(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095298
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】容器
(51)【国際特許分類】
B65D 83/00 20060101AFI20240703BHJP
B65D 77/06 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
B65D83/00 K
B65D77/06 H
B65D77/06 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022212472
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000104674
【氏名又は名称】キョーラク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】橋本 慶吾
【テーマコード(参考)】
3E014
3E067
【Fターム(参考)】
3E014PA01
3E014PB03
3E014PC03
3E014PC06
3E014PC16
3E014PD11
3E014PF10
3E067AA03
3E067BA03B
3E067BA03C
3E067BA12B
3E067BC03B
3E067BC03C
3E067BC07B
3E067CA04
3E067EA04
3E067EA18
3E067EB27
3E067EB32
3E067EC36
3E067EE59
3E067FA04
3E067FB16
3E067FC01
(57)【要約】
【課題】ポンプが外容器から外れることが抑制可能な、容器を提供する。
【解決手段】本発明によれば、内容器と、ポンプと、外容器を備える容器であって、前記内容器は、前記ポンプに装着されており、かつ前記外容器内に配置され、前記ポンプは、前記内容器内の内容物を吸引して吐出可能に構成され、前記ポンプは、前記外容器に対して相対回転によって装着可能であり、前記ポンプが前記外容器に装着された状態で前記ポンプが前記外容器に対して緩み方向に回転することを抑制する緩み止め構造が設けられている、容器が提供される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容器と、ポンプと、外容器を備える容器であって、
前記内容器は、前記ポンプに装着されており、かつ前記外容器内に配置され、
前記ポンプは、前記内容器内の内容物を吸引して吐出可能に構成され、
前記ポンプは、前記外容器に対して相対回転によって装着可能であり、
前記ポンプが前記外容器に装着された状態で前記ポンプが前記外容器に対して緩み方向に回転することを抑制する緩み止め構造が設けられている、容器。
【請求項2】
請求項1に記載の容器であって、
前記緩み止め構造は、前記ポンプに設けられた外容器係合部と、前記外容器に設けられたポンプ係合部が周方向に係合した構造である、容器。
【請求項3】
請求項2に記載の容器であって、
前記ポンプは、内筒部と、前記内筒部から径方向に突出するフランジ部を備え、
前記内筒部は、前記内容器に係合する内容器係合部を備え、
前記フランジ部には、前記内筒部を囲むように外筒部が設けられており、
前記外筒部の外周面には、前記外容器係合部が設けられており、
前記外容器の胴部の内周面には、前記ポンプ係合部が設けられている、容器。
【請求項4】
請求項3に記載の容器であって、
前記外容器係合部は、前記外周面から突出する外容器係合凸部であり、
前記ポンプ係合部は、前記内周面から突出するポンプ係合凸部である、容器。
【請求項5】
請求項4に記載の容器であって、
前記ポンプ係合凸部は、前記ポンプが前記外容器に装着された状態で前記外容器係合凸部の緩み側、締め側、上側、及び下側のそれぞれに配置される緩み側係合凸部、締め側係合凸部、上側係合凸部、及び下側係合凸部を備える、容器。
【請求項6】
請求項2~請求項5の何れか1つに記載の容器であって、
前記外容器は、前記外容器係合部を前記ポンプ係合部に向かって案内するガイド部を備える、容器。
【請求項7】
請求項6に記載の容器であって、
前記外容器は、前記ポンプが前記外容器に装着された状態で前記フランジ部を支持可能な支持部を備え、
前記支持部は、前記ガイド部に繋がるように設けられている、容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外容器内に配置された内容器内に内容物を収容可能な容器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、外容器内に配置された内容器内に内容物を収容可能な容器が開示されている。特許文献1では、内容器内の内容物を吸引して吐出可能に構成されたポンプを外容器に螺合させるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の構成では、ポンプが外容器に対して緩み方向に回転してポンプが外れてしまう場合がある。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、ポンプが外容器から外れることが抑制可能な、容器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、以下の発明が提供される。
[1]内容器と、ポンプと、外容器を備える容器であって、前記内容器は、前記ポンプに装着されており、かつ前記外容器内に配置され、前記ポンプは、前記内容器内の内容物を吸引して吐出可能に構成され、前記ポンプは、前記外容器に対して相対回転によって装着可能であり、前記ポンプが前記外容器に装着された状態で前記ポンプが前記外容器に対して緩み方向に回転することを抑制する緩み止め構造が設けられている、容器。
[2][1]に記載の容器であって、前記緩み止め構造は、前記ポンプに設けられた外容器係合部と、前記外容器に設けられたポンプ係合部が周方向に係合した構造である、容器。
[3][2]に記載の容器であって、前記ポンプは、内筒部と、前記内筒部から径方向に突出するフランジ部を備え、前記内筒部は、前記内容器に係合する内容器係合部を備え、前記フランジ部には、前記内筒部を囲むように外筒部が設けられており、前記外筒部の外周面には、前記外容器係合部が設けられており、前記外容器の胴部の内周面には、前記ポンプ係合部が設けられている、容器。
[4][3]に記載の容器であって、前記外容器係合部は、前記外周面から突出する外容器係合凸部であり、前記ポンプ係合部は、前記内周面から突出するポンプ係合凸部である、容器。
[5][4]に記載の容器であって、前記ポンプ係合凸部は、前記ポンプが前記外容器に装着された状態で前記外容器係合凸部の緩み側、締め側、上側、及び下側のそれぞれに配置される緩み側係合凸部、締め側係合凸部、上側係合凸部、及び下側係合凸部を備える、容器。
[6][2]~[5]の何れか1つに記載の容器であって、前記外容器は、前記外容器係合部を前記ポンプ係合部に向かって案内するガイド部を備える、容器。
[7][6]に記載の容器であって、前記外容器は、前記ポンプが前記外容器に装着された状態で前記フランジ部を支持可能な支持部を備え、前記支持部は、前記ガイド部に繋がるように設けられている、容器。
【発明の効果】
【0007】
本発明の容器では、ポンプが外容器に装着された状態でポンプが外容器に対して緩み方向に回転することを抑制する緩み止め構造が設けられている。このため、ポンプが緩み方向に回転して、ポンプが外容器から外れることが抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態の容器1の斜視図である。
【
図2】
図2Aは、外容器4からポンプ3及び内容器2を外した状態を示す斜視図であり、
図2Bは、
図2A中の領域Bの拡大図である。
【
図3】
図3Aは、ポンプ3から内容器2を外した状態を示す斜視図であり、
図3Bは、
図3A中の領域Bの拡大図である。
【
図5】
図4A中のA-A断面図である。ポンプ機構部3mは、内部構造を省略して図示している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴について独立して発明が成立する。
【0010】
1.容器1の構造
図1~
図5を用いて、本発明の一実施形態の容器1について説明する。
図1~
図2に示すように、容器1は、内容器2と、ポンプ3と、外容器4と、オーバーキャップ5を備える。オーバーキャップ5は不要な場合には省略可能である。内容器2は、ポンプ3に装着されており、かつ外容器4内に配置されている。また、ポンプ3は、外容器4に対して相対回転によって装着可能に構成されている。オーバーキャップ5は、外容器4に係合可能に構成されている。
【0011】
<内容器2>
図3に示すように、内容器2は、内容物を収容するための有底筒状の容器であり、口部2aと、胴部2bと、底部2cを備える。口部2aは、開口端を有する筒状(好ましくは円筒状)部位である。胴部2bは、口部2aよりも開口端から離れた側に口部2aに隣接して配置される。胴部2bは、口部2aよりも外径(本明細書において、「外径」は、断面が円形でない場合は、円相当径を意味する。)が大きい。胴部2bは筒状であり、底部2cは、胴部2bの下端に設けられ、胴部2bの下端を閉塞する。
【0012】
内容器2は、一重容器であっても、二重容器であってもよい。内容器2が二重容器である場合、
図4Bに示すように、内容器2は、内袋2dと、内袋2dを覆うように配置された外殻2eを備えることが好ましい。二重容器は、内袋2d内の内容物の減少に伴って内袋2dが収縮するように構成されていることが好ましい。この場合、内容物が外気に触れて劣化することが抑制される。また、この場合、内袋2dと外殻2eの間の空間に外気を導入する外気導入部を設けることが好ましい。外気導入部は、例えば、外殻2eに貫通孔を設けたり、底部や口部において内袋2dと外殻2eの間に隙間を設けたりすることによって設けることができる。二重容器は、内容物の吐出に伴って内袋2dが収縮しないように構成されているものであってもよい。この場合、例えば、内容物を使い切った後に、内袋2dと外殻2eを分離して別々に処理(リサイクル処理や廃棄処理)することが可能になる。内袋2dと外殻2eの分離は、例えば、内袋2dを内容器2から引き抜くことによって行うことができる。
【0013】
内容器2は、パリソンのブロー成形によって形成することができる。ブロー成形は、ダイレクトブロー成形であってもよく、二軸延伸ブロー成形であってもよい。ダイレクトブロー成形では、押出機から押し出された溶融状態のパリソンを一対の分割金型で挟んでパリソン内部にエアーを吹き込むことによって内容器2を製造する。パリソンは、筒状であっても、シート状であってもよい。二軸延伸ブロー成形では、プリフォームと呼ばれる有底パリソンを例えば射出成形によって形成し、このパリソンを用いてブロー成形を行うことによって内容器2を製造する。
【0014】
図3~
図4に示すように、内容器2の口部2aには係合部2fが設けられており、係合部2fをポンプ3の内容器係合部3bに係合させることによって、内容器2をポンプ3に装着することができる。係合部2fは、例えば雄ネジ部である。
【0015】
<ポンプ3>
ポンプ3は、内容器2内の内容物を吸引して吐出可能に構成されている。
図3~
図5に示すように、ポンプ3は、一例では、内筒部3aと、内容器係合部3bと、ピストン部3cと、ノズル3dと、フランジ部3eと、外筒部3fと、外容器係合部3gと、チューブ3hと、ポンプ機構部3mを備える。
ポンプ3は、ピストン部3cを摺動させてポンプ機構部3m内のポンプ機構を作動させることによって、チューブ3hを通じて吸い上げた内容物を、ピストン部3cに設けられたノズル3dから排出することが可能になっている。チューブ3hは不要な場合には省略可能である。
【0016】
内容器係合部3bは、内筒部3aの内面に設けられている。内容器係合部3bは、例えば雌ネジ部である。
【0017】
フランジ部3eは、内筒部3aから径方向に突出する。フランジ部3eには、内筒部3aを囲むように外筒部3fが設けられている。外筒部3fの直径は、フランジ部3eの直径よりも小さい。外筒部3fは、フランジ部3eから下方に突出している。外筒部3fの外周面には、外容器係合部3gが設けられている。
図2及び
図5に示すように、外容器係合部3gは、ポンプ3が外容器4に装着された状態で、外容器4に設けられたポンプ係合部4eに周方向に係合する。外容器係合部3gとポンプ係合部4eが周方向に係合した構造によって、緩み止め構造6が構成される。緩み止め構造6によって、ポンプ3が外容器4に装着された状態でポンプ3が外容器4に対して緩み方向に回転することが抑制される。これによって、ポンプ3が不意に外容器4から外れることが抑制される。外容器係合部3gは、複数(本実施形態では4つ)設けられていることが好ましい。複数の外容器係合部3gは、等間隔に配置されることが好ましい。
【0018】
外容器係合部3gとポンプ係合部4eは、ポンプ3と外容器4を軸方向(外容器4の中心軸Cの方向)に引き離す方向の力を加えたときに、ポンプ3と外容器4に回転方向の力が加わらないか、又は締め方向の力が加わるように係合することが好ましい。ポンプ3と外容器4がネジ係合していると、ポンプ3と外容器4を軸方向に引き離す方向の力を加えたときに、ネジ山によるカム作用よってポンプ3と外容器4に緩み方向の力が加わる場合があるが、外容器係合部3gとポンプ係合部4eを上記のように係合させることによって、ポンプ3を引っ張ったときに、ポンプ3と外容器4の係合が緩むことが抑制される。このような係合の具体的な構造例は後述する。
【0019】
外容器係合部3gは、一例では、外筒部3fの外周面から突出する外容器係合凸部3iである。
図4Bに示すように、外容器係合凸部3iは、一例では、径方向に垂直な断面が、角が丸められた長方形状である。外容器係合凸部3iの上面3i1及び下面3i4は、好ましくは、周方向に傾斜していない(つまり、周方向に沿って高さ位置が一定である。)。
【0020】
図4Bに示すように、フランジ部3eは、フランジ部3eの下面3e1に向かって縮径されており、フランジ部3eの外周面3jはテーパー面となっている。フランジ部3eは、外容器4内に収容され、フランジ部3eの上面3e2と外容器4の開口端4hが、ほぼ面一になる。上面3e2と開口端4hの間の段差は、例えば、0~1.0mmであり、0~0.5mmが好ましく、具体的には例えば、0.0、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、1.0mmであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲であってもよい。
【0021】
フランジ部3eの下面3e1から外容器係合凸部3iの下面3i4までの長さDは、例えば、2~10mmが好ましく、3~6mmがさらに好ましい(本実施形態では4mm)。この長さは、具体的には例えば、2、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10mmであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲であってもよい。
【0022】
<外容器4>
図2に示すように、外容器4は、有底筒状であり、胴部4aと、底部4bを備える。胴部4aは筒状であり、底部4bは、胴部4aの下端に設けられ、胴部4aの下端を閉塞する。外容器4の胴部4aの内周面4a1には、ポンプ係合部4eと、ガイド部4fと、支持部4gが設けられている。ポンプ係合部4eと、ガイド部4fと、支持部4gは、それぞれ、胴部4aの開口端4hに近接した位置に設けられている。支持部4gと、ガイド部4fと、ポンプ係合部4eは、この順で開口端4hから離れるように設けられている。
【0023】
ポンプ係合部4eは、一例では、内周面4a1から突出するポンプ係合凸部4iである。ポンプ係合凸部4iは、好ましくは、ポンプ3が外容器4に装着された状態(つまり、外容器係合凸部3iがポンプ係合凸部4iで囲まれた凹部4j内に配置された状態)で外容器係合凸部3iの緩み側、締め側、上側、及び下側のそれぞれに配置される緩み側係合凸部4i1、締め側係合凸部4i2、上側係合凸部4i3、及び下側係合凸部4i4を備える。つまり、外容器係合凸部3iは、ポンプ3が外容器4に装着された状態では、ポンプ係合凸部4iによって囲まれる。外容器係合凸部3iは、緩み側係合凸部4i1、締め側係合凸部4i2、上側係合凸部4i3、及び下側係合凸部4i4によって、緩み側、締め側、上側、及び下側への移動が規制される。締め側係合凸部4i2、上側係合凸部4i3、及び下側係合凸部4i4の少なくとも1つは、不要であれば省略してもよい。
【0024】
図5に示すように、外容器係合凸部3iと緩み側係合凸部4i1によって構成される凹凸係合6aが緩み止め構造6となる。凹凸係合6aは、容器1の使用時には、外容器係合凸部3iが緩み側係合凸部4i1を乗り越えず、ポンプ3を外容器4に脱着するために外容器4に対してポンプ3に回転方向の力を加えたときに、外容器係合凸部3iが緩み側係合凸部4i1を乗り越えることができる係合力を有することが好ましい。
【0025】
図2~
図4に示すように、外容器係合凸部3iと上側係合凸部4i3は、ポンプ3と外容器4を軸方向(外容器4の中心軸Cの方向)に引き離す方向の力を加えたときに、ポンプ3と外容器4に回転方向の力が加わらないか、又は締め方向の力が加わるように係合することが好ましい。本実施形態では、外容器係合凸部3iと上側係合凸部4i3が軸方向に垂直な平面で当接するので、軸方向に引き離し力を加えてもカム作用による回転力は発生しないように構成されている。なお、軸方向に引き離し力を加えたときに、外容器係合凸部3iが締め側係合凸部4i2に向かって移動する方向に回転力が加わるように外容器係合凸部3iと上側係合凸部4i3を当接させてもよい。
【0026】
ガイド部4fは、外容器係合部3gをポンプ係合部4eに向かって案内する。外容器4にガイド部4fを設けることによって、外容器係合部3gとポンプ係合部4eを係合させやすくなる。ガイド部4fは、ポンプ係合部4eに繋がるように設けられることが好ましい。ガイド部4fは、ポンプ3と外容器4を締め方向に相対回転させたときに、外容器係合部3gがポンプ係合部4eに近づくように構成されていることが好ましい。好ましくは、ガイド部4fは、傾斜面4f1を有し、傾斜面4f1は、ポンプ3と外容器4を締め方向に相対回転させたときに開口端4hから離れるように傾斜することが好ましい。傾斜面4f1は、ポンプ3と外容器4を締め方向に相対回転させたときに、外容器係合凸部3iが、傾斜面4f1に沿って移動して緩み側係合凸部4i1を乗り越え、ポンプ係合凸部4iで囲まれた凹部4jに収容されるように構成されることが好ましい。
【0027】
支持部4gは、ポンプ3が外容器4に装着された状態で、フランジ部3eを支持可能な位置に配置される。支持部4gは、ガイド部4fに繋がるように設けられることが好ましい。支持部4gは、フランジ部3eの下面3e1に対向するように配置され、支持部4gの上面4g1が下面3e1に平行であることが好ましい。
図4に示すように、ポンプ3が外容器4に装着された状態で、支持部4gは、下面3e1に当接していても、近接してもよい。フランジ部3eに外力が加わっていない状態で、支持部4gが下面3e1に当接していない場合でも、フランジ部3eに下向きの力が加わったときにフランジ部3eがたわんで下面3e1が支持部4gに当接することによって、支持部4gがフランジ部3eを支持することができる。支持部4gと下面3e1の間の隙間は、例えば0~0.5mmであり、0~0.3mmが好ましく、具体的には例えば、0.0、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5mmであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲であってもよい。支持部4gは、3か所以上設けることが好ましく、それぞれの支持部4gは同一平面上にあることが好ましい。
【0028】
図4Bに示すように、支持部4gと開口端4hの間の領域では、内周面4a1は、開口端4hに向かって拡径されるテーパー面となっており、フランジ部3eの外周面3jと平行になっている。これによって、フランジ部3eを外容器4に挿入するのが容易になるとともに、挿入後は、フランジ部3eが外容器4内に安定期に保持される。
【0029】
図2Bに示すように、開口端4hの外面側には胴部4aの外面が縮径された縮径部4cが設けられている。縮径部4cには、オーバーキャップ5に係合する係合部4dが設けられている。係合部4dは、係合凸部4d1であることが好ましい。
【0030】
<オーバーキャップ5>
図1に示すように、オーバーキャップ5は、外容器4に装着され、ポンプ3のうち外容器4からはみ出した部位をオーバーキャップ5内に収容する。オーバーキャップ5は、胴部5aと、天井部5bを備える。胴部5aは筒状であり、天井部5bは、胴部5aの上端に設けられ、胴部5aの上端を閉塞する。オーバーキャップ5の胴部5aには、係合部4dと係合可能な係合部が設けられている。オーバーキャップ5の係合部は、係合凹部であることが好ましく、この係合凹部は、環状であることが好ましい。オーバーキャップ5を外容器4に装着した状態で、胴部5aと胴部4aの外周面同士が面一であることが好ましい。
【0031】
2.容器1の使用方法
オーバーキャップ5を外容器4から外してピストン部3cを押下することによって内容器2内の内容物を吐出させることができる。
【0032】
内容器2内の内容物を使い切った後は、ポンプ3と外容器4に緩め方向の力を加えると、外容器係合凸部3iが緩み側係合凸部4i1を乗り越えることによって、外容器係合部3gとポンプ係合部4eの係合が解除されて、内容器2が装着された状態のポンプ3を外容器4から取り外すことができる。
【0033】
本実施形態の容器1は、リフィル式であり、内容物が充填された内容器2が装着された状態のポンプ3(以下、「充填済みポンプ」)を外容器4に装着することによって、少なくとも外容器4(好ましくは、外容器4とオーバーキャップ5)を再利用することができる。
【0034】
ポンプ3は、外容器係合凸部3iをガイド部4fの傾斜面4f1に当接させ、その状態で締め方向(本実施形態では上方から見て時計回り方向)にポンプ3を回転させると、外容器係合凸部3iが傾斜面4f1に沿って緩み側係合凸部4i1に近づく。ポンプ3を回転させて、外容器係合凸部3iに緩み側係合凸部4i1を乗り越える力を加えると、外容器係合凸部3iが緩み側係合凸部4i1を乗り越え、外容器係合凸部3iが、ポンプ係合凸部4iで囲まれた凹部4jに収容されて、ポンプ3の装着が完了する。
【0035】
外容器係合凸部3iの下面3i4は、周方向に傾斜していないので、傾斜面4f1とは非平行である。このため、外容器係合凸部3iを傾斜面4f1に沿って移動させる際には、外容器係合凸部3iの右下の角部(つまり、締め方向の上流側の下側の角部)3i2のみが傾斜面4f1に当接するところ、角部3i2の曲率半径が大きいほど角部3i2と傾斜面4f1の接触面積が大きくなり、外容器係合凸部3iを傾斜面4f1に当接させた状態が安定しやすい。一方、外容器係合凸部3iの残りの角部の曲率半径を大きくするほど、外容器係合凸部3iが緩み側係合凸部4i1を乗り越える際のクリック感を感じにくくなる。このため、外容器係合凸部3iは、角部3i2以外の少なくとも1つ(好ましくは2つ又は3つ)の角部の曲率半径が角部3i2よりも小さいことが好ましい。特に、外容器係合凸部3iの左側の2つの角部(つまり、締め方向の下流側の角部)3i3の曲率半径が角部3i2よりも小さいことが好ましい。
【0036】
リフィル方法としては、以下のものが挙げられる。
・第1の方法:内容器2をポンプ3から取り外し、内容器2内に内容物を充填した後に内容器2をポンプ3に装着する方法。
・第2の方法:内容器2をポンプ3から取り外し、内容物が充填された内容器2を新たに購入し、これをポンプ3に装着する方法。
・第3の方法:内容物が充填された内容器2が装着された状態のポンプ3を新たに購入する方法。
【0037】
第3の方法でリフィルする場合、使用前にポンプ3のポンプ機構が作動することを防ぐべく、ポンプ3にはポンプ用オーバーキャップが装着されていることが好ましい。ポンプ3を外容器4に装着した後はポンプ用オーバーキャップを用いずに、オーバーキャップ5によってポンプ3の誤作動を防ぐことができる。ポンプ用オーバーキャップは、
図3Aに示すように、ポンプ3の内筒部3aの上端の縮径部3kに設けられた係合部3lに係合させて装着することができる。係合部3lは、好ましくは係合凸部3l1であり、係合凸部3l1は環状であることが好ましい。ポンプ用オーバーキャップは、破棄してもよく、保管しておいいて、次のリフィルの際の誤作動防止に用いてもよい。
【0038】
3.その他の実施形態
・上記実施形態では、外容器係合部3g及びポンプ係合部4eによる係合は、凸部同士の係合であっても、凸部と凹部の係合であってもよい。例えば、凸部と凹部の係合である場合、ポンプ3に設けた凸部が外容器4に設けた凹部に嵌まるように係合してもよく、外容器4に設けた凸部がポンプ3に設けた凹部に嵌まるように係合してもよい。
【符号の説明】
【0039】
1 :容器
2 :内容器
2a :口部
2b :胴部
2c :底部
2d :内袋
2e :外殻
2f :係合部
3 :ポンプ
3a :内筒部
3b :内容器係合部
3c :ピストン部
3d :ノズル
3e :フランジ部
3e1 :下面
3e2 :上面
3f :外筒部
3g :外容器係合部
3h :チューブ
3i :外容器係合凸部
3i1 :上面
3i2 :角部
3i :角部
3i4 :下面
3j :外周面
3k :縮径部
3l :係合部
3l1 :係合凸部
3m :ポンプ機構部
4 :外容器
4a :胴部
4a1 :内周面
4b :底部
4c :縮径部
4d :係合部
4d1 :係合凸部
4e :ポンプ係合部
4f :ガイド部
4f1 :傾斜面
4g :支持部
4g1 :上面
4h :開口端
4i :ポンプ係合凸部
4i1 :緩み側係合凸部
4i2 :締め側係合凸部
4i3 :上側係合凸部
4i4 :下側係合凸部
4j :凹部
5 :オーバーキャップ
5a :胴部
5b :天井部
6 :緩み止め構造
6a :凹凸係合
C :中心軸