特開 2024-9528 車両用灯具

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024009528

(43)【公開日】2024-01-23

(54)【発明の名称】車両用灯具

(51)【国際特許分類】

   F21S 43/241 20180101AFI20240116BHJP

   F21S 43/14 20180101ALI20240116BHJP

   F21S 43/13 20180101ALI20240116BHJP

   F21S 43/237 20180101ALI20240116BHJP

   F21S 43/245 20180101ALI20240116BHJP

   F21V 8/00 20060101ALI20240116BHJP

   F21W 103/00 20180101ALN20240116BHJP

   F21W 103/10 20180101ALN20240116BHJP

   F21W 103/35 20180101ALN20240116BHJP

   F21W 103/45 20180101ALN20240116BHJP

   F21W 103/55 20180101ALN20240116BHJP

   F21W 103/20 20180101ALN20240116BHJP

   F21W 103/15 20180101ALN20240116BHJP

   F21Y 115/10 20160101ALN20240116BHJP

   F21Y 115/30 20160101ALN20240116BHJP

【ＦＩ】

F21S43/241

F21S43/14

F21S43/13

F21S43/237

F21S43/245

F21V8/00 310

F21W103:00

F21W103:10

F21W103:35

F21W103:45

F21W103:55

F21W103:20

F21W103:15

F21Y115:10

F21Y115:30

【審査請求】未請求

【請求項の数】7

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2022111121

(22)【出願日】2022-07-11

(71)【出願人】

【識別番号】000002303

【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100149548

【弁理士】

【氏名又は名称】松沼 泰史

(74)【代理人】

【識別番号】100179833

【弁理士】

【氏名又は名称】松本 将尚

(74)【代理人】

【識別番号】100175824

【弁理士】

【氏名又は名称】小林 淳一

(72)【発明者】

【氏名】佐藤 浩二

【テーマコード（参考）】

3K244

【Ｆターム（参考）】

3K244AA04

3K244BA20

3K244BA50

3K244CA02

3K244DA01

3K244DA02

3K244EA08

3K244EA16

3K244EA22

(57)【要約】

【課題】輝度ムラの発生を防ぐことによって、発光時の見栄えを良くすることを可能とした車両用灯具を提供する。
【解決手段】導光体３は、光源の前方に配置された第１の導光部と、第１の導光部の正面側から側方の少なくとも一方側に向かって延長された第２の導光部７と、第２の導光部７の中途部から分岐して延長された複数の第３の導光部８Ａ，８Ｂ，８Ｃと、第１の導光部の背面側に位置する入射部と、複数の第３の導光部８Ａ，８Ｂ，８Ｃの先端側に位置する第１の出射部１２Ａとを有し、第２の導光部７は、その先端側に向かって断面積が漸次小さくなる形状を有し、複数の第３の導光部８Ａ，８Ｂ，８Ｃは、第２の導光部の延長方向に並んで設けられる。
【選択図】図１

【特許請求の範囲】

【請求項1】

光源と、
前記光源から出射された光を導光させる導光体とを備え、
前記導光体は、前記光源の前方に配置された第１の導光部と、
前記第１の導光部の正面側から側方の少なくとも一方側に向かって延長された第２の導光部と、
前記第２の導光部の中途部から分岐して延長された複数の第３の導光部と、
前記第１の導光部の背面側に位置して、前記光源から出射された光を前記第１の導光部の内部へと入射する入射部と、
前記第３の導光部の先端側に位置して、前記第３の導光部の内部で導光される光を前記第３の導光部の外部へと出射する第１の出射部とを有し、
前記第２の導光部は、その先端側に向かって断面積が漸次小さくなる形状を有し、
前記複数の第３の導光部は、前記第２の導光部の延長方向に並んで設けられることを特徴とする車両用灯具。

【請求項2】

前記複数の第３の導光部は、前記第２の導光部の先端側に向かって、それぞれの前記第２の導光部との境界における断面積が順次大きくなる形状を有することを特徴とする請求項１に記載の車両用灯具。

【請求項3】

前記複数の第３の導光部は、前記第２の導光部の先端側に向かって、それぞれの前記第２の導光部の軸線方向に対する傾斜角度が順次小さくなる形状を有することを特徴とする請求項１に記載の車両用灯具。

【請求項4】

前記複数の第３の導光部は、前記第２の導光部の正面側以外の位置から互いに同一方向に向かって延長されると共に、それぞれの先端が正面側を向いた状態において、互いに同一形状の前記第１の出射部を構成していることを特徴とする請求項１に記載の車両用灯具。

【請求項5】

前記導光体は、前記第２の導光部の先端から延長された第４の導光部と、
前記第４の導光部の先端側に位置して、前記第４の導光部の内部で導光される光を前記第４の導光部の外部へと出射する第２の出射部とを有することを特徴とする請求項１に記載の車両用灯具。

【請求項6】

前記第４の導光部は、前記第３の導光部と同一方向に向かって延長されると共に、その先端が正面側を向いた状態において、前記第１の出射部と同一形状を有する前記第２の出射部を構成していることを特徴とする請求項５に記載の車両用灯具。

【請求項7】

前記第２の導光部は、前記第１の導光部の正面側から分岐部を挟んだ側方の一方側と他方側とに延長して設けられていることを特徴とする請求項１に記載の車両用灯具。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、車両用灯具に関する。

【背景技術】

【0002】

従来より、車両に搭載される車両用灯具として、発光ダイオード（ＬＥＤ）などの光源と、棒状や板状の導光体とを組み合わせたものが知られている。

【0003】

このような車両用灯具では、光源から出射された光を導光体の基端側から入射し、導光体の内部で反射を繰り返しながら、導光体の先端側に向けて光を導光させる。また、導光体の背面側に設けられた複数の反射カットで反射された光を導光体の正面側から出射する。これにより、導光体の正面側に設けられた発光部をライン状や面状に発光させることが可能である。

【0004】

また、車両用灯具の中には、導光体に設けられた分岐部で光を分岐した後、この分岐部を挟んだ導光体の一方側と他方側との間に亘って設けられた発光部を発光させるものがある（例えば、下記特許文献１を参照。）。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0005】

【特許文献1】特開２０１７－９２０１１号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0006】

ところで、上述した導光体では、その基端側から先端側に向けて導光される光の光路長の違いによって、発光部に輝度ムラが生じることがあった。すなわち、導光体の発光部に輝度ムラが生じた場合は、導光体の軸線方向において、光源からの光路長が短い基端側よりも光源からの光路長が長い先端側の方が光の減衰によって相対的に暗くなってしまう。したがって、このような輝度の明暗が発光部の輝度ムラとして認識されてしまう。

【0007】

このため、棒状の導光体をライン状に発光させる場合、上述した輝度ムラの発生などによって、発光部の視認性や見栄えが低下するなどの点灯フィーリングの悪化が問題となっている。

【0008】

また、入射部と発光部との間で導光体の一部が湾曲した湾曲部や分岐部を設けた場合、この湾曲部や分岐部の長さが短く、曲率が小さいと、湾曲部や分岐部の内部で導光される光の一部が導光体の先端側に向かわず、迷光となって湾曲部や分岐部から外部に漏れ出すことがあった。この場合、湾曲部や分岐部の基端側の一部が周囲に比べて強く光って見える、いわゆる点光りによって、車両用灯具の点灯時における見栄えが悪くなってしまう。

【0009】

本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、輝度ムラの発生を防ぐことによって、発光時の見栄えを良くすることを可能とした車両用灯具を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0010】

上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
〔１〕 光源と、
前記光源から出射された光を導光させる導光体とを備え、
前記導光体は、前記光源の前方に配置された第１の導光部と、
前記第１の導光部の正面側から側方の少なくとも一方側に向かって延長された第２の導光部と、
前記第２の導光部の中途部から分岐して延長された複数の第３の導光部と、
前記第１の導光部の背面側に位置して、前記光源から出射された光を前記第１の導光部の内部へと入射する入射部と、
前記第３の導光部の先端側に位置して、前記第３の導光部の内部で導光される光を前記第３の導光部の外部へと出射する第１の出射部とを有し、
前記第２の導光部は、その先端側に向かって断面積が漸次小さくなる形状を有し、
前記複数の第３の導光部は、前記第２の導光部の延長方向に並んで設けられることを特徴とする車両用灯具。
〔２〕 前記複数の第３の導光部は、前記第２の導光部の先端側に向かって、それぞれの前記第２の導光部との境界における断面積が順次大きくなる形状を有することを特徴とする前記〔１〕に記載の車両用灯具。
〔３〕 前記複数の第３の導光部は、前記第２の導光部の先端側に向かって、それぞれの前記第２の導光部の軸線方向に対する傾斜角度が順次小さくなる形状を有することを特徴とする前記〔１〕に記載の車両用灯具。
〔４〕 前記複数の第３の導光部は、前記第２の導光部の正面側以外の位置から互いに同一方向に向かって延長されると共に、それぞれの先端が正面側を向いた状態において、互いに同一形状の前記第１の出射部を構成していることを特徴とする前記〔１〕に記載の車両用灯具。
〔５〕 前記導光体は、前記第２の導光部の先端から延長された第４の導光部と、
前記第４の導光部の先端側に位置して、前記第４の導光部の内部で導光される光を前記第４の導光部の外部へと出射する第２の出射部とを有することを特徴とする前記〔１〕に記載の車両用灯具。
〔６〕 前記第４の導光部は、前記第３の導光部と同一方向に向かって延長されると共に、その先端が正面側を向いた状態において、前記第１の出射部と同一形状を有する前記第２の出射部を構成していることを特徴とする前記〔５〕に記載の車両用灯具。
〔７〕 前記第２の導光部は、前記第１の導光部の正面側から分岐部を挟んだ側方の一方側と他方側とに延長して設けられていることを特徴とする前記〔１〕に記載の車両用灯具。

【発明の効果】

【0011】

以上のように、本発明によれば、輝度ムラの発生を防ぐことによって、発光時の見栄えを良くすることを可能とした車両用灯具を提供することが可能である。

【図面の簡単な説明】

【0012】

【図1】本発明の実施形態に係る車両用灯具の構成を示す正面図である。

【図2】図１に示す車両用灯具の構成を示す上面図である。

【図3】図１に示す車両用灯具の構成を示す側面図である。

【図4】図１中に示す線分Ａ－Ａによる導光体の断面図である。

【図5】図１中に示す線分Ｂ－Ｂによる導光体の断面図である。

【図6】図２中に示す線分Ｃ－Ｃによる導光体の断面図である。

【図7】図１に示す車両用灯具が備える導光体の要部を拡大した斜視図である。

【図8】図１に示す車両用灯具が備える導光体の要部を拡大した正面図である。

【図9】図１に示す車両用灯具に導光レンズを追加した構成を示す上面図である。

【図10】図１に示す車両用灯具が備える導光体の変形例を示す正面図である。

【発明を実施するための形態】

【0013】

以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面においては、各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがあり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。

【0014】

本発明の一実施形態として、例えば図１～図８に示す車両用灯具１について説明する。
なお、図１は、車両用灯具１の構成を示す正面図である。図２は、車両用灯具１の構成を示す上面図である。図３は、車両用灯具１の構成を示す側面図である。図４は、図１中に示す線分Ａ－Ａによる導光体３の断面図である。図５は、図１中に示す線分Ｂ－Ｂによる導光体３の断面図である。図６は、図２中に示す線分Ｃ－Ｃによる導光体３の断面図である。図７は、車両用灯具１が備える導光体３の要部を拡大した斜視図である。図８は、車両用灯具１が備える導光体３の要部を拡大した正面図である。

【0015】

また、以下に示す図面では、ＸＹＺ直交座標系を設定し、Ｘ軸方向を車両用灯具１の前後方向（長さ方向）、Ｙ軸方向を車両用灯具１の左右方向（幅方向）、Ｚ軸方向を車両用灯具１の上下方向（高さ方向）として、それぞれ示すものとする。

【0016】

本実施形態の車両用灯具１は、図１～図３に示すように、光源２と、光源２から出射された光を導光させる導光体３とを備え、これらが灯体（図示せず。）の内側に配置された構造を有している。

【0017】

なお、灯体は、前面が開口したハウジングと、このハウジングの開口を覆う透明なアウターレンズ（カバーレンズ）とにより構成される。また、灯体の形状については、車両のデザイン等に合わせて、適宜変更することが可能である。

【0018】

また、本実施形態の車両用灯具１は、光源２が配置されたカプラー付ソケット４を備えている。カプラー付ソケット４は、上述したハウジングに設けられた取付孔から灯体の内側に挿入された状態で、取付孔の周囲に着脱自在に取り付けられている。

【0019】

光源２は、少なくとも１つ又は複数のＬＥＤからなり、このＬＥＤを駆動する駆動回路が設けられた回路基板（図示せず。）の面上に実装されて、前方に向けて光を放射状に出射する。

【0020】

なお、本実施形態では、上述した光源２が配置されたカプラー付ソケット４を備えた構成となっているが、このような構成に必ずしも限定されるものではなく、光源２が配置された回路基板が灯体の内側に配置された構成であってよい。

【0021】

導光体３は、例えばポリカーボネイトやアクリル等の透明樹脂やガラスなどの光透過性部材からなり、光源２（カプラー付ソケット４）の前方に配置されている。

【0022】

導光体３は、光源２（カプラー付ソケット４）を挟んで左右対称に車幅方向（水平方向）に延在した長尺の丸棒形状を有している。このため、導光体３は、車幅方向の中央部を挟んだ両側において、基本的に同じ構成を有することから、その中央部を挟んだ一方側（本実施形態では右側）の構成を例に挙げて説明するものとする。

【0023】

導光体３は、光源２の前方に配置された第１の導光部５と、第１の導光部５の正面側から分岐部６を挟んだ側方の一方側と他方側とに延長して設けられた一対の第２の導光部７と、第２の導光部７の中途部から分岐して延長された複数（本実施形態では３つ）の第３の導光部８Ａ，８Ｂ，８Ｃと、第２の導光部７の先端から延長された第４の導光部９と、第２の導光部７の基端（分岐部６）から分岐して延長された第５の導光部１０とを有している。

【0024】

第５の導光部１０と複数の第３の導光部８Ａ，８Ｂ，８Ｃと第４の導光部９とは、第２の導光部７の基端側から先端側に向かって、第２の導光部７の延長方向に並んで設けられている。

【0025】

また、第５の導光部１０と複数の第３の導光部８Ａ，８Ｂ，８Ｃと第４の導光部９とは、第２の導光部７の正面側以外の位置から互いに同一方向に向かって延長されると共に、それぞれの先端が正面側を向いた状態となっている。本実施形態では、それぞれ第２の導光部７の上部から斜め上方に向かって延長された後、前方に向かって湾曲することによって、それぞれの先端が正面側を向いた状態となっている。

【0026】

導光体３は、第１の導光部の背面側に位置する入射部１１と、複数の第３の導光部８Ａ，８Ｂ，８Ｃの先端側に各々位置する複数（本実施形態では３つ）の第１の出射部１２Ａと、第４の導光部９の先端側に位置する第２の出射部１２Ｂと、第５の導光部１０の先端側に位置する第３の出射部１２Ｃとを有している。

【0027】

入射部１１は、第１の導光部５の背面側に位置して、光源２と対向する平坦（平面）な入射面１１ａを有している。入射部１１は、光源２から出射された光を入射面１１ａから第１の導光部５（導光体３）の内部へと入射する。また、入射部１１から入射した光は、第１の導光部５の内部を第１の導光部５の正面側にある分岐部６に向けて導光されることになる。

【0028】

なお、入射部１１については、上述した平坦（平面）な入射面１１ａを有する構成に限らず、光源２から放射状に出射された光を平行化又は集光しながら、第１の導光部５の内部へと入射するレンズ形状を有する構成であってもよい。

【0029】

分岐部６は、第１の導光部５の正面側に位置して、一対の第２の導光部７が互いに逆向きに湾曲しながら分岐した部分であり、第１の導光部５の正面側に向けて導光される光を一対の第２の導光部７に向けて分岐しながら反射する。

【0030】

これにより、一対の第２の導光部７に向けて反射された光は、第２の導光部７の基端側から先端側に向けて導光されることになる。また、第２の導光部７の内部で導光される光は、第５の導光部１０と複数の第３の導光部８Ａ，８Ｂ，８Ｃと第４の導光部９とにそれぞれ分岐して、それぞれの先端側に向けて導光されることになる。

【0031】

第１の出射部１２Ａは、複数の第３の導光部８Ａ，８Ｂ，８Ｃの先端側（導光体３の正面側）に位置して、平坦（平面）な第１の出射面１２ａを有している。第２の出射部１２Ｂは、第４の導光部９の先端側（導光体３の正面側）に位置して、平坦（平面）な第２の出射面１２ｂを有している。第３の出射部１２Ｃは、第５の導光部１０の先端側（導光体３の正面側）に位置して、平坦（平面）な第３の出射面１２ｃを有している。これら第１、第２及び第３の出射部１２Ａ，１２Ｂ，１２Ｃは、互いに同一形状となる円形状の第１、第２及び第３の出射面１２ａ，１２ｂ，１２ｃを有している。

【0032】

第１、第２及び第３の出射部１２Ａ，１２Ｂ，１２Ｃは、それぞれの先端側に向けて導光される光を第１、第２及び第３の出射面１２ａ，１２ｂ，１２ｃから外部（前方）へと出射する。これにより、各出射面１２ａ，１２ｂ，１２ｃ（第１、第２及び第３の出射部１２Ａ，１２Ｂ，１２Ｃ）を車両用灯具１の発光部として発光させることが可能である。

【0033】

以上のような構成を有する車両用灯具１では、１つの光源２から出射された光を導光体３の複数の出射部１２Ａ，１２Ｂ，１２Ｃから出射することで、複数の光源を持った多灯ランプのような発光の演出を行うことが可能である。

【0034】

ところで、本実施形態の導光体３は、上述した第１、第２及び第３の出射部１２Ａ，１２Ｂ，１２Ｃを互いに均一な明るさ（輝度）で発光させるため、光源２から出射された光を第１、第２及び第３の出射部１２Ａ，１２Ｂ，１２Ｃに対して略均一に振り分ける（分配する）構成となっている。

【0035】

具体的に、この導光体３は、図４～図８に示すように、第２の導光部７の断面積（径）が、その先端側に向かって漸次小さくなる形状を有している。例えば、本実施形態では、図４に示す第２の導光部７の径がΦ７ｍｍ、図５に示す第２の導光部７の径がΦ３．５ｍｍ、図６に示す第２の導光部７の径がΦ８ｍｍとなっている。

【0036】

導光体３では、第２の導光部７をこのような断面形状とすることで、第２の導光部７の先端に向かって全反射角が大きくなる作用が働き、第２の導光部７から複数の第３の導光部８Ａ，８Ｂ，８Ｃ及び第４の導光部９に向けて光が導光し易くなる。

【0037】

また、導光体３は、複数の第３の導光部８Ａ，８Ｂ，８Ｃ及び第４の導光部９の断面積（径）が、第２の導光部７の先端側に向かって順次大きくなる形状を有している。例えば、本実施形態では、複数の第３の導光部８Ａ，８Ｂ，８Ｃ及び第４の導光部９の径が一定となる部分において、それぞれΦ１．５ｍｍ、Φ１．６５ｍｍ、Φ１．７５ｍｍ、Φ１．８ｍｍの順で径が大きくなっている。

【0038】

導光体３では、複数の第３の導光部８Ａ，８Ｂ，８Ｃ及び第４の導光部９をこのような断面形状とすることで、複数の第３の導光部８Ａ，８Ｂ，８Ｃ及び第４の導光部９への光の取り込み量を徐々に増やすことが可能である。

【0039】

また、導光体３は、複数の第３の導光部８Ａ，８Ｂ，８Ｃの第２の導光部７との境界における断面積が、第２の導光部７の先端側に向かって順次大きくなる形状を有している。例えば、本実施形態では、複数の第３の導光部８Ａ，８Ｂ，８Ｃの第２の導光部７との境界において、２０ｍｍ^２、２２ｍｍ^２、３４ｍｍ^２の順で断面積が大きくなっている。

【0040】

導光体３では、複数の第３の導光部８Ａ，８Ｂ，８Ｃをこのような断面形状とすることで、複数の第３の導光部８Ａ，８Ｂ，８Ｃへの光の取り込み量を徐々に増やすことが可能である。

【0041】

また、導光体３は、複数の第３の導光部８Ａ，８Ｂ，８Ｃ及び第４の導光部９が、第２の導光部７の先端側に向かって、それぞれの第２の導光部７の軸線方向に対する傾斜角度が順次小さくなる形状を有している。例えば、本実施形態では、複数の第３の導光部８Ａ，８Ｂ，８Ｃ及び第４の導光部９の傾斜角度が、２４ｄｅｇ、２３ｄｅｇ、２２ｄｅｇ、１４ｄｅｇの順で小さくなっている。

【0042】

導光体３では、複数の第３の導光部８Ａ，８Ｂ，８Ｃ及び第４の導光部９をこのような傾斜角度とすることで、複数の第３の導光部８Ａ，８Ｂ，８Ｃ及び第４の導光部９への光の取り込み量を徐々に増やすことが可能である。

【0043】

以上のように、本実施形態の車両用灯具１では、上述した導光体３を用いることによって、光源２から出射された光を第１、第２及び第３の出射部１２Ａ，１２Ｂ，１２Ｃに対して略均一に振り分ける（分配する）ことができ、第１、第２及び第３の出射部１２Ａ，１２Ｂ，１２Ｃを互いに均一な明るさ（輝度）で発光させることが可能である。

【0044】

これにより、本実施形態の車両用灯具１では、輝度ムラの発生を防止しながら、発光時の見栄えを良くすることが可能である。

【0045】

なお、第５の導光部１０の第３の出射部１２Ｃについては、分岐部６から第２の導光部７に向けて導光される光とは異なり、分岐部６から第５の導光部１０に直接向かう光を利用している。このため、第３の出射部１２Ｃについては、第１の出射部１２Ａ及び第２の出射部１２Ｂとは別に、均一な明るさ（輝度）となるように光量調整が行われている。

【0046】

また、第４の導光部９の第２の出射部１２Ｂについては、上述した複数の第３の導光部８Ａ，８Ｂ，８Ｃの第１の出射部１２Ａと共に、均一な明るさ（輝度）となるように光量調整が行われているが、複数の第３の導光部８Ａ，８Ｂ，８Ｃの第１の出射部１２Ａとは別に光量調整を行うことも可能である。

【0047】

なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
具体的に、上記車両用灯具１では、例えば図９に示すような導光レンズ３０を導光体３の前方に配置した構成としてもよい。

【0048】

導光レンズ３０の背面側には、第１、第２及び第３の出射部１２Ａ，１２Ｂ，１２Ｃから出射された光を入射する複数の入射部３１が複数の出射部１２の各々に対向して突出して設けられている。一方、導光レンズ３０の正面側には、複数の入射部３１から入射した光を拡散しながら出射する拡散出射面３２が設けられている。

【0049】

このように、上記車両用灯具１では、導光体３の前方に別の光学部材を配置することが可能である。

【0050】

また、上記車両用灯具１は、上述した導光体３の代わりに、例えば図１０に示すような導光体３Ａを備えた構成であってもよい。すなわち、この導光体３Ａは、第２の導光部７の上部及び下部から第５の導光部１０と複数の第３の導光部８Ａ，８Ｂ，８Ｃと第４の導光部９とが延長して設けられた構成である。これにより、第１、第２及び第３の出射部１２Ａ，１２Ｂ，１２Ｃの数を増やすことが可能である。

【0051】

また、本発明が適用される導光体については、上述した分岐部６を挟んだ一方側と他方側とに延長された一対の第２の導光部７を有した構成に必ずしも限定されるものではなく、第１の導光部５の正面側から側方の少なくとも一方側に向かって延長された第２の導光部７を有した構成であればよい。

【0052】

また、第１、第２及び第３の出射部１２Ａ，１２Ｂ，１２Ｃについて、上述した同一形状となる円形状の第１、第２及び第３の出射面１２ａ，１２ｂ，１２ｃを有したに必ずしも限定されるものではなく、その形状を適宜変更することができ、互いの形状を異ならせることも可能である。さらに、第１、第２及び第３の出射部１２Ａ，１２Ｂ，１２Ｃの向きについても適宜変更することが可能である。

【0053】

なお、本発明が適用される車両用灯具については、特に限定されるものではなく、例えば、尾灯（テールランプ）や車幅灯（ポジションランプ）、ブレーキランプ、バックランプ、昼間点灯用ランプ（ＤＲＬ）、方向指示器（ウィンカーランプ）、サイドマーカーランプなど、本発明を幅広く適用することが可能である。

【0054】

また、上記光源２については、光を放射状に出射するものであればよく、上述したＬＥＤ以外にも、例えばレーザーダイオード（ＬＤ）などの発光素子を用いることができる。また、光源２が発する光の色については、赤色光や白色光、橙色光など、その車両用灯具の用途に応じて適宜変更することが可能である。

【0055】

また、本発明は、上述した車両用灯具に好適に用いられるものの、例えば一般照明など車両用灯具以外の用途に適用することも可能である。

【符号の説明】

【0056】

１…車両用灯具 ２…光源 ３，３Ａ…導光体 ４…カプラー付ソケット ５…第１の導光部 ６…分岐部 ７…第２の導光部 ８Ａ，８Ｂ，８Ｃ…第３の導光部 ９…第４の導光部 １０…第５の導光部 １１…入射部 １２Ａ…第１の出射部 １２Ｂ…第２の出射部 １２Ｃ…第３の出射部 ３０…導光レンズ

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】