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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095133
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】油捕集装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/06 20060101AFI20240703BHJP
【FI】
F24F7/06 101A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022212191
(22)【出願日】2022-12-28
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 電気通信回線を通じて発表(2022年11月25日に、ウェブサイトのアドレス https://ariafina.jp/special/viviana/ https://www.youtube.com/watch?v=iT0GvqFZUHk&t=10sに掲載)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 電気通信回線を通じて発表(2022年12月1日に、ウェブサイトのアドレス https://ariafina.jp/products/lineup:31 https://ariafina.jp/products/overview+spec/858 https://ariafina.jp/products/download/858 https://ariafina.jp/storage/images/product/file/858/manual1.pdf https://ariafina.jp/storage/images/product/file/858/manual2.pdf https://ariafina.jp/storage/images/product/file/858/draw.pdf https://ariafina.jp/storage/images/product/file/858/dxf.zip https://ariafina.jp/storage/images/product/file/858/dwg.zip https://ariafina.jp/products/overview+spec/859 https://ariafina.jp/products/download/859 https://ariafina.jp/storage/images/product/file/859/manual1.pdf https://ariafina.jp/storage/images/product/file/859/manual2.pdf https://ariafina.jp/storage/images/product/file/859/draw.pdf https://ariafina.jp/storage/images/product/file/859/dxf.zip https://ariafina.jp/storage/images/product/file/859/dwg.zip
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り https://ariafina.jp/products/overview+spec/860 https://ariafina.jp/products/download/860 https://ariafina.jp/storage/images/product/file/860/manual1.pdf https://ariafina.jp/storage/images/product/file/860/manual2.pdf https://ariafina.jp/storage/images/product/file/860/draw.pdf https://ariafina.jp/storage/images/product/file/860/dxf.zip https://ariafina.jp/storage/images/product/file/860/dwg.zip https://ariafina.jp/products/overview+spec/861 https://ariafina.jp/products/download/861 https://ariafina.jp/storage/images/product/file/861/manual1.pdf https://ariafina.jp/storage/images/product/file/861/draw.pdf https://ariafina.jp/storage/images/product/file/861/dxf.zip https://ariafina.jp/storage/images/product/file/861/dwg.zip
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り https://ariafina.jp/products/overview+spec/862 https://ariafina.jp/products/download/862 https://ariafina.jp/storage/images/product/file/862/manual1.pdf https://ariafina.jp/storage/images/product/file/862/manual2.pdf https://ariafina.jp/storage/images/product/file/862/draw.pdf https://ariafina.jp/storage/images/product/file/862/dxf.zip https://ariafina.jp/storage/images/product/file/862/dwg.zip https://ariafina.jp/products/overview+spec/863 https://ariafina.jp/products/download/863 https://ariafina.jp/storage/images/product/file/863/manual1.pdf https://ariafina.jp/storage/images/product/file/863/manual2.pdf https://ariafina.jp/storage/images/product/file/863/draw.pdf https://ariafina.jp/storage/images/product/file/863/dxf.zip https://ariafina.jp/storage/images/product/file/863/dwg.zipに掲載)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 催し物に展示(パークハイアット東京 ヴェネシアンルームで、2022年11月25日に開催されたアリアフィーナ20周年記念イベントに展示) 催し物に展示(ブリーゼプラザ 小ホールで、2022年11月28日に開催されたアリアフィーナ20周年記念イベントに展示)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 電気通信回線を通じて発表(2022年12月1日に、ウェブサイトのアドレス https://www.fujioh.com/product/detail?id=858&option=true https://www.fujioh.com/storage/images/product/file/858/manual1.pdf https://www.fujioh.com/storage/images/product/file/858/manual2.pdf https://www.fujioh.com/storage/images/product/file/858/draw.pdf https://www.fujioh.com/storage/images/product/file/858/dwg.zip https://www.fujioh.com/storage/images/product/file/858/dxf.zip https://www.fujioh.com/product/detail?id=859&option=true https://www.fujioh.com/storage/images/product/file/859/manual1.pdf https://www.fujioh.com/storage/images/product/file/859/manual2.pdf https://www.fujioh.com/storage/images/product/file/859/draw.pdf https://www.fujioh.com/storage/images/product/file/859/dwg.zip https://www.fujioh.com/storage/images/product/file/859/dxf.zip
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り https://www.fujioh.com/product/detail?id=860&option=true https://www.fujioh.com/storage/images/product/file/860/manual1.pdf https://www.fujioh.com/storage/images/product/file/860/manual2.pdf https://www.fujioh.com/storage/images/product/file/860/draw.pdf https://www.fujioh.com/storage/images/product/file/860/dwg.zip https://www.fujioh.com/storage/images/product/file/860/dxf.zip https://www.fujioh.com/product/detail?id=861&option=true https://www.fujioh.com/storage/images/product/file/861/manual1.pdf https://www.fujioh.com/storage/images/product/file/861/draw.pdf https://www.fujioh.com/storage/images/product/file/861/dwg.zip https://www.fujioh.com/storage/images/product/file/861/dxf.zip
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り https://www.fujioh.com/product/detail?id=862&option=true https://www.fujioh.com/storage/images/product/file/862/manual1.pdf https://www.fujioh.com/storage/images/product/file/862/manual2.pdf https://www.fujioh.com/storage/images/product/file/862/draw.pdf https://www.fujioh.com/storage/images/product/file/862/dwg.zip https://www.fujioh.com/storage/images/product/file/862/dxf.zip https://www.fujioh.com/product/detail?id=863&option=true https://www.fujioh.com/storage/images/product/file/863/manual1.pdf https://www.fujioh.com/storage/images/product/file/863/manual2.pdf https://www.fujioh.com/storage/images/product/file/863/draw.pdf https://www.fujioh.com/storage/images/product/file/863/dwg.zip https://www.fujioh.com/storage/images/product/file/863/dxf.zipに掲載)
(71)【出願人】
【識別番号】000237374
【氏名又は名称】富士工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110319
【弁理士】
【氏名又は名称】根本 恵司
(74)【代理人】
【識別番号】100150773
【弁理士】
【氏名又は名称】加治 信貴
(74)【代理人】
【識別番号】100099472
【弁理士】
【氏名又は名称】杉山 猛
(72)【発明者】
【氏名】佐竹 裕太
(72)【発明者】
【氏名】浦野 聡
【テーマコード(参考)】
3L058
【Fターム(参考)】
3L058BK04
3L058BK05
(57)【要約】
【課題】塞ぎ板が誤って落下した時にフィルタに接触することを防止できる油捕集装置とする。
【解決手段】送風機20のファン22を回転することでフード体10の捕集部16に捕集した油煙等をフィルタ40、第1開口部19を通して吸い込んで排出し、捕集部16に、第1開口部19の一部を覆う塞ぎ板30を取り付けた油捕集装置において、誤って落下した塞ぎ板30がフィルタ40に接触する以前に接触して塞ぎ板30を支持する落下防止部材50を設け、塞ぎ板30がフィルタ40に接触してフィルタ40が外れたり、損傷することがないようにした油捕集装置。
【選択図】図8

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フード体と、送風機と、塞ぎ板と、回転可能なフィルタと、落下防止部材を備え、
前記フード体は、油煙等を捕集するための捕集部と、捕集した油煙等を前記送風機が吸い込むための吸い込み用空間部と、前記捕集部と前記吸い込み用空間部を連通する第1開口部を有し、
前記送風機は、ファンを有し、
前記塞ぎ板は、前記捕集部から前記吸い込み用空間部へ流れる油煙等を遮断しないために、第2開口部を有し、前記捕集部に、前記捕集部と前記吸い込み用空間部とが連通し、かつ前記第1開口部の一部を覆うように保持された第1の状態と、前記第1開口部を開放する第2の状態とすることができるように取り付けられ、
前記フィルタは、前記第2開口部よりも上流側に設けられ、かつ前記塞ぎ板が前記第1の状態において着脱が可能であり、
前記落下防止部材は、前記第1の状態から保持が解除された塞ぎ板が、前記フィルタに接触する以前に接触して塞ぎ板を落下しないように支持することを特徴とする油捕集装置。
【請求項2】
フード体と、送風機と、塞ぎ板と、回転可能なフィルタと、落下防止部材を備え、
前記フード体は、油煙等を捕集するための捕集部と、捕集した油煙等を前記送風機が吸い込むための吸い込み用空間部と、前記捕集部と前記吸い込み用空間部を連通する第1開口部を有し、
前記送風機は、ファンを有し、
前記塞ぎ板は、前記捕集部から前記吸い込み用空間部へ流れる油煙等を遮断しないために、第2開口部と、前記塞ぎ板から突出しフィルタと干渉しない落下防止用の接触部を有し、前記捕集部に、前記捕集部と前記吸い込み用空間部とが連通し、かつ前記第1開口部の一部を覆うように保持された第1の状態と、前記第1開口部を開放する第2の状態とすることができるように取り付けられ、
前記フィルタは、前記第2開口部よりも上流側に設けられ、かつ前記塞ぎ板が前記第1の状態において着脱が可能であり、
前記落下防止部材は、前記第1の状態から保持が解除された塞ぎ板が、前記フィルタに接触する以前に前記接触部と接触する被接触部を有し、前記接触部と前記被接触部が接触して塞ぎ板を落下しないように支持することを特徴とする油捕集装置。
【請求項3】
請求項2記載の油捕集装置において、
前記接触部は、前記塞ぎ板を前記第1の状態、第2の状態とする時に手で持つことができ、取手としての機能を有するものである油捕集装置。
【請求項4】
請求項2または3記載の油捕集装置において、
前記落下防止部材は、滴下した油分を受けて溜める油溜め部を有し、前記フィルタよりも下方に設けられ、油捕集部材の機能を有する油捕集装置。
【請求項5】
請求項4記載の油捕集装置において、
前記第1の状態から保持が解除された状態で、前記塞ぎ板の前記接触部は前記油溜め部の内面に接触し、前記落下防止部材の被接触部は、前記油溜め部の内面である油捕集装置。
【請求項6】
請求項4記載の油捕集装置において、
前記落下防止部材の被接触部は、前記油溜め部の底面に設けられた上向き凸部であり、前記第1の状態から保持が解除された状態で、前記塞ぎ板の前記接触部は前記油溜め部の上向き凸部と接触する油捕集装置。
【請求項7】
請求項4記載の油捕集装置において、
前記落下防止部材の油溜め部は、底面と内周側面と外周側面とで上向きに開口した凹陥形状で、
前記塞ぎ板の第2開口部の周部分は前記油溜め部の内周側面に前記油溜め部の内周側面よりも外側の位置で対向し、前記塞ぎ板の外周は前記油溜め部の外周側面に前記油溜め部の外周側面よりも内側の位置で対向し、前記塞ぎ板は前記油溜め部で覆われている油捕集装置。
【請求項8】
請求項2記載の油捕集装置において、
前記塞ぎ板の一方側は前記捕集部に、取付手段により前記第1の状態である姿勢と前記第2の状態である姿勢とに亘って上下方向に回動自在に取り付けられ、前記塞ぎ板の他方側は前記捕集部に、保持手段により前記第1の状態である姿勢で保持、保持解除自在に保持され、
前記接触部は、前記塞ぎ板の他方側に設けてあり、前記塞ぎ板が第1の状態である姿勢で保持されている時に前記接触部は前記被接触部と接触または、離隔している油捕集装置。
【請求項9】
請求項8記載の油捕集装置において、
前記フィルタは前記第1の状態の塞ぎ板と離隔して設けられ、前記第1の状態において前記フィルタと前記塞ぎ板は平行である油捕集装置。
【請求項10】
請求項8記載の油捕集装置において、
前記塞ぎ板が第1の状態の時に、前記塞ぎ板の前記接触部を設けた他方側と前記落下防止部材との距離が、前記塞ぎ板の前記取付手段を設けた一方側と前記落下防止部材との距離よりも短くなるようにした油捕集装置。
【請求項11】
請求項4記載の油捕集装置において、
前記塞ぎ板の重量を前記落下防止部材の重量よりも軽くした油捕集装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油を捕集して排出する油捕集装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から種々の油捕集装置が知られている。
例えば、特許文献1に開示されたレンジフードといわれる油捕集装置が知られている。
この油捕集装置は、フードと送風機ボックスから成るフード体と、フードのフィルタ取付開口部に取り付けたフィルタと、送風機を備え、送風機のファンを回転することでフード内に油煙等を捕集し、捕集獲した油煙等はフィルタで油分が捕獲された後に、フードと送風機ボックスを連通する開口部(空気取り入れ口)から送風機ボックス内に流れ、送風機に吸い込みされて屋外などに排出される構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-184916号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような油捕集装置においては、油捕集装置の種類、フード体の大きさ、送風機の風量等により開口部の大きさや形状が異なることがあり、大きさや形状が異なる開口部を有するフード体を必要とするので、本出願人は開口部の一部を覆う塞ぎ板を設け、開口部の大きさや形状を変更できるようにした油捕集装置を開発した。
しかしながら、この油捕集装置であると、塞ぎ板が誤って落下した時にフィルタに接触し、フィルタが外れたり、損傷する恐れがある。
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するために為されたものであり、その目的は、塞ぎ板が誤って落下した時にフィルタに接触してフィルタが外れたり、損傷することがない油捕集装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の油捕集装置は、フード体と、送風機と、塞ぎ板と、回転可能なフィルタと、落下防止部材を備え、前記フード体は、油煙等を捕集するための捕集部と、捕集した油煙等を前記送風機が吸い込むための吸い込み用空間部と、前記捕集部と前記吸い込み用空間部を連通するための第1開口部を有し、前記送風機は、ファンを有し、前記塞ぎ板は、前記捕集部から前記吸い込み用空間部へ流れる油煙等を遮断しないために、第2開口部を有し、前記捕集部に、前記捕集部と前記吸い込み用空間部とが連通し、かつ前記第1開口部の一部を覆うように保持された第1の状態と、前記第1開口部を開放する第2の状態とすることができるように取り付けられ、前記フィルタは、前記第2開口部よりも上流側に設けられ、かつ前記塞ぎ板が前記第1の状態において着脱が可能であり、前記落下防止部材は、前記第1の状態から保持が解除された塞ぎ板が、前記フィルタに接触する以前に接触して塞ぎ板を落下しないように支持することを特徴とする油捕集装置である。
【0007】
第2の油捕集装置は、フード体と、送風機と、塞ぎ板と、回転可能なフィルタと、落下防止部材を備え、前記フード体は、油煙等を捕集するための捕集部と、捕集した油煙等を前記送風機が吸い込むための吸い込み用空間部と、前記捕集部と前記吸い込み用空間部を連通するための第1開口部を有し、前記送風
機は、ファンを有し、前記塞ぎ板は、前記捕集部から前記吸い込み用空間部へ流れる油煙等を遮断しないために、第2開口部と、前記塞ぎ板から突出しフィルタと干渉しない落下防止用の接触部を有し、前記捕集部に、前記捕集部と前記吸い込み用空間部とが連通し、かつ前記第1開口部の一部を覆うように保持された第1の状態と、前記第1開口部を開放する第2の状態とすることができるように取り付けられ、前記フィルタは、前記第2開口部よりも上流側に設けられ、かつ前記塞ぎ板が前記第1の状態において着脱が可能であり、前記落下防止部材は、前記第1の状態から保持が解除された塞ぎ板が前記フィルタに接触する以前に前記接触部と接触する被接触部を有し、前記接触部と前記被接触部が接触して塞ぎ板を落下しないように支持することを特徴とする油捕集装置である。
【0008】
第2の油捕集装置においては、前記接触部は、前記塞ぎ板を前記第1の状態、第2の状態とする時に手で持つことができ、取手としての機能を有するものである油捕集装置とすることができる。
この構成によれば、接触部を手で持つことで塞ぎ板を第1の状態、第2の状態とすることができ、その操作を行い易い。
【0009】
第2の油捕集装置においては、前記落下防止部材は、滴下した油分を受けて溜める油溜め部を有し、前記フィルタよりも下方に設けられ、油捕集部材の機能を有する油捕集装置とすることができる。
この構成によれば、落下防止部材が油捕集部材の機能を有するので、油捕集部材を別に設けなくてよいので、部品数を削減できるため安価に生産できる。
【0010】
第2の油捕集装置においては、前記第1の状態から保持が解除された状態で、前記塞ぎ板の前記接触部は前記油溜め部の内面に接触し、前記落下防止部材の被接触部は、前記油溜め部の内面である油捕集装置とすることができる。
この構成によれば、塞ぎ板の接触部から滴下した油分などを落下防止部材の油溜め部に貯めることができる。
【0011】
第2の油捕集装置においては、前記落下防止部材の被接触部は、前記油溜め部の底面に設けられた上向き凸部であり、前記第1の状態から保持が解除された状態で、前記塞ぎ板の前記接触部は前記油溜め部の上向き凸部と接触する油捕集装置とすることができる。
この構成によれば、油溜め部に溜まった油分の高さが上向き凸部の上部よりも低ければ、上向き凸部の上部に接触部が接触した状態で接触部が油溜め部に溜まっている油分に触れることがないので、接触部に油分が付着することがなく、接触部を取手として利用する時に油分で手を汚すことがない。
【0012】
第2の油捕集装置においては、前記落下防止部材の油溜め部は、底面と内周側面と外周側面とで上向きに開口した凹陥形状で、前記塞ぎ板の第2開口部の周部分は前記油溜め部の内周側面に前記油溜め部の内周側面よりも外側の位置で対向し、前記塞ぎ板の外周は前記油溜め部の外周側面に前記油溜め部の外周側面よりも内側の位置で対向し、前記塞ぎ板は前記油溜め部で覆われている油捕集装置とすることができる。
この構成によれば、塞ぎ板に付着した油分は油溜め部に滴下するので、塞ぎ板に付着した油分を油溜め部で捕集できる。
【0013】
第2の油捕集装置においては、前記塞ぎ板の一方側は前記捕集部に、取付手段により前記第1の状態である姿勢と前記第2の状態である姿勢とに亘って上下方向に回動自在に取り付けられ、前記塞ぎ板の他方側は前記捕集部に、保持手段により前記第1の状態である姿勢で保持、保持解除自在に保持され、前記接触部は、前記塞ぎ板の他方側に設けてあり、前記塞ぎ板が第1の状態である姿勢で保持されている時に前記接触部は前記被接触部と接触または、離隔している油捕集装置とすることができる。
【0014】
この構成によれば、保持手段の保持を解除することで塞ぎ板は第2の状態である姿勢に回動して第2の状態となり、塞ぎ板を上方に回動して第1の状態である姿勢で保持手段により保持することで第1の状態とすることができるので、その操作が簡単で、第1の状態と第2の状態への変更が容易にできる。
塞ぎ板が第1の状態である姿勢で保持されている時に接触部が被接触部と接触している場合には、塞ぎ板の上下方向に回動する他方側を接触部と被接触部により下方に動かないように支持するので、塞ぎ板の自重などにより塞ぎ板が垂れ下がることがなく、垂れ下がりにより塞ぎ板がフィルタに接触して外れたり、破損することを防止できる。
【0015】
塞ぎ板が第1の状態である姿勢で保持されている時に接触部が被接触部と離隔している場合には、保持手段の保持が解除されて塞ぎ板が下方に回動しながら落下した際の塞ぎ板の下方への移動距離が、保持されていた他方側が最も長く、接触部を塞ぎ板の他方側に設けたことにより、接触部の下方への移動距離が長いので、接触部が被接触部に接触するまでの塞ぎ板の下方への回動角度が小さく、塞ぎ板がフィルタに接触する可能性を下げることができる。
【0016】
第2の油捕集装置においては、前記フィルタは前記第1の状態の塞ぎ板と離隔して設けられ、前記第1の状態において前記フィルタと前記塞ぎ板は平行である油捕集装置とすることができる。
この構成によれば、塞ぎ板が第1の状態の時にフィルタと塞ぎ板は離隔し、平行であるから、フィルタが回転する際に塞ぎ板に触れたりすることがなく、フィルタをスムーズに回転できる。
フィルタと塞ぎ板が平行であるから、フィルタと塞ぎ板との間の距離を均一にすることができ、フィルタと塞ぎ板の間を流れるフィルタを通過した油煙等に乱れが生じて第2開口部よりも外側に流れにくく、フィルタを通過した油煙等はスムーズに第2開口部に流れる。
【0017】
第2の油捕集装置においては、前記塞ぎ板が第1の状態の時に、前記塞ぎ板の前記接触部を設けた他方側と前記落下防止部材との距離が、前記塞ぎ板の前記取付手段を設けた一方側と前記落下防止部材との距離よりも短くなるようにした油捕集装置とすることができる。
この構成によれば、塞ぎ板が第1の状態の時に接触部と被接触部との距離を短くして接触部が被接触部に接触する時の塞ぎ板の落下速度を遅くでき、接触した時に落下防止部材が受ける衝撃を小さくできる。
したがって、落下防止部材の取り付け強度を接触の衝撃を考慮して過剰に強くする必要がなく、落下防止部材の取り付けを容易にできる。
【0018】
第2の油捕集装置においては、前記塞ぎ板の重量を前記落下防止部材の重量よりも軽くした油捕集装置とすることができる。
この構成によれば、塞ぎ板と落下防止部材の合計重量が同じ場合、塞ぎ板の重量が軽いほうが、接触部が被接触部に接触した時に落下防止部材が受ける衝撃が小さいので、塞ぎ板の重量が落下防止部材の重量よりも軽くすることで、落下防止部材の取り付け強度が弱くてすむため、落下防止部材の取付けを容易にできる。
【0019】
本発明の油捕集装置は、次の構成とすることができる。
(1)フード体と、送風機と、塞ぎ板と、回転可能なフィルタと、落下防止部材を備え、前記フード体は、油煙等を捕集するための捕集部と、捕集した油煙等を前記送風機が吸い込むための吸い込み用空間部と、前記捕集部と前記吸い込み用空間部を連通する第1開口部を有し、前記送風機は、ファンを有し、前記塞ぎ板は、前記捕集部から前記吸い込み用空間部へ流れる油煙等を遮断しないために、第2開口部を有し、前記捕集部に、前記捕集部と前記吸い込み用空間部とが連通し、かつ前記第1開口部の一部を覆うように保持された第1の状態と、前記第1開口部を開放する第2の状態とすることができるように取り付けられ、前記フィルタは、前記第2開口部よりも上流側に設けられ、かつ前記塞ぎ板が前記第1の状態において着脱が可能であり、前記落下防止部材は、前記第1の状態から保持が解除された塞ぎ板が、前記フィルタに接触する以前に接触して塞ぎ板を落下しないように支持することを特徴とする油捕集装置。
【0020】
(2)フード体と、送風機と、塞ぎ板と、回転可能なフィルタと、落下防止部材を備え、前記フード体は、油煙等を捕集するための捕集部と、捕集した油煙等を前記送風機が吸い込むための吸い込み用空間部と、前記捕集部と前記吸い込み用空間部を連通する第1開口部を有し、前記送風機は、ファンを有し、前記塞ぎ板は、前記前記捕集部から前記吸い込み用空間部へ流れる油煙等を遮断しないために、第2開口部と、前記塞ぎ板から突出しフィルタと干渉しない落下防止用の接触部を有し、前記捕集部に、前記捕集部と前記吸い込み用空間部とが連通し、かつ前記第1開口部の一部を覆うように保持された第1の状態と、前記第1開口部を開放する第2の状態とすることができるように取り付けられ、前記フィルタは、前記第2開口部よりも上流側に設けられ、かつ前記塞ぎ板が前記第1の状態において着脱が可能であり、前記落下防止部材は、前記第1の状態から保持が解除された塞ぎ板が前記フィルタに接触する以前に前記接触部と接触する被接触部を有し、前記接触部と前記被接触部が接触して塞ぎ板を落下しないように支持することを特徴とする油捕集装置。
【0021】
(3)前記接触部は、前記塞ぎ板を前記第1の状態、第2の状態とする時に手で持つことができ、取手としての機能を有するものであることを特徴とする(2)記載の油捕集装置。
(4)前記落下防止部材は、滴下した油分を受けて溜める油溜め部を有し、前記フィルタよりも下方に設けられ、油捕集部材の機能を有することを特徴とする(2)又は(3)記載の油捕集装置。
(5)前記第1の状態から保持が解除された状態で、前記塞ぎ板の前記接触部は前記油溜め部の内面に接触し、前記落下防止部材の被接触部は、前記油溜め部の内面であることを特徴とする(4)記載の油捕集装置。
【0022】
(6)前記落下防止部材の被接触部は、前記油溜め部の底面に設けられた上向き凸部であり、前記第1の状態から保持が解除された状態で、前記塞ぎ板の前記接触部は前記油溜め部の上向き凸部と接触することを特徴とする(4)又は(5)記載の油捕集装置。
(7)前記落下防止部材の油溜め部は、底面と内周側面と外周側面とで上向きに開口した凹陥形状で、前記塞ぎ板の第2開口部の周部分は前記油溜め部の内周側面に前記油溜め部の内周側面よりも外側の位置で対向し、前記塞ぎ板の外周は前記油溜め部の外周側面に前記油溜め部の外周側面よりも内側の位置で対向し、前記塞ぎ板は前記油溜め部で覆われていることを特徴とする(4)から(6)いずれかに記載の油捕集装置。
【0023】
(8)前記塞ぎ板の一方側は前記捕集部に、取付手段により前記第1の状態である姿勢と前記第2の状態である姿勢とに亘って上下方向に回動自在に取り付けられ、前記塞ぎ板の他方側は前記捕集部に、保持手段により前記第1の状態である姿勢で保持、保持解除自在に保持され、前記接触部は、前記塞ぎ板の他方側に設けてあり、前記塞ぎ板が第1の状態である姿勢で保持されている時に前記接触部は前記被接触部と接触または、離隔していることを特徴とする(2)から(7)いずれかに記載の油捕集装置。
【0024】
(9)前記フィルタは前記第1の状態の塞ぎ板と離隔して設けられ、前記第1の状態において前記フィルタと前記塞ぎ板は平行であることを特徴とする(1)から(8)いずれかに記載の油捕集装置。
(10)前記塞ぎ板が第1の状態の時に、前記塞ぎ板の前記接触部を設けた他方側と前記落下防止部材との距離が、前記塞ぎ板の前記取付手段を設けた一方側と前記落下防止部材との距離よりも短くなるようにしたことを特徴とする(2)から(9)記載の油捕集装置。
(11)前記塞ぎ板の重量を前記落下防止部材の重量よりも軽くしたことを特徴とする(1)から(10)いずれかに記載の油捕集装置。
【発明の効果】
【0025】
本発明の第1の油捕集装置によれば、塞ぎ板が誤って落下した時に、塞ぎ板がフィルタに接触する以前に落下防止部材に接触して塞ぎ板をフィルタに接触しないように支持するので、塞ぎ板がフィルタに接触することを防ぐことができる。
したがって、塞ぎ板が誤って落下した時にフィルタに接触してフィルタが外れたり、損傷することを防止できる。
【0026】
本発明の第2の油捕集装置によれば、塞ぎ板の保持が外れたりして誤って塞ぎ板が落下した時に、塞ぎ板がフィルタに接触する以前に接触部が落下防止部材の被接触部に接触して塞ぎ板をフィルタに接触しないように支持するので、塞ぎ板がフィルタに接触することを防ぐことができる。
したがって、塞ぎ板が誤って落下した時にフィルタに接触してフィルタが外れたり、損傷することを防止できる。
さらに、落下防止用の接触部は塞ぎ板から突出し、フィルタとは干渉しないので、落下防止部材の被接触部がフィルタよりも下方であったとしても接触部が被接触部に接触して塞ぎ板をフィルタに接触しないように支持できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の油捕集装置の実施の形態を示す正面図である。
図2図1に示す油捕集装置のA-A断面図である。
図3図1に示す油捕集装置のB-B断面図である。
図4】油捕集装置の底面視斜視図である。
図5】整流板が垂れ下った状態の油捕集装置の底面視斜視図である。
図6】塞ぎ板、フィルタ、落下防止部材を取り外した状態の油捕集装置の底面視斜視図である。
図7図2に示す油捕集装置のC部拡大図である。
図8図3に示す油捕集装置のD部拡大図である。
図9】取付手段の説明用斜視図である。
図10】取付手段の取り外した状態の斜視図である。
図11図7に示す油捕集装置のE部拡大図である。
図12】塞ぎ板の底面視斜視図である。
図13】ファンモータ取付用部材を縦向き姿勢とした状態の油捕集装置の底面視斜視図である。
図14】落下防止部材の上面視斜視図である。
図15】落下防止部材の底面を上側に向けた斜視図である。
図16図8に示す油捕集装置のF部拡大図である。
図17図8に示す油捕集装置のG部拡大斜視図である。
図18】逃げ凹部と手掛け部の部分を示す断面斜視図である
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の油捕集装置の実施の形態を図面に基づき説明する。
油捕集装置の全体構成を図1から図6に基づいて説明する。
油捕集装置1は、フード体10と送風機20と塞ぎ板30とフィルタ40と落下防止部材50を備え、レンジフードといわれるものである。油捕集装置はレンジフードに限ることはなく、油も捕集できる空気清浄機、コンビニなどのフライヤーの上方に設置しているフライヤーフード、工場などで飛散した油を捕集するオイルミスト除去装置などがある。
図1図2図3に示すように、フード体10は、フード11と送風機ボックス12を有し、フード11は横向き面部14と下向きの周面部15とで下向きに開口した凹形状で、油煙等を捕集するための捕集部16を有している。なお、下向きの周面部15を設けずに横向き面部14のみで捕集部16とすることもできる。油煙等とは、油分、煙、水分、空気などを含むものである。
【0029】
フード11に整流板17が横向き面部14と対向して横向きに設けてあり、捕集部16の開口側部を整流板17が覆い、図4に示すように塞ぎ板30、フィルタ40、落下防止部材50が目視されないようにしてある。
周面部15の内周面15aと整流板17の外周面17aとの間に隙間を有し、この隙間を通して油煙等が捕集部16に流入する。
図5に示すように、整流板17は垂れ下がった縦向きの姿勢とすることができ、これにより落下防止部材50、フィルタ40が目視できる。
図2に示すように、送風機ボックス12はフード11の横向き面部14と隣接するように設けてあり、送風機ボックス12は捕集した油煙等を送風機20まで流通するための煙道部材13を備え、捕集した油煙等を送風機20が吸い込むための吸い込み用空間部18を有している。つまり、横向き面部14は捕集部16と吸い込み用空間部18を仕切る仕切り面部である。
【0030】
横向き面部14の中央部分は上向きに凹み、その凹み部分14aの上面部に、捕集部16と吸い込み用空間部18を連通する第1開口部19が形成してある。
横向き面部14の第1開口部19を形成した部分は、油煙等が流入して流れる部分よりも高くなるようにしてある。
第1開口部19は、後に説明するファン22が通過可能な大きさである。
この実施の形態では、フード11は複数の板材により構成してあるが、これに限ることはない。
【0031】
フード体10は次のような構成とすることができる。
フード11と送風機ボックス12を一体とした構成のフード体。
フード11内を縦向き面部により捕集部16と吸い込み用空間部18に仕切り、縦向き面部に捕集部16と吸い込み用空間部18を連通する第1開口部19を形成した構成のフード体。この構成のフード体においては縦向き面部が仕切り面部である。
すなわち、フード体10は、捕集部16と、吸い込み用空間部18と、捕集部16と吸い込み用空間部18を仕切る仕切り面部と、仕切り面部に形成され捕集部16と吸い込み用空間部18を連通する第1開口部19を有する構成であればよい。
【0032】
図2に示すように、送風機20は、ケーシング21内に設けたファン22とファンモータ23を備え、ファンモータ23の回転軸24に、ファン22の軸挿入孔27が挿入され、回転軸24の先端部分に設けた着脱装置(図示せず)で外れないように固定して取り付けられ、ファン22はファンモータ23の回転軸24に着脱自在に取り付けられる。
送風機20はケーシング21とファン22が吸い込み用空間部18内に配置するように送風機ボックス12の煙道部材13に連通するように取り付けられ、ファン22が回転することで油煙等を吸い込み用空間部18内に吸い込み、吸い込み口25からケーシング21内に吸い込み、吐出口26から吐出し、図示しないダクトなどを通して屋外に排出する。
【0033】
各部材の詳細を説明する。
図7図8に示すように、塞ぎ板30、フィルタ40、落下防止部材50は、横向き面部14の凹み部分14a内に、油煙等の流通方向に間隔を空けて配置してある。この実施の形態では塞ぎ板30、フィルタ40、落下防止部材50は横向きに配置してあり、油煙等は下から上に流通する。
塞ぎ板30は第1開口部19の油煙等が流入する部分の大きさや形状を変更するものであり、塞ぎ板30には、捕集部16から吸い込み用空間部18へ流れる油煙等を遮断しないために、第2開口部31が形成してある。例えば、捕集部16を吸い込み用空間部18に第1開口部19を通して連通するための第2開口部31が形成してある。第2開口部31は第1開口部19よりも小さく、ファン22が通過できない大きさである。
塞ぎ板30は、フード11の横向き面部14における第1開口部19を形成した部分(凹み部分14a)に、第2開口部31の全てが第1開口部19と連通して捕集部16が吸い込み用空間部18に連通し、かつ第1開口部19の一部を覆うように取り付けられる。
【0034】
フィルタ40は、塞ぎ板30よりも油煙等の流通方向の上流側に設けられ、油煙等が通過することで油煙等の油分を捕獲する。この実施の形態ではフィルタ40は塞ぎ板30よりも下方の位置に設けてある。
落下防止部材50は、塞ぎ板30が落下した時に、塞ぎ板30がフィルタ40に接触することを防止する。
塞ぎ板30は、図6に示すように、形状が矩形状で、第1開口部19と略相似形状であり、塞ぎ板30の大きさは第1開口部19よりも大きい。略相似形状とは、塞ぎ板30と第1開口部19を同一のサイズとした時に8割以上一致するものをいう。
塞ぎ板30に形成した第2開口部31は円形状で、ファン22が通過できない大きさである。
【0035】
次に塞ぎ板30の取り付けについて説明する。
図7に示すように、塞ぎ板30における第2開口部31を境として対向した一方側(図7の右側)が、フード11の横向き面部14における第1開口部19を境として対向した一方側(図7の右側)に設けられる取付手段80により上下方向に回動自在に取り付けられている。
塞ぎ板30における第2開口部31を境として対向した他方側(図7の左側)と、フード11の横向き面部14における第1開口部19を境として対向した他方側(図7の左側)とにわたって、塞ぎ板30を後述する第1の状態である横向き姿勢に保持、保持解除する保持手段90が設けてある。
【0036】
これにより、塞ぎ板30は、フード11の横向き面部14に、一方側にある取付手段80を支点として横向き姿勢と縦向き姿勢とにわたって上下方向に回動可能に取り付けられる。
塞ぎ板30を横向き姿勢とすることで、塞ぎ板30は第2開口部31の全てが第1開口部19と連通し、かつ第1開口部19の一部を覆う第1の状態となり、第1開口部19の油煙等が流入する部分の大きさが元の大きさよりも小さくなり、第1開口部19の油煙等が流入する部分の形状は矩形から円形となる。縦向き姿勢とすることで、塞ぎ板30は第1開口部19を開放する第2の状態となり、第1開口部19の油煙等が流入する部分の大きさは元の大きさとなり、形状も元の形状となる。つまり、塞ぎ板30が第1の状態であると第1開口部19の油煙等が流入する部分の大きさが小さく、異なる形状に変更し、塞ぎ板30が第2の状態であると元の大きさ、形状となる。第1開口部19の油煙等が流入する部分の大きさとは、油煙等が流通する面積であり、実施の形態では第2開口部31を通して油煙等が第1開口部19に流れるので、第2開口部31が、第1開口部19の油煙等が流入する部分となる。
塞ぎ板30が第2の状態となることで、ファン22を第1開口部19から出し入れすることができる。
【0037】
フード体10が、先に述べたように捕集部16と吸い込み用空間部18を仕切る仕切り面部が縦向き面部とした構成であると、塞ぎ板30、フィルタ40、落下防止部材50が縦向きとなるから、塞ぎ板30が縦向き姿勢の時に第1の状態となり、横向き姿勢の時、又は横向き姿勢よりもさらに下方に回動した姿勢の時に第2の状態となるので、塞ぎ板30は第1の状態である姿勢と第2の状態である姿勢とにわたって上下方向に回動可能に取り付けられる。
【0038】
塞ぎ板30は、第1開口部19に嵌り合うように取り付けてもよい。この場合には第2開口部31は第1開口部19に連通することなく、捕集部16を吸い込み用空間部18に直接連通するので、塞ぎ板30は次のように取り付けられることになる。
塞ぎ板30は、捕集部16と吸い込み用空間部18とが連通し、かつ第1開口部19の一部を覆う第1の状態と、第1開口部19を開放する第2の状態とすることができるように取り付けられる。
【0039】
取付手段80は、図7に示すように、塞ぎ板30における第2開口部31を境として対向した一方側に設けた取付部81と、フード11の横向き面部14における第1開口部19を境として対向した一方側に設けた被取付部82を備えている。
図9図10に示すように、取付部81は塞ぎ板30の端部に一体的に設けた取付片83を有し、取付片83は塞ぎ板30と平行でかつ塞ぎ板30よりも一方側に張り出し、ガイド縦片85を有する。取付片83には上下面に貫通した矩形状の取付用孔84が形成してある。
【0040】
被取付部82は横向き面部14の第1開口部19寄りに形成した取付部挿通孔86と、取付部挿通孔86の第1開口部19と反対側の開口縁に一体的に設けた上向き鉤形状の外れ止め片87を備え、取付部挿通孔86に取付片83が挿通する。外れ止め片87は取付用孔84に嵌り合う。
塞ぎ板30を水平に対して一方側(取付部81を設けた側)が他方側よりも高くなるように斜めの姿勢とし、その姿勢で斜め上方に移動し、取付片83を斜めの姿勢で取付部挿通孔86に挿通する。この時ガイド縦片85が取付部挿通孔86に接して挿通のガイドの役目をする。
そして、取付片83の取付用孔84が外れ止め片87より上まで移動したら塞ぎ板30を水平姿勢として取付片83を横向き面部14に接触するとともに、取付用孔84を外れ止め片87に嵌め合せることで、取付部81を被取付部82に取り付ける。
【0041】
この状態では塞ぎ板30は横向き姿勢であり、この状態から塞ぎ板30が縦向き姿勢となると取付用穴84が外れ止め片87に接し、縦向き姿勢の塞ぎ板30が外れないように支持する。
塞ぎ板30を取り外す場合には、縦向き姿勢の塞ぎ板30を上に移動して取付片83を外れ止め片87よりも上方とし、その状態で塞ぎ板30を横に移動して取付片83を外れ止め片87よりも取付片挿通孔86側とし、塞ぎ板30を下に移動して取付片83を取付片挿通孔86から抜き出して取り外す。
したがって、塞ぎ板30を簡単に横向き姿勢、縦向き姿勢とすることができると共に、塞ぎ板30を簡単に取り付け、取り外しすることができる。
【0042】
保持手段90は、図11に示すように、塞ぎ板30における第2開口部31を境として対向した他方側に設けた保持部91と、フード11の横向き面部14における第1開口部19を境として対向した他方側に設けた被保持部92を備えている。
保持部91は磁石に吸着する部材である。塞ぎ板30は磁石に吸着する材料で構成され、全体が磁石に吸着する部材であるので磁石に吸着する部材を設ける必要がないが、塞ぎ板30が磁石に吸着しない材料で構成されている場合は磁石に吸着する部材を設ける。なお、保持部91を磁石としてもよい。
被保持部92は磁石93に鉄片94を設けたもので、鉄片94が保持部91を吸着する。被保持部92は磁石のみとしてもよい。保持部91が磁石の場合には被保持部92を磁石に吸着する部材とすることができる。
【0043】
縦向き姿勢の塞ぎ板30を上方に回動して横向き姿勢とすると鉄片94が保持部91(塞ぎ板30の一部)を吸着して保持し、塞ぎ板30を横向き姿勢として第1の状態で保持することができる。
塞ぎ板30を下方に移動することで鉄片94と保持部91の吸着を解除して保持手段90の保持を解除することができ、塞ぎ板30を縦向き姿勢に回動して第2の状態とすることができる。
したがって、保持部91を鉄片94(被保持部92)に吸着、離隔、つまり保持手段90による保持、保持解除して塞ぎ板30を上下に回動するとの簡単な操作で、塞ぎ板30を第1の状態、第2の状態とすることができるから、第1の状態と第2の状態への変更が容易にできる。
取付手段80はヒンジなどの取り外しができないものなどでもよい。保持手段90はねじ、ラッチなどでもよい。
【0044】
塞ぎ板30の取り付けはこの構成に限ることはなく、塞ぎ板30の第2開口部31を境として対向した一方側と他方側を磁石、またはボルトなどの保持部材でフード11の仕切り面部14における第1開口部19を境として対向した一方側と他方側に保持、保持解除可能に保持して取り付け、取り外しできるようにしてもよい。
この取り付け構成であれば、取り付けた状態が第1の状態で、取り外した状態が第2の状態である。
【0045】
図12に示すように、塞ぎ板30における第2開口部31を境として対向した他方側(取付部81を設けた側と反対側)には接触部32が設けてある。この接触部32は塞ぎ板30の下面30aよりも下方に突出し、手で持つことができる形状で、塞ぎ板30を取り付け、取り外しをする時、上下に回動する時に取手として利用できる。塞ぎ板30の下面30aは、油煙等の流通方向の上流側に向かう面、つまり上流側面である。
したがって、塞ぎ板30の取り付け、取り外し、上下回動の操作がやり易い。
この接触部32はフィルタ40の外側に位置し、フィルタ40とは干渉しない。
塞ぎ板30の4つの角部は平面方向内側(第2開口部31)に向けて円弧形状に凹み、逃げ凹部33としてある。
この逃げ凹部33は、後に述べるように落下防止部材50を取り外す際に機能する。
【0046】
図8に示すように、落下防止部材50は、塞ぎ板30が第1の状態の時に接触部32と対向する被接触部50aを有し、第1の状態から保持が解除された塞ぎ板30が落下した時に塞ぎ板30がフィルタ40に接触する以前に接触部32が被接触部50aに接触し、塞ぎ板30がフィルタ40に接触するまで落下しないように支持する。つまり、接触部32の先端と落下防止部材50の横板51(落下防止部材50の被接触部50a)との距離は塞ぎ板30の下面30aとフィルタ40の上面40aとの距離より短く構成してある。
したがって、塞ぎ板30の保持が外れたりして誤って塞ぎ板30が落下した時に、塞ぎ板30がフィルタ40に接触してフィルタ40が外れたり、損傷することを防止できる
なお、接触部32の先端が横板51と接触して距離が0となるようにしてもよい。
【0047】
接触部32は塞ぎ板30から突出し、フィルタ40とは干渉しないので、落下防止部材50の被接触部50aがフィルタ40よりも下方であったとしても接触部32が被接触部50aに接触して、塞ぎ板30がフィルタ40に接触しないように支持できる
なお、図8に示すように、塞ぎ板30が第1の状態の時に接触部32と被接触部50aは離隔して接触していないが、接触部32と被接触部50aが接触するようにしてもよい。
つまり、第1の状態から保持が解除された塞ぎ板30がフィルタ40に接触する以前に接触部32が被接触部50aに接触するようにすればよい。
【0048】
また、塞ぎ板30の一方側が取付手段80により第1の状態である姿勢と第2の状態である姿勢にわたり上下方向に回動自在に取り付けられ、塞ぎ板30の他方側に接触部32が設けてあるので、塞ぎ板30が第1の状態である姿勢で保持手段90により保持されている時に接触部32が被接触部50aと接触している場合には、塞ぎ板30の上下方向に回動する他方側を接触部32と被接触部50aにより下方に動かないように支持するので、塞ぎ板30の自重などにより塞ぎ板30が垂れ下がることがなく、垂れ下がりにより塞ぎ板30がフィルタ40に接触して外れたり、破損することを防止できる。
【0049】
また、塞ぎ板30が第1の状態である姿勢で保持手段90により保持されている時に接触部32が被接触部50aと離隔している場合には、保持手段90の保持が解除されて塞ぎ板30が下方に回動しながら落下した際の塞ぎ板30の下方への移動距離は、保持手段90で保持されていた他方側が最も長いので、接触部32を塞ぎ板30の他方側に設けたことにより、塞ぎ板30の下方への移動距離が接触部32の高さ分短くなるため、接触部32が被接触部50aに接触するまでの塞ぎ板30の下方への回動角度が小さく、塞ぎ板30がフィルタ40に接触する可能性を下げることができる。
【0050】
実施の形態では塞ぎ板30に接触部32を設けたが、接触部32を設けずに塞ぎ板30が落下防止部材50に接触し、塞ぎ板30がフィルタ40に接触しないようにしてもよい。
つまり、落下防止部材50は、第1の状態から保持手段90による保持が解除された塞ぎ板30が、フィルタ40に接触する以前に接触して塞ぎ板30がそれ以上落下しないように支持するもので有ればよい。
【0051】
次にフィルタ40について説明する。
図6に示すように、フィルタ40は、形状が円形状で、大きさは第2開口部31よりも大きい。
なお、第2開口部31とフィルタ40の形状を矩形状などの円形以外とし、大きさをフィルタ40が第2開口部31よりも大きくしてもよい。つまり、フィルタ40の形状と第2開口部31の形状を略相似形状とし、フィルタ40の大きさを第2開口部31の大きさよりも大きくすればよい。略相似形状とは、フィルタ40と第2開口部31を同一のサイズとした時に8割以上一致するものをいう。
この構成とすれば、油煙等がフィルタ40を通過せずに第2開口部31に流れることが抑制されるので、フィルタ40による油煙等の油分の捕獲効率を維持することができる。
【0052】
図6図7図8に示すように、フィルタ40は、内側部分に多数のスリット状の通気孔41から成る通気部42を有し、外周側部分は非通気部43としてある。なお、図6においては通気孔41が小さいので通気部42は黒く図示されている。
通気部42の大きさ(最も外周側部分42aの大きさ)は第2開口部31の大きさよりも大きい。
この構成であれば、送風機20からの吸い込む力は、吸い込み用空間部18、第1開口部19、第2開口部31、フィルタ40の通気部42を通して捕集部16まで伝わるので、送風機20からの吸い込む力を最も妨げることなく捕集部16まで伝えることが可能で、吸い込む力を有効利用して油煙等を送風機20により吸い込むことができる。つまり、通気部42の大きさが第2開口部31の大きさよりも小さいと、フィルタ40の非通気部43が捕集部26に伝わる吸い込み力の妨げとなる。
【0053】
次にフィルタ40の取り付けについて説明する。
図7に示すように、フィルタ40は、フィルタモータ60の回転軸61に着脱自在に取り付けられ、フィルタ40と塞ぎ板30は離隔し、フィルタ40の上面40aと塞ぎ板30の下面30aとの間には隙間があり、かつ平行で、フィルタ40をフィルタモータ60により回転することができる。フィルタ40の上面40aとは油煙等の流通方向の下流側に向かう面、つまり下流側面である。
この構成によれば、フィルタ40が回転するので、油煙等の油分を効率よく捕獲できる。
また、塞ぎ板30は、フィルタ40が回転軸61から取り外された状態では第1の状態と第2の状態とすることができるが、フィルタ40が回転軸61に取り付けられた状態ではフィルタ40が邪魔となり、第1の状態、第2の状態とすることができない。
【0054】
したがって、フィルタ40が取り付けられた状態では、塞ぎ板30を第1開口部19が開放した第2の状態にできず、塞ぎ板30を第2の状態とするにはフィルタ40を取り外さなければならないので、ファン22をフード体1から取り出した後にファン22を再びファンモータ23の回転軸24に取り付ける時には必ずフィルタ40が取り外された状態であり、フィルタ40を取り付ける際に塞ぎ板30の有無を目視確認できるから、塞ぎ板30を第1の状態とせずにフィルタ40を取り付けて油捕集装置1を運転してしまうことを確実に防止できる。つまり、塞ぎ板30が第1の状態でないと多くの油煙等がフィルタ40を通過せずに第1開口部19に流れ、油分の捕獲が不充分な油煙等が吸い込み用空間部18に流入して送風機20で排出されることがある。
【0055】
また、フィルタ40は第1の状態である塞ぎ板30と離隔して設けられ、フィルタ40と塞ぎ板30は第1の状態において平行である。
したがって、フィルタ40が回転する際に塞ぎ板30に触れたりすることがなく、フィルタ40をスムーズに回転できる。
また、フィルタ40と塞ぎ板30との間の距離を均一にすることができ、フィルタ40と塞ぎ板30の間を流れるフィルタ40を通過した油煙等に乱れが生じて第2開口部31よりも外側に流れにくく、フィルタ40を通過した油煙等はスムーズに第2開口部31に流れる。
【0056】
次にフィルタモータ60の取り付けを説明する。
図6図7図13に示すように、フード体1、例えば送風機ボックス12にフィルタモータ取付用部材62が、第1開口部19を跨ぐように取り付けてある。このフィルタモータ取付用部材62にフィルタモータ60が吸い込み用空間部18に臨むように取り付けてあり、回転軸61はフィルタモータ取付用部材62、第1開口部19、第2開口部31を通して塞ぎ板30よりも上流側(下方)に突出している。
フィルタ40は回転軸61の突出部に、ファン22と同様に着脱自在に取り付けてある。
この構成によれば、フィルタ40と塞ぎ板30との間に回転軸61以外のフィルタモータ60が存在しないので、塞ぎ板30とフィルタ40の間隔を狭くしてフィルタ40による油煙等の油分の捕獲効率を向上できる。
【0057】
この構成に限ることはなく、フィルタモータ60をフィルタモータ取付用部材62に、フィルタモータ60の一部が塞ぎ板30の第2開口部31から下流側(下方)に突出するように取り付けてもよい。つまり、フィルタモータ60の少なくとも一部が塞ぎ板30よりも下流側に突出するように取り付ければよい。
回転軸61は塞ぎ板30よりも下方に突出しているので、フィルタ40の着脱が容易である。
なお、回転軸61を塞ぎ部板30よりも下方に突出させずに、フィルタ40の回転軸取付部をフィルタ40の上面40aよりも上方に突出した形状とし、フィルタ40を回転軸61に取り付けてもよい。
【0058】
フィルタモータ取付用部材62は、一対の幅狭長尺部と複数の幅狭短尺部とで長尺方向両側部に開口窓63を有した長尺幅狭な桟形状で、長尺方向一端部が送風機ボックス12に上下方向に回動可能に取り付けられ、他端部が送風機ボックス12に着脱自在に取り付けられる。取り付け操作は第1開口部19から手を入れて次のように行うことができる。
塞ぎ板30を第2の状態とすることでフィルタモータ取付用部材62の他方側を固定しているねじの頭部(図示せず)が目視でき、第1開口部19の下側(上流側)から工具を入れてねじを弛めて外すことで固定を解除する。この後に、第1開口部19に手を入れてフィルタモータ取付用部材62を下方に回動して垂れ下げる。
フィルタモータ取付用部材62は第1開口部19を跨ぐ横向きの取付姿勢と、第1開口部19から下方に垂れ下がった縦向きで、ファン22を第1開口部19を通して出し入れする時に干渉しない取り出し姿勢とに亘って回動可能に取り付けてある。フィルタモータ取付用部材62を回動するときにフィルタモータ60が第1開口部19に干渉しないようにしてある。
【0059】
フィルタモータ取付用部材62の回動方向は塞ぎ板30の回動方向と90度異なる。つまり、塞ぎ板30は横向き面部14における第1開口部19を境として対向した方向に回動するが、フィルタモータ取付用部材62は横向き面部14における第1開口部19を境として、先に述べた方向と90度異なる方向に回動する。
この構成により、縦向き姿勢の塞ぎ板30と取り出し姿勢のフィルタモータ取付用部材62が干渉することがない。
なお、先に述べたように仕切り面部が縦向き面部であるフード体10であれば、フィルタモータ取付用部材62が縦向きの時が取付姿勢で、横向き姿勢の時、又は横向き姿勢よりもさらに下方に回動した姿勢の時が取り出し姿勢となる。
【0060】
図12に示すように、塞ぎ板30は、第2開口部31を跨ぐようにカバー部34を有し、このカバー部34はフィルタモータ取付用部材62と同様な形状、大きさで、塞ぎ板30が第1の状態のときにフィルタモータ取付用部材62を覆うようにしてある。
この構成によれば、フィルタ40を通過した油煙等がフィルタモータ取付用部材62に当たることがなく、フィルタ40で捕獲しきれなかった油分や水分などがフィルタモータ60やフィルタモータ取付用部材62に付着しないので、電器部品であるフィルタモータ60が油分や水分が付着することで故障等することを防止できる。
カバー部34は油煙等が流れる流通用窓35を有し、この流通用窓35を流れた油煙等はフィルタモータ取付用部材62の開口窓63を通して吸い込み用空間部18に流れるので、カバー部34、フィルタモータ取付用部材62が油煙等の流れの抵抗となることが低減する。
【0061】
次に落下防止部材50について説明する。
図14図15に示すように、落下防止部材50は、矩形状の横板51と、横板51に形成した円形状の開口部52と、横板51の外周に沿って上向きに設けられた矩形状の上向きの外周側立上り板53と、開口部52に沿って上向きに設けられた円形状の内周側立上り板54とで上向きに開口した凹陥形状の油溜め部55を有する形状で、落下防止部材50は油捕集部材の機能を有する。
横板51の上面が油溜め部55の底面で、外周側立上り板53の内側面が油溜め部55の外周側面で、内周側立上り板54の内側面が油溜め部55の内周側面であり、底面と外周側面と内周側面とで油溜め部55の内面を構成する。
外周側立上り板53の角部の上部は下側(横板51側)に向けて円弧状に湾曲し、手を掛け易い形状で、手掛け部56としてある。
落下防止部材50(横板51)の大きさは塞ぎ板30の大きさよりも大きく、開口部52の大きさはフィルタ40の大きさよりも小さい。内周側立上り板54は横板51と連続した下部の径が上部の径よりも大きな截頭円錐形で、上部の径の大きさはフィルタ40の大きさよりも小さい。
【0062】
図7図8に示すように、落下防止部材50は横向き面部14の凹み部分14aに、フィルタ40よりも下方に設けてあり、フィルタ40から滴下した油分、塞ぎ板30から滴下した油分などを落下防止部材50の油溜め部55で受けて溜めることができる。
このように落下防止部材50は油捕集部材の機能を有するので、油捕集部材を別に設けなくてもよいので、部品点数を削減できるため安価に生産できる。
つまり、フィルタ40で油煙等の油分を捕獲するようにした油捕獲装置においては、フィルタ40が捕獲した油分が滴下して周囲を汚すので、フイルタ40の下方に油捕集部材を設けているが、落下防止部材50が油捕集部材の機能を有するので、油捕集部材を別に設ける必要がない。
【0063】
図8に示すように、塞ぎ板30に設けた接触部32は、塞ぎ板30が第1の状態の時に落下防止部材50の横板51の上面、つまり油溜め部55の底面と対向し、第1の状態から保持が解除され塞ぎ板30が落下した時に、接触部32は油溜め部55の底面に接触し、横板51の上面が被接触部50aである。
したがって、塞ぎ板30の接触部32から滴下した油分を落下防止部材50の油溜め部55に貯めることができる。また、接触部32を受け止めるための専用の構造を設ける必要がなく、生産の容易な構造とすることができる。
なお、接触部32は横板51の上面(油溜め部55の底面)に限らず、外周側立上り板53の内側面(油溜め部55の外周側面)、内周側立上り板54の内側面(油溜め部55の内周側面)に接触するようにしてもよい。つまり、接触部32が接触する被接触部50aは油溜め部55の内面とすることができる。
【0064】
落下防止部材50の横板51における接触部32と対向した部分を上向き凸部とし、その上向き凸部を落下防止部材50の被接触部50aとすることができる。横板51を加工して上向き凸部としてもよいし、凸状部材を横板51に固定して上向き凸部としてもよい。
この構成とすることで、油溜め部55に溜まった油分の高さが上向き凸部の上部よりも低ければ、上向き凸部の上部に接触部32の先端が接触した状態で接触部32が油溜め部55に溜まっている油分に触れることがないので、接触部32に油分が付着することがなく、接触部32を取手として利用する時に油分で手を汚すことがない。
【0065】
図7図8に示すように、塞ぎ板30の第2開口部31の周部分は、落下防止部材50の内周側立上り板54の内側面、つまり油溜め部55の内周側面に油溜め部の内側面よりも外側の位置(外周側立上り板53寄りの位置)で対向し、塞ぎ板30の外周は、落下防止部材50の外周側立上り板53の内側面、つまり油溜め部55の外周側面に油溜め部の外周側面よりも内側の位置(内周側立上り板54寄りの位置)で対向しているので、塞ぎ板30の下方に落下防止部材50の油溜め部55が位置している。つまり、図7図8において下から上を見たときに塞ぎ板30は落下防止部材50の油溜め部55で覆われている。
【0066】
この構成によれば、捕集部16に流入した油煙等の一部の油分は塞ぎ板30に付着し、塞ぎ板30に付着した油分はフィルタ40と、フィルタ40よりも外側に滴下するが、フィルタ40に滴下した油分はフィルタ40を経由して落下防止部材50に落下して油溜め部55に溜まり、フィルタ40よりも外側に滴下した油分は直接に落下防止部材50に落下して油溜め部55に溜まるので、塞ぎ板30に付着した油分は落下防止部材50の油溜め部55に溜まり、フード11から滴下することを防止することができる。
したがって、塞ぎ板30に付着した油分が滴下すると、油溜め部55に落下して溜まるので、油溜め部55で捕集できる。
【0067】
図8に示すように、塞ぎ板30が第1の状態の時に、塞ぎ板30と落下防止部材50(横板51)は平行で、塞ぎ板30の第2開口部31を境として対向し、接触部32を設けた他方側と落下防止部材50の開口部52を境として対向した他方側との距離L1、つまり、塞ぎ板30の接触部32がある位置における塞ぎ板30の下面30aと落下防止部材50の他方側における横板51の上面との距離L1と、塞ぎ板30の第2開口部31を境として対向し、取付手段80を設けた一方側と落下防止部材50の開口部52を境として対向した一方側との距離L2、つまり塞ぎ板30の一方側の下面30aと落下防止部材50の一方側における横板51の上面との距離L2とは同じであるが、塞ぎ板30が第1の状態の時に、塞ぎ板30の接触部32を設けた他方側と落下防止部材50の他方側との前述した距離L1が、塞ぎ板30の取付手段80を設けた一方側と落下防止部材50の一方側との前述した距離L2よりも短くなる構成としてもよい。
【0068】
例えば、塞ぎ板30の他方側を段差をつけて下方に折り曲げることで、塞ぎ板30の他方側が一方側よりも下方とすることで、塞ぎ板30の一方側と落下防止部材50が平行な状態で前述した距離L1を前述した距離L2よりも短くする。
または、落下防止部材50の横板51の他方側に段差をつけて上方に折り曲げることで、横板51の他方側が一方側よりも上方となるようにすることで前述した距離L1が前述した距離L2よりも短くする。
上記の両方を行うことで前述した距離L1を前述した距離L2よりも短くする。
さらには、横向き面部14を第1開口部19を境とした他方側が一方側よりも低くなるように斜めとし、横向き面部14に取り付けた塞ぎ板30が斜めとなるようにして、前述した距離L1が前述した距離L2よりも短くする。
【0069】
この構成とすることで、塞ぎ板30が第1の状態の時に接触部32と被接触部50aとの距離を短くして、接触部32が被接触部50aに接触する時の塞ぎ板30の落下速度を遅くでき、接触した時に落下防止部材50が受ける衝撃を小さくできる。
したがって、落下防止部材50の取り付け強度を接触の衝撃を考慮して過剰に強くする必要がなく、落下防止部材50の取り付けを容易にできる。
【0070】
塞ぎ板30の重量は落下防止部材50の重量よりも軽くなるようにしてある。
これにより、接触部32が被接触部50aに接触した時の衝撃を小さくして落下防止部材50の取り付けを容易にできる。
つまり、塞ぎ板30と落下防止部材50の合計重量が同じ場合、塞ぎ板30の重量が軽いほうが、接触部32が被接触部50aに接触した時に落下防止部材50が受ける衝撃が小さいので、塞ぎ板30の重量を落下防止部材50の重量よりも軽くすることで、落下防止部材50の取り付け強度が弱くてすむため、落下防止部材50の取り付けを容易にできる。
【0071】
次に落下防止部材50の取り付けについて説明する。
図8図14に示すように、落下防止部材50の外周側立上り板53における開口部52を境として対向した一方側(図8の右側、図14の斜め右上側)に引掛け部57が設けられ、他方側(図8の左側、図14の斜め左下側)には係止部58が設けてある。
図8に示すように、フード11の横向き面部14における第1開口部19を境として対向した一方側(図8の右側)に被引掛け部70が設けられ、他方側(図8の左側)に被係止部71が設けてある。
落下防止部材50の引掛け部57を被引掛け部70に引掛け、係止部58を被係止部71に係止することで落下防止部材50を横向き面部14に取り付ける。
【0072】
図16に示すように、引掛け部57は落下防止部材50の外周側立上り板53の一部分を折り曲げ加工して形成され、横板51と連続し上下方向に円弧状に湾曲した下凹部57aと、下凹部57aの上部と連続して上下方向に円弧状に湾曲した中間凸部57bと、中間凸部57bの上部と連続して上下方向に円弧状に湾曲した上凹部57cとで波形形状の引掛け面を有する。
被引掛け部70は横向き面部14にビス72で固着してある。被引掛け部70は、上下方向に円弧状に湾曲した下凸面70aと、下凸面70aの上部と連続し上下方向に円弧状に湾曲した中間凹面70bと、中間凹面70bの上部と連続し上下方向に円弧状に湾曲した上凸面70cとで波形形状の被引掛け面を有し、その被引掛け面の形状は引掛け部57の引掛け面の形状と対称で、被引掛け面に引掛け面が接するように引っ掛けることで落下防止部材50の一方側を落下しないように支持する。なお、横向き面部14の一部分を波形形状に加工して被引掛け部70とすることもできる。
【0073】
図17に示すように、係止部58は外周側立上り板53の上下方向中間部を円弧形状に凹ませた係止凹部59としてある。
被係止部71は、ばね材73を山形の被係止片74を有する形状に折り曲げ加工したもので、ばね材73を横向き面部14に固定して取り付けてある。被係止片74は、先端部が係止凹部59に嵌り込んで係合することで、落下防止部材50の他方側を落下しないように支持する係合姿勢に保持され、外力が加わることで係合が解除する係合解除姿勢に弾性変形し、外力がなくなると係合姿勢に弾性復元する。
この構成であれば、落下防止部材50を次のようにして簡単に取り付け、取り外しができる。
【0074】
落下防止部材50を、引掛け部57を設けた一方側が上となるように水平に対して斜めの姿勢としてフード11内に入れ、引掛け部57の下凹部57aを被引掛け部70の下凸部70aに接して落下防止部材50の引掛け部57を設けた一方側を被引掛け部70で仮支持する。
この状態で落下防止部材50の係止部58を設けた他方側を、仮支持部分を支点として上方に移動することで、引掛け部57の波形形状の引掛け面が非引掛け部70の波形形状の被引掛け面に沿って滑りながら上方に移動し、外周側立上り板53の他方側上部が被係合片74に接して係合解除姿勢に弾性変形させる。
【0075】
落下防止部材50をさらに上方に移動して落下防止部材50が水平姿勢となると、係止凹部59が被係合片74の先端部に到達して被係合片74が係合姿勢に弾性復元し、被係合片74が係止凹部59に嵌り込んで係合し、落下防止部材50の他方側を支持する。
これと同時に引掛け部57の下凹部57a、中間凸部57b、上凹部57cが、被引掛け部70の下凸面70a、中間凹部70b、上凸部70cにそれぞれ嵌り合うように引っ掛かり、落下防止部材50の一方側を支持し、落下防止部材50を取り付けることができる。
【0076】
落下防止部材50を取り外す時は、手掛け部56に手をかけて落下防止部材50の他方側を下方に移動することで、被係合片74が係合解除姿勢に弾性変形して係合凹部59と被係合片74との係合が解除し、引掛け部57の引掛け面が被引掛け部70の被引掛け面を滑りながら外れることで、落下防止部材50を取り外すことができる。
図18に示すように、塞ぎ板30が第1の状態に姿勢であると、落下防止部材50の手掛け部56が塞ぎ板30の逃げ凹部33と対向するので、手掛け部56に手をかけて落下防止部材50を取り外しする際に、手掛け部56に掛けた手は塞ぎ板30の逃げ凹部33と対向し、塞ぎ板30に手を掛けることができないので、落下防止部材50の取り外し時に誤って塞ぎ板30に手を掛けて塞ぎ板30を取り外すことを防ぐことができる。
【0077】
落下防止部材50の取り付けはこの構成に限ることはなく、例えば、ビスなどにより着脱可能に取り付けたり、磁石を利用して取り付けることができる。
落下防止部材50は油溜め部55を有するものに限ることはなく、塞ぎ板30が第1の状態から落下した時に塞ぎ板30、または接触部32が接触してフィルタ40に接触しないようにするものであれば良い。
以上の実施の形態では、塞ぎ板30は第1開口部19の大きさを変更してフィルタ40を小型化するために用いているが、これに限ることはなく他の目的のために塞ぎ板30を用いることもできる。
【符号の説明】
【0078】
1…油捕集装置、10…フード体、11…フード、12…送風機ボックス、13…カバー体、14…横向き面部(仕切り面部)、15…周面部、16…捕集部、17…整流板、18…吸い込み用空間部、19…第1開口部、20…送風機、22…ファン、23…ファンモータ、24…回転軸、30…塞ぎ板、31…第2開口部、32…接触部、33…逃げ凹部、40…フィルタ、50…落下防止部材、50a…被接触部、51…横板、52…開口部、53…外周側立上り板、54…内周側立上り板、55…油溜め部、57…引掛け部、58…係止部、60…フィルタモータ、61…回転軸、62…フィルタモータ取付用部材、70…被引掛け部、71…被係止部、80…取付手段、81…取付部、82…被取付部、90…保持手段、91…保持部、92…被保持部。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18