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特開2024-95270LEDシート、LEDシート組合体及び培養システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095270
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】LEDシート、LEDシート組合体及び培養システム
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/62 20100101AFI20240703BHJP
   A01G 33/00 20060101ALI20240703BHJP
   C12M 1/00 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
H01L33/62
A01G33/00
C12M1/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022212436
(22)【出願日】2022-12-28
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.マジックテープ
(71)【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100202304
【弁理士】
【氏名又は名称】塙 和也
(72)【発明者】
【氏名】亀川 直人
(72)【発明者】
【氏名】渡部 壮周
【テーマコード(参考)】
2B026
4B029
5F142
【Fターム(参考)】
2B026AA05
2B026AB08
2B026AC03
4B029AA02
4B029BB04
4B029CC01
4B029DG10
4B029GA02
4B029GB01
4B029GB03
4B029GB10
5F142CA11
5F142CB17
5F142CB23
5F142CD17
5F142CD24
5F142CE06
5F142CE16
5F142EA18
5F142GA40
(57)【要約】      (修正有)
【課題】LEDシート同士を容易に連結させることが可能な、LEDシート、LEDシート組合体及び培養システムを提供する。
【解決手段】LEDシート20は、第1面と、第1面の反対側に位置する第2面とを有する基板31と、基板31の第1面上に位置する金属配線部22と、金属配線部22に実装された複数のLEDチップ21と、金属配線部22に接続され、他のLEDシート20と連結するときの受電用端子61と、金属配線部22に接続され、他のLEDシート20と連結するときの給電用端子62と、を備えている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
LEDシートであって、
第1面と、前記第1面の反対側に位置する第2面とを有する基板と、
前記基板の前記第1面上に位置する金属配線部と、
前記金属配線部に実装された複数のLEDチップと、
前記金属配線部に接続され、他のLEDシートと連結するときの受電用端子と、
前記金属配線部に接続され、他のLEDシートと連結するときの給電用端子と、を備える、LEDシート。
【請求項2】
前記金属配線部と、前記受電用端子及び前記給電用端子とを接続する電力供給配線を更に備える、請求項1に記載のLEDシート。
【請求項3】
前記電力供給配線の厚みは、18μm以上100μm以下であり、前記電力供給配線の線幅は、5mm以上30mm以下である、請求項2に記載のLEDシート。
【請求項4】
前記受電用端子及び前記給電用端子は、導電体であり、前記受電用端子の少なくとも一部、及び前記給電用端子の少なくとも一部は、露出している、請求項1に記載のLEDシート。
【請求項5】
前記受電用端子及び前記給電用端子は、前記第1面側又は前記第2面側に折り返し可能である、請求項1に記載のLEDシート。
【請求項6】
前記基板は、外側へ突出する突出部を含み、前記受電用端子及び前記給電用端子のうちの少なくとも一方は、前記突出部上に形成されている、請求項1に記載のLEDシート。
【請求項7】
前記LEDシートに、前記LEDチップのON状態と、前記LEDチップのOFF状態とを表示する表示部が設けられている、請求項1に記載のLEDシート。
【請求項8】
前記基板は、可撓性を有する、請求項1に記載のLEDシート。
【請求項9】
前記基板の平面形状は、k角形(kは3以上の自然数)であり、
前記給電用端子は、複数設けられており、
前記k角形のk個の辺のうち、少なくとも2個の辺にそれぞれ対応する位置に、前記給電用端子が設けられている、請求項1に記載のLEDシート。
【請求項10】
前記給電用端子は、k-1個以下設けられており、
各々の前記給電用端子は、前記k角形のk個の辺のうち、互いに異なる辺に対応する位置に設けられている、請求項9に記載のLEDシート。
【請求項11】
LEDシート組合体であって、
第1LEDシートと、
前記第1LEDシートに連結された第2LEDシートと、を備え、
前記第1LEDシート及び前記第2LEDシートは、それぞれ、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のLEDシートであり、
前記第1LEDシートの前記給電用端子は、前記第2LEDシートの前記受電用端子に接続されている、LEDシート組合体。
【請求項12】
前記第1LEDシートの前記給電用端子と、前記第2LEDシートの前記受電用端子とは、並列に接続されている、請求項11に記載のLEDシート組合体。
【請求項13】
前記第1LEDシート及び前記第2LEDシートに取り付けられた接続部材を更に備え、
前記第1LEDシートの前記給電用端子と、前記第2LEDシートの前記受電用端子とは、前記接続部材を介して、互いに接続されている、請求項11に記載のLEDシート組合体。
【請求項14】
前記第1LEDシート及び前記第2LEDシートに取り付けられた連結部材を更に備え、
前記第2LEDシートは、前記連結部材を介して、前記第1LEDシートに連結されている、請求項11に記載のLEDシート組合体。
【請求項15】
前記LEDシート組合体は、折り畳み可能である、請求項11に記載のLEDシート組合体。
【請求項16】
前記受電用端子及び前記給電用端子は、絶縁体で覆われている、請求項11に記載のLEDシート組合体。
【請求項17】
藻類を培養する培養チューブと、
前記培養チューブの外面を覆う、請求項11に記載のLEDシート組合体とを備える、培養システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、LEDシート、LEDシート組合体及び培養システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、再生可能エネルギーの資源として、藻類バイオ燃料が注目されている。藻類を培養する方式としては、いわゆる開放系のオープンポンドと、いわゆる閉鎖系のフォトバイオリアクターとがある。このうち、閉鎖系のフォトバイオリアクターは、開放系のオープンポンドと比較して、培養液の汚染を抑制できる。また、閉鎖系のフォトバイオリアクターは、屋内において一年中生産が可能であるため、藻類の生産性に優れている。このようなフォトバイオリアクターを用いた藻類の培養に関する技術として、例えば、光導波路を通じて発光ダイオードの光を培養槽に導光する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、照明装置として、従来の蛍光灯や高圧ナトリウムランプ等に替えて、近年、消費電力が少ないLEDを光源とする照明装置の需要が拡大している。LEDを光源とする照明装置の例として、フレキシブルタイプの回路基板に複数のLEDチップを配置して面状の光源を形成した動植物育成用のLED照明装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
ところで、藻類の培養システム又は動植物育成工場等においては、このようなLED照明装置は、複数のLED照明装置の回路基板同士を接続することにより、複数の照明装置を互いに連結させた状態で使用され得る。回路基板同士を接続するための技術として、接続パツドがコネクタの端子に接触することによって導通するフレキシブルサーキットにおいて、コネクタに挿入される先端部を絶縁させることが知られている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012-183002号公報
【特許文献2】特開2013-251230号公報
【特許文献3】特開平6-6003号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、LEDシート同士を容易に連結させることが可能な、LEDシート、LEDシート組合体及び培養システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1の態様は、LEDシートであって、第1面と、前記第1面の反対側に位置する第2面とを有する基板と、前記基板の前記第1面上に位置する金属配線部と、前記金属配線部に実装された複数のLEDチップと、前記金属配線部に接続され、他のLEDシートと連結するときの受電用端子と、前記金属配線部に接続され、他のLEDシートと連結するときの給電用端子と、を備える、LEDシートである。
【0008】
本開示の第2の態様は、上述した第1の態様によるLEDシートにおいて、前記LEDシートは、前記金属配線部と、前記受電用端子及び前記給電用端子とを接続する電力供給配線を更に備えていても良い。
【0009】
本開示の第3の態様は、上述した第2の態様によるLEDシートにおいて、前記電力供給配線の厚みは、18μm以上100μm以下であっても良く、前記電力供給配線の線幅は、5mm以上30mm以下であっても良い。
【0010】
本開示の第4の態様は、上述した第1の態様から上述した第3の態様のそれぞれによるLEDシートにおいて、前記受電用端子及び前記給電用端子は、導電体であっても良く、前記受電用端子の少なくとも一部、及び前記給電用端子の少なくとも一部は、露出していても良い。
【0011】
本開示の第5の態様は、上述した第1の態様から上述した第4の態様のそれぞれによるLEDシートにおいて、前記受電用端子及び前記給電用端子は、前記第1面側又は前記第2面側に折り返し可能であっても良い。
【0012】
本開示の第6の態様は、上述した第1の態様から上述した第5の態様のそれぞれによるLEDシートにおいて、前記基板は、外側へ突出する突出部を含み、前記受電用端子及び前記給電用端子のうちの少なくとも一方は、前記突出部上に形成されていても良い。
【0013】
本開示の第7の態様は、上述した第1の態様から上述した第6の態様のそれぞれによるLEDシートにおいて、前記LEDシートに、前記LEDチップのON状態と、前記LEDチップのOFF状態とを表示する表示部が設けられていても良い。
【0014】
本開示の第8の態様は、上述した第1の態様から上述した第7の態様のそれぞれによるLEDシートにおいて、前記基板は、可撓性を有していても良い。
【0015】
本開示の第9の態様は、上述した第1の態様から上述した第8の態様のそれぞれによるLEDシートにおいて、前記基板の平面形状は、k角形(kは3以上の自然数)であっても良く、前記給電用端子は、複数設けられていても良く、前記k角形のk個の辺のうち、少なくとも2個の辺にそれぞれ対応する位置に、前記給電用端子が設けられていても良い。
【0016】
本開示の第10の態様は、上述した第9の態様によるLEDシートにおいて、前記給電用端子は、k-1個以下設けられていても良く、各々の前記給電用端子は、前記k角形のk個の辺のうち、互いに異なる辺に対応する位置に設けられていても良い。
【0017】
本開示の第11の態様は、LEDシート組合体であって、第1LEDシートと、前記第1LEDシートに連結された第2LEDシートと、を備え、前記第1LEDシート及び前記第2LEDシートは、それぞれ、上述した第1の態様から上述した第10の態様のいずれかによるLEDシートであり、前記第1LEDシートの前記給電用端子は、前記第2LEDシートの前記受電用端子に接続されている、LEDシート組合体である。
【0018】
本開示の第12の態様は、上述した第11の態様によるLEDシート組合体において、前記第1LEDシートの前記給電用端子と、前記第2LEDシートの前記受電用端子とは、並列に接続されていても良い。
【0019】
本開示の第13の態様は、上述した第11の態様又は上述した第12の態様によるLEDシート組合体において、前記LEDシート組合体は、前記第1LEDシート及び前記第2LEDシートに取り付けられた接続部材を更に備えていても良く、前記第1LEDシートの前記給電用端子と、前記第2LEDシートの前記受電用端子とは、前記接続部材を介して、互いに接続されていても良い。
【0020】
本開示の第14の態様は、上述した第11の態様から上述した第13の態様のそれぞれによるLEDシート組合体において、前記LEDシート組合体は、前記第1LEDシート及び前記第2LEDシートに取り付けられた連結部材を更に備えていても良く、前記第2LEDシートは、前記連結部材を介して、前記第1LEDシートに連結されていても良い。
【0021】
本開示の第15の態様は、上述した第11の態様から上述した第14の態様のそれぞれによるLEDシート組合体において、前記LEDシート組合体は、折り畳み可能であっても良い。
【0022】
本開示の第16の態様は、上述した第11の態様から上述した第15の態様のそれぞれによるLEDシート組合体において、前記受電用端子及び前記給電用端子は、絶縁体で覆われていても良い。
【0023】
本開示の第17の態様は、藻類を培養する培養チューブと、前記培養チューブの外面を覆う、上述した第11の態様から上述した第16の態様のいずれかによるLEDシート組合体とを備える、培養システムである。
【発明の効果】
【0024】
本実施の形態によれば、LEDシート同士を容易に連結させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、一実施の形態による培養システムを示す斜視図である。
図2図2は、一実施の形態による培養システムを示す垂直断面図である。
図3図3は、一実施の形態による培養システムのLEDシート組合体を示す概略図である。
図4図4は、一実施の形態による培養システムのLEDシートを示す平面図である。
図5図5(a)-(b)は、培養システムのLEDシートの変形例を示す平面図である。
図6図6(a)は、制御部からLEDシートに直流定電圧が印加される場合における時間と電圧の関係を示すグラフであり、図6(b)は、比較例としてLEDシートにパルスが印加される場合における時間と電圧の関係を示すグラフである。
図7図7は、一実施の形態による培養システムのLEDシートを示す断面図(図4のVII-VII線断面図)である。
図8図8は、一実施の形態による培養システムのLEDシートを示す断面図(図3のVIII-VIII線断面図)である。
図9図9は、一実施の形態によるLEDシート組合体を示す展開図である。
図10図10は、一実施の形態によるLEDシート組合体を示す断面図(図9のX-X線断面図)である。
図11図11は、一実施の形態によるLEDシート組合体を示す断面図(図10に対応する断面図)である。
図12図12は、一実施の形態による培養システムの粘着部材を示す平面図である。
図13図13(a)-(h)は、一実施の形態による培養システムのLEDシートの製造方法を示す断面図である。
図14図14は、一実施の形態による培養システムの使用例を示す概略斜視図である。
図15図15は、一実施の形態による培養システムの使用例を示す概略斜視図である。
図16図16は、一実施の形態によるLEDシート組合体の第1変形例を示す概略図である。
図17図17は、一実施の形態によるLEDシート組合体の第2変形例を示す概略図である。
図18図18は、一実施の形態によるLEDシート組合体の第2変形例を示す断面図(図17のXVIII-XVIII線断面図)である。
図19図19は、一実施の形態によるLEDシート組合体の第3変形例を示す概略展開図である。
図20図20(a)-(f)は、一実施の形態によるLEDシート組合体の第3変形例の他の例を示す概略斜視図である。
図21図21は、一実施の形態によるLEDシート組合体の第3変形例の他の例を示す概略図である。
図22図22は、一実施の形態によるLEDシート組合体の第3変形例の他の例を示す概略図である。
図23図23は、一実施の形態によるLEDシート組合体の第4変形例を示す断面図(図18に対応する断面図)である。
図24図24は、一実施の形態によるLEDシート組合体の第5変形例を備える培養システムを示す斜視図である。
図25図25(a)-(f)は、一実施の形態によるLEDシート組合体の第6変形例を示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照しながら一実施の形態について具体的に説明する。以下に示す各図は、模式的に示した図である。そのため、各部の大きさ、形状は理解を容易にするために、適宜誇張している。また、技術思想を逸脱しない範囲において適宜変更して実施できる。なお、以下に示す各図において、同一部分には同一の符号を付しており、一部詳細な説明を省略する場合がある。また、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名は、実施の形態としての一例であり、これに限定されることなく、適宜選択して使用できる。本明細書において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば平行や直交、垂直等の用語については、厳密に意味するところに加え、実質的に同じ状態も含めて解釈することとする。なお、本明細書中、「上」及び「下」とは、それぞれ培養チューブを正立させた状態(図1及び図2)における上方及び下方のことをいう。
【0027】
(培養システム)
図1及び図2に示すように、培養システム1は、藻類を培養する培養チューブ10と、培養チューブ10の外面を覆うLEDシート組合体20Aとを備えている。LEDシート組合体20Aは、複数のLEDシート20を備えている。また、複数のLEDシート20のうち、1つのLEDシート20には、制御部40が電気的に接続されている。
【0028】
培養チューブ10は、中空状の胴部11と、胴部11の下方に設けられた底部12と、胴部11の上方に設けられた蓋部13とを備えている。胴部11は、円筒形状をもっている。なお、胴部11が四角形筒形状や八角形筒形状等の多角形筒形状をもっていても良い。
【0029】
底部12は、平面視円形状であり、胴部11の下端に連結されている。この底部12は、胴部11と一体に成形されていても良く、胴部11に対して着脱自在に取り付けられていても良い。なお、底部12の平面形状は、楕円形状、又は四角形形状等の多角形形状であっても良い。
【0030】
蓋部13は、平面視円形状であり、胴部11の上端に連結されている。この蓋部13は、胴部11に対して着脱自在に取り付けられていても良い。なお、蓋部13の平面形状は、楕円形状、又は四角形形状等の多角形形状であっても良い。
【0031】
このような培養チューブ10内には、培養液CSが充填されている。培養チューブ10を構成する材料としては、例えば、ガラス(屈折率:約1.55)、ポリカーボネート(屈折率:約1.58)又はアクリル等の樹脂材料等が用いられても良い。
【0032】
次に、LEDシート組合体20Aについて詳細に説明する。上述したように、LEDシート組合体20Aは、複数のLEDシート20を備えている。図示された例においては、LEDシート組合体20Aは、第1LEDシート201と、第2LEDシート202と、第3LEDシート203とを備えている(図1及び図2参照)。このうち、第2LEDシート202は、第1LEDシート201に連結されている。また、第3LEDシート203は、第2LEDシート202に連結されている。本実施の形態では、複数のLEDシート20(第1LEDシート201、第2LEDシート202及び第3LEDシート203)は、LEDチップ21の第1の配列方向(X方向、図3及び図9参照)に沿って配置されている。このLEDシート組合体20Aは、後述するように折り畳み可能であっても良い。なお、本明細書において、第1LEDシート201、第2LEDシート202又は第3LEDシート203を、単にLEDシート20とも称する。また、LEDシート組合体20Aは、4つ以上のLEDシート20を備えていても良い。
【0033】
また、LEDシート組合体20Aは、連結部材26を更に備えている。図示された例においては、LEDシート組合体20Aは、複数(2つ)の連結部材26を備えている。なお、連結部材26の個数は、これに限られない。例えば、図示はしないが、LEDシート組合体20Aが連結部材26を1つのみ備えていても良く、LEDシート組合体20Aが3つ以上の連結部材26を備えていても良い。本実施の形態では、2つの連結部材26のうち、一方の連結部材26は、第1LEDシート201及び第2LEDシート202に着脱自在に取り付けられている。そして、第2LEDシート202は、連結部材26を介して、第1LEDシート201に連結されている。また、他方の連結部材26は、第2LEDシート202及び第3LEDシート203に着脱自在に取り付けられている。そして、第3LEDシート203は、連結部材26を介して、第2LEDシート202に連結されている。なお、連結部材26は、第1LEDシート201等に対して、着脱できないように取り付けられていても良い。
【0034】
この連結部材26は、例えば、両面テープ若しくはマジックテープ等のテープ、接着剤、又はリベット等であっても良い。また、連結部材26は、インシュロック等の紐状の部材であっても良い。連結部材26が紐状の部材である場合、例えば、LEDシート20に、LEDシート20を貫通する貫通孔(図示せず)を形成するとともに、この貫通孔に連結部材26を通すことにより、LEDシート20同士を連結しても良い。この場合、貫通孔の周囲をハトメ(図示せず)によって保護しても良い。なお、図示された例においては、連結部材26は、LEDシート20の発光面20aとは反対側から、LEDシート20同士を連結しているが、これに限られない。連結部材26は、LEDシート20の発光面20a側から、LEDシート20同士を連結していても良く、LEDシート20の発光面20a側、及び発光面20aとは反対側から、LEDシート20同士を連結していても良い。
【0035】
LEDシート組合体20Aは、各々のLEDシート20の発光面20aが培養チューブ10に対面するように、培養チューブ10に巻き付けられている。このLEDシート20は、培養チューブ10の胴部11を覆っている。LEDシート20は、培養チューブ10の胴部11の周方向において、胴部11の全域を覆っていることが好ましい。これにより、胴部11の全周から培養チューブ10内に光を照射できる。このため、藻類の育成効率を高めることができる。また、LEDシート20は、培養チューブ10の胴部11の長手方向において、胴部11の全域を覆っていることが好ましい。これにより、光の利用効率を更に高めることができる。
【0036】
ここで、LEDシート20に、後述するLEDチップ21のON状態と、LEDチップ21のOFF状態とを表示する表示部25が設けられても良い。これにより、LEDシート20を培養チューブ10に巻き付けた場合であっても、LEDチップ21のON状態とOFF状態とを容易に確認できる。本実施の形態では、表示部25は、LEDシート20を貫通する貫通孔である。この場合、LEDチップ21が点灯している場合には、表示部25から光がわずかに漏れる。一方、LEDチップ21が点灯していない場合には、表示部25から光は漏れない。このようにして、LEDチップ21のON状態とOFF状態とを容易に確認できるように構成されている。
【0037】
なお、表示部25を形成する際、LEDシート20に貫通孔を形成することなく、後述する基板31のみを残しても良い。この場合においても、基板31が透明であることにより、LEDチップ21のON状態とOFF状態とを容易に確認できる。また、図示された例においては、貫通孔の形状は、正面視長方形形状となっているが、貫通孔のサイズや形状については特に限定されるものではない。また、複数の貫通孔が形成されていても良い。例えば、各々のLEDチップ21の近傍に、貫通孔が1つずつ形成されていても良い。これにより、破損したLEDチップ21を容易に特定できる。
【0038】
図3及び図4に示すように、LEDシート20は、いわゆる片面出光型の面状の光源シートである。このLEDシート20の発光面20a側に、複数のLEDチップ21が配列されている。このような直下型のLEDシート20を用いることで、LEDチップ21からの照射光がそのまま発光面20aを通過する。このため、照射光の光量を強くでき、藻類の培養を促すことができる。また、LEDシート20は、LEDバーライトに比べて全体の厚みを薄くできるため、LEDチップ21の側部側に影が発生することを抑制できる。
【0039】
図4のLEDシート20は、フレキシブル配線基板30と、フレキシブル配線基板30の後述する金属配線部32に実装された複数のLEDチップ21と、受電用端子61と、給電用端子62と、を備えている。このようなフレキシブル配線基板30を用いることで、シート面の面積が比較的大きいLEDシート20を得ることができる。シート面の面積が比較的大きいLEDシート20は、使用するLEDシート20の数を減らすことができるので、複数のLEDシート20を配置することによって発生し得る光量のばらつきを抑制できる。シート面の面積が比較的大きいLEDシート20は、例えば、600mm×500mm程度の大きさであっても良い。なお、図4において、後述する光反射性絶縁保護膜34及び透明保護膜35の表示を省略している。
【0040】
この場合、LEDチップ21は、フレキシブル配線基板30上に規則的に配置されている。具体的には、LEDチップ21は、フレキシブル配線基板30内で、平面視で格子点状に配置されている。すなわちLEDチップ21は、マトリックス状に多段多列に配置されており、直列にM個接続されたLEDチップ21の列Rが、N列配置されている。
【0041】
例えば図4において、LEDチップ21は、LEDチップ21の第1の配列方向(X方向)に沿って、14個(M=14)直列に接続されている。さらに、この14個のLEDチップ21をもつ列Rが、LEDチップ21の第2の配列方向(Y方向)に沿って、10列(N=10)並列に配置されている。なお、LEDチップ21の配置数は、これに限られるものではない。具体的には、LEDチップ21は、第1の配列方向(X方向)に6個以上直列に配置されていても良く(M≧6)、10個以上直列に配置されていても良い(M≧10)。また、LEDチップ21は、第1の配列方向(X方向)に14個以下直列に配置されていても良く(14≧M)、12個以下直列に配置されていても良い(12≧M)。また、この列Rが、LEDチップ21の第2の配列方向(Y方向)に4列以上並列に配置されても良く(N≧4)、6列以上並列に配置されることが好ましい(N≧6)。さらに、この列Rが、LEDチップ21の第2の配列方向(Y方向)に10列以下並列に配置されても良く(10≧N)、8列以下並列に配置されることが好ましい(8≧N)。LEDチップ21が10個以上直列に配置されることにより、第1の配列方向(X方向)におけるLEDチップ21同士の間隔を短くできる。これにより、LEDシート20の照度の面内ばらつきが抑えられる。このため、培養チューブ10に照射する光のばらつきを抑制できる。また、LEDチップ21が14個以下直列に配置されることにより、消費電力を削減できる。また、LEDチップ21の列が、LEDチップ21の第2の配列方向(Y方向)に4列以上並列に配置されることにより、特定のLEDチップ21が破損した場合でも、他の列のLEDチップ21に波及しないようにできる。これにより、LEDシート20全体の照度が、極端に低下することを抑止できる。ところで、LEDシート20が直下型の場合には、LEDシート20の設置や取り外しのときに、作業者が、LEDチップ21に接触する可能性が高まる。そして、作業者が、LEDチップ21に誤って強く接触した場合、LEDチップ21が破損するおそれが高まる。このため、LEDチップ21が破損した場合の対策を行っておくことは、リスク管理の観点で重要である。さらに、LEDチップ21の列が10列以下並列に配置されることにより、消費電力を削減できる。
【0042】
LEDシート20は、複数の金属配線部22を備えている。複数の金属配線部22は、第1の配列方向(X方向)に沿って配列されている。第1の配列方向(X方向)に沿って配列された複数の金属配線部22は、それぞれLEDチップ21の各列Rに対応している。LEDチップ21は、それぞれX方向に互いに隣接する一対の金属配線部22同士を跨ぐように配置されている。また、LEDチップ21の図示しない各端子は、一対の金属配線部22にそれぞれ電気的に接続されている。複数の金属配線部22は、LEDチップ21への給電部を構成しており、複数の金属配線部22に電力が供給されることにより、当該列Rに配置されたLEDチップ21が全て点灯する。なお、複数の金属配線部22は、後述する金属配線部32の一部を構成する。
【0043】
第1の配列方向(X方向)におけるLEDチップ21同士の間隔Pxは、15mm以上であっても良く、25mm以上とすることが好ましい。また、LEDチップ21同士の間隔Pxは、100mm以下であっても良く、60mm以下とすることが好ましい。また、第2の配列方向(Y方向)におけるLEDチップ21同士の間隔Pyは、15mm以上であっても良く、25mm以上とすることが好ましい。また、LEDチップ21同士の間隔Pyは、100mm以下であっても良く、75mm以下とすることが好ましい。LEDチップ21同士の間隔を上記範囲とすることにより、LEDシート20の輝度を面内で均一にできる。このため、空間に照射する光のばらつきを抑制するとともに、LEDシート20の消費電力を抑えることができる。
【0044】
LEDシート20のうち最も厚い部分における厚みは、5mm以下とすることが好ましい。このようにLEDシート20の厚みを薄くすることにより、LEDシート20を培養チューブ10に取り付けた際に、LEDシート20が嵩張ってしまうことを抑制できる。これにより、限られたスペースであっても、培養チューブ10にLEDシート20を容易に取り付けることができる。
【0045】
LEDチップ21の配列は、平面視格子点状に限られるものではなく、図5(a)に示すように、平面視で千鳥状に配置されていても良い。また、LEDチップ21は、LEDシート20の面内で均一に配置されていなくても良い。例えば、LEDシート20の周縁部において、LEDチップ21の密度がより高められても良い。具体的には、図5(b)に示すように、LEDシート20の中央部(図5(b)の下部)において、LEDチップ21が格子点状に配置され、LEDシート20の周縁部(図5(b)の上部)において、LEDチップ21が千鳥状に配置されても良い。これにより、LEDシート20の周縁部におけるLEDシート20の輝度の低下を抑制し、LEDシート20の輝度を面内で均一にして、空間に照射する光のばらつきを抑制できる。
【0046】
LEDシート20の全体形状は、平面視長方形形状となっているが、LEDシート20のサイズや平面形状については特に限定されるものではない。LEDシート20は、サイズや形状の加工の自由度が高いため、この点に関する様々な需要に対しても柔軟に対応できる。また、LEDシート20が可撓性を有するため、フラットな形状をもつ設置面に限らず、様々な形状をもつ設置面への取付けができる。
【0047】
図4において、LEDシート20の第1の配列方向(X方向)の長さLxは、500mm以上とすることが好ましく、550mm以上とすることが更に好ましい。また、LEDシート20の第1の配列方向(X方向)の長さLxは、750mm以下とすることが好ましく、650mm以下とすることが更に好ましい。LEDシート20の第2の配列方向(Y方向)の長さLyは、300mm以上とすることが好ましく、350mm以上とすることが更に好ましい。また、LEDシート20の第2の配列方向(Y方向)の長さLyは、500mm以下とすることが好ましく、450mm以下とすることが更に好ましい。個々のLEDシート20の大きさが過度に小さ過ぎないことにより、LEDシート20からの光量を増やすことができる。また、個々のLEDシート20の大きさが過度に大き過ぎないことにより、特定のLEDチップ21が破損した場合に、他のLEDチップ21に影響が及ぶことを最低限に抑えることができる。このため、LEDシート20全体の照度が極端に低下することを防止し、かつ、照度が低下する範囲を限定できる。
【0048】
次に、制御部40について説明する。図3に示すように、制御部40は、LEDシート20に電力を供給するとともに、LEDシート20の発光等を制御するものである。この制御部40は、LEDシート20上に設けられた図示しないコネクタを介して、LEDシート20に対して着脱自在に接続される。すなわち、制御部40は、LEDシート20と別体に構成され、LEDシート20に対して外付けで接続される。言い換えれば、制御部40は、LEDシート20と一体化されていない。これにより、制御部40をLEDシート20から分離することができ、制御部40を任意の場所に設置できる。このため、限られたスペースであっても、培養チューブ10にLEDシート20を容易に取り付けることができる。
【0049】
また、制御部40は、電力入力部41と、AC/DCコンバーター(ドライバー)42と、PWM制御部43とを有している。このうち電力入力部41には、例えば100V乃至240Vの任意の電圧をもつ交流の電圧が供給される。AC/DCコンバーター42は、100V乃至240Vの交流電圧を定圧(例えば44V)の直流電圧に変換する。PWM制御部43は、AC/DCコンバーター42からの定電圧波形のパルス幅を任意に変化させることにより、LEDシート20のLEDチップ21の調光を行う。すなわち、PWM制御部43は、LEDシート20の調光を制御する調光制御部としての役割も果たす。PWM制御部43から出力される定電圧は、LEDシート20に印加される。
【0050】
本実施の形態では、制御部40のPWM制御部43から、LEDシート20に直流定電圧が印加される。これにより、LEDシート20に直接整流化されたパルス電圧が印加される場合と異なり、LEDチップ21の調光を行うことが可能となる。すなわち、PWM制御部43は、AC/DCコンバーター42からの直流電圧のデューティー比を適宜変化させることにより、LEDチップ21の照度を任意に制御できる。例えば、図6(a)に示すように、PWM制御部43は、AC/DCコンバーター42からの定電圧のデューティー比を100%(実線)から50%(点線)に抑えることにより、LEDチップ21の照度を低下させることができる。
【0051】
このようにLEDチップ21の照度を調節する場合、例えば、藻類の成長度合い応じてLEDシート20の照度を調節しても良い。これにより、藻類の生育の度合いを調整できる。例えば、藻類のサイズが小さい生育初期には、LEDシート20の照度を低くし、藻類のサイズが大きくなり、培養チューブ10内において藻類が生い茂る生育後期には、LEDシート20の照度を高くしても良い。LEDシート20の照度調整の他の例としては、高い照度が必要な種類の藻類のときは照度を高くし、低い照度でも育成できる種類の藻類のときは照度を低くても良い。また、出荷の時期を早めたいときは照度を高くし、出荷の時期を遅らせたいときは照度を低くしても良い。
【0052】
また、PWM制御部43からLEDシート20に直流定電圧が印加されることにより、LEDシート20からの光の単位時間あたりの積算光量を増加できる。すなわち、例えば、LEDシート20に直流定電圧が印加された場合における積算光量(図6(a)の網掛け部分の面積)を、比較例としてパルスで電圧が印加される場合における積算光量(図6(b)の網掛け部分の面積)よりも大きくできる。これにより、LEDシート20からの光の発光効率を高め、藻類の育成効率を向上できる。
【0053】
再度図3を参照すると、LEDシート20には、レギュレータ45が設けられている。この場合、レギュレータ45は、LEDチップ21の各列に対応してそれぞれ設けられており、具体的には、10列のLEDチップ21の列に対応して10個のレギュレータ45が設けられている。このレギュレータ45は、各列の複数のLEDチップ21に流れる電流を一定に保持する役割を果たす。これにより、1つのLEDチップ21が破損した場合でも、他の列のLEDチップ21に過大な電流が流れることを抑え、他の列のLEDチップ21が破損しないようにできる。この結果、LEDシート20全体の照度が極端に低下することを防止でき、空間に照射する光のばらつきを抑制できる。
【0054】
上述したように、LEDシート20は、受電用端子61と、給電用端子62とを備えている。受電用端子61及び給電用端子62は、それぞれ、基板31の表面31a上に配置されており、後述する金属配線部32に接続されている。受電用端子61及び給電用端子62は、LEDシート20を他のLEDシート20と連結するときに使用される端子である。具体的には、受電用端子61は、制御部40又は他のLEDシート20から供給される電力を受け取るための端子である。給電用端子62は、他のLEDシート20に対して、電力を供給するための端子である。受電用端子61及び給電用端子62の詳細については後述する。
【0055】
(LEDシートの各部材)
次に、LEDシート20を構成する各部材について説明する。図7に示すように、LEDシート20は、フレキシブル配線基板30と、フレキシブル配線基板30上に配置された複数のLEDチップ21とを備えている。このうちフレキシブル配線基板30は、基板31と、基板31上の金属配線部32とを備えている。金属配線部32は、接着剤層33を介して基板31に積層されている。基板31は、発光面20a側の面である表面(第1面)31aと、表面31aの反対側に位置する裏面(第2面)31bとを有している。
【0056】
各LEDチップ21は、金属配線部32に導通可能な態様で実装されている。このLEDシート20においては、LEDチップ21がフレキシブル配線基板30に実装されていることにより、複数のLEDチップ21を、所望の高い密度で配置することが可能である。
【0057】
金属配線部32は、基板31の表面31a上に位置している。金属配線部32上には、光反射性絶縁保護膜34が形成されている。この光反射性絶縁保護膜34は、LEDシート20のうち、LEDチップ21、レギュレータ45、受電用端子61又は給電用端子62が設けられている領域には形成されていない。また、光反射性絶縁保護膜34は、LEDチップ21、レギュレータ45、受電用端子61又は給電用端子62が設けられている領域の周辺領域には形成されていない。光反射性絶縁保護膜34は、LEDシート20の耐マイグレーション特性の向上に寄与する絶縁機能と、LEDシート20により作られる光環境の向上に寄与する光反射機能とを兼ね備える層である。この層は、白色顔料を含む絶縁性の樹脂組成物により形成される。前述の金属配線部32と後述の透明保護膜35とによって、耐マイグレーション特性及び光反射機能が得られる場合には、金属配線部32上に光反射性絶縁保護膜34が形成されていなくても良い。
【0058】
光反射性絶縁保護膜34及びLEDチップ21を覆うように、透明保護膜35が形成されている。透明保護膜35は、主としてLEDシート20の防水性を確保するために、その最表面(最も発光面20a側に位置する面)に形成される樹脂性の膜である。
【0059】
また、金属配線部32上には、ハンダ部36が設けられている。各LEDチップ21は、それぞれハンダ部36を介して、金属配線部32に電気的に接続されている。
【0060】
再度図3を参照すると、LEDシート20は、金属配線部32と、受電用端子61及び給電用端子62とを接続する電力供給配線63を更に備えている。電力供給配線63は、受電用端子61から分岐している。また、電力供給配線63は、基板31の表面31a上に配置されており、10列のLEDチップの列Rの取り囲むように、LEDチップ21の外側に配置されている。電力供給配線63は、LEDシート20と同一の構成をもつ他のLEDシート20の電力供給配線63に対して電気的に接続される。すなわち、電力供給配線63は、給電用端子62及び他のLEDシート20の他の受電用端子61を介して、LEDシート20の電力供給配線63に着脱自在に接続される。電力供給配線63からの電流は、給電用端子62及び他のLEDシート20の受電用端子61を介して、他のLEDシート20に供給される。これにより、2つのLEDシート20を連結し、これら2つのLEDシート20を1つの制御部40によって同時に制御できる。1つの制御部40によって複数のLEDシート20を同時に制御できることによって、制御部40の数を減らすことができるので、培養システム1が嵩張ってしまうことを抑制できる。このため、限られたスペースであっても培養システム1を容易に設置できる。
【0061】
(基板)
本実施の形態では、基板31は、可撓性を有している。基板31は、可撓性を有する樹脂フィルムを用いることができる。なお、本明細書中、「可撓性を有する」とは、「折り曲げた際の曲率半径が、少なくとも1m以下、好ましくは50cm、より好ましくは30cm、更に好ましくは10cm、特に好ましくは5cmであること」をいう。
【0062】
本実施の形態では、基板31は、外側へ突出する突出部31cを含んでいる。この突出部31c上には、給電用端子62が形成されている。
【0063】
基板31の平面形状は、LEDシート20の全体の平面形状と略同一であっても良く、四角形(長方形)であっても良い(図3参照)。しかしながら、基板31の平面形状は、特に限定されるものではない。基板31の平面形状は、例えば、k角形(kは3以上の自然数)であっても良い。なお、kの上限は特にないが、例えば、8以下としても良く、6以下としても良い。また、本明細書中、基板31の平面形状とは、基板31のうち、受電用端子61又は給電用端子62が形成された突出部31cを除く領域の平面形状を意味する。
【0064】
基板31の材料としては、耐熱性及び絶縁性が高い熱可塑性樹脂が用いられても良い。このような樹脂として、耐熱性と加熱時の寸法安定性、機械的強度、及び耐久性に優れるポリイミド樹脂(PI)や、ポリエチレンナフタレート(PEN)を用いることができる。中でも、アニール処理等の耐熱性向上処理を施すことによって耐熱性と寸法安定性を向上させたポリエチレンナフタレート(PEN)が、好ましく用いられる。また、難燃性の無機フィラー等を添加することによって難燃性を向上させたポリエチレンテレフタレート(PET)が用いられても良い。
【0065】
基板31の表面31aは、培養チューブ10に対面する。この表面31aは、白色に着色されていることが好ましい。これにより、培養チューブ10から外部に漏れ出る光を効果的に反射させることができ、光の利用効率を更に向上できる。
【0066】
基板31の厚さは、特に限定されない。基板31の厚さは、放熱経路としてボトルネックにならないこと、耐熱性及び絶縁性を有すること、及び、製造コストのバランスとの観点から、概ね10μm以上とすることが好ましく、50μm以上であることが更に好ましい。また、基板31の厚さは、500μm以下とすることが好ましく、250μm以下であることが更に好ましい。また、ロール・トゥ・ロール方式による製造を行う場合の生産性を良好に維持する観点からも、基板31の厚さは、上記厚さ範囲内であることが好ましい。
【0067】
(接着剤層)
接着剤層33を形成する接着剤は、公知の樹脂系接着剤が適宜用いられても良い。それらの樹脂接着剤のうち、ウレタン系、ポリカーボネート系、シリコーン系、エステル系又はエポキシ系の接着剤等が特に好ましく用いられ得る。
【0068】
(金属配線部)
金属配線部32は、基板31の表面31a(発光面20a側の面)に金属箔等の導電性基材によって形成される配線パターンである。この金属配線部32は、基板31の表面31aへ接着剤層33を介してドライラミネート法によって形成されることが好ましい。金属配線部32は、上述した複数の金属配線部22を含む。複数の金属配線部22は、第1の金属配線部22Aと、第1の金属配線部22Aから離間して配置された第2の金属配線部22Bとを含む。第1の金属配線部22A及び第2の金属配線部22Bには、LEDチップ21が搭載され、LEDチップ21は、第1の金属配線部22A及び第2の金属配線部22Bに電気的に接続されている。第1の金属配線部22A及び第2の金属配線部22Bに供給される電力によりLEDチップ21が点灯するようになっている。
【0069】
金属配線部32は、放熱性と電気伝導性を高い水準で両立させるものであることが好ましく、例えば銅箔を用いることができる。この場合、LEDチップ21からの放熱性が安定し、電気抵抗の増加を防げるので、LEDチップ21間の発光バラツキが小さくなって安定した発光が可能となる。また、LEDチップ21の寿命も延長される。更に、熱による基板31等の周辺部材の劣化も防止できるので、LEDシート20の製品寿命も延長できる。金属配線部32を形成する金属の例としては、上記の銅の他、アルミニウム、金、銀等の金属を挙げることができる。
【0070】
金属配線部32の厚さは、フレキシブル配線基板30に要求される耐電流の大きさ等に応じて適宜設定すれば良い。但し、リフロー方式等によるハンダ加工処理時の基板31の熱収縮による反りを抑制するためには、金属配線部32の厚さが10μm以上であることが好ましい。一方、金属配線部32の厚さは、50μm以下であることが好ましく、これにより、フレキシブル配線基板30の十分な可撓性を維持することができ、重量増大によるハンドリング性の低下等も抑止できる。
【0071】
(ハンダ部)
ハンダ部36は、金属配線部32とLEDチップ21との接合を行うものである。このハンダによる接合は、リフロー方式、あるいは、レーザー方式の2方式のいずれかによることができる。
【0072】
(LEDチップ)
LEDチップ21は、P型半導体とN型半導体が接合されたPN接合部での発光を利用した発光素子である。LEDチップ21としては、P型電極及びN型電極をそれぞれ素子の上面及び下面に設けた構造であっても良く、素子の片面にP型電極及びN型電極の双方が設けられた構造であっても良い。
【0073】
また、LEDチップ21としては、発光効率が高いものを選択することが好ましい。具体的には、LEDチップ21として、150lm/W以上の発光効率を有しているものを用いることが好ましく、180lm/W以上の発光効率を有しているものを用いることが更に好ましい。LEDチップ21の発光効率を150lm/W以上に高めることにより、LEDチップ21の実装数(密度)を下げ、LEDチップ21からのジュール熱による発熱を少なくすることができ、LEDチップ21からの熱による基板31等の周辺部材の劣化を防止できる。
【0074】
LEDシート20は、上述の通り、高い放熱性を発揮できる金属配線部32に、LEDチップ21を直接実装するものである。これにより、LEDチップ21を高密度で配置した場合においても、LEDチップ21の点灯時に発生する過剰な熱を、金属配線部32を通して速やかに拡散できる。このため、基板31を介してLEDシート20の外部へ十分放熱することができ、LEDチップ21からの熱による基板31等の周辺部材の劣化を防止できる。
【0075】
(光反射性絶縁保護膜)
図7に示すように、光反射性絶縁保護膜34は、LEDチップ21が設けられている領域及びその周辺領域を除く領域に形成される層である。この光反射性絶縁保護膜34は、十分な絶縁性を有することにより、フレキシブル配線基板30の耐マイグレーション特性を向上させる所謂レジスト層であり、かつLEDシート20により作られる光環境の発光輝度の向上に寄与する光反射性を備えた光反射層である。
【0076】
光反射性絶縁保護膜34は、ウレタン系樹脂等をベース樹脂とし、酸化チタン等の無機フィラーからなる白色顔料を更に含有する各種の樹脂組成物により形成できる。光反射性絶縁保護膜34を形成するために用いる樹脂組成物のベース樹脂としては、ウレタン系樹脂の他、アクリル系ポリウレタン樹脂、ポリエステル系樹脂、フェノール系樹脂等を適宜用いることができる。光反射性絶縁保護膜34を形成する樹脂組成物のベース樹脂としては、透明保護膜35を形成する樹脂組成物と同一又は同系の樹脂をベース樹脂とすることがより好ましい。透明保護膜35については、後述するように、アクリル系ポリウレタン樹脂を主たる材料樹脂として用いることが好ましい。これより、透明保護膜35を形成する樹脂組成物のベース樹脂がアクリル系ポリウレタン樹脂である場合には、光反射性絶縁保護膜34を形成するための樹脂組成物のベース樹脂はウレタン系樹脂又はアクリル系ポリウレタン樹脂とすることがより好ましい。
【0077】
光反射性絶縁保護膜34を形成する樹脂組成物に白色顔料として含有させる無機フィラーとしては、酸化チタンの他、アルミナ、硫酸バリウム、マグネシア、チッ化アルミニウム、チッ化ホウ素、チタン酸バリウム、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、シリカ、マイカ粉、粉末ガラス、粉末ニッケル及び粉末アルミニウムから選ばれる少なくとも1種を用いることができる。
【0078】
光反射性絶縁保護膜34の厚さは、5μm以上であって、より好ましくは、7μm以上である。また、光反射性絶縁保護膜34の厚さは、50μm以下であって、より好ましくは、20μm以下である。光反射性絶縁保護膜34の厚さが5μm以上であることにより、特に金属配線部32のエッジ部分において、光反射性絶縁保護膜34が薄くなることを抑制できる。このため、金属配線部32が露出することを抑制できる。また、光反射性絶縁保護膜34の厚さが50μm以下であることにより、搬送等の際にフレキシブル配線基板30が湾曲した場合であっても、光反射性絶縁保護膜34が、例えば金属配線部32から剥がれることを抑制できる。
【0079】
また、光反射性絶縁保護膜34は、波長400nm以上780nm以下における光線反射率が、いずれも65%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、80%以上であることが更に好ましい。LEDシート20は、例えば、酸化チタンを、ウレタン系又はアクリル系ポリウレタンのベース樹脂100質量部に対して20質量部以上含有させることで、光反射性絶縁保護膜34の厚さを8μmとする場合における同層の上記光線反射率を75%以上とすることが可能である。
【0080】
(透明保護膜)
透明保護膜35は、LEDチップ21を覆うように、LEDシート20の最表面に形成されている。透明保護膜35は、防水性と透明性とを有する。透明保護膜35の防水性により、LEDシート20内部への水の侵入を防ぐことができる。LEDチップ21として、例えば150lm/W以上の発光効率を有するような、発光効率が高いものを選択した場合、LEDシート20において、特定のLEDチップ21が破損した場合の影響が大きくなる。そのためLEDチップ21が可能な限り破損しにくいようにすることは、リスク管理の観点で重要である。
【0081】
透明保護膜35は、アクリル系ポリウレタン樹脂等をベース樹脂とする各種の樹脂組成物により形成できる。透明保護膜35を形成するために用いる樹脂組成物のベース樹脂としては、アクリル系ポリウレタン樹脂の他、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、フェノール系樹等を適宜用いることができる。透明保護膜35を形成する樹脂組成物のベース樹脂としては、光反射性絶縁保護膜34を形成する樹脂組成物と同一又は同系の樹脂をベース樹脂とすることがより好ましい。好ましい具体的な組合せとして、光反射性絶縁保護膜34を形成する樹脂組成物のベース樹脂をウレタン系樹脂とし、透明保護膜35を形成する同樹脂をアクリル系ポリウレタン樹脂とする組合せを挙げることができる。
【0082】
透明保護膜35の厚さは、10μm以上であり、好ましくは15μm以上であり、より好ましくは20μm以上である。また、透明保護膜35の厚さは、40μm以下であり、好ましくは30μm以下であり、より好ましくは25μm以下である。透明保護膜35の厚さを上記範囲とすることにより、LEDシート20の良好な可撓性や薄さ、軽量性、及び非常時に求められる良好な光学特性を維持できる。また、LEDシート20に対して非常時に求められる十分な防水性をもたらすことができる。
【0083】
透明保護膜35によるLEDシート20の耐水性としては、LEDシート20に対して水を散布した際に、LEDチップ21の劣化を抑制することが可能となる程度であれば特に限定されない。このような耐水性としては、IEC(国際電気標準会議)によって定められている防水・防塵の保護規格でIPX4以上を示すことが好ましい。IPX4以上の防水性は、あらゆる方向からの水の飛沫によってLEDチップ21に対して有害な影響が及ぼされない程度である。具体的には、LEDシート20の法線方向に対して±180°の全範囲に5分間、10L/分の水量で散水ノズルから散水した際、LEDチップ21に対して有害な影響が及ぼされない程度とされる。
【0084】
(電力供給配線)
図8に示すように、電力供給配線63は、基板31の表面31a(発光面20a側の面)上に形成されている。電力供給配線63は、基板31の表面31a上に金属箔等の導電性基材によって形成される配線パターンである。この電力供給配線63は、金属配線部32と同様の材料及び方法により形成されても良い。例えば、電力供給配線63は、銅箔によって構成されていても良い。
【0085】
電力供給配線63の厚みは、フレキシブル配線基板30に要求される耐電流の大きさ等に応じて適宜設定すれば良い。電力供給配線63の厚みT1(図8参照)は、18μm以上であっても良く、35μm以上であることが好ましい。また、電力供給配線63の厚みT1は、100μm以下であっても良く、75μm以下であることが好ましい。また、電力供給配線63の線幅W1(図8参照)は、5mm以上であっても良く、10mm以上であることが好ましい。さらに、電力供給配線63の線幅W1は、30mm以下であっても良く、20mm以下であることが好ましい。電力供給配線63の厚みT1が18μm以上であり、電力供給配線63の線幅W1が5mm以上であることにより、電力供給配線63の長手方向に垂直な断面において、電力供給配線63の断面積を大きくできる。これにより、電圧降下を低減できる。また、電力供給配線63の厚みT1が100μm以下であり、電力供給配線63の線幅W1が30mm以下であることにより、LEDシート20の十分な可撓性を維持することができ、重量増大によるハンドリング性の低下等も抑止できる。
【0086】
ところで、上述したように、LEDシート20は、受電用端子61と、給電用端子62とを備えている。受電用端子61及び給電用端子62は、それぞれ金属配線部32に接続されている。受電用端子61及び給電用端子62は、導電体である。すなわち、受電用端子61及び給電用端子62は、金属箔等の導電性基材によって形成される端子である。受電用端子61及び給電用端子62は、金属配線部32と同様の材料及び方法により形成されても良い。例えば、受電用端子61及び給電用端子62は、銅箔によって構成されていても良い。本実施の形態では、受電用端子61及び給電用端子62は、金属配線部32と一体に形成されている。なお、受電用端子61及び給電用端子62が、金属配線部32と別体に形成されていても良い。
【0087】
受電用端子61の厚みT2(図10参照)及び給電用端子62の厚みT3(図10参照)は、それぞれ、18μm以上であっても良く、35μm以上であることが好ましい。また、受電用端子61の厚みT2及び給電用端子62の厚みT3は、それぞれ、100μm以下であっても良く、75μm以下であることが好ましい。受電用端子61の厚みT2及び給電用端子62の厚みT3が、それぞれ、100μm以下であることにより、発光面20aに大きな凹凸が形成されることを抑制でき、75μm以下であることにより、発光面20aに大きな凹凸が形成されることをより効果的に抑制できる。このため、LEDシート組合体20Aを培養チューブ10に巻き付けやすくできる。また、図9に示すように、本実施の形態では、給電用端子62は、突出部31c上に形成されている。
【0088】
ここで、上述したように、LEDシート組合体20Aは、第1LEDシート201と、第2LEDシート202と、第3LEDシート203とを備えている。第1LEDシート201の受電用端子61は、制御部40に接続されている(図3参照)。また、図9に示すように、第1LEDシート201の給電用端子62は、第2LEDシート202の受電用端子61に接続されている。さらに、第2LEDシート202の給電用端子62は、第3LEDシート203の受電用端子61に接続されている。この場合、第1LEDシート201の給電用端子62と、第2LEDシート202の受電用端子61とは、並列に接続されている。また、第2LEDシート202の給電用端子62と、第3LEDシート203の受電用端子61とは、並列に接続されている。
【0089】
受電用端子61の少なくとも一部、及び給電用端子62の少なくとも一部は、露出している。言い換えれば、受電用端子61及び給電用端子62は、それぞれ、絶縁体に覆われていない領域を有する。そして、受電用端子61の露出した部分と、給電用端子62の露出した部分とを接触させることにより、受電用端子61と給電用端子62とが、互いに接続されていても良い。一例として、第1LEDシート201の給電用端子62は、以下のようにして、第2LEDシート202の受電用端子61に接続されていても良い。例えば、まず、図10に示すように、第1LEDシート201において、基板31の突出部31cの一部及び接着剤層33の一部を除去することにより、給電用端子62を露出させる。図示された例においては、給電用端子62の面のうち、発光面20aとは反対側の面が露出している。また、第2LEDシート202において、透明保護膜35の一部及び光反射性絶縁保護膜34の一部を除去することにより、受電用端子61を露出させる。図示された例においては、受電用端子61の面のうち、発光面20a側の面が露出している。そして、第1LEDシート201の給電用端子62と、第2LEDシート202の受電用端子61とを接触させることにより、互いに接続させても良い。なお、予め受電用端子61及び給電用端子62が露出するように、LEDシート20を作製しても良い。また、給電用端子62が、基板31の裏面31b側に折り返し可能であっても良い。この場合、例えば、まず、図11に示すように、第1LEDシート201において、透明保護膜35の一部及び光反射性絶縁保護膜34の一部から給電用端子62を露出させても良い。図示された例においては、給電用端子62の面のうち、発光面20a側の面が露出している。そして、第1LEDシート201の突出部31cを折り曲げることにより、第1LEDシート201の給電用端子62と、第2LEDシート202の受電用端子61とを接触させても良い。これらの場合、例えば、ハンダ、導電性ペースト、又は圧着等により、受電用端子61と給電用端子62とが互いに接合されていても良い。なお、図示はしないが、受電用端子61の面のうち、発光面20aとは反対側の面が露出していても良い。
【0090】
LEDシート組合体20Aにおいて、受電用端子61及び給電用端子62は、絶縁体で覆われていても良い。この場合、例えば、図10及び図11に示すように、受電用端子61と給電用端子62とを接触させることにより、互いに接続させる、その後、受電用端子61及び給電用端子62は、絶縁体(例えば、基板31、光反射性絶縁保護膜34又は透明保護膜35等)によって覆われていても良い。なお、図示はしないが、受電用端子61と給電用端子62と互いに接続させた後、受電用端子61及び給電用端子62は、絶縁性を有する粘着テープ等の絶縁体で覆われていても良い。
【0091】
また、図1及び図2に示すように、本実施の形態では、LEDシート20は、粘着部材50によって、培養チューブ10に粘着されている。これにより、LEDシート20と培養チューブ10との間に空気の層が介在されることを抑制できる。ここで、LEDシート20と培養チューブ10との間に空気の層が介在されていると、空気の屈折率と培養チューブ10の屈折率との差に起因して、培養チューブ10の外面において、LEDチップ21からの光が反射する。そして、光の反射率が大きくなることにより、培養システム1における光の利用効率が低下する可能性がある。これに対して、本実施の形態では、LEDシート20と培養チューブ10との間に空気の層が介在されることを抑制できる。このため、培養チューブ10の外面において、LEDチップ21からの光が反射することを抑制できる。この結果、光の利用効率を更に高めることができる。本実施の形態では、粘着部材50は、LEDシート20の発光面20aの全体を覆うように設けられている。
【0092】
粘着部材50は、エチレン酢酸ビニル又はポリビニルブチラールを含んでいることが好ましい。また、粘着部材50は、粘着剤を含むものであっても良い。この粘着剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、天然ゴム系、ブチルゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリクロロプレン、スチレン系ポリマー、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル、エチレン-酢酸ビニル共重合体などの酢酸ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリロニトリル、炭化水素樹脂、アルキルフェノール樹脂、ロジン、ロジントリグリセリド、水素化ロジンなどのロジン系樹脂が適用できる。また、粘着部材50は、市販の両面粘着フィルムであっても良い。
【0093】
粘着部材50の屈折率は、1.48以上であっても良く、1.50以上であっても良く、1.51以上であっても良い。また、粘着部材50の屈折率は、1.60以下であっても良く、1.58以下であっても良く、1.56以下であっても良い。ここで、上述したように、培養チューブ10には、例えば、ガラス(屈折率:約1.55)又はポリカーボネート(屈折率:約1.58)が用いられる。このため、粘着部材50の屈折率は、1.48以上1.60以下であることにより、粘着部材50の屈折率と、培養チューブ10の屈折率との差を小さくできる。これにより、培養チューブ10の外面において、LEDチップ21からの光が反射することを抑制できる。このため、光の利用効率を更に高めることができる。なお、粘着部材50及び培養チューブ10の屈折率は、例えば、屈折計(株式会社アタゴ社製、アッベ屈折計、DR-A1(製品名))により測定できる。
【0094】
図2に示すように、粘着部材50の表面51は、培養チューブ10に対面する。また、図12に示すように、この表面51に、網目状に形成された凹部52が形成されている。この凹部52は、粘着部材50と培養チューブ10との間に介在する空気を、当該間から抜くための空気抜き機構としての役割を果たす。
【0095】
本実施の形態では、凹部52は、複数の第1部分52aと複数の第2部分52bとを含んでいる。各々の第1部分52aは、上述したLEDチップ21の第1の配列方向(X方向)に沿って延びている。図示された例においては、第1部分52a間の間隔は互いに等しくなっている。なお、第1部分52aは、X方向に対して傾斜する方向に延びていても良い。また、第1部分52a間の間隔が、互いに異なっていても良い。
【0096】
各々の第2部分52bは、上述したLEDチップ21の第2の配列方向(Y方向)に沿って延びている。図示された例においては、第2部分52b間の間隔は互いに等しくなっている。なお、第2部分52bは、Y方向に対して傾斜する方向に延びていても良い。また、第2部分52b間の間隔が、互いに異なっていても良い。
【0097】
このようなLEDシート20と、培養チューブ10との間の剥離強度は、3N/15mm以上であることが好ましく、4N/15mm以上であることがより好ましく、5N/15mm以上であることが更に好ましい。また、LEDシート20と、培養チューブ10との間の剥離強度は、30N/15mm以下であることが好ましく、20N/15mm以下であることがより好ましく、15N/15mm以下であることが更に好ましい。LEDシート20と培養チューブ10との間の剥離強度が3N/15mm以上であることにより、使用時にLEDシート20が培養チューブ10から剥がれることを抑制できる。また、LEDシート20と培養チューブ10との間の剥離強度が30N/15mm以下であることにより、LEDシート20を培養チューブ10から剥がした際に、例えば粘着部材50の一部が、培養チューブ10に付着することを抑制できる。また、LEDシート20と培養チューブ10との間の剥離強度が30N/15mm以下であることにより、LEDシート20を交換等する際に、LEDシート20を培養チューブ10から剥がしやすくなる。なお、LEDシート20と培養チューブ10との間の剥離強度は、例えば、材料試験機(株式会社エー・アンド・デイ社製、テンシロン万能材料試験機RTF-2325(製品名))により測定できる。
【0098】
また、LEDシート20の光合成光量子束密度(PPFD(photosynthetic photon flux density))Iは、培養チューブ10内の任意の領域において、250μmol/m-2・s-1以上であることが好ましい。LEDシート20の光合成光量子束密度Iが250μmol/m-2・s-1以上であることにより、藻類の育成効率を向上できる。なお、PPFDは、光量子計等の測定装置(例えば米国LI-COR社製、光量子センサーLI-190R及びライトメーターLI-250A)により測定することができる。
【0099】
ここで、培養チューブ10内の培養液CSのモル吸光係数をε(L・cm-1・g-1)とし、培養液CSのモル濃度をC(g・L-1)とし、培養チューブ10の内径d1(図1参照)をD(cm)としたとき、
LEDシート20の光合成光量子束密度Iは、
250/10(-εCD/2)≦I≦250/10(-εCD)
という関係を満たすことが好ましい。これにより、藻類の育成効率を向上できるとともに、消費電力を削減できる。
【0100】
ところで、吸光度をAとし、透過率をTとした場合、ランバートベール則により、以下の式(1)が成り立つ。
A=-log10T=εCD・・・式(1)
また、培養液CSを透過した光合成光量子束密度をIとした場合、透過率Tは、以下の式(2)で表すことができる。
T=I/I・・・式(2)
このため、式(1)及び式(2)により、光合成光量子束密度Iは、以下の式(3)で表すことができる。
=I/10-εCD・・・式(3)
【0101】
上述したように、LEDシート20の光合成光量子束密度Iは、培養チューブ10内の任意の領域において、250μmol/m-2・s-1以上であることが好ましい。また、培養チューブ10内において、LEDシート20の光合成光量子束密度Iが最も低下する位置は、培養チューブ10の径方向中央部であると考えられる。このため、培養チューブ10の径方向中央部において、LEDシート20の光合成光量子束密度Iが250μmol/m-2・s-1以上であることが好ましい。この場合、
250/10(-εCD/2)≦I
という関係を満たすことにより、培養チューブ10の径方向中央部において、LEDシート20の光合成光量子束密度Iを250μmol/m-2・s-1以上とすることができる。このため、250/10(-εCD/2)≦Iという関係を満たすことにより、藻類の育成効率を向上できる。また、I≦250/10(-εCD)という関係を満たすことにより、消費電力を削減できる。
【0102】
(LEDシートの製造方法)
次に、本実施の形態によるLEDシート20の製造方法について、図13(a)-(h)を参照して説明する。
【0103】
まず、基板31を準備する(図13(a))。次に、基板31の表面31a(図7参照)に、金属配線部32、受電用端子61、給電用端子62及び電力供給配線63(以下、単に金属配線部32等とも記す)の材料となる銅箔等の金属箔32Aを積層する(図13(b))。金属箔32Aは、金属箔32Aを例えばウレタン系接着剤等の接着剤層33によって、基板31の表面31aに接着される。あるいは、金属箔32Aは、基板31の表面31aに電解メッキ方法や気相製膜法(スパッタリング、イオンプレーティング、電子ビーム蒸着、真空蒸着、化学蒸着等)により、直接形成しても良い。もしくは、金属箔32Aに基板31を直接溶着して形成しても良い。
【0104】
次に、金属箔32Aの表面に、金属配線部32等に要求される形状にパターニングされたエッチングマスク37を形成する(図13(c))。このエッチングマスク37は、金属配線部32等となる金属箔32Aの配線パターンに対応する部分がエッチング液によって腐食しないように設けられる。エッチングマスク37を形成する方法は特に限定されず、例えば、フォトレジスト又はドライフィルムを、フォトマスクを通して感光させた後に現像することによって形成しても良く、インクジェットプリンター等の印刷技術により金属箔32Aの表面にエッチングマスクを形成しても良い。
【0105】
次に、エッチングマスク37に覆われていない箇所に位置する金属箔32Aを浸漬液により除去する(図13(d))。これにより、金属箔32Aのうち、金属配線部32等となる箇所以外の部分が除去される。
【0106】
その後、アルカリ性の剥離液を使用して、エッチングマスク37を除去する。これにより、エッチングマスク37が金属配線部32等の表面から除去される(図13(e))。
【0107】
続いて、金属配線部32等の上に光反射性絶縁保護膜34を積層形成する(図13(f))。光反射性絶縁保護膜34の形成は、光反射性絶縁保護膜34を構成する材料樹脂組成物を均一に塗工できる塗工手段であれば特に限定されず、例えば、スクリーン印刷、オフセット印刷、ディップコータ、刷毛塗り等の方法を使用できる。又は、光感光性を有する絶縁保護膜材料を全面に塗工し、必要な箇所のみフォトマスクを通して感光させた後に現像することによって光反射性絶縁保護膜34を形成しても良い。なお、給電用端子62上及び電力供給配線63上には、光反射性絶縁保護膜34が形成されなくても良い。
【0108】
次に、金属配線部32上にLEDチップ21を実装する(図13(g))。なお、図13(g)及び後述する図13(h)においては、図面を明瞭にするために、レギュレータ45等の図示を省略している。この場合、LEDチップ21は、金属配線部32にハンダ部36を介するハンダ加工によって接合される。このハンダ加工による接合は、リフロー方式、あるいは、レーザー方式によることができ、又は導電性樹脂による接合でも良い。
【0109】
次いで、光反射性絶縁保護膜34、LEDチップ21を覆うように透明保護膜35を形成する(図13(h))。この透明保護膜35は、透明樹脂組成物をスプレー処理により吹付けて形成する方法(以下、「スプレーコート法」という)、又はカーテンコート法により形成する方法により行うことが好ましい。スプレーコート法による透明保護膜35の形成は、例えば、アクリル系ポリウレタン樹脂を含むスプレーコート処理用の塗工液を、スプレー塗装機によってフレキシブル配線基板30上の所望の領域に噴霧して塗工膜を形成することにより行うことができる。カーテンコート法による透明保護膜35の形成は、例えば、アクリル系ポリウレタン樹脂を含むカーテンコート処理用の塗工液を、カーテン塗装機によってフレキシブル配線基板30上の所望の領域に滴下して塗工膜を形成することにより行うことができる。
【0110】
なお、本実施の形態によるLEDシート20は、上述した方法に限らず、従来公知のLEDチップ用のフレキシブル配線基板や、これにLEDチップを実装してなる各種のLEDシートを製造する公知の方法により製造することもできる。
【0111】
(培養工場)
図14は、本実施の形態による培養システム1を用いた培養工場90の構成を模式的に示す図である。培養工場90は、建物91と、建物91の内部に配置された複数の培養棚80を備えている。
【0112】
図15に示すように、培養棚80は、複数(4本)の支柱82と、支柱82に沿ってそれぞれ上下方向に間隔を空けて配置された一対の棚用基板81とを有している。そして、一対の棚用基板81間に、複数の培養システム1が配置されている。図示された例においては、培養チューブ10の長手方向が、上下方向(鉛直方向)と平行になるように、培養システム1が配置されている。なお、図示はしないが、培養チューブ10の長手方向が、水平方向と平行になるように、培養システム1が配置されていても良い。
【0113】
ここで、制御部40は培養チューブ10から十分に離れた場所に配置される。このため、制御部40に近い位置にある培養チューブ10と遠い位置にある培養チューブ10とで、制御部40からの熱によって藻類の育成にばらつきが生じるおそれが少ない。
【0114】
本実施の形態によるLEDシート20は、従来の直管型の照明装置と比較して薄型化されている。これにより、培養システム1間の間隔を狭めることができ、一対の棚用基板81間に配置される培養システム1の数を増やすことができる。この結果、単位面積あたりの藻類の育成量を増加できる。
【0115】
このように本実施の形態によれば、LEDシート20が、基板31と、金属配線部32と、金属配線部32に実装された複数のLEDチップ21と、金属配線部32に接続され、他のLEDシート20と連結するときの受電用端子61と、金属配線部32に接続され、他のLEDシート20と連結するときの給電用端子62と、を備えている。これにより、LEDシート20同士を容易に連結させることができる。
【0116】
ここで、LEDシート20は、例えば、600mm×500mm程度の大きさを有する。このため、複数のLEDシート20を培養工場90で組み立てる場合、組立が困難になる可能性がある。これに対して、本実施の形態では、LEDシート20同士を容易に連結させることができる。このため、複数のLEDシート20を培養工場90で容易に組み立てることができる。また、LEDシート20同士を連結させたLEDシート組合体20Aの状態で、培養工場90に納品することも容易である。
【0117】
また、LEDシート20同士を容易に連結させることができるため、LEDシート20の交換を容易に行うことができる。この場合、所定のLEDシート20においてLEDチップ21が破損した場合には、当該LEDシート20のみを容易に交換できるため、LEDシート組合体20Aの修復を容易に行うことができる。
【0118】
また、本実施の形態によれば、基板31が、外側へ突出する突出部31cを含んでいる。そして、給電用端子62が、突出部31c上に形成されている。これにより、給電用端子62を、他のLEDシート20の受電用端子61に容易に接続できる。
【0119】
また、本実施の形態によれば、LEDシート20に、LEDチップ21のON状態と、LEDチップ21のOFF状態とを表示する表示部25が設けられている。これにより、LEDシート20を培養チューブ10に巻き付けた場合であっても、LEDチップ21のON状態とOFF状態とを容易に確認できる。
【0120】
また、本実施の形態によれば、基板31が可撓性を有している。このように、LEDシート20が可撓性の基板31を有するシート状のLED照明装置であることにより、LEDシート組合体20A及び培養システム1の軽量化を図ることができる。また、本実施の形態による培養システム1のLEDシート20は、複数のLEDが配列された直管型のLEDバーライトに比べて全体の厚みを薄くできる。このため、LEDシート20を培養チューブ10に巻き付けた際に、培養システム1が嵩張ることを抑制できる。これにより、培養システム1の設置スペースを低減できる。さらに、LEDシート20が可撓性の基板31を有するシート状のLED照明装置であるため、様々な形状の培養チューブ10にLEDシート20を容易に取り付けることができる。
【0121】
また、本実施の形態によれば、LEDシート組合体20Aにおいて、第1LEDシート201の給電用端子62と、第2LEDシート202の受電用端子61とが、並列に接続されている。一方のLEDシート20が破損した場合でも、他方のLEDシート20に波及しないようにできる。これにより、LEDシート組合体20A全体の照度が、極端に低下することを抑止できる。
【0122】
また、本実施の形態によれば、LEDシート組合体20Aが、第1LEDシート201及び第2LEDシート202に取り付けられた連結部材26を更に備えている。また、第2LEDシート202が、連結部材26を介して、第1LEDシート201に連結されている。これにより、LEDシート20同士を更に容易に連結させることができるとともに、第2LEDシート202が、第1LEDシート201から意図せずに取り外されてしまうことを抑制できる。
【0123】
さらに、本実施の形態によれば、培養システム1が、藻類を培養する培養チューブ10と、培養チューブ10の外面を覆うLEDシート組合体20Aとを備えている。これにより、LEDシート20から培養チューブ10に照射された光が、培養チューブ10の外部に漏れることを抑制できる。このため、光の利用効率を高めることができる。また、LEDシート20が培養チューブ10の外面を覆うため、胴部11の全周から培養チューブ10内に光を照射することもできる。このため、藻類の育成効率を高めることができる。
【0124】
[変形例]
次に、図16乃至図24により、本実施の形態によるLEDシート組合体20A及び培養システム1の変形例について説明する。図16乃至図24において、図1乃至図15と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0125】
(第1変形例)
図16において、第2LEDシート202の受電用端子61は、第2LEDシート202の突出部31c上に形成されている。なお、図示された例においては、第1LEDシート201には突出部31cが形成されておらず、第1LEDシート201の給電用端子62は、突出部31cには形成されていない。しかしながら、これに限られず、第1LEDシート201に突出部31cが形成されていても良く、第1LEDシート201の給電用端子62が、第1LEDシート201の突出部31cに形成されていても良い。本変形例においても、受電用端子61が突出部31c上に形成されているため、受電用端子61を、他のLEDシート20の給電用端子62に容易に接続できる。
【0126】
(第2変形例)
図17において、LEDシート組合体20Aは、接続部材27を更に備えている。図示された例においては、接続部材27は、第1LEDシート201及び第2LEDシート202に着脱自在に取り付けられている。そして、第1LEDシート201の給電用端子62と、第2LEDシート202の受電用端子61とは、接続部材27を介して、互いに接続されている。なお、図示はしないが、LEDシート組合体20Aは、複数の接続部材27を備えていても良く、接続部材27が、第2LEDシート202及び第3LEDシート203に着脱自在に取り付けられていても良い。そして、第2LEDシート202の給電用端子62と、第3LEDシート203の受電用端子61とが、接続部材27を介して、互いに接続されていても良い。なお、接続部材27は、第1LEDシート201等に対して、着脱できないように取り付けられていても良い。この場合、接続部材27は、第1LEDシート201等に対して、ハンダ又は接着剤等により、取り付けられていても良い。
【0127】
図18に示すように、接続部材27は、絶縁層27aと、金属層27bとを有している。このうち、絶縁層27aは、光反射性絶縁保護膜34と同様の材料及び方法により形成されても良い。金属層27bは、金属配線部32と同様の材料及び方法により形成されても良い。例えば、金属層27bは、銅箔によって構成されていても良い。金属層27bの厚みT4は、18μm以上であっても良く、35μm以上であることが好ましい。また、金属層27bの厚みT4は、100μm以下であっても良く、75μm以下であることが好ましい。また、金属層27bの幅W2(Y方向の長さ、図17参照)は、5mm以上であっても良く、10mm以上であることが好ましい。さらに、金属層27bの幅W2は、30mm以下であっても良く、20mm以下であることが好ましい。金属層27bの厚みT4が18μm以上であり、金属層27bの幅W2が5mm以上であることにより、金属層27bの長手方向(X方向)に垂直な断面において、金属層27bの断面積を大きくできる。これにより、電圧降下を低減できる。また、金属層27bの厚みT4が100μm以下であり、金属層27bの幅W2が30mm以下であることにより、LEDシート組合体20Aの十分な可撓性を維持することができ、重量増大によるハンドリング性の低下等も抑止できる。
【0128】
なお、図示された例においては、接続部材27は、LEDシート20の発光面20a側から、受電用端子61と給電用端子62とを接続しているが、これに限られない。接続部材27は、LEDシート20の発光面20aとは反対側から、受電用端子61と給電用端子62とを接続していても良い。
【0129】
本変形例によれば、LEDシート組合体20Aが、第1LEDシート201及び第2LEDシート202に着脱自在に取り付けられた接続部材27を更に備えている。そして、第1LEDシート201の給電用端子62と、第2LEDシート202の受電用端子61とが、接続部材27を介して、互いに接続されている。この場合においても、給電用端子62を、他のLEDシート20の受電用端子61に容易に接続できる。このため、LEDシート20同士を容易に連結させることができる。
【0130】
(第3変形例)
図19において、複数のLEDシート20が、LEDチップ21の第1の配列方向(X方向)及び第2の配列方向(Y方向)に沿って配置されている。具体的には、LEDシート20は、平面視で多段多列に配置されている。
【0131】
例えば図19において、LEDシート20は、LEDチップ21の第1の配列方向(X方向)に沿って、4つ配置されている。さらに、この4つのLEDシートをもつ列が、LEDチップ21の第2の配列方向(Y方向)に沿って、5列配置されている。なお、LEDシート20の配置数は、これに限られるものではない。
【0132】
ここで、複数のLEDシート20が、LEDチップ21の第1の配列方向(X方向)及び第2の配列方向(Y方向)に沿って配置されている場合、一のLEDシート20は、複数の給電用端子62を備えていても良い。言い換えれば、一のLEDシート20が、X方向に隣接する他のLEDシート20に電力を供給するとともに、Y方向に隣接する他のLEDシート20に電力を供給しても良い。
【0133】
この場合、基板31の平面形状が、k角形(kは3以上の自然数)である場合、所定のLEDシート20において、給電用端子62は、複数設けられていても良い。そして、所定のLEDシート20において、k角形のk個の辺のうち、少なくとも2個の辺にそれぞれ対応する位置に、給電用端子62が設けられていても良い。例えば、図19に示す例では、LEDシート204において、四角形の4個の辺のうち、2個の辺にそれぞれ対応する位置に、給電用端子62が設けられている。すなわち、LEDシート204において、4個の辺のうち、辺s1に対応する位置、及び辺s2に対応する位置に、給電用端子62が設けられている。また、LEDシート205において、四角形の4個の辺のうち、3個の辺にそれぞれ対応する位置に、給電用端子62が設けられている。すなわち、LEDシート205において、4個の辺のうち、辺s3に対応する位置、辺s4に対応する位置、及び辺s5に対応する位置に、給電用端子62が設けられている。なお、例えば、図19において、LEDシート204が、Y方向に隣接するLEDシート205に電力を供給する場合、LEDシート204の端子のうち、LEDシート205の近傍に設けられた端子Teは、給電用端子62として設けられ得る。一方、LEDシート204が、Y方向に隣接するLEDシート205に電力を供給する場合、LEDシート204の端子Teは、給電用端子62として設けられ得る。
【0134】
また、例えば、所定のLEDシート20において、給電用端子62は、k-1個以下設けられていても良い。そして、各々の給電用端子62が、k角形のk個の辺のうち、互いに異なる辺に対応する位置に設けられていても良い。例えば、図19に示す例では、LEDシート204において、給電用端子62は、2個設けられている。そして、各々の給電用端子62が、四角形の4個の辺のうち、互いに異なる辺s1、s2に対応する位置に設けられている。また、LEDシート205において、給電用端子62は、3個設けられている。そして、各々の給電用端子62が、四角形の4個の辺のうち、互いに異なる辺s3、s4、s5に対応する位置に設けられている。なお、図示はしないが、1個の辺に対応する位置に、複数の給電用端子62が設けられていても良い。
【0135】
本変形例によれば、k角形のk個の辺のうち、少なくとも2つの辺にそれぞれ対応する位置に、給電用端子62が設けられている。これにより、複数のLEDシート20を容易に連結させることができ、LEDシート組合体20Aの大型化を図ることができる。
【0136】
また、本変形例によれば、給電用端子62が、k-1個以下設けられており、各々の給電用端子62が、k角形のk個の辺のうち、互いに異なる辺に対応する位置に設けられている。この場合においても、複数のLEDシート20を容易に連結させることができ、LEDシート組合体20Aの大型化を図ることができる。
【0137】
なお、上述したように、基板31の平面形状が、k角形である場合、各々のLEDシート20において、給電用端子62は、k-1個以下設けられていても良い。例えば、この場合、図20(a)に示すように、基板31の平面形状が四角形である場合、所定のLEDシート20において、給電用端子62が、2個設けられていても良い。この場合、LEDシート組合体20Aが、全体として円筒形となるように、複数のLEDシート20が、互いに連結されても良い。
【0138】
また、図20(b)に示すように、基板31の平面形状が三角形である場合、所定のLEDシート20において、給電用端子62が、2個設けられていても良い。この場合、LEDシート組合体20Aが、全体として8面体を構成するように、複数のLEDシート20が、互いに連結されても良い。
【0139】
また、図20(c)に示すように、基板31の平面形状が四角形である場合、所定のLEDシート20において、給電用端子62が、3個設けられていても良い。この場合、LEDシート組合体20Aが、全体として6面体を構成するように、複数のLEDシート20が、互いに連結されても良い。
【0140】
また、図20(d)に示すように、基板31の平面形状が五角形である場合、所定のLEDシート20において、給電用端子62が、4個設けられていても良い。この場合、LEDシート組合体20Aが、全体として12面体を構成するように、複数のLEDシート20が、互いに連結されても良い。
【0141】
また、図20(e)に示すように、基板31の平面形状が三角形である場合、所定のLEDシート20において、給電用端子62が、2個設けられていても良い。この場合、LEDシート組合体20Aが、全体として20面体を構成するように、複数のLEDシート20が、互いに連結されても良い。
【0142】
さらに、図20(f)に示すように、基板31の平面形状が六角形又は五角形である場合、基板31の平面形状が六角形である所定のLEDシート20において、給電用端子62が、5個設けられていても良い。この場合、LEDシート組合体20Aが、全体として切頭20面体を構成するように、複数のLEDシート20が、互いに連結されても良い。
【0143】
また、図21に示すように、一のLEDシート20が、X方向に隣接する他のLEDシート20に電力を供給するとともに、Y方向に隣接する他のLEDシート20に電力を供給する場合、基板31の全ての辺の近傍に、給電用端子62が設けられていても良い。この場合、基板31の全ての辺に、突出部31cが設けられていても良い。また、突出部31cは、例えば基板31にコの字状等の切り込み部を形成し、電力供給配線63を基板31ごと折り返すことにより形成されても良い。図示された例においては、給電用端子62のうち、給電用端子62aが、基板31を折り返すことにより形成された突出部31c上に形成されている。このとき、給電用端子62aは、基板31の表面31a側に折り返されても良く、基板31の裏面31b側に折り返されても良い。このように、給電用端子62(及び受電用端子61)は、基板31の表面31a側又は裏面31b側に折り返し可能であっても良い。
【0144】
なお、図21に示す例においては、プラス側(又はマイナス側)の給電用端子62のみが基板31を折り返すことにより形成された突出部31c上に形成されているが、これに限られない。例えば、図22に示すように、プラス側の給電用端子62及びマイナス側の給電用端子62が、基板31を折り返すことにより形成された突出部31c上に形成されていても良い。
【0145】
(第4変形例)
図23においても、受電用端子61及び給電用端子62が、基板31の裏面31b側に折り返し可能である。図23に示す例においては、受電用端子61及び給電用端子62は、コネクタである。この場合、基板31に切り込み部を形成し、受電用端子61又は給電用端子62を基板31ごと折り返しても良い。これにより、受電用端子61及び給電用端子62が、例えばコネクタのように厚みが厚い部品から構成されている場合であっても、発光面20aに大きな凹凸が形成されることを抑制できる。このため、LEDシート組合体20Aを培養チューブ10に巻き付けやすくできる。また、この場合、受電用端子61及び給電用端子62が、基板31の表面31a側に折り返し可能であっても良い。これにより、受電用端子61及び給電用端子62が、例えばコネクタのように厚みが厚い部品から構成されている場合であっても、発光面20aの反対側の面に大きな凹凸が形成されることを抑制できる。
【0146】
(第5変形例)
図24において、表示部25が、開閉可能に構成されている。すなわち、表示部25は、LEDシート20にコの字状の切り込み部を形成し、切り込み部が形成された部分を折り曲げることにより、露出するように形成されていても良い。これにより、通常は表示部25がLEDシート20によって覆われるため、LEDシート20から培養チューブ10に照射された光が、培養チューブ10の外部に漏れることを抑制できる。このため、光の利用効率を高めることができる。なお、切り込み部の形状は、コの字状に限られず、U字状、L字状又はV字状等であっても良い。
【0147】
なお、上述したように、上記実施の形態及び各変形例に開示されているLEDシート組合体20Aは、折り畳み可能である。このとき、例えば、図25(a)に示すように、LEDシート組合体20Aは、いわゆるZ折りで折り畳まれても良い。また、図25(b)に示すように、LEDシート組合体20Aは、いわゆる巻四折りで折り畳まれても良い。また、図25(c)に示すように、LEDシート組合体20Aは、いわゆる外四折り(W折り)で折り畳まれても良い。また、図25(d)に示すように、LEDシート組合体20Aは、いわゆる巻三折りで折り畳まれても良い。また、図25(e)に示すように、LEDシート組合体20Aは、いわゆる田の字折りで折り畳まれても良い。さらに、図25(f)に示すように、LEDシート組合体20Aは、ジグザグ状の山折り部(実線参照)と谷折り部(点線参照)とに沿って折り畳まれる、いわゆるミウラ折り(登録商標)で折り畳まれても良い。なお、LEDシート組合体20Aは、LEDシート20同士の連結部分に沿って折り畳まれても良く、LEDシート20同士の連結部分以外の部分に折り目が形成されるように折り畳まれても良い。
【0148】
また、上述した実施の形態において、LEDシート組合体20Aが、藻類を培養する培養システム1に使用される例について説明したが、これに限られない。例えば、図示はしないが、LEDシート組合体20Aが、人工光を用いて動植物を育成するための動植物育成工場で使用されても良い。
【0149】
上記実施の形態及び各変形例に開示されている複数の構成要素を必要に応じて適宜組合せることも可能である。あるいは、上記実施の形態及び各変形例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良い。
【符号の説明】
【0150】
1 培養システム
10 培養チューブ
20 LEDシート
20A LEDシート組合体
21 LEDチップ
25 表示部
26 連結部材
27 接続部材
31 基板
31a 第1面
31b 第2面
31c 突出部
32 金属配線部
61 受電用端子
62 給電用端子
63 電力供給配線
201 第1LEDシート
202 第2LEDシート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
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図23
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図25