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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095102
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】作業車両
(51)【国際特許分類】
   B60K 11/04 20060101AFI20240703BHJP
   B60K 8/00 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
B60K11/04 B
B60K11/04 E
B60K11/04 F
B60K8/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022212141
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110003041
【氏名又は名称】安田岡本弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】森田 篤士
(72)【発明者】
【氏名】石見 憲一
(72)【発明者】
【氏名】坂野 倫祥
(72)【発明者】
【氏名】高木 剛
(72)【発明者】
【氏名】南出 裕喜
(72)【発明者】
【氏名】網谷 幸大
(72)【発明者】
【氏名】高木 貴大
(72)【発明者】
【氏名】林 洋祐
(72)【発明者】
【氏名】大西 哲平
(72)【発明者】
【氏名】風間 勇
(72)【発明者】
【氏名】松井 謙史朗
(72)【発明者】
【氏名】石原 健二
【テーマコード(参考)】
3D038
3D235
【Fターム(参考)】
3D038AA05
3D038AA10
3D038AB06
3D038AB09
3D038AC10
3D235AA14
3D235AA19
3D235BB45
3D235CC12
3D235CC15
3D235CC23
3D235DD24
3D235FF25
3D235HH02
(57)【要約】
【課題】燃料電池の出力安定性の良好な作業車両を提供する。
【解決手段】車体と、前記車体を走行可能に支持する走行装置と、前記走行装置を駆動する駆動モータと、前記駆動モータに電力を供給する燃料電池と、前記駆動モータを含む発熱部品の冷却流路に循環させる冷媒を外部空気との熱交換により冷却する第1ラジエータ装置と、前記燃料電池の冷却流路に循環させる冷媒を外部空気との熱交換により冷却する第2ラジエータ装置と、前記燃料電池、前記第1ラジエータ装置、および前記第2ラジエータ装置を覆うハウジングと、前記ハウジングの内部に導入される前記第1ラジエータ装置の熱交換用の空気を、前記燃料電池に通過させて前記ハウジングの外部に導出させる第1流路と、前記ハウジングの内部に導入される前記第2ラジエータ装置の熱交換用の空気を、前記燃料電池に通過させて前記ハウジングの外部に導出させる第2流路と、を備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体と、
前記車体を走行可能に支持する走行装置と、
前記走行装置を駆動する駆動モータと、
前記駆動モータに電力を供給する燃料電池と、
前記駆動モータを含む電装品の冷却流路に循環させる冷媒を外部空気との熱交換により冷却する第1ラジエータ装置と、
前記燃料電池の冷却流路に循環させる冷媒を外部空気との熱交換により冷却する第2ラジエータ装置と、
前記燃料電池、前記第1ラジエータ装置、および前記第2ラジエータ装置を覆うハウジングと、
前記ハウジングの内部に導入される前記第1ラジエータ装置の熱交換用の空気を、前記燃料電池に通過させて前記ハウジングの外部に導出させる第1流路と、
前記ハウジングの内部に導入される前記第2ラジエータ装置の熱交換用の空気を、前記燃料電池に通過させて前記ハウジングの外部に導出させる第2流路と、を備えている作業車両。
【請求項2】
前記第1流路は、前記ハウジングの外部の冷気を、前記燃料電池に通過させて前記第1ラジエータ装置に導く第1冷気流路を有し、
前記第2流路は、前記ハウジングの外部の冷気を、前記燃料電池に通過させて前記第2ラジエータ装置に導く第2冷気流路を有している請求項1に記載の作業車両。
【請求項3】
前記第1流路は、前記第1ラジエータ装置によって熱交換された後の暖気を前記ハウジングの外部に導く第1暖気流路を有し、
前記第2流路は、前記第2ラジエータ装置によって熱交換された後の暖気を前記ハウジングの外部に導く第2暖気流路を有している請求項2に記載の作業車両。
【請求項4】
前記ハウジングは、
前記第1冷気流路に前記冷気を導入する第1給気孔と、
前記第2冷気流路に前記冷気を導入する第2給気孔と、
前記第1暖気流路から前記暖気を導出する第1排気孔と、
前記第2暖気流路から前記暖気を導出する第2排気孔と、を有し、
前記第1給気孔および前記第2給気孔は、前記ハウジングにおける前後方向の中間部に設けられ、
前記第1排気孔は、前記ハウジングの前部に設けられ、
前記第2排気孔は、前記ハウジングの後部に設けられている請求項3に記載の作業車両。
【請求項5】
前記車体に搭載されるキャビンを備え、
前記第2排気孔は、前記キャビンの前方下部に設けられている請求項4に記載の作業車両。
【請求項6】
前記第1流路は、前記第1ラジエータ装置によって熱交換された後の暖気を、前記燃料電池に通過させて前記ハウジングの外部に導く第1暖気流路を有し、
前記第2流路は、前記第2ラジエータ装置によって熱交換された後の暖気を、前記燃料電池に通過させて前記ハウジングの外部に導く第2暖気流路を有している請求項1に記載の作業車両。
【請求項7】
前記第1流路は、前記ハウジングの外部の冷気を、前記燃料電池に通過させる前に前記第1ラジエータ装置に導く第1冷気流路を有し、
前記第2流路は、前記ハウジングの外部の冷気を、前記燃料電池に通過させる前に前記第2ラジエータ装置に導く第2冷気流路を有している請求項6に記載の作業車両。
【請求項8】
前記ハウジングは、
前記第1冷気流路に前記冷気を導入する第1給気孔と、
前記第2冷気流路に前記冷気を導入する第2給気孔と、
前記第1暖気流路から前記暖気を導出する第1排気孔と、
前記第2暖気流路から前記暖気を導出する第2排気孔と、を有し、
前記第1給気孔は、前記ハウジングの前部に設けられ、
前記第2給気孔は、前記ハウジングの後部に設けられ、
前記第1排気孔および前記第2排気孔は、前記ハウジングにおける前後方向の中間部に設けられている請求項7に記載の作業車両。
【請求項9】
前記車体に搭載されるキャビンを備え、
前記第2給気孔は、前記キャビンの前方下部に設けられている請求項8に記載の作業車両。
【請求項10】
前記第1ラジエータ装置は、前記ハウジングの内部における前記燃料電池の前方位置に並設され、
前記第2ラジエータ装置は、前記ハウジングの内部における前記燃料電池の後方位置に並設されている請求項1~9のいずれか1項に記載の作業車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池から供給された電力で駆動する作業車両に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、脱炭素化を実現するため、水素を燃料とする燃料電池から供給された電力で駆動する燃料電池式の作業車両の開発が進んでいる。一般に、この種の作業車両は、車両全体の構成を一から設計するのではなく、既存のエンジン駆動式の作業車両の構成を用いて、エンジンを燃料電池に置き換える手段が多く採用されている。特許文献1に開示されたトラクタ(作業車両)は、走行用電気モータと、走行用電気モータに電力を供給する燃料電池と、を備えている。
【0003】
この種の作業車両に用いられる燃料電池は、高い発電効率を安定して得られるよう、内部温度を所定の温度範囲内に維持する必要がある。一方で、この種の作業車両は、燃料電池以外に、走行用電気モータや電装品など冷却が求められる発熱部品も搭載されている。従って、この種の作業車両では、燃料電池と他の発熱部品とを個別に温度調整できるよう、車体内部に複数のラジエータが搭載される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-225577号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記作業車両のように、車体内部に複数のラジエータが搭載されていると、車体外部から各ラジエータの配設部に導かれる冷気と各ラジエータを通過した後の暖気とが互いに干渉し合って、各ラジエータの熱交換効率を低下させる場合がある。その結果、燃料電池の内部温度が適切に調整されず、発電効率の低下を招く虞があった。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであって、燃料電池の発電効率の安定性に優れた作業車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。
【0008】
本発明の一態様に係る作業車両は、車体と、前記車体を走行可能に支持する走行装置と、前記走行装置を駆動する駆動モータと、前記駆動モータに電力を供給する燃料電池と、前記駆動モータを含む発熱部品の冷却流路に循環させる冷媒を外部空気との熱交換により冷却する第1ラジエータ装置と、前記燃料電池の冷却流路に循環させる冷媒を外部空気との熱交換により冷却する第2ラジエータ装置と、前記燃料電池、前記第1ラジエータ装置、および前記第2ラジエータ装置を覆うハウジングと、前記ハウジングの内部に導入される前記第1ラジエータ装置の熱交換用の空気を、前記燃料電池に通過させて前記ハウジングの外部に導出させる第1流路と、前記ハウジングの内部に導入される前記第2ラジエータ装置の熱交換用の空気を、前記燃料電池に通過させて前記ハウジングの外部に導出させる第2流路と、を備えている。
【0009】
前記第1流路は、前記ハウジングの外部の冷気を、前記燃料電池に通過させて前記第1ラジエータ装置に導く第1冷気流路を有し、前記第2流路は、前記ハウジングの外部の冷気を、前記燃料電池に通過させて前記第2ラジエータ装置に導く第2冷気流路を有してもよい。
【0010】
前記第1流路は、前記第1ラジエータ装置によって熱交換された後の暖気を前記ハウジングの外部に導く第1暖気流路を有し、前記第2流路は、前記第2ラジエータ装置によって熱交換された後の暖気を前記ハウジングの外部に導く第2暖気流路を有してもよい。
【0011】
前記ハウジングは、前記第1冷気流路に前記冷気を導入する第1給気孔と、前記第2冷気流路に前記冷気を導入する第2給気孔と、前記第1暖気流路から前記暖気を導出する第1排気孔と、前記第2暖気流路から前記暖気を導出する第2排気孔と、を有し、前記第1給気孔および前記第2給気孔は、前記ハウジングにおける前後方向の中間部に設けられ、前記第1排気孔は、前記ハウジングの前部に設けられ、前記第2排気孔は、前記ハウジングの後部に設けられてもよい。
【0012】
前記車体に搭載されるキャビンを備え、前記第2排気孔は、前記キャビンの前方下部に設けられてもよい。
【0013】
前記第1流路は、前記第1ラジエータ装置によって熱交換された後の暖気を、前記燃料電池に通過させて前記ハウジングの外部に導く第1暖気流路を有し、前記第2流路は、前記第2ラジエータ装置によって熱交換された後の暖気を、前記燃料電池に通過させて前記ハウジングの外部に導く第2暖気流路を有してもよい。
【0014】
前記第1流路は、前記ハウジングの外部の冷気を、前記燃料電池に通過させる前に前記第1ラジエータ装置に導く第1冷気流路を有し、前記第2流路は、前記ハウジングの外部の冷気を、前記燃料電池に通過させる前に前記第2ラジエータ装置に導く第2冷気流路を有してもよい。
【0015】
前記ハウジングは、前記第1冷気流路に前記冷気を導入する第1給気孔と、前記第2冷気流路に前記冷気を導入する第2給気孔と、前記第1暖気流路から前記暖気を導出する第1排気孔と、前記第2暖気流路から前記暖気を導出する第2排気孔と、を有し、前記第1給気孔は、前記ハウジングの前部に設けられ、前記第2給気孔は、前記ハウジングの後部に設けられ、前記第1排気孔および前記第2排気孔は、前記ハウジングにおける前後方向の中間部に設けられてもよい。
【0016】
前記車体に搭載されるキャビンを備え、前記第2給気孔は、前記キャビンの前方下部に設けられてもよい。
【0017】
前記第1ラジエータ装置は、前記ハウジングの内部における前記燃料電池の前方位置に並設され、前記第2ラジエータ装置は、前記ハウジングの内部における前記燃料電池の後方位置に並設されてもよい。
【発明の効果】
【0018】
上記作業車両によれば、2つのラジエータ装置の熱交換用空気同士の干渉を回避できるから、燃料電池の発電効率の安定性が格段に向上する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の作業車両の左側方視図である。
図2】本発明の作業車両の上方視図である。
図3】本発明の作業車両の基本構成を示すブロック図である。
図4】第1の実施形態の燃料電池周辺の側方視概略構成図である。
図5】第2の実施形態の燃料電池周辺の上方視概略構成図である。
図6】第3の実施形態の燃料電池周辺の側方視概略構成図である。
図7】第4の実施形態の燃料電池周辺の上方視概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。本実施形態の作業車両1は、トラクタであり、且つ燃料電池で発生した電力を用いて駆動するFCV(Fuel Cell Vehicle)の一種である。尚、本発明に係る作業車両1は、トラクタに限定されない。例えば、本発明に係る作業車両1は、トラクタ以外の農業機械、建設機械、ユーティリティビークル等であってもよい。
【0021】
以下、作業車両1が前進後退する方向(図1図2の矢視X1,X2方向)を前後方向、作業車両1が前進後退する方向に対して水平に直交する方向(図1の手前側奥側方向、図2の矢視Y1,Y2方向)を左右方向、作業車両1が前進後退する方向に対して垂直に直交する方向(図1の矢視Z1,Z2方向、図2の手前側奥側方向)を上下方向として説明する。
【0022】
<第1の実施形態>
図1図2に示すように、作業車両1は、車体2と、車体2に設けられた運転席P1の周囲を覆うキャビン3と、車体2を走行可能に支持する走行装置4と、水素ガスを貯蔵する水素タンク5と、水素ガスをエネルギー源として走行装置4を駆動させる駆動装置6と、を備えている。図1図3に示すように、駆動装置6は、走行装置4を駆動する駆動モータ7と、水素ガスにより発電し、駆動モータ7に電力を供給する燃料電池スタック(燃料電池)8と、燃料電池スタック8から供給される電力を貯留するバッテリユニット9と、を有している。
【0023】
車体2は、金属製のフレーム材などを組み合わせて形成されており、キャビン3、走行装置4、および駆動装置6を支持している。図1図2に示すように、車体2は、固定フレーム10を備えている。キャビン3は、車体2の上部後寄りの位置に設けられている。燃料電池スタック8は、車体2の上部前寄りの位置に設けられ、且つボンネット11の内部に収容されている。即ち、燃料電池スタック8は、運転席P1の前方位置に設けられ、且つ車両前部のハウジング(ボンネット11)により覆われている。固定フレーム10の上部には、水素タンク5を収容するタンクケース12が設けられている。図示しないが、車体2の後部には、水素タンク5に水素ガスを充填する際に、車両外部に設置された水素ガス供給機のガス充填ノズルを接続するガス充填口(レセプタクル)13が設けられている。
【0024】
図1に示すように、固定フレーム10は、車体2の上部に立設されている。固定フレーム10は、長軸状の管体であり、キャビン3およびボンネット11を跨ぐように車体2の上方へ湾曲するアーチ状に形成されている。詳しくは、固定フレーム10は、前端が車体2におけるボンネット11の前下方位置に連結され、後端が車体2におけるキャビン3の後下方位置に連結されている。尚、固定フレーム10は、ボンネット11の後方位置においてキャビン3を跨ぐように車体2の上方へ湾曲するアーチ状に形成されてもよい。
【0025】
図2に示すように、固定フレーム10は、ボンネット11を挟んで左右両側方位置に一対並設されており、タンクケース12をキャビン3の上方位置にて下方から支持している。即ち、水素タンク5は、左右2つの固定フレーム10を介して車体2に支持されている。固定フレーム10は、水素タンク5を安定して支持する機能と、走行時や作業時の車体2の振動を吸収して水素タンク5への衝撃を緩和する機能と、を兼備している。
【0026】
タンクケース12は、複数の水素タンク5を収容可能な箱体であり、固定ブラケットやボルトナット、溶接等により固定フレーム10の上縁部に固定(リジット固定)されている。本実施形態のタンクケース12は、外部から水素タンク5を熱的および物理的に保護可能な材質および厚みの鋼材によって形成されている。尚、タンクケース12は、収容される水素タンク5の全体を覆う箱状に形成されているが、上方に開口するバケット状に形成されてもよいし、下方に開口するカバー状に形成されてもよい。
【0027】
キャビン3は、運転席P1を保護する保護機構であり、運転席P1の前後左右位置に立設される複数のパネル15と、隣接するパネル15同士の突き合わせ端縁に沿って運転席P1の周囲に立設されるピラー(保護フレーム)16と、ピラー16の上部に連設支持されるルーフ17と、を有している。ボンネット11は、キャビン3の前方位置に連設されている。
【0028】
走行装置4は、車体2の左右の側部に回転可能に支持されたホイールであり、左右一対の前輪4Aと、左右一対の後輪4Bと、を含んでいる。本実施形態では、前輪4Aおよび後輪4Bのいずれか一方または両方に対して駆動モータ7から動力が伝達される。尚、駆動モータ7から動力が伝達されて駆動輪となる前輪4Aおよび後輪4Bのいずれか一方または両方は、クローラであってもよい。
【0029】
水素タンク5は、炭素繊維やガラス繊維で強化された硬質合成樹脂等によって形成された略円筒状の高圧容器であり、キャビン3の上方位置に設けられたタンクケース12の内部に単数又は複数収容されている。本実施形態の作業車両1は、タンクケース12の内部に3つの水素タンク5が前後横並びに収容されている。このように、本実施形態の作業車両1は、水素タンク5がキャビン3(運転席P1)の上方位置に配されているため、車体2に対する駆動モータ7や燃料電池スタック8、バッテリユニット9の配置構成の自由度が高い。また、従来のエンジン駆動式の車両から本実施形態の作業車両1のようなモータ駆動式の車両に設計変更するにあたり、各部材の配置構成を大幅に変更する必要もない。
【0030】
尚、水素タンク5の搭載数は、3つに限定されない。例えば、水素タンク5は、作業車両1に1つのみ搭載されてもよいし、2つ搭載されてもよいし、4つ以上搭載されてもよい。また、水素タンク5の配置は、キャビン3の上方位置に限定されない。例えば、水素タンク5は、キャビン3の後部に設けられてもよいし、運転席P1の下方の空間に設けられてもよい。
【0031】
図3に示すように、水素タンク5は、バルブユニット18を介してガス導入配管L1およびガス導出配管L2に連結されている。ガス導入配管L1は、ガス充填口13とバルブユニット18とを繋ぐガス導入管路であり、車両外部からガス充填口13に導入される水素ガスを水素タンク5へ導く。ガス導出配管L2は、燃料電池スタック8とバルブユニット18とを繋ぐガス導出管路であり、水素タンク5内に貯蔵された水素ガスを燃料電池スタック8へ導く。このように、水素タンク5は、車両外部からガス充填口13に導入される水素ガスを貯蔵し、燃料電池スタック8に供給する。尚、バルブユニット18は、開閉弁や減圧弁等を有しており、水素タンク5に貯蔵された水素ガスを所定の流量に調整した上で、ガス導出配管L2を通じて燃料電池スタック8に導出させる。
【0032】
駆動モータ7は、回転するロータと、複数のコイルを有するステータと、を有しており、所定のトルクおよび回転速度で出力軸を回転駆動させる。図1に示すように、駆動モータ7は、燃料電池スタック8の後方位置で且つ運転席P1の下方位置に配設されている。上記出力軸は、ミッションケース19に接続されている。
【0033】
尚、駆動モータ7は、作業車両1に複数搭載されてもよい。詳しくは、例えば、作業車両1は、前輪4A用の駆動モータ7と、後輪4B用の駆動モータ7とを備えており、これら駆動モータ7の動力を前輪4Aおよび後輪4Bにそれぞれ出力する。或いは、駆動モータ7は、前輪4Aおよび後輪4Bの4輪全てに独立して設けられており、これら駆動モータ7の動力を対応する前輪4Aおよび後輪4Bにそれぞれ出力する。このように、作業車両1は、前後左右の走行装置4にそれぞれ独立して駆動モータ7が設けられたものとすれば、上記ミッションケース19のような動力伝達装置を搭載する必要がなくなるから、駆動装置6の構成をシンプル且つコンパクトにすることが可能となる。
【0034】
ミッションケース19は、駆動モータ7の後部に連設されている。ミッションケース19は、内部にトランスミッション、クラッチ、デファレンシャルギヤ等が組み込まれており、出力軸から入力された動力を減速または増速し、走行装置4(前輪4Aおよび/または後輪4B)に出力する。本実施形態の作業車両1は、車体2の上部に1基のみ駆動モータ7が設けられており、当該駆動モータ7の動力をミッションケース19にて左右の後輪4Bに分配して出力する。
【0035】
図3に示すように、ミッションケース19は、駆動モータ7の動力を走行装置4に出力するだけでなく、その動力の一部を車体2の後部に設けられたPTO軸(パワーテイクオフ軸)20にも出力可能に構成されている。PTO軸20は、ミッションケース19に連結されており、作業車両1の後部に連結して用いられる耕運機やベーラ等の作業装置(インプルメント)E1に駆動モータ7の動力を伝達する。このように、本実施形態の作業車両1は、燃料電池スタック8で発生させた電力を用いて、作業装置E1を作動させることも可能となる。
【0036】
燃料電池スタック8は、略矩形箱状の電池ケーシングの内部に、正極および負極の2種類の電極を備えた単セルを積層状態で複数並設して構成されたものであり、各単セルで発電された電力を集約することで、駆動モータ7の駆動に要する電圧および電流の電力を発生させる。
【0037】
燃料電池スタック8は、昇圧回路23を介してインバータ24に接続されている。昇圧回路23は、燃料電池スタック8で発生させた電力を昇圧させる。インバータ24は、昇圧回路23から入力される直流電力を三相交流電力に変換して駆動モータ7に出力する。即ち、燃料電池スタック8は、昇圧回路23で昇圧された電力により駆動モータ7を駆動させる。尚、作業車両1は、駆動モータ7よりも低電圧で作動する弱電の電装品を有しており、これら弱電の電装品に対しては、降圧回路で降圧された電力が供給される。本実施形態の作業車両1は、上記弱電の電装品として、バッテリユニット9、ラジエータ装置21,22、および空調装置25を有しており、上記降圧回路として、第1DC/DCコンバータ26、および第2DC/DCコンバータ27を有している。
【0038】
第1DC/DCコンバータ26および第2DC/DCコンバータ27は、入力された直流電力の電圧をさらに低い電圧に変換する降圧コンバータである。第1DC/DCコンバータ26は、上記のように降圧させた電力をバッテリユニット9や空調装置25に供給する。第2DC/DCコンバータ27は、上記のように降圧させた電力をラジエータ装置21,22に供給する。図1に示すように、インバータ24、第1DC/DCコンバータ26、および第2DC/DCコンバータ27は、車体2の上部に置ける運転席P1の下方位置に配設されている。
【0039】
バッテリユニット9は、リチウムイオン電池や鉛蓄電池等の充放電型の二次電池であり、燃料電池スタック8で発生させた電力を一時的に蓄え、その蓄えた電力をインバータ24等に適宜出力する。図2に示すように、バッテリユニット9は、車体2の右側部における前輪4Aと後輪4Bとの間に設けられたケーシング30の内部に収容されている。
【0040】
図1図2に示すように、燃料電池スタック8およびラジエータ装置21,22は、ボンネット11の内部に収容されている。ラジエータ装置21,22は、車体2の上部における燃料電池スタック8の前方位置および後方位置にそれぞれ設けられている。ラジエータ装置21,22は、燃料電池スタック8の前方位置に配される第1ラジエータ装置21と、燃料電池スタック8の後方位置に配される第2ラジエータ装置22と、を含んでいる。
【0041】
図3に示すように、第1ラジエータ装置21および第2ラジエータ装置22は、燃料電池スタック8、駆動モータ7、昇圧回路23、インバータ24、DC/DCコンバータ26,27等の電装品を冷却液(冷媒)により冷却させる冷却システムを構成している。
【0042】
第1ラジエータ装置21は、第1冷却流路H1を通じて供給される冷却液を外部空気との熱交換により冷却する。第2ラジエータ装置22は、第2冷却流路H2を通じて供給される冷却液を外部空気との熱交換により冷却する。第1ラジエータ装置21および第2ラジエータ装置22はそれぞれ、ラジエータファン31,32(第1ファン31および第2ファン32)を有しており、当該ラジエータファン31,32を回転駆動させることによって第1ラジエータ装置21および第2ラジエータ装置22にそれぞれ空気を流通させ、上記冷却液との熱交換を促進させる。
【0043】
第1ラジエータ装置21は、第1冷却流路H1を介して駆動モータ7、昇圧回路23、インバータ24、およびDC/DCコンバータ26,27の冷却を要する電装品(発熱部品)に接続されている。第2ラジエータ装置22は、第2冷却流路H2を介して燃料電池スタック8に接続されている。
【0044】
第1冷却流路H1は、第1循環ポンプ33を有しており、当該第1循環ポンプ33によって第1ラジエータ装置21と駆動モータ7を含む上記電装品との間で冷却液を循環させる。第2冷却流路H2は、第2循環ポンプ34を有しており、当該第2循環ポンプ34によって第2ラジエータ装置22と燃料電池スタック8との間で冷却液を循環させる。このように、第2ラジエータ装置22は、燃料電池スタック8の冷却流路H2に接続されており、燃料電池スタック8との間で循環される冷却液を熱交換により冷却することで、燃料電池スタック8の内部電極を所定温度に調整する。これにより、燃料電池スタック8は、高い発電効率を維持できる。
【0045】
図4に示すように、本実施形態では、ラジエータファン31,32(第1ファン31および第2ファン32)は、ラジエータ装置21,22と燃料電池スタック8との間に配置されている。即ち、第1ファン31は、第1ラジエータ装置21の後面部に配置されており、回転駆動することによって第1ラジエータ装置21に熱交換用の空気を後方から前方に向かって流通させる。第2ファン32は、第2ラジエータ装置22の前面部に配置されており、回転駆動することによって第2ラジエータ装置22に熱交換用の空気を前方から後方に向かって流通させる。
【0046】
ボンネット11の内部には、第1ファン31によって第1ラジエータ装置21に流通させる空気を、燃料電池スタック8に通過させてボンネット11の外部に導出させる第1空気流通路(第1流路)41と、第2ファン32によって第2ラジエータ装置22に流通させる空気を、燃料電池スタック8に通過させてボンネット11の外部に導出させる第2空気流通路(第2流路)42と、が設けられている。
【0047】
本実施形態では、第1空気流通路41は、ボンネット11の上部から前部に向かって延設される上部第1流路41Aと、ボンネット11の下部から前部に向かって延設される下部第1流路41Bと、を含んでいる。第2空気流通路42は、ボンネット11の上部から後部に向かって延設される上部第2流路42Aと、ボンネット11の下部から後部に向かって延設される下部第2流路42Bと、を含んでいる。
【0048】
上部第1流路41Aは、ボンネット11の外部の冷気を、燃料電池スタック8に通過させて第1ラジエータ装置21に導く第1冷気流路51と、第1ラジエータ装置21によって熱交換された後の暖気をボンネット11の外部に導く第1暖気流路52と、を備えている。下部第1流路41Bは、ボンネット11の外部の冷気を、燃料電池スタック8に通過させて第1ラジエータ装置21に導く第1冷気流路53と、第1ラジエータ装置21によって熱交換された後の暖気をボンネット11の外部に導く第1暖気流路54と、を備えている。本実施形態では、上部第1流路41Aの第1暖気流路52、および下部第1流路41Bの第1暖気流路54は、第1ラジエータ装置21とボンネット11の前板部11aとの間に画成された空間にて合流している。即ち、第1暖気流路52,54は、共通の流路により形成されている。
【0049】
上部第2流路42Aは、ボンネット11の外部の冷気を、燃料電池スタック8に通過させて第2ラジエータ装置22に導く第2冷気流路55と、第2ラジエータ装置22によって熱交換された後の暖気をボンネット11の外部に導く第2暖気流路56と、を備えている。下部第2流路42Bは、ボンネット11の外部の冷気を、燃料電池スタック8に通過させて第2ラジエータ装置22に導く第2冷気流路57と、第2ラジエータ装置22によって熱交換された後の暖気をボンネット11の外部に導く第2暖気流路58と、を備えている。本実施形態では、上部第2流路42Aの第2暖気流路56、および下部第2流路42Bの第2暖気流路58は、第2ラジエータ装置22とキャビン3の前部隔壁3aとの間に画成される空間にて合流している。即ち、第2暖気流路56,58は、共通の流路により形成されている。
【0050】
ボンネット11は、上部第1流路41Aの第1冷気流路51に上記冷気を導入する上部第1給気孔(第1給気孔)61と、下部第1流路41Bの第1冷気流路53に上記冷気を導入する下部第1給気孔(第1給気孔)62と、上部第2流路42Aの第2冷気流路55に上記冷気を導入する上部第2給気孔(第2給気孔)63と、下部第2流路42Bの第2冷気流路57に上記冷気を導入する下部第2給気孔(第2給気孔)64と、上部第1流路41Aおよび下部第1流路41Bの各第1暖気流路52,54から上記暖気を導出する第1排気孔65と、上部第2流路42Aおよび下部第2流路42Bの各第2暖気流路56,58から上記暖気を導出する第2排気孔66と、を備えている。
【0051】
上部第1給気孔61および上部第2給気孔63は共に、ボンネット11の上板部11bにおける前後方向の中間部に設けられている。下部第1給気孔62および下部第2給気孔64は共に、ボンネット11の下板部11cにおける前後方向の中間部に設けられている。第1排気孔65は、ボンネット11の前板部11aに設けられている。第2排気孔66は、ボンネット11の下板部11cの後部、即ち、キャビン3の前方下部に設けられている。
【0052】
これにより、第1ファン31が駆動されると、車体外部の冷気は、ボンネット11の上部第1給気孔61および下部第1給気孔62からそれぞれ、上部第1流路41Aの第1冷気流路51、および下部第1流路41Bの第1冷気流路53に導入される。そしてさらに、上部第1流路41Aの第1冷気流路51、および下部第1流路41Bの第1冷気流路53に導入された冷気は、燃料電池スタック8の前部表面を通って第1ラジエータ装置21に導かれ、冷却液との熱交換が行われる。また、第1ラジエータ装置21にて熱交換された後の暖気は、上部第1流路41Aおよび下部第1流路41Bの各第1暖気流路52,54を通って第1排気孔65に導かれ、車体外部に排出される。
【0053】
一方、第2ファン32が駆動されると、車体外部の冷気は、ボンネット11の上部第2給気孔63および下部第2給気孔64からそれぞれ、上部第2流路42Aの第2冷気流路55、および下部第2流路42Bの第2冷気流路57に導入される。そしてさらに、上記第2冷気流路55,57に導入された冷気は、燃料電池スタック8の後部表面を通って第2ラジエータ装置22に導かれ、冷却液との熱交換が行われる。また、第2ラジエータ装置22にて熱交換された後の暖気は、上部第2流路42Aおよび下部第2流路42Bの各第2暖気流路56,58を通って第2排気孔66に導かれ、車体外部に排出される。
【0054】
<第2の実施形態>
上記第1の実施形態の作業車両1は、ボンネット11の上部および下部に、外部空気を第1空気流通路41および第2空気流通路42に導入する第1給気孔61,62、および第2給気孔63,64が設けられたものを説明したが、作業車両1は、ボンネット11の上部および下部に代えて、或いはボンネット11の上部および下部に加えて、ボンネット11の左右の側部に、外部空気を第1空気流通路41および第2空気流通路42に導入する第1給気孔81,82、および第2給気孔83,84が設けられてもよい。
【0055】
詳しくは、図5に示すように、本実施形態では、第1空気流通路41は、ボンネット11の左側部から前部に向かって延設される左部第1流路41Cと、ボンネット11の右側部から前部に向かって延設される右部第1流路41Dと、を含んでいる。第2空気流通路42は、ボンネット11の左側部から後部に向かって延設される左部第2流路42Cと、ボンネット11の右側部から後部に向かって延設される右部第2流路42Dと、を含んでいる。
【0056】
左部第1流路41Cは、ボンネット11の外部の冷気を、燃料電池スタック8に通過させて第1ラジエータ装置21に導く第1冷気流路71と、第1ラジエータ装置21によって熱交換された後の暖気をボンネット11の外部に導く第1暖気流路72と、を備えている。右部第1流路41Dは、ボンネット11の外部の冷気を、燃料電池スタック8に通過させて第1ラジエータ装置21に導く第1冷気流路73と、第1ラジエータ装置21によって熱交換された後の暖気をボンネット11の外部に導く第1暖気流路74と、を備えている。本実施形態では、左部第1流路41Cの第1暖気流路72、および右部第1流路41Dの第1暖気流路74は、第1ラジエータ装置21とボンネット11の前板部11aとの間に画成された空間にて合流している。即ち、第1暖気流路72,74は、共通の流路により形成されている。
【0057】
左部第2流路42Cは、ボンネット11の外部の冷気を、燃料電池スタック8に通過させて第2ラジエータ装置22に導く第2冷気流路75と、第2ラジエータ装置22によって熱交換された後の暖気をボンネット11の外部に導く第2暖気流路76と、を備えている。右部第2流路42Dは、ボンネット11の外部の冷気を、燃料電池スタック8に通過させて第2ラジエータ装置22に導く第2冷気流路77と、第2ラジエータ装置22によって熱交換された後の暖気をボンネット11の外部に導く第2暖気流路78と、を備えている。本実施形態では、左部第2流路42Cの第2暖気流路76、および右部第2流路42Dの第2暖気流路78は、第2ラジエータ装置22とキャビン3の前部隔壁3aとの間に画成される空間にて合流している。即ち、第2暖気流路76,78は、共通の流路により形成されている。
【0058】
ボンネット11は、左部第1流路41Cの第1冷気流路71に上記冷気を導入する左部第1給気孔(第1給気孔)81と、右部第1流路41Dの第1冷気流路73に上記冷気を導入する右部第1給気孔(第1給気孔)82と、左部第2流路42Cの第2冷気流路75に上記冷気を導入する左部第2給気孔(第2給気孔)83と、右部第2流路42Dの第2冷気流路77に上記冷気を導入する右部第2給気孔(第2給気孔)84と、を備えている。尚、ボンネット11の前板部11aに設けられた第1排気孔65は、左部第1流路41Cおよび右部第1流路41Dの各第1暖気流路72,74に連通している。一方、ボンネット11の下板部11cに設けられた第2排気孔66は、左部第2流路42Cおよび右部第2流路42Dの各第2暖気流路76,78に連通している。
【0059】
左部第1給気孔81および左部第2給気孔83は共に、ボンネット11の左板部11dにおける前後方向の中間部に設けられている。右部第1給気孔82および右部第2給気孔84は共に、ボンネット11の右板部11eにおける前後方向の中間部に設けられている。
【0060】
これにより、第1ファン31が駆動されると、車体外部の冷気は、ボンネット11の左部第1給気孔81および右部第1給気孔82からそれぞれ、左部第1流路41Cの第1冷気流路71、および右部第1流路41Dの第1冷気流路73に導入される。そしてさらに、左部第1流路41Cの第1冷気流路71、および右部第1流路41Dの第1冷気流路73に導入された冷気は、燃料電池スタック8の前部表面を通って第1ラジエータ装置21に導かれ、冷却液との熱交換が行われる。また、第1ラジエータ装置21にて熱交換された後の暖気は、左部第1流路41Cおよび右部第1流路41Dの各第1暖気流路72,74を通って第1排気孔65に導かれ、車体外部に排出される。
【0061】
一方、第2ファン32が駆動されると、車体外部の冷気は、ボンネット11の左部第2給気孔83および右部第2給気孔84からそれぞれ、左部第2流路42Cの第2冷気流路75、および右部第2流路42Dの第2冷気流路77に導入される。そしてさらに、上記第2冷気流路75,77に導入された冷気は、燃料電池スタック8の後部表面を通って第2ラジエータ装置22に導かれ、冷却液との熱交換が行われる。また、第2ラジエータ装置22にて熱交換された後の暖気は、左部第2流路42Cおよび右部第2流路42Dの各第2暖気流路76,78を通って第2排気孔66に導かれ、車体外部に排出される。
【0062】
<第3の実施形態>
上記第1の実施形態では、ラジエータファン31,32は、ラジエータ装置21,22に対して燃料電池スタック8と反対側から燃料電池スタック8側へ空気を流通させるように構成されたものを説明したが、ラジエータファン31,32は、ラジエータ装置21,22に対して燃料電池スタック8側から燃料電池スタック8と反対側へ空気を流通させるように構成されてもよい。
【0063】
詳しくは、図6図7に示すように、ラジエータファン31,32(第1ファン31および第2ファン32)は、ラジエータ装置21,22における燃料電池スタック8と反対側の面に配置されている。即ち、第1ファン31は、第1ラジエータ装置21の前面部に配置されており、回転駆動することによって第1ラジエータ装置21に熱交換用の空気を前方から後方に向かって流通させる。第2ファン32は、第2ラジエータ装置22の後面部に配置されており、回転駆動することによって第2ラジエータ装置22に熱交換用の空気を後方から前方に向かって流通させる。
【0064】
図6に示す作業車両1では、第1空気流通路41は、ボンネット11の上部から前部に向かって延設される上部第1流路41Aと、ボンネット11の下部から前部に向かって延設される下部第1流路41Bと、を含んでいる。第2空気流通路42は、ボンネット11の上部から後部に向かって延設される上部第2流路42Aと、ボンネット11の下部から後部に向かって延設される下部第2流路42Bと、を含んでいる。
【0065】
上部第1流路41Aは、第1ラジエータ装置21によって熱交換された後の暖気を、燃料電池スタック8に通過させてボンネット11の外部に導く第1暖気流路91と、ボンネット11の外部の冷気を、燃料電池スタック8に通過させる前に第1ラジエータ装置21に導く第1冷気流路92と、を備えている。下部第1流路41Bは、第1ラジエータ装置21によって熱交換された後の暖気を、燃料電池スタック8に通過させてボンネット11の外部に導く第1暖気流路93と、ボンネット11の外部の冷気を、燃料電池スタック8に通過させる前に第1ラジエータ装置21に導く第1冷気流路94と、を備えている。本実施形態では、上部第1流路41Aの第1冷気流路92、および下部第1流路41Bの第1冷気流路94は、第1ラジエータ装置21とボンネット11の前板部11aとの間に画成された空間にて合流している。即ち、第1冷気流路92,94は、共通の流路により形成されている。
【0066】
上部第2流路42Aは、第2ラジエータ装置22によって熱交換された後の暖気を、燃料電池スタック8に通過させてボンネット11の外部に導く第2暖気流路95と、ボンネット11の外部の冷気を、燃料電池スタック8に通過させる前に第2ラジエータ装置22に導く第2冷気流路96と、を備えている。下部第2流路42Bは、第2ラジエータ装置22によって熱交換された後の暖気を、燃料電池スタック8に通過させてボンネット11の外部に導く第2暖気流路97と、ボンネット11の外部の冷気を、燃料電池スタック8に通過させる前に第2ラジエータ装置22に導く第2冷気流路98と、を備えている。本実施形態では、上部第2流路42Aの第2冷気流路96、および下部第2流路42Bの第2冷気流路98は、第2ラジエータ装置22とキャビン3の前部隔壁3aとの間に画成される空間にて合流している。即ち、第2冷気流路96,98は、共通の流路により形成されている。
【0067】
ボンネット11は、上部第1流路41Aおよび下部第1流路41Bの各第1冷気流路92,94に上記冷気を導入する第1給気孔101と、上部第2流路42Aおよび下部第2流路42Bの各第2冷気流路96,98に上記冷気を導入する第2給気孔102と、上部第1流路41Aの第1暖気流路91から上記暖気を導出する上部第1排気孔(第1排気孔)103と、下部第1流路41Bの第1暖気流路93から上記暖気を導出する下部第1排気孔(第1排気孔)104と、上部第2流路42Aの第2暖気流路95から上記暖気を導出する上部第2排気孔(第2排気孔)105と、下部第2流路42Bの第2暖気流路97から上記暖気を導出する下部第2排気孔(第2排気孔)106と、を備えている。
【0068】
第1給気孔101は、ボンネット11の前板部11aに設けられている。第2給気孔102は、ボンネット11の下板部11cの後部、即ち、キャビン3の前方下部に設けられている。上部第1排気孔103および上部第2排気孔105は共に、ボンネット11の上板部11bにおける前後方向の中間部に設けられている。下部第1排気孔104および下部第2排気孔106は共に、ボンネット11の下板部11cにおける前後方向の中間部に設けられている。
【0069】
これにより、第1ファン31が駆動されると、車体外部の冷気は、ボンネット11の第1給気孔101から上部第1流路41Aの第1冷気流路92、および下部第1流路41Bの第1冷気流路94を通って第1ラジエータ装置21に導かれ、冷却液との熱交換が行われる。そしてさらに、第1ラジエータ装置21にて熱交換された後の暖気は、燃料電池スタック8の前部表面を通って上部第1流路41Aの第1暖気流路91、および下部第1流路41Bの第1暖気流路93に導かれ、上部第1排気孔103および下部第1排気孔104を通じて車体外部に排出される。
【0070】
一方、第2ファン32が駆動されると、車体外部の冷気は、ボンネット11の第2給気孔102から上部第2流路42Aの第2冷気流路96、および下部第2流路42Bの第2冷気流路98を通って第2ラジエータ装置22に導かれ、冷却液との熱交換が行われる。そしてさらに、第2ラジエータ装置22にて熱交換された後の暖気は、燃料電池スタック8の後部表面を通って上部第2流路42Aの第2暖気流路95、および下部第2流路42Bの第2暖気流路97に導かれ、上部第2排気孔105および下部第2排気孔106を通じて車体外部に排出される。
【0071】
<第4の実施形態>
図7に示す作業車両1では、第1空気流通路41は、ボンネット11の左側部から前部に向かって延設される左部第1流路41Cと、ボンネット11の右側部から前部に向かって延設される右部第1流路41Dと、を含んでいる。第2空気流通路42は、ボンネット11の左側部から後部に向かって延設される左部第2流路42Cと、ボンネット11の右側部から後部に向かって延設される右部第2流路42Dと、を含んでいる。
【0072】
左部第1流路41Cは、第1ラジエータ装置21によって熱交換された後の暖気を、燃料電池スタック8に通過させてボンネット11の外部に導く第1暖気流路111と、ボンネット11の外部の冷気を、燃料電池スタック8に通過させる前に第1ラジエータ装置21に導く第1冷気流路112と、を備えている。右部第1流路41Dは、第1ラジエータ装置21によって熱交換された後の暖気を、燃料電池スタック8に通過させてボンネット11の外部に導く第1暖気流路113と、ボンネット11の外部の冷気を、燃料電池スタック8に通過させる前に第1ラジエータ装置21に導く第1冷気流路114と、を備えている。本実施形態では、左部第1流路41Cの第1冷気流路112、および右部第1流路41Dの第1冷気流路114は、第1ラジエータ装置21とボンネット11の前板部11aとの間に画成された空間にて合流している。即ち、第1冷気流路112,114は、共通の流路により形成されている。
【0073】
左部第2流路42Cは、第2ラジエータ装置22によって熱交換された後の暖気を、燃料電池スタック8に通過させてボンネット11の外部に導く第2暖気流路115と、ボンネット11の外部の冷気を、燃料電池スタック8に通過させる前に第2ラジエータ装置22に導く第2冷気流路116と、を備えている。右部第2流路42Dは、第2ラジエータ装置22によって熱交換された後の暖気を、燃料電池スタック8に通過させてボンネット11の外部に導く第2暖気流路117と、ボンネット11の外部の冷気を、燃料電池スタック8に通過させる前に第2ラジエータ装置22に導く第2冷気流路118と、を備えている。本実施形態では、左部第2流路42Cの第2冷気流路116、および右部第2流路42Dの第2冷気流路118は、第2ラジエータ装置22とキャビン3の前部隔壁3aとの間に画成される空間にて合流している。即ち、第2冷気流路116,118は、共通の流路により形成されている。
【0074】
ボンネット11は、左部第1流路41Cの第1暖気流路111から上記暖気を導出する左部第1排気孔(第1排気孔)121と、右部第1流路41Dの第1暖気流路113から上記暖気を導出する右部第1排気孔(第1排気孔)122と、左部第2流路42Cの第2暖気流路115から上記暖気を導出する左部第2排気孔(第2排気孔)123と、右部第2流路42Dの第2暖気流路117から上記暖気を導出する右部第2排気孔(第2排気孔)124と、を備えている。尚、ボンネット11の前板部11aに設けられた第1給気孔101は、左部第1流路41Cおよび右部第1流路41Dの各第1冷気流路112,114に連通している。一方、ボンネット11の下板部11cに設けられた第2給気孔102は、左部第2流路42Cおよび右部第2流路42Dの各第2冷気流路116,118に連通している。
【0075】
左部第1排気孔121および左部第2排気孔123は共に、ボンネット11の左板部11dにおける前後方向の中間部に設けられている。右部第1排気孔122および右部第2排気孔124は共に、ボンネット11の右板部11eにおける前後方向の中間部に設けられている。
【0076】
これにより、第1ファン31が駆動されると、車体外部の冷気は、ボンネット11の第1給気孔101から左部第1流路41Cの第1冷気流路112、および右部第1流路41Dの第1冷気流路114を通って第1ラジエータ装置21に導かれ、冷却液との熱交換が行われる。そしてさらに、第1ラジエータ装置21にて熱交換された後の暖気は、燃料電池スタック8の前部表面を通って左部第1流路41Cの第1暖気流路111、および右部第1流路41Dの第1暖気流路113に導かれ、左部第1排気孔121および右部第1排気孔122を通じて車体外部に排出される。
【0077】
一方、第2ファン32が駆動されると、車体外部の冷気は、ボンネット11の第2給気孔102から左部第2流路42Cの第2冷気流路116、および右部第2流路42Dの第2冷気流路118を通って第2ラジエータ装置22に導かれ、冷却液との熱交換が行われる。そしてさらに、第2ラジエータ装置22にて熱交換された後の暖気は、燃料電池スタック8の後部表面を通って左部第2流路42Cの第2暖気流路115、および右部第2流路42Dの第2暖気流路117に導かれ、左部第2排気孔123および右部第2排気孔124を通じて車体外部に排出される。
【0078】
<効果>
このように、上記第1の実施形態の作業車両1は、車体2と、車体2を走行可能に支持する走行装置4と、走行装置4を駆動する駆動モータ7と、駆動モータ7に電力を供給する燃料電池8と、駆動モータ7を含む電装品の冷却流路H1に循環させる冷媒を外部空気との熱交換により冷却する第1ラジエータ装置21と、燃料電池8の冷却流路H2に循環させる冷媒を外部空気との熱交換により冷却する第2ラジエータ装置22と、燃料電池8、第1ラジエータ装置21、および第2ラジエータ装置22を覆うハウジング11と、ハウジング11の内部に導入される第1ラジエータ装置21の熱交換用の空気を、燃料電池8に通過させてハウジング11の外部に導出させる第1流路41と、ハウジング11の内部に導入される第2ラジエータ装置22の熱交換用の空気を、燃料電池8に通過させてハウジング11の外部に導出させる第2流路42と、を備えている。
【0079】
この構成によれば、第1ラジエータ装置21に流通させる熱交換用の空気と第2ラジエータ装置22に流通させる熱交換用の空気との干渉を回避できるから、第1ラジエータ装置21および第2ラジエータ装置22のそれぞれにおいて効率良く冷却液との熱交換が行われる。これにより、燃料電池8の内部温度を適切に調整可能となる。よって、発電効率の安定性が格段に向上する。
【0080】
また、第1流路41は、ハウジング11の外部の冷気を、燃料電池8に通過させて第1ラジエータ装置21に導く第1冷気流路51,53を有し、第2流路42は、ハウジング11の外部の冷気を、燃料電池8に通過させて第2ラジエータ装置22に導く第2冷気流路55,57を有している。
【0081】
この構成によれば、ハウジング11の外部の冷気を第1ラジエータ装置21および第2ラジエータ装置22にそれぞれ独立したルートで導くことができるから、第1ラジエータ装置21および第2ラジエータ装置22のそれぞれにおいてより効率的に冷却液との熱交換が行われる。これにより、燃料電池8の内部温度をより適切に調整可能となる。よって、発電効率の安定性が一層向上する。
【0082】
また、第1流路41は、第1ラジエータ装置21によって熱交換された後の暖気をハウジング11の外部に導く第1暖気流路52,54を有し、第2流路42は、第2ラジエータ装置22によって熱交換された後の暖気をハウジング11の外部に導く第2暖気流路56,58を有している。
【0083】
この構成によれば、第1ラジエータ装置21によって熱交換された後の暖気、および第2ラジエータ装置22によって熱交換された後の暖気をそれぞれ独立したルートで外部に排出できるから、第1ラジエータ装置21および第2ラジエータ装置22のそれぞれにおいてより効率的に冷却液との熱交換が行われる。これにより、燃料電池8の内部温度をより適切に調整可能となる。よって、発電効率の安定性が一層向上する。
【0084】
また、ハウジング11は、第1冷気流路51,53に冷気を導入する第1給気孔61,62と、第2冷気流路55,57に冷気を導入する第2給気孔63,64と、第1暖気流路52,54から暖気を導出する第1排気孔65と、第2暖気流路56,58から暖気を導出する第2排気孔66と、を有し、第1給気孔61,62および第2給気孔63,64は、ハウジング11における前後方向の中間部に設けられ、第1排気孔65は、ハウジング11の前部に設けられ、第2排気孔66は、ハウジング11の後部に設けられている。
【0085】
この構成によれば、ハウジング11の外部の冷気を、ハウジング11の前後間の中央位置から内部に導入し、ハウジング11の前後方向に分流して排出させるから、第1ラジエータ装置21に流通させる熱交換用の空気と第2ラジエータ装置22に流通させる熱交換用の空気との干渉をより確実に回避できる。これにより、燃料電池8における発電効率の安定性が一層向上する。
【0086】
また、車体2に搭載されるキャビン3を備え、第2排気孔66は、キャビン3の前方下部に設けられている。この構成によれば、第2ラジエータ装置22によって熱交換された後の暖気を、キャビン3の下方へ排出できるから、上記暖気と第1ラジエータ装置21に流通させる熱交換用の空気との干渉をより確実に回避できる。これにより、燃料電池8における発電効率の安定性が一層向上する。
【0087】
また、上記第3の実施形態の作業車両1のように、第1流路41は、第1ラジエータ装置21によって熱交換された後の暖気を、燃料電池8に通過させてハウジング11の外部に導く第1暖気流路91,93を有し、第2流路42は、第2ラジエータ装置22によって熱交換された後の暖気を、燃料電池8に通過させてハウジング11の外部に導く第2暖気流路95,97を有してもよい。
【0088】
この構成によれば、第1ラジエータ装置21および第2ラジエータ装置22によってそれぞれ熱交換された後の暖気が互いに干渉するのを回避できるから、第1ラジエータ装置21および第2ラジエータ装置22のそれぞれにおいてより効率的に冷却液との熱交換が行われる。これにより、燃料電池8の内部温度をより適切に調整可能となる。よって、発電効率の安定性が一層向上する。
【0089】
また、上記第3の実施形態の作業車両1のように、第1流路41は、ハウジング11の外部の冷気を、燃料電池8に通過させる前に第1ラジエータ装置21に導く第1冷気流路92,94を有し、第2流路42は、ハウジング11の外部の冷気を、燃料電池8に通過させる前に第2ラジエータ装置22に導く第2冷気流路96,98を有してもよい。
【0090】
この構成によれば、ハウジング11の外部の冷気を第1ラジエータ装置21および第2ラジエータ装置22にそれぞれ独立したルートで導くことができるから、第1ラジエータ装置21および第2ラジエータ装置22のそれぞれにおいてより効率的に冷却液との熱交換が行われる。これにより、燃料電池8の内部温度をより適切に調整可能となる。よって、発電効率の安定性が一層向上する。
【0091】
また、上記第3の実施形態の作業車両1のように、ハウジング11は、第1冷気流路92,94に冷気を導入する第1給気孔101と、第2冷気流路96,98に冷気を導入する第2給気孔102と、第1暖気流路91,93から暖気を導出する第1排気孔103,104と、第2暖気流路95,97から暖気を導出する第2排気孔105,106と、を有し、第1給気孔101は、ハウジング11の前部に設けられ、第2給気孔102は、ハウジング11の後部に設けられ、第1排気孔103,104および第2排気孔105,106は、ハウジング11における前後方向の中間部に設けられてもよい。
【0092】
この構成によれば、ハウジング11の外部の冷気を、ハウジング11の前後方向に離れた位置から内部に導入して、第1ラジエータ装置21および第2ラジエータ装置22のそれぞれに導くことができるから、第1ラジエータ装置21に流通させる熱交換用の空気と第2ラジエータ装置22に流通させる熱交換用の空気との干渉をより確実に回避できる。これにより、燃料電池8における発電効率の安定性が一層向上する。
【0093】
また、車体2に搭載されるキャビン3を備え、第2給気孔102は、キャビン3の前方下部に設けられている。この構成によれば、第2ラジエータ装置22に流通させる熱交換用の空気を、キャビン3の前方下部から導入できるから、上記空気と第1ラジエータ装置21から排出された暖気との干渉をより確実に回避できる。これにより、燃料電池8における発電効率の安定性が一層向上する。
【0094】
また、第1ラジエータ装置21は、ハウジング11の内部における燃料電池8の前方位置に並設され、第2ラジエータ装置22は、ハウジング11の内部における燃料電池8の後方位置に並設されている。この構成によれば、第1ラジエータ装置21および第2ラジエータ装置22が燃料電池8を挟んで前後位置に離れて配設されるから、第1ラジエータ装置21に流通させる熱交換用の空気と第2ラジエータ装置22に流通させる熱交換用の空気との干渉をより確実に回避できる。これにより、燃料電池8における発電効率の安定性が一層向上する。
【0095】
以上、本発明について説明したが、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0096】
1 作業車両
2 車体
3 キャビン
4 走行装置
5 水素タンク
6 駆動装置
7 駆動モータ
8 燃料電池スタック(燃料電池)
9 バッテリユニット
11 ボンネット(ハウジング)
21 第1ラジエータ装置(ラジエータ装置)
22 第2ラジエータ装置(ラジエータ装置)
31 第1ファン(ラジエータファン)
32 第2ファン(ラジエータファン)
41 第1空気流通路(第1流路)
42 第2空気流通路(第2流路)
51,53 第1冷気流路
52,54 第1暖気流路
55,57 第2冷気流路
56,58 第2暖気流路
H1 第1冷却流路(冷却流路)
H2 第2冷却流路(冷却流路)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7