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  • 特開-ふろ給湯装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095142
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】ふろ給湯装置
(51)【国際特許分類】
   F24H 15/196 20220101AFI20240703BHJP
   F24H 1/14 20220101ALI20240703BHJP
   A47K 3/00 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
F24H15/196 301L
F24H1/14 C
A47K3/00 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022212205
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(72)【発明者】
【氏名】公門 直人
(72)【発明者】
【氏名】茶谷 幸寛
(72)【発明者】
【氏名】津田 直樹
【テーマコード(参考)】
3L024
3L034
【Fターム(参考)】
3L024CC03
3L024DD01
3L024DD19
3L024DD35
3L024GG42
3L024GG43
3L024HH38
3L024HH40
3L034BA22
(57)【要約】
【課題】人が退浴した後に、配管クリーン機能の動作を行うふろ給湯装置を提供する。
【解決手段】ふろ給湯装置は、浴槽に貯留された湯水の追い焚きを行うための往き配管、戻り配管と、燃焼器と、その往き配管、戻り配管を洗浄水にて洗浄する配管クリーン機能と、往き配管、戻り配管の双方に、浴槽循環回路と、浴槽から湯水を排水するための排水経路と、に切り替える経路切り替え部と、人が浴槽から退浴したことを検知する退浴検知部を備える。
退浴検知部が、人が退浴したことを検知すると、経路切り替え部を排水経路に切り替え、配管クリーン機能を動作させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽に貯留された湯水の追い焚きを行うための往き配管、戻り配管と、
前記往き配管、戻り配管を洗浄水にて洗浄する配管クリーン機能を備えたふろ給湯装置において、
前記往き配管、戻り配管の双方に、浴槽循環回路と、前記浴槽から湯水を排水するための排水経路と、に切り替える経路切り替え部と、
人が前記浴槽から退浴したことを検知する退浴検知部と、を備え、
前記退浴検知部が、前記人が退浴したことを検知すると、前記経路切り替え部を前記排水経路に切り替え、前記配管クリーン機能を動作させることを特徴とするふろ給湯装置。
【請求項2】
請求項1に記載のふろ給湯装置において、
前記退浴検知部は、前記浴槽の湯水の変化を検出可能な水位検知部の水位変化により退浴を検知することを特徴とするふろ給湯装置。
【請求項3】
請求項1に記載のふろ給湯装置において、
前記退浴検知部は、前記浴槽の備えられた浴室内に人がいるか否かを検知する人検知部が、浴室内に人がいる状態から人がいなくなったことにより退浴を検知することを特徴とするふろ給湯装置。
【請求項4】
請求項1乃至3に記載のふろ給湯装置において、
前記往き配管と戻り配管を含む、ふろ注湯配管上にオゾン水発生部を備え、
前記洗浄水に、前記オゾン水発生部にて生成したオゾン水が含まれることを特徴とするふろ給湯装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ふろ給湯装置と浴槽との間で循環追い焚きを行う追い焚き回路の配管を洗浄する追い焚き回路の配管洗浄運転を実行可能としたふろ給湯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、給湯先に浴槽を含む給湯システムにおいて、浴槽に流れ込む雑菌を減らすために配管内の洗浄運転を行うことが、特開2021-183882号(特許文献1)に記載されている。
【0003】
特許文献1の給湯システムでは、浴槽内の浴槽水を循環加熱するための循環路と、注湯回路と、制御回路とを備え、注湯回路は循環路を含むように構成された注湯経路を介して、浴槽に対して湯水を供給する。制御回路は、注湯回路による浴槽への湯張り運転の終了後に浴槽の排水を検知すると、注湯回路からの湯水による洗浄水を注湯経路に供給する配管洗浄運転を実行する。更に、制御回路は、湯張り運転の終了から排水が検知されるまでの間において、入浴人数をカウントするとともに、入浴時毎の湯温を記憶するように構成される。配管洗浄運転の実行時には、少なくとも入浴人数及び入浴時の湯温に基づいて求められる、浴槽水に溶出した皮脂量を推定する指標に応じて、洗浄水の供給量及び温度が可変に設定されるように構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-183882公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように浴槽の排水を検知すると注湯回路の配管洗浄運転を行う技術は存在する。しかしながら、浴槽の排水を行わない場合には、注湯回路の配管洗浄運転が行われず雑菌が排出されない虞があった。
かかる課題に鑑み、本発明は、注湯回路の配管内に雑菌が存在する可能性がある場合に、注湯回路の配管洗浄運転を行うふろ給湯装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の主たる態様に係るふろ給湯装置は、浴槽に貯留された湯水の追い焚きを行うための往き配管、戻り配管と、その往き配管、戻り配管を洗浄水にて洗浄する配管クリーン機能を備えたふろ給湯装置において、往き配管、戻り配管の双方に、浴槽循環回路と、浴槽から湯水を排水するための排水経路と、に切り替える経路切り替え部と、人が浴槽から退浴したことを検知する退浴検知部と、を備え、退浴検知部が、人が退浴したことを検知すると、経路切り替え部を排水経路に切り替え、配管クリーン機能を動作させる。
【0007】
本態様に係るふろ給湯装置によれば、人が退浴した後に配管クリーンが動作するよう構成される。よって、人の入浴後に往き配管と戻り配管内に存在する雑菌等を排出することができる。
【0008】
また、本態様に係るふろ給湯装置において、退浴検知部は、前記浴槽の湯水の変化を検出可能な水位検知部の水位変化により退浴を検知するよう構成され得る。
【0009】
この構成によれば、人が退浴したことを即座に検出可能であり、配管クリーン機能をタイミングよく実施することが可能なように構成され得る。
【0010】
また、本態様に係るふろ給湯装置において、浴検知部は、浴槽の備えられた浴室内に人がいるか否かを検知する人検知部が、浴室内に人がいる状態から人がいなくなったことにより退浴を検知するよう構成され得る。
【0011】
この構成によれば、人がふろに入浴する行為がしばらくないことを検出可能であり、配管クリーン機能をタイミングよく実施することが可能なように構成され得る。
【0012】
また、本態様に係るふろ給湯装置において、往き配管と戻り配管を含む、ふろ注湯配管上にオゾン水発生部を備え、洗浄水に、オゾン水発生部にて生成したオゾン水が含まれるよう構成され得る。
【0013】
この構成によれば、洗浄水に殺菌作用のあるオゾン水を含むことにより、洗浄効果が増すよう構成され得る。
【発明の効果】
【0014】
以上のとおり、本発明によれば、注湯回路の配管内に雑菌が存在する可能性がある場合に、注湯回路の配管洗浄運転を行うふろ給湯装置を提供することができる。
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、実施形態1に係る、ふろ給湯装置の構成を示す図である。
図2図2は、実施形態1に係る、配管クリーン動作を示すフローチャートである。
図3図3は、実施形態2に係る、ふろ給湯装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下では、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は原則的に繰返さないものとする。
【0017】
<実施形態1>
図1は、実施形態1に係る、ふろ給湯装置Aの構成を示す図である。
ふろ給湯装置Aは、給湯機能を実現するための給湯回路2と、ふろ追い焚き機能を実現するための追い焚き循環回路1と、ふろ湯張り機能と配管クリーン機能を実現するための注湯回路10と経路切り替え部4,5とを備える。
【0018】
たとえば、給湯回路2、追い焚き循環回路1、および注湯回路10は、給湯器A1内に配置されて、給湯器A1と浴槽9との間は、往き配管11と戻り配管12によって接続される。
【0019】
本実施の形態に従うふろ給湯装置Aは、ふろの追い焚き機能に加え、給湯機能および風呂湯張り機能の各機能を併用する複合熱源機型に構成されたものである。
【0020】
給湯回路2は、図示しないバーナと、給湯用の熱交換器16を含む。バーナは、図示しない燃料供給系から流量調整弁を経由した燃料ガスの供給を受けて、燃焼作動するように構成される。
【0021】
熱交換器16は、バーナの燃焼ガスにより入水を熱交換によって加熱する。給湯回路2へは、入水路13から水道水等が給水される。
【0022】
入水路13の水は、熱交換器16によって所定温度(たとえば、ユーザによる設定温度)まで加熱され、出湯路14から出湯される。ふろ給湯装置Aは、出湯路14に出湯された湯が、台所や浴室等の給湯栓や上記注湯回路10などの所定の給湯箇所に給湯されるように構成される。
【0023】
追い焚き循環回路1は、図示しないバーナと、追い焚き用の熱交換器15と、追焚用の循環ポンプ3とを含む。バーナは、図示しない燃料供給系から燃料ガスを供給されることによって燃焼作動する。また、熱交換器15は、バーナの燃焼ガスにより通流された水を加熱する。
【0024】
追い焚き循環回路1には、往き回路11aおよび戻り回路12aが設けられる。戻り回路12aの上流端(すなわち、浴槽側)が、戻り配管12を介し、浴槽9に設置された循環アダプタ6の吸込側に接続される。また、往き回路11aの下流端(すなわち、浴槽側)は、往き配管11を介し、循環アダプタ6の吐出側に接続される。
【0025】
循環ポンプ3が作動すると、浴槽9からの浴槽水は、循環アダプタ6の吸込口から、戻り配管12および戻り回路12a、熱交換器15、ならびに、往き回路11aおよび往き配管11を経由して、循環アダプタ6の吐出口へ至る経路を循環する。これにより、浴槽9(循環アダプタ6)と熱交換器15の間に浴槽水を循環させる追焚循環経路100が形成される。
【0026】
また、戻り回路12aの循環ポンプ3と循環アダプタ6の間には、開閉弁が介装される。開閉弁18は、閉状態では追焚循環経路100を遮断する一方で、開状態では、追焚循環経路100の遮断を解除する。開閉弁18を閉状態とすることによって、開閉弁18よりも浴槽9側の経路を、循環ポンプ3の作動によって形成される循環経路から遮断することができる。
【0027】
さらに、戻り回路12aには、浴槽9内の湯水の水位を測定するための水位センサ17が配置される。水位センサ17は、代表的には、水位に応じて戻り回路12aに生じた水圧を検出するための圧力センサによって構成される。なお、水位センサ17は、検出した水位に応じて、人の入退浴を検出することが可能であり、本実施例の退浴検知部の一例として機能する。
【0028】
注湯回路10は、注湯路20と、注湯ユニット19とを含む。注湯路18は、給湯回路2の出湯路14から上流端が分岐される。注湯路20は、注湯ユニット19を経由して、追焚循環経路100(戻り回路12a)に合流するように配置される。注湯路20と戻り回路12aとの合流点は、開閉弁18よりも熱交換器15側に設けられる。注湯ユニット19は、開閉切換により注湯の実行および遮断を切換えるための注湯電磁弁や縁切り弁等がユニット化されて構成される。
【0029】
なお、注湯回路10は、配管クリーン動作を行う際にも使用され、配管クリーン動作を行う場合には、注湯ユニット19を開状態とし、給湯回路2の出湯路14からの湯水を往き回路11a、往き配管11、戻り回路12a、戻り配管12に貯留している湯水を排水する。
【0030】
なお、水位センサ17により、浴槽内に湯水がないことを検知している場合、もしくは浴槽内の湯水を浴槽9に備えられている排水栓7より排水していることを検知した場合には、経路切り替え部4,5を循環アダプタ6に連通するよう切り替え、浴槽から排水する。また、水位センサ17により、浴槽内に湯水があることを検知している場合には、経路切り替え部4,5を排水口8に連通するよう切り替え、浴槽から排水する。経路切り替え部4,5は、三方弁等により構成される。経路切り替え部4,5をそれぞれ戻り配管12、往き配管11の双方に備えることにより、戻り配管12、往き配管11に貯留している湯水を排水することが可能となる。
【0031】
上述した追い焚き循環経路100には、浴槽9に人が入った後の湯水を循環するため、人の皮膚等に付着した雑菌や皮脂も追い焚き循環経路内に取り込んで循環することとなる。
【0032】
図2は、配管クリーン動作を示すフローチャートである。
【0033】
図2に示すように、退浴検知部(水位センサ17)により、入浴者の退浴が検知された場合(S1)に、現在の浴槽9内に湯水があるか否か水位センサ17にて検出する(S2)。湯水がある場合には、経路切り替え部4,5を排水口8側に切り替え、配管クリーン動作を実施する(S3、S5)。また、湯水がない場合には、経路切り替え部4,5を循環アダプタ6側に切り替え、配管クリーン動作を実施する(S4、S5)。
なお、退浴検知部(水位センサ17)により、入浴者の退浴が検知されなかった場合には、配管クリーン動作は実施しない。
【0034】
このように動作させることにより、退欲が検知されたのちに配管クリーン動作を行うことが可能となり、追い焚き循環経路100内にある雑菌や皮脂を除去することが可能となる。なお、浴槽9内の湯水の有無により、経路切り替え部4,5を切り替えることにより、浴槽9内に湯水がある場合には、追い焚き循環経路100内にある雑菌や皮脂を浴槽内に排出しないようにすることができ、浴槽9内に湯水がない場合には、経路切り替え部4,5と循環アダプタ6の間に存在する雑菌や皮脂を除去することが可能となる。
【0035】
<実施形態1の効果>
上記のように、退欲を検知したのちに配管クリーン動作を行うことにより追い焚き循環経路100内にある雑菌や皮脂を、次の入浴者が入浴する際に浴槽9内の湯水に流れ込まないようにすることができる。
【0036】
なお、ここでは、退浴検知部を水位センサ17の水位変化により検出するよう構成したが、浴室内に人検知センサを備え、人検知センサの検知状態が、人「有」から人「無」となったときに退浴したと検知するよう構成してもよい。このように構成すると、一度の入浴で複数回浴槽の湯水に浸かるような入浴方法をとる人の場合には、一度の入浴にて配管クリーン動作を一回行うのみとなり経済的である(水位センサの水位変化により退浴検知を行う場合には、一度の入浴で複数回浴槽に浸かる場合には浴槽から出るたびに配管クリーン動作を行うこととなり経済的ではない。)。
【0037】
<実施形態2>
上記実施形態1では、ふろ給湯装置において、退浴を検知し、配管クリーン動作を行う旨の制御方法を記載した。
図3は、実施形態2に係る、注湯回路10の注湯路20に、注湯路切り替え部21と、オゾン発生部22を備えたふろ給湯装置の構成を示す図である。
【0038】
図3の構成において、注湯路20に注湯路切り替え部21と、オゾン発生部22を備え、ふろ湯張り機能を動作させる場合には、注湯路切り替え部21をオゾン発生部22を通らない経路で動作させ、配管クリーン機能を動作させる場合には、湯路切り替え部21をオゾン発生部22を通る経路で動作させるよう動作させる。なお、オゾン発生部は、配管クリーン動作を行う際に、流れる湯水をオゾン水に変化させるよう構成されている。
【0039】
<実施形態2の効果>
このように、動作させることにより、ふろ湯張り動作を行う場合には、オゾン水ではない湯水にてお湯張りを行い、配管クリーン動作を行う場合には除菌作用のあるオゾン水にて配管クリーンを行うことができ、より効果的な配管クリーン動作を実施することが可能となる。
【0040】
なお、ふろ給湯装置Aの構成は、図1図3に示した構成に限られるものではなく、他の構成であってもよい。たとえば、ふろ給湯装置1に、温水暖房用の構成が追加されてもよい。 この他、本発明の実施形態は、特許請求の範囲に記載の範囲で適宜種々の変更可能である。
【符号の説明】
【0041】
A ふろ給湯装置
A1 給湯器
1 追い焚き循環回路
2 給湯回路
3 循環ポンプ
4、5 経路切り替え部
10 注湯回路
11 往き配管
11a 往き回路
12 戻り配管
12a 戻り回路
17 水位センサ(退浴検知部)
21 注湯路切り替え部
22 オゾン発生部
図1
図2
図3