縁部242との間の円状のスプール空間部243に挿入される状態となる。
つまり、本体210がスプール軸241の一端を回転可能に保持し、着脱ユニット220がスプール軸241の他端を回転可能に保持するようにされている。
【0121】
スプール軸241には制動磁石が設けられている。スプール軸241はスプール240と一体となって回転する。制動ユニット部222内の制動ユニットは、着脱ユニット220が本体210に装着されて制動ユニット部222がスプール空間部243内に挿入されている状態では、スプール軸241の外周を取り巻くように複数のコイルが配置される状態となる。複数のコイルは直列接続されている。
【0122】
着脱ユニット220の筐体内部には、回路ユニット部223が収容されている。
回路ユニット部223は、電源回路、通信モジュール、制動回路、コンピュータ部等を含む。
【0123】
回路ユニット部223の電源回路は、例えばバッテリと、当該バッテリから出力される電力を電源として通信モジュールやコンピュータ部に供給する。
回路ユニット部223の通信モジュールは、外部の通信機器と所定の近距離無線通信方式による通信を行う機能を有するモジュールである。通信モジュールが対応する近距離無線通信方式は特に限定されないが、BLE、NFC等であってよい。通信モジュールは、電源回路から供給される電源により動作する。
回路ユニット部223における制動回路は、制動ユニットによる制動制御に対応する回路(制動回路)を有して構成される。
制動回路は、スプール240の回転に応じて制動ユニット部222内の制動ユニットのコイルに発生された電力により動作するようにされる。あるいは、制動回路は、電源回路から供給される電源により動作するようにされてもよい。
回路ユニット部223におけるコンピュータ部は、蓄積情報の記憶とイベント情報の記憶・出力に関する制御を実行する。コンピュータ部は、電源回路から供給される電源により動作するようにされてもよい。
【0124】
本実施形態において着脱ユニット220の筐体は水密性を有するように形成されている。このように水密性を有する着脱ユニット220の筐体内に回路ユニット部223が収容(包含)されていることで、回路ユニット部223が浸水することがないようにされている。
【0125】
本実施形態の魚釣用リール1Bの制動ユニットによる制動制御は、以下のようにして行われる。
釣り人がクラッチを解放してスプール240の回転が自在なようにした状態で仕掛けのキャスティングを行う。キャスティングに応じてスプール240は、巻回された釣り糸を繰り出す方向に回転する。
【0126】
スプール240が回転することに応じて、制動ユニットにおけるコイルが発電し、発電された電力が回路ユニット部223の制動回路に供給される。制動回路は、このように供給された電力により起動する。
【0127】
魚釣用リール1Bが備えるメモリ(記憶部)には、釣り人により設定された制動制御に関するパラメータ(制動制御パラメータ:例えば、制動モードと制動強度)が記憶されている。制動制御として、制動回路は、設定された制動モードと制動強度との組み合わせに基づいて、制動ユニットのコイルに流れる電流の経路に設けられる制動スイッチについて、所定周期によるPWM信号のデューティ比を設定してオン・オフ制御を行う。
【0128】
制動モードは、PWM信号のデューティ比についての時間経過に応じた変化について定めたパターンを示すパラメータである。制動モードは、それぞれ、時間経過に応じてデューティ比が減少するが、制動モードごとに、デューティ比の変更範囲における最大値及び最小値や、時間経過に応じたデューティ比の減少のパターンが異なる。
制動強度は、設定された制動モードのもとでの制動の強度の調整を行うパラメータである。
設定において選択可能な制動モードの数と制動強度の数とについては特に限定されない。一例として、選択可能な制動モードの数が4で選択可能な制動強度の数が8である場合には、32(4×8)の制動モードと制動強度の組み合わせが得られる。32の制動モードと制動強度との組み合わせごとにスプール240の回転を制動させるための時間経過に応じたデューティ比の変化するパターンが異なってくることになる。
【0129】
制動回路は、設定された制動モードと制動強度の組み合わせにより定まる時間ごとのデューティ比に従って、時間経過に応じてPWM信号のデューティ比を変更していく。
このように制動回路がPWM信号のデューティ比を変更して制動スイッチのオン・オフを制御することで、スプール240から繰り出される釣り糸の張力を適切に保ち、バックラッシュを防止することができる。
【0130】
また、図7及び図8においては図示していないが、魚釣用リール1Bには、1以上のセンサがそれぞれ所定の位置に設けられる。また、図7及び図8においては図示していないが、魚釣用リール1Bには、制動制御パラメータを変更する操作が可能なダイヤル等の操作子が設けられてよい。
【0131】
図9は、魚釣用リール1Bの回路ユニット部223の機能構成例を示している。同図においては、制動ユニット部222とセンサ部260と操作部270とが合わせて示されている。
【0132】
センサ部260は、魚釣用リール1Bに設けられる所定の1以上のセンサを含む。魚釣用リール1Bに設けられるセンサとしては、スプール240の回転状態(回転方向、回転速度)を検出するセンサ、魚釣用リール1B自体の位置変化を検出するセンサ、魚釣用リール1Bの振動を検出するセンサ等であってよい。
【0133】
操作部270は、ユーザが制動制御パラメータを設定するにあたって操作するダイヤル等の操作子を含む部位である。
【0134】
同図に示される着脱ユニット220においては、制動ユニット2221が備えられる。制動ユニット2221は、制動ユニット部222内に収容されており、制動制御部2231の制御(PWM制御)に応じて、キャスト時のスプール240を制動する。
また、制動ユニット2221は、内部のコイルがキャスト時のスプール240の回転に応じて発生した電力を、制動制御部2231と記憶部2234とのそれぞれに対応する回路等を動作させる電源(スプール電源Pw1)として供給することができる。
【0135】
また、着脱ユニット220においては、回路ユニット部223に実装された部品等により実現される機能部として制動制御部2231、電源部2232、動作部2233、及び記憶部2234を備える。
【0136】
制動制御部2231は、制動制御を実行する。回路ユニット部223において制動制御部2231に対応する回路は、スプール電源Pw1の供給を受けて動作可能となる。制動制御部2231としての機能は、例えば回路ユニット部223に実装されたCPUがプログラムを実行することにより実現される。
【0137】
制動制御部2231は、スプール電源Pw1の供給を受けて起動すると、同じキャスト対応電源の供給を受けて起動したパラメータ記憶部2234aにおいて設定値として記憶される制動制御パラメータ(制動モード、制動強度)を読み出す。制動制御部2231は、読み出した制動制御パラメータに従って時間ごとのデューティ比を設定し、設定したデューティ比により制動ユニット2221における制動スイッチをオン・オフ制御することにより、スプール240の回転に制動を与える。
【0138】
電源部2232は、バッテリ2232aから出力される電力を電源供給部2232bが、センサ部260、動作部2233、及び記憶部2234等に電源として出力可能なように構成される。バッテリ2232aは、例えば無線充電が可能な2次電池を備えて構成されてよい。
【0139】
動作部2233は、電源部2232からの給電電源Pw2の供給を受けて動作可能とされる。動作部2233は、蓄積情報の記憶と、イベント情報の記憶・出力に関する制御を実行する。また、動作部2233は、制動制御パラメータの設定に関する処理を実行する。
【0140】
動作部2233は、通信部2233a、情報取得部2233b、蓄積情報記憶制御部2233c、判定部2233d、イベント情報記憶制御部2233e、イベント情報出力部2233f、及びパラメータ設定部2233gを備える。
【0141】
通信部2233aは、例えば通信モジュールとして備えられ、BLEやNFC等の近距離無線通信により、ユーザ端末500や釣竿センサユニット401と通信可能に接続する。
【0142】
情報取得部2233b、蓄積情報記憶制御部2233c、判定部2233d、イベント情報記憶制御部2233e、及びイベント情報出力部2233fについては、図4における情報取得部141、蓄積情報記憶制御部142、判定部143、イベント情報記憶制御部144、及びイベント情報出力部145と同様の機能を有することから、ここでの説明を省略する。
【0143】
パラメータ設定部2233gは、例えば操作部270に対して行われた操作に応じて、制動制御に用いる制動制御パラメータ(制動モード、制動強度)を設定する。パラメータ設定部2233gは、制動制御パラメータの設定にあたり、パラメータ記憶部2234aに設定した制動制御パラメータを記憶させる。
【0144】
記憶部234は、所定の情報を記憶する。記憶部234が対応するハードウェアは、例えば回路基板において実装されたフラッシュメモリ等の記憶装置であってよい。
記憶部234は、パラメータ記憶部2234a、蓄積情報記憶部2234b、及びイベント情報記憶部2234cを備える。
【0145】
パラメータ記憶部2234aは、パラメータ設定部2233gにより設定された制動制御パラメータを記憶する。
蓄積情報記憶部2234bは、蓄積情報記憶制御部2233cの制御に応じて蓄積情報を記憶する。
イベント情報記憶部2234cは、イベント情報記憶制御部2233eの制御に応じてイベント情報を記憶する。
【0146】
このような構成による両軸受けリールとしての魚釣用リール1Bは、上記各実施形態の魚釣用リール1Aと同様にして、ユーザの実釣に応じて、リール情報、釣竿情報、及び釣行関連情報を含む蓄積情報を記憶することができる。両軸受けリールの場合、リール情報には、制動制御パラメータの設定値や、制動制御パラメータの変更の履歴等の制動制御設定に関する情報も含まれてよい。
蓄積情報の記憶に際して、魚釣用リール1Bは、例えばクラッチ機構のオン・オフ等に応じて、蓄積情報についてキャスト単位で区切りが示されるように記憶させることができる。また、魚釣用リール1Bは、魚のヒット等のイベントの発生を判定したことに応じて、イベント情報を記憶することができる。また、魚釣用リール1Bは、記憶したイベント情報をユーザ端末500に送信し、ユーザ端末500にてイベント情報の内容を表示させることができる。
なお、両軸受けリールとしての魚釣用リール1Bにも表示部が備えられてよく、この場合には、魚釣用リール1Bの表示部にイベント情報の内容を表示させることもできる。
【0147】
魚釣用リール1Bのような両軸受けリールの場合には、イベントとして、例えばキャスト時の釣糸のバックラッシュ(あるいは実際にはバックラッシュしてはいないがバックラッシュとみなせる状態)が発生したか否かの判定を行うようにされてよい。この場合には、判定部2233dは、キャスト時における釣糸の張力の変化に基づいてバックラッシュに対応するイベントの発生の有無を判定してよい。また、この場合の蓄積情報は、釣竿の移動速度や制動制御パラメータの設定値を含めておくようにされる。このような蓄積情報から得られるイベント情報であれば、ユーザは、バックラッシュ時のキャストの強さ、制動制御パラメータの設定などの関係性を把握したうえで、バックラッシュが生じないような制動制御パラメータの設定あるいはキャスティングの仕方などを検討できる。
【0148】
<第5実施形態>
続いて、第5実施形態について説明する。本実施形態の魚釣関連情報処理システムにおいては、魚釣用リールとしてスピニングリールが使用される。
図10は、本実施形態の魚釣関連情報処理システムにおいて使用されるスピニングリールとしての魚釣用リール1Cの外観例を示している。同図では、スピニングリールとしての魚釣用リール1Cが、釣竿400の竿本体部402に設けられたリール取付台座(リールシート)403に取り付けられた状態で示されている。
【0149】
図示していないが、スピニングリールとしての魚釣用リール1Cにおいても、所定の位置にセンサが設けられる。魚釣用リール1Cに設けられるセンサとしては、スプール301の回転状態(回転方向、回転速度)を検出するセンサ、ベールアーム302の開閉を検出するセンサ、ハンドル303の操作状態(回転速度)を検出するセンサ、魚釣用リール1C自体の位置変化を検出するセンサ、魚釣用リール1Cの振動を検出するセンサ等であってよい。
【0150】
魚釣用リール1Cの機能構成例としては、図9の構成から制動ユニット2221、制動制御部2231等のスプールの回転に制動を与える機能に対応する部位を省略したものであってよい。本実施形態に対応する回路ユニット部としての部位は、例えば、ハンドルキャップ304内に収納するようにして設けられてよい。
【0151】
このような構成によるスピニングリールとしての魚釣用リール1Cは、上記各実施形態の魚釣用リール1A、1Bと同様にして、ユーザの実釣に応じて、リール情報、釣竿情報、及び釣行関連情報を含む蓄積情報を記憶することができる。この際、魚釣用リール1Cは、例えばベールアーム302の開閉等に応じて、蓄積情報についてキャスト単位で区切りが示されるように記憶させることができる。また、魚釣用リール1Cは、魚のヒット等のイベントの発生を判定したことに応じて、イベント情報を記憶することができる。また、魚釣用リール1Cは、記憶したイベント情報をユーザ端末500に送信し、ユーザ端末500にてイベント情報の内容を表示させることができる。
【0152】
<第6実施形態>
続いて、第6実施形態について説明する。本実施形態においては、図4に示されるセンサ部101(釣竿センサユニット401でもよい)、制御部104(情報取得部141、蓄積情報記憶制御部142、判定部143、イベント情報記憶制御部144、イベント情報出力部145)、記憶部105(蓄積情報記憶部151、イベント情報記憶部152)、通信部106等に相当する構成(イベント情報処理機能部)を釣竿に設けるようにされる。
この場合には、魚釣用リール(1A、1B、1C)は、制御部104、記憶部105としての機能を有さなくともよい。つまり、魚釣用リール(1A、1B、1C)は、蓄積情報の蓄積とイベント情報の記憶・出力を行わなくともよい。魚釣用リール1Aは、取得したリール情報を釣竿のイベント情報処理機能部に送信してよい。
釣竿のイベント情報処理機能部は、釣竿情報と送信されるリール情報と、ユーザ端末500から送信される釣行関連情報とを含む蓄積情報を記憶する。釣竿のイベント情報処理機能部は、魚のヒット等のイベントの発生の有無を判定し、イベントが発生したと判定したことに応じて、対応のイベント情報を記憶する。釣竿のイベント情報処理機能部は、イベント情報をユーザ端末500に送信する。ユーザ端末500は、釣竿のイベント情報処理機能部から受信したイベント情報を表示する。
【0153】
<変形例>
以下、上記各実施形態における変形例について説明する。
[第1変形例]
判定部(143、2233d)は、異なる複数の種類のイベントのそれぞれを判定可能とされてよい。この場合、イベント情報出力部(145、2233f)は、記憶されたイベント情報のうちから、例えばユーザの操作に応じて指定された種類のイベント情報を表示あるいは送信してよい。
【0154】
[第2変形例]
上記各実施形態においては、リール情報を少なくとも含み、リール情報に加えて釣竿情報と釣行関連情報との少なくともいずれかを含めて蓄積情報としていた。しかしながら、釣竿情報を少なくとも含み、さらにリール情報と釣行関連情報との少なくともいずれかを含めて蓄積情報としてもよい。あるいは、釣行関連情報を少なくとも含み、さらにリール情報と釣竿情報との少なくともいずれかを含めて蓄積情報としてもよい。
【0155】
[第3変形例]
イベント情報出力部(145、2233f)は、イベント情報に加えて、蓄積情報記憶部(151、2234b)に記憶される蓄積情報も表示部103に表示させたり、ユーザ端末500に送信したりするようにして出力可能とされてよい。また、イベント情報出力部は、イベント情報を出力せずに、蓄積情報を出力することも可能とされてよい。
【0156】
[第4変形例]
1のユーザの魚釣用リールにおける蓄積情報記憶部が記憶する蓄積情報や、イベント情報記憶部が記憶するイベント情報(蓄積情報に基づく情報の一例)をユーザ端末500に転送したうえで、他のユーザのユーザ端末にて共有されるように送信可能とされよい。
【0157】
なお、上述の魚釣用リール(1A、1B、1C)、釣竿センサユニット401、ユーザ端末500、イベント情報処理機能部等の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述の魚釣用リール(1A、1B、1C)、釣竿センサユニット401、ユーザ端末500、イベント情報処理機能部等としての処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0158】
1A,1B,1C 魚釣用リール、3 スプール、4 モータ、5 クラッチ機構、10 本体、20 ハンドル、101 センサ部、102 操作部、103 表示部、104 制御部、105 記憶部、106 通信部、107 モータ駆動回路、108 回転センサ、111 センサ、141 情報取得部、142 蓄積情報記憶制御部、143 判定部、144 イベント情報記憶制御部、145 イベント情報出力部、151 蓄積情報記憶部、152 イベント情報記憶部、203 表示部、210 本体、211 側板部、220 着脱ユニット、222 制動ユニット部、223 回路ユニット部、230 ハンドル、231 ボタン部、232 表示面部、234 記憶部、240 スプール、260 センサ部、270 操作部、301 スプール、302 ベールアーム、303 ハンドル、304 ハンドルキャップ、400 釣竿、401 釣竿センサユニット、402 竿本体部、403 リール取付台座(リールシート)、500 ユーザ端末、2221 制動ユニット、2231 制動制御部、2232 電源部、2233 動作部、2234 記憶部
図1
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図5
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図7
図8
図9
図10