(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095129
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】流体制御弁
(51)【国際特許分類】
F16K 11/076 20060101AFI20240703BHJP
F16K 27/04 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
F16K11/076 Z
F16K27/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022212184
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(71)【出願人】
【識別番号】000004695
【氏名又は名称】株式会社SOKEN
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】弁理士法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】能村 亮
(72)【発明者】
【氏名】飯塚 基正
(72)【発明者】
【氏名】小川 博史
【テーマコード(参考)】
3H051
3H067
【Fターム(参考)】
3H051AA03
3H051BB05
3H051CC11
3H051CC12
3H067AA12
3H067CC13
3H067DD03
3H067DD12
3H067DD32
3H067DD45
3H067EA02
3H067EA12
3H067EB07
3H067EB12
3H067ED11
3H067FF09
3H067FF11
(57)【要約】
【課題】複数の流路部を有するバルブにおいて、流体が流れる際の圧力損失を抑制可能な流体制御弁を提供すること。
【解決手段】
流体制御弁は、軸心を中心に回転するとともに、複数の流路部64が形成されるバルブ外壁部を有するバルブ60と、バルブ収容空間を形成するハウジング外壁部に流体が通過する複数の開口部を有するハウジングと、を備える。複数の開口部は、軸心方向に2つ以上並び、且つ、周方向に2列以上並んで形成されるとともに、周方向のどちらか一方に設けられる端部流体入口部および周方向のうち、端部流体入口部が設けられる側に設けられる端部流体出口部を含む。複数の流路部は、流体入口部から流入する流体を直接流体出口部へ導く対向流路部と、端部流体入口部から流入した流体を、複数の開口部に対向する部位を迂回して端部流体出口部へ導くバイパス流路部64iとを含む。バイパス流路部は、対向流路部に対して周方向に連なって形成されている。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体制御弁であって、
軸心(CL)を中心に回転するとともに、流体が流通する複数の流路部(64、68)が形成されるバルブ外壁部(61)を有するバルブ(60)と、
前記バルブを収容するバルブ収容空間(AS)を形成するハウジング外壁部(11)を有するとともに、前記ハウジング外壁部に前記流体が通過する複数の開口部(40)を有するハウジング(10)と、を備え、
前記複数の開口部は、前記軸心が延びる方向を軸心方向、前記軸心を中心に前記バルブが回転する方向を周方向としたとき、前記軸心方向に2つ以上並び、且つ、前記周方向に2列以上並んで形成されるとともに、前記バルブ収容空間に前記流体を流入させる流体入口部(42、44、45、47、91a~91d)および前記バルブ収容空間から前記流体を流出させる流体出口部(41、43、46、48、92a~92f)を含み、
前記流体入口部は、前記周方向の一方側および他方側のどちらか一方に設けられる端部流体入口部を含み、
前記流体入口部は、前記周方向の一方側および他方側のうち、前記端部流体入口部が設けられる側に設けられる端部流体出口部を含み、
前記複数の流路部は、前記複数の開口部に対向し、前記流体入口部から流入する前記流体を直接前記流体出口部へ導く対向流路部と、前記端部流体入口部から流入した前記流体を、前記バルブ外壁部における前記複数の開口部に対向する部位を迂回して前記端部流体出口部へ導くバイパス流路部(64i、68f)とを含み、
前記バイパス流路部は、前記対向流路部に対して前記周方向に連なって形成されている流体制御弁。
【請求項2】
前記バイパス流路部は、互いに隣り合わない前記端部流体入口部および前記端部流体出口部を連通させる請求項1に記載の流体制御弁。
【請求項3】
前記バイパス流路部は、前記複数の開口部に対向する位置に位置付けられた際、前記流体入口部から流入する前記流体を直接前記流体出口部へ導く前記対向流路部として機能する請求項1に記載の流体制御弁。
【請求項4】
前記ハウジング外壁部における前記複数の開口部が形成される部位と前記バルブ外壁部との間に配置されるシール部材(70)と、を備え、
前記複数の開口部は、格子状に形成され、
前記シール部材には、前記流体を通過させるための複数の貫通穴(71)が形成されており、
前記複数の流路部は、前記複数の開口部および前記複数の貫通穴に対応した形状で形成されており、
前記複数の貫通穴は、前記軸心方向に複数並ぶとともに、前記周方向に複数列並んで形成されており、
前記周方向に並ぶ前記複数の開口部の列数を開口列数とし、前記周方向に並ぶ前記複数の貫通穴の列数を貫通穴列数としたとき、前記貫通穴列数は、前記開口列数より多く設定されている請求項1に記載の流体制御弁。
【請求項5】
前記貫通穴列数は、前記開口列数より2つ多く設定されており、
前記複数の貫通穴は、前記周方向に複数並ぶ前記複数の開口部より前記周方向の一方側および他方側それぞれに1列ずつ多く設けられている請求項4に記載の流体制御弁。
【請求項6】
前記ハウジング外壁部における前記シール部材と対向しない部位と前記バルブ外壁部との間には、前記流体を流通させるための隙間である隙間流路(GF)が設けられており、
前記隙間流路は、前記複数の流路部のうち、前記シール部材に対向しない複数の流路部を連通させる請求項4に記載の流体制御弁。
【請求項7】
前記シール部材は、前記バルブ外壁部に対向する摺動部(72)と前記ハウジング外壁部に対向する押圧部(73)とを有し、
前記摺動部および前記押圧部は、互いに異なる材料によって構成されている請求項4に記載の流体制御弁。
【請求項8】
前記バルブを前記軸心方向に付勢する付勢部(80)を備え、
前記バルブ外壁部は、前記軸心方向の一方側が頂点側である円錐形の側面に沿うように形成されており、
前記付勢部は、前記バルブを円錐形の頂点側に向けて付勢し、前記バルブの回転時および停止時において前記バルブ外壁部と前記シール部材とが押圧された状態を保ち、且つ、前記ハウジング外壁部と前記シール部材とが押圧された状態を保つ請求項4に記載の流体制御弁。
【請求項9】
前記バルブ外壁部に平行な円錐形の母線と前記軸心とのなす内角は5deg以上である請求項8に記載の流体制御弁。
【請求項10】
前記ハウジング外壁部における前記バルブ収容空間を形成する内周面(16)は、前記バルブ外壁部と相似の円錐形の側面に沿った形状である請求項8に記載の流体制御弁。
【請求項11】
前記複数の流路部は、前記軸心方向に複数並んで形成されており、前記軸心から放射状に拡がる方向を径方向としたとき、前記軸心方向に複数並ぶ前記複数の流路部それぞれの前記径方向の距離が一定である請求項1に記載の流体制御弁。
【請求項12】
前記バルブ収容空間を閉塞するハウジングカバー(20)と、
前記ハウジングカバーに取り付けられるカバーシール(23)
前記バルブを回転させる回転力を出力する駆動部(30)と、を備え、
前記バルブは、前記軸心方向における一方側に向かって突出して前記駆動部に接続され、前記回転力によって回転する回転軸(62)を有し、
前記ハウジングは、前記軸心方向に延び、前記軸心方向の一方側が開口した筒状であって、
前記ハウジングカバーは、前記回転軸が挿入される軸穴(22)を有し、
前記カバーシールは、前記軸穴内において、前記軸穴と前記回転軸との間に設けられており、
前記バルブ、前記カバーシールおよび前記ハウジングカバーは、前記ハウジングに対して前記軸心方向の一方側から着脱可能である、請求項3に記載の流体制御弁。
【請求項13】
前記ハウジングカバーは、前記ハウジングにスナップフィットにより固定されている請求項12に記載の流体制御弁。
【請求項14】
前記駆動部および前記ハウジングカバーは、同一のねじ部材で前記ハウジングに固定される請求項12に記載の流体制御弁。
【請求項15】
前記バルブは、前記バルブの回転を規制するストッパ(63)を有し、
前記ストッパは、前記ハウジングカバーに対向する部位とは異なる部位に設けられている請求項12に記載の流体制御弁。
【請求項16】
前記ハウジングは、前記軸心方向の他方側を閉塞する底部(12)を有し、
前記ストッパは、前記底部に向かって突出しており、
前記底部は、前記ストッパに当接することで前記バルブの回転を規制する回転規制部(122)を有する請求項15に記載の流体制御弁。
【請求項17】
前記ストッパは、前記軸心方向に延びて形成されている請求項15に記載の流体制御弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、流体制御弁に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、流体が流れる複数の流路部を有するバルブと、バルブを収容するとともに流体を流入出させる複数のポートが形成されたハウジングと、を有する流体制御弁が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の流体制御弁が備えるバルブは、円筒形状であって、外周部に形成される外周部側の流路部と、外周部側の流路より径方向内側に形成される内周部側の流路部とを有する。そして、特許文献1に記載の流体制御弁は、外周部側の流路部から内周部側の流路部へ流体が流れ、内周部側の流路部へ流入した流体がバルブの軸心方向に沿って流れる構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載のバルブは、バルブの軸心方向に沿う方向から視た際の内周部側の流路部の流路面積が、外周部側の流路の流路面積に比較して小さくなっている。このため、流路面積が大きい外周部側の流路部から流路面積が小さい内周部側の流路部へ流体を流す際に圧力損失が発生する。しかし、圧力損失の発生は、バルブ内に流入させた流体の通水性が悪化する要因となる。
【0005】
本開示は、複数の流路部を有するバルブにおいて、流体が流れる際の圧力損失を抑制可能な流体制御弁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、
流体制御弁であって、
軸心(CL)を中心に回転するとともに、流体が流通する複数の流路部(64、68)が形成されるバルブ外壁部(61)を有するバルブ(60)と、
バルブを収容するバルブ収容空間(AS)を形成するハウジング外壁部(11)を有するとともに、ハウジング外壁部に流体が通過する複数の開口部(40)を有するハウジング(10)と、を備え、
複数の開口部は、軸心が延びる方向を軸心方向、軸心を中心にバルブが回転する方向を周方向としたとき、軸心方向に2つ以上並び、且つ、周方向に2列以上並んで形成されるとともに、バルブ収容空間に流体を流入させる流体入口部(42、44、45、47、91a~91d)およびバルブ収容空間から流体を流出させる流体出口部(41、43、46、48、92a~92f)を含み、
流体入口部は、周方向の一方側および他方側のどちらか一方に設けられる端部流体入口部を含み、
流体入口部は、周方向の一方側および他方側のうち、端部流体入口部が設けられる側に設けられる端部流体出口部を含み、
複数の流路部は、複数の開口部に対向し、流体入口部から流入する流体を直接流体出口部へ導く対向流路部と、端部流体入口部から流入した流体を、バルブ外壁部における複数の開口部に対向する部位を迂回して端部流体出口部へ導くバイパス流路部(64i、68f)とを含み、
バイパス流路部は、対向流路部に対して周方向に連なって形成されている。
【0007】
これによれば、バイパス流路部が複数の開口部に対向する部位を迂回させて流体を導く際に、流体が径方向に略流れない。このため、バイパス流路部が径方向の外側から内側に向かって流体を導く構成と異なり、迂回させる流路面積が小さくなることを回避できる。このため、複数の開口部に対向する部位を迂回させて流体を流す際の圧力損失を抑制できる。
【0008】
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1実施形態に係る流体制御弁の正面図である。
【
図2】第1実施形態に係る流体制御弁の側面図である。
【
図3】第1実施形態に係る流体制御弁の上面図である。
【
図5】第1実施形態に係るハウジングの正面図である。
【
図6】
図5のVIで示す矢印の方向から見た第1実施形態に係るハウジングの上面図である。
【
図7】第1実施形態に係る開口部を説明するための図である。
【
図10】第1実施形態に係るバルブの周方向における展開図である。
【
図11】第1実施形態に係る流体通路を説明するための図である
【
図12】第1実施形態に係るハウジングにシール部材が取り付けられた状態を示す図である。
【
図13】第1実施形態に係るシール部材のハウジングに取り付けられる前の状態を示す図である。
【
図14】第1実施形態に係るシール部材のハウジングに取り付けられた状態を示す図である。
【
図15】第1実施形態に係る第9流体通路を説明するための図である。
【
図16】第1実施形態に係る第9流体通路に流れる流体を説明するための図である。
【
図17】第2実施形態に係る流体制御弁の正面図である。
【
図18】第2実施形態に係るシール部材のハウジングに取り付けられる前の状態を示す図である。
【
図19】第2実施形態に係るバルブを示す図である。
【
図20】第2実施形態に係るバルブの周方向における展開図である。
【
図21】第2実施形態に係る流体通路を説明するための図である
【
図22】第2実施形態に係る隙間流路を説明するための図である
【
図23】第3実施形態に係る流体制御弁の正面図である。
【
図25】第4実施形態に係る流体制御弁の断面図である。
【
図27】第5実施形態に係る流体制御弁の正面図である。
【
図28】第5実施形態に係る流体制御弁の上面図である。
【
図30】第5実施形態の変形例に係る流体制御弁の上面図である。
【
図32】第6実施形態に係る流体制御弁の断面図である。
【
図33】周方向に並ぶ2つの開口部のうちの一方側の開口部から流入する流体が他方側の開口部から流出される状態を示す図である。
【
図34】周方向に並ぶ2つの開口部へ流体を流すバルブの形状を示す図である。
【
図35】軸心方向に並ぶ2つの開口部のうちの一方側の開口部から流入する流体が他方側の開口部から流出される状態を示す図である。
【
図36】軸心方向に並ぶ2つの開口部へ流体を流すバルブの形状を示す図である。
【
図37】1つの開口部から流入する流体が2つの開口部から流出する状態を示す一例を示す図である。
【
図38】1つの開口部から流入する流体が2つの開口部から流出する状態を示すその他の例を示す図である。
【
図39】2つの開口部から流入する流体が1つの開口部から流出する状態を示す一例を示す図である。
【
図40】2つの開口部から流入する流体が1つの開口部から流出する状態を示すその他の例を示す図である。
【
図41】1つの開口部から流入する流体を2つの開口部から流出させる、または、2つの開口部から流入する流体を1つの開口部から流出させるバルブの形状を示す図である。
【
図42】3つの開口部から流入する流体が2つの開口部から流出する状態を示す一例を示す図である。
【
図43】2つの開口部から流入する流体が3つの開口部から流出する状態を示す一例を示す図である。
【
図44】1つの開口部から流入する流体が4つの開口部から流出する状態を示す一例を示す図である。
【
図45】4つの開口部から流入する流体が1つの開口部から流出する状態を示す一例を示す図である。
【
図46】3つの開口部から流入する流体を2つの開口部から流出させる、2つの開口部から流入する流体を3つの開口部から流出させる等のバルブの形状を示す図である。
【
図47】1つの開口部から流入する流体が6つの開口部から流出する状態を示す一例を示す図である。
【
図48】6つの開口部から流入する流体が1つの開口部から流出する状態を示す一例を示す図である。
【
図49】3つの開口部から流入する流体が4つの開口部から流出する状態を示す一例を示す図である。
【
図50】5つの開口部から流入する流体が2つの開口部から流出する状態を示す一例を示す図である。
【
図51】1つの開口部から流入する流体を6つの開口部から流出させる、6つの開口部から流入する流体を1つの開口部から流出させる等のバルブの形状を示す図である。
【
図52】1つの開口部から流入する流体が7つの開口部から流出する状態を示す一例を示す図である。
【
図53】1つの開口部から流入する流体を7つの開口部から流出させるバルブの形状を示す図である。
【
図54】周方向に並ぶ2つの開口部へ流体を流すバルブにおけるリブが形成されない部位を説明するための図である。
【
図55】軸心方向に並ぶ2つの開口部へ流体を流すバルブにおけるリブが形成されない部位を説明するための図である。
【
図56】周方向に並ぶ3つの開口部へ流体を流すバルブにおけるリブが形成されない部位を説明するための図である。
【
図57】軸心方向に並ぶ3つの開口部へ流体を流すバルブにおけるリブが形成されない部位を説明するための図である。
【
図58】流体を流入させる開口部に対して軸心方向および周方向それぞれに流体を流出させる開口部が設けられるバルブにおけるリブが形成されない部位を説明するための図である。
【
図59】流体を流入させる開口部に対して軸心方向および周方向それぞれに流体を流出させる開口部が設けられるバルブにおけるリブが形成されない部位を説明するための図である。
【
図60】流体を流入させる開口部に対して周方向に流体を流出させる開口部が設けられるバルブにおけるリブが形成されない部位を説明するための図である。
【
図61】流体を流入させる開口部に対して軸心方向に流体を流出させる開口部が設けられるバルブにおけるリブが形成されない部位を説明するための図である。
【
図62】軸心方向および周方向それぞれに並ぶ流体を流入させる開口部と、周方向に並ぶ流体を流出させる開口部が設けられるバルブにおけるリブが形成されない部位を説明するための図である。
【
図63】周方向に並ぶ流体を流入させる開口部と、軸心方向および周方向それぞれに並ぶ流体を流出させる開口部が設けられるバルブにおけるリブが形成されない部位を説明するための図である。
【
図64】互いに隣り合わない開口部に対して、開口部に対向する部位を迂回して流体を流すバルブにおけるリブが形成されない部位を説明するための図である。
【
図65】互いに隣り合わない複数の開口部に対して、開口部に対向する部位を迂回して流体を流すバルブにおけるリブが形成されない部位を説明するための図である。
【
図66】互いに隣り合わない複数の開口部に対して、開口部に対向する部位を迂回して流体を流すバルブにおけるリブが形成されない部位を説明するための図である。
【
図67】流体制御弁に隙間流路が形成される場合のバルブにおけるリブが形成されない部位を説明するための図である。
【
図68】流体制御弁に隙間流路が形成される場合のバルブにおけるリブが形成されない部位を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態において、先行する実施形態で説明した事項と同一もしくは均等である部分には、同一の参照符号を付し、その説明を省略する場合がある。また、実施形態において、構成要素の一部だけを説明している場合、構成要素の他の部分に関しては、先行する実施形態において説明した構成要素を適用することができる。以下の実施形態は、特に組み合わせに支障が生じない範囲であれば、特に明示していない場合であっても、各実施形態同士を部分的に組み合わせることができる。
【0011】
(第1実施形態)
本実施形態について、
図1~
図16を参照して説明する。本実施形態の流体制御弁1は、例えば、電気自動車またはハイブリッド車の車室内および電池の温度を調整するための流体(本例では、冷却水)が循環する流体循環システムに適用されるバルブ装置である。流体循環システムは、車両走行用動力源、ラジエータ、車室内空調用のヒータコアおよび電池などに冷却水を循環させるシステムである。冷却水としては、例えばエチレングリコールを含むLLC(Long life coolant)などが用いられる。流体制御弁1は、流体循環システム内を流れる流体の流路の切り替え、または流量調整などを行うものである。
【0012】
まず、本実施形態の流体制御弁1の構成について説明する。
図1~
図5に示すように、本実施形態の流体制御弁1は、ハウジング10、ハウジングカバー20、駆動部30、バルブ60、シール部材70および付勢部80などを備えている。本実施形態の流体制御弁1は、駆動部30がバルブ60を後述の軸心CLを中心に回転させることで流体循環システムを流れる冷却水の流路の切り替えを行うバルブ装置として構成されている。
【0013】
そして、流体制御弁1は、流体循環システム内を流れる流体の流路の切り替えを行うために、流体制御弁1の運転モードを切り替え可能に構成されている。流体制御弁1の運転モードは、駆動部30によって切り替えられる。運転モードの詳細は後述する。
【0014】
ハウジング10は、
図4に示すように、流体制御弁1の外殻を構成し、その内側にバルブ60を収容するバルブ収容空間ASを形成している。ハウジング10は、回転しない非回転部材である。具体的には、ハウジング10は、有底筒状に形成された筒部11と、有底筒状の底側の部位を形成する底部12と、バルブ収容空間ASへの流体の流入出を行うポート形成部13と、を有している。筒部11、底部12およびポート形成部13は、例えば、樹脂材料を金型に流し込んで所望の形状に固める射出成型によって成型されている。具体的に、ハウジング10は、例えば、ポリアミド66(以下、「PA66」という)の強化材、ポリフタルアミド(以下、「PPA」という)の強化材、または、ポリフェニレンサルファイド(以下、「PPS」という)の強化材のいずれかにより形成されている。なお、強化材とは、例えば、これらPA66、PPA、または、PPSとガラス繊維等とが組み合わされて構成された部材である。なお、
図4においては、駆動部30を省略している。
【0015】
図4に示すように、ハウジング10の内部であるバルブ収容空間ASには、バルブ60およびシール部材70が収容されている。そして、ハウジング10は、筒部11の開口側がハウジングカバー20によって閉塞されている。
【0016】
以下、
図1等に示すように、軸心CLに沿う方向を軸心方向DRaとし、軸心方向DRaにおける一方側の方向を第1軸心方向DRa1とし、第1軸心方向DRa1とは反対側の方向を第2軸心方向DRa2として各種構成等を説明する。本実施形態では、筒部11における開口側を第1軸心方向DRa1とし、ハウジング10における底部12側を第2軸心方向DRa2とする。
【0017】
また、軸心方向DRaに直交するとともに軸心CLから放射状に拡がる方向を径方向DRr、軸心CLを中心とした軸心CLの周りの方向を周方向DRcとして各種構成等を説明する。周方向DRcは、駆動部30から供給される駆動力によってバルブ60が回転する方向である。そして、周方向DRcのうち、一方側を第1周方向DRc1とし、他方側を第2周方向DRc2とする。なお、
図1等に示す方向は一例であって、本開示の流体制御弁1の設置状態を限定するものでない。
【0018】
筒部11は、バルブ60のほとんどの部位を囲む部位であって、円筒状に形成されている。また、筒部11は、中心軸が軸心CLと同軸上となるように形成されている。そして、筒部11は、第1軸心方向DRa1から第2軸心方向DRa2に向かって外径および内径が小さくなる略円錐形状に形成されている。すなわち、筒部11は、第2軸心方向DRa2側が頂点側であって、第1軸心方向DRa1側が底側である略円錐形状に形成されている。換言すれば、筒部11は、軸心CLに直交する断面において、第1軸心方向DRa1から第2軸心方向DRa2に向かうほど軸心CLから外殻までの距離が小さくなっている。ただし、筒部11は、第1軸心方向DRa1側の端部が頂点となっておらず、平坦に形成されている。本実施形態の筒部11は、バルブ収容空間ASを形成するハウジング外壁部として機能する。
【0019】
図1等に示すように、筒部11の第1軸心方向DRa1側には、ハウジングカバー20を取り付けるための爪部111が設けられている。筒部11の第2軸心方向DRa2側には、底部12が連なっている。
【0020】
また、
図6に示すように、筒部11の内側には、シール部材70の周方向DRcへの移動を規制する周側シール規制部112が設けられている。周側シール規制部112は、バルブ60が周方向DRcに回転する際に、バルブ60の回転に伴ってシール部材70が周方向DRcへ移動することを規制するものである。周側シール規制部112は、筒部11の内周面16におけるシール部材70が配置される部位のうち、シール部材70の第1周方向DRc1側の端部および第2周方向DRc2側の端部に対応する位置それぞれにおいて、軸心CLに向かって突出して形成されている。
【0021】
そして、筒部11には、
図5~
図7に示すように、流体をバルブ収容空間ASに流入させるとともに、
図4に示すように、バルブ収容空間ASに流入させた流体をハウジング10の外部へ流出させる複数の開口部40が形成されている。具体的、
図5~
図7に示すように、筒部11には、8つの開口部41、42、43、44、45、46、47、48が形成されている。これら8つの開口部41、42、43、44、45、46、47、48は、筒部11におけるポート形成部13が設けられる部位に形成されている。そして、これら8つの開口部41、42、43、44、45、46、47、48は、筒部11を径方向DRrに貫通して形成されている。すなわち、8つの開口部41、42、43、44、45、46、47、48は、筒部11が切り欠けられて形成されている。
【0022】
以下、8つの開口部41、42、43、44、45、46、47、48を、8つの開口部41~48と示す場合がある。なお、
図7は、8つの開口部41~48を説明するための図であって、ハウジング10を径方向DRrに沿った方向から視た際のハウジング10における8つの開口部41~48が形成されている部位を模式的に示した図である。
【0023】
図5~
図7に示すように、8つの開口部41~48は、軸心方向DRaに4つ並ぶとともに、周方向DRcに2列並ぶ格子状に形成されている。また、8つの開口部41~48は、第1軸心方向DRa1から第2軸心方向DRa2に向かって外径および内径が小さくなる略円錐形状の筒部11に対応した形状となっている。具体的には、
図5および
図6に示すように、8つの開口部41~48は、それぞれの開口形状が略台形状であって、第1軸心方向DRa1側に比較して第2軸心方向DRa2側の周方向DRcの大きさが小さくなっている。また、8つの開口部41~48は、第1軸心方向DRa1側から第2軸心方向DRa2側に向かうほど、開口面積(すなわち、径方向DRrに直交する断面積)が小さくなっている。
【0024】
筒部11は、8つの開口部41~48それぞれを仕切る仕切部50を有する。具体的に、仕切部50は、8つの開口部41~48を軸心方向DRaに仕切る3つの周側仕切部51と、8つの開口部41~48を周方向DRcに仕切る1つの軸側仕切部52とを有する。また、仕切部50は、8つの開口部41~48を囲み、3つ周側仕切部51および1つの軸側仕切部52に連通する外周仕切部53を有する。
【0025】
3つの周側仕切部51は、周方向DRcに延びて形成されている。そして、3つの周側仕切部51は、2列に並ぶ8つの開口部41~48のうち、第1周方向DRc1側において軸心方向DRaに4つ並ぶ一方の列の開口部41、42、43、44それぞれを軸心方向DRaに仕切っている。また、3つの周側仕切部51は、2列に並ぶ8つの開口部41~48のうち、第2周方向DRc2側において軸心方向DRaに4つ並ぶ他方の列の開口部45、46、47、48それぞれを軸心方向DRaに仕切っている。
【0026】
1つの軸側仕切部52は、軸心方向DRaに延びて形成されている。そして、1つの軸側仕切部52は、2列並ぶ8つの開口部41~48のうち、一方の列の開口部41、42、43、44と他方の列の開口部45、46、47、48とを、周方向DRcに仕切っている。
【0027】
外周仕切部53は、8つの開口部41~48を囲む外周部分である。外周仕切部53は、8つの開口部41~48の第1周方向DRc1側と、第2軸心方向DRa2側と、第1軸心方向DRa1側と、第2軸心方向DRa2側とを囲んでいる。
【0028】
本実施形態では、8つの開口部41、42、43、44、45、46、47、48のうち、4つの開口部42、44、45、47が流体をバルブ収容空間ASに流入させ、4つの開口部41、43、46、48が流体をハウジング10の外部へ流出させる。以下、バルブ収容空間ASに流体を流入させる開口部42、44、45、47を第1流体入口部42、第2流体入口部44、第3流体入口部45、第4流体入口部47とする。また、流体をハウジング10の外部へ流出させる4つの開口部41、43、46、48を第1流体出口部41、第2流体出口部43、第3流体出口部46、第4流体出口部48とする。
【0029】
第1流体入口部42、第2流体入口部44、第3流体入口部45、第4流体入口部47は、ハウジング10内のバルブ収容空間ASに流体を流入させる入口ポートである。第1流体出口部41、第2流体出口部43、第3流体出口部46、第4流体出口部48は、ハウジング10内のバルブ収容空間ASに流入させた流体を当該バルブ収容空間ASの外部へ流出させる出口ポートである。
【0030】
そして、本実施形態では、第1流体出口部41と、第1流体入口部42と、第2流体出口部43と、第2流体入口部44とが、第1周方向DRc1側において第1軸心方向DRa1から第2軸心方向DRa2側に向かって並んでいる。また、第3流体入口部45と、第3流体出口部46と、第4流体入口部47と、第4流体出口部48とが、第2周方向DRc2側において第1軸心方向DRa1から第2軸心方向DRa2側に向かって並んでいる。
【0031】
すなわち、第1流体入口部42および第1流体出口部41が軸心方向DRaに互いに隣り合っている。第2流体入口部44および第2流体出口部43が軸心方向DRaに互いに隣り合っている。第3流体入口部45および第3流体出口部46が軸心方向DRaに互いに隣り合っている。第4流体入口部47および第4流体出口部48が軸心方向DRaに互いに隣り合っている。
【0032】
そして、第1流体入口部42および第3流体出口部46が周方向DRcに互いに隣り合っている。第2流体入口部44および第4流体出口部48が周方向DRcに互いに隣り合っている。第3流体入口部45および第1流体出口部41が周方向DRcに互いに隣り合っている。第4流体入口部47および第2流体出口部43が周方向DRcに互いに隣り合っている。
【0033】
これら第1流体入口部42、第2流体入口部44、第3流体入口部45、第4流体入口部47、第1流体出口部41、第2流体出口部43、第3流体出口部46、第4流体出口部48に対向する位置にポート形成部13が設けられている。
【0034】
以下、第1流体出口部41、第1流体入口部42、第2流体出口部43および第2流体入口部44で構成される1群の開口部群を1列目開口部と称し、第3流体入口部45、第3流体出口部46、第4流体入口部47および第4流体出口部48で構成される1群の開口部群を2列目開口部と称する場合がある。また、第3流体入口部45および第1流体出口部41で構成される1群の開口部群を1段目開口部と称し、第1流体入口部42および第3流体出口部46で構成される1群の開口部群を2段目開口部と称する場合がある。また、第4流体入口部47および第2流体出口部43で構成される1群の開口部群を3段目開口部と称し、第2流体入口部44および第4流体出口部48で構成される1群の開口部群を4段目開口部と称する場合がある。
【0035】
なお、第1流体入口部42、第2流体入口部44、第3流体入口部45、第4流体入口部47、第1流体出口部41、第2流体出口部43、第3流体出口部46、第4流体出口部48の配置はこの例に限定されず、適宜変更可能である。以下、第1流体入口部42、第2流体入口部44、第3流体入口部45、第4流体入口部47を第1流体入口部42~第4流体入口部47と示す場合がある。また、第1流体出口部41、第2流体出口部43、第3流体出口部46、第4流体出口部48を第1流体出口部41~第4流体出口部48と示す場合がある。
【0036】
底部12は、バルブ収容空間ASの一部を閉塞するとともに、バルブ60の後述の回転軸62を支持するものである。底部12は、径方向DRrおよび周方向DRcに沿って平面状に拡がって形成されている。そして、底部12には、
図4および
図6に示すように、バルブ60の回転軸62の第2軸心方向DRa2側が嵌められる支持穴121を有する。支持穴121は、回転軸62を回転可能に支持している。
【0037】
また、
図6に示すように、底部12には、バルブ60の回転を規制する2つの回転規制部122が設けられている。回転規制部122は、バルブ60の後述するストッパ63と当接可能な位置に形成されている。そして、バルブ60が第1周方向DRc1側に回転する際に、バルブ60のストッパ63が一方の回転規制部122に当接することで、バルブ60の第1周方向DRc1への回転が抑制される。また、バルブ60が第2周方向DRc2側に回転する際に、バルブ60のストッパ63が他方の回転規制部122に当接することで、バルブ60の第2周方向DRc2側への回転が抑制される。これにより、バルブ60の回転位置が初期位置に位置付けられる。
【0038】
さらに、底部12には、シール部材70の周方向DRcおよび径方向DRrへの移動を規制する径側シール規制部123が設けられている。径側シール規制部123は、バルブ60が周方向DRcに回転する際に、バルブ60の回転に伴ってシール部材70が周方向DRcへ移動することを規制するとともに、径方向DRrの内側へ移動することを規制するものである。径側シール規制部123は、筒部11の径方向DRrにおける端部において、一方の周側シール規制部112から他方の周側シール規制部112に至るまで周方向DRcに沿って窪んだ溝状に形成されている。
【0039】
ポート形成部13は、流体をバルブ収容空間ASに流入させるとともに、バルブ収容空間ASに流入させた流体をハウジング10の外部へ流出させる部位である。ポート形成部13は、直方体形状であって、軸心方向DRaが長手方向に形成されている。ポート形成部13には、第1流体入口部42~第4流体入口部47および第1流体出口部41~第4流体出口部48それぞれに連通する流通穴131が形成されている。流通穴131は、ポート形成部13を径方向DRrに貫通して形成されている。
【0040】
ハウジングカバー20は、ハウジング10における筒部11の開口側を塞ぐことでバルブ収容空間ASを閉塞するとともに、バルブ60の回転軸62を支持するものである。ハウジングカバー20は、
図4に示すように、バルブ60の回転軸62の第1軸心方向DRa1側を支持する軸受部21と、ハウジングカバー20における回転軸62が挿入される軸穴22と回転軸62との隙間をシールする円環形状のカバーシール23とを有する。さらに、ハウジングカバー20は、ハウジングカバー20における駆動部30が挿入される部位と駆動部30との隙間をシールする駆動部シール24が設けられている。
【0041】
軸受部21は、例えば、玉軸受や転がり軸受で構成されており、回転軸62を回転可能に支持している。カバーシール23は、例えば、弾性変形可能なゴム部材で形成されるOリングで構成されている。そして、カバーシール23は、ハウジングカバー20と回転軸62とのシール性を確保している。駆動部シール24は、例えば、弾性変形可能なゴム部材で形成されるOリングで構成されている。そして、駆動部シール24は、ハウジングカバー20と駆動部30とのシール性を確保している。
【0042】
また、ハウジングカバー20は、
図1~
図3に示すように、第1軸心方向DRa1側に、筒部11に設けられた爪部111が嵌められる係受部25を有する。そして、ハウジングカバー20は、当該爪部111が係受部25に嵌められることで筒部11に取り付けられる。換言すれば、ハウジングカバー20は、筒部11に対してスナップフィットにより固定されている。
【0043】
また、ハウジングカバー20は、第2軸心方向DRa2側に、ねじ部材Sが挿入されるカバーねじ受部26を有する。
【0044】
そして、ハウジングカバー20の第1軸心方向DRa1側には、駆動部30が設けられている。駆動部30は、ハウジングカバー20のカバーねじ受部26に挿入されるねじ部材Sによってハウジングカバー20に固定されている。
【0045】
駆動部30は、バルブ60を回転させるための回転力を出力するためのアクチュエータである。駆動部30は、バルブ60を回転させる駆動源としての不図示のモータと、モータの出力をバルブ60の回転軸62に伝達する不図示の減速機構とを有している。モータは、例えばサーボモータ、ステッピングモータまたはブラシレスモータを採用することができる。減速機構は、例えば、ヘリカルギアまたは平歯車を含むギア機構を採用することができる。図示しないが、モータは、モータと電気的に連結した制御部からの制御信号に従って回転する。
【0046】
制御部は、非遷移的実体的記憶媒体であるメモリ、およびプロセッサなどを有するコンピュータを採用することができる。制御部は、例えば、メモリに記憶されたコンピュータプログラムを実行するとともに、コンピュータプログラムに従って種々の制御処理を実行する制御装置である。制御部は、メモリに記憶されたコンピュータプログラムを実行してバルブ60の回転位置を変更する制御信号を流体制御弁1に送信する。流体制御弁1は、制御部から送信される制御信号に基づいて運転モードが切り替えられる。
【0047】
バルブ60は、駆動部30が出力する回転力によって軸心CLを中心に回転することで、第1流体入口部42~第4流体入口部47および第1流体出口部41~第4流体出口部48それぞれへの流体の流れを切り替える弁部材である。
図4に示すように、バルブ60は、バルブ収容空間AS内に配置されており、回転可能なように筒部11の内周面16に当接しない位置に設けられている。すなわち、バルブ60と筒部11との間には所定の隙間が形成されるようにバルブ60が配置されている。また、バルブ60は、中心軸が軸心CLと同軸上であって、筒部11の中心軸とも同軸上となるように形成されている。
【0048】
バルブ60は、第1軸心方向DRa1から第2軸心方向DRa2に向かって外径が小さくなる略円錐形状に形成されている。すなわち、バルブ60は、第2軸心方向DRa2側が頂点側であって、第1軸心方向DRa1側が底側である略円錐形状に形成されている。換言すれば、バルブ60は、軸心CLに直交する断面において、第1軸心方向DRa1から第2軸心方向DRa2に向かうほど軸心CLから外殻までの距離が小さくなっている。ただし、バルブ60は、第1軸心方向DRa1側の端部が頂点となっておらず、平坦に形成されている。
【0049】
バルブ60は、
図4および
図8に示すように、略円錐形状の外殻を形成するバルブ外壁部61と、回転軸62と、ストッパ63とを有する。これらバルブ外壁部61と、回転軸62と、ストッパ63は、一体に成形されている。例えば、バルブ外壁部61と、回転軸62と、ストッパ63は、PA66の強化材、PPAの強化材、PPSの強化材、または、フェノール(以下「PF」という)の強化材のいずれかにより成形されて形成されている。
【0050】
ここで、バルブ60の回転軸62と同一の軸を有する円錐形を定義する。
図4に示すように、バルブ60は、定義したその円錐形の側面に沿うようにバルブ外壁部61が形成されている。バルブ外壁部61は、径方向DRrにおいて筒部11に対向しており、筒部11の内周面16に対向する外周面611を有する。ここで、
図8に示すように、バルブ外壁部61に平行な円錐形の母線と、回転軸62(すなわち、軸心CL)とのなす内角θは、5deg以上に設定されている。換言すれば、外周面611に沿う母線と軸心CLとのなす内角θが5deg以上に設定されている。本実施形態では、内角θは、7degで設定されている。なお、内角θは、5deg以上であれば7degより小さい角度で設定されてもよいし、7degより大きい角度で設定されてもよい。
【0051】
また、バルブ外壁部61は、筒部11に沿った円錐形状となっている。すなわち、バルブ外壁部61の外周面611と筒部11の内周面16とは、互いに対向する部位が略平行しており、外周面611と内周面16との径方向DRrの距離が略一定となっている。すなわち、筒部11におけるバルブ収容空間ASを形成する内周面16は、バルブ外壁部61と相似の円錐形の側面に沿った形状である。換言すれば、筒部11は、バルブ外壁部61に沿った円錐形状となっている。
【0052】
また、
図8に示すように、バルブ外壁部61には、軸心方向DRaに4つ並ぶとともに、周方向DRcに2列並ぶ8つの開口部41、42、43、44、45、46、47、48に対応した複数の流体通路64が形成されている。具体的には、バルブ外壁部61には、
図10に示すように、流体が流通する10個の流体通路64a、64b、64c、64d、64e、64f、64g、64h、64i、64jが形成されている。
【0053】
さらに、バルブ外壁部61には、バルブ収容空間ASに流体が流入することを禁止する複数の閉塞部65が形成されている。具体的に、バルブ外壁部61には、6つの閉塞部65a、65b、65c、65d、65e、65fが形成されている。これら10個の流体通路64a、64b、64c、64d、64e、64f、64g、64h、64i、64jおよび6つの閉塞部65a、65b、65c、65d、65e、65fは、バルブ60が回転する際、いずれかが8つの開口部41~48のいずれかに対向するように形成されている。また、バルブ外壁部61には、これら10個の流体通路64a、64b、64c、64d、64e、64f、64g、64h、64i、64jおよび6つの閉塞部65a、65b、65c、65d、65e、65fそれぞれを仕切るリブ66が形成されている。
【0054】
これら10個の流体通路64a、64b、64c、64d、64e、64f、64g、64h、64i、64jは、バルブ60が回転して、8つの開口部41~48のうち自身が対向する開口部が切り替えられることで、流体制御弁1への流体の流入出を切り替えるものである。また、これら6つの閉塞部65a、65b、65c、65d、65e、65fは、バルブ60が回転して、8つの開口部41~48のうち自身が対向する開口部が切り替えられることで、対向する開口部への流体の流入出を禁止するものである。そして、リブ66は、これら10個の流体通路64a、64b、64c、64d、64e、64f、64g、64h、64i、64jおよび6つの閉塞部65a、65b、65c、65d、65e、65fそれぞれを囲むように形成されている。
【0055】
以下、10個の流体通路64a、64b、64c、64d、64e、64f、64g、64h、64i、64jを10個の流体通路64a~64jと示す場合がある。また、10個の流体通路64a、64b、64c、64d、64e、64f、64g、64h、64i、64jを第1流体通路64a、第2流体通路64b、第3流体通路64c、第4流体通路64d、第5流体通路64e、第6流体通路64f、第7流体通路64g、第8流体通路64h、第9流体通路64i、第10流体通路64jと称する。そして、第1流体通路64a、第2流体通路64b、第3流体通路64c、第4流体通路64d、第5流体通路64e、第6流体通路64f、第7流体通路64g、第8流体通路64h、第9流体通路64i、第10流体通路64jを第1流体通路64a~第10流体通路64jと称する場合がある。
【0056】
また、6つの閉塞部65a、65b、65c、65d、65e、65fを6つの閉塞部65a~65fと示す場合がある。また、6つの閉塞部65a、65b、65c、65d、65e、65fを第1閉塞部65a、第2閉塞部65b、第3閉塞部65c、第4閉塞部65d、第5閉塞部65e、第6閉塞部65fと称する。そして、第1閉塞部65a、第2閉塞部65b、第3閉塞部65c、第4閉塞部65d、第5閉塞部65e、第6閉塞部65fを第1閉塞部65a~第6閉塞部65fと称する場合がある。また、バルブ60における8つの開口部41~48に対向する側を表側とし、表側とは反対側を裏側とする。バルブ60は、表側に位置付けられた第1流体通路64a~第10流体通路64jのいずれかおよび第1閉塞部65a~第6閉塞部65fのいずれかが第1流体入口部42~第4流体入口部47および第1流体出口部41~第4流体出口部48に対向する。
【0057】
10個の流体通路64a~64jは、バルブ外壁部61において、それぞれ軸心方向DRaおよび周方向DRcの少なくとも一方に沿って軸心CL側に凹んで形成されている。そして、10個の流体通路64a~64jのうち、バルブ外壁部61に沿って形成されており、軸心方向DRaにおける位置が同じ通路が周方向DRcにおいて重なる位置に形成されている。また、10個の流体通路64a~64jは、それぞれの径方向DRrの大きさが略同じとなるように形成されている。換言すれば、凹んで形成される10個の流体通路64a~64jは、それぞれの深さ方向が略同じ大きさで形成されている。
【0058】
そして、10個の流体通路64a~64jそれぞれは、開口形状が格子状の8つの開口部41~48それぞれに対応する略台形状が複数組み合わされた形状となっている。すなわち、第1流体通路64a~第10流体通路64jそれぞれの開口形状は、周方向DRcの大きさが第1軸心方向DRa1側に比較して第2軸心方向DRa2側が小さい台形形状が複数組み合わせた形状となっている。そして、第1流体通路64a~第10流体通路64jは、バルブ60が回転して8つの開口部41~48に対向する位置に位置付けられた際、8つの開口部41~48のうちの2つ以上を跨ることが可能な大きさに形成されている。
【0059】
ここで、第1流体通路64a~第10流体通路64jは、第1流体入口部42~第4流体入口部47のうちの少なくとも1つと第1流体出口部41~第4流体出口部48のうちの少なくとも1つとを連通させることが可能に形成されている。これにより、第1流体通路64a~第10流体通路64jは、第1流体入口部42~第4流体入口部47のうちの連通するいずれかから流入する流体を第1流体出口部41~第4流体出口部48のうちの連通するいずれかへ導くことが可能となっている。
【0060】
第1閉塞部65a~第6閉塞部65fは、第1流体入口部42~第4流体入口部47のうちのいずれか1つに対向する際、対向する入口部からバルブ収容空間AS内に流体が禁止することを可能に形成されている。具体的に、第1閉塞部65a~第6閉塞部65fは、開口形状が第1流体入口部42~第4流体入口部47それぞれに対応する形状であって、軸心CL側に凹んで形成されている。すなわち、第1閉塞部65a~第6閉塞部65fは、略台形状で窪んで形成されている。
【0061】
また、第1閉塞部65a~第6閉塞部65fは、第1流体出口部41~第4流体出口部48のうちのいずれか1つに対向する際、対向する出口部からの流体の流出を禁止することを可能に形成されている。具体的に、第1閉塞部65a~第6閉塞部65fは、開口形状が第1流体出口部41~第4流体出口部48それぞれに対応する形状であって、軸心CL側に凹んで形成されている。すなわち、第1閉塞部65a~第6閉塞部65fは、略台形状で窪んで形成されている。
【0062】
そして、第1流体通路64a~第10流体通路64jおよび第1閉塞部65a~第6閉塞部65fは、それぞれがリブ66によって仕切られている。リブ66は、軸心方向DRaに延びて形成される軸側リブ66aおよび周方向DRcに延びて形成される周側リブ66bを有する。軸側リブ66aは、バルブ60が回転する際、軸側仕切部52に対向可能に形成されている。周側リブ66bは、バルブ60が回転する際、周側仕切部51に対向可能に形成されている。そして、第1流体通路64a~第10流体通路64jおよび第1閉塞部65a~第6閉塞部65fそれぞれは、軸側リブ66aおよび周側リブ66bによって囲まれている。例えば、第1閉塞部65a~第6閉塞部65fを囲む軸側リブ66aおよび周側リブ66bは、第1流体入口部42~第4流体入口部47のいずれかを囲む軸側仕切部52および周側仕切部51に対向する位置に形成される。
【0063】
本実施形態では、第1流体通路64a~第10流体通路64jおよび第1閉塞部65a~第6閉塞部65fそれぞれは、いずれかが互いに隣り合って形成されている。そして、互いに隣り合う第1流体通路64a~第10流体通路64jおよび第1閉塞部65a~第6閉塞部65fを仕切るリブ66は、互いに隣り合う部分を仕切る軸側リブ66aおよび周側リブ66bが互いに共通されており一体に形成されている。
【0064】
具体的な第1流体通路64a~第10流体通路64jおよび第1閉塞部65a~第6閉塞部65fそれぞれの形状および形成位置について、
図10および
図11を参照して説明する。
図10および
図11に示す各バルブ60は、8つの開口部41~48に対向する各流体通路および各閉塞部が判るように、バルブ60を周方向DRcに回転させた際のバルブ60それぞれの表側を示している。また、
図10および
図11では、格子状のマスがバルブ60を周方向DRcに展開した際の10個の流体通路64a~64jおよび第1閉塞部65a~第6閉塞部65fが形成されている部位を模式的に示し、格子がリブ66を示している。また、格子のうち、実線は、リブ66が形成されている部位を示す。破線は、リブ66が形成されていない部位を示す。
【0065】
図10および
図11に示すように、第1流体通路64a~第10流体通路64jおよび第1閉塞部65a~第6閉塞部65fは、バルブ外壁部61の軸心方向DRa全体に亘って形成されるとともに、周方向DRc全体に亘って形成されている。そして、第1流体通路64a~第10流体通路64jおよび第1閉塞部65a~第6閉塞部65fは、周方向DRcに複数列に分割した際のいずれかであって、軸心方向DRaに複数段に分割した際のいずれかに形成されている。
【0066】
そして、第1流体通路64a~第10流体通路64jは、各列の流体通路を1セルの流路部としたとき、バルブ外壁部61において10セル形成されている。すなわち、第1流体通路64a~第10流体通路64jは、バルブ外壁部61を周方向DRcに10列に分割した際の10列いずれか1つまたは複数に形成されている。また、バルブ60は、周方向DRcに2列並ぶ8つの開口部41~48に対して、対向する第1流体通路64a~第10流体通路64jが1列毎に変化するように、周方向DRcに回転する。
【0067】
ここで、バルブ外壁部61を軸心方向DRaに4分割し、周方向DRcに10分割することで区画されるバルブ外壁部61の各エリアを1区画と定義する。1区画は、8つの開口部41~48それぞれに対応し、
図10および
図11では、分かり易くするために、各区画の大きさを同じ形状で示している。
【0068】
また、バルブ外壁部61を軸心方向DRaに4分割した際の各区画を、第1軸心方向DRa1側から第2軸心方向DRa2側に向かって1段目区画、2段目区画、3段目区画、4段目区画と定義する。そして、バルブ外壁部61を周方向DRcに10分割した際の各区画を、第1軸心方向DRa1側から第2軸心方向DRa2側に向かって1列目区画、2列目区画、3列目区画、4列目区画、5列目区画、6列目区画、7列目区画、8列目区画、9列目区画、10列目区画と定義する。当該列は、上記したセルに対応するものである。
【0069】
このように定義した際の第1流体通路64a~第10流体通路64jは、1段目~4段目のいずれであって、1列目~10列目のいずれかに位置付けられる各区画を複数組み合わせた形状となる。そして、第1流体通路64a~第10流体通路64jは、第1流体入口部42~第4流体入口部47のいずれかに対向するとともに、第1流体出口部41~第4流体出口部48のいずれかに対向可能な位置に形成される。また、第1閉塞部65a~第6閉塞部65fは、1段目~4段目のいずれであって、1列目~10列目のいずれかに位置付けられる1区画に対応する。そして、第1閉塞部65a~第6閉塞部65fは、第1流体入口部42~第4流体入口部47のいずれか、または、第1流体出口部41~第4流体出口部48のいずれかに対向可能な位置に形成される。以下、第1流体通路64a~第10流体通路64jおよび第1閉塞部65a~第6閉塞部65fの形状および形成される位置について、区画を用いて説明する。
【0070】
第1流体通路64aは、1段目且つ1列目の区画と2段目且つ1列目の区画が組み合わされた形状となっている。そして、第1流体通路64aは、第1周方向DRc1側および第2周方向DRc2側が軸側リブ66aによって仕切られるとともに、第1軸心方向DRa1側および第2軸心方向DRa2側が周側リブ66bによって仕切られている。また、第1流体通路64aは、1段目且つ1列目の区画と2段目且つ1列目の区画との間に周側リブ66bが形成されていない形状となっている。
【0071】
このように構成される第1流体通路64aは、軸心方向DRaに2つの開口部を跨ることが可能となっている。ここで、バルブ60が周方向DRcに回転して第1流体通路64aが8つの開口部41~48に対向する位置に位置付けられたとする。第1流体通路64aは、1段目開口部および2段目開口部に対向可能となっている。そして、第1流体通路64aは、軸心方向DRaに互いに隣り合う第1流体入口部42と第1流体出口部41とを連通させることが可能となっている。また、第1流体通路64aは、軸心方向DRaに互いに隣り合う第3流体入口部45と第3流体出口部46とを連通させることが可能となっている。
【0072】
この場合、互いに隣り合う第1流体入口部42および第1流体出口部41のうち、第1流体入口部42が第1隣入口部に対応し、第1流体出口部41が第1隣出口部に対応する。また、互いに隣り合う第3流体入口部45および第3流体出口部46のうち、第3流体入口部45が第1隣入口部に対応し、第3流体出口部46が第1隣出口部に対応する。
【0073】
そして、バルブ60が周方向DRcに回転して第1流体通路64aが第1流体入口部42と第1流体出口部41とを連通させる位置に位置付けたとする。その際、第1流体通路64aを仕切る軸側リブ66aおよび周側リブ66bは、第1流体入口部42および第1流体出口部41と、これらとは異なる流体入口部および流体出口部と、を仕切る仕切部50に対向する。そして、周側リブ66bは、第1流体入口部42および第1流体出口部41の間を仕切る周側仕切部51に対向する位置に形成されない。
【0074】
第2流体通路64bは、3段目且つ1列目の区画と4段目且つ1列目の区画が組み合わされた形状となっている。そして、第2流体通路64bは、第1周方向DRc1側および第2周方向DRc2側が軸側リブ66aによって仕切られるとともに、第1軸心方向DRa1側および第2軸心方向DRa2側が周側リブ66bによって仕切られている。また、第2流体通路64bは、3段目且つ1列目の区画と4段目且つ1列目の区画との間に周側リブ66bが形成されていない形状となっている。
【0075】
このように構成される第2流体通路64bは、軸心方向DRaに2つの開口部を跨ることが可能となっている。ここで、バルブ60が周方向DRcに回転して第2流体通路64bが8つの開口部41~48に対向する位置に位置付けられたとする。第2流体通路64bは、3段目開口部および4段目開口部に対向可能となっている。そして、第2流体通路64bは、軸心方向DRaに互いに隣り合う第2流体入口部44と第2流体出口部43とを連通させることが可能となっている。また、第2流体通路64bは、軸心方向DRaに互いに隣り合う第4流体入口部47と第4流体出口部48とを連通させることが可能となっている。
【0076】
この場合、互いに隣り合う第2流体入口部44および第2流体出口部43のうち、第2流体入口部44が第1隣入口部に対応し、第2流体出口部43が第1隣出口部に対応する。また、互いに隣り合う第4流体入口部47および第4流体出口部48のうち、第4流体入口部47が第1隣入口部に対応し、第4流体出口部48が第1隣出口部に対応する。
【0077】
そして、バルブ60が周方向DRcに回転して第2流体通路64bが第2流体入口部44と第2流体出口部43とを連通させる位置に位置付けたとする。その際、第2流体通路64bを仕切る軸側リブ66aおよび周側リブ66bは、第2流体入口部44および第2流体出口部43と、これらとは異なる流体入口部および流体出口部と、を仕切る仕切部50に対向する。そして、周側リブ66bは、第2流体入口部44および第2流体出口部43の間を仕切る周側仕切部51に対向する位置に形成されない。
【0078】
第3流体通路64cは、1段目且つ2列目の区画~1段目且つ6列目の区画と2段目且つ2列目の区画が組み合わされた形状となっている。そして、第3流体通路64cは、第1周方向DRc1側および第2周方向DRc2側が軸側リブ66aによって仕切られるとともに、第1軸心方向DRa1側および第2軸心方向DRa2側が周側リブ66bによって仕切られている。また、第3流体通路64cは、1段目且つ2列目の区画と2段目且つ2列目の区画との間に周側リブ66bが形成されておらず、1段目且つ2列目の区画~1段目且つ6列目の区画それぞれの間に軸側リブ66aが形成されていない形状となっている。
【0079】
このように構成される第3流体通路64cは、軸心方向DRaに2つの開口部を跨ることが可能であって、且つ、周方向DRcに2つの開口部を跨ることが可能となっている。また、第3流体通路64cは、軸心方向DRaおよび周方向DRcのどちらか一方に互いに隣り合う3つの開口部を跨ることが可能となっている。ここで、バルブ60が周方向DRcに回転して第3流体通路64cが8つの開口部41~48に対向する位置に位置付けられたとする。第3流体通路64cは、1段目開口部および2段目開口部に対向可能となっている。そして、第3流体通路64cは、軸心方向DRaに互いに隣り合う第1流体入口部42と第1流体出口部41とを連通させることが可能となっている。また、第3流体通路64cは、軸心方向DRaに互いに隣り合う第3流体入口部45と第3流体出口部46とを連通させることが可能となっている。さらに、第3流体通路64cは、周方向DRcに互いに隣り合う第3流体入口部45と第1流体出口部41とを連通させることが可能となっている。また、第3流体通路64cは、軸心方向DRaおよび周方向DRcのどちらか一方に互いに隣り合う第1流体入口部42と第1流体出口部41と第3流体入口部45とを連通させることが可能となっている。
【0080】
この場合、互いに隣り合う第1流体入口部42および第1流体出口部41のうち、第1流体入口部42が第1隣入口部に対応し、第1流体出口部41が第1隣出口部に対応する。また、互いに隣り合う第3流体入口部45および第3流体出口部46のうち、第3流体入口部45が第1隣入口部に対応し、第3流体出口部46が第1隣出口部に対応する。さらに、互いに隣り合う第3流体入口部45および第1流体出口部41のうち、第3流体入口部45が第1隣入口部に対応し、第1流体出口部41が第1隣出口部に対応する。
【0081】
そして、バルブ60が周方向DRcに回転して第3流体通路64cを第1流体入口部42と第1流体出口部41とを連通させる位置に位置付けたとする。その際、第3流体通路64cを仕切る軸側リブ66aおよび周側リブ66bは、第1流体入口部42、第1流体出口部41および第3流体入口部45と、これらとは異なる流体入口部および流体出口部と、を仕切る仕切部50に対向する。そして、周側リブ66bは、第1流体入口部42および第1流体出口部41を仕切る周側仕切部51に対向する位置に形成されない。
【0082】
また、バルブ60が周方向DRcに回転して第3流体通路64cを第3流体入口部45と第1流体出口部41とを連通させる位置に位置付けたとする。その際、軸側リブ66aは、第3流体入口部45および第1流体出口部41の間を仕切る軸側仕切部52に対向する位置に形成されない。
【0083】
第4流体通路64dは、3段目且つ2列目の区画と4段目且つ2列目の区画が組み合わされた形状となっている。そして、第4流体通路64dは、第1周方向DRc1側および第2周方向DRc2側が軸側リブ66aによって仕切られるとともに、第1軸心方向DRa1側および第2軸心方向DRa2側が周側リブ66bによって仕切られている。また、第4流体通路64dは、3段目且つ2列目の区画と4段目且つ2列目の区画との間に周側リブ66bが形成されていない形状となっている。
【0084】
このように構成される第4流体通路64dは、軸心方向DRaに2つの開口部を跨ることが可能となっている。ここで、バルブ60が周方向DRcに回転して第4流体通路64dが8つの開口部41~48に対向する位置に位置付けられたとする。第4流体通路64dは、3段目開口部および4段目開口部に対向可能となっている。そして、第4流体通路64dは、軸心方向DRaに互いに隣り合う第2流体入口部44と第2流体出口部43とを連通させることが可能となっている。また、第4流体通路64dは、軸心方向DRaに互いに隣り合う第4流体入口部47と第4流体出口部48とを連通させることが可能となっている。
【0085】
この場合、互いに隣り合う第2流体入口部44および第2流体出口部43のうち、第2流体入口部44が第1隣入口部に対応し、第2流体出口部43が第1隣出口部に対応する。また、互いに隣り合う第4流体入口部47および第4流体出口部48のうち、第4流体入口部47が第1隣入口部に対応し、第4流体出口部48が第1隣出口部に対応する。
【0086】
そして、バルブ60が周方向DRcに回転して第4流体通路64dを第2流体入口部44と第2流体出口部43とを連通させる位置に位置付けたとする。その際、第4流体通路64dを仕切る軸側リブ66aおよび周側リブ66bは、第2流体入口部44および第2流体出口部43と、これらとは異なる流体入口部および流体出口部と、を仕切る仕切部50に対向する。そして、周側リブ66bは、第2流体入口部44および第2流体出口部43の間を仕切る周側仕切部51に対向する位置に形成されない。
【0087】
第5流体通路64eは、2段目且つ3列目の区画~4段目且つ3列目の区画が組み合わされた形状となっている。そして、第5流体通路64eは、第1周方向DRc1側および第2周方向DRc2側が軸側リブ66aによって仕切られるとともに、第1軸心方向DRa1側および第2軸心方向DRa2側が周側リブ66bによって仕切られている。また、第5流体通路64eは、2段目且つ3列目の区画~4段目且つ3列目の区画それぞれの間に周側リブ66bが形成されていない形状となっている。
【0088】
このように構成される第5流体通路64eは、軸心方向DRaに3つの開口部を跨ることが可能となっている。ここで、バルブ60が周方向DRcに回転して第5流体通路64eを8つの開口部41~48に対向する位置に位置付けられたとする。第5流体通路64eは、2段目開口部~4段目開口部に対向可能となっている。そして、第5流体通路64eは、軸心方向DRaに互いに隣り合う第1流体入口部42と第2流体入口部44と第2流体出口部43とを連通させることが可能となっている。また、第5流体通路64eは、軸心方向DRaに互いに隣り合う第3流体出口部46と第4流体入口部47と第4流体出口部48とを連通させることが可能となっている。
【0089】
この場合、互いに隣り合う第1流体入口部42、第2流体入口部44および第2流体出口部43のうち、第1流体入口部42および第2流体入口部44が第3隣入口部に対応し、第2流体出口部43が第3隣出口部に対応する。また、互いに隣り合う第3流体出口部46、第4流体入口部47および第4流体出口部48のうち、第3流体入口部45が第2隣入口部に対応し、第4流体入口部47および第4流体出口部48が第2隣出口部に対応する。
【0090】
そして、バルブ60が周方向DRcに回転して第5流体通路64eを第1流体入口部42と第2流体入口部44と第2流体出口部43とを連通させる位置に位置付けたとする。第5流体通路64eを仕切る軸側リブ66aおよび周側リブ66bは、第1流体入口部42、第2流体入口部44および第2流体出口部43と、これらとは異なる流体入口部および流体出口部と、を仕切る仕切部50に対向する。そして、周側リブ66bは、第1流体入口部42と第2流体入口部44と第2流体出口部43それぞれの間を仕切る周側仕切部51に対向する位置に形成されない。
【0091】
第6流体通路64fは、2段目且つ4列目の区画と3段目且つ4列目の区画が組み合わされた形状となっている。そして、第6流体通路64fは、第1周方向DRc1側および第2周方向DRc2側が軸側リブ66aによって仕切られるとともに、第1軸心方向DRa1側および第2軸心方向DRa2側が周側リブ66bによって仕切られている。また、第6流体通路64fは、2段目且つ4列目の区画と3段目且つ4列目の区画との間に周側リブ66bが形成されていない形状となっている。
【0092】
このように構成される第6流体通路64fは、軸心方向DRaに2つの開口部を跨ることが可能となっている。ここで、バルブ60が周方向DRcに回転して第6流体通路64fが8つの開口部41~48に対向する位置に位置付けられたとする。第6流体通路64fは、2段目開口部および3段目開口部に対向可能となっている。そして、第6流体通路64fは、軸心方向DRaに互いに隣り合う第1流体入口部42と第2流体出口部43とを連通させることが可能となっている。また、第6流体通路64fは、軸心方向DRaに互いに隣り合う第4流体入口部47と第3流体出口部46とを連通させることが可能となっている。
【0093】
この場合、互いに隣り合う第1流体入口部42および第2流体出口部43のうち、第1流体入口部42が第1隣入口部に対応し、第2流体出口部43が第1隣出口部に対応する。また、互いに隣り合う第4流体入口部47および第3流体出口部46のうち、第4流体入口部47が第1隣入口部に対応し、第3流体出口部46が第1隣出口部に対応する。
【0094】
そして、バルブ60が周方向DRcに回転して第6流体通路64fを第1流体入口部42と第2流体出口部43とを連通させる位置に位置付けたとする。その際、第6流体通路64fを仕切る軸側リブ66aおよび周側リブ66bは、第1流体入口部42および第2流体出口部43と、これらとは異なる流体入口部および流体出口部と、を仕切る仕切部50に対向する。そして、周側リブ66bは、第1流体入口部42および第2流体出口部43の間を仕切る周側仕切部51に対向する位置に形成されない。
【0095】
第7流体通路64gは、3段目且つ5列目の区画と4段目且つ5列目の区画と3段目且つ6列目の区画とが組み合わされた形状となっている。そして、第7流体通路64gは、第1周方向DRc1側および第2周方向DRc2側が軸側リブ66aによって仕切られるとともに、第1軸心方向DRa1側および第2軸心方向DRa2側が周側リブ66bによって仕切られている。また、第7流体通路64gは、3段目且つ5列目の区画と4段目且つ5列目の区画との間に周側リブ66bが形成されておらず、3段目且つ5列目の区画と3段目且つ6列目の区画との間に軸側リブ66aが形成されていない形状となっている。
【0096】
このように構成される第7流体通路64gは、軸心方向DRaに2つの開口部を跨ることが可能であって、且つ、周方向DRcに2つの開口部を跨ることが可能となっている。また、第7流体通路64gは、軸心方向DRaおよび周方向DRcのどちらか一方に互いに隣り合う3つの開口部を跨ることが可能となっている。ここで、バルブ60が周方向DRcに回転して第7流体通路64gが8つの開口部41~48に対向する位置に位置付けられたとする。第7流体通路64gは、3段目開口部および4段目開口部に対向可能となっている。そして、第7流体通路64gは、軸心方向DRaに互いに隣り合う第4流体入口部47と第4流体出口部48とを連通させることが可能となっている。また、第7流体通路64gは、軸心方向DRaおよび周方向DRcのどちらか一方に互いに隣り合う第2流体入口部44と第2流体出口部43と第4流体入口部47とを連通させることが可能となっている。
【0097】
この場合、互いに隣り合う第4流体入口部47および第4流体出口部48のうち、第4流体入口部47が第1隣入口部に対応し、第4流体出口部48が第1隣出口部に対応する。また、互いに隣り合う第2流体入口部44、第2流体出口部43および第4流体入口部47のうち、第2流体入口部44および第4流体入口部47が第3隣入口部に対応し、第2流体出口部43が第3隣出口部に対応する。
【0098】
そして、バルブ60が周方向DRcに回転して第7流体通路64gを第2流体入口部44と第2流体出口部43と第4流体入口部47とを連通させる位置に位置付けたとする。この際、第7流体通路64gを仕切る軸側リブ66aおよび周側リブ66bは、第2流体入口部44、第2流体出口部43および第4流体入口部47と、これらとは異なる流体入口部および流体出口部と、を仕切る仕切部50に対向する。そして、周側リブ66bは、第2流体入口部44および第2流体出口部43の間を仕切る周側仕切部51に対向する位置に形成されない。
【0099】
また、バルブ60が周方向DRcに回転して第7流体通路64gを第2流体入口部44と第2流体出口部43と第4流体入口部47とを連通させる位置に位置付けたとする。この際、軸側リブ66aは、第2流体出口部43および第4流体入口部47の間を仕切る軸側仕切部52に対向する位置に形成されない。
【0100】
第8流体通路64hは、1段目且つ7列目の区画~4段目且つ7列目の区画が組み合わされた形状となっている。そして、第8流体通路64hは、第1周方向DRc1側および第2周方向DRc2側が軸側リブ66aによって仕切られるとともに、第1軸心方向DRa1側および第2軸心方向DRa2側が周側リブ66bによって仕切られている。また、第8流体通路64hは、1段目且つ7列目の区画~4段目且つ7列目の区画それぞれの間に周側リブ66bが形成されていない形状となっている。
【0101】
このように構成される第8流体通路64hは、軸心方向DRaに4つの開口部を跨ることが可能となっている。ここで、バルブ60が周方向DRcに回転して第8流体通路64hが8つの開口部41~48に対向する位置に位置付けられたとする。第8流体通路64hは、1段目開口部~4段目開口部に対向可能となっている。そして、第8流体通路64hは、軸心方向DRaに互いに隣り合う第1流体入口部42と第2流体入口部44と第2流体出口部43と第2流体入口部44とを連通させることが可能となっている。また、第8流体通路64hは、軸心方向DRaに互いに隣り合う第3流体入口部45と第3流体出口部46と第4流体入口部47と第4流体出口部48とを連通させることが可能となっている。
【0102】
この場合、互いに隣り合う第1流体出口部41、第1流体入口部42、第2流体出口部43および第2流体入口部44のうち、第1流体入口部42および第2流体入口部44が第4隣入口部に対応し、第1流体出口部41および第2流体出口部43が第4隣出口部に対応する。また、互いに隣り合う第3流体入口部45、第4流体入口部47、第3流体出口部46および第4流体入口部47のうち、第3流体入口部45および第4流体入口部47が第4隣入口部に対応し、第3流体出口部46および第4流体出口部48が第4隣出口部に対応する。
【0103】
そして、バルブ60が周方向DRcに回転して第8流体通路64hを第1流体入口部42と第2流体入口部44と第2流体出口部43と第2流体入口部44とを連通させる位置に位置付けたとする。この際、第8流体通路64hを仕切る軸側リブ66aおよび周側リブ66bは、第1流体入口部42、第2流体入口部44、第2流体出口部43および第2流体入口部44と、これらとは異なる流体入口部および流体出口部と、を仕切る仕切部50に対向する。そして、周側リブ66bは、第1流体入口部42と第2流体入口部44と第2流体出口部43と第2流体入口部44それぞれの間を仕切る周側仕切部51に対向する位置に形成されない。
【0104】
第9流体通路64iは、1段目且つ8列目の区画~4段目且つ8列目の区画と1段目且つ9列目の区画と2段目且つ9列目の区画と4段目且つ9列目の区画とが組み合わされた形状となっている。そして、第9流体通路64iは、第1周方向DRc1側および第2周方向DRc2側が軸側リブ66aによって仕切られるとともに、第1軸心方向DRa1側および第2軸心方向DRa2側が周側リブ66bによって仕切られている。また、第9流体通路64iは、1段目且つ8列目の区画~4段目且つ8列目の区画それぞれの間に周側リブ66bが形成されておらず、1段目且つ9列目の区画と2段目且つ9列目の区画との間に周側リブ66bが形成されていない形状となっている。また、第9流体通路64iは、1段目且つ8列目の区画と1段目且つ9列目の区画との間、2段目且つ8列目の区画と2段目且つ9列目の区画との間、それぞれに軸側リブ66aが形成されていない形状となっている。さらに、第9流体通路64iは、4段目且つ8列目の区画と4段目且つ9列目の区画との間に軸側リブ66aが形成されていない形状となっている。
【0105】
このように構成される第9流体通路64iは、軸心方向DRaに2つおよび4つの開口部を跨ることが可能であって、且つ、周方向DRcに2つの開口部を跨ることが可能となっている。また、第9流体通路64iは、軸心方向DRaおよび周方向DRcのどちらか一方に互いに隣り合う7つの開口部を跨ることが可能となっている。
【0106】
ここで、バルブ60が周方向DRcに回転して第9流体通路64iが8つの開口部41~48に対向する位置に位置付けられたとする。第9流体通路64iは、1段目開口部および2段目開口部に対向可能であって、または、1段目開口部~4段目開口部に対向可能となっている。そして、第9流体通路64iは、軸心方向DRaに互いに隣り合う第1流体入口部42と第1流体出口部41とを連通させることが可能となっている。また、第9流体通路64iは、軸心方向DRaおよび周方向DRcのどちらか一方に互いに隣り合う第1流体入口部42と第1流体出口部41と第2流体入口部44と第2流体出口部43と第3流体入口部45と第3流体出口部46と第4流体出口部48とを連通させることが可能となっている。
【0107】
この場合、互いに隣り合う第1流体出口部41および第1流体入口部42のうち、第1流体入口部42が第1隣入口部に対応し、第1流体出口部41が第1隣出口部に対応する。また、互いに隣り合う第1流体入口部42、第1流体出口部41、第2流体入口部44、第2流体出口部43、第3流体入口部45、と第3流体出口部46および第4流体出口部48のうち、第1流体入口部42、第2流体入口部44および第3流体入口部45が第4隣入口部に対応し、第1流体出口部41、第2流体出口部43、第3流体出口部46および第4流体出口部48が第4隣出口部に対応する。
【0108】
そして、バルブ60が周方向DRcに回転し第9流体通路64iが第1流体入口部42と第1流体出口部41と第2流体入口部44と第2流体出口部43と第3流体入口部45と第3流体出口部46と第4流体出口部48とを連通させる位置に位置付けられたとする。この際、第9流体通路64iを仕切る軸側リブ66aおよび周側リブ66bは、第1流体入口部42、第1流体出口部41、第2流体入口部44、第2流体出口部43、第3流体入口部45、第3流体出口部46および第4流体出口部48と、これらとは異なる第4流体入口部47と、を仕切る仕切部50に対向する。
【0109】
そして、周側リブ66bは、第1流体入口部42と第1流体出口部41と第2流体入口部44と第2流体出口部43それぞれの間を仕切る周側仕切部51に対向する位置に形成されない。また、周側リブ66bは、第3流体入口部45と第3流体出口部46とを仕切る周側仕切部51に対向する位置に形成されない。
【0110】
さらに、軸側リブ66aは、第1流体出口部41と第3流体入口部45との間を仕切る軸側仕切部52に対向する位置と、第1流体入口部42と第3流体出口部46との間を仕切る軸側仕切部52に対向する位置それぞれに形成されない。また、軸側リブ66aは、第2流体入口部44と第4流体出口部48との間を仕切る軸側仕切部52に対向する位置に形成されない。
【0111】
また、バルブ60が周方向DRcに回転して第9流体通路64iが第1流体入口部42と第1流体出口部41とを連通させる位置に位置付けられたとする。この際、軸側リブ66aは、第1流体入口部42を仕切る軸側仕切部52のうち、周方向DRcに第3流体出口部46が存在しない側(すなわち、第1周方向DRc1側)の軸側仕切部52に対向する位置に形成されない。そして、軸側リブ66aは、第2流体入口部44を仕切る軸側仕切部52のうち、周方向DRcに第4流体出口部48が存在しない側(すなわち、第1周方向DRc1側)の軸側仕切部52に対向する位置に形成されない。さらに、第1流体出口部41を仕切る軸側仕切部52のうち、周方向DRcに第3流体入口部45が存在しない側(すなわち、第1周方向DRc1側)の軸側仕切部52に対向する位置に軸側リブ66aは形成されない。
【0112】
第10流体通路64jは、2段目且つ10列目の区画~4段目且つ10列目の区画が組み合わされた形状となっている。そして、第10流体通路64jは、第1周方向DRc1側および第2周方向DRc2側が軸側リブ66aによって仕切られるとともに、第1軸心方向DRa1側および第2軸心方向DRa2側が周側リブ66bによって仕切られている。また、第10流体通路64jは、2段目且つ10列目の区画~4段目且つ10列目の区画それぞれの間に周側リブ66bが形成されていない形状となっている。
【0113】
このように構成される第10流体通路64jは、軸心方向DRaに3つの開口部を跨ることが可能となっている。ここで、バルブ60が周方向DRcに回転して第10流体通路64jが8つの開口部41~48に対向する位置に位置付けられたとする。第10流体通路64jは、2段目開口部~4段目開口部に対向可能となっている。そして、第10流体通路64jは、軸心方向DRaに互いに隣り合う第1流体入口部42と第2流体入口部44と第2流体出口部43とを連通させることが可能となっている。また、第10流体通路64jは、軸心方向DRaに互いに隣り合う第3流体出口部46と第4流体入口部47と第4流体出口部48とを連通させることが可能となっている。
【0114】
この場合、互いに隣り合う第1流体入口部42、第2流体入口部44および第2流体出口部43のうち、第1流体入口部42および第2流体入口部44が第3隣入口部に対応し、第2流体出口部43が第3隣出口部に対応する。また、互いに隣り合う第3流体出口部46、第4流体入口部47および第4流体出口部48のうち、第3流体入口部45が第2隣入口部に対応し、第4流体入口部47および第4流体出口部48が第2隣出口部に対応する。
【0115】
そして、バルブ60が周方向DRcに回転して第10流体通路64jを第1流体入口部42と第2流体入口部44と第2流体出口部43とを連通させる位置に位置付けたとする。この際、第10流体通路64jを仕切る軸側リブ66aおよび周側リブ66bは、第1流体入口部42、第2流体入口部44および第2流体出口部43と、これらとは異なる流体入口部および流体出口部と、を仕切る仕切部50に対向する。そして、周側リブ66bは、第1流体入口部42と第2流体入口部44と第2流体出口部43とをそれぞれ仕切る周側仕切部51に対向する位置に形成されない。
【0116】
第1閉塞部65aは、4段目且つ4列目の区画に形成されている。そして、第1閉塞部65aは、軸側リブ66aおよび周側リブ66bによって囲まれている。このように構成される第1閉塞部65aは、バルブ60が周方向DRcに回転して8つの開口部41~48に対向する位置に位置付けられた際、4段目開口部に対向可能となっている。そして、第1閉塞部65aは、第2流体入口部44に対向する位置に位置付けられた際、第2流体入口部44を閉塞することで、第2流体入口部44への流体の流入を禁止する。また、第1閉塞部65aは、第4流体出口部48に対向する位置に位置付けられた際、第4流体出口部48を閉塞することで、第4流体出口部48からの流体の流出を禁止する。
【0117】
第2閉塞部65bは、2段目且つ5列目の区画に形成されている。そして、第2閉塞部65bは、軸側リブ66aおよび周側リブ66bによって囲まれている。このように構成される第2閉塞部65bは、バルブ60が周方向DRcに回転して8つの開口部41~48に対向する位置に位置付けられた際、2段目開口部に対向可能となっている。そして、第2閉塞部65bは、第1流体入口部42に対向する位置に位置付けられた際、第1流体入口部42を閉塞することで、第1流体入口部42への流体の流入を禁止する。また、第2閉塞部65bは、第3流体出口部46に対向する位置に位置付けられた際、第3流体出口部46を閉塞することで、第3流体出口部46からの流体の流出を禁止する。
【0118】
第3閉塞部65cは、2段目且つ6列目の区画に形成されている。そして、第3閉塞部65cは、軸側リブ66aおよび周側リブ66bによって囲まれている。このように構成される第3閉塞部65cは、バルブ60が周方向DRcに回転して8つの開口部41~48に対向する位置に位置付けられた際、2段目開口部に対向可能となっている。そして、第3閉塞部65cは、第1流体入口部42に対向する位置に位置付けられた際、第1流体入口部42を閉塞することで、第1流体入口部42への流体の流入を禁止する。また、第3閉塞部65cは、第3流体出口部46に対向する位置に位置付けられた際、第3流体出口部46を閉塞することで、第3流体出口部46からの流体の流出を禁止する。
【0119】
第4閉塞部65dは、4段目且つ6列目の区画に形成されている。そして、第4閉塞部65dは、軸側リブ66aおよび周側リブ66bによって囲まれている。このように構成される第4閉塞部65dは、バルブ60が周方向DRcに回転して8つの開口部41~48に対向する位置に位置付けられた際、4段目開口部に対向可能となっている。そして、第4閉塞部65dは、第2流体入口部44に対向する位置に位置付けられた際、第2流体入口部44を閉塞することで、第2流体入口部44への流体の流入を禁止する。また、第4閉塞部65dは、第4流体出口部48に対向する位置に位置付けられた際、第4流体出口部48を閉塞することで、第4流体出口部48からの流体の流出を禁止する。
【0120】
第5閉塞部65eは、3段目且つ9列目の区画に形成されている。そして、第5閉塞部65eは、軸側リブ66aおよび周側リブ66bによって囲まれている。このように構成される第5閉塞部65eは、バルブ60が周方向DRcに回転して8つの開口部41~48に対向する位置に位置付けられた際、3段目開口部に対向可能となっている。そして、第5閉塞部65eは、第4流体入口部47に対向する位置に位置付けられた際、第4流体入口部47を閉塞することで、第4流体入口部47への流体の流入を禁止する。また、第5閉塞部65eは、第2流体出口部43に対向する位置に位置付けられた際、第2流体出口部43を閉塞することで、第2流体出口部43からの流体の流出を禁止する。
【0121】
第6閉塞部65fは、1段目且つ10列目の区画に形成されている。そして、第6閉塞部65fは、軸側リブ66aおよび周側リブ66bによって囲まれている。このように構成される第6閉塞部65fは、バルブ60が周方向DRcに回転して8つの開口部41~48に対向する位置に位置付けられた際、1段目開口部に対向可能となっている。そして、第6閉塞部65fは、第3流体入口部45に対向する位置に位置付けられた際、第3流体入口部45を閉塞することで、第3流体入口部45への流体の流入を禁止する。また、第6閉塞部65fは、第1流体出口部41に対向する位置に位置付けられた際、第1流体出口部41を閉塞することで、第1流体出口部41からの流体の流出を禁止する。
【0122】
また、バルブ60は、第1軸心方向DRa1側および第2軸心方向DRa2側それぞれから突出する回転軸62を有している。回転軸62は、第1軸心方向DRa1側に向かって突出する部位が軸受部21によって回転可能に支持されており、第2軸心方向DRa2側に向かって突出する部位が底部12に形成された支持穴121によって回転可能されている。また、回転軸62は、第1軸心方向DRa1側の端部がハウジングカバー20を貫通して駆動部30の減速機構に接続されている。
【0123】
さらに、バルブ60は、バルブ60におけるハウジングカバー20に対向する部位とは異なる部位であって、第2軸心方向DRa2側の面にストッパ63が設けられている。ストッパ63は、回転軸62から径方向DRrに離れた位置において、第2軸心方向DRa2側に向かって軸心方向DRaに延びて形成されている。また、ストッパ63は、回転規制部122と周方向DRcに対向する位置に形成されており、バルブ60が周方向DRcに回転する際、当該回転規制部122と当接可能となっている。また、バルブ60におけるバルブ外壁部61とハウジング10における筒部11との間には、シール部材70が設けられている。
【0124】
シール部材70は、バルブ外壁部61と筒部11における8つの開口部41~48が形成される部位に配置されており、バルブ60と8つの開口部41~48との間の所定の隙間をシールするものである。シール部材70は、
図12に示すように、8つの開口部41~48全てを覆うことか可能に構成されている。また、シール部材70には、
図13および
図14に示すように、8つの開口部41~48を流れる流体を通過させる複数の貫通穴71が形成されている。
【0125】
シール部材70は、
図13に示すように、バルブ外壁部61と筒部11との間に取り付けられる前の状態では、略扇形の板状に形成されている。そして、シール部材70は、
図12に示すように、板厚方向が径方向DRrとなるように配置される。そして、シール部材70は、バルブ外壁部61と筒部11との間に配置された際に、
図12および
図14に示すように、折り曲げられて配置され、円弧を形成する部位が周方向DRcに延び、筒部11の内周面16に沿って配置される。このように、シール部材70の板面は、取り付ける前は平面形状であって、取り付けられた状態では周方向DRcに屈曲する曲面形状となっている。
【0126】
シール部材70は、2つの周側シール規制部112の間に設けられ、周方向DRcの一方側および他方側それぞれが周側シール規制部112によって支持される。また、シール部材70は、第2軸心方向DRa2側が底部12に形成される周側シール規制部112に嵌められて支持される。
【0127】
また、シール部材70は、バルブ外壁部61と筒部11との間に配置された際に、バルブ外壁部61側に位置付けられる摺動部72と、筒部11側に位置付けられる押圧部73とを有する。すなわち、シール部材70は、板厚方向に摺動部72と押圧部73とが積層されて構成されている。そして、これら摺動部72および押圧部73は、互いに異なる材料によって形成されている。
【0128】
具体的に、シール部材70は、摺動部72がポリテトラフルオロエチレン(以下、「PTFE」)、フッ素樹脂等の摩擦係数が小さい高摺動部材で形成されている。これに対して、押圧部73は、ゴム部材等の弾性部材で形成されている。
【0129】
シール部材70は、例えば、ゴム部材等の弾性部材で形成される押圧部73の表面にPTFE、フッ素樹脂等で形成される摺動部72を塗布することで形成される。または、シール部材70は、PTFE、フッ素樹脂等で形成される摺動部72とゴム部材等の弾性部材で形成される押圧部73とを一体に組付け、または、接着剤等による接着、または、焼き付けて形成してもよい。
【0130】
これにより、シール部材70がバルブ外壁部61と筒部11との間に配置された際に、筒部11の形状に合わせて押圧部73を変形させて馴染ませ易くできる。このため、シール部材70の組み付け性を向上させることができるとともにバルブ60とシール部材70との隙間およびハウジング10とシール部材70との隙間を小さくすることができる。したがって、バルブ60とシール部材70との隙間およびハウジング10とシール部材70との隙間に流体が流れることを抑制することができる。
【0131】
さらに、バルブ外壁部61側に位置付けられる摺動部72をPTFE、フッ素樹脂等の摩擦係数が小さい高摺動部材とすることで、バルブ60とシール部材70との摺動抵抗を小さくすることができる。
【0132】
ここで、本実施形態のシール部材70は、周方向DRcの大きさが筒部11における8つの開口部41~48が形成される範囲より大きく形成されている。そして、シール部材70には、軸心方向DRa全体および周方向DRc全体に亘って、シール部材70を板厚方向に貫通する貫通穴71が複数形成されており、格子状に形成されている。貫通穴71は、軸心方向DRaに4段並んで形成されるとともに、周方向DRcに4列並んで形成されている。
【0133】
これら軸心方向DRaおよび周方向DRcそれぞれに4つずつ並ぶ貫通穴71は、開口形状が8つの開口部41~48それぞれに対応する台形形状であって、第1軸心方向DRa1側に比較して第2軸心方向DRa2側の周方向DRcの大きさが小さくなっている。換言すれば、貫通穴71は、開口形状が第1流体通路64a~第10流体通路64jに対応しており、具体的には、第1流体通路64a~第10流体通路64jを形成する区画に対応している。
【0134】
そして、周方向DRcに4列並ぶ貫通穴71のうち、中央2列の貫通穴71群は、8つの開口部41~48に対向する位置に形成されている。中央2列の貫通穴71群は、8つの開口部41~48を流れる流体を通過させるものである。
【0135】
これに対して、周方向DRcに4列並ぶ貫通穴71のうち、第1周方向DRc1側の端部に形成される1列の貫通穴71群および第2周方向DRc2側の端部に形成される1列の貫通穴71群は、8つの開口部41~48に対向しない位置に形成されている。すなわち、第1周方向DRc1側の端部に形成される1列の貫通穴71群および第2周方向DRc2側の端部に形成される1列の貫通穴71群は、8つの開口部41~48に対して第1周方向DRc1側および第2周方向DRc2側に形成されている。
【0136】
そして、シール部材70のうち、中央2列の貫通穴71群を形成する部位が、8つの開口部41~48それぞれを囲むとともに、8つの開口部41~48それぞれを通過する流体が混流することを抑制する。
【0137】
また、シール部材70のうち、第1周方向DRc1側の端部に形成される1列の貫通穴71群および第2周方向DRc2側の端部に形成される1列の貫通穴71群は、8つの開口部41~48に対向しない流体通路を囲む。これにより、シール部材70は、第1周方向DRc1側および第2周方向DRc2側それぞれの端部に形成される1列の貫通穴71群が、第1流体通路64a~第10流体通路64jのうちの8つの開口部41~48に対向しない流体通路をシールする。この場合、シール部材70は、第1流体通路64a~第10流体通路64jのうち、8つの開口部41~48に対向しない流体通路を流れる流体が混流することを抑制する。
【0138】
ここで、周方向DRcに2列並ぶ8つの開口部41~48の列数を開口列数とし、周方向DRcに4列並ぶ貫通穴71の列数を貫通穴列数とする。本実施形態では、開口列数が2列に設定されている。そして、貫通穴列数は、4列に設定されている。すなわち、本実施形態では、貫通穴列数が開口列数より2列多く設定されている。具体的に、貫通穴71は、周方向DRcに2列並ぶ8つの開口部41~48より周方向DRcの一方側および他方側それぞれに1列ずつ多く設けられている。これにより、シール部材70は、周方向DRcにおいて8つの開口部41~48に対向しない位置に形成される第1周方向DRc1側の1列の貫通穴71群と第2周方向DRc2側の1列の貫通穴71群を有する。
【0139】
このように貫通穴列数が開口列数より多く設定されている理由について、
図15および
図16を参照して説明する。ここで、
図15は、第9流体通路64iの一部が1列目開口部に対向し、第6閉塞部65fおよび第10流体通路64jが2列目開口部に対向する位置にバルブ60が位置付けられた際のバルブ60の正面図を示している。また、
図15における破線は、バルブ外壁部61における8つの開口部41~48に覆われる範囲を示す。
【0140】
上述したいように、第9流体通路64iは、周方向DRcに2つの開口部を跨ることが可能となっている。このため、第9流体通路64iのうち、第2周方向DRc2側が1列目開口部に対向する位置に位置付けられると、第1周方向DRc1側が8つの開口部41~48に対向しない。すると、第9流体通路64iは、互いに隣り合わない第1流体入口部42と第2流体入口部44とを、8つの開口部41~48に対向しない第1周方向DRc1側の部位を介して連通させる。すると、第2流体入口部44からバルブ60に流入する流体は、第9流体通路64iにおける第1周方向DRc1側の部位を介して第1流体出口部41に流れる。すなわち、第2流体入口部44からバルブ60に流入する流体は、8つの開口部41~48に対向する位置を迂回して第1流体出口部41に流れる。
【0141】
ここで、仮に、貫通穴列数が開口列数と同じ列数に設定されているとする。この場合、第2流体入口部44からバルブ60に流入する流体は、第9流体通路64iにおける第1周方向DRc1側の部位に流入した際に、バルブ外壁部61の外周面611と筒部11の内周面16との隙間から漏れる虞がある。
【0142】
これに対して、本実施形態では、貫通穴列数は、開口列数より2列多く設定されている。そして、シール部材70は、周方向DRcにおいて8つの開口部41~48に対向しない位置に第1周方向DRc1側の1列の貫通穴71群と第2周方向DRc2側の1列の貫通穴71群を形成する部位を有する。
【0143】
このため、シール部材70は、第9流体通路64iのうち、第1周方向DRc1側が8つの開口部41~48に対向しない位置に位置付けられた場合であっても、第1周方向DRc1側の1列の貫通穴71群を形成する部位が当該対向しない部位を囲む。このため、第2流体入口部44からバルブ60に流入する流体が第9流体通路64iにおける第1周方向DRc1側の部位に流入した際に、バルブ外壁部61の外周面611と筒部11の内周面16との隙間から流体が漏れることを抑制することができる。
【0144】
図4に戻り、バルブ60の第1軸心方向DRa1側とハウジングカバー20の第2軸心方向DRa2側との間には付勢部80が設けられている。付勢部80は、バルブ60を第2軸心方向DRa2に押圧する部材であって、例えば圧縮コイルばねで構成されている。圧縮コイルばねは、圧縮された状態でバルブ60とハウジングカバー20との間に設けられており、圧縮されることで発生する付勢力によってバルブ60を第2軸心方向DRa2に押圧する。
【0145】
ここで、上述したように、バルブ外壁部61に平行な円錐形の母線と、軸心CLとのなす内角θは、5deg以上に設定されている。このため、付勢部80の付勢力は、バルブ60とシール部材70とを押し付ける分力として作用し、シール部材70と筒部11とを押し付ける分力として作用する。したがって、付勢部80の付勢力を調整することにより、バルブ60の回転時および停止時において、バルブ外壁部61の外周面611とシール部材70とが摺接する状態を保ち、且つ、筒部11の内周面16とシール部材70とが当接する状態を保つことができる。
【0146】
また、バルブ60の第1軸心方向DRa1側とハウジングカバー20の第2軸心方向DRa2側との間には、スプリングガイド81が設けられている。スプリングガイド81は、圧縮コイルばねで構成される付勢部80を支持するものである。スプリングガイド81は、付勢部80の内側に設けられる円筒状の円筒部811と、円筒部811における第2軸心方向DRa2側に接続される薄板円盤状の円盤部812とを有する。
【0147】
円筒部811は、軸心方向DRaに沿って延びており、内側がハウジングカバー20に支持されている。円盤部812は、バルブ60の第1軸心方向DRa1側に載せられて、バルブ60に支持されている。円盤部812は、付勢部80における第2軸心方向DRa2側を支持している。
【0148】
このように構成されるスプリングガイド81は、付勢部80の径方向DRrの位置ずれを抑制するとともに、付勢部80の付勢力をバルブ60に伝達することができる。
【0149】
そして、上述した流体制御弁1の各構成において、ハウジングカバー20、カバーシール23、バルブ60、シール部材70、付勢部80は、ハウジング10に対し、第1軸心方向DRa1側から着脱可能な構成となっている。このため、流体制御弁1の製造方法として次の工程を採用できる。まず、ハウジング10に対しシール部材70を組み付ける。次に、ハウジング10に対しバルブ60を組み付ける。続いて、スプリングガイド81および付勢部80を配置しつつ、ハウジング10にカバーシール23が設けられたハウジングカバー20を組み付ける。最後に、ハウジングカバー20に駆動部30を組み付け、流体制御弁1の組付けが完了する。
【0150】
次に、本実施形態の流体制御弁1の作動について
図11を参照して説明する。流体制御弁1は、バルブ60の回転位置を調整することで、第1流体入口部42~第4流体入口部47のうちのいずれか1つまたは複数からバルブ収容空間ASに流体を流入させることができる。そして、流体制御弁1は、バルブ収容空間ASに流入させた流体を第1流体出口部41~第4流体出口部48のうちのいずれか1つまたは複数から流出させることができる。すなわち、流体制御弁1は、軸心CLを中心にバルブ60を回転させて第1流体通路64a~第10流体通路64jに対向する流路入口部を切り替えることで、流体を流出させる流体出口部を切り替える。これにより、流体制御弁1は運転モードが切り替えられる。本実施形態の流体制御弁1は、バルブ60の回転位置を
図11を参照して説明する10個の回転位置に切り替えることで、運転モードを10個の切り替えパターンに切り替え可能に構成されている。
【0151】
ここで、
図11に示すバルブ60の回転位置のうち、第1流体通路64aが1列目開口部に対向する位置を第1バルブ位置とし、第4流体通路64dが1列目開口部に対向する位置を第2バルブ位置とする。また、第5流体通路64eが1列目開口部に対向する位置を第3バルブ位置とし、第6流体通路64fが1列目開口部に対向する位置を第4バルブ位置とし、第1閉塞部65aが1列目開口部に対向する位置を第5バルブ位置とする。そして、第8流体通路64hが2列目開口部に対向する位置を第6バルブ位置とし、第8流体通路64hが1列目開口部に対向する位置を第7バルブ位置とし、第5閉塞部65eが2列目開口部に対向する位置を第8バルブ位置とする。また、第10流体通路64jが2列目開口部に対向する位置を第9バルブ位置とし、第10流体通路64jが1列目開口部に対向する位置を第10バルブ位置とする。
【0152】
バルブ60を第1バルブ位置に位置付けた場合、第1流体通路64aは、流体流れ上流側が第1流体入口部42に連通し、流体流れ下流側が第1流体出口部41に連通する。また、第2流体通路64bは、流体流れ上流側が第2流体入口部44に連通し、流体流れ下流側が第2流体出口部43に連通する。そして、第3流体通路64cは、流体流れ上流側が第3流体入口部45に連通し、流体流れ下流側が第3流体出口部46に連通する。第4流体通路64dは、流体流れ上流側が第4流体入口部47に連通し、流体流れ下流側が第4流体出口部48に連通する。
【0153】
これにより、第1流体入口部42から流入した流体は、第1流体通路64aを介して第1流体出口部41へ導かれて、流体制御弁1の外部へ流れる。また、第2流体入口部44から流入した流体は、第2流体通路64bを介して第2流体出口部43へ導かれて、流体制御弁1の外部へ流れる。そして、第3流体入口部45から流入した流体は、第3流体通路64cを介して第3流体出口部46へ導かれて、流体制御弁1の外部へ流れる。さらに、第4流体入口部47から流入した流体は、第4流体通路64dを介して第4流体出口部48へ導かれて、流体制御弁1の外部へ流れる。
【0154】
この場合、第1流体通路64a、第2流体通路64b、第3流体通路64cおよび第4流体通路64dそれぞれは、第1流体入口部42~第4流体入口部47のうちのいずれか1つから流入する流体を自身が連通する第1流体出口部41~第4流体出口部48のいずれか1つへ導く第1流路部として機能する。
【0155】
バルブ60を第2バルブ位置に位置付けた場合、第3流体通路64cは、流体流れ上流側が第1流体入口部42および第3流体入口部45に連通し、流体流れ下流側が第1流体出口部41に連通する。第4流体通路64dは、流体流れ上流側が第2流体入口部44に連通し、流体流れ下流側が第2流体出口部43に連通する。また、第5流体通路64eは、流体流れ上流側が第4流体入口部47に連通し、流体流れ下流側が第3流体出口部46および第4流体出口部48に連通する。
【0156】
これにより、第1流体入口部42および第3流体入口部45から流入した流体は、第3流体通路64cで合流されて第1流体出口部41へ導かれて、流体制御弁1の外部へ流れる。また、第2流体入口部44から流入した流体は、第4流体通路64dを介して第2流体出口部43へ導かれて、流体制御弁1の外部へ流れる。そして、第4流体入口部47から流入した流体は、第5流体通路64eで分割されて第3流体出口部46および第4流体出口部48へ導かれて、流体制御弁1の外部へ流れる。
【0157】
この場合、第3流体通路64cは、第1流体入口部42~第4流体入口部47のうちの2つから流入する流体を自身が連通する第1流体出口部41~第4流体出口部48のいずれか1つへ導く第3流路部として機能する。第4流体通路64dは、第1流体入口部42~第4流体入口部47のうちのいずれか1つから流入する流体を自身が連通する第1流体出口部41~第4流体出口部48のいずれか1つへ導く第1流路部として機能する。第5流体通路64eは、第1流体入口部42~第4流体入口部47のうちのいずれか1つから流入する流体を自身が連通する第1流体出口部41~第4流体出口部48のいずれか2つへ導く第2流路部として機能する。
【0158】
バルブ60を第3バルブ位置に位置付けた場合、第3流体通路64cは、流体流れ上流側が第3流体入口部45に連通し、流体流れ下流側が第1流体出口部41に連通する。第5流体通路64eは、流体流れ上流側が第1流体入口部42および第2流体入口部44に連通し、流体流れ下流側が第2流体出口部43に連通する。また、第6流体通路64fは、流体流れ上流側が第4流体入口部47に連通し、流体流れ下流側が第3流体出口部46に連通する。そして、第1閉塞部65aが第4流体出口部48を閉塞する。
【0159】
これにより、第3流体入口部45から流入した流体は、第3流体通路64cを介して第1流体出口部41へ導かれて、流体制御弁1の外部へ流れる。また、第1流体入口部42および第2流体入口部44から流入した流体は、第5流体通路64eで合流されて第2流体出口部43へ導かれて、流体制御弁1の外部へ流れる。そして、第4流体入口部47から流入した流体は、第6流体通路64fを介して第3流体出口部46へ導かれて、流体制御弁1の外部へ流れる。ただし、第4流体出口部48は、第1閉塞部65aによって閉塞され、第1流体入口部42~第4流体入口部47のいずれにも連通しないため、流体を流出させない。
【0160】
この場合、第3流体通路64cおよび第6流体通路64fは、第1流体入口部42~第4流体入口部47のうちの1つから流入する流体を自身が連通する第1流体出口部41~第4流体出口部48のいずれか1つへ導く第1流路部として機能する。第5流体通路64eは、第1流体入口部42~第4流体入口部47のうちのいずれか1つから流入する流体を自身が連通する第1流体出口部41~第4流体出口部48のいずれか2つへ導く第2流路部として機能する。
【0161】
ここで、バルブ60を第3バルブ位置に位置付けた場合、第3流体通路64cは、第1周方向DRc1側の1列が8つの開口部41~48に対向しないとともに、第2周方向DRc2側の2列が8つの開口部41~48に対向しない。そして、第3流体入口部45から流入した流体は、第3流体通路64cにおける第1周方向DRc1側の1列を形成する部位および第2周方向DRc2側の2列を形成する部位まで流れる。
【0162】
しかし、第3流体通路64cにおける第1周方向DRc1側の1列を形成する部位は、シール部材70における第1周方向DRc1側の1列の貫通穴71群を形成する部位によって囲まれている。このため、第3流体通路64cにおける第1周方向DRc1側の1列を形成する部位まで流れた流体がバルブ外壁部61の外周面611と筒部11の内周面16との隙間から漏れることが抑制される。
【0163】
これに対して、第3流体通路64cにおける第2周方向DRc2側の2列を形成する部位のうち、最も第2周方向DRc2側の部位は、シール部材70における第2周方向DRc2側の1列の貫通穴71群を形成する部位によって囲まれない。このため、第3流体通路64cにおける第2周方向DRc2側の2列を形成する部位まで流れた流体がバルブ外壁部61の外周面611と筒部11の内周面16との隙間からバルブ60の裏側に流れる虞がある。
【0164】
しかしながら、仮にバルブ60の裏側へ流体が流れ込んだとして、第3流体通路64cにおける第1周方向DRc1側の1列を形成する部位が、シール部材70における第1周方向DRc1側の1列の貫通穴71群を形成する部位によって囲まれている。また、第4流体通路64dが、シール部材70における第1周方向DRc1側の1列の貫通穴71群を形成する部位によって囲まれている。このため、バルブ60の裏側へ流れ込んだ流体がこれら第3流体通路64cおよび第4流体通路64dへ流入することを抑制することができる。
【0165】
バルブ60を第4バルブ位置に位置付けた場合、第3流体通路64cは、流体流れ上流側が第3流体入口部45に連通し、流体流れ下流側が第1流体出口部41に連通する。第6流体通路64fは、流体流れ上流側が第1流体入口部42に連通し、流体流れ下流側が第2流体出口部43に連通する。また、第7流体通路64gは、流体流れ上流側が第4流体入口部47に連通し、流体流れ下流側が第4流体出口部48に連通する。そして、第1閉塞部65aが第2流体入口部44を閉塞する。第2閉塞部65bが第3流体出口部46を閉塞する。
【0166】
これにより、第3流体入口部45から流入した流体は、第3流体通路64cを介して第1流体出口部41へ導かれて、流体制御弁1の外部へ流れる。また、第1流体入口部42から流入した流体は、第6流体通路64fを介して第2流体出口部43へ導かれて、流体制御弁1の外部へ流れる。そして、第4流体入口部47から流入した流体は、第7流体通路64gを介して第4流体出口部48へ導かれて、流体制御弁1の外部へ流れる。ただし、第2流体入口部44は、第1閉塞部65aによって閉塞されるため、流体をバルブ収容空間AS内に流入させない。また、第3流体出口部46は、第2閉塞部65bによって閉塞され、第1流体入口部42~第4流体入口部47のいずれにも連通しないため、流体を流出させない。
【0167】
この場合、第3流体通路64c、第6流体通路64fおよび第7流体通路64gは、第1流体入口部42~第4流体入口部47のうちの1つから流入する流体を自身が連通する第1流体出口部41~第4流体出口部48のいずれか1つへ導く第1流路部として機能する。
【0168】
ここで、バルブ60を第4バルブ位置に位置付けた場合、第3流体通路64cは、第1周方向DRc1側の2列が8つの開口部41~48に対向しないとともに、第2周方向DRc2側の1列が8つの開口部41~48に対向しない。そして、第3流体入口部45から流入した流体は、第3流体通路64cにおける第1周方向DRc1側の2列を形成する部位および第2周方向DRc2側の1列を形成する部位まで流れる。
【0169】
しかし、第3流体通路64cにおける第2周方向DRc2側の1列を形成する部位は、シール部材70における第2周方向DRc2側の1列の貫通穴71群を形成する部位によって囲まれている。このため、第3流体通路64cにおける第2周方向DRc2側の1列を形成する部位まで流れた流体がバルブ外壁部61の外周面611と筒部11の内周面16との隙間から漏れることが抑制される。
【0170】
これに対して、第3流体通路64cにおける第1周方向DRc1側の2列を形成する部位のうち、最も第1周方向DRc1側の部位は、シール部材70における第1周方向DRc1側の1列の貫通穴71群を形成する部位によって囲まれない。このため、第3流体通路64cにおける第1周方向DRc1側の1列を形成する部位まで流れた流体がバルブ外壁部61の外周面611と筒部11の内周面16との隙間からバルブ60の裏側に流れる虞がある。
【0171】
しかしながら、仮にバルブ60の裏側へ流体が流れ込んだとして、第3流体通路64cにおける第2周方向DRc2側の1列を形成する部位が、シール部材70における第2周方向DRc2側の1列の貫通穴71群を形成する部位によって囲まれている。また、第7流体通路64gが、シール部材70における第2周方向DRc2側の1列の貫通穴71群を形成する部位によって囲まれている。さらに、第3閉塞部65cおよび第4閉塞部65dが、シール部材70における第1周方向DRc1側の1列の貫通穴71群を形成する部位によって囲まれている。このため、バルブ60の裏側へ流れ込んだ流体がこれら第3流体通路64cおよび第7流体通路64gへ流入することを抑制することができる。
【0172】
バルブ60を第5バルブ位置に位置付けた場合、第3流体通路64cは、流体流れ上流側が第3流体入口部45に連通し、流体流れ下流側が第1流体出口部41に連通する。第7流体通路64gは、流体流れ上流側が第2流体入口部44および第4流体入口部47に連通し、流体流れ下流側が第2流体出口部43に連通する。また、第2閉塞部65bが第1流体入口部42を閉塞する。第3閉塞部65cが第3流体出口部46を閉塞する。第4閉塞部65dが第4流体出口部48を閉塞する。
【0173】
これにより、第3流体入口部45から流入した流体は、第3流体通路64cを介して第1流体出口部41へ導かれて、流体制御弁1の外部へ流れる。また、第2流体入口部44および第4流体入口部47から流入した流体は、第7流体通路64gで合流されて第2流体出口部43へ導かれて、流体制御弁1の外部へ流れる。ただし、第1流体入口部42は、第2閉塞部65bによって閉塞されるため、流体をバルブ収容空間AS内に流入させない。また、第3流体出口部46は、第3閉塞部65cによって閉塞され、第1流体入口部42~第4流体入口部47のいずれにも連通しないため、流体を流出させない。そして、第4流体出口部48は、第4閉塞部65dによって閉塞され、第1流体入口部42~第4流体入口部47のいずれにも連通しないため、流体を流出させない。
【0174】
この場合、第3流体通路64cは、第1流体入口部42~第4流体入口部47のうちの1つから流入する流体を自身が連通する第1流体出口部41~第4流体出口部48のいずれか1つへ導く第1流路部として機能する。第7流体通路64gは、第1流体入口部42~第4流体入口部47のうちの2つから流入する流体を自身が連通する第1流体出口部41~第4流体出口部48のいずれか1つへ導く第3流路部として機能する。
【0175】
バルブ60を第6バルブ位置に位置付けた場合、第8流体通路64hは、流体流れ上流側が第3流体入口部45および第4流体入口部47に連通し、流体流れ下流側が第3流体出口部46および第4流体出口部48に連通する。また、第3流体通路64cが第1流体出口部41を閉塞する。第3閉塞部65cが第1流体入口部42を閉塞する。第7流体通路64gが第2流体出口部43を閉塞する。第4閉塞部65dが第2流体入口部44を閉塞する。
【0176】
これにより、第3流体入口部45および第4流体入口部47から流入した流体は、第8流体通路64hで合流されるとともに分割されて第3流体出口部46および第4流体出口部48へ導かれて、流体制御弁1の外部へ流れる。ただし、第1流体出口部41は、第3流体通路64cによって閉塞され、第1流体入口部42~第4流体入口部47のいずれにも連通しないため、流体を流出させない。第1流体入口部42は、第3閉塞部65cによって閉塞されるため、流体をバルブ収容空間AS内に流入させない。第2流体出口部43は、第7流体通路64gによって閉塞され、第1流体入口部42~第4流体入口部47のいずれにも連通しないため、流体を流出させない。第2流体入口部44は、第4閉塞部65dによって閉塞されるため、流体をバルブ収容空間AS内に流入させない。
【0177】
この場合、第8流体通路64hは、第1流体入口部42~第4流体入口部47のうち2つから流入する流体を自身が連通する第1流体出口部41~第4流体出口部48のいずれか2つへ導く第4流路部として機能する。
【0178】
バルブ60を第7バルブ位置に位置付けた場合、第8流体通路64hは、流体流れ上流側が第1流体入口部42および第2流体入口部44に連通し、流体流れ下流側が第1流体出口部41および第2流体出口部43に連通する。また、第9流体通路64iは、流体流れ上流側が第3流体入口部45および第4流体入口部47に連通し、流体流れ下流側が第3流体出口部46および第4流体出口部48に連通する。
【0179】
これにより、第1流体入口部42および第2流体入口部44から流入した流体は、第8流体通路64hで合流されるとともに分割されて第1流体出口部41および第2流体出口部43へ導かれて、流体制御弁1の外部へ流れる。また、第3流体入口部45および第4流体入口部47から流入した流体は、第9流体通路64iで合流されるとともに分割されて第3流体出口部46および第4流体出口部48へ導かれて、流体制御弁1の外部へ流れる。
【0180】
この場合、第8流体通路64hおよび第9流体通路64iは、第1流体入口部42~第4流体入口部47のうち2つから流入する流体を自身が連通する第1流体出口部41~第4流体出口部48のいずれか2つへ導く第4流路部として機能する。
【0181】
バルブ60を第8バルブ位置に位置付けた場合、第9流体通路64iは、流体流れ上流側が第1流体入口部42、第2流体入口部44および第3流体入口部45に連通し、流体流れ下流側が第1流体出口部41、第2流体出口部43、第3流体出口部46および第4流体出口部48に連通する。そして、第5閉塞部65eが第4流体入口部47を閉塞する。
【0182】
これにより、第1流体入口部42、第2流体入口部44および第3流体入口部45から流入した流体は、第9流体通路64iで合流されるとともに分割されて第1流体出口部41、第2流体出口部43、第3流体出口部46および第4流体出口部48へ導かれて、流体制御弁1の外部へ流れる。ただし、第4流体入口部47は、第5閉塞部65eによって閉塞されるため、流体をバルブ収容空間AS内に流入させない。
【0183】
この場合、第9流体通路64iは、第1流体入口部42~第4流体入口部47のうち3つから流入する流体を自身が連通する第1流体出口部41~第4流体出口部48の4つ全てへ導く第4流路部として機能する。
【0184】
バルブ60を第9バルブ位置に位置付けた場合、第9流体通路64iは、流体流れ上流側が第1流体入口部42および第2流体入口部44に連通し、流体流れ下流側が第1流体出口部41に連通する。この際、第2流体入口部44および第1流体出口部41は、第9流体通路64iにおける8つの開口部41~48にいずれにも対向しない第1周方向DRc1側の部位を介して連通される。すなわち、第9流体通路64iは、周方向DRcに2列並ぶ8つの開口部41~48のうち、第1周方向DRc1側の端部に設けられる1列目開口部において、互いに隣り合わない第2流体入口部44および第1流体出口部41を連通させる。また、バルブ60を第9バルブ位置に位置付けた場合、第10流体通路64jは、流体流れ上流側が第4流体入口部47に連通し、流体流れ下流側が第3流体出口部46および第4流体出口部48に連通する。そして、第5閉塞部65eが第2流体出口部43を閉塞する。第6閉塞部65fが第3流体入口部45を閉塞する。
【0185】
これにより、第1流体入口部42および第2流体入口部44から流入した流体は、第9流体通路64iで合流されるとともに分割されて第1流体出口部41へ導かれて、流体制御弁1の外部へ流れる。この際、第2流体入口部44から流入した流体は、バルブ外壁部61における8つの開口部41~48に対向する部位を迂回して第1流体出口部41へ導かれる。
【0186】
具体的に、第1流体入口部42および第2流体入口部44から流入した流体は、第9流体通路64iにおける第2軸心方向DRa2側に流入後、周方向DRcに連なる第9流体通路64iにおける第1軸心方向DRa1側の部位へ流れる。そして、当該流体は、第9流体通路64iにおける第1周方向DRc1側の部位において第1軸心方向DRa1側へ流れ、その後、第2周方向DRc2側へ流れて第1流体出口部41へ流れる。
【0187】
このように、第1流体入口部42および第2流体入口部44から流入してから第9流体通路64iへ流入する流体は、第9流体通路64iにおいて径方向DRrへほぼ流れることなく、周方向DRcおよび軸心方向DRaに流れる。
【0188】
また、第4流体入口部47から流入した流体は、第10流体通路64jで分割されて第3流体出口部46および第4流体出口部48へ導かれて、流体制御弁1の外部へ流れる。ただし、第2流体出口部43は、第5閉塞部65eによって閉塞され、第1流体入口部42~第4流体入口部47のいずれにも連通しないため、流体を流出させない。また、第3流体入口部45は、第6閉塞部65fによって閉塞されるため、流体をバルブ収容空間AS内に流入させない。
【0189】
ここで、第2流体入口部44から流入した流体を第1流体出口部41へ流す場合、当該流体は、第9流体通路64iにおけるバルブ外壁部61の8つの開口部41~48に対向する部位を迂回して流れる。そして、第9流体通路64iにおける8つの開口部41~48に対向する部位を迂回して流す部位である第1周方向DRc1側の1列を形成する部位が、シール部材70における第1周方向DRc1側の1列の貫通穴71群を形成する部位によって囲まれている。このため、第9流体通路64iにおける第1周方向DRc1側の1列を形成する部位を流れる流体がバルブ外壁部61の外周面611と筒部11の内周面16との隙間から漏れることが抑制される。
【0190】
この場合、第9流体通路64iは、第1周方向DRc1側の端部に設けられる第2流体入口部44から流入した流体を、バルブ外壁部61における8つの開口部41~48に対向する部位を迂回して第1流体出口部41へ導くバイパス流路部として機能する。具体的に、第9流体通路64iの第2周方向DRc2側が8つの開口部41~48に対向し、第1流体入口部42および第2流体入口部44から流入する流体を直接第1流体出口部41へ導く対向流路部として機能する。そして、第9流体通路64iの第1周方向DRc1側が第1流体入口部42および第2流体入口部44から流入した流体を、バルブ外壁部61における8つの開口部41~48に対向する部位を迂回して第1流体出口部41へ導くバイパス流路部として機能する。
【0191】
また、第9流体通路64iは、第1周方向DRc1側の端部に設けられ、互いに隣り合わない第2流体入口部44と、第1流体入口部42および第1流体出口部41とを連通させる。さらに、第9流体通路64iは、周方向DRc側の大きさが8つの開口部41~48と同じ大きさで形成されており、これら8つの開口部41~48に対向する位置に位置付けられた際、上記したように第4流路部としても機能する。第10流体通路64jは、第1流体入口部42~第4流体入口部47のうちのいずれか1つから流入する流体を自身が連通する第1流体出口部41~第4流体出口部48のいずれか2つへ導く第2流路部として機能する。
【0192】
バルブ60を第10バルブ位置に位置付けた場合、第10流体通路64jは、流体流れ上流側が第1流体入口部42および第2流体入口部44に連通し、流体流れ下流側が第2流体出口部43に連通する。第1流体通路64aは、流体流れ上流側が第3流体入口部45に連通し、流体流れ下流側が第3流体出口部46に連通する。また、第2流体通路64bは、流体流れ上流側が第4流体入口部47に連通し、流体流れ下流側が第4流体出口部48に連通する。第6閉塞部65fが第1流体出口部41を閉塞する。
【0193】
これにより、第1流体入口部42および第2流体入口部44から流入した流体は、第10流体通路64jで合流されて第2流体出口部43へ導かれて、流体制御弁1の外部へ流れる。また、第3流体入口部45から流入した流体は、第1流体通路64aを介して第3流体出口部46へ導かれて、流体制御弁1の外部へ流れる。さらに、第4流体入口部47から流入した流体は、第2流体通路64bを介して第4流体出口部48へ導かれて、流体制御弁1の外部へ流れる。
【0194】
この場合、第1流体通路64aおよび第2流体通路64bそれぞれは、第1流体入口部42~第4流体入口部47のうちのいずれか1つから流入する流体を自身が連通する第1流体出口部41~第4流体出口部48のいずれか1つへ導く第1流路部として機能する。第10流体通路64jは、第1流体入口部42~第4流体入口部47のうちの2つから流入する流体を自身が連通する第1流体出口部41~第4流体出口部48のいずれか1つへ導く第3流路部として機能する。
【0195】
このように、バルブ60を第1バルブ位置~第10バルブ位置に切り替えることで、運転モードの切り替えパターンを10個のうちのいずれかに切り替える。そして、各切り替えパターンにおいて、第1流体入口部42~第4流体入口部47のうち、流体が流入する流体入口部を切り替えるとともに、第1流体出口部41~第4流体出口部48のうち流体を流出する流体出口部を切り替えることができる。
【0196】
以上の如く、本実施形態の流体制御弁1は、第2流体入口部44から流入した流体を、バルブ外壁部61における8つの開口部41~48に対向する部位を迂回して第1流体出口部41へ導く第9流体通路64iを有する。そして、当該第9流体通路64iは、8つの開口部41~48に対向する部位を迂回させる第1軸心方向DRa1側の部位が、流体が流入する第2周方向DRc側の部位に対して周方向DRcに連なって形成されている。
【0197】
これによれば、第9流体通路64iが8つの開口部41~48に対向する部位を迂回させて流体を導く際に、流体が径方向DRrに略流れない。このため、第9流体通路64iが径方向DRrの外側から内側に向かって流体を導く構成と異なり、迂回させる流路面積が小さくなることを回避できる。このため、8つの開口部41~48に対向する部位を迂回させて流体を流す際の圧力損失を抑制できる。
【0198】
また、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0199】
(1)上記実施形態では、第9流体通路64iは、互いに隣り合わない第2流体入口部44および第1流体出口部41を連通させる。
【0200】
これによれば、8つの開口部41~48のうち、第9流体通路64iが連通させる開口部が互いに対向する開口部に制限されず、流体の流し方の自由度を向上させることができる。このため、第1流体入口部42~第4流体入口部47それぞれに連通する第1流体出口部41~第4流体出口部48を切り替える際の切り替えパターンを増やすことができる。
【0201】
(2)上記実施形態では、第9流体通路64iは、第1流体入口部42~第4流体入口部47および第1流体出口部41~第4流体出口部48に対向する位置に位置付けた際、第1流体入口部42、第2流体入口部44および第3流体入口部45から流入する流体を第4流体出口部48へ導く。
【0202】
このように、8つの開口部41~48に対向する部位を迂回して流体を流すことでバイパス流路部として機能する第9流体通路64iを、バイパス流路部以外にも利用することができる。このため、第9流体通路64iがバイパス流路部専用として利用される構成に比較して、バルブ60の体格を小さくすることができる。
【0203】
(3)上記実施形態では、シール部材70には、軸心方向DRaに複数並ぶとともに、周方向DRcに複数列並ぶ貫通穴71が形成されている。貫通穴列数は、開口列数より多く設定されている。
【0204】
これによれば、第3流体通路64c、第7流体通路64gおよび第9流体通路64iが周方向DRcの端部の開口部を跨る位置に位置付けられた際、シール部材70によってこれら第3流体通路64c、第7流体通路64gおよび第9流体通路64iを囲む。
【0205】
このため、これら第3流体通路64c、第7流体通路64gおよび第9流体通路64iが周方向DRcの端部の開口部を跨る位置に位置付けられても、これらの流体通路を流れる流体がバルブ外壁部61と筒部11との間へ流れることを抑制できる。そして、これら第3流体通路64c、第7流体通路64gおよび第9流体通路64iを流れる流体がバルブ60の裏側へ回り込むことを抑制することができる。したがって、これら第3流体通路64c、第7流体通路64gおよび第9流体通路64iが周方向DRcの端部に形成される開口部を跨らないようにバルブ60の回転位置を調整しなくてもよい。すなわち、バルブ60の回転位置を調整することで切り替える流体制御弁1の切り替えパターンを制限することなく、バルブ60の裏側へ流体が流れることを抑制することができる。
【0206】
(4)上記実施形態では、貫通穴列数が開口列数より2つ多く設定されている。貫通穴71は、周方向DRcに2列並ぶ8つの開口部41~48より周方向DRcの一方側および他方側それぞれに1列ずつ多く設けられている。
【0207】
これによれば、第3流体通路64c、第7流体通路64gおよび第9流体通路64iが第1周方向DRc1側の端部および第2周方向DRc2側の端部どちらの開口部を跨る位置に位置付けられても、バルブ60の裏側へ回り込むことを抑制することができる。
【0208】
(5)上記実施形態では、シール部材70は、バルブ外壁部61に対向する摺動部72と筒部11に対向する押圧部73とを有する。摺動部72および押圧部73は、互いに異なる材料によって構成されている。
【0209】
これによれば、シール部材70に必要な特性のうち、弾性が必要な筒部11側と摺動性が必要なバルブ外壁部61側とを、それぞれ必要な特性に対応する材料を選択することができる。
【0210】
(6)上記実施形態では、バルブ60を第2軸心方向DRa2に付勢する付勢部80を備える。バルブ外壁部61は、第2軸心方向DRa2側が頂点側である円錐形の側面に沿うように形成されている。付勢部80は、バルブ60を円錐形の頂点側に向けて付勢し、バルブ60の回転時および停止時においてバルブ外壁部61とシール部材70とが押圧された状態を保ち、且つ、筒部11とシール部材70とが押圧された状態を保つ。
【0211】
これによれば、バルブ60とシール部材70とを押し付ける分力およびハウジング10とシール部材70とを押し付ける分力を容易に調整することができる。このため、バルブ60とシール部材70との隙間およびハウジング10とシール部材70との隙間を小さくできるので、これらバルブ60とシール部材70との間およびハウジング10とシール部材70との間のシール性を確保することができる。
【0212】
さらに、バルブ外壁部61を円錐形の側面に沿う形状として、バルブ60を円錐形の頂点側に向けて付勢部80で付勢する。これにより、経年劣化などによりバルブ60とシール部材70との摺動面で摩耗が生じても、バルブ60とシール部材70とが摺接する状態が保たれる。このため、流体制御弁1は、経年劣化に対し、バルブ60とシール部材70との間のシール性を維持することができる。
【0213】
(7)上記実施形態では、バルブ外壁部61に平行な円錐形の母線と軸心CLとのなす内角θは5deg以上である。
【0214】
これによれば、付勢部80が第2軸心方向DRa2に付勢する付勢力の分力(即ち、バルブ外壁部61からシール部材70および筒部11に作用する分力)により、バルブ外壁部61とシール部材70との摺接状態を確保し易くできる。また、筒部11とシール部材70との当接状態を保ち、筒部11とシール部材70とのシール性を確保できる。
【0215】
(8)上記実施形態では、筒部11におけるバルブ収容空間ASを形成する内周面16は、バルブ外壁部61と相似の円錐形の側面に沿った形状である。
【0216】
これによれば、付勢部80が第2軸心方向DRa2に付勢する付勢力の分力(即ち、バルブ外壁部61からシール部材70および筒部11に作用する分力)により、筒部11とシール部材70との当接状態を保ち、シール性を確保できる。
【0217】
(9)上記実施形態では、バルブ60の回転軸62が第1軸心方向DRa1側に向かって突出している。バルブ60、カバーシール23およびハウジングカバー20は、ハウジング10に対して第1軸心方向DRa1側から着脱可能である。
【0218】
仮に、本実施形態の構成とは逆に、回転軸62が第2軸心方向DRa2側に突出する場合、ハウジング10の底部12に軸穴22とカバーシール23が設けられることになる。その場合、流体制御弁1の製造時においてハウジング10に対しバルブ60を組み付ける際に、回転軸62とカバーシール23とが接触してカバーシール23が傷付くことがないように注意して組み付ける必要が有り、困難である。具体的には、組付ストローク全域でハウジング10の中心軸とバルブ60の中心軸とを合わせた状態で、ハウジング10にバルブ60を組み付ける必要がある。
【0219】
これに対し、本実施形態では、回転軸62が第1軸心方向DRa1側に突出する構成であり、ハウジングカバー20の軸穴22にカバーシール23が設けられている。このため、流体制御弁1の製造時においてハウジング10に対しバルブ60を組み付ける際に、回転軸62とカバーシール23とが接触する虞が抑制されるので、組み付けが容易となる。
【0220】
(10)上記実施形態では、ハウジングカバー20は、ハウジング10にスナップフィットにより固定されている。
【0221】
これによれば、ねじなどの締結部材を用いる場合に比較して、ハウジング10に対するハウジングカバー20の組付け、固定に必要な部品点数を低減できる。
【0222】
(11)上記実施形態では、バルブ60は、バルブ60の回転を規制するストッパ63を有する。ストッパ63は、ハウジングカバー20に対向する部位とは異なる部位に設けられている。
【0223】
仮に、ストッパ63をハウジングカバー20に設ける場合、バルブ60の回転を規制する際の荷重がハウジングカバー20を介して、ハウジングカバー20をハウジング10に取り付けている部位にかかる。すると、ハウジングカバー20をハウジング10に取り付けている部位が破損する虞がある。これに対して、本実施形態によれば、バルブ60の回転を規制する際の荷重がハウジングカバー20を介して、ハウジングカバー20をハウジング10に取り付けている部位にかかることを回避することができる。このため、ハウジングカバー20をハウジング10に取り付けている部位が破損することを回避することができる。
【0224】
(12)上記実施形態では、ハウジング10は、第2軸心方向DRa2側にハウジング10の第2軸心方向DRa2側を閉塞する底部12を有する。ストッパ63は底部12に向かって突出している。底部12は、ストッパ63に当接することでバルブ60の回転を規制する回転規制部122を有する。
【0225】
これによれば、回転規制部122をハウジング10におけるシール部材70を設ける内周面16に形成する場合に比較して、バルブ外壁部61と筒部11とのシール面を確実に確保することができる。
【0226】
(13)上記実施形態では、ストッパ63は、軸心方向DRaに延びて形成されている。
【0227】
これによれば、ストッパ63を底部12に設ける回転規制部122に当接させ易くできる。
【0228】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について、
図17~
図22を参照して説明する。本実施形態では、ハウジング10、バルブ60およびシール部材70の形状が第1実施形態と相違している。これ以外は、第1実施形態と同様である。このため、本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明し、第1実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
【0229】
図17に示すように、本実施形態のハウジング10は、第1実施形態に比較して軸心方向DRaの大きさが大きくなっている。すなわち、本実施形態の筒部11は、第1実施形態の筒部11に比較して軸心方向DRaの大きさが大きくなっている。そして、本実施形態の筒部11には、10個の開口部91a、91b、91c、91d、92a、92b、92c、92d、92e、92fが形成されている。これら10個の開口部91a、91b、91c、91d、92a、92b、92c、92d、92e、92fは、軸心方向DRaに5つ並ぶとともに、周方向DRcに2列並ぶ格子状に形成されている。そして、10個の開口部91a、91b、91c、91d、92a、92b、92c、92d、92e、92fは、筒部11におけるポート形成部13が設けられる部位に形成されている。以下、10個の開口部91a、91b、91c、91d、92a、92b、92c、92d、92e、92fを、10個の開口部91a~92fと示す場合がある。
【0230】
図17に示すように、10個の開口部91a~92fは、軸心方向DRaに5つ並ぶとともに、周方向DRcに2列並ぶ格子状に形成されている。
【0231】
本実施形態では、10個の開口部91a、91b、91c、91d、92a、92b、92c、92d、92e、92fのうち、4個の開口部91a、91b、91c、91dが流体をバルブ収容空間ASに流入させ、6個の開口部92a、92b、92c、92d、92e、92fが流体をハウジング10の外部へ流出させる。以下、バルブ収容空間ASに流体を流入させる開口部91a、91b、91c、91dを第1流体入口部91a、第2流体入口部91b、第3流体入口部91c、第4流体入口部91dとする。また、流体をハウジング10の外部へ流出させる6つの開口部92a、92b、92c、92d、92e、92fを第1流体出口部92a、第2流体出口部92b、第3流体出口部92c、第4流体出口部92d、第5流体出口部92e、第6流体出口部92fとする。
【0232】
第1流体入口部91a、第2流体入口部91b、第3流体入口部91c、第4流体入口部91dは、バルブ収容空間ASに流体を流入させる入口ポートである。第1流体出口部92a、第2流体出口部92b、第3流体出口部92c、第4流体出口部92d、第5流体出口部92e、第6流体出口部92fは、バルブ収容空間ASに流入させた流体を当該バルブ収容空間ASの外部へ流出させる出口ポートである。
【0233】
以下、第1流体入口部91a、第2流体入口部91b、第3流体入口部91c、第4流体入口部91dを第1流体入口部91a~第4流体入口部91dと示す場合がある。また、第1流体出口部92a、第2流体出口部92b、第3流体出口部92c、第4流体出口部92d、第5流体出口部92e、第6流体出口部92fを第1流体出口部92a~第6流体出口部92fと示す場合がある。
【0234】
そして、本実施形態では、第1流体入口部91a、第1流体出口部92a、第2流体出口部92b、第2流体入口部91b、第3流体出口部92cが第1周方向DRc1側に並んでいる。具体的に、第1流体入口部91a、第1流体出口部92a、第2流体出口部92b、第2流体入口部91b、第3流体出口部92cが第2軸心方向DRa2側から第1軸心方向DRa1側に向かって軸心方向DRaに並んでいる。また、第4流体出口部92d、第3流体入口部91c、第5流体出口部92e、第6流体出口部92f、第4流体入口部91dが第2周方向DRc2側に並んでいる。具体的に、第4流体出口部92d、第3流体入口部91c、第5流体出口部92e、第6流体出口部92f、第4流体入口部91dが第2軸心方向DRa2側から第1軸心方向DRa1側に向かって軸心方向DRaに並んでいる。
【0235】
以下、第1流体入口部91a、第1流体出口部92a、第2流体出口部92b、第2流体入口部91b、第3流体出口部92cで構成される1群の開口部群を1列目開口部と称する。また、第4流体出口部92d、第3流体入口部91c、第5流体出口部92e、第6流体出口部92f、第4流体入口部91dで構成される1群の開口部群を2列目開口部と称する場合がある。
【0236】
また、第1流体入口部91aおよび第4流体出口部92dで構成される1群の開口部群を1段目開口部と称し、第1流体出口部92aおよび第3流体入口部91cで構成される1群の開口部群を2段目開口部と称する場合がある。また、第2流体出口部92bおよび第5流体出口部92eで構成される1群の開口部群を3段目開口部と称し、第2流体入口部91bおよび第6流体出口部92fで構成される1群の開口部群を4段目開口部と称する場合がある。また、第3流体出口部92cおよび第4流体入口部91dで構成される1群の開口部群を5段目開口部と称する場合がある。
【0237】
また、本実施形態のシール部材70は、筒部11の軸心方向DRaの大きさが大きくなるのに伴い、
図18に示すように、軸心方向DRaの大きさが第1実施形態に比較して大きくなっている。そして、シール部材70に形成される貫通穴71は、軸心方向DRaに5つ並ぶとともに、周方向DRcに2列並ぶ10個の開口部91a~92fに対応して形成されている。具体的に、本実施形態のシール部材70には、軸心方向DRaに5段並ぶとともに、周方向DRcに4列並ぶ貫通穴71が形成されている。
【0238】
また、本実施形態では、貫通穴71が周方向DRcに2列並ぶ10個の開口部91a~92fより周方向DRcの一方側および他方側それぞれに1列ずつ多く設けられている。すなわち、シール部材70は、周方向DRcにおいて10個の開口部91a~92fに対向しない位置に形成される第1軸心方向DRa1側の1列の貫通穴71群と第2軸心方向DRa2側の1列の貫通穴71群を有する。
【0239】
シール部材70のうち、中央2列の貫通穴71群を形成する部位が、10個の開口部91a~92fそれぞれを囲むとともに、10個の開口部91a~92fそれぞれを通過する流体が混流することを抑制する。また、シール部材70のうち、第1周方向DRc1側の端部に形成される1列の貫通穴71群および第2周方向DRc2側の端部に形成される1列の貫通穴71群は、10個の開口部91a~92fに対向しない流体通路を囲む。これにより、シール部材70は、第1周方向DRc1側および第2周方向DRc2側それぞれの端部に形成される1列の貫通穴71群が、10個の開口部91a~92fに対向しない流体通路をシールする。
【0240】
また、本実施形態のバルブ60は、
図19に示すように、軸心方向DRaに5つ並ぶとともに、周方向DRcに2列並ぶ10個の開口部91a~92fに対応して複数の流体通路68が形成されている。さらに、バルブ外壁部61には、バルブ収容空間ASに流体が流入することを禁止する11個の閉塞部69が形成されている。
【0241】
具体的には、バルブ外壁部61には、
図20に示すように、流体が流通する15個の流体通路68a、68b、68c、68d、68e、68f、68g、68h、68i、68j、68k、68m、68n、68r、68sが形成されている。また、バルブ外壁部61には、11個の閉塞部69a、69b、69c、69d、69e、69f、69g、69h、69i、69j、69kが形成されている。これら15個の流体通路68a、68b、68c、68d、68e、68f、68g、68h、68i、68j、68k、68m、68n、68r、68sおよび11個の閉塞部69a、69b、69c、69d、69e、69f、69g、69h、69i、69j、69kは、バルブ60が回転する際、いずれかが10の開口部91a~92fのいずれかに対向するように形成されている。そして、これら15個の流体通路68a、68b、68c、68d、68e、68f、68g、68h、68i、68j、68k、68m、68n、68r、68sおよび11個の閉塞部69a、69b、69c、69d、69e、69f、69g、69h、69i、69j、69kは、リブ66によって仕切られている。
【0242】
以下、15個の流体通路68a、68b、68c、68d、68e、68f、68g、68h、68i、68j、68k、68m、68n、68r、68sを15個の流体通路68a~68sと示す場合がある。また、15個の流体通路68a、68b、68c、68d、68e、68f、68g、68h、68i、68j、68k、68m、68n、68r、68sを第1流体通路68a、第2流体通路68b、第3流体通路68c、第4流体通路68d、第5流体通路68e、第6流体通路68f、第7流体通路68g、第8流体通路68h、第9流体通路68i、第10流体通路68j、第11流体通路68k、第12流体通路68m、第13流体通路68n、第14流体通路68r、第15流体通路68sと称する。そして、第1流体通路68a、第2流体通路68b、第3流体通路68c、第4流体通路68d、第5流体通路68e、第6流体通路68f、第7流体通路68g、第8流体通路68h、第9流体通路68i、第10流体通路68j、第11流体通路68k、第12流体通路68m、第13流体通路68n、第14流体通路68r、第15流体通路68sを第1流体通路68a~第15流体通路68sと称する場合がある。
【0243】
また、11個の閉塞部69a、69b、69c、69d、69e、69f、69g、69h、69i、69j、69kを11個の閉塞部69a~69kと示す場合がある。また、11個の閉塞部69a、69b、69c、69d、69e、69f、69g、69h、69i、69j、69kを第1閉塞部69a、第2閉塞部69b、第3閉塞部69c、第4閉塞部69d、第5閉塞部69e、第6閉塞部69f、第7閉塞部69g、第8閉塞部69h、第9閉塞部69i、第10閉塞部69j、第11閉塞部69kと称する。そして、第1閉塞部69a、第2閉塞部69b、第3閉塞部69c、第4閉塞部69d、第5閉塞部69e、第6閉塞部69f、第7閉塞部69g、第8閉塞部69h、第9閉塞部69i、第10閉塞部69j、第11閉塞部69kを第1閉塞部69a~第11閉塞部69kと称する場合がある。
【0244】
バルブ60は、表側に位置付けられた第1流体通路68a~第15流体通路68sのいずれかおよび第1閉塞部69a~第11閉塞部69kのいずれかが第1流体入口部91a~第4流体入口部91dおよび第1流体出口部92a~第6流体出口部92fに対向する。
【0245】
ここで、第1流体通路68a~第15流体通路68sは、第1流体入口部91a~第4流体入口部91dのうちの少なくとも1つと第1流体出口部92a~第6流体出口部92fのうちの少なくとも1つとを連通させることが可能に形成されている。これにより、第1流体通路68a~第15流体通路68sは、第1流体入口部91a~第4流体入口部91dのうちの連通するいずれかから流入する流体を第1流体出口部92a~第6流体出口部92fのうちの連通するいずれかへ導くことが可能となっている。
【0246】
第1閉塞部69a~第11閉塞部69kは、第1流体入口部91a~第4流体入口部91dのうちのいずれか1つに対向する際、対向する入口部からバルブ収容空間AS内に流体が禁止する。また、第1閉塞部69a~第11閉塞部69kは、第1流体出口部92a~第6流体出口部92fのうちのいずれか1つに対向する際、対向する出口部からの流体の流出を禁止する。
【0247】
そして、第1流体通路68a~第15流体通路68sおよび第1閉塞部69a~第11閉塞部69kそれぞれは、軸側リブ66aおよび周側リブ66bによって囲まれている。
【0248】
具体的な第1流体通路68a~第15流体通路68sおよび第1閉塞部69a~第11閉塞部69kそれぞれの形状および形成位置について、
図20および
図21を参照して説明する。
図20および
図21に示す各バルブ60は、10個の開口部91a~92fに対向する各流体通路および各閉塞部が判るように、バルブ60を周方向DRcに回転させた際のバルブ60それぞれの表側を示している。また、
図20および
図21では、格子状のマスがバルブ60を周方向DRcに展開した際の第1流体通路68a~第15流体通路68sおよび第1閉塞部69a~第11閉塞部69kが形成されている部位を模式的に示し、格子がリブ66を示している。また、格子のうち、実線は、リブ66が形成されている部位を示す。破線は、リブ66が形成されていない部位を示す。
【0249】
第1流体通路68a~第15流体通路68sは、1段目~5段目のいずれであって、1列目~10列目のいずれかに位置付けられる各区画を複数組み合わせた形状となる。また、第1閉塞部69a~第10閉塞部69jは、1段目~5段目のいずれであって、1列目~10列目のいずれかに位置付けられる1区画に対応する。なお、
図20においては、図を見やすくするため、軸側リブ66aおよび周側リブ66bを示す符号は省略してある。
【0250】
第1流体通路68aは、2段目且つ1列目の区画~2段目且つ3列目の区画が組み合わされた形状となっている。このように構成される第1流体通路68aは、周方向DRcに2つの開口部を跨ることが可能となっている。ここで、バルブ60が周方向DRcに回転して第1流体通路68aが10個の開口部91a~92fに対向する位置に位置付けられたとする。第1流体通路68aは、周方向DRcに2つの開口部を跨ることが可能となっている。そして、第1流体通路68aは、周方向DRcに互いに隣り合う第1流体出口部92aと第3流体入口部91cとを連通させることが可能となっている。
【0251】
この場合、互いに隣り合う第1流体出口部92aおよび第3流体入口部91cのうち、第3流体入口部91cが第1隣入口部に対応し、第1流体出口部92aが第1隣出口部に対応する。
【0252】
そして、バルブ60が周方向DRcに回転して第1流体通路68aが第1流体出口部92aと第3流体入口部91cとを連通させる位置に位置付けたとする。その際、第1流体通路68aを仕切る軸側リブ66aおよび周側リブ66bは、第1流体出口部92aおよび第3流体入口部91cと、これらとは異なる流体入口部および流体出口部と、を仕切る仕切部50に対向する。そして、軸側リブ66aは、第1流体出口部92aおよび第3流体入口部91cの間を仕切る軸側仕切部52に対向する位置に形成されない。
【0253】
第2流体通路68bは、3段目且つ1列目の区画と4段目且つ1列目の区画が組み合わされた形状となっている。このように構成される第2流体通路68bは、軸心方向DRaに2つの開口部を跨ることが可能となっている。ここで、バルブ60が周方向DRcに回転して第2流体通路68bが10個の開口部91a~92fに対向する位置に位置付けられたとする。第2流体通路68bは、3段目開口部および4段目開口部に対向可能となっている。そして、第2流体通路68bは、軸心方向DRaに互いに隣り合う第2流体入口部91bと第2流体出口部92bとを連通させることが可能となっている。また、第2流体通路68bは、軸心方向DRaに互いに隣り合う第5流体出口部92eと第6流体出口部92fとを連通させることが可能となっている。
【0254】
この場合、互いに隣り合う第2流体入口部91bおよび第2流体出口部92bのうち、第2流体入口部91bが第1隣入口部に対応し、第2流体出口部92bが第1隣出口部に対応する。
【0255】
そして、バルブ60が周方向DRcに回転して第2流体通路68bが第2流体入口部91bと第2流体出口部92bとを連通させる位置に位置付けたとする。その際、第2流体通路68bを仕切る軸側リブ66aおよび周側リブ66bは、第2流体入口部91bおよび第2流体出口部92bと、これらとは異なる流体入口部および流体出口部と、を仕切る仕切部50に対向する。そして、周側リブ66bは、第2流体入口部91bおよび第2流体出口部92bの間を仕切る軸側仕切部52に対向する位置に形成されない。
【0256】
第3流体通路68cは、5段目且つ1列目の区画~5段目且つ3列目の区画が組み合わされた形状となっている。このように構成される第3流体通路68cは、周方向DRcに2つの開口部を跨ることが可能となっている。ここで、バルブ60が周方向DRcに回転して第3流体通路68cが10個の開口部91a~92fに対向する位置に位置付けられたとする。第3流体通路68cは、周方向DRcに2つの開口部を跨ることが可能となっている。そして、第3流体通路68cは、周方向DRcに互いに隣り合う第3流体出口部92cと第4流体入口部91dとを連通させることが可能となっている。
【0257】
この場合、互いに隣り合う第3流体出口部92cおよび第4流体入口部91dのうち、第4流体入口部91dが第1隣入口部に対応し、第3流体出口部92cが第1隣出口部に対応する。
【0258】
そして、バルブ60が周方向DRcに回転して第3流体通路68cを第3流体出口部92cと第4流体入口部91dとを連通させる位置に位置付けたとする。その際、第3流体通路68cを仕切る軸側リブ66aおよび周側リブ66bは、第3流体出口部92cおよび第4流体入口部91dと、これらとは異なる流体入口部および流体出口部と、を仕切る仕切部50に対向する。そして、軸側リブ66aは、第3流体出口部92cおよび第4流体入口部91dを仕切る軸側仕切部52に対向する位置に形成されない。
【0259】
第4流体通路68dは、1段目且つ2列目の区画と1段目且つ3列目の区画が組み合わされた形状となっている。このように構成される第4流体通路68dは、周方向DRcに2つの開口部を跨ることが可能となっている。ここで、バルブ60が周方向DRcに回転して第4流体通路68dが10個の開口部91a~92fに対向する位置に位置付けられたとする。第4流体通路68dは、周方向DRcに2つの開口部を跨ることが可能となっている。そして、第4流体通路68dは、周方向DRcに互いに隣り合う第1流体入口部91aと第4流体出口部92dとを連通させることが可能となっている。
【0260】
この場合、互いに隣り合う第1流体入口部91aおよび第4流体出口部92dのうち、第1流体入口部91aが第1隣入口部に対応し、第4流体出口部92dが第1隣出口部に対応する。
【0261】
そして、バルブ60が周方向DRcに回転して第4流体通路68dを第1流体入口部91aと第4流体出口部92dとを連通させる位置に位置付けたとする。その際、第4流体通路68dを仕切る軸側リブ66aおよび周側リブ66bは、第1流体入口部91aおよび第4流体出口部92dと、これらとは異なる流体入口部および流体出口部と、を仕切る仕切部50に対向する。そして、軸側リブ66aは、第1流体入口部91aおよび第4流体出口部92dの間を仕切る軸側仕切部52に対向する位置に形成されない。
【0262】
第5流体通路68eは、4段目且つ2列目の区画と4段目且つ3列目の区画が組み合わされた形状となっている。このように構成される第5流体通路68eは、周方向DRcに2つの開口部を跨ることが可能となっている。ここで、バルブ60が周方向DRcに回転して第5流体通路68eが10個の開口部91a~92fに対向する位置に位置付けられたとする。第5流体通路68eは、周方向DRcに2つの開口部を跨ることが可能となっている。そして、第5流体通路68eは、周方向DRcに互いに隣り合う第2流体入口部91bと第6流体出口部92fとを連通させることが可能となっている。
【0263】
この場合、互いに隣り合う第2流体入口部91bおよび第6流体出口部92fのうち、第2流体入口部91bが第1隣入口部に対応し、第6流体出口部92fが第1隣出口部に対応する。
【0264】
そして、バルブ60が周方向DRcに回転して第5流体通路68eを第2流体入口部91bと第6流体出口部92fとを連通させる位置に位置付けたとする。第5流体通路68eを仕切る軸側リブ66aおよび周側リブ66bは、第2流体入口部91bおよび第6流体出口部92fと、これらとは異なる流体入口部および流体出口部と、を仕切る仕切部50に対向する。そして、軸側リブ66aは、第2流体入口部91bおよび第6流体出口部92fの間を仕切る軸側仕切部52に対向する位置に形成されない。
【0265】
第6流体通路68fは、2段目且つ4列目の区画~4段目且つ4列目の区画と2段目且つ5列目の区画と4段目且つ5列目の区画とが組み合わされた形状となっている。このように構成される第6流体通路68fは、軸心方向DRaに3つの開口部を跨ることが可能であって、且つ、周方向DRcに2つの開口部を跨ることが可能となっている。また、第9流体通路68iは、軸心方向DRaおよび周方向DRcのどちらか一方に互いに隣り合う5つの開口部を跨ることが可能となっている。
【0266】
ここで、バルブ60が周方向DRcに回転して第6流体通路68fが10個の開口部91a~92fに対向する位置に位置付けられたとする。第6流体通路68fは、2段目開口部~4段目開口部に対向可能となっている。そして、第6流体通路68fは、軸心方向DRaに互いに隣り合う第3流体入口部91cと第5流体出口部92eと第6流体出口部92fとを連通させることが可能となっている。また、第6流体通路68fは、軸心方向DRaおよび周方向DRcのどちらか一方に互いに隣り合う第2流体入口部91bと第3流体入口部91cと第1流体出口部92aと第2流体出口部92bと第6流体出口部92fとを連通させることが可能となっている。さらに、第6流体通路68fは、軸心方向DRaに互いに隣り合わない第2流体入口部91bと第1流体出口部92aとを連通させることが可能となっている。
【0267】
この場合、互いに隣り合う第3流体入口部91c、第5流体出口部92eおよび第6流体出口部92fとのうち、第3流体入口部91cが第2隣入口部に対応し、第5流体出口部92eおよび第6流体出口部92fが第2隣出口部に対応する。また、互いに隣り合う第2流体入口部91b、第3流体入口部91c、第1流体出口部92a、第2流体出口部92bおよび第6流体出口部92fのうち、第2流体入口部91bおよび第3流体入口部91cが第4隣入口部に対応し、第1流体出口部92a、第2流体出口部92bおよび第6流体出口部92fが第4隣出口部に対応する。
【0268】
そして、バルブ60が周方向DRcに回転して第6流体通路68fを第2流体入口部91bと第3流体入口部91cと第1流体出口部92aと第2流体出口部92bと第6流体出口部92fとを連通させる位置に位置付けたとする。その際、第6流体通路68fを仕切る軸側リブ66aおよび周側リブ66bは、第2流体入口部91bと第3流体入口部91cと第1流体出口部92aと第2流体出口部92bと第6流体出口部92fと、これらとは異なる流体入口部および流体出口部と、を仕切る仕切部50に対向する。そして、周側リブ66bは、第2流体入口部91bと第1流体出口部92aと第2流体出口部92bそれぞれの間を仕切る周側仕切部51に対向する位置に形成されない。さらに、軸側リブ66aは、第1流体出口部92aと第3流体入口部91cとの間を仕切る軸側仕切部52に対向する位置と、第2流体入口部91bと第6流体出口部92fとの間を仕切る軸側仕切部52に対向する位置それぞれに形成されない。
【0269】
また、バルブ60が周方向DRcに回転して第6流体通路68fを軸心方向DRaに互いに隣り合わない第2流体入口部91bと第1流体出口部92aとを連通させる位置に位置付けたとする。この際、軸側リブ66aは、第2流体入口部91bを仕切る軸側仕切部52のうち、周方向DRcに第6流体出口部92fが存在しない側(すなわち、第1周方向DRc1側)の軸側仕切部52に対向する位置に形成されない。そして、軸側リブ66aは、第2流体出口部92bを仕切る軸側仕切部52のうち、周方向DRcに第3流体入口部91cが存在しない側(すなわち、第1周方向DRc1側)の軸側仕切部52に対向する位置に形成されない。
【0270】
第7流体通路68gは、5段目且つ5列目の区画~5段目且つ8列目の区画が組み合わされた形状となっている。このように構成される第7流体通路68gは、周方向DRcに2つの開口部を跨ることが可能となっている。ここで、バルブ60が周方向DRcに回転して第7流体通路68gが10個の開口部91a~92fに対向する位置に位置付けられたとする。第7流体通路68gは、周方向DRcに2つの開口部を跨ることが可能となっている。そして、第7流体通路68gは、周方向DRcに互いに隣り合う第3流体出口部92cと第4流体入口部91dとを連通させることが可能となっている。
【0271】
この場合、互いに隣り合う第3流体出口部92cおよび第4流体入口部91dのうち、第4流体入口部91dが第1隣入口部に対応し、第3流体出口部92cが第1隣出口部に対応する。
【0272】
そして、バルブ60が周方向DRcに回転して第7流体通路68gを第3流体出口部92cと第4流体入口部91dとを連通させる位置に位置付けたとする。その際、第7流体通路68gを仕切る軸側リブ66aおよび周側リブ66bは、第3流体出口部92cおよび第4流体入口部91dと、これらとは異なる流体入口部および流体出口部と、を仕切る仕切部50に対向する。そして、軸側リブ66aは、第3流体出口部92cおよび第4流体入口部91dの間を仕切る軸側仕切部52に対向する位置に形成されない。
【0273】
第8流体通路68hは、1段目且つ6列目の区画と2段目且つ6列目の区画が組み合わされた形状となっている。このように構成される第8流体通路68hは、軸心方向DRaに2つの開口部を跨ることが可能となっている。ここで、バルブ60が周方向DRcに回転して第8流体通路68hが10個の開口部91a~92fに対向する位置に位置付けられたとする。第8流体通路68hは、1段目開口部および2段目開口部に対向可能となっている。そして、第8流体通路68hは、軸心方向DRaに互いに隣り合う第1流体入口部91aと第1流体出口部92aとを連通させることが可能となっている。また、第8流体通路68hは、軸心方向DRaに互いに隣り合う第3流体入口部91cと第4流体出口部92dとを連通させることが可能となっている。
【0274】
この場合、互いに隣り合う第1流体入口部91aおよび第1流体出口部92aのうち、第1流体入口部91aが第1隣入口部に対応し、第1流体出口部92aが第1隣出口部に対応する。また、互いに隣り合う第3流体入口部91cおよび第4流体出口部92dのうち、第3流体入口部91cが第1隣入口部に対応し、第4流体出口部92dが第1隣出口部に対応する。
【0275】
そして、バルブ60が周方向DRcに回転して第8流体通路68hを第1流体入口部91aと第1流体出口部92aとを連通させる位置に位置付けたとする。この際、第8流体通路68hを仕切る軸側リブ66aおよび周側リブ66bは、第1流体入口部91aおよび第1流体入口部91aと、これらとは異なる流体入口部および流体出口部と、を仕切る仕切部50に対向する。そして、周側リブ66bは、第1流体入口部91aおよび第1流体出口部92aの間を仕切る周側仕切部51に対向する位置に形成されない。
【0276】
第9流体通路68iは、4段目且つ6列目の区画~4段目且つ8列目の区画が組み合わされた形状となっている。このように構成される第9流体通路68iは、周方向DRcに2つの開口部を跨ることが可能となっている。ここで、バルブ60が周方向DRcに回転して第9流体通路68iが10個の開口部91a~92fに対向する位置に位置付けられたとする。第9流体通路68iは、周方向DRcに2つの開口部を跨ることが可能となっている。そして、第9流体通路68iは、周方向DRcに互いに隣り合う第2流体入口部91bと第6流体出口部92fとを連通させることが可能となっている。
【0277】
この場合、互いに隣り合う第2流体入口部91bおよび第6流体出口部92fのうち、第2流体入口部91bが第1隣入口部に対応し、第6流体出口部92fが第1隣出口部に対応する。
【0278】
そして、バルブ60が周方向DRcに回転して第9流体通路68iを第2流体入口部91bと第6流体出口部92fとを連通させる位置に位置付けたとする。第9流体通路68iを仕切る軸側リブ66aおよび周側リブ66bは、第2流体入口部91bおよび第6流体出口部92fと、これらとは異なる流体入口部および流体出口部と、を仕切る仕切部50に対向する。そして、軸側リブ66aは、第2流体入口部91bおよび第6流体出口部92fの間を仕切る軸側仕切部52に対向する位置に形成されない。
【0279】
第10流体通路68jは、1段目且つ7列目の区画と2段目且つ7列目の区画が組み合わされた形状となっている。このように構成される第10流体通路68jは、軸心方向DRaに2つの開口部を跨ることが可能となっている。ここで、バルブ60が周方向DRcに回転して第10流体通路68jが10個の開口部91a~92fに対向する位置に位置付けられたとする。第10流体通路68jは、1段目開口部および2段目開口部に対向可能となっている。そして、第10流体通路68jは、軸心方向DRaに互いに隣り合う第1流体入口部91aと第1流体出口部92aとを連通させることが可能となっている。また、第10流体通路68jは、軸心方向DRaに互いに隣り合う第3流体入口部91cと第4流体出口部92dとを連通させることが可能となっている。
【0280】
この場合、互いに隣り合う第1流体入口部91aおよび第1流体出口部92aのうち、第1流体入口部91aが第1隣入口部に対応し、第1流体出口部92aが第1隣出口部に対応する。また、互いに隣り合う第3流体入口部91cおよび第4流体出口部92dのうち、第3流体入口部91cが第1隣入口部に対応し、第4流体出口部92dが第1隣出口部に対応する。
【0281】
そして、バルブ60が周方向DRcに回転して第10流体通路68jを第1流体入口部91aと第1流体出口部92aとを連通させる位置に位置付けたとする。この際、第10流体通路68jを仕切る軸側リブ66aおよび周側リブ66bは、第1流体入口部91aおよび第1流体入口部91aと、これらとは異なる流体入口部および流体出口部と、を仕切る仕切部50に対向する。そして、周側リブ66bは、第1流体入口部91aと第1流体出口部92aとの間を仕切る周側仕切部51に対向する位置に形成されない。
【0282】
第11流体通路68kは、1段目且つ8列目の区画~3段目且つ8列目の区画が組み合わされた形状となっている。このように構成される第11流体通路68kは、軸心方向DRaに3つの開口部を跨ることが可能となっている。ここで、バルブ60が周方向DRcに回転して第11流体通路68kが10個の開口部91a~92fに対向する位置に位置付けられたとする。第11流体通路68kは、1段目開口部~3段目開口部に対向可能となっている。そして、第11流体通路68kは、軸心方向DRaに互いに隣り合う第1流体入口部91aと第1流体出口部92aと第2流体出口部92bとを連通させることが可能となっている。また、第11流体通路68kは、軸心方向DRaに互いに隣り合う第3流体入口部91cと第4流体出口部92dと第5流体出口部92eとを連通させることが可能となっている。
【0283】
この場合、互いに隣り合う第1流体入口部91a、第1流体出口部92aおよび第2流体出口部92bのうち、第1流体入口部91aが第2隣入口部に対応し、第1流体出口部92aおよび第2流体出口部92bが第2隣出口部に対応する。また、互いに隣り合う第3流体入口部91c、第4流体出口部92dおよび第5流体出口部92eのうち、第3流体入口部91cが第2隣入口部に対応し、第4流体出口部92dおよび第5流体出口部92eが第2隣出口部に対応する。
【0284】
そして、バルブ60が周方向DRcに回転して第11流体通路68kを第1流体入口部91aと第1流体出口部92aと第2流体出口部92bとを連通させる位置に位置付けたとする。この際、第11流体通路68kを仕切る軸側リブ66aおよび周側リブ66bは、第1流体入口部91a、第1流体入口部91aおよび第2流体出口部92bと、これらとは異なる流体入口部および流体出口部と、を仕切る仕切部50に対向する。そして、周側リブ66bは、第1流体入口部91a、第1流体入口部91aおよび第2流体出口部92bそれぞれの間を仕切る周側仕切部51に対向する位置に形成されない。
【0285】
第12流体通路68mは、1段目且つ9列目の区画と1段目且つ10列目の区画が組み合わされた形状となっている。このように構成される第12流体通路68mは、周方向DRcに2つの開口部を跨ることが可能となっている。ここで、バルブ60が周方向DRcに回転して第12流体通路68mが10個の開口部91a~92fに対向する位置に位置付けられたとする。第12流体通路68mは、周方向DRcに2つの開口部を跨ることが可能となっている。そして、第12流体通路68mは、周方向DRcに互いに隣り合う第1流体入口部91aと第4流体出口部92dとを連通させることが可能となっている。
【0286】
この場合、互いに隣り合う第1流体入口部91aおよび第4流体出口部92dのうち、第1流体入口部91aが第1隣入口部に対応し、第4流体出口部92dが第1隣出口部に対応する。
【0287】
そして、バルブ60が周方向DRcに回転して第12流体通路68mを第1流体入口部91aと第4流体出口部92dとを連通させる位置に位置付けたとする。その際、第12流体通路68mを仕切る軸側リブ66aおよび周側リブ66bは、第1流体入口部91aおよび第4流体出口部92dと、これらとは異なる流体入口部および流体出口部と、を仕切る仕切部50に対向する。そして、軸側リブ66aは、第1流体入口部91aおよび第4流体出口部92dの間を仕切る軸側仕切部52に対向する位置に形成されない。
【0288】
第13流体通路68nは、2段目且つ1列目の区画と2段目且つ2列目の区画が組み合わされた形状となっている。このように構成される第13流体通路68nは、周方向DRcに2つの開口部を跨ることが可能となっている。ここで、バルブ60が周方向DRcに回転して第13流体通路68nが10個の開口部91a~92fに対向する位置に位置付けられたとする。第13流体通路68nは、周方向DRcに2つの開口部を跨ることが可能となっている。そして、第13流体通路68nは、周方向DRcに互いに隣り合う第1流体出口部92aと第3流体入口部91cとを連通させることが可能となっている。
【0289】
この場合、互いに隣り合う第1流体出口部92aおよび第3流体入口部91cのうち、第3流体入口部91cが第1隣入口部に対応し、第1流体出口部92aが第1隣出口部に対応する。
【0290】
そして、バルブ60が周方向DRcに回転して第13流体通路68nが第1流体出口部92aと第3流体入口部91cとを連通させる位置に位置付けたとする。その際、第13流体通路68nを仕切る軸側リブ66aおよび周側リブ66bは、第1流体出口部92aおよび第3流体入口部91cと、これらとは異なる流体入口部および流体出口部と、を仕切る仕切部50に対向する。そして、軸側リブ66aは、第1流体出口部92aおよび第3流体入口部91cの間を仕切る軸側仕切部52に対向する位置に形成されない。
【0291】
第14流体通路68rは、4段目且つ9列目の区画と5段目且つ9列目の区画が組み合わされた形状となっている。このように構成される第14流体通路68rは、軸心方向DRaに2つの開口部を跨ることが可能となっている。ここで、バルブ60が周方向DRcに回転して第14流体通路68rが10個の開口部91a~92fに対向する位置に位置付けられたとする。第14流体通路68rは、4段目開口部および5段目開口部に対向可能となっている。そして、第14流体通路68rは、軸心方向DRaに互いに隣り合う第2流体入口部91bと第3流体出口部92cとを連通させることが可能となっている。また、第14流体通路68rは、軸心方向DRaに互いに隣り合う第4流体入口部91dと第6流体出口部92fとを連通させることが可能となっている。
【0292】
この場合、互いに隣り合う第2流体入口部91bおよび第3流体出口部92cのうち、第2流体入口部91bが第1隣入口部に対応し、第3流体出口部92cが第1隣出口部に対応する。また、互いに隣り合う第4流体入口部91dおよび第6流体出口部92fのうち、第4流体入口部91dが第1隣入口部に対応し、第6流体出口部92fが第1隣出口部に対応する。
【0293】
そして、バルブ60が周方向DRcに回転して第14流体通路68rを第2流体入口部91bと第3流体出口部92cとを連通させる位置に位置付けたとする。この際、第14流体通路68rを仕切る軸側リブ66aおよび周側リブ66bは、第2流体入口部91bおよび第3流体出口部92cと、これらとは異なる流体入口部および流体出口部と、を仕切る仕切部50に対向する。そして、周側リブ66bは、第2流体入口部91bと第3流体出口部92cとの間を仕切る周側仕切部51に対向する位置に形成されない。
【0294】
第15流体通路68sは、4段目且つ10列目の区画と5段目且つ10列目の区画が組み合わされた形状となっている。このように構成される第15流体通路68sは、軸心方向DRaに2つの開口部を跨ることが可能となっている。ここで、バルブ60が周方向DRcに回転して第15流体通路68sが10個の開口部91a~92fに対向する位置に位置付けられたとする。第15流体通路68sは、4段目開口部および5段目開口部に対向可能となっている。そして、第15流体通路68sは、軸心方向DRaに互いに隣り合う第2流体入口部91bと第3流体出口部92cとを連通させることが可能となっている。また、第15流体通路68sは、軸心方向DRaに互いに隣り合う第4流体入口部91dと第6流体出口部92fとを連通させることが可能となっている。
【0295】
この場合、互いに隣り合う第2流体入口部91bおよび第3流体出口部92cのうち、第2流体入口部91bが第1隣入口部に対応し、第3流体出口部92cが第1隣出口部に対応する。また、互いに隣り合う第4流体入口部91dおよび第6流体出口部92fのうち、第4流体入口部91dが第1隣入口部に対応し、第6流体出口部92fが第1隣出口部に対応する。
【0296】
そして、バルブ60が周方向DRcに回転して第15流体通路68sを第2流体入口部91bと第3流体出口部92cとを連通させる位置に位置付けたとする。この際、第15流体通路68sを仕切る軸側リブ66aおよび周側リブ66bは、第2流体入口部91bおよび第3流体出口部92cと、これらとは異なる流体入口部および流体出口部と、を仕切る仕切部50に対向する。そして、周側リブ66bは、第2流体入口部91bと第3流体出口部92cとの間を仕切る周側仕切部51に対向する位置に形成されない。
【0297】
第1閉塞部69aは、1段目且つ1列目の区画に形成されている。そして、第1閉塞部69aは、軸側リブ66aおよび周側リブ66bによって囲まれている。このように構成される第1閉塞部69aは、バルブ60の回転によって第1流体入口部91aおよび第4流体出口部92dを閉塞可能となっている。
【0298】
第2閉塞部69bは、3段目且つ2列目の区画に形成されている。そして、第2閉塞部69bは、軸側リブ66aおよび周側リブ66bによって囲まれている。このように構成される第2閉塞部69bは、バルブ60の回転によって第2流体出口部92bおよび第5流体出口部92eを閉塞可能となっている。
【0299】
第3閉塞部69cは、3段目且つ3列目の区画に形成されている。そして、第3閉塞部69cは、軸側リブ66aおよび周側リブ66bによって囲まれている。このように構成される第3閉塞部69cは、バルブ60の回転によって第2流体出口部92bおよび第5流体出口部92eを閉塞可能となっている。
【0300】
第4閉塞部69dは、1段目且つ4列目の区画に形成されている。そして、第4閉塞部69dは、軸側リブ66aおよび周側リブ66bによって囲まれている。このように構成される第4閉塞部69dは、バルブ60の回転によって第1流体入口部91aおよび第4流体出口部92dを閉塞可能となっている。
【0301】
第5閉塞部69eは、5段目且つ4列目の区画に形成されている。そして、第5閉塞部69eは、軸側リブ66aおよび周側リブ66bによって囲まれている。このように構成される第5閉塞部69eは、バルブ60の回転によって第4流体入口部91dおよび第3流体出口部92cを閉塞可能となっている。
【0302】
第6閉塞部69fは、1段目且つ5列目の区画に形成されている。そして、第6閉塞部69fは、軸側リブ66aおよび周側リブ66bによって囲まれている。このように構成される第6閉塞部69fは、バルブ60の回転によって第1流体入口部91aおよび第4流体出口部92dを閉塞可能となっている。
【0303】
第7閉塞部69gは、3段目且つ5列目の区画に形成されている。そして、第7閉塞部69gは、軸側リブ66aおよび周側リブ66bによって囲まれている。このように構成される第7閉塞部69gは、バルブ60の回転によって第2流体出口部92bおよび第5流体出口部92eを閉塞可能となっている。
【0304】
第8閉塞部69hは、3段目且つ6列目の区画に形成されている。そして、第8閉塞部69hは、軸側リブ66aおよび周側リブ66bによって囲まれている。このように構成される第8閉塞部69hは、バルブ60の回転によって第2流体出口部92bおよび第5流体出口部92eを閉塞可能となっている。
【0305】
第9閉塞部69iは、3段目且つ7列目の区画に形成されている。そして、第9閉塞部69iは、軸側リブ66aおよび周側リブ66bによって囲まれている。このように構成される第9閉塞部69iは、バルブ60の回転によって第2流体出口部92bおよび第5流体出口部92eを閉塞可能となっている。
【0306】
第10閉塞部69jは、3段目且つ9列目の区画に形成されている。そして、第10閉塞部69jは、軸側リブ66aおよび周側リブ66bによって囲まれている。このように構成される第10閉塞部69jは、バルブ60の回転によって第2流体出口部92bおよび第5流体出口部92eを閉塞可能となっている。
【0307】
第11閉塞部69kは、3段目且つ10列目の区画に形成されている。そして、第11閉塞部69kは、軸側リブ66aおよび周側リブ66bによって囲まれている。このように構成される第11閉塞部69kは、バルブ60の回転によって第2流体出口部92bおよび第5流体出口部92eを閉塞可能となっている。
【0308】
次に、本実施形態の流体制御弁1の作動について
図21を参照して説明する。本実施形態の流体制御弁1は、バルブ60の回転位置を
図21を参照して説明する10個の回転位置に切り替えることで、運転モードを10個の切り替えパターンに切り替え可能に構成されている。
【0309】
ここで、
図21に示すバルブ60の回転位置のうち、第2流体通路68bが1列目開口部に対向する位置を第1バルブ位置とし、第2閉塞部69bが1列目開口部に対向する位置を第2バルブ位置とする。また、第3閉塞部69cが1列目開口部に対向する位置を第3バルブ位置とし、第4閉塞部69dが1列目開口部に対向する位置を第4バルブ位置とし、第6閉塞部69fが1列目開口部に対向する位置を第5バルブ位置とする。そして、第8流体通路68hが1列目開口部に対向する位置を第6バルブ位置とし、第10流体通路68jが1列目開口部に対向する位置を第7バルブ位置とし、第11流体通路68kが1列目開口部に対向する位置を第8バルブ位置とする。また、第14流体通路68rが1列目開口部に対向する位置を第9バルブ位置とし、第15流体通路68sが1列目開口部に対向する位置を第10バルブ位置とする。
【0310】
バルブ60を第1バルブ位置に位置付けた場合、第1流体通路68aは、流体流れ上流側が第3流体入口部91cに連通し、流体流れ下流側が第1流体出口部92aに連通する。また、第2流体通路68bは、流体流れ上流側が第2流体入口部91bに連通し、流体流れ下流側が第2流体出口部92bに連通する。そして、第3流体通路68cは、流体流れ上流側が第4流体入口部91dに連通し、流体流れ下流側が第3流体出口部92cに連通する。そして、第1閉塞部69aが第1流体入口部91aを閉塞する。第4流体通路68dが第4流体出口部92dを閉塞する。第2閉塞部69bが第5流体出口部92eを閉塞する。第5流体通路68eが第6流体出口部92fを閉塞する。
【0311】
これにより、第3流体入口部91cから流入した流体は、第1流体通路68aを介して第1流体出口部92aへ導かれて、流体制御弁1の外部へ流れる。また、第2流体入口部91bから流入した流体は、第2流体通路68bを介して第2流体出口部92bへ導かれて、流体制御弁1の外部へ流れる。そして、第4流体入口部91dから流入した流体は、第3流体通路68cを介して第3流体出口部92cへ導かれて、流体制御弁1の外部へ流れる。
【0312】
ただし、第1流体入口部91aは、第1閉塞部69aによって閉塞されるため、流体をバルブ収容空間AS内に流入させない。第4流体出口部92dは、第4流体通路68dによって閉塞され、第1流体入口部91a~第4流体入口部91dのいずれにも連通しないため、流体を流出させない。第5流体出口部92eは、第2閉塞部69bによって閉塞され、第1流体入口部91a~第4流体入口部91dのいずれにも連通しないため、流体を流出させない。第6流体出口部92fは、第5流体通路68eによって閉塞され、第1流体入口部91a~第4流体入口部91dのいずれにも連通しないため、流体を流出させない。
【0313】
この場合、第1流体通路68a、第2流体通路68bおよび第3流体通路68cそれぞれは、第1流体入口部91a~第4流体入口部91dのうちのいずれか1つから流入する流体を自身が連通する第1流体出口部92a~第4流体出口部92dのいずれか1つへ導く第1流路部として機能する。
【0314】
バルブ60を第2バルブ位置に位置付けた場合、第1流体通路68aは、流体流れ上流側が第3流体入口部91cに連通し、流体流れ下流側が第1流体出口部92aに連通する。また、第4流体通路68dは、流体流れ上流側が第1流体入口部91aに連通し、流体流れ下流側が第4流体出口部92dに連通する。そして、第5流体通路68eは、流体流れ上流側が第2流体入口部91bに連通し、流体流れ下流側が第6流体出口部92fに連通する。また、第3流体通路68cは、流体流れ上流側が第4流体入口部91dに連通し、流体流れ下流側が第3流体出口部92cに連通する。そして、第2閉塞部69bが第2流体出口部92bを閉塞する。第3閉塞部69cが第5流体出口部92eを閉塞する。
【0315】
これにより、第3流体入口部91cから流入した流体は、第1流体通路68aを介して第1流体出口部92aへ導かれて、流体制御弁1の外部へ流れる。また、第1流体入口部91aから流入した流体は、第4流体通路68dを介して第4流体出口部92dへ導かれて、流体制御弁1の外部へ流れる。そして、第2流体入口部91bから流入した流体は、第5流体通路68eを介して第6流体出口部92fへ導かれて、流体制御弁1の外部へ流れる。さらに、第4流体入口部91dから流入した流体は、第3流体通路68cを介して第3流体出口部92cへ導かれて、流体制御弁1の外部へ流れる。
【0316】
ただし、第2流体出口部92bは、第2閉塞部69bによって閉塞され、第1流体入口部91a~第4流体入口部91dのいずれにも連通しないため、流体を流出させない。第5流体出口部92eは、第3閉塞部69cによって閉塞され、第1流体入口部91a~第4流体入口部91dのいずれにも連通しないため、流体を流出させない。
【0317】
この場合、第1流体通路68a、第3流体通路68c、第4流体通路68dおよび第5流体通路68eそれぞれは、第1流体入口部91a~第4流体入口部91dのうちのいずれか1つから流入する流体を自身が連通する第1流体出口部92a~第4流体出口部92dのいずれか1つへ導く第1流路部として機能する。
【0318】
バルブ60を第3バルブ位置に位置付けた場合、第6流体通路68fは、流体流れ上流側が第3流体入口部91cに連通し、流体流れ下流側が第5流体出口部92eおよび第6流体出口部92fに連通する。そして、第4流体通路68dが第1流体入口部91aを閉塞する。第3閉塞部69cが第2流体出口部92bを閉塞する。第5流体通路68eが第2流体入口部91bを閉塞する。第4閉塞部69dが第4流体出口部92dを閉塞する。第5閉塞部69eが第4流体入口部91dを閉塞する。また、第1流体出口部92aには、第1流体通路68aにおける第2周方向DRc2側の端部が対向する。第3流体出口部92cには、第3流体通路68cにおける第2周方向DRc2側の端部が対向する。
【0319】
これにより、第3流体入口部91cから流入した流体は、第6流体通路68fで分割されて第5流体出口部92eおよび第6流体出口部92fへ導かれて、流体制御弁1の外部へ流れる。
【0320】
ただし、第1流体入口部91aは、第4流体通路68dによって閉塞されるため、流体をバルブ収容空間AS内に流入させない。第2流体出口部92bは、第3閉塞部69cによって閉塞され、第1流体入口部91a~第4流体入口部91dのいずれにも連通しないため、流体を流出させない。第2流体入口部91bは、第5流体通路68eによって閉塞されるため、流体をバルブ収容空間AS内に流入させない。第4流体出口部92dは、第4閉塞部69dによって閉塞され、第1流体入口部91a~第4流体入口部91dのいずれにも連通しないため、流体を流出させない。第4流体入口部91dは、第5閉塞部69eによって閉塞されるため、流体をバルブ収容空間AS内に流入させない。
【0321】
また、バルブ60を第3バルブ位置に位置付けた場合、第1流体通路68aは、第1周方向DRc1側の2列が10個の開口部91a~92fに対向しない。
【0322】
そして、第1流体通路68aにおける10個の開口部91a~92fに対向しない2列の部位のうち、第1周方向DRc1側の部位は、シール部材70における第1周方向DRc1側の端部よりさらに第1周方向DRc1側に位置付けられる。このため、第1流体通路68aにおける10個の開口部91a~92fに対向しない部位のうち、第1周方向DRc1側の部位は、シール部材70によって囲まれない。
【0323】
また、バルブ60を第10バルブ位置に位置付けた場合、第3流体通路68cは、第1周方向DRc1側の2列が10個の開口部91a~92fに対向しない。
【0324】
そして、第3流体通路68cにおける10個の開口部91a~92fに対向しない2列の部位のうち、第1周方向DRc1側の部位は、シール部材70における第1周方向DRc1側の端部よりさらに第1周方向DRc1側に位置付けられる。このため、第3流体通路68cにおける10個の開口部91a~92fに対向しない部位のうち、第1周方向DRc1側の部位は、シール部材70によって囲まれない。
【0325】
このため、バルブ60を第3バルブ位置に位置付けた場合、第1流体通路68aと第3流体通路68cとは、バルブ外壁部61の外周面611と筒部11の内周面16との隙間によって形成される隙間流路GFによって連通する。しかし、第1流体通路68aが対向する第1流体出口部92aおよび第3流体通路68cが対向する第3流体出口部92cは、いずれも出口ポートである。このため、互いに出口ポートに接続される第1流体通路68aと第3流体通路68cとの間には流体が流れない。したがって第1流体出口部92aおよび第3流体出口部92cから流体が流出しない。
【0326】
この場合、第6流体通路68fは、第1流体入口部91a~第4流体入口部91dのうちのいずれか1つから流入する流体を自身が連通する第1流体出口部92a~第4流体出口部92dのいずれか2つへ導く第2流路部として機能する。
【0327】
バルブ60を第4バルブ位置に位置付けた場合、第6流体通路68fは、流体流れ上流側が第2流体入口部91bおよび第3流体入口部91cに連通し、流体流れ下流側が第1流体出口部92a、第2流体出口部92bおよび第6流体出口部92fに連通する。そして、第4閉塞部69dが第1流体入口部91aを閉塞する。第5閉塞部69eが第3流体出口部92cを閉塞する。第6閉塞部69fが第4流体出口部92dを閉塞する。第7閉塞部69gが第5流体出口部92eを閉塞する。第7流体通路68gが第4流体入口部91dを閉塞する。
【0328】
これにより、第2流体入口部91bおよび第3流体入口部91cから流入した流体は、第6流体通路68fで合流されるとともに分割されて第1流体出口部92a、第2流体出口部92bおよび第6流体出口部92fへ導かれて、流体制御弁1の外部へ流れる。
【0329】
ただし、第1流体入口部91aは、第4閉塞部69dによって閉塞されるため、流体をバルブ収容空間AS内に流入させない。第3流体出口部92cは、第5閉塞部69eによって閉塞され、第1流体入口部91a~第4流体入口部91dのいずれにも連通しないため、流体を流出させない。第4流体出口部92dは、第6閉塞部69fによって閉塞され、第1流体入口部91a~第4流体入口部91dのいずれにも連通しないため、流体を流出させない。第5流体出口部92eは、第7閉塞部69gによって閉塞され、第1流体入口部91a~第4流体入口部91dのいずれにも連通しないため、流体を流出させない。第4流体入口部91dは、第7流体通路68gによって閉塞されるため、流体をバルブ収容空間AS内に流入させない。
【0330】
この場合、第6流体通路68fは、第1流体入口部91a~第4流体入口部91dのうちのいずれか2つから流入する流体を自身が連通する第1流体出口部92a~第4流体出口部92dのいずれか3つへ導く第4流路部として機能する。
【0331】
バルブ60を第5バルブ位置に位置付けた場合、第6流体通路68fは、流体流れ上流側が第2流体入口部91bに連通し、流体流れ下流側が第1流体出口部92aに連通する。この際、第2流体入口部91bおよび第1流体出口部92aは、第6流体通路68fにおける10個の開口部91a~92fにいずれにも対向しない第1周方向DRc1側の部位を介して連通される。すなわち、第6流体通路68fは、周方向DRcに2列並ぶ10個の開口部91a~92fのうち、第1周方向DRc1側の端部に設けられる1列目開口部において、互いに隣り合わない第2流体入口部91bおよび第1流体出口部92aを連通させる。
【0332】
また、バルブ60を第5バルブ位置に位置付けた場合、第7流体通路68gは、流体流れ上流側が第4流体入口部91dに連通し、流体流れ下流側が第3流体出口部92cに連通する。さらに、第8流体通路68hは、流体流れ上流側が第3流体入口部91cに連通し、流体流れ下流側が第4流体出口部92dに連通する。そして、第6閉塞部69fが第1流体入口部91aを閉塞する。第7閉塞部69gが第2流体出口部92bを閉塞する。第8閉塞部69hが第5流体出口部92eを閉塞する。また、第6流体出口部92fには、第9流体通路68iにおける第1周方向DRc1側の端部が対向する。
【0333】
これにより、第2流体入口部91bから流入した流体は、第6流体通路68fを介して第1流体出口部92aへ導かれて、流体制御弁1の外部へ流れる。この際、第2流体入口部91bから流入した流体は、バルブ外壁部61における10個の開口部91a~92fに対向する部位を迂回して第1流体出口部92aへ導かれる。具体的に、第2流体入口部91bから流入した流体は、第6流体通路68fにおける第2軸心方向DRa2側に流入後、周方向DRcに連なる第6流体通路68fにおける第1軸心方向DRa1側の部位へ流れる。そして、当該流体は、第6流体通路68fにおける第1周方向DRc1側の部位において第1軸心方向DRa1側へ流れ、その後、第2周方向DRc2側へ流れて第1流体出口部92aへ流れる。
【0334】
このように、第2流体入口部91bから流入してから第6流体通路68fへ流入する流体は、第6流体通路68fにおいて径方向DRrへほぼ流れることなく、周方向DRcおよび軸心方向DRaに流れる。
【0335】
また、第4流体入口部91dから流入した流体は、第7流体通路68gを介して第3流体出口部92cへ導かれて、流体制御弁1の外部へ流れる。さらに、第3流体入口部91cから流入した流体は、第8流体通路68hを介して第4流体出口部92dへ導かれて、流体制御弁1の外部へ流れる。
【0336】
ここで、バルブ60を第5バルブ位置に位置付けた場合、第7流体通路68gは、第2周方向DRc2側の2列が10個の開口部91a~92fに対向しない。そして、第3流体入口部91cから流入した流体は、第7流体通路68gにおける第2周方向DRc2側の2列を形成する部位まで流れる。
【0337】
そして、第7流体通路68gにおける10個の開口部91a~92fに対向しない2列の部位のうち、第1周方向DRc1側の部位は、シール部材70における第2周方向DRc2側の1列の貫通穴71群を形成する部位によって囲まれている。しかし、第7流体通路68gにおける10個の開口部91a~92fに対向しない2列の部位のうち、第2周方向DRc2側の部位は、シール部材70における第2周方向DRc2側の端部よりさらに第2周方向DRc2側に位置付けられる。このため、第7流体通路68gにおける10個の開口部91a~92fに対向しない2列の部位のうち、第2周方向DRc2側の部位は、シール部材70によって囲まれない。
【0338】
このため、
図22に示すように、第7流体通路68gにおいてシール部材70によって囲まれない部位まで流れた流体は、バルブ外壁部61の外周面611と筒部11の内周面16との隙間からバルブ60の裏側へ向かって流れる。
【0339】
また、バルブ60を第5バルブ位置に位置付けた場合、第9流体通路68iは、第2周方向DRc2側の2列が10個の開口部91a~92fに対向しない。そして、第9流体通路68iにおける10個の開口部91a~92fに対向しない2列の部位のうち、第2周方向DRc2側の部位は、シール部材70によって囲まれない。
【0340】
このため、バルブ60を第5バルブ位置に位置付けた場合、第7流体通路68gと第9流体通路68iとは、バルブ外壁部61の外周面611と筒部11の内周面16との隙間によって形成される隙間流路GFによって連通する。したがって、第7流体通路68gからバルブ60の裏側へ向かって流出した流体は、
図22に示すように、第9流体通路68iにおける10個の開口部91a~92fに対向しない部位から第9流体通路68iへ流入する。これにより、第4流体入口部91dから流入した流体は、第7流体通路68g、隙間流路GFおよび第9流体通路68iを介して第6流体出口部92fへ導かれて、流体制御弁1の外部へ流れる。
【0341】
ただし、第1流体入口部91aは、第6閉塞部69fによって閉塞されるため、流体をバルブ収容空間AS内に流入させない。第2流体出口部92bは、第7閉塞部69gによって閉塞され、第1流体入口部91a~第4流体入口部91dのいずれにも連通しないため、流体を流出させない。第5流体出口部92eは、第8閉塞部69hによって閉塞され、第1流体入口部91a~第4流体入口部91dのいずれにも連通しないため、流体を流出させない。
【0342】
この場合、第6流体通路68fは、第1周方向DRc1側の端部に設けられる第2流体入口部91bから流入した流体を、バルブ外壁部61における10個の開口部91a~92fに対向する部位を迂回して第1流体出口部92aへ導くバイパス流路部として機能する。具体的に、第6流体通路68fの第2周方向DRc2側が10個の開口部91a~92fに対向し、第2流体入口部91bから流入する流体を直接第1流体出口部92aへ導く対向流路部として機能する。そして、第6流体通路68fの第1周方向DRc1側が第2流体入口部91bから流入した流体を、バルブ外壁部61における10個の開口部91a~92fに対向する部位を迂回して第1流体出口部92aへ導くバイパス流路部として機能する。
【0343】
また、第8流体通路68hは、第1流体入口部91a~第4流体入口部91dのうちのいずれか1つから流入する流体を自身が連通する第1流体出口部92a~第4流体出口部92dのいずれか1つへ導く第1流路部として機能する。
【0344】
バルブ60を第6バルブ位置に位置付けた場合、第8流体通路68hは、流体流れ上流側が第1流体入口部91aに連通し、流体流れ下流側が第1流体出口部92aに連通する。また、第9流体通路68iは、流体流れ上流側が第2流体入口部91bに連通し、流体流れ下流側が第6流体出口部92fに連通する。そして、第7流体通路68gは、流体流れ上流側が第4流体入口部91dに連通し、流体流れ下流側が第3流体出口部92cに連通する。また、第10流体通路68jは、流体流れ上流側が第3流体入口部91cに連通し、流体流れ下流側が第4流体出口部92dに連通する。そして、第8閉塞部69hが第2流体出口部92bを閉塞する。第9閉塞部69iが第5流体出口部92eを閉塞する。
【0345】
これにより、第1流体入口部91aから流入した流体は、第8流体通路68hを介して第1流体出口部92aへ導かれて、流体制御弁1の外部へ流れる。また、第2流体入口部91bから流入した流体は、第9流体通路68iを介して第6流体出口部92fへ導かれて、流体制御弁1の外部へ流れる。そして、第4流体入口部91dから流入した流体は、第7流体通路68gを介して第3流体出口部92cへ導かれて、流体制御弁1の外部へ流れる。さらに、第3流体入口部91cから流入した流体は、第10流体通路68jを介して第4流体出口部92dへ導かれて、流体制御弁1の外部へ流れる。
【0346】
ただし、第2流体出口部92bは、第8閉塞部69hによって閉塞され、第1流体入口部91a~第4流体入口部91dのいずれにも連通しないため、流体を流出させない。第5流体出口部92eは、第9閉塞部69iによって閉塞され、第1流体入口部91a~第4流体入口部91dのいずれにも連通しないため、流体を流出させない。
【0347】
この場合、第7流体通路68g、第8流体通路68h、第9流体通路68iおよび第10流体通路68jそれぞれは、第1流体入口部91a~第4流体入口部91dのうちのいずれか1つから流入する流体を自身が連通する第1流体出口部92a~第4流体出口部92dのいずれか1つへ導く第1流路部として機能する。
【0348】
バルブ60を第7バルブ位置に位置付けた場合、第10流体通路68jは、流体流れ上流側が第1流体入口部91aに連通し、流体流れ下流側が第1流体出口部92aに連通する。また、第9流体通路68iは、流体流れ上流側が第2流体入口部91bに連通し、流体流れ下流側が第6流体出口部92fに連通する。そして、第7流体通路68gは、流体流れ上流側が第4流体入口部91dに連通し、流体流れ下流側が第3流体出口部92cに連通する。また、第11流体通路68kは、流体流れ上流側が第3流体入口部91cに連通し、流体流れ下流側が第4流体出口部92dおよび第5流体出口部92eに連通する。そして、第9閉塞部69iが第2流体出口部92bを閉塞する。
【0349】
これにより、第1流体入口部91aから流入した流体は、第10流体通路68jを介して第1流体出口部92aへ導かれて、流体制御弁1の外部へ流れる。また、第2流体入口部91bから流入した流体は、第9流体通路68iを介して第6流体出口部92fへ導かれて、流体制御弁1の外部へ流れる。そして、第4流体入口部91dから流入した流体は、第7流体通路68gを介して第3流体出口部92cへ導かれて、流体制御弁1の外部へ流れる。さらに、第3流体入口部91cから流入した流体は、第11流体通路68kで分割されて第4流体出口部92dおよび第5流体出口部92eへ導かれて、流体制御弁1の外部へ流れる。
【0350】
ただし、第2流体出口部92bは、第9閉塞部69iによって閉塞され、第1流体入口部91a~第4流体入口部91dのいずれにも連通しないため、流体を流出させない。
【0351】
この場合、第7流体通路68g、第9流体通路68iおよび第10流体通路68jそれぞれは、第1流体入口部91a~第4流体入口部91dのうちのいずれか1つから流入する流体を自身が連通する第1流体出口部92a~第4流体出口部92dのいずれか1つへ導く第1流路部として機能する。また、第11流体通路68kは、第1流体入口部91a~第4流体入口部91dのうちのいずれか1つから流入する流体を自身が連通する第1流体出口部92a~第4流体出口部92dのいずれか2つへ導く第2流路部として機能する。
【0352】
バルブ60を第8バルブ位置に位置付けた場合、第11流体通路68kは、流体流れ上流側が第1流体入口部91aに連通し、流体流れ下流側が第1流体出口部92aおよび第2流体出口部92bに連通する。また、第14流体通路68rは、流体流れ上流側が第4流体入口部91dに連通し、流体流れ下流側が第6流体出口部92fに連通する。そして、第12流体通路68mが第4流体入口部91dを閉塞する。第13流体通路68nが第3流体入口部91cを閉塞する。第10閉塞部69jが第5流体出口部92eを閉塞する。また、第2流体入口部91bには、第9流体通路68iにおける第2周方向DRc2側の端部が対向する。第3流体出口部92cには、第7流体通路68gにおける第2周方向DRc2側の端部が対向する。
【0353】
これにより、第1流体入口部91aから流入した流体は、第11流体通路68kで分散されて第1流体出口部92aおよび第2流体出口部92bへ導かれて、流体制御弁1の外部へ流れる。また、第4流体入口部91dから流入した流体は、第14流体通路68rを介して第6流体出口部92fへ導かれて、流体制御弁1の外部へ流れる。
【0354】
ここで、バルブ60を第8バルブ位置に位置付けた場合、第9流体通路68iは、第1周方向DRc1側の2列が10個の開口部91a~92fに対向しない。
【0355】
そして、第9流体通路68iにおける10個の開口部91a~92fに対向しない2列の部位のうち、第2周方向DRc2側の部位は、シール部材70における第1周方向DRc1側の1列の貫通穴71群を形成する部位によって囲まれている。しかし、第9流体通路68iにおける10個の開口部91a~92fに対向しない2列の部位のうち、第1周方向DRc1側の部位は、シール部材70における第1周方向DRc1側の端部よりさらに第1周方向DRc1側に位置付けられる。このため、第9流体通路68iにおける10個の開口部91a~92fに対向しない2列の部位のうち、第1周方向DRc1側の部位は、シール部材70によって囲まれない。
【0356】
このため、第9流体通路68iにおいてシール部材70によって囲まれない部位まで流れた流体は、バルブ外壁部61の外周面611と筒部11の内周面16との隙間からバルブ60の裏側へ向かって流れる。
【0357】
また、バルブ60を第8バルブ位置に位置付けた場合、第7流体通路68gは、第1周方向DRc1側の3列が10個の開口部91a~92fに対向しない。そして、第7流体通路68gにおける10個の開口部91a~92fに対向しない3列の部位のうち、第1周方向DRc1側の2列の部位は、シール部材70によって囲まれない。
【0358】
このため、バルブ60を第8バルブ位置に位置付けた場合、第7流体通路68gと第9流体通路68iとは、バルブ外壁部61の外周面611と筒部11の内周面16との隙間によって形成される隙間流路GFによって連通する。したがって、第9流体通路68iからバルブ60の裏側へ向かって流出した流体は、第7流体通路68gにおける10個の開口部91a~92fに対向しない部位から第7流体通路68gへ流入する。これにより、第2流体入口部91bから流入した流体は、第9流体通路68i、隙間流路GFおよび第7流体通路68gを介して第3流体出口部92cへ導かれて、流体制御弁1の外部へ流れる。
【0359】
ただし、第4流体入口部91dは、第12流体通路68mによって閉塞されるため、流体をバルブ収容空間AS内に流入させない。第3流体入口部91cは、第13流体通路68nによって閉塞されるため、流体をバルブ収容空間AS内に流入させない。第5流体出口部92eは、第10閉塞部69jによって閉塞され、第1流体入口部91a~第4流体入口部91dのいずれにも連通しないため、流体を流出させない。
【0360】
この場合、第11流体通路68kは、第1流体入口部91a~第4流体入口部91dのうちのいずれか1つから流入する流体を自身が連通する第1流体出口部92a~第4流体出口部92dのいずれか2つへ導く第2流路部として機能する。
【0361】
また、第14流体通路68rは、第1流体入口部91a~第4流体入口部91dのうちのいずれか1つから流入する流体を自身が連通する第1流体出口部92a~第4流体出口部92dのいずれか1つへ導く第1流路部として機能する。
【0362】
バルブ60を第9バルブ位置に位置付けた場合、第12流体通路68mは、流体流れ上流側が第1流体入口部91aに連通し、流体流れ下流側が第4流体出口部92dに連通する。また、第13流体通路68nは、流体流れ上流側が第3流体入口部91cに連通し、流体流れ下流側が第1流体出口部92aに連通する。そして、第14流体通路68rは、流体流れ上流側が第2流体入口部91bに連通し、流体流れ下流側が第3流体出口部92cに連通する。また、第15流体通路68sは、流体流れ上流側が第4流体入口部91dに連通し、流体流れ下流側が第6流体出口部92fに連通する。そして、第10閉塞部69jが第2流体出口部92bを閉塞する。第11閉塞部69kが第5流体出口部92eを閉塞する。
【0363】
これにより、第1流体入口部91aから流入した流体は、第12流体通路68mを介して第4流体出口部92dへ導かれて、流体制御弁1の外部へ流れる。また、第3流体入口部91cから流入した流体は、第13流体通路68nを介して第1流体出口部92aへ導かれて、流体制御弁1の外部へ流れる。そして、第2流体入口部91bから流入した流体は、第14流体通路68rを介して第3流体出口部92cへ導かれて、流体制御弁1の外部へ流れる。さらに、第4流体入口部91dから流入した流体は、第15流体通路68sを介して第6流体出口部92fへ導かれて、流体制御弁1の外部へ流れる。
【0364】
ただし、第2流体出口部92bは、第10閉塞部69jによって閉塞され、第1流体入口部91a~第4流体入口部91dのいずれにも連通しないため、流体を流出させない。第5流体出口部92eは、第11閉塞部69kによって閉塞され、第1流体入口部91a~第4流体入口部91dのいずれにも連通しないため、流体を流出させない。
【0365】
この場合、第12流体通路68m、第13流体通路68n、第14流体通路68rおよび第15流体通路68sそれぞれは、第1流体入口部91a~第4流体入口部91dのうちのいずれか1つから流入する流体を自身が連通する第1流体出口部92a~第4流体出口部92dのいずれか1つへ導く第1流路部として機能する。
【0366】
バルブ60を第10バルブ位置に位置付けた場合、第15流体通路68sは、流体流れ上流側が第2流体入口部91bに連通し、流体流れ下流側が第3流体出口部92cに連通する。そして、第12流体通路68mが第1流体入口部91aを閉塞する。第13流体通路68nが第1流体出口部92aを閉塞する。第11閉塞部69kが第2流体出口部92bを閉塞する。第1閉塞部69aが第4流体出口部92dを閉塞する。第2流体通路68bがいずれも出口ポートである第5流体出口部92eおよび第6流体出口部92fに連通し、これら第5流体出口部92eおよび第6流体出口部92fを閉塞する。また、第3流体入口部91cには、第1流体通路68aにおける第1周方向DRc1側の端部が対向する。第4流体入口部91dには、第3流体通路68cにおける第1周方向DRc1側の端部が対向する。
【0367】
これにより、第2流体入口部91bから流入した流体は、第15流体通路68sを介して第3流体出口部92cへ導かれて、流体制御弁1の外部へ流れる。ただし、第1流体入口部91aは、第12流体通路68mによって閉塞されるため、流体をバルブ収容空間AS内に流入させない。第1流体出口部92aは、第13流体通路68nによって閉塞され、第1流体入口部91a~第4流体入口部91dのいずれにも連通しないため、流体を流出させない。第2流体出口部92bは、第11閉塞部69kによって閉塞され、第1流体入口部91a~第4流体入口部91dのいずれにも連通しないため、流体を流出させない。第2流体出口部92bは、第11閉塞部69kによって閉塞され、第1流体入口部91a~第4流体入口部91dのいずれにも連通しないため、流体を流出させない。第4流体出口部92dは、第1閉塞部69aによって閉塞され、第1流体入口部91a~第4流体入口部91dのいずれにも連通しないため、流体を流出させない。第5流体出口部92eおよび第6流体出口部92fは、第2流体通路68bによって閉塞され、第1流体入口部91a~第4流体入口部91dのいずれにも連通しないため、流体を流出させない。
【0368】
また、バルブ60を第10バルブ位置に位置付けた場合、第1流体通路68aは、第2周方向DRc2側の2列が10個の開口部91a~92fに対向しない。
【0369】
そして、第1流体通路68aにおける10個の開口部91a~92fに対向しない2列の部位のうち、第2周方向DRc2側の部位は、シール部材70における第2周方向DRc2側の端部よりさらに第2周方向DRc2側に位置付けられる。このため、第1流体通路68aにおける10個の開口部91a~92fに対向しない2列の部位のうち、第2周方向DRc2側の部位は、シール部材70によって囲まれない。
【0370】
また、バルブ60を第10バルブ位置に位置付けた場合、第3流体通路68cは、第2周方向DRc2側の2列が10個の開口部91a~92fに対向しない。
【0371】
そして、第2流体通路68bにおける10個の開口部91a~92fに対向しない2列の部位のうち、第2周方向DRc2側の部位は、シール部材70における第1周方向DRc1側よりさらに第2周方向DRc2側に位置付けられる。このため、第2流体通路68bにおける10個の開口部91a~92fに対向しない部位のうち、第2周方向DRc2側の部位は、シール部材70によって囲まれない。
【0372】
このため、バルブ60を第10バルブ位置に位置付けた場合、第1流体通路68aと第3流体通路68cとは、バルブ外壁部61の外周面611と筒部11の内周面16との隙間によって形成される隙間流路GFによって連通する。しかし、第1流体通路68aが対向する第3流体入口部91cおよび第3流体通路68cが対向する第4流体出口部92dは、いずれも入口ポートである。このため、互いに入口ポートに接続される第1流体通路68aと第3流体通路68cとの間には流体が流れない。したがって第3流体入口部91cおよび第4流体出口部92dからバルブ収容空間AS内に流体が流入しない。
【0373】
この場合、第15流体通路68sは、第1流体入口部91a~第4流体入口部91dのうちのいずれか1つから流入する流体を自身が連通する第1流体出口部92a~第4流体出口部92dのいずれか1つへ導く第1流路部として機能する。
【0374】
このように、バルブ60を第1バルブ位置~第10バルブ位置に切り替えることで、運転モードの切り替えパターンを10個のうちのいずれかに切り替える。そして、各切り替えパターンにおいて、第1流体入口部91a~第4流体入口部91dのうち、流体が流入する流体入口部を切り替えるとともに、第1流体出口部92a~第6流体出口部92fのうち流体を流出する流体出口部を切り替えることができる。
【0375】
以上の如く、本実施形態の流体制御弁1は、シール部材70に対向しない第7流体通路68gと第9流体通路68iとを連通させる隙間流路GFを有する。
【0376】
これによれば、バルブ外壁部61に形成される流路以外に、バルブ外壁部61の外周面611と筒部11の内周面16との間にも意図的に流体を流す流路を形成することができ、流体の流し方の自由度を向上させることができる。このため、流体制御弁1の切り替えパターンを増やすことができる。
【0377】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について、
図23および
図24を参照して説明する。本実施形態では、バルブ60の形状が第2実施形態と相違している。これ以外は、第2実施形態と同様である。このため、本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明し、第1実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
【0378】
本実施形態のバルブ60は、
図23および
図24に示すように、5段目開口部に対向する部位の形状が異なっている。そして、バルブ60は、バルブ外壁部61における5段目開口部に対向する部位に、常時流路部68tが形成されている。常時流路部68tは、第3流体出口部92cおよび第4流体入口部91dに対向する位置に形成されている。
【0379】
常時流路部68tは、第3流体出口部92cおよび第4流体入口部91dへの流体の流入出を切り替え不可能とする流路部であって、第4流体入口部91dから流入する流体を常に第3流体出口部92cへ導くものである。すなわち、常時流路部68tは、常時、流体が流れる構成となっている。
【0380】
常時流路部68tは、5段目且つ1列目の区画~5段目且つ10列目の区画が組み合わされた形状となっている。常時流路部68tは、5段目開口部に対応する部位において、周方向DRcの全域に亘って軸心CL側に凹んで形成されている。そして、バルブ60は、バルブ外壁部61の5段目開口部に対応する部位の周方向DRcの全域において、軸側リブ66aが有しない形状となっている。
【0381】
そして、
図24に示すように、常時流路部68tは、隙間流路GFに連通している。このため、常時流路部68tは、第4流体入口部91dから流入する流体を、隙間流路GFを介して、第1流体出口部92a~第6流体出口部92fのうちの隙間流路GFに連通する出口部へ導くことができる。また、常時流路部68tは、第1流体入口部91a~第4流体入口部91dのうちの隙間流路GFに連通する入口部から流入する流体を、隙間流路GFを介して、第3流体出口部92cへ導くことができる。
【0382】
これによれば、常時流体を流すことができる流路部を設けることで、流体の流し方の自由度を向上させることができる。このため、流体制御弁1の切り替えパターンを増やすことができる。
【0383】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について、
図25~
図26を参照して説明する。本実施形態では、バルブ60の形状が第1実施形態と相違している。これ以外は、第1実施形態と同様である。このため、本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明し、第1実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
【0384】
本実施形態のバルブ60は、
図25および
図26に示すように、複数の流体通路64の径方向DRrの大きさを制限する内筒部67を有する。内筒部67は、円筒状であって、中心軸が軸心CLと同軸上となるように形成されている。
【0385】
内筒部67は、
図25に示すように、バルブ60の内側において、軸心方向DRaに沿って、第1軸心方向DRa1側の端部から第2軸心方向DRa2側の端部まで形成されている。そして、内筒部67は、第1軸心方向DRa1から第2軸心方向DRa2に向かって外径が小さくなる略円錐形状に形成されている。すなわち、内筒部67は、第2軸心方向DRa2側が頂点側であって、第1軸心方向DRa1側が底側である略円錐形状に形成されている。換言すれば、内筒部67は、軸心CLに直交する断面において、第1軸心方向DRa1から第2軸心方向DRa2に向かうほど軸心CLから外殻までの距離が小さくなっている。
【0386】
また、内筒部67は、筒部11に沿った円錐形状となっている。すなわち、内筒部67の外殻を形成する外側面671は、筒部11と相似の円錐形の側面に沿った形状である。換言すれば、内筒部67の外側面671は、筒部11の内周面16と互いに対向する部位が略平行になっており、外側面671と内周面16との径方向DRrの距離が略一定となっている。
【0387】
ここで、外側面671と内周面16との径方向DRrの距離を距離Dとする。本実施形態によれば、1段目、2段目、3段目および4段目のいずれかの区画に形成される第1流体通路64a~第10流体通路64jそれぞれの距離Dが一定となる。
【0388】
ところで、第1実施形態では、1段目、2段目、3段目および4段目のいずれかの区画に形成される第1流体通路64a~第10流体通路64jそれぞれの径方向DRrの距離は、第1軸心方向DRa1側から第2軸心方向DRa2側に向かうほど小さくなっている。このため、第1流体通路64a~第10流体通路64jそれぞれを流れる流体は、軸心方向DRaに異なる段に流れる際に、流路面積が小さくなり、圧力損失が生じる虞がある。
【0389】
これに対して、1段目、2段目、3段目および4段目のいずれかの区画に形成される第1流体通路64a~第10流体通路64jそれぞれの距離Dが一定となっているため、流路面積が小さくなることに起因する圧力損失の発生を抑制することができる。
【0390】
その他については、第1実施形態と同様である。本実施形態の流体制御弁1は、第1実施形態と共通の構成または均等な構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
【0391】
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について、
図27~
図29を参照して説明する。本実施形態では、ハウジング10に駆動部30およびハウジングカバー20を取り付ける方法が第1実施形態と相違している。これ以外は、第1実施形態と同様である。このため、本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明し、第1実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
【0392】
図27に示すように、筒部11の第1軸心方向DRa1側には、ハウジングカバー20を取り付けるための爪部111に加えてハウジングカバー20を固定するためのねじ部材Sが挿入されるハウジングねじ穴113が設けられている。
【0393】
また、ハウジングカバー20は、筒部11に設けられたハウジングねじ穴113に挿入されるねじ部材Sが挿入されるカバーねじ受部26を有する。そして、
図29に示すように、ハウジングねじ穴113およびカバーねじ受部26は、互いの中心軸が一致している。そして、ハウジングカバー20は、ハウジングねじ穴113およびカバーねじ受部26に挿入されるねじ部材Sによって締め付けられて固定される。換言すれば、ハウジングカバー20は、筒部11に対してスナップフィットにより固定されるとともに、ねじ部材Sによって固定されている。ねじ部材Sは、例えば、皿ねじ、タッピングネジ等の各種ねじを採用することができる。
【0394】
そして、駆動部30は、筒部11にハウジングカバー20を取り付けるためのねじ部材Sによってハウジングカバー20に固定されている。すなわち、ハウジングカバー20および駆動部30は、共通のねじ部材Sによって筒部11に共締めされて固定されている。
【0395】
(第5実施形態の変形例)
上述の第5実施形態では、ハウジングカバー20が筒部11に対してスナップフィットにより固定されるとともに、ねじ部材Sによって固定されている例について説明したが、これに限定されない。例えば、ハウジングカバー20および駆動部30が共通のねじ部材Sによって筒部11に共締めされている場合、
図30および
図31に示すように、ハウジングカバー20は、筒部11に対してスナップフィットにより固定されない構成であってもよい。この場合、流体制御弁1は、筒部11に爪部111が設けられておらず、ハウジングカバー20に係受部25が設けられていない構成であってもよい。
【0396】
(第6実施形態)
次に、第6実施形態について、
図32を参照して説明する。本実施形態では、付勢部80の設置方法が第1実施形態と相違している。これ以外は、第1実施形態と同様である。このため、本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について主に説明し、第1実施形態と同様の部分について説明を省略することがある。
【0397】
本実施形態のバルブ60は、
図32に示すように、第1軸心方向DRa1側に第1軸心方向DRa1側に向かって突出する凸部114が設けられている。凸部114は、圧縮コイルばねで構成される付勢部80の内側に設けられている。
【0398】
付勢部80は、軸心CLに平行な断面がL字状に形成されており、その径方向内側の面が、バルブの第1軸心方向DRa1側に設けられた凸部460に摺接し、第1軸心方向DRa1側の面がバルブ60の第1軸心方向DRa1側の面に摺接している。
【0399】
これによれば、スプリングガイド81は、付勢部80の径方向DRrの位置ずれを抑制するとともに、付勢部80の付勢力をバルブ60に伝達することができる。
【0400】
その他については、第1実施形態と同様である。本実施形態の流体制御弁1は、第1実施形態と共通の構成または均等な構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
【0401】
以上の如く、本実施形態では、駆動部30およびハウジングカバー20は、共通のねじ部材Sでハウジング10に共締めされて固定される。
【0402】
これによれば、ハウジング10に対する駆動部30およびハウジングカバー20の組付け、固定に必要な部品点数を低減できる。
【0403】
その他については、第1実施形態と同様である。本実施形態の流体制御弁1は、第1実施形態と共通の構成または均等な構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
【0404】
(他の実施形態)
以上、本開示の代表的な実施形態について説明したが、本開示は、上述の実施形態に限定されることなく、例えば、以下のように種々変形可能である。
【0405】
上述の第1実施形態および第2実施形態それぞれでは、バルブ60の形状の一例を示したが、バルブ60の形状はこれらに限定されず、流体制御弁1が用いられるシステム等に応じて種々変形可能である。すなわち、バルブ60に形成される複数の流体通路64は、様々な形状で形成可能である。
【0406】
例えば、
図33に示すように、10個の開口部40が周方向DRcに2列並び、軸心方向DRaに5段並ぶ形状である場合において、バルブ60は、各段それぞれにおいて周方向DRcの一方側から流入する流体が他方側から流出するように形成されてもよい。この場合、流体通路64は、例えば、
図34に示すように、周方向DRcに2つの開口部40を跨るように形成してもよい。
【0407】
また、
図35に示すように、8つの開口部40が周方向DRcに2列並び、軸心方向DRaに4段並ぶ形状である場合において、バルブ60は、軸心方向DRaに互いに隣り合う開口部40の一方側から流入する流体が他方側から流出するように形成されてもよい。
【0408】
この場合、流体通路64は、例えば、
図36に示すように、軸心方向DRaに2つの開口部40を跨るように形成してもよい。
【0409】
また、
図37および
図38に示すように、バルブ60は、複数の開口部40のうち、1つの開口部40から流入する流体が2つの開口部40から流出するように形成されてもよい。または、
図39および
図40に示すように、バルブ60は、複数の開口部40のうち、2つの開口部40から流入する流体が1つの開口部40から流出するように形成されてもよい。
【0410】
この場合、流体通路64は、例えば、
図41の破線に示すように、軸心方向DRaに2つの開口部40を跨るとともに、周方向DRcに2つの開口部40を跨るように形成してもよい。
【0411】
また、
図42に示すように、バルブ60は、複数の開口部40のうち、3つの開口部40から流入する流体が2つの開口部40から流出するように形成されてもよい。または、
図43に示すように、バルブ60は、複数の開口部40のうち、2つの開口部40から流入する流体が3つの開口部40から流出するように形成されてもよい。または、
図44に示すように、バルブ60は、複数の開口部40のうち、1つの開口部40から流入する流体が4つの開口部40から流出するように形成されてもよい。または、
図45に示すように、バルブ60は、複数の開口部40のうち、4つの開口部40から流入する流体が1つの開口部40から流出するように形成されてもよい。
【0412】
この場合、流体通路64は、例えば、
図46の破線に示すように、軸心方向DRaに3つの開口部40を跨るとともに、軸心方向DRaの一方側端部および他方側端部において周方向DRcに2つの開口部40を跨るように形成してもよい。
【0413】
また、
図47に示すように、バルブ60は、複数の開口部40のうち、1つの開口部40から流入する流体が6つの開口部40から流出するように形成されてもよい。または、
図48に示すように、バルブ60は、複数の開口部40のうち、6つの開口部40から流入する流体が1つの開口部40から流出するように形成されてもよい。または、
図49に示すように、バルブ60は、複数の開口部40のうち、3つの開口部40から流入する流体が4つの開口部40から流出するように形成されてもよい。または、
図50に示すように、バルブ60は、複数の開口部40のうち、5つの開口部40から流入する流体が2つの開口部40から流出するように形成されてもよい。または、図示しないが、バルブ60は、複数の開口部40のうち、2つの開口部40から流入する流体が5つの開口部40から流出するように形成されてもよい。または、図示しないが、バルブ60は、複数の開口部40のうち、4つの開口部40から流入する流体が3つの開口部40から流出するように形成されてもよい。
【0414】
この場合、流体通路64は、例えば、
図51の破線に示すように、軸心方向DRaに4つの開口部40を跨るとともに、軸心方向DRaの一方側端部および他方側端部において周方向DRcに2つの開口部40を跨るように形成してもよい。さらに、周方向DRcに2つの開口部40を跨る部分においては、軸心方向DRaにも2つの開口部40を跨るように形成してもよい。
【0415】
また、
図52に示すように、バルブ60は、複数の開口部40のうち、1つの開口部40から流入する流体が7つの開口部40から流出するように形成されてもよい。
【0416】
この場合、流体通路64は、例えば、
図53の破線に示すように、軸心方向DRaに4つの開口部40を跨るとともに、周方向DRcに2つの開口部40を跨るように形成されてもよい。すなわち、バルブ60が複数の開口部40全てに対向する位置に位置付けられた際、開口部40それぞれを仕切る仕切部50に対向するいずれの位置にもリブ66が形成されない。
【0417】
上記説明した流体通路64の形状は、一例であってこれに限定されない。流体通路64の様々な形状について、第1実施形態の
図10および
図11と同様の模式図を用いて
図54~
図68を参照して説明する。
図54~
図68では、太線で囲まれた格子がバルブ60における複数の開口部40に対向する部位を示す。また、格子のうち、実線は、リブ66が形成されている部位を示す。破線は、リブ66が形成されていない部位を示す。
【0418】
周方向DRcに互いに隣り合う開口部40の一方側から流入する流体を他方側から流出させる場合、流体通路64は、
図54に示すように、これら互いに隣り合う開口部40を仕切る仕切部50に対向する位置にリブ66が形成されない構成であればよい。この場合、流体通路64は、2つの区画の全てをリブ66が囲む形状であってもよいし、周方向DRcの一方側、または、他方側に軸側リブ66aが設けられていない形状であってもよい。
【0419】
軸心方向DRaに互いに隣り合う開口部40の一方側から流入する流体を他方側から流出させる場合、流体通路64は、
図55に示すように、これら互いに隣り合う開口部40を仕切る仕切部50に対向する位置にリブ66が形成されない構成であればよい。この場合、流体通路64は、2つの区画の全てをリブ66が囲む形状であってもよいし、軸心方向DRaの一方側、または、他方側に周側リブ66bが設けられていない形状であってもよい。
【0420】
周方向DRcに互いに隣り合う3つの開口部40の1つから流入する流体を残り2つから流出させる場合、流体通路64は、これら互いに隣り合う3つの開口部40それぞれを仕切る仕切部50に対向する位置にリブ66が形成されない構成であればよい。
【0421】
例えば、
図56に示すように、周方向DRcに互いに隣り合う3つの開口部40のうちの真ん中の開口部40から流入する流体を当該真ん中の開口部40に対して周方向DRcの一方側および他方側それぞれの開口部40から流出させる場合について検討する。この場合、流体通路64は、真ん中の開口部40の周方向DRcの一方側および他方側それぞれを仕切る仕切部50に対向する位置に軸側リブ66aが設けられていない形状であってもよい。
【0422】
軸心方向DRaに互いに隣り合う3つの開口部40の1つから流入する流体を残り2つから流出させる場合、流体通路64は、これら互いに隣り合う3つの開口部40それぞれを仕切る仕切部50に対向する位置にリブ66が形成されない構成であればよい。
【0423】
例えば、
図57に示すように、軸心方向DRaに互いに隣り合う3つの開口部40のうちの真ん中の開口部40から流入する流体を当該真ん中の開口部40に対して軸心方向DRaの一方側および他方側それぞれの開口部40から流出させる場合について検討する。この場合、流体通路64は、真ん中の開口部40の軸心方向DRaの一方側および他方側それぞれを仕切る仕切部50に対向する位置に周側リブ66bが設けられていない形状であってもよい。
【0424】
流体を流入させる開口部40に対して軸心方向DRaおよび周方向DRcそれぞれに流体を流出させる開口部40を設ける場合、流体通路64は、これら互いに隣り合う複数の開口部40それぞれを仕切る仕切部50に対向する位置にリブ66が形成されない構成であればよい。
【0425】
例えば、
図58に示すように、流体を流入させる開口部40に対して軸心方向DRaの一方側または両側に流体を流出させる開口部40を設けるとともに、周方向DRcの一方側のみに流体を流出させる開口部40を設ける場合について検討する。この場合、流体通路64は、流体を流出させる開口部40と流体を流入させる開口部40とを仕切る仕切部50に対向する位置それぞれに軸側リブ66aおよび周側リブ66bが設けられていない形状であってもよい。
【0426】
また、
図59に示すように、流体を流入させる開口部40に対して軸心方向DRaの一方側または両方側に流体を流出させる開口部40を設けるとともに、周方向DRcの両側に流体を流出させる開口部40を設ける場合について検討する。この場合、流体通路64は、流体を流出させる開口部40と流体を流入させる開口部40とを仕切る仕切部50に対向する位置それぞれに軸側リブ66aおよび周側リブ66bが設けられていない形状であってもよい。
【0427】
また、
図60に示すように、流体を流入させる開口部40に対して周方向DRcの一方側のみに流体を流出させる開口部40を設けるとともに、軸心方向DRaに流体を流出させる開口部40を設けない場合について検討する。この場合、流体通路64は、流体を流出させる開口部40と流体を流入させる開口部40とを仕切る仕切部50に対向する位置それぞれに軸側リブ66aが設けられていない形状であってもよい。
【0428】
また、
図61に示すように、流体を流入させる開口部40に対して軸心方向DRaの一方側のみに流体を流出させる開口部40を設けるとともに、周方向DRcに流体を流出させる開口部40を設けない場合について検討する。この場合、流体通路64は、流体を流出させる開口部40と流体を流入させる開口部40とを仕切る仕切部50に対向する位置それぞれに周側リブ66bが設けられていない形状であってもよい。
【0429】
流体を流入させる開口部40を周方向DRcおよび軸心方向DRaの少なくとも一方に並べるとともに、流体を流出させる開口部40を周方向DRcおよび軸心方向DRaの少なくとも一方に並べる場合、流体通路64は、これら互いに隣り合う複数の開口部40それぞれを仕切る仕切部50に対向する位置にリブ66が形成されない構成であればよい。
【0430】
例えば、
図62に示すように、流体を流入させる開口部40を周方向DRcおよび軸心方向DRaそれぞれに並べるとともに、流体を流出させる開口部40を周方向DRcに並べる場合について検討する。この場合、流体通路64は、流体を流出させる開口部40と流体を流入させる開口部40とを仕切る仕切部50に対向する位置それぞれに軸側リブ66aおよび周側リブ66bが設けられていない形状であってもよい。
【0431】
また、
図63に示すように、流体を流入させる開口部40を周方向DRcに並べるとともに、流体を流出させる開口部40を軸心方向DRaおよび周方向DRcそれぞれに並べる場合について検討する。この場合、流体通路64は、流体を流出させる開口部40と流体を流入させる開口部40とを仕切る仕切部50に対向する位置それぞれに軸側リブ66aおよび周側リブ66bが設けられていない形状であってもよい。
【0432】
流体を流入させる開口部40と、流体を流出させる開口部40とを軸心方向DRaに互いに隣り合わない位置に設ける場合、これら互いに隣り合わない開口部40を連通させる流体通路64は、これら互いに隣り合わない開口部40それぞれを仕切る外周仕切部53に対向する位置に軸側リブ66aが形成されない。
【0433】
例えば、
図64に示すように、第1周方向DRc1側の端部における流体を流入させる開口部40を端部流体入口部とし、第1周方向DRc1側の端部における流体を流出させる開口部40を端部流体出口部とする。この場合、流体通路64は、端部流体入口部を仕切る軸側仕切部52のうち、端部流体入口部に対して周方向DRcに開口部40が存在しない側の軸側仕切部52に対向する位置に軸側リブ66aが設けられない形状であってもよい。また、流体通路64は、端部流体出口部を仕切る軸側仕切部52のうち、端部流体出口部に対して周方向DRcに開口部40が存在しない側の軸側仕切部52に対向する位置に軸側リブ66aが設けられない形状であってもよい。
【0434】
また、
図65に示すように、端部流体出口部が軸心方向DRaに2つ並んでいる場合、流体通路64は、2つの端部流体出口部それぞれを仕切る軸側仕切部52のうち、端部流体出口部に対して周方向DRcに開口部40が存在しない側の軸側仕切部52に対向するそれぞれの位置に軸側リブ66aが設けられない形状であってもよい。
【0435】
また、
図66に示すように、端部流体入口部が軸心方向DRaに2つ並んでいる場合、流体通路64は、2つの端部流体入口部それぞれを仕切る軸側仕切部52のうち、端部流体入口部に対して周方向DRcに開口部40が存在しない側の軸側仕切部52に対向するどちらか一方の位置に軸側リブ66aが設けられない形状であってもよい。
【0436】
隙間流路GFを介して流体を流入させる開口部40から流体を流出させる開口部40へ流体を導く構成を設ける場合、隙間流路GFは、これら流体を流入させる開口部40および流体を流出させる開口部40に直接連通する流体通路64に連通する。そして、流体を流入させる開口部40および流体を流出させる開口部40に直接連通する流体通路64は、一部が軸側リブ66aまたは周側リブ66bによって仕切られない。
【0437】
例えば、
図67に示すように、第1周方向DRc1側の端部に流体を流入させる開口部40が設けられ、第2周方向DRc2側の端部における流体を流出させる開口部40が設けられるとする。この場合、第1周方向DRc1側の端部の開口部40に対向する流体通路64は、第1周方向DRc1側に軸側リブ66aが設けられない形状であってもよい。また、第2周方向DRc2側の端部の開口部40に対向する流体通路64は、第2周方向DRc2側に軸側リブ66aが設けられない形状であってもよい。そして、隙間流路GFは。これら軸側リブ66aが設けられない部位に接続されてもよい。
【0438】
また、
図68に示すように、第1周方向DRc1側の端部に流体を流入させる開口部40および流体を流出させる開口部40が設けられるとする。この場合、これらの開口部40に対向する流体通路64は、第1軸心方向DRa1側に周側リブ66bが設けられない形状であってもよい。そして、隙間流路GFは。これら周側リブ66bが設けられない部位に接続されてもよい。
【0439】
以上のように、バルブ60の形状は、種々変形可能である。また、バルブ60だけでなく、流体制御弁1を構成する各種構成品も、下記のように種々変形可能である。
【0440】
上述の実施形態では、8つの開口部41~48のうち、入口ポートと出口ポートとがそれぞれ4つであって、同じ数量である例について説明したが、これに限定されない。例えば、8つの開口部41~48のうち、3つが入口ポートであって5つが出口ポート等、入口ポートの数量と出口ポートの数量とが異なる構成であってもよい。
【0441】
上述の実施形態では、シール部材70に形成される貫通穴71の貫通穴列数が開口列数より2列多く設定されており、8つの開口部41~48より周方向DRcの一方側および他方側それぞれに1列ずつ設けられている例について説明したが、これに限定されない。例えば、貫通穴列数および開口列数は、同じ列数で設定されていてもよい。または、貫通穴列数は、開口列数より1列多く設定されており、8つの開口部41~48より周方向DRcの一方側および他方側のどちらか一方に1列設けられていてもよい。また、貫通穴列数は、開口列数より3列以上多く設定されており、8つの開口部41~48より周方向DRcの一方側および他方側のそれぞれに1列以上設けられていてもよい。
【0442】
上述の実施形態では、第9流体通路64iがバルブ外壁部61における8つの開口部41~48に対向しない位置においてシール部材70によって囲まれている例について説明したが、これに限定されない。例えば、第9流体通路64iは、バルブ外壁部61における8つの開口部41~48に対向しない位置においてシール部材70によって囲まれていない構成であってもよい。
【0443】
上述の実施形態では、第9流体通路64iが互いに隣り合わない第2流体入口部44および第1流体出口部41を連通させる例について説明したが、これに限定されない。例えば、第9流体通路64iは、互いに隣り合う第1流体入口部42および第2流体出口部43を、バルブ外壁部61における8つの開口部41~48に対向しない部位を介して連通させる構成であってもよい。
【0444】
上述の実施形態では、第1流体通路64a~第10流体通路64jがバルブ外壁部61において10セル形成されている例について説明したが、これに限定されない。例えば、第1流体通路64a~第10流体通路64jは、バルブ外壁部61において8セル以上形成されていれば、10セルより少ない構成であってもよいし、10セルより多い構成であってもよい。
【0445】
上述の実施形態では、バルブ60が周方向DRcに2列並ぶ8つの開口部41~48に対して、対向する4つの流路部が1列毎に変化するように周方向DRcに回転する例について説明したが、これに限定されない。例えば、バルブ60は、周方向DRcに2列並ぶ8つの開口部41~48に対して、対向する4つの流路部が2列毎に変化するように周方向DRcに回転する構成であってもよい。
【0446】
上述の実施形態では、シール部材70が、バルブ外壁部61に対向する摺動部72と筒部11に対向する押圧部73とを有し、摺動部72および押圧部73が互いに異なる材料によって構成されている例について説明したが、これに限定されない。例えば、シール部材70は、摺動部72と押圧部73とを有さない構成であって、バルブ外壁部61に対向する部位と筒部11に対向する部位とが同じ材料によって構成されていてもよい。
【0447】
上述の実施形態では、流体制御弁1が円錐形状のバルブ60を軸心方向DRaに付勢する付勢部80を備える例について説明したが、これに限定されない。例えば、流体制御弁1は、付勢部80を備えない構成であってもよい。
【0448】
上述の実施形態では、バルブ外壁部61に平行な円錐形の母線と軸心CLとのなす内角θが5deg以上である例について説明したが、これに限定されない。例えば、バルブ60は、バルブ外壁部61に平行な円錐形の母線と軸心CLとのなす内角θが5degより小さい角度となるように形成されていてもよい。
【0449】
上述の実施形態では、筒部11におけるバルブ収容空間ASを形成する内周面16が、バルブ外壁部61と相似の円錐形の側面に沿った形状である例について説明したが、これに限定されない。例えば、筒部11におけるバルブ収容空間ASを形成する内周面16が、バルブ外壁部61と相似しない円錐形の側面に沿った形状であってもよい。
【0450】
上述の実施形態では、バルブ60、カバーシール23およびハウジングカバー20がハウジング10に対して第1軸心方向DRa1側から着脱可能である例について説明したが、これに限定されない。例えば、バルブ60、カバーシール23およびハウジングカバー20は、ハウジング10に対して第1軸心方向DRa1側から着脱可能となっていない構成であってもよい。
【0451】
上述の実施形態では、ハウジングカバー20がハウジング10にスナップフィットにより固定されている例について説明したが、これに限定されない。例えば、ハウジングカバー20は、ハウジング10にスナップフィットとは異なる方法であって、例えば、接着剤等によって固定されてもよい。
【0452】
上述の実施形態では、バルブ60に設けられるストッパ63がハウジングカバー20に対向する部位とは異なる部位に設けられている例について説明したが、これに限定されない。例えば、ストッパ63は、ハウジングカバー20に対向する部位に設けられる構成であってもよい。
【0453】
上述の実施形態では、ハウジング10の底部12に回転規制部122が形成される例について説明したが、これに限定されない。例えば、回転規制部122は、ハウジング10における内周面16等、底部12とは異なる部位に形成されていてもよい。
【0454】
上述の実施形態では、ストッパ63が軸心方向DRaに延びて形成されている例について説明したが、これに限定されない。例えば、ストッパ63は、径方向DRr等、軸心方向DRaとは異なる方向に延びる構成であってもよい。
【0455】
上述の実施形態では、複数の開口部40が軸心方向DRaに4つまたは5つ並ぶとともに、周方向DRcに2列または3列並ぶ格子状に形成されている例について説明したが、これに限定されない。例えば、複数の開口部40は、軸心方向DRaに6つ以上並ぶ格子状に形成されていてもよい。また、複数の開口部40は、周方向DRcに4列以上並ぶ格子状に形成されていてもよい。
【0456】
上述の実施形態では、流体制御弁1が、例えば電気自動車またはハイブリッド車に搭載される流体循環システムに用いられるものとして説明したが、これに限定されない。例えば、流体制御弁1は、電気自動車またはハイブリッド車を除く車両に搭載される流体循環システムに用いてもよい。また、流体制御弁1は、車両以外の用途に用いてもよい。
【0457】
上述の実施形態では、流体制御弁1内を流れる流体を冷却水として説明したが、これに限定されない。例えば、流体は、冷却水以外の液体または気体であってもよい。 上述の実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
【0458】
上述の実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されない。
【0459】
上述の実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されない。
【0460】
本開示の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することによって提供された専用コンピュータで、実現されてもよい。本開示の制御部及びその手法は、一つ以上の専用ハードウエア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータで、実現されてもよい。本開示の制御部及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウエア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせで構成された一つ以上の専用コンピュータで、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
【0461】
(本発明の特徴)
[請求項1]
流体制御弁であって、
軸心(CL)を中心に回転するとともに、流体が流通する複数の流路部(64、68)が形成されるバルブ外壁部(61)を有するバルブ(60)と、
前記バルブを収容するバルブ収容空間(AS)を形成するハウジング外壁部(11)を有するとともに、前記ハウジング外壁部に前記流体が通過する複数の開口部(40)を有するハウジング(10)と、を備え、
前記複数の開口部は、前記軸心が延びる方向を軸心方向、前記軸心を中心に前記バルブが回転する方向を周方向としたとき、前記軸心方向に2つ以上並び、且つ、前記周方向に2列以上並んで形成されるとともに、前記バルブ収容空間に前記流体を流入させる流体入口部(42、44、45、47、91a~91d)および前記バルブ収容空間から前記流体を流出させる流体出口部(41、43、46、48、92a~92f)を含み、
前記流体入口部は、前記周方向の一方側および他方側のどちらか一方に設けられる端部流体入口部を含み、
前記流体入口部は、前記周方向の一方側および他方側のうち、前記端部流体入口部が設けられる側に設けられる端部流体出口部を含み、
前記複数の流路部は、前記複数の開口部に対向し、前記流体入口部から流入する前記流体を直接前記流体出口部へ導く対向流路部と、前記端部流体入口部から流入した前記流体を、前記バルブ外壁部における前記複数の開口部に対向する部位を迂回して前記端部流体出口部へ導くバイパス流路部(64i、68f)とを含み、
前記バイパス流路部は、前記対向流路部に対して前記周方向に連なって形成されている流体制御弁。
【0462】
[請求項2]
前記バイパス流路部は、互いに隣り合わない前記端部流体入口部および前記端部流体出口部を連通させる請求項1に記載の流体制御弁。
【0463】
[請求項3]
前記バイパス流路部は、前記複数の開口部に対向する位置に位置付けられた際、前記流体入口部から流入する前記流体を直接前記流体出口部へ導く前記対向流路部として機能する請求項1または2に記載の流体制御弁。
【0464】
[請求項4]
前記ハウジング外壁部における前記複数の開口部が形成される部位と前記バルブ外壁部との間に配置されるシール部材(70)と、を備え、
前記複数の開口部は、格子状に形成され、
前記シール部材には、前記流体を通過させるための複数の貫通穴(71)が形成されており、
前記複数の流路部は、前記複数の開口部および前記複数の貫通穴に対応した形状で形成されており、
前記複数の貫通穴は、前記軸心方向に複数並ぶとともに、前記周方向に複数列並んで形成されており、
前記周方向に並ぶ前記複数の開口部の列数を開口列数とし、前記周方向に並ぶ前記複数の貫通穴の列数を貫通穴列数としたとき、前記貫通穴列数は、前記開口列数より多く設定されている請求項1ないし3のいずれか1つに記載の流体制御弁。
【0465】
[請求項5]
前記貫通穴列数は、前記開口列数より2つ多く設定されており、
前記複数の貫通穴は、前記周方向に複数並ぶ前記複数の開口部より前記周方向の一方側および他方側それぞれに1列ずつ多く設けられている請求項4に記載の流体制御弁。
【0466】
[請求項6]
前記ハウジング外壁部における前記シール部材と対向しない部位と前記バルブ外壁部との間には、前記流体を流通させるための隙間である隙間流路(GF)が設けられており、
前記隙間流路は、前記複数の流路部のうち、前記シール部材に対向しない複数の流路部を連通させる請求項4または5のいずれか1つに記載の流体制御弁。
【0467】
[請求項7]
前記シール部材は、前記バルブ外壁部に対向する摺動部(72)と前記ハウジング外壁部に対向する押圧部(73)とを有し、
前記摺動部および前記押圧部は、互いに異なる材料によって構成されている請求項4ないし6のいずれか1つに記載の流体制御弁。
【0468】
[請求項8]
前記バルブを前記軸心方向に付勢する付勢部(80)を備え、
前記バルブ外壁部は、前記軸心方向の一方側が頂点側である円錐形の側面に沿うように形成されており、
前記付勢部は、前記バルブを円錐形の頂点側に向けて付勢し、前記バルブの回転時および停止時において前記バルブ外壁部と前記シール部材とが押圧された状態を保ち、且つ、前記ハウジング外壁部と前記シール部材とが押圧された状態を保つ請求項4ないし7のいずれか1つに記載の流体制御弁。
【0469】
[請求項9]
前記バルブ外壁部に平行な円錐形の母線と前記軸心とのなす内角は5deg以上である請求項8に記載の流体制御弁。
【0470】
[請求項10]
前記ハウジング外壁部における前記バルブ収容空間を形成する内周面(16)は、前記バルブ外壁部と相似の円錐形の側面に沿った形状である請求項8または9に記載の流体制御弁。
【0471】
[請求項11]
前記複数の流路部は、前記軸心方向に複数並んで形成されており、前記軸心から放射状に拡がる方向を径方向としたとき、前記軸心方向に複数並ぶ前記複数の流路部それぞれの前記径方向の距離が一定である請求項1ないし10のいずれか1つに記載の流体制御弁。
【0472】
[請求項12]
前記バルブ収容空間を閉塞するハウジングカバー(20)と、
前記ハウジングカバーに取り付けられるカバーシール(23)
前記バルブを回転させる回転力を出力する駆動部(30)と、を備え、
前記バルブは、前記軸心方向における一方側に向かって突出して前記駆動部に接続され、前記回転力によって回転する回転軸(62)を有し、
前記ハウジングは、前記軸心方向に延び、前記軸心方向の一方側が開口した筒状であって、
前記ハウジングカバーは、前記回転軸が挿入される軸穴(22)を有し、
前記カバーシールは、前記軸穴内において、前記軸穴と前記回転軸との間に設けられており、
前記バルブ、前記カバーシールおよび前記ハウジングカバーは、前記ハウジングに対して前記軸心方向の一方側から着脱可能である、請求項3ないし11のいずれか1つに記載の流体制御弁。
【0473】
[請求項13]
前記ハウジングカバーは、前記ハウジングにスナップフィットにより固定されている請求項12に記載の流体制御弁。
【0474】
[請求項14]
前記駆動部および前記ハウジングカバーは、同一のねじ部材で前記ハウジングに固定される請求項12または13に記載の流体制御弁。
【0475】
[請求項15]
前記バルブは、前記バルブの回転を規制するストッパ(63)を有し、
前記ストッパは、前記ハウジングカバーに対向する部位とは異なる部位に設けられている請求項12ないし14のいずれか1つに記載の流体制御弁。
【0476】
[請求項16]
前記ハウジングは、前記軸心方向の他方側を閉塞する底部(12)を有し、
前記ストッパは、前記底部に向かって突出しており、
前記底部は、前記ストッパに当接することで前記バルブの回転を規制する回転規制部(122)を有する請求項15に記載の流体制御弁。
【0477】
[請求項17]
前記ストッパは、前記軸心方向に延びて形成されている請求項15または16に記載の流体制御弁。
【符号の説明】
【0478】
10 ハウジング
11 ハウジング外壁部
40 開口部
42、44、45、47、91a~91d 流体入口部
41、43、46、48、92a~92f 流体出口部
60 バルブ
61 バルブ外壁部
64、68 流路部
64i、68f バイパス流路部
CL 軸心