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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095281
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】遊技用装置、及び遊技用プログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20240703BHJP
【FI】
A63F7/02 301C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022212448
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】591142507
【氏名又は名称】株式会社北電子
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小川 周二
(72)【発明者】
【氏名】塩原 康平
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088BB28
2C088CA07
2C088CA31
2C088CA35
(57)【要約】
【課題】 遊技機から出力される遊技データに基づき、正確な遊技価値数を報知可能な遊技用装置を提供する。
【解決手段】 遊技用装置60は、遊技者が所有する遊技価値数である所有遊技価値数を記憶可能な記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている所有遊技価値数を示す特定情報を出力可能な出力手段と、を備える遊技機10に対応して設けられ、複数の前記遊技機10から出力される特定情報に基づいて、複数の前記遊技機10における所有遊技価値数の累計値を算出可能な算出手段65と、前記算出手段によって算出された累計値に関する情報を報知可能な報知手段64と、を備える構成としてある。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者が所有する遊技価値数である所有遊技価値数を記憶可能な記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されている所有遊技価値数を示す特定情報を出力可能な出力手段と、
を備える遊技機に対応して設けられた遊技用装置において、
複数の前記遊技機から出力される特定情報に基づいて、複数の前記遊技機における所有遊技価値数の累計値を算出可能な算出手段と、
前記算出手段によって算出された累計値に関する情報を報知可能な報知手段と、
を備えることを特徴とする遊技用装置。
【請求項2】
前記算出手段は、
非会員の遊技者により遊技が行われた複数の前記遊技機における所有遊技価値数の累計値である非会員累計値を算出可能であり、
前記報知手段は、
前記非会員累計値に関する情報を報知可能である
を特徴とする請求項1に記載の遊技用装置。
【請求項3】
前記算出手段は、
会員の遊技者により遊技が行われた複数の前記遊技機における所有遊技価値数の累計値である会員累計値を算出可能であり、
前記報知手段は、
前記非会員累計値に関する情報と、前記会員累計値に関する情報と、を同時に報知可能である
を特徴とする請求項2に記載の遊技用装置。
【請求項4】
前記算出手段は、
算出した複数の前記遊技機における所有遊技価値数の累計値から必要な景品数を算出可能であり、
前記報知手段は、
前記算出手段が算出した前記景品数に関する情報を報知可能である
を特徴とする請求項1又は2に遊技用装置。
【請求項5】
遊技者が所有する遊技価値数である所有遊技価値数を記憶可能な記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されている所有遊技価値数を示す特定情報を出力可能な出力手段と、
を備える遊技機に対応して設けられた遊技用装置を構成するコンピュータを、
複数の前記遊技機から出力される特定情報に基づいて、複数の前記遊技機における所有遊技価値数の累計値を算出可能な算出手段、及び
前記算出手段によって算出された累計値に関する情報を報知可能な報知手段、
として機能させることを特徴とする遊技用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技用装置、及び遊技用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機から出力されるアウト信号やセーフ信号、貸出機から出力される貸出信号等の遊技データに基づいて、遊技に関する情報を集計する遊技用装置が開示されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-248962号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の遊技用装置には、改良すべき余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を達成するため、本発明の遊技用装置は、遊技者が所有する遊技価値数である所有遊技価値数を記憶可能な記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている所有遊技価値数を示す特定情報を出力可能な出力手段と、を備える遊技機に対応して設けられた遊技用装置において、複数の前記遊技機から出力される特定情報に基づいて、複数の前記遊技機における所有遊技価値数の累計値を算出可能な算出手段と、前記算出手段によって算出された累計値に関する情報を報知可能な報知手段と、を備える構成としてある。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】遊技用システムの概略構成を示す図である。
図2】遊技用装置の制御構成を示すブロック図である。
図3】ホールコン出力BOXから出力されるデータ(スマートパチンコ用)の一例を示す図である。
図4】ホールコン出力BOXから出力されるデータ(スマートパチスロ用)の一例を示す図である。
図5】遊技媒体数データベースの構成を示す図である。
図6】表示部に表示される合算表示画面の表示例1を示す図である。
図7】表示部に表示される合算表示画面の表示例2を示す図である。
図8】表示部に表示される合算表示画面の表示例3を示す図である。
図9】表示部に表示される合算表示画面の表示例4を示す図である。
図10】異常判定処理の流れを示すフローチャートである。
図11】異常検出の具体例を示す図である。
図12】遊技媒体数異常の発生時に表示部に表示される異常報知画面の一例を示す図である。
図13】遊技媒体数異常の発生時に表示部に表示される遊技場内レイアウト画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の好ましい実施形態について、各図を参照して説明する。
遊技用システム1は、プログラム(遊技用プログラム)に制御されたコンピュータにより動作する。
プログラムは、コンピュータの各構成要素に指令を送り、所定の処理、例えば、ホールコンピュータ60におけるデータの入出力、記憶、及び演算等を行わせる。
遊技用システム1は、プログラムとコンピュータとが協働した具体的手段により実現されるものであり、プログラムの全部、又は一部は、磁気ディスク、光ディスク、及びその他任意のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体により提供され、記憶媒体から読み出されたプログラムがコンピュータにインストールされて実行される。
なお、プログラムは、記憶媒体を介さず、通信回線を通じて直接にコンピュータにロードして、実行することも可能である。
また、本実施形態において取り扱う遊技機は、遊技者が遊技媒体(遊技価値)に触れられないように構成される。
そのため、以下の説明では、遊技球を使用する従来の遊技機(以下、「従来機」という)のパチンコ機を「スマートパチンコ10a」といい、メダルを使用する従来機のパチスロ機を「スマートパチスロ10b」といい、そして、これらを総称して「スマート遊技機10」として説明する。
【0008】
図1は、遊技用システム1の構成を概略化した図である。
本実施形態における遊技用システム1は、スマート遊技機10と、複数の遊技用装置等により構成されている。
遊技用システム1を構成する複数の遊技用装置としては、例えば、専用ユニット20、ホールコン出力BOX30、呼出ランプ40、インカム50、管理コンピュータ55、景品交換装置56、会員管理装置57、及びホールコンピュータ60等が挙げられる。
これらの遊技用装置は、それぞれ通信手段を備え、所定のネットワーク(例えば、ローカル・エリア・ネットワーク)を介してデータ通信可能に接続されている。
【0009】
スマート遊技機10(遊技機)は、遊技者が遊技球やメダル等の遊技媒体に直接触れることなく、遊技できる遊技機である。
例えば、スマートパチンコ10aは、遊技機内で遊技球を封入し循環させることで遊技でき、スマートパチスロ10bは、物理的なメダルを使用せずに、電子データ(以下、単に「遊技媒体」ともいう)で貸出しを行うことで遊技できる。
スマート遊技機10の遊技状態としては、従来機と同様に、例えば、遊技媒体を所定の割合で費やす通常遊技状態と、通常遊技状態より遊技媒体の増加が期待でき遊技者にとって有利な遊技状態である特別遊技状態等がある。
この特別遊技状態は、通常遊技状態より大当りやボーナスに当選する確率が高い遊技状態であり、遊技者は、ボーナスに当選すると、その後の入賞によって大量の遊技媒体が獲得できるようにゲームが制御される。
また、スマート遊技機10の出力手段からは、遊技進行に応じて様々なデータ(遊技データ)が出力され、このデータは、全て次に説明する専用ユニット20を介して出力される。
【0010】
専用ユニット20(貸出装置)は、併設されたスマート遊技機10と専用PIFケーブル等でデータ通信可能に電気的に接続されており、投入金額に応じた遊技媒体の貸出し等を、電子データで行う機能を有している。
例えば、投入金額に応じた遊技媒体の貸出しは、遊技者による貸出し操作に基づいて、「貸出媒体数」を特定する貸出データをスマート遊技機10に出力することで、貸出しを行う。
スマート遊技機10は、この貸出データに基づいて、遊技媒体の「貸出媒体数」を特定するとともに記憶手段に記憶し、遊技者が所有する持媒体数に加算する。
【0011】
また、専用ユニット20は、遊技媒体の返却も行う。
具体的には、スマート遊技機10において、計数操作により遊技媒体の計数量を特定する計数データが専用ユニット20に出力される。
専用ユニット20は、スマート遊技機10から出力された計数データを入力すると、この計数データに基づき特定された遊技媒体の計数量を持媒体数として管理する。
【0012】
さらに、専用ユニット20は、カードユニットを備えており、このカードユニットにより持媒体数をICカードに記憶(記録)する。
ICカードは、返却操作によりカードユニットから排出され、遊技者は、持媒体数が記憶されたICカードを使用して、遊技場の景品交換センターにて景品と交換したり、他の専用ユニット20のカードユニットに挿入することで、再遊技できる。
このような専用ユニット20は、ホールコン出力BOX30や管理コンピュータ55等とデータ通信可能に接続されている。
【0013】
ホールコン出力BOX30(中継装置)は、専用ユニット20、呼出ランプ40、ホールコンピュータ60等とデータ通信可能に接続され、遊技球やメダルを使用する従来機の外部端子板と同様の機能を有している。
ホールコン出力BOX30は、シリアル通信で接続される専用ユニット20から出力されるデータを、呼出ランプ40やホールコンピュータ60等に出力するパルス変換機としても機能する。
具体的には、ホールコン出力BOX30は、専用ユニット20からのシリアル通信によるデータの出力を、そのままシリアル通信でホールコンピュータ60等にデータを出力するシリアル出力と、パルスに変換してデータを出力するパルス出力を行うことができる。
これは、従来、ホールコンピュータ60等は、従来機や台間機(不図示)等からパルスデータを受け付けることによってデータを取得していたためであり、パルス出力を受け付けるホールコンピュータ60等に対応するためである。
これにより、ホールコン出力BOX30は、シリアル出力とパルス出力との双方に対応する遊技用システム1を構成できるようになる。
【0014】
また、ホールコン出力BOX30は、専用ユニット20から出力されるデータから遊技機種類を判定し、判定結果に応じた動作を行う。
遊技機種類は、データ長を1バイトで構成し、Bit0~Bit3を遊技機の種類、Bit4~Bit6を団体の区分、Bit7を管理媒体とする遊技機の種類に関する情報である。
例えば、スマート遊技機10の遊技媒体は、管理媒体が「0」であれば、遊技球であり、管理媒体が「1」であれば、メダルのように、遊技機種類のうち管理媒体から判定される。
【0015】
呼出ランプ40は、発光手段を点灯、又は点滅させることにより、大当りの発生、確変中、店員の呼出中等を遊技者に報知するとともに、遊技に関する情報を表示する。
例えば、呼出ランプ40は、本日、前日等における大当り回数や確変回数に加え、前回大当りからの回転数であるスタート回数、大当りの履歴等を見やすいように数字やグラフ等を用いて遊技者に有益な情報として表示する。
呼出ランプ40は、店員を呼出ボタンにより呼び出すことができる呼出機能(呼出中)を有しており、遊技者がこの呼出ボタンを操作すると、呼出情報をホールコンピュータ60に出力し、再度、呼出ボタンが操作されることで、呼出情報の出力を解除する。
なお、後述する異常判定処理において、異常と判定された場合には、異常と判定されたスマート遊技機10に対応する呼出ランプ40にその旨の情報を送信して、呼出ランプ40でも同様の異常報知を行う構成とすることもできる。
【0016】
インカム50(端末装置)は、報知手段として機能し、コミュニケーションツール用の無線を用いた端末装置である。
遊技用システム1は、複数のインカム50を備えて構成され、各店員は、それぞれ1つのインカム50を携行する。
インカム50は、ヘッドセットを用いたハンズフリーの通話が可能なだけでなく、ホールコンピュータ60等から各種情報の通知ができるので、即時性が求められる遊技場のコミュニケーションツールとして好適である。
【0017】
管理コンピュータ55は、遊技場外の管理センター等にインターネットを介してデータ通信可能に接続され、遊技場に設置されたスマート遊技機10や専用ユニット20から出力される出玉データを収集、及び管理する。
この出玉データには、遊技場の閉店処理後に管理センターに出力される性能データの他、リアルタイムに管理センターに出力される不正・エラーデータ等が含まれ、これらのデータは、管理センターにて一元的に管理される。
【0018】
景品交換装置56は、遊技者が遊技により獲得した持媒体数の範囲内で、遊技者が希望する景品との交換処理を行う。
例えば、専用ユニット20から返却されたICカードを景品カウンターに滞在する店員等に渡すと、店員等の操作に基づいて景品交換装置56が景品交換処理を行う。
この景品交換処理では、ICカードから景品交換装置56が備えるカードリーダ100を介して遊技媒体の残数を読み込むとともにこの残数に対応する景品との決済処理を実行する。
【0019】
なお、本実施形態で使用されるICカードには、遊技場に会員登録している遊技者(以下、会員の遊技者という)が使用する会員カードの他、遊技場に会員登録していない遊技者(以下、非会員の遊技者という)が使用する一般カード等がある。
会員カードは、会員の遊技者が獲得した持媒体数を複数日に渡って記憶できることから、当日以降も使用できるカードである。
これに対し、一般カードは、非会員の遊技者が獲得した当日の持媒体数を記憶でき、当日のみ等一時的に遊技者に貸し出されるカードである。
【0020】
したがって、景品交換装置56が備えるカードリーダ100や専用ユニット20が備えるカードユニットは、ICカードに関する各種情報を読み取り、遊技者が会員か否かを特定する特定手段として機能する。
このとき読み取るICカードに関する各種情報には、例えば、カードが挿入されたことを示す情報、会員カードの会員番号、一般カードのID情報等がある。
【0021】
会員管理装置57は、遊技場に会員として登録された遊技者に関する情報を管理したり、他の遊技用装置との間で会員として登録された遊技者に関する情報を送受信することで、会員の遊技者が遊技により獲得した持媒体数を管理する。
本実施形態では、会員カードに記憶した持媒体数で、当日以前に獲得して遊技場に預け入れた遊技媒体数を貯媒体数ともいう。
会員管理装置57は、会員に関する情報を記録した会員データベースを記憶する。
会員データベースは、例えば、会員の住所、電話番号等、会員カードのカードID(会員番号)、貯媒体数や現金の残高等によって構成されている。
そして、会員管理装置57は、専用ユニット20から送信されてくるカードIDや各種操作データに基づき会員データベースにおける貯媒体数や現金の残高等を更新する。
【0022】
ホールコンピュータ60(遊技用装置)は、プログラムに従って動作する情報処理装置であり、例えば、遊技場の管理者や店員が操作可能な場所、カウンター奥の事務所等に設置されている。
ホールコンピュータ60は、遊技場に設置されている全スマート遊技機10の遊技に関する情報を記憶、管理、及び分析し、遊技場における遊技データ(例えば、出率、粗利等)を管理している。
このようなホールコンピュータ60は、図2に示すように、通信部61と、記憶部62と、操作部63と、表示部64(報知手段)と、制御部65(算出手段)とから構成されている。
【0023】
通信部61は、ホールコン出力BOX30を介して、スマート遊技機10や専用ユニット20等から各種データを入力する。
ここで、スマート遊技機10や専用ユニット20から出力される各種データについて説明する。
スマート遊技機10や専用ユニット20から出力される各種データは、ホールコン出力BOX30を介して呼出ランプ40やホールコンピュータ60等に出力される。
【0024】
各種データは、主として「台データ」、「不正データ」、及び「売上データ」の3つのデータ種別に分けられる。
以下、図3図4を参照しながら、パルス出力時におけるデータ種別ごとのデータ名、及びデータ種別について説明する。
図3は、スマートパチンコ10a、図4は、スマートパチスロ10bそれぞれから出力されるデータの一例である。
【0025】
「データ名」は、データごとに該当するデータ名を示している。
「台データ」は、遊技に伴い発生するデータであり、例えば、遊技媒体を消費(使用)するごとに出力されるアウトデータ(スマートパチンコ10a:発射数、スマートパチスロ10b:メダル使用数)、入賞等により遊技媒体を獲得するごとに出力されるセーフデータ(スマートパチンコ10a:賞球、スマートパチスロ10b:メダル付与数)、特別遊技状態中(スマートパチンコ10a:大当り中、スマートパチスロ10b:RB中)に出力される状態データ等がある。
したがって、アウトデータ等から「アウト数」、セーフデータ等から「セーフ数」、状態データ等から遊技状態等を特定できる。
【0026】
「不正データ」は、ゴト等の不正行為に伴い発生するデータであり、例えば、スマート遊技機10の扉が開状態中に出力される扉開放データ(スマートパチンコ10a)・ドアオープンデータ(スマートパチスロ10b)、磁気、電波等による不正時に出力される不正データ(スマートパチンコ10a)・不正検知データ(スマートパチスロ10b)等がある。
したがって、不正検知データ等から不正行為や不具合等を特定できる。
【0027】
「売上データ」は、遊技媒体の貸与や呼出等に伴い発生するデータであり、例えば、入金時に出力される入金金額データ、消費時に出力される消費金額(使用金額)データ、専用ユニット20による遊技媒体の計数に基づき出力される計数データ(スマートパチンコ10a:計数球数、スマートパチスロ10b:計数メダル数)、ICカードに記憶した持媒体数から遊技媒体の引き落とし数に基づき出力される引落データ(スマートパチンコ10a:引落球数、スマートパチスロ10b:引落メダル数)等がある。
さらに、「売上データ」は、店員の呼出中に出力される呼出データ、ICカード挿入中に出力されるカード挿入中データ等がある。
したがって、入金金額データや消費金額データ等から「貸出媒体数」、計数データ等から「計数媒体数」、引落データ等から「引落媒体数」を特定できる。
【0028】
データ種別は、1パルスの幅を50ms固定とするパルス形式と、該当状態時に継続して出力される状態形式との2種類のデータ種別のうち、データごとに何れの形式に該当するかを示している。
例えば、「台データ」のアウトデータは、データ種別がパルス形式(発射数:10玉で1パルス、メダル使用数:1枚で1パルス)であり、同じく「台データ」の状態データは、データ種別が状態形式(大当り:大当り中にON、RB:RB中にON)である。
また、「不正データ」の扉開放データ・ドアオープンデータは、データ種別が状態形式(扉開放・ドアオープン:開状態中にON)であり、「売上データ」の計数データは、データ種別がパルス形式(計数球数:25玉で1パルス、計数メダル数:5枚で1パルス)であり、同じく「売上データ」の呼出データは、データ種別が状態形式(呼出:呼出中にON)である。
このように、同じデータ種別の中でも、データ種別が異なる場合がある。
なお、ホールコン出力BOX30から出力されるこれらのデータは、ホールコンピュータ60に随時出力される場合と、蓄積してから出力される場合とがそれぞれ含まれる。
例えば、前者の場合は、スマートパチンコ10aから10玉の使用を示すデータを入力した場合、随時10玉の使用を示すデータがホールコンピュータ60に出力されるが、後者の場合は、計100玉になるまで蓄積した後に、100玉の使用を示すデータがホールコンピュータ60に出力される。
【0029】
記憶部62は、ホールコンピュータ60の各種機能を実行するためのプログラムやデータを記憶可能な記憶媒体(例えば、ROM、RAM、ハードディスク等)で構成される。
記憶部62は、スマート遊技機10や専用ユニット20等から入力した各種データを記憶する。
【0030】
ところで、ホールコン出力BOX30からホールコンピュータ60等へのデータの出力形態が、上述したパルス出力とは異なるシリアル出力でも行われる場合がある。
ホールコン出力BOX30は、シリアル出力で行われる場合、専用ユニット20から出力されるデータを元にホールコンピュータ60等との間で定期的(例えば、300ms)に通信を行う。
例えば、ホールコン出力BOX30は、「台データ」は差分値、「売上データ」は累計値としてホールコンピュータ60等に出力する。
これにより、ホールコンピュータ60において、上述したデータに加え、スマート遊技機10の「遊技媒体数」等も特定できることになるが、従来のホールコンピュータ60では、「遊技媒体数」のデータが出力されても、パルス出力でしかデータを受け取ることができない等の理由で、有用な形で活用できなかった。
そこで、本実施形態のホールコンピュータ60では、複数のスマート遊技機10から出力される遊技者が所有する所有遊技価値数の累計値を算出可能な算出手段と、その算出手段によって算出された所有遊技価値数の累計値に関する情報を報知可能な報知手段とを備えることにより、「遊技媒体数」等の遊技データを有用な形で活用できる構成になっている。
【0031】
ここで、記憶部62が記憶する遊技媒体数データベースについて説明する。
遊技媒体数データベースは、図5に示すように、「ユニット番号」、「機種」、「遊技媒体数」、「景品媒体数」、「貸出媒体数」、「アウト数」、「セーフ数」を項目として構成される。
「ユニット番号」は、専用ユニット20を特定するために付された番号であり、専用ユニット20ごとに異なる番号が用いられる。
「機種」は、専用ユニット20に対応するスマート遊技機10の機種名を示している。
「遊技媒体数」(所有遊技価値数、特定情報)は、スマート遊技機10で管理される遊技媒体の数量であり、景品と交換可能な遊技媒体の数をいう。
つまり、従来機の「パチンコ」の場合、上皿にある遊技球や玉箱に積んだ遊技球等の数量に該当し、従来機の「パチスロ」の場合、クレジットとしてカウントされたメダル、下皿にあるメダル、箱積みしたメダル等の数量に該当する。
「景品媒体数」(所有遊技価値数、計数媒体数、持媒体数、特定情報)は、専用ユニット20で管理される遊技媒体の数量であり、景品と交換可能な遊技媒体の数をいう。
「貸出媒体数」は、専用ユニット20が所定の金額に応じて貸し出す遊技媒体の数量を示している。
「アウト数」は、スマート遊技機10への遊技媒体の使用数を示している。
「セーフ数」は、スマート遊技機10からの遊技媒体の付与数を示している。
制御部65は、スマート遊技機10や専用ユニット20から出力されるデータに基づき、このような遊技媒体数データベースの読み出しや書き込みを制御している。
【0032】
操作部63は、キーボードやマウス等で構成される操作手段であり、遊技場の管理者等が操作することにより、所定のデータや指示、命令等を選択、入力できるようになっている。
【0033】
表示部64は、液晶ディスプレイ等の報知手段であり、遊技場の店員が操作部63を操作することにより、操作部63から入力された数値や算出された遊技データを表示する。
具体的には、後述する「合算表示画面」(図6~9参照)、「異常報知画面」(図12参照)、「遊技場内レイアウト画面」(図13参照)等が表示される。
なお、表示部64は、表示による報知手段として機能するが、この他、報知手段は、音声、ブザー等の音による報知に代えて、又は加えても良い。
【0034】
制御部65は、CPU、ROM、及びRAM等で構成されており、記憶部62に記憶されているプログラムを読み込んで実行することにより、上述した各部を監視、及び制御しながらホールコンピュータ60としての処理を行う。
例えば、制御部65は、通信部61を介してスマート遊技機10等から出力される各種データに基づき、遊技場の営業時に用いる遊技場固有のデータである遊技データを算出する。
遊技場の管理者等は、スマート遊技機10から出力される各種データを用いて算出された遊技データを指標として、日々の遊技場の運営に活用している。
【0035】
[合算表示処理]
図6図9は、スマートパチンコ10aとスマートパチスロ10bがそれぞれ設置され、景品1個当りの「景品単価」が5000円である場合を想定した遊技場で表示部64に表示された「合算表示画面」の表示例1~4である。
「合算表示画面」は、遊技者が所有する遊技価値数(所有遊技価値数)に基づいて、複数の遊技機におけるこの遊技価値数の累計値(合算結果)を表示する画面である。
【0036】
図6に示す「合算表示画面(表示例1)」は、項目として「種別」、「レート」、「台数」、「遊技媒体数(全体)」、「必要景品個数(全体)」、「遊技媒体数(非会員)」、「必要景品個数(非会員)」、「遊技媒体数(会員)」が表示される。
「種別」は、スマート遊技機10の種別が表示され、例えば、スマートパチンコ10aを示す「スマパチ」、スマートパチスロ10bを示す「スマスロ」等が表示される。
「レート」は、遊技媒体の貸出レートが表示され、例えば、4円パチンコを示す「4」、20円スロットを示す「20」等が表示される。
「台数」は、遊技場内に設置されているスマート遊技機10の台数が表示される。
「遊技媒体数(全体)」は、会員、非会員問わず全遊技者が獲得した遊技媒体の累計値であり、スマート遊技機10で管理される景品に交換可能な遊技媒体の数量が表示される。
「必要景品個数(全体)」は、「レート」×「遊技媒体数(全体)」÷「景品単価」により算出され、会員、非会員問わず全遊技者が景品交換した場合に必要な「景品個数」が表示される。
「遊技媒体数(非会員)」(非会員累計値)は、非会員の遊技者が獲得した遊技媒体の累計値であり、スマート遊技機10で管理される景品に交換可能な遊技媒体の数量が表示される。
「必要景品個数(非会員)」は、「レート」×「遊技媒体数(非会員)」÷「景品単価」により算出され、非会員の遊技者が景品交換した場合に必要な「景品個数」が表示される。
「遊技媒体数(会員)」(会員累計値)は、会員の遊技者が獲得した遊技媒体の累計値であり、スマート遊技機10で管理される景品に交換可能な遊技媒体の数量が表示される。
【0037】
このように「合算表示画面(表示例1)」では、「必要景品個数」が非会員の遊技者のみ表示され、会員の遊技者においては、個別に出力しない構成になっている。
これは、景品交換するより預ける(貯玉する)可能性が非会員の遊技者よりも会員の遊技者の方が高いことを考慮したものである。
また、「合算表示画面」の「必要景品個数(全体)」の累計値の合計は、周囲を赤で着色する等、強調して表示されるため、遊技場の管理者等は、景品が最低何個必要になるのかを容易に把握できる。
図6に示す例では、景品が最低880個必要なことを示している。
【0038】
図7に示す「合算表示画面(表示例2)」は、「景品媒体数(全体)」、「合計(遊技媒体数+景品媒体数)」が新規の項目として表示される。
「景品媒体数(全体)」は、会員、非会員問わず全遊技者が獲得した遊技媒体の累計値であり、専用ユニット20で管理される景品に交換可能な遊技媒体の数量が表示される。
「合計(遊技媒体数+景品媒体数)」は、「遊技媒体数(全体)」+「景品媒体数(全体)」で算出され、「景品媒体数(全体)」を考慮した値が表示される。
これにより、「必要景品個数(合計)」は、「レート」×「合計(遊技媒体数+景品媒体数)」÷「景品単価」により算出されるため、遊技場の管理者等は、より精度よく必要な景品個数を把握できる。
【0039】
図8に示す「合算表示画面(表示例3)」は、「スマパチ」、「スマスロ」ともに複数レートある遊技場に対応したものである。
この例では、4円パチンコ、20円スロットに加え、1円パチンコ、5円スロットの「必要景品個数(全体)」を含む遊技データがそれぞれ表示される。
【0040】
図9に示す「合算表示画面(表示例4)」は、スマート遊技機10としての「スマパチ」、「スマスロ」に加え、従来機としての「パチンコ」、「パチスロ」が混在した遊技場に対応したものである。
この例では、スマート遊技機10、及び従来機の「必要景品個数(全体)」を含む遊技データがそれぞれ表示される。
この場合、従来機の「遊技媒体数」は、スマート遊技機10のように単独で出力されないため、後述する(式1)で算出した従来機の「各台誤差媒体数」の累計値について「-」を「+」に反転させた値を表示している。
【0041】
このような「合算表示画面」は、ホールコンピュータ60が複数のスマート遊技機10から出力される遊技者が所有する所有遊技価値数の累計値を算出可能な算出手段と、その算出手段によって算出された所有遊技価値数の累計値に関する情報を報知可能な報知手段として機能することにより実現される。
【0042】
[異常判定処理]
続いて、異常判定処理について説明する。
制御部65は、スマート遊技機10等から出力される各種データに基づき、算出された遊技データが異常(適正)か否かを判定する異常判定処理を実行する。
図10は、制御部65で実行される異常判定処理を示すフローチャートである。
記憶部62には、このフローチャートに基づいて作成された遊技用プログラムが記憶され、この遊技用プログラムが起動することで、制御部65が異常判定処理を実行する。
【0043】
スマート遊技機10、及び専用ユニット20は、遊技者の遊技、専用ユニット20の操作に応じて、遊技データ(「遊技媒体数」、「景品媒体数」、「貸出媒体数」、「アウト数」、「セーフ数」等)をホールコンピュータ60に出力する。
制御部65は、スマート遊技機10から出力されるこれらの遊技データを集計し、記憶部62に記憶させる(S10)。
【0044】
ここで、従来機で遊技球等の遊技媒体の持ち出し、又は持ち込みの判定に使用していた以下の(式1)について説明する。
E=F-P(L-O+S)・・・(式1)
E:「各台誤差媒体数」
F:「景品媒体数」
P:「推定台間景品媒体数」
L:「貸出媒体数」
O:「アウト数」
S:「セーフ数」
【0045】
「各台誤差媒体数(E)」は、遊技者が従来機(後述する(式2)、(式3)の場合、スマート遊技機10)での遊技、台間機((式2)、(式3)の場合、専用ユニット20)での操作の結果、発生する遊技媒体の数量であって、「景品媒体数(F)」-「推定台間景品媒体数(P)」により算出される「遊技媒体数」の差をいう。
「景品媒体数(F)」は、遊技者による計数操作により特定された遊技媒体の計数量であって、台間機により計数された遊技媒体の数量である。
「推定台間景品媒体数(P)」は、「貸出媒体数(L)」-「アウト数(O)」+「セーフ数(S)」により算出される遊技媒体の数量であり、持ち出し、又は持ち込みをしないで遊技を行った際、遊技者が所有する持媒体数である。
【0046】
例えば、「各台誤差媒体数」の算出結果が「0」であれば「正常な状態」と判定する(図11(a)参照)。
一方、「各台誤差媒体数」の算出結果が「-(負)」であれば「正常な状態」、又は従来機から遊技媒体が「持ち出された状態」(持ち出し異常)として判定する(図11(b)参照)。
また、「各台誤差媒体数」の算出結果が「+(正)」であれば従来機から遊技媒体が「持ち込まれた状態」(持ち込み異常)として判定する(図11(c)参照)。
なお、(式1)を「推定台間景品媒体数」-「景品媒体数」((式1)とは逆)にして判定しても良い。
この場合、「各台誤差媒体数」の算出結果が「0」であれば同じく「正常な状態」と判定するが、「-(負)」であれば従来機から遊技媒体が「持ち込まれた状態」と判定し、「+(正)」であれば「正常な状態」、又は従来機から遊技媒体が「持ち出された状態」として判定する。
【0047】
スマート遊技機10においては、制御部65は、上述した(式1)を利用して、(式2)に変形した判定方法1、又は(式3)に変形した判定方法2のうち、少なくとも一つの判定方法の条件式に遊技データを当てはめて算出し、異常判定処理を実行する(S11)。
【0048】
[判定方法1]
判定方法1は、以下の(式2)の条件式が成立するか否かにより判定を行う。
F+G-P(L-O+S)=0・・・(式2)
G:「遊技媒体数」
【0049】
判定方法1は、(式1)に「遊技媒体数(G)」を組み込み、「景品媒体数(F)」と「遊技媒体数(G)」を加算して和を求め、この和から「推定台間景品媒体数(P)」を減算した値が「0」になるか否かにより判定する。
判定方法1では、(式1)、(式2)から「各台誤差媒体数(E)」=「遊技媒体数(G)」であることから、算出される値が「0」であれば、「遊技媒体数(G)」が正常であると判定し(S12:Yes)、「0」でなければ、「遊技媒体数(G)」が異常(以下、遊技媒体数異常ともいう)と判定する(S12:No、S13)。
なお、「遊技媒体数(G)」がスマート遊技機10から専用ユニット20側に出力されるタイミングや、「遊技媒体数(G)」の一部((例えば、スマートパチンコ10aなら1~100、スマートパチスロ10bなら1~3)が待ち玉やベット数に加算されることを考慮すると、(式2)によって算出される値が必ずしも「0」にならないため、正常と判定する判定値に、ある程度余裕を持たせることが好ましい。
【0050】
[判定方法2]
判定方法2は、以下の(式3)の条件式が成立するか否かにより判定を行う。
E(F-P(L-O+S))=G・・・(式3)
【0051】
判定方法2は、(式2)と同様、(式1)に「遊技媒体数(G)」を組み込み、「各台誤差媒体数(E)」と「遊技媒体数(G)」が「同一」になるか否かにより判定する。
判定方法2では、「各台誤差媒体数(E)」と「遊技媒体数(G)」が「同一」であれば、「遊技媒体数(G)」が正常であると判定し(S12:Yes)、「同一」でなければ、「遊技媒体数(G)」が異常と判定する(S12:No、S13)。
なお、判定方法2においても、判定方法1と同様に、正常と判定する判定値にある程度余裕を持たせることが好ましい。
【0052】
制御部65は、判定の結果、「遊技媒体数」に異常が発生したと判定した場合には、遊技媒体数異常を報知する(S14)。
具体的には、制御部65は、表示部64に表示するとともに、遊技場の店員が所持するインカム50等の出力手段を介して、遊技場の店員に遊技媒体数異常の報知を行う。
そのため、遊技場の店員は、異常のあるスマート遊技機10に移動して、異常が発生した原因を早急に調査し対処できる。
【0053】
一方、制御部65は、判定の結果、「遊技媒体数」が正常であると判定した場合には、遊技場が営業中であるときは(S15:Yes)、S10に戻り、処理を続け、遊技場の営業時間が終了したときは(S15:No)、処理を終了する。
【0054】
このような異常検出処理により、遊技媒体数異常を検出できる理由は、次による。
スマート遊技機10等の遊技媒体をカウントする検出センサが故障する等して遊技媒体を検出したりしなかったりといった異常、又はゴト行為により不正行為が発生したとき等、「遊技媒体数」と「各台誤差媒体数」との間で差が発生する。
「各台誤差媒体数」の算出で用いられる「推定台間景品媒体数」は、上述の(式1)~(式3)にも示されるように、遊技者が景品に交換可能な所有遊技価値数を推定した値であり、「遊技媒体数」以外のデータを用いて算出したものである。
このため、「遊技媒体数」と同一となる「各台誤差媒体数」を「遊技媒体数」とは異なる他の遊技データから算出して、「遊技媒体数」と「各台誤差媒体数」との差が許容量を超えているような結果が出た場合には、異常が発生したものと判定している。
【0055】
[異常報知画面]
図12は、表示部64に表示される「異常報知画面」の表示例である。
例えば、遊技場の管理者等が遊技媒体数異常に気付いていない恐れがある。
そのため、制御部65が遊技媒体数異常であると判定した場合には、表示部64に「異常報知画面」を表示する。
「異常報知画面」は、遊技媒体数異常のスマート遊技機10の台番号まで特定して、遊技場の管理者等に注意喚起する画面である。
例えば、図12(a)は、異常判定処理の判定方法1の(式2)を用いた算出結果が「0」でない場合、又は判定方法2の(式3)を用いた算出結果が「同一」でない場合に表示部64に表示される「異常報知画面」の一例を示している。
この「異常報知画面」によれば、遊技場の管理者等は、台番号2番のスマート遊技機10において遊技媒体数異常が発生したことを認識できる。
【0056】
また、異常判定処理の判定方法1の(式2)を用いた算出結果が「0」でない場合、又は判定方法2の(式3)を用いた算出結果が「同一」でない場合には、図12(b)、(c)に示すような「異常報知画面(上限値異常)」や「異常報知画面(下限値異常)」を表示部64に表示しても良い。
例えば、異常判定処理の判定方法1の(式2)を用いた算出結果が「+(正)」の場合、又は判定方法2の(式3)を用いた算出結果で「遊技媒体数」が「多い」場合には、「上限値異常」として判定して図12(b)に示すような異常報知画面を表示する。
一方、異常判定処理の判定方法1の(式2)を用いた算出結果が「-(負)」の場合、又は判定方法2の(式3)を用いた算出結果で「遊技媒体数」が「少ない」場合には、「下限値異常」として判定して図12(c)に示すような異常報知画面を表示する。
そして、遊技場の管理者等は、何れの「異常報知画面」を表示するか、適宜選択できる。
【0057】
また、「異常報知画面」の表示態様は、図12に示す態様に限るものではなく、遊技媒体数異常が発生しているスマート遊技機10と、その他のスマート遊技機10とを区別して視覚的な態様で報知できる。
この場合、フロアごとのスマート遊技機10の配置を図式化したレイアウトが表示され、各スマート遊技機10の稼動状況等が図式化して表示される。
【0058】
ホールコンピュータ60は、遊技媒体数異常が発生している場合に、遊技媒体数異常が発生しているスマート遊技機10を遊技機単位で視覚的な態様で報知することができ、例えば、図13に示す「遊技場内レイアウト画面」を表示できる。
「遊技場内レイアウト画面」は、フロアごとのスマート遊技機10の配置を図式化したレイアウトが表示され、そのレイアウトで稼働状態を確認するための画面である。
【0059】
図13に示す例では、フロア「1F」の台番号2、33のスマート遊技機10において、遊技媒体数異常が発生しているため、表示部64には、他のスマート遊技機10とは異なる表示形態で表示される。
「遊技場内レイアウト画面」には、ポップアップされた表示選択画面201において、遊技媒体数異常のチェックボックス200にチェックを入れることで、遊技媒体数異常が発生しているスマート遊技機10が、例えば、「赤旗のマーク」等で他のスマート遊技機10と異なる表示態様で表示される。
【0060】
このように、制御部65は、表示部64を報知手段として機能させることにより、遊技媒体数異常が発生しているスマート遊技機10と遊技媒体数異常が発生していないスマート遊技機10との表示態様を異ならせて表示できる。
これにより、遊技場の管理者等は、〇〇番台のスマート遊技機10に遊技媒体数異常が発生していることを容易に認識できる。
その結果、遊技場の管理者等は、「遊技場内レイアウト画面」によりフロアに設置された遊技媒体数異常が発生しているスマート遊技機10を容易に把握できる。
【0061】
以上のように、本実施形態における遊技用装置によれば、複数のスマート遊技機10から出力される遊技データに基づき、遊技者が所有する「遊技媒体数」の累計値を表示できる。
これにより、遊技場の閉店前に予め「遊技媒体数」を把握できるため、どの程度の「遊技媒体数」が景品と交換されるのかを予想できる。
そのため、現在、確保している景品数(交換可能な景品数)や景品交換に関わる店員の数(景品カウンターの店員)を事前に調整できるため、サービスの向上を図ることができる。
従来の遊技用装置では、「遊技媒体数」のデータが出力されても、パルス出力でしかデータを受け取ることができない等の理由で、有用な形で活用できなかった。
本発明の遊技用装置によれば、従来の遊技用装置が改善すべきこのような課題の全部、又は一部を解決できる。
【0062】
以上、本発明の遊技用装置、及びプログラムの好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技用装置、及びプログラムは上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能である。
(1)本実施形態では、遊技用装置の一例として、ホールコンピュータ60に適用して説明したが、この他にも専用ユニット20、ホールコン出力BOX30、呼出ランプ40、管理コンピュータ55、景品交換装置56、会員管理装置57等、遊技用システム1に接続可能な遊技用装置にも適用できる。
(2)図6図9で示した「合算表示画面」の表示例では、スマート遊技機10を「スマパチ」と「スマスロ」に分けて、遊技データを表示する例について説明したが、スマート遊技機10として一つに纏めて遊技データを表示しても良い。
この場合、「スマパチ」と「スマスロ」で「レート」が異なるときには、「遊技媒体数」を「スマパチ」と「スマスロ」の何れか一方の「レート」に換算した上で、纏める(合算表示する)ことが好ましい。
例えば、「合算表示画面(表示例1)」で「スマパチ」の「レート」に纏める場合には、「スマスロ」の「レート(20円)」が「スマパチ」の「レート(4円)」の5倍であるため、「スマスロ」の「遊技媒体数」を5倍した上で、「スマパチ」と「スマスロ」の「遊技媒体数」を合算することが好ましい。
(3)図6図9で示した「合算表示画面」の表示例では、「スマパチ」と「スマスロ」に分けて、遊技データを表示する例について説明したが、「スマパチ」と「スマスロ」それぞれを更に詳細に分類して遊技データを表示しても良い。
例えば、「スマパチ」は、大当りの発生確率等によって分類でき、確率が高く出玉の小さい「甘デジ」タイプ、確率が低く出玉の大きい「マックス」タイプ、甘デジタイプとマックスタイプの中間の出玉特性を有する「ミドル」タイプ等に分類できる。
また、「スマスロ」は、ビックボーナスやレギュラーボーナス等のボーナスのみを有する「Aタイプ」、小役等の入賞をアシストするAT遊技状態を有する「ATタイプ」等に分類できる。
(4)図6図9で示した「合算表示画面」は、特定の「種別」(例えば、「スマパチ」)以外、又は特定の「レート」(例えば、4円パチンコ)以外のスマート遊技機10を除外する機能を設けて、遊技データを表示できるようにしても良い。
(5)図6図9で示した「合算表示画面」の表示例では、景品単価が一律5000円である場合を想定して、遊技データを表示する例について説明したが、例えば、大景品(5000円)、中景品(1000円)、小景品(200円)のように景品単価を細分化しても良い。
この場合、「必要景品個数」は、「遊技媒体数」や「景品遊技媒体数」に応じて、例えば、6200円分の「遊技媒体数」なら、大景品1個、中景品1個、小景品1個等と表示できる。
(6)図6図9で示した「合算表示画面」の強調表示は、煩わしくないように遊技場の閉店間際(例えば、閉店1時間前以降)のみ実行する構成としても良い。
また、強調表示は、「必要景品個数」の累計値の合計の周囲を着色する以外にも、数値の大きさ、色、フォントを変える等、他の態様でも良い。
(7)図6図9で示した「合算表示画面」の表示例では、時間関係なく、遊技者が景品交換した場合に必要な「必要景品個数」を表示する例について説明したが、遊技場の閉店間際(例えば、閉店1時間前以降)のみ表示する構成としても良い。
この場合、閉店間際の時刻については、遊技場の管理者等が任意の時刻に設定できることが好ましい。
(8)図6図9で示した「合算表示画面」の表示例において、不具合等の影響によって、ホールコンピュータ60で「遊技媒体数」を把握できなくなった場合は、「各台誤差媒体数」から(式1)~(式3)等を用いて「遊技媒体数」や「必要景品個数」を算出し、表示するようにしても良い。
この場合、「各台誤差媒体数」から(式1)~(式3)等を用いて「遊技媒体数」や「必要景品個数」を算出している旨を表示部64に表示することで、実際の「遊技媒体数」と誤差が生じやすい状況であることを認識させても良い。
(9)予め登録、又はリアルタイムで残り「景品個数」(例えば、POSで管理する特殊景品数の在庫)を管理しておき、残り「景品個数」に対して、「必要景品個数」が一定の割合(例えば、9割以上)になった場合、所定の報知を行うことで、景品の補充を促す機能を設けても良い。
【符号の説明】
【0063】
1 遊技用システム
10 スマート遊技機(遊技機)
20 専用ユニット(貸出装置)
30 ホールコン出力BOX(中継装置)
40 呼出ランプ
50 インカム(報知手段)
55 管理コンピュータ
56 景品交換装置
57 会員管理装置
60 ホールコンピュータ(遊技用装置)
61 通信部
62 記憶部
63 操作部
64 表示部(報知手段)
65 制御部(算出手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13