(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095012
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】梱包材状態管理システム、梱包材状態管理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
B65G 61/00 20060101AFI20240703BHJP
G06Q 10/08 20240101ALI20240703BHJP
【FI】
B65G61/00 520
G06Q10/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022211987
(22)【出願日】2022-12-28
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】324001734
【氏名又は名称】ロジスティード株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100177220
【弁理士】
【氏名又は名称】小木 智彦
(72)【発明者】
【氏名】田村 和広
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA16
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】店舗等に配送される荷物を梱包箱毎に管理し、梱包箱単位で店舗に出荷および/または配送に関する情報を提供する出荷管理システム、出荷管理方法、およびプログラムを提供する。
【解決手段】梱包材の状態を管理する梱包材状態管理システム1は、梱包材Pの蓋体Cの姿勢を検出する姿勢検出部(センサー機器20の姿勢検出部21)と、姿勢検出部が検出した蓋体Cの姿勢に基づき開封状態を判定する開封判定部(梱包材状態管理装置10の開封判定部12)と、開封状態と判定された場合、少なくとも時刻又は位置情報のいずれか一方を記録する開封記録部(梱包材状態管理装置10の開封記録部14)と、を備える。記録された時刻又は位置情報のいずれか一方は、出力端末30に出力され、荷受人等の配送業務に携わる人に通知される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
梱包材の状態を管理する梱包材状態管理システムであって、
前記梱包材の蓋体の姿勢を検出する姿勢検出部と、
前記姿勢検出部が検出した前記蓋体の姿勢に基づき開封状態を判定する開封判定部と、
前記開封状態と判定された場合、少なくとも時刻又は位置情報のいずれか一方を記録する開封記録部と、
を備えることを特徴とする梱包材状態管理システム。
【請求項2】
前記梱包材の取引状態を判定する取引判定部を備え、
前記開封記録部は、前記記録した時刻及び/又は位置情報と前記取引状態とを関連付けて記録する請求項1に記載の梱包材状態管理システム。
【請求項3】
前記梱包材の取引状態を判定する取引判定部を備え、
前記取引判定部により配送完了が判定され、かつ、配送中に前記開封状態が判定されなかった場合、配送中に未開封である通知を出力する出力部を備える請求項1に記載の状態管理システム。
【請求項4】
地図情報と、
前記梱包材の取引状態を判定する取引判定部と、
前記開封状態と判定された場合、前記地図情報に前記梱包材の位置情報と前記取引状態とを出力する出力部と、
を備える請求項1に記載の梱包材状態管理システム。
【請求項5】
前記姿勢検出部は、前記蓋体に配置され、かつ前記梱包材の内側に配置される請求項1に記載の梱包材状態管理システム。
【請求項6】
温度を検出する温度検出部を備え、
前記開封判定部は、前記温度の変化に基づき、前記梱包材の開封状態を判定する請求項1に記載の梱包材状態管理システム。
【請求項7】
前記梱包材の開封を予定する予定時刻を記録する開封予定情報と、
前記開封記録部が記録した時刻と照合し、当該時刻が前記予定時刻より早期又は遅延している場合、通知を出力する出力部と、
を備える請求項1に記載の梱包材状態管理システム。
【請求項8】
前記姿勢検出部を複数備え、
前記姿勢検出部の少なくとも1つは前記蓋体以外の部位に配置され、
前記開封判定部は、前記蓋体に配置された姿勢検出部が検出した当該蓋体の姿勢と前記蓋体以外の部位に配置された姿勢検出部が検出した前記部位の姿勢に基づき、前記梱包材の開封を判定する請求項1に記載の梱包材状態管理システム。
【請求項9】
前記梱包材の動作を検出する複数の動作検出部と、
前記複数備えられた動作検出部のうち、少なくとも2つの動作検出部がほぼ同一方向へ向かう動作を検出したことに基づき衝撃発生を判定する衝撃判定部と、
前記衝撃発生と判定された場合、少なくとも時刻又は位置情報のいずれか一方を記録する衝撃記録部と、
を備える請求項1に記載の梱包材状態管理システム。
【請求項10】
前記梱包材の開封状態が判定された時刻又は位置情報に近い、前記衝撃記録部で記録された記録を出力する出力部を備える請求項9に記載の梱包材状態管理システム。
【請求項11】
梱包材の状態を管理する梱包材状態管理システムであって、
前記梱包材の蓋体の姿勢を検出するステップと、
検出した前記蓋体の姿勢に基づき開封状態を判定するステップと、
前記開封状態と判定された場合、少なくとも時刻又は位置情報のいずれか一方を記録するステップと、
を含む方法。
【請求項12】
梱包材の状態を管理する梱包材状態管理システムを、
前記梱包材の蓋体の姿勢を検出する姿勢検出部、
前記姿勢検出部が検出した前記蓋体の姿勢に基づき開封状態を判定する開封判定部、
前記開封状態と判定された場合、少なくとも時刻又は位置情報のいずれか一方を記録する開封記録部、
として機能させるためのコンピュータ読取り可能なプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、梱包材の状態管理を支援する梱包材状態管理システム、梱包材状態管理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、梱包材を配送業務における梱包材の状態管理は、配送前又は配送後に行われていた。状態管理とは、具体的には梱包材の開梱状態を確認することであり、主に、荷送り人、荷受人、又は配送業者が管理していた。しかしながら、荷受人が、梱包材の開梱状態を発見したとしても、それが梱包材の発送前に発生したものか、配送中に発生したものかは不明であり、トラブルの原因となっていた。
【0003】
そこで、例えば、特許文献1には、センサを有する無線タグが梱包材に搭載され、センサから受信した測定値によって環境条件や梱包材状態を検出するシステムが開示されている。また、特許文献2には、ユーザによる薬物の保管および当該薬物の消費を監視するために、薬剤の容器のキャップに備えられたセンサによって、容器の開封および閉鎖や、容器内部の温度や薬剤量といった容器情報を取得する方法が開示されている、
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2021‐511601号公報
【特許文献2】特表2019‐519054号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、梱包材に搭載されたセンサ内のワイヤが断線することによって開封を検知するために、開封以外の要因によってワイヤが断線した場合にも開封と検知してしまうという問題点があった。また、特許文献2に記載の方法は、容器の開封等をセンサによって取得し、ユーザによる薬剤の保管を管理し消費を監視するための方法であった。
【0006】
そこで、本発明は、配送業務において、梱包材の蓋体の姿勢を検知することで、梱包材の状態管理を行う梱包材状態管理システム、梱包材状態管理方法、およびプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、梱包材の状態を管理する梱包材状態管理システムであって、前記梱包材の蓋体の姿勢を検出する姿勢検出部と、前記姿勢検出部が検出した前記蓋体の姿勢に基づき開封状態を判定する開封判定部と、前記開封状態と判定された場合、少なくとも時刻又は位置情報のいずれか一方を記録する開封記録部と、を備えることを特徴とする梱包材状態管理システムを提供する。
【0008】
また、本発明は、前記梱包材の取引状態を判定する取引判定部を備え、前記開封記録部は、前記記録した時刻及び/又は位置情報と前記取引状態とを関連付けて記録する梱包材状態管理システムを提供する。
【0009】
また、本発明は、前記梱包材の取引状態を判定する取引判定部を備え、前記取引判定部により配送完了が判定され、かつ、配送中に前記開封状態が判定されなかった場合、配送中に未開封である通知を出力する出力部を備える梱包材状態管理システムを提供する。
【0010】
また、本発明は、地図情報と、前記梱包材の取引状態を判定する取引判定部と、前記開封状態と判定された場合、前記地図情報に前記梱包材の位置情報と前記取引状態とを出力する出力部と、を備える梱包材状態管理システムを提供する。
【0011】
また、本発明は、姿勢検出部は、前記蓋体に配置され、かつ前記梱包材の内側に配置される梱包材状態管理システムを提供する。
【0012】
また、本発明は、温度を検出する温度検出部を備え、前記開封判定部は、前記温度の変化に基づき、前記梱包材の開封状態を判定する梱包材状態管理システムを提供する。
【0013】
また、本発明は、前記梱包材の開封を予定する予定時刻を記録する開封予定情報と、前記開封記録部が記録した時刻と照合し、当該時刻が前記予定時刻より早期又は遅延している場合、通知を出力する出力部と、を備える梱包材状態管理システムを提供する。
【0014】
また、本発明は、前記姿勢検出部を複数備え、前記姿勢検出部の少なくとも1つは前記蓋体以外の部位に配置され、前記開封判定部は、前記蓋体に配置された姿勢検出部が検出した当該蓋体の姿勢と前記蓋体以外の部位に配置された姿勢検出部が検出した前記部位の姿勢に基づき、前記梱包材の開封を判定する梱包材状態管理システムを提供する。
【0015】
また、本発明は、前記梱包材の動作を検出する複数の動作検出部と、前記複数備えられた動作検出部のうち、少なくとも2つの動作検出部がほぼ同一方向へ向かう動作を検出したことに基づき衝撃発生を判定する衝撃判定部と、前記衝撃発生と判定された場合、少なくとも時刻又は位置情報のいずれか一方を記録する衝撃記録部と、を備える梱包材状態管理システムを提供する。
【0016】
また、本発明は、前記梱包材の開封状態が判定された時刻又は位置情報に近い、前記衝撃記録部で記録された記録を出力する出力部を備える梱包材状態管理システムを提供する。
【0017】
また、本発明は、梱包材の状態を管理する梱包材状態管理システムであって、前記梱包材の蓋体の姿勢を検出するステップと、検出した前記蓋体の姿勢に基づき開封状態を判定するステップと、前記開封状態と判定された場合、少なくとも時刻又は位置情報のいずれか一方を記録するステップと、を含む方法を提供する。
【0018】
また、本発明は、梱包材の状態を管理する梱包材状態管理システムを、前記梱包材の蓋体の姿勢を検出する姿勢検出部、前記姿勢検出部が検出した前記蓋体の姿勢に基づき開封状態を判定する開封判定部、前記開封状態と判定された場合、少なくとも時刻又は位置情報のいずれか一方を記録する開封記録部、して機能させるプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、配送業務において、梱包材の蓋体の姿勢を検知することで、梱包材の状態管理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る梱包材状態管理システムの概要を説明する図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態に係る梱包材状態管理システムの機能構成を示す図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態に係る梱包材状態管理システムの開封判定処理を示すフローチャートである。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係る梱包材状態管理システムの開封通知処理を示すフローチャートである。
【
図5】本発明の第1の実施形態に係る梱包材状態管理システムの未開封通知処理を示すフローチャートである
【
図6】本発明の第1の実施形態に係る梱包材状態管理システム開封DBを模式的に示す図である。
【
図7】本発明の第1の実施形態に係る梱包材状態管理システムにおいて、画面に表示出力される開封通知情報の一例を模式的に示す図である。
【
図8】本発明の第2の実施形態に係る梱包材状態管理システムの機能構成を示す図である。
【
図9】。本発明の第2の実施形態に係る梱包材状態管理システムの衝撃記録処理を示すフローチャートである。
【
図10】本発明の第2の実施形態に係る梱包材状態管理システムの開封記録処理を示すフローチャートである。
【
図11】本発明の第2の実施形態に係る梱包材状態管理システムの未開封通知処理を示すフローチャートである。
【
図12】ボトルの蓋体センサ装置および他部位センサ装置の配置の一例を示す。
【
図13】錠剤シートの蓋体センサ装置および他部位センサ装置の配置の一例を示す。
【
図14】封筒の蓋体センサ装置および他部位センサ装置の配置の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。以降の図においては、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号または符号を付している。
<第1の実施形態>
【0022】
[基本概念/基本構成]
図1は、本発明の実施形態に係る梱包材状態管理システム1の概要を説明するための図である。梱包材状態管理システム1は、配送における、荷物の梱包材Pの状態管理を支援するシステムである。図に示すように、梱包材状態管理システム1は、梱包材状態管理装置10と、梱包材Pに備えられたセンサ機器20と、出力端末30と、を含む。梱包材状態管理装置10とセンサ機器20、梱包材状態管理装置10と出力端末30とはそれぞれネットワークを介して接続される。
【0023】
梱包材状態管理システム1が、配送業務における梱包材Pの状態管理を支援する処理について、
図1を用いて説明する。
図1において、梱包材Pは、段ボール箱とする。
最初に、荷物を梱包材Pで梱包する際に、梱包材Pの蓋体Cの内側にセンサ機器20を取り付け、蓋体Cを封止する(S1)。
【0024】
センサ機器20の取り付け位置は、蓋体Cであればよいが、好ましくは蓋体Cの内側であり、更に好ましくは、蓋体Cの内側かつ開封口付近である。
センサ機器20の取り付け方法は、蓋体Cにセンサ機器20が固定される方法であればよく、例えば、両面テープで貼り付ける方法がある。
【0025】
センサ機器20は、所定時間毎または連続して、蓋体Cの姿勢を検出し、検出した蓋体Cの姿勢と、蓋体Cの姿勢を検出した時刻および/または位置情報を梱包材状態管理装置10に送信する(S2)。なお、センサ機器20は、検出した蓋体Cの姿勢のみを梱包材状態管理装置10に送信してもよい。センサ機器20は、蓋体Cが封止されたことに応じて、検出を開始してもよいし、梱包材状態管理装置10等の外部からの指示に応じて、検出を開始してもよい。
【0026】
梱包材状態管理装置10は、センサ機器20から受信した、蓋体Cの姿勢に基づいて、開封状態を判定する(S3)。梱包材状態管理装置10は、開封状態であると判定した場合、センサ機器20から受信した時刻および/または位置情報を開封記録として、記録する(S4)。なお、梱包材状態管理装置10は、センサ機器20から蓋体Cの姿勢と併せて、蓋体Cの姿勢を検出した時刻および/または位置情報を受信していない場合には、センサ機器20から蓋体Cの姿勢を受信した時刻をセンサ機器20が蓋体Cの姿勢を検出した時刻とみなし、記録する。
一方、梱包材状態管理装置10は、開封状態でないと判定した場合、センサ機器20から、蓋体Cの姿勢の次の受信を待ち、受信すると再度判定を行い、開封状態であると判定するまで繰り返す。
【0027】
梱包材状態管理装置10は、開封記録の時刻および/または位置情報を送信し、出力端末30に出力させる(S5)。梱包材状態管理装置10は、出力端末30から開封記録の取得要求を受信したことに応じて開封記録を出力端末30に送信してもよいし、開封記録を記録したタイミングで出力端末30に送信してもよい。
【0028】
このような梱包材状態管理システム1によれば、配送業務において、梱包材Pの蓋体Cに備えられたセンサ機器20で取得した蓋体Cの姿勢に基づいて開封状態であるかを判定することで、梱包材Pの蓋体Cの開封を精度よく検知して、梱包材Pの状態管理を行うことができる。
【0029】
[機能構成]
図2は本発明の実施形態に係る梱包材状態管理システム1の機能構成を説明するための図である。図に示すように、梱包材状態管理システム1は、ネットワークを介してデータ通信可能に接続された、梱包材状態管理装置10と、センサ機器20と、出力端末30と、を備える。なお、梱包材状態管理システム1は、荷物の管理、発注、出荷、配送等の配送業務を支援するシステムを構成する端末や装置を含んでもよい。
【0030】
[センサ機器の機能構成]
センサ機器20は、蓋体Cの姿勢を検出する姿勢検出部21と、温度検出部22と、時刻を取得する時刻取得部23と、位置情報を取得する位置情報取得部24と、梱包材状態管理装置10と通信をする通信部25と、を備える。なお、温度検出部22、時刻取得部23、位置情報取得部24、は備えていなくてもよい。
【0031】
姿勢検出部21は、詳細には、センサ機器20が取付けられた蓋体Cの姿勢を示す姿勢情報を検出するセンサである。姿勢検出部21は、姿勢情報を、予め設定された所定間隔、1分毎や5分毎に取得してもよいし、連続して取得してもよい。
姿勢検出部21は、速度センサおよび/または加速度センサである。なお、その他にも、振動センサやジャイロセンサー等を含んでもよい。速度センサおよび加速度センサは、3軸のものが好ましい。
【0032】
速度センサは、蓋体Cの姿勢に関係する、当該蓋体Cが動く速度を示す速度情報を検出する。加速度センサは、蓋体Cの姿勢に関係する、蓋体Cが動く際に生じる加速度を示す加速度情報を検出する
【0033】
温度検出部22は、詳細には、蓋体Cが開封状態となったことで変化する梱包材Pの中の温度を示す温度情報を検出する。そのため、センサ機器20が温度検出部22を備える場合には、センサ機器20は蓋体Cの内側に備えられる。なお、温度検出部22を姿勢検出部21と別のセンサ機器としてもよい。
【0034】
時刻取得部23は、詳細には、姿勢検出部21で姿勢情報を検出した際の時刻を取得し、例えば、リアルタイムクロックである。位置情報取得部24は、姿勢検出部21で姿勢情報を検出した際の位置情報を取得し、例えば、GPSである。
【0035】
通信部25は、詳細には、姿勢検出部21で姿勢情報が検出されたことに応じて、当該姿勢情報、時刻取得部23で取得した時刻、および位置情報取得部24で取得した位置情報、を梱包材状態管理装置10に送信する。なお、センサ機器20が時刻取得部23および位置情報取得部24を備えない場合には、通信部25は、姿勢検出部21で検出した姿勢情報のみを送信する。
通信部25は、任意の無線モジュールであってよく、例えば、無線LAN(Wi-Fi)モジュールや、ブルートゥース(登録商標)モジュールや、Zigbeeモジュール等である。
【0036】
梱包材状態管理装置10は、センサ機器20から受信した姿勢情報に基づいて、梱包材Pの開封状態を判定し、開封状態が判定された場合にその旨を記録して、梱包材Pの状態管理を行う。
梱包材状態管理装置10は、配送業務に携わる事業者(例えば、荷物の出荷元の倉庫事業者や荷物を配送する配送業者等)により管理されるサーバ機能を有するコンピュータやパーソナルコンピュータ等である。本実施形態において、梱包材状態管理装置10は、クラウドサーバとするが、オンプレミスであってもよい。
【0037】
詳細には、図に示すように、梱包材状態管理装置10は、通信部11と、開封判定部12と、取引判定部13と、開封記録部14と、通知情報生成部15と、記憶部160と、を備える。
【0038】
通信部11は、センサ機器20および出力端末30と通信を行う。
開封判定部12は、センサ機器20から、姿勢検出部21で検出した姿勢情報を受信したことに応じて、当該姿勢情報に基づいて梱包材Pが開封状態であるか否かを判定する。また、開封判定部12は、センサ機器20から、温度検出部22で検出した温度情報を受信したことに応じて、当該温度情報に基づいて梱包材Pが開封状態であるか否かを判定する。開封判定部12は、姿勢情報および温度情報の両方に基づいて梱包材Pが開封状態であるか否かを判定してもよい。
【0039】
取引判定部13は、取引判定部13で開封状態であると判定された際の梱包材Pの取引状態を判定する。ここで、取引状態とは、出荷前、配送中、配送済み等の梱包材Pが荷送り人から荷受人へ配送される際の取引の状態である。
【0040】
開封記録部14は、取引判定部13で開封状態であると判定した場合に、センサ機器20から姿勢情報と併せて受信した時刻および/または位置情報を開封記録として開封データベース(以下、DBともいう)161に記録する。なお、開封記録部14は、センサ機器20から姿勢情報と併せて時刻および/または位置情報を受信しない場合には、センサ機器20から姿勢情報を受信した時刻をセンサ機器20が蓋体Cの姿勢を検出した時刻とみなし、開封記録として開封DB161に記録する。
【0041】
また、開封記録部14は、取引判定部13で取引状態が判定された場合に、当該取引状態をセンサ機器20から姿勢情報と併せて受信した時刻および/または位置情報と対応つけて開封記録として開封データベース(以下、DBともいう)161に記録する。
【0042】
通知情報生成部15は、開封DB161の開封記録に基づいて、出力端末30に送信する通知情報を生成する。
【0043】
出力端末30は、荷主、荷送人、荷受人、または配送作業者といった配送事業の携わる者が所持するスマートフォンやタブレット端末等の携帯端末やパーソナルコンピュータ等の据え置き型端末などである。
出力端末30は、梱包材状態管理装置10から通知情報を受信する通信部31として機能する無線モジュールと、受信した出力情報を出力する出力部32として機能するタッチパネルやスピーカ等と、を備える。無線モジュールは、センサ機器20と同様である。
【0044】
[開封状態管理処理]
図3~
図5を用いて、本発明の実施形態に係る梱包材状態管理システム1の梱包材状態管理処理について説明する。
図3には、センサ機器20と梱包材状態管理装置10とが実行する、開封判定処理を示す。
図4には、梱包材状態管理装置10と出力端末30とが実行する、開封通知処理を示す。
図5には、梱包材状態管理装置10と出力端末30とが実行する、未開封通知処理を示す。上述した各機能部の詳細な説明についても、本処理と併せて説明する。
【0045】
まず、姿勢検出部21は、梱包材Pの蓋体Cの姿勢情報を検出する(S11)。姿勢情報は、速度情報および/または加速度情報である。センサ機器20が温度検出部22を備える場合には、温度検出部22で温度情報も検出する。
S11で姿勢情報を検出したことに応じて、時刻取得部23が時刻を取得し、および/または、位置情報取得部24が位置情報を取得する(S12)。
そして、通信部25は、S11で検出した姿勢情報、S12で取得した時刻情報および/または位置情報を、梱包材状態管理装置10に送信する(S13)。
【0046】
開封判定部12は、センサ機器20から、姿勢情報、時刻および/または位置情報を受信する(S14)。
次に、開封判定部12は、S14で受信した姿勢情報に基づいて、梱包材Pの開封状態を判定する(S15)。
【0047】
例えば、姿勢情報が速度情報である場合には、当該速度情報が予め設定された所定数値を越えている場合に、梱包材Pが開封状態となったと判定する。ここで、所定数値とは、蓋体Cの封止が破れるのに必要な速度である。加速度情報の場合も同様である。
姿勢情報と併せて温度情報を受信した場合には、前に取得した温度情報と比較して温度が変化した場合に、梱包材Pが開封状態になったと判定する。具体的には、取得した温度情報と1つ前または前に取得した複数の温度情報と比較して、数値差や変化率が所定数値以上である場合に、梱包材Pが開封状態となったと判定する。なお、姿勢情報および温度情報を受信した場合には、両方が開封状態と判断した際に開封状態と判断してもよいし、両方で複合的に判定してもよい。
【0048】
次に、取引判定部13は、梱包材Pの取引状態を判定する(S16)。取引判定部13は、梱包材状態管理装置10が予め記憶している取引DB162を参照して、梱包材Pの取引状態を判定する。詳細には、取引判定部13は、センサ機器20から取得した時刻および/または位置情報に基づいて、取引DB162を参照して、梱包材Pの取引状態、例えば、出荷前、配送中および配送完了のいずれかであるかを判定する。なお、取引DB162に取引状態が記録されている場合には、取引判定部13は、梱包材Pの取引状態を取引DB162から取得する
【0049】
取引DB162は、荷物の配送を管理するシステム、例えばTMS(Transport Management System)から取引状態を取得して、記憶する。取引DB162の取引状態には、荷物を識別する荷物ID、出荷元、出荷予定日時、出荷日時、配送先、配送予定日時、配送完了日時、開封予定時刻などが含まれる。
【0050】
次に、開封記録部14は、S15で判定した結果に基づき、判定結果が開封状態である(YES)場合は、S18に処理を進める。一方、判定結果が開封状態でない(NO)場合は、
図5に示す未開封通知処理のS31に処理を進める(S17)。
【0051】
次に、開封記録部14は、S14で取得した時刻および/または位置情報と、S16で判定した取引状態とを対応付けて、開封記録として開封DB161に記録する(S18)。そして、
図4に示す開封通知処理のS21に処理を進める。
【0052】
図6は、本実施形態に係る開封DB161を模式的に示す図である。開封DB161の開封情報には、荷物を識別する荷物ID、取引状態、開封状態となった時刻(以下、開封時刻という)、開封状態となった位置情報(以下、開封位置情報という)などが含まれる。
【0053】
図4を用いて、開封通知処理について説明する。開封通知処理は、
図3のS18に続いて実行されてもよいし、出力端末30からの要求に応じて実行されてもよい。
通知情報生成部15は、開封DB161に記録された開封時刻と取引DB162の開封予定時刻とを比較し、開封が予定よりも早期であるか、または開封が遅延しているかを判定する(S21)。
通知情報生成部15は、開封DB161の開封記録、およびS21の判定結果に基づいて、開封通知情報を生成する。なお、S21の判定は行わなくてもよく、その場合に、通知情報生成部15は、開封DB161の開封記録に基づいて、開封通知情報を生成する(S22)。
【0054】
梱包材状態管理装置10が、地図情報を記憶する地図情報DB163を備える場合には、通知情報生成部15は、開封DB161の開封記録の開封位置情報を含む地図情報を、地図情報DB163から取得し、当該地図情報上に開封位置を表示する地図を開封通知情報として生成する。なお、生成する地図には、開封位置と併せて、開封時刻、取引状態を表示してもよい。
地図情報は、例えば、交差点、一時停止の位置、渋滞頻発地点及び踏切などの線路情報を含む道路地図であって、道路や施設等の地物に関する情報、施設の位置情報、施設の種別情報、駐車場情報等の地図情報を含んでもよい、
【0055】
そして、通知情報生成部15は、S22で生成した開封通知情報を出力端末30に送信する(S23)
【0056】
出力部32は、梱包材状態管理装置10から、開封通知情報を受信する(S24)。
出力部32は、受信した開封通知情報を出力する(S25)。通信部25は、通知情報を音声出力してもよいし、画面に表示出力してもよいし、両方であってもよい。
図7は、出力部32が画面に表示出力する開封通知情報の一例を模式的に示す図である。図において、画面には地図が表示出力され、当該地図には、開封位置が示され、開封位置付近に取引状態、梱包材Pの状態である「開封」、および開封時刻が重畳されている。地図を表示しない場合には、開封位置の住所を表示することで、開封位置を示すことができる。
【0057】
続いて、
図5を用いて、未開封通知処理について説明する。未開封通知処理は、
図3のS17に続いて実行されてもよいし、出力端末30からの要求に応じて実行されてもよい。
通知情報生成部15は、S16で判定した結果に基づき、判定結果が配送済みである(YES)場合は、S32に処理を進める。一方、判定結果が配送済みでない(NO)場合は、処理を終了する(S31)。
【0058】
通知情報生成部15は、未開封である旨を通知する未開封通知情報を生成する(S32)。未開封通知情報は、例えば、「未開封で配送完了しました。」とのテキスト情報である。
そして、通知情報生成部15は、S32で生成した未開封通知情報を出力端末30に送信する(S33)
【0059】
出力部32は、梱包材状態管理装置10から、未開封通知情報を受信する(S34)。
出力部32は、受信した未開封通知情報を出力する(S35)。出力部32は、未開封通知情報を音声出力してもよいし、画面に表示出力してもよいし、両方であってもよい。
【0060】
以上説明したように、梱包材状態管理システム1によれば、配送業務において、梱包材Pの蓋体Cに備えられたセンサ機器20で取得した蓋体Cの姿勢に基づいて開封状態を判定することで、梱包材Pの蓋体Cの開封を精度よく検知することができる。また、梱包材Pの蓋体Cに備えられたセンサ機器20で取得した梱包材P内の温度情報に基づいて、開封状態を判定することもできる。そして、判定結果に基づいて、梱包材Pの開封/未開封の状態に関する情報を記録し、また、配送事業に携わる者に梱包材Pの開封/未開封の状態に関する情報を通知することによって、梱包材Pの状態管理を行うことができる。
【0061】
上記の本システムの機能構成は、あくまで一例であり、1つの機能ブロック(データベース及び機能処理部)を分割したり、複数の機能ブロックをまとめて1つの機能ブロックとして構成したりしてもよい。各機能処理部は、装置や端末に内蔵されたCPU(Central Processing Unit)が、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)、ハードディスクなどの記憶装置(記憶部)に格納されたコンピュータ・プログラム(例えば、基幹ソフトや上述の各種処理をCPUに実行させるアプリなど)を読み出し、CPUにより実行されたコンピュータ・プログラムによって実現される。すなわち、各機能処理部は、このコンピュータ・プログラムが、記憶装置に格納されたデータベース(DB;Data Base)やメモリ上の記憶領域からテーブルなどの必要なデータを読み書きし、場合によっては、関連するハードウェア(例えば、入出力装置、表示装置、通信インターフェース装置)を制御することによって実現される。また、本発明の実施形態におけるデータベース(DB)は、商用データベースであってよいが、単なるテーブルやファイルの集合体をも意味し、データベースの内部構造自体は問わないものとする。
<第2の実施形態>
【0062】
図8~
図11を用いて、本発明の第2の実施形態について説明する。第1の実施形態において、センサ機器は蓋体Cのみに備えられたが、本実施形態においては、更に梱包材Pの蓋体C以外の部分に1以上のセンサ機器を備える。なお、第1の実施形態と同一の符号を付す構成要素については、同一の機能を有することから、その詳細な説明は省略する。
【0063】
[機能構成]
図9は本発明の第2の実施形態に係る梱包材状態管理システム2の機能構成を説明するための図である。図に示すように、梱包材状態管理システム2は、ネットワークを介してデータ通信可能に接続された、複数のセンサ機器20,200a,200bと、梱包材状態管理装置100と、出力端末30と、を備える。なお、梱包材状態管理システム2は、荷物の管理、発注、出荷、配送等の配送業務を支援するシステムを構成する端末や装置を含んでもよい。なお、図において、センサ機器200a,200bは同一機能構成を備えるので、他部位センサ機器200aのみ機能構成を示し、各機能について説明し、また、センサ機器200a,200bを区別しない場合には単にセンサ機器200という。
【0064】
[センサ機器の機能構成]
センサ機器20は第1実施形態で説明したセンサ機器であって、センサ機器200a,bと区別するために蓋体センサ機器20という。センサ機器200a,bは、梱包材Pの蓋体以外の部位、側面や底面、又は内部にそれぞれ取付けられるで、他部位センサ機器という。
【0065】
他部位センサ機器200aは、梱包材Pの動作を検出する動作検出部201と、時刻を取得する時刻取得部23と、位置情報を取得する位置情報取得部24と、梱包材状態管理装置100と通信をする通信部202と、を備える。なお、時刻取得部23および位置情報取得部24は、備えなくてもよい。
なお、他部位センサ機器200a,bが梱包材Pの動作を検出する場合には、図に示すように2台、更には3台以上取付けられる。一方、他部位センサ機器200a,bを蓋体センサと同じく姿勢を検出する際に用いる場合には、1台であってよい。
【0066】
動作検出部201は、詳細には、他部位センサ機器200aが取付けられた梱包材Pの動作を示す動作情報を検出するセンサである。動作検出部201は、動作情報を、予め設定された所定間隔、1分毎や5分毎に取得してもよいし、連続して取得してもよい。
動作検出部201は、速度センサおよび/または加速度センサである。なお、その他にも、振動センサやジャイロセンサー等を含んでもよい。速度センサおよび加速度センサは、3軸のものが好ましい。
【0067】
速度センサは、梱包材Pの動作に関係する、梱包材Pが動く速度を示す速度情報を検出する。加速度センサは、梱包材Pの動作に関係する、梱包材Pが動く際に生じる加速度を示す加速度情報を検出する。
【0068】
通信部202は、詳細には、動作検出部201で動作情報が検出されたことに応じて、当該動作情報、時刻取得部23で取得した時刻、および位置情報取得部24で取得した位置情報、を梱包材状態管理装置100に送信する。なお、他部位センサ機器200aが時刻取得部23および位置情報取得部24を備えない場合には、通信部202は、動作検出部201で検出した動作情報のみを送信する。
通信部202は、任意の無線モジュールであってよく、例えば、無線LAN(Wi-Fi)モジュールや、ブルートゥース(登録商標)モジュールや、Zigbeeモジュール等である。
【0069】
梱包材状態管理装置100は、蓋体センサ機器20から受信した姿勢情報および他部位センサ機器200a,bから受信した動作情報に基づいて、梱包材Pの開封状態を判定し、開封状態が判定された場合にその旨を記録して、梱包材Pの状態管理を行う。また、梱包材状態管理装置100は、動作情報に基づいて、梱包材Pへの衝撃発生を判定し、衝突発生が判定された場合にその旨を記録して、梱包材Pの状態管理を行う。
【0070】
梱包材状態管理装置100は、配送業務に携わる事業者(例えば、荷物の出荷元の倉庫事業者や荷物を配送する配送業者等)により管理されるサーバ機能を有するコンピュータやパーソナルコンピュータ等である。本実施形態において、梱包材状態管理装置100は、クラウドサーバとするが、オンプレミスであってもよい。
【0071】
詳細には、図に示すように、梱包材状態管理装置100は、通信部11と、衝撃判定部101と、衝撃記録部102と、開封判定部103と、開封記録部104と、通知情報生成部105と、を備える。
【0072】
衝撃判定部101は、他部位センサ機器200a,bそれぞれの動作検出部201で検出した動作情報を受信したことに応じて、受信した複数の動作情報に基づいて、梱包材Pへの衝撃発生の有無を判定する。
【0073】
衝撃記録部102は、衝撃判定部101で衝撃発生ありと判定した場合に、他部位センサ機器200a,bから動作情報と併せて受信した時刻および/または位置情報を衝撃記録として衝撃DB164に記録する。なお、衝撃記録部102は、他部位センサ機器200a,bから動作情報と併せて時刻および/または位置情報を受信しない場合には、他部位センサ機器200a,bから動作情報を受信した時刻を他部位センサ機器200a,bが動作情報を検出した時刻とみなし、衝撃記録として衝撃DB164に記録する。
【0074】
開封判定部103は、蓋体センサ機器20から、姿勢検出部21で検出した姿勢情報を受信したことに応じて、当該姿勢情報に基づいて梱包材Pが開封状態であるか否かを判定する。また、開封判定部103は、他部位センサ機器200の少なくとも1つから動作検出部201で検出した動作情報を受信し、当該動作情報を他部位の姿勢情報として、蓋体センサ機器20から受信した姿勢情報と併せて梱包材Pが開封状態であるか否かを判定する。
【0075】
開封記録部104は、開封判定部103で開封状態であると判定した場合に、蓋体センサ機器20から姿勢情報と併せて受信した時刻および/または位置情報に基づいて、衝撃DB164を検索し、開封状態と同時または直前に衝撃発生の有無を判定する。衝撃がりと判定した場合には、衝撃DB164の衝撃記録と関連付けて、蓋体センサ機器20から姿勢情報と併せて受信した時刻および/または位置情報を開封記録として開封DB165に記録する。なお、開封記録部104は、蓋体センサ機器20から姿勢情報と併せて時刻および/または位置情報を受信しない場合には、蓋体センサ機器20から姿勢情報を受信した時刻を蓋体センサ機器20が蓋体Cの姿勢を検出した時刻とみなし、開封記録として開封DB165に記録する。
【0076】
[衝撃記録を含む状態管理処理]
図9~11を用いて、本発明の第2の実施形態に係る梱包材状態管理システム2の梱包材状態管理処理について説明する。
図9には、他部位センサ機器200a,bと梱包材状態管理装置100とが実行する、衝撃記録処理を示す。
図10には、梱包材状態管理装置100が実行する、開封記録処理を示す。
図11には、梱包材状態管理装置100と出力端末30とが実行する、未開封通知処理を示す。上述した各機能部の詳細な説明についても、本処理と併せて説明する。
【0077】
まず、動作検出部201は、梱包材Pの動作情報を検出する(S101)。動作情報は、速度情報および/または加速度情報を含む。
S101で動作情報を検出したことに応じて、時刻取得部23が時刻を取得し、および/または、位置情報取得部24が位置情報を取得する(S102)。
そして、通信部202は、S101で検出した動作情報、S102で取得した時刻情報および/または位置情報を、梱包材状態管理装置100に送信する(S103)。
【0078】
衝撃判定部101は、他部位センサ機器200a,bそれぞれから、動作情報、時刻および/または位置情報を受信する(S104)。
次に、衝撃判定部101は、S104で受信した複数の衝撃情報に基づいて、梱包材Pへの衝撃発生の有無を判定する(S105)。例えば、衝撃情報が、方向と速度を含む速度情報である場合に、複数の速度情報のうち少なくとも2つが、同一方向であると、梱包材Pへ衝撃発生と判定する。また、同一方向へであって、かつ速度が所定数値以上であるであると、梱包材Pへ衝撃発生と判定する。所定数値は、任意であって、梱包材Pの種類に応じて設定されてもよい。
【0079】
衝撃記録部102は、S105で判定した結果に基づき、判定結果が衝撃発生である(YES)場合は、S107に処理を進める。一方、判定結果が衝撃発生でない(NO)場合は、処理を終了する(S106)。
衝撃記録部102は、S104で取得した時刻および/または位置情報を衝撃記録として衝撃DB164に記録する(S107)。そして、
図10に示す開封記録処理のS201に処理を進める。衝撃DB164の衝撃記録には、荷物を識別する荷物ID、衝撃発生時刻、衝撃発生となった位置情報などが含まれる。
【0080】
図10を用いて、開封記録処理について説明する。
開封判定部103は、蓋体センサ機器20から、姿勢情報、時刻および/または位置情報を受信する(S201)。蓋体センサ機器20での姿勢情報等の検出・送信は、
図3のS11~S13の通りである。なお、S201は、
図9のS104またはS105の前であってもよい。
次に、開封判定部103は、S201で受信した姿勢情報に基づいて、梱包材Pの開封状態を判定する(S202)。
【0081】
次に、開封記録部104は、S202で判定した結果に基づき、判定結果が開封状態である(YES)場合は、S204に処理を進める。一方、判定結果が開封状態でない(NO)場合は、
図11に示す未開封通知処理のS301に処理を進める(S203)。
【0082】
開封記録部104は、S201で受信した時刻および/または位置情報に基づいて、衝撃DB164を検索し、開封状態に関係する衝撃発生の有無を判定する(S204)。開封状態に関係する衝撃とは、開封状態と同時または開封状態の近くに発生した衝撃であって、当該衝撃により梱包材Pが開封状態となったと推定できる衝撃である。ここで、開封状態の近くとは、開封状態となった時刻から予め設定された所定時間前、例えば、5秒前や10秒前や、開封状態となった位置からから予め設定された距離前、例えば、10m前や20m前をいう。
【0083】
開封記録部104は、S204で判定した結果に基づき、判定結果が衝撃発生である(YES)である場合は、S206に処理を進める。一方、判定結果が衝撃発生でない(NO)である場合は、S207に処理を進める(S205)。
【0084】
開封記録部104は、S204で開封状態に関係する衝撃の衝撃記録を、S201で受信した時刻および/または位置情報に基づいて衝撃DB164から取得し、取得した衝撃記録と関連付けて、S201で受信した時刻および/または位置情報を開封記録として開封DB165に記録する。例えば、衝撃DB164の衝撃IDをS201で受信した時刻および/または位置情報に対応付けて開封記録として開封DB165に記録する。そして、開封記録部104は、
図3に示したS16の取引状態判定処理を実行した後、
図4に示した開封通知処理に進む。
【0085】
なお、開封記録が衝撃記録と関連付けられている場合には、通知情報生成部15は、開封DB165の開封記録と衝撃DB164の衝撃記録とに基づいて、通知情報を生成する。開封記録と衝撃記録とに基づいて生成された通知情報の出力部32での出力は、
図7に示した開封通知情報の一例を示す画面を例にすると、取引状態、梱包材Pの状態である「開封」、および開封時刻と併せて、「衝撃有」や「衝撃 2022/9/1 12:04」を表示する。
【0086】
続いて、
図11を用いて、未開封通知処理について説明する。未開封通知処理は、
図10のS203に続いて実行されてもよいし、出力端末30からの要求に応じて実行されてもよい。
【0087】
通知情報生成部105は、S16で判定した結果に基づき、判定結果が配送済みである(YES)場合は、S302に処理を進める。一方、判定結果が配送済みでない(NO)場合は、処理を終了する(S301)。
通知情報生成部105は、衝撃DB164を参照し、衝撃記録がある場合には衝撃記録を取得する(S302)。
【0088】
通知情報生成部105は、未開封である旨を通知する未開封通知情報を生成する(S303)。未開封通知情報は、例えば、「未開封で配送完了しました。」とのテキスト情報である。また、通知情報生成部105は、S302で衝撃記録を取得した場合には、衝突記録を含んだ未開封である旨を通知する未開封通知情報を生成する。例えば、「2022/9/1 12:04 衝突がありましたが、未開封で配送完了しました。」とのテキスト情報である。
【0089】
以上説明したように、梱包材状態管理システム1によれば、配送業務において、梱包材Pの蓋体Cの蓋体センサ機器20で取得した蓋体Cの姿勢、および蓋体C以外の部位に備えられた他部位センサ機器200a,bで取得した梱包材Pの動作に基づいて開封状態を判定することで、梱包材Pの蓋体Cの開封をより精度よく検知することができる。
【0090】
また、蓋体C以外の他部位に備えられた複数の他部位センサ機器200a,bで取得した梱包材Pの動作に基づいて、梱包材Pの衝撃発生を判定することで、梱包材Pに発生した衝撃を記録できる。更に、記録した梱包材Pに発生した衝撃が開封状態に関係する衝撃であるか否かを判定し、開封状態に関係する衝撃を開封記録と対応つけて記録することができる。それにより、開封の通知と併せて開封の原因となったと推定される衝撃の発生や、未開封であっても衝撃が発生していたことを、荷受人等に通知することによって、荷受人等の梱包材Pの状態管理を支援することが行うことができる。
【0091】
[変形例]
(1)第1および第2の実施形態では、梱包材Pは段ボール箱であるとしたが、物品を梱包するものであれば段ボール箱に限られず、ボトル、錠剤シート、封筒などであってもよい。
【0092】
図12に、ボトルの蓋体センサ機器20および他部位センサ機器200の配置の一例を示す。図に示すように、蓋体センサ機器20はキャップに配置され、他部位センサ機器200はボトル本体側面に配置される。なお、他部位センサ機器200は、ボトル本体のどこであってもよく、側面に限られない。また、他部位センサ機器200は、複数であってよい。
【0093】
図13に、錠剤シートの蓋体センサ機器20および他部位センサ機器200の配置の一例を示す。図に示すように、蓋体センサ機器20は1錠剤が格納されるプラスチックを蓋する薄いシートに配置され、他部位センサ機器200は錠剤シートの錠剤が格納されるプラスチックがない部分に配置される。
【0094】
図14に、封筒の蓋体センサ機器20および他部位センサ機器200の配置の一例を示す。図に示すように、蓋体センサ機器20は封筒の蓋体に配置され、他部位センサ機器200は封筒本体に配置される。なお、他部位センサ機器200は、封筒のどこであってもよく、裏面に限られない。
【0095】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。なお、上記の実施形態では、本発明を物の発明として、梱包材状態管理システムについて説明したが、本発明において梱包材状態管理システムが実行する方法や、梱包材状態管理システムを各種手段として機能させるプログラムの発明と捉えることもできる。
【符号の説明】
【0096】
1 梱包材状態管理システム
10 梱包材状態管理装置
11 通信部
12,103 開封判定部
13 取引判定部
14,104 開封記録部
15、05 通知情報生成部
16,160 記憶部
161,165 開封DB
162 取引DB
163 地図情報DB
164 衝撃DB
101 衝撃判定部
102 衝撃記録部
20,200a,200b センサ機器
21 姿勢検出部
22 温度検出部
23 時刻取得部
24 位置情報取得部
201 動作検出部
25,202 通信部
30 出力端末
31 通信部
32 出力部