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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095292
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】遮蔽装置
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/264 20060101AFI20240703BHJP
【FI】
E06B9/264 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022212465
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000250672
【氏名又は名称】立川ブラインド工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】江波戸 武信
(72)【発明者】
【氏名】村木 謙文
【テーマコード(参考)】
2E043
【Fターム(参考)】
2E043AA02
2E043AA04
2E043BB04
2E043BB12
2E043BB14
2E043BB15
2E043BC02
2E043BD01
2E043BE01
2E043BE12
2E043BE13
2E043DA05
2E043DB06
(57)【要約】
【課題】遮蔽材に太陽電池セルが設けられたブラインドであって、より大きな発電量を実現可能なブラインドを提供する。
【解決手段】
本発明によれば、遮蔽装置であって、遮蔽材と、複数の太陽電池セルとを備え、構成(1)又は構成(2)の少なくとも一方を備える、遮蔽装置が提供される。
(1)前記遮蔽材は、複数のスラットで構成される少なくとも1つのスラット群であり、前記太陽電池セルは、少なくとも一部の前記スラットのおもて面と、少なくとも一部の前記スラットの裏面とに配置されている
(2)前記太陽電池セルは、前記遮蔽材の表面のうち上側を向く領域と下側を向く領域とに配置されている
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遮蔽装置であって、
遮蔽材と、複数の太陽電池セルとを備え、
構成(1)又は構成(2)の少なくとも一方を備える、遮蔽装置。
(1)前記遮蔽材は、複数のスラットで構成される少なくとも1つのスラット群であり、前記太陽電池セルは、少なくとも一部の前記スラットのおもて面と、少なくとも一部の前記スラットの裏面とに配置されている
(2)前記太陽電池セルは、前記遮蔽材の表面のうち上側を向く領域と下側を向く領域とに配置されている
【請求項2】
請求項1に記載の遮蔽装置であって、
構成(1)を備える、遮蔽装置。
【請求項3】
請求項2に記載の遮蔽装置であって、
前記太陽電池セルは、少なくとも一部の前記スラットの前記裏面において、他の前記スラットが外部光源からの光を反射して生成される反射光が入射可能な領域に配置されている、遮蔽装置。
【請求項4】
請求項3に記載の遮蔽装置であって、
前記スラットは、反射部と、第1セル配置部と、第2セル配置部とを連続して備え、
第1セル配置部は、前記反射部に対して屈曲して設けられ、
第2セル配置部は、第1セル配置部に対して屈曲して設けられ、
前記太陽電池セルは、第1セル配置部の裏面と、第2セル配置部のおもて面とに配置されている、遮蔽装置。
【請求項5】
請求項4に記載の遮蔽装置であって、
第1セル配置部は、前記反射部に対して、前記反射部及び第1セル配置部の裏面同士が近づくように屈曲して設けられており、
第2セル配置部は、第1セル配置部に対して、第1セル配置部及び第2セル配置部のおもて面同士が近づくように屈曲して設けられている、遮蔽装置。
【請求項6】
請求項3に記載の遮蔽装置であって、
前記スラット群は、第1スラット群と、第2スラット群とを前記外部光源の側からこの順に備え、
第2スラット群の前記スラットは、第1セル配置部と、第2セル配置部とを連続して備え、
第1セル配置部は、第2セル配置部に対して屈曲して設けられ、
前記太陽電池セルは、第1セル配置部の裏面と、第2セル配置部のおもて面とに配置されている、遮蔽装置。
【請求項7】
請求項3に記載の遮蔽装置であって、
前記スラット群は、第1スラット群と、第2スラット群とを前記外部光源の側からこの順に備え、
前記太陽電池セルは、第1スラット群の前記スラットの裏面と、第2スラット群の前記スラットのおもて面とに設けられる、遮蔽装置。
【請求項8】
請求項2に記載の遮蔽装置であって、
前記複数の太陽電池セルは、光透過型太陽電池により構成される第1太陽電池セルと、第1太陽電池セルによる吸収波長とは異なる波長の光を吸収する第2太陽電池セルとを含み、
第1太陽電池セルは、前記スラットの前記おもて面及び前記裏面のうちの一方の面に配置され、
第2太陽電池セルは、前記スラットの前記おもて面及び前記裏面のうちの他方の面に配置されている、遮蔽装置。
【請求項9】
請求項2から請求項8の何れか1つに記載の遮蔽装置であって、
制御部を備え、
前記スラットは、電動モータの回転にともなって傾斜角度を変更可能に構成され、
前記制御部は、前記遮蔽装置の動作条件に基づき前記スラットの傾斜角度を制御するように構成される、遮蔽装置。
【請求項10】
請求項1に記載の遮蔽装置であって、
構成(2)を備える、遮蔽装置。
【請求項11】
請求項10に記載の遮蔽装置であって、
前記遮蔽材は、複数の山折り目及び谷折り目を有しジグザグ状に折り畳み可能なスクリーンであり、
前記太陽電池セルは、前記スクリーンの表面のうち、前記谷折り目から下側に隣接する前記山折り目までの領域と、前記山折り目から下側に隣接する前記谷折り目までの領域のうち、前記遮蔽装置が外部光源からの光を反射して生成される反射光が入射可能な領域とに配置されている、遮蔽装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遮蔽装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遮蔽材の表面に太陽電池セルを配置した遮蔽装置が知られている。特許文献1には、長尺の遮光板の表面に太陽電池モジュールを取り付けたブラインドが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-340824号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
太陽電池セルにより生成された電力は、電動遮蔽装置の駆動に用いられる他、遮蔽装置の外部に取り出して利用することも可能である。再生可能エネルギーに対する需要の高まりとともに、遮蔽装置に設けられた太陽電池セルによる発電量の向上が望まれている。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、遮蔽材に太陽電池セルが設けられた遮蔽装置であって、より大きな発電量を実現可能な遮蔽装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、以下の発明が提供される。
[1]遮蔽装置であって、遮蔽材と、複数の太陽電池セルとを備え、構成(1)又は構成(2)の少なくとも一方を備える、遮蔽装置。(1)前記遮蔽材は、複数のスラットで構成される少なくとも1つのスラット群であり、前記太陽電池セルは、少なくとも一部の前記スラットのおもて面と、少なくとも一部の前記スラットの裏面とに配置されている(2)前記太陽電池セルは、前記遮蔽材の表面のうち上側を向く領域と下側を向く領域とに配置されている
[2][1]に記載の遮蔽装置であって、構成(1)を備える、遮蔽装置。
[3][2]に記載の遮蔽装置であって、前記太陽電池セルは、少なくとも一部の前記スラットの前記裏面において、他の前記スラットが外部光源からの光を反射して生成される反射光が入射可能な領域に配置されている、遮蔽装置。
[4][3]に記載の遮蔽装置であって、前記スラットは、反射部と、第1セル配置部と、第2セル配置部とを連続して備え、第1セル配置部は、前記反射部に対して屈曲して設けられ、第2セル配置部は、第1セル配置部に対して屈曲して設けられ、前記太陽電池セルは、第1セル配置部の裏面と、第2セル配置部のおもて面とに配置されている、遮蔽装置。
[5][4]に記載の遮蔽装置であって、第1セル配置部は、前記反射部に対して、前記反射部及び第1セル配置部の裏面同士が近づくように屈曲して設けられており、第2セル配置部は、第1セル配置部に対して、第1セル配置部及び第2セル配置部のおもて面同士が近づくように屈曲して設けられている、遮蔽装置。
[6][3]に記載の遮蔽装置であって、前記スラット群は、第1スラット群と、第2スラット群とを前記外部光源の側からこの順に備え、第2スラット群の前記スラットは、第1セル配置部と、第2セル配置部とを連続して備え、第1セル配置部は、第2セル配置部に対して屈曲して設けられ、前記太陽電池セルは、第1セル配置部の裏面と、第2セル配置部のおもて面とに配置されている、遮蔽装置。
[7][3]に記載の遮蔽装置であって、前記スラット群は、第1スラット群と、第2スラット群とを前記外部光源の側からこの順に備え、前記太陽電池セルは、第1スラット群の前記スラットの裏面と、第2スラット群の前記スラットのおもて面とに設けられる、遮蔽装置。
[8][2]に記載の遮蔽装置であって、前記複数の太陽電池セルは、光透過型太陽電池により構成される第1太陽電池セルと、第1太陽電池セルによる吸収波長とは異なる波長の光を吸収する第2太陽電池セルとを含み、第1太陽電池セルは、前記スラットの前記おもて面及び前記裏面のうちの一方の面に配置され、第2太陽電池セルは、前記スラットの前記おもて面及び前記裏面のうちの他方の面に配置されている、遮蔽装置。
[9][2]から[8]の何れか1つに記載の遮蔽装置であって、制御部を備え、前記スラットは、電動モータの回転にともなって傾斜角度を変更可能に構成され、前記制御部は、前記遮蔽装置の動作条件に基づき前記スラットの傾斜角度を制御するように構成される、遮蔽装置。
[10][1]に記載の遮蔽装置であって、構成(2)を備える、遮蔽装置。
[11][10]に記載の遮蔽装置であって、前記遮蔽材は、複数の山折り目及び谷折り目を有しジグザグ状に折り畳み可能なスクリーンであり、前記太陽電池セルは、前記スクリーンの表面のうち、前記谷折り目から下側に隣接する前記山折り目までの領域と、前記山折り目から下側に隣接する前記谷折り目までの領域のうち、前記遮蔽装置が外部光源からの光を反射して生成される反射光が入射可能な領域とに配置されている、遮蔽装置。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る遮蔽装置は、構成(1)又は構成(2)の少なくとも一方を備える。このような構成では、遮蔽材に設けられた太陽電池セルに対して様々な角度で照射される光を発電に利用可能であるため、直射光に加えて遮蔽装置の構成部材等による反射光を有効に利用して発電量を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1Aは、本発明の第1実施形態の遮蔽装置である電動ブラインド1を部屋外側から見た正面図である。図1Bは、図1Aの領域Aのスラット30の拡大斜視図である。
図2図2Aは、図1Aの電動ブラインド1を右側方から見た図である。図2Bは、図2Aの領域Bのスラット30の拡大図である。
図3】第1実施形態の電動ブラインド1の制御部9及びこれに接続される部材の構成を示すブロック図である。
図4図4Aは、本発明の第2実施形態の遮蔽装置である電動ブラインド1を右側方から見た図である。図4Bは、図4Aの領域Cのスラット30の拡大図である。
図5】第2実施形態の電動ブラインド1の制御部9及びこれに接続される部材の構成を示すブロック図である。
図6図6Aは、本発明の第3実施形態の遮蔽装置である電動ブラインド1を右側方から見た図である。図6Bは、図6Aの領域Dのスラット30の拡大図である。
図7】本発明の第4実施形態の遮蔽装置である電動ブラインド1のスラット30を、右側方から見た図である。
図8】本発明の第5実施形態の遮蔽装置であるプリーツスクリーンのスクリーン4を右側方から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴事項について独立して発明が成立する。
1.第1実施形態
図1A図3を用いて、本発明の第1実施形態の遮蔽装置について説明する。図1Aから図2Aに示すように、本実施形態の遮蔽装置は、横型の電動ブラインド1であり、ヘッドボックス2と、ラダーコード21と、昇降コード22と、複数のスラット30で構成されるスラット群3と、複数の太陽電池セル7と、ボトムレール5と、バッテリ10と、制御部9とを備える。電動ブラインド1は、取付ブラケット(不図示)等を用いて窓8に対して部屋内側(室内)に取り付けられている。
【0010】
なお、以下の説明では、電動ブラインド1の上下及び左右方向を、図1Aに示すように定める。つまり、電動ブラインド1を部屋外側から見た場合の水平幅方向を左右方向とし、鉛直方向を上下方向とする。また、図1Aの手前側を前側、奥側を後側とする。
【0011】
本実施形態のスラット30は、図1B及び図2Bに示すように、反射部33と、第1セル配置部31と、第2セル配置部32とを連続して備える。第1セル配置部31は、反射部33に対して屈曲して設けられ、第2セル配置部32は、第1セル配置部31に対して屈曲して設けられる。換言すれば、スラット30は、短手方向の中途である第1屈曲部35及び第2屈曲部36の2箇所において屈曲している。反射部33及び第1セル配置部31は第1屈曲部35を境界とし、第1セル配置部31は、反射部33に対して裏面30b同士が近づくように屈曲角度θ1だけ屈曲していることが好ましい。第1セル配置部31及び第2セル配置部32は第2屈曲部36を境界とし、第2セル配置部32は、第1セル配置部31に対しておもて面30a同士が近づくように屈曲角度θ2だけ屈曲していることが好ましい。
【0012】
ラダーコード21は、ヘッドボックス2から垂下されている。ラダーコード21は、一対の縦糸の間に複数の横糸を備え、横糸によりスラット30が支持されている。一対の縦糸の一端は、ヘッドボックス2内に配置された吊下部材(不図示)に取着されており、ヘッドボックス2内に配置された駆動軸(不図示)の回転に伴い吊下部材が回転することによって、スラット30が回動して傾斜角度が変化するように構成されている。一対の縦糸の他端は、ボトムレール5に取着されている。
【0013】
吊下部材は、スラット群3が正全閉状態又は逆全閉状態になるまでは駆動軸の回転に伴って回転し、その後は駆動軸が吊下部材に対して空回りするように構成されている。ここで、本実施形態における正全閉とは、スラット群3の第2セル配置部32のおもて面30aが部屋外側に向く方向に最大限傾斜し、反射部33及び第1セル配置部31が第2セル配置部32に対して部屋外側に配置された状態である。また、逆全閉とは、第2セル配置部32のおもて面30aが部屋内側に向く方向に最大限傾斜し、反射部33及び第1セル配置部31が第2セル配置部32に対して部屋内側に配置された状態を指す。また、正全閉方向とは、スラット群3が正全閉状態に近づくようなスラット30の回動方向であり、逆全閉方向とは、スラット群3が逆全閉状態に近づくようなスラット30の回動方向を指す。
【0014】
図2Aに示すように、昇降コード22は、ヘッドボックス2から垂下され、一端がボトムレール5に取着されている。昇降コード22の他端は、ヘッドボックス2内に配置された巻取軸(不図示)に取着されている。ヘッドボックス2内に配置された駆動軸(不図示)の回転に伴い巻取軸が回転することによって、昇降コード22が巻取軸に巻き取り又は巻き戻しされ、ボトムレール5が昇降する。
【0015】
ヘッドボックス2内には、上述の駆動軸に連結された電動モータ23(図3参照)が配置されている。電動モータ23の回転に伴って、駆動軸が回転してスラット30の傾斜角度の変更及びボトムレール5の昇降が可能となっている。また、ヘッドボックス2内には、電動モータ23の回転角度を検出可能に構成されたエンコーダ24(図3参照)が配置されている。エンコーダ24による検出結果は、制御部9へと出力される。
【0016】
太陽電池セル7は、少なくとも一部のスラット30のおもて面30aと、少なくとも一部のスラット30
の裏面30bとに配置されている。本実施形態では、図1B及び図2Bに示すように、全てのスラット30において、第1セル配置部31の裏面30bと第2セル配置部32のおもて面30aとにスラット30の長手方向に沿って複数の太陽電池セル7が配置されている。
【0017】
また、第1セル配置部31の裏面30b上の太陽電池セル7は、他のスラット30が外部光源(例えば、太陽)からの光を反射して生成される反射光Lr1が入射可能な領域に配置されている。具体的には、図2Bに示すように、第1セル配置部31の裏面30b上の太陽電池セル7は、直下のスラット30の反射部33のおもて面30aにより直射光Ldが正反射又は拡散反射されることにより生成される反射光Lr1が入射可能な領域に配置されている。
【0018】
このような構成では、第2セル配置部32のおもて面30a上の太陽電池セル7に対して、窓ガラス82を透過した直射光Ldが照射される。また、第1セル配置部31の裏面30b上の太陽電池セル7に対して、直下のスラット30の反射部33のおもて面30aによる反射光Lr1が照射される。さらに、第1セル配置部31の裏面30b上の太陽電池セル7に照射された反射光Lr1の一部が当該太陽電池セル7に吸収されずに拡散反射されることによって反射光Lr2が生成されると、直下のスラット30の第2セル配置部32のおもて面30a上の太陽電池セル7に対して反射光Lr2が照射される。従って、電動ブラインド1の近傍に照射された光をより有効に利用して、発電量を向上させることができる。
【0019】
なお、反射部33のおもて面30aに対して、反射率を向上させるための加工を施してもよい。例えば、反射部33のおもて面30aを、白色塗料による塗装面、ミラー、アルミ箔等で構成してもよい。
【0020】
第1セル配置部31に対する反射部33の屈曲角度θ1は、例えば5~70°であり、好ましくは10~45°であり、具体的には例えば、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70°であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。また、第1セル配置部31に対する第2セル配置部32の屈曲角度θ2は、例えば20~150°であり、好ましくは45~120°であり、具体的には例えば、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150°であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
【0021】
第1セル配置部31の短手方向の幅L1に対する反射部33の短手方向の幅L3の比L3/L1は、例えば0.1~2であり、好ましくは0.3~1であり、具体的には例えば、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.5、2であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。また、幅L1に対する第2セル配置部32の短手方向の幅L2の比L2/L1は、例えば0.8~5であり、好ましくは1~2.5であり、具体的には例えば、0.8、0.9、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
【0022】
バッテリ10は、太陽電池セル7からの出力電流によって充電される。バッテリ10から出力される電力は、電動モータ23に供給される。バッテリ10から出力される電力は、電動ブラインド1の外部の機器にさらに供給して利用可能としてもよい。また、バッテリ10は、ヘッドボックス2内外の何れに配置してもよく、複数のバッテリ10を設けて、用途に応じてヘッドボックス2の内外に分散して配置してもよい。
【0023】
制御部9は、図3に示すように、CPU91と、記憶部92と、太陽電池接続回路93と、モータ駆動回路94と、エンコーダ接続回路95とを備える。制御部9は、記憶部92に記憶されたプログラムに従ってCPU91が各種処理を実行することによって、電動ブラインド1の動作を制御する。
【0024】
太陽電池セル7は、太陽電池接続回路93を介して、CPU91と通信可能に構成されるとともに、バッテリ10に接続されている。また、太陽電池接続回路93には、太陽電池セル7から出力される電力(発電量)を検出可能な出力検出部93aが設けられている。
【0025】
CPU91は、電動モータ23とモータ駆動回路94を介して接続されている。CPU91は、太陽電池セル7及びバッテリ10からの電力を電動モータ23に供給してこれらを駆動する。
【0026】
また、CPU91は、エンコーダ24とエンコーダ接続回路95を介して通信可能に構成されている。エンコーダ24により検出される電動モータ23の回転角度はスラット30の傾斜角度と相関しており、CPU91は、エンコーダ24による検出結果に基づきスラット30の傾斜角度を算出可能に構成される。
【0027】
制御部9は、上述のように算出されたスラット30の傾斜角度、及び出力検出部93aにより検出された発電量を含む動作データを定期的に収集して記憶部92に記憶する。収集された動作データに基づき、CPU91は、発電量を最大化するうえで好適なスラット30の傾斜角度を示す制御データを作成し、記憶部92に記憶する。
【0028】
制御部9は、電動ブラインド1の動作条件に基づきスラット30の傾斜角度を制御するように構成される。電動ブラインド1の動作条件には、環境条件や使用条件が含まれる。環境条件は、電動ブラインド1の外部環境の条件であり、太陽高度、季節、天候、電動ブラインド1周辺の直射光Ldの強度等が例示される。使用条件は、電動ブラインド1の使用に係るユーザの好み等により決まる条件であり、スラット30の傾斜角度の制御における遮光・採光の最適化と発電量の最大化との優先順位等が例示される。
【0029】
本実施形態では、電動ブラインド1の動作条件に基づき、CPU91が上述のように作成された制御データからスラット30の傾斜角度の好適な値を選択する。そして、CPU91は、当該値に従って電動モータ23を駆動してスラット30の傾斜角度を制御する。
【0030】
制御データは、スラット30の傾斜角度の制御において考慮される動作条件に応じて作成される。例えば、考慮される環境条件に応じて、時間帯、季節、又は天候ごとに動作データを収集し、制御データを作成してもよい。また、考慮される使用条件に応じて、特定の使用条件ごとに制御データを作成してもよい。制御部9が実際の動作条件に適合する制御データを用いてスラット30の傾斜角度を制御することにより、発電量を向上させることができる。
【0031】
2.第2実施形態
図4A及び図4Bを用いて、本発明の第2実施形態の遮蔽装置について説明する。本実施形態の遮蔽装置は、横型の電動ブラインド1であり、スラット群3の構成及びスラット30の形状において第1実施形態と相違する。以下、相違点を中心に説明する。
【0032】
図4Aに示すように、本実施形態の電動ブラインド1は、各々が複数のスラット30で構成される第1スラット群3aと第2スラット群3bとを外部光源の側からこの順に備える。第1スラット群3aのスラット30の長手方向と、第2スラット群3bのスラット30の長手方向とは、略一致している。
【0033】
第1スラット群3aのスラット30は、図4Bに示すようにおもて面30aが凸面となるように短手方向が湾曲しているか、又は平板形状を有する。正全閉状態の第1スラット群3aは、スラット30のおもて面30aが部屋外側に向き、裏面30bが部屋内側に向く方向に最大限傾斜する。また、逆全閉状態の第1スラット群3aは、スラット30のおもて面30aが部屋内側に向き、裏面30bが部屋外側に向く方向に最大限傾斜する
【0034】
第2スラット群3bのスラット30は、第1セル配置部31と第2セル配置部32とを連続して備える。第2セル配置部32は、第1セル配置部31に対して屈曲して設けられる。換言すれば、第2スラット群3bのスラット30は、短手方向の中途である屈曲部37において屈曲している。第1セル配置部31及び第2セル配置部32は屈曲部37を境界とし、第2セル配置部32は、第1セル配置部31に対しておもて面30a同士が近づくように屈曲角度θ3だけ屈曲している。正全閉状態の第2スラット群3bにおいて、第2セル配置部32はおもて面30aが部屋外側に向く方向に最大限傾斜し、第1セル配置部31は第2セル配置部32に対して部屋外側に配置される。また、逆全閉状態の第2スラット群3bにおいて、第2セル配置部32はおもて面30aが部屋内側に向く方向に最大限傾斜し、第1セル配置部31は第2セル配置部32に対して部屋内側に配置される。
【0035】
第1スラット群3aのスラット30及び第2スラット群3bのスラット30は、ヘッドボックス2から垂下されているラダーコード21a,21bによりそれぞれ支持されている。ラダーコード21a,21bの一対の縦糸の一端は、ヘッドボックス2内に配置された別々の吊下部材(不図示)に取着されており、各吊下部材は、ヘッドボックス2内に配置された別々の駆動軸(不図示)と連動するように構成されている。各駆動軸の回転に伴い各吊下部材が回転することによって、第1スラット群3aのスラット30と第2スラット群3bのスラット30とは相互に独立して回動可能である。ラダーコード21a,21bの一対の縦糸の他端は、ボトムレール5a,5bにそれぞれ取着されている。
【0036】
また、昇降コード22a,22bがヘッドボックス2から垂下され、一端がボトムレール5a,5bにそれぞれ取着されている。昇降コード22a,22bの他端は、ヘッドボックス2内に配置された別々の巻取軸(不図示)に取着されており、各巻取軸は別々の駆動軸(不図示)と連動するように構成されている。各駆動軸の回転に伴い各巻取軸が回転することによって、ボトムレール5a,5bは、それぞれ昇降コード22a,22bにより、相互に独立して昇降可能に構成される。
【0037】
ヘッドボックス2内には、第1スラット群3a用の駆動軸に連結された第1電動モータ25(図5参照)が配置されている。第1電動モータ25の回転に伴って、駆動軸が回転して第1スラット群3aのスラット30の傾斜角度の変更及びボトムレール5aの昇降が可能となっている。また、ヘッドボックス2内には、第1電動モータ25の回転角度を検出可能に構成された第1エンコーダ26(図5参照)が配置されている。第1エンコーダ26による検出結果は、制御部9へと出力される。
【0038】
また、ヘッドボックス2内には、第2スラット群3b用の駆動軸に連結された第2電動モータ27(図5参照)が配置されている。第2電動モータ27の回転に伴って、駆動軸が回転して第2スラット群3bのスラット30の傾斜角度の変更及びボトムレール5bの昇降が可能となっている。また、ヘッドボックス2内には、第2電動モータ27の回転角度を検出可能に構成された第2エンコーダ28(図6参照)が配置されている。第2エンコーダ28による検出結果は、制御部9へと出力される。
【0039】
図4Bに示すように、本実施形態では、第2スラット群3bのスラット30において、第1セル配置部31の裏面30bと第2セル配置部32のおもて面30aとに、スラット30の長手方向に沿って複数の太陽電池セル7が設けられている。また、第1セル配置部31の裏面30b上の太陽電池セル7は、他のスラット30が外部光源からの光を反射して生成される反射光Lr1が入射可能な領域に配置されている。具体的には、第1セル配置部31の裏面30b上の太陽電池セル7は、前方直下に位置する第1スラット群3aのスラット30のおもて面30aにより直射光Ldが正反射又は拡散反射されることにより生成される反射光Lr1が入射可能な領域に配置されている。
【0040】
このような構成では、第2スラット群3bのスラット30の第2セル配置部32のおもて面30a上の太陽電池セル7に対しては、直射光Ldが照射される。また、第1セル配置部31の裏面30b上の太陽電池セル7に対しては、前方直下に位置する第1スラット群3aのスラット30のおもて面30aによる反射光Lr1が照射される。さらに、第1セル配置部31の裏面30b上の太陽電池セル7に対して照射された反射光Lr1の一部が当該太陽電池セル7に吸収されずに拡散反射されることによって反射光Lr2が生成されると、直下のスラット30の第2セル配置部32のおもて面30a上の太陽電池セル7に対して反射光Lr2が照射される。従って、電動ブラインド1の近傍に照射された光をより有効に利用して、発電量を向上させることができる。
【0041】
なお、第1スラット群3aのスラット30のおもて面30aに対して、反射率を向上させるための加工を施してもよい。例えば、第1スラット群3aのスラット30のおもて面30aを、白色塗料による塗装面、ミラー、アルミ箔等で構成してもよい。
【0042】
第2スラット群3bのスラット30において、第1セル配置部31に対する第2セル配置部32の屈曲角度θ3は、例えば20~150°であり、好ましくは45~120°であり、具体的には例えば、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150°であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
【0043】
また、第1セル配置部31の短手方向の幅L1に対する第2セル配置部32の短手方向の幅L2の比L2/L1は、例えば0.8~5であり、好ましくは1~2.5あり、具体的には例えば、0.8、0.9、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
【0044】
第2スラット群3bのスラット30において、第1セル配置部31のおもて面30a及び第2セル配置部32の裏面30bには、太陽電池セル7を配置しても配置しなくてもよい。これらの面にも太陽電池セル7を配置することで、スラット30における太陽電池セル7の配置面積を増やすことができる。一方、これらの面は、第1セル配置部31の裏面30b及び第2セル配置部32のおもて面30aと比べて直射光Ld又は反射光Lr1の照射量が小さい。従って、太陽電池セル7の設置に伴う費用対効果等の観点から、第1セル配置部31のおもて面30a及び第2セル配置部32の裏面30bには太陽電池セル7を配置しない構成としてもよい。
【0045】
図5に示すように、本実施形態の制御部9のCPU91は、第1電動モータ25及び第2電動モータ27と、それぞれ第1モータ駆動回路96及び第2モータ駆動回路99を介して接続されている。また、CPU91は、太陽電池セル7及びバッテリ10からの電力を第1電動モータ25及び第2電動モータ27に供給してこれらを駆動する。
【0046】
また、CPU91は、第1エンコーダ26及び第2エンコーダ28と、それぞれ第1エンコーダ接続回路97及び第2エンコーダ接続回路98を介して通信可能に構成されている。さらに、CPU91は、第1エンコーダ26及び第2エンコーダ28による検出結果に基づき、第1スラット群3aのスラット30の傾斜角度及び第2スラット群3bのスラット30の傾斜角度をそれぞれ算出可能に構成される。
【0047】
制御部9は、上述のように算出された第1スラット群3a及び第2スラット群3bのスラット30の傾斜角度、及び出力検出部93aにより検出された発電量を含む動作データを定期的にスラット30の傾斜角度を変更することで収集し、記憶部92に記憶する。収集された動作データに基づき、CPU91は、発電量を最大化するうえで好適な第1スラット群3aのスラット30の傾斜角度と第2スラット群3bのスラット30の傾斜角度との関係を示す制御データを作成する。本実施形態では、制御データとして、第1スラット群3aのスラット30の傾斜角度と第2スラット群3bのスラット30の傾斜角度とが対応付けて記録されたデータテーブルが作成され、記憶部92に記憶される。
【0048】
制御部9は、電動ブラインド1の動作条件に基づき第1スラット群3a及び第2スラット群3bのスラット30の傾斜角度を制御するように構成される。電動ブラインド1の動作条件には、環境条件や使用条件が含まれる。環境条件は、電動ブラインド1の外部環境の条件であり、太陽高度、季節、天候、電動ブラインド1周辺の直射光Ldの強度等が例示される。使用条件は、電動ブラインド1の使用に係るユーザの好み等により決まる条件であり、スラット30の傾斜角度の制御における遮光・採光の最適化と発電量の最大化との優先順位等が例示される。
【0049】
本実施形態では、電動ブラインド1の動作条件に基づき、CPU91が上述のように作成された制御データから第1スラット群3a及び第2スラット群3bのスラット30の傾斜角度の好適な値を選択する。そして、CPU91は、当該値に従って第1電動モータ25及び第2電動モータ27を駆動して第1スラット群3a及び第2スラット群3bのスラット30の傾斜角度を制御する。
【0050】
制御データは、スラット30の傾斜角度の制御において考慮される動作条件に応じて作成される。例えば、考慮される環境条件に応じて、時間帯、季節、又は天候ごとに動作データを収集し、制御データを作成してもよい。また、考慮される使用条件に応じて、特定の使用条件ごとに制御データを作成してもよい。制御部9が実際の動作条件に適合する制御データを用いてスラット30の傾斜角度を制御することにより、発電量を向上させることができる。
【0051】
3.第3実施形態
図6A及び図6Bを用いて、本発明の第3実施形態の遮蔽装置について説明する。本実施形態の遮蔽装置は、横型の電動ブラインド1である。本実施形態の電動ブラインド1は、第2実施形態と同様に、各々が複数のスラット30で構成される第1スラット群3aと第2スラット群3bとを外部光源の側からこの順に備えるが、第2スラット群3bのスラット30の形状、及び太陽電池セル7の配置において第2実施形態と相違する。以下、第2実施形態との相違点を中心に説明する。
【0052】
第1スラット群3a及び第2スラット群3bのスラット30は、図6Bに示すようにおもて面30aが凸面となるように短手方向が湾曲しているか、又は平板形状を有する。正全閉状態の第1スラット群3a及び第2スラット群3bは、スラット30のおもて面30aが部屋外側に向き、裏面30bが部屋内側に向く方向に最大限傾斜する。また、逆全閉状態の第1スラット群3a及び第2スラット群3bは、スラット30のおもて面30aが部屋内側に向き、裏面30bが部屋外側に向く方向に最大限傾斜する
【0053】
本実施形態では、第1スラット群3aのスラット30の裏面30bと、第2スラット群3bのスラット30のおもて面30aとに、スラット30の長手方向に沿って複数の太陽電池セル7が設けられている。また、第1スラット群3aのスラット30の裏面30b上の太陽電池セル7は、他のスラット30が外部光源からの光を反射して生成される反射光Lr1が入射可能な領域に配置されている。具体的には、第1スラット群3aのスラット30のおもて面30aにおいて直射光Ldが正反射又は拡散反射されることにより、反射光Lr1が生成される。第1スラット群3aのスラット30の裏面30b上の太陽電池セル7は、第1スラット群3aにおいて直下に位置するスラット30のおもて面30aによる反射光Lr1のうち、拡散反射により生成された反射光Lr1が入射可能な領域に配置されている。
【0054】
このような構成では、図6Bに示すように、第2スラット群3bのスラット30のおもて面30aに設けられた太陽電池セル7に対して、直射光Ldに加えて、前方直下に位置する第1スラット群3aのスラット30のおもて面30aによる反射光Lr1(正反射又は拡散反射により生成される反射光Lr1)が照射される。また、第1スラット群3aのスラット30の裏面30bに設けられた太陽電池セル7には、第1スラット群3aにおいて直下に位置するスラット30のおもて面30aによる反射光Lr1(拡散反射により生成される反射光Lr1)が照射される。従って、このような構成においても、ブラインド1の近傍に照射された光をより有効に利用して、発電量を向上させることができる。
【0055】
第1スラット群3aのスラット30のおもて面30a及び第2スラット群3bのスラット30の裏面30bには、太陽電池セル7を配置しても配置しなくてもよい。これらの面にも太陽電池セル7を配置することで、スラット30における太陽電池セル7の配置面積を増やすことができる。或いは、より多くの反射光Lr1を生成するために、第1スラット群3aのスラット30のおもて面30aに太陽電池セル7を配置しない構成としてもよい。
【0056】
また、本実施形態では、第1スラット群3a及び第2スラット群3bの傾斜角度を独立して変更可能である。従って、制御部9によりスラット30の傾斜角度を制御する際に、例えば、第1スラット群3a及び第2スラット群3bの太陽電池セル7による合計発電量を最大化するようにスラット30の傾斜角度を制御する態様や、第2スラット群3bにおいては遮光・採光の最適化を優先させる一方、第1スラット群3aにおいては発電量の最大化を優先させる制御態様等、電動ブラインド1の動作条件に応じてより多様な制御形態を実現可能である。
【0057】
4.第4実施形態
図7を用いて、本発明の第4実施形態の遮蔽装置について説明する。本実施形態の遮蔽装置は、横型の電動ブラインド1であり、スラット30の形状及び太陽電池セル7の構成において第1実施形態と相違する。以下、相違点を中心に説明する。
【0058】
本実施形態では、スラット30のおもて面30a及び裏面30bに、スラット30の長手方向に沿って複数の太陽電池セル7が配置されている。太陽電池セル7は、光透過型太陽電池により構成される第1太陽電池セル71と、第1太陽電池セル71による吸収波長とは異なる波長の光を吸収する第2太陽電池セル72とを含む。
【0059】
第1太陽電池セル71は、おもて面30a及び裏面30bのうちの一方の面に配置され、第2太陽電池セル72は、おもて面30a及び裏面30bのうちの他方の面に配置されている。本実施形態では、第1太陽電池セル71が裏面30bに、第2太陽電池セル72がおもて面30aに配置されている。なお、第1太陽電池セル71をおもて面30aに、第2太陽電池セル72を裏面30bに配置してもよい。
【0060】
このような構成では、おもて面30a上の第2太陽電池セル72に対して、直射光Ldが照射される。この際、直射光Ldのうち第2太陽電池セル72の吸収波長範囲内の波長の光が吸収されて発電に利用される。また、直射光Ldのうち第2太陽電池セル72の吸収波長範囲外の波長の光が第2太陽電池セル72において吸収されずに拡散反射されて、反射光Lr1が生成される。そして、裏面30b上の第1太陽電池セル71に対して、反射光Lr1が照射される。
【0061】
第1太陽電池セル71及び第2太陽電池セル72は吸収波長が相互に異なるため、これらをスラット30のおもて面30a及び裏面30bのうちの一方及び他方にそれぞれ配置することで、太陽電池セル7の配置面積を増やすとともに、直射光Ldに含まれるより広い波長範囲の光を有効に利用して、発電量を向上させることができる。
【0062】
第1太陽電池セル71に用いられる光透過型太陽電池は、透明電極材料を用いて構成され可視光透過率が比較的高い太陽電池であり、光透過型色素増感太陽電池、光透過型有機薄膜太陽電池、光透過型ペロブスカイト太陽電池、光透過型亜酸化銅(CuO)太陽電池等の光透過型化合物系太陽電池が例示される。
【0063】
第2太陽電池セル72は、第1太陽電池セル71と異なる波長の光を吸収するものであればその構成は限定されない。好ましくは、第2太陽電池セル72は、可視光透過率が比較的低い非光透過型の太陽電池により構成され、非光透過型の太陽電池として、アモルファスシリコン太陽電池、単結晶シリコン太陽電池、及び多結晶シリコン太陽電池等のシリコン系太陽電池、GaAs太陽電池等の非光透過型化合物系太陽電池、非光透過型有機太陽電池等が例示される。
【0064】
なお、第4実施形態の構成は、第1から第3実施形態にさらに適用することが可能である。具体的には、第1及び第2実施形態において、第1セル配置部31の裏面30b及び第2セル配置部32のおもて面30aのうちの一方及び他方に、第1太陽電池セル71及び第2太陽電池セル72をそれぞれ配置することができる。また、第3実施形態においては、第2スラット群3bのスラット30のおもて面30a及び第1スラット群3aのスラット30の裏面30bのうちの一方及び他方に、第1太陽電池セル71及び第2太陽電池セル72をそれぞれ配置することができる。これにより、直射光Ldに含まれるより広い波長範囲の光を有効に利用して、発電量を向上させることができる。特に、第1及び第2実施形態に上述の構成を適用した場合、第1セル配置部31の裏面30b上の太陽電池セル7の吸収波長範囲外の波長の光が反射光Lr2(図2B及び図4B参照)に含まれ、そのような反射光Lr2が第2セル配置部32のおもて面30aの太陽電池セル7に照射され発電に利用されることとなり、好適である。
【0065】
5.第5実施形態
図8を用いて、本発明の第5実施形態の遮蔽装置について説明する。本実施形態の遮蔽装置は、プリーツスクリーンである点で第1実施形態と相違する。以下、相違点を中心に説明する。
【0066】
本実施形態のプリーツスクリーンは、図8に示すように、遮蔽材としてのスクリーン4と、複数の太陽電池セル7とを備える。スクリーン4は、複数の山折り目4a及び谷折り目4bを有しジグザグ状に折り畳み可能に構成される。スクリーン4の表面は、上側を向く領域と下側を向く領域とを有する。具体的には、スクリーン4の表面のうち、谷折り目4bから下側に隣接する山折り目4aまでの第1領域41は上側を向いており、山折り目4aから下側に隣接する谷折り目4bまでの第2領域42は下側を向いている。
【0067】
太陽電池セル7は、第1領域41と第2領域42とに配置されている。また、第2領域42内の太陽電池セル7は、第2領域42のうち、プリーツスクリーンが外部光源からの光を反射して生成される反射光が入射可能な領域に配置されている。具体的には、第2領域42内の太陽電池セル7は、直下の第1領域41内の太陽電池セル7に照射された直射光Ldの一部が当該太陽電池セル7に吸収されずに拡散反射されることにより生成される反射光Lr1が入射可能な領域に配置されている。
【0068】
このような構成では、第1領域41内の太陽電池セル7に対して、直射光Ldが反射される。また、第2領域42内の太陽電池セル7に対して反射光Lr1が照射される。従って、プリーツスクリーンの近傍に照射された光をより有効に利用して、発電量を向上させることができる。
【0069】
好ましくは、複数の太陽電池セル7は、光透過型太陽電池により構成される第1太陽電池セル71と、第1太陽電池セル71による吸収波長とは異なる波長の光を吸収する第2太陽電池セル72とを含み、第1太陽電池セル71は第1領域41及び第2領域42のうちの一方の領域に、第2太陽電池セル72は第1領域41及び第2領域42のうちの他方の領域に配置される。第1太陽電池セル71及び第2太陽電池セル72については、第4実施形態における第1太陽電池セル71及び第2太陽電池セル72と同様の構成を適用可能である。
【0070】
一例において、第1太陽電池セル71が第2領域42に、第2太陽電池セル72が第1領域41に配置される。このような構成では、直射光Ldのうち第1領域41内の第2太陽電池セル72の吸収波長範囲外の波長の光が第2太陽電池セル72において吸収されずに拡散反射されて、反射光Lr1が生成される。そして、直上の第2領域42内の第1太陽電池セル71に対して、反射光Lr1が照射される。第1太陽電池セル71及び第2太陽電池セル72は吸収波長が相互に異なるため、直射光Ldに含まれるより広い波長範囲の光を有効に利用して、発電量を向上させることができる。
【0071】
6.その他の実施形態
本発明は、以下の形態でも実施可能である。
【0072】
上述の実施形態の構成は、実施形態で例示した以外の遮蔽装置であって、太陽電池セル7を配置可能な遮蔽材を有する任意の遮蔽装置に適用可能であり、例えば、縦型のブラインドにも適用可能である。また、遮蔽装置は、室内に設置してもよく、室外に設置してもよい。
【0073】
以上、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0074】
1 :電動ブラインド
2 :ヘッドボックス
3 :スラット群
3a :第1スラット群
3b :第2スラット群
4 :スクリーン
4a :山折り目
4b :谷折り目
5 :ボトムレール
5a :ボトムレール
5b :ボトムレール
7 :太陽電池セル
8 :窓
9 :制御部
10 :バッテリ
21 :ラダーコード
21a :ラダーコード
21b :ラダーコード
22 :昇降コード
22a :昇降コード
22b :昇降コード
23 :電動モータ
24 :エンコーダ
25 :第1電動モータ
26 :第1エンコーダ
27 :第2電動モータ
28 :第2エンコーダ
30 :スラット
30a :おもて面
30b :裏面
31 :第1セル配置部
32 :第2セル配置部
33 :反射部
35 :第1屈曲部
36 :第2屈曲部
37 :屈曲部
41 :第1領域
42 :第2領域
71 :第1太陽電池セル
72 :第2太陽電池セル
82 :窓ガラス
91 :CPU
92 :記憶部
93 :太陽電池接続回路
93a :出力検出部
94 :モータ駆動回路
95 :エンコーダ接続回路
96 :第1モータ駆動回路
97 :第1エンコーダ接続回路
98 :第2エンコーダ接続回路
99 :第2モータ駆動回路
Ld :直射光
Lr1 :反射光
Lr2 :反射光
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8