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特開2024-95098海上浮遊体ユニットを連結させた海上浮遊体
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  • 特開-海上浮遊体ユニットを連結させた海上浮遊体 図1
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  • 特開-海上浮遊体ユニットを連結させた海上浮遊体 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095098
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】海上浮遊体ユニットを連結させた海上浮遊体
(51)【国際特許分類】
   B63B 35/00 20200101AFI20240703BHJP
   F03B 13/14 20060101ALI20240703BHJP
   B63B 35/44 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
B63B35/00 T
F03B13/14
B63B35/44 Z
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022212126
(22)【出願日】2022-12-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】517146024
【氏名又は名称】三橋 郁雄
(74)【代理人】
【識別番号】100148862
【弁理士】
【氏名又は名称】赤塚 正樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179811
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 良和
(72)【発明者】
【氏名】三橋 郁雄
【テーマコード(参考)】
3H074
【Fターム(参考)】
3H074AA02
3H074AA12
3H074BB16
3H074CC02
(57)【要約】
【課題】波力エネルギーなどの動揺エネルギーから電気エネルギーを生成する複数の発電装置を安全に海水面に浮かべることが可能な海上浮遊体、及びそれを形成するための海上浮遊体ユニットを提供する。
【解決手段】本発明に係る海上浮遊体ユニットは、内部に密閉された空間を有する棒状の浮体と、前記棒状体の両端に装着されているユニット連結部とを有する。本発明に係る海上浮遊体は、上記の海上浮遊体ユニットの少なくとも3つを有し、1つの海上浮遊体ユニットのユニット連結部と他の2つの海上浮遊体ユニットのユニット連結部が、それら3つの海上浮遊体ユニットの浮体により略正三角形の一部が形成されるように連結され、全体として平面又は曲面の構造体となっている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒状の浮体と、
前記浮体の両端に装着されているユニット連結部と
を有する
海上浮遊体ユニット。
【請求項2】
前記浮体が、筒状物の両端を2つのキャップで塞いだものであり、
前記2つのキャップのそれぞれにユニット連結部が装着されている
請求項1に記載の海上浮遊体ユニット。
【請求項3】
前記筒状物が、硬質ポリ塩化ビニル管である
請求項2に記載の海上浮遊体ユニット。
【請求項4】
前記浮体の長さが、0.5~3.0mである
請求項1に記載の海上浮遊体ユニット。
【請求項5】
前記ユニット連結部が、リング状である
請求項1に記載の海上浮遊体ユニット。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の海上浮遊体ユニットの少なくとも3つを有し、
1つの海上浮遊体ユニットのユニット連結部と他の2つの海上浮遊体ユニットのユニット連結部が、それら3つの海上浮遊体ユニットの浮体により略正三角形の一部が形成されるように連結され、全体として平面又は曲面の構造体となっている
海上浮遊体。
【請求項7】
前記海上浮遊体ユニットのユニット連結部が、交叉部材を介して連結されている
請求項6に記載の海上浮遊体。
【請求項8】
前記交叉部材が、リング状をなしている
請求項7に記載の海上浮遊体。
【請求項9】
前記リング状の交叉部材が、伸縮性ゴムで構成されている
請求項8に記載の海上浮遊体。
【請求項10】
アンカーに連結されるアンカー連結ユニット
をさらに有する
請求項6に記載の海上浮遊体。
【請求項11】
動揺エネルギーから電気エネルギーを生成する発電装置を有している
請求項6に記載の海上浮遊体。
【請求項12】
請求項11に記載の海上浮遊体を用いた海上電光掲示板。
【請求項13】
請求項11に記載の海上浮遊体を用いた動揺抑制装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、波力エネルギーなどの動揺エネルギーから電気エネルギーを生成する複数の発電装置を安全に海水面に浮かべることが可能な海上浮遊体、及びそれを形成するための海上浮遊体ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
海水面には常に波が形成されている。波の主な原因は風であると言われており、地球を取り巻く大気は循環していて海水面上では常に風が吹いているため、結果として海水面には常に波が形成されている。一方で、海水面に形成されている波は、エネルギー(波力エネルギー)を持っており、それを有効活用することが望まれている。特に、波力エネルギーは膨大かつ無尽蔵に存在し枯渇する心配がないことから、電気エネルギーに変換する波力発電装置の開発が望まれている。
【0003】
特許文献1には、波力エネルギーなどの動揺エネルギーを回転エネルギーに変換する動揺エネルギー変換装置であって、内部空間に流動体が移動可能に閉じ込められている本体と、前記本体が傾いて前記流動体が前記本体の内部空間を移動することで、一方向にのみ回転するように設置された回転体とを有する動揺エネルギー変換装置が記載されている。また、特許文献1には、波力エネルギーなどの動揺エネルギーを利用して発電する発電装置であって、上記の動揺エネルギー変換装置と、前記動揺エネルギー変換装置が有する回転体の回転エネルギーを電気エネルギーに変換する発電機とを有する発電装置が記載されている。
【0004】
特許文献2には、波力エネルギーなどの動揺エネルギーから電気エネルギーを生成する発電装置であって、内部空間に流動体が移動可能に閉じ込められているセル本体と、前記セル本体が傾いて前記流動体が前記セル本体の内部空間を移動することで一方向にのみ回転するように設置された回転体とを有する動揺エネルギー変換セルと、前記動揺エネルギー変換セルを格納するセル設置空間を有する波エネ容器と、前記回転体が回転する回転エネルギーを電気エネルギーに変換する発電機と、全体の重量を調整する重量調整機構とを有する発電装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第6327629号公報
【特許文献2】特許第6831153号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1~2に記載された発電装置1つで得られる電気エネルギーはそれほど多くないことから、実用的な量の電気エネルギーを得るためには多数の発電装置を海水面に浮かべる必要がある。また、発電装置が海流で流されないように、発電装置を海底に設置したアンカーに連結する必要もある。しかし、多数の発電装置を1つ1つアンカーに連結すると膨大なコストがかかるばかりか、また多数の発電装置が独立して動いてしまうことから互いに接触して壊れてしまう可能性もある。
【0007】
そこで、本発明は、波力エネルギーなどの動揺エネルギーから電気エネルギーを生成する複数の発電装置を安全に海水面に浮かべることが可能な海上浮遊体、及びそれを形成するための海上浮遊体ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る海上浮遊体ユニットは、
棒状の浮体と、
前記浮体の両端に装着されているユニット連結部と
を有する。
【0009】
本発明に係る海上浮遊体は、
上記の海上浮遊体ユニットの少なくとも3つを有し、
1つの海上浮遊体ユニットのユニット連結部と他の2つの海上浮遊体ユニットのユニット連結部が、それら3つの海上浮遊体ユニットの浮体により略正三角形の一部が形成されるように連結され、全体として平面又は曲面の構造体となっている。
【0010】
本発明に係る海上浮遊体を用いることで、海上電光掲示板や動揺抑制装置を形成することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、波力エネルギーなどの動揺エネルギーから電気エネルギーを生成する複数の発電装置を安全に海水面に浮かべることが可能な海上浮遊体、及びそれを形成するための海上浮遊体ユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係る海上浮遊体ユニットの構造を示す模式図であり、(a)は正面図、(b)は平面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る海上浮遊体の構造を示す模式的平面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る海上浮遊体を海水面に浮かせた状態を示す模式的正面図である。
図4】本発明の一実施形態に係る海上浮遊体を用いた海上電光掲示板を示す模式的平面図である。
図5】本発明の一実施形態に係る海上浮遊体を用いた動揺抑制装置を示す模式的平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係る海上浮遊体ユニットの構造例を図1図1(a):正面図、図1(b)):平面図)に示す。図1に示す海上浮遊体ユニット10は、筒状物11の両端を2つのキャップ12で塞いだ棒状の浮体と、2つのキャップ12のそれぞれに装着されているリング状のユニット連結部13とを有している。
【0014】
浮体は、棒状の形状をなしており、海水面に浮くものであればよい。棒状の外観形状としては、断面が円である円柱状、断面が楕円である楕円柱状、断面が三角形、四角形、五角形、六角形などの多角形である角柱状のいずれでもよいが、製造の容易さから円柱状が好ましい。海水面に浮かせるため、浮体の内部は空洞になっていることが好ましく、より具体的には、図1に示すように筒状物11(図1は円筒)の両端を2つのキャップ12で塞いだ構造であることが好ましい。筒状物11としては、例えば、硬質ポリ塩化ビニル管を用いることができる。
【0015】
あるいは、浮体として、波力エネルギーなどの動揺エネルギーから電気エネルギーを生成する発電装置を用いることもできる。発電装置の具体例としては、特許文献1に記載されているような、波力エネルギーなどの動揺エネルギーを回転エネルギーに変換する動揺エネルギー変換装置と、その動揺エネルギー変換装置が有する回転体の回転エネルギーを電気エネルギーに変換する発電機とを有する発電装置が挙げられる。動揺エネルギー変換装置の具体例としては、特許文献1に記載されているような、内部空間に流動体が移動可能に閉じ込められている本体と、その本体が傾いて流動体が本体の内部空間を移動することで、一方向にのみ回転するように設置された回転体とを有する動揺エネルギー変換装置が挙げられる。なお、この発電装置による発電メカニズムは、特許文献1に記載されている。
【0016】
棒状の浮体の長さは、海上浮遊体ユニットを用いて形成する海上浮遊体の大きさ等を考慮して適宜設定すればよいが、0.5~3.0mであることが好ましく、0.8~2.0mであることがより好ましく、1.0~1.5mであることがさらに好ましい。棒状の浮体の太さ(断面が円の場合は円の直径、それ以外の場合は最小外接円の直径)は、海水面に浮かせること等を考慮して適宜設定すればよいが、5~50cmであることが好ましく、10~30cmであることがより好ましい。
【0017】
浮体の両端には、ユニット連結部13が装着されている。ユニット連結部13は、複数の海上浮遊体ユニット10を直接又は他の部材を介して互いに連結するための部材である。図1に示すように、筒状物11の両端を2つのキャップ12で塞いだ浮体の場合、2つのキャップ12のそれぞれにユニット連結部13が装着されていることが好ましい。ユニット連結部13は、例えば金属で形成されており、リング状をなしていることが好ましい。リング状のユニット連結部13は、固定式でもよいし、リングの一部が開閉可能な開閉式でもよい。リング状のユニット連結部13の直径は、5~20cmであることが好ましく、8~15cmであることがより好ましい。
【0018】
海上浮遊体ユニット10は、海上浮遊体を形成するためのものである。本発明に係る海上浮遊体ユニット10で形成された海上浮遊体の構造例を図2(平面図)に示す。図2の海上浮遊体1は、12個の海上浮遊体ユニット10で形成されている。より具体的には、1つの海上浮遊体ユニット10のユニット連結部13と他の2つの海上浮遊体ユニット10のユニット連結部13が、それら3つの海上浮遊体ユニット10の浮体により略正三角形の一部が形成されるように、交叉部材20を介して連結されており、全体として平面又は曲面の構造体である海上浮遊体1が形成されている。なお、海上浮遊体1は、基本的に平面の構造体となっているが、海上浮遊体1を形成する海上浮遊体ユニット10の連結には「遊び」が存在することから、完全な平面ではなく一部が歪んだ曲面の構造体となってる場合がある。
【0019】
海上浮遊体1は、少なくとも3つの海上浮遊体ユニット10を有している必要がある。海上浮遊体1が有する海上浮遊体ユニット10の数は、目的に応じて、3~1000から選択される整数とすることができる。そして、そのうち3つの海上浮遊体ユニット10のユニット連結部13が、それら3つの海上浮遊体ユニット10の浮体により略正三角形の一部が形成されるように連結される。海上浮遊体1が3つより多くの海上浮遊体ユニット10を有する場合は、上記と同様に形成される略正三角形が隣り合って連続するように、各ユニット連結部13が連結される。こうすることで、連結する海上浮遊体ユニット10の数を増減させることで海上浮遊体1の上方からみた面積や形状を、かなり自由に調整することができる。なお、「略正三角形」とは、3つの海上浮遊体ユニット10が環状になるように、それらのユニット連結部13が連結された状態における、海上浮遊体ユニット10の浮体が一辺をなす三角形の形状を言う。
【0020】
少なくとも3つの海上浮遊体ユニット10のユニット連結部13同士の連結は、直接でもよいが、図2のように交叉部材20を介して連結されていることが好ましい。交叉部材20を介して連結されていれば、その分だけ海上浮遊体ユニット10の連結に「遊び」ができることから、波(特に大きい波)に対する海上浮遊体1の耐性が高まる。交叉部材20は、リング状をなしていることが好ましく、そのリング状の交叉部材20が伸縮性ゴムで構成されていれば、海上浮遊体ユニット10の連結の「遊び」がより柔軟になり、波(特に大きい波)に対する海上浮遊体1の耐性がより高まる。リング状のユニット連結部13の直径は、5~30cmであることが好ましく、10~20cmであることがより好ましい。
【0021】
海上浮遊体1は、海流で流されないように、通常、海底に設置されたアンカーに連結されることから、そのためのアンカー連結ユニットをさらに有することが好ましい。図2の海上浮遊体1を海水面Sに浮かせた状態を図3に示すように、海上浮遊体1には、アンカー連結ユニットとして、ロープ41及び緊結装置接続部42を介して緊結装置40が連結されている。緊結装置接続部42は、例えば金属で形成されており、リング状をなしていることが好ましい。リング状の緊結装置接続部42は、固定式でもよいし、リングの一部が開閉可能な開閉式でもよい。ロープ41は、海上浮遊体1とアンカー連結ユニット(緊結装置接続部42)との「遊び」を確保するため、伸縮性を有するロープが好ましい。
【0022】
そして、図3に示すように、緊結装置40は、ロープ51を介して海底Bに設置されたアンカー50に連結されており、緊結装置40を調整することで、ロープ51を緩めたり固定したりすることができる。緊結装置40とアンカー50は、ロープ51を二重にして連結されていることが好ましい。二重のロープ51で連結させることで、ロープを回収・取り替えすることが可能となる。ロープ51は、アンカー連結ユニット(緊結装置40)とアンカー50との「遊び」を確保するため、伸縮性を有するロープが好ましい。
【0023】
海上浮遊体1は、波力エネルギーなどの動揺エネルギーから電気エネルギーを生成する発電装置を有していることが好ましい。発電装置としては、前述の浮体となる発電装置を有していてもよく、図2及び図3に示すように、海上浮遊体1の周囲に発電装置30が連結されていてもよい。より具体的には、図2及び図3に示す海上浮遊体1においては、12個の海上浮遊体ユニット10で形成されている海上浮遊体1の周囲に存在する6個の交叉部材20に、ロープ31を介して発電装置30の発電装置連結部32が連結されている。発電装置連結部32は、例えば金属で形成されており、リング状をなしていることが好ましい。リング状の発電装置連結部32は、固定式でもよいし、リングの一部が開閉可能な開閉式でもよい。ロープ31は、海上浮遊体1と発電装置30(発電装置連結部32)との「遊び」を確保するため、伸縮性を有するロープが好ましい。
【0024】
発電装置30としては、例えば、特許文献2に記載された発電装置が挙げられる。特許文献2に記載された発電装置は、内部空間に流動体が移動可能に閉じ込められているセル本体と、前記セル本体が傾いて前記流動体が前記セル本体の内部空間を移動することで一方向にのみ回転するように設置された回転体とを有する動揺エネルギー変換セルと、前記動揺エネルギー変換セルを格納するセル設置空間を有する波エネ容器と、前記回転体が回転する回転エネルギーを電気エネルギーに変換する発電機と、全体の重量を調整する重量調整機構とを有する。なお、この発電装置による発電メカニズムは、特許文献2に記載されている。
【0025】
このように、海上浮遊体1が、波力エネルギーなどの動揺エネルギーから電気エネルギーを生成する発電装置を有していれば、海上浮遊体1が浮いている海水面に存在する波が有する波力エネルギーにより発電することができる。そして、例えば、海上浮遊体1が、前述の浮体となる発電装置を有している場合は、3つの浮体により略正三角形の一部が形成されるように連結されているため、複数の浮体(発電装置)が互いに接触して壊れてしまうことを防止することができる。また、例えば、海上浮遊体1の周囲に発電装置30が連結されている場合は、複数の発電装置30を離れた位置に連結させることができるため、複数の発電装置30が互いに接触して壊れてしまうことを防止することができる。したがって、本発明に係る海上浮遊体1を用いることで、波力エネルギーなどの動揺エネルギーから電気エネルギーを生成する複数の発電装置を安全に海水面に浮かべることが可能となる。
【0026】
海上浮遊体1が有する発電装置で発電した電力は、例えば、海上で行う工事用の電力として使用することができる。あるいは、図4に示すように、海上浮遊体1の表面に電光掲示板Eを設置して、そこに発電した電力を供給することで、海上電光掲示板とすることもできる。この海上電光掲示板では、例えば、救助を求める際の「SOS」サインを表示したり、飛行機の乗客から見えるように広告を表示したりすることもできる。
【0027】
さらに、海上浮遊体1が、波力エネルギーなどの動揺エネルギーから電気エネルギーを生成する発電装置を有している場合、海上に存在する波の波力エネルギーの一部が電気エネルギーに変換されることから、理論上、波の波力エネルギーが小さくなる、すなわち波の動揺が弱まるはずである。そこで、図5に示すように、波の動揺を弱めたい動揺抑制対象領域Aの周囲を囲むように海上浮遊体1を設置することで、動揺抑制装置とすることができる。波の動揺を弱めたい領域としては、例えば、洋上風力発電機の設置場所や、海底火山島が誕生した場所などが挙げられる。
【0028】
以上のような本発明に係る海上浮遊体であれば、波力エネルギーなどの動揺エネルギーから電気エネルギーを生成する複数の発電装置を安全に海水面に浮かべることが可能となり、それを形成するための海上浮遊体ユニットを提供することができる。そして、本発明に係る海上浮遊体を用いることで、海上電光掲示板や動揺抑制装置を形成することができる。
【符号の説明】
【0029】
1 海上浮遊体
10 海上浮遊体ユニット
11 筒状物
12 キャップ
13 ユニット連結部
20 交叉部材
30 発電装置
31 ロープ
32 発電装置連結部
40 緊結装置
41 ロープ
42 緊結装置連結部
50 アンカー
51 ロープ
B 海底
S 海水面
E 電光掲示板
A 動揺抑制対象領域
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2023-03-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒状の浮体と、前記浮体の両端に装着されているユニット連結部とを有する海上浮遊体ユニットの少なくとも3つを有し、
1つの海上浮遊体ユニットのユニット連結部と他の2つの海上浮遊体ユニットのユニット連結部が、それら3つの海上浮遊体ユニットの浮体により略正三角形の一部が形成されるように、伸縮性ゴムで構成されているリング状の交叉部材を介して連結され、全体として平面又は曲面の構造体となっている
海上浮遊体。
【請求項2】
前記浮体が、筒状物の両端を2つのキャップで塞いだものであり、
前記2つのキャップのそれぞれにユニット連結部が装着されている
請求項1に記載の海上浮遊体。
【請求項3】
前記筒状物が、硬質ポリ塩化ビニル管である
請求項2に記載の海上浮遊体。
【請求項4】
前記浮体の長さが、0.5~3.0mである
請求項1に記載の海上浮遊体。
【請求項5】
前記ユニット連結部が、リング状である
請求項1に記載の海上浮遊体。
【請求項6】
アンカーに連結されるアンカー連結ユニット
をさらに有する
請求項に記載の海上浮遊体。
【請求項7】
動揺エネルギーから電気エネルギーを生成する発電装置を有している
請求項に記載の海上浮遊体。
【請求項8】
請求項に記載の海上浮遊体を用いた海上電光掲示板。
【請求項9】
請求項に記載の海上浮遊体を用いた動揺抑制装置。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
そこで、本発明は、波力エネルギーなどの動揺エネルギーから電気エネルギーを生成する複数の発電装置を安全に海水面に浮かべることが可能な海上浮遊体を提供することを目的とする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本発明に係る海上浮遊体は、
棒状の浮体と、前記浮体の両端に装着されているユニット連結部とを有する海上浮遊体ユニットの少なくとも3つを有し、
1つの海上浮遊体ユニットのユニット連結部と他の2つの海上浮遊体ユニットのユニット連結部が、それら3つの海上浮遊体ユニットの浮体により略正三角形の一部が形成されるように、伸縮性ゴムで構成されているリング状の交叉部材を介して連結され、全体として平面又は曲面の構造体となっている。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
本発明によれば、波力エネルギーなどの動揺エネルギーから電気エネルギーを生成する複数の発電装置を安全に海水面に浮かべることが可能な海上浮遊体を提供することができる。