IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社アメイズプラスの特許一覧

<>
  • 特開-身体鍛錬器具 図1
  • 特開-身体鍛錬器具 図2
  • 特開-身体鍛錬器具 図3
  • 特開-身体鍛錬器具 図4
  • 特開-身体鍛錬器具 図5
  • 特開-身体鍛錬器具 図6
  • 特開-身体鍛錬器具 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095135
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】身体鍛錬器具
(51)【国際特許分類】
   A63B 22/16 20060101AFI20240703BHJP
【FI】
A63B22/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022212195
(22)【出願日】2022-12-28
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年12月23日 ウェブサイト(アドレス:https://item.rakuten.co.jp/ibiki-kenkyujyo/az-823/)にて公開 令和4年12月23日 ウェブサイト(アドレス:https://item.rakuten.co.jp/ko4153/az-823/)にて公開 令和4年12月23日 ウェブサイト(アドレス:https://store.shopping.yahoo.co.jp/gymterior/az823.html)にて公開 令和4年12月23日 ウェブサイト(アドレス:https://store.shopping.yahoo.co.jp/ibiki-kenkyujyo/az823.html)にて公開 令和4年12月23日 ウェブサイト(アドレス:https://www.amazon.co.jp/dp/B0BQXMWWYS/ref=emc_bcc_2_i)にて公開 令和4年12月23日 ウェブサイト(アドレス:https://www.amepla.jp/f/balance-box)にて公開 令和4年12月23日 ウェブサイト(アドレス:https://www.ametore.jp/c/gymterior/823)にて公開 令和4年12月28日 ウェブサイト(アドレス:https://www.instagram.com/amepla_/及びhttps://www.instagram.com/p/CmtEw7SPxbi/)にて公開 令和4年11月17日(公開期間11月17日~18日) トガル株式会社において公開
(71)【出願人】
【識別番号】511292817
【氏名又は名称】株式会社アメイズプラス
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 強
(74)【代理人】
【識別番号】100161230
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 雅博
(72)【発明者】
【氏名】八木 千尋
(72)【発明者】
【氏名】吉田 有輝也
(57)【要約】
【課題】取り扱いを容易としながら、比較的安定した状態でエクササイズすることができる身体鍛錬器具を提供する。
【解決手段】身体鍛錬器具は、袋状に形成され、内部に空気が充填されることにより膨らんだ状態で用いられる本体部11を備える。本体部11は、上下方向に延びる筒状部15と、筒状部15の下端開口を塞いで設けられ、床上に載置される載置部16と、筒状部15の上端開口を塞いで設けられ、ユーザが着座可能な座部17とを有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋状に形成され、内部に空気が充填されることにより膨らんだ状態で用いられる本体部を備え、
前記本体部は、
上下方向に延びる筒状部と、
前記筒状部の下端開口を塞いで設けられ、床上に載置される載置部と、
前記筒状部の上端開口を塞いで設けられ、ユーザが着座可能な座部とを有する、身体鍛錬器具。
【請求項2】
前記筒状部の内部を上下に仕切るように配置され、周縁部が前記筒状部に接続された補強部を備える、請求項1に記載の身体鍛錬器具。
【請求項3】
前記補強部には、開口部が形成され、
前記補強部は、前記開口部を囲む環状に形成されている、請求項2に記載の身体鍛錬器具。
【請求項4】
前記筒状部の内側には、前記載置部と前記座部とを上下に繋ぐとともに前記開口部を通じて配置された柱部が設けられている、請求項3に記載の身体鍛錬器具。
【請求項5】
前記柱部として、前記筒状部の中央部に設けられた筒状の第1柱部と、前記第1柱部を囲んで設けられ前記補強部に接続された筒状の第2柱部とを備える、請求項4に記載の身体鍛錬器具。
【請求項6】
前記筒状部は、四角筒状をなし、
前記座部及び前記載置部は、平面視にて四角形状とされ、
前記筒状部は、周方向で見て、前記補強部と接続された接続部と、前記補強部と接続されていない非接続部とを有しており、
前記非接続部は、前記筒状部の各隅部に配置されている、請求項2乃至5のいずれか一項に記載の身体鍛錬器具。
【請求項7】
前記本体部には、空気を注入するための注入口が設けられ、
前記本体部に被せられるカバーを備え、
前記カバーには、その内部に前記本体部を出し入れするための開口が設けられ、
前記本体部に前記カバーが被せられた状態で、前記注入口は前記本体部における前記開口寄りの位置に配置される、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の身体鍛錬器具。
【請求項8】
前記カバーは、前記載置部を覆う下カバー部と、前記座部を覆う上カバー部と、前記筒状部を覆う側面カバー部とを有して形成され、
前記下カバー部は、開閉可能な開閉部とされ、
前記開閉部が開かれることにより、前記カバーに下方に開口する前記開口が形成され、
前記注入口は、前記載置部に配置されている、請求項7に記載の身体鍛錬器具。
【請求項9】
前記上カバー部と前記側面カバー部とを含んでカバー本体が形成され、
前記開閉部を形成するシート材は、前記カバー本体を形成するシート材よりも高強度とされている、請求項8に記載の身体鍛錬器具。
【請求項10】
前記開閉部の下面には滑り止め部が設けられている、請求項8に記載の身体鍛錬器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、身体鍛錬器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、健康器具としてバランスボールが知られている(例えば特許文献1参照)。バランスボールは、内部にエアが充填されることにより膨張した状態で用いられる球体である。ユーザは、このバランスボールに座って腰を揺動させたり回したりする等のエクササイズを行うことが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3207452号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、バランスボールは転がり易く、不安定である。また、バランスボールの転がりを防止するため、バランスボールを下方から支持する支持部材等を別途設けることも考えられるが、その場合、取り扱いが煩雑になってしまう。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、取り扱いを容易としながら、比較的安定した状態でエクササイズすることができる身体鍛錬器具を提供することを主たる目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべく、本発明の身体鍛錬器具は、
袋状に形成され、内部に空気が充填されることにより膨らんだ状態で用いられる本体部を備え、
前記本体部は、
上下方向に延びる筒状部と、
前記筒状部の下端開口を塞いで設けられ、床上に載置される載置部と、
前記筒状部の上端開口を塞いで設けられ、ユーザが着座可能な座部とを有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、内部に空気が充填され膨らんだ状態で用いられる袋状の本体部が、上下に延びる筒状部と、筒状部の下端開口を塞いで設けられる載置部と、筒状部の上端開口を塞いで設けられる座部とを有している。本体部は、載置部が床上に載置されることにより設置される。この場合、本体部を床上で転がることのない状態で設置することができる。そのため、ユーザが座部の上に座って腰部を揺動させる等のエクササイズを行う際、比較的安定した状態でエクササイズすることができる。また、バランスボールの場合と異なり、転がり防止用の部材を別途設けなくてよいため、取り扱いを容易としながら、上記の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】(a)が身体鍛錬器具を斜め上方から見た斜視図であり、(b)が身体鍛錬器具を斜め下方から見た斜視図である。
図2】カバーから本体部を取り外した状態を斜め下方から見た斜視図である。
図3】(a)が本体部の側面図であり、(b)が本体部の平面図である。
図4図3(a)のA-A線断面図である。
図5図3(a)のB-B線断面図である。
図6】身体鍛錬器具を用いてエクササイズする様子を示す図である。
図7】本体部に空気を充填する様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明を具体化した一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0010】
図1(a)、(b)及び図2に示すように、身体鍛錬器具10は、直方体状に形成され、詳しくは立方体形状とされている。身体鍛錬器具10は、その上にユーザが座って腰部を揺動させたり回したりする等のエクササイズを行うための器具である(図6参照)。身体鍛錬器具10は、本体部11と、本体部11に被せられるカバー12とを備える。本体部11は、袋状に形成され、内部に空気が充填されることにより膨張した状態で用いられる。また、本体部11は、その形状(外観形状)が直方体形状とされ、詳しくは立方体形状とされている。
【0011】
続いて、本体部11の構成について図3図5に基づき説明する。
【0012】
図3図5に示すように、本体部11は、上下方向に延びる四角筒状の筒状部15と、筒状部15の下端開口を塞いで設けられ床上に載置される載置部16と、筒状部15の上端開口を塞いで設けられ着座可能とされた座部17とを有する。載置部16及び座部17は、平面視にて四角形状とされ、詳しくは平面視にて正方形状とされている。載置部16と座部17とは、上下に対向して配置されている。
【0013】
本体部11は、可撓性を有する樹脂材料により形成され、例えばポリ塩化ビニル(PVC)により形成されている。詳しくは、本体部11を構成する筒状部15、載置部16及び座部17はいずれも可撓性を有する樹脂製(PVC製)のシート材により形成されている。本体部11は、これら各部15~17が溶着又は接着により接合されることで袋状に形成されている。
【0014】
載置部16には、本体部11の内部に空気を注入するための注入口19(図2も参照)が設けられている。注入口19は、載置部16の隅部に配置されている。本実施形態では、本体部11に注入口19が一つだけ設けられている。但し、本体部11に注入口を複数設けてもよい。
【0015】
本体部11には、筒状部15の内部を上下に仕切るように補強部21が設けられている。補強部21は、可撓性を有する樹脂製(例えばPVC製)のシート材により形成されている。補強部21は、略四角形状に形成され、詳しくは筒状部15の横断面形状に合わせた略正方形状に形成されている。
【0016】
補強部21は、その周縁部が筒状部15に接続されている。この場合、補強部21の周縁部は筒状部15に溶着又は接着により接続されている。補強部21は、上下方向に複数配置され、本実施形態では2つ配置されている。各補強部21は、載置部16と座部17との間を等分するように配置されている。
【0017】
補強部21には、その4隅がそれぞれ斜めに面取りされることで面取り部23が形成されている。各面取り部23は、筒状部15の隅部に対応して配置されている。各面取り部23は、筒状部15の隅部から離間しており、それにより、面取り部23と筒状部15の隅部との間には開口領域24が形成されている。この開口領域24を通じて補強部21を挟んだ上下両側の間で空気の流通が可能となっている。
【0018】
補強部21の周縁部には、隣り合う面取り部23を繋ぐ複数(4つ)の端辺部21aと、各面取り部23とが含まれている。各端辺部21aは、その全域が筒状部15に接続されている。一方、各面取り部23は、筒状部15の隅部から離間しているため、筒状部15(の隅部)に対して接続されていない。この場合、筒状部15には、周方向において、補強部21(端辺部21a)が接続された接続部26と、補強部21が接続されていない非接続部27とが交互に設けられている。そして、非接続部27は、筒状部15の各隅部にそれぞれ配置されている。
【0019】
各補強部21には、上下方向に貫通する開口部25が形成されている。開口部25は、補強部21の中央部に形成されている。開口部25は、四角形状とされ、詳しくは正方形状とされている。この開口部25を通じて補強部21を挟んだ上下両側の間で空気の流通が可能となっている。また、補強部21に開口部25が設けられていることで、補強部21は、開口部25を囲む四角環状に形成されている。
【0020】
筒状部15の内側には、載置部16と座部17とを上下に繋ぐ第1柱部28及び第2柱部29が設けられている。これらの柱部28,29はいずれも上下方向に延びる筒状をなしており、各補強部21の開口部25を通じて配置されている。また、各柱部28,29はいずれも可撓性を有する樹脂製(PVC製)のシート材により形成されている。
【0021】
第1柱部28は円筒状をなしており、筒状部15の中央部に配置されている。第1柱部28は、その下端部が載置部16に接続され、上端部が座部17に接続されている。この場合、これらの接続は、接着又は溶着により行われている。また、第1柱部28には、その内外の間で空気の流通を可能とする通気孔34が設けられている。但し、第1柱部28に通気孔34を設けないようにしてもよい。その場合、載置部16又は座部17に、第1柱部28の内部を開放させる孔部を設けておくのがよい。
【0022】
第2柱部29は四角筒状をなしており、第1柱部28の外側に配置されている。この場合、第2柱部29は、第1柱部28を囲んだ状態で配置されている。第2柱部29は、平面視にて、その中央部が筒状部15の中央部と同じ位置に位置するよう配置されている。第2柱部29は、その下端部が載置部16に接続され、上端部が座部17に接続されている。これらの接続は、接着又は溶着により行われている。
【0023】
第2柱部29は、その横断面が補強部21の開口部25に合わせた大きさとされている。第2柱部29は、補強部21の開口部25に挿通された状態で、補強部21に接着又は溶着により接続されている。詳しくは、第2柱部29は、その周方向全域において補強部21と接続されている。また、第2柱部29には、その内外の間で空気の流通を可能とする通気孔35が設けられている。
【0024】
続いて、カバー12について図1及び図2に基づき説明する。
【0025】
図1及び図2に示すように、カバー12は、その形状(外観形状)が本体部11に合わせた直方体状とされ、詳しくは立方体形状とされている。カバー12は、その内部に本体部11を収容する収容空間36を有している。カバー12は、本体部11を収容空間36に収容した状態で本体部11に被せられる。
【0026】
カバー12は、本体部11の載置部16を覆う下カバー部31と、本体部11の座部17を覆う上カバー部32と、本体部11の筒状部15を覆う側面カバー部33とを有して形成されている。下カバー部31及び上カバー部32は、平面視にて四角形状とされ、本体部11を挟んで上下に対向している。側面カバー部33は、四角筒状とされ、本体部11(筒状部15)を囲んで設けられている。これら各カバー部31~33は、布製のシート材により形成されている。また、各カバー部31~33により形成されるカバー12の下面、上面及び各側面はいずれも平面状とされている。
【0027】
上カバー部32は、その周縁部の全域が側面カバー部33の上端部に接合されている。一方、下カバー部31は、その周縁部の一部だけが側面カバー部33の下端部に接合されている。詳しくは、下カバー部31は、その4つの辺部のうちの1つの辺部のみが側面カバー部33の下端部に接合されている。これにより、下カバー部31は、上記接合された辺部を支点として開閉可能とされている。以下では、その開閉可能とされた下カバー部31を開閉部37という。
【0028】
開閉部37が開かれると、カバー12には下方に開口する開口38が形成される。この開口38を通じて本体部11がカバー12内(つまり収容空間36)に出し入れされるようになっている。また、開閉部37には、その4つの辺部のうち、側面カバー部33に接合されていない3つの辺部に沿って線ファスナ43が設けられている。この線ファスナ43を開くことにより、開閉部37を開くことが可能となる。
【0029】
カバー12のうち、開閉部37(下カバー部31)を除いた部分はカバー本体39となっている。すなわち、カバー本体39は、上カバー部32と側面カバー部33とにより形成されている。開閉部37を形成するシート材41は、カバー本体39を形成するシート材42よりも高強度に形成されている。具体的には、シート材41はシート材42よりも厚みが大きくされており、それにより、シート材41がシート材42よりも高強度とされている。
【0030】
開閉部37の下面には、滑り止め部45が設けられている。滑り止め部45は、例えば開閉部37の下面に設けられたゴム製の多数の凸部からなる。これにより、身体鍛錬器具10を床上に設置した際に滑り止め部45が床に当接するため、身体鍛錬器具10が床に沿って滑るのを抑制することができる。なお、図1(b)では、滑り止め部45をドットハッチで示している。
【0031】
側面カバー部33には、一対の取っ手47が取り付けられている。各取っ手47は、側面カバー部33を挟んだ両側に配置されている。ユーザが身体鍛錬器具10を持ち運ぶ際には、これらの取っ手47を持って持ち運びすることが可能となっている。取っ手47は、布材により帯状に形成され、横方向に延びる向きで側面カバー部33に取り付けられている。詳しくは、取っ手47の両端部が縫製により側面カバー部33に接合されている。また、各取っ手47は、側面カバー部33において上側の位置に配置されている。
【0032】
続いて、身体鍛錬器具10の使用方法について図6に基づき説明する。
【0033】
身体鍛錬器具10は、本体部11の載置部16を床上に(詳しくはカバー12の開閉部37を介して)載置した状態で設置される。図6に示すように、ユーザが身体鍛錬器具10を用いてエクササイズを行う際には、本体部11の座部17上に(詳しくはカバー12の上カバー部32を介して)座り、カバー12に設けられた各取っ手47をつかむ。そして、ユーザは座部17に座った状態で、腰部を揺動させたり回したりする等のエクササイズを行う。この場合、ユーザが腰部を揺動させたり回したりすると、その腰部の動きに追従して本体部11、特に筒状部15が変形する。図6の例では、ユーザが腰部を前後に揺動させるエクササイズを行っており、その腰部の揺動に追従して本体部11が前後に変形している。詳しくは、本体部11の載置部16の位置は保持されたまま、座部17だけが前後に変位するよう筒状部15が変形している。
【0034】
このように、本身体鍛錬器具10によれば、座部17上に座って腰部を揺動させたり回したりすることで体幹等を鍛えることが可能となっている。
【0035】
続いて、本体部11にカバー12を被せる際の作業手順について図7に基づき説明する。
【0036】
本体部11に空気を充填してから本体部11にカバー12を被せる場合には、本体部11が膨張しているため、本体部11をカバー12内に開口38を通じて入れようとしても、入れられないおそれがある。つまり、この場合、本体部11にカバー12を被せられないおそれがある。そこで、本身体鍛錬器具10では、その点に鑑み、以下の手順で本体部11にカバー12を被せることとしている。
【0037】
本体部11にカバー12を被せる際には、まず本体部11内の空気を抜いて本体部11を収縮状態としておく。そして、その収縮状態の本体部11をカバー12内に開口38を通じて入れる。この場合、空気の注入口19が本体部11の載置部16に配置されているため、注入口19が開口38を通じて露出される。
【0038】
その後、図7に示すように、カバー12の開口38を介して注入口19より本体部11の内部に空気を注入する。この際、注入口19に空気入れ51のピン部を挿し込み、その空気入れ51を用いて本体部11に空気を注入する。これにより、本体部11はカバー12内に収容された状態で膨張する。本体部11が膨張した後、開閉部37を閉めるとともに、線ファスナ43を閉じる。これにより、膨張した本体部11にカバー12を被せることができる。
【0039】
以上、詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
【0040】
・身体鍛錬器具10は、内部に空気が充填されることにより膨らんだ状態で用いられる本体部11を備える。本体部11は、上下方向に延びる筒状部15と、筒状部15の下端開口を塞いで設けられる載置部16と、筒状部15の上端開口を塞いで設けられる座部17とを有している。本体部11は、載置部16が床上に載置されることにより設置される。この場合、本体部11を床上で転がることのない状態で設置することができる。そのため、ユーザが座部17の上に座って腰部を揺動させる等のエクササイズを行う際、比較的安定した状態でエクササイズすることができる。また、バランスボールの場合と異なり、転がり防止用の部材を別途設けなくてよいため、取り扱いを容易としながら、上記の効果を得ることができる。
【0041】
・本体部11が筒状部15と載置部16と座部17とを有してなる上述の構成では、ユーザが座部17の上に座った際、筒状部15が側方に膨らむように変形することが想定され、その場合、座部17が下方に沈み込むおそれがある。そこで、上記の実施形態では、筒状部15の内部を上下に仕切るように補強部21を設け、その補強部21の周縁部を筒状部15に接続している。これにより、ユーザが座部17の上に座った際に筒状部15が側方に膨らむのを抑制することができ、その結果、座部17の沈み込みを抑制することができる。
【0042】
・筒状部15に補強部21が接続された上記の構成では、ユーザが座部17に座って腰部を動かすエクササイズを行う際に、筒状部15(ひいては本体部11)が腰部の動きに追従して変形しづらくなるおそれがある。その点、上記の実施形態では、補強部21が開口部25を囲む環状に形成されているため、筒状部15に補強部21が接続された構成にあっても、本体部11が変形しづらくなるのを抑制することができる。
【0043】
・筒状部15に補強部21が接続された上記の構成では、本体部11の内部に空気を充填した際、筒状部15が側方に膨らむのを抑制することができる。しかしながら、筒状部15の膨らみを抑制することによって、今度は、載置部16が下方に膨らみ易くなり、座部17が上方に膨らみ易くなることが考えられる。この場合、本体部11を安定した状態で床上に設置するのが困難になったり、座部17の上に座りづらくなったりする不都合が生じるおそれがある。
【0044】
そこで、上記の実施形態では、こうした点に鑑み、筒状部15の内側において載置部16と座部17とを柱部28,29を介して上下に繋いでいる。この場合、本体部11の内部に空気を充填した際、載置部16が下方に膨らむのを抑制でき、座部17が上方に膨らむのを抑制できる。これにより、筒状部15に補強部21が接続された構成にあって、上述の不都合が生じるのを抑制することができる。
【0045】
・筒状部15の内側に内外二重に配置された筒状の第1柱部28及び第2柱部29が設けられ、それら各柱部28,29を介して載置部16と座部17とが繋がっている。これにより、本体部11の内部に空気を充填した際、載置部16が下方に膨らむのをより一層抑制でき、座部17が上方に膨らむのをより一層抑制できる。
【0046】
また、第2柱部29が補強部21に接続されているため、ユーザのエクササイズに伴い本体部11が変形した際に、第2柱部29と補強部21との間でずれが生じるのを防止できる。そのため、第2柱部29と補強部21との間でずれが生じた結果、本体部11を元の形状に復帰させにくくなるといった不都合が生じるのを防止できる。
【0047】
・本体部11が直方体状とされているため、ユーザが座部17に座って腰部を前後及び左右に揺動させるエクササイズを行う際、筒状部15を腰部の前後左右の動きに追従させて変形させ易い。そのため、上記のエクササイズをし易くなっている。
【0048】
また、補強部21が筒状部15の各隅部に対しては非接続とされている。この場合、補強部21が筒状部15に接続された構成にあって、筒状部15が、隣り合う二面のなす角度が変化するよう変形することが許容される。そのため、ユーザが座部17上に座って腰部を回す(ローリングさせる)エクササイズを行う際に、腰部の回転に追従させて筒状部15を変形させ易くできる。これにより、腰回しのエクササイズについても好適に行うことができる。
【0049】
・カバー12において本体部11の載置部16を覆う下カバー部31が開閉可能な開閉部37とされている。開閉部37が開かれると、カバー12に下方に開口する開口38が形成される。また、本体部11の載置部16には、空気の注入口19が配置されている。かかる構成では、開閉部37を開くことにより、開口38を通じて注入口19より本体部11に容易に空気を注入することができる。
【0050】
また、注入口19を筒状部15の開口38寄りの位置に配置する構成も考えられるが、ユーザが座部17に座って腰部を揺動させる等のエクササイズを行う際には、筒状部15が変形することになるため、その変形により注入口19に負荷がかかる等の問題が生じるおそれがある。その点、載置部16に注入口19を配置した上記の構成によれば、こうした問題が生じるのを回避しながら、上記の効果を得ることができる。
【0051】
・開閉部37を形成するシート材41は、カバー本体39を形成するシート材42よりも高強度とされている。この場合、開閉部37が比較的高強度に形成されているため、載置部16に注入口19が配置された上記の構成にあって、注入口19を開閉部37により好適に保護することができる。
【0052】
・開閉部37の下面に滑り止め部45が設けられているため、その滑り止め部45が床に当接した状態で身体鍛錬器具10が床上に設置される。この場合、ユーザが座部17上(ひいては身体鍛錬器具10の上)に座って腰部を揺動したり回したりするエクササイズを行う際に、身体鍛錬器具10が床に沿って滑るのを抑制することができる。そのため、上記のエクササイズの際に、本体部11の載置部16を概ね動かない状態とすることができ、その結果、腰部の動きに追従させて筒状部15を変形させ易くすることができる。これにより、腰部を動かすエクササイズを好適に行うことが可能となる。
【0053】
また、開閉部37に滑り止め部45が設けられていることにより、注入口19を保護する効果も得ることができる。
【0054】
本発明は上記実施形態に限らず、例えば次のように実施されてもよい。
【0055】
・上記実施形態では、筒状部15の内部に2つの補強部21を設けたが、補強部21を一つだけ設けてもよいし、3つ以上設けてもよい。
【0056】
・上記実施形態では、第2柱部29を補強部21に接続したが、補強部21に接続しないようにしてもよい。
【0057】
・上記実施形態では、本体部11に2つの柱部28,29を設けたが、柱部を一つだけ設ける構成としてもよい。また、柱部を3つ以上設ける構成としてもよい。
【0058】
・上記実施形態では、本体部11(ひいては身体鍛錬器具10)の形状を直方体状(換言すると四角柱状)としたが、本体部11の形状を三角柱状や六角柱状、円柱状等、直方体状以外の形状としてもよい。
【0059】
・上記実施形態では、注入口19を本体部11の載置部16に配置したが、例えば注入口19を筒状部15の下側に配置してもよい。この場合にも、注入口19は本体部11におけるカバー12の開口38寄りの位置に配置されるため、カバー12内に本体部11を入れた状態で本体部11に開口38を介して注入口19より空気を注入することが可能となる。
【0060】
・上記実施形態では、開閉部37を形成するシート材41の厚みをカバー本体39を形成するシート材42の厚みよりも大きくすることで、シート材41をシート材42よりも高強度としていたが、例えばシート材41をシート材42よりも硬質のものにすることで、シート材41をシート材42よりも高強度にしてもよい。
【0061】
・身体鍛錬器具10においてカバー12を不具備としてもよい。この場合、身体鍛錬器具10は、本体部11のみにより構成される。
【符号の説明】
【0062】
10…身体鍛錬器具、11…本体部、12…カバー、15…筒状部、16…載置部、17…座部、19…注入口、21…補強部、28…第1柱部、29…第2柱部、31…下カバー部、32…上カバー部、33…側面カバー部、37…開閉部、38…開口、45…滑り止め部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7