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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095211
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】リフィル及び入力タッチペン
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/03 20060101AFI20240703BHJP
   G06F 3/046 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
G06F3/03 400D
G06F3/046 B
G06F3/03 400F
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022212327
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005957
【氏名又は名称】三菱鉛筆株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】阪上 正史
(57)【要約】
【課題】電磁誘導回路の接続を切り替えることなく、電磁誘導回路が反射する電磁エネルギーの周波数を容易に変化させることができるリフィルを提供する。
【解決手段】リフィルは、入力タッチペンに着脱可能に装着されるリフィルであって、少なくともコイルとコンデンサとを備え、かつ電磁誘導方式の位置検出装置により送信された電磁エネルギーを反射する電磁誘導回路が設けられた軸状部材と、軸状部材の外周側に電磁誘導回路と離隔した状態で配置され、コイルの軸方向に沿って移動可能に設けられ、電磁エネルギーの周波数を変化させるとともに電磁エネルギーが電磁誘導回路に与える影響を減じる電磁波シールド材料で構成された周波数調整部材と、を有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力タッチペンに着脱可能に装着されるリフィルであって、
少なくともコイルとコンデンサとを備え、かつ電磁誘導方式の位置検出装置により送信された電磁エネルギーを反射する電磁誘導回路が設けられた軸状部材と、
前記軸状部材の外周側に前記電磁誘導回路と離隔した状態で配置され、前記コイルの軸方向に沿って移動可能に設けられ、前記電磁エネルギーの周波数を変化させるとともに前記電磁エネルギーが前記電磁誘導回路に与える影響を減じる電磁波シールド材料で構成された周波数調整部材と、
を有するリフィル。
【請求項2】
前記軸状部材の軸方向の一端側に前記コイルが配置されており、
前記周波数調整部材は、前記コイルの径よりも径が大きい円筒状であり、前記軸状部材の外周側で軸方向に移動可能に配置される筒体に設けられており、
前記筒体を前記軸状部材に対して軸方向に移動させることにより、前記周波数調整部材を前記コイルから離れる前記軸状部材の軸方向の他端側の第1位置と前記コイルに近づく前記軸状部材の軸方向の一端側の第2位置とに移動させる移動機構を備える請求項1に記載のリフィル。
【請求項3】
前記移動機構は、
前記軸状部材の軸方向の他端側の端部に配置されるとともに前記周波数調整部材を前記第1位置に移動させるように前記筒体を付勢する付勢部材と、
前記筒体を前記軸状部材の側に押し、前記付勢部材を収縮させて前記周波数調整部材を前記第2位置に移動させる押付部と、
を有する請求項2に記載のリフィル。
【請求項4】
前記軸状部材は、軸方向の一端側にペン先が支持される先端部を備え、
前記先端部から前記コイルの軸方向における前記先端部側の第1端部までの距離をAとし、前記コイルの軸方向の長さをBとしたとき、
前記周波数調整部材が前記第2位置に移動したときの前記周波数調整部材の軸方向における前記先端部側の端面は、前記先端部からA/2の位置と、前記コイルの軸方向における前記第1端部と反対側の第2端部からB/2の位置との間に配置されている請求項2に記載のリフィル。
【請求項5】
前記電磁波シールド材料は、鉄、フェライト、銀、銅、金、アルミニウム、又はニッケルのいずれか1つ以上を含む金属材料である請求項1に記載のリフィル。
【請求項6】
前記軸状部材の軸方向の一端側には、半径方向外側に突出し、前記軸状部材の外周側に配置される軸筒又は先端部材が接触する突出部が設けられている請求項2に記載のリフィル。
【請求項7】
前記軸状部材の軸方向の一端側には、ペン先を支持する先端部材が一体的に設けられている請求項2に記載のリフィル。
【請求項8】
前記押付部で前記筒体を前記軸状部材の側に押し、前記付勢部材を収縮させて前記周波数調整部材を前記第2位置に移動させた状態で、前記押付部の位置が保持される構成とされている請求項3に記載のリフィル。
【請求項9】
請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載のリフィルと、
前記軸状部材及び前記周波数調整部材を収容するための軸筒と、
を有する入力タッチペン。
【請求項10】
請求項3又は請求項8に記載のリフィルと、
前記軸状部材及び前記周波数調整部材を収容するための軸筒と、
前記押付部で前記筒体を前記軸状部材の側に押し、前記付勢部材を収縮させて前記周波数調整部材を前記第2位置に移動させた状態で、前記押付部を係止する係止機構と、
を有する入力タッチペン。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リフィル及び入力タッチペンに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画面上への物理的な接触により入力を行う電磁誘導式の入力タッチペンが提案されている。電磁誘導式の入力タッチペンは、位置検出装置が設けられたディスプレイに接触し、位置検出装置から発せられる電磁エネルギーを反射することで入力タッチペンの位置を知らせるものである。また、電磁誘導式の入力タッチペンには、ディスプレイの位置検出装置が発生する特定の周波数の電磁波に対して共振する共振回路が設けられており、共振回路による共振周波数を変えることで、ディスプレイ上で発現する機能が分けられている。例えば、特許文献1、2に示されるように、上記の機能は、電磁誘導式入力ペンの共振回路にコンデンサまたはインダクタを挿入して共振周波数を変えることで実現している。
【0003】
より具体的に説明すると、特許文献1に記載の電子ペンでは、コイル、コンデンサ及び可変コンデンサで定常的に構成される第1の同調回路からなる第1状態と、操作者によるスイッチの操作によって第1の同調回路に他のコンデンサが接続されて構成される第2の同調回路からなる第2の状態とを選択可能としている。
【0004】
特許文献2に記載の電子ペンでは、電子ペン本体部と、電子ペン本体部が収納される第1筐体とを備え、第1筐体には、サイドスイッチの操作子が設けられている。電子ペン本体部には、操作子によって操作可能なように接点又はスイッチ部品の操作受け部が露呈している。
【0005】
また、入力ペンの共振回路に、直接コンデンサやインダクタを挿入せずに共振周波数を変化させる方式として、特許文献3には、発振周波数調整部材を入力ペンのペン先出没機構を用いて移動させる構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7-44301号公報
【特許文献2】WO 2017/043214 A1
【特許文献3】特開2019-207673号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の電子ペンでは、操作者によるスイッチの操作によって同調回路を切り替えるため、接続構造が複雑となる。また、特許文献2に記載の電子ペンでは、サイドスイッチの操作子と電子ペン本体部の接点等を接触させるため、サイドスイッチの操作子を精度よく接触させる必要があるとともに構造が複雑となる。
【0008】
特許文献3に記載の入力ペンでは、発振周波数調整部材は筒状のフェライトにコイルを配設した構造であり、コイルからのもれ磁束を減じることで、コイルの見かけの透磁率を上昇させて、インダクタンスの値を増加させている。
【0009】
本発明は、電磁誘導回路の接続を切り替えることなく、電磁誘導回路が反射する電磁エネルギーの周波数を容易に変化させることができるリフィル及び入力タッチペンを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)第1の態様
上記の課題に鑑み、本発明の第1の態様におけるリフィルは、入力タッチペンに着脱可能に装着されるリフィルであって、少なくともコイルとコンデンサとを備え、かつ電磁誘導方式の位置検出装置により送信された電磁エネルギーを反射する電磁誘導回路が設けられた軸状部材と、前記軸状部材の外周側に前記電磁誘導回路と離隔した状態で配置され、前記コイルの軸方向に沿って移動可能に設けられ、前記電磁エネルギーの周波数を変化させるとともに前記電磁エネルギーが前記電磁誘導回路に与える影響を減じる電磁波シールド材料で構成された周波数調整部材と、を有する。
【0011】
(2)第2の態様
本発明の第2の態様におけるリフィルは、第1の態様に記載のリフィルにおいて、前記軸状部材の軸方向の一端側に前記コイルが配置されており、前記周波数調整部材は、前記コイルの径よりも径が大きい円筒状であり、前記軸状部材の外周側で軸方向に移動可能に配置される筒体に設けられており、前記筒体を前記軸状部材に対して軸方向に移動させることにより、前記周波数調整部材を前記コイルから離れる前記軸状部材の軸方向の他端側の第1位置と前記コイルに近づく前記軸状部材の軸方向の一端側の第2位置とに移動させる移動機構を備える。
【0012】
(3)第3の態様
本発明の第3の態様におけるリフィルは、第2の態様に記載のリフィルにおいて、前記移動機構は、前記軸状部材の軸方向の他端側の端部に配置されるとともに前記周波数調整部材を前記第1位置に移動させるように前記筒体を付勢する付勢部材と、前記筒体を前記軸状部材の側に押し、前記付勢部材を収縮させて前記周波数調整部材を前記第2位置に移動させる押付部と、を有する。
【0013】
(4)第4の態様
本発明の第4の態様におけるリフィルは、第2の態様に記載のリフィルにおいて、前記軸状部材は、軸方向の一端側にペン先が支持される先端部を備え、前記先端部から前記コイルの軸方向における前記先端部側の第1端部までの距離をAとし、前記コイルの軸方向の長さをBとしたとき、前記周波数調整部材が前記第2位置に移動したときの前記周波数調整部材の軸方向における前記先端部側の端面は、前記先端部からA/2の位置と、前記コイルの軸方向における前記第1端部と反対側の第2端部からB/2の位置との間に配置されている。
【0014】
(5)第5の態様
本発明の第5の態様におけるリフィルは、第1の態様に記載のリフィルにおいて、前記電磁波シールド材料は、鉄、フェライト、銀、銅、金、アルミニウム、又はニッケルのいずれか1つ以上を含む金属材料である。
【0015】
(6)第6の態様
本発明の第6の態様におけるリフィルは、第2の態様に記載のリフィルにおいて、前記軸状部材の軸方向の一端側には、半径方向外側に突出し、前記軸状部材の外周側に配置される軸筒又は先端部材が接触する突出部が設けられている。
【0016】
(7)第7の態様
本発明の第7の態様におけるリフィルは、第2の態様に記載のリフィルにおいて、前記軸状部材の軸方向の一端側には、ペン先を支持する先端部材が一体的に設けられている。
【0017】
(8)第8の態様
本発明の第8の態様におけるリフィルは、第3の態様に記載のリフィルにおいて、前記押付部で前記筒体を前記軸状部材の側に押し、前記付勢部材を収縮させて前記周波数調整部材を前記第2位置に移動させた状態で、前記押付部の位置が保持される構成とされている。
【0018】
(9)第9の態様
本発明の第9の態様における入力タッチペンは、第1の態様から第8の態様までのいずれか1つに記載のリフィルと、前記軸状部材及び前記周波数調整部材を収容するための軸筒と、を有する。
【0019】
(10)第10の態様
本発明の第10の態様における入力タッチペンは、第3の態様又は第8の態様に記載のリフィルと、前記軸状部材及び前記周波数調整部材を収容するための軸筒と、前記押付部で前記筒体を前記軸状部材の側に押し、前記付勢部材を収縮させて前記周波数調整部材を前記第2位置に移動させた状態で、前記押付部を係止する係止機構と、を有する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、電磁誘導回路の接続を切り替えることなく、電磁誘導回路が反射する電磁エネルギーの周波数を容易に変化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】第1の実施形態に係る入力タッチペンの離間状態における正面図(A)、側面図(B)及び側面断面図(C)である。
図2】第1の実施形態に係る入力タッチペンの近接状態における正面図(A)、側面図(B)及び側面断面図(C)である。
図3図1(C)の拡大図(A)及び図2(C)の拡大図(B)である。
図4】第1の実施形態に係るリフィルの離間状態における正面図(A)及び断面図(B)である。
図5】第1の実施形態に係るリフィルの近接状態における正面図(A)及び断面図(B)である。
図6図4(B)の拡大図(A)及び図5(B)の拡大図(B)である。
図7】第1の実施形態に係る入力タッチペンにおいて、リフィル、軸筒及びノック部材を分解した状態で示す分解斜視図である。
図8】第1の実施形態に係る入力タッチペンにおいて、リフィル、軸筒及びノック部材を分解して状態で示す側面図(A)及び側面断面図(B)である。
図9】第1の実施形態に係るリフィルにおける軸状部材の断面図(A)及び移動装置の断面図(B)である。
図10】第1の実施形態に係るリフィルにおいて、周波数調整部材のコイル側の端面の位置の第1例を示す構成図(A)、第2例を示す構成図(B)及び第3例を示す構成図(C)である。
図11】第2の実施形態に係るリフィルの正面図(A)及び断面図(B)である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本実施の形態を図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明における「先端側」とは、入力タッチペン5の軸方向のうち、後述する先軸12に向かう一方側をいい、「後端側」とは、後述する後軸14に向かう他方側をいう。
【0023】
<第1の実施形態>
(1)入力タッチペン5の外観
第1の実施形態に係る入力タッチペン5は、図1(A)、(B)及び図2(A)、(B)に示すような外観を呈する。図1(A)、(B)は、後述する周波数調整部材23が後述するコイル46に対して離間した離間状態を示す入力タッチペン5の正面図及び側面図である。図2(A)、(B)は、後述する周波数調整部材23が後述するコイル46に対して接近した接近状態を示す入力タッチペン5の正面図及び側面図である。
【0024】
図1(A)、(B)及び図2(A)、(B)に示されるように、入力タッチペン5は、その外部構造として、その先端と後端とにそれぞれ開口部を有する軸筒10と、軸筒10の先端側に配置される後述する先端部材40を備えたリフィル7と、を備えている。
【0025】
軸筒10は、軸方向の先端側を構成する先軸12を、軸方向の後端側を構成する後軸14の先端から圧入し、後軸14よりも後端側に位置する後端軸16を、後軸14の後端から圧入することにより構成される。そして、先軸12の先端には、リフィル7の先端部材40が取り付けられている。後端軸16の後端には、後端の開口部として後述するノック機構30の操作部32が露出する後端開口15が形成されている。後端軸16には、クリップ80が一体的に設けられている。クリップ80は、後端軸16から後軸14に沿って後軸14の先端側に向けて延在されている。
【0026】
(2)入力タッチペン5の内部の全体構成
図1(C)は、離間状態を示す入力タッチペン5の側面断面図であり、図2(C)は、接近状態を示す入力タッチペン5の側面断面図である。
【0027】
図1(C)及び図2(C)に示されるように、軸筒10の内部には、リフィル7の軸方向における先端部材40に繋がる部分と、リフィル7の後述する押付部62を軸方向に移動させるノック機構30とが収容されている。ノック機構30は、係止機構の一例である。ただし、上記のようにリフィル7の構成部材のうち、先端部材40は軸筒10の内部に収容されずに軸筒10から露出しており、ノック機構30の構成部材のうち、少なくとも後述する操作部32は軸筒10の内部に収容されずに後端開口15から露出している。軸筒10を構成する先軸12の先端には、先端の開口部としての先端開口13(図1(C)参照)が形成されており、先端部材40は、先端開口13を覆うように先軸12に取り付けられている。リフィル7は、入力タッチペン5に着脱可能に装着されている。
【0028】
(3)リフィル7の構成
リフィル7は、図4(A)及び図5(A)に示すような外観を呈する。図4(A)は、周波数調整部材23がコイル46に対して離間した離間状態を示すリフィル7の正面図であり、図5(A)は、周波数調整部材23がコイル46に対して接近した接近状態を示すリフィル7の正面図である。図4(B)は、離間状態を示すリフィル7の断面図であり、図5(B)は、接近状態を示すリフィル7の断面図である。
【0029】
図4(A)、(B)及び図5(A)、(B)に示されるように、リフィル7は、コイル46とコンデンサ48とを有する発振回路50が設けられた軸状部材52と、軸状部材52の外周側にコイル46の軸方向に沿って移動可能に設けられた周波数調整部材23と、周波数調整部材23が装着された筒体20と、を備えている(図7図8(A)、(B)、及び図9(A)、(B)参照)。さらに、リフィル7は、筒体20を軸状部材52に対して軸方向に移動させる移動装置60と、を備えている。発振回路50は、電磁誘導回路の一例である。また、筒体20は、筒状部の一例であり、移動装置60は、移動機構の一例である。
【0030】
軸状部材52は、リフィル7の軸方向の先端側に配置されている。リフィル7は、軸状部材52に発振回路50が設けられていることにより、電磁誘導方式の位置検出装置により送信された電磁エネルギーを反射もしくは吸収する電磁波シールドとして機能する(図4(B)及び図5(B)参照)。軸状部材52は、軸方向の先端側にコイル46が配置されている。このコイル46は、電磁誘導コイルである。軸状部材52の軸方向の先端側は、軸方向の一端側の一例である。一例として、軸状部材52の主要部である発振回路50、コイル46等以外の棒状の部分は、合成樹脂製である。
【0031】
軸状部材52は、軸方向の先端側に先端部材40が一体的に設けられている。先端部材40は、軸状部材52の軸方向の先端部に繋がり、軸状部材52の先端部から半径方向外側に突出している。先端部材40は、軸状部材52の先端部と繋がった部分から軸状部材52と間隔をおいて軸状部材52の軸方向の後端側に延びている。軸状部材52と先端部材40との間には、軸筒10の先端部が挿入される構成である。先端部材40は、軸筒10が接触する突出部の一例である。先端部材40は、先端側に向かうに従って外径が段階的に縮小された形状とされている。先端部材40は、合成樹脂製であり、軸筒10の先端に装着されて先端からペン先45が突出する部材である。より具体的に説明すると、先端部材40の先端縁部には、先端開口40Aが形成されており、先端開口40Aにはペン先45が挿通されている。言い換えると、軸状部材52の先端部材40には、ペン先45が支持されている。
【0032】
先端部材40の後端部の内周側には、雌ねじ部41が設けられている。軸筒10の先端部には、雄ねじ部14Aが設けられている(図1(C)参照)。第1実施形態では、後軸14が先軸12を貫通しており、後軸14の先端部に雄ねじ部14Aが形成されている。先端部材40の雌ねじ部41が軸筒10の雄ねじ部14Aに螺合されることで、リフィル7の先端部材40が軸筒10に着脱可能に取り付けられている。
【0033】
図3(A)は、離間状態を示す入力タッチペン5の拡大断面図(図1(C)の拡大図)であり、図3(B)は、接近状態を示す入力タッチペン5の拡大断面図(図2(C)の拡大図)である。また、図6(A)は、離間状態を示すリフィル7の拡大断面図(図4(B)の拡大図)であり、図6(B)は、接近状態を示すリフィル7の拡大断面図(図5(B)の拡大図)である。図3(A)、(B)及び図6(A)、(B)に示されるように、軸状部材52の先端側には、先端部材40の先端開口40Aに繋がるとともに軸方向に窪んだ凹状部53が形成されている。凹状部53の内径は、先端開口40Aの内径よりも大きい。
【0034】
凹状部53には、管状のフェライトコア42と、フェライトコア42及びペン芯43を支持する支持部44とが配置されている。支持部44は、例えば、合成樹脂製である。支持部44の後端側の面は、凹状部53の奥壁に取り付けられている。支持部44には、フェライトコア42の軸方向の奥側の外周面の一部及び端面が接触している。これにより、軸状部材52の凹状部53の内部にフェライトコア42が収容されている。
【0035】
フェライトコア42の外周面には、コイル46が巻かれている。フェライトコア42を貫くようにペン芯43が設けられている。ペン芯43はペン先45に繋がっている。ペン芯43の軸方向の奥側端部(ペン先45と反対側の端部)は、軸状部材52における凹状部53の奥壁から延びた凹部に挿入されている。これにより、軸状部材52の先端側には、フェライトコア42を貫通した状態でペン芯43が保持されている。
【0036】
軸状部材52には、コイル46よりも後端側に、コイル46と電気的に接続されたコンデンサ48が設けられている(図4(B)及び図5(B)参照)。また、図示を省略するが、軸状部材52には、コイル46よりも後端側に、コイル46と電気的に接続された感圧センサが設けられている。感圧センサは、筆圧に応じて静電容量が増加する可変のコンデンサで、コンデンサ48とコイル46とともに発振回路50を構成する。
【0037】
図4(B)及び図5(B)等に示されるように、筒体20は、軸状部材52の外周側で軸方向に移動可能に配置されている。筒体20は、全体として筒状であり、その内部は先端から後端まで貫通している。筒体20は、軸方向の後端側の内径が軸方向の前端側の内径よりも大きく、軸方向の後端側と軸方向の前端側とを繋ぐ位置には、段差部21が形成されている。筒体20の内径は、軸状部材52の外径よりも大きい。一例として、筒体20は、軸状部材52の外周面に沿って摺動可能とされている。筒体20は、例えば、合成樹脂製である。
【0038】
筒体20の先端側の外周には、軸状部材52が反射する電磁エネルギーの周波数を変化させる周波数調整部材23、具体的には、軸状部材52の発振回路50と電磁結合する周波数調整部材23が装着されている(図6(A)、(B)参照)。
【0039】
周波数調整部材23は、コイル46の径よりも径が大きい円筒状である(図6(A)、(B)参照)。周波数調整部材23は、軸状部材52の外周側に発振回路50と離隔した状態で配置されている。一例として、周波数調整部材23は、筒体20の外周面に形成された窪み部に取付けられている。
【0040】
周波数調整部材23は、電磁エネルギーが発振回路50に与える影響を減じる電磁波シールド材料で構成されている。
【0041】
電磁波シールド材料は、例えば、国際標準軟銅の導電率(5.8×10[S/m])を1としたときの比導電率をa、真空の透磁率(4π×10-7[H/m])を1としたときの比透磁率をbとしたときに、以下の(1)式と(2)式のいずれか一方又は両方を満たす材料であることが好ましい。
・(1)式 a×b>10
・(2)式 a/b>0.1
【0042】
ここで、国際標準軟銅は、IACS(International Annealed Copper Standard)、すなわち国際的に採用された焼鈍標準軟銅であり、電気抵抗(電気伝導度)の基準となる。
【0043】
表1は、金属の電磁波シールド材料としての適正表である。表1は、東京都立工業技術センターの「電磁波妨害に対する規制とシールド技術」より引用したものである。
【表1】

【0044】
表1に示されるように、例えば、鉄は、a/bが0.0017で、a×bが17であり、(1)式を満たす。例えば、アルミニウムは、a/bが0.63で、a×bが0.63であり、(2)式を満たす。例えば、銀は、a/bが1.06で、a×bが1.06であり、(2)式を満たす。
【0045】
電磁波シールド材料は、例えば、鉄、フェライト、銀、銅、金、アルミニウム、又はニッケルのいずれか1つ以上を含む金属材料であることが好ましい。
【0046】
図4(B)及び図5(B)に示されるように、移動装置60は、軸状部材52に対して後端側に配置された押付部62と、軸状部材52と押付部62との間に介在されたコイルスプリング70と、を備えている。コイルスプリング70は、金属製であり、付勢部材の一例である。一例として、押付部62は、軸方向の先端側が塞がれた円筒状の部材で構成されている。押付部62の軸方向の先端側(軸状部材52の側)には、外径が小さい小径部62Aが設けられており、小径部62Aの外周面に筒体20の軸方向の後端部20Bが取付けられている。
【0047】
コイルスプリング70は、軸状部材52の軸方向の後端側の端部である後端部52Bに配置されている。軸状部材52の軸方向の後端側は、軸状部材52の軸方向の他端側の一例である。コイルスプリング70の一端は、軸状部材52の後端部52Bに係止されており、コイルスプリング70の他端は、押付部62の小径部62Aから軸方向に突出する突起に係止されている。
【0048】
移動装置60は、筒体20を軸状部材52に対して軸方向に移動させる。これにより、移動装置60は、周波数調整部材23をコイル46から離れる軸状部材52の軸方向の後端側の第1位置P1(図4(B)及び図6(A)参照)と、コイル46に近づく軸状部材52の軸方向の先端側の第2位置P2(図5(B)及び図6(B)参照)とに移動させる。
【0049】
コイルスプリング70は、周波数調整部材23を第1位置P1に移動させるように筒体20及び押付部62を付勢する。押付部62は、コイルスプリング70の力に抗して筒体20を軸状部材52の側に押し、コイルスプリング70を収縮させて周波数調整部材23を第2位置P2に移動させる。
【0050】
ここで、図10を用いて、周波数調整部材23を第2位置P2に移動させるときの周波数調整部材23の好ましい位置について説明する。図10(A)~図10(C)に示されるように、ペン先45の先端部45Aからコイル46の軸方向における先端部側の先端縁46Aまでの距離をAとし、コイル46の軸方向の長さをBとする。先端縁46Aは、第1端部の一例である。
【0051】
図10(A)に示されるように、周波数調整部材23が第2位置P2に移動したときの周波数調整部材23の先端側の端面23Aは、以下の範囲にあること好ましい。周波数調整部材23の先端側の端面23Aは、周波数調整部材23の軸方向における先端部側の端面の一例である。周波数調整部材23が第2位置P2に移動したときの周波数調整部材23の先端側の端面23Aは、ペン先45の先端部45AからA/2の位置P3と、コイル46の軸方向における後端部側の後端縁46BからB/2の位置P4との間の領域R1に配置されていることが好ましい。後端縁46Bは、第2端部の一例である。
【0052】
また、図10(B)に示されるように、周波数調整部材23が第2位置P2に移動したときの周波数調整部材23の先端側の端面23Aは、コイル46の先端縁46Aと、コイル46の後端縁46BからB/2の位置P4との間の領域R2に配置されていることがより好ましい。すなわち、周波数調整部材23の先端側の端面23Aを、コイル46の先端縁46A以降に配置することで、領域R1よりも周波数調整部材23をペン先45から遠ざけることができ、ノイズとして除去される影響を低減することができる。
【0053】
また、図10(C)に示されるように、周波数調整部材23が第2位置P2に移動したときの周波数調整部材23の先端側の端面23Aは、コイル46の先端縁46AからB/2の位置P5と、コイル46の後端縁46BからB/2の位置P4との間の領域R3に配置されていることがさらに好ましい。すなわち、周波数調整部材23の先端側の端面23Aを、コイル46の先端縁46AからB/2以降に配置することで、コイル46の露出範囲を多くすることができ、発振周波数の調整がしやすい。
【0054】
(4)ノック機構30の構成
図1(C)及び図2(C)に示されるように、ノック機構30は、後端軸16の内部に配置され、軸方向に移動可能な回転子31と、後端軸16の後端開口15から露出し、軸方向に移動可能な操作部32と、を備えている。また、後端軸16における先端側には、回転子31と係止するカム部16Aが設けられている。リフィル7が軸筒10の内部に収容された状態で、回転子31の先端部は、押付部62の後端部に接触している。ノック機構30、押付部62及び筒体20は、コイルスプリング70の付勢力によって常に後端側へ付勢されている。
【0055】
ノック機構30は、移動装置60の押付部62を移動させることで、軸状部材52に対して周波数調整部材23を軸方向に移動させる。具体的には、ノック機構30は、ノック操作により押付部62を移動させることで、周波数調整部材23をコイル46に対して離れる方向(後端側)である第1位置P1と、コイル46に対して近づく方向(先端側)である第2位置P2とに移動させる。ノック操作は、操作部32を先端側に向かって押圧することによって行われる。
【0056】
入力タッチペン5の離間状態(図1参照)においてノック操作が行われると、操作部32の移動によって回転子31が先端側へ押圧され、回転子31と後端軸16のカム部16Aの先端面とが係止し、入力タッチペン5は接近状態(図2参照)となる。このとき、回転子31に押されてリフィル7の押付部62及び筒体20が先端側に移動する。言い換えると、操作部32の移動により、コイルスプリング70の付勢力に抗して押付部62が筒体20を軸状部材52の側に押し、コイルスプリング70を収縮させて周波数調整部材23を第2位置P2に移動させる。この状態で、回転子31と後端軸16のカム部16Aの先端面とが係止される。すなわち、後端軸16のカム部16Aに回転子31を介して押付部62が係止されることとなる。
【0057】
また、接近状態(図2参照)においてノック操作が行われると、操作部32の移動によって回転子31が先端側へ押圧され、回転子31と後端軸16のカム部16Aの先端面との係止が解除される。これにより、ノック機構30、押付部62及び筒体20は、コイルスプリング70の付勢力によって後端側へ移動し、入力タッチペン5は離間状態(図1参照)となる。
【0058】
(5)作用及び効果
次に、第1の実施形態の作用について説明する。まず、リフィル7により、電磁誘導方式タブレットなどの入力装置(図示省略)に情報が入力される流れについて説明する。入力装置は、リフィル7による入力が行われる入力面が設けられており、その入力面の下面には、特定の周波数の電磁エネルギーを送信する位置検出装置が設けられている。
【0059】
例えば、入力装置には、入力タッチペン5でなぞった筆跡に対応する描線が電子情報として入力される「筆記モード」と、入力タッチペン5でなぞった筆跡に対応する部分の電子情報が消去される「消去モード」とが設けられている。入力装置は、入力タッチペン5から帰還する電磁エネルギーの周波数に基づいて上記の各モードの切替を行っており、所定の周波数の範囲である第1範囲では「筆記モード」に設定され、第1範囲よりも周波数が小さい第2範囲では「消去モード」に設定されるよう予め構成されている。
【0060】
位置検出装置は、送信信号を供給したコイルの位置と、リフィル7の発振回路50からの電磁エネルギーを検出したコイルの位置とにより、リフィル7が指示する座標値を検出する。
【0061】
入力タッチペン5において、離間状態(図3(A)参照)では、周波数調整部材23がコイル46に対して十分離間しているため、リフィル7内部の発振回路50との電磁結合の度合いが十分小さくなっている。したがって、離間状態では、リフィル7の発振周波数は変化せず、入力装置では、第1範囲内であると判断し、筆記モードを設定している。そのため、離間状態において、入力装置の入力面をペン先45でなぞると、その入力装置に文字を描くことができる。
【0062】
離間状態においてノック操作が行われると、操作部32の移動によって回転子31が先端側へ押圧され、回転子31と後端軸16のカム部16Aの先端面とが係止し、入力タッチペン5は接近状態となる。
【0063】
接近状態(図3(B)参照)では、周波数調整部材23がコイル46に対して接近しており、リフィル7が発する電磁エネルギーの周波数は離間状態(図3(A)参照)に比べて低くなっている。これにより、入力装置では、第2範囲内であると判断し、消去モードを設定している。そのため、接近状態において、入力面に表示された文字の一部をペン先45でなぞると、なぞられた部分に対応する電子情報が消去され、入力装置の入力面からなぞられた部分が消失される。
【0064】
第1実施形態のリフィル7は、発振回路50が設けられた軸状部材52と、電磁エネルギーの周波数を変化させる周波数調整部材23と、を有している。周波数調整部材23は、軸状部材52の外周側に発振回路50と離隔した状態で配置され、コイル46の軸方向に沿って移動可能に設けられている。さらに、周波数調整部材23は、電磁エネルギーが発振回路50に与える影響を減じる電磁波シールド材料で構成されている。これにより、リフィル7では、周波数調整部材23をコイル46の軸方向に沿って移動させることで、軸状部材52の発振回路50が反射する電磁エネルギーの周波数を変化させることができる。このため、リフィル7では、電磁誘導回路の接続を切り替えることなく、発振回路50が反射する電磁エネルギーの周波数を容易に変化させることができる。
【0065】
また、リフィル7では、軸状部材52の先端側にコイル46が配置されており、周波数調整部材23は、軸状部材52の外周側の筒体20に設けられている。そして、移動装置60で筒体20を軸状部材52に対して軸方向に移動させることにより、周波数調整部材23をコイル46から離れる後端側の第1位置P1と、コイル46に近づく先端側の第2位置P2とに移動させる。このため、リフィル7では、構造が複雑になることを抑制しつつ、発振回路50が反射する電磁エネルギーの周波数を容易に変化させることができる。
【0066】
また、リフィル7では、移動装置60は、軸状部材52の後端部52Bに配置されるとともに周波数調整部材23を第1位置P1に移動させるように筒体20を付勢するコイルスプリング70を備えている。さらに、移動装置60は、筒体20を軸状部材52の側に押し、コイルスプリング70を収縮させて周波数調整部材23を第2位置P2に移動させる押付部62を備えている。このため、リフィル7では、簡易な構成により、周波数調整部材23を第1位置P1と第2位置P2とに移動させることができる。
【0067】
また、リフィル7では、軸状部材52のペン先45の先端部45Aからコイル46の先端側の先端縁46Aまでの距離をAとし、コイル46の軸方向の長さをBとする。その際、周波数調整部材23が第2位置P2に移動したときの周波数調整部材23の先端側の端面23Aは、先端部45AからA/2の位置P3と、コイル46の後端側の後端縁46BからB/2の位置P4との間に配置されている。このため、リフィル7では、周波数調整部材23を第1位置P1から第2位置P2に移動させることで、発振回路50が反射する電磁エネルギーの周波数を容易に変化させることができる。
【0068】
また、リフィル7では、周波数調整部材23を構成する電磁波シールド材料は、鉄、フェライト、銀、銅、金、アルミニウム、又はニッケルのいずれか1つ以上を含む金属材料である。このため、周波数調整部材23を容易に製造することができる。
【0069】
また、リフィル7では、軸状部材52に半径方向外側に突出する先端部材40が設けられており、軸筒10の先端部が先端部材40に接触する。このため、リフィル150では、軸筒10への軸状部材52及び先端部材40の取付けが容易である。
【0070】
また、リフィル7では、軸状部材52の先端側には、ペン先45を支持する先端部材40が一体的に設けられている。このため、リフィル7では、軸状部材と先端部材とが分離している場合と比較して、リフィル7を入力タッチペン5に装着するときの組立が容易となる。
【0071】
また、入力タッチペン5は、リフィル7と、軸状部材52及び周波数調整部材23を収容するための軸筒10と、を備えている。さらに、入力タッチペン5は、押付部62で筒体20を軸状部材52の側に押し、コイルスプリング70を収縮させて周波数調整部材23を第2位置P2に移動させた状態で、押付部62を係止するノック機構30を備えている。これにより、ノック機構30により、周波数調整部材23を第2位置P2に保持することができる。このため、入力タッチペン5では、電磁誘導回路の接続を切り替えることなく、発振回路50が反射する電磁エネルギーの周波数を容易に変化させることができる。
【0072】
<第2の実施形態>
次に、本実施の形態の第2の実施形態について、第1の実施形態との重複部分を省略しつつ説明する。なお、図において、前述した第1の実施形態と同一構成部分については、同一番号を付している。
【0073】
図11(A)、(B)は、第2の実施形態のリフィル150を示す正面図及び断面図である。リフィル150は、軸状部材152と、軸状部材152の先端側の先端部材154とを分離可能に構成している。軸状部材152には、コイル46が収容される筒部152Aと、筒部152Aの先端側に配置された小径部152Bと、を備えている。小径部152Bの外径は、筒部152Aの外径よりも小さく、筒部152Aと小径部152Bと間には段差部152Cが形成されている。段差部152Cは、小径部152Bから半径方向外側に突出している。軸状部材152の先端部の外周側には、先端部材154が配置される。段差部152Cは、先端部材154が接触する突出部の一例である。
【0074】
先端部材154の内部の先端側には、筒部152Aが挿入される凹部154Aと、小径部152Bが挿通される開口154Bとが設けられている。凹部152Aの内径は、筒部152Aの外径よりも僅かに大きい。開口154Bの内径は、筒部152Aの外径よりも小さく、小径部152Bの外径よりも大きい。先端部材154には、凹部152Aと開口154Bの内周とを繋ぐ壁部154Cが形成されており、軸状部材152の段差部152Cに壁部154Cが接触する。なお、リフィル150の他の構成は、第1実施形態のリフィル7と同様である。
【0075】
先端部材154を軸状部材152に取り付けるときは、リフィル150の筒部152Aに先端部材154の凹部154Aを外挿し、小径部152Bを開口154Bに挿通させ、段差部152Cに壁部154Cを接触させる。これにより、先端部材154が軸状部材152に着脱可能に取り付けられる。図示を省略するが、先端部材154の雌ねじ部41を軸筒の雄ねじ部に螺合させることで、リフィル150が入力タッチペンに装着される。
【0076】
上記のようなリフィル150では、軸状部材152に半径方向外側に突出する段差部152Cが設けられており、先端部材154の壁部154Cが段差部152Cに接触する。このため、リフィル150では、軸状部材152への先端部材154への取付けが容易である。また、リフィル150では、軸状部材152への段差部152Cの加工が容易である。
【0077】
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は、リフィル、及びリフィルが着脱可能に装着される入力タッチペンに利用可能である。
【符号の説明】
【0079】
5 入力タッチペン 7 リフィル
10 軸筒 12 先軸
13 先端開口 14 後軸
14A 雄ねじ部 15 後端開口
16 後端軸 16A カム部
20 筒体 20A 筒部
20B 後端部 21 段差部
23 周波数調整部材 23A 端面
30 ノック機構 31 回転子
32 操作部 40 先端部材
40A 先端開口 41 雌ねじ部
42 フェライトコア 43 ペン芯
44 支持部 45 ペン先
45A 先端部 46 コイル
46A 先端縁 46B 後端縁
48 コンデンサ 50 発振回路
52 軸状部材 52B 後端部
53 凹状部
60 移動装置 62 押付部
62A 小径部 70 コイルスプリング
80 クリップ
150 リフィル 152 軸状部材
152A 筒部 152A 凹部
152B 小径部 152C 段差部
154 先端部材 154A 凹部
154B 開口 154C 壁部
P1 第1位置 P2 第2位置
P3 位置 P4 位置
P5 位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11