(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095010
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】人工芝生敷設構造及び人工芝生管理方法
(51)【国際特許分類】
E01C 13/08 20060101AFI20240703BHJP
【FI】
E01C13/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022211985
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】595015177
【氏名又は名称】MCCスポーツ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390019998
【氏名又は名称】東亜道路工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086911
【弁理士】
【氏名又は名称】重野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100144967
【弁理士】
【氏名又は名称】重野 隆之
(72)【発明者】
【氏名】中西 保彦
(72)【発明者】
【氏名】関谷 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】石黒 俊哉
(72)【発明者】
【氏名】多田 悟士
(72)【発明者】
【氏名】増戸 洋幸
(72)【発明者】
【氏名】谷知 尚之
【テーマコード(参考)】
2D051
【Fターム(参考)】
2D051AB04
2D051AE05
2D051AF09
2D051AG03
2D051AG05
2D051AG15
2D051HA01
2D051HA02
2D051HA08
(57)【要約】
【課題】ヤリが刺さり易く、刺さったヤリの自立性に優れる人工芝生敷設構造と、その管理方法を提供する。
【解決手段】シート状基材4にパイル2が立設された人工芝生本体1と、該人工芝生本体1の該パイル2間に充填された硬質粒状物5よりなる第1の層6とを有する人工芝生敷設構造において、該第1の層6の滞水率が20~85%であることを特徴とする人工芝生敷設構造。前記硬質粒状物5は硅砂が好ましく、前記第1の層の厚さhは90~110mmが好ましい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状基材にパイルが立設された人工芝生本体と、
該人工芝生本体の該パイル間に充填された硬質粒状物よりなる第1の層と
を有する人工芝生敷設構造において、
該第1の層の滞水率が20~85%であることを特徴とする人工芝生敷設構造。
【請求項2】
前記硬質粒状物は硅砂であることを特徴とする請求項1に記載の人工芝生敷設構造。
【請求項3】
前記第1の層の厚さが60~120mmである請求項1の人工芝生敷設構造。
【請求項4】
前記第1の層の上に、ヤシガラ活性炭及び/又はコルクを含む第2の層が設けられている請求項1に記載の人工芝生敷設構造。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかの人工芝生敷設構造を管理する方法であって、散水を行うことによって前記滞水率を20~85%にする工程を有する人工芝生敷設構造の管理方法。
【請求項6】
前記第1の層に櫛歯状のニードルを備えた治具の該ニードルを刺し抜きして第1の層に刺し穴を形成する工程を有する請求項5の人工芝生敷設構造の管理方法。
【請求項7】
前記ニードルの直径が5~25mmであり、前記刺し穴の深さが前記第1の層の厚さhの50~95%である請求項6の人工芝生敷設構造の管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投てき競技場に適用される人工芝生敷設構造に係り、特にヤリ(槍)投げに好適な人工芝生敷設構造に関する。また、本発明は、人工芝生管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
投てき競技場のフィールドに適用される人工芝生及び人工芝生敷設構造が特許文献1,2に記載されている。
【0003】
特許文献1の人工芝は、基布にパイルが植設され、そのパイル長が130mm以上かつ該基布上の該パイル間に充填された充填物の厚さが100mm以上で、該充填物の上面からの該パイルの突出長が15mm以上30mm以下であるとともに、前記充填物は、弾性粒状物から成る下層、固結防止剤と前記弾性粒状物と硬質粒状物との混合物から成る中間層及び前記硬質粒状物から成る上層の3層をなすことを特徴とする。
【0004】
特許文献2の人工芝生敷設構造は、人工芝生を2層に敷設し、下層の人工芝生の芝葉には芝葉の上端に至るまで硅砂を充填し、上層の人工芝生には芝葉の途中まで硅砂を充填したものである。特許文献2の人工芝生敷設構造は、ヤリが上層を貫通しても下層で止まるようにし、ヤリの損傷を防止することを企図したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009-138403号公報
【特許文献2】特開2015-148146公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の人工芝は、3層からなる構造であり、敷設に手間がかかる。また、使用開始時には問題ないが、降雨や踏み固め等による経時変化により、徐々にヤリが刺さりにくくなる。また、ヤリが刺さりにくくなった場合には、充填物を除去して、再度施工しなおす必要がある。
【0007】
特許文献2の人工芝生敷設構造も、特許文献1と同様に、降雨や踏み固め等による経時変化により、徐々にヤリが刺さりにくくなる。また、ヤリが刺さりにくくなった場合には、再度施工する必要がある。再施工を行うと、多量の廃棄物が発生する。
【0008】
本発明は、ヤリが刺さり易く、しかも刺さったヤリの自立性に優れた人工芝生敷設構造を提供することを目的とする。また、本発明は、この人工芝生敷設構造の管理方法を提供することを目的とする。さらに、本発明は、ヤリが刺さりにくくなった人工芝生を再度ヤリが刺さり易くすることができる人工芝生管理方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の要旨は、次の通りである。
【0010】
[1] シート状基材にパイルが立設された人工芝生本体と、
該人工芝生本体の該パイル間に充填された硬質粒状物よりなる第1の層と
を有する人工芝生敷設構造において、
該第1の層の滞水率が20~85%であることを特徴とする人工芝生敷設構造。
【0011】
[2] 前記硬質粒状物は硅砂であることを特徴とする[1]に記載の人工芝生敷設構造。
【0012】
[3] 前記第1の層の厚さが60~110mmである[1]の人工芝生敷設構造。
【0013】
[4] 前記第1の層の上に、ヤシガラ活性炭及び/又はコルクを含む第2の層が設けられている[1]に記載の人工芝生敷設構造。
【0014】
[5] [1]~[4]のいずれかの人工芝生敷設構造を管理する方法であって、散水を行うことによって前記滞水率を20~85%にする工程を有する人工芝生敷設構造の管理方法。
【0015】
[6] 前記第1の層に櫛歯状のニードルを備えた治具の該ニードルを刺し抜きして第1の層に刺し穴を形成する工程を有する[5]の人工芝生敷設構造の管理方法。
【0016】
[7] 前記ニードルの直径が5~30mmであり、前記刺し穴の深さが前記第1の層の厚さhの50~95%である[6]の人工芝生敷設構造の管理方法。
【発明の効果】
【0017】
本発明の一態様の人工芝生敷設構造は、人工芝生本体のパイル間に充填された硬質粒状物が適度な滞水率を有しており、ヤリが刺さり易く、刺さったヤリの自立性に優れる。
【0018】
本発明の一態様の人工芝生敷設方法によると、かかる本発明の人工芝生敷設構造の優れた性能を維持できる。
【0019】
本発明の一態様の人工芝生管理方法によると、人工芝生のヤリの刺入性やヤリの自立性が低下した場合に、人工芝生を再施工することなく、刺入性や自立性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】実施の形態に係る人工芝生敷設構造の断面図である。
【
図2】実施の形態に係る人工芝生敷設構造の断面図である。
【
図3】実施の形態に係る人工芝生の管理方法を示す断面図である。
【
図4】実施の形態に係る人工芝生の管理方法を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。
【0022】
[人工芝生敷設構造の第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態に係る人工芝生敷設構造の縦断面図である。
図1の通り、基礎Gの上に人工芝生本体1が設けられ、人工芝生本体1のパイル2、2間に硬質粒状物5が充填されて第1の層6が形成されている。
【0023】
<基礎G>
基礎Gは、好ましくはクラッシャーランよりなる基層と、該基層の下側のフィルター層と、フィルター層の下側の暗渠排水とで構成される。
【0024】
基層のクラッシャーランとしてはC-40が好適である。基層の厚さは150mm以上、例えば150~300mmとされる。基層の上面は平坦とされる。
【0025】
フィルター層は砂にて構成される。フィルター層の厚さは150mm以上、例えば150~300mmとされる。
【0026】
<人工芝生本体1>
人工芝生本体1は 、シート状基材4に、パイル2が、複数本のパイルの集合体よりなるコロニー3として立設されたものである。
【0027】
シート状基材4は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂繊維の織物シート等が用いられ、通常、その厚さは0.1~3mm、特に0.2~2mm程度である。
【0028】
パイル2としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどからなる、緑色、白色、黄色又は青色等着色されたモノフィラメントヤーン、マルチフィラメントヤーン及びスリットヤーンなどが好適である。
【0029】
シート状基材4の上面からのパイル2の高さHは110~150mm、特に65~130mm程度が好ましい。1つのコロニー3におけるパイル2の本数は15~30本、特に20~25本程度が好ましい。コロニー3同士の間隔Lは12~40mm、特に15~35mm程度が好ましい。
【0030】
このような人工芝生本体としては、市販のものを用いることができる。
【0031】
<硬質粒状物5>
次に、硬質粒状物5について説明する。なお、本明細書において、硬質粒状物の粒径はJIS篩による値である。
【0032】
硬質粒状物5は、砂等の硬質粒状物、好ましくは硅砂である。硅砂の平均粒径は0.1~2.0mm、特に0.2~1.7mm程度が好ましく、具体的にはJIS G 5901鋳物用硅砂の4.5号硅砂又は5号硅砂、特に4.5号硅砂が好ましい。
【0033】
なお、硬質粒状物5は、硅砂と、硅砂の表面にポリブテンなどの常温で液体状態の樹脂や油脂をコーティングしたコーティング硬質粒状物との混合物であってもよい。
【0034】
硬質粒状物5よりなる第1の層6の厚さhは60~110mm、特に70~100mm程度が好適である。なお、硬質粒状物5よりなる第1の層6の上面からのパイル2の突出長さ(H-h)は10~30mm、特に15~25mm程度が好適である。
【0035】
硬質粒状物5よりなる第1の層6を形成するには、硬質粒状物5を樹脂コーティングすることによって湿潤状態するのが好適であるが、これに限定されない。
【0036】
[人工芝生敷設構造の第2の実施の形態]
第2の実施の形態は、
図2の通り、硬質粒状物5よりなる第1の層6の上に、表面層形成用の粒状物7よりなる第2の層を形成したものである。粒状物7としては、ゴムチップ、樹脂チップや天然素材よりなるものを用いることができる。ゴムチップとしては、熱可塑性エラストマー(TPE)、動的架橋型熱可塑性エラストマー(TPV)などが挙げられ、特に、熱可塑性エラストマーのなかでも、スチレンブタジエンゴム(SBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)などが好適である。樹脂チップとしては、熱可塑性ポリウレタンや熱可塑性ポリオレフィンを無機フィラー、軟化剤などと混合しペレット化したもの等が好適である。天然素材としては、ヤシガラ活性炭、コルク、トウモロコシの芯、クルミの殼、オリーブの種などが好適である。粒状物7は、さらに、ココナッツ繊維、ピートモス等の有機質土、赤玉土や鹿沼土等の無機質土、バーミキュライト等の鉱物を含んでもよい。粒状物7の平均粒径は0.1~5mm、特に0.2~4mm程度が好適である。粒状物7よりなる第2の層の厚さh
2は30mm以下、例えば0~30mm、特に5~10mm程度が好適である。
【0037】
この粒状物7としては、人工芝の充填材として市販されているヤシガラ活性炭とコルクの混合物を好適に用いることができる。
【0038】
[第1の層6の滞水率]
第1の層6は、散水又は降雨等により滞水して湿った状態にある。第1の層6の滞水率は、硬質粒状物5の乾燥物100重量部に対し20~85重量部、特に30~70重量部、即ち、重量%として20~85%、特に30~70%が好適である。
【0039】
第1の層6がこのように適度に滞水していると、ヤリが第1の層6に刺さり易く、また第1の層6に刺さったヤリが自立し易くなる(即ち倒れにくくなる)。
【0040】
この理由は次のように推察される。すなわち、硬質粒状物が乾燥していたり、滞水率が低かったりした場合、ヤリが上方から落下してきて第1の層6に突き刺さろうとしたときに、硬質粒状物5がヤリ先端ではじき飛ばされ、これによりヤリの落下運動エネルギーが吸収され、ヤリが人工芝生に深く突き刺さらない。
【0041】
一方、第1の層6の滞水率が過度に高く、例えば人工芝生の上に水が溜るような状態になると、硬質粒状物5の粒子同士の間に空気よりなる空隙が存在しないようになる。このような状態になると、ヤリが人工芝生に突き刺さろうとしたときに、硬質粒状物5が動くことが殆どできず、ヤリが第1の層6に深く突き刺さらない。
【0042】
滞水率が上記の範囲であると、硬質粒状物5の粒子同士が水分により付着しているので、ヤリが突き刺さってきたときに粒子がはじき飛ばされることが抑制され、ヤリの落下運動エネルギーの吸収量が小さくなる。また、粒子同士の間に空隙が残存するので、刺入してきたヤリに押された粒子が退動し、ヤリがスムーズに人工芝生内に刺さるようになる。このようにして、ヤリが第1の層6に深く突き刺さるようになる。
【0043】
また、突き刺さった後の状態にあっては、硬質粒状物5の粒子同士が水分によって付着しているので、ヤリが倒れにくいものとなる。
【0044】
[目標滞水率とするための方法]
上記滞水率となるように第1の層6を滞水させるには、散水を行うのが好ましい。硬質粒状物を人工芝生に充填した施工直後状態にあっては、現状の滞水率と目標滞水率との差から散水量を求めておき、この水量の水を散水器によって散水すればよい。
【0045】
<目標滞水率を目標範囲とするための管理方法>
第1の層6の滞水率を目標範囲とするには、競技開始に先立って、フィールドの投てき目標エリアの複数個所で硬質粒状物を採取し、滞水率を測定する。この測定結果に基づいて、滞水率が目標滞水率となるように散水器によって散水する。
【0046】
競技開始前に目標滞水率を達成しても、競技開始直前に大量の降雨が予測される場合には、フィールドに防水シートを被せておくようにしてもよい。
【0047】
競技を行っている間に降雨が予想される場合には、競技開始前における第1の層6の滞水率を目標範囲の下限値又はそれに近い値としておくのが好ましい。
【0048】
逆に、競技を行っている間に日照等により滞水率減少が予想されるときには、競技開始前における第1の層6の滞水率を目標範囲の上限値又はそれに近い値としておくのが好ましい。また、必要であれば、競技途中で散水を行ってもよい。
【0049】
[人工芝生の管理方法]
第1の層6の滞水率を上記のように目標範囲に管理していても、経時的に第1の層6が締まって固くなってくることがある。
【0050】
この場合には、櫛歯状のニードルを有した治具の該ニードルを第1の層6に差し込んで第1の層6に刺し穴をあける。これにより、第1の層6がほぐされる。
【0051】
この治具は、
図3のように軸心周りに回転可能な軸体12と、軸体12の外周面から放射方向(軸心から遠ざかる方向)に起立する多数本の細棒状のニードル11とを有した回転式治具10が好ましい。
【0052】
ニードル11の直径は5~30mm、特に10~25mm程度が好ましい。ニードル11の長さは150~300mm、特に200~250mm程度が好適である。層厚さhが60~110mmの第1の層6に対し、hの50~95%、特に50~95%の深さにまでニードル11を刺し込んで抜く。これにより、第1の層6にニードル11の刺し穴9が形成され、第1の層6がほぐされる。刺し穴9同士の間隔は50~120mm、特に65~100mm程度が好ましい。
【0053】
この作業を行うには、上記の軸体12を自動車に、軸心方向が自動車の幅方向となるように取り付けると共に、軸体を回転させるモータ等の駆動手段を設置しておく。そして、自動車をフィールド上を走行させると共に軸体12を回転させることにより、ニードルを第1の層6に刺抜するのが好ましい。なお、自動車以外の走行可能体を用いてもよい。
【0054】
上記では、櫛歯状のニードルにより孔を成形したが、土をほぐすことができるものであれば構わない。例えば、突き刺すニードル内に貫通孔が設けられたものでエアーブローを行い、空気の圧送により人工芝の充填層をほぐすものであってもよい。具体的には、AIR2G2(CAMPEY製)のエアレーション装置を用いて空気を圧送して人工芝の充填層をほぐすものであってもよい。
【0055】
上記実施の形態は本発明の一例であり、本発明は上記以外の形態とされてもよい。例えば、第1及び第2の層は、いずれも、上記以外の粒子を若干量含んでもよい。
【実施例0056】
以下、実施例及び比較例について説明する。
【0057】
以下の実施例及び比較例で用いた材料は次の通りである。
【0058】
人工芝生:パイル高さH=120mm、コロニー間隔L(縦方向)=15mm、コロニー間隔W(横方向)=35mm、1個のコロニー内のパイルの本数48本(12本の束×4)
硬質粒状物5: 4.5号硅砂
【0059】
[実施例1]
砂層150mmと、その上のクラッシャーラン(C-40)の厚さ150mmの層よりなる基礎Gの上に、
図1の構成の人工芝生敷設構造を構成した。硬質粒状物5よりなる第1の層6の厚さh=90mmとした。
【0060】
この人工芝生敷設構造に対して、水を所定量散水し、第1の層6の滞水率を23%とした。鉛直上方450cmの高さ(ヤリ下端高さ)から、長さ263cmの投てき競技用ヤリを鉛直下方に自由落下させ、ヤリの刺さり状況(刺さり深さ及び自立の有無)を観察した。結果を表1に示す。表1において、3/3、2/3、1/3は、それぞれ、3回の試験を行い、3回、2回又は1回ヤリが自立することを表わす。0/3はヤリが1回も自立しなかったことを表わす。
【0061】
[実施例2]
第1の層6の滞水率を35%としたこと以外は実施例1と同一条件とした。結果を表1に示す。
【0062】
[実施例3]
第1の層6の滞水率を47%としたこと以外は実施例1と同一条件とした。結果を表1に示す。
【0063】
[実施例4]
第1の層6の滞水率を58%としたこと以外は実施例1と同一条件とした。結果を表1に示す。
【0064】
[実施例5]
第1の層6の滞水率を70%としたこと以外は実施例1と同一条件とした。結果を表1に示す。
【0065】
[実施例6]
第1の層6の滞水率を81%としたこと以外は実施例1と同一条件とした。結果を表1に示す。
【0066】
[比較例1]
実施例1において、散水を行わなかったこと以外は実施例1と同一条件とした。このときの第1の層6の滞水率は0%であった。結果を表1に示す。
【0067】
[比較例2]
散水量を少量とし、第1の層6の滞水率を12%と著しく少なくしたこと以外は実施例1と同一条件とした。結果を表1に示す。
【0068】
[比較例3]
散水量を大量とし、第1の層6の滞水率を93%と著しく高くしたこと以外は実施例1と同一条件とした。結果を表1に示す。
【0069】
[比較例4]
散水量を大量とし、第1の層6の滞水率を105%と著しく高くしたこと以外は実施例1と同一条件とした。結果を表1に示す。
【0070】
【0071】
なお、自立した槍は、すべて基礎Gに到達したため、槍ささり深さはすべて90mmである。
【0072】
<考察>
実施例1~6のように、第1の層6の滞水率を20~85%とすることにより、ヤリが深く刺さり、かつ安定して自立する。
【0073】
以上の実施例及び比較例より明らかな通り、本発明の人工芝生敷設構造は、ヤリが刺さり易く、また刺さったヤリの自立性に優れる。