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特開2024-95234情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095234
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 8/65 20180101AFI20240703BHJP
【FI】
G06F8/65
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022212368
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 誠
【テーマコード(参考)】
5B376
【Fターム(参考)】
5B376AA25
5B376CA47
5B376GA13
(57)【要約】
【課題】プロセス機器などを含む情報処理装置の任意のデータをより低コストで公開することを課題とする。
【解決手段】情報処理装置は、測定値である第1のデータを第1の情報処理装置に送信する処理を実行し、変更可能な可変データ設定ソフトウェアを外部から読み込み、可変データ設定ソフトウェアに設定された第1の定義に基づいて、第1のデータと同一もしくは異なるデータから第2のデータを選択し、第2のデータを第3のデータに変換して、第3のデータを第2の情報処理装置に送信する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定値である第1のデータを第1の情報処理装置に送信する処理を実行する測定実行部と、
変更可能な可変データ設定ソフトウェアを外部から読み込み、前記可変データ設定ソフトウェアに設定された第1の定義に基づいて、前記第1のデータと同一もしくは異なるデータから第2のデータを選択し、前記第2のデータを第3のデータに変換して、前記第3のデータを第2の情報処理装置に送信する可変データ送信部と
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記測定実行部を介さず、前記可変データ設定ソフトウェアを前記可変データ送信部に転送する処理を実行する可変データ設定部を有することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記測定実行部が、
前記可変データ送信部に読み込まれた前記可変データ設定ソフトウェアを更新する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記可変データ送信部は、前記可変データ設定ソフトウェアとは別の可変データ設定ファイルに設定された第2の定義に基づいて、前記第1のデータと同一もしくは異なるデータから前記第2のデータを選択し、前記第2のデータを前記第3のデータに変換して、前記第3のデータを前記第2の情報処理装置に送信することを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記可変データ設定ソフトウェアおよび前記可変データ設定ソフトウェアとは別の可変データファイルは、外部記憶装置、IP通信、および近接無線通信の少なくとも1つを介して、前記可変データ送信部に前記外部から読み込まれることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第3のデータを送信するための通信インターフェースとして、IP通信上のプロトコルに対応するための有線または無線LAN通信インターフェースを有することを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記可変データ送信部は、前記可変データ設定ソフトウェアに設定された前記第1の定義に基づいて、前記第2のデータに対して少なくとも前記第3のデータの送信先に応じたデータ形式に変換する変換処理を実行することを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記可変データ送信部は、前記可変データ設定ソフトウェアに設定された前記第1の定義に基づいて、前記第2のデータに対して四則演算または条件分岐の少なくともいずれかの処理を実行することを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記可変データ送信部は、前記可変データ設定ソフトウェアに設定された前記第1の定義に基づいて、前記第3のデータの送信タイミングを制御することと、1つまたは複数の前記第2のデータを前記第2の情報処理装置に送信することとの少なくとも1つを実行することを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
情報処理装置が、
測定値である第1のデータを第1の情報処理装置に送信する処理を実行し、
変更可能な可変データ設定ソフトウェアを外部から読み込み、前記可変データ設定ソフトウェアに設定された第1の定義に基づいて、前記第1のデータと同一もしくは異なるデータから第2のデータを選択し、前記第2のデータを第3のデータに変換して、前記第3のデータを第2の情報処理装置に送信する
処理を実行することを特徴とする情報処理方法。
【請求項11】
情報処理装置に、
測定値である第1のデータを第1の情報処理装置に送信する処理を実行させ、
変更可能な可変データ設定ソフトウェアを外部から読み込み、前記可変データ設定ソフトウェアに設定された第1の定義に基づいて、前記第1のデータと同一もしくは異なるデータから第2のデータを選択し、前記第2のデータを第3のデータに変換して、前記第3のデータを第2の情報処理装置に送信する
処理を実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
プロセス機器の主測定値(PV値)は、主にアナログ電流信号にて上位システムに伝送する。または、フィールドデジタル通信の標準仕様で定義される共通コマンドによって信号変換器などからプロセス機器の主測定値が読み出される。また、プロセス機器は、主測定値以外の任意のデータを上位システムに伝送するために、規格で定められた通信仕様に従った上で、コマンド番号やアドレスといった固有の仕様を決定して公開する。当該仕様は、プロセス機器の型番に応じて一意にする必要があるため、公開データを増やす度に機器の仕様に追加され、プロセス機器のファームウェアをRev-upする必要がある。
【0003】
しかしながら、プロセス機器はフィールドデジタル通信上のスレーブ機器であり、原則、必要とされるデータを取得するコマンドを用意するのみである。そのため、プロセス機器のデータ取得にはエンジニアリング(開発)が発生することになる。また、フィールドデジタル通信に対応しないIT(Information Technology)サービスなどの上位サービスにデータを取り込む場合、例えばCSV(Comma Separated Value)変換など上位サービスが対応するデータに変換するためのコントローラを導入するなどのエンジニアリングが発生する。また、クラウドコンピュータ上の上位サービスにデータを取り込む場合、プロセス機器と上位サービスとの間に位置するゲートウェイを介して上位サービスへデータを送信するために、上位サービスが対応するデータに変換するためのコントローラの導入や変換後のデータを送信するためのゲートウェイの設定変更などのエンジニアリングが発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-035779号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
プロセス機器内部に存在するデータの中で、仕様としてフィールドデジタル通信上で外部に公開していない(読みだされない)データを、新たに外部へ送信できるように公開する場合に、ファームウェアの更新を伴う。そのため、ファームウェア更新作業による開発保守コストに加えて、フィールドデジタル通信仕様に対する再認証費用がかかる。
【0006】
本発明は、情報処理装置の任意のデータをより低コストで公開することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一側面にかかる情報処理装置は、測定値である第1のデータを第1の情報処理装置に送信する処理を実行する測定実行部と、変更可能な可変データ設定ソフトウェアを外部から読み込み、可変データ設定ソフトウェアに設定された第1の定義に基づいて、第1のデータと同一もしくは異なるデータから第2のデータを選択し、第2のデータを第3のデータに変換して、第3のデータを第2の情報処理装置に送信する可変データ送信部とを有することを特徴とする。
【0008】
一側面にかかる情報処理方法は、情報処理装置が、測定値である第1のデータを変換して第1の情報処理装置に送信する処理を実行し、変更可能な可変データ設定ソフトウェアを外部から読み込み、可変データ設定ソフトウェアに設定された第1の定義に基づいて、第1のデータと同一もしくは異なるデータから第2のデータを選択し、第2のデータを第3のデータに変換して、第3のデータを第2の情報処理装置に送信する処理を実行することを特徴とする。
【0009】
一側面にかかる情報処理プログラムは、情報処理装置に、測定値である第1のデータを変換して第1の情報処理装置に送信する処理を実行させ、変更可能な可変データ設定ソフトウェアを外部から読み込み、可変データ設定ソフトウェアに設定された第1の定義に基づいて、第1のデータと同一もしくは異なるデータから第2のデータを選択し、第2のデータを第3のデータに変換して、第3のデータを第2の情報処理装置に送信する処理を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
一実施形態によれば、情報処理装置の任意のデータをより低コストで公開できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】比較例としての情報処理システムの構成例を示す図である。
図2】実施形態1にかかる情報処理システムの構成例を示す図である。
図3】プロセス機器10の構成例を示す図である。
図4】初期設定処理の流れを示すフローチャートである。
図5】可変データ送信処理の流れを示すフローチャートである。
図6】実施形態2にかかる情報処理システムの構成例を示す図である。
図7】実施形態3にかかる情報処理システムの構成例を示す図である。
図8】実施形態4にかかる情報処理システムの構成例を示す図である。
図9】実施形態5にかかる情報処理システムの構成例を示す図である。
図10】実施形態6にかかる情報処理システムの構成例を示す図である。
図11】実施形態7にかかる情報処理システムの構成例を示す図である。
図12】プロセス機器10のハードウェア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本願の開示する情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略し、各実施形態は、矛盾のない範囲内で適宜組み合わせることができる。
【0013】
まず、比較例としての技術について説明する。図1は、従来の情報処理システムの構成例を示す図である。図1に示すように、情報処理装置の一例であるプロセス機器10の主測定値(PV値)は、アナログ電流信号またはフィールドデジタル通信にて、上位システムであるITサービス100および101、HIS(Human Interface Station)や生産管理システムなどの外部の情報処理装置に伝送される。この際、上位システムに応じてデータ変換が行われ、ゲートウェイ110など他の上位システムやコントローラ、インターネットなどのネットワーク50などを介する場合もあり得る。なお、ITサービス100および101など上位システムのデプロイ形態はクラウドまたはオンプレミスであってよい。
【0014】
主測定値以外の任意のデータを上位システムに伝送する場合、上述したように、伝送するデータが増える度に、プロセス機器10のファームウェアや、上位システムまたはコントローラにエンジニアリングが発生し、コストと時間を要する。
【0015】
また、新たにデータを内部で取得、加工、送信する処理をプロセス機器10のファームウェアに追加することによって、追加処理による測定などの既存処理の動作やタイミングに影響しないことを都度留意する必要があり、デグレードのリスクを抱える。
【0016】
一方、上位システム側から、プロセス機器10のデータを取得することも考えられるが、プロセス機器には多様な機種が存在し、機種ごとに異なるデータ仕様を持つことも多い。そのような場合に、上位システム側に各データ仕様に適合する仕組みを構築することはコストと難易度の両側面からハードルが高い。
【0017】
そこで、本発明は、プロセス機器10の任意のデータをより低コストでITサービス100および101など仕様の異なる様々な情報処理装置に公開する(送信する)ことを目的の1つとする。本発明の実施形態の一例として、例えば、図2に示すような情報処理システムを示す。
【0018】
(実施形態1)
[全体構成]
図2は、実施形態1にかかる情報処理システムの構成例を示す図である。図2に示すように、プロセス機器10は、測定実行部41および可変データ送信部42を有する。測定実行部41は、図1を用いて説明したような主測定値と任意のデータ送信を行うファームウェアを備える。なお、図2では、測定実行部41によるデータの伝送経路が、コントローラ/信号変換器までしか示されていないが、これは便宜上、省略しているだけであり、実際には、図1に示すような経路で主測定値などのデータが上位システムに伝送される。
【0019】
図2に示すネットワーク50には、有線や無線を問わず、例えば、インターネットなどの各種通信網を採用できる。また、ネットワーク50は、単一のネットワークではなく、例えば、インターネットとイントラネットとがゲートウェイ110などネットワーク装置やその他の装置(図示せず)を介して構成されてよい。
【0020】
また、図2に示すプロセス機器10は、情報処理装置であり、比較例としての技術にかかる測定実行部41や測定実行部41が備えるファームウェアに対する新たなエンジニアリングを回避するため、測定実行部41とは別の独立したソフトウェア処理部である可変データ送信部42をさらに備える。
【0021】
可変データ送信部42は、例えば、可変データ設定部90から可変データ設定ソフトウェア91を外部から読み込み、可変データ設定ソフトウェア91に設定された定義に基づいて、プロセス機器10に記憶されたデータから任意のデータを選択および変換して、任意の通信方式でITサービス100および101など外部の情報処理装置に送信する。
【0022】
可変データ設定ソフトウェア91は、例えば、可変データ設定部90によって書き換えでき、当該ソフトウェアに設定された定義を書き換えることにより、送信データの種類、データ変換のデータ形式、外部の情報処理装置への送信周期などの送信タイミング、および通信プロトコルなどの通信方式などを任意に変更できる。また、当該ソフトウェアはコンピュータプログラムであるため、当該ソフトウェアによって、四則演算を用いたデータの下処理や、条件分岐による送信タイミングの制御といったプログラミング処理を実現できる。なお、可変データ送信部42から外部のプロセス機器10である情報処理装置にデータ送信する際の通信インターフェースは有線または無線LAN(Local Area Network)でありIP(Internet Protocol)通信に対応する
【0023】
可変データ設定部90は、例えば、外部の情報処理端末(図示しない)から送信されるユーザ指示に基づいて、可変データ設定ソフトウェア91を書き換える。可変データ設定部90は、例えば、外部の情報処理端末から書き換え可能なSD(Secure Digital)カードなどのプロセス機器10に脱着可能な外部記憶装置であり、可変データ設定ソフトウェア91を格納する。また、可変データ設定ソフトウェア91は、例えば、定義として、送信データの種類、データ変換のデータ形式、外部の情報処理装置への送信タイミング、および通信方式を含む。ユーザは、外部の情報処理端末を介して、可変データ設定部90に格納された可変データ設定ソフトウェア91の定義を、データ送信先のITサービス100および101など外部の情報処理装置に応じて変更する。
【0024】
図2に示すように、可変データ送信部42は、測定実行部41と独立していることから、例えば、OS(Operating System)の優先度設計を適切に行うことで、データ送信処置によって測定などの動作に影響を及ぼすリスクを減少させることができる。より具体的には、例えば、データ送信によるCPU(Central Processing Unit)処理時間と送信頻度が、プロセス機器10のCPUにおいて測定などの処理を行っていない空き時間以内に収まる限りは、測定などの機能に影響を与えるリスクをゼロにできる。また、可変データ送信部42によるデータ送信は、送信データをフィールドデジタル通信ではなく汎用的なITのプロトコルによって上位システムに送信することにより、通信プロトコル変換に関する機器導入費とエンジニアリングコストを省き、ITサービス100や110など上位システムとのデータ接続を従来よりも安価に実現できる。また、可変データ送信部42によるデータ送信は、送信データの個数、形式、変換処理、タイミングを任意に指定できるため、データ送信先のITサービス100および101などに合ったデータの下処理を予めプロセス機器10側で施せることになり、下処理の機器導入およびエンジニアリングコストも削減できる。また、可変データ送信部42によって送信可能な対象データはプロセス機器10内部のデータ全てであり、予め公開するデータの仕様を通信コマンド仕様として外部公開、認証する必要はないため、様々な接続ニーズに応じて柔軟に製品データを提供できる。
【0025】
[機能構成]
次に、本発明の各実施形態の動作主体となるプロセス機器10の機能構成について説明する。図3は、プロセス機器10の構成例を示す図である。図3に示すように、プロセス機器10は、通信部20、記憶部30、および制御部40を有する。
【0026】
通信部20は、他の装置との間の通信を制御する処理部であり、例えば、ネットワークインタフェースカードなどの通信インターフェースにより実現される。
【0027】
記憶部30は、各種データや、制御部40が実行するプログラムなどを記憶する機能を有し、例えば、メモリやハードディスクなどの記憶装置により実現される。記憶部30は、測定データDB(Data Base)31、可変データ設定DB32、および可変データDB33などを記憶する。
【0028】
測定データDB31は、例えば、プロセス機器10によって測定された、主測定値や、主測定値以外に関するデータを記憶する。
【0029】
可変データ設定DB32は、例えば、可変データ設定部90から読み込まれる可変データ設定ソフトウェア91に関するデータを記憶する。
【0030】
可変データDB33は、例えば、可変データ設定DB32に記憶された可変データ設定ソフトウェア91に設定された定義に基づいて、測定データDB31に記憶されたデータから選択され、変換された任意のデータに関するデータを記憶する。
【0031】
なお、記憶部30に記憶される上記情報はあくまでも一例であり、記憶部30は、上記情報以外にも様々な情報を記憶できる。
【0032】
制御部40は、プロセス機器10全体を司る処理部であり、例えば、プロセッサなどである。制御部40は、測定実行部41、および可変データ送信部42などを備える。なお、各処理部は、プロセッサが有する電子回路の一例やプロセッサが実行するプロセスの一例である。
【0033】
測定実行部41は、例えば、主測定値などの測定値である第1のデータを変換して、ITサービス100および101などの上位システムの第1の情報処理装置に第1のデータを送信する処理を実行するファームウェアを備える。なお、主測定値などの第1のデータは、例えば、測定実行部41によって予め測定または取得され、測定データDB31に記憶される。
【0034】
また、測定実行部41は、例えば、外部から受信した可変データ設定ソフトウェア91を用いて、可変データ送信部42に読み込まれる可変データ設定ソフトウェア91を更新してもよい。なお、更新前の可変データ設定ソフトウェア91は、例えば、可変データ設定DB32に記憶され、可変データ設定DB32に記憶された可変データ設定ソフトウェア91が更新、すなわち、書き換えられる。なお、例えば、測定実行部41を介さず、可変データ設定部90が、可変データ設定ソフトウェア91を外部から可変データ送信部42に転送してもよい。
【0035】
可変データ送信部42は、例えば、ソフトウェアの内容を変更可能な可変データ設定ソフトウェア91を外部から読み込み、可変データ設定ソフトウェア91に設定された第1の定義に基づいて、第1のデータと同一もしくは異なるデータから第2のデータを選択し、第2のデータを第3のデータに変換して、ITサービス100および101などの上位システムの第2の情報処理装置に第3のデータを送信する。第3のデータは、例えば、主測定値以外の任意のデータであり、ITサービス100および101などの上位システムに送信される可変データとして、可変データDB33に記憶される。また、可変データ設定ソフトウェア91は、例えば、可変データ設定DB32に記憶され、プロセス機器10の起動時に、可変データ送信部42によって可変データDB33から読み込まれる。なお、プロセス機器10は、第2のデータを送信するための通信インターフェースとして、IP通信上のプロトコルに対応するための有線または無線LAN通信インターフェース、または、第2のデータを集約して送信するための独自コマンドに対応したフィールドデジタル通信インターフェースを有してよい。
【0036】
また、可変データ送信部42は、例えば、可変データ設定ソフトウェア91に設定された定義に基づいて、第2のデータに対して、バイナリデータやCSVやJSON(JavaScript Object Notation(登録商標))形式など、第3のデータの送信先に応じたデータ形式に変換する処理を実行する。また、可変データ送信部42は、例えば、可変データ設定ソフトウェア91に設定された定義に基づいて、第2のデータに対して少なくとも四則演算または条件分岐を含む電算処理による下処理を実行して第3のデータとしてよい。また、可変データ送信部42は、例えば、可変データ設定ソフトウェア91に設定された定義に基づいて、第3のデータの送信タイミングを制御してよい。また、可変データ送信部42は、例えば、可変データ設定ソフトウェア91に設定された定義に基づいて、送信データ形式として、第2のデータのフォーマットを、第3のデータの送信先に応じたフォーマットにフォーマット変換して第3のデータとしてよい。また、可変データ送信部42は、例えば、1つまたは複数の第3のデータを第2の情報処理装置に送信できる。
【0037】
また、可変データ送信部42は、例えば、可変データ設定ソフトウェア91とは別の可変データ設定ファイル92に設定された第2の定義にさらに基づいて、第1のデータと同一もしくは異なるデータから第2のデータを選択し、第2のデータを第3のデータに変換して第2の情報処理装置に送信する。このような処理は、可変データ設定ソフトウェア91に設定された第1の定義は書き換えずに固定したままにし、可変データ設定ソフトウェア91に設定された定義以外の定義(例えば、第2定義)に基づいてデータを送信したい場合は、別の可変データ設定ファイル92の定義を作成してデータ送信を行う処理である。当該処理により、可変データ設定ソフトウェア91を書き換える方式に比べて、事前に変更可能な動作を可変データ設定ファイル92に定義する分、送信内容の自由度は劣るが、可変データ設定ファイル92内の設定値などを設定するだけなので実装難易度は低くなる。また、可変データ設定ソフトウェア91および可変データ設定ファイル92は、例えば、可変データ設定部90である外部記憶装置、IP通信、および近接無線通信の少なくとも1つを介して、外部から可変データ送信部42に転送される。
【0038】
[処理の流れ]
次に、プロセス機器10を動作主体として実行される可変データ送信処理と、当該処理を実行するために予め実行される初期設定処理との流れを説明する。まず、図4を用いて、初期設定処理から説明し、続いて図5を用いて可変データ送信処理を説明する。
【0039】
図4は、初期設定処理の流れを示すフローチャートである。図4に示す初期設定処理は、例えば、可変データ送信部42が任意のデータをITサービス100および101など外部の情報処理装置に送信する際に用いる可変データ設定ソフトウェア91を作成および可変データ送信部42に設定するための処理である。図4に示す初期設定処理は、例えば、可変データ設定ソフトウェア91を作成する機器ベンダや機器ユーザが、外部の情報処理端末を介してプロセス機器10にアクセスすることにより開始される。
【0040】
まず、図4に示すように、機器ベンダや機器ユーザは、外部の情報処理端末を介して、可変データ設定ソフトウェア91を作成する(ステップS101)。可変データ設定ソフトウェア91は、例えば、ソフトウェアのソースコードであり、ソースコードの開発用エディタなどを用いて、プロセス機器10が上位システムに送信するデータの種類、通信方式、変換処理、および送信タイミングに応じて作成される。なお、例えば、データの種類は診断値、通信方式は100や101など上位システムに送信するための特定のIT通信対応の通信プロトコル、変換処理はデータの単位変換や平滑化のための移動平均、および送信タイミングは定期の測定処理とは非同期で実行される定周期送信の間隔である。このように、可変データ設定ソフトウェア91は、例えば、ユーザが任意に選択するデータの種類などを組み込んで、組み込まれたデータの種類や送信タイミングで、可変データ送信部42においてデータ送信を行うためのソフトウェアである。
【0041】
次に、機器ベンダや機器ユーザは、外部の情報処理端末を介して、ステップS101で作成した可変データ設定ソフトウェア91を可変データ設定部90に格納する(ステップS102)。なお、可変データ設定ソフトウェア91の実行形式は、可変データ送信部42で実行できる形式であれば何でもよいが、コンパイルが必要な言語を使用する場合は、コンパイル後の実行ファイルを格納する。また、図4に示す初期設定処理は、例えば、可変データ設定ソフトウェア91の新規作成の他、書き換え、すなわち更新の場合も適用できる。可変データ設定ソフトウェア91の更新の場合は、ステップS102の際、可変データ設定部90には更新前の可変データ設定ソフトウェア91が格納されているため、更新前の可変データ設定ソフトウェア91がステップS101で作成した可変データ設定ソフトウェア91によって上書き更新される。また、ステップS102の実行後、図4に示す初期設定処理は終了するが、その後、可変データ設定部90に格納された可変データ設定ソフトウェア91を用いて、可変データ送信部42によって、ITサービス100および101など上位システムに対する可変データの送信が行われる。当該可変データの送信処理を、図5を用いて説明する。
【0042】
図5は、可変データ送信処理の流れを示すフローチャートである。まず、図5に示すように、例えば、プロセス機器10の電源が投入される(ステップS201)。
【0043】
次に、プロセス機器10の可変データ送信部42は、例えば、可変データ設定部90に格納された可変データ設定ソフトウェア91を読み込む(ステップS202)。これにより、可変データ設定ソフトウェア91が可変データ設定DB32に記憶され、または、既に可変データ設定DB32に記憶されている場合は更新され、可変データ設定DB32に記憶された定義に基づいて測定データDB31に記憶されたデータを選択および変換した可変データを生成した後、可変データ送信部42による可変データ送信に用いられる。
【0044】
次に、可変データ送信部42は、可変データ設定ソフトウェア91に設定された定義に基づいて、可変データの送信タイミングが到来したか判定する(ステップS203)。可変データの送信タイミングがまだ到来していないと判定された場合(ステップS203:No)、可変データ送信部42は、可変データの送信タイミングの到来まで待機する。
【0045】
一方、可変データの送信タイミングが到来したと判定された場合(ステップS203:Yes)、可変データ送信部42は、可変データ設定ソフトウェア91に設定された定義に基づいて、可変データを送信する(ステップS204)。より具体的には、可変データ送信部42は、例えば、可変データ設定ソフトウェア91で指示された1個または複数個のデータ種類について、測定データDB31から送信するデータを選択して読み出す。そして、可変データ送信部42は、例えば、可変データ設定ソフトウェア91に設定された定義に基づいて、読み出したデータに対して、送信先のITサービス100および101などの上位システムに応じてバイナリデータやCSVやJSON形式などに変換した、可変データを作成する。作成された可変データは、可変データDB33に格納されてよい。また、可変データ送信部42は、例えば、可変データ設定ソフトウェア91に設定された定義に基づいて、必要に応じて条件分岐(例えば、ステップS203の条件分岐)など任意の電算処理によって可変データの送信タイミングを制御しつつ、送信先のITサービス100および101などの上位システムが対応するFTP(File Transfer Protocol)などのIP通信プロトコルによって、可変データを送信する。
【0046】
ステップS204の実行後、図5に示す可変データ送信処理は次に送信する可変データがある場合には、例えば、ステップS203に戻り、可変データ送信部42は、次の送信タイミングの到来まで待機する。
【0047】
[その他の実施形態]
次に、その他の実施形態として、図2を用いて説明した実施形態1以外の実施形態2~7を、それぞれ、図6~11を用いて説明する。なお、実施形態2~7についても、実施形態1同様、測定実行部41は、図1を用いて説明したような比較例のデータ送信を行うファームウェアを備え、図6~11でも、測定実行部41によるデータの伝送経路については便宜上、省略する。また、実施形態2~7の説明は、実施形態1と同様の点については省略され、実施形態1と異なる点について説明される。
【0048】
(実施形態2)
図6は、実施形態2にかかる情報処理システムの構成例を示す図である。図6に示すように、可変データ送信部42は、可変データ設定ソフトウェア91に設定された定義に基づいて、複数個の任意のデータ1~N(Nは任意の自然数)が、ITサービス100および101など上位システムに送信されてよい。また、可変データ設定ソフトウェア91によってデータ形式も任意に指定できるため、例えば、CSVファイルやJSON形式のデータといった複数のデータをまとめた形式にして、一括送信することもできる。この場合、ステップS203において、送信タイミングが到来した時にデータ1~Nを一括送信できる。
【0049】
(実施形態3)
図7は、実施形態3にかかる情報処理システムの構成例を示す図である。図7に示すように、可変データ設定ソフトウェア91は、例えば、プロセス機器10に脱着可能な外部記憶装置である可変データ設定部90に記憶されたものでなく、プロセス機器10の内部記憶装置である可変データ設定DB32に記憶されたものであり可変データ設定DB32に記憶されたデータをBluetooth(登録商標)などの近接無線通信を介して外部から書き換えられるようにしてもよい。または、図7では有線or無線LANとして示される、ITサービス100および101などの上位システムに対する外部通信用のインターフェースを介して、プロセス機器10の内部記憶装置である可変データ設定DB32に記憶された可変データ設定ソフトウェア91をITサービス100または101などの上位システムから書き換えられるようにしてもよい。
【0050】
(実施形態4)
図8は、実施形態4にかかる情報処理システムの構成例を示す図である。図8に示すように、外部通信用のインターフェースは、例えば、BluetoothやNFC(Near Field Communication)などの近接無線通信であってよい。例えば、本実施形態4は、タブレット端末などの携帯型の情報端末を、現場保守作業員などが一時的にプロセス機器10に接続することで、可変データ設定ソフトウェア91を書き換える場合などに適用できる。
【0051】
(実施形態5)
図9は、実施形態5にかかる情報処理システムの構成例を示す図である。図9に示すように、図1に示すコントローラに対する外部通信用のインターフェースは、例えば、任意のデータを集約して送信するための独自コマンドを用いるフィールドデジタル通信であってよい。当該独自コマンドは、例えば、可変データ設定ソフトウェア91で送信指定したデータ群を1つのデータの固まりとして送信するためのコマンドであってよい。また、例えば、当該独自コマンドを用いたフィールドデジタル通信を介した送信先の上位側にはフィールドデジタル通信のマスタ機能を有する機器であるフィールドデジタル通信マスタ60を接続する。フィールドデジタル通信マスタ60は、例えば、受信した独自コマンドのデータの固まりを解釈するためのデータ解釈情報61を有する。また、データ解釈情報61は、例えば、独自コマンドを用いてフィールドデジタル通信を介して送信される各データの種類やデータサイズ、バイト位置(例えば、バイト位置は、各種データが配置されている、全体データの先頭バイトからのバイト数)などを含む。なお、データ解釈情報61の内容は、可変データ設定ソフトウェア91によって定義される、独自コマンドを用いてフィールドデジタル通信を介して送信される各データの送信内容と整合するように維持される。また、フィールドデジタル通信マスタ60によるデータ解釈の処理は、例えば、データ解釈情報61に基づいて、独自コマンドを用いたフィールドデジタル通信を介して受信されたデータ群の先頭から、バイト位置とデータサイズを識別して読み出し、データ型の変換を行うことで、各データ1~Nを区別して記憶して各データを送信する処理である。当該処理によって、データ送信先のITサービス100および101などの上位システムは、区別して記憶されたデータ1~Nの各データを一括して送信できる。
【0052】
(実施形態6)
図10は、実施形態6にかかる情報処理システムの構成例を示す図である。図10に示すように、可変データ送信部42は、可変データ設定ソフトウェア91とは別の可変データ設定ファイル92に設定された定義に基づいて、ITサービス100および101など上位システムに送信するデータの選択や変換、可変データの送信を行ってよい。可変データ設定ファイル92には、例えば、ITサービス100および101など上位システムに送信するデータの指定、送信先のアドレス、送信周期などを設定値として定義しておく。そして、可変データ送信部42による可変データの送信内容を変更する場合、可変データ設定ソフトウェア91に設定された定義は書き換えずに固定したままにし、可変データ設定ファイル92に設定された定義が書き換えられる。可変データ設定ファイル92を書き換えることにより、可変データ設定ソフトウェア91を書き換える方式に比べて、事前に変更可能な動作を定義する分、送信内容の自由度は劣るが、可変データ設定ファイル92に対する設定値の変更だけなので、実装難易度は低くなる。
【0053】
(実施形態7)
図11は、実施形態7にかかる情報処理システムの構成例を示す図である。図11に示すように、測定実行部41が、例えば、測定実行部41が備えるファームウェアを介して、可変データ設定ソフトウェア91を外部から受信し、受信した可変データ設定ソフトウェア91を可変データ送信部42に読み込んで、可変データ設定DB32に格納された可変データ設定ソフトウェア91を更新してもよい。これにより、可変データ送信部42は、測定実行部41によって書き換えられた可変データ設定ソフトウェア91に設定された定義に基づいて、ITサービス100および101など上位システムに送信するデータの選択や変換、可変データの送信を行う。なお、測定実行部41のファームウェアは、例えば、図11では有線or無線LANとして示されるIP通信などの通信インターフェースを介して、可変データ設定ソフトウェア91を外部から受信できる。
【0054】
本願が開示する情報処理システムは、例えば、プラントのプロセスやプロセス機器10を管理するプラント制御を行うプラント制御システムに適用することができる。ここでいう「プラント」には、工場施設、機械施設、生産施設、発電施設、貯蔵施設、石油、天然ガスなどを採掘する井戸元における施設などが含まれ得る。また、プロセス機器10は、例えばフィールド機器であり、主測定値(PV値)を測定する。主測定値(PV値)とは、プラントにおけるプロセス(例えば一連の工程)の状態を示すデータであり、例えば、フィールド機器によって測定される圧力、温度、流量、pH値、速度及び加速度などである。なお、本実施形態では、プラント制御システムのプロセス機器10に適用した例で説明するが、これに限定されるものではなく、データを測定して外部に通知する情報処理装置に対しても同様に適用することができる。
【0055】
[効果]
上述したように、プロセス機器10は、測定値である第1のデータを第1の情報処理装置に送信する処理を測定実行部41によって実行し、変更可能な可変データ設定ソフトウェア91を外部から読み込み、可変データ設定ソフトウェア91に設定された第1の定義に基づいて、第1のデータと同一もしくは異なるデータから第2のデータを選択し、第2のデータを第3のデータに変換して、第3のデータを第2の情報処理装置に送信する。
【0056】
この結果、プロセス機器10は、主測定値以外の任意のデータを上位システムに伝送する処理を測定実行部41の更新なしに実行することによる、ファームウェアや上位システムまたはコントローラに対する新たなエンジニアリングを回避できるため、任意のデータをより低コストで送信できる。
【0057】
また、プロセス機器10は、測定実行部41を介さず、可変データ設定ソフトウェア91を可変データ送信部42に転送する処理を実行する可変データ設定部90を有する。
【0058】
この結果、プロセス機器10は、測定実行部41が備える外部との通信手段に限定せず、任意の手段によって可変データ設定部90を実現できるため、可変データ設定ソフトウェア91を変更するためのエンジニアリングをより低コストで実施できる手段を採用することで、任意のデータをより低コストで送信できる。
【0059】
また、プロセス機器10の測定実行部41が、可変データ送信部42に読み込まれた可変データ設定ソフトウェア91を更新する。
【0060】
この結果、プロセス機器10は、測定実行部41が備えるファームウェアや、上位システムまたはコントローラに対する新たなエンジニアリングを回避または抑えつつ、測定実行部41が可変データ設定部90の代わりを担うため、可変データ設定部90を導入しなくてよく、任意のデータをより低コストで送信できる。
【0061】
また、プロセス機器10の可変データ送信部42は、可変データ設定ソフトウェア91とは別の可変データ設定ファイル92に設定された第2の定義に基づいて、第1のデータと同一もしくは異なるデータから第2のデータを選択し、第2のデータを第3のデータに変換して、第3のデータを第2の情報処理装置に送信する。
【0062】
この結果、プロセス機器10は、可変データ設定ソフトウェア91を書き換える方式に比べて、事前に変更可能な動作を可変データ設定ファイル92に定義する分、送信内容の自由度は劣るが、可変データ設定ファイル92内の設定値などを設定するだけなので実装難易度を低くすることができる。
【0063】
また、プロセス機器10は、可変データ設定ソフトウェア91および前記可変データ設定ソフトウェアとは別の可変データ設定ファイル92は、外部記憶装置、IP通信、および近接無線通信の少なくとも1つを介して、可変データ送信部42に外部から読み込まれる。
【0064】
この結果、プロセス機器10は、可変データ設定ソフトウェア91および可変データ設定ファイル92をより汎用的に書き換えることができる。
【0065】
また、プロセス機器10は、第3のデータを送信するための通信インターフェースとして、IP通信上のプロトコルに対応するための有線または無線LAN通信インターフェースを有する。
【0066】
この結果、プロセス機器10は、任意のデータをより汎用的に送信できる。
【0067】
また、プロセス機器10の可変データ送信部42は、可変データ設定ソフトウェア91に設定された第1の定義に基づいて、第2のデータに対して少なくとも第3のデータの送信先に応じたデータ形式に変換する変換処理を実行する。
【0068】
この結果、プロセス機器10は、任意のデータをより自由度高く、かつより低コストで送信できる。
【0069】
また、プロセス機器10の可変データ送信部42は、可変データ設定ソフトウェア91に設定された第1の定義に基づいて、第2のデータに対して四則演算または条件分岐の少なくともいずれかの処理を実行する。
【0070】
この結果、プロセス機器10は、任意のデータをより自由度高く、かつより低コストで送信できる。
【0071】
また、プロセス機器10の可変データ送信部42は、可変データ設定ソフトウェア91に設定された第1の定義に基づいて、第2のデータの送信タイミングを制御することと、1つまたは複数の第2のデータを第2の情報処理装置に送信することとの少なくとも1つを実行する。
【0072】
この結果、プロセス機器10は、任意のデータをより自由度高く、かつより低コストで送信できる。
【0073】
[さらにその他の実施形態]
さて、これまで本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。
【0074】
[システム]
上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更できる。
【0075】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られない。つまり、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0076】
さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0077】
[ハードウェア]
次に、プロセス機器10のハードウェア構成例を説明する。なお、他の装置も同様のハードウェア構成とすることができる。図12は、プロセス機器10のハードウェア構成例を示す図である。図12に示すように、プロセス機器10は、通信端子10a、不揮発メモリ10b、RAM(Random-Access Memory)10c、プロセッサ10dを有する。また、図12に示した各部は、バスなどで相互に接続される。
【0078】
通信端子10aは、イーサネット(登録商標)ポートなどであり、他の情報処理装置との通信を行う。不揮発メモリ10bは、フラッシュメモリなどであり、図3に示した機能を動作させるプログラムやDBを記憶する。
【0079】
プロセッサ10dは、図3に示した各処理部と同様の処理を実行するプログラムを不揮発メモリ10bなどから読み出してRAM10cに展開することで、図3などで説明した各機能を実行するスレッドを動作させる。例えば、このスレッドは、プロセス機器10が有する各処理部と同様の機能を実行する。具体的には、プロセッサ10dは、測定実行部41および可変データ送信部42などと同様の機能を有するプログラムを不揮発メモリ10bなどから読み出す。そして、プロセッサ10dは、測定実行部41および可変データ送信部42などと同様の処理を実行するスレッドを実行する。
【0080】
このように、プロセス機器10は、プログラムを読み出して実行することで各種処理方法を実行する情報処理装置として動作する。
【0081】
[その他]
開示される技術特徴の組合せのいくつかの例を以下に記載する。
【0082】
(1)測定値である第1のデータを第1の情報処理装置に送信する処理を実行する測定実行部と、
変更可能な可変データ設定ソフトウェアを外部から読み込み、前記可変データ設定ソフトウェアに設定された第1の定義に基づいて、前記第1のデータと同一もしくは異なるデータから第2のデータを選択し、前記第2のデータを第3のデータに変換して、前記第3のデータを第2の情報処理装置に送信する可変データ送信部と
を有することを特徴とする情報処理装置。
【0083】
(2)前記測定実行部を介さず、前記可変データ設定ソフトウェアを前記可変データ送信部に転送する処理を実行する可変データ設定部を有することを特徴とする(1)に記載の情報処理装置。
【0084】
(3)前記測定実行部が、
前記可変データ送信部に読み込まれた前記可変データ設定ソフトウェアを更新する
ことを特徴とする(1)に記載の情報処理装置。
【0085】
(4)前記可変データ送信部は、前記可変データ設定ソフトウェアとは別の可変データ設定ファイルに設定された第2の定義に基づいて、前記第1のデータと同一もしくは異なるデータから前記第2のデータを選択し、前記第2のデータを前記第3のデータに変換して、前記第3のデータを前記第2の情報処理装置に送信することを特徴とする(1)~(3)のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【0086】
(5)前記可変データ設定ソフトウェアおよび前記可変データ設定ソフトウェアとは別の可変データファイルは、外部記憶装置、IP通信、および近接無線通信の少なくとも1つを介して、前記可変データ送信部に前記外部から読み込まれることを特徴とする(1)~(4)のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【0087】
(6)前記第3のデータを送信するための通信インターフェースとして、IP通信上のプロトコルに対応するための有線または無線LAN通信インターフェースを有することを特徴とする(1)~(5)のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【0088】
(7)前記可変データ送信部は、前記可変データ設定ソフトウェアに設定された前記第1の定義に基づいて、前記第2のデータに対して少なくとも前記第3のデータの送信先に応じたデータ形式に変換する変換処理を実行することを特徴とする(1)~(6)のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【0089】
(8)前記可変データ送信部は、前記可変データ設定ソフトウェアに設定された前記第1の定義に基づいて、前記第2のデータに対して四則演算または条件分岐の少なくともいずれかの処理を実行することを特徴とする(1)~(7)のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【0090】
(9)前記可変データ送信部は、前記可変データ設定ソフトウェアに設定された前記第1の定義に基づいて、前記第3のデータの送信タイミングを制御することと、1つまたは複数の前記第2のデータを前記第2の情報処理装置に送信することとの少なくとも1つを実行することを特徴とする(1)~(8)のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【0091】
(10)情報処理装置が、
測定値である第1のデータを第1の情報処理装置に送信する処理を実行し、
変更可能な可変データ設定ソフトウェアを外部から読み込み、前記可変データ設定ソフトウェアに設定された第1の定義に基づいて、前記第1のデータと同一もしくは異なるデータから第2のデータを選択し、前記第2のデータを第3のデータに変換して、前記第3のデータを第2の情報処理装置に送信する
処理を実行することを特徴とする情報処理方法。
【0092】
(11)情報処理装置に、
測定値である第1のデータを第1の情報処理装置に送信する処理を実行し、
変更可能な可変データ設定ソフトウェアを外部から読み込み、前記可変データ設定ソフトウェアに設定された第1の定義に基づいて、前記第1のデータと同一もしくは異なるデータから第2のデータを選択し、前記第2のデータを第3のデータに変換して、前記第3のデータを第2の情報処理装置に送信する
処理を実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【符号の説明】
【0093】
10 プロセス機器
10a 通信端子
10b 不揮発メモリ
10c RAM
10d プロセッサ
20 通信部
30 記憶部
31 測定データDB
32 可変データ設定DB
33 可変データDB
40 制御部
41 測定実行部
42 可変データ送信部
50 ネットワーク
60 フィールドデジタル通信マスタ
61 データ解釈情報
90 可変データ設定部
91 可変データ設定ソフトウェア
92 可変データ設定ファイル
100、101 ITサービス
110 ゲートウェイ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12