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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095143
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】太陽光発電システム
(51)【国際特許分類】
   B64F 1/36 20240101AFI20240703BHJP
   H01L 31/048 20140101ALI20240703BHJP
【FI】
B64F1/36
H01L31/04 560
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022212212
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(74)【代理人】
【識別番号】100156177
【弁理士】
【氏名又は名称】池見 智治
(74)【代理人】
【識別番号】100130166
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 宏明
(72)【発明者】
【氏名】岩佐 優太朗
(72)【発明者】
【氏名】苗村 善人
(72)【発明者】
【氏名】稲井 誠一郎
(72)【発明者】
【氏名】森本 拓也
【テーマコード(参考)】
5F151
5F251
【Fターム(参考)】
5F151BA05
5F151JA03
5F151JA13
5F251BA05
5F251JA03
5F251JA13
(57)【要約】
【課題】太陽光発電システムについて太陽光の反射による眩しさを低減させる。
【解決手段】太陽光発電システムは、空港における滑走路または着陸帯の長手方向に沿った土地にそれぞれ設置された複数の太陽電池モジュールを備えている。複数の太陽電池モジュールは、第1群と第2群とを含む複数の群を有する。第1群は、複数の第1太陽電池モジュールで構成されている。第2群は、1つ以上の第2太陽電池モジュールを含む2つ以上の太陽電池モジュールで構成されている。1つ以上の第2太陽電池モジュールのそれぞれの受光面における光の反射率は、複数の第1太陽電池モジュールのそれぞれの受光面における光の反射率よりも小さい。複数の太陽電池モジュールにおける太陽光の反射に応じて、飛行中の航空機の操縦室または管制塔の管制室に入射する反射光の推定放射照度が、所定の放射照度以下である。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空港における滑走路または着陸帯の長手方向に沿った土地にそれぞれ設置された複数の太陽電池モジュール、を備え、
該複数の太陽電池モジュールは、複数の第1太陽電池モジュールで構成された第1群と、1つ以上の第2太陽電池モジュールを含む2つ以上の太陽電池モジュールで構成された第2群と、を含む複数の群、を有しており、
前記1つ以上の第2太陽電池モジュールのそれぞれの受光面における光の反射率は、前記複数の第1太陽電池モジュールのそれぞれの受光面における光の反射率よりも小さく、
太陽が通年の日周運動を行う際に、前記複数の太陽電池モジュールにおける太陽光の反射に応じて飛行中の航空機の操縦室または管制塔の管制室に入射する反射光の推定放射照度が、所定の放射照度以下である、太陽光発電システム。
【請求項2】
請求項1に記載の太陽光発電システムであって、
前記推定放射照度は、前記複数の太陽電池モジュールにおける太陽光の反射に応じて飛行中の航空機の操縦室および管制塔の管制室のうちの1つ以上の空間の特定の位置に入射する反射光の推定放射照度である、太陽光発電システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の太陽光発電システムであって、
前記飛行中の航空機は、前記滑走路へ着陸するための着陸態勢にある航空機、を含む、太陽光発電システム。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の太陽光発電システムであって、
前記複数の太陽電池モジュールのそれぞれを仮想的に前記第1太陽電池モジュールとした場合に、太陽が通年の日周運動を行う際に前記複数の太陽電池モジュールのうちの前記反射光の前記推定放射照度を前記所定の放射照度よりも大きくさせる1つ以上の太陽電池モジュールのそれぞれは、前記第2太陽電池モジュールである、太陽光発電システム。
【請求項5】
請求項2に記載の太陽光発電システムであって、
前記複数の群は、第1の個数の太陽電池モジュールで構成されたA群と、第2の個数の太陽電池モジュールで構成されたB群と、を含み、
前記複数の太陽電池モジュールのそれぞれを仮想的に前記第1太陽電池モジュールとした場合において、前記A群における前記太陽光の反射に応じて前記特定の位置における眼球の網膜に第1視角ω1[rad]で入射する前記反射光の推定放射照度を第1推定放射照度であるE11[W/m]とし、前記B群における前記太陽光の反射に応じて前記特定の位置における眼球の網膜に第2視角ω2[rad]で入射する前記反射光の推定放射照度を第2推定放射照度であるE12[W/m]とし、前記第1視角ω1[rad]を用いてEt1=0.359/ω11.77の式で算出される前記所定の放射照度を第1臨界放射照度であるEt1[W/m]とし、前記第2視角ω2[rad]を用いてEt2=0.359/ω21.77の式で算出される前記所定の放射照度を第2臨界放射照度であるEt2[W/m]とした場合に、
太陽が通年の日周運動を行う際に、前記第1推定放射照度が前記第1臨界放射照度を超える時刻があり且つ前記第2推定放射照度が前記第2臨界放射照度を超える時刻がなければ、前記A群が前記第2群であり且つ前記B群が前記第1群であり、
太陽が通年の日周運動を行う際に、前記第1推定放射照度が前記第1臨界放射照度を超える時刻がなく且つ前記第2推定放射照度が前記第2臨界放射照度を超える時刻があれば、前記A群が前記第1群であり且つ前記B群が前記第2群である、太陽光発電システム。
【請求項6】
請求項2に記載の太陽光発電システムであって、
前記複数の群は、第1の個数の太陽電池モジュールで構成されたA群と、第2の個数の太陽電池モジュールで構成されたB群と、を含み、
前記複数の太陽電池モジュールのそれぞれを仮想的に前記第1太陽電池モジュールとした場合において、前記A群における前記太陽光の反射に応じて前記特定の位置における眼球の網膜に第1視角ω1[rad]で入射する前記反射光の推定放射照度を第1推定放射照度であるE11[W/m]とし、前記B群における前記太陽光の反射に応じて前記特定の位置における眼球の網膜に第2視角ω2[rad]で入射する前記反射光の推定放射照度を第2推定放射照度であるE12[W/m]とし、前記第1視角ω1[rad]を用いてEt1=0.359/ω11.77の式で算出される前記所定の放射照度を第1臨界放射照度であるEt1[W/m]とし、前記第2視角ω2[rad]を用いてEt2=0.359/ω21.77の式で算出される前記所定の放射照度を第2臨界放射照度であるEt2[W/m]とした場合に、
太陽が通年の日周運動を行う際に、前記第1推定放射照度が前記第1臨界放射照度を超える時刻がなく且つ前記第2推定放射照度が前記第2臨界放射照度を超える時刻がなく、前記第1臨界放射照度から前記第1推定放射照度を減じた第1差分値の最小値が前記第2臨界放射照度から前記第2推定放射照度を減じた第2差分値の最小値よりも大きければ、前記A群が前記第1群であり且つ前記B群が前記第2群であり、
太陽が通年の日周運動を行う際に、前記第1推定放射照度が前記第1臨界放射照度を超える時刻がなく且つ前記第2推定放射照度が前記第2臨界放射照度を超える時刻がなく、前記第1差分値の最小値が前記第2差分値の最小値よりも小さければ、前記A群が前記第2群であり且つ前記B群が前記第1群である、太陽光発電システム。
【請求項7】
請求項2に記載の太陽光発電システムであって、
前記飛行中の航空機は、前記滑走路へ着陸するための着陸態勢にある航空機、を含み、
前記着陸態勢にある前記航空機の前記操縦室における前記特定の位置と前記滑走路の目標点標識の図心とを結ぶ第1仮想線と、前記着陸態勢にある前記航空機の前記操縦室における前記特定の位置と前記第1群の第1基準点とを結ぶ第2仮想線と、が成す第1角度は、前記第1仮想線と、前記着陸態勢にある前記航空機の前記操縦室における前記特定の位置と前記第2群の第2基準点とを結ぶ第3仮想線と、が成す第2角度よりも大きい、太陽光発電システム。
【請求項8】
請求項3に記載の太陽光発電システムであって、
前記滑走路の目標点標識の図心から前記第1群までの第1距離は、前記図心から前記第2群までの第2距離よりも大きい、太陽光発電システム。
【請求項9】
請求項3に記載の太陽光発電システムであって、
前記滑走路は、第1目標点標識と、該第1目標点標識とは異なる第2目標点標識と、を有し、
前記第1目標点標識の図心から前記第1群の第1基準点までの距離は、第3距離であり、
前記第2目標点標識の図心から前記第1基準点までの距離は、第4距離であり、
前記第1目標点標識の図心から前記第2群の第2基準点までの距離は、第5距離であり、
前記第2目標点標識の図心から前記第2基準点までの距離は、第6距離であり、
前記第5距離および前記第6距離のうちの何れか一方の距離は、前記第3距離および前記第4距離の何れの距離よりも小さい、太陽光発電システム。
【請求項10】
請求項9に記載の太陽光発電システムであって、
前記複数の群は、前記1つ以上の第2太陽電池モジュールを含む2つ以上の太陽電池モジュールでそれぞれ構成された第2A群および第2B群、を含み、
前記長手方向において、前記第2A群と前記第2B群とは、前記第1群を挟んで位置しており、
前記第1目標点標識の図心から前記第2A群の第2A基準点までの距離は、第5A距離であり、
前記第2目標点標識の図心から前記第2A基準点までの距離は、第6A距離であり、
前記第1目標点標識の図心から前記第2B群の第2B基準点までの距離は、第5B距離であり、
前記第2目標点標識の図心から前記第2B基準点までの距離は、第6B距離であり、
前記第5A距離および前記第6A距離のうちの何れか一方の距離は、前記第3距離および前記第4距離の何れの距離よりも小さく、
前記第5B距離および前記第6B距離のうちの何れか一方の距離は、前記第3距離および前記第4距離の何れの距離よりも小さい、太陽光発電システム。
【請求項11】
請求項3に記載の太陽光発電システムであって、
前記土地は、第1領域および第2領域を含み、
前記第1領域と前記第2領域とが、前記長手方向に垂直な前記滑走路の幅方向において前記滑走路または前記着陸帯を挟んで位置しており、
前記第1群は、前記第2領域に設置されており、
前記第2群は、前記第1領域に設置されており、
太陽が通年の日周運動を行う際に、前記第1群における前記複数の第1太陽電池モジュールのそれぞれの受光面において生じる前記太陽光の反射光のうちのピーク強度を有する第1A反射光と拡散反射で生じる反射光の強度よりも前記第1A反射光のピーク強度に近い所定強度以上の強度を有する第2A反射光とが通過する第1通過領域と、前記滑走路の目標点標識の図心に向かって前記航空機が飛行する着陸飛行経路と、が重なる時刻がなく、
太陽が通年の日周運動を行う際に、前記第2群における前記2つ以上の太陽電池モジュールのそれぞれの受光面において生じる前記太陽光の反射光のうちのピーク強度を有する第1B反射光と拡散反射で生じる反射光の強度よりも前記第1B反射光のピーク強度に近い所定強度以上の強度を有する第2B反射光とが通過する第2通過領域と、前記着陸飛行経路と、が重なる時刻がある、太陽光発電システム。
【請求項12】
請求項1、請求項2および請求項5から請求項7の何れか1つの請求項に記載の太陽光発電システムであって、
前記第1群は、2つ以上の太陽電池モジュールでそれぞれ構成された第1の列数の太陽電池モジュールの列を含み、
前記第2群は、2つ以上の太陽電池モジュールでそれぞれ構成された第2の列数の太陽電池モジュールの列を含み、
平面視した場合における前記第1の列数の太陽電池モジュールの列における列間の間隔である第1列間隔は、第1間隔以下であり、
平面視した場合における前記第2の列数の太陽電池モジュールの列における列間の間隔である第2列間隔は、前記第1間隔以下であり、
平面視した場合における前記第1群と前記第2群との間隔は、前記第1間隔よりも大きな第2間隔以上である、太陽光発電システム。
【請求項13】
請求項1、請求項2および請求項5から請求項7の何れか1つの請求項に記載の太陽光発電システムであって、
前記土地は、第1領域および第2領域を含み、
前記第1領域と前記第2領域とが、前記長手方向に垂直な前記滑走路の幅方向において前記滑走路または前記着陸帯を挟んで位置しており、
前記第1群は、前記第1領域に設置されており、
前記複数の群は、前記第1領域に設置されており且つ第3の個数の太陽電池モジュールで構成された第3群、を含み、
該第3群は、前記第1群よりも前記滑走路の近くに位置しており、
前記第1群について、前記複数の第1太陽電池モジュールのそれぞれの受光面の法線方向に沿って該受光面から離れる方向に仮想的に伸びる第1ベクトルにおける前記幅方向の成分を第1水平ベクトルとし、前記第3群について、前記第3の個数の太陽電池モジュールのそれぞれの受光面の法線方向に沿って該受光面から離れる方向に仮想的に伸びる第2ベクトルにおける前記幅方向の成分を第2水平ベクトルとした場合に、前記第1水平ベクトルの向きと前記第2水平ベクトルの向きとが逆であり、且つ前記第2水平ベクトルが前記滑走路から離れる方向に伸びている、太陽光発電システム。
【請求項14】
請求項1、請求項2および請求項5から請求項7の何れか1つの請求項に記載の太陽光発電システムであって、
前記土地は、第1領域および第2領域を含み、
前記第1領域と前記第2領域とが、前記長手方向に垂直な前記滑走路の幅方向において前記滑走路または前記着陸帯を挟んで位置しており、
前記第1群は、前記第2領域に設置されており、
前記複数の群は、前記第1領域に設置されており且つ第4の個数の太陽電池モジュールで構成された第4群、を含み、
前記第1群について、前記複数の第1太陽電池モジュールのそれぞれの受光面の法線方向に沿って該受光面から離れる方向に仮想的に伸びる第1ベクトルにおける前記幅方向の成分を第1水平ベクトルとし、前記第4群について、前記第4の個数の太陽電池モジュールのそれぞれの受光面の法線方向に沿って該受光面から離れる方向に仮想的に伸びる第3ベクトルにおける前記幅方向の成分を第3水平ベクトルとした場合に、前記第1水平ベクトルの向きと前記第3水平ベクトルの向きとが逆であり、前記第1水平ベクトルおよび前記第3水平ベクトルの何れの向きも前記滑走路から離れる向きである、太陽光発電システム。
【請求項15】
請求項1、請求項2および請求項5から請求項7の何れか1つの請求項に記載の太陽光発電システムであって、
前記土地は、第1領域および第2領域を含み、
前記第1領域と前記第2領域とが、前記長手方向に垂直な前記滑走路の幅方向において前記滑走路または前記着陸帯を挟んで位置しており、
前記複数の群は、前記第1領域に設置されており且つ第5の個数の太陽電池モジュールで構成された第5群と、前記第2領域に設置されており且つ第6の個数の太陽電池モジュールで構成された第6群と、を含み、
前記第5群について、前記第5の個数の太陽電池モジュールのそれぞれの受光面の法線方向に沿って該受光面から離れる方向に仮想的に伸びる第4ベクトルにおける前記幅方向の成分を第4水平ベクトルとし、前記第6群について、前記第6の個数の太陽電池モジュールのそれぞれの受光面の法線方向に沿って該受光面から離れる方向に仮想的に伸びる第5ベクトルにおける前記幅方向の成分を第5水平ベクトルとした場合に、前記第4水平ベクトルの向きと前記第5水平ベクトルの向きとが逆であり、前記第4水平ベクトルおよび前記第5水平ベクトルの何れの向きも前記滑走路から離れる向きである、太陽光発電システム。
【請求項16】
請求項2および請求項5から請求項7の何れか1つの請求項に記載の太陽光発電システムであって、
前記複数の群は、第7の個数の太陽電池モジュールで構成された第7群、を含み、
該第7群について、前記第7の個数の太陽電池モジュールのそれぞれの受光面の法線方向に沿って該受光面から離れる方向に仮想的に伸びる第6ベクトルと、該受光面から前記管制塔の管制室の前記特定の位置まで仮想的に伸びる第7ベクトルと、が成す角度が90度以上である、太陽光発電システム。
【請求項17】
請求項2および請求項5から請求項7の何れか1つの請求項に記載の太陽光発電システムであって、
前記1つ以上の空間は、前記管制塔の管制室を含み、
前記特定の位置は、管制承認伝達席、地上管制席および飛行場管制席のうちの1つ以上の席にそれぞれ着座している管制官の視点、を含む、太陽光発電システム。
【請求項18】
請求項1、請求項2および請求項5から請求項7の何れか1つの請求項に記載の太陽光発電システムであって、
前記複数の群は、引き込み線を介して同一の連系点において電力会社の系統に接続されている、太陽光発電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、太陽光発電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
太陽光発電システムについては、太陽電池モジュールの表面で生じる太陽光の反射光のうちの仮想的な観察者の眼に入射する光の放射照度を計算する分析ツールがある(例えば、特許文献1の記載を参照)。
【0003】
また、太陽電池モジュールのカバーガラスの表面に凹凸を設けることで、太陽電池モジュールの表面における太陽光の反射による眩しさを低減する技術がある(例えば、特許文献2の記載を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第8841592号明細書
【特許文献2】特開2013-201223号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
太陽光発電システムについては、太陽光の反射による眩しさを低減させる点で改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
太陽光発電システムが開示される。
【0007】
太陽光発電システムの一態様は、複数の太陽電池モジュールを備えている。該複数の太陽電池モジュールは、空港における滑走路または着陸帯の長手方向に沿った土地にそれぞれ設置されている。前記複数の太陽電池モジュールは、第1群と第2群とを含む複数の群を有する。前記第1群は、複数の第1太陽電池モジュールで構成されている。前記第2群は、1つ以上の第2太陽電池モジュールを含む2つ以上の太陽電池モジュールで構成されている。前記1つ以上の第2太陽電池モジュールのそれぞれの受光面における光の反射率は、前記複数の第1太陽電池モジュールのそれぞれの受光面における光の反射率よりも小さい。太陽が通年の日周運動を行う際に、前記複数の太陽電池モジュールにおける太陽光の反射に応じて飛行中の航空機の操縦室または管制塔の管制室に入射する反射光の推定放射照度が、所定の放射照度以下である。
【発明の効果】
【0008】
太陽光発電システムについて、太陽光の反射による眩しさを低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1実施形態に係る太陽光発電システムが設置された空港の構成の一例を模式的に示す平面図である。
図2図2は、第1実施形態に係る太陽光発電システムが設置された空港の一部の構成の一例を模式的に示す斜視図である。
図3図3は、1つのモジュール群に対応する太陽電池アレイの構成の一例を模式的に示す斜視図である。
図4図4は、太陽電池モジュールの受光面側の外観の一例を示す平面図である。
図5図5は、図4の太陽電池モジュールの位置V-Vにおける仮想の断面の一例を模式的に示す断面図である。
図6図6は、第1実施形態に係る太陽光発電システムが設置された空港に対して航空機が着陸態勢にある様子の一例を模式的に示す斜視図である。
図7図7は、太陽光発電システムにおいて太陽光の照射に応じて正反射で生じた反射光が対象者の眼球に入射する様子の一例を模式的に示すイメージ図である。
図8図8は、受光面において太陽光の照射に応じて非均等拡散反射が生じる場合における反射光の強さの分布の一例を模式的に示すイメージ図である。
図9図9は、太陽光を反射する第1反射領域が対象者の眼球の網膜に投影される様子の一例を模式的に示すイメージ図である。
図10図10は、複数のモジュール群の全てを仮に第1モジュール群とした一参考例に係る太陽光発電システムが設置された空港の構成の一例を模式的に示す平面図である。
図11図11は、一参考例に係る太陽光発電システムが設置された空港に対して航空機が着陸態勢にある様子の一例を模式的に示す斜視図である。
図12図12は、太陽が通年の日周運動を行う際における第1反射領域に係る視角と推定放射照度に対応する網膜放射照度との関係を求めるためのフローの一例を示すフローチャートである。
図13図13は、太陽光発電システムの受光面において太陽光の照射に応じて生じた正反射光の光路と特定の位置との関係の例を示すイメージ図である。
図14図14は、第1反射領域に係る視角と推定放射照度に対応する網膜放射照度と臨界放射照度との関係の一例を示すグラフである。
図15図15は、第1参考例に係る太陽光発電システムが設置された空港の一部の構成を模式的に示す平面図である。
図16図16は、第1参考例に係る太陽光発電システムが設置された空港に対して着陸態勢にある航空機の操縦士の眼球について、A群の第1反射領域に係る視角と推定放射照度に対応する網膜放射照度と臨界放射照度との関係の一例を模式的に示すグラフである。
図17図17は、第1実施形態の第1具体例に係る太陽光発電システムが設置された空港の一部の構成を模式的に示す平面図である。
図18図18は、第1実施形態の第1具体例に係る太陽光発電システムが設置された空港に対して着陸態勢にある航空機の操縦士の眼球について、A群の第1反射領域に係る視角と推定放射照度に対応する網膜放射照度と臨界放射照度との関係の一例を模式的に示すグラフである。
図19図19は、モジュール群の一部の構成の一例を模式的に示す斜視図である。
図20図20は、第2参考例に係る太陽光発電システムが設置された空港の一部の構成を模式的に示す平面図である。
図21図21は、第2参考例に係る太陽光発電システムが設置された空港に対して着陸態勢にある航空機の操縦士の眼球について、A群の第1反射領域に係る視角と推定放射照度に対応する網膜放射照度と臨界放射照度との関係の一例を模式的に示すグラフである。
図22図22は、第2参考例に係る太陽光発電システムが設置された空港に対して着陸態勢にある航空機の操縦士の眼球について、B群の第1反射領域に係る視角と推定放射照度に対応する網膜放射照度と臨界放射照度との関係の一例を模式的に示すグラフである。
図23図23は、第1実施形態の第2具体例に係る太陽光発電システムが設置された空港の一部の構成を模式的に示す平面図である。
図24図24は、第1実施形態の第2具体例に係る太陽光発電システムが設置された空港に対して着陸態勢にある航空機の操縦士の眼球について、A群の第1反射領域に係る視角と推定放射照度に対応する網膜放射照度と臨界放射照度との関係の一例を模式的に示すグラフである。
図25図25は、第1群および第2群のそれぞれにおける太陽電池モジュールの列の間隔と、第1群と第2群との間隔と、の関係の一例を模式的に示す平面図である。
図26図26は、第2実施形態に係る太陽光発電システムの第1例が設置された空港に対して航空機が着陸態勢にある様子の一例を模式的に示す斜視図である。
図27図27は、第2実施形態に係る太陽光発電システムの第1例において、太陽光の照射に応じて第1群の2つ以上の受光面で生じる正反射光の第1通過領域と、太陽光の照射に応じて第2群の2つ以上の受光面で生じる正反射光の第2通過領域と、着陸飛行経路と、の位置関係の一例を示すイメージ図である。
図28図28は、第2実施形態に係る太陽光発電システムの第2例が設置された空港に対して航空機が着陸態勢にある様子の一例を模式的に示す斜視図である。
図29図29は、第2実施形態に係る太陽光発電システムの第2例において、太陽光の照射に応じて第1群の2つ以上の受光面で生じる正反射光の第1通過領域と、太陽光の照射に応じて第2群の2つ以上の受光面で生じる正反射光の第2通過領域と、着陸飛行経路と、の位置関係の一例を示すイメージ図である。
図30図30は、第3実施形態に係る太陽光発電システムが設置された空港に対して航空機が着陸態勢にある様子の一例を模式的に示す斜視図である。
図31図31は、第4実施形態に係る太陽光発電システムが設置された空港の構成の一例を模式的に示す平面図である。
図32図32は、第5実施形態に係る太陽光発電システムが設置された空港の構成の一例を模式的に示す平面図である。
図33図33は、第6実施形態に係る太陽光発電システムが設置された空港に対して航空機が着陸態勢にある様子の一例を模式的に示す斜視図である。
図34図34は、図33の空港の位置XXXIV-XXXIVにおける仮想の断面の一例を模式的に示す断面図である。
図35図35は、第7実施形態に係る太陽光発電システムが設置された空港に対して航空機が着陸態勢にある様子の一例を模式的に示す斜視図である。
図36図36は、図35の空港の位置XXXVI-XXXVIにおける仮想の断面の一例を模式的に示す断面図である。
図37図37は、第8実施形態に係る太陽光発電システムが設置された空港に対して航空機が着陸態勢にある様子の一例を模式的に示す斜視図である。
図38図38は、図37の空港の位置XXXVIII-XXXVIIIにおける仮想の断面の一例を模式的に示す断面図である。
図39図39は、第9実施形態に係る太陽光発電システムが設置された空港の一部の構成の一例を模式的に示す斜視図である。
図40図40は、第10実施形態に係る太陽光発電システムの概略的な構成の一例を模式的に示すブロック図である。
図41図41は、第10実施形態に係る太陽光発電システムの概略的な構成の他の一例を模式的に示すブロック図である。
図42図42は、その他の太陽光発電システムが設置された空港に対して航空機が着陸態勢にある様子の一例を模式的に示す斜視図である。
図43図43は、その他の太陽光発電システムが設置された空港に対して航空機が着陸態勢にある様子の一例を模式的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
再生可能エネルギーとしての太陽光を利用して発電を行う太陽光発電システムが知られている。太陽光発電システムの設置には、一定の広さの場所が必要である。そのような場所の1つとして、建築物の屋根上および遊休地などが着目されている。遊休地としては、例えば、空港の滑走路の周囲の土地などが着目されている。
【0011】
この太陽光発電システムでは、太陽電池モジュールの表面(受光面ともいう)で反射される太陽光の反射光が、太陽光発電システムの周囲において、乗り物および建物の内部などにいる人に眩しさを生じさせることが考えられる。特に、空港の滑走路の周囲の土地に太陽光発電システムを設置する場合、航空機の安全な運航のために、操縦室および管制室のうちの1つ以上の空間における防眩が重要となる。
【0012】
この太陽光の反射による眩しさを低減するために、太陽電池モジュールの受光面に凹凸を設けることで、太陽電池モジュールの受光面における太陽光の正反射を低減することが考えられる。
【0013】
しかしながら、太陽電池モジュールにおいては、受光面に凹凸を設けると、受光面における太陽光の正反射が低減されるものの、太陽電池素子に入射する光の量(光量ともいう)の低下によって発電量が低下することが考えられる。つまり、眩しさの低減の代償として、発電量が低下することが考えられる。
【0014】
また、太陽光の反射による眩しさを低減するために、太陽光発電システムの周囲における特定の位置において眩しさを生じさせる箇所には太陽電池モジュールを設置しない方策などが考えられる。
【0015】
しかしながら、太陽光発電システムにおいて、太陽電池モジュールの数が減少すると、発電量が低下することが考えられる。
【0016】
よって、太陽光発電システムについては、太陽光の反射による眩しさを低減させる点で改善の余地がある。
【0017】
そこで、本開示の発明者は、太陽光発電システムについて、太陽光の反射による眩しさを低減させることができる技術を創出した。
【0018】
これについて、以下、各種実施形態について図面を参照しつつ説明する。図面においては、同一または類似の構成および機能を有する部分に同じ符号を付しており、下記説明では重複説明を省略する。図面では、各種構成などを模式的に示している。図1から図3図6図10図11図15図17図20図23図26図28図30から図39図42および図43のそれぞれには、右手系のXYZ座標系が付されている。このXYZ座標系では、水平面に沿った1つの方向が+X方向とされ、+X方向に対して垂直であり且つ水平面に沿った他の1つの方向が+Y方向とされ、鉛直上向きの方向が+Z方向とされている。図4図5図8および図19のそれぞれには、右手系のxyz座標系が付されている。このxyz座標系では、太陽電池モジュール3の受光面30sが傾斜している方向が-y方向とされ、-y方向に対して垂直であり且つ受光面30sに沿った方向が+x方向とされ、受光面30sの法線方向が+z方向とされている。受光面30sの法線方向は、受光面30sに直交し且つ受光面30sから離れる方向である。図25には、上記xyz座標系のx軸が付されている。図7および図13のそれぞれには、上記xyz座標系のz軸が付されている。図15図17図20および図23のそれぞれには、東西南北の四方位が付されている。四方位は、東(East)の頭文字であるE、西(West)の頭文字であるW、南(South)の頭文字であるS、および北(North)の頭文字であるNで示されている。図19および図25のそれぞれには、x方向に沿った1つの水平方向(第1水平方向ともいう)Dr1を示す矢印と、第1水平方向Dr1に直交する第2の水平方向(第2水平方向ともいう)Dr2を示す矢印と、が付されている。
【0019】
相対的または絶対的な位置関係を示す表現(例えば、「線上に位置」「一方向に」「一方向に沿って」「平行」「直交」「垂直」または「中心」など)は、特に断らない限り、その位置関係を厳密に表すのみならず、公差もしくは同程度の機能が得られる範囲で相対的に角度または距離に関して変位された状態も表す場合がある。等しい状態を示す表現(例えば、「同一」「等しい」または「均質」など)は、特に断らない限り、定量的に厳密に等しい状態を表すのみならず、公差もしくは同程度の機能が得られる差が存在する状態も表す場合がある。形状を示す表現(例えば、「矩形状」「四角形状」または「円筒形状」など)は、特に断らない限り、幾何学的に厳密にその形状を表すのみならず、同程度の効果が得られる範囲で、例えば、凹凸および面取りなどを有する形状も表す場合がある。1つの構成要素を「備える」「含む」または「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的表現ではない。「~の上」および「~の下」とは、特に断らない限り、2つの要素が接している場合のほか、2つの要素が離れている態様も含む場合がある。
【0020】
<1.第1実施形態>
第1実施形態に係る太陽光発電システム100について、図1から図6を参照しつつ説明する。太陽光発電システム100は、空港200の敷地内に設置された太陽光発電システム(空港太陽光発電システムともいう)である。
【0021】
<1-1.空港の構成>
図1および図2で示されるように、空港200は、例えば、滑走路1、着陸帯2、管制塔6および空港用地9などを含む。
【0022】
滑走路1は、空港200からの離陸の際および空港200への着陸の際に航空機5の滑走に用いる直線状の舗装路である。滑走路1は、水平面に沿った路面を有する。滑走路1は、平面視した場合に細長い矩形状の形状を有していてよい。本開示においては、特に説明がない限り、「平面視」とは、真上から真下に向けた平面視を意味する。滑走路1は、例えば、滑走路中心線標識1cおよび目標点標識1aなどの各種の標識を有する。
【0023】
滑走路中心線標識1cは、滑走路1の短手方向(幅方向ともいう)の中心を示しているとともに、滑走路1の長手方向に沿って位置している中心線を示す標識である。滑走路中心線標識1cは、滑走路1の中心線に沿った破線で描かれている。滑走路1の短手方向(幅方向)は、滑走路1の長手方向に直交し且つ滑走路1に沿った方向である。別の観点から言えば、滑走路1の長手方向は、滑走路1の路面の長手方向であり、滑走路1の短手方向(幅方向)は、滑走路1の路面の短手方向(幅方向)である。図1および図2で示された一例では、滑走路1の長手方向は、+X方向に沿った方向であり、滑走路1の短手方向(幅方向)は、+Y方向に沿った方向である。
【0024】
目標点標識1aは、着陸の際に滑走路1上において航空機5のタイヤを接地させる目標点(着陸目標点ともいう)を示す標識である。目標点標識1aは、滑走路1の中心線を挟む2つの平行な四角形のマークを有する。滑走路1は、例えば、2つの目標点標識1aを有していてもよい。2つの目標点標識1aは、第1目標点標識1a1と、第2目標点標識1a2とを含む。第2目標点標識1a2は、第1目標点標識1a1とは異なる目標点標識1aである。第1目標点標識1a1は、滑走路1の長手方向における第1端部の側に位置している。第2目標点標識1a2は、滑走路1の長手方向における第1端部とは逆の第2端部の側に位置している。図1で示された一例では、滑走路1の長手方向における第1端部は、滑走路1の+X方向の側に位置している端部であり、滑走路1の長手方向における第2端部は、滑走路1の-X方向の側に位置している端部である。図1で示された一例では、航空機5は、滑走路1の第1端部側から滑走路1への着陸、および滑走路1の第2端部側から滑走路1への着陸の何れの着陸も可能である。別の観点から言えば、航空機5は、第1端部側から滑走路1上へ進入して第1目標点標識1a1もしくは第1目標点標識1a1の近傍にタイヤを接地させる着陸、および第2端部側から滑走路1上へ進入して第2目標点標識1a2もしくは第2目標点標識1a2の近傍にタイヤを接地させる着陸の何れの着陸も可能である。
【0025】
図1および図2で示された一例では、図面の複雑化を避ける目的で、滑走路1の一部の記載が省略されており、滑走路1の各種標識および照明設備などの記載も適宜省略されている。
【0026】
着陸帯2は、航空機5の安全な離着陸を実現するために設けられた滑走路1を囲む地帯である。図1では、着陸帯2に砂地状の模様を用いたハッチングが便宜的に付されている。着陸帯2は、滑走路1に沿って位置している。換言すれば、着陸帯2の長手方向は、滑走路1の長手方向に沿った方向である。
【0027】
管制塔6は、空港200において管制を行う塔状の施設である。管制塔6は、例えば、空港200のうちの滑走路1の脇に位置している。管制では、航空機5と交信をしながら離着陸などに関する指示を行う。
【0028】
空港用地9は、空港200の機能を維持するために必要な施設の用地である。
【0029】
<1-2.太陽光発電システムの構成>
太陽光発電システム100は、複数の太陽電池モジュール3を備えている。複数の太陽電池モジュール3は、空港200における滑走路1または着陸帯2の長手方向に沿った土地にそれぞれ設置された状態にある。複数の太陽電池モジュール3は、滑走路1の長手方向に沿った土地にそれぞれ設置されていてもよいし、着陸帯2の長手方向に沿った土地にそれぞれ設置されていてもよいし、滑走路1および着陸帯2の両方に沿った土地にそれぞれ設置されていてもよい。
【0030】
滑走路1の長手方向に沿った土地には、滑走路1の短手方向(幅方向)において滑走路1を挟んでいる形態で位置している一対の土地(第1の一対の土地ともいう)が含まれていてもよいし、この第1の一対の土地の何れか一方の土地が含まれていてもよい。第1の一対の土地には、着陸帯2が含まれていてもよいし、着陸帯2に沿って位置している空港用地9が含まれていてもよいし、着陸帯2とこの着陸帯2に沿って位置している空港用地9とが含まれていてもよい。
【0031】
着陸帯2の長手方向に沿った土地には、着陸帯2の短手方向(幅方向)において着陸帯2を挟んでいる形態で位置している一対の土地(第2の一対の土地ともいう)が含まれていてもよいし、この第2の一対の土地の何れか一方の土地が含まれていてもよい。第2の一対の土地には、着陸帯2に沿って位置している空港用地9が含まれ得る。図1で示された一例では、着陸帯2の長手方向は+X方向に沿った方向であり、着陸帯の短手方向(幅方向)は+Y方向に沿った方向である。
【0032】
複数の太陽電池モジュール3は、2つ以上の太陽電池モジュール3でそれぞれ構成された複数のグループ(群とも、モジュール群ともいう)3gを有する。複数のモジュール群3gは、第1モジュール群(第1群ともいう)3g1と、第2モジュール群(第2群ともいう)3g2と、を含む。第1群3g1は、複数の第1太陽電池モジュール31で構成されている。第2群3g2は、1つ以上の第2太陽電池モジュール32を含む2つ以上の太陽電池モジュール3で構成されている。
【0033】
図1では、複数のモジュール群3gのそれぞれが便宜的に1つの四角形で示されている。また、図1では、第1群3g1には右上がりの斜線を用いたハッチングが付されており、第2群3g2には左上がりの斜線を用いたハッチングが付されている。図1で示された一例では、空港200には、7個の第1群3g1と4個の第2群3g2とを含む11個のモジュール群3gが存在している。図1で示された一例では、11個のモジュール群3gが空港用地9に設置された状態にある。図2で示された一例では、空港200および太陽光発電システム100のうち、滑走路1の一部と、2つの第2群3g2と、2つの第1群3g1の一部と、管制塔6と、が描かれており、その他の構成の記載が省略されている。
【0034】
第2群3g2を構成している2つ以上の太陽電池モジュール3は、例えば、複数の第2太陽電池モジュール32のみを含んでいてもよいし、第1太陽電池モジュール31と第2太陽電池モジュール32とを含んでいてもよい。図1および図2で示された一例では、第2群3g2を構成している2つ以上の太陽電池モジュール3は、複数の第2太陽電池モジュール32のみを含んでいる。
【0035】
図2および図3で示されるように、例えば、複数のモジュール群3gのそれぞれは、1つ以上の架台4に固定された2つ以上の太陽電池モジュール3を備えていてよい。換言すれば、太陽光発電システム100は、1つ以上の架台4と2つ以上の太陽電池モジュール3とをそれぞれ備えている複数の部分である複数の太陽電池アレイを含んでいてよい。
【0036】
図2および図3で示された一例では、各モジュール群3gは、複数の架台4に固定された複数の太陽電池モジュール3を備えている。図2および図3の例における第2群3g2では、+X方向に沿って並んでいる21枚の太陽電池モジュール3によってそれぞれ構成された3列の太陽電池モジュール3の列が、+Y方向に並んでいる。換言すれば、63枚の太陽電池モジュール3が行列状に並んでいる。1つ以上の架台4および2つ以上の太陽電池モジュール3のそれぞれについての数および配列は、図2および図3の例の数および配列に限られず、種々の数および配列であってもよい。例えば、1つのモジュール群3gを構成している2つ以上の太陽電池モジュール3が固定された架台4の数は、1つであってもよいし、2つ以上の任意の数であってもよい。1つのモジュール群3gを構成している太陽電池モジュール3の数は、2つであってもよいし、3つ以上の任意の数であってもよい。
【0037】
架台4は、空港200の敷地内における空港用地9もしくは着陸帯2に太陽電池モジュール3を固定している。空港用地9に架台4が位置していれば、架台4は、太陽電池モジュール3を空港用地9に固定している。着陸帯2に架台4が位置していれば、架台4は、太陽電池モジュール3を着陸帯2に固定している。架台4は、例えば、コンクリート製の基礎部によって空港用地9もしくは着陸帯2の土地に固定されていてよい。架台4には、例えば、柱および梁が組み合わされた構造(架構構造ともいう)が適用される。例えば、1つの架台4に1つの太陽電池モジュール3が固定されていてもよいし、1つの架台4に2つ以上の太陽電池モジュール3が固定されていてもよいし、2つ以上の架台4に1つの太陽電池モジュール3が固定されていてもよい。
【0038】
図4および図5で示されるように、複数の太陽電池モジュール3のそれぞれは、例えば、太陽電池セル303cと、この太陽電池セル303cを受光面30s側から保護している透光性部材301と、を有する。受光面30sは、太陽電池モジュール3のうちの太陽光SL0を受光するための面である。別の観点から言えば、例えば、太陽電池モジュール3のうちの上方もしくは斜め上方を向いている面が受光面30sである。
【0039】
各太陽電池モジュール3は、例えば、太陽電池パネル30pと、この太陽電池パネル30pの外縁部を補強しているフレーム30fと、を有する。
【0040】
太陽電池パネル30pは、主として光を受光する受光面30sを構成している第1面F1と、この第1面F1の逆側に位置している第2面F2と、を有する。太陽電池パネル30pは、例えば、第1面F1側から順に、第1保護層としての透光性部材301と、第1封止層302と、光電変換部303と、第2封止層304と、第2保護層としての裏面保護部材305と、端子ボックス30bと、を有する。
【0041】
透光性部材301は、例えば、光電変換部303の第1面F1側に位置している。ここでは、例えば、透光性部材301の光電変換部303とは逆側の表面(第1表面ともいう)が第1面F1を構成している。透光性部材301は、例えば、光電変換部303を保護する役割と、光電変換部303を封止する役割と、を有する。透光性部材301は、例えば、特定範囲の波長の光に対する透光性を有する。特定範囲の波長は、例えば、光電変換部303が光電変換し得る光の波長を含む。特定範囲の波長に、太陽光SL0のうちの照射強度の高い光の波長が含まれていれば、太陽電池モジュール3の光電変換効率が向上し得る。透光性部材301の素材として、例えば、ガラスなどが採用され得る。透光性部材301の素材は、これに限られず、例えば、アクリルもしくはポリカーボネートなどの樹脂であってもよいし、他の透光性を有する素材であってもよい。ガラスには、例えば、厚さが2ミリメートル(mm)から5mm程度の板状の白板ガラス、強化ガラスまたは熱線反射ガラスなどの光透過率の高い材料が適用される。ガラスの厚さおよび種類は、これに限られず、種々の厚さおよび種々の種類のガラスであってもよい。
【0042】
第1封止層302は、透光性部材301と光電変換部303との間に位置している。第2封止層304は、光電変換部303と裏面保護部材305との間に位置している。換言すれば、第1封止層302と第2封止層304とが、光電変換部303を覆う形態で、透光性部材301と裏面保護部材305との間に充填された状態で位置している。第1封止層302および第2封止層304は、例えば、光電変換部303を保持する役割と、光電変換部303を封止する役割と、を有する。第1封止層302は、上述した特定範囲の波長の光に対する透光性を有する。第2封止層304は、上述した特定範囲の波長の光に対する透光性を有していてもよいし、この透光性を有していなくてもよい。第1封止層302および第2封止層304の素材の例として、熱硬化性樹脂などが採用され得る。この熱硬化性樹脂の例として、エチレン酢酸ビニル共重合体(Ethylene-Vinyl Acetate:EVA)またはポリビニルブチラール(Poly-Vinyl Butyral:PVB)を主成分とする樹脂が採用され得る。熱硬化性樹脂は、架橋剤を含有していてもよい。ここで、主成分とは、含有される比率(含有率ともいう)が最も大きい(高い)成分のことを意味する。
【0043】
光電変換部303は、例えば、複数の太陽電池セル(太陽電池素子ともいう)303cと、複数の第1配線材W1と、複数の第2配線材W2と、を含む。図4および図5で示された一例では、複数の太陽電池セル303cが2次元的に並んでいる。より具体的には、光電変換部303は、複数のセル列S1を含む。図4および図5では、光電変換部303が6つのセル列S1を含む一例が挙げられているが、これに限られない。例えば、光電変換部303は、5つ以下または7つ以上のセル列S1を含んでいてもよい。各セル列S1は、複数の太陽電池セル303cと、複数の第1配線材W1と、を含む。図4および図5では、各セル列S1が8個の太陽電池セル303cを含む一例が挙げられているが、これに限られない。例えば、各セル列S1は、7個以下または9個以上の太陽電池セル303cを含んでいてもよい。複数の第1配線材W1は、例えば、複数の太陽電池セル303cのうちの相互に隣り合う太陽電池セル303cの間をそれぞれ電気的に接続している。複数の第2配線材W2は、複数のセル列S1のうちの相互に隣り合うセル列S1の間をそれぞれ電気的に接続している。
【0044】
裏面保護部材305は、例えば、光電変換部303の第2面F2側に位置している。ここでは、例えば、裏面保護部材305の光電変換部303とは逆側の表面が第2面F2を構成している。裏面保護部材305は、例えば、光電変換部303を保護する役割と、光電変換部303を封止する役割と、を有する。裏面保護部材305は、例えば、上述した特定範囲の波長の光に対する透光性を有していてもよいし、この透光性を有していなくてもよい。裏面保護部材305には、例えば、柔軟性を有するシート状の部材(シート部材ともいう)または板状の部材などが適用される。シート部材の素材には、例えば、樹脂などの種々の素材が適用される。板状の部材の素材には、例えば、ガラスまたはアクリルもしくはポリカーボネートなどの樹脂などの種々の素材が適用される。
【0045】
端子ボックス30bは、例えば、光電変換部303で得られた出力を外部に取り出すことができる。端子ボックス30bは、例えば、第2面F2上に位置している。端子ボックス30bは、例えば、シリコンシーラントなどの樹脂が用いられて、第2面F2に固定され得る。端子ボックス30bは、太陽電池パネル30pの別の場所に位置していてもよい。端子ボックス30bは、例えば、箱体と、端子板と、ケーブルと、を有する。この場合には、箱体の素材には、例えば、変性ポリフェニレンエーテル樹脂(変性PPE樹脂)またはポリフェニレンオキサイド樹脂(PPO樹脂)などの種々の素材が適用され得る。端子板は、箱体内に位置している。端子板には、光電変換部303の第2配線材W2が接続されていてよい。ケーブルは、例えば、端子板に接続されており、箱体の外部へ電力を導出することができる。
【0046】
フレーム30fは、太陽電池パネル30pを保持する機能を有する。フレーム30fは、例えば、太陽電池パネル30pの外周部に沿って位置している。フレーム30fは、例えば、太陽電池パネル30pの外周部における第1面F1に沿った位置から第2面F2に沿った位置に至るU字状の断面構造を有する部分を含む。フレーム30fは、例えば、アルミニウムの押し出し成形などで作製され得る。
【0047】
第1実施形態では、第1太陽電池モジュール31の受光面30s(第1受光面30s1ともいう)における光の反射率は、第2太陽電池モジュール32の受光面30s(第2受光面30s2)における光の反射率よりも大きい。換言すれば、第2太陽電池モジュール32の第2受光面30s2における光の反射率は、第1太陽電池モジュール31の第1受光面30s1における光の反射率よりも小さい。ここで言う光の反射率には、例えば、受光面30sに対して所定の入射角度で光を入射した場合において、入射光の強度に対する、正反射光の成分が最大となる反射光のピーク強度の比率が適用されてよい。ここでは、例えば、第1受光面30s1よりも第2受光面30s2における粗さもしくは凹凸を大きくすることで、第2受光面30s2における光の反射率を、第1受光面30s1における光の反射率よりも小さくすることができる。
【0048】
例えば、透光性部材301がガラス製の板材(ガラス板ともいう)である場合には、受光面30sの凹凸は、ガラス板を製造する際に、このガラス板の片面に凹凸を形成することで実現され得る。この場合には、例えば、上下に並んだ2本の水冷ロールの間に溶融したガラスを通してガラス板を製造する際に、2本の水冷ロールのうちの下方の水冷ロールの表面が彫刻などで形成された模様を有していれば、その模様の転写によってガラス板の片面に凹凸が形成され得る。図2図3および図6の例では、第1受光面30s1にはハッチングが付されておらず、第2受光面30s2には砂地状の模様を用いたハッチングが付されている。
【0049】
ここでは、第1受光面30s1よりも第2受光面30s2における粗さもしくは凹凸が大きいことで、第1太陽電池モジュール31および第2太陽電池モジュール32に対して同一の角度で同一の光量の太陽光SL0を照射すると、第2太陽電池モジュール32よりも第1太陽電池モジュール31において、より多くの光量の太陽光SL0が透光性部材301を透過し得る。このため、第2太陽電池モジュール32における変換効率よりも第1太陽電池モジュール31における変換効率の方が高くなり得る。太陽電池モジュール3における変換効率は、太陽電池モジュール3において照射された光のエネルギーを電気のエネルギーに変換する割合を示す。
【0050】
第1実施形態では、太陽900が通年の日周運動を行う際に、複数の太陽電池モジュール3における太陽光SL0の反射に応じて1つ以上の空間の特定の位置P1に入射する反射光の放射照度の推定値(推定放射照度ともいう)が、所定の放射照度以下である。1つ以上の空間は、図2および図6で示されるように、飛行中の航空機5の操縦室5cであってもよいし、管制塔6の管制室6cであってもよい。特定の位置P1は、飛行中の航空機5の操縦室5cにおける特定の位置(第1の特定の位置ともいう)P1aであってもよいし、管制塔6の管制室6cにおける特定の位置(第2の特定の位置ともいう)P1bであってもよい。ここで、太陽900が通年の日周運動を行う際に、推定放射照度が所定の放射照度以下であるとは、太陽900が通年の日周運動を行う際に、推定放射照度が所定の放射照度以下である状態が維持されることを意味している。
【0051】
ここでは、所定の放射照度は、例えば、特定の位置P1において、人(対象者ともいう)が受光面30sからの太陽光SL0の反射光を眩しく感じない放射照度と、対象者が受光面30sからの太陽光SL0の反射光を眩しく感じる放射照度との境界の放射照度に設定される。特定の位置P1において対象者が受光面30sからの太陽光SL0の反射光を眩しく感じる状況には、例えば、特定の位置P1において対象者が受光面30sからの太陽光SL0の反射光によるフラッシュによって一時的な残像(一時的なフラッシュ失明ともいう)を生じる状況が含まれていてよい。特定の位置P1において対象者が受光面30sからの太陽光SL0の反射光を眩しく感じない状況には、例えば、特定の位置P1において対象者が受光面30sからの太陽光SL0の反射光によるフラッシュによって一時的な残像(一時的なフラッシュ失明)を生じない状況が含まれていてよい。特定の位置P1における対象者には、例えば、操縦室5cにいる操縦士および管制室6cにいる管制官のうちの1人以上の人が含まれ得る。
【0052】
ここで、仮に、空港200における滑走路1または着陸帯2の長手方向に沿った土地に、単一の種類の複数の太陽電池モジュール3を設置する場合を想定する。この場合には、複数の太陽電池モジュール3が設置される土地には、複数の太陽電池モジュール3において高い発電量を得るための受光面30sの向きと、特定の位置P1において対象者が受光面30sからの太陽光SL0の反射光を眩しく感じる受光面30sの向きと、が一致する特定の土地が存在する場合がある。換言すれば、複数の太陽電池モジュール3が設置される土地には、複数の太陽電池モジュール3において高い発電量が得られる受光面30sの向きと、特定の位置P1において対象者が受光面30sからの太陽光SL0の反射光を眩しく感じない受光面30sの向きと、が一致しない特定の土地が存在する場合がある。これに対して、第1実施形態では、第1太陽電池モジュール31と第2太陽電池モジュール32とを含む、受光面30sにおける光の反射率が異なる2種類以上の太陽電池モジュール3が配置された構成が採用される。これにより、複数の太陽電池モジュール3のそれぞれの受光面30sの向きを高い発電量を得るための向きに設定しても、特定の土地に第2太陽電池モジュール32を配置することで、特定の位置P1において対象者が1つ以上の受光面30sから受ける反射光の推定放射照度が所定の放射照度以下となる。その結果、特定の位置P1において対象者が受光面30sからの太陽光SL0の反射光を眩しく感じる度合いを許容範囲内まで低減することができる。
【0053】
例えば、太陽光発電システム100では、発電量を増加させる観点から、第1太陽電池モジュール31を太陽が正中する方向(正中方向ともいう)に向けて設置したいものの、特定の位置P1において対象者が第1太陽電池モジュール31の受光面30sからの太陽光SL0の反射光を眩しく感じる度合いが許容範囲を超える特定の土地が存在する場合がある。この場合には、特定の土地では、例えば、第1太陽電池モジュール31の受光面30sの向きを東向きまたは西向きに変更することが考えられるものの、太陽光発電システム100における発電量の低下を招く。これに対して、特定の土地では、例えば、第1太陽電池モジュール31よりも受光面30sにおける光の反射率が低い第2太陽電池モジュール32を用いて、受光面30sを正中方向に向けて設置すると、特定の位置P1において対象者が第2太陽電池モジュール32の受光面30sからの太陽光SL0の反射光を眩しく感じる度合いを許容範囲内とすることが可能である。さらに、この場合には、例えば、特定の土地において第1太陽電池モジュール31の受光面30sの向きを東向きまたは西向きとする形態と比較して、太陽光発電システム100における発電量を増加させることも可能である。また、この場合には、太陽光発電システム100における複数の太陽電池モジュール3の全てを複数の第2太陽電池モジュール32として、複数の第2太陽電池モジュール32のそれぞれの受光面30sを正中方向に向けて設置する場合と比較して、太陽光発電システム100における発電量を増加させることが可能である。
【0054】
したがって、第1実施形態では、太陽光発電システム100について、太陽光SL0の反射による眩しさを低減させることができる。別の観点から言えば、太陽光発電システム100において、発電量の低下を低減させつつ、太陽光SL0の反射による眩しさを低減させることができる。
【0055】
ここで、図6で示されるように、特定の位置P1を含む1つ以上の空間が、飛行中の航空機5の操縦室5cを含む場合には、飛行中の航空機5は、例えば、滑走路1へ着陸するための着陸態勢にある航空機5であってよい。この場合には、航空機5の操縦に注意を要する滑走路1への着陸の直前において、複数の太陽電池モジュール3の各受光面30sにおける太陽光SL0の反射光による操縦士の眩惑が低減され得る。
【0056】
ここでは、着陸態勢にある航空機5は、ランディングギアを下げた状態にある航空機5であってよい。例えば、図6で示されるように、着陸態勢にある航空機5が滑走路1に向かって飛行する経路(着陸飛行経路ともいう)に沿って伸びている仮想の直線を基準仮想線Ln0とする。図6では、基準仮想線Ln0が、細い1点鎖線で描かれた直線で示されている。着陸態勢にある航空機5は、着陸飛行経路に沿った基準仮想線Ln0に沿って飛行する。より具体的には、着陸飛行経路は、滑走路1の目標点標識1aの図心である点(着陸基準点ともいう)Pc0に向かって航空機5が飛行する経路である。図心は、ある図形の断面一次モーメントがゼロ(0)となる点であってよい。第1実施形態では、目標点標識1aが一様な重さを持った図形であるものとした場合には、目標点標識1aの重心にあたる位置を、目標点標識1aの図心と考えてもよい。着陸飛行経路は、水平面に対して所定の角度(着陸角度ともいう)の傾斜角を成している。着陸角度は、国際民間航空機関(International Civil Aviation Organization:ICAO)によって3度もしくは3度前後の角度に設定されている。3度前後の角度は、例えば、2.5度から3.5度の範囲にある角度を含む。また、基準仮想線Ln0は、滑走路1の滑走路中心線標識1cを通る仮想の鉛直面(仮想鉛直面ともいう)に沿って位置している。仮想鉛直面は、滑走路中心線標識1c上を通り且つ水平面に垂直な仮想的な面である。換言すれば、基準仮想線Ln0は、仮想鉛直面に沿って位置しているとともに、水平面に沿って位置している滑走路1に対して3度もしくは3度前後の傾斜角を成している。上述した特定の位置P1が第1の特定の位置P1aである場合には、第1の特定の位置P1aは基準仮想線Ln0に沿った任意の位置であってよい。
【0057】
また、ここでは、第1の特定の位置P1aは、例えば、操縦室5c内の視点であってよい。操縦室5c内の視点は、例えば、着陸態勢にある航空機5において、目標点標識1aおよび受光面30sを含む対象物を眺める位置となり得る。ここで、操縦室5c内の視点は、例えば、操縦士の眼球の位置、操縦室5cの位置、操縦席の位置または操縦士の頭の位置などによって特定され得る。操縦士の眼球の位置には、例えば、操縦士における眼球の網膜の略中心の位置または眼球の略中心の位置などの眼球の所定の位置(第1所定位置ともいう)が適用され得る。操縦室5cの位置には、例えば、操縦室5cの略中心の位置などの操縦室5cの所定の位置(第2所定位置ともいう)が適用され得る。操縦席の位置には、例えば、操縦席のヘッドレストの略中心の位置などの操縦席の所定の位置(第3所定位置ともいう)が適用され得る。例えば、操縦室5cに複数の操縦席が存在している場合には、操縦席の位置には、複数の操縦席のうちの航空機5を操縦する操縦士もしくは機長(主操縦士ともいう)が通常使用する操縦席の所定の位置(第3所定位置)、または複数の操縦席の間の略中心の位置などの複数の操縦席についての所定の位置(第4所定位置ともいう)が適用されてもよい。操縦士の頭の位置には、例えば、操縦士の頭の略中心の位置などの操縦士の頭の所定の位置(第5所定位置ともいう)が適用され得る。例えば、操縦室5cに複数の操縦士が存在している場合には、操縦士の頭の位置には、複数の操縦士のうちの主操縦士の頭の所定の位置(第5所定位置)、または複数の操縦士の頭の間の略中心の位置などの複数の操縦士の頭についての所定の位置(第6所定位置ともいう)が適用されてもよい。
【0058】
ここで、特定の位置P1を含む1つ以上の空間が、管制塔6の管制室6cを含む場合には、管制塔6の管制室6cにおける特定の位置(第2の特定の位置)P1bは、管制官の視点であってよい。管制官の視点は、管制承認伝達席に着座している管制官の視点であってもよいし、地上管制席に着座している管制官の視点であってもよいし、飛行場管制席に着座している管制官の視点であってもよい。この場合には、空港200における管制室6cにおいて、複数の太陽電池モジュール3の各受光面30sにおける太陽光SL0の反射光による管制官の眩惑が低減され得る。その結果、管制官による航空機5の誘導の容易さが向上し得る。
【0059】
ここでは、管制承認伝達席に着座している管制官は、例えば、管制の認証の中継などを行う役割を有する。地上管制席に着座している管制官は、例えば、滑走路1以外の地上における航空機5の走行に関する指示を発出する役割を有する。飛行場管制席に着座している管制官は、例えば、離着陸の許可、滑走路1の横断の許可および管制圏内の飛行に関する指示を航空機5に発出する役割を有する。
【0060】
また、ここでは、第2の特定の位置P1bは、管制室6c内の視点であってもよい。管制室6c内の視点は、管制官が役割に応じて受光面30sを含む対象物を眺める位置となり得る。ここで、管制室6c内の視点は、例えば、管制官の眼球の位置、管制室6cの位置、管制席の位置または管制官の頭の位置などによって特定され得る。管制官の眼球の位置には、例えば、管制官における眼球の網膜の略中心の位置または眼球の略中心の位置などの眼球の所定の位置(第7所定位置ともいう)が適用され得る。管制室6cの位置には、例えば、管制室6cの略中心の位置などの管制室6cの所定の位置(第8所定位置ともいう)が適用され得る。管制席は、管制承認伝達席、地上管制席および飛行場管制席のうちの何れの管制席であってもよい。管制席の位置には、例えば、管制席のヘッドレストの略中心の位置などの管制席の所定の位置(第9所定位置ともいう)が適用され得る。例えば、管制室6cに複数の管制席が存在している場合には、管制席の位置には、複数の管制席のそれぞれの所定の位置(第9所定位置)が適用されもよいし、複数の管制席の間の略中心の位置などの複数の管制席についての所定の位置(第10所定位置ともいう)が適用されてもよい。管制官の頭の位置には、例えば、管制官の頭の略中心の位置などの管制官の頭の所定の位置(第11所定位置ともいう)が適用され得る。例えば、管制室6cに複数の管制官が存在している場合には、管制官の頭の位置には、複数の管制官のそれぞれの頭の所定の位置(第11所定位置)が適用されてもよいし、複数の管制官の頭の間の略中心の位置などの複数の管制官の頭についての所定の位置(第12所定位置ともいう)が適用されてもよい。
【0061】
<1-3.複数の太陽電池モジュールにおける太陽光の反射>
例えば、図7で示されるように、複数の太陽電池モジュール3における複数の受光面30sでは、太陽900からの太陽光SL0の照射に応じて、照射された太陽光SL0の少なくとも一部が正反射を生じる。そして、例えば、正反射で生じた光(正反射光ともいう)RL1が、特定の位置P1において対象者の眼球7eに入射する場合がある。
【0062】
図7では、複数の受光面30sが便宜的に1つの楕円状の領域で示されている。図7では、複数の受光面30sのうち、太陽光SL0に応じた正反射光RL1を特定の位置P1における対象者の眼球7eに向けて発する領域(第1反射領域ともいう)Ar1も便宜的に1つの楕円状の領域で示されている。図7では、太陽光SL0の光路が細い1点鎖線で描かれている。図7では、受光面30sの法線30nが細い実線で描かれた直線で示されている。図7では、第1反射領域Ar1の外縁が細い破線で描かれた楕円で示されている。図7では、特定の位置P1における対象者の眼球7eに向かう正反射光RL1の光路が細い2点鎖線で描かれている。図7では、受光面30sの法線30nに対して太陽光SL0が受光面30sに入射する方向(入射方向ともいう)が成す角度(入射角度ともいう)が角度θで示されている。太陽光SL0の入射方向は、受光面30sに対して入射する入射光としての太陽光SL0の進行方向である。別の観点から言えば、入射角度θは、入射光の光線と、受光面30sの法線30nとが成す角度である。入射光の光線は、入射光の進行方向に沿った仮想線であってよい。図7では、受光面30sの法線30nに対して特定の位置P1における対象者の視線が成す角度(視線角度ともいう)が角度φで示されている。図7の一例では、視線角度φが入射角度θと同一である。
【0063】
複数の受光面30sは、鏡面反射のみを生じる鏡面および拡散反射のみを生じる面(完全拡散反射面ともいう)の何れでもない場合が一般的である。換言すると、複数の受光面30sは、理想的な正反射を生じる方向(第1反射方向ともいう)へ反射する反射光の明るさが大きく、第1反射方向から外れるに従って反射光の明るさが小さくなる反射面(非均等拡散反射面ともいう)である場合が一般的である。ここで、受光面30sにおいて、理想的な正反射が生じる方向(第1反射方向)とは、受光面30sを仮に鏡面とした場合に、この鏡面において正反射を生じる方向である。
【0064】
受光面30sが一般的な光沢を有する反射面(非均等拡散反射面)であれば、太陽光SL0の受光面30sへの入射に応じて、受光面30sは正反射光と拡散反射光とを含む反射光が生じる。この場合には、例えば、図8で示されるように、受光面30sの点P0に太陽光SL0が入射すると、太陽光SL0の照射に応じて受光面30sで生じる反射光の輝度は、点P0を基準点とした破線Lrで描かれた分布を示す。図8で示される一例では、図7の例と同様に、受光面30sの法線30nに対して太陽光SL0の入射方向が成す角度が入射角度θである。点P0を基準点とした破線Lrで描かれた分布は、受光面30sの法線30nと反射光の光線とが成す角度(反射角度ともいう)θrに依存して変化する。また、受光面30sが非均等拡散反射面であれば、実際に受光面30sが正反射光を発する方向(第2反射方向ともいう)は、理想的な正反射を生じる方向(第1反射方向)と、この第1反射方向を中心もしくは略中心としてある程度分散した方向と、を含む。このため、反射角度θrが入射角度θに近い場合には、反射角度θrが入射角度θと近くない場合と比較して、反射光の輝度が高くなる。より具体的には、反射角度θrが入射角度θに近い場合には、反射角度θrが入射角度θに近づくにつれて、反射光の輝度が高くなる。よって、複数の受光面30sのうちの第1反射領域Ar1が特定の位置P1における対象者の眼球7eに向けて発する太陽光SL0に応じた正反射光RL1は、第1反射方向に向けた正反射光だけでなく、第1反射方向を含む第2反射方向に向けた正反射光も含むものとみなすことができる。
【0065】
ここでは、図8で示されるように、反射角度θrが入射角度θと同一である場合に、受光面30sで生じる反射光の輝度が最大となる。換言すれば、反射角度θrが入射角度θと同一である場合に、受光面30sで生じる反射光の強度が最大の強度(ピーク強度ともいう)となる。反射角度θrが入射角度θと同一である場合に、反射角度θrの反射光は、受光面30sにおいて理想的な正反射を生じる方向(第1反射方向)へ反射する反射光である。換言すれば、理想的な正反射を生じる第1反射方向は、入射光としての太陽光SL0の受光面30sに対する入射角度θと、受光面30sで生じる反射光の反射角度θrと、が同一である場合において、反射光が進行する方向である。そして、反射角度θrが入射角度θから遠ざかるにつれて、反射光の輝度が低くなる。換言すれば、反射角度θrが入射角度θから遠ざかるにつれて、受光面30sで生じる反射光の強度が低下する。このため、例えば、特定の位置P1における対象者の視線角度φが入射角度θに近い場合には、受光面30sにおける太陽光SL0の反射に応じて特定の位置P1における対象者の眼球7eの網膜7e5に入射する反射光の放射照度が高くなり得る。
【0066】
別の観点から言えば、例えば、太陽光SL0の照射に応じて受光面30sで生じる反射光は、太陽光SL0の正反射で生じるピーク強度を有する反射光(第1反射光ともいう)と、太陽光SL0の拡散反射で生じる反射光(拡散反射光ともいう)と、正反射方向の若干の分散によって生じる反射光(第2反射光ともいう)とを含む。第1反射光は、理想的な正反射を生じる第1反射方向へ向けて反射する反射光に相当する。第2反射光は、例えば、拡散反射光の強度よりも第1反射光のピーク強度に近い所定強度Th1以上の強度を有していてよい。ここでは、複数の受光面30sのうちの第1反射領域Ar1が特定の位置P1における対象者の眼球7eに向けて発する太陽光SL0に応じた正反射光RL1は、第1反射光と第2反射光とを含む反射光であってよい。所定強度Th1は、例えば、ピーク強度の所定割合の強度であってよい。所定割合は、例えば、90パーセント(%)であってもよいし、50%であってもよいし、25%であってもよいし、25%から95%の範囲の任意の割合であってもよい。ここで、例えば、図8で示すように、反射角度θrが入射角度θを略中心とした角度βの角度範囲にあれば、受光面30sで生じる反射光が所定強度Th1以上となる場合に、この角度βを正反射方向についての分散角度と称してもよい。
【0067】
ここで、図9で示されるように、特定の位置P1の対象者の眼球7eにおける第1反射領域Ar1についての視角をω[単位はラジアン(rad)]とする。視角ωは、特定の位置P1における対象者の眼球7eの網膜7e5に投影される視対象としての第1反射領域Ar1がなす角度である。別の観点から言えば、視角ωは、特定の位置P1における対象者の眼球7eの網膜7e5に投影される視対象としての第1反射領域Ar1の両端をそれぞれ通るとともに眼球7eまで伸びる2直線が成す角度に相当する。
【0068】
図9には、眼球7eの構造が模式的に示されている。眼球7eは、角膜7e1、虹彩7e2、レンズとしての水晶体7e3、瞳孔7e4および網膜7e5を有する。図9には、第1反射領域Ar1から眼球7eまでの距離x、眼球7eの焦点距離f、第1反射領域Ar1から網膜7e5に至る光路の節点7e6、特定の位置P1における対象者から見た第1反射領域Ar1の幅ds、網膜7e5において第1反射領域Ar1からの反射光が投影される領域の幅drおよび瞳孔の直径(瞳孔径ともいう)dpが示されている。幅dsは、特定の位置P1における対象者の視線に対して直交する面に投影した第1反射領域Ar1の幅である。幅dsは、例えば、特定の位置P1における対象者の視線に対して直交する面に投影した第1反射領域Ar1を便宜的に真円形状とした場合における第1反射領域Ar1の幅であってもよいし、特定の位置P1における対象者の視線に対して直交する面に投影した第1反射領域Ar1を便宜的に四角形状とした場合における第1反射領域Ar1の幅であってもよい。ここで、第1反射領域Ar1が特定の位置P1における対象者の視線に対して傾斜している場合には、例えば、距離xは、第1反射領域Ar1の図心から眼球7eまでの距離であってもよいし、第1反射領域Ar1から眼球7eまでの距離の平均値であってもよい。第1反射領域Ar1の幅dsについては、例えば、種々の計算によって算出されてもよい。例えば、第1反射領域Ar1が2つ以上の太陽電池モジュール3の受光面30sによって構成されている場合には、第1反射領域Ar1は、近似的に2つ以上の太陽電池モジュール3の間に位置している領域を含む領域とされてもよい。また、例えば、第1反射領域Ar1が2つ以上の太陽電池モジュール3によって構成されている場合に、第1反射領域Ar1は、2つ以上の太陽電池モジュール3の間に位置している領域を除いた領域とされてもよい。この場合には、例えば、第1反射領域Ar1の幅dsは、第1反射領域Ar1から2つ以上の太陽電池モジュール3の間に位置している領域を除いた一塊の領域に換算された後の特定の位置P1における対象者から見た一塊の領域の幅として算出されてもよい。
【0069】
ここで、例えば、複数の太陽電池モジュール3の複数の受光面30sにおける太陽光SL0の反射に応じて特定の位置P1における対象者の眼球7eの網膜7e5に入射する反射光の放射照度の推定値を推定放射照度であるE1とする。この場合には、例えば、太陽900が通年の日周運動を行う際に、推定放射照度E1が、所定の放射照度としての臨界放射照度Et[単位はワット毎平方メートル(W/m)]以下であってよい。
【0070】
臨界放射照度Etは、例えば、特定の位置P1にある対象者の眼球7eにおける第1反射領域Ar1についての視角ω[rad]を用いた式(1)で算出され得る。
【0071】
Et=0.359/ω1.77 ・・・(1)。
【0072】
式(1)で規定される臨界放射照度Etは、非特許文献1(Clifford K. Ho, Cheryl M. Ghanbari, Richard B. Diver, "Methodology to Assess Potential Glint and Glare Hazards From Concentrating Solar Power Plants: Analytical Models and Experimental Validation", Journal of Solar Energy Engineering, AUGUST 2011, Vol. 133 / 031021-1 to 031021-9)におけるFig.2の緑色の線を規定するEq.(5)に対応する。この非特許文献1では、光源から網膜に入射される光の放射照度が、Eq.(5)で算出される放射照度を下回れば、観察者がフラッシュによる一時的な残像(一時的なフラッシュ失明ともいう)を生じる可能性が低いとされている。
【0073】
このため、例えば、太陽900が通年の日周運動を行う際に、推定放射照度E1が、式(1)で算出される臨界放射照度Et以下であれば、太陽光発電システム100における太陽光SL0の反射による眩しさを低減することができる。
【0074】
<1-4.推定放射照度および視角の算出方法>
推定放射照度E1および視角ωのそれぞれは、例えば、種々の算出方法によって算出され得る。ここで、推定放射照度E1を算出する方法および視角ωを算出する方法の一例について説明する。
【0075】
特定の位置P1における対象者の眼球7eの網膜7e5に入射する正反射光RL1の放射照度の推定値を網膜放射照度であるEr[単位はW/m]とする。網膜放射照度Erは、推定放射照度E1に対応する。特定の位置P1における対象者の眼球7eの角膜7e1に入射される正反射光RL1の放射照度(角膜前面放射照度ともいう)をEc[単位はW/m]とする。上述したように受光面30sの法線30nに対して太陽光SL0の入射方向が成す角度(入射角度)をθ[単位は度(°)]とする。第1反射領域Ar1における正反射率をρ(θ)[単位は%]とする。平面に対して直角に入射する太陽光SL0の放射照度をEDNI[単位はW/m]とする。ここでは、太陽光放射照度EDNIを1000W/mの一定値とする。特定の位置P1における対象者の眼球7eの瞳孔7e4の直径(瞳孔径)をdp[単位はメートル(m)]とする。ここでは、瞳孔径dpを0.002mの一定値とする。特定の位置P1における対象者の眼球7eにおいて角膜7e1の前面から網膜7e5まで至る光が透過する経路における光の透過率(眼球媒体の光の透過率)をτとする。ここでは、透過率τを0.5の一定値とする。特定の位置P1における対象者の眼球7eの焦点距離をf[単位はm]とする。ここでは、焦点距離fを0.017mの一定値とする。上述した正反射方向についての分散角度をβ[単位はrad]とする。上述したように受光面30sの法線30nに対して特定の位置P1における対象者の視線が成す角度(視線角度)をφ[単位は度(°)]とする。ここでは、対象者の視線は、複数の受光面30sに係る代表点を通るものとしてよい。上述したように特定の位置P1の対象者の眼球7eにおける第1反射領域Ar1に係る視角をω[単位はrad]とする。上述した特定の位置P1における対象者の眼球7eの網膜7e5上に投影される第1反射領域Ar1の光像の幅(網膜投影像幅ともいう)をdr[単位はm]とする。ここでは、特定の位置P1における対象者から見た第1反射領域Ar1を真円とみなして、見かけ上の第1反射領域Ar1の光像の直径をdr[m]としてよい。上述した特定の位置P1における対象者から見た第1反射領域Ar1の幅をds[単位はm]とする。ここでは、特定の位置P1における対象者から見た第1反射領域Ar1を真円とみなして、見かけ上の第1反射領域Ar1の直径をds[m]としてよい。第1反射領域Ar1の面積をAh[単位はm]とする。受光面30sから特定の位置P1における対象者までの距離をx[単位はm]とする。ここでは、距離xは、複数の受光面30sに係る代表点と特定の位置P1との距離であってもよい。視線角度φおよび距離xに関しては、例えば、モジュール群3gごとに推定放射照度E1および視角ωを算出するものとして、複数の受光面30sに係る代表点を、モジュール群3gの代表点としてよい。モジュール群3gの代表点には、例えば、平面視したモジュール群3gの図心を適用してよい。また、複数の受光面30sに係る代表点は、第1反射領域Ar1の代表点であってもよい。この場合には、第1反射領域Ar1の代表点には、例えば、第1反射領域Ar1の図心が適用されてもよい。
【0076】
この場合には、式(2-1)から式(2-6)が成立し得る。
【0077】
ω=β×{2x×tan(β/2)/ds}-1 ・・・(2-1)
ds={(4Ah×cosφ)/π}0.5 ・・・(2-2)
Ec=ρ(θ)×EDNI×C ・・・(2-3)
C={2x×tan(β/2)/ds}-2 ・・・(2-4)
dr=f×ω ・・・(2-5)
Er=Ec×{(π×dp/4)/(π×dr/4)}×τ
=Ec×(dp/dr)×τ ・・・(2-6)。
【0078】
式(2-6)に、式(2-3)、式(2-4)、式(2-5)および式(2-1)を代入すれば、式(2-7)が得られる。
【0079】
Er={ρ(θ)×EDNI×dp×τ}/(f×β) ・・・(2-7)。
【0080】
式(2-7)を用いて推定放射照度E1に対応する網膜放射照度Erを算出することができる。
【0081】
ここでは、太陽光放射照度EDNI、瞳孔径dp、光の透過率τおよび焦点距離fのそれぞれに既知の値を適用すれば、網膜放射照度Erは、入射角度θ、正反射率ρ(θ)および分散角度βを用いて算出され得る。この場合には、推定放射照度E1は、第1反射領域Ar1において太陽光SL0が正反射を生じて特定の位置P1における対象者の網膜7e5に入射される正反射光RL1の放射照度の推定値としての網膜放射照度Erである。
【0082】
ここでは、入射角度θは、例えば、太陽900の高度(太陽高度ともいう)および方位角(太陽方位角ともいう)と、受光面30sが向いている方向とに基づいて算出される。受光面30sが向いている方向は、例えば、受光面30sの法線30nと水平面とが成す角度(設置角度ともいう)[単位は度(°)]と、平面視した場合に受光面30sの法線方向と北方向とが成す角度(設置方位ともいう)[単位は度(°)]と、によって規定される。本開示では、設置方位は、北方向を基準の0度として、平面視して時計回りに受光面30sの法線方向が北方向から回転している角度で示される。例えば、平面視して受光面30sの法線方向が東方向であれば、設置方位は90度である。平面視して受光面30sの法線方向が南方向であれば、設置方位は180度である。平面視して受光面30sの法線方向が西方向であれば、設置方位は270度である。正反射率ρ(θ)は入射角度θに応じて変化する変数である。この正反射率ρ(θ)は、例えば、グロスメーターなどの測定装置を用いて、日本工業規格(JIS)Z8741で規定される「鏡面光沢度-測定方法」に準じた方法で、入射角度θ[°]と反射率(日射反射率[%])との関係を測定することで得られる。分散角度βは、例えば、変角光度計または変角光沢計による実測結果から算出される。
【0083】
また、ここでは、視角ωは、式(2-1)に式(2-2)を代入した式と、分散角度β、距離x、面積Ahおよび視線角度φとを用いて算出される。
【0084】
ここでは、分散角度βは、上述したように、例えば、変角光度計または変角光沢計による実測結果から得られる。距離xは、例えば、複数の受光面30sに係る代表点および特定の位置P1のそれぞれの位置に応じて算出される。面積Ahは、例えば、太陽900の高度(太陽高度)および方位角(太陽方位角)と、複数の受光面30sの位置と、受光面30sが向いている方向と、特定の位置P1の位置との関係から算出される。視線角度φは、例えば、複数の受光面30sに係る代表点の位置と、受光面30sが向いている方向と、特定の位置P1の位置と、に応じて算出される。
【0085】
そして、ここで算出された視角ωを式(1)に代入することで、臨界放射照度Etが算出され得る。
【0086】
<1-5.複数の太陽電池モジュールの設定>
ここで、例えば、図10および図11で示されるように、複数の太陽電池モジュール3のそれぞれを仮想的に第1太陽電池モジュール31とした場合を想定する。この場合に、複数の太陽電池モジュール3のうち、太陽光SL0の反射に応じて特定の位置P1に入射する反射光の放射照度の推定値(推定放射照度)を所定の放射照度よりも大きくさせる1つ以上の太陽電池モジュール3のそれぞれが、実際には第2太陽電池モジュール32である形態が考えられる。これにより、例えば、複数の第1太陽電池モジュール31をより数多く配置するとともに、第2太陽電池モジュール32をより数少なく配置することで、太陽光発電システム100における発電量の低下を低減することが可能となる。ここでは、複数の太陽電池モジュール3のそれぞれを仮想的に第1太陽電池モジュール31とした場合は、複数の太陽電池モジュール3のそれぞれの受光面30sを仮想的に第1受光面30s1とした場合であってもよい。
【0087】
<<推定放射照度の評価>>
ここで、複数の太陽電池モジュール3のそれぞれを仮想的に第1太陽電池モジュール31とした場合に、推定放射照度E1に対応する網膜放射照度Erが、所定の放射照度である臨界放射照度Etよりも大きくなるか否か評価する方法について説明する。ここでは、モジュール群3gごとに、推定放射照度E1に対応する網膜放射照度Erと、所定の放射照度である臨界放射照度Etと、を算出する例を挙げて説明する。
【0088】
図12は、太陽900が通年の日周運動を行う際における第1反射領域Ar1に係る視角ωと推定放射照度E1に対応する網膜放射照度Erとの関係を求めるためのフローの一例を示すフローチャートである。このフローは、コンピュータなどで実行され得る。
【0089】
図12のステップSt1では、時刻を1月1日の日の出の時刻に設定する。ここでは、設定された時刻に応じた太陽900の太陽高度および太陽方位が設定される。
【0090】
次に、ステップSt2では、モジュール群3gにおける複数の受光面30sで生じる太陽光SL0の正反射光RL1の光路上に特定の位置P1が位置しているか否か判定する。ここでは、正反射光RL1の光路上に特定の位置P1が位置していれば、ステップSt3に進み、正反射光RL1の光路上に特定の位置P1が位置していなければ、ステップSt4に進む。
【0091】
図13には、第1群3g1における複数の受光面30sにおいて太陽光SL0の照射で生じた正反射光RL1の光路と特定の位置P1との関係の例が示されている。図13では、第1群3g1における複数の受光面30sが便宜的に1つの受光面30sで示されている。図13では、受光面30sに向かう太陽光SL0の光路(第1光路ともいう)の外縁が細い1点鎖線で描かれた矢印で示されている。複数の受光面30sにおいて生じた太陽光SL0の正反射光RL1の光路(第2光路ともいう)R2の外縁が細い2点鎖線で描かれた矢印で示されている。第2光路R2は、複数の受光面30sにおいて理想的な正反射を生じる第1反射方向へ向けて生じた太陽光SL0の正反射光の光路(第2A光路ともいう)R21と、複数の受光面30sにおいて分散角度βに応じて広がる正反射光の光路(第2B光路ともいう)R22と、を含む。図13では、第2A光路R21と、第2B光路R22との境界が細い1点鎖線で描かれた矢印で示されている。図13では、第2A光路R21に左上がりの斜線を用いたハッチングが付されており、第2B光路R22に砂地模様を用いたハッチングが付されている。図13で示された例では、特定の位置P1が位置Pt1にある場合には、正反射光RL1の第2光路R2上に特定の位置P1が位置しており、特定の位置P1が位置Pt2にある場合には、正反射光RL1の第2光路R2上に特定の位置P1が位置していない。
【0092】
次に、ステップSt3では、特定の位置P1の対象者の眼球7eにおける第1反射領域Ar1についての視角ω[rad]を算出するとともに、推定放射照度E1として、特定の位置P1における対象者の眼球7eの網膜7e5に入射する第1反射領域Ar1で生じた太陽光SL0の正反射光RL1の放射照度の推定値である網膜放射照度Er[W/m]を算出する。そして、算出した視角ω[rad]と網膜放射照度Er[W/m]との関係を示す点をグラフ上にプロットする。ここでは、視角ωは、例えば、上述したように、式(2-1)に式(2-2)を代入した式と、分散角度β、距離x、面積Ahおよび視線角度φとを用いて算出される。推定放射照度E1に対応する網膜放射照度Erは、例えば、上述したように、式(2-7)を用いて算出される。ここで算出した視角ω[rad]と網膜放射照度Er[W/m]との関係を示す点は、図14で示されるように、横軸を視角ω[rad]とし、縦軸を網膜放射照度Er[W/m]とするグラフにプロットしてよい。図14のグラフには、式(1)で規定される視角ω[rad]と臨界放射照度Et[W/m]との関係が1点鎖線で描かれた直線Lthで示されている。図14のグラフでは、1点鎖線で示された直線Lthを超える放射照度の領域に砂地模様を用いたハッチングが付されている。
【0093】
次に、ステップSt4では、時刻が12月31日の日没の時刻以降であるか否か判定する。ここでは、設定された時刻が12月31日の日没の時刻以降でなければステップSt5に進み、設定された時刻が12月31日の日没の時刻以降であれば、図12で示すフローを終了する。
【0094】
ステップSt5では、時刻を所定時間だけ先に進め、ステップSt2に戻る。所定時間は、例えば、1分間であってもよいし、1分間以外の任意の時間であってもよい。
【0095】
図12で示すフローによって、1つのモジュール群3gについて、太陽900が通年の日周運動を行う際における第1反射領域Ar1に係る視角ωと推定放射照度E1に対応する網膜放射照度Erとの関係を示す点がプロットされたグラフが作成され得る。このグラフは、複数のモジュール群3gのそれぞれについて作成されてよい。
【0096】
ここで、複数のモジュール群3gのうち、図14で示されるグラフにおいて直線Lthよりも上側にプロットされた点が存在しているモジュール群3gについては、モジュール群3gを構成している2つ以上の太陽電池モジュール3のそれぞれに第1太陽電池モジュール31を適用すると、太陽900が通年の日周運動を行う際に、推定放射照度E1としての網膜放射照度Erが所定の放射照度としての臨界放射照度Etよりも大きくなる時刻が存在し得る。これにより、モジュール群3gごとに、推定放射照度E1に対応する網膜放射照度Erが、所定の放射照度である臨界放射照度Etよりも大きくなるか否か評価することができる。
【0097】
ところで、例えば、太陽光発電システム100の設計の段階において、上記のようにして各モジュール群3gについてグラフを作成し、直線Lthよりも上側にプロットされた点が存在しているグラフが得られたモジュール群3gについては、第2太陽電池モジュール32を適用することが考えられる。換言すれば、直線Lthよりも上側にプロットされた点が存在しているグラフが得られたモジュール群3gには、第1群3g1でなく第2群3g2を適用することが考えられる。別の観点から言えば、複数の太陽電池モジュール3のそれぞれを仮想的に第1太陽電池モジュール31とした場合に、複数の太陽電池モジュール3のうち、太陽光SL0の反射に応じて特定の位置P1に入射する反射光の推定放射照度E1を所定の放射照度よりも大きくさせる1つ以上の太陽電池モジュール3のそれぞれを、第2太陽電池モジュール32とすることが可能となる。これにより、図14の太い破線で描いた矢印で示すように、推定放射照度E1としての網膜放射照度Erを放射照度としての臨界放射照度Et以下まで低減することができる。その結果、太陽900が通年の日周運動を行う際に、特定の位置P1について、推定放射照度E1としての網膜放射照度Erが所定の放射照度としての臨界放射照度Etよりも大きくなる時刻の存在が確認されない状態にすることができる。よって、太陽光発電システム100における太陽光SL0の反射による眩しさを低減することができる。
【0098】
ここでは、例えば、一部のモジュール群3gに第2群3g2を適用し、残余のモジュール群3gに第1群3g1を適用した複数のモジュール群3gのそれぞれについて、図12で示したフローに従って、太陽900が通年の日周運動を行う際における第1反射領域Ar1に係る視角ωと推定放射照度E1としての網膜放射照度Erとの関係を示す点がプロットされたグラフを作成してもよい。これにより、推定放射照度E1としての網膜放射照度Erが放射照度としての臨界放射照度Et以下まで低減していることを確認することができる。
【0099】
ここでは、1つのモジュール群3gを構成している全ての太陽電池モジュール3のそれぞれに第2太陽電池モジュール32を適用してもよい。この場合には、太陽光発電システム100の設計および施工作業の容易化が図られ得る。
【0100】
<<複数の太陽電池モジュールの設定の一例>>
ここで、例えば、図6で示されるように、複数のモジュール群3gが、第1の個数の太陽電池モジュール3で構成されたモジュール群3gであるA群3gaと、第2の個数の太陽電池モジュール3で構成されたモジュール群3gであるB群3gbと、を含む場合を想定する。第1の個数および第2の個数のそれぞれは、2つ以上の任意の個数であってよい。この場合において、さらに、例えば、図11で示されるように、複数の太陽電池モジュール3のそれぞれを仮想的に第1太陽電池モジュール31とした場合を想定する。換言すれば、A群3gaを構成する全ての太陽電池モジュール3のそれぞれを仮想的に第1太陽電池モジュール31とし、B群3gbを構成する全ての太陽電池モジュール3のそれぞれを仮想的に第1太陽電池モジュール31とした場合を想定する。ここでは、A群3gaを構成する全ての太陽電池モジュール3のそれぞれを仮想的に第1太陽電池モジュール31とした場合は、A群3gaを構成する全ての太陽電池モジュール3のそれぞれの受光面30sを仮想的に第1受光面30s1とした場合であってもよい。B群3gbを構成する全ての太陽電池モジュール3のそれぞれを仮想的に第1太陽電池モジュール31とした場合は、B群3gbを構成する全ての太陽電池モジュール3のそれぞれの受光面30sを仮想的に第1受光面30s1とした場合であってもよい。
【0101】
この場合において、例えば、A群3gaにおける太陽光SL0の反射に応じて特定の位置P1における眼球7eの網膜7e5に視角(第1視角ともいう)ω1[rad]で入射する反射光の推定放射照度E1を第1推定放射照度であるE11[W/m]とする。より具体的には、例えば、A群3gaにおける複数の受光面30sの第1反射領域Ar1において、太陽光SL0の照射に応じて特定の位置P1に向かう正反射光RL1が生じる際に、特定の位置P1の対象者の眼球7eにおける第1反射領域Ar1についての視角ωを第1視角ω1[rad]としてよい。この第1視角ω1[rad]は、例えば、上述したように、式(2-1)に式(2-2)を代入するとともに、分散角度β、距離x、面積Ahおよび視線角度φを用いて算出され得る。そして、例えば、A群3gaにおける複数の受光面30sの第1反射領域Ar1において、太陽光SL0の照射に応じて特定の位置P1に向かう正反射光RL1が生じる際に、特定の位置P1における対象者の眼球7eの網膜7e5に第1視角ω1で入射する正反射光RL1の網膜放射照度Er[W/m]に対応する推定放射照度E1を第1推定放射照度E11[W/m]としてよい。この第1推定放射照度E11[W/m]は、例えば、上述したように、式(2-7)を用いて算出され得る。
【0102】
また、例えば、B群3gbにおける太陽光SL0の反射に応じて特定の位置P1における眼球7eの網膜7e5に視角(第2視角ともいう)ω2[rad]で入射する反射光の推定放射照度E1を第2推定放射照度であるE12[W/m]とする。より具体的には、例えば、B群3gbにおける複数の受光面30sの第1反射領域Ar1において、太陽光SL0の照射に応じて特定の位置P1に向かう正反射光RL1が生じる際に、特定の位置P1の対象者の眼球7eにおける第1反射領域Ar1についての視角ωを第2視角ω2[rad]としてよい。この第2視角ω2[rad]は、例えば、上述したように、式(2-1)に式(2-2)を代入するとともに、分散角度β、距離x、面積Ahおよび視線角度φを用いて算出され得る。そして、例えば、B群3gbにおける複数の受光面30sの第1反射領域Ar1において、太陽光SL0の照射に応じて特定の位置P1に向かう正反射光RL1が生じる際に、特定の位置P1における対象者の眼球7eの網膜7e5に第2視角ω2で入射する正反射光RL1の網膜放射照度Er[W/m]に対応する推定放射照度E1を第2推定放射照度E12[W/m]としてよい。この第2推定放射照度E12[W/m]は、例えば、上述したように、式(2-7)を用いて算出され得る。
【0103】
また、第1視角ω1[rad]を式(1)に代入することで得られる臨界放射照度Etを第1臨界放射照度Et1[W/m]とする。換言すれば、第1視角ω1[rad]を用いて、Et1=0.359/ω11.77の式で算出される所定の放射照度としての第1臨界放射照度をEt1[W/m]とする。
【0104】
また、第2視角ω2[rad]を式(2)に代入することで得られる臨界放射照度Etを第2臨界放射照度Et2[W/m]とする。換言すれば、第2視角ω2[rad]を用いて、Et2=0.359/ω11.77の式で算出される所定の放射照度としての第2臨界放射照度をEt2[W/m]とする。
【0105】
この場合において、例えば、太陽900が通年の日周運動を行う際に、第1推定放射照度E11が第1臨界放射照度Et1を超える時刻があり且つ第2推定放射照度E12が第2臨界放射照度Et2を超える時刻がなければ、図6で示すように、A群3ga群が第2群3g2であり且つB群3gbが第1群3g1であってよい。また、例えば、太陽900が通年の日周運動を行う際に、第1推定放射照度E11が第1臨界放射照度Et1を超える時刻がなく且つ第2推定放射照度E12が第2臨界放射照度Et2を超える時刻があれば、A群3ga群が第1群3g1であり且つB群3gbが第2群3g2であってもよい。この構成によれば、例えば、複数の第1太陽電池モジュール31をより数多く配置するとともに、第2太陽電池モジュール32をより数少なく配置することで、太陽光発電システム100における発電量の低下を低減することが可能となる。
【0106】
また、例えば、太陽900が通年の日周運動を行う際に、第1推定放射照度E11が第1臨界放射照度Et1を超える時刻がなく且つ第2推定放射照度E12が第2臨界放射照度Et2を超える時刻がない場合を想定する。この場合には、例えば、第1臨界放射照度Et1から第1推定放射照度E11を減じた差分値(第1差分値ともいう)の最小値が、第2臨界放射照度Et2から第2推定放射照度E12を減じた差分値(第2差分値ともいう)の最小値よりも小さければ、図6で示すように、A群3gaが第2群3g2であり且つB群3gaが第1群3g1であってもよい。また、例えば、第1差分値の最小値が、第2差分値の最小値よりも大きければ、A群3gaが第1群3g1であり且つB群3gbが第2群3g2であってもよい。この構成によれば、太陽光発電システム100について、太陽光SL0の反射による眩しさを更に低減することができる。
【0107】
ここで、太陽900が通年の日周運動を行う際に、第1差分値の最小値が、第2差分値の最小値よりも小さくなるとは、第1推定放射照度E11が第1臨界放射照度Et1に最も近づいている時刻における第1臨界放射照度Et1と第1推定放射照度E11との差が、第2推定放射照度E12が第2臨界放射照度Et2に最も近づいている時刻における第2臨界放射照度Et2と第2推定放射照度E12との差よりも小さいことを意味している。また、太陽900が通年の日周運動を行う際に、第1差分値の最小値が、第2差分値の最小値よりも大きくなるとは、第1推定放射照度E11が第1臨界放射照度Et1に最も近づいている時刻における第1臨界放射照度Et1と第1推定放射照度E11との差が、第2推定放射照度E12が第2臨界放射照度Et2に最も近づいている時刻における第2臨界放射照度Et2と第2推定放射照度E12との差よりも大きいことを意味している。
【0108】
<1-6.推定放射照度および発電量に係る計算の具体例>
<1-6-1.第1計算事例>
第1計算事例では、図15で示されるように、空港200の滑走路1が北北西から南南東に向けた方向に沿った長手方向を有する場合を想定した。この場合において、滑走路1の北東側に2つのモジュール群3gが位置している場合を想定した。図15では、2つのモジュール群3gのそれぞれが便宜的に1つの四角形で示されている。2つのモジュール群3gを、A群3gaおよびB群3gbとし、A群3gaおよびB群3gbは、北北西から南南東に向けた方向においてこの記載の順に並んでいる条件とした。換言すれば、A群3gaおよびB群3gbは、滑走路1の長手方向に沿った土地において、滑走路1の長手方向に沿って並んでいる条件とした。
【0109】
ここでは、まず、A群3gaおよびB群3gbのそれぞれを第1群3g1とした。具体的には、A群3gaを構成している第1の個数の太陽電池モジュール3のそれぞれを第1太陽電池モジュール31とし、B群3gbを構成している第2の個数の太陽電池モジュール3のそれぞれを第1太陽電池モジュール31とした。図15では、第1群3g1に右上がりの斜線を用いたハッチングが付されている。
【0110】
第1太陽電池モジュール31の第1受光面30s1が向いている方向については、設置角度を15度とし、設置方位を180度とした。また、第1受光面30s1における分散角度βを実測結果から算出した5度とした。また、第1受光面30s1における正反射率ρ(θ)としては、測定装置を用いて測定された値を採用した。例えば、第1受光面30s1については、太陽光SL0の入射角度θが85度の場合における正反射率ρ(85度)は60%であった。また、特定の位置P1が、着陸態勢にある航空機5の操縦室5cにおける特定の位置(第1の特定の位置)P1aである条件とした。
【0111】
そして、A群3gaについて、図12で示したフローに従って、太陽900が通年の日周運動を行う際における第1反射領域Ar1に係る視角ωと推定放射照度E1に対応する網膜放射照度Erとの関係を示す点がプロットされたグラフを作成した。これにより、図16で示されるように、太い破線で囲まれた領域Ae1にプロットされた点が存在するグラフが得られた。より具体的には、直線Lthよりも上側にプロットされた点が存在しているグラフが得られた。このグラフから、A群3gaについては、A群3gaを構成している第1の個数の太陽電池モジュール3のそれぞれに第1太陽電池モジュール31を適用すると、太陽900が通年の日周運動を行う際に、推定放射照度E1としての網膜放射照度Erが所定の放射照度としての臨界放射照度Etよりも大きくなる時刻が存在することが確認された。すなわち、A群3gaが第1群3g1であれば、第1の特定の位置P1aにおける対象者としての操縦士が、A群3gaで生じる太陽光SL0の正反射光RL1によって眩惑され得ることが確認された。
【0112】
一方、B群3gbについて、図12で示したフローに従って、太陽900が通年の日周運動を行う際における第1反射領域Ar1に係る視角ωと推定放射照度E1に対応する網膜放射照度Erとの関係を示す点がプロットされたグラフを作成した。この場合には、ステップSt2の判定において、太陽900が通年の日周運動を行う際に、B群3gbにおける複数の受光面30sで生じる太陽光SL0の正反射光RL1の光路上に特定の位置P1が位置している時刻がなく、プロットされた点が全く存在していないグラフが得られた。このグラフから、B群3gbについては、B群3gbを構成している第2の個数の太陽電池モジュール3のそれぞれに第1太陽電池モジュール31を適用しても、太陽900が通年の日周運動を行う際に、推定放射照度E1としての網膜放射照度Erが所定の放射照度としての臨界放射照度Etよりも大きくなる時刻が存在していることが確認されなかった。
【0113】
そこで、図15で示された構成をベースにして、図17で示されるように、A群3gaを第1群3g1から第2群3g2に変更した。より具体的には、A群3gaを構成している第1の個数の太陽電池モジュール3のそれぞれを第2太陽電池モジュール32とした。図17では、第2群3g2に左上がりの斜線を用いたハッチングが付されている。第2太陽電池モジュール32の第2受光面30s2が向いている方向については、第1太陽電池モジュール31の第1受光面30s1が向いている方向と同じく、設置角度を15度とし、設置方位を180度とした。また、第2受光面30s2における分散角度βを実測結果から算出した57.3度とした。また、第2受光面30s2における正反射率ρ(θ)としては、測定装置を用いて測定された値を採用した。例えば、第2受光面30s2については、太陽光SL0の入射角度θが85度の場合における正反射率ρ(85度)は5%であった。また、特定の位置P1が、着陸態勢にある航空機5の操縦室5cにおける特定の位置(第1の特定の位置)P1aである条件とした。
【0114】
そして、第1群3g1から第2群3g2に変更したA群3gaについて、図12で示したフローに従って、太陽900が通年の日周運動を行う際における第1反射領域Ar1に係る視角ωと推定放射照度E1に対応する網膜放射照度Erとの関係を示す点がプロットされたグラフを作成した。これにより、図18で示されるように、太い破線で囲まれた領域Ae2にプロットされた点が存在するグラフが得られた。より具体的には、直線Lthよりも下側にプロットされた点が存在しているグラフが得られた。このグラフから、A群3gaについては、A群3gaを構成している第1の個数の太陽電池モジュール3のそれぞれに第2太陽電池モジュール32を適用すると、太陽900が通年の日周運動を行う際に、推定放射照度E1としての網膜放射照度Erが所定の放射照度としての臨界放射照度Etよりも大きくなる時刻が存在することが確認されなくなった。すなわち、A群3gaが第2群3g2であれば、第1の特定の位置P1aにおける対象者としての操縦士が、A群3gaで生じる太陽光SL0の正反射光RL1によって眩惑され得る状態の発生が低減され得ることが確認された。
【0115】
ところで、A群3gaを第1群3g1としたままで設置方位を変更することで、太陽900が通年の日周運動を行う際に、A群3gaについて、推定放射照度E1としての網膜放射照度Erが所定の放射照度としての臨界放射照度Etよりも大きくなる時刻が存在しない構成とすることが考えられる。
【0116】
ここで、1つのモジュール群3gにおける年間発電量をEp[単位はメガワット時毎年(MWh/年)]とする。1つのモジュール群3gの容量(PV容量ともいう)をCp[単位はキロワット(kW)]とする。月平均日積算傾斜面日射量の1年間分の合計量をHy[単位はキロワット時毎平方メートル毎年(kWh/m/年)]とする。
【0117】
また、ここで、1つのモジュール群3gにおいて、行列状に並んだ複数の架台4のそれぞれにn個(nは自然数)の太陽電池モジュール3が固定されている場合を想定する。この場合には、n個の太陽電池モジュール3によって1つのユニット(モジュールユニットともいう)3uが構成されている。換言すれば、行列状に並んだ複数の架台4のそれぞれにモジュールユニット3uが固定されている。別の観点から言えば、複数のモジュールユニット3uが行列状に並んでいる。さらに、ここでは、図19で示されるように、1つのモジュール群3gが、複数のモジュールユニット列3arを有する場合を想定する。ここでは、モジュールユニット列3arは、x方向に沿った第1水平方向Dr1において第1の配列ピッチL1[単位はメートル(m)]で並んだ2以上のモジュールユニット3uで構成されている。複数のモジュールユニット列3arは、第1水平方向Dr1に直交する第2水平方向Dr2において第2の配列ピッチL2[単位はメートル(m)]で並んでいる。図19で示された一例では、1つのモジュールユニット3uを構成している太陽電池モジュール3の個数(段数ともいう)であるn個は2個である。なお、第1の配列ピッチL1は、モジュール間距離と称してもよいし、第2の配列ピッチL2は、アレイ間距離と称してもよい。ここでは、第2の配列ピッチL2は、夏至の午前9時、夏至の午後3時、冬至の午前9時および冬至の午後3時のそれぞれにおいて、モジュールユニット列3arの影が、別のモジュールユニット列3arに掛からない長さに設定される。
【0118】
さらに、ここで、1つの太陽電池モジュール3における出力(モジュール出力ともいう)をP[ワット毎個(W/個)]とする。平面視した場合に、1つのモジュール群3gが設置される土地の面積(設置エリア面積ともいう)をA[平方メートル(m)]とする。モジュール出力P[W/個]は、日本工業規格(JIS)C8904-3の規定に準じたソーラーシミュレータを用いて、日本工業規格(JIS)C8918で規定されるエアマス(AM)が1.5であり、放射照度が1000W/m(=1kW/m)であり、太陽電池モジュール3の温度が摂氏25度(25℃)である条件で測定を行うことで得られる。つまり、モジュール出力P[W/個]は、1つの太陽電池モジュール3の受光面30sに1kW/mの放射照度の光を照射した際の出力である。
【0119】
PV容量Cp[kW]は、式(3-1)で算出される。
【0120】
Cp=P×(n×A)/(L1×L2) ・・・(3-1)。
【0121】
月平均日積算傾斜面日射量の1年間分の合計量Hy[kWh/m/年]は、受光面30sが向いている方向を規定する設置角度および設置方位を用いて、日本工業規格(JIS)C8907の付属書1に従って算出することで得られる。
【0122】
1つのモジュール群3gにおける年間発電量をEp[MWh/年]は、式(3-2)で算出される。
【0123】
Ep=Cp/1[kW/m]×Hy ・・・(3-2)。
【0124】
ここで、図15で示された構成をベースにして、A群3gaを第1群3g1としたままで設置方位を180度から140度に変更した場合には、A群3gaについての年間発電量Epが、“13234[MWh/年]”と算出された。ここでは、第1の配列ピッチL1を1.742[m]とし、第2の配列ピッチL2を8.3[m]とし、段数nを4[個]とし、設置エリア面積Aを59700[m]とした。また、モジュール出力Pを実測値としての545[W/個]とした。また、月平均日積算傾斜面日射量の1年間分の合計量Hyを、設置角度が15度であり且つ設置方位を140度とした条件における算出値としての1469[kWh/m/年]とした。
【0125】
これに対して、図15で示された構成をベースにして、図17で示されるように、A群3gaを第1群3g1から第2群3g2に変更した場合には、A群3gaについての年間発電量Epが、“15032[MWh/年]”と算出された。ここでは、A群3gaを構成している第1の個数の太陽電池モジュール3のそれぞれを第2太陽電池モジュール32とし、第1の配列ピッチL1を1.742[m]とし、第2の配列ピッチL2を7.3[m]とし、段数nを4[個]とし、設置エリア面積Aを59700[m]とした。また、モジュール出力Pを実測値としての530[W/個]とした。また、月平均日積算傾斜面日射量の1年間分の合計量Hyを、設置角度が15度であり且つ設置方位を180度とした条件における算出値としての1504[kWh/m/年]とした。
【0126】
上記の計算結果から、A群3gaを第1群3g1としたままで設置方位を180度から140度に変更した場合と比較して、A群3gaを第1群3g1から第2群3g2に変更した場合の方が、A群3gaにおける年間発電量Epが大きいことが確認された。
【0127】
よって、A群3gaについては、第1群3g1でなく第2群3g2とすることで、太陽光SL0の反射による眩しさを低減しつつ、発電量の低下を低減させることが可能であることが確認された。
【0128】
<<第2計算事例>>
第2計算事例では、図20で示されるように、空港200の滑走路1が東西方向に沿った長手方向を有する場合を想定した。この場合において、滑走路1の北側において滑走路1の長手方向に沿った土地に1つのモジュール群3gとしてのA群3gaが位置しており、滑走路1の南側において滑走路1の長手方向に沿った土地に1つのモジュール群3gとしてのB群3gbが位置している場合を想定した。図20では、2つのモジュール群3gのそれぞれが便宜的に1つの四角形で示されている。
【0129】
ここでは、まず、A群3gaおよびB群3gbのそれぞれを第1群3g1とした。具体的には、A群3gaを構成している第1の個数の太陽電池モジュール3のそれぞれを第1太陽電池モジュール31とし、B群3gbを構成している第2の個数の太陽電池モジュール3のそれぞれを第1太陽電池モジュール31とした。図20では、第1群3g1に右上がりの斜線を用いたハッチングが付されている。
【0130】
第1太陽電池モジュール31の第1受光面30s1が向いている方向については、設置角度を20度とし、設置方位を180度とした。また、第1受光面30s1における分散角度βを実測結果から算出した5度とした。また、第1受光面30s1における正反射率ρ(θ)としては、測定装置を用いて測定された値を採用した。例えば、第1受光面30s1については、太陽光SL0の入射角度θが85度の場合における正反射率ρ(85度)は60%であった。また、特定の位置P1が、着陸態勢にある航空機5の操縦室5cにおける特定の位置(第1の特定の位置)P1aである条件とした。
【0131】
そして、A群3gaについて、図12で示したフローに従って、太陽900が通年の日周運動を行う際における第1反射領域Ar1に係る視角ωと推定放射照度E1に対応する網膜放射照度Erとの関係を示す点がプロットされたグラフを作成した。これにより、図21で示されるように、太い破線で囲まれた領域Ae3にプロットされた点が存在するグラフが得られた。より具体的には、直線Lthよりも上側にプロットされた点が存在しているグラフが得られた。このグラフから、A群3gaについては、A群3gaを構成している第1の個数の太陽電池モジュール3のそれぞれに第1太陽電池モジュール31を適用すると、太陽900が通年の日周運動を行う際に、推定放射照度E1としての網膜放射照度Erが所定の放射照度としての臨界放射照度Etよりも大きくなる時刻が存在することが確認された。すなわち、A群3gaが第1群3g1であれば、第1の特定の位置P1aにおける対象者としての操縦士が、A群3gaで生じる太陽光SL0の正反射光RL1によって眩惑され得ることが確認された。
【0132】
一方、B群3gbについて、図12で示したフローに従って、太陽900が通年の日周運動を行う際における第1反射領域Ar1に係る視角ωと推定放射照度E1に対応する網膜放射照度Erとの関係を示す点がプロットされたグラフを作成した。これにより、図22で示されるように、太い破線で囲まれた領域Ae4にプロットされた点が存在するグラフが得られた。より具体的には、直線Lthよりも下側にプロットされた点が存在しているグラフが得られた。このグラフから、B群3gbについては、B群3gbを構成している第2の個数の太陽電池モジュール3のそれぞれに第1太陽電池モジュール31を適用しても、太陽900が通年の日周運動を行う際に、推定放射照度E1としての網膜放射照度Erが所定の放射照度としての臨界放射照度Etよりも大きくなる時刻が存在することが確認されなかった。
【0133】
そこで、図20で示された構成をベースにして、図23で示されるように、A群3gaを第1群3g1から第2群3g2に変更した。より具体的には、A群3gaを構成している第1の個数の太陽電池モジュール3のそれぞれを第2太陽電池モジュール32とした。図23では、第2群3g2に左上がりの斜線を用いたハッチングが付されている。第2太陽電池モジュール32の第2受光面30s2が向いている方向については、第1太陽電池モジュール31の第1受光面30s1が向いている方向と同じく、設置角度を20度とし、設置方位を180度とした。また、第2受光面30s2における分散角度βを実測結果から算出した57.3度とした。また、第2受光面30s2における正反射率ρ(θ)としては、測定装置を用いて測定された値を採用した。例えば、第2受光面30s2については、太陽光SL0の入射角度θが85度の場合における正反射率ρ(85度)は5%であった。また、特定の位置P1が、着陸態勢にある航空機5の操縦室5cにおける特定の位置(第1の特定の位置)P1aである条件とした。
【0134】
そして、第1群3g1から第2群3g2に変更したA群3gaについて、図12で示したフローに従って、太陽900が通年の日周運動を行う際における第1反射領域Ar1に係る視角ωと推定放射照度E1に対応する網膜放射照度Erとの関係を示す点がプロットされたグラフを作成した。これにより、図24で示されるように、太い破線で囲まれた領域Ae5にプロットされた点が存在するグラフが得られた。より具体的には、直線Lthよりも下側にプロットされた点が存在しているグラフが得られた。このグラフから、A群3gaについては、A群3gaを構成している第1の個数の太陽電池モジュール3のそれぞれに第2太陽電池モジュール32を適用すると、太陽900が通年の日周運動を行う際に、推定放射照度E1としての網膜放射照度Erが所定の放射照度としての臨界放射照度Etよりも大きくなる時刻が存在することが確認されなくなった。すなわち、A群3gaが第2群3g2であれば、第1の特定の位置P1aにおける対象者としての操縦士が、A群3gaで生じる太陽光SL0の正反射光RL1によって眩惑され得る状態の発生が低減され得ることが確認された。
【0135】
<1-7.その他の構成>
例えば、図25で示されるように、第1群3g1が、第1の列数の太陽電池モジュール3の列(第1モジュール列ともいう)3Laを含み、第2群3g2が、第2の列数の太陽電池モジュール3の列(第2モジュール列ともいう)3Lbを含む場合を想定する。各第1モジュール列3Laは、2つ以上の太陽電池モジュール3で構成されている。各第2モジュール列3Lbは、2つ以上の太陽電池モジュール3で構成されている。
【0136】
図25で示された一例では、第1の列数が3列であり、第2の列数が3列である。各第1モジュール列3Laでは、2つ以上の太陽電池モジュール3が第1水平方向Dr1において並んでいる。各第2モジュール列3Lbでは、2つ以上の太陽電池モジュール3が第1水平方向Dr1において並んでいる。第1群3g1では、第1の列数の第1モジュール列3Laが第2水平方向Dr2において並んでいる。第2群3g2では、第2の列数の第2モジュール列3Lbが第2水平方向Dr2において並んでいる。
【0137】
ここで、平面視した場合において、第1の列数の第1モジュール列3Laにおける列間の間隔(第1列間隔ともいう)は、所定の第1間隔d1以下であり、第2の列数の第2モジュール列3Lbにおける列間の間隔(第2列間隔ともいう)は、所定の第1間隔d1以下であってよい。第1列間隔は、平面視した場合における隣り合う2つの第1モジュール列3Laの間の距離であってよい。第2列間隔は、平面視した場合における隣り合う2つの第2モジュール列3Lbの間の距離であってよい。所定の第1間隔d1は、所定の第1長さを有する距離であってよい。換言すれば、平面視した場合において、隣り合う2つの第1モジュール列3Laの間の距離ならびに隣り合う2つの第2モジュール列3Lbの間の距離のそれぞれは、所定の第1長さ以下であってよい。
【0138】
図25で示された一例では、第1列間隔および第2列間隔のそれぞれは一定値としての第1間隔d1である。別の観点から言えば、平面視した場合において、隣り合う2つの第1モジュール列3Laの間の距離および隣り合う2つの第2モジュール列3Lbの間の距離のそれぞれは、一定値としての第1長さを有する距離である。
【0139】
ここで、平面視した場合において、第1群3g1と第2群3g2との間隔は、第1間隔d1よりも大きな第2間隔d2以上であってよい。第1群3g1と第2群3g2との間隔は、平面視した場合における第1群3g1と第2群3g2との間の距離であってよい。第2間隔d2は、所定の第2長さを有する距離であってよい。換言すれば、平面視した場合において、第1群3g1と第2群3g2との間の距離は、第1長さよりも大きな第2長さ以上であってよい。
【0140】
図25で示された一例では、第1群3g1と第2群3g2との間の間隔は、一定値としての第2間隔d2である。別の観点から言えば、平面視した場合において、第1群3g1と第2群3g2との間の間隔は、一定値としての第2長さを有する距離である。
【0141】
上記の構成が採用されれば、第1群3g1および第2群3g2のそれぞれのモジュール群3gでは、太陽電池モジュール3の列を第1間隔d1以下で敷き詰めることで、太陽光発電システム100おける単位面積の土地当たりの発電量を増加させることができる。また、第1群3g1と第2群3g2との間の間隔を第1間隔d1よりも大きくすることで、第1群3g1と第2群3g2とを明確に画定することができる。これにより、第1群3g1および第2群3g2を施工する際の管理の負荷が低減され得る。
【0142】
ところで、図25で示された一例では、第1列間隔および第2列間隔のそれぞれが一定値として第1間隔d1であったが、これに限られない。ここでは、第1列間隔および第2列間隔のそれぞれは、第1間隔d1以下であれば、一定値としての第1間隔d1でなくてもよい。別の観点から言えば、隣り合う2つの第1モジュール列3Laの間の距離ならびに隣り合う2つの第2モジュール列3Lbの間の距離のそれぞれは、第1長さ以下の距離であれば、一定値としての第1長さでなくてもよい。
【0143】
ここでは、例えば、図19で示されたように、第1群3g1が、複数のモジュールユニット列3arを有する場合には、平面視した場合において、隣り合うモジュールユニット列3arの列間隔が一定値としての第1間隔d1あってもよい。別の観点から言えば、平面視した場合において、第1群3g1では、隣り合う2つのモジュールユニット列3arの間の距離が、一定値としての第1長さを有する距離であってもよい。ここで、平面視した場合において、第1群3g1では、隣り合うモジュールユニット列3arにおける列間隔は、第1間隔d1以下であれば、一定の第1間隔d1でなくてもよい。別の観点から言えば、平面視した場合において、第1群3g1では、隣り合う2つのモジュールユニット列3arの間の距離は、第1長さ以下であれば、一定の第1長さでなくてもよい。
【0144】
また、例えば、図19で示されたように、第2群3g2が、複数のモジュールユニット列3arを有する場合には、平面視した場合において、隣り合うモジュールユニット列3arの列間隔が一定値としての第1間隔d1あってもよい。別の観点から言えば、平面視した場合において、第2群3g2では、隣り合う2つのモジュールユニット列3arの間の距離が、一定値としての第1長さを有する距離であってもよい。ここで、平面視した場合において、第2群3g2では、隣り合うモジュールユニット列3arにおける列間隔は、第1間隔d1以下であれば、一定の第1間隔d1でなくてもよい。別の観点から言えば、平面視した場合において、第2群3g2では、隣り合う2つのモジュールユニット列3arの間の距離は、第1長さ以下であれば、一定の第1長さでなくてもよい。
【0145】
また、図25で示された一例では、第1群3g1と第2群3g2との間の間隔は、一定値としての第2間隔d2であったが、これに限られない。ここでは、第1群3g1と第2群3g2との間の間隔は、第2間隔d2以上であれば、第2間隔d2でなくてもよい。別の観点から言えば、第1群3g1と第2群3g2との間の距離は、第2長さ以上であれば、第2長さでなくてもよい。
【0146】
<1-8.第1実施形態のまとめ>
第1実施形態に係る太陽光発電システム100では、例えば、空港200における滑走路1または着陸帯2の長手方向に沿った土地にそれぞれ設置された複数の太陽電池モジュール3が、第1群3g1と第2群3g2とを含む複数のモジュール群3gを有する。第1群3g1は、複数の第1太陽電池モジュール31で構成されている。第2群3g2は、1つ以上の第2太陽電池モジュール32を含む2つ以上の太陽電池モジュール3で構成されている。第2太陽電池モジュール32の第2受光面30s2における光の反射率は、第1太陽電池モジュール31の第1受光面30s1における光の反射率よりも小さい。そして、太陽900が通年の日周運動を行う際に、複数の太陽電池モジュール3における太陽光SL0の反射に応じて飛行中の航空機5の操縦室5cおよび管制塔6の管制室6cのうちの1つ以上の空間の特定の位置P1に入射する反射光の推定放射照度E1が、所定の放射照度以下である。
【0147】
ここで、仮に単一の種類の複数の太陽電池モジュール3を設置する場合を想定すると、複数の太陽電池モジュール3が設置される土地には、高い発電量を得るための受光面30sの向きと、特定の位置P1において対象者が受光面30sからの太陽光SL0の反射光を眩しく感じる受光面30sの向きと、が一致する特定の土地が存在し得る。これに対して、第1実施形態に係る太陽光発電システム100では、受光面30sにおける光の反射率が異なる2種類以上の太陽電池モジュール3が配置された構成が採用される。これにより、各太陽電池モジュール3の受光面30sの向きを高い発電量を得るための向きに設定しても、特定の土地に第2太陽電池モジュール32を配置することで、特定の位置P1において対象者が受光面30sからの太陽光SL0の反射光を眩しく感じる度合いを許容範囲内まで低減することができる。さらに、上記の構成では、例えば、特定の土地において第1太陽電池モジュール31の受光面30sの向きを東向きまたは西向きとする形態と比較して、太陽光発電システム100における発電量を増加させることが可能である。また、上記の構成では、複数の太陽電池モジュール3の全てを複数の第2太陽電池モジュール32として、各第2太陽電池モジュール32の受光面30sを正中方向に向けて設置する場合と比較して、太陽光発電システム100における発電量を増加させることが可能である。
【0148】
したがって、第1実施形態に係る太陽光発電システム100によれば、太陽光SL0の反射による眩しさを低減させることができる。別の観点から言えば、太陽光発電システム100において、発電量の低下を低減させつつ、太陽光SL0の反射による眩しさを低減させることができる。
【0149】
<2.他の実施形態>
本開示は上述の第1実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更および改良などが可能である。
【0150】
<2-1.第2実施形態>
上記第1実施形態において、例えば、滑走路1または着陸帯2を挟む両側の土地に複数の太陽電池モジュール3を配置することで、複数の太陽電池モジュール3が設置されている土地の面積を増加させてよい。これにより、太陽光発電システム100における発電量を向上させることができる。また、着陸態勢にある航空機5の操縦士に対して正反射光RL1が向かう位置に設置された太陽電池モジュール3の受光面30sの反射率を低減することで、太陽光SL0の反射による眩しさを低減してもよい。
【0151】
第2実施形態では、太陽900が通年の日周運動を行う際に、航空機5の着陸飛行経路と、太陽光SL0の照射に応じて第1群3g1の複数の受光面30sで生じる正反射光RL1の光路とが重なる時刻がなく、航空機5の着陸飛行経路と、太陽光SL0の照射に応じて第2群3g2の複数の受光面30sで生じる正反射光RL1の光路とが重なる時刻があってよい。航空機5の着陸飛行経路は、上述したように、着陸態勢にある航空機5が滑走路1に向かって飛行する経路であってよい。より具体的には、着陸飛行経路は、滑走路1の目標点標識1aの図心である着陸基準点Pc0に向かって航空機5が飛行する経路であってよい。
【0152】
ここで、例えば、図26で示されるように、空港200における滑走路1または着陸帯2の長手方向に沿った土地が、第1領域A1および第2領域A2を含む場合を想定する。第1領域A1と第2領域A2とは、滑走路1または着陸帯2の長手方向に垂直な滑走路1の幅方向において滑走路1または着陸帯2を挟んで位置している。そして、第1領域A1に第2群3g2が設置されており、第2領域A2に第1群3g1が設置されていてよい。図26で示される一例では、滑走路1の長手方向が+X方向に沿った方向であり、滑走路1の幅方向が+Y方向に沿った方向である。第1領域A1は、滑走路1の+Y方向の側に位置している。第2領域A2は、滑走路1の-Y方向の側に位置している。図26では、太陽光SL0光路の一例が細い1点鎖線で描かれた矢印で示されており、正反射光RL1の光路の一例が細い2点鎖線で描かれた矢印で示されている。
【0153】
ここでは、例えば、上述したように、受光面30sにおいて太陽光SL0の照射に応じて生じる正反射光RL1は、第1反射光と第2反射光とを含む。第1反射光は、受光面30sで生じる太陽光SL0の反射光のうちのピーク強度を有する反射光である。第2反射光は、受光面30sにおいて正反射方向の若干の分散によって生じる反射光である。第2反射光は、受光面30sにおける拡散反射で生じる拡散反射光の強度よりも第1反射光のピーク強度に近い所定強度Th1以上の強度を有する。
【0154】
そして、例えば、図27で示すように、太陽900が通年の日周運動を行う際に、第1群3g1における複数の第1太陽電池モジュール31のそれぞれの受光面30sにおいて生じる太陽光SL0の反射光のうちの一部の特定の反射光(第1の特定の反射光ともいう)が通過する領域(第1通過領域ともいう)Ap1と、航空機5の着陸飛行経路Fr1と、が重なる時刻がなくてよい。第1の特定の反射光は、第1反射光(第1A反射光ともいう)と、拡散反射光(第1拡散反射光ともいう)の強度よりも第1A反射光のピーク強度(第1ピーク強度ともいう)に近い所定強度(第1所定強度ともいう)以上の強度を有する第2反射光(第2A反射光ともいう)と、を含む。ここで、第1A反射光は、第1群3g1における複数の第1太陽電池モジュール31のそれぞれの受光面30sで生じる太陽光SL0の反射光のうちの第1ピーク強度を有する反射光であってよい。第1拡散反射光は、第1群3g1における複数の第1太陽電池モジュール31のそれぞれの受光面30sで生じる太陽光SL0の拡散反射光であってよい。第2A反射光は、第1群3g1における複数の第1太陽電池モジュール31のそれぞれの受光面30sで生じる太陽光SL0の反射光のうち、第1拡散反射光の強度よりも第1A反射光の第1ピーク強度に近い第1所定強度以上の強度を有する反射光であってよい。第1所定強度は、例えば、第1ピーク強度の所定割合(第1所定割合ともいう)の強度であってよい。第1所定割合は、例えば、90パーセント(%)であってもよいし、50%であってもよいし、25%であってもよいし、25%から95%の範囲の任意の割合であってもよい。
【0155】
さらに、例えば、図27で示すように、太陽900が通年の日周運動を行う際に、第2群3g2における2つ以上の太陽電池モジュール3のそれぞれの受光面30sにおいて生じる太陽光SL0の反射光のうちの一部の特定の反射光(第2の特定の反射光ともいう)が通過する領域(第2通過領域ともいう)Ap2と、航空機5の着陸飛行経路Fr1と、が重なる時刻があってよい。第2の特定の反射光は、第1反射光(第1B反射光ともいう)と、拡散反射光(第2拡散反射光ともいう)の強度よりも第1B反射光のピーク強度(第2ピーク強度ともいう)に近い所定強度(第2所定強度ともいう)以上の強度を有する第2反射光(第2B反射光ともいう)と、を含む。ここで、第1B反射光は、第2群3g2における2つ以上の太陽電池モジュール3のそれぞれの受光面30sで生じる太陽光SL0の反射光のうちの第2ピーク強度を有する反射光であってよい。第2拡散反射光は、第2群3g2における2つ以上の太陽電池モジュール3のそれぞれの受光面30sで生じる太陽光SL0の拡散反射光であってよい。第2B反射光は、第2群3g2における2つ以上の太陽電池モジュール3のそれぞれの受光面30sで生じる太陽光SL0の反射光のうち、第2拡散反射光の強度よりも第1B反射光の第2ピーク強度に近い第2所定強度以上の強度を有する反射光であってよい。第2所定強度は、例えば、第2ピーク強度の所定割合(第2所定割合ともいう)の強度であってよい。第2所定割合は、例えば、90パーセント(%)であってもよいし、50%であってもよいし、25%であってもよいし、25%から95%の範囲の任意の割合であってもよい。第2所定割合は、第1所定割合と同一であってよい。
【0156】
図27では、第1群3g1における複数の受光面30sが便宜的に1つの受光面30sで示されており、第2群3g2における複数の受光面30sが便宜的に1つの受光面30sで示されている。図27では、複数の受光面30sに向かう太陽光SL0の光路の外縁が細い1点鎖線で描かれた矢印で示されている。図27では、第1通過領域Ap1の外縁が細い2点鎖線で描かれた矢印で示されており、第2通過領域Ap2の外縁が細い2点鎖線で描かれた矢印で示されている。第1通過領域Ap1は、第1A反射光が通過する領域(第1A通過領域ともいう)Ap11と、第2A反射光が通過する領域(第1B通過領域ともいう)Ap12と、を含む。第2通過領域Ap2は、第1B反射光が通過する領域(第2A通過領域ともいう)Ap21と、第2B反射光が通過する領域(第2B通過領域ともいう)Ap22とを含む。図27では、第1A通過領域Ap11および第2A通過領域Ap21のそれぞれに左上がりの斜線を用いたハッチングが付されており、第1B通過領域Ap12および第2B通過領域Ap22のそれぞれに砂地模様を用いたハッチングが付されている。図27では、第1A通過領域Ap11と第1B通過領域Ap12との境界、および第2A通過領域Ap21と第2B通過領域Ap22との境界のそれぞれが、細い1点鎖線で描かれた矢印で示されている。図27では、着陸飛行経路Fr1が便宜的に直線状の破線で示されている。
【0157】
ここで、別の観点から言えば、第1通過領域Ap1において、第1A通過領域Ap11は、第1群3g1における複数の受光面30sにおいて理想的な正反射を生じる第1反射方向へ向けて生じた太陽光SL0の正反射光が通過する領域であってもよい。第1通過領域Ap1において、第1B通過領域Ap12は、第1群3g1における複数の受光面30sにおいて正反射方向の分散角度βに応じて広がる正反射光が通過する領域であってもよい。第2通過領域Ap2において、第2A通過領域Ap21は、第2群3g2における複数の受光面30sにおいて理想的な正反射を生じる第1反射方向へ向けて生じた太陽光SL0の正反射光が通過する領域であってもよい。第2通過領域Ap2において、第2B通過領域Ap22は、第2群3g2における複数の受光面30sにおいて正反射方向の分散角度βに応じて広がる正反射光が通過する領域であってもよい。
【0158】
なお、図26および図27で示された一例において、図28および図29で示されるように、空港200における第1領域A1の位置と第2領域A2の位置とが入れ替えられてもよい。
【0159】
<2-2.第3実施形態>
上記第1実施形態において、例えば、図30で示されるように、着陸態勢にある航空機5の操縦室5cにおける第1の特定の位置P1aと滑走路1の着陸基準点Pc0とを結ぶ仮想線を第1仮想線Lv1とする。着陸態勢にある航空機5の操縦室5cにおける第1の特定の位置P1aと第1群3g1の基準点(第1基準点ともいう)Pc1とを結ぶ仮想線を第2仮想線Lv2とする。着陸態勢にある航空機5の操縦室5cにおける第1の特定の位置P1aと第2群3g2の基準点(第2基準点ともいう)Pc2とを結ぶ仮想線を第3仮想線Lv3とする。第1仮想線Lv1と第2仮想線Lv2とが成す角度を第1角度θ1とする。第1仮想線Lv1と第3仮想線Lv3とが成す角度を第2角度θ2とする。着陸基準点Pc0は、上述したように滑走路1の目標点標識1aの図心であってよい。第1基準点Pc1は、例えば、平面視した場合における第1群3g1の図心であってよい。第2基準点Pc2は、例えば、平面視した場合における第2群3g2の図心であってよい。
【0160】
ここで、例えば、第1角度θ1が第2角度θ2よりも大きくてもよい。この構成が採用されれば、着陸態勢にある航空機5の操縦士の中心視野により近い土地に反射率が第1受光面30s1よりも相対的に小さい第2受光面30s2を有する第2太陽電池モジュール32を設置することで、太陽光SL0の反射によって操縦士が眩しく感じる度合いを低減することができる。
【0161】
別の観点から言えば、例えば、滑走路1の目標点標識1aの図心である着陸基準点Pc0から第1群3g1までの距離(第1距離ともいう)Ds1は、滑走路1の目標点標識1aの図心である着陸基準点Pc0から第2群3g2までの距離(第2距離ともいう)Ds2よりも大きくてもよい。この構成が採用されれば、着陸態勢にある航空機5の操縦士の中心視野により近い土地に反射率が第1受光面30s1相対的に小さい第2受光面30s2を有する第2太陽電池モジュール32を設置することで、太陽光SL0の反射による操縦士の眩しさを低減することができる。
【0162】
図30で示される一例では、滑走路1の幅方向である+Y方向に沿った方向において滑走路1を挟んで位置している第1領域A1および第2領域A2のうち、第1領域A1に、第1群3g1および第2群3g2の両方のモジュール群3gが設置されていたが、これに限られない。例えば、第2領域A2に第1群3g1および第2群3g2の両方のモジュール群3gが設置されていてもよいし、第1領域A1に第1群3g1が設置されており且つ第2領域A2に第2群3g2が設置されていてもよいし、第1領域A1に第2群3g2が設置されており且つ第2領域A2に第1群3g1が設置されていてもよい。
【0163】
<2-3.第4実施形態>
上記第1実施形態において、例えば、図31で示されるように、第1目標点標識1a1の図心である点(第1着陸基準点ともいう)Pc0aから第1群3g1の基準点(第1基準点)Pc1までの距離を、第3距離Ds3とする。第2目標点標識1a2の図心である点(第2着陸基準点ともいう)Pc0bから第1群3g1の第1基準点Pc1までの距離を、第4距離Ds4とする。第1目標点標識1a1の図心である第1着陸基準点Pc0aから第2群3g2の基準点(第2基準点)Pc2までの距離を、第5距離Ds5とする。第2目標点標識1a2の図心である第2着陸基準点Pc0bから第2群3g2の第2基準点Pc2までの距離を、第6距離Ds6とする。第1基準点Pc1は、例えば、平面視した場合における第1群3g1の図心であってよい。第2基準点Pc2は、例えば、平面視した場合における第2群3g2の図心であってよい。
【0164】
ここでは、例えば、第5距離Ds5および第6距離Ds6のうちの何れか一方の距離は、第3距離Ds3および第4距離Ds4の何れの距離よりも小さくてもよい。これにより、滑走路1の目標点標識1aにより近い土地に反射率が第1受光面30s1よりも相対的に小さい第2受光面30s2を有する第2太陽電池モジュール32を設置することができる。その結果、着陸態勢にある航空機5の操縦士の中心視野により近い土地に反射率が第1受光面30s1よりも相対的に小さい第2受光面30s2を有する第2太陽電池モジュール32を設置することで、太陽光SL0の反射による操縦士の眩しさを低減することができる。
【0165】
図31で示される一例では、滑走路1の幅方向である+Y方向に沿った方向において滑走路1を挟んで位置している第1領域A1および第2領域A2のうち、第1領域A1に、第1群3g1および第2群3g2の両方のモジュール群3gが設置されている。そして、第1群3g1および第2群3g2が滑走路1の長手方向に沿った方向において並んでいる。ここでは、例えば、第2領域A2に第1群3g1および第2群3g2の両方のモジュール群3gが設置されていてもよい。この場合には、第1群3g1および第2群3g2が滑走路1の長手方向に沿った方向において並んでいてもよい。また、例えば、第1領域A1に第1群3g1が設置されており且つ第2領域A2に第2群3g2が設置されていてもよいし、第1領域A1に第2群3g2が設置されており且つ第2領域A2に第1群3g1が設置されていてもよい。
【0166】
<2-4.第5実施形態>
上記第4実施形態において、例えば、図32で示されるように、複数のモジュール群3gが、滑走路1の長手方向において、第1群3g1を挟んで位置している2つの第2群3g2を含む場合を想定する。2つの第2群3g2を、第2A群3g2aおよび第2B群3g2bとする。第2A群3g2aおよび第2B群3g2bのそれぞれは、1つ以上の第2太陽電池モジュール32を含む2つ以上の太陽電池モジュール3で構成されている。また、第1目標点標識1a1の図心である第1着陸基準点Pc0aから第2A群3g2aの基準点(第2A基準点ともいう)Pc2aまでの距離を、第5A距離Ds5aとする。第2目標点標識1a2の図心である第2着陸基準点Pc0bから第2A群3g2aの第2A基準点Pc2aまでの距離を、第6A距離Ds6aとする。第1目標点標識1a1の図心である第1着陸基準点Pc0aから第2B群3g2bの基準点(第2B基準点ともいう)Pc2bまでの距離を、第5B距離Ds5bとする。第2目標点標識1a2の図心である第2着陸基準点Pc0bから第2B群3g2bの第2B基準点Pc2bまでの距離を、第6B距離Ds6bとする。第2A基準点Pc2aは、例えば、平面視した場合における第2A群3g2aの図心であってよい。第2B基準点Pc2bは、例えば、平面視した場合における第2B群3g2bの図心であってよい。
【0167】
ここでは、例えば、第5A距離Ds5aおよび第6A距離Ds6aのうちの何れか一方の距離は、第3距離Ds3および第4距離Ds4の何れの距離よりも小さくてもよい。さらに、第5B距離Ds5bおよび第6B距離Ds6bのうちの何れか一方の距離は、第3距離Ds3および第4距離Ds4の何れの距離よりも小さくてもよい。これにより、滑走路1の目標点標識1aにより近い土地に反射率が第1受光面30s1よりも相対的に小さい第2受光面30s2を有する第2太陽電池モジュール32を設置することができる。その結果、着陸態勢にある航空機5の操縦士の中心視野により近い土地に反射率が第1受光面30s1よりも相対的に小さい第2受光面30s2を有する第2太陽電池モジュール32を設置することで、太陽光SL0の反射による操縦士の眩しさを低減することができる。
【0168】
図32で示される一例では、滑走路1の幅方向である+Y方向に沿った方向において滑走路1を挟んで位置している第1領域A1および第2領域A2のうち、第1領域A1に、第1群3g1および2つの第2群3g2のすべてのモジュール群3gが設置されていたが、これに限られない。例えば、第2領域A2に、第1群3g1および2つの第2群3g2のすべてのモジュール群3gが設置されていてもよい。
【0169】
<2-5.第6実施形態>
上記第1実施形態から上記第5実施形態のそれぞれにおいて、例えば、図33で示されるように、複数のモジュール群3gは、第3の個数の太陽電池モジュール3で構成された第3モジュール群(第3群ともいう)3g3を含んでいてもよい。第3の個数は、2つ以上の任意の個数であってよい。
【0170】
ここで、例えば、図33で示されるように、空港200における滑走路1または着陸帯2の長手方向に沿った土地が、第1領域A1および第2領域A2を含む場合を想定する。第1領域A1と第2領域A2とは、滑走路1または着陸帯2の長手方向に垂直な滑走路1の幅方向において滑走路1または着陸帯2を挟んで位置している。そして、第1群3g1および第3群3g3のそれぞれが、第1領域A1に設置されていて、第3群3g3が、第1群3g1よりも滑走路1の近くに位置していてよい。図33で示される一例では、滑走路1の長手方向が+X方向に沿った方向であり、滑走路1の幅方向が+Y方向に沿った方向である。第1領域A1は、滑走路1の+Y方向の側に位置している。第2領域A2は、滑走路1の-Y方向の側に位置している。
【0171】
ここで、例えば、図33および図34で示されるように、第1群3g1について、複数の第1太陽電池モジュール31のそれぞれの受光面(第1受光面)30s1の法線方向に沿って第1受光面30s1から離れる方向に仮想的に伸びるベクトルを第1ベクトルV1とする。第1ベクトルV1は、例えば、第1群3g1の基準点(第1基準点)Pc1を始点としたベクトルであってよい。第1基準点Pc1は、例えば、平面視した場合における第1群3g1の図心であってよい。また、第1ベクトルV1における滑走路1の短手方向(幅方向)の成分を第1水平ベクトルV1hとする。
【0172】
また、例えば、図33および図34で示されるように、第3群3g3について、第3の個数の太陽電池モジュール3のそれぞれの受光面30s(第3受光面30s3ともいう)の法線方向に沿って第3受光面30s3から離れる方向に仮想的に伸びるベクトルを第2ベクトルV3とする。第2ベクトルV3は、例えば、第3群3g3の基準点(第3基準点ともいう)Pc3を始点としたベクトルであってよい。第3基準点Pc3は、例えば、平面視した場合における第3群3g3の図心であってよい。また、第2ベクトルV3における滑走路1の短手方向(幅方向)の成分を第2水平ベクトルV3hとする。
【0173】
ここでは、例えば、第1水平ベクトルV1hの向きと、第2水平ベクトルV3hの向きとが逆であり、且つ第2水平ベクトルV3hが滑走路1から離れる方向に伸びていてもよい。換言すれば、例えば、第3群3g3の第3受光面30s3は、滑走路1とは逆側に向く形態で傾斜していてもよい。
【0174】
この構成が採用されれば、第3群3g3の第3受光面30s3から着陸態勢にある航空機5の操縦室5cにおける第1の特定の位置P1aへ伸びるベクトルV35と第2ベクトルV3との成す角度(第3角度ともいう)が、第1群3g1の第1受光面30s1から着陸態勢にある航空機5の操縦室5cにおける第1の特定の位置P1aへ伸びるベクトルV15と第1ベクトルV1との成す角度(第4角度ともいう)よりも大きくなり得る。第2ベクトルV3の始点とベクトルV35の始点とは同一であり、第1ベクトルV1の始点とベクトルV15の始点とは同一であってよい。ここでは、着陸態勢にある航空機5の操縦室5cから見た場合に、第1群3g1よりも滑走路1の近くに位置している第3群3g3における第3受光面30s3が、第1群3g1における第1受光面30s1よりも小さく見え得る。これにより、太陽光SL0の照射に応じて第3群3g3で生じる、着陸態勢にある航空機5の操縦室5cに向けた反射光の光量が低減され得る。その結果、太陽光発電システム100における太陽光SL0の反射光を着陸態勢にある航空機5の操縦士が眩しく感じる度合いを低減することができる。
【0175】
ここで、例えば、着陸態勢にある航空機5が滑走路1から遠くに離れていれば、第3角度が90度未満であり且つ90度に近づき得る。この際には、太陽光SL0の照射に応じて第3受光面30s3において操縦室5cに向けた正反射光RL1が生じる場合には、第3受光面30s3に対する太陽光SL0の入射角度が大きくなり得る。しかしながら、操縦室5cが第3群3g3から遠くに離れていれば、操縦室5cから見た場合に第3群3g3の複数の受光面30sが小さく見える。これにより、操縦室5cから見た場合に、第3群3g3の複数の受光面30sにおいて操縦室5cに向けて正反射光RL1を生じる領域(第1反射領域Ar1)についての視角が小さくなり得る。よって、太陽光SL0の照射に応じて第3群3g3で生じる反射光を着陸態勢にある航空機5の操縦士が眩しく感じる度合いが低減され得る。また、例えば、着陸態勢にある航空機5が滑走路1に近づいて、第3角度が90度以上となると、太陽光SL0の照射に応じて第3群3g3で生じる操縦室5cに向かう正反射光RL1が殆どもしくは完全になくなり得る。その結果、太陽光発電システム100における太陽光SL0の反射光を着陸態勢にある航空機5の操縦士が眩しく感じる度合いが低減され得る。
【0176】
ここで、仮に、第1群3g1よりも滑走路1に近い第3群3g3を第1群3g1に置き換えた場合を想定する。この場合には、着陸態勢にある航空機5が滑走路1から遠くに離れていても、着陸態勢にある航空機5が滑走路1に近づいても、操縦室5cから見た場合に、第3群3g3から置換した第1群3g1の複数の受光面30sが大きく見え得る。これにより、操縦室5cから見た場合に、第3群3g3から置換した第1群3g1において操縦室5cに向けて正反射光RL1を生じる領域(第1反射領域Ar1)の視角が大きくなり得る。その結果、太陽光発電システム100における太陽光SL0の反射光を着陸態勢にある航空機5の操縦士が眩しく感じる度合いが増大し得る。
【0177】
これに対して、第6実施形態では、滑走路1の近くに第3群3g3を設置することで、太陽光発電システム100における太陽光SL0の反射光を着陸態勢にある航空機5の操縦士が眩しく感じる度合いを低減することができる。
【0178】
<2-6.第7実施形態>
上記第1実施形態から上記第5実施形態のそれぞれにおいて、例えば、図35で示されるように、複数のモジュール群3gは、第4の個数の太陽電池モジュール3で構成された第4モジュール群(第4群ともいう)3g4を含んでいてもよい。第4の個数は、2つ以上の任意の個数であってよい。
【0179】
ここで、例えば、図35で示されるように、空港200における滑走路1または着陸帯2の長手方向に沿った土地が、第1領域A1および第2領域A2を含む場合を想定する。第1領域A1と第2領域A2とは、滑走路1または着陸帯2の長手方向に垂直な滑走路1の幅方向において滑走路1または着陸帯2を挟んで位置している。そして、第1群3g1は、第2領域A2に設置されており、第4群3g4は、第1領域A1に設置されていてよい。図35で示される一例では、滑走路1の長手方向が+X方向に沿った方向であり、滑走路1の幅方向が+Y方向に沿った方向である。第1領域A1は、滑走路1の+Y方向の側に位置している。第2領域A2は、滑走路1の-Y方向の側に位置している。
【0180】
ここで、例えば、図35および図36で示されるように、第1群3g1について、複数の第1太陽電池モジュール31のそれぞれの受光面(第1受光面)30s1の法線方向に沿って第1受光面30s1から離れる方向に仮想的に伸びるベクトルを第1ベクトルV1とする。第1ベクトルV1は、例えば、第1群3g1の基準点(第1基準点)Pc1を始点としたベクトルであってよい。第1基準点Pc1は、例えば、平面視した場合における第1群3g1の図心であってよい。また、第1ベクトルV1における滑走路1の短手方向(幅方向)の成分を、第1水平ベクトルV1hとする。
【0181】
また、例えば、図35および図36で示されるように、第4群3g4について、第4の個数の太陽電池モジュール3のそれぞれの受光面30s(第4受光面30s4ともいう)の法線方向に沿って第4受光面30s4から離れる方向に仮想的に伸びるベクトルを第3ベクトルV4とする。第3ベクトルV4は、例えば、第4群3g4の基準点(第4基準点ともいう)Pc4を始点としたベクトルであってよい。第4基準点Pc4は、例えば、平面視した場合における第4群3g4の図心であってよい。また、第3ベクトルV4における滑走路1の短手方向(幅方向)の成分を、第3水平ベクトルV4hとする。
【0182】
ここでは、例えば、第1水平ベクトルV1hの向きと、第3水平ベクトルV4hの向きとが逆であり、且つ第1水平ベクトルV1hおよび第3水平ベクトルV4hの何れの向きも滑走路1から離れる向きであってもよい。換言すれば、例えば、第1群3g1の第1受光面30s1および第4群3g4の第4受光面30s4の何れも、滑走路1とは逆側に向く形態で傾斜していてもよい。
【0183】
この構成が採用されれば、第1群3g1の第1受光面30s1から着陸態勢にある航空機5の操縦室5cにおける第1の特定の位置P1aへ伸びるベクトルV15と第1ベクトルV1との成す角度(第5角度ともいう)、および第4群3g4の第4受光面30s4から着陸態勢にある航空機5の操縦室5cの第1の特定の位置P1aへ伸びるベクトルV45と第3ベクトルV4との成す角度(第6角度ともいう)の何れの角度も大きくなり得る。第1ベクトルV1の始点とベクトルV15の始点とは同一であり、第3ベクトルV4の始点とベクトルV45の始点とは同一であってよい。ここでは、着陸態勢にある航空機5の操縦室5cから見た場合に、第1群3g1における第1受光面30s1の面積および第4群3g4における第4受光面30s4の何れの受光面30sも小さく見え得る。これにより、太陽光SL0の照射に応じて第1群3g1で生じる着陸態勢にある航空機5の操縦室5cに向けた反射光の光量、および太陽光SL0の照射に応じて第4群3g4で生じる着陸態勢にある航空機5の操縦室5cに向けた反射光の光量の何れも低減され得る。その結果、太陽光発電システム100における太陽光SL0の反射光を着陸態勢にある航空機5の操縦士が眩しく感じる度合いを低減することができる。
【0184】
<2-7.第8実施形態>
上記第1実施形態から上記第5実施形態のそれぞれにおいて、例えば、図37で示されるように、複数のモジュール群3gは、第5の個数の太陽電池モジュール3で構成された第5モジュール群(第5群ともいう)3g5と、第6の個数の太陽電池モジュール3で構成された第6モジュール群(第6群ともいう)3g6と、を含んでいてもよい。第5の個数および第6の個数の何れも、2つ以上の任意の個数であってよい。
【0185】
ここで、例えば、図37で示されるように、空港200における滑走路1または着陸帯2の長手方向に沿った土地が、第1領域A1および第2領域A2を含む場合を想定する。第1領域A1と第2領域A2とは、滑走路1または着陸帯2の長手方向に垂直な滑走路1の幅方向において滑走路1または着陸帯2を挟んで位置している。そして、第5群3g5は、第1領域A1に設置されており、第6群3g6は、第2領域A2に設置されていてよい。図37で示される一例では、滑走路1の長手方向が+X方向に沿った方向であり、滑走路1の幅方向が+Y方向に沿った方向である。第1領域A1は、滑走路1の+Y方向の側に位置している。第2領域A2は、滑走路1の-Y方向の側に位置している。
【0186】
ここで、例えば、図37および図38で示されるように、第5群3g5について、第5の個数の太陽電池モジュール3のそれぞれの受光面30s(第5受光面30s5ともいう)の法線方向に沿って第5受光面30s5から離れる方向に仮想的に伸びるベクトルを第4ベクトルV5とする。第4ベクトルV5は、例えば、第5群3g5の基準点(第5基準点ともいう)Pc5を始点としたベクトルであってよい。第5基準点Pc5は、例えば、平面視した場合における第5群3g5の図心であってよい。また、第4ベクトルV5における滑走路1の短手方向(幅方向)の成分を、第4水平ベクトルV5hとする。
【0187】
また、例えば、図37および図38で示されるように、第6群3g6について、第6の個数の太陽電池モジュール3のそれぞれの受光面30s(第6受光面30s6ともいう)の法線方向に沿って第6受光面30s6から離れる方向に仮想的に伸びるベクトルを第5ベクトルV6とする。第5ベクトルV6は、例えば、第6群3g6の基準点(第6基準点ともいう)Pc6を始点としたベクトルであってよい。第6基準点Pc6は、例えば、平面視した場合における第6群3g6の図心であってよい。また、第5ベクトルV6における滑走路1の短手方向(幅方向)の成分を、第5水平ベクトルV6hとする。
【0188】
ここでは、例えば、第4水平ベクトルV5hの向きと、第5水平ベクトルV6hの向きとが逆であり、且つ第4水平ベクトルV5hおよび第5水平ベクトルV6hの何れの向きも滑走路1から離れる向きであってもよい。換言すれば、例えば、第5群3g5の第5受光面30s5および第6群3g6の第6受光面30s6の何れも、滑走路1とは逆側に向く形態で傾斜していてもよい。
【0189】
この構成が採用されれば、第5群3g5の第5受光面30s5から着陸態勢にある航空機5の操縦室5cの第1の特定の位置P1aへ伸びるベクトルV55と第4ベクトルV5との成す角度(第7角度ともいう)が大きくなり得る。また、第6群3g6の第6受光面30s6から着陸態勢にある航空機5の操縦室5cの第1の特定の位置P1aへ伸びるベクトルV65と第5ベクトルV6との成す角度(第8角度ともいう)も大きくなり得る。第4ベクトルV5の始点とベクトルV55の始点とは同一であり、第5ベクトルV6の始点とベクトルV65の始点とは同一であってよい。ここでは、着陸態勢にある航空機5の操縦室5cから見た場合に、第5群3g5における第5受光面30s5および第6群3g6における第6受光面30s6の何れの受光面30sも小さく見え得る。これにより、太陽光SL0の照射に応じて第5群3g5で生じる着陸態勢にある航空機5の操縦室5cに向けた反射光の光量、および太陽光SL0の照射に応じて第6群3g6で生じる着陸態勢にある航空機5の操縦室5cに向けた反射光の光量の何れも低減され得る。その結果、太陽光発電システム100における太陽光SL0の反射光を着陸態勢にある航空機5の操縦士が眩しく感じる度合いを低減することができる。
【0190】
図37および図38で示される一例では、第1領域A1において、第1群3g1が、第5群3g5よりも滑走路1から離れた位置に設置されているが、これに限られない。例えば、第2領域A2において、第1群3g1が、第6群3g6よりも滑走路1から離れた位置に設置されていてもよい。
【0191】
<2-8.第9実施形態>
上記第1実施形態から上記第8実施形態のそれぞれにおいて、例えば、図39で示されるように、複数のモジュール群3gは、第7の個数の太陽電池モジュール3で構成された第7モジュール群(第7群ともいう)3g7を含んでいてもよい。第7の個数は、2つ以上の任意の個数であってよい。
【0192】
ここで、例えば、図39で示されるように、第7群3g7について、第7の個数の太陽電池モジュール3のそれぞれの受光面30s(第7受光面30s7ともいう)の法線方向に沿って第7受光面30s7から離れる方向に仮想的に伸びるベクトルを第6ベクトルV7とする。第6ベクトルV7は、例えば、第7群3g7の基準点(第7基準点ともいう)Pc7を始点としたベクトルであってよい。第7基準点Pc7は、例えば、平面視した場合における第7群3g7の図心であってよい。
【0193】
また、例えば、図39で示されるように、第7群3g7の第7受光面30s7から管制塔6の管制室6cにおける第2の特定の位置P1bまで仮想的に伸びるベクトルを第7ベクトルV76とする。第7ベクトルV76の始点は、第6ベクトルV7の始点と同一であってよい。
【0194】
ここでは、例えば、第6ベクトルV7と、第7ベクトルV76とが成す角度(第9角度θ7ともいう)が90度以上であれば、太陽光SL0の照射に応じて第7群3g7の第7受光面30s7で管制室6cに向けて生じる反射光の光量が低減され得る。これにより、管制官が太陽光SL0の反射光によって眩惑され得る状態の発生が低減され得る。その結果、管制官による航空機5の誘導の容易さが向上し得る。
【0195】
図39で示される一例では、滑走路1の幅方向である+Y方向に沿った方向において滑走路1を挟んで位置している第1領域A1および第2領域A2のうち、第1領域A1に、第1群3g1および第7群3g7の両方のモジュール群3gが設置されていたが、これに限られない。例えば、第2領域A2に第1群3g1および第7群3g7の両方のモジュール群3gが設置されていてもよいし、第1領域A1に第1群3g1が設置されており且つ第2領域A2に第7群3g7が設置されていてもよいし、第1領域A1に第7群3g7が設置されており且つ第2領域A2に第1群3g1が設置されていてもよい。
【0196】
<2-9.第10実施形態>
上記第1実施形態から上記第9実施形態のそれぞれにおいて、例えば、図40および図41で示されるように、複数のモジュール群3gは、引き込み線85を介して同一の連系点86において電力会社の系統700に接続されていてもよい。これにより、太陽光発電システム100と電力会社の系統700とを接続する連系点86の数を少なくすることができる。その結果、連系点86を実現するための設備の数を低減することができるため、太陽光発電システム100の施工性を改善することができる。ここで、1つの連系点86を実現するための設備は、空港200における建造物の高さ制限に応じて、地中線用負荷開閉器(Underground Air insulated Switch:UGS)とケーブル管路とを有する設備であってもよいし、気中負荷開閉器(Pole mounted Air insulated Switch:PAS)と引込柱と有する設備であってもよい。
【0197】
図40は、第10実施形態に係る太陽光発電システム100の概略的な構成の一例を模式的に示すブロック図である。図40では、電気を送るための電気配線である電力線が実線で示されており、信号の送受信を行うための通信線が破線で示されている。通信線については、すべてが配線である構成であってもよいし、一部が配線であり且つ残余の部分が無線通信を行う構成であってもよいし、すべてが無線通信を行う構成であってもよい。
【0198】
図40で示されるように、太陽光発電システム100は、例えば、複数のモジュール群3g、複数の接続箱81と、複数の集電箱82と、複数のパワーコンディショナ(Power Conditioning System:PCS)83と、複数の変電設備84と、引き込み線85と、制御装置89とを備えている。図40で示された一例では、太陽光発電システム100は、複数のモジュール群3gとしての8つのモジュール群3g、複数の接続箱81としての8つの接続箱81、複数の集電箱82としての4つの集電箱82、複数のパワーコンディショナ83としての4つのパワーコンディショナ83、および複数の変電設備84としての2つの変電設備84、を備えている。より具体的には、8つの接続箱81は、第1接続箱81a、第2接続箱81b、第3接続箱81c、第4接続箱81d、第5接続箱81e、第6接続箱81f、第7接続箱81gおよび第8接続箱81hである。4つの集電箱82は、第1集電箱82a、第2集電箱82b、第3集電箱82cおよび第4集電箱82dである。4つのパワーコンディショナ83は、第1パワーコンディショナ83a、第2パワーコンディショナ83b、第3パワーコンディショナ83cおよび第4パワーコンディショナ83dである。2つの変電設備84は、第1変電設備84aおよび第2変電設備84bである。
【0199】
複数のモジュール群3gのそれぞれは、例えば、複数の太陽電池ストリングを含む。複数の太陽電池ストリングのそれぞれは、直列接続された2つ以上の太陽電池モジュールを有する。複数の太陽電池ストリングのそれぞれは、例えば、太陽光SL0の照射に応じた発電によって直流電力を出力することができる。1つのモジュール群3gに含まれた複数の太陽電池ストリングは、例えば、1つの接続箱81に電力線を介して接続されている。
【0200】
複数の接続箱81のそれぞれは、例えば、1つのモジュール群3gに含まれた複数の太陽電池ストリングから電力線を介して供給される直流電力を1つにまとめて集電箱82に向けて出力することができる。各接続箱81は、例えば、逆流防止ダイオード、避雷器およびブレーカなどを有していてもよい。逆流防止ダイオードは、太陽電池ストリングに向けた電流の逆流を防止するための素子を含む。避雷器は、落雷が生じた際に生じ得るサージ電圧を低減するための機器を含む。ブレーカは、過電流が流れると電路を開放する機器を含む。各接続箱81は、例えば、複数の太陽電池ストリングのそれぞれにおける異状を検出するために、電流を計測するセンサを有していてもよいし、電圧を計測するセンサを有していてもよい。この場合には、各接続箱81は、例えば、センサで計測された計測値に係る信号を、信号線を介して制御装置89に送信する機器を備えていてもよい。また、各接続箱81は、例えば、制御装置89から信号線を介して入力される信号を受信する機器を備えていてもよい。図40で示された一例では、1つのモジュール群3gに対して1つの接続箱81が電力線を介して接続されている。
【0201】
複数の集電箱82のそれぞれは、例えば、複数の接続箱81のそれぞれから電力線を介して供給される直流電力を1つにまとめて、パワーコンディショナ83に向けて出力することができる。各集電箱82は、例えば、避雷器およびブレーカなどを有していてもよい。避雷器は、落雷が生じた際に生じ得るサージ電圧を低減するための機器を含む。ブレーカは、過電流が流れると電路を開放する機器を含む。図40で示された一例では、2つの接続箱81のそれぞれが1つの集電箱82に電力線を介して接続されている。より具体的には、第1接続箱81aおよび第2接続箱81bのそれぞれが第1集電箱82aに接続されている。第3接続箱81cおよび第4接続箱81dのそれぞれが第2集電箱82bに接続されている。第5接続箱81eおよび第6接続箱81fのそれぞれが第3集電箱82cに接続されている。第7接続箱81gおよび第8接続箱81hのそれぞれが第4集電箱82dに接続されている。そして、第1集電箱82aは、第1接続箱81aおよび第2接続箱81bのそれぞれから電力線を介して供給される直流電力を1つにまとめて、第1パワーコンディショナ83aに向けて出力することができる。第2集電箱82bは、第3接続箱81cおよび第4接続箱81dのそれぞれから電力線を介して供給される直流電力を1つにまとめて、第2パワーコンディショナ83bに向けて出力することができる。第3集電箱82cは、第5接続箱81eおよび第6接続箱81fのそれぞれから電力線を介して供給される直流電力を1つにまとめて、第3パワーコンディショナ83cに向けて出力することができる。第4集電箱82dは、第7接続箱81gおよび第8接続箱81hのそれぞれから電力線を介して供給される直流電力を1つにまとめて、第4パワーコンディショナ83dに向けて出力することができる。
【0202】
複数のパワーコンディショナ83のそれぞれは、例えば、集電箱82から電力線を介して供給される直流電力を交流電力に変換して、変電設備84に出力することができる。各パワーコンディショナ83は、例えば、太陽光発電システム100およびパワーコンディショナ83の異状を判定するために、入力される直流電力を計測するセンサを有していてもよいし、出力する交流電力を計測するセンサを有していてもよい。この場合には、各パワーコンディショナ83は、例えば、センサで計測された値(測定値ともいう)に係る信号を、信号線を介して制御装置89に送信する機器を備えていてもよい。また、各パワーコンディショナ83は、例えば、制御装置89から信号線を介して入力される信号を受信する機器を備えていてもよい。また、各パワーコンディショナ83は、例えば、制御装置89から信号線を介して入力される制御信号に応じて、出力する交流電力を適宜調整することが可能な機能を有していてもよい。図40で示された一例では、1つの集電箱82が電力線を介して1つのパワーコンディショナ83に接続されている。より具体的には、第1集電箱82aが電力線を介して第1パワーコンディショナ83aに接続されている。第2集電箱82bが電力線を介して第2パワーコンディショナ83bに接続されている。第3集電箱82cが電力線を介して第3パワーコンディショナ83cに接続されている。第4集電箱82dが電力線を介して第4パワーコンディショナ83dに接続されている。そして、第1パワーコンディショナ83aは、第1集電箱82aから電力線を介して供給される直流電力を交流電力に変換して、第1変電設備84aに出力することができる。第2パワーコンディショナ83bは、第2集電箱82bから電力線を介して供給される直流電力を交流電力に変換して、第1変電設備84aに出力することができる。第3パワーコンディショナ83cは、第3集電箱82cから電力線を介して供給される直流電力を交流電力に変換して、第2変電設備84bに出力することができる。第4パワーコンディショナ83dは、第4集電箱82dから電力線を介して供給される直流電力を交流電力に変換して、第2変電設備84bに出力することができる。
【0203】
複数の変電設備84のそれぞれは、例えば、複数のパワーコンディショナ83のそれぞれから電力線を介して供給される交流電力を所定の電圧まで上昇させて合成し、電力線を介して電力会社の系統700に向けて出力することができる。所定の電圧には、例えば、電力会社の系統700における電圧に合わせた電圧が適用される。所定の電圧には、例えば、6600ボルト(V)の高圧もしくは7000V以上の特別高圧が適用される。ここで、例えば、変電設備84から電力会社の系統700に対する連系点86までの電力線は、引き込み線85と称される。別の観点から言えば、例えば、変電設備84から伸びる電力線である引き込み線85と電力会社の系統700とが連系する位置は、連系点86と称される。図40で示された一例では、2つのパワーコンディショナ83が電力線を介して1つの変電設備84に接続されている。より具体的には、第1パワーコンディショナ83aおよび第2パワーコンディショナ83bが電力線を介して第1変電設備84aに接続されている。第3パワーコンディショナ83cおよび第4パワーコンディショナ83dが電力線を介して第2変電設備84bに接続されている。そして、第1変電設備84aは、第1パワーコンディショナ83aから電力線を介して供給される交流電力を所定の電圧まで上昇させた交流電力と、第2パワーコンディショナ83bから電力線を介して供給される交流電力を所定の電圧まで上昇させた交流電力と、を合成して、電力線を介して電力会社の系統700に向けて出力することができる。第2変電設備84bは、第3パワーコンディショナ83cから電力線を介して供給される交流電力を所定の電圧まで上昇させた交流電力と、第4パワーコンディショナ83dから電力線を介して供給される交流電力を所定の電圧まで上昇させた交流電力と、を合成して、電力線を介して電力会社の系統700に向けて出力することができる。また、図40で示された一例では、各変電設備84は、2つの変圧器T1を有する。より具体的には、第1変電設備84aは、第1変圧器T1aおよび第2変圧器T1bを有する。第2変電設備84bは、第3変圧器T1cおよび第4変圧器T1dを有する。そして、第1変電設備84aは、第1パワーコンディショナ83aから電力線を介して供給される交流電力を第1変圧器T1aで所定の電圧まで上昇させて生成した交流電力と、第2パワーコンディショナ83bから電力線を介して供給される交流電力を第2変圧器T1bで所定の電圧まで上昇させて生成した交流電力と、を合成して引き込み線85を介して電力会社の系統700に向けて出力することができる。第2変電設備84bは、第3パワーコンディショナ83cから電力線を介して供給される交流電力を第3変圧器T1cで所定の電圧まで上昇させて生成した交流電力と、第4パワーコンディショナ83dから電力線を介して供給される交流電力を第4変圧器T1dで所定の電圧まで上昇させて生成した交流電力と、を合成して引き込み線85を介して電力会社の系統700に向けて出力することができる。
【0204】
制御装置89は、例えば、複数の接続箱81のそれぞれ、および複数のパワーコンディショナ83のそれぞれに対して、通信線を介して信号の送受信が可能な態様で接続されている。制御装置89は、例えば、電流値および電圧値などの計測値に係る信号を受信して、太陽電池ストリングの異状、太陽光発電システム100の異状、およびパワーコンディショナ83の異状のうちの1つ以上の異状を検出する機能を有していてもよい。制御装置89は、例えば、各パワーコンディショナ83に対して、パワーコンディショナ83において出力する交流電力を調整させるための制御信号を、信号線を介して送信する機能を有していてもよい。
【0205】
制御装置89は、例えば、1つ以上の中央演算装置(Central Processing Unit:CPU)および1つ以上の記憶装置を有するコンピュータなどの構成を有していてよい。1つ以上の記憶装置は、例えば、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などのCPUが読み取り可能な非一時的な記憶媒体を含んでいてよい。記憶装置は、例えば、プログラムなどを記憶していてよい。この場合には、制御装置89の各種機能は、CPUが記憶装置内のプログラムを実行することで実現されてよい。制御装置89は、例えば、複数のCPUを備えていてもよい。制御装置89は、1つ以上のDSP(Digital Signal Processor)を備えていてもよい。制御装置89の全ての機能あるいは制御装置89の一部の機能は、その機能の実現にソフトウェアが不要なハードウェア回路によって実現されてもよい。記憶装置は、ROMおよびRAMとは異なる、コンピュータが読取り可能な非一時的な記録媒体を備えてもよい。記憶装置は、例えば、小型のハードディスクドライブおよび/またはSSD(Solid State Drive)などを備えていてもよい。
【0206】
ここでは、例えば、複数のモジュール群3gのうちの第1の種類のモジュール群3gと第2の種類のモジュール群3gとが別々の変圧器T1に接続されていてもよい。より具体的には、第1群3g1と第2群3g2とが別々の変圧器T1に接続されていてもよい。この構成が採用されれば、第1群3g1を構成している第1太陽電池モジュール31と、第2群3g2を構成している第2太陽電池モジュール32との間で、出力される電流および電圧が異なっていても、電力の損失が低減され得る。よって、太陽光発電システム100における発電量を増加させることができる。
【0207】
図40で示される一例では、第1接続箱81a、第2接続箱81b、第3接続箱81cおよび第4接続箱81dのそれぞれに第1群3g1が電力線を介して接続されていてよい。また、第5接続箱81e、第6接続箱81f、第7接続箱81gおよび第8接続箱81hのそれぞれに第2群3g2が電力線を介して接続されていてよい。この場合には、複数の第1群3g1が第1変電設備84aの2つの変圧器T1に接続されており、複数の第2群3g2が第2変電設備84bの2つの変圧器T1に接続されている。換言すれば、第1群3g1と第2群3g2とが別々の変圧器T1に接続されている。これにより、太陽光発電システム100における発電量を増加させることができる。
【0208】
ここでは、例えば、複数のモジュール群3gのうちの第1の種類のモジュール群3gと第2の種類のモジュール群3gとが同一の変圧器T1に接続されていてもよい。より具体的には、第1群3g1と第2群3g2とが同一の変圧器T1に接続されていてもよい。この構成が採用されれば、変圧器T1の数を低減することが可能となる。その結果、太陽光発電システム100の施工性を改善することができる。
【0209】
図41は、第10実施形態に係る太陽光発電システム100の概略的な構成の他の一例を模式的に示すブロック図である。図41で示される太陽光発電システム100は、図40で示された太陽光発電システム100をベースとして、第1変電設備84aにおける2つの変圧器T1が1つの変圧器T1(第5変圧器T1eともいう)に変更され、第2変電設備84bにおける2つの変圧器T1が1つの変圧器T1(第6変圧器T1fともいう)に変更された構成を有する。ここでは、第1変電設備84aは、第1パワーコンディショナ83aから電力線を介して供給される交流電力と第2パワーコンディショナ83bから電力線を介して供給される交流電力とを合成して第5変圧器T1eで所定の電圧まで上昇させて生成した交流電力を、引き込み線85を介して電力会社の系統700に向けて出力することができる。第2変電設備84bは、第3パワーコンディショナ83cから電力線を介して供給される交流電力と第4パワーコンディショナ83dから電力線を介して供給される交流電力とを合成して第6変圧器T1fで所定の電圧まで上昇させて生成した交流電力を、引き込み線85を介して電力会社の系統700に向けて出力することができる。
【0210】
図41で示される一例では、第1接続箱81a、第2接続箱81b、第5接続箱81eおよび第6接続箱81fのそれぞれに第1群3g1が電力線を介して接続されていてよい。また、第3接続箱81c、第4接続箱81d、第7接続箱81gおよび第8接続箱81hのそれぞれに第2群3g2が電力線を介して接続されていてよい。この場合には、2つの第1群3g1と2つの第2群3g2とが第1変電設備84aの第5変圧器T1eに接続されており、別の2つの第1群3g1と別の2つの第2群3g2とが第2変電設備84bの第6変圧器T1fに接続されている。換言すれば、第1群3g1と第2群3g2とが同一の変圧器T1に接続されている。これにより、変圧器T1の数を低減することが可能となる。例えば、図40で示される一例における変圧器T1の数が4つであるのに対して、図41で示される一例における変圧器T1の数が2つとなり、変圧器T1の数が減少している。その結果、太陽光発電システム100の施工性を改善することができる。
【0211】
<2-10.その他>
上記第1実施形態から上記第10実施形態のそれぞれにおいて、例えば、図42で示されるように、第1群3g1について、複数の第1太陽電池モジュール31のそれぞれの受光面30s(第1受光面30s1)の法線方向に沿って第1受光面30s1から離れる方向に仮想的に伸びるベクトルを第1ベクトルV1とする。第1ベクトルV1は、例えば、第1群3g1の基準点(第1基準点)Pc1を始点としたベクトルであってよい。第1基準点Pc1は、例えば、平面視した場合における第1群3g1の図心であってよい。また、第1群3g1の第1受光面30s1から着陸態勢にある航空機5の操縦室5cの第1の特定の位置P1aへ伸びるベクトルを第8ベクトルV15とする。第8ベクトルV15の始点は、第1ベクトルV1の始点と同一であってよい。ここでは、例えば、第1ベクトルV1と第8ベクトルV15とが成す角度θ15が、90度以上であれば、太陽光SL0の照射に応じて第1群3g1で生じる正反射光RL1が着陸態勢にある航空機5の操縦室5cに入射する可能性が低くなる。このため、第2太陽電池モジュール32よりも変換効率が高い第1太陽電池モジュール31を設置しても、太陽光発電システム100における太陽光SL0の反射光を着陸態勢にある航空機5の操縦士が眩しく感じる度合いが高まる可能性が低くなる。よって、例えば、複数の第1太陽電池モジュール31をより数多く配置することで、太陽光発電システム100における発電量を高めることが可能となる。
【0212】
図42で示される一例では、滑走路1の幅方向である+Y方向に沿った方向において滑走路1を挟んで位置している第1領域A1および第2領域A2のうち、第2領域A2に、第1群3g1が設置されているが、これに限られない。例えば、第1領域A1に第1群3g1が設置されていてもよい。
【0213】
上記第1実施形態から上記第10実施形態のそれぞれにおいて、例えば、図43で示されるように、第2群3g2について、2つ以上の太陽電池モジュール3のそれぞれの受光面30sの法線方向に沿って受光面30sから離れる方向に仮想的に伸びるベクトルを第9ベクトルV2とする。第9ベクトルV2は、例えば、第2群3g2の基準点(第2基準点)Pc2を始点としたベクトルであってよい。第2基準点Pc2は、例えば、平面視した場合における第2群3g2の図心であってよい。また、第2群3g2の受光面30sから着陸態勢にある航空機5の操縦室5cの第1の特定の位置P1aへ伸びるベクトルを第10ベクトルV25とする。第10ベクトルV25の始点は、第9ベクトルV2の始点と同一であってよい。ここでは、例えば、第9ベクトルV2と第10ベクトルV25とが成す角度θ25が、90度未満であれば、太陽光SL0の照射に応じて第2群3g2で生じる正反射光RL1が着陸態勢にある航空機5の操縦室5cに入射する可能性が高くなる。しかしながら、第2群3g2は、第1受光面30s1よりも光の反射率が低い第2受光面30s2をそれぞれ有する1つ以上の第2太陽電池モジュール32を含むため、着陸態勢にある航空機5の操縦士が受光面30sからの太陽光SL0の反射光を眩しく感じる度合いを許容範囲内まで低減することができる。その結果、太陽光発電システム100について、太陽光SL0の反射による眩しさを低減することができる。
【0214】
上記各実施形態において、例えば、モジュール群3gごとに推定放射照度E1に対応する網膜放射照度Erおよび視角ωを算出したが、これに限られない。例えば、モジュール群3gを構成している太陽電池モジュール3ごとに推定放射照度E1に対応する網膜放射照度Erおよび視角ωを算出してもよい。この場合には、例えば、太陽電池モジュール3ごとに、複数の受光面30sに係る代表点の代わりに太陽電池モジュール3の代表点を採用してよい。太陽電池モジュール3の代表点には、例えば、平面視した太陽電池モジュール3の図心を適用してよい。ここでは、例えば、太陽電池モジュール3ごとに、太陽900が通年の日周運動を行う際に、推定放射照度E1としての網膜放射照度Erが所定の放射照度としての臨界放射照度Et以下であるか評価してもよい。そして、例えば、太陽光発電システム100の設計の段階では、1つのモジュール群3gを構成している複数の太陽電池モジュール3のそれぞれを仮想的に第1太陽電池モジュール31として、1つのモジュール群3gにおける1つ以上の太陽電池モジュール3について、太陽900が通年の日周運動を行う際に、推定放射照度E1としての網膜放射照度Erが所定の放射照度としての臨界放射照度Etを超えている時刻があれば、その1つのモジュール群3gを第2群3g2として設計してもよい。また、例えば、太陽光発電システム100の設計の段階では、複数の太陽電池モジュール3のそれぞれを仮想的に第1太陽電池モジュール31とした場合に、太陽900が通年の日周運動を行う際に、複数の太陽電池モジュール3のうち、太陽光SL0の反射に応じて特定の位置P1に入射する反射光の放射照度の推定値(推定放射照度)を所定の放射照度よりも大きくさせる1つ以上の太陽電池モジュール3のそれぞれを、第2太陽電池モジュール32としてもよい。
【0215】
上記各実施形態において、網膜放射照度Erは、特定の位置P1における対象者の眼球7eの網膜7e5に入射する正反射光RL1の放射照度の推定値として算出されたが、これに限られない。網膜放射照度Erは、別の種々の計算によって算出されてもよい。例えば、網膜放射照度Erは、複数の受光面30sにおいて太陽光SL0が拡散反射を生じて特定の位置P1における対象者の眼球7eの網膜7e5に入射する拡散反射光の放射照度の推定値として算出されてもよい。この場合には、例えば、網膜放射照度Erを、推定放射照度E1としてもよいし、網膜放射照度Erに基づいて算出される放射照度の計算値を、推定放射照度E1としてもよい。ここでは、放射照度の計算値が、網膜放射照度Erに係数を乗じる計算によって算出される態様が採用され得る。係数には、例えば、安全係数が適用される。安全係数としては、例えば、1よりも大きく3以下の数値が適用され得る。
【0216】
上記各実施形態において、推定放射照度E1が計算で算出されたが、これに限られない。推定放射照度E1は、例えば、航空機5の操縦室5cもしくは管制塔6の管制室6cにおいて測定装置を用いて実際に測定される照度(実測照度ともいう)であってもよいし、この実測照度に基づいて算出されてもよい。また、実測照度は、例えば、ドローンなどの無人航空機に搭載された測定装置を用いた測定によって取得されてもよい。
【0217】
上記各実施形態において、例えば、第1実施形態では、第1群3g1が複数の第1太陽電池モジュール31のみで構成されている例を挙げて説明したが、これに限られない。例えば、第1群3g1は、第1太陽電池モジュール31とは異なる太陽電池モジュール3を含んでいてもよい。この場合には、第1群3g1を構成している2つ以上の太陽電池モジュール3において第1太陽電池モジュール31が占めている割合が、第2群3g2を構成している2つ以上の太陽電池モジュール3において第1太陽電池モジュール31が占めている割合よりも大きい構成が採用されてもよい。
【0218】
上記各実施形態において、例えば、第2封止層304が透光性を有する場合には、裏面保護部材305のうちの受光面30s側の部分を黒色としてもよい。これにより、例えば、太陽電池モジュール3において太陽光SL0の照射に応じて生じる反射光の光量が低減され得る。
【0219】
上記各実施形態において、例えば、透光性部材301には、光電変換部303とは逆側の表面(第1表面)および光電変換部303側の表面(第2表面ともいう)のそれぞれに反射防止膜およびエンボス加工などが施された凹凸を有するガラス板が適用されてもよい。
【0220】
上記各実施形態において、例えば、複数の太陽電池セル303cのうちの相互に隣り合う太陽電池セル303cの間をそれぞれ電気的に接続している複数の第1配線材W1の本数は、4本から15本などであってもよい。
【0221】
上記各実施形態において、例えば、複数の太陽電池セル303cは、略正方形状の太陽電池セルが分割されることで形成された略長方形状の複数の太陽電池セルを含んでいてもよい。
【0222】
上記各実施形態において、例えば、透光性部材301は、フィルム状の部材であってもよい。この場合には、例えば、太陽電池モジュール3の剛性を維持するために、裏面保護部材305に板状の部材が適用されてもよい。板状の裏面保護部材305の素材には、例えば、ガラスまたはアクリルもしくはポリカーボネートなどの樹脂などが適用され得る。フィルム状の透光性部材301の素材には、例えば、耐候性を有する樹脂が適用される。耐候性は、例えば、屋外で使用された場合に、変形、変色および劣化などの変質を起こしにくい性質を意味する。ここで、耐候性を有する樹脂は、例えば、フッ素系の樹脂を含む。フッ素系の樹脂は、例えば、フッ化エチレンプロピレン共重合体(Fluorinated Ethylene Propylene:FEP)、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体(Ethylene Tetrafluoroethylene:ETFE)およびエチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体(Ethylene Chlorotrifluoroethylene:ECTFE)などを含む。ここで、例えば、透光性部材301が、2層以上の耐候性を有する樹脂で構成されてもよい。この場合には、透光性部材301に適用されるフッ素系の樹脂は、例えば、2種類以上の樹脂であってもよい。このため、例えば、透光性部材301に適用されるフッ素系の樹脂が、FEP、ETFEおよびECTFEのうちの少なくとも1つの樹脂を含む態様が考えられる。また、透光性部材301の厚さは、例えば、0.05mmから0.5mm程度とされてもよい。
【0223】
上記各実施形態において、例えば、太陽光発電システム100が南半球に設置されている場合には、太陽900が正中方向である北方向において斜め上方を向く形態で受光面30sが水平面に対して傾斜していてもよい。換言すれば、受光面30sは、北に進むほど下方に位置する形態で水平面に対して傾斜していてもよい。
【0224】
上記各実施形態において、例えば、複数のモジュール群3gどうしの間で、受光面30sが向いている方向を規定する設置角度および設置方位が同一であってもよいし、異なっていてもよい。北半球において、受光面30sは、南向きあってもよいし、南向きでなくてもよい。南半球において、受光面30sは、北向きであってもよいし、北向きでなくてもよい。また、例えば、受光面30sは、水平面に対して傾斜していなくてもよい。
【0225】
上記各実施形態において、例えば、複数の太陽電池モジュール3における太陽光SL0の反射に応じて飛行中の航空機5の操縦室5cの特定の位置P1(第1の特定の位置P1a)に入射する反射光は、複数の太陽電池モジュール3における太陽光SL0の反射に応じて飛行中の航空機5の操縦室5cに入射する反射光に置換されてもよい。この場合であっても、飛行中の航空機5の操縦室5cにおける対象者が受光面30sからの太陽光SL0の反射光を眩しく感じる度合いを許容範囲内まで低減することができる。飛行中の航空機5の操縦室5cに入射する反射光は、例えば、操縦室5cの窓を通過して操縦室5cの内部に入射する。このため、飛行中の航空機5の操縦室5cに入射する反射光の照度については、操縦室5cの窓に照射される反射光の照度で評価することも可能である。また、操縦室5cの窓に照射される反射光の照度は、操縦室5cの窓の周囲の外壁に照射される反射光の照度と実質的に同一である場合が想定される。このため、飛行中の航空機5の操縦室5cに入射する反射光の照度については、操縦室5cの外壁に照射される反射光の照度で評価することも可能である。よって、飛行中の航空機5の操縦室5cに入射する反射光は、例えば、飛行中の航空機5の操縦室5cの内部に入射する反射光であってもよいし、飛行中の航空機5の操縦室5cの外部側の部分に照射される反射光であってもよい。飛行中の航空機5の操縦室5cの外部側の部分は、例えば、操縦室5cの窓であってもよいし、操縦室5cの外壁であってもよい。換言すれば、飛行中の航空機5の操縦室5cの外部側の部分は、操縦室5cと航空機5の外部の空間とを仕切る部分であってよい。この仕切る部分には、例えば、窓が含まれていてもよいし、外壁が含まれていてもよい。
【0226】
また、上記各実施形態において、例えば、複数の太陽電池モジュール3における太陽光SL0の反射に応じて管制塔6の管制室6cの特定の位置P1(第2の特定の位置P1b)に入射する反射光は、複数の太陽電池モジュール3における太陽光SL0の反射に応じて管制塔6の管制室6cに入射する反射光に置換されてもよい。この場合であっても、管制塔6の管制室6cにおける対象者が受光面30sからの太陽光SL0の反射光を眩しく感じる度合いを許容範囲内まで低減することができる。管制塔6の管制室6cに入射する反射光は、例えば、管制室6cの窓を通過して管制室6cの内部に入射する。このため、管制塔6の管制室6cに入射する反射光の照度については、管制室6cの窓に照射される反射光の照度で評価することも可能である。また、管制室6cの窓に照射される反射光の照度は、管制室6cの窓の周囲の外壁に照射される反射光の照度と実質的に同一である場合が想定される。このため、管制塔6の管制室6cに入射する反射光の照度については、管制室6cの外壁に照射される反射光の照度で評価することも可能である。よって、管制塔6の管制室6cに入射する反射光は、例えば、管制塔6の管制室6cの内部に入射する反射光であってもよいし、管制塔6の管制室6cの外部側の部分に照射される反射光であってもよい。管制塔6の管制室6cの外部側の部分は、例えば、管制室6cの窓であってもよいし、管制室6cの外壁であってもよい。換言すれば、管制塔6の管制室6cの外部側の部分は、管制室6cと管制塔6の外部の空間とを仕切る部分であってよい。この仕切る部分には、例えば、窓が含まれていてもよいし、外壁が含まれていてもよい。
【0227】
したがって、上記各実施形態では、太陽900が通年の日周運動を行う際に、複数の太陽電池モジュール3における太陽光SL0の反射に応じて1つ以上の空間の特定の位置P1に入射する反射光の放射照度の推定値(推定放射照度)が、所定の放射照度以下であったが、これに限られない。上記各実施形態において、例えば、推定放射照度は、太陽900が通年の日周運動を行う際に、複数の太陽電池モジュール3における太陽光SL0の反射に応じて飛行中の航空機5の操縦室5cまたは管制塔6の管制室6cに入射する反射光の放射照度の推定値であってもよい。換言すれば、上記各実施形態において、太陽900が通年の日周運動を行う際に、複数の太陽電池モジュール3における太陽光SL0の反射に応じて飛行中の航空機5の操縦室5cまたは管制塔6の管制室6cに入射する反射光の放射照度の推定値(推定放射照度)が、所定の放射照度以下であってもよい。この構成が採用されても、太陽光SL0の反射による眩しさを低減させることができる。別の観点から言えば、太陽光発電システム100において、発電量の低下を低減させつつ、太陽光SL0の反射による眩しさを低減させることができる。なお、太陽900が通年の日周運動を行う際に、推定放射照度が所定の放射照度以下であるとは、太陽900が通年の日周運動を行う際に、推定放射照度が所定の放射照度以下である状態が維持されることを意味している。
【0228】
なお、上記各実施形態において、例えば、太陽光発電システム100を構成している複数の太陽電池モジュール3の一部または全部が設置されている場所は、空港200の敷地外の場所に置換されてもよい。空港200の敷地外の場所は、例えば、空港200の外の山、丘および水面などが含まれ得る。
【0229】
なお、上記各実施形態において、例えば、管制塔6の管制室6cは、空港200の周辺の建造物内の空間に置換されてもよい。この場合には、空港200の周辺の建造物内の空間にいる人が受光面30sからの太陽光SL0の反射光を眩しく感じる度合いを許容範囲内まで低減することができる。その結果、太陽光発電システム100について、太陽光SL0の反射による眩しさを低減することができる。
【0230】
なお、上記各実施形態において、例えば、太陽光発電システム100を構成している複数の太陽電池モジュール3の一部または全部が設置されている場所は、建造物の屋根上もしくは側壁上または遊休地などの別の場所に置換されてもよい。ここでは、管制塔6の管制室6cは、太陽光発電システム100の周辺の建造物内の空間に置換されてもよい。この場合には、太陽光発電システム100の周辺の建造物内の空間にいる人が受光面30sからの太陽光SL0の反射光を眩しく感じる度合いを許容範囲内まで低減することができる。その結果、太陽光発電システム100について、太陽光SL0の反射による眩しさを低減することができる。
【0231】
以上のように、太陽光発電システム100は詳細に説明されたが、上記した説明は、全ての局面において例示であって、この開示がそれに限定されるものではない。また、上述した各種例は、相互に矛盾しない限り組み合わせて適用可能である。そして、例示されていない無数の例が、この開示の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
【0232】
本開示には、以下の内容が含まれる。
【0233】
一実施形態において、(1)太陽光発電システムは、空港における滑走路または着陸帯の長手方向に沿った土地にそれぞれ設置された複数の太陽電池モジュール、を備え、該複数の太陽電池モジュールは、複数の第1太陽電池モジュールで構成された第1群と、1つ以上の第2太陽電池モジュールを含む2つ以上の太陽電池モジュールで構成された第2群と、を含む複数の群、を有しており、前記1つ以上の第2太陽電池モジュールのそれぞれの受光面における光の反射率は、前記複数の第1太陽電池モジュールのそれぞれの受光面における光の反射率よりも小さく、太陽が通年の日周運動を行う際に、前記複数の太陽電池モジュールにおける太陽光の反射に応じて飛行中の航空機の操縦室または管制塔の管制室に入射する反射光の推定放射照度が、所定の放射照度以下である。
【0234】
(2)上記(1)の太陽光発電システムにおいて、前記推定放射照度は、前記複数の太陽電池モジュールにおける太陽光の反射に応じて飛行中の航空機の操縦室および管制塔の管制室のうちの1つ以上の空間の特定の位置に入射する反射光の推定放射照度であってもよい。
【0235】
(3)上記(1)または(2)の太陽光発電システムにおいて、前記飛行中の航空機は、前記滑走路へ着陸するための着陸態勢にある航空機、を含んでいてもよい。
【0236】
(4)上記(1)から(3)の何れか1つの太陽光発電システムにおいて、前記複数の太陽電池モジュールのそれぞれを仮想的に前記第1太陽電池モジュールとした場合に、太陽が通年の日周運動を行う際に前記複数の太陽電池モジュールのうちの前記反射光の前記推定放射照度を前記所定の放射照度よりも大きくさせる1つ以上の太陽電池モジュールのそれぞれは、前記第2太陽電池モジュールであってもよい。
【0237】
(5)上記(2)の太陽光発電システムにおいて、前記複数の群は、第1の個数の太陽電池モジュールで構成されたA群と、第2の個数の太陽電池モジュールで構成されたB群と、を含み、前記複数の太陽電池モジュールのそれぞれを仮想的に前記第1太陽電池モジュールとした場合において、前記A群における前記太陽光の反射に応じて前記特定の位置における眼球の網膜に第1視角ω1[rad]で入射する前記反射光の推定放射照度を第1推定放射照度であるE11[W/m]とし、前記B群における前記太陽光の反射に応じて前記特定の位置における眼球の網膜に第2視角ω2[rad]で入射する前記反射光の推定放射照度を第2推定放射照度であるE12[W/m]とし、前記第1視角ω1[rad]を用いてEt1=0.359/ω11.77の式で算出される前記所定の放射照度を第1臨界放射照度であるEt1[W/m]とし、前記第2視角ω2[rad]を用いてEt2=0.359/ω21.77の式で算出される前記所定の放射照度を第2臨界放射照度であるEt2[W/m]とした場合に、太陽が通年の日周運動を行う際に、前記第1推定放射照度が前記第1臨界放射照度を超える時刻があり且つ前記第2推定放射照度が前記第2臨界放射照度を超える時刻がなければ、前記A群が前記第2群であり且つ前記B群が前記第1群であり、太陽が通年の日周運動を行う際に、前記第1推定放射照度が前記第1臨界放射照度を超える時刻がなく且つ前記第2推定放射照度が前記第2臨界放射照度を超える時刻があれば、前記A群が前記第1群であり且つ前記B群が前記第2群であってもよい。
【0238】
(6)上記(2)の太陽光発電システムにおいて、前記複数の群は、第1の個数の太陽電池モジュールで構成されたA群と、第2の個数の太陽電池モジュールで構成されたB群と、を含み、前記複数の太陽電池モジュールのそれぞれを仮想的に前記第1太陽電池モジュールとした場合において、前記A群における前記太陽光の反射に応じて前記特定の位置における眼球の網膜に第1視角ω1[rad]で入射する前記反射光の推定放射照度を第1推定放射照度であるE11[W/m]とし、前記B群における前記太陽光の反射に応じて前記特定の位置における眼球の網膜に第2視角ω2[rad]で入射する前記反射光の推定放射照度を第2推定放射照度であるE12[W/m]とし、前記第1視角ω1[rad]を用いてEt1=0.359/ω11.77の式で算出される前記所定の放射照度を第1臨界放射照度であるEt1[W/m]とし、前記第2視角ω2[rad]を用いてEt2=0.359/ω21.77の式で算出される前記所定の放射照度を第2臨界放射照度であるEt2[W/m]とした場合に、太陽が通年の日周運動を行う際に、前記第1推定放射照度が前記第1臨界放射照度を超える時刻がなく且つ前記第2推定放射照度が前記第2臨界放射照度を超える時刻がなく、前記第1臨界放射照度から前記第1推定放射照度を減じた第1差分値の最小値が前記第2臨界放射照度から前記第2推定放射照度を減じた第2差分値の最小値よりも大きければ、前記A群が前記第1群であり且つ前記B群が前記第2群であり、太陽が通年の日周運動を行う際に、前記第1推定放射照度が前記第1臨界放射照度を超える時刻がなく且つ前記第2推定放射照度が前記第2臨界放射照度を超える時刻がなく、前記第1差分値の最小値が前記第2差分値の最小値よりも小さければ、前記A群が前記第2群であり且つ前記B群が前記第1群であってもよい。
【0239】
(7)上記(2)の太陽光発電システムにおいて、前記飛行中の航空機は、前記滑走路へ着陸するための着陸態勢にある航空機、を含み、前記着陸態勢にある前記航空機の前記操縦室における前記特定の位置と前記滑走路の目標点標識の図心とを結ぶ第1仮想線と、前記着陸態勢にある前記航空機の前記操縦室における前記特定の位置と前記第1群の第1基準点とを結ぶ第2仮想線と、が成す第1角度は、前記第1仮想線と、前記着陸態勢にある前記航空機の前記操縦室における前記特定の位置と前記第2群の第2基準点とを結ぶ第3仮想線と、が成す第2角度よりも大きくてもよい。
【0240】
(8)上記(3)の太陽光発電システムにおいて、前記滑走路の目標点標識の図心から前記第1群までの第1距離は、前記図心から前記第2群までの第2距離よりも大きくてもよい。
【0241】
(9)上記(3)の太陽光発電システムにおいて、前記滑走路は、第1目標点標識と、該第1目標点標識とは異なる第2目標点標識と、を有し、前記第1目標点標識の図心から前記第1群の第1基準点までの距離は、第3距離であり、前記第2目標点標識の図心から前記第1基準点までの距離は、第4距離であり、前記第1目標点標識の図心から前記第2群の第2基準点までの距離は、第5距離であり、前記第2目標点標識の図心から前記第2基準点までの距離は、第6距離であり、前記第5距離および前記第6距離のうちの何れか一方の距離は、前記第3距離および前記第4距離の何れの距離よりも小さくてもよい。
【0242】
(10)上記(9)の太陽光発電システムにおいて、前記複数の群は、前記1つ以上の第2太陽電池モジュールを含む2つ以上の太陽電池モジュールでそれぞれ構成された第2A群および第2B群、を含み、前記長手方向において、前記第2A群と前記第2B群とは、前記第1群を挟んで位置しており、前記第1目標点標識の図心から前記第2A群の第2A基準点までの距離は、第5A距離であり、前記第2目標点標識の図心から前記第2A基準点までの距離は、第6A距離であり、前記第1目標点標識の図心から前記第2B群の第2B基準点までの距離は、第5B距離であり、前記第2目標点標識の図心から前記第2B基準点までの距離は、第6B距離であり、前記第5A距離および前記第6A距離のうちの何れか一方の距離は、前記第3距離および前記第4距離の何れの距離よりも小さく、前記第5B距離および前記第6B距離のうちの何れか一方の距離は、前記第3距離および前記第4距離の何れの距離よりも小さくてもよい。
【0243】
(11)上記(3)の太陽光発電システムにおいて、前記土地は、第1領域および第2領域を含み、前記第1領域と前記第2領域とが、前記長手方向に垂直な前記滑走路の幅方向において前記滑走路または前記着陸帯を挟んで位置しており、前記第1群は、前記第2領域に設置されており、前記第2群は、前記第1領域に設置されており、太陽が通年の日周運動を行う際に、前記第1群における前記複数の第1太陽電池モジュールのそれぞれの受光面において生じる前記太陽光の反射光のうちのピーク強度を有する第1A反射光と拡散反射で生じる反射光の強度よりも前記第1A反射光のピーク強度に近い所定強度以上の強度を有する第2A反射光とが通過する第1通過領域と、前記滑走路の目標点標識の図心に向かって前記航空機が飛行する着陸飛行経路と、が重なる時刻がなく、太陽が通年の日周運動を行う際に、前記第2群における前記2つ以上の太陽電池モジュールのそれぞれの受光面において生じる前記太陽光の反射光のうちのピーク強度を有する第1B反射光と拡散反射で生じる反射光の強度よりも前記第1B反射光のピーク強度に近い所定強度以上の強度を有する第2B反射光とが通過する第2通過領域と、前記着陸飛行経路と、が重なる時刻があってもよい。
【0244】
(12)上記(1)から(11)の何れか1つの太陽光発電システムにおいて、前記第1群は、2つ以上の太陽電池モジュールでそれぞれ構成された第1の列数の太陽電池モジュールの列を含み、前記第2群は、2つ以上の太陽電池モジュールでそれぞれ構成された第2の列数の太陽電池モジュールの列を含み、平面視した場合における前記第1の列数の太陽電池モジュールの列における第1列間隔は、第1間隔以下であり、平面視した場合における前記第2の列数の太陽電池モジュールの列における第2列間隔は、前記第1間隔以下であり、平面視した場合における前記第1群と前記第2群との間隔は、前記第1間隔よりも大きな第2間隔以上であってもよい。
【0245】
(13)上記(1)から(10)の何れか1つの太陽光発電システムにおいて、前記土地は、第1領域および第2領域を含み、前記第1領域と前記第2領域とが、前記長手方向に垂直な前記滑走路の幅方向において前記滑走路または前記着陸帯を挟んで位置しており、前記第1群は、前記第1領域に設置されており、前記複数の群は、前記第1領域に設置されており且つ第3の個数の太陽電池モジュールで構成された第3群、を含み、該第3群は、前記第1群よりも前記滑走路の近くに位置しており、前記第1群について、前記複数の第1太陽電池モジュールのそれぞれの受光面の法線方向に沿って該受光面から離れる方向に仮想的に伸びる第1ベクトルにおける前記幅方向の成分を第1水平ベクトルとし、前記第3群について、前記第3の個数の太陽電池モジュールのそれぞれの受光面の法線方向に沿って該受光面から離れる方向に仮想的に伸びる第2ベクトルにおける前記幅方向の成分を第2水平ベクトルとした場合に、前記第1水平ベクトルの向きと前記第2水平ベクトルの向きとが逆であり、且つ前記第2水平ベクトルが前記滑走路から離れる方向に伸びていてもよい。
【0246】
(14)上記(1)から(10)の何れか1つの太陽光発電システムにおいて、前記土地は、第1領域および第2領域を含み、前記第1領域と前記第2領域とが、前記長手方向に垂直な前記滑走路の幅方向において前記滑走路または前記着陸帯を挟んで位置しており、前記第1群は、前記第2領域に設置されており、前記複数の群は、前記第1領域に設置されており且つ第4の個数の太陽電池モジュールで構成された第4群、を含み、前記第1群について、前記複数の第1太陽電池モジュールのそれぞれの受光面の法線方向に沿って該受光面から離れる方向に仮想的に伸びる第1ベクトルにおける前記幅方向の成分を第1水平ベクトルとし、前記第4群について、前記第4の個数の太陽電池モジュールのそれぞれの受光面の法線方向に沿って該受光面から離れる方向に仮想的に伸びる第3ベクトルにおける前記幅方向の成分を第3水平ベクトルとした場合に、前記第1水平ベクトルの向きと前記第3水平ベクトルの向きとが逆であり、前記第1水平ベクトルおよび前記第3水平ベクトルの何れの向きも前記滑走路から離れる向きであってもよい。
【0247】
(15)上記(1)から(10)の何れか1つの太陽光発電システムにおいて、前記土地は、第1領域および第2領域を含み、前記第1領域と前記第2領域とが、前記長手方向に垂直な前記滑走路の幅方向において前記滑走路または前記着陸帯を挟んで位置しており、前記複数の群は、前記第1領域に設置されており且つ第5の個数の太陽電池モジュールで構成された第5群と、前記第2領域に設置されており且つ第6の個数の太陽電池モジュールで構成された第6群と、を含み、前記第5群について、前記第5の個数の太陽電池モジュールのそれぞれの受光面の法線方向に沿って該受光面から離れる方向に仮想的に伸びる第4ベクトルにおける前記幅方向の成分を第4水平ベクトルとし、前記第6群について、前記第6の個数の太陽電池モジュールのそれぞれの受光面の法線方向に沿って該受光面から離れる方向に仮想的に伸びる第5ベクトルにおける前記幅方向の成分を第5水平ベクトルとした場合に、前記第4水平ベクトルの向きと前記第5水平ベクトルの向きとが逆であり、前記第4水平ベクトルおよび前記第5水平ベクトルの何れの向きも前記滑走路から離れる向きであってもよい。
【0248】
(16)上記(2)および(5)から(7)の何れか1つの太陽光発電システムにおいて、前記複数の群は、第7の個数の太陽電池モジュールで構成された第7群、を含み、該第7群について、前記第7の個数の太陽電池モジュールのそれぞれの受光面の法線方向に沿って該受光面から離れる方向に仮想的に伸びる第6ベクトルと、該受光面から前記管制塔の管制室の前記特定の位置まで仮想的に伸びる第7ベクトルと、が成す角度が90度以上であってもよい。
【0249】
(17)上記(2)、(5)から(7)および(16)の何れか1つの太陽光発電システムにおいて、前記1つ以上の空間は、前記管制塔の管制室を含み、前記特定の位置は、管制承認伝達席、地上管制席および飛行場管制席のうちの1つ以上の席にそれぞれ着座している管制官の視点、を含んでいてもよい。
【0250】
(18)上記(1)から(17)の何れか1つの太陽光発電システムにおいて、前記複数の群は、引き込み線を介して同一の連系点において電力会社の系統に接続されていてもよい。
【符号の説明】
【0251】
1 滑走路
100 太陽光発電システム
1a 目標点標識
1a1 第1目標点標識
1a2 第2目標点標識
2 着陸帯
200 空港
3 太陽電池モジュール
30s 受光面
30s1 第1受光面
30s2 第2受光面
30s3 第3受光面
30s4 第4受光面
30s5 第5受光面
30s6 第6受光面
30s7 第7受光面
31 第1太陽電池モジュール
32 第2太陽電池モジュール
3La 第1モジュール列
3Lb 第2モジュール列
3g モジュール群
3g1 第1群(第1モジュール群)
3g2 第2群(第2モジュール群)
3g2a 第2A群
3g2b 第2B群
3g3 第3群(第3モジュール群)
3g4 第4群(第4モジュール群)
3g5 第5群(第5モジュール群)
3g6 第6群(第6モジュール群)
3g7 第7群(第7モジュール群)
3ga A群
3gb B群
5 航空機
5c 操縦室
6 管制塔
6c 管制室
700 電力会社の系統
7e 眼球
7e5 網膜
85 引き込み線
86 連系点
900 太陽
A1 第1領域
A2 第2領域
Ap1 第1通過領域
Ap2 第2通過領域
Ds1 第1距離
Ds2 第2距離
Ds3 第3距離
Ds4 第4距離
Ds5 第5距離
Ds5a 第5A距離
Ds5b 第5B距離
Ds6 第6距離
Ds6a 第6A距離
Ds6b 第6B距離
E1 推定放射照度
E11 第1推定放射照度
E1b 第2推定放射照度
Et 臨界放射照度
Et1 第1臨界放射照度
Et2 第2臨界放射照度
Fr1 着陸飛行経路
Lv1 第1仮想線
Lv2 第2仮想線
Lv3 第3仮想線
P1 特定の位置
Pc0 着陸基準点
Pc0a 第1着陸基準点
Pc0b 第2着陸基準点
Pc1 第1基準点
Pc2 第2基準点
Pc2a 第2A基準点
Pc2b 第2B基準点
Pc3 第3基準点
Pc4 第4基準点
Pc5 第5基準点
Pc6 第6基準点
Pc7 第7基準点
RL1 正反射光
SL0 太陽光
T1 変圧器
Th1 所定強度
V1 第1ベクトル
V15 第8ベクトル
V1h 第1水平ベクトル
V2 第2ベクトル
V25 第9ベクトル
V3 第2ベクトル
V3h 第2水平ベクトル
V4 第3ベクトル
V4h 第3水平ベクトル
V5 第4ベクトル
V5h 第4水平ベクトル
V6 第5ベクトル
V6h 第5水平ベクトル
V7 第6ベクトル
V76 第7ベクトル
d1 第1間隔
d2 第2間隔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43