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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095094
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/04 20060101AFI20240703BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20240703BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20240703BHJP
   F21V 33/00 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
F21S8/04 110
F21V23/00 160
F21S2/00 230
F21S8/04 130
F21V33/00 400
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022212114
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】石坂 大介
【テーマコード(参考)】
3K014
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K014BA03
3K014RB00
(57)【要約】
【課題】施工性が低下するのを防止できる照明装置を提供する。
【解決手段】照明装置は、長尺状の器具本体と、長尺状の光源ユニット30と、取付ばね37と、補助機能ユニット31と、配線保持部95とを備える。取付ばね37は、光源ユニット30の長手方向の両端側に設けられ、光源ユニット30を器具本体に着脱可能に取り付ける。補助機能ユニット31は、光源ユニット30の長手方向の端部に配設される。配線保持部95は、補助機能ユニット31側と光源ユニット30側とに亘って配置される配線90を取付ばね37の可動域の外側に保持する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺状の器具本体と;
長尺状の光源ユニットと;
前記光源ユニットの長手方向の両端側に設けられ、前記光源ユニットを前記器具本体に着脱可能に取り付ける取付ばねと;
前記光源ユニットの長手方向の端部に配設された補助機能ユニットと;
前記補助機能ユニット側と前記光源ユニット側とに亘って配置される配線を前記取付ばねの可動域の外側に保持する配線保持部と;
を備えることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記配線保持部は、前記配線を前記光源ユニットよりも前記器具本体側に突出した位置に保持する
ことを特徴とする請求項1記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、長尺状の器具本体と、この器具本体に取り付けられる長尺状の光源ユニットとを備え、光源ユニットの長手方向の一端側にカメラが配設された照明装置が知られている。
【0003】
このような照明装置では、カメラに電力を供給する電源線や、制御や通信のための信号線などの配線が接続されるが、施工時において、この配線が器具本体に光源ユニットを取り付ける際の支障となると、施工性が低下する懸念がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-169455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、施工性が低下するのを防止できる照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の照明装置は、長尺状の器具本体と、長尺状の光源ユニットと、取付ばねと、補助機能ユニットと、配線保持部とを備える。取付ばねは、光源ユニットの長手方向の両端側に設けられ、光源ユニットを器具本体に着脱可能に取り付ける。補助機能ユニットは、光源ユニットの長手方向の端部に配設される。配線保持部は、補助機能ユニット側と光源ユニット側とに亘って配置される配線を取付ばねの可動域の外側に保持する。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の照明装置によれば、施工性が低下するのを防止することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態を示す照明装置の斜視図である。
図2】同上照明装置の分解斜視図である。
図3】同上照明装置の図5A-A視の断面図である。
図4】同上照明装置の器具本体を断面で示した着脱時の側面図である。
図5】同上照明装置の器具本体を断面で示した施工状態の側面図である。
図6】同上照明装置の補助機能付光源部の斜視図である。
図7】同上補助機能付光源部の斜視図である。
図8】同上補助機能付光源部の一部を省略した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0010】
図1ないし図5に照明装置10を示す。照明装置10は、長尺状のベースライトであって、設置面である例えば天井面に設置される天井直付形照明装置である。
【0011】
照明装置10は、天井面に設置される長尺状の器具本体11と、この器具本体11の下面側に着脱可能に取り付けられる長尺状の補助機能付光源部(補助機能付光源ユニット)12とを備えている。
【0012】
器具本体11は、磁性体である金属製であって例えば板金製で、長尺状に形成されている。器具本体11は、長尺状の天板部15と、この天板部15に対して長手方向に交差する短手方向である幅方向の両側に設けられた側板部16と、天板部15および側板部16に対して長手方向の両端に設けられた端板部17とを有し、下面側が開口された細長い箱形に形成されている。
【0013】
天板部15の長手方向の略中央には、電源線挿通用の配線孔19が設けられている。天板部15の長手方向の両端近傍には、天板部15の長手方向に長い長孔やだるま孔などを含む天井面に取り付けるための複数の取付孔20が設けられている。
【0014】
側板部16の下縁および端板部17の下縁には、補助機能付光源部12の上面側が当接して取り付けられる取付縁部16a,17aが設けられている。端板部17の取付縁部17aは、端板部17の下縁部から器具本体11の長手方向の中央に向けて突出するように略Lの字形に折曲されている。
【0015】
器具本体11内には、配線孔19に対して天板部15の長手方向の一端側近傍に端子台21が配設されている。端子台21には、外部から配線孔19を通じて器具本体11内に引き込まれる電源線が電気的に接続される。電源線は、例えば商用交流電源からの外部電力である交流電力を供給する。端子台21には、器具本体11内に沿って配線される光源用の電力供給線および補助機能用の電力供給線22の各一方の端部側が接続されている。電力供給線22は、器具本体11の長手方向の一端側に向けて配線され、先端側にはコネクタ23が接続されている。
【0016】
器具本体11内には、配線孔19に対して端子台21とは反対側となる天板部15の長手方向の他端側近傍に光源用電源24が配設されている。光源用電源24の電源入力部には、端子台21からの光源用の電力供給線の他方の端部側が電気的に接続されている。光源用電源24は、例えば、AC-DCコンバータであり、商用交流電源から端子台21を通じて供給される交流電力を直流電力などの所定の点灯電力に変換し、補助機能付光源部12が備える光源モジュールに供給する。光源用電源24の点灯電力出力部には、器具本体11内に沿って配線される本体側の点灯電力供給線の一方の端部側が電気的に接続され、この本体側の点灯電力供給線の他方の端部側が器具本体11の他端側から引き出されて補助機能付光源部12が備える光源モジュールに接続されたユニット側の点灯電力供給線との間でコネクタ接続される。
【0017】
器具本体11内には、天板部15の長手方向の両端近傍の2箇所に、器具本体11に補助機能付光源部12(光源ユニット)を着脱可能に取り付けるためのばね受部材25が取り付けられている。ばね受部材25は、少なくとも一部の取付孔20よりも器具本体11の端部側でかつ器具本体11の端部との間にそれぞれ所定の間隔を空けた位置に配置されている。2つのばね受部材25の間で、器具本体11の長手方向の中央領域に端子台21および光源用電源24が配設されている。
【0018】
ばね受部材25は、器具本体11の天板部15に対して略垂直に配置される受板部26と、この受板部26の幅方向の両側下部から幅方向の外側方に延設されるとともに先端側が器具本体11の長手方向に向けて略直角に折曲された位置決め部27と、受板部26の内側に設けられた引掛け孔28とを有している。引っ掛け孔28の下縁で幅方向の中央から上方に突部28aが突出されている。
【0019】
また、図1ないし図8に示すように、補助機能付光源部12は、長尺状の光源ユニット(光源ユニット本体)30と、この光源ユニット30の長手方向の一端側の外端部に配設された補助機能ユニット31とを備えている。
【0020】
光源ユニット30は、例えば、器具本体11が既存の器具本体と同じ構造であるのに対し、既存の光源ユニットの一端側の長さが短縮され、この光源ユニット30の一端側の外端部に補助機能ユニット31が配置されるように取り付けられる。したがって、光源ユニット30と補助機能ユニット31とを合わせた補助機能付光源部12の長さは、既存の光源ユニットと略同じ長さに構成される。光源ユニット30は、既存の光源ユニットと同様に、既存の器具本体と同じ器具本体11に着脱可能に取り付けられる。
【0021】
光源ユニット30は、長尺状の光源シャーシ33と、この光源シャーシ33の下面側に取り付けられる光源である光源モジュール34と、この光源モジュール34を覆って光源シャーシ33に取り付けられる透光カバー35と、この透光カバー35の長手方向の両端を覆って光源シャーシ33に取り付けられる端面カバー36と、光源シャーシ33の上面側に配設される2つの取付ばね37とを備えている。
【0022】
光源シャーシ33は、金属製で長尺状に設けられている。光源シャーシ33の幅方向の両側部には上方に向けて折曲された折曲部33aが設けられている。
【0023】
光源モジュール34は、長尺状の基板39と、この基板39の表面側に長手方向に沿って複数実装された発光素子40とを有している。基板39は、背面側が光源シャーシ33の下面側に対向するように、光源シャーシ33に取り付けられている。発光素子40は、例えばLEDや有機ELなどの半導体発光素子が用いられる。光源モジュール34にはユニット側の点灯電力供給線の一方の端部側が電気的に接続され、このユニット側の点灯電力供給線の他方の端部側が光源ユニット30の他端側から引き出されて器具本体11から引き出された本体側の点灯電力供給線とコネクタ接続される。
【0024】
透光カバー35は、透光性および光拡散性を有し、発光素子40からの光が透過する。透光カバー35は、幅方向の断面形状が前面側に凸曲面状となるように形成されている。透光カバー35の上部側には、器具本体11の幅方向の取付縁部16aに当接する当接部35aが設けられているとともに、この光源シャーシ33の折曲部33aに係合する係合部35bが突出されている。
【0025】
取付ばね37は、光源シャーシ33の上面側で長手方向の両端近傍の2箇所に、取付部材42によって取り付けられている。補助機能ユニット31側である一端側の取付ばね37と光源ユニット30の一端側の端部との間の距離は、他端側の取付ばね37と光源ユニット30の他端側の端部との間の距離よりも短く、つまり光源ユニット30の一端側の外端部に補助機能ユニット31を配設するのに必要な長さ分だけ短くなっている。そして、光源ユニット30と補助機能ユニット31を含めた補助機能付光源部12における各取付ばね37の位置は、既存の光源ユニットに配設される各取付ばねの位置と対応する位置に配置されており、各取付ばね37を既存の器具本体のばね受部材に取付可能とする。
【0026】
取付ばね37は、例えばトーションばねで構成され、一対のコイル部37aが取付部材42に保持され、一対のコイル部37aの一端部間を接続する略コの字形の引掛部37bが延設され、この引掛部37bがばね受部材25の引掛け孔28に係合可能とする。一対のコイル部37aの他端部は取付部材42に取り付けられている。取付ばね37は、引掛部37bが光源シャーシ33の上方側から端部側を通して下方側へ向かう方向にばね力が作用するように配設されている。取付ばね37は、図4に示すように、引掛部37bをばね力に抗して光源シャーシ33から引き上げた状態で器具本体11のばね受部材25の引掛け孔28に挿入して突部28aに引っ掛けることにより、光源ユニット30(補助機能付光源部12)を器具本体11に仮吊りし、さらに、光源ユニット30を押し上げることで、ばね力の作用により光源ユニット30(補助機能付光源部12)を引き上げて器具本体11に取り付け、その取付状態を保持するように構成されている。
【0027】
なお、取付ばね37は、トーションばねに限らず、板ばねなどを用いてもよい。
【0028】
また、図4ないし図8に補助機能ユニット31を示す。補助機能ユニット31は、光源ユニット30の一端側で光源シャーシ33に取り付けられた連結部材45に連結されることにより、光源ユニット30の一端側の外端部に配設されている。
【0029】
連結部材45は、金属板によって形成されており、光源シャーシ33の上面側にねじ止めなどにより取り付けられる取付部46と、光源シャーシ33の折曲部33aの内側に配置される側面部47とを有する断面略コの字形に形成されている。両側の側面部47には、光源ユニット30の一端側から補助機能ユニット31へ向けて突出する連結部48が延設されている。
【0030】
補助機能ユニット31は、連結部材45に連結されて補助機能ユニット31を光源ユニット30に支持する支持部材51と、この支持部材51に一体に支持された補助機能デバイス52およびこの補助機能デバイス52に動作電力を供給する補助機能用電源53と、これら補助機能デバイス52および補助機能用電源53を収容する筐体54とを備えている。
【0031】
支持部材51は、金属板によって形成されており、光源ユニット30の長手方向に対応して長い平板状の支持部57と、支持部57の長手方向の他端側で幅方向の両側から立ち上げられた配線支持部であるユニット取付部59とを有している。支持部57の下面側に補助機能デバイス52が取り付けられ、支持部57の上面側に補助機能用電源53が取り付けられ、支持部材51を介して補助機能用電源53と補助機能デバイス52とが上下に重なるように配置されている。
【0032】
ユニット取付部59は、連結部材45の連結部48の内側にそれぞれ配置される。ユニット取付部59の上端部には相反する外側に向けて折曲された配線保持面部である折曲部60が設けられ、この折曲部60が連結部48の上側に重なるように配置される。ユニット取付板部59は、ねじ61によって連結部48に取り付けられている。一方のユニット取付部59は1つのねじ61で一方の連結部48に取り付けられ、他方のユニット取付部59は2つのねじ61で他方の連結部48に連結され、連結部48に対して例えばねじ61の軸回りでの動きが生じないように連結される。
【0033】
折曲部60を含むユニット取付部59の上部側は光源ユニット30(光源シャーシ33および透光カバー35を含む)よりも上方に突出配置されている。ユニット取付部59の上部側には保持孔62が、折曲部60の先端側には保持溝63が、それぞれ長手方向の中央に設けられている。
【0034】
補助機能ユニット31は、ねじ61の着脱操作により、光源ユニット30に対して、着脱可能であって、交換可能に構成されている。
【0035】
そして、補助機能ユニット31は、例えば、照明装置10の光照射方向である下方域を撮影するカメラユニットで構成される。
【0036】
カメラユニットの場合、補助機能デバイス52は、被写体を撮影する撮像素子およびこの撮像素子に被写体の光を集光するレンズ73を有する撮像部74と、撮像素子を駆動したり撮像素子で撮影された画像を処理する回路部75とを有している。撮像素子は、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)やCCD(Charge Coupled Device)などの固体撮像素子が用いられる。レンズ73は、筐体54の下面側に形成された窓孔に配置され、下方域の被写体の光を撮像素子に集光する。さらに、補助機能デバイス52は、回路部75に、撮影した映像を記憶する記憶部や、有線または無線で外部の通信機器と通信して記憶した映像のデータを送信したり通信機器からの操作を受け付ける通信部などを備えている。また、補助機能デバイス52は、光源モジュール34と異なる高さ位置であって、光源モジュール34よりも下方の位置に配置されている。
【0037】
補助機能デバイス52には、回路部75の幅方向の一側に操作部76が設けられている。操作部76には、撮影した映像を記憶するための外部メモリであるメモリカードが着脱可能に装着されるメモリカードスロッド77や、設定を行うためのファンクションボタンおよびイニシャルセットボタンなどが設けられている。
【0038】
補助機能用電源53は、電源ケース78で覆われて支持部材51の支持部57の上面側に取り付けられている。補助機能用電源53は、補助機能デバイス52と器具本体11との間に配置されるように、補助機能デバイス52の上側に重なる位置に配置されている。補助機能用電源53は、例えば、AC-DCコンバータであり、商用交流電源から端子台21を通じて供給される交流電力を直流電力などの所定の動作電力に変換し、補助機能デバイス52の回路部75に供給する。補助機能用電源53は、少なくとも一部が光源ユニット30の光源モジュール34と同じ高さ位置に配置されるとともに、少なくとも上部側の一部が器具本体11内に配置される。
【0039】
筐体54は、補助機能デバイス52と補助機能用電源53の下部側の周囲を覆って支持部材51に取り付けられている。筐体54の上面側は、開口され、透光カバー35の当接部35aと略同じ高さ位置に配置されている。支持部材51のユニット取付部59の上部側、補助機能用電源53の上部側がそれぞれ上方に突出されている。筐体54の下面側には、撮像部74のレンズ73が配置される窓孔が形成されている。筐体54の下部側は、光源ユニット30の下面側よりも下方に突出されている。
【0040】
筐体54の光源ユニット30とは反対の一端側の端部には、筐体54の上面から突出し、器具本体11の一端側の取付縁部16aの内側に係合する係合部80が設けられている。この係合部80が器具本体11の一端側の取付縁部16aに係合し、光源ユニット30の透光カバー35の係合部35bが器具本体11の他端側の取付縁部16aに係合することにより、器具本体11に対して補助機能付光源部12の長手方向の位置が位置決めされる。
【0041】
筐体54の幅方向の一側面には、操作部76に臨んで操作窓81が形成され、この操作窓81を開閉する蓋82がねじ83で着脱可能に取り付けられている。蓋82を外すことにより、メモリカードスロッド77に対するメモリカードの着脱や、各種ボタンの操作による設定が可能となる。
【0042】
また、補助機能ユニット31側と光源ユニット30側とに亘って例えば電線である配線90が配線されている。配線90には、器具本体11の端子台21に入力される電力を補助機能用電源53に供給する電力供給線91が少なくとも含まれ、さらに回路部75と外部とが有線で通信する場合に用いられる信号線92が含まれる。
【0043】
電力供給線91は、一端側が保持機能用電源53の電源入力部に接続され、光源ユニット30側に対向する保持機能用電源53の端面側から引き出され、他端側が光源ユニット30の背面側に配線され、他端側の先端にコネクタ93が接続されている。コネクタ93は、器具本体11の端子台21に接続された電力供給線22のコネクタ23と着脱可能に接続される。
【0044】
電力供給線91は、光源ユニット30側に対向する保持機能用電源53の端面側で幅方向の一側から引き出された後に保持機能用電源53の端面に沿って上方に屈曲されて、幅方向の他側のユニット取付部59の折曲部60の上面側に導かれ、光源ユニット30側に向けて配線される。ユニット取付部59の折曲部60の上面側に導かれた電力供給線91は、保持具である結束バンド94によりユニット取付部59に保持される。結束バンド94は、ユニット取付部59の保持孔62に挿通されるとともに折曲部60の保持溝63に係合され、電力供給線91をユニット取付部59の折曲部60の上面に沿って接触するように締め付けて保持する。
【0045】
ユニット取付部59および結束バンド94により、電力供給線91を保持する配線保持部95が構成されている。配線保持部95は、図6ないし図8に示すように、電力供給線91を取付ばね37の引掛部37bの可動域(コイル部37aを中心とする回動域)の外側に保持するとともに、図4ないし図6に示すように、電力供給線91を光源ユニット30よりも器具本体11側に突出した位置に保持する。
【0046】
具体的には、配線保持部95は、光源ユニット30側に対向する保持機能用電源53の端面側で幅方向の一側から引き出された電力供給線91を、保持機能用電源53の端面に沿って上方に屈曲させ、幅方向の他側のユニット取付部59の折曲部60の上面側に導くことで、取付ばね37の引掛部37bの先端側の回動域の外側でかつ引掛部37bの幅方向の側方に位置されるように保持する。
【0047】
信号線92は、例えばLANケーブルなどが用いられ、一端側が回路部75の通信部に接続され、光源ユニット30側に対向する回路部75の端面側から引き出され、他端側が光源ユニット30の背面側に配線され、他端側の先端にコネクタ96が接続されている。コネクタは94、器具本体11に引き込まれる外部からの通信線と着脱可能にコネクタ接続される。
【0048】
信号線92は、光源ユニット30側に対向する回路部75の端面側で幅方向の一側から引き出された後に保持機能用電源53の端面に沿って上方に屈曲されて、幅方向の一側のユニット取付部59の折曲部60の上面側に導かれ、光源ユニット30側に向けて配線される。ユニット取付部59の折曲部60の上面側に導かれた信号線92は、保持具である結束バンド94によりユニット取付部59に保持される。結束バンド94は、ユニット取付部59の保持孔62に挿通されるとともに折曲部60の保持溝63に係合され、信号線92をユニット取付部59の折曲部60の上面に沿って接触するように締め付けて保持する。
【0049】
したがって、信号線92についても電力供給線91と同様に、配線保持部95は、光源ユニット30側に対向する回路部75の端面側で幅方向の一側から引き出された信号線92を、保持機能用電源53の端面に沿って上方に屈曲させ、幅方向の一側のユニット取付部59の折曲部60の上面側に導くことで、取付ばね37の引掛部37bの先端側の回動域の外側でかつ引掛部37bの幅方向の側方に位置されるように保持する。
【0050】
光源ユニット30側に導かれた電力供給線91および通信線92の他端側は、フリーな状態とし、電力供給線91と器具本体11の端子台21に接続された電力供給線22との接続や、信号線92と器具本体11内に引き込まれた外部からの通信線との接続を容易に行えるようにしている。
【0051】
また、補助機能ユニット31は、器具本体11に補助機能付光源部12を取り付けた際に、器具本体11側に吸着して支持する吸着部98を備えている。吸着部98は、電源ケース78の上面に配設されてり、磁石を備え、器具本体11の天板部15の下面に直接、または器具本体11に取り付けられた磁性体に接触することで磁石の磁力により吸着し、器具本体11に補助機能ユニット31を支える。吸着部98は器具本体11側と接触するため、補助機能ユニット31の補助機能デバイス52や補助機能用電源53が発生する熱を器具本体11に逃し、補助機能ユニット31の温度上昇を抑制できる。
【0052】
そして、照明装置10の施工について説明する。
【0053】
天井面から引き出された電源線を配線孔19から器具本体11の下面側に引き込み、また有線で通信する場合には外部からの通信線を器具本体11の下面側に引き込み、器具本体11を天井面に取り付ける。器具本体11の取り付けは、天井面から突出する2本の吊ボルトに取付孔20を通してナットで締め付け固定するか、取付孔20を通じて天井面にねじ止めする。器具本体11の下面側に引き込んだ電源線は、端子台21に電気的に接続する。
【0054】
光源ユニット30の2つの取付ばね37の引掛部37bをばね力に抗して引き起こし、器具本体11の各ばね受部材25に引っ掛けることにより、2つの取付ばね37によって光源ユニット30(補助機能付光源部12)を器具本体11の下方に離反した仮吊り状態とする(図4参照)。この仮吊り状態で、器具本体11の光源用電源24からの点灯電力供給線と光源ユニット30の光源モジュール34からの点灯電力供給線とをコネクタ接続するとともに、器具本体11の端子台21に接続された電力供給線22と補助機能ユニット31の補助機能用電源53からの電力供給線91とをコネクタ接続し、また有線で通信する場合に器具本体11内に引き込まれている外部からの信号線と補助機能ユニット31の回路部75からの信号線92とをコネクタ接続する。
【0055】
その後、光源ユニット30を器具本体11へ向けて押し上げることにより、光源ユニット30の2つの取付ばね37のばね力が作用し、光源ユニット30を器具本体11に引き上げる。そして、光源ユニット30および補助機能ユニット31の上部側が器具本体11の下面開口から内部に進入し、光源ユニット30の当接部35aが器具本体11の取付縁部16aに当接することで、光源ユニット30が器具本体11に取り付けられる。
【0056】
このとき、取付ばね37の引掛部37bは、ばね受部材25に係合した状態で、光源ユニット30の背面側に接近するように可動し、この可動域の近くに電力供給線91および信号線92が配置されているが、電力供給線91および信号線92は配線保持部95により取付ばね37の引掛部37bの可動域の外側に保持されているため、取付ばね37の引掛部37bが電力供給線91や信号線92に接触したり引っ掛かったりすることなく正常に可動し、光源ユニット30を器具本体11に取り付けることができる。
【0057】
さらに、電力供給線91および信号線92は光源ユニット30の当接部35aと器具本体11の取付縁部16aとの間に挟み込む虞があるが、電力供給線91および信号線92は配線保持部95により光源ユニット30の背面側よりも器具本体11側に突出した位置に保持されているため、電力供給線91および信号線92が光源ユニット30の当接部35aと器具本体11の取付縁部16aとの間に挟み込むのを抑制することができる。
【0058】
さらに、配線90として電力供給線91に加えて、信号線92を用いる場合には、配線保持部95により、電力供給線91と信号線92とを光源ユニット30の幅方向にするように保持するため、電力供給線91から信号線92へのノイズの影響を軽減することができる。
【0059】
また、光源ユニット30を器具本体11に取り付けると、補助機能ユニット31の吸着部98が器具本体11に吸着して取り付けられるため、光源ユニット30の一端側の外端部に補助機能ユニット31が片持ち状態で取り付けられる構造でも、補助機能ユニット31の一端側が垂れ下がるなどの位置ずれが生じるのが抑制される。
【0060】
そして、照明装置10に電源線を通じて交流電力が供給されると、光源用電源24が交流電力を所定の点灯電力に変換して、光源ユニット30の光源モジュール34に供給し、発光素子40が点灯する。
【0061】
さらに、補助機能ユニット31の補助機能用電源53が交流電力を所定の動作電力に変換して、補助機能デバイス52に供給し、補助機能デバイス52が動作する。補助機能デバイス52がカメラユニットである場合、撮像部74で下方域の被写体を撮影する。カメラユニットは、照明装置10に対する交流電力の入力中は常時撮影する。そして、撮像部74により撮影された映像のデータを記憶部に記憶し、記憶した映像のデータを通信部により外部に送信し、外部で映像の確認ができる。また、メモリカードスロッド77に装着されたメモリカードに撮像部74で撮影された映像のデータを記憶し、メモリカードスロッド77からメモリカードを取り出すことにより、外部で映像の確認ができる。
【0062】
また、照明装置10の点灯時には、光源ユニット30の光源モジュール34において複数の発光素子40が熱を発生し、この光源モジュール34の熱が光源シャーシ33や器具本体11に伝達されて放熱される。
【0063】
補助機能ユニット31では、補助機能デバイス52が、光源モジュール34と異なる高さ位置であって、光源モジュール34よりも下方に配置されるため、光源モジュール34からの熱が補助機能デバイス52に影響するのが低減され、補助機能デバイス52が所定の許容温度範囲内に保たれて安定して機能する。
【0064】
さらに、補助機能ユニット31は、補助機能デバイス52の上側に補助機能用電源53を配設するため、補助機能デバイス52に対する補助機能用電源53からの熱的影響も低減される。さらに、吸着部98を介して補助機能ユニット31の熱を器具本体11に逃し、補助機能ユニット31の温度上昇を抑制できる。
【0065】
そして、照明装置10においては、補助機能ユニット31が補助機能デバイス52と補助機能用電源53とを一体に備え、この補助機能ユニット31を光源ユニット30の長手方向の一端側の外端部に取り付けた構成であるため、器具本体11を長手方向に延伸することなく補助機能を備えることができる。
【0066】
さらに、補助機能ユニット31は光源ユニット30に対して交換可能であるため、補助機能ユニット31の不具合による交換や、光源ユニット30に対して付加する補助機能の種類に応じた装着または交換を容易にできる。
【0067】
さらに、補助機能ユニット31では、補助機能デバイス52と器具本体11との間に補助機能用電源53が配置されるように、補助機能用電源53と補助機能デバイス52とを上下に重ねて配置していることで、光源ユニット30の長手方向に対応した方向における補助機能ユニット31の小形化ができるため、ばね受部材25は既存の器具と同じ位置のままで、光源ユニット30の一端側の長さを短くして補助機能ユニット31を配設することができる。
【0068】
さらに、補助機能ユニット31は、光源ユニット30よりも器具本体11に対して反対側であって、光源ユニット30の光照射方向(下方)に突出されるため、補助機能デバイス52がカメラユニットのように外部からの光の影響を受ける虞がある場合でも、補助機能デバイス52が光源ユニット30からの光の影響を受けるのを低減できる。
【0069】
さらに、補助機能ユニット31は、補助機能用電源53の少なくとも一部が器具本体11内に配置されるため、光源ユニット30からの突出量を極力少なくでき、意匠性を向上できる。
【0070】
また、配線保持部95により、電力供給線91および信号線92は取付ばね37の引掛部37bの可動域の外側に保持されているため、取付ばね37の引掛部37bが電力供給線91や信号線92に接触したり引っ掛かったりすることなく正常に可動し、光源ユニット30を器具本体11に取り付けることができ、施工性が低下するのを防止できる。
【0071】
さらに、配線保持部95により、電力供給線91および信号線92は光源ユニット30の背面側よりも器具本体11側に突出した位置に保持されているため、電力供給線91および信号線92が光源ユニット30の当接部35aと器具本体11の取付縁部16aとの間に挟み込むのを抑制することができ、施工性が低下するのを防止できる。
【0072】
また、光源ユニット30を器具本体11に取り付けると、補助機能ユニット31の吸着部98が器具本体11に吸着して取り付けられるため、光源ユニット30の一端側の外端部に補助機能ユニット31が片持ち状態で取り付けられる構造でも、補助機能ユニット31の一端側が垂れ下がるなどの位置ずれが生じるのが抑制し、補助機能ユニット31を安定して機能させることができる。
【0073】
なお、上記実施形態の照明装置10において、光源用電源24は、器具本体11ではなく、光源ユニット30に配設してもよい。この場合、光源ユニット30に、光源用電源24および補助機能ユニット31が一体に配設されることになるため、器具本体11に対して光源ユニット30を交換することで、照明装置10が備える電気的構成部品を一式交換することができ、交換の作業性を向上できる。
【0074】
また、補助機能ユニット31は、カメラユニットに限らず、例えば、人体や明るさなどを検知するセンサユニット、停電時に点灯する非常灯ユニット、音を発するスピーカユニットなど、いずれでも構わない。
【0075】
また、照明装置10は、直付形照明装置以外に、埋込形照明装置、吊下げ形照明装置などでもよい。
【0076】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0077】
10 照明装置
11 器具本体
30 光源ユニット
31 補助機能ユニット
37 取付ばね
90 配線
95 配線保持部
図1
図2
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図8