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特開2024-95200燃料盗難危険度の提供用のサーバ及び管理端末
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095200
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】燃料盗難危険度の提供用のサーバ及び管理端末
(51)【国際特許分類】
   G07C 5/00 20060101AFI20240703BHJP
   G08B 21/00 20060101ALI20240703BHJP
   G08B 13/00 20060101ALI20240703BHJP
   G08G 1/13 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
G07C5/00 Z
G08B21/00 U
G08B13/00 A
G08G1/13
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022212306
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】501418498
【氏名又は名称】矢崎エナジーシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】新間 貴英
【テーマコード(参考)】
3E138
5C084
5C086
5H181
【Fターム(参考)】
3E138AA07
3E138MA01
3E138MB02
3E138MB10
3E138MB12
3E138MB14
3E138MC12
3E138MD05
5C084AA04
5C084AA09
5C084BB31
5C084CC31
5C084DD11
5C084DD79
5C084EE06
5C084FF02
5C084HH12
5C084HH13
5C086AA28
5C086BA22
5C086CA23
5C086CA28
5C086CB36
5C086DA08
5C086DA14
5C086FA18
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC12
5H181CC27
5H181FF04
5H181FF05
5H181FF10
5H181FF22
5H181FF32
5H181FF40
5H181MB06
(57)【要約】
【課題】燃料盗難の低減を図ることができる料盗難危険度の提供用のサーバ及び管理端末を提供する。
【解決手段】サーバ3が、車両10の燃料残量及び燃料残量を収集したときの位置情報を取得し、運行情報に基づいて車両の燃料盗難を検出する。DB32には、燃料盗難が検出された燃料残量を収集したときの位置情報を盗難発生地点とし、盗難発生地点を含む盗難情報が格納される。サーバ3は、盗難情報に基づいて、盗難発生地点ごとの燃料盗難の発生件数を管理端末4に対して提供する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の運行情報及び前記運行情報を収集したときの位置情報を取得する第1取得部と、
前記運行情報に基づいて前記車両の燃料盗難を検出する燃料盗難検出部と、
前記燃料盗難が検出された前記運行情報を収集したときの前記位置情報を盗難発生地点とし、前記盗難発生地点を含む盗難情報を格納する格納部と、
前記盗難情報に基づいて、前記盗難発生地点ごとの前記燃料盗難の発生件数または前記発生件数に応じた危険度を提供する提供部と、を備えた、
燃料盗難危険度の提供用のサーバ。
【請求項2】
請求項1に記載の燃料盗難危険度の提供用のサーバにおいて、
検索条件を取得する第2取得部を備え、
前記提供部は、前記盗難情報に基づいて、前記盗難発生地点ごとの前記検索条件に対応する前記燃料盗難の前記発生件数または前記発生件数に応じた危険度を提供する、
燃料盗難危険度の提供用のサーバ。
【請求項3】
請求項2に記載の燃料盗難危険度の提供用のサーバにおいて、
前記第1取得部は、前記運行情報を収集したときの時間情報を取得し、
前記格納部は、前記燃料盗難が検出された前記運行情報を収集したときの前記時間情報を盗難発生時間とし、前記盗難発生時間を含む前記盗難情報を格納し、
前記検索条件には、盗難発生時間帯が含まれる、
燃料盗難危険度の提供用のサーバ。
【請求項4】
請求項2に記載の燃料盗難危険度の提供用のサーバにおいて、
前記第1取得部は、前記運行情報を収集した前記車両の車種情報を取得し、
前記格納部は、前記燃料盗難が検出された前記運行情報を収集した前記車両の前記車種情報を含む前記盗難情報を格納し、
前記検索条件には、車種が含まれる、
燃料盗難危険度の提供用のサーバ。
【請求項5】
請求項1に記載の燃料盗難危険度の提供用のサーバにおいて、
前記運行情報は、燃料残量を含み、
前記燃料盗難検出部は、前記燃料残量に基づいて前記燃料盗難を検出する、
燃料盗難危険度の提供用のサーバ。
【請求項6】
請求項1に記載の燃料盗難危険度の提供用のサーバにおいて、
前記格納部に格納された前記盗難情報に基づいて、運行中の前記車両の前記燃料盗難の危険度が高いか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記燃料盗難の危険度が高いと判定された場合、前記車両の運転者にその旨を報知する報知部とを備えた、
燃料盗難危険度の提供用のサーバ。
【請求項7】
請求項1に記載の燃料盗難危険度の提供用のサーバと通信を行う管理端末であって、
燃料盗難の危険度の表示を指示する指示信号を入力する入力部と、
前記入力部により前記指示信号が入力されると、その旨を前記サーバに送信する送信部と、
前記送信部の送信に応じて前記サーバから提供される燃料盗難発生地点ごとの盗難発生件数または前記発生件数に応じた危険度を表示する表示部と、を備えた、
管理端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料盗難危険度の提供用のサーバ及び管理端末、に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両から燃料を抜き取る燃料盗難が起きている。そこで、残量センサにより検出される燃料の残量の量的変化が異常である場合に、燃料盗難を検出する燃料盗難検出装置が提案されている(特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-28860号公報
【特許文献2】特開2022-34849号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
燃料盗難が運転者により行われていた場合、上述した燃料盗難検出装置は、燃料盗難の抑止力となる。しかしながら、燃料盗難は車両の停車中などに運転者以外の外部の人間により行われることがある。この場合、外部の人間に対しては、燃料盗難検出装置は燃料盗難の抑止力とはならず、燃料盗難数を減らすことができない、という問題があった。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、燃料盗難の低減を図ることができる料盗難危険度の提供用のサーバ及び管理端末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した目的を達成するために、本発明に係る料盗難危険度の提供用のサーバは、下記を特徴としている。
車両の運行情報及び前記運行情報を収集したときの位置情報を取得する第1取得部と、
前記運行情報に基づいて前記車両の燃料盗難を検出する燃料盗難検出部と、
前記燃料盗難が検出された前記運行情報を収集したときの前記位置情報を盗難発生地点とし、前記盗難発生地点を含む盗難情報を格納する格納部と、
前記盗難情報に基づいて、前記盗難発生地点ごとの前記燃料盗難の発生件数または前記発生件数に応じた危険度を提供する提供部と、を備えた、
燃料盗難危険度の提供用のサーバであること。
【0007】
前述した目的を達成するために、本発明に係る管理端末は、下記を特徴としている。
上記燃料盗難危険度の提供用のサーバと通信を行う管理端末であって、
燃料盗難の危険度の表示を指示する指示信号を入力する入力部と、
前記入力部により前記指示信号が入力されると、その旨を前記サーバに送信する送信部と、
前記送信部の送信に応じて前記サーバから提供される燃料盗難発生地点ごとの盗難発生件数または前記発生件数に応じた危険度を表示する表示部と、を備えた、
管理端末であること。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、燃料盗難の低減を図ることができる料盗難危険度の提供用のサーバ及び管理端末を提供することができる。
【0009】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の燃料盗難危険度の提供用のサーバ及び管理端末を組み込んだ情報提供システムの一例を示す構成図である。
図2図2は、図1に示す運行記録装置、サーバ、管理端末の一例を示す構成図である。
図3図3は、図1に示す情報提供システムの動作を説明するためのフローチャートである。
図4図4は、図1に示すサーバが作成した盗難発生件数を示す地図データの一例を示す図である。
図5図5は、図1に示すサーバが作成した盗難発生件数を示す地図データの一例を示す図である。
図6図6は、図1に示すサーバが作成した盗難発生件数を示す地図データの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
【0012】
本実施形態の情報提供システム1は、車両10の運行を管理する運行管理者に対して燃料盗難の危険度が高い場所、時間帯、車種などの情報を提供するシステムである。運行管理者は、提供された情報を参考にして、車両10の運行計画を立てることができる。
【0013】
図1に示すように、情報提供システム1は、車両10に搭載された車載器としての運行記録装置2と、運行記録装置2と広域通信網11を介して通信可能なサーバ3と、サーバ3と広域通信網11を介して通信可能な管理端末4と、を備えている。
【0014】
本実施形態では、運行記録装置2は、車両10に搭載され、運行情報及び運行情報を収集したときの位置情報を定期的にサーバ3に送信する。運行記録装置2は、図2に示すように、広域通信部21と、一時記憶装置22と、メディアR/W23と、CPU(Central Processing Unit)24と、を有している。
【0015】
広域通信部21は、広域通信網11に接続するための回路やアンテナなどで構成されている。一時記憶装置22は、運行記録装置2が収集した運行情報及び位置情報を一時的に記憶する装置である。メディアR/W23は、SD(Secure Digital)カードなどの記憶メディアの読み取り、書き込みを行う装置である。
【0016】
CPU24は、プログラムに従って動作し、運行記録装置2全体の制御を司る。CPU24は、定期的に(例えば0.5sec間隔)運行情報(車速、エンジン回転数、アクセル開度、燃料残量)及び位置情報を収集し、収集した運行情報及び位置情報に運行記録装置2のID、時刻情報を付与してサーバ3に送信する。
【0017】
CPU24には、車速センサ101と、エンジン回転センサ102と、アクセル開度センサ103と、GPS(Global Positioning System)ユニット104と、燃料センサ105と、が接続されている。車速センサ101は、車速を測定して、CPU24に出力する。エンジン回転センサ102は、エンジン回転数を測定して、CPU24に出力する。アクセル開度センサ103は、アクセル開度を測定して、CPU24に出力する。
【0018】
GPSユニット104は、周知のように複数のGPS衛星から発振される電波を受信して、現在の位置情報を求め、位置情報及びそのときの時刻情報をCPU24に出力する。燃料センサ105は、燃料タンク内の燃料の液面高さを燃料残量として測定し、測定した燃料残量をCPU24に出力する。
【0019】
サーバ3は、車両10から送信された運行情報及び位置情報を受信して記録し、運行情報及び位置情報に基づいて燃料盗難の危険度の高い場所、時間帯、車種などを解析して、解析した情報を提供する。サーバ3は、図2に示すように、広域通信部31と、格納部としてのデータベース(DB)32と、CPU33と、を有している。
【0020】
広域通信部31は、広域通信網11に接続するための回路などで構成されている。DB32は、各車両10に搭載された運行記録装置2から送信される運行情報などが記録される。CPU33は、プログラムに従って動作し、サーバ3全体の制御を司る。
【0021】
管理端末4は、例えばPC(Personal Computer)やタブレットなどの端末から構成され、広域通信網11を介してサーバ3と通信する。管理端末4は、図2に示すように、広域通信部41と、入力部としての操作部42と、表示部43と、CPU44と、を有している。広域通信部41は、広域通信網11に接続するための回路などで構成されている。操作部42は、PCの場合、キーボードやマウスから構成され、タブレットの場合、タッチパネルなどで構成され、ユーザの操作により各種情報を入力する。
【0022】
表示部43は、液晶ディスプレイなどから構成され、CPU44の制御により各種情報が表示される。CPU44は、プログラムに従って動作し、管理端末4全体の制御を司る。管理端末4には、管理端末4用のプログラム(アプリケーション)がインストールされ、このプログラムに従って動作することにより、情報提供システム1を構成する管理端末4として機能する。
【0023】
次に、図3を参照して、上述した構成の情報提供システム1の動作について説明する。運行記録装置2のCPU24(以下、単に「運行記録装置2」と略記)は、例えば車両のイグニッションスイッチがオンすると、起動する。起動後、運行記録装置2は、例えば、0.5secごとに車速センサ101、エンジン回転センサ102、アクセル開度センサ103、燃料センサ105から出力される車速、エンジン回転数、アクセル開度、燃料残量を運行情報として取り込み、収集する(S11)。運行記録装置2は、同じタイミングで、GPSユニット104から出力される位置情報を取り込み、収集する(S11)。運行記録装置2は、運行情報、位置情報を収集するごとに運行記録装置2のID、現在時刻を付与してサーバ3に送信する。
【0024】
運行管理者が管理端末4を操作してアプリケーションを立ち上げると、管理端末4のCPU44(以下、単に「管理端末4」と略記)は、動作を開始する。運行管理者は、操作部42を操作して、管理する車両10の車両登録情報を入力する(S31)。車両登録情報は、車両10の車種情報と、その車両10に搭載された運行記録装置2のID,その車両10を運転する運転者情報と、を紐づけた情報である。車種情報としては、車両名、型式などの情報を含む。管理端末4は、車両登録情報が入力されると、入力された車両登録情報をサーバ3に送信する(S32)。
【0025】
サーバ3のCPU33(以下、単に「サーバ3」と略記)は、車両登録情報を受信すると、DB32に記憶させる(S21)。また、サーバ3は、第1取得部として機能し、運行情報、位置情報を受信すると、受信した運行情報、位置情報をDB32に記憶させる(S21)。以上の動作により、DB32には、複数の車両10の複数運行の運行情報、位置情報が記憶される。
【0026】
次に、サーバ3は、燃料盗難検出部として機能し、収集した運行情報に含まれる燃料残量に基づいて燃料盗難を検出する(S22)。燃料盗難の検出は、例えば、特許文献1,2などに記載されたように燃料残量の量的変化が異常である場合に燃料盗難を検出することが考えられる。
【0027】
次に、サーバ3は、S22で燃料盗難を検出すると、盗難情報をDB32に格納する(S23)。本実施形態では、盗難情報には、盗難発生地点、盗難発生日時、燃料盗難された車両10の車種が含まれる。サーバ3は、燃料盗難が検出された燃料残量を収集したときの位置情報、現在時刻、言い換えると、量的変化が異常となる燃料残量が収集されたときの位置情報、現在時刻を盗難発生地点、盗難発生時刻としてDB32に格納する。
【0028】
また、サーバ3は、燃料盗難が検出された燃料残量に付与された運行記録装置2のIDを含む車両登録情報をDB32から抽出し、その車両登録情報に含められた車種を燃料盗難された車両10の車種としてDB32に格納する。
【0029】
次に、サーバ3は、DB32に格納された盗難情報に基づいて燃料盗難の危険度の高い危険地域、危険時間帯、危険車種を算出する(S24)。S24において、サーバ3は、DB32に記憶された盗難情報に基づいて、盗難発生件数の多い地域、時間帯、車種を求め、危険地域、危険時間帯、危険車種とする。
【0030】
次に、サーバ3は、車両10からリアルタイムに受信している速度または位置情報に基づいて、現在運行中の車両10それぞれについて停車しているか否かを判定する(S25)。サーバ3は、判定部として機能し、停車していると判定した車両10について燃料盗難の危険度が高いか否かを判定する(S26)。S26において、サーバ3は、停車していると判定した車両10がS24で算出した危険車種に該当し、さらに危険時間帯に危険地域で停車している場合、盗難の危険度が高いと判定する。
【0031】
次に、サーバ3は、報知部として機能し、S26で危険度が高いと判定された車両10に搭載されている運行記録装置2に対してその旨を報知する報知信号を送信する(S27)。運行記録装置2は、報知信号を受信すると、燃料盗難の危険度が高いことを報知する(S13)。この報知によって、車両10の運転者は、燃料盗難の危険度の高い現在位置から移動して、別の場所で停車することができ、燃料盗難を未然に防ぐことができる。
【0032】
また、運行管理者が管理端末4の操作部42を操作して、燃料盗難の危険度の表示を指示する指示信号を入力すると(S33)、管理端末4は検索条件の入力画面を表示させる(S34)。運転管理者は、入力画面の表示に従って管理端末4の操作部42を操作して検索条件を入力することができる。本実施形態では、検索条件としては、盗難発生時間帯と車種を入力することができる。
【0033】
運行管理者が検索条件を入力すると(S35)、管理端末4は、検索条件をサーバ3に送信する(S36)。サーバ3は、第2取得部として機能し、検索条件を受信すると、盗難発生地点毎の検索条件に対応する燃料盗難の発生件数を示す地図データを作成し(S28)、提供部として機能し、作成した地図データを管理端末4に送信する(S29)。管理端末4は、サーバ3から受信した地図データを表示部43に表示する(S37)。
【0034】
本実施形態では、検索条件は、盗難発生時間帯及び車種である。このため、サーバ3は、図4図6に示すように入力された盗難発生時間帯に発生した、入力した車種の燃料盗難の発生件数を地図上に示した地図データを作成する。
【0035】
図4は、盗難発生時間帯として6:00~14:00、車種として車種Aが検索条件として入力された場合にサーバ3が作成した地図データである。図5は、盗難発生時間帯として23:00~4:00、車種として車種Aが検索条件として入力された場合にサーバ3が作成した地図データである。図6は、盗難発生時間帯として23:00~4:00、車種として車種Aが検索条件として入力された場合にサーバ3が作成した地図データである。
【0036】
運行管理者は、これら地図データを参照して燃料盗難の発生件数が高い場所を避けた運行ルート(運行計画)を作成することができる。また、図4及び図5に示す地図データから、運行管理者は、深夜の時間帯(23:00~4:00)では燃料盗難が発生しやすいことが分かるため、昼の時間帯(6:00~14:00)で車両10を運行するような運行計画を立てることができる。
【0037】
また、図5及び図6に示す地図データから、運行管理者は、同じ深夜の時間帯でも、車種Bの方が車種Aに比べて燃料盗難に合いにくいことが分かるため、深夜の時間帯は車種Bで運行する運行計画を立てることができる。
【0038】
上述した実施形態によれば、サーバ3が、管理端末4に対して盗難発生地点ごとの燃料盗難の発生件数を提供する。これにより、運行管理者は、燃料盗難の発生件数が高い地点を避けた運行ルート(運行計画)を作成でき、燃料盗難の低減を図ることができる。
【0039】
上述した実施形態によれば、サーバ3が、管理端末4に対して検索条件に応じた燃料盗難の発生件数を提供する。これにより、運行管理者が、運行計画を立てたい条件での燃料盗難の発生件数または危険度を知ることができるため、より一層、燃料盗難が発生しないような運行計画を立てやすくなる。
【0040】
上述した実施形態によれば、検索条件には、盗難発生時間帯が含まれる。これにより、運行管理者は、時間帯による燃料盗難の発生件数又は危険度を知ることができるため、より一層、燃料盗難が発生しないような運行計画を立てやすくなる。
【0041】
上述した実施形態によれば、サーバ3は、燃料残量に基づいて燃料盗難を検出する。これにより、精度よく、燃料盗難を検出することができる。
【0042】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0043】
上述した実施形態では、管理端末4の表示部43には、盗難発生地点ごとの燃料盗難の発生件数を表示していたが、これに限ったものではない。例えば、燃料盗難の発生件数が多い盗難発生地点を黄色、発生件数が非常に多い燃料発生地点を赤色で表示するなどして、発生件数に応じた危険度を表示するようにしてもよい。
【0044】
上述した実施形態では、管理端末4は、検索条件として、盗難発生時間帯と車種との両方を入力できるようにしていたが、これに限ったものではない。盗難発生時間帯及び車種の何れか一方のみを検索条件として入力できるようにしてもよい。また、盗難発生日時、盗難発生曜日などを検索条件として入力できるようにしてもよい。
【0045】
上述した実施形態では、サーバ3は、停車中の車両10の運転者に対して燃料盗難の危険度が高い旨を報知していたが、これに限ったものではない。サーバ3は、停車中に限らず運行中の車両10について燃料盗難の危険度を判定し、運転者にその旨を報知してもよい。これにより、危険地域、危険時間帯、危険車種で走行している運転者に対して、危険地域外で車両10を停車させて休憩を取るように促すことができる。
【0046】
上述した実施形態では、サーバ3は、管理端末4に対する燃料盗難の発生件数を示す地図データの提供と、車両10の運転者に対して燃料盗難の危険度が高いことを報知と、の双方を行っていたが、これに限ったものではない。サーバ3は、管理端末4に対する燃料盗難の発生件数を示す地図データの提供のみを行い、運転者に対する報知は行わなくてもよい。
【0047】
上述した実施形態では、サーバ3は、燃料残量により燃料盗難を検出していたが、これに限ったものではない。例えば、車両10に振動センサやカメラなどが設置されていた場合、サーバ3は、停車中の振動センサの検出結果、カメラの撮影画像などから燃料盗難を検出するようにしてもよい。
【0048】
上述した実施形態では、サーバ3は、S27の報知信号を運行記録装置2に送信していたが、これに限ったものではない。サーバ3は、運転者が携帯する端末に報知信号を送信するようにしてもよい。
【0049】
上述した実施形態によれば、運行記録装置2が収集した運行情報、位置情報は、広域通信網11を通じてサーバ3に送信されていたが、これに限ったものではない。運行記録装置2は、運行情報、位置情報をメディアR/W24内に装着されたSDカードなどのメディアに記録し、管理端末4にSDカードを装着して、管理端末4からサーバ3に送信するようにしてもよい。これにより、広域通信部21を有しない運行記録装置2であっても運行情報,位置情報をサーバ3に送ることができる。
【0050】
ここで、上述した本発明に係る燃料盗難危険度の提供用のサーバ及び管理端末の実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]~[7]に簡潔に纏めて列記する。
[1]
車両の運行情報及び前記運行情報を収集したときの位置情報を取得する第1取得部(33)と、
前記運行情報に基づいて前記車両(10)の燃料盗難を検出する燃料盗難検出部(33)と、
前記燃料盗難が検出された前記運行情報を収集したときの前記位置情報を盗難発生地点とし、前記盗難発生地点を含む盗難情報を格納する格納部(32)と、
前記盗難情報に基づいて、前記盗難発生地点ごとの前記燃料盗難の発生件数または前記発生件数に応じた危険度を提供する提供部(33)と、を備えた、
燃料盗難危険度の提供用のサーバ(3)。
【0051】
上記[1]の構成によれば、提供部(33)が、盗難発生地点ごとの燃料盗難の発生件数または発生件数に応じた危険度を提供する。これにより、運行管理者は、燃料盗難の発生件数又は危険度の高い地点を避けた運行ルート(運行計画)を作成でき、燃料盗難の低減を図ることができる。
【0052】
[2]
[1]に記載の燃料盗難危険度の提供用のサーバ(3)において、
検索条件を取得する第2取得部(33)を備え、
前記提供部(33)は、前記盗難情報に基づいて、前記盗難発生地点ごとの前記検索条件に対応する前記燃料盗難の前記発生件数または前記発生件数に応じた危険度を提供する、
燃料盗難危険度の提供用のサーバ(3)。
【0053】
上記[2]の構成によれば、提供部(33)が、検索条件に応じた燃料盗難の発生件数または発生件数に応じた危険度を提供する。これにより、運行管理者が、運行計画を立てたい条件での燃料盗難の発生件数または危険度を知ることができるため、より一層、燃料盗難が発生しないような運行計画を立てやすくなる。
【0054】
[3]
[2]に記載の燃料盗難危険度の提供用のサーバ(3)において、
前記第1取得部(33)は、前記運行情報を収集したときの時間情報を取得し、
前記格納部(32)は、前記燃料盗難が検出された前記運行情報を収集したときの前記時間情報を盗難発生時間とし、前記盗難発生時間を含む前記盗難情報を格納し、
前記検索条件には、盗難発生時間帯が含まれる、
燃料盗難危険度の提供用のサーバ(3)。
【0055】
上記[3]の構成によれば、検索条件には、盗難発生時間帯が含まれる。これにより、運行管理者は、時間帯による燃料盗難の発生件数又は危険度を知ることができるため、より一層、燃料盗難が発生しないような運行計画を立てやすくなる。
【0056】
[4]
[2]に記載の燃料盗難危険度の提供用のサーバ(3)において、
前記第1取得部(33)は、前記運行情報を収集した前記車両の車種情報を取得し、
前記格納部(32)は、前記燃料盗難が検出された前記運行情報を収集した前記車両の前記車種情報を含む前記盗難情報を格納し、
前記検索条件には、車種が含まれる、
燃料盗難危険度の提供用のサーバ(3)。
【0057】
上記[4]の構成によれば、検索条件には、車種が含まれる。これにより、運行管理者は、車種による燃料盗難の発生件数又は危険度を知ることができるため、より一層、燃料盗難が発生しないような運行計画を立てやすくなる。
【0058】
[5]
[1]に記載の燃料盗難危険度の提供用のサーバ(3)において、
前記運行情報は、燃料残量を含み、
前記燃料盗難検出部(33)は、前記燃料残量に基づいて前記燃料盗難を検出する、
燃料盗難危険度の提供用のサーバ(3)。
【0059】
上記[5]の構成によれば、燃料盗難検出部(33)は、燃料残量に基づいて燃料盗難を検出する。これにより、精度よく、燃料盗難を検出することができる。
【0060】
[6]
[1]に記載の燃料盗難危険度の提供用のサーバ(3)において、
前記格納部(32)に格納された前記盗難情報に基づいて、運行中の前記車両(10)の前記燃料盗難の危険度が高いか否かを判定する判定部(33)と、
前記判定部(33)により前記燃料盗難の危険度が高いと判定された場合、前記車両(10)の運転者にその旨を報知する報知部(33)とを備えた
燃料盗難危険度の提供用のサーバ(3)。
【0061】
上記[6]の構成によれば、報知部(33)が、判定部(33)により燃料盗難の危険度が高いと判定された場合、車両(10)の運転者にその旨を報知する。これにより、車両(10)の運転者は、燃料盗難の危険度の高い現在位置から移動して、別の場所で停車することができ、燃料盗難を未然に防いで、燃料盗難を低減できる。
【0062】
[7]
[1]に記載の燃料盗難危険度の提供用のサーバ(3)と通信を行う管理端末(4)であって、
燃料盗難の危険度の表示を指示する指示信号を入力する入力部(42)と、
前記入力部(42)により前記指示信号が入力されると、その旨を前記サーバ(3)に送信する送信部(44)と、
前記送信部(44)の送信に応じて前記サーバ(3)から提供される燃料盗難発生地点ごとの盗難発生件数または前記発生件数に応じた危険度を表示する表示部(43)と、を備えた、
管理端末(4)。
【0063】
上記[7]の構成によれば、表示部(43)に燃料盗難発生地点ごとの盗難発生件数または発生件数に応じた危険度が表示される。これにより、運行管理者が、運行計画を立てたい条件での燃料盗難の発生件数または危険度を知ることができるため、より一層、燃料盗難が発生しないような運行計画を立てやすくなる。
【符号の説明】
【0064】
3 サーバ(燃料盗難危険度の提供用のサーバ)
4 管理端末
10 車両
32 DB(格納部)
33 CPU(第1取得部、燃料盗難検出部、提供部、第2取得部、判定部、報知部)
42 操作部(入力部)
43 表示部
44 CPU(送信部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6