(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095287
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】半導体装置および半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/336 20060101AFI20240703BHJP
H01L 29/06 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
H01L29/78 301D
H01L29/06 301G
H01L29/78 301S
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022212457
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】弁理士法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石田 剛志
【テーマコード(参考)】
5F140
【Fターム(参考)】
5F140AA25
5F140AA30
5F140AB01
5F140BA01
5F140BA02
5F140BA16
5F140BC06
5F140BC12
5F140BC17
5F140BE07
5F140BF04
5F140BF05
5F140BF42
5F140BF54
5F140BG08
5F140BG37
5F140BH04
5F140BH13
5F140BH30
5F140BH34
5F140BJ01
5F140BJ05
5F140BJ07
5F140BJ10
5F140BJ11
5F140BJ15
5F140BJ17
5F140BK13
5F140BK26
5F140BK29
5F140CB01
5F140CD01
(57)【要約】
【課題】高い耐圧を実現できる半導体装置および半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】半導体装置1は、p型の基板6と、基板6上に形成されたn型の半導体層7と、半導体層7の表面部に形成されたn型のドリフト領域21と、n型のドリフト領域21に形成されたn型のドレイン領域25と、半導体層7の表面部にn型のドリフト領域21に隣接して形成されたp型のボディ領域22と、ボディ領域22に形成されたn型のソース領域26と、ドレイン領域25の中心から第1主面3に沿う横方向に両側に広がって、n型のドリフト領域21の全体を覆うn型のリサーフ層23とを含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1導電型の基板と、
前記基板上に形成された第2導電型の半導体層と、
前記半導体層の表面部に形成された第2導電型のドリフト領域と、
前記ドリフト領域に形成された第2導電型のドレイン領域と、
前記半導体層の表面部に前記ドリフト領域に隣接して形成された第1導電型のボディ領域と、
前記ボディ領域に形成された第2導電型のソース領域と、
前記ドレイン領域の中心から主面に沿う横方向に両側に広がって、前記ドリフト領域の全体を覆う第1導電型のリサーフ層とを含む、半導体装置。
【請求項2】
前記リサーフ層の側部と前記ドリフト領域の側部とが、前記基板の厚さ方向に連続している、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記リサーフ層の側部と前記ドリフト領域の側部とが面一である、請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記リサーフ層が、前記ドリフト領域に接している、請求項1~3のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記リサーフ層が、前記ドリフト領域から離れている、請求項1~3のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記リサーフ層の下方に形成された第2導電型の埋め込み層をさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記埋め込み層の側部と前記リサーフ層の側部とが面一である、請求項6に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記基板の厚さ方向において、前記埋め込み層、前記リサーフ層および前記ドリフト領域の積層構造を含む、請求項6に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記ドリフト領域と前記ボディ領域とが接している、請求項1~3のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記ドリフト領域と前記ボディ領域とが離れている、請求項1~3のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項11】
第1導電型の基板上に、第2導電型の第1エピタキシャル層を形成する工程と、
前記第1エピタキシャル層の表面に第1導電型の第1不純物を選択的に導入することにより、第1導電型のリサーフ層を形成する工程と、
前記リサーフ層を覆うように、第2導電型の第2エピタキシャル層を形成する工程と、
前記第2エピタキシャル層の表面に第2導電型の第2不純物を選択的に導入することにより、前記第2エピタキシャル層の濃度よりも高い濃度を有する第2導電型のドリフト領域を、前記ドリフト領域の側部が前記リサーフ層の側部と前記基板の厚さ方向に連続するように形成する工程と、
前記第2エピタキシャル層の表面に第1導電型の不純物を選択的に導入することにより、前記ドリフト領域に隣接する第1導電型のボディ領域を形成する工程と、
前記ドリフト領域の表面に、第2導電型の不純物を選択的に導入することにより、前記ドリフト領域の濃度よりも高い濃度を有する第2導電型のドレイン領域を形成する工程とを含む、半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記第1不純物は、所定の開口パターンを有するパターニング用マスクを介してパターニングされた第1マスクを介して前記第1エピタキシャル層へ導入され、
前記第2不純物は、前記パターニング用マスクを介してパターニングされた第2マスクを介して前記第2エピタキシャル層へ導入される、請求項11に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項13】
前記第1エピタキシャル層の形成に先立って、前記基板上に、第2導電型の第3エピタキシャル層を形成する工程と、
前記第3エピタキシャル層の表面に第2導電型の第3不純物を選択的に導入することにより、第2導電型の埋め込み層を形成する工程とをさらに含み、
前記リサーフ層は、前記リサーフ層の側部が前記埋め込み層の側部と前記基板の厚さ方向に連続するように形成される、請求項11に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項14】
前記第3不純物は、所定の開口パターンを有するパターニング用マスクを介してパターニングされた第3マスクを介して前記第3エピタキシャル層へ導入され、
前記第1不純物は、前記パターニング用マスクを介してパターニングされた第1マスクを介して前記第1エピタキシャル層へ導入され、
前記第2不純物は、前記パターニング用マスクを介してパターニングされた第2マスクを介して前記第2エピタキシャル層へ導入される、請求項13に記載の半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体装置および半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、素子形成領域を分離するp型ウェル領域と、素子形成領域に形成されたDMOSトランジスタとを含む半導体装置を開示している。半導体装置は、p型のシリコン基板と、シリコン基板の表面に選択的に形成され、フィールド酸化膜により互いに素子分離されたn型のソース領域とドレイン領域と、ゲート酸化膜を介してシリコン基板上に形成されたゲート電極とを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の一実施形態は、高い耐圧を実現できる半導体装置および半導体装置の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一実施形態は、第1導電型の基板と、前記基板上に形成された第2導電型の半導体層と、前記半導体層の表面部に形成された第2導電型のドリフト領域と、前記ドリフト領域に形成された第2導電型のドレイン領域と、前記半導体層の表面部に前記ドリフト領域に隣接して形成された第1導電型のボディ領域と、前記ボディ領域に形成された第2導電型のソース領域と、前記ドレイン領域の中心から主面に沿う横方向に両側に広がって、前記ドリフト領域の全体を覆う第1導電型のリサーフ層とを含む、半導体装置を提供する。
【0006】
本開示の一実施形態は、第1導電型の基板上に、第2導電型の第1エピタキシャル層を形成する工程と、前記第1エピタキシャル層の表面に第1導電型の第1不純物を選択的に導入することにより、第1導電型のリサーフ層を形成する工程と、前記リサーフ層を覆うように、第2導電型の第2エピタキシャル層を形成する工程と、前記第2エピタキシャル層の表面に第2導電型の第2不純物を選択的に導入することにより、前記第2エピタキシャル層の濃度よりも高い濃度を有する第2導電型のドリフト領域を、前記ドリフト領域の側部が前記リサーフ層の側部と前記基板の厚さ方向に連続するように形成する工程と、前記第2エピタキシャル層の表面に第1導電型の不純物を選択的に導入することにより、前記ドリフト領域に隣接する第1導電型のボディ領域を形成する工程と、前記ドリフト領域の表面に、第2導電型の不純物を選択的に導入することにより、前記ドリフト領域の濃度よりも高い濃度を有する第2導電型のドレイン領域を形成する工程とを含む、半導体装置の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一実施形態に係る半導体装置によれば、高い耐圧を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本開示の第1実施形態に係る半導体装置の模式的な平面図である。
【
図3】
図3は、
図2に示すIII-III断面を示す図である。
【
図4】本開示の第1実施形態に係る半導体装置の効果を説明するための図である。
【
図5A】
図5Aは、本開示の第1実施形態に係る半導体装置の製造工程の一部を示す図である。
【
図6】
図6は、
図3に対応する図であって、本開示の第2実施形態に係る半導体装置の模式的な断面図である。
【
図7A】
図7Aは、本開示の第2実施形態に係る半導体装置の製造工程の一部を示す図である。
【
図8】
図8は、
図3に対応する図であって、本開示の第1変形例を説明するための断面図である。
【
図9】
図9は、
図3に対応する図であって、本開示の第2変形例を説明するための断面図である。
【
図10】
図10は、
図3に対応する図であって、本開示の第3変形例を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本開示の第1実施形態に係る半導体装置1の模式的な平面図である。
図2は、
図1に示す領域IIの拡大図である。
図3は、
図2に示すIII-III線に沿う断面図である。
【0010】
図1~
図3に示すように、半導体装置1は、直方体形状に形成された半導体チップ2を含む。半導体チップ2は、半導体装置1の外形を形成しており、たとえば、単結晶の半導体材料がチップ状(直方体形状)に形成された構造体である。半導体チップ2は、Si、SiC等の半導体材料で形成されている。半導体チップ2は、一方側の第1主面3、他方側の第2主面4、ならびに、第1主面3および第2主面4を接続する第1~第4側面5A~5Dを有している。
【0011】
第1主面3および第2主面4は、それらの法線方向Zから見た平面視(以下、単に「平面視」という。)において四角形状に形成されている。第1主面3は、機能デバイスが形成されるデバイス面である。第2主面4は、機能デバイスが形成されない非デバイス面である。この実施形態では、半導体チップ2は、半導体基板およびエピタキシャル層の少なくとも一方を含んでいてもよい。
【0012】
第1~第4側面5A~5Dは、第1側面5A、第2側面5B、第3側面5Cおよび第4側面5Dを含む。第1側面5Aおよび第2側面5Bは、第1方向Xに延び、第1方向Xに直交する第2方向Yに対向している。第3側面5Cおよび第4側面5Dは、第2方向Yに延び、第1方向Xに対向している。
【0013】
図3に示すように、半導体チップ2は、p型(第1導電型)の基板6を含む。p型の基板6は、この実施形態では、半導体基板であり、より具体的には、シリコン基板である。基板6は、第2主面4の表面部の全域を形成している。p型の基板6は、第2主面4および第1~第4側面5A~5Dから露出している。基板6のp型不純物(第1不純物)の濃度は、1.0×10
13cm
-3以上1.0×10
15cm
-3以下であってもよい。p型の基板6の厚さは、100μm以上1000μm以下であってもよい。
【0014】
半導体チップ2は、基板6上に形成されたn型(第2導電型)の半導体層7を含む。半導体層7は、この実施形態では、n型のエピタキシャル層である。n型の半導体層7は、この実施形態では、基板6に直接に接している。半導体層7のn型不純物(第2不純物)の濃度は、1.0×1014cm-3以上1.0×1016cm-3以下であってもよい。n型の半導体層7は、第1主面3の表面部の全域に形成され、第1主面3および第1~第4側面5A~5Dから露出している。n型の半導体層7の厚さは、たとえば、基板6の厚さよりも小さい。半導体層7の厚さは、5μm以上20μm以下であってもよい。なお、n型の半導体層7は、比較的低い不純物濃度を有しているので、n-型の領域と称してもよい。
【0015】
n型の半導体層7には、素子分離ウェル13が形成されている。素子分離ウェル13は、たとえば、平面視で環状に形成されている。素子分離ウェル13は、これに限らず、平面視でたとえば、円環状または三角環状等の他の閉曲線構造であってもよい。
【0016】
図3に示すように、素子分離ウェル13は、第2主面4側に形成されたp型の第1ピラー領域14と、第1主面3側に形成された第2ピラー領域15との2層構造であってもよい。素子分離ウェル13の第1ピラー領域14と第2ピラー領域15との境界は、半導体層7に設定されている。第1ピラー領域14と第2ピラー領域15との境界は、たとえば、半導体チップ2の第1主面3から1.0μm以上10μm以下の深さ位置に設定されていてもよい。
【0017】
半導体層7には、素子分離ウェル13によって、複数のデバイス領域8が区画されている。複数のデバイス領域8の個数および配置は任意である。複数のデバイス領域8は、第1主面3の表面部を利用して形成された機能デバイスを含んでいてもよい。機能デバイスは、たとえば、半導体スイッチングデバイス、半導体整流デバイスおよび受動デバイスのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。機能デバイスは、たとえば、半導体スイッチングデバイス、半導体整流デバイスおよび受動デバイスのうちの少なくとも2つが組み合わされた回路網を含んでいてもよい。
【0018】
半導体スイッチングデバイスは、たとえば、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)、BJT( Bipolar Junction Transistor)、IGBT(Insulated Gate Bipolar Junction Transistor)およびJFET(Junction Field Effect Transistor)のうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。半導体整流デバイスは、たとえば、pn接合ダイオード、pin接合ダイオード、ツェナダイオード、ショットキーバリアダイオードおよびファーストリカバリーダイオードのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。受動デバイスは、たとえば、抵抗、コンデンサおよびインダクタのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0019】
複数のデバイス領域8は、MOSFETの一例としてのLDMOSFET(Lateral Double diffused MOSFET)20が形成されたLDMOS領域9を含む(
図1の領域II参照)。以下では、LDMOS領域9の構造について具体的に説明する。
【0020】
半導体チップ2の第1主面3には、フィールド絶縁膜17が形成されている。フィールド絶縁膜17は、
図3に示すように、素子分離ウェル13の一部に重なると共に、素子分離ウェル13の内側の領域に選択的に形成されている。フィールド絶縁膜17は、たとえば、半導体層7の表面(第1主面3)を選択的に酸化させて形成したLOCOS膜であってもよい。
【0021】
フィールド絶縁膜17は、第1開口部17aと、第2開口部17bと、第3開口部17cとを有している。第1開口部17aは、
図2に示すように、平面視で第2方向Yに長く延びる長円状に形成されている。第2開口部17bは、平面視で第2方向Yに長く延びる矩形状に形成されている。第1方向Xにおいて、第1開口部17aは、第2開口部17bを挟むように一対形成されていてもよい。第3開口部17cは、平面視で第1方向Xおよび第2方向Yに沿う四角環状に形成されている。第3開口部17cは、第1開口部17aおよび一対の第2開口部17bを取り囲むように形成されていてもよい。
【0022】
LDMOS領域9には、LDMOSFET20が形成されている。
図3に示すように、半導体層7の表面部には、n型(第2導電型)のドリフト領域21が形成されている。n型のドリフト領域21は、平面視で、第2方向Yに沿う細長い形状に形成されている。n型のドリフト領域21は、n型の基板6よりも高いn型不純物濃度を有している。n型のドリフト領域21のn型不純物濃度は、たとえば、1.0×10
16cm
-3以上1.0×10
18cm
-3以下であってもよい。
【0023】
n型のドリフト領域21の表面部には、n型のドレイン領域25が形成されている。n型のドレイン領域25は、n型のドリフト領域21よりも高いn型不純物濃度を有していてもよい。ドレイン領域25のn型不純物濃度は、たとえば、1.0×10
18cm
-3以上1.0×10
22cm
-3以下であってもよい。n型のドレイン領域25は、
図2に示すように、第2方向Yに沿う細長い形状である。n型のドレイン領域25は、第1開口部17aにおいてフィールド絶縁膜17から露出している。
【0024】
半導体層7の表面部には、n型のドリフト領域21に隣接して、p型(第2導電型)のボディ領域22が形成されている。p型のボディ領域22は、
図2に示すように、n型のドリフト領域21を取り囲むように平面視で環状に形成されている。p型のボディ領域22は、n型のドリフト領域21を第1方向Xに挟んでいる。p型のボディ領域22は、p型の基板6よりも高いp型不純物濃度を有していてもよい。p型のボディ領域22のp型不純物濃度は、たとえば、1.0×10
16cm
-3以上1.0×10
18cm
-3以下であってもよい。
【0025】
この実施形態では、
図3示すように、n型のドリフト領域21およびp型のボディ領域22は、第1方向Xに間隔を空けて形成されている。p型のボディ領域22は、n型のドレイン領域25から第1方向Xに間隔を空けて形成されている。p型のボディ領域22の底部22aは、基板6の厚さ方向(法線方向Z)に関し、n型のドリフト領域21の底部21aと同じ深さに位置している。つまり、第1主面3からボディ領域22の底部22aまでの距離と、第1主面3からドリフト領域21の底部21aまでの距離が同じであってもよい。第1主面3からボディ領域22の底部22aまでの距離は、第1主面3からドリフト領域21の底部21aまでの距離よりも小さくてもよいし、大きくてもよい。
【0026】
p型のボディ領域22の表面部には、n型のソース領域26が形成されている。n型のソース領域26は、n型の半導体層7よりも高い不純物濃度を有している。n型のソース領域26は、
図2に示すように、第2方向Yに沿う帯状であってもよい。
図3を参照して、n型のソース領域26の表面部には、n型のソース領域26よりも高い不純物濃度を有するn型の高濃度部27が形成されている。
【0027】
p型のボディ領域22の表面部には、p型のコンタクト領域24が形成されている。p型のコンタクト領域24は、p型のボディ領域22よりも高い不純物濃度を有していてもよい。コンタクト領域24のp型不純物濃度は、たとえば、1.0×10
18cm
-3以上1.0×10
22cm
-3以下であってもよい。p型のコンタクト領域24は、たとえば、
図2に示すように、平面視で、ドレイン領域25およびソース領域26を取り囲む環状であってもよい。
【0028】
LDMOSFET20は、p型のリサーフ層23を備えている。p型のリサーフ層23は、n型のドリフト領域21に対し、第2主面4側に形成されている。p型のリサーフ層23は、n型のドレイン領域25の中心Cから第1主面3に沿う横方向に両側に広がって、n型のドレイン領域25の全体を覆っている。
【0029】
図2を参照して、ドレイン領域25の中心Cは、たとえば、第1方向Xおよび第2方向Yそれぞれにおけるドレイン領域25の中央が一致する点であってもよい。リサーフ層23は、中心Cからその周囲全体にわたって第1主面3に沿って広がっている。リサーフ層23は、平面視において、中心Cから、ドレイン領域25の周縁部よりも外側の領域まで広がっている。これにより、ドレイン領域25は、平面視において、リサーフ層23に全周にわたって取り囲まれている。
【0030】
p型のリサーフ層23は、n型のドリフト領域21に接していてもよい。
図2に示すように、p型のリサーフ層23は、平面視で、第2方向Yに沿う細長い形状に形成されている。p型のリサーフ層23は、平面視で、n型のドリフト領域21とオーバーラップしている。
【0031】
p型のリサーフ層23の側部23bとn型のドリフト領域21の側部21bとは面一である。別の言い方では、p型のリサーフ層23の側部23bとn型のドリフト領域21の側部21bとが、基板6の厚さ方向に沿って(法線方向Z)に連続している。この明細書において、「基板の厚さ方向に連続している」とは、基板の主面(基板6の第1主面3)に沿う横方向の段差がないことをいう。p型のリサーフ層23の側部23bと、n型のドリフト領域21の側部21bとは、接していてもよいし、離れていてもよい。これにより、リサーフ層23の側部23bは、ドレイン領域25とソース領域26との間に位置している。
【0032】
p型のリサーフ層23は、p型のボディ領域22から離れている。
図3では、第1方向Xにおいてリサーフ層23とボディ領域22とが離れている構成が示されている。
図2を参照して、リサーフ層23は、平面視において、環状のボディ領域22に取り囲まれている。リサーフ層23の側部23bは、ボディ領域22の内側の円環状の側部22bとほぼ一定の間隔を空けて、ボディ領域22の側部22bに沿って環状に形成されている。
【0033】
p型のリサーフ層23は、p型の基板6よりも高いp型不純物濃度を有していてもよい。p型のリサーフ層23のp型不純物濃度は、たとえば、1.0×1016cm-3以上1.0×1018cm-3以下であってもよい。p型のリサーフ層23の厚さD2は、たとえばn型のドリフト領域21の厚さD1よりも大きくてよい。
【0034】
図3に示すように、フィールド絶縁膜17の第2開口部17bにおける第1主面3には、ゲート絶縁膜28が形成されている。ゲート絶縁膜28は、n型のドリフト領域21およびボディ領域22を、半導体層7を介して跨るように形成されている。コンタクト領域24は、ゲート絶縁膜28から露出している。ゲート絶縁膜28は、たとえば、第1主面3を熱酸化して形成したシリコン酸化膜であってもよい。また、ゲート絶縁膜28の厚さは、たとえば、0.01μm以上1.0μm以下であってもよい。
【0035】
第1主面3には、ゲート絶縁膜28を介してゲート電極29が形成されている。ゲート電極29は、この実施形態では、
図2に示すように、ドレイン領域25を取り囲むように平面視環状に形成されている。より具体的には、ゲート電極29は、第2方向Yに沿って延びる一対の側部29aと、一対の側部29a同士を接続する一対の端部29bとを一体的に含む細長い環状に形成されており、その中央に、ドレイン領域25を露出させる開口30が形成されている。開口30は、第2方向Yに沿って細長い形状に形成されている。
【0036】
ゲート電極29は、ゲート絶縁膜28およびフィールド絶縁膜17を選択的に覆うように形成されている。ゲート電極29は、たとえば、ポリシリコンまたはアルミニウム等の導電材料を含んでいてもよい。ゲート電極29の厚さは、たとえば、0.1μm以上1.0μm以下であってもよい。ゲート電極29の側壁は、絶縁膜であるサイドウォール31によって覆われている。
【0037】
図3を参照して、ゲート電極29がゲート絶縁膜28を介して対向するボディ領域22の部分が、LDMOSFET20のチャネル領域32である。チャネル領域32のチャネルの形成は、ゲート電極29によって制御される。
【0038】
第1主面3には、ゲート電極29およびフィールド絶縁膜17を覆うように層間絶縁膜34が形成されている。層間絶縁膜34は、たとえば、酸化膜および窒化膜の少なくとも一方を含む絶縁膜によって形成されている。なお、層間絶縁膜34は、複数層の層間絶縁膜によって形成されていてもよい。
【0039】
層間絶縁膜34には、ドレイン開口35、ソース開口36、バックゲート開口37およびゲート開口38が形成されている。ドレイン開口35、ソース開口36およびバックゲート開口37は、層間絶縁膜34をその厚さ方向(法線方向Z)に貫通している。
【0040】
ドレイン開口35は、平面視でドレイン領域25に重なる位置に形成されている。
図2に示すように、ドレイン開口35は、第2方向Yに沿って配列された複数個のドレイン開口35を含んでいてもよい。複数のドレイン開口35は、
図2に示すように、第1方向Xに揃った2列で、第2方向Yに沿って配列されていてもよい。各ドレイン開口35は、平面視四角形状であってもよい。また、図示はしないが、ドレイン開口35は、第2方向Yに沿って長い1つのドレイン開口35を含んでいてもよい。ドレイン開口35の内部には、ドレインコンタクト電極41が形成されている。ドレインコンタクト電極41は、ドレイン領域25に接続されている。
【0041】
ソース開口36は、平面視でn型のソース領域26に重なる位置に形成されている。ソース開口36は、第2方向Yに沿って配列された複数個のソース開口36を含んでいてもよい。ソース開口36の内部には、ソースコンタクト電極42が形成されている。また、ソースコンタクト電極42は、n型のソース領域26に接続されている。
【0042】
バックゲート開口37は、平面視でコンタクト領域24に重なる位置に形成されている。バックゲート開口37は、第2方向Yに沿って配列された複数個のバックゲート開口37を含んでいてもよい。バックゲート開口37の内部には、バックゲートコンタクト電極43が形成されている。バックゲートコンタクト電極43は、コンタクト領域24に接続されている。
【0043】
ゲート開口38は、平面視でゲート電極29に重なる位置に形成されている。ゲート開口38は、ゲート電極29の端部29bに配置された一または複数個(
図2の例では2つ)のゲート開口38を含んでいてもよい。ゲート開口38の内部には、ゲートコンタクト電極44が形成されている。ゲートコンタクト電極44は、ゲート電極29に接続されている。
【0044】
ドレインコンタクト電極41、ソースコンタクト電極42、バックゲートコンタクト電極43およびゲートコンタクト電極44は、この実施形態では、タングステン(W)で形成されているが、他の導電材料(たとえば、アルミニウム(Al)、銅(Cu)等)で形成されていてもよい。その際、TiN等のバリア層を用いてもよいことは、言うまでもない。
【0045】
層間絶縁膜34上には、ドレイン配線45、ソース配線46、バックゲート配線47およびゲート配線(図示せず)が形成されている。ドレイン配線45は、ドレインコンタクト電極41に接続されている。ソース配線46は、ソースコンタクト電極42に接続されている。バックゲート配線47は、バックゲートコンタクト電極43に接続されている。また、ゲート配線は、ゲートコンタクト電極44に接続されている。
【0046】
ドレイン配線45、ソース配線46、バックゲート配線47およびゲート配線は、Ti系金属膜、Al系金属膜、およびTi系金属膜を含む積層構造を有していてもよい。Al系金属膜は、純Al膜(純度が99%以上のAl膜)、AlSi合金膜、AlCu合金膜およびAlSiCu合金膜のうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0047】
ドレイン配線45は、ドレインコンタクト電極41を介してドレイン領域25に電気的に接続されている。ソース配線46は、ソースコンタクト電極42を介してn型のソース領域26に電気的に接続されている。バックゲート配線47は、バックゲートコンタクト電極43を介してコンタクト領域24に電気的に接続されている。ゲート配線(図示せず)は、ゲートコンタクト電極44を介してゲート電極29に電気的に接続されている。
【0048】
半導体装置1のオン抵抗および半導体装置1の耐圧(LDMOSFET20の素子耐圧)は、n型のドリフト領域21のn型不純物濃度に関して、互いに背反の関係を有している。具体的には、n型のドリフト領域21のn型不純物濃度を増加させた場合、オン抵抗を低減できるが、半導体装置1の耐圧が低下する。一方、n型のドリフト領域21のn型不純物濃度を減少させた場合、半導体装置1の高い耐圧を実現できるが、オン抵抗が上昇する。
【0049】
半導体装置1によれば、n型のドリフト領域21を覆うp型のリサーフ層23が形成されている。p型のリサーフ層23の側部23bとn型のドリフト領域21の側部21bとが面一である(p型のリサーフ層23の側部23bとn型のドリフト領域21の側部21bとが、基板6の厚さ方向(法線方向Z)に連続している)。別の言い方では、p型のリサーフ層23は、n型のドリフト領域21の中心Cから、第1主面3に沿う横方向に両側に広がって、n型のドリフト領域21の全体を覆っている。このようなp型のリサーフ層23を形成することにより、n型のドレイン領域25に電界集中が生じるのを防止できる。これにより、半導体装置1の高い耐圧を実現できる。
【0050】
そのため、n型のドリフト領域21のn型不純物濃度を高くしても、半導体装置1の耐圧を高く維持することが可能である。この実施形態では、n型のドリフト領域21のn型不純物濃度を高くしている(たとえば、1.0×1017cm-3以上1.0×1018cm-3以下)。n型のドリフト領域21のn型不純物濃度を高くすることにより、オン抵抗を低減できる。これにより、半導体装置1の耐圧を高く維持しながらオン抵抗の低減を実現できる。
【0051】
図4Aおよび
図4Bは、本開示の第1実施形態に係る半導体装置1の効果を説明するための図である。
図4Aおよび
図4Bは、それぞれ、素子耐圧およびオン抵抗を、半導体装置1と参考例に係る半導体装置とで比較している。
図4Aおよび
図4Bでは、参考例に係る半導体装置の素子耐圧およびオン抵抗を1とし、半導体装置1の素子耐圧およびオン抵抗を、参考例に係る半導体装置の素子耐圧およびオン抵抗に対する相対値として示している。
【0052】
参考例に係る半導体装置は、p型のリサーフ層23を備えていない点において、半導体装置1と相違している。参考例に係る半導体装置では、耐圧を高く維持するため、n型のドリフト領域21のn型不純物濃度は、5.0×1016cm-3である。n型のドリフト領域21のn型不純物濃度とリサーフ層23の有無とを除けば、参考例に係る半導体装置の構成は、半導体装置1の構成と同じである。
【0053】
半導体装置1では、p型のリサーフ層23を備えているので、n型のドリフト領域21のn型不純物濃度を、参考例に係る半導体装置よりも高くしても、耐圧を高く維持できる。
図4Aおよび
図4Bの例では、n型のドリフト領域21のn型不純物濃度は、たとえば、2.0×10
17cm
-3である。この場合、
図4Aに示すように、参考例に係る半導体装置と比べて半導体装置1の耐圧の低下を5%に止めながら、
図4Bに示すように、オン抵抗を大幅に(17%)低減している。
図4Aおよび
図4Bから、半導体装置1において高耐圧を維持しながらオン抵抗の低減を実現できることがわかる。
【0054】
図5A~
図5Mは、本開示の第1実施形態に係る半導体装置1の製造工程の一部を示す図である。なお、
図5A~
図5Mでは、
図3に示した参照符号のうち、半導体装置1の製造工程の説明に必要な構成の参照符号を主として付し、その他の参照符号は省略することがある。
【0055】
図5Aに示すように、p型の半導体ウエハ10が用意される。半導体ウエハ10には、個々の半導体装置1となる領域を区画するデバイス領域切断予定ラインが設定される。半導体ウエハ10は、半導体装置1の基板6に対応する。次に、第1レジストマスク61を介して半導体ウエハ10の主面の表面部に、p型不純物が選択的に導入される。これにより、半導体ウエハ10の主面の表面部に第1導入部14aが形成される。その後、第1レジストマスク61が、半導体ウエハ10から除去される。p型の不純物(第1不純物)としては、たとえば、B(ホウ素)またはAl(アルミニウム)等を挙げることができる。
【0056】
次に、
図5Bに示すように、エピタキシャル成長法によって、半導体ウエハ10の主面からSi、SiC等の半導体材料がエピタキシャル成長され、n型の第1エピタキシャル層11Aが形成される。このとき、半導体ウエハ10の主面に導入された第1導入部14aのp型不純物がn型の第1エピタキシャル層11Aに拡散する。これにより、p型の第1ピラー領域14が形成される。
【0057】
次に、第1エピタキシャル層11A上に、第2レジストマスク62(第1マスク)が配置される。具体的には、
図5Cに示すように、第1エピタキシャル層11A上に、レジスト500が塗布され、レジスト500上にパターニング用マスクPMが配置される。パターニング用マスクPMは、所定の開口パターンOPを有している。パターニング用マスクPMを介してレジスト500に光(たとえば、紫外線等)が照射されることによって、レジスト500が露光され、開口パターンOPを介して露光されたレジスト500の部分が除去される。これにより、
図5Dに示すように、パターニング用マスクPMの開口パターンOPと同一パターンの開口62aを有する第2レジストマスク62が形成される。第2レジストマスク62の開口62aは、p型のリサーフ層23を形成する領域に対応している。パターニング用マスクPMは、第1エピタキシャル層11A上から退避する。
【0058】
次に、
図5Dに示すように、第2レジストマスク62を介して第1エピタキシャル層11Aの表面部に、p型不純物が選択的に導入される。これにより、半導体ウエハ10の主面の表面部に第2導入部23eが形成される。その後、第2レジストマスク62が、半導体ウエハ10から除去される。
【0059】
次に、
図5Eに示すように、エピタキシャル成長法によって、第1エピタキシャル層11Aの主面からSi、SiC等の半導体材料がエピタキシャル成長され、n型の第2エピタキシャル層11Bが形成される。このとき、半導体ウエハ10の主面に導入された第2導入部23eのp型不純物が第2エピタキシャル層11Bに、基板6の厚さ方向(法線方向Z)に拡散する。これにより、p型のリサーフ層23が形成される。p型のリサーフ層23の表面(基板6側と反対側の表面)は、第2エピタキシャル層11Bによって覆われている。
【0060】
第1エピタキシャル層11Aおよび第2エピタキシャル層11Bは、半導体層7に対応する。第2エピタキシャル層11Bの形成により、基板6および半導体層7を含む半導体ウエハ構造体12が形成される。半導体ウエハ構造体12は、第1主面3に対応する第1ウエハ主面93と、第2主面4に対応する第2ウエハ主面94とを含む。
【0061】
次に、
図5Eに示すように、第3レジストマスク63を介して第2エピタキシャル層11Bの表面に、p型の不純物が選択的に導入される。これにより、半導体ウエハ構造体12の第1ウエハ主面93の表面部に第3導入部15aが形成される。その後、第3レジストマスク63が除去される。
【0062】
次に、第2エピタキシャル層11Bの表面上に、第4レジストマスク64(第2マスク)が形成される。具体的には、
図5Fに示すように、第2エピタキシャル層11B上に、レジスト500が塗布され、レジスト500上にパターニング用マスクPMが配置される。パターニング用マスクPMを介してレジスト500に光(たとえば、紫外線等)が照射されることによって、レジスト500が露光され、これにより、
図5Gに示すように、パターニング用マスクPMの開口パターンOPと同一パターンの開口64aを有する第4レジストマスク64が形成される。第4レジストマスク64の開口64aは、n型のドリフト領域21を形成する領域に対応している。パターニング用マスクPMは、第1エピタキシャル層11A上から退避する。
【0063】
第4レジストマスク64の開口64aのパターンは、第2レジストマスク62の開口62aのパターンと共通している。
図2に示すように、半導体装置1において、基板6の厚さ方向(法線方向Z)から見て、n型のドリフト領域21とp型のリサーフ層23とはオーバーラップしている。そのため、第4レジストマスク64の開口64aの開口パターンを、第2レジストマスク62の開口62aの開口パターンと同じにしている。そして、この実施形態では、第4レジストマスク64の開口64aの開口パターンは、第2レジストマスク62の開口62aの開口パターンと、同じパターニング用マスクPMを介してパターニングされている。
【0064】
図5Gに示すように、第4レジストマスク64を介して第2エピタキシャル層11Bの表面に、n型不純物が選択的に導入される。これにより、半導体ウエハ構造体12の第1ウエハ主面93の表面部に第4導入部21eが形成される。その後、第4レジストマスク64が除去される。n型の不純物としては、たとえば、P(リン)またはAs(砒素)等を挙げることができる。
【0065】
次に、
図5Hに示すように、第5レジストマスク65を介して第2エピタキシャル層11Bの表面に、p型不純物が選択的に導入される。これにより、半導体ウエハ構造体12の第1ウエハ主面93の表面部に第5導入部22eが形成される。その後、第5レジストマスク65が除去される。
【0066】
次に、
図5Iに示すように、半導体ウエハ構造体12を熱処理することによって、第3導入部15aおよび第5導入部22eのp型不純物と、第4導入部21eのn型不純物とが半導体ウエハ構造体12中に拡散する。これにより、第3導入部15aから第2ピラー領域15が形成され、第4導入部21eからn型のドリフト領域21が形成され、第5導入部22eからp型のボディ領域22が形成される。具体的には、n型のドリフト領域21は、その側部21bがp型のリサーフ層23の側部23bと面一になるように形成される。また、p型のボディ領域22は、n型のドリフト領域21と、第1方向Xに間隔を空けて隣接して形成されている。p型のボディ領域22の底部22aは、基板6の厚さ方向(法線方向Z)に関し、n型のドリフト領域21の底部21aと同じ深さに位置している。
【0067】
次に、
図5Jに示すように、CVD法や熱酸化処理法によって、半導体ウエハ構造体12の第1ウエハ主面93にフィールド絶縁膜17が形成される。次に、フィールド絶縁膜17の第1開口部17a、第2開口部17bおよび第3開口部17cから露出する第1ウエハ主面93が、熱酸化される。これにより、ゲート絶縁膜28が形成される。
【0068】
次に、ゲート電極29が形成される。たとえば、CVD法によってゲート電極29用のベース電極層(この実施形態では、導電性ポリシリコン層)がフィールド絶縁膜17およびゲート絶縁膜28を覆うように形成される。次に、レジストマスク(図示せず)を介するエッチングによってベース電極層の不要部分が除去されることによって、ゲート電極29が形成される。このときのエッチングは、ウエットエッチングであってもよいし、ドライエッチングであってもよい。
【0069】
次に、
図5Kに示すように、レジストマスク(図示せず)およびゲート電極29をマスクとして、n型不純物がp型のボディ領域22の表面部に選択的に導入される。これにより、n型のソース領域26が、各ボディ領域22の表面部にゲート電極29に対して自己整合的に形成される。また、ゲート電極29の側壁を覆うサイドウォール31が形成される。サイドウォール31の形成工程では、たとえば、サイドウォール31用のベース絶縁膜(図示せず)が、ゲート電極29を覆うようにフィールド絶縁膜17上に形成される。次に、ベース絶縁膜においてゲート電極29の側壁を覆う部分が残存するように、ドライエッチング等のエッチングによって、ベース絶縁膜が選択的に除去される。
【0070】
次に、
図5Lに示すように、レジストマスク(図示せず)、フィールド絶縁膜17およびサイドウォール31を介して、n型のドリフト領域21の表面部およびp型のボディ領域22の表面部にn型不純物が選択的に導入される。これにより、n型のドレイン領域25がフィールド絶縁膜17に対して自己整合的に形成され、サイドウォール31に対して自己整合的に高濃度部27が形成される。次に、レジストマスク(図示せず)およびフィールド絶縁膜17を介してp型のボディ領域22の表面部にp型不純物が選択的に導入される。これにより、コンタクト領域24がフィールド絶縁膜17に対して自己整合的に形成される。
【0071】
次に、
図5Mに示すように、たとえばCVD法によって、フィールド絶縁膜17およびゲート電極29を覆うように層間絶縁膜34が形成される。次に、レジストマスク(図示せず)を介するエッチングによって、層間絶縁膜34の不要部分が除去される。これにより、複数のドレイン開口35、複数のソース開口36、複数のバックゲート開口37およびゲート開口38(
図5Mに図示せず)が層間絶縁膜34に形成される。
【0072】
次に、たとえばスパッタ法によって、Ti系金属膜(Ti膜およびTiN膜のうちの少なくとも1つ)が、複数のドレイン開口35の壁面、複数のソース開口36の壁面、複数のバックゲート開口37の壁面およびゲート開口38の壁面ならびに層間絶縁膜34の主面に沿って膜状に形成される。次に、たとえばCVD法によって、タングステン(W)膜が、Ti系金属膜を覆うように形成される。タングステン膜は、Ti系金属膜を挟んで複数のドレイン開口35、複数のソース開口36、複数のバックゲート開口37およびゲート開口38に埋め込まれ、Ti膜を挟んで層間絶縁膜34の主面を覆う。
【0073】
その後、タングステン膜の不要部分およびTi系金属膜の不要部分が、エッチングによって除去される。これにより、ドレインコンタクト電極41、ソースコンタクト電極42、バックゲートコンタクト電極43およびゲートコンタクト電極44(
図5Mに図示せず)が形成される。
【0074】
次に、たとえばスパッタ法によって、配線用の導電材料が、層間絶縁膜34上に形成される。次に、レジストマスク(図示せず)を介するエッチングによって当該導電材料の不要部分が除去される。これにより、層間絶縁膜34上にドレイン配線45、ソース配線46、バックゲート配線47およびゲート配線(図示せず)が形成される。
【0075】
その後、半導体ウエハ構造体12が切断予定ラインに沿って切断される。これにより、一枚の半導体ウエハ構造体12から複数の半導体装置1が切り出される。
【0076】
仮に、p型のリサーフ層23を、半導体ウエハ構造体12の第1ウエハ主面93からp型不純物を導入することにより形成することも考えられる。しかし、第1ウエハ主面93からp型のリサーフ層23の形成位置まで距離があるため、p型不純物を深い位置まで導入する必要がある。この場合、半導体ウエハ構造体12に形成されるリサーフ層23の位置精度や寸法精度が低いおそれがある。
【0077】
しかし、この実施形態では、エピタキシャル層の形成を、第1エピタキシャル層11Aの形成と、第2エピタキシャル層11Bの形成との2段階に分け、第1エピタキシャル層11Aの表面にp型のリサーフ層23を形成している。これにより、半導体ウエハ構造体12に形成されるリサーフ層23の位置精度や寸法精度を高めることができる。
【0078】
図6は、本開示の第2実施形態に係る半導体装置201の断面図である。また、第2実施形態では、第1実施形態と主に異なる部分のみを説明し、今まで説明した構成と同じ構成には同じ参照符号を付して、その説明を省略する。
【0079】
半導体装置201は、p型のリサーフ層23の下方に形成されたn型(第2導電型)の埋め込み層221をさらに含む。半導体装置201は、基板6の厚さ方向(法線方向Z)において、埋め込み層221、p型のリサーフ層23およびn型のドリフト領域21の積層構造Sを含んでいる。積層構造Sにおいて、p型のリサーフ層23は、n型のドリフト領域21とn型の埋め込み層221との間に、基板6の厚さ方向に挟まれている。
【0080】
n型の埋め込み層221は、p型のリサーフ層23に対し、第2主面4側に形成されている。n型の埋め込み層221は、p型のリサーフ層23に接していてもよい。n型の埋め込み層221は、平面視で、n型のドリフト領域21およびp型のリサーフ層23とオーバーラップしている。すなわち、n型の埋め込み層221は、平面視で、第2方向Yに沿う細長い形状に形成されている。n型の埋め込み層221は、基板6と半導体層7との境界に達していない。
【0081】
n型の埋め込み層221の側部221bとp型のリサーフ層23の側部23bとが面一である。別の言い方では、n型の埋め込み層221の側部221bとp型のリサーフ層23の側部23bとが、基板6の厚さ方向(法線方向Z)に連続している。n型の埋め込み層221は、半導体層7よりも高いp型不純物濃度を有していてもよい。n型の埋め込み層221のn型不純物濃度は、たとえば、1.0×1016cm-3以上1.0×1018cm-3以下であってもよい。n型の埋め込み層221の厚さD3は、たとえばn型のドリフト領域21の厚さD1およびp型のリサーフ層23の厚さD2よりも小さくてもよい。
【0082】
オン抵抗の低減を実現するために、n型のドリフト領域21のn型不純物濃度を高くする場合において、n型のドレイン領域25に電界集中が生じるのを防止するために、p型のリサーフ層23のp型不純物濃度をn型のドリフト領域21のn型不純物濃度と同程度に高くすることが考えられる。しかし、n型のドリフト領域21のn型不純物濃度を高くすることにより、電界集中の緩和効果を阻害するおそれがある。
【0083】
p型のリサーフ層23を、n型のドリフト領域21とn型の埋め込み層221とによって、基板6の厚さ方向(法線方向Z)に挟むことで空乏層を効果的に広げることができ。n型のドレイン領域25に電界集中が生じるのを防止できる。これにより、半導体装置201の耐圧をより一層高く維持しながら、オン抵抗の低減を実現できる。
【0084】
図7A~
図7Jは、本開示の第2実施形態に係る半導体装置201の製造工程の一部を示す図である。なお、
図7A~
図7Jでは、
図6に示した参照符号のうち、半導体装置201の製造工程の説明に必要な構成の参照符号を主として付し、その他の参照符号は省略することがある。
【0085】
図7Aに示すように、p型の半導体ウエハ10が用意される。半導体ウエハ10には、個々の半導体装置201となる領域を区画するデバイス領域切断予定ラインが設定される。半導体ウエハ10は、半導体装置201の基板6に対応する。次に、第1レジストマスク61を介して半導体ウエハ10の主面の表面部に、p型不純物が選択的に導入される。これにより、半導体ウエハ10の主面の表面部に第1導入部14aが形成される。その後、第1レジストマスク61が、半導体ウエハ10から除去される。p型の不純物(第1不純物)としては、たとえば、B(ホウ素)またはAl(アルミニウム)等を挙げることができる。
【0086】
次に、
図7Bに示すように、エピタキシャル成長法によって、半導体ウエハ10の主面からSi、SiC等の半導体材料がエピタキシャル成長され、n型の第3エピタキシャル層11Cが形成される。このとき、半導体ウエハ10の主面に導入された第1導入部14aのp型不純物がn型の第3エピタキシャル層11Cに拡散する。これにより、p型の第1ピラー領域14が形成される。
【0087】
次に、第3エピタキシャル層11C上に、第6レジストマスク66(第3マスク)が配置される。具体的には、
図7Cに示すように、第3エピタキシャル層11C上に、レジスト500が塗布され、レジスト500上にパターニング用マスクPMが配置される。パターニング用マスクPMは、所定の開口パターンOPを有している。パターニング用マスクPMを介してレジスト500に光(たとえば、紫外線等)が照射されることによって、レジスト500が露光され、開口パターンOPを介して露光されたレジスト500の部分が除去される。これにより、
図7Dに示すように、パターニング用マスクPMの開口パターンOPと同一パターンの開口66aを有する第6レジストマスク66が形成される。第6レジストマスク66の開口66aは、埋め込み層221を形成する領域に対応している。パターニング用マスクPMは、第3エピタキシャル層11C上から退避する。
【0088】
第6レジストマスク66の開口66aのパターンは、第2レジストマスク62の開口62aのパターンと共通している。半導体装置201において、基板6の厚さ方向(法線方向Z)から見て、埋め込み層221とp型のリサーフ層23とはオーバーラップしている。そのため、第6レジストマスク66の開口66aの開口パターンを、第2レジストマスク62の開口62aの開口パターンと同じにしている。そして、この実施形態では、第6レジストマスク66の開口66aの開口パターンは、第2レジストマスク62の開口62aの開口パターンと、同じパターニング用マスクPMを介してパターニングされている。
【0089】
次に、
図7Dに示すように、第6レジストマスク66を介して第3エピタキシャル層11Cの表面部に、P型不純物が選択的に導入される。これにより、半導体ウエハ10の主面の表面部に第6導入部221eが形成される。その後、第6レジストマスク66が、半導体ウエハ10から除去される。
【0090】
次に、
図7Eに示すように、エピタキシャル成長法によって、第3エピタキシャル層11Cの主面からSi、SiC等の半導体材料がエピタキシャル成長され、n型の第1エピタキシャル層11Aが形成される。このとき、半導体ウエハ10の主面に導入された第6導入部221eのn型不純物が第1エピタキシャル層11Aに、基板6の厚さ方向(法線方向Z)に拡散する。これにより、n型の埋め込み層221が形成される。n型の埋め込み層221の表面(基板6側と反対側の表面)は、第1エピタキシャル層11Aによって覆われている。
【0091】
次に、
図7Fに示すように、エピタキシャル成長法によって、第1エピタキシャル層11Aの主面からSi、SiC等の半導体材料がエピタキシャル成長され、n型の第2エピタキシャル層11Bが形成される。このとき、半導体ウエハ10の主面に導入された第2導入部23eのp型不純物が第2エピタキシャル層11Bに、基板6の厚さ方向(法線方向Z)に拡散する。これにより、p型のリサーフ層23が形成される。p型のリサーフ層23は、その側部21bがn型の埋め込み層221の側部221bと半導体ウエハ構造体12の厚さ方向(法線方向Z)に連続するように形成される。p型のリサーフ層23の表面(基板6側と反対側の表面)は、第2エピタキシャル層11Bによって覆われている。
【0092】
第1エピタキシャル層11A、第2エピタキシャル層11Bおよび第3エピタキシャル層11Cは、半導体層7に対応する。第2エピタキシャル層11Bの形成により、基板6および半導体層7を含む半導体ウエハ構造体12が形成される。
【0093】
次に、
図5Eに示す工程と同様に、第2エピタキシャル層11Bの表面にp型不純物が選択的に導入され、第1ウエハ主面93の表面部に第3導入部15aが形成される。次に、
図5Gに示す工程と同様に、第2エピタキシャル層11Bの表面にn型不純物が選択的に導入され、第1ウエハ主面93の表面部に第4導入部21eが形成される。次に、
図5Hに示す工程と同様に、第2エピタキシャル層11Bの表面にp型不純物が選択的に導入され、第1ウエハ主面93の表面部に第5導入部22eが形成される。
【0094】
次に、
図7Iに示すように、半導体ウエハ構造体12を熱処理することによって、第3導入部15aおよび第5導入部22eのp型不純物と、第4導入部21eのn型不純物とが半導体ウエハ構造体12中に拡散する。これにより、第3導入部15aから第2ピラー領域15が形成され、第4導入部21eからn型のドリフト領域21が形成され、第5導入部22eからp型のボディ領域22が形成される。
【0095】
それ以降の工程は、第1実施形態の製造工程の場合と同様であるので、説明を省略する。
図7Hに示すように、層間絶縁膜34上にドレイン配線45、ソース配線46、バックゲート配線47およびゲート配線(図示せず)を形成した後、半導体ウエハ構造体12が切断予定ラインに沿って切断される。これにより、一枚の半導体ウエハ構造体12から複数の半導体装置201が切り出される。
【0096】
仮に、p型のリサーフ層23を、半導体ウエハ構造体12の第1ウエハ主面93からp型不純物を導入することにより形成することも考えられる。しかし、第1ウエハ主面93からp型のリサーフ層23の形成位置まで距離があるため、p型不純物を深い位置まで導入する必要がある。この場合、半導体ウエハ構造体12に形成されるp型のリサーフ層23の位置精度や寸法精度が低いおそれがある。
【0097】
しかし、この実施形態では、エピタキシャル層の形成を、第1エピタキシャル層11Aの形成と、第2エピタキシャル層11Bの形成との2段階に分け、第1エピタキシャル層11Aの表面にp型のリサーフ層23を形成している。これにより、半導体ウエハ構造体12に形成されるp型のリサーフ層23の位置精度や寸法精度を高めることができる。
【0098】
以上、本開示の複数の実施形態について説明したが、本開示はさらに他の形態で実施することもできる。
【0099】
たとえば、
図8の半導体装置301に示すように、p型のリサーフ層23の側部23bが、断面視で直線状でなく、第1方向Xおよび第2方向Yの外側に凸状に膨らんでいてもよい。この場合、リサーフ層23の側部23bは、ドリフト領域21の側部21bの下端から第1主面3に沿う横方向に膨らむように、ドリフト領域21の側部21bに連続していてもよい。リサーフ層23の側部23bは、ボディ領域22の側部22bよりも内側の領域に位置していてもよい。また、図示しないが、
図6の埋め込み層221の側部221bが、断面視で直線状でなく、第1方向Xおよび第2方向Yの外側に凸状に膨らんでいてもよい。
【0100】
また、
図9の半導体装置302に示すように、p型のリサーフ層23が、基板6の厚さ方向(法線方向Z)において、ドリフト領域21から離れていてもよい。また、図示しないが、n型の埋め込み層221が、基板6の厚さ方向(法線方向Z)において、p型のリサーフ層23から離れていてもよい。
【0101】
また、
図10の半導体装置303に示すように、n型のドリフト領域21とp型のボディ領域22とが接していてもよい。
【0102】
また、たとえば、半導体装置1,201,301,302,303の各半導体部分の導電型を反転した構成が採用されてもよい。たとえば、半導体装置1,201,301,302,303において、p型(第1導電型)の部分がn型であり、n型(第2導電型)の部分がp型であってもよい。
【0103】
この明細書および図面の記載から以下に付記する特徴が抽出され得る。
【0104】
[付記1-1]
第1導電型の基板(6)と、
前記基板(6)上に形成された第2導電型の半導体層(7)と、
前記半導体層(7)の表面部に形成された第2導電型のドリフト領域(21)と、
前記ドリフト領域(21)に形成された第2導電型のドレイン領域(25)と、
前記半導体層(7)の表面部に前記ドリフト領域(21)に隣接して形成された第1導電型のボディ領域(22)と、
前記ボディ領域(22)に形成された第2導電型のソース領域(26)と、
前記ドレイン領域(25)の中心(C)から主面(3)に沿う横方向に両側に広がって、前記ドリフト領域(21)の全体を覆う第1導電型のリサーフ層(23)とを含む、半導体装置(1,201,301,302,303)。
【0105】
この構成によれば、第2導電型のドリフト領域(21)を覆う第1導電型のリサーフ層(23)が形成されている。第1導電型のリサーフ層(23)は、第2導電型のドレイン領域(25)の中心(C)から、主面(3)に沿う横方向に両側に広がって、ドリフト領域(21)の全体を覆っている。このような第1導電型のリサーフ層(23)を形成することにより、第2導電型のドレイン領域(25)に電界集中が生じるのを防止できる。これにより、高い耐圧を実現できる。
【0106】
[付記1-2]
前記リサーフ層(23)の側部(23b)と前記ドリフト領域(21)の側部(21b)とが、前記基板(6)の厚さ方向(Z)に連続している、付記1-1に記載の半導体装置(1,201,301,302,303)。
【0107】
[付記1-3]
前記リサーフ層(23)の側部(23b)と前記ドリフト領域(21)の側部(21b)とが面一である、付記1-2に記載の半導体装置(1,201,302,303)。
【0108】
[付記1-4]
前記リサーフ層(23)が、前記ドリフト領域(21)に接している、付記1-1~付記1-3のいずれか一項に記載の半導体装置(1,201,301,303)。
【0109】
[付記1-5]
前記リサーフ層(23)が、前記ドリフト領域(21)から離れている、付記1-1~付記1-3のいずれか一項に記載の半導体装置(302)。
【0110】
[付記1-6]
前記リサーフ層(23)の下方に形成された第2導電型の埋め込み層(221)をさらに含む、付記1-1~付記1-5のいずれか一項に記載の半導体装置(201)。
【0111】
[付記1-7]
前記埋め込み層(221)の側部(221b)と前記リサーフ層(23)の側部(23b)とが面一である、付記1-6に記載の半導体装置(201)。
【0112】
[付記1-8]
前記基板(6)の厚さ方向(Z)において、前記埋め込み層(221)、前記リサーフ層(23)および前記ドリフト領域(21)の積層構造(S)を含む、付記1-6または付記1-7に記載の半導体装置(201)。
【0113】
[付記1-9]
前記ドリフト領域(21)と前記ボディ領域(22)とが接している、付記1-1~付記1-8のいずれか一項に記載の半導体装置(303)。
【0114】
[付記1-10]
前記ドリフト領域(21)と前記ボディ領域(22)とが離れている、付記1-1~付記1-8のいずれか一項に記載の半導体装置(1,201,301,302)。
【0115】
[付記1-11]
第1導電型の基板(6)上に、第2導電型の第1エピタキシャル層(11A)を形成する工程と、
前記第1エピタキシャル層(11A)の表面に第1導電型の第1不純物を選択的に導入することにより、第1導電型のリサーフ層(23)を形成する工程と、
前記リサーフ層(23)を覆うように、第2導電型の第2エピタキシャル層(11B)を形成する工程と、
前記第2エピタキシャル層(11B)の表面に第2導電型の第2不純物を選択的に導入することにより、前記第2エピタキシャル層(11B)の濃度よりも高い濃度を有する第2導電型のドリフト領域(21)を、前記ドリフト領域(21)の側部(21b)が前記リサーフ層(23)の側部(23b)と前記基板(6)の厚さ方向(Z)に連続するように形成する工程と、
前記第2エピタキシャル層(11B)の表面に第1導電型の不純物を選択的に導入することにより、前記ドリフト領域(21)に隣接する第1導電型のボディ領域(22)を形成する工程と、
前記ドリフト領域(21)の表面に、第2導電型の不純物を選択的に導入することにより、前記ドリフト領域(21)の濃度よりも高い濃度を有する第2導電型のドレイン領域(25)を形成する工程とを含む、半導体装置(1,201,301,302,303)の製造方法。
【0116】
この方法によれば、第2導電型の第1エピタキシャル層(11A)の表面に第1導電型の第1不純物を選択的に導入することにより、第1導電型のリサーフ層(23)を形成する。そして、第1導電型のリサーフ層(23)を覆うように、第2導電型の第2エピタキシャル層(11B)を形成し、第2エピタキシャル層(11B)の表面に第2導電型の第2不純物を選択的に導入することにより、第2導電型のドリフト領域(21)を、前記ドリフト領域(21)の側部(21b)がリサーフ層(23)の側部(23b)と基板(6)の厚さ方向(Z)に連続するように形成する。これにより、第2導電型のドレイン領域(25)の中心(C)から、主面(3)に沿う横方向に両側に広がって、ドリフト領域(21)の全体を覆うリサーフ層(23)を備えた半導体装置(1,201,301,302,303)を製造できる。ゆえに、高い耐圧を実現できる半導体装置(1,201,301,302,303)を製造できる。
【0117】
また、この方法によれば、エピタキシャル層の形成を、第1エピタキシャル層(11A)の形成と、第2エピタキシャル層(11B)の形成との2段階に分けている。そして、リサーフ層(23)を第1エピタキシャル層(11A)の表面に形成している。これにより、リサーフ層(23)の位置精度や寸法精度を高めることができる。
【0118】
[付記1-12]
前記第1不純物は、所定の開口パターンを有するパターニング用マスク(PM)を介してパターニングされた第1マスク(62)を介して前記第1エピタキシャル層(11A)へ導入され、
前記第2不純物は、前記パターニング用マスク(PM)を介してパターニングされた第2マスク(64)を介して前記第2エピタキシャル層(11B)へ導入される、付記1-11に記載の半導体装置(1,201,301,302,303)の製造方法。
【0119】
[付記1-13]
前記第1エピタキシャル層(11A)の形成に先立って、前記基板(6)上に、第2導電型の第3エピタキシャル層(11C)を形成する工程と、
前記第3エピタキシャル層(11C)の表面に第2導電型の第3不純物を選択的に導入することにより、第2導電型の埋め込み層(221)を形成する工程とをさらに含み、
前記リサーフ層(23)は、前記リサーフ層(23)の側部(23b)が前記埋め込み層(221)の側部(221b)と前記基板(6)の厚さ方向(Z)に連続するように形成される、付記1-11に記載の半導体装置(201)の製造方法。
【0120】
[付記1-14]
前記第3不純物は、所定の開口パターンを有するパターニング用マスク(PM)を介してパターニングされた第3マスク(66)を介して前記第3エピタキシャル層(11C)へ導入され、
前記第1不純物は、前記パターニング用マスク(PM)を介してパターニングされた第1マスク(62)を介して前記第1エピタキシャル層(11A)へ導入され、
前記第2不純物は、前記パターニング用マスク(PM)を介してパターニングされた第2マスク(64)を介して前記第2エピタキシャル層(11B)へ導入される、付記1-13に記載の半導体装置(201)の製造方法。
【符号の説明】
【0121】
1 :半導体装置
2 :半導体チップ
3 :第1主面
4 :第2主面
5A :第1側面
5B :第2側面
5C :第3側面
5D :第4側面
6 :基板
7 :半導体層
8 :デバイス領域
9 :LDMOS領域
10 :半導体ウエハ
11A :第1エピタキシャル層
11B :第2エピタキシャル層
11C :第3エピタキシャル層
12 :半導体ウエハ構造体
13 :素子分離ウェル
14 :第1ピラー領域
14a :第1導入部
15 :第2ピラー領域
15a :第3導入部
17 :フィールド絶縁膜
17a :第1開口部
17b :第2開口部
17c :第3開口部
20 :LDMOSFET
21 :ドリフト領域
21a :底部
21b :側部
21e :第4導入部
22 :ボディ領域
22a :底部
22e :第5導入部
23 :リサーフ層
23b :側部
23e :第2導入部
24 :コンタクト領域
25 :ドレイン領域
26 :ソース領域
27 :高濃度部
28 :ゲート絶縁膜
29 :ゲート電極
29a :側部
29b :端部
30 :開口
31 :サイドウォール
32 :チャネル領域
34 :層間絶縁膜
35 :ドレイン開口
36 :ソース開口
37 :バックゲート開口
38 :ゲート開口
41 :ドレインコンタクト電極
42 :ソースコンタクト電極
43 :バックゲートコンタクト電極
44 :ゲートコンタクト電極
45 :ドレイン配線
46 :ソース配線
47 :バックゲート配線
61 :第1レジストマスク
62 :第2レジストマスク(第1マスク)
62a :開口
63 :第3レジストマスク
64 :第4レジストマスク(第2マスク)
64a :開口
65 :第5レジストマスク
66 :第6レジストマスク(第3マスク)
66a :開口
93 :第1ウエハ主面
94 :第2ウエハ主面
201 :半導体装置
221 :埋め込み層
221b :側部
221e :第6導入部
500 :レジスト
C :中心
D1 :厚さ
D2 :厚さ
D3 :厚さ
OP :開口パターン
PM :パターニング用マスク
S :積層構造
X :第1方向
Y :第2方向
Z :法線方向