(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024009513
(43)【公開日】2024-01-23
(54)【発明の名称】物品管理システム
(51)【国際特許分類】
G06K 7/10 20060101AFI20240116BHJP
【FI】
G06K7/10 264
G06K7/10 240
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022111093
(22)【出願日】2022-07-11
(71)【出願人】
【識別番号】000110217
【氏名又は名称】TOPPANエッジ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】梅津 駿
(72)【発明者】
【氏名】水沼 義博
(57)【要約】
【課題】箱体内に収容された物品をRFIDタグから情報を読み取ることで管理する場合に箱体が開けられた旨をRFIDタグから情報を読み取る仕組みを用いて検知する。
【解決手段】管理用のRFIDタグが添付された物品を収容するための開口部14を具備する収容部11と、開口部14を開閉可能に塞ぐ蓋体15とを有する箱体10と、箱体10内のアンテナ30aから電波を放射することで、RFIDタグから情報を読み取るRFIDリーダー40aと、箱体10内に取り付けられた検知用のRFIDタグ20とを有し、RFIDリーダー40aは、アンテナ30aから放射する電波の出力が、開口部14が蓋体15にて塞がれた状態のみにてRFIDタグ20からアンテナ30aを介して情報を読み取り可能となる値に設定されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理用のRFIDタグが添付された物品を管理する物品管理システムであって、
前記管理用のRFIDタグが添付された物品を収容可能とし、該物品を収容するための開口部を具備する収容部と、前記開口部を開閉可能に塞ぐ被覆部とを有し、電波を反射する材料もしくは電波を吸収する材料から構成され、または電波を反射する材料もしくは電波を吸収する材料で囲まれた箱体と、
前記箱体内に設けられた第1のアンテナから電波を放射することで、前記箱体内に存在するRFIDタグから当該第1のアンテナを介して情報を読み取る第1の読取手段と、
前記箱体内に設けられた第2のアンテナから電波を放射することで、前記箱体内に存在するRFIDタグから当該第2のアンテナを介して情報を読み取る第2の読取手段と、
前記開口部が前記被覆部にて塞がれていない状態における前記第2のアンテナとの距離が、前記開口部が前記被覆部にて塞がれた状態における前記第2のアンテナとの距離よりも長くなる前記箱体内の領域に取り付けられた検知用のRFIDタグとを有し、
前記第1の読取手段は、前記第1のアンテナから放射する電波の出力を、前記箱体内に存在する全てのRFIDタグから当該第1のアンテナを介して情報を読み取り可能となる第1の値とし、
前記第2の読取手段は、前記第2のアンテナから放射する電波の出力を、前記開口部が前記被覆部にて塞がれた状態のみにて前記検知用のRFIDタグから当該第2のアンテナを介して情報を読み取り可能となる第2の値とし、
さらに、
前記第2の読取手段にて前記第2のアンテナを介して前記検知用のRFIDタグから情報が読み取られた場合、前記開口部が前記被覆部にて塞がれた状態と判断する判断手段と、
前記第2の読取手段にて前記第2のアンテナを介して前記検知用のRFIDタグから情報を読み取らせ、前記判断手段にて前記開口部が前記被覆部にて塞がれた状態と判断された場合、前記第1の読取手段にて前記第1のアンテナを介して前記管理用のRFIDタグから情報を読み取らせる読み取り制御手段とを有する、物品管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の物品管理システムにおいて、
前記第2の読取手段は、前記箱体内に設けられた第2のアンテナから電波を常時放射し、
前記第1の読取手段は、前記第2の読取手段にて前記第2のアンテナを介して前記検知用のRFIDタグから情報が読み取られた場合に、前記箱体内に設けられた第1のアンテナから電波を放射することで、前記箱体内に存在するRFIDタグから当該第1のアンテナを介して情報の読み取りを開始する、物品管理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の物品管理システムにおいて、
前記判断手段は、前記第1の読取手段にて前記アンテナを介して前記管理用のRFIDタグから情報が読み取られている最中に前記第2の読取手段にて前記第2のアンテナを介して前記検知用のRFIDタグから情報が読み取られなくなった場合に警報を出力する、物品管理システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の物品管理システムにおいて、
前記第1の読取手段による前記管理用のRFIDタグからの情報の読み取りに用いる周波数帯と、前記第2の読取手段による前記検知用のRFIDタグからの情報の読み取りに用いる周波数帯とが互いに異なる、物品管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFIDタグが添付された物品を箱体内に収容してRFIDタグから情報を読み取ることで物品を管理する物品管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、非接触状態にて情報の書き込みや読み取りが可能なRFIDタグが様々な用途に利用されている。例えば、商品等の物品にRFIDタグを添付し、このRFIDタグに対して情報を書き込んだり読み取ったりすることで、物品を管理する技術が考えられている。このようにRFIDタグを用いて物品を管理する場合、複数のRFIDタグに対して一括で情報を書き込んだり読み取ったりすることができることで、物品の管理等にかかる業務の効率化を図ることができる。
【0003】
特許文献1には、商品にRFIDタグを付しておき、このRFIDタグから商品情報を読み取ることで決済を行う技術が開示されている。具体的には、RFIDタグが付された商品を筐体の開口部から収容室に収容し、RFIDタグから情報を読み取って決済を行う。その場合、収容室の外部に存在するRFIDタグから誤って情報を読み取ることがないように、筐体を電波を反射する材料や電波を吸収する材料から構成するとともに、筐体の開口部を塞ぐ蓋体を有している。
【0004】
このように、RFIDタグが付された物品を筐体内に収容し、RFIDタグから情報を読み取って物品を管理するものにおいては、RFIDタグが付された物品を、いわゆるトンネルリーダを通過させて管理するものよりも、小型で簡易的な構成とすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、RFIDタグが付された物品を筐体内に収容し、RFIDタグから情報を読み取って物品を管理する場合、電波を反射する材料や電波を吸収する材料から構成された筐体の開口部を蓋体で塞ぐことにより、外部に存在するRFIDタグから誤って情報を読み取ることを回避できる。ところが、そのように蓋体を有するものであっても、RFIDタグに対して情報を書き込んだり読み取ったりしている最中に蓋体が開けられてしまうと、外部に存在するRFIDタグから誤って情報を読み取ってしまう虞が生じてしまう。また、物品に添付されたRFIDタグから情報を読み取って物品を管理している最中に蓋体が開けられてしまうと、新たな物品が筐体内に収容されてしまい、筐体内に収容された物品を正確に管理することができなくなってしまう。
【0007】
ここで、特許文献1に開示されたものにおいては、蓋体の開状態または閉状態を検出する開閉センサを有しているが、その場合、物品を管理するために物品に付されたRFIDタグから情報を読み取る仕組みとは別に開閉センサを設けることになるため、開閉センサと処理装置との接続等、開閉センサによる検出結果を取り込むための仕組みを新たに構築しなければならず、その分の手間やコストが新たにかかってしまうという問題点がある。
【0008】
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、RFIDタグが添付された物品を箱体内に収容してRFIDタグから情報を読み取ることで物品を管理する場合に、箱体が開けられた旨をRFIDタグから情報を読み取る仕組みを用いて検知することができる物品管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明は、
管理用のRFIDタグが添付された物品を管理する物品管理システムであって、
前記管理用のRFIDタグが添付された物品を収容可能とし、該物品を収容するための開口部を具備する収容部と、前記開口部を開閉可能に塞ぐ被覆部とを有し、電波を反射する材料もしくは電波を吸収する材料から構成され、または電波を反射する材料もしくは電波を吸収する材料で囲まれた箱体と、
前記箱体内に設けられた第1のアンテナから電波を放射することで、前記箱体内に存在するRFIDタグから当該第1のアンテナを介して情報を読み取る第1の読取手段と、
前記箱体内に設けられた第2のアンテナから電波を放射することで、前記箱体内に存在するRFIDタグから当該第2のアンテナを介して情報を読み取る第2の読取手段と、
前記開口部が前記被覆部にて塞がれていない状態における前記第2のアンテナとの距離が、前記開口部が前記被覆部にて塞がれた状態における前記第2のアンテナとの距離よりも長くなる前記箱体内の領域に取り付けられた検知用のRFIDタグとを有し、
前記第1の読取手段は、前記第1のアンテナから放射する電波の出力を、前記箱体内に存在する全てのRFIDタグから当該第1のアンテナを介して情報を読み取り可能となる第1の値とし、
前記第2の読取手段は、前記第2のアンテナから放射する電波の出力を、前記開口部が前記被覆部にて塞がれた状態のみにて前記検知用のRFIDタグから当該第2のアンテナを介して情報を読み取り可能となる第2の値とし、
さらに、
前記第2の読取手段にて前記第2のアンテナを介して前記検知用のRFIDタグから情報が読み取られた場合、前記開口部が前記被覆部にて塞がれた状態と判断する判断手段と、
前記第2の読取手段にて前記第2のアンテナを介して前記検知用のRFIDタグから情報を読み取らせ、前記判断手段にて前記開口部が前記被覆部にて塞がれた状態と判断された場合、前記第1の読取手段にて前記第1のアンテナを介して前記管理用のRFIDタグから情報を読み取らせる読み取り制御手段とを有する物品管理システムである。
【0010】
上記のように構成された本発明においては、管理用のRFIDタグが添付された物品を箱体内に収容し、第1の読取手段にて箱体内に設けられた第1のアンテナから電波を放射することで箱体内に存在するRFIDタグから第1のアンテナを介して情報を読み取り、それにより、管理用のRFIDタグが添付された物品を管理することになる。この際、箱体は、管理用のRFIDタグが添付された物品を収容可能とし、物品を収容するための開口部を具備する収容部と、開口部を開閉可能に塞ぐ被覆部とを有し、電波を反射する材料もしくは電波を吸収する材料から構成され、または電波を反射する材料もしくは電波を吸収する材料で囲まれた構成を有しているため、収容部の開口部が被覆部にて塞がれた状態においては、第1の読取手段にて第1のアンテナを介して外部に存在するRFIDタグから誤って情報を読み取ってしまう虞がなく、管理用のRFIDタグのみから情報が読み取られることになり、箱体に収容された物品を正確に管理することができる。ところが、箱体が開けられて開口部が塞がれていない状態となると、第1の読取手段にて第1のアンテナを介して外部に存在するRFIDタグから誤って情報を読み取ってしまう虞が生じる。
【0011】
ここで、箱体内に設けられた第2のアンテナから電波を放射することで、箱体内に存在するRFIDタグから第2のアンテナを介して情報を読み取る第2の読取手段を設けるとともに、箱体内には、開口部が被覆部にて塞がれていない状態における第2のアンテナとの距離が、開口部が被覆部にて塞がれた状態における第2のアンテナとの距離よりも長くなる領域に検知用のRFIDタグが取り付けられており、第1の読取手段においては、第1のアンテナから放射する電波の出力を、箱体内に存在する全てのRFIDタグから第1のアンテナを介して情報を読み取り可能となる第1の値としながらも、第2の読取手段においては、第2のアンテナから放射する電波の出力を、開口部が被覆部にて塞がれた状態のみにて検知用のRFIDタグから第2のアンテナを介して情報を読み取り可能となる第2の値としている。そこで、判断手段において、第2の読取手段にて第2のアンテナを介して検知用のRFIDタグから情報が読み取られた場合、開口部が被覆部にて塞がれた状態と判断することにより箱体が開けられたことを検知し、その後、読み取り制御手段において、第1の読取手段にて第1のアンテナを介して管理用のRFIDタグから情報を読み取らせることで、管理用のRFIDタグが添付された物品を管理する。
【0012】
このように、箱体内に設けられた第2のアンテナを介して情報を読み取る第2の読取手段を設けるとともに、箱体内に検知用のRFIDタグを取り付け、第2のアンテナから放射する電波の出力を、開口部が被覆部にて塞がれた状態のみにて検知用のRFIDタグからアンテナを介して情報を読み取り可能となる第2の値とし、第2の読取手段にて第2のアンテナを介して検知用のRFIDタグから情報が読み取られるかどうかによって箱体が開けられたことを検知するというように、RFIDタグが添付された物品を箱体内に収容してRFIDタグから情報を読み取ることで物品を管理する場合に、箱体が開けられた旨をRFIDタグから情報を読み取る仕組みを用いて検知することになる。
【0013】
また、第2の読取手段が、箱体内に設けられた第2のアンテナから電波を常時放射し、第1の読取手段が、第2の読取手段にて第2のアンテナを介して検知用のRFIDタグから情報が読み取られた場合に、箱体内に設けられた第1のアンテナから電波を放射することで、箱体内に存在するRFIDタグから第1のアンテナを介して情報の読み取りを開始すれば、開口部が被覆部によって塞がれていると判断された場合にのみ、管理用のRFIDタグから情報を読み取るために第1のアンテナから電波が放射されることとなり、消費電力を低減することができる。
【0014】
また、判断手段が、第1の読取手段にてアンテナを介して管理用のRFIDタグから情報が読み取られている最中に第2の読取手段にて第2のアンテナを介して検知用のRFIDタグから情報が読み取られなくなった場合に警報を出力すれば、管理用のRFIDタグから情報が読み取られている最中に箱体が開けられて開口部が塞がれていない状態となってもその旨を報知することができる。
【0015】
また、第1の読取手段による管理用のRFIDタグからの情報の読み取りに用いる周波数帯と、第2の読取手段による検知用のRFIDタグからの情報の読み取りに用いる周波数帯とが互いに異なれば、RFIDタグから読み取られる情報を、検知用のRFIDタグから読み取られる情報と管理用のRFIDタグから読み取られる情報とで互いに区別可能な構成とする必要がなくなる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、箱体内に設けられた第2のアンテナを介して情報を読み取る第2の読取手段を設けるとともに、箱体内に検知用のRFIDタグを取り付け、第2のアンテナから放射する電波の出力を、開口部が被覆部にて塞がれた状態のみにて検知用のRFIDタグからアンテナを介して情報を読み取り可能となる第2の値とし、第2の読取手段にて第2のアンテナを介して検知用のRFIDタグから情報が読み取られるかどうかによって箱体が開けられたことを検知する構成としたため、RFIDタグが添付された物品を箱体内に収容してRFIDタグから情報を読み取ることで物品を管理する場合に、箱体が開けられた旨をRFIDタグから情報を読み取る仕組みを用いて検知することができる。
【0017】
また、第2の読取手段が、箱体内に設けられた第2のアンテナから電波を常時放射し、第1の読取手段が、第2の読取手段にて第2のアンテナを介して検知用のRFIDタグから情報が読み取られた場合に、箱体内に設けられた第1のアンテナから電波を放射することで、箱体内に存在するRFIDタグから第1のアンテナを介して情報の読み取りを開始するものにおいては、開口部が被覆部によって塞がれていると判断された場合にのみ、管理用のRFIDタグから情報を読み取るために第1のアンテナから電波が放射されることとなり、消費電力を低減することができる。
【0018】
また、判断手段が、第1の読取手段にてアンテナを介して管理用のRFIDタグから情報が読み取られている最中に第2の読取手段にて第2のアンテナを介して検知用のRFIDタグから情報が読み取られなくなった場合に警報を出力するものにおいては、管理用のRFIDタグから情報が読み取られている最中に箱体が開けられて開口部が塞がれていない状態となってもその旨を報知することができる。
【0019】
また、第1の読取手段による管理用のRFIDタグからの情報の読み取りに用いる周波数帯と、第2の読取手段による検知用のRFIDタグからの情報の読み取りに用いる周波数帯とが互いに異なれば、RFIDタグから読み取られる情報を、検知用のRFIDタグから読み取られる情報と管理用のRFIDタグから読み取られる情報とで互いに区別可能な構成とする必要がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の物品管理システムの実施の一形態を示す図である。
【
図2】
図1に示したRFIDタグの構成を示す図であり、(a)は積層状態を示す図、(b)はインレットの表面の構成を示す図、(c)はインレットの裏面の構成を示す図である。
【
図3】
図1に示したRFIDリーダーの構成を示すブロック図である。
【
図4】
図1に示した管理用パソコンの構成を示すブロック図である。
【
図5】
図1に示した物品管理システムにおいて蓋体に取り付けられたRFIDタグと、収容部の側面に取り付けられたアンテナとの距離を説明するための図である。
【
図6】
図1に示した物品管理システムにて箱体に収容されて管理対象となる物品について説明するための図である。
【
図7】
図6に示した箱体に収容される物品に添付されたRFIDタグの構成を示す図であり、(a)は積層状態を示す図、(b)はインレットの表面の構成を示す図である。
【
図8】
図1に示した物品管理システムにて物品を管理する際の処理を説明するためのフローチャートである。
【
図9】本発明の物品管理システムの他の実施の形態を示す図である。
【
図10】
図9に示した箱体における引き出し収容体の天面に取り付けられたRFIDタグと引き出しの側面に取り付けられたアンテナとの距離を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0022】
〈全体の構成〉
図1は、本発明の物品管理システムの実施の一形態を示す図である。
【0023】
本形態は
図1に示すように、箱体10に取り付けられたRFIDタグ20及びアンテナ30a~30dと、RFIDリーダー40a,40bと、管理用パソコン50とを有している。
【0024】
箱体10は、収容部11と蓋体15とを有している。
【0025】
収容部11は、長方形の底面13と、底面13の4つの辺にそれぞれ起立して設けられた側面12a~12dとを有し、側面12a~12dの端辺のうち底面13とは反対側の端辺で囲まれた部分、すなわち、底面13とは反対側に、収容部11に物品を収容するための開口部14を有している。側面12a~12dのそれぞれには、側面12aの収容部11の内側となる面に第2のアンテナ30aが取り付けられているとともに、側面12b~12dのそれぞれの収容部11の内側となる面に第1のアンテナ30b~30dが取り付けられている。
【0026】
蓋体15は、本願発明にて被覆部となるものである。蓋体15は、側面12cの底面13とは反対側の端辺に蝶番等によって回動自在に取り付けられており、側面12cに対して回動することで、開口部14を開閉可能に塞ぐ。蓋体15には、蓋体15が開口部14を塞いだ場合に収容部11側となる面にRFIDタグ20が取り付けられている。これにより、RFIDタグ20は、箱体10内の領域に取り付けられている。
【0027】
収容部11及び蓋体15は、電波を反射する材料または電波を吸収する材料から構成されており、例えば、金属から構成されている。または、収容部11及び蓋体15が、電波を反射する材料もしくは電波を吸収する材料で囲まれた構成としてもよい。
【0028】
RFIDリーダー40aは、本願発明にて第2の読取手段となるものである。RFIDリーダー40aは、収容部11の側面12aに取り付けられたアンテナ30aとケーブルを介して電気的に接続されており、アンテナ30aから電波を放射することで、箱体10内に存在するRFIDタグからアンテナ30aを介して情報を読み取る。RFIDリーダー40aは、アンテナ30aから放射する電波の出力が、開口部14が蓋体15にて塞がれた状態のみにて、蓋体15に取り付けられたRFIDタグ20からアンテナ30aを介して情報を読み取り可能となる値に設定されている。
【0029】
RFIDリーダー40bは、本願発明にて第1の読取手段となるものである。RFIDリーダー40bは、収容部11の側面12b~12dに取り付けられたアンテナ30b~30dとケーブルを介して電気的に接続されており、アンテナ30b~30dから電波を放射することで、箱体10内に存在するRFIDタグからアンテナ30b~30dを介して情報を読み取る。RFIDリーダー40bは、アンテナ30b~30dから放射する電波の出力が、箱体10内に存在する全てのRFIDタグからアンテナ30b~30dを介して情報を読み取り可能となる値に設定されている。
【0030】
管理用パソコン50は、RFIDリーダー40a,40bとケーブルを介して電気的に接続されており、箱体10内に存在するRFIDタグからアンテナ30a~30dを介してRFIDリーダー40a,40bによって情報を読み取ることで、箱体10に収容された物品を管理するとともに、収容部11の開口部14が塞がれているかどうかを検知する。
【0031】
〈RFIDタグ20の構成〉
図2は、
図1に示したRFIDタグ20の構成を示す図であり、(a)は積層状態を示す図、(b)はインレット24の表面の構成を示す図、(c)はインレット24の裏面の構成を示す図である。なお、
図2に示すRFIDタグ20の構成はあくまでも一例であり、RFIDリーダー40aにて情報の読み取りが可能なものであれば、その他の構成でもよい。
【0032】
図1に示したRFIDタグ20は、収容部11の開口部14が蓋体15によって塞がれているかどうかを検知するためのものであって、本願発明にて検知用のRFIDタグとなるものである。
図1に示したRFIDタグ20は
図2に示すように、帯状形状のインレット24の表裏に粘着層27a,27bがそれぞれ積層され、インレット24の表面には、粘着層27aを介して表面シート25が貼着されて構成されており、いわゆる金属対応タグと呼ばれるものである。
【0033】
インレット24は、ベース基材23と、2つのアンテナ22と、ICチップ21と、金属層26とを有している。
【0034】
ベース基材23は、例えばフィルム等の非導電性材料から構成されている。
【0035】
2つのアンテナ22は、ベース基材23の一方の面に、2つの二等辺三角形の導体が空隙を介して並ぶようにして形成されている。なお、アンテナ22の形状としてはこれに限らず、2つの帯状の導体が空隙を介して直線上に並んだものや、1つの導体から構成されたもの等、様々なものが考えられる。
【0036】
ICチップ21は、2つのアンテナ端子(不図示)が設けられており、アンテナ端子が設けられた面が搭載面となって、ベース基材23のアンテナ22が形成された面に搭載され、異方性導電ペースト(不図示)によって固定されている。ICチップ21の2つのアンテナ端子は2つのアンテナ22にそれぞれ接続されており、異方性導電ペーストによって、アンテナ端子とアンテナ22とが導通している。ICチップ21は、アンテナ22を介した非接触通信によって得た電力によって動作し、ICチップ21内に予めエンコードされた情報となる固有のIDを、アンテナ22を介して非接触送信する。
【0037】
金属層26は、ベース基材23のアンテナ22が形成された面とは反対側の面に、平面視にてアンテナ22を覆うように積層されている。
【0038】
上記のように構成されたRFIDタグ20は、粘着層27bによって
図1に示すように、蓋体15に貼着される。蓋体15は上述したように、電波を反射する材料または電波を吸収する材料から構成されている。しかしながら、蓋体15の貼着されるRFIDタグ20は、ベース基材23のアンテナ22が形成された面とは反対側の面に、平面視にてアンテナ22を覆うように金属層26が積層されていることで、アンテナ22を介した非接触通信における通信距離が短くなってしまうことが抑制される。
【0039】
〈RFIDリーダー40a,40bの構成〉
図3は、
図1に示したRFIDリーダー40a,40bの構成を示すブロック図である。
【0040】
図1に示したRFIDリーダー40a,40bは
図3に示すように、共用器41と、タグデータ送信処理部42と、デジタル信号変換部43と、通信部44と、RF送信部46と、RF受信部47と、タグデータ受信処理部48とを有している。
【0041】
共用器41は、RF送信部46から出力された信号を、アンテナ30a~30dを介して電波信号として送信するとともに、アンテナ30a~30dにて受信された電波信号をRF受信部47に出力する。RFIDリーダー40aの場合は、共用器41は、RF送信部46から出力された信号を、アンテナ30aを介して電波信号として送信するとともに、アンテナ30aにて受信された電波信号をRF受信部47に出力する。RFIDリーダー40bの場合は、共用器41は、RF送信部46から出力された信号を、アンテナ30b~30dを介して電波信号として送信するとともに、アンテナ30b~30dにて受信された電波信号をRF受信部47に出力する。
【0042】
タグデータ送信処理部42は、ポーリングにおいてRFIDタグを検知するための信号を出力し、また、RFIDタグから非接触通信にて情報を読み取るための信号を出力する。RFIDリーダー40aの場合は、タグデータ送信処理部42は、ポーリングにおいてRFIDタグ20を検知するための信号を出力し、また、RFIDタグ20から非接触通信にて情報を読み取るための信号を出力する。RFIDリーダー40bの場合は、タグデータ送信処理部42は、ポーリングにおいて後述する物品70に添付されたRFIDタグ60を検知するための信号を出力し、また、RFIDタグ60から非接触通信にて情報を読み取るための信号を出力する。
【0043】
デジタル信号変換部43は、タグデータ送信処理部42から出力された信号をアナログ信号に変換してRF送信部46に出力し、また、RF受信部47にて受信された信号をデジタル信号に変換してタグデータ受信処理部48に出力する。
【0044】
通信部44は、管理用パソコン50との間にて情報を送受信する。
【0045】
RF送信部46は、デジタル信号変換部43にてデジタル信号に変換された信号を搬送波に乗せて共用器41及びアンテナ30a~30dを介して送信する。RFIDリーダー40aの場合は、RF送信部46は、デジタル信号変換部43にてデジタル信号に変換された信号を搬送波に乗せて共用器41及びアンテナ30aを介して送信する。RFIDリーダー40bの場合は、RF送信部46は、デジタル信号変換部43にてデジタル信号に変換された信号を搬送波に乗せて共用器41及びアンテナ30b~30dを介して送信する。
【0046】
RF受信部47は、RF送信部46から送信された信号に対するRFIDタグからの応答信号をアンテナ30a~30d及び共用器41を介して受信する。RFIDリーダー40aの場合は、RF受信部47は、RF送信部46から送信された信号に対するRFIDタグ20からの応答信号をアンテナ30a及び共用器41を介して受信する。RFIDリーダー40bの場合は、RF受信部47は、RF送信部46から送信された信号に対するRFIDタグ60からの応答信号をアンテナ30b~30d及び共用器41を介して受信する。
【0047】
タグデータ受信処理部48は、デジタル信号変換部43にてデジタル信号に変換された信号を、RFIDタグから読み取った情報として通信部44を介して管理用パソコン50に送信する。RFIDリーダー40aの場合は、タグデータ受信処理部48は、デジタル信号変換部43にてデジタル信号に変換された信号を、RFIDタグ20から読み取った情報として通信部44を介して管理用パソコン50に送信する。RFIDリーダー40bの場合は、タグデータ受信処理部48は、デジタル信号変換部43にてデジタル信号に変換された信号を、RFIDタグ60から読み取った情報として通信部44を介して管理用パソコン50に送信する。
【0048】
〈管理用パソコン50の構成〉
図4は、
図1に示した管理用パソコン50の構成を示すブロック図である。なお、
図4においては、管理用パソコン50の構成のうち本発明に直接関係しない構成の図示及びその説明を省略している。
【0049】
図1に示した管理用パソコン50は
図4に示すように、通信部51と、読み取り制御部56と、開閉状態判断部53と、物品管理部54と、出力部55とを有している。
【0050】
通信部51は、RFIDリーダー40a,40bとの間にて情報を送受信する。
【0051】
読み取り制御部56は、本願発明にて読み取り制御手段となるものである。読み取り制御部56は、RFIDタグ20から情報を読み取るための命令をRFIDリーダー40aに通信部51を介して送信し、また、RFIDタグ60から情報を読み取るための命令をRFIDリーダー40bに通信部51を介して送信する。また、読み取り制御部56は、RFIDリーダー40aにてRFIDタグ20から読み取られた情報を通信部51を介して受信し、RFIDリーダー40bにてRFIDタグ60から読み取られた情報を通信部51を介して受信する。また、読み取り制御部56は、RFIDリーダー40aにてRFIDタグ20から読み取られて通信部51を介して受信した情報に基づいて、RFIDリーダー40bにおけるアンテナ30b~30dを介してのRFIDタグ60からの情報の読み取り動作を制御する。
【0052】
開閉状態判断部53は、本願発明にて判断手段となるものである。開閉状態判断部53は、読み取り制御部56にて通信部51を介してRFIDリーダー40aから受信した情報に基づいて、箱体10の開口部14が蓋体15によって塞がれているかどうかを判断する。
【0053】
物品管理部54は、読み取り制御部56にて通信部51を介してRFIDリーダー40bから受信した情報に基づいて、箱体10に収容される物品を管理する。例えば、物品管理部54は、箱体10の収容される物品に関するデータが登録されたデータベースを有し、このデータベースに登録された情報と、通信部51を介してRFIDリーダー40bから受信した情報とを照合することで、箱体10に収容される物品を管理する。
【0054】
出力部55は、ディスプレイ等から構成され、開閉状態判断部53における判断結果や、物品管理部54による物品の管理状態を表示出力する。
【0055】
なお、本形態においては管理用パソコン50を例に挙げて説明するが、上述した構成を有するものとしては、携帯型端末等も含め、RFIDリーダー40a,40bの制御が可能なコンピュータ等の制御装置であればよい。また、上述した管理用パソコン50の構成をRFIDリーダー40a,40bに搭載したものとしてもよい。その場合、上述したように、開閉状態判断部53が、RFIDリーダー40aから受信した情報に基づいて、箱体10の開口部14が蓋体15によって塞がれているかどうかを判断するものであり、物品管理部54が、RFIDリーダー40bから受信した情報に基づいて、箱体10に収容される物品を管理するものであるため、開閉状態判断部53及び物品管理部54のうち、開閉状態判断部53をRFIDリーダー40aに搭載し、物品管理部54をRFIDリーダー40bに搭載しておけばよい。また、読み取り制御部56においては、後述するように、RFIDリーダー40aにてアンテナ30aを介してRFIDタグ20から情報を読み取らせ、開閉状態判断部53にて箱体10の開口部14が蓋体15によって塞がれていると判断された場合、RFIDリーダー40bにてアンテナ30b~30dを介して箱体10に収容される物品に添付された管理用のRFIDタグから情報を読み取らせる。そのため、管理用パソコン50の構成をRFIDリーダー40a,40bに搭載する場合、読み取り制御部56における処理のうち、RFIDタグから情報を読み取らせるRFIDリーダーを切り替える処理は、RFIDリーダー40a,40bのいずれか一方で実行することになる。読み取り制御部56における上記処理をRFIDリーダー40aにて実行する場合は、開閉状態判断部53にて箱体10の開口部14が蓋体15によって塞がれていると判断された場合、RFIDリーダー40bに対して、アンテナ30b~30dを介して箱体10に収容される物品に添付された管理用のRFIDタグから情報を読み取るための命令を送信し、RFIDリーダー40bにおいて、アンテナ30b~30dを介して箱体10に収容される物品に添付された管理用のRFIDタグから情報が読み取られることになる。また、読み取り制御部56における上記処理をRFIDリーダー40bにて実行する場合は、開閉状態判断部53にて箱体10の開口部14が蓋体15によって塞がれていると判断された場合、その旨がRFIDリーダー40aからRFIDリーダー40bに送信され、RFIDリーダー40bにおいて、アンテナ30b~30dを介して箱体10に収容される物品に添付された管理用のRFIDタグから情報が読み取られることになる。
【0056】
〈物品管理システムにおける処理〉
以下に、上記のように構成された物品管理システムにて物品を管理する際の処理について説明する。
【0057】
まず、蓋体15に取り付けられたRFIDタグ20と、収容部11の側面12aに取り付けられたアンテナ30aとの距離について説明する。
【0058】
図5は、
図1に示した物品管理システムにおいて、蓋体15に取り付けられたRFIDタグ20と、収容部11の側面12aに取り付けられたアンテナ30aとの距離を説明するための図である。
【0059】
図1に示した物品管理システムにおいては、箱体10の開口部14が蓋体15によって塞がれている状態では、
図5(a)に示すように、蓋体15に取り付けられたRFIDタグ20と、収容部11の側面12aに取り付けられたアンテナ30aとの距離は、第1の距離D1となっている。
【0060】
一方、蓋体15が開かれることで、箱体10の開口部14が蓋体15によって塞がれていない状態となると、
図5(b)に示すように、蓋体15に取り付けられたRFIDタグ20と、収容部11の側面12aに取り付けられたアンテナ30aとの距離は、第1の距離D1よりも長い第2の距離D2となる。
【0061】
このように、RFIDタグ20は、蓋体15が開口部14を塞いだ場合に収容部11側となる面、すなわち、箱体10内の領域のうち、箱体10の開口部14が蓋体15によって塞がれていない状態におけるアンテナ30aとの距離が、箱体10の開口部14が蓋体15によって塞がれている状態におけるアンテナ30aとの距離よりも長くなる領域に取り付けられている。
【0062】
そのため、箱体10の収容部11の側面12aに取り付けられたアンテナ30aから放射する電波の出力を、開口部14が蓋体15にて塞がれた状態のみにてRFIDタグ20からアンテナ30aを介して情報を読み取り可能となる第2の値とすれば、RFIDリーダー40aにおいてアンテナ30aを介してRFIDタグ20から情報が読み取られるかどうかによって、箱体10の開口部14が蓋体15によって塞がれているかどうかを判断することができる。
【0063】
次に、箱体10に収容されて管理対象となる物品について説明する。
【0064】
図6は、
図1に示した物品管理システムにて箱体10に収容されて管理対象となる物品について説明するための図であり、物品が収容部11に収容された状態を開口部14側から見た図である。
【0065】
図6に示すように、
図1に示した物品管理システムにおける箱体10には、物品70が縦横に並べられて収容された折り畳み式コンテナ80が収容部11に収容される。収容部11に収容された折り畳み式コンテナ80内の物品70のそれぞれには、管理用のRFIDタグ60が貼り付けられることで添付されている。RFIDタグ60には、固有のIDが書き込まれており、管理用パソコン50の物品管理部54において、この固有のIDとその固有のIDを有するRFIDタグ60が添付された物品に関する情報とが対応づけて管理されている。なお、折り畳み式コンテナ80は、電波を反射したり吸収したりする材料から構成されておらず、それにより、RFIDリーダー40bは、折り畳み式コンテナ80に収容された物品70に貼り付けられたRFIDタグ60からアンテナ30b~30dを介して情報を読み取ることができる。
【0066】
図7は、
図6に示した箱体10に収容される物品70に添付されたRFIDタグ60の構成を示す図であり、(a)は積層状態を示す図、(b)はインレット64の表面の構成を示す図である。なお、
図7に示すRFIDタグ60の構成はあくまでも一例であり、RFIDリーダー40b~40dにて情報の読み取りが可能なものであれば、その他の構成でもよい。
【0067】
図6に示した箱体10に収容される物品70に添付されたRFIDタグ60は、箱体10に収容される物品70を管理するためのものであって、本願発明にて管理用のRFIDタグとなるものである。RFIDタグ60は
図7に示すように、帯状形状のインレット64の表裏に粘着層67a,67bがそれぞれ積層され、インレット64の表面には、粘着層67aを介して表面シート65が貼着されて構成されている。
【0068】
インレット64は、ベース基材63と、2つのアンテナ62と、ICチップ61とを有している。
【0069】
ベース基材63は、例えばフィルム等の非導電性材料から構成されている。
【0070】
2つのアンテナ62は、ベース基材63の一方の面に、2つの二等辺三角形の導体が空隙を介して並ぶようにして形成されている。アンテナ62は、上記のような形状を有することで、RFIDタグ20と同一の周波数で共振する。
【0071】
ICチップ61は、2つのアンテナ端子(不図示)が設けられており、アンテナ端子が設けられた面が搭載面となって、ベース基材63のアンテナ62が形成された面に搭載され、異方性導電ペースト(不図示)によって固定されている。ICチップ61の2つのアンテナ端子は2つのアンテナ62にそれぞれ接続されており、異方性導電ペーストによって、アンテナ端子とアンテナ62とが導通している。ICチップ61は、アンテナ62を介した非接触通信によって得た電力によって動作し、RFIDタグ20と同一のプロトコルによって、ICチップ61内に記憶された情報となる固有のIDを、アンテナ62を介して非接触送信する。
【0072】
本形態の物品管理システムにおいては、上記のように構成されたRFIDタグ60を
図6に示したように物品70に添付した状態で物品70を箱体10に収容し、RFIDタグ60から情報を読み取ることで、物品70を管理することになる。
【0073】
図8は、
図1に示した物品管理システムにて物品を管理する際の処理を説明するためのフローチャートである。なお、RFIDリーダー40a,40bにおけるRFIDタグ20,60からの情報の読み取りに先立って実行されるポーリング処理についての説明は省略する。
【0074】
図1に示した物品管理システムにて物品を管理する場合はまず、管理用パソコン50の読み取り制御部56において、RFIDタグ20からアンテナ30aを介して情報を読み取るための命令が通信部51を介してRFIDリーダー40aに送信される。
【0075】
RFIDリーダー40aにおいては、読み取り制御部56から通信部51を介して送信されてきた命令が通信部44を介して受信されると、受信された命令に従って、RFIDタグ20から情報を読み取るための信号がタグデータ送信処理部42から出力され、デジタル信号変換部43にてアナログ信号に変換される。この際、RFIDタグ20から読み取る情報は、RFIDタグ20に記憶された固有のIDとなるが、RFIDタグ20と物品70に添付されたRFIDタグ60とで、区別可能なIDをエンコードしておくことで、RFIDリーダー40aにてアンテナ30aを介して読み取った情報が、RFIDタグ20から読み取った情報であるのか物品70に添付されたRFIDタグ60から読み取った情報であるのかを容易に判断することができる。例えば、RFIDタグ20には、先頭が"FFFF"のコードで始まるIDをエンコードし、物品70に添付されたRFIDタグ60には、先頭が"AAAA"の共通のコードで始まり、それ以下がRFIDタグ60毎に固有のコードからなるIDをエンコードしておくことが考えられる。
【0076】
その後、RFIDリーダー40aにおいては、RF送信部46において、デジタル信号変換部43にてアナログ信号に変換された信号が搬送波に乗せられ、共用器41及びアンテナ30aを介して送信され、これにより、RFIDタグ20からの情報の読み取り処理が実行される(ステップS1)。
【0077】
RFIDリーダー40aのRF送信部46から共用器41及びアンテナ30aを介して送信された信号がRFIDタグ20にて受信されると、RFIDタグ20から固有のIDが応答信号としてRFIDリーダー40aに送信される。この際、上述したように、先頭が"FFFF"のコードで始まるIDをRFIDタグ20にエンコードし、物品70に添付されたRFIDタグ60に、先頭が"AAAA"のコードで始まるIDをエンコードするというように、RFIDタグ20から読み取られる情報が、RFIDタグ60から読み取られる情報と区別可能なコードを含むものにおいては、RFIDリーダー40aにてRFIDタグ20から情報を読み取るために読み取り制御部56から通信部51を介して送信される命令に、先頭が"FFFF"のコードで始まるIDのみを送信する命令を含めておけば、IDによってフィルタリングをかけて、RFIDタグ20,60のうちRFIDタグ20のみからIDを送信させ、RFIDタグ20から送信されてきたIDを判別することができる。
【0078】
RFIDタグ20は、
図5を用いて説明したように、箱体10内の領域のうち、箱体10の開口部14が蓋体15によって塞がれていない状態におけるアンテナ30aとの距離が、箱体10の開口部14が蓋体15によって塞がれている状態におけるアンテナ30aとの距離よりも長くなる領域に取り付けられている。そして、アンテナ30aからは、箱体10の開口部14が蓋体15にて塞がれた状態のみにてRFIDタグ20からアンテナ30aを介して情報を読み取り可能となる出力で電波が放射されている。そのため、箱体10の開口部14が蓋体15によって塞がれている場合にのみ、RFIDタグ20から固有のIDが応答信号としてRFIDリーダー40aに送信されることになる。また、RFIDタグ20は、上述したように、ベース基材23のアンテナ22が形成された面とは反対側の面に、平面視にてアンテナ22を覆うように金属層26が積層されていることで、金属からなる蓋体15に取り付けられた場合でも、アンテナ22を介した非接触通信における通信距離が短くなってしまうことが抑制される。
【0079】
RFIDタグ20から応答信号としてRFIDリーダー40aに送信されたRFIDタグ20の固有のIDが、アンテナ30a及びRFIDリーダー40aの共用器41を介してRFIDリーダー40aのRF受信部47にて受信されると、RFIDリーダー40aにおいては、RF受信部47にて受信された信号がデジタル信号変換部43にてデジタル信号に変換され、その後、タグデータ受信処理部48において、デジタル信号に変換されたRFIDタグ20の固有のIDが判別されて通信部44を介して管理用パソコン50に送信される。
【0080】
RFIDリーダー40aから送信されたRFIDタグ20の固有のIDが管理用パソコン50の通信部51を介して読み取り制御部56にて受信されると、開閉状態判断部53において、開口部14が蓋体15によって塞がれていると判断される(ステップS2)。
【0081】
管理用パソコン50においては、RFIDリーダー40aから送信されたRFIDタグ20の固有のIDが通信部51を介して読み取り制御部56にて受信され、開閉状態判断部53において、開口部14が蓋体15によって塞がれていると判断されると、読み取り制御部56において、RFIDタグ60からアンテナ30b~30dを介して情報を読み取るための命令が通信部51を介してRFIDリーダー40bに送信される。
【0082】
RFIDリーダー40bにおいては、読み取り制御部56から通信部51を介して送信されてきた命令が通信部44を介して受信されると、受信された命令に従って、RFIDタグ60から情報を読み取るための信号がタグデータ送信処理部42から出力され、デジタル信号変換部43にてアナログ信号に変換される。
【0083】
その後、RFIDリーダー40bにおいては、RF送信部46において、デジタル信号変換部43にてアナログ信号に変換された信号が搬送波に乗せられ、共用器41及びアンテナ30b~30dを介して送信され、これにより、RFIDタグ60からの情報の読み取り処理が実行される(ステップS3)。この際、アンテナ30b~30dから放射される電波の出力が、箱体10内に存在する全てのRFIDタグ60からアンテナ30b~30dを介して情報を読み取り可能となる第1の値に設定されていることで、収容部11に収容された物品70に添付された全てのRFIDタグ60から読み落としなく情報を読み取ることができる。なお、RFIDタグ60が貼り付けられた物品70は、上述したように、箱体10に収容された折り畳み式コンテナ80に縦横に並べられて収容されている。そのため、RFIDタグ60からの情報の読み取り処理を実行する際にアンテナ30b~30dから放射される電波の出力は、アンテナ30b~30dのそれぞれを介して、箱体10内に存在するRFIDタグ60のそれぞれから情報を読み取り可能となる値に設定されている必要はなく、箱体10内に存在する全てのRFIDタグ60からの情報がアンテナ30b~30dのうち少なくともいずれか1つを介して読み取り可能となる値に設定されていればよい。
【0084】
一方、RFIDタグ20から固有のIDがアンテナ30aを介してRFIDリーダー40aに送信されず、管理用パソコン50においても通信部51を介して読み取り制御部56にて受信されない場合は、読み取り制御部56において、RFIDタグ60からアンテナ30b~30dを介して情報を読み取るための命令はRFIDリーダー40bに送信されない。
【0085】
RFIDリーダー40bのRF送信部46から共用器41及びアンテナ30b~30dを介して送信された信号がRFIDタグ20,60にて受信されると、RFIDタグ20,60から固有のIDが応答信号としてRFIDリーダー40bに送信される。この際、上述したように、先頭が"FFFF"のコードで始まるIDをRFIDタグ20にエンコードし、物品70に添付されたRFIDタグ60に、先頭が"AAAA"のコードで始まるIDをエンコードしている場合、RFIDリーダー40bにてRFIDタグ60から情報を読み取るために読み取り制御部56から通信部51を介して送信される命令に、先頭が"AAAA"のコードで始まるIDのみを送信する命令を含めておけば、IDによってフィルタリングをかけてRFIDタグ20,60のうちRFIDタグ60のみからIDを送信させることができる。
【0086】
RFIDタグ60から応答信号としてRFIDリーダー40bに送信されたRFIDタグ60の固有のIDが、アンテナ30b~30d及びRFIDリーダー40bの共用器41を介してRFIDリーダー40bのRF受信部47にて受信されると、RFIDリーダー40bにおいては、RF受信部47にて受信された信号がデジタル信号変換部43にてデジタル信号に変換され、その後、タグデータ受信処理部48において、デジタル信号に変換されたRFIDタグ60の固有のIDが通信部44を介して管理用パソコン50に送信される。
【0087】
RFIDリーダー40bから送信されたRFIDタグ60の固有のIDが管理用パソコン50の通信部51を介して読み取り制御部56にて受信されると、物品管理部54において、データベースに登録された情報と、通信部51を介して読み取り制御部56にて受信した情報とが照合されることで、箱体10に収容された物品70が管理されることになる。物品70の管理状態は、物品管理部54において出力部55を介して表示出力することが考えられる。
【0088】
また、上述した一連の処理の間においても、RFIDリーダー40aによるアンテナ30aを介したRFIDタグ20からの情報の読み取り処理は継続して実行されており、開閉状態判断部53において、開口部14が蓋体15によって塞がれているかどうかが、RFIDタグ20の固有のIDがアンテナ30aを介してRFIDリーダー40aにて読み取られて通信部51を介して読み取り制御部56にて受信されているかどうかによって判断される。
【0089】
そして、開閉状態判断部53において開口部14が蓋体15によって塞がれていないと判断された場合(ステップS4)、出力部55を介して警報となるエラーが出力される(ステップS5)。なお、出力部55を介しての警報の出力としては、ブザー音を出力したり、ランプを点灯させたりする他、画面上にエラーメッセージを表示させたりすること等が考えられる。
【0090】
管理用パソコン50においては、ステップS3における処理を開始してから、箱体10に収容された物品70について1回の読み取り処理として設定された時間が経過すると(ステップS6)、次の物品について、上述したRFIDタグ60からの情報の読み取り処理を開始できるかどうかを判断するために、一定の待機時間経過後(ステップS7)、再度、開閉状態判断部53において、RFIDタグ20の固有のIDがRFIDリーダー40aから送信されてこなくなり、読み取り制御部56にて受信されなくなったことで開口部14が蓋体15にて塞がれていない状態になったかどうかが判断され(ステップS8)、開口部14が蓋体15にて塞がれていない状態になった場合は、箱体10に収容された物品70について1回の読み取り処理を終了し、次の物品についての読み取り処理を行う。これは、物品70に添付されたRFIDタグ60からIDが読み取られた後に、蓋体15を開けて開口部14から物品70が取り出されたと判断するための処理である。そのため、ステップS7における待機時間は、蓋体15を開けて開口部14から物品70を取り出すために要する時間が設定される。
【0091】
このように、管理用のRFIDタグ60が添付された物品70が収容される箱体10内に検知用のRFIDタグ20を取り付け、RFIDタグ20から情報を読み取るためのアンテナ30aから放射する電波の出力を、開口部14が蓋体15にて塞がれた状態のみにてRFIDタグ20からアンテナ30aを介して情報を読み取り可能となる値とするRFIDリーダー40aを設け、RFIDタグ20から情報が読み取られるかどうかによって箱体10が開けられたことを検知する構成としたため、RFIDタグ60が添付された物品70を箱体10内に収容してRFIDタグ60から情報を読み取ることで物品70を管理する場合に、箱体10が開けられた旨をRFIDタグから情報を読み取る仕組みを用いて検知することができる。
【0092】
また、
図1に示した物品管理システムにて物品を管理する場合に、管理用パソコン50の読み取り制御部56において、RFIDタグ20からアンテナ30aを介して情報を読み取るための命令を通信部51を介してRFIDリーダー40aに送信することで、RFIDタグ20から情報を読み取るための電波を常時放射し、ステップS2において、RFIDリーダー40aにてアンテナ30aを介してRFIDタグ20から情報が読み取られ、開口部14が蓋体15によって塞がれている状態であると判断された場合に、管理用パソコン50の読み取り制御部56において、RFIDタグ60からアンテナ30b~30dを介して情報を読み取るための命令を通信部51を介してRFIDリーダー40aに送信して物品70に添付されたRFIDタグ60からアンテナ30b~30dを介して情報の読み取りを開始することにより、消費電力を低減することができる。
【0093】
またその際、RFIDリーダー40bにてアンテナ30b~30dを介してRFIDタグ60から情報が読み取られている最中にRFIDリーダー40aにてアンテナ30aを介してRFIDタグ20から情報が読み取られなくなった場合にエラーを出力することにより、物品70に添付されたRFIDタグ60から情報が読み取られている最中に箱体10が開けられて開口部14が塞がれていない状態となってもその旨を報知することができる。
【0094】
(他の実施の形態)
図9は、本発明の物品管理システムの他の実施の形態を示す図である。
【0095】
本形態は
図9に示すように、
図1に示したものに対して箱体110の構成が異なるものである。本形態における箱体110は、引き出し111と、引き出し収容体115とから構成されている。
【0096】
引き出し111は、本願発明にて収容部となるものである。引き出し111は、長方形の底面113と、底面113の4つの辺にそれぞれ起立して設けられた側面112a~112bとを有し、側面112a~112dの端辺のうち底面113とは反対側の端辺で囲まれた部分、すなわち、底面113とは反対側に、引き出し111に物品を収容するための開口部114を有している。側面112a~112dにはそれぞれ、引き出し111の内側となる面にアンテナ130a~130dが取り付けられている。アンテナ130aは、本願発明にて第2のアンテナとなるものであって、RFIDリーダー40aにケーブルを介して電気的に接続されている。アンテナ130b~130dは、本願発明にて第1のアンテナとなるものであって、RFIDリーダー40bにケーブルを介して電気的に接続されている。
【0097】
引き出し収容体115は、本願発明にて被覆部となるものである。引き出し収容体115は、長方形の底面117と、底面117の3つの辺にそれぞれ起立して設けられた側面118a~118cと、底面117に対向し、側面118a~118cの底面117と当接する端辺とは反対側の端辺に当接した天面116とを有し、側面118a~118cが設けられていない面が開口している。引き出し収容体115は、開口した面から引き出し111を収容可能に構成されており、引き出し111を収容することで、引き出し111の開口部114を開閉可能に塞ぐ。引き出し収容体115には、天面116の引き出し111が収容される側の面のうち、開口した面の近傍の領域に検知用のRFIDタグ120が取り付けられている。これにより、RFIDタグ120は、箱体110内の領域に取り付けられている。
【0098】
引き出し111及び引き出し収容体115は、電波を反射する材料または電波を吸収する材料から構成されており、例えば、金属から構成されている。または、引き出し111及び引き出し収容体115が、電波を反射する材料もしくは電波を吸収する材料で囲まれた構成としてもよい。また、RFIDタグ120は、
図2に示したRFIDタグ20と同一の構成を有し、粘着層27bによって天面116に貼着されている。
【0099】
ここで、引き出し収容体115の天面116に取り付けられたRFIDタグ120と、引き出し111の側面112aに取り付けられたアンテナ130aとの距離について説明する。
【0100】
図10は、
図9に示した箱体110における、引き出し収容体115の天面116に取り付けられたRFIDタグ120と、引き出し111の側面112aに取り付けられたアンテナ130aとの距離を説明するための図である。
【0101】
図9に示した箱体110においては、引き出し111が引き出し収容体115に収容されていることで、引き出し111の開口部114が引き出し収容体115の天面116によって塞がれている状態では、
図10(a)に示すように、引き出し収容体115の天面116に取り付けられたRFIDタグ120と、引き出し111の側面112aに取り付けられたアンテナ130aとの距離は、第1の距離D1となっている。
【0102】
一方、引き出し111が引き出し収容体115から引き出されることで、引き出し111の開口部114が塞がれていない状態となると、
図10(b)に示すように、引き出し収容体115の天面116に取り付けられたRFIDタグ120と、引き出し111の側面112aに取り付けられたアンテナ130aとの距離は、第1の距離D1よりも長い第2の距離D2となる。
【0103】
このように、RFIDタグ120は、引き出し111が引き出し収容体115に収容されることで引き出し111の開口部114が引き出し収容体115の天面116で塞がれた場合に引き出し111側となる面、すなわち、箱体110内の領域のうち、引き出し111の開口部114が引き出し収容体115の天面116によって塞がれていない状態におけるアンテナ130aとの距離が、引き出し111の開口部114が引き出し収容体115の天面116によって塞がれている状態におけるアンテナ130aとの距離よりも長くなる領域に取り付けられている。
【0104】
そのため、本形態においても、引き出し111の側面112aに取り付けられたアンテナ130aから放射する電波の出力を、引き出し111が引き出し収容体115に収容されることで引き出し111の開口部114が引き出し収容体115の天面116にて塞がれた状態のみにてRFIDタグ120からアンテナ130aを介して情報を読み取り可能となる値とすれば、RFIDリーダー40aにおいてアンテナ130aを介してRFIDタグ120から情報が読み取られるかどうかによって、引き出し111が引き出し収容体115に収容され、引き出し111の開口部114が引き出し収容体115の天面116にて塞がれているかどうかを判断することができる。
【0105】
なお、上述した実施の形態においては、検知用のRFIDタグ20と、物品70に添付された管理用のRFIDタグ60とは、同一の周波数で共振し、RFIDリーダー40a,40bとの間にて同一のプロトコルによって非接触通信を実行しているが、RFIDリーダー40aによるRFIDタグ20からの情報の読み取りに用いる周波数帯と、RFIDリーダー40bによるRFIDタグ60からの情報の読み取りに用いる周波数帯とが互いに異なる構成としてもよい。例えば、RFIDタグ60を
図7に示したような形状として、UHF帯やマイクロ波帯で共振して電波方式で非接触通信を行うものとする一方、RFIDタグ20を、コイル形状を有し、13.56MHzのHF帯を用いて電磁誘導方式で非接触通信を行うものとしてもよい。RFIDタグ20をそのようなものとした場合でも、平面視にてアンテナを覆うように金属層を設けたり磁性体を積層したりすることで、コイル内にて発生する磁界の強さが弱くなってしまうことが抑制される。ただし、13.56MHzのHF帯を用いて電磁誘導方式で非接触通信を行うものを検知用のRFIDタグ20として用いる場合、UHF帯やマイクロ波帯で共振して電波方式で非接触通信を行うものに対して通信距離が極端に短いため、箱体10の収容部11の開口部14が蓋体15によって塞がれた状態あるいは箱体110の引き出し111の開口部114が引き出し収容体115の天面116にて塞がれた状態にてRFIDタグ20,120とRFIDタグ20,120から情報を読み取るためのアンテナとが近接(対向)するようにこれらRFIDタグ20,120とアンテナとを配置する必要がある。このように、RFIDリーダー40aによるRFIDタグ20からの情報の読み取りに用いる周波数帯と、RFIDリーダー40bによるRFIDタグ60からの情報の読み取りに用いる周波数帯とが互いに異なる構成とすることにより、上述したように、RFIDタグ20と物品70に添付されたRFIDタグ60とで、区別可能なコードを含むようにIDを設定する必要がなくなる。
【0106】
また、上述した実施の形態においては、箱体10の蓋体15、または箱体110の引き出し収容体115に検知用のRFIDタグ20,120を取り付け、箱体10の収容部11または箱体110の引き出し111にアンテナ30a,130aを取り付けたものを例に挙げて説明したが、その逆に、箱体10の蓋体15、または箱体110の引き出し収容体115にアンテナを取り付け、箱体10の収容部11または箱体110の引き出し111に検知用のRFIDタグを取り付けた構成としてもよい。
【0107】
また、RFIDリーダー40bによってRFIDタグ60から情報を読み取るために箱体10,110に取り付けられるアンテナの数は、箱体10,110やそれに収容される物品70の形態等に応じて適宜設定される。蓋体15や引き出し収容体115においても、箱体10,110に収容された物品70の上面からの情報の読み取り用として、RFIDタグ60から情報を読み取るためのアンテナを取り付けてもよい。
【0108】
また、アンテナ30a,130aとの距離が、
図5や
図10に示した距離D1となるように、検知用のRFIDタグ20,120を、例えば並列に複数設置することも考えられる。その場合、複数のRFIDタグ20,120のうち少なくとも1つのRFIDタグ20,120からアンテナ30a,130aを介して情報が読み取られた場合に箱体10の収容部11の開口部14が蓋体15によって塞がれた状態あるいは箱体110の引き出し111の開口部114が引き出し収容体115の天面116にて塞がれた状態と判断してもよいし、複数のRFIDタグ20,120の全てからアンテナ30a,130aを介して情報が読み取られなければ、箱体10の収容部11の開口部14が蓋体15によって塞がれた状態あるいは箱体110の引き出し111の開口部114が引き出し収容体115の天面116にて塞がれた状態と判断されないようにしてもよい。
【符号の説明】
【0109】
10,110 箱体
11 収容部
12a~12d,112a~112d,118a~118c 側面
13,113,117 底面
14,114 開口部
15 蓋体
20,60,120 RFIDタグ
21,61 ICチップ
22,30a~30d,62,130a~130d アンテナ
23,63 ベース基材
24,64 インレット
25,65 表面シート
26 金属層
27a,27b,67a,67b 粘着層
40a,40b RFIDリーダー
41 共用器
42 タグデータ送信処理部
43 デジタル信号変換部
44,51 通信部
46 RF送信部
47 RF受信部
48 タグデータ受信処理部
50 管理用パソコン
53 開閉状態判断部
54 物品管理部
55 出力部
56 読み取り制御部
70 物品
80 折り畳み式コンテナ
111 引き出し
115 引き出し収容体
116 天面