(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095300
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】モータ、およびポンプ
(51)【国際特許分類】
H02K 5/22 20060101AFI20240703BHJP
H02K 11/33 20160101ALI20240703BHJP
F04C 15/00 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
H02K5/22
H02K11/33
F04C15/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022212474
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000220505
【氏名又は名称】ニデックパワートレインシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【弁理士】
【氏名又は名称】成田 友紀
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】片岡 慈裕
【テーマコード(参考)】
3H044
5H605
5H611
【Fターム(参考)】
3H044BB03
3H044DD18
3H044DD24
5H605BB05
5H605BB17
5H605CC01
5H605CC06
5H605EC08
5H605EC20
5H611BB01
5H611BB06
5H611TT01
5H611UA04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】製造工数が増大することを抑制できるモータおよびポンプを提供する。
【解決手段】モータ2は、ロータ20と、ロータと径方向に隙間を介して対向するステータ30とを有するモータ部3と、回路基板70と、ステータと回路基板との間に配置される接続端子50と、第1開口部11bを有しモータ部を収容する第1ハウジング11と、第2ハウジング12と、を備える。ステータは、第1ハウジングに固定される環状のステータコア31と、コイル部33と、絶縁部材32と、を有する。接続端子は、コイル部と回路基板とを電気的に接続する。第2ハウジングは、軸方向に延びる筒状であり、且つ、回路基板を収容する基板収容部14と、回路基板を保持する基板保持部14aと、接続端子を保持する端子保持部15とを有する。端子保持部は、基板収容部の内側面と繋がる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸線を中心として回転可能なロータと、前記ロータと径方向に隙間を介して対向するステータと、を有するモータ部と、
前記モータ部の軸方向一方側に配置される回路基板と、
軸方向において、前記ステータと前記回路基板との間に配置される接続端子と、
軸方向一方側に開口する第1開口部を有し、前記モータ部を収容する第1ハウジングと、
前記第1ハウジングの軸方向一方側に配置される第2ハウジングと、
を備え、
前記ステータは、前記第1ハウジングに固定される環状のステータコアと、前記ステータコアに装着される複数のコイル本体部を有するコイル部と、前記ステータコアと前記コイル部との間に配置される絶縁部材と、を有し、
前記接続端子は、前記コイル部と前記回路基板とを電気的に接続し、
前記第2ハウジングは、
軸方向に延びる筒状であり、且つ、前記回路基板を収容する基板収容部と、
前記回路基板を保持する基板保持部と、
前記接続端子を保持する端子保持部と、
を有し、
前記基板収容部の外周面は、前記第2ハウジングの外周面の一部を構成し、
前記端子保持部は、前記基板収容部の内側面と繋がる、モータ。
【請求項2】
前記コイル部は、前記コイル本体部から軸方向一方側に引き出され、前記接続端子と接続されるコイル引出線を有し、
前記端子保持部は、前記ステータコアよりも軸方向一方側に配置される、請求項1に記載のモータ。
【請求項3】
前記端子保持部は、前記基板収容部の内側面から径方向内側に突出する本体部を有し、
前記本体部は、前記本体部を軸方向に貫通する保持孔と、前記本体部のうち前記保持孔よりも径方向内側において下側から上側に窪む第1凹部と、を有し、
前記接続端子は、軸方向に延びる端子本体部を有し、
前記端子本体部には、径方向内側に突出する本体凸部が設けられ、
前記端子本体部の軸方向他方側の部分は、前記保持孔の内部に配置され、前記本体凸部は、前記第1凹部に配置される、請求項2に記載のモータ。
【請求項4】
前記コイル部は、前記絶縁部材の径方向外側を周方向に沿って延び、前記コイル本体部と前記コイル引出線とを接続する渡り線部を有し、
軸方向に見て、前記保持孔は、前記渡り線部と重なる、請求項3に記載のモータ。
【請求項5】
前記端子保持部は、前記本体部から径方向内側に突出する突出部を有し、
前記突出部の軸方向他方側を向く面には、軸方向一方側に窪み周方向の両側に開口する第2凹部が設けられ、
前記コイル引出線は、前記第2凹部の内側を周方向に通され、前記第2凹部の周方向の端部において、軸方向一方側に屈曲する、請求項3に記載のモータ。
【請求項6】
前記突出部の周方向を向く面のうち前記コイル引出線と周方向に対向する面には、規制部が設けられ、
前記コイル引出線は、前記規制部の径方向内側を向く面に沿って軸方向一方側に延びる、請求項5に記載のモータ。
【請求項7】
前記本体部は、前記本体部の軸方向一方側を向く面のうち軸方向に見て前記第1凹部と重なる部分から軸方向他方側に窪む第3凹部を有し、
前記保持孔の内側面は、前記第3凹部の径方向外側の縁部から軸方向他方側に向かうにしたがって径方向外側に位置する傾斜面を有する、請求項3に記載のモータ。
【請求項8】
前記接続端子は、前記端子本体部と繋がる第1接続部を有し、
前記第1接続部には、前記第1接続部の軸方向一方側の端部から軸方向他方側に窪み、かつ、軸方向と直交する方向に開口する圧接部が設けられ、
前記コイル引出線は、前記圧接部の内側を通され、且つ、前記圧接部に圧入される、請求項3から7のいずれか一項に記載のモータ。
【請求項9】
前記接続端子は、前記端子本体部から軸方向一方側に突出する第2接続部を有し、
前記第2接続部は、前記回路基板に接続される、請求項3から7のいずれか一項に記載のモータ。
【請求項10】
前記接続端子は、前記端子本体部と繋がる第1接続部と、前記第1接続部から軸方向一方側に突出する第2接続部と、を有し、
前記第1接続部には、前記第1接続部の軸方向一方側の端部から軸方向他方側に窪み、かつ、軸方向と直交する方向に開口する圧接部が設けられ、
前記コイル引出線は、前記圧接部の内側を通され、且つ、前記圧接部に圧入され、
前記第2接続部は、前記回路基板に接続される、請求項3から7のいずれか一項に記載のモータ。
【請求項11】
前記接続端子は、互いに軸方向と直交する方向に対向して配置される一対の前記第1接続部を有し、
前記コイル引出線は、一対の前記第1接続部それぞれの前記圧接部の内側を通され、且つ、一対の前記第1接続部それぞれの前記圧接部に圧入される、請求項8に記載のモータ。
【請求項12】
前記基板収容部は、軸方向他方側に開口する第2開口部を有し、
前記第1ハウジングの内部と、前記第2ハウジングの内部とは、前記第1開口部および前記第2開口部を介して互いに繋がる、請求項1から7のいずれか一項に記載のモータ。
【請求項13】
被取付体に固定されるモータであって、
前記第2ハウジングは、前記基板収容部から径方向外側に突出するフランジ部を有し、
前記フランジ部は、前記被取付体に固定される、請求項1から7のいずれか一項に記載のモータ。
【請求項14】
請求項1から7のいずれか一項に記載のモータと、前記ロータに接続されるポンプ機構部と、を備える、ポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータ、およびポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
ステータが有するステータ巻線と、ステータ巻線に電力を供給する回路基板とをガイドプレートを介して電気的に接続する構成のモータが知られている。例えば、特許文献1には、モータハウジングに固定されたステータに保持されるガイドプレートによって、ステータ巻線と回路基板とを電気的に接続する構成のモータが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなモータにおいては、モータハウジングに対する周方向の位置がずれた状態でステータがモータハウジングに固定されると、回路基板に対するガイドプレートの周方向の位置がずれる。この場合、回路基板に対してガイドプレートの周方向の位置を合わせることができないため、ガイドプレートと回路基板とを接続することが困難となる虞があった。このため、モータハウジングにステータを取り付ける際に、モータハウジングに対するステータの周方向の位置精度を高める必要があるため、モータの製造工数が増大していた。
【0005】
本発明の一つの態様は、上記事情に鑑みて、製造工数が増大することを抑制できるモータおよびポンプを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のモータの一つの態様は、中心軸線を中心として回転可能なロータと、前記ロータと径方向に隙間を介して対向するステータと、を有するモータ部と、前記モータ部の軸方向一方側に配置される回路基板と、軸方向において、前記ステータと前記回路基板との間に配置される接続端子と、軸方向一方側に開口する第1開口部を有し、前記モータ部を収容する第1ハウジングと、前記第1ハウジングの軸方向一方側に配置される第2ハウジングと、を備える。前記ステータは、前記第1ハウジングに固定される環状のステータコアと、前記ステータコアに装着される複数のコイル本体部を有するコイル部と、前記ステータコアと前記コイル部との間に配置される絶縁部材と、を有する。前記接続端子は、前記コイル部と前記回路基板とを電気的に接続する。前記第2ハウジングは、軸方向に延びる筒状であり、且つ、前記回路基板を収容する基板収容部と、前記回路基板を保持する基板保持部と、前記接続端子を保持する端子保持部と、を有する。前記基板収容部の外周面は、前記第2ハウジングの外周面の一部を構成する。前記端子保持部は、前記基板収容部の内側面と繋がる。
【0007】
本発明のポンプの一つの態様は、上記のモータと、上記のロータに接続されるポンプ機構部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一つの態様によれば、モータおよびポンプにおいて、接続端子を介してコイル線と回路基板とを接続する作業の簡易化を図ることによって、組立工数が増大することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第1実施形態のポンプを示す斜視図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態のポンプを示す断面図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態のポンプの一部を示す上面図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態のポンプの一部を示す断面図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態のポンプの一部を示す斜視図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態の端子保持部を示す斜視図である。
【
図7】
図7は、第1実施形態の端子保持部および接続端子を示す斜視図である。
【
図8】
図8は、第2実施形態の端子保持部および接続端子を示す斜視図である。
【
図9】
図9は、第2実施形態の端子保持部および接続端子を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の説明において図には、適宜、Z軸を示す。Z軸は、以下に説明する実施形態の中心軸線Jが延びる方向を示している。各図に示す中心軸線Jは、仮想軸線である。以下の説明では、中心軸線Jが延びる方向、つまりZ軸と平行な方向を「軸方向」と呼ぶ。中心軸線Jを中心とする径方向を単に「径方向」と呼ぶ。中心軸線Jを中心とする周方向を単に「周方向」と呼ぶ。軸方向のうちZ軸の矢印が向く側(+Z側)を「上側」または「軸方向一方側」と呼ぶ。軸方向のうちZ軸の矢印が向く側と逆側(-Z側)を「下側」または「軸方向他方側」と呼ぶ。なお、上側、および下側とは、単に各部の相対位置関係を説明するための名称であり、実際の配置関係等は、これらの名称で示される配置関係等以外の配置関係等であってもよい。
【0011】
周方向は、各図において矢印θで示されている。周方向のうち矢印θが向く側を「周方向一方側」と呼ぶ。周方向のうち矢印θが向く側と逆側を「周方向他方側」と呼ぶ。周方向一方側は、軸方向一方側から見て中心軸線J回りに時計回りに進む側である。周方向他方側は、軸方向一方側から見て中心軸線J回りに反時計回りに進む側である。
【0012】
<第1実施形態>
図1に示す本実施形態のポンプ1は、車両に搭載される機器に取り付けられる電動ポンプである。ポンプ1が取り付けられる機器は、自動変速機であってもよいし、車両の車軸を駆動する駆動装置であってもよい。
図2に示すように、ポンプ1が取り付けられる機器を被取付体5と呼ぶ。ポンプ1は、例えば、車両に搭載される機器にオイルを供給する電動オイルポンプである。
【0013】
ポンプ1は、モータ2と、ポンプ機構部40と、を備える。モータ2は、ハウジング10と、モータ部3と、回路基板70と、接続端子50と、封止部材63と、を備える。
【0014】
ハウジング10は、モータ部3、回路基板70、封止部材63、およびポンプ機構部40を内部に収容する。ハウジング10は、第1ハウジング11と、第2ハウジング12と、ポンプカバー部材19と、を有する。第1ハウジング11、第2ハウジング12、およびポンプカバー部材19は、互いに別部材である。第2ハウジング12は、第1ハウジング11の上側、すなわち軸方向一方側に配置される。ポンプカバー部材19は、第1ハウジング11の下側に固定される。
【0015】
第1ハウジング11は、中心軸線Jを中心として軸方向に延びる略円筒状である。第1ハウジング11は、周壁部11aと、底部11dと、ポンプ機構収容部11gと、を有する。
【0016】
周壁部11aは、モータ部3、および封止部材63を内部に収容する。周壁部11aは、中心軸線Jを中心として軸方向に延びる円筒状である。周壁部11aの上側の端部は、第1ハウジング11の上側の端部である。周壁部11aは、上側、すなわち軸方向一方側に開口する第1開口部11bと、凹部11cと、を有する。凹部11cは、周壁部11aの外周面から径方向内側に窪む溝である。凹部11cは、周壁部11aの上側の部分に設けられる。本実施形態において、凹部11cは、周壁部11aの外周面に沿って一周に亘って設けられる。
【0017】
底部11dは、中心軸線Jを中心とする略円環状である。底部11dの上側を向く面の径方向外縁は、周壁部11aの下端と軸方向に繋がる。底部11dには、封止部材保持部11eおよび貫通孔11fが設けられる。封止部材保持部11eは、底部11dの上側を向く面から上側に突出する。封止部材保持部11eは、中心軸線Jを中心とする円筒状である。封止部材保持部11eの内周面には、封止部材63が保持される。貫通孔11fは、底部11dを軸方向に貫通する孔である。軸方向に見て、貫通孔11fは、中心軸線Jを中心とする円形状である。
【0018】
ポンプ機構収容部11gは、ポンプ機構部40を内部に収容する。ポンプ機構収容部11gは、中心軸線Jを中心とし、下側に開口する円筒状である。ポンプ機構収容部11gの上端は、底部11dの下端と軸方向に繋がる。
【0019】
ポンプカバー部材19は、中心軸線Jを中心とする略円板状である。ポンプカバー部材19は、ポンプ機構部40の下側に配置される。ポンプカバー部材19は、ポンプ機構収容部11gの内周面のうち下側の部分に固定される。ポンプカバー部材19は、ポンプ機構収容部11gの開口を下側から塞ぐ。ポンプカバー部材19には、吸入部19a、吸入口19bおよび吐出口19cが設けられる。
【0020】
吸入部19aは、ポンプカバー部材19から下側に突出する円柱状である。吸入部19aの外周面には溝が設けられ、溝にはOリング69が嵌め込まれている。吸入口19bは、ポンプカバー部材19および吸入部19aを軸方向に貫通する孔である。吐出口19cは、ポンプカバー部材19を軸方向に貫通する孔である。吸入口19bおよび吐出口19cのそれぞれは、ポンプ機構収容部11gの内部と、ポンプ1の外部とを繋ぐ。本実施形態では、吸入口19bを介して、オイルがポンプ機構収容部11gの内部に吸入され、吐出口19cを介して、オイルがポンプ1の外部に吐出される。
【0021】
第2ハウジング12は、回路基板70および接続端子50を内部に収容する。第2ハウジング12は、第1ハウジング11の上端に固定される。第2ハウジング12は、上側から第1開口部11bを塞ぐ。第2ハウジング12は、中心軸線Jを中心として軸方向に延びる略円筒状である。第2ハウジング12は、バスバーベース13と、蓋部材18と、を有する。
【0022】
バスバーベース13は、回路基板70および接続端子50を径方向外側から囲む略円筒状である。軸方向において、バスバーベース13は、第1ハウジング11と蓋部材18との間に配置される。本実施形態において、バスバーベース13は、樹脂製である。バスバーベース13は、第1ハウジング11の上端に固定される。バスバーベース13は、基板収容部14と、基板保持部14aと、爪部13bと、フランジ部13cと、端子保持部15と、を有する。すなわち、第2ハウジング12は、基板収容部14と、基板保持部14aと、フランジ部13cと、端子保持部15と、を有する。
【0023】
基板収容部14は、軸方向に延びる筒状である。本実施形態において、基板収容部14は、中心軸線Jを中心とし、上側および下側に開口する略円筒状である。基板収容部14は、回路基板70を径方向外側から囲む。基板収容部14は、回路基板70を収容する。基板収容部14は、下側、すなわち軸方向他方側に開口する第2開口部14eと、上側に開口する第3開口部14gと、を有する。第1ハウジング11の内部と、第2ハウジング12の内部とは、第1開口部11bおよび第2開口部14eを介して互いに繋がる。基板収容部14の内側面には、上側を向く段差面14fを有する段差が設けられる。基板収容部14の外周面は、ポンプ1およびモータ2の外部に露出する。基板収容部14の外周面は、第2ハウジング12の外周面の一部を構成する。基板収容部14の外周面には溝が設けられ、溝にはOリング67が嵌め込まれている。
【0024】
基板保持部14aは、回路基板70を保持する。基板保持部14aは、段差面14fから上側に突出する。
図3に示すように、本実施形態において、バスバーベース13は、複数の基板保持部14aを有する。本実施形態において、バスバーベース13は、3個の基板保持部14aを有する。各基板保持部14aは、周方向に沿って互いに略等間隔をあけて配置される。各基板保持部14aは、支持部14bと、挿通部14cと、を有する。
図2に示すように、支持部14bは、段差面14fから上側に突出する円板状である。支持部14bの板面は、軸方向を向く。挿通部14cは、支持部14bから上側に突出する円柱状である。
図3に示すように、挿通部14cの外径は、支持部14bの外径よりも小さい。
【0025】
図4に示すように、爪部13bは、基板収容部14から下側に突出する。爪部13bは、周壁部11aよりも径方向外側に配置される。爪部13bの先端は、径方向内側に向けて突出する。
図5に示すように、本実施形態において、バスバーベース13は、複数の爪部13bを有する。図示は省略するが、本実施形態において、バスバーベース13は、14個の爪部13bを有する。各爪部13bは、周方向に沿って互いに間隔をあけて配置される。
図4に示すように、各爪部13bの先端は、第1ハウジング11の凹部11cの内部に位置する。各爪部13bは、径方向内側に弾性変形可能であるため、各爪部13bの先端が凹部11cの内部から外れることを抑制できる。これにより、バスバーベース13は、第1ハウジング11に固定される。
【0026】
図5に示すように、フランジ部13cは、基板収容部14から径方向外側に突出する。軸方向に見て、フランジ部13cは、一つの角が径方向外側に突出する略三角形状である。フランジ部13cには、軸方向に貫通するフランジ孔13dが設けられる。フランジ孔13dには、軸方向に延びる円筒状のカラー部材83が固定される。本実施形態において、バスバーベース13は、複数のフランジ部13cを有する。本実施形態において、バスバーベース13は、2個のフランジ部13cを有する。各フランジ部13cは、互いに径方向に対向する位置に設けられる。カラー部材83の内部には、図示しないボルトが、上側から通され、係るボルトが、
図2に示す被取付体5に設けられた図示しないねじ穴に締め込まれると、各フランジ部13cは、被取付体5に固定される。これにより、モータ2およびポンプ1は、被取付体5に固定される。
【0027】
図2に示すように、端子保持部15は、基板収容部14の径方向内側に配置される。端子保持部15は、後述するステータ30のステータコア31よりも、上側、すなわち軸方向一方側に配置される。
図3に示すように、端子保持部15は、基板収容部14の内側面と径方向に繋がる。本実施形態において、バスバーベース13は、複数の端子保持部15を有する。本実施形態において、バスバーベース13は、3個の端子保持部15を有する。各端子保持部15は、周方向に沿って互いに略等間隔をあけて配置される。各端子保持部15は、本体部15aと、突出部16と、を有する。
【0028】
図6に示すように、本体部15aは、基板収容部14の内側面から径方向内側に突出する。本体部15aは、軸方向に延びる略直方体状である。本体部15aの形状は、略直方体状に限定されず、例えば、軸方向に延びる円柱状等の他の形状であってもよい。本体部15aの外側面のうち、2つの外側面は径方向を向く。本体部15aは、保持孔15bと、第1凹部15hと、第3凹部15iと、第4凹部15jと、を有する。
【0029】
保持孔15bは、本体部15aを軸方向に貫通する孔である。軸方向に見て、保持孔15bは、短辺が径方向に延びる長方形状である。本体部15aは、第1本体部15c、第2本体部15d、第3本体部15e、および第4本体部15fによって構成される。第1本体部15cは、本体部15aのうち、保持孔15bよりも径方向外側の部分である。第1本体部15cは、基板収容部14の内側面と繋がる。第2本体部15dは、本体部15aのうち、保持孔15bよりも径方向内側の部分である。第1本体部15cおよび第2本体部15dは、それぞれ、径方向と直交する方向に広がる板状である。径方向に見て、第1本体部15cおよび第2本体部15dは、それぞれ略長方形状である。第3本体部15eは、本体部15aのうち、保持孔15bよりも周方向他方側(-θ側)の部分である。第4本体部15fは、本体部15aのうち、保持孔15bよりも周方向一方側(+θ側)の部分である。第3本体部15eおよび第4本体部15fは、それぞれ、周方向と直交する方向に広がる板状である。周方向に見て、第3本体部15eおよび第4本体部15fは、それぞれ、略長方形状である。第3本体部15eは、第1本体部15cおよび第2本体部15dそれぞれの周方向他方側の縁部と繋がる。第4本体部15fは、第1本体部15cおよび第2本体部15dそれぞれの周方向一方側の縁部と繋がる。
【0030】
第1凹部15hは、第2本体部15dの下端から上側に窪む穴である。すなわち、第1凹部15hは、本体部15aのうち保持孔15bよりも径方向内側において下側から上側に窪む穴である。第1凹部15hは、径方向内側および径方向外側の両方に開口する。第1凹部15hの内部は、保持孔15bの内部と繋がる。径方向に見て、第1凹部15hの下側の部分は、軸方向に延びる矩形状である。径方向に見て、第1凹部15hの上側の部分は、上側に凸の半円形状である。
【0031】
第3凹部15iは、第2本体部15dの上側を向く面から下側、すなわち軸方向他方側に窪む穴である。第3凹部15iは、径方向内側および径方向外側の両方に開口する。第3凹部15iの内部は、保持孔15bの内部と繋がる。径方向に見て、第3凹部15iは、矩形状である。軸方向に見て、第3凹部15iは、第1凹部15hと重なる。
【0032】
図4に示すように、保持孔15bの内側面のうち径方向外側を向く面は、第3凹部15iの径方向外側の縁部から下側、すなわち軸方向他方側に向かうにしたがって径方向外側に位置する傾斜面15mを有する。すなわち、保持孔15bの内側面は、傾斜面15mを有する。傾斜面15mの下側の端部は、第1凹部15hの下側を向く面と繋がる。
【0033】
図6に示すように、第4凹部15jは、本体部15aの上側を向く面から下側に窪む穴である。第4凹部15jは、周方向の両側に開口する。第4凹部15jの内部は、保持孔15bの内部と繋がる。周方向に見て、第4凹部15jは、略矩形状である。第4凹部15jの下側の端部は、第1凹部15hの上側の端部よりも上側に位置する。本実施形態において、本体部15aは、2個の第4凹部15jを有する。一方の第4凹部15jは、第3本体部15eに設けられる。他方の第4凹部15jは、第4本体部15fに設けられる。
【0034】
突出部16は、本体部15aから径方向内側に突出する板状である。突出部16の板面は、周方向を向く。周方向に見て、突出部16は、本体部15aから径方向内側に向かうにしたがって、軸方向の寸法が小さくなる台形状である。周方向に見て、突出部16の上側の端部は、本体部15aから径方向内側に向かうにしたがって、下側に位置する。周方向に見て、突出部16の下側の端部は、径方向に延びる。本実施形態において、端子保持部15は、2つの突出部16を有する。
【0035】
一方の突出部16は、第2本体部15dの周方向他方側(-θ側)の縁部から径方向内側に突出する。一方の突出部16には、第2凹部16cおよび規制部16fが設けられる。第2凹部16cは、一方の突出部16の下側、すなわち軸方向他方側を向く面から上側、すなわち軸方向一方側に窪む穴である。第2凹部16cは、周方向の両側に開口する。規制部16fは、一方の突出部16の周方向他方側を向く面から周方向他方側に突出する。
図7に示すように、一方の突出部16の周方向他方側を向く面は、コイル引出線33cと周方向に対向する面である。
図6に示すように、本実施形態において、規制部16fは、軸方向に延びる略直方体状である。規制部16fは、第2凹部16cよりも上側に配置される。規制部16fの径方向内側を向く面は、第2凹部16cの径方向内側の端部よりも径方向外側に位置する。
【0036】
他方の突出部16は、第2本体部15dの周方向一方側(+θ側)の縁部から径方向内側に突出する。他方の突出部16には、第2凹部16dおよび規制部16gが設けられる。第2凹部16dは、他方の突出部16の下側を向く面から上側に窪む穴である。第2凹部16dは、周方向の両側に開口する。規制部16gは、他方の突出部16の周方向一方側を向く面から周方向一方側に突出する。
図7に示すように、他方の突出部16の周方向一方側を向く面は、コイル引出線33cと周方向に対向する。
図6に示すように、本実施形態において、規制部16gは、軸方向に延びる略直方体状である。規制部16gは、第2凹部16dよりも上側に配置される。規制部16gの径方向内側を向く面は、第2凹部16dの径方向内側の端部よりも径方向外側に位置する。
【0037】
図2に示すように、蓋部材18は、蓋部18aと、コネクタ収容部18eと、を有する。蓋部18aは、中心軸線Jを中心として軸方向に突出する略円筒状である。蓋部18aは、下側に開口する。蓋部18aは、バスバーベース13の上端と固定される。これにより、蓋部材18は、バスバーベース13に固定される。蓋部18aは、第3開口部14gを上側から塞ぐ。
【0038】
図1に示すように、コネクタ収容部18eは、蓋部18aから上側に突出する。コネクタ収容部18eは、上側および下側の両方に開口する略角筒状である。コネクタ収容部18eの内部は、蓋部18aを軸方向に貫通する図示しない孔を介して、蓋部材18の内部と繋がる。
【0039】
図2に示すように、モータ部3は、第1ハウジング11およびバスバーベース13の内部に収容される。軸方向において、モータ部3は、回路基板70よりも下側、且つ、ポンプ機構部40よりも上側に配置される。モータ部3は、ロータ20と、ステータ30と、を有する。
【0040】
ロータ20は、中心軸線Jを中心として回転可能である。ロータ20は、ロータコア21と、磁石22と、シャフト23と、を有する。磁石22およびシャフト23は、ロータコア21に固定されている。ロータ20は、シャフト23を支持する貫通孔11fの内周面によって、中心軸線Jを中心として回転可能に支持される。シャフト23は、中心軸線Jを中心として軸方向に延びる円柱状である。シャフト23は、貫通孔11fを軸方向に通され、周壁部11aの内部とポンプ機構収容部11gの内部とに跨って配置される。
【0041】
ステータ30は、ロータ20の径方向外側に配置される。ステータ30は、ロータ20と径方向に隙間を介して対向する。ステータ30は、ステータコア31と、絶縁部材32と、コイル部33と、を有する。
【0042】
ステータコア31は、ロータコア21を径方向外側から囲む環状である。ステータコア31の外周面は、第1ハウジング11の周壁部11aに固定されている。本実施形態において、ステータコア31は、周壁部11aに圧入されている。ステータコア31は、接着等の他の方法によって、周壁部11aに固定されてもよい。
【0043】
絶縁部材32は、ステータコア31に装着される。絶縁部材32は、ステータコア31とコイル部33との間に配置される。絶縁部材32は、ステータコア31とコイル部33とを絶縁する。絶縁部材32は、上側に突出する環状壁部32aを有する。軸方向において、環状壁部32aは、ステータコア31と端子保持部15との間に配置される。
図3に示すように、環状壁部32aは、中心軸線Jを中心とする円環状である。
図2に示すように、環状壁部32aは、周壁部11aと径方向に対向する。
【0044】
コイル部33は、接続端子50を介して回路基板70と電気的に接続される。コイル部33には、接続端子50を介して回路基板70から電力が供給される。コイル部33は、複数のコイル本体部33aと、渡り線部33bと、コイル引出線33cと、を有する。
【0045】
複数のコイル本体部33aは、ステータコア31に装着される。
図3に示すように、複数のコイル本体部33aは、環状壁部32aよりも径方向内側に配置される。本実施形態において、コイル部33は、6個のコイル本体部33aを有する。各コイル本体部33aは、周方向に沿って互いに間隔をあけて配置される。
【0046】
渡り線部33bは、コイル本体部33aとコイル引出線33cとを接続する。図示は省略するが、コイル本体部33aから引き出された渡り線部33bは、環状壁部32aを径方向に貫通する図示しない孔部を径方向に通され、
図4に示すように、環状壁部32aの径方向外側、且つ、周壁部11aの径方向内側に配置される。渡り線部33bは、環状壁部32aの径方向外側を向く面に沿って周方向に延びる。図示は省略するが、本実施形態において、渡り線部33bは、6本設けられる。各渡り線部33bは、互いに異なるコイル本体部33aと接続される。軸方向に見て、渡り線部33bは、端子保持部15の保持孔15bと重なる。
【0047】
コイル引出線33cは、接続端子50と接続される。コイル引出線33cは、渡り線部33bを介して、コイル本体部33aから上側、すなわち軸方向一方側に引き出される。
図3に示すように、本実施形態において、コイル部33は、6本のコイル引出線33cを有する。各コイル引出線33cのそれぞれは、互いに異なる渡り線部33bを介して、互いに異なるコイル本体部33aと接続される。コイル引出線33cが配置される経路、およびコイル引出線33cと接続端子50との接続構成等については、後段で詳細に説明する。
【0048】
図2に示すように、封止部材63は、封止部材保持部11eの内周面に保持される。封止部材63は、ロータコア21よりも下側に配置される。本実施形態において、封止部材63は、径方向内側にリップ部を有するリップシールである。封止部材63のリップ部は、シャフト23の外周面と接触する。これにより、封止部材63は、シャフト23と第1ハウジング11との間を封止する。
【0049】
ポンプ機構部40は、ポンプ機構収容部11gの内部に収容される。ポンプ機構部40は、インナーロータ41と、アウターロータ42と、を有する。インナーロータ41は、シャフト23のうちポンプ機構収容部11gの内部に突出する部分と接続される。これにより、ポンプ機構部40は、ロータ20に接続される。インナーロータ41は、シャフト23を囲む環状である。アウターロータ42は、インナーロータ41を囲む環状である。インナーロータ41とアウターロータ42とは、互いに噛み合っている。これにより、ロータ20が中心軸線J回りに回転すると、インナーロータ41およびアウターロータ42も中心軸線J回りに回転する。
【0050】
回路基板70は、接続端子50を介して、コイル部33と電気的に接続される。回路基板70は、コイル部33に供給する電力を制御する。回路基板70は、モータ部3の上側、すなわち軸方向一方側に配置される。回路基板70は、蓋部材18の下側に配置される。上述のように、回路基板70は、基板収容部14の内部に収容される。回路基板70は、軸方向と直交する方向に広がる板状である。
図5に示すように、軸方向に見て、回路基板70は、略円形状である。回路基板70には、複数の第1貫通孔70a、および複数の第2貫通孔70bが設けられる。また、回路基板70には、コネクタ部材72が取り付けられる。
【0051】
複数の第1貫通孔70aのそれぞれは、回路基板70を軸方向に貫通する孔である。本実施形態において、第1貫通孔70aは、3個設けられる。各第1貫通孔70aは、周方向に沿って互いに略等間隔をあけて配置される。各第1貫通孔70aには、基板保持部14aの挿通部14cが軸方向に通されている。本実施形態において、各第1貫通孔70aには、挿通部14cが嵌め合わされている。これにより、第2ハウジング12に対する回路基板70の周方向の位置および径方向の位置が決まる。また、
図2に示すように、回路基板70の下側を向く面は、基板保持部14aの支持部14bによって軸方向に支持される。これにより、第2ハウジング12に対する回路基板70の軸方向の位置が決まる。これらにより、回路基板70は、基板保持部14aに保持される。
【0052】
図5に示すように、複数の第2貫通孔70bは、回路基板70を軸方向に貫通する孔である。第2貫通孔70bは、例えばスルーホールである。第2貫通孔70bの内側面には導電性を有する銅箔が設けられる。本実施形態において、第2貫通孔70bは、6個設けられる。本実施形態では、1対の第2貫通孔70b毎に、周方向に沿って互いに略等間隔をあけて配置される。1対の第2貫通孔70bを構成する2つの第2貫通孔70b同士は、周方向に互いに間隔をあけて配置される。
【0053】
コネクタ部材72は、モータ2に電力を供給する図示しない外部機器と、回路基板70とを電気的に接続する。コネクタ部材72は、回路基板70の上側を向く面に取り付けられ、上側に突出する。コネクタ部材72の上側の部分は、
図2に示すコネクタ収容部18eの内部に配置される。
【0054】
接続端子50は、コイル部33と回路基板70とを電気的に接続する。軸方向において、接続端子50は、ステータ30と回路基板70との間に配置される。
図3に示すように、接続端子50は、第2ハウジング12の端子保持部15に保持される。本実施形態において、モータ部3は、複数の接続端子50を有する。本実施形態において、モータ部3は、3個の接続端子50を有する。各接続端子50は、周方向に沿って略等間隔をあけて配置される。接続端子50は、導電性を有する。本実施形態において、接続端子50は、金属製である。
図7に示すように、接続端子50は、端子本体部51と、第1接続部52と、第2接続部53と、基板支持部54と、を有する。
【0055】
端子本体部51は、軸方向に延びる板状である。端子本体部51の板面は、径方向を向く。径方向に見て、端子本体部51は、略長方形状である。
図4に示すように、端子本体部51の下側、すなわち軸方向他方側の部分は、保持孔15bの内部に配置されている。端子本体部51の下端は、本体部15aの下端よりも上側に位置する。
図7に示すように、端子本体部51の上側の部分は、本体部15aよりも上側に位置する。端子本体部51には、本体凸部51aが設けられている。
【0056】
図4に示すように、本体凸部51aは、端子本体部51のうち、径方向内側に突出する部分である。本実施形態において、本体凸部51aは、端子本体部51にプレス加工を行うことにより設けられる。
図7に示すように、径方向に見て、本体凸部51aは、略円形状である。本体凸部51aは、第1凹部15hに配置される。径方向において、端子本体部51の径方向外側を向く面と本体凸部51aの径方向内側を向く面との間の距離は、保持孔15bの径方向の寸法よりも大きい。
【0057】
本実施形態によれば、本体部15aは、本体部15aを軸方向に貫通する保持孔15bと、本体部15aのうち保持孔15bよりも径方向内側において下側から上側に窪む第1凹部15hと、を有し、接続端子50の端子本体部51には、径方向内側に突出する本体凸部51aが設けられ、端子本体部51の下側の部分は、保持孔15bの内部に配置され、本体凸部51aは、第1凹部15hに配置される。よって、第1凹部15hの内側面のうち周方向を向く面によって、本体凸部51aが周方向に移動することを抑制できる。これにより、第2ハウジング12に対する接続端子50の周方向の位置が決まる。また、第1凹部15hの内側面のうち下側を向く面に本体凸部51aが接触することで、接続端子50が上側に抜けることを抑制できる。また、保持孔15bの内側面のうち径方向を向く面によって、端子本体部51が径方向に移動することを抑制できる。これらにより、第2ハウジング12に対する接続端子50の径方向の位置が決まる。また、上述のように、第2ハウジング12が有する基板保持部14aによって、第2ハウジング12に対する回路基板70の周方向の位置および径方向の位置が決まる。したがって、第2ハウジング12を介して、回路基板70に対する接続端子50の周方向の位置および径方向の位置を精度良く決めることができるため、容易に接続端子50を回路基板70に接続できる。よって、モータ2およびポンプ1の組立工数が増大することを抑制できる。
【0058】
また、本実施形態では、本体凸部51aの外径は、第1凹部15hの径方向と直交する方向の寸法と略同じ寸法である。よって、端子保持部15に対する接続端子50の周方向の位置をより精度良く決めることができるため、回路基板70に対する接続端子50の周方向の位置をより精度良く決めることができる。したがって、モータ2およびポンプ1の組立工数が増大することをより好適に抑制できる。
【0059】
また、本実施形態では、本体凸部51aは、第1凹部15hのうち半円状の部分の内側面と軸方向に接触可能である。よって、端子保持部15に対して、接続端子50が上側に移動することを抑制できる。これにより、回路基板70に対する接続端子50の軸方向の位置がばらつくことを抑制できるため、より容易に接続端子50を回路基板70に接続できる。したがって、モータ2およびポンプ1の製造工数が増大することをより好適に抑制できる。
【0060】
また、本実施形態では、接続端子50を端子保持部15に取り付ける工程において、端子保持部15の上側から、端子本体部51を保持孔15bに挿入する簡易な作業によって、第1凹部15hに本体凸部51aを配置することができ、これにより、接続端子50を端子保持部15に取り付けることができる。したがって、接続端子50を端子保持部15に取り付ける作業の簡易化を図ることができるため、モータ2およびポンプ1の製造工数が増大することをより好適に抑制できる。
【0061】
本実施形態によれば、本体部15aは、本体部15aの上側、すなわち軸方向一方側を向く面のうち軸方向に見て第1凹部15hと重なる部分から下側、すなわち軸方向他方側に窪む第3凹部15iを有する。よって、接続端子50を端子保持部15に取り付ける工程において、端子保持部15の上側から、端子本体部51を保持孔15bに挿入する際に、本体凸部51aの周方向の位置を、第3凹部15iの周方向の位置に合わせつつ、接続端子50を下側に移動させる作業によって、確実に本体凸部51aを第1凹部15hに配置できる。したがって、より容易に接続端子50を端子保持部15に取り付けることができるため、モータ2およびポンプ1の製造工数が増大することをより好適に抑制できる。
【0062】
また、本実施形態によれば、
図4に示すように、保持孔15bの内側面は、第3凹部15iの径方向外側の縁部から下側に向かうにしたがって径方向外側に位置する傾斜面15mを有する。よって、接続端子50を端子保持部15に取り付ける工程において、本体凸部51aの下端を傾斜面15mに沿わせつつ、端子本体部51を保持孔15bに挿入することによって、端子本体部51を保持孔15bに挿入する際に、本体凸部51aが第3凹部15iの上側を向く面に引っ掛かることを抑制できる。また、本体凸部51aを傾斜面15mに沿わせて下側に移動させることで本体凸部51aを径方向外側へ円滑に弾性変形させることができる。これにより、より容易に端子本体部51を保持孔15bに挿入できる。したがって、より容易に接続端子50を端子保持部15に取り付けることができるため、モータ2およびポンプ1の製造工数が増大することをより好適に抑制できる。
【0063】
図7に示すように、第1接続部52は、コイル引出線33cと接続される。第1接続部52は、端子本体部51から径方向内側に突出する板状である。つまり、第1接続部52は、端子本体部51と繋がっている。第1接続部52の板面は、軸方向と直交する方向を向く。本実施形態において、接続端子50は、一対の第1接続部52を有する。軸方向に見て、一対の第1接続部52のそれぞれは、互いに異なるコイル引出線33cを囲むU字形状である。一方の第1接続部52は、端子本体部51の周方向他方側(-θ側)の縁部から径方向内側に突出する。他方の第1接続部52は、端子本体部51の周方向一方側(+θ側)の縁部から径方向内側に突出する。図示は省略するが、一方の第1接続部52の径方向外側の部分は、
図6に示す第3本体部15eの第4凹部15jの上側を向く面と軸方向に接触する。図示は省略するが、他方の第1接続部52の径方向外側の部分は、第4本体部15fの第4凹部15jの上側を向く面と軸方向に接触する。これらにより、端子保持部15に対する接続端子50の軸方向の位置が決まる。
【0064】
図7に示すように、各第1接続部52それぞれの開口は、径方向外側を向く。各第1接続部52のそれぞれには、互いに異なるコイル引出線33cが挿入される。各第1接続部52は、コイル引出線33cと共に周方向の両側から加締められることで開口が狭められ、コイル引出線33cが、各第1接続部52に保持される。さらに、本実施形態において、各第1接続部52とコイル引出線33cとは、例えば、ヒュージング溶接等の溶接によって接合される。これにより、各第1接続部52には互いに異なるコイル引出線33cがより安定的に接続される。よって、各接続端子50に2つのコイル引出線33cが安定的に接続される。
【0065】
第2接続部53は、端子本体部51から上側、すなわち軸方向一方側に突出する板状である。第2接続部53の板面は、径方向を向く。径方向に見て、第2接続部53は、長軸が軸方向に延びる略楕円状である。第2接続部53には、第2接続部53を径方向に貫通する孔が設けられる。径方向に見て、孔は、長軸が軸方向に延びる略楕円状である。第2接続部53には孔が設けられるため、第2接続部53は、周方向に弾性変形可能である。本実施形態において、接続端子50は、2つの第2接続部53を有する。一方の第2接続部53は、端子本体部51の周方向他方側(-θ側)の縁部から上側に突出する。他方の第2接続部53は、端子本体部51の周方向一方側(+θ側)の縁部から上側に突出する。2つの第2接続部53は、周方向に互いに間隔をあけて配置される。
【0066】
図5に示すように、各接続端子50それぞれの第2接続部53は、回路基板70の第2貫通孔70bを軸方向に通される。各第2接続部53は、第2貫通孔70bに圧入される。上述のように、第2接続部53は、周方向に弾性変形可能であるため、第2接続部53の復元力によって、各第2接続部53は、第2貫通孔70bに固定される。これにより、各第2接続部53は、回路基板70に接続される。上述のように、各接続端子50の第1接続部52は、コイル引出線33cと接続される。これらにより、各接続端子50は、コイル部33と回路基板70とを電気的に接続する。
【0067】
本実施形態によれば、接続端子50は、端子本体部51から上側、すなわち軸方向一方側に突出する第2接続部53を有し、第2接続部53は、回路基板70に接続される。よって、接続端子50と回路基板70とを接続する工程において、予め端子保持部15に保持された接続端子50の上側から回路基板70を下側に移動させる簡易な作業によって、第2接続部53を回路基板70の第2貫通孔70bに固定できる。したがって、容易に接続端子50と回路基板70とを接続できるため、モータ2およびポンプ1の組立工数が増大することを抑制できる。
【0068】
図7に示すように、基板支持部54は、端子本体部51から上側に突出する。基板支持部54は、2つの第2接続部53同士の間に配置される。径方向に見て、基板支持部54は、上側に突出する略三角形状である。基板支持部54の上側の端部は、第2接続部53の上端よりも下側に位置する。図示は省略するが、基板支持部54は、回路基板70の下側を向く面と軸方向に接触する。基板支持部54は、回路基板70を軸方向に支持する。これにより、接続端子50を介して、第2ハウジング12に対する回路基板70の軸方向の位置精度を高めることができる。
【0069】
図4に示すように、コイル引出線33cは、上述のように、渡り線部33bを介して、コイル本体部33aから上側、すなわち軸方向一方側に引き出される。より詳細には、コイル引出線33cは、渡り線部33bから、接続端子50に向けて引き出される。これにより、コイル引出線33cが渡り線部33bから引き出される位置と、接続端子50の位置とが、周方向および径方向にずれていても、コイル引出線33cを渡り線部33bから引き出す方向を適宜調整することによって、コイル引出線33cを接続端子50に接続できる。コイル引出線33cは柔軟性を有するため、容易にコイル引出線33cを渡り線部33bから引き出す方向の調整を行うことができる。
【0070】
図7に示すように、渡り線部33bを介して、コイル本体部33aから接続端子50に向けて引き出されたコイル引出線33cは、一方の突出部16の第2凹部16c又は他方の突出部16の第2凹部16dの内側を周方向に通されてから上側に屈曲する。より詳細には、接続端子50に接続される2つのコイル引出線33cのうち、一方のコイル引出線33cは、第2凹部16dの下側を通された後に、第2凹部16cの内側を周方向一方側から周方向他方側に通され、第2凹部16cの周方向の端部において、上側、すなわち軸方向一方側に屈曲する。他方のコイル引出線33cは、第2凹部16cの下側を通された後に、第2凹部16dの内側を周方向一方側から周方向他方側に通され、第2凹部16dの周方向の端部において、上側に屈曲する。
【0071】
本実施形態によれば、突出部16の下側、すなわち軸方向他方側を向く面には、上側、すなわち軸方向一方側に窪み周方向の両側に開口する第2凹部16c,16dが設けられ、コイル引出線33cは、第2凹部16c,16dの内側を周方向に通され、第2凹部16c,16dの周方向の端部において、上側に屈曲する。よって、第2凹部16c,16dそれぞれの径方向を向く面によって、コイル引出線33cが径方向に移動することを抑制できる。そのため、コイル引出線33cを接続端子50に接続する工程において、接続端子50に対するコイル引出線33cの径方向の位置を安定させることができる。したがって、容易にコイル引出線33cを接続端子50に接続することができるため、モータ2およびポンプ1の製造工数が増大することを抑制できる。
【0072】
また、本実施形態によれば、第2凹部16c,16dの内側面のうち下側を向く面と突出部16の周方向を向く面とを繋ぐ角部にコイル引出線33cを引掛けつつ、コイル引出線33cを上側に向けて屈曲させることができる。よって、容易にコイル引出線33cを上側に屈曲させることができるため、接続端子50にコイル引出線33cを接続する作業の簡易化を図ることができる。したがって、モータ2およびポンプ1の製造工数が増大することをより好適に抑制できる。
【0073】
第2凹部16cの周方向の端部において、上側に屈曲した一方のコイル引出線33cは、規制部16fの径方向内側を向く面に沿って上側に延び、一方の第1接続部52に接続される。第2凹部16dの周方向の端部において、上側に屈曲した他方のコイル引出線33cは、規制部16gの径方向内側を向く面に沿って上側に延び、他方の第1接続部52に接続される。なお、規制部16fの径方向内側を向く面は、平坦な面または曲面であってもよいし、複数の面によって構成されていてもよい。
【0074】
本実施形態によれば、突出部16の周方向を向く面のうちコイル引出線33cと周方向に対向する面には、規制部16f,16gが設けられ、コイル引出線33cは、規制部16f,16gの径方向内側を向く面に沿って上側、すなわち軸方向一方側に延びる。よって、コイル引出線33cを接続端子50に接続する工程において、コイル引出線33cを規制部16f,16gの径方向内側を向く面に沿わせつつ、上側に延ばすことができるため、第1接続部52に対するコイル引出線33cの径方向の位置をより安定させることができる。したがって、より容易にコイル引出線33cを接続端子50に接続することができるため、モータ2およびポンプ1の製造工数が増大することをより好適に抑制できる。
【0075】
本実施形態によれば、ステータ30は、第1ハウジング11に固定される環状のステータコア31と、ステータコア31に装着される複数のコイル本体部33aを有するコイル部33と、ステータコア31とコイル部33との間に配置される絶縁部材32と、を有する。接続端子50は、コイル部33と回路基板70とを電気的に接続する。第2ハウジング12は、軸方向に延びる筒状であり、且つ、回路基板70を収容する基板収容部14と、回路基板70を保持する基板保持部14aと、接続端子50を保持する端子保持部15と、を有する。基板収容部14の外周面は、第2ハウジング12の外周面の一部を構成し、端子保持部15は、基板収容部14の内側面と繋がる。コイル部33と回路基板70とを接続する接続端子50が、ステータ30の例えば絶縁部材32に保持される構成では、第1ハウジング11に対する周方向の位置がずれた状態でステータ30が第1ハウジング11に固定されると、回路基板70に対する接続端子50の周方向の位置がずれる。そのため、接続端子50と回路基板70とを接続する工程において、接続端子50と回路基板70とを接続することが困難となる虞があった。これに対して、本実施形態では、接続端子50および回路基板70が共に、第2ハウジング12に保持されるため、回路基板70に対する接続端子50の位置精度を高めることができる。よって、接続端子50を回路基板70に接続する作業の簡易化を図ることができる。また、第1ハウジング11に対する周方向の位置がずれた状態でステータ30が第1ハウジング11に固定された場合であっても、上述のように、柔軟性を有するコイル引出線33cを引き出す方向を適宜調整することによって、容易にコイル引出線33cを接続端子50に接続できる。したがって、コイル部33を接続端子50に接続する作業の簡易化を図ることができる。以上のことから、本実施形態では、第1ハウジング11に対する周方向の位置がずれた状態でステータ30が第1ハウジング11に固定された場合であっても、接続端子50を介して、コイル部33と回路基板70とを接続する作業の簡易化を図ることができる。よって、モータ2およびポンプ1の製造工数が増大することを抑制できる。
【0076】
また、
図2に示すように、本実施形態では、基板収容部14が筒状であり、且つ、上側に開口する第3開口部14gを有する。そのため、コイル引出線33cを接続端子50と接続する工程において、例えば、コイル引出線33cの配線を行う治具、およびコイル引出線33cを接続端子50に接合する溶接機等の機器を、第3開口部14gを介して基板収容部14の内部に挿入できる。したがって、より容易にコイル引出線33cを接続端子50に接続できるため、モータ2およびポンプ1の組立工数が増大することをより好適に抑制できる。
【0077】
本実施形態によれば、コイル部33は、コイル本体部33aから上側、すなわち軸方向一方側に引き出され、接続端子50と接続されるコイル引出線33cを有し、端子保持部15は、ステータコア31よりも上側に配置される。よって、端子保持部15の径方向内側にモータ部3を構成する部材等が配置されることを抑制できる。そのため、コイル引出線33cを接続端子50に接続する工程において、コイル引出線33cを接続端子50に接合する溶接機等の機器が、モータ部3を構成する部材等に干渉することを抑制できる。したがって、より容易にコイル引出線33cを接続端子50に接続できるため、モータ2およびポンプ1の組立工数が増大することをより好適に抑制できる。
【0078】
図4に示すように、本実施形態によれば、コイル部33は、絶縁部材32の径方向外側を周方向に沿って延び、コイル本体部33aとコイル引出線33cとを接続する渡り線部33bを有し、軸方向に見て、保持孔15bは、渡り線部33bと重なる。よって、端子保持部15および接続端子50が、ステータ30よりも径方向外側に配置されることを抑制できる。したがって、第2ハウジング12が径方向に大型化することを抑制できるため、モータ2およびポンプ1が径方向に大型化することを抑制できる。
【0079】
また、本実施形態では、接続端子50を渡り線部33bの上側に配置できるため、渡り線部33bから上側にのみコイル引出線33cを引き出すことによって、コイル引出線33cを接続端子50に接続できる。よって、例えば、軸方向に見て、接続端子50が渡り線部33bと径方向にずれて配置される場合と比較して、コイル引出線33cを渡り線部33bから上側に加えて径方向側に引き出す作業が不要となるため、コイル引出線33cを配線する治具等の動作の簡素化を図ることができる。したがって、より容易にコイル引出線33cを接続端子50に接続できるため、モータ2およびポンプ1の製造工数が増大することをより好適に抑制できる。
【0080】
また、本実施形態では、渡り線部33bが絶縁部材32の径方向外側に配置されるため、渡り線部33bから上側に引き出されるコイル引出線33cがステータコア31の上側に配置されることを抑制し易い。よって、コイル引出線33cを接続端子50に接続する工程において、ステータコア31の上側の空間にコイル引出線33cと接続端子50とを接合する溶接機等の機器を挿入し易いため、より容易にコイル引出線33cを接続端子50に接続できる。また、渡り線部33bを、絶縁部材32の外側面に巻き付くように周方向に延ばすことにより、渡り線部33bからコイル引出線33cを引き出す際に、コイル引出線33cにテンションを掛け易くなる。これにより、より容易にコイル引出線33cを接続端子50に接続できるため、モータ2およびポンプ1の製造工数が増大することをより好適に抑制できる。
【0081】
図2に示すように、本実施形態によれば、基板収容部14は、下側、すなわち軸方向他方側に開口する第2開口部14eを有し、第1ハウジング11の内部と、第2ハウジング12の内部とは、第1開口部11bおよび第2開口部14eを介して互いに繋がる。よって、第1ハウジング11の内部と第2ハウジング12の内部とを軸方向に隔てる隔壁を有し、該隔壁を軸方向に貫通する孔にコイル引出線33cを通すことによって、第1ハウジング11の内部から第2ハウジング12の内部にコイル引出線33cを引き出す構成と比較して、容易にコイル引出線33cを接続端子50に接続できる。したがって、モータ2およびポンプ1の製造工数が増大することを抑制できる。
【0082】
本実施形態によれば、被取付体5に固定されるモータ2であって、第2ハウジング12は、基板収容部14から径方向外側に突出するフランジ部13cを有し、フランジ部13cは、被取付体5に固定される。上述のように、第1ハウジング11に対する周方向の位置がずれた状態でステータ30が第1ハウジング11に固定された場合であっても、柔軟性を有するコイル引出線33cを引き出す方向を適宜調整することによって、コイル引出線33cを接続端子50に接続できる。そのため、容易にコイル部33と回路基板70とを電気的に接続できるとともに、第1ハウジング11に対する第2ハウジング12の周方向の位置精度を高めることができる。したがって、被取付体5に対するフランジ部13cの周方向の位置精度を高めることができるため、モータ2およびポンプ1を被取付体5に固定する作業の簡易化を図ることができる。
【0083】
<第2実施形態>
図8に示すように、本実施形態の接続端子250は、圧接部252c,252dを有する。以下の説明において、上述の第1実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0084】
図8に示すように、本実施形態の接続端子250は、端子本体部51と、第1接続部252と、第2接続部53と、基板支持部54と、を有する。端子本体部51、第2接続部53、および基板支持部54の構成等は、上述の第1実施形態の端子本体部51、第2接続部53、および基板支持部54の構成等と同一である。
【0085】
第1接続部252は、コイル引出線33cと接続される。第1接続部252は、端子本体部51から径方向内側に突出する板状である。つまり、第1接続部252は、端子本体部51と繋がっている。第1接続部252の板面は、周方向を向く。本実施形態では、周方向に見て、第1接続部252は、略矩形状である。周方向に見た第1接続部252の形状は、例えば、円形状等の他の形状であってもよい。第1接続部252には、圧接部252c,252dが設けられる。圧接部252c,252dのそれぞれは、第1接続部252の上側、すなわち軸方向一方側の端部から下側、すなわち軸方向他方側に窪む穴である。圧接部252c,252dのそれぞれは、周方向の両側に開口する。すなわち、圧接部252c,252dのそれぞれは、軸方向と直交する方向に開口する。周方向に見て、圧接部252c,252dのそれぞれは、略矩形状である。圧接部252dは、圧接部252cよりも径方向内側に設けられる。圧接部252c,252dのそれぞれは、径方向に互いに間隔をあけて配置される。
【0086】
図9に示すように、軸方向に見て、各圧接部252c,252dそれぞれの径方向内側を向く面は、周方向の両端から周方向の中央に向かうにしたがって径方向内側に位置し、径方向内側の端部には角部252gが形成される。軸方向に見て、角部252gは、径方向内側に向かって尖った形状である。軸方向に見て、各圧接部252c,252dそれぞれの径方向外側を向く面は、周方向の両端から周方向の中央に向かうにしたがって径方向外側に位置し、径方向外側の端部には角部252hが形成される。軸方向に見て、角部252hは、径方向外側に向かって尖った形状である。角部252g,252hは、径方向に互いに対向する。
【0087】
本実施形態において、接続端子250は、一対の第1接続部252を有する。一方の第1接続部252は、端子本体部51の周方向他方側(-θ側)の縁部から径方向内側に突出する。他方の第1接続部252は、端子本体部51の周方向一方側(+θ側)の縁部から径方向内側に突出する。一対の第1接続部252は、互いに軸方向と直交する方向に対向して配置される。本実施形態では、一対の第1接続部252は、互いに周方向に対向して配置される。なお、接続端子250が有する第1接続部252の個数は、1個でもよく、この場合、1個の第1接続部252が、2本のコイル引出線33cと接続される。
【0088】
図8に示すように、第2凹部16cの周方向の端部において、上側に屈曲した一方のコイル引出線33cは、規制部16fの径方向内側を向く面に沿って上側に延び、一方の第1接続部252の圧接部252dおよび他方の第1接続部252の圧接部252dそれぞれの内側を通される。つまり、一方のコイル引出線33cは、一対の第1接続部252それぞれの圧接部252dの内側を通される。
図9に示すように、本実施形態において、圧接部252dの角部252g,252h同士の間の間隔の寸法は、コイル引出線33cの径よりも小さい。これにより、一方のコイル引出線33cは、一対の第1接続部252それぞれの圧接部252dに圧入される。
【0089】
同様に、
図8に示すように、他方のコイル引出線33cは、一対の第1接続部252それぞれの圧接部252cの内側を通される。
図9に示すように、他方のコイル引出線33cは、一対の第1接続部252それぞれの圧接部252cに圧入される。
【0090】
なお、本実施形態において、コイル部33は、銅線の周りを例えばエナメル等の絶縁被膜で被覆したコイル線によって構成されている。このようなコイル線を用いる場合において、コイル線を接続端子に電気的に接続する方法としては、少なくとも接続端子と接触する部分の絶縁被膜を予め除去した後に、コイル線を接続端子に接続する方法、および、エナメル線を溶融させつつ銅線を接続端子に接合可能な、例えばヒュージング溶接等の接合溶接を行う方法が一般的である。
【0091】
これに対して、本実施形態では、上述のように、各圧接部252c,252dには、径方向内側に向かって尖った形状である角部252g、および径方向外側に向かって尖った形状である角部252hが形成され、角部252g,252h同士は、径方向に互いに対向し、角部252g,252h同士の間の間隔の寸法は、コイル引出線33cの径よりも小さい。よって、絶縁被覆の除去を行っていないコイル引出線33cを、第1接続部252の上側から圧接部252c,252dの内側に挿入すると、角部252g,252hによってコイル引出線33cの絶縁被膜を裂くことができるため、各圧接部252c,252dとコイル引出線33cの銅線とを接触させることができる。これにより、コイル引出線33cを接続端子250に接続する工程において、コイル引出線33cの絶縁被膜を除去する作業が不要となるため、コイル引出線33cを接続端子250に接続する作業の簡易化を図ることができる。また、コイル引出線33cを圧接部252c,252dの内側に挿入する簡易な作業のみによって、コイル引出線33cと接続端子250と電気的に接続できるため、ヒュージング溶接等の接合溶接を行う作業を行う場合と比較して、コイル引出線33cを接続端子250に接続する作業の簡易化を図ることができる。したがって、モータ2およびポンプ1の製造工数が増大することを抑制できる。
【0092】
本実施形態によれば、接続端子250は、端子本体部51と繋がる第1接続部252を有し、第1接続部252には、第1接続部252の上側、すなわち軸方向一方側の端部から下側、すなわち軸方向他方側に窪み、かつ、軸方向と直交する方向に開口する圧接部252c,252dが設けられ、コイル引出線33cは、圧接部252c,252dの内側を通され、且つ、圧接部252c,252dに圧入される。よって、強固にコイル引出線33cを第1接続部252に固定できるため、接続端子250からコイル引出線33cが外れることを抑制できる。さらに、コイル引出線33cと接続端子250の接触面積を広くできるため、コイル引出線33cと接続端子250との間の接触抵抗を低減できる。これらにより、接続端子250を介して、コイル部33と回路基板70とを安定して接続できるため、モータ202およびポンプ201を安定して駆動させることができるとともに、モータ2の出力効率を高めることができる。
【0093】
本実施形態によれば、接続端子250は、互いに軸方向と直交する方向に対向して配置される一対の第1接続部252を有し、コイル引出線33cは、一対の第1接続部252それぞれの圧接部252c,252dの内側を通され、且つ、一対の第1接続部252それぞれの圧接部252c,252dに圧入される。よって、コイル引出線33cの2箇所が第1接続部252と強固に固定されるため、接続端子250からコイル引出線33cが外れることをより好適に抑制できるとともに、コイル引出線33cと接続端子250との間の接触抵抗をより低減できる。これらにより、モータ202およびポンプ201をより安定して駆動させることができるとともに、モータ202の出力効率をより好適に高めることができる。
【0094】
なお、第2接続部53の構成は本実施形態に限定されず、例えば、
図8に破線で示すように、第2接続部は、第1接続部252から上側に突出する構成であってもよい。この構成の場合、
図5に示す各第2貫通孔70bを、軸方向に見て第2接続部53と重なる位置に設けることが好ましい。
【0095】
本発明は上述の実施形態に限られず、本発明の技術的思想の範囲内において、他の構成および他の方法を採用することもできる。例えば、第2ハウジングが有する端子保持部の個数は、3個に限定されず、2個以下でもよいし、4個以上であってもよい。また、端子保持部は、バスバーベースと別体であってもよく、この場合、接着等の固定方法によって、端子保持部をバスバーベースの内周面に固定することができる。
【0096】
また、モータが有する接続端子の個数は、3個に限定されず、2個以下でもよいし、4個以上であってもよい。また、接続端子と接続されるコイル引出線の本数は、1本でもよいし、3本以上であってもよい。
【0097】
また、第2ハウジングが有するフランジ部の個数は、3個以上であってもよい。また、フランジ部は蓋部材に設けられてもよいし、第1ハウジングに設けられてもよい。
【0098】
また、第2接続部53と第2貫通孔70bとを接続する方法は、圧入に限定されず、半田付け等の他の方法によって接続されてもよい。
【0099】
本発明が適用されるモータの用途は、特に限定されない。モータは、ポンプ以外の機器に搭載されてもよい。本発明が適用されるモータを備えるポンプの用途は、特に限定されない。ポンプによって送られる流体の種類は、特に限定されず、水等であってもよい。モータおよびポンプは、車両以外の機器に搭載されてもよい。なお、本明細書において説明した各構成および各方法は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。
【0100】
なお、本技術は以下のような構成をとることが可能である。
(1) 中心軸線を中心として回転可能なロータと、前記ロータと径方向に隙間を介して対向するステータと、を有するモータ部と、前記モータ部の軸方向一方側に配置される回路基板と、軸方向において、前記ステータと前記回路基板との間に配置される接続端子と、軸方向一方側に開口する第1開口部を有し、前記モータ部を収容する第1ハウジングと、前記第1ハウジングの軸方向一方側に配置される第2ハウジングと、を備え、前記ステータは、前記第1ハウジングに固定される環状のステータコアと、前記ステータコアに装着される複数のコイル本体部を有するコイル部と、前記ステータコアと前記コイル部との間に配置される絶縁部材と、を有し、前記接続端子は、前記コイル部と前記回路基板とを電気的に接続し、前記第2ハウジングは、軸方向に延びる筒状であり、且つ、前記回路基板を収容する基板収容部と、前記回路基板を保持する基板保持部と、前記接続端子を保持する端子保持部と、を有し、前記基板収容部の外周面は、前記第2ハウジングの外周面の一部を構成し、前記端子保持部は、前記基板収容部の内側面と繋がる、モータ。
(2) 前記コイル部は、前記コイル本体部から軸方向一方側に引き出され、前記接続端子と接続されるコイル引出線を有し、前記端子保持部は、前記ステータコアよりも軸方向一方側に配置される、(1)に記載のモータ。
(3) 前記端子保持部は、前記基板収容部の内側面から径方向内側に突出する本体部を有し、前記本体部は、前記本体部を軸方向に貫通する保持孔と、前記本体部のうち前記保持孔よりも径方向内側において下側から上側に窪む第1凹部と、を有し、前記接続端子は、軸方向に延びる端子本体部を有し、前記端子本体部には、径方向内側に突出する本体凸部が設けられ、前記端子本体部の軸方向他方側の部分は、前記保持孔の内部に配置され、前記本体凸部は、前記第1凹部に配置される、(2)に記載のモータ。
(4) 前記コイル部は、前記絶縁部材の径方向外側を周方向に沿って延び、前記コイル本体部と前記コイル引出線とを接続する渡り線部を有し、軸方向に見て、前記保持孔は、前記渡り線部と重なる、(3)に記載のモータ。
(5) 前記端子保持部は、前記本体部から径方向内側に突出する突出部を有し、前記突出部の軸方向他方側を向く面には、軸方向一方側に窪み周方向の両側に開口する第2凹部が設けられ、前記コイル引出線は、前記第2凹部の内側を周方向に通され、前記第2凹部の周方向の端部において、軸方向一方側に屈曲する、(3)または(4)に記載のモータ。
(6) 前記突出部の周方向を向く面のうち前記コイル引出線と周方向に対向する面には、規制部が設けられ、前記コイル引出線は、前記規制部の径方向内側を向く面に沿って軸方向一方側に延びる、(5)に記載のモータ。
(7) 前記本体部は、前記本体部の軸方向一方側を向く面のうち軸方向に見て前記第1凹部と重なる部分から軸方向他方側に窪む第3凹部を有し、前記保持孔の内側面は、前記第3凹部の径方向外側の縁部から軸方向他方側に向かうにしたがって径方向外側に位置する傾斜面を有する、(3)から(6)のいずれか一項に記載のモータ。
(8) 前記接続端子は、前記端子本体部と繋がる第1接続部を有し、前記第1接続部には、前記第1接続部の軸方向一方側の端部から軸方向他方側に窪み、かつ、軸方向と直交する方向に開口する圧接部が設けられ、前記コイル引出線は、前記圧接部の内側を通され、且つ、前記圧接部に圧入される、(3)から(7)のいずれか一項に記載のモータ。
(9) 前記接続端子は、前記端子本体部から軸方向一方側に突出する第2接続部を有し、前記第2接続部は、前記回路基板に接続される、(3)から(7)のいずれか一項に記載のモータ。
(10) 前記接続端子は、前記端子本体部と繋がる第1接続部と、前記第1接続部から軸方向一方側に突出する第2接続部と、を有し、前記第1接続部には、前記第1接続部の軸方向一方側の端部から軸方向他方側に窪み、かつ、軸方向と直交する方向に開口する圧接部が設けられ、前記コイル引出線は、前記圧接部の内側を通され、且つ、前記圧接部に圧入され、前記第2接続部は、前記回路基板に接続される、(3)から(7)のいずれか一項に記載のモータ。
(11) 前記接続端子は、互いに軸方向と直交する方向に対向して配置される一対の前記第1接続部を有し、前記コイル引出線は、一対の前記第1接続部それぞれの前記圧接部の内側を通され、且つ、一対の前記第1接続部それぞれの前記圧接部に圧入される、(8)から(10)のいずれか一項に記載のモータ。
(12) 前記基板収容部は、軸方向他方側に開口する第2開口部を有し、前記第1ハウジングの内部と、前記第2ハウジングの内部とは、前記第1開口部および前記第2開口部を介して互いに繋がる、(1)から(11)のいずれか一項に記載のモータ。
(13) 被取付体に固定されるモータであって、前記第2ハウジングは、前記基板収容部から径方向外側に突出するフランジ部を有し、前記フランジ部は、前記被取付体に固定される、(1)から(12)のいずれか一項に記載のモータ。
(14) (1)から(13)のいずれか一項に記載のモータと、前記ロータに接続されるポンプ機構部と、を備える、ポンプ。
【符号の説明】
【0101】
1,201…ポンプ、2,202…モータ、3…モータ部、5…被取付体、11…第1ハウジング、11b…第1開口部、12…第2ハウジング、13c…フランジ部、14…基板収容部、14a…基板保持部、14e…第2開口部、15…端子保持部、15a…本体部、15b…保持孔、15h…第1凹部、15i…第3凹部、15m…傾斜面、16…突出部、16c,16d…第2凹部、16f,16g…規制部、20…ロータ、30…ステータ、31…ステータコア、32…絶縁部材、33…コイル部、33b…渡り線部、33c…コイル引出線、40…ポンプ機構部、50,250…接続端子、51…端子本体部、51a…本体凸部、52,252…第1接続部、252c,252d…圧接部、53…第2接続部、70…回路基板、J…中心軸線