IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本電産トーソク株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-モータ、およびポンプ 図1
  • 特開-モータ、およびポンプ 図2
  • 特開-モータ、およびポンプ 図3
  • 特開-モータ、およびポンプ 図4
  • 特開-モータ、およびポンプ 図5
  • 特開-モータ、およびポンプ 図6
  • 特開-モータ、およびポンプ 図7
  • 特開-モータ、およびポンプ 図8
  • 特開-モータ、およびポンプ 図9
  • 特開-モータ、およびポンプ 図10
  • 特開-モータ、およびポンプ 図11
  • 特開-モータ、およびポンプ 図12
  • 特開-モータ、およびポンプ 図13
  • 特開-モータ、およびポンプ 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095304
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】モータ、およびポンプ
(51)【国際特許分類】
   H02K 3/52 20060101AFI20240703BHJP
   H02K 3/50 20060101ALI20240703BHJP
   H02K 5/22 20060101ALI20240703BHJP
   F04C 15/00 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
H02K3/52 E
H02K3/50 A
H02K5/22
F04C15/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022212481
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000220505
【氏名又は名称】ニデックパワートレインシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【弁理士】
【氏名又は名称】成田 友紀
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】片岡 慈裕
(72)【発明者】
【氏名】金物 弘貴
(72)【発明者】
【氏名】小林 慶多
【テーマコード(参考)】
3H044
5H604
5H605
【Fターム(参考)】
3H044BB03
3H044CC14
3H044DD18
3H044DD24
5H604AA08
5H604BB01
5H604BB14
5H604CC01
5H604CC05
5H604CC16
5H604QB03
5H604QB04
5H604QB17
5H605AA08
5H605BB05
5H605BB10
5H605BB17
5H605CC01
5H605CC06
5H605EC08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】製造工数が増大することを抑制できるモータを提供する。
【解決手段】モータ2は、ロータ20と、ロータと径方向に隙間を介して対向するステータ30と、を有するモータ部3と、モータ部の軸方向一方側に配置される回路基板70と、軸方向において、ステータと回路基板との間に配置される接続端子50と、軸方向に延びる筒状であり、且つ、モータ部を収容するモータハウジング11と、を備える。ステータは、環状のステータコア31と、ステータコアに装着される複数のコイル本体部を有するコイル部33と、ステータコアとコイル部との間に配置される絶縁部材32と、を有する。接続端子は、コイル部と回路基板とを電気的に接続する。モータは、接続端子を保持し、ステータまたはモータハウジングのいずれか一方に取り付けられ周方向に移動可能である端子保持部材15を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸線を中心として回転可能なロータと、前記ロータと径方向に隙間を介して対向するステータと、を有するモータ部と、
前記モータ部の軸方向一方側に配置される回路基板と、
軸方向において、前記ステータと前記回路基板との間に配置される接続端子と、
軸方向に延びる筒状であり、且つ、前記モータ部を収容するモータハウジングと、
を備え、
前記ステータは、
環状のステータコアと、
前記ステータコアに装着される複数のコイル本体部を有するコイル部と、
前記ステータコアと前記コイル部との間に配置される絶縁部材と、
を有し、
前記接続端子は、前記コイル部と前記回路基板とを電気的に接続し、
前記接続端子を保持し、前記ステータまたは前記モータハウジングのいずれか一方に取り付けられ周方向に移動可能である端子保持部材を備える、モータ。
【請求項2】
前記ステータは、前記ステータの外側面から径方向内側に窪み、周方向に延びる取付凹部を有し、
前記端子保持部材は、周方向に延び、前記ステータコアの軸方向一方側に配置される本体部と、前記本体部から軸方向他方側に延びる爪部と、を有し、
前記爪部は、径方向内側に突出する突出部を有し、
前記突出部は、前記取付凹部の内側に配置される、請求項1に記載のモータ。
【請求項3】
前記ステータは、周方向に沿って互いに間隔をあけて配置される複数の前記取付凹部を有し、
前記端子保持部材は、周方向に沿って互いに間隔をあけて配置される複数の前記爪部を有し、
複数の前記爪部の前記突出部のそれぞれは、複数の前記取付凹部それぞれの内側に配置され、
前記突出部の周方向の寸法は、前記取付凹部の周方向の寸法よりも小さく、
周方向に見て、前記突出部のそれぞれは、前記取付凹部の内側面のうち周方向を向く面と重なる、請求項2に記載のモータ。
【請求項4】
前記絶縁部材の外側面には、前記取付凹部の内側面のうち軸方向他方側を向く面である支持面が設けられ、
前記爪部は、径方向外側に弾性変形可能であり、
前記支持面は、前記突出部を軸方向に支持する、請求項2に記載のモータ。
【請求項5】
前記モータハウジングは、前記モータハウジングの内側面から径方向外側に窪み、周方向に延びる取付凹部を有し、
前記端子保持部材は、周方向に延び、前記ステータコアの軸方向一方側に配置される本体部と、前記本体部から軸方向他方側に延びる爪部と、を有し、
前記爪部は、径方向外側に突出する突出部を有し、
前記突出部は、前記取付凹部の内側に配置される、請求項1に記載のモータ。
【請求項6】
前記端子保持部材は、複数の前記接続端子を保持し、且つ、前記中心軸線を中心とする円環状である、請求項2から5のいずれか一項に記載のモータ。
【請求項7】
前記接続端子を保持する複数の前記端子保持部材を備え、
複数の前記端子保持部材のそれぞれは、前記中心軸線を中心とする円弧状であり、
複数の前記端子保持部材は、周方向に沿って配置される、請求項2から5のいずれか一項に記載のモータ。
【請求項8】
前記端子保持部材は、前記接続端子を保持する端子保持部を有し、
前記端子保持部は、前記端子保持部の軸方向一方側を向く面から軸方向他方側に窪む保持穴を有し、
前記接続端子は、軸方向に延びる端子本体部と、前記端子本体部から軸方向他方側に延び、前記コイル部と接続される接続部と、を有し、
前記接続部は、前記保持穴に保持される、請求項1から5のいずれか一項に記載のモータ。
【請求項9】
前記接続部は、
前記接続部の軸方向他方側から軸方向一方側に窪み、径方向の両側に開口する圧接部と、
前記保持穴に圧入される第1圧入部と、
を有し、
前記コイル部は、前記コイル本体部から引き出されるコイル引出線を有し、
前記コイル引出線は、前記圧接部の内側を径方向に通され、前記圧接部に圧入される、請求項8に記載のモータ。
【請求項10】
前記接続部は、板面が径方向を向く板状であり、
前記保持穴の径方向の寸法は、前記接続部の径方向の寸法よりも大きい、請求項9に記載のモータ。
【請求項11】
前記端子保持部は、軸方向一方側から軸方向他方側に窪み、前記保持穴を径方向に横切る溝部を有し、
径方向に見て、前記圧接部は、前記溝部と重なり、
前記コイル引出線は、前記溝部の内側を通される、請求項9に記載のモータ。
【請求項12】
前記端子保持部は、互いに周方向に隣り合う前記コイル本体部同士の間に配置される、請求項8に記載のモータ。
【請求項13】
前記端子保持部材は、径方向に窪む切欠部を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載のモータ。
【請求項14】
請求項1から5のいずれか一項に記載のモータと、前記ロータに接続されるポンプ機構部と、を備える、ポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータ、およびポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
ステータが有するステータ巻線と、ステータ巻線に電力を供給する回路基板とをガイドプレートを介して電気的に接続する構成のモータが知られている。例えば、特許文献1には、モータハウジングに固定されたステータに保持されるガイドプレートによって、ステータ巻線と回路基板とを電気的に接続する構成のモータが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-77141号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなモータにおいては、モータハウジングに対する周方向の位置がずれた状態でステータがモータハウジングに固定されると、回路基板に対するガイドプレートの周方向の位置がずれる。この場合、回路基板に対してガイドプレートの周方向の位置を合わせることができないため、ガイドプレートと回路基板とを接続することが困難となる虞があった。このため、モータハウジングにステータを取り付ける際に、モータハウジングに対するステータの周方向の位置精度を高める必要があるため、モータの製造工数が増大していた。
【0005】
本発明の一つの態様は、上記事情に鑑みて、製造工数が増大することを抑制できるモータおよびポンプを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のモータの一つの態様は、中心軸線を中心として回転可能なロータと、前記ロータと径方向に隙間を介して対向するステータと、を有するモータ部と、前記モータ部の軸方向一方側に配置される回路基板と、軸方向において、前記ステータと前記回路基板との間に配置される接続端子と、軸方向に延びる筒状であり、且つ、前記モータ部を収容するモータハウジングと、を備える。前記ステータは、環状のステータコアと、前記ステータコアに装着される複数のコイル本体部を有するコイル部と、前記ステータコアと前記コイル部との間に配置される絶縁部材と、を有する。前記接続端子は、前記コイル部と前記回路基板とを電気的に接続する。モータは、前記接続端子を保持し、前記ステータまたは前記モータハウジングのいずれか一方に取り付けられ周方向に移動可能である端子保持部材を備える。
【0007】
本発明のポンプの一つの態様は、上記のモータと、上記のロータに接続されるポンプ機構部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一つの態様によれば、モータおよびポンプにおいて、製造工数が増大することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1実施形態のポンプを示す斜視図である。
図2図2は、第1実施形態のポンプを示す断面図である。
図3図3は、第1実施形態のポンプの一部を示す上面図である。
図4図4は、第1実施形態のポンプの一部を示す第1の斜視図である。
図5図5は、第1実施形態のポンプの一部を示す第2の斜視図である。
図6図6は、第1実施形態のポンプの一部を示す断面図である。
図7図7は、第1実施形態の端子保持部材を示す斜視図である。
図8図8は、第1実施形態のポンプの一部を示す第3の斜視図である。
図9図9は、第1実施形態のポンプの一部を示す第2の断面図である。
図10図10は、第1実施形態のポンプの一部を示す第3の断面図である。
図11図11は、第1実施形態の接続端子を示す斜視図である。
図12図12は、第1実施形態のポンプの一部を示す第4の断面図である。
図13図13は、第2実施形態のポンプの一部を示す上面図である。
図14図14は、第3実施形態のポンプの一部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の説明において図には、適宜、Z軸を示す。Z軸は、以下に説明する実施形態の中心軸線Jが延びる方向を示している。各図に示す中心軸線Jは、仮想軸線である。以下の説明では、中心軸線Jが延びる方向、つまりZ軸と平行な方向を「軸方向」と呼ぶ。中心軸線Jを中心とする径方向を単に「径方向」と呼ぶ。中心軸線Jを中心とする周方向を単に「周方向」と呼ぶ。軸方向のうちZ軸の矢印が向く側(+Z側)を「上側」または「軸方向一方側」と呼ぶ。軸方向のうちZ軸の矢印が向く側と逆側(-Z側)を「下側」または「軸方向他方側」と呼ぶ。なお、上側、および下側とは、単に各部の相対位置関係を説明するための名称であり、実際の配置関係等は、これらの名称で示される配置関係等以外の配置関係等であってもよい。
【0011】
周方向は、各図において矢印θで示されている。周方向のうち矢印θが向く側を「周方向一方側」と呼ぶ。周方向のうち矢印θが向く側と逆側を「周方向他方側」と呼ぶ。周方向一方側は、軸方向一方側から見て中心軸線J回りに時計回りに進む側である。周方向他方側は、軸方向一方側から見て中心軸線J回りに反時計回りに進む側である。
【0012】
<第1実施形態>
図1に示す本実施形態のポンプ1は、車両に搭載される機器に取り付けられる電動ポンプである。ポンプ1が取り付けられる機器は、自動変速機であってもよいし、車両の車軸を駆動する駆動装置であってもよい。図2に示すように、ポンプ1が取り付けられる機器を被取付体5と呼ぶ。ポンプ1は、例えば、車両に搭載される機器にオイルを供給する電動オイルポンプである。
【0013】
ポンプ1は、モータ2と、ポンプ機構部40と、を備える。モータ2は、ハウジング10と、モータ部3と、回路基板70と、端子保持部材15と、接続端子50と、封止部材63と、を備える。
【0014】
ハウジング10は、モータ部3、回路基板70、端子保持部材15、接続端子50、封止部材63、およびポンプ機構部40を内部に収容する。ハウジング10は、モータハウジング11と、基板収容部材13と、蓋部材14と、ポンプカバー部材19と、を有する。モータハウジング11、基板収容部材13、蓋部材14、およびポンプカバー部材19は、互いに別部材である。基板収容部材13は、モータハウジング11の上側に固定される。蓋部材14は、基板収容部材13の上側に固定される。ポンプカバー部材19は、モータハウジング11の下側に固定される。
【0015】
モータハウジング11は、中心軸線Jを中心として軸方向に延びる略円筒状である。モータハウジング11は、モータ部3、端子保持部材15、接続端子50、封止部材63、およびポンプ機構部40を内部に収容する。モータハウジング11は、周壁部11aと、底部11dと、シャフト支持部11eと、封止部材保持部11gと、ポンプ機構収容部11hと、を有する。
【0016】
周壁部11aは、モータ部3、端子保持部材15、接続端子50、および封止部材63を径方向外側から囲む。周壁部11aは、中心軸線Jを中心として軸方向に延びる円筒状である。周壁部11aの上側の端部は、モータハウジング11の上側の端部である。周壁部11aは、上側に開口する第1開口部11bと、固定凹部11cと、を有する。固定凹部11cは、周壁部11aの外周面から径方向内側に窪む溝である。固定凹部11cは、周壁部11aの上側の部分に設けられる。本実施形態において、固定凹部11cは、周壁部11aの外周面に沿って一周に亘って設けられる。
【0017】
底部11dは、中心軸線Jを中心とする略円環状である。底部11dの上側を向く面の径方向外縁は、周壁部11aの下端と軸方向に繋がる。シャフト支持部11eは、上側に突出する略円筒状である。シャフト支持部11eの外周面のうち下側の部分は、底部11dの内周面と径方向に繋がる。シャフト支持部11eは、上側および下側に開口する。封止部材保持部11gは、シャフト支持部11eの上側を向く面から上側に突出する。封止部材保持部11gは、中心軸線Jを中心とする略円筒状である。封止部材保持部11gの内周面には、封止部材63が保持される。
【0018】
ポンプ機構収容部11hは、ポンプ機構部40を内部に収容する。ポンプ機構収容部11hは、底部11dから下側に突出する。ポンプ機構収容部11hは、中心軸線Jを中心とし、下側に開口する略円筒状である。ポンプ機構収容部11hの内部は、シャフト支持部11eの内部を介して、周壁部11aの内部と繋がる。
【0019】
ポンプカバー部材19は、中心軸線Jを中心とする略円板状である。ポンプカバー部材19は、ポンプ機構部40の下側に配置される。ポンプカバー部材19は、ポンプ機構収容部11hの内周面のうち下側の部分に固定される。ポンプカバー部材19は、ポンプ機構収容部11hの開口を下側から塞ぐ。ポンプカバー部材19には、吸入部19a、吸入口19bおよび吐出口19cが設けられる。
【0020】
吸入部19aは、ポンプカバー部材19から下側に突出する円柱状である。吸入部19aの外周面には溝が設けられ、溝にはOリング69が嵌め込まれている。吸入口19bは、ポンプカバー部材19および吸入部19aを軸方向に貫通する孔である。吐出口19cは、ポンプカバー部材19を軸方向に貫通する孔である。吸入口19bおよび吐出口19cのそれぞれは、ポンプ機構収容部11hの内部と、ポンプ1の外部とを繋ぐ。本実施形態では、吸入口19bを介して、オイルがポンプ機構収容部11hの内部に吸入され、吐出口19cを介して、オイルがポンプ1の外部に吐出される。
【0021】
基板収容部材13は、回路基板70を内部に収容する。基板収容部材13は、回路基板70を保持する。基板収容部材13は、モータハウジング11の上端に固定される。基板収容部材13は、中心軸線Jを中心とする略円環状である。本実施形態において、基板収容部材13は、樹脂製である。基板収容部材13は、基板収容部13aと、基板保持部13fと、固定爪部13bと、フランジ部13cと、を有する。
【0022】
基板収容部13aは、中心軸線Jを中心とする略円環状である。基板収容部13aは、回路基板70を径方向外側から囲む。基板収容部13aは、下側に開口する第2開口部13iと、上側に開口する第3開口部13jと、を有する。モータハウジング11の内部と、基板収容部材13の内部とは、第1開口部11bおよび第2開口部13iを介して繋がる。基板収容部13aの内側面には、上側を向く段差面13eを有する段差が設けられる。基板収容部13aの外周面には溝が設けられ、溝にはOリング67が嵌め込まれている。
【0023】
基板保持部13fは、回路基板70を保持する。基板保持部13fは、段差面13eから上側に突出する。図3に示すように、本実施形態において、基板収容部材13は、複数の基板保持部13fを有する。本実施形態において、基板収容部材13は、3個の基板保持部13fを有する。各基板保持部13fは、周方向に沿って互いに略等間隔をあけて配置される。各基板保持部13fは、支持部13gと、挿通部13hと、を有する。図2に示すように、支持部13gは、段差面13eから上側に突出する円板状である。支持部13gの板面は、軸方向を向く。挿通部13hは、支持部13gから上側に突出する円柱状である。図3に示すように、挿通部13hの外径は、支持部13gの外径よりも小さい。
【0024】
図2に示すように、固定爪部13bは、基板収容部13aから下側に突出する。固定爪部13bは、周壁部11aよりも径方向外側に配置される。固定爪部13bの先端は、径方向内側に向けて突出する。本実施形態において、基板収容部材13は、複数の固定爪部13bを有する。図示は省略するが、本実施形態において、基板収容部材13は、14個の固定爪部13bを有する。図4に示すように、各固定爪部13bは、周方向に沿って互いに間隔をあけて配置される。図2に示すように、各固定爪部13bの先端は、モータハウジング11の固定凹部11cの内部に位置する。各固定爪部13bは、径方向内側に弾性変形可能であるため、各固定爪部13bの先端が固定凹部11cの内部から外れることを抑制できる。これにより、基板収容部材13は、モータハウジング11に固定される。
【0025】
図4に示すように、フランジ部13cは、基板収容部13aから径方向外側に突出する。軸方向に見て、フランジ部13cは、一つの角が径方向外側に突出する略三角形状である。フランジ部13cには、フランジ部13cを軸方向に貫通するフランジ孔13dが設けられる。フランジ孔13dには、軸方向に延びる円筒状のカラー部材83が固定される。本実施形態において、基板収容部材13は、複数のフランジ部13cを有する。本実施形態において、基板収容部材13は、2個のフランジ部13cを有する。各フランジ部13cは、互いに径方向に対向する位置に設けられる。カラー部材83の内部には、図示しないボルトが、上側から通され、係るボルトが、図2に示す被取付体5に設けられた図示しないねじ穴に締め込まれると、各フランジ部13cは、被取付体5に固定される。これにより、モータ2およびポンプ1は、被取付体5に固定される。
【0026】
蓋部材14は、蓋部14aと、コネクタ収容部14eと、を有する。蓋部14aは、中心軸線Jを中心として軸方向に突出する略円筒状である。蓋部14aは、下側に開口する。蓋部14aは、基板収容部材13の上端と固定される。これにより、蓋部材14は、基板収容部材13に固定される。蓋部14aは、第3開口部13jを上側から塞ぐ。
【0027】
図1に示すように、コネクタ収容部14eは、蓋部14aから上側に突出する。コネクタ収容部14eは、上側および下側の両方に開口する略角筒状である。コネクタ収容部14eの内部は、蓋部14aを軸方向に貫通する図示しない孔を介して、蓋部材14の内部と繋がる。
【0028】
図2に示すように、モータ部3は、モータハウジング11の内部に収容される。軸方向において、モータ部3は、回路基板70よりも下側、且つ、ポンプ機構部40よりも上側に配置される。モータ部3は、ロータ20と、ステータ30と、を有する。
【0029】
ロータ20は、中心軸線Jを中心として回転可能である。ロータ20は、ロータコア21と、磁石22と、シャフト23と、を有する。磁石22およびシャフト23は、ロータコア21に固定されている。ロータ20は、シャフト23を支持するシャフト支持部11eの内周面によって、中心軸線Jを中心として回転可能に支持される。シャフト23は、中心軸線Jを中心として軸方向に延びる円柱状である。シャフト23は、シャフト支持部11eの内部を軸方向に通され、周壁部11aの内部とポンプ機構収容部11hの内部とに跨って配置される。
【0030】
ステータ30は、ロータ20の径方向外側に配置される。ステータ30は、ロータ20と径方向に隙間を介して対向する。ステータ30は、ステータコア31と、絶縁部材32と、コイル部33と、を有する。
【0031】
ステータコア31は、ロータコア21を径方向外側から囲む環状である。ステータコア31の外周面は、モータハウジング11の周壁部11aに固定されている。本実施形態において、ステータコア31は、周壁部11aに圧入されている。ステータコア31は、接着等の他の方法によって、周壁部11aに固定されてもよい。
【0032】
絶縁部材32は、ステータコア31に装着される。絶縁部材32は、ステータコア31とコイル部33との間に配置される。絶縁部材32は、ステータコア31とコイル部33とを絶縁する。絶縁部材32は、上側に突出する環状壁部32aを有する。軸方向において、環状壁部32aは、ステータコア31と回路基板70との間に配置される。環状壁部32aは、中心軸線Jを中心とする略円環状である。環状壁部32aは、周壁部11aと径方向に対向する。環状壁部32aの外側面は、ステータ30の外側面のうち上側の部分を構成する。すなわち、環状壁部32aの外側面は、ステータ30の外側面の一部である。図5に示すように、環状壁部32aには、挿通切欠部32c、凹部32e、および取付凹部30aが設けられる。
【0033】
挿通切欠部32cは、環状壁部32aの上端から下側に窪む穴である。挿通切欠部32cは、径方向の両側に開口する。径方向に見て、挿通切欠部32cは、略矩形状である。本実施形態において、環状壁部32aには、複数の挿通切欠部32cが設けられる。図示は省略するが、本実施形態において、環状壁部32aには、6個の挿通切欠部32cが設けられる。各挿通切欠部32cは、周方向に沿って互いに間隔をあけて設けられる。本実施形態では、1対の挿通切欠部32c毎に、周方向に沿って互いに略等間隔をあけて配置される。1対の挿通切欠部32cを構成する2つの挿通切欠部32c同士は、周方向に沿って互いに間隔をあけて配置される。
【0034】
凹部32eは、環状壁部32aの上側を向く面から下側に窪む穴である。凹部32eは、径方向の両側に開口する。径方向に見て、凹部32eは、略矩形状である。図示は省略するが、本実施形態において、環状壁部32aには、3個の凹部32eが設けられる。各凹部32eは、周方向に沿って互いに略等間隔をあけて設けられる。周方向において、各凹部32eは、一対の挿通切欠部32c同士の間に設けられる。
【0035】
取付凹部30aは、環状壁部32aの外側面から径方向内側に窪む穴である。すなわち、取付凹部30aは、ステータ30の外側面から径方向内側に窪む穴である。取付凹部30aは、軸方向の両側に開口する。取付凹部30aは、周方向に延びる。径方向に見て、取付凹部30aは、略矩形状である。取付凹部30aは、2つの規制面30bを有する。一方の規制面30bは、周方向一方側(+θ側)を向き、他方の規制面30bは、周方向他方側(-θ側)を向く。本実施形態において、規制面30bは、平面状である。なお、規制面30bは、上側に向かうにしたがって、周方向一方側、または、周方向他方側に位置するテーパ面であってもよいし、曲面状であってもよい。
【0036】
本実施形態において、環状壁部32aには、複数の取付凹部30aが設けられる。本実施形態において、環状壁部32aには、3個の取付凹部30aが設けられる。各取付凹部30aは、周方向に沿って互いに略等間隔をあけて配置される。周方向において、各取付凹部30aは、1対の挿通切欠部32cと他の1対の挿通切欠部32cとの間に設けられる。図6に示すように、環状壁部32aの外側面には、下側、すなわち軸方向他方側を向く支持面32bが設けられる。すなわち、絶縁部材32の外側面には支持面32bが設けられる。図示は省略するが、本実施形態において、環状壁部32aには、3個の支持面32bが設けられる。各支持面32bのそれぞれは、互いに異なる取付凹部30aの内側面のうち下側を向く面である。
【0037】
コイル部33は、接続端子50を介して回路基板70と電気的に接続される。コイル部33には、接続端子50を介して回路基板70から電力が供給される。図2に示すように、コイル部33は、複数のコイル本体部33aと、コイル引出線33cと、を有する。
【0038】
複数のコイル本体部33aは、ステータコア31に装着される。複数のコイル本体部33aは、環状壁部32aよりも径方向内側に配置される。図3に示すように、本実施形態において、コイル部33は、6個のコイル本体部33aを有する。各コイル本体部33aは、周方向に沿って互いに間隔をあけて配置される。
【0039】
コイル引出線33cは、接続端子50と接続される。図5に示すように、コイル引出線33cは、コイル本体部33aから引き出される。図示は省略するが、本実施形態において、コイル部33は、6本のコイル引出線33cを有する。各コイル引出線33cのそれぞれは、互いに異なるコイル本体部33aから引き出される。各コイル引出線33cは、コイル本体部33aから、互いに異なる挿通切欠部32cを介して、環状壁部32aの径方向外側に引き出される。各コイル引出線33cが配置される経路、および各コイル引出線33cと接続端子50との接続構成等については、後段で詳細に説明する。
【0040】
図2に示すように、封止部材63は、封止部材保持部11gの内周面に保持される。封止部材63は、ロータコア21よりも下側に配置される。本実施形態において、封止部材63は、径方向内側にリップ部を有するリップシールである。封止部材63のリップ部は、シャフト23の外周面と接触する。これにより、封止部材63は、シャフト23とモータハウジング11との間を封止する。
【0041】
ポンプ機構部40は、ポンプ機構収容部11hの内部に収容される。ポンプ機構部40は、インナーロータ41と、アウターロータ42と、を有する。インナーロータ41は、シャフト23のうちポンプ機構収容部11hの内部に突出する部分と接続される。これにより、ポンプ機構部40は、ロータ20に接続される。インナーロータ41は、シャフト23を囲む環状である。アウターロータ42は、インナーロータ41を囲む環状である。インナーロータ41とアウターロータ42とは、互いに噛み合っている。これにより、ロータ20が中心軸線J回りに回転すると、インナーロータ41およびアウターロータ42も中心軸線J回りに回転する。
【0042】
回路基板70は、接続端子50を介して、コイル部33と電気的に接続される。回路基板70は、コイル部33に供給する電力を制御する。上述のように、回路基板70は、基板収容部13aの内部に収容される。回路基板70は、モータ部3の上側、すなわち軸方向一方側に配置される。回路基板70は、蓋部材14の下側に配置される。回路基板70は、軸方向と直交する方向に広がる板状である。図4に示すように、軸方向に見て、回路基板70は、略円形状である。回路基板70には、複数の第1貫通孔70a、および複数の第2貫通孔70bが設けられる。また、回路基板70には、コネクタ部材72が取り付けられる。
【0043】
複数の第1貫通孔70aのそれぞれは、回路基板70を軸方向に貫通する孔である。本実施形態において、第1貫通孔70aは、3個設けられる。各第1貫通孔70aは、周方向に沿って互いに略等間隔をあけて配置される。各第1貫通孔70aには、基板保持部13fの挿通部13hが軸方向に通されている。本実施形態において、各第1貫通孔70aには、挿通部13hが嵌め合わされている。これにより、基板収容部材13に対する回路基板70の周方向の位置および径方向の位置が決まる。また、図2に示すように、回路基板70の下側を向く面は、基板保持部13fの支持部13gによって軸方向に支持される。これにより、基板収容部材13に対する回路基板70の軸方向の位置が決まる。これらにより、回路基板70は、基板収容部材13に保持される。
【0044】
図4に示すように、複数の第2貫通孔70bは、回路基板70を軸方向に貫通する孔である。第2貫通孔70bは、例えばスルーホールである。第2貫通孔70bの内側面には導電性を有する銅箔が設けられる。本実施形態において、第2貫通孔70bは、6個設けられる。本実施形態では、1対の第2貫通孔70b毎に、周方向に沿って互いに略等間隔をあけて配置される。1対の第2貫通孔70bを構成する2つの第2貫通孔70b同士は、周方向に互いに間隔をあけて配置される。
【0045】
コネクタ部材72は、モータ2に電力を供給する図示しない外部機器と、回路基板70とを電気的に接続する。コネクタ部材72は、回路基板70の上側を向く面に取り付けられ、上側に突出する。コネクタ部材72の上側の部分は、図2に示すコネクタ収容部14eの内部に配置される。
【0046】
図2に示すように、端子保持部材15は、モータハウジング11の内部に収容される。軸方向において、端子保持部材15は、ステータコア31と回路基板70との間に配置される。図3に示すように、端子保持部材15は、中心軸線Jを囲む略円環状である。端子保持部材15は、接続端子50を保持する。本実施形態において、端子保持部材15は、絶縁部材32に取り付けられる。すなわち、端子保持部材15は、ステータ30に取り付けられる。図7に示すように、端子保持部材15は、本体部16と、端子保持部17と、爪部18と、を有する。
【0047】
本実施形態において、本体部16は、周方向に延びる板状である。図8に示すように、本体部16は、ステータコア31の上側、すなわち軸方向一方側に配置される。図7に示すように、本実施形態において、本体部16は、3個の延伸部16aによって構成される。各延伸部16aは、中心軸線Jを中心として周方向に延びる板状である。各延伸部16aの板面は、軸方向を向く。軸方向に見て、各延伸部16aの径方向外側を向く外側面は、中心軸線Jを中心とする円弧状である。軸方向に見て、各延伸部16aの径方向内側を向く内側面は、中心軸線Jを中心とする円弧状である。軸方向に見て、1つの延伸部16aの周方向一方側(+θ側)の端部と中心軸線Jとを繋ぐ直線と、該延伸部16aの周方向他方側(-θ側)の端部と中心軸線Jとを繋ぐ直線とが成す角度は、90°程度である。各延伸部16aは、周方向に沿って略等間隔をあけて配置される。各延伸部16aは、径方向に窪む切欠部16bを有する。
【0048】
本実施形態において、切欠部16bは、延伸部16aの外側面から径方向内側に窪む。切欠部16bは、上側および下側に開口する。本実施形態において、1つの延伸部16aには、2個の切欠部16bが設けられる。1つの延伸部16aに設けられる2個の切欠部16bは、周方向に沿って互いに間隔をあけて配置される。なお、各切欠部16bは、延伸部16aの内側面から径方向外側に窪む穴であってもよい。
【0049】
爪部18は、本体部16から下側、すなわち軸方向他方側に延びる板状である。より詳細には、爪部18は、延伸部16aの周方向の略中央から下側に延びる。図6に示すように、爪部18は、環状壁部32aの径方向外側、且つ、周壁部11aの径方向内側に配置される。爪部18の板面は、径方向を向く。図7に示すように、本実施形態において、端子保持部材15は、複数の爪部18を有する。本実施形態において、端子保持部材15は、3個の爪部18を有する。複数の爪部18は、周方向に沿って互いに略等間隔をあけて配置される。
【0050】
図6に示すように、各爪部18は、径方向内側に突出する突出部18aを有する。突出部18aは、爪部18の下側の縁部から径方向内側に突出する。各突出部18aのそれぞれは、互いに異なる取付凹部30aの内側に配置される。本実施形態において、各爪部18は、径方向外側に弾性変形可能である。各支持面32bのそれぞれは、突出部18aと軸方向に接触し、端子保持部材15の上側への移動を抑制する。また、端子保持部材15は、絶縁部材32の上面に支持されており、下側への移動が抑制される。これらにより、端子保持部材15は、ステータ30に取り付けられる。
【0051】
図示は省略するが、本実施形態において、各爪部18それぞれの突出部18aの周方向の寸法は、各爪部18の周方向の寸法と同じ寸法である。図8に示すように、各爪部18の周方向の寸法は、取付凹部30aの周方向の寸法よりも小さい。すなわち、各突出部18aの周方向の寸法は、取付凹部30aの周方向の寸法よりも小さい。そのため、各突出部18aは、取付凹部30aの内部を周方向に移動可能である。これにより、端子保持部材15は、ステータ30に対して周方向に移動可能である。周方向に見て、各突出部18aのそれぞれは、取付凹部30aの規制面30bと重なる。そのため、ステータ30に対して端子保持部材15を周方向一方側(+θ側)に移動させていくと、突出部18aの周方向一方側の端部が、周方向他方側(-θ側)を向く規制面30bと接触する。逆に、ステータ30に対して端子保持部材15を周方向他方側に移動させていくと、突出部18aの周方向他方側の端部が、周方向一方側を向く規制面30bと接触する。これらにより、ステータ30に対する端子保持部材15の周方向の移動距離を規制できる。
【0052】
図7に示すように、端子保持部17は、軸方向に延びる略直方体状である。端子保持部17の2つの外側面は、径方向を向く。本実施形態において、端子保持部材15は、複数の端子保持部17を有する。本実施形態において、端子保持部材15は、3個の端子保持部17を有する。図8に示すように、各端子保持部17は、接続端子50を保持する。すなわち、端子保持部材15は、複数の接続端子50を保持する。本実施形態において、端子保持部材15は、3個の接続端子50を保持する。図7に示すように、各端子保持部17は、周方向に沿って互いに略等間隔をあけて配置される。各端子保持部17は、互いに周方向に隣り合って配置される延伸部16a同士の間に配置される。各端子保持部17の上側の部分は、互いに周方向に隣り合って配置される延伸部16aのそれぞれと周方向に繋がる。各端子保持部17の下端は、本体部16の下端よりも下側に位置する。図8に示すように、各端子保持部17の下側の部分は、環状壁部32aの凹部32eの内側に配置される。各端子保持部17は、互いに周方向に隣り合うコイル本体部33a同士の間に配置される。
【0053】
よって、本実施形態によれば、端子保持部17がコイル本体部33aの上側に配置される場合と比較して、端子保持部材15が軸方向に大型化することを抑制できる。したがって、モータ2およびポンプ1が軸方向に大型化することを抑制できる。また、端子保持部17がコイル本体部33aよりも径方向外側に配置される場合と比較して、端子保持部材15が径方向に大型化することを抑制できる、したがって、モータ2およびポンプ1が径方向に大型化することを抑制できる。
【0054】
図7に示すように、各端子保持部17のそれぞれは、保持穴17aと、溝部17cと、を有する。各端子保持部17のそれぞれには、外壁部17eが設けられる。保持穴17aは、端子保持部17の上側、すなわち軸方向一方側を向く面から下側、すなわち軸方向他方側に窪む穴である。図示は省略するが、軸方向に見て、保持穴17aは、長辺が周方向に延びる略矩形状である。図9に示すように、径方向に見て、保持穴17aは、略長方形状である。図10に示すように、周方向に見て、保持穴17aは、略長方形状である。
【0055】
図7に示すように、溝部17cは、端子保持部17の上側、すなわち軸方向一方側から下側、すなわち軸方向他方側に窪む穴である。溝部17cは、径方向内側および径方向外側に開口する。溝部17cは、保持穴17aを径方向に横切る。溝部17cの内側は、保持穴17aの内部と繋がる。径方向に見て、溝部17cの形状は、端子保持部17の周方向中央を通る図示しない仮想直線を対称軸として線対称である。径方向に見て、溝部17cの上側の部分は、上側から下側に向かうにしたがって周方向の幅が小さくなる。径方向に見て、溝部17cの下側の部分は、略同一の周方向の寸法で上側から下側に延びる長穴状である。径方向に見て、溝部17cの下端は、下側に突出する半円状である。
【0056】
外壁部17eは、径方向と直交する方向に広がる板状である。径方向に見て、外壁部17eは、長辺が軸方向に延びる略矩形状である。外壁部17eは、端子保持部17と径方向に間隔をあけて配置される。径方向に見て、外壁部17eの周方向中央側の部分は、溝部17cと重なる。外壁部17eの周方向両側の部分は、端子保持部17の径方向外側を向く面と対向する。外壁部17eの下側の縁部は径方向内側に突出し、端子保持部17の下側の縁部と繋がる。
【0057】
接続端子50は、コイル部33と回路基板70とを電気的に接続する。図2に示すように、軸方向において、接続端子50は、ステータ30と回路基板70との間に配置される。図8に示すように、接続端子50は、端子保持部材15の端子保持部17に保持される。本実施形態において、モータ部3は、複数の接続端子50を有する。本実施形態において、モータ部3は、3個の接続端子50を有する。各接続端子50は、周方向に沿って略等間隔をあけて配置される。接続端子50は、導電性を有する。本実施形態において、接続端子50は、金属製である。図11に示すように、接続端子50は、端子本体部51と、接続部52と、基板接続部53と、基板支持部54と、を有する。
【0058】
端子本体部51は、軸方向に延びる。端子本体部51は、第1端子本体部51aと、第2端子本体部51bと、第3端子本体部51cと、を有する。第1端子本体部51aは、軸方向に延びる板状である。第1端子本体部51aの板面は、径方向を向く。径方向に見て、第1端子本体部51aは、略矩形状である。図10に示すように、軸方向において、第1端子本体部51aは、回路基板70と端子保持部材15との間に配置される。第1端子本体部51aの上端は、端子本体部51の上端である。第2端子本体部51bは、第1端子本体部51aの下端から径方向内側に延びる板状である。第2端子本体部51bの板面は、軸方向を向く。図11に示すように、軸方向に見て、第2端子本体部51bは、略矩形状である。第3端子本体部51cは、第2端子本体部51bの径方向内側の端部から下側に突出する板状である。第3端子本体部51cの板面は、径方向を向く。径方向に見て、第3端子本体部51cは、略矩形状である。図9に示すように、第3端子本体部51cは、端子保持部17よりも上側に配置される。第3端子本体部51cの下端は、端子本体部51の下端である。
【0059】
接続部52は、第3端子本体部51cの下端から下側に延びる板状である。すなわち、接続部52は、端子本体部51から下側、すなわち軸方向他方側に延びる。接続部52の板面は、径方向を向く。径方向に見て、接続部52は、長辺が軸方向に延びる略矩形状である。接続部52は、端子保持部17の保持穴17aの内部に配置される。図10に示すように、接続部52の径方向の寸法は、保持穴17aの径方向の寸法よりも小さい。すなわち、保持穴17aの径方向の寸法は、接続部52の径方向の寸法よりも大きい。図11に示すように、接続部52は、圧接部52aと、第1部分52bと、第2部分52cと、第1圧入部52d,52eと、第2圧入部52g,52iと、を有する。
【0060】
圧接部52aは、接続部52の下側、すなわち軸方向他方側から上側、すなわち軸方向一方側に窪む穴である。圧接部52aは、径方向内側および径方向外側、すなわち径方向の両側に開口する。図9に示すように、径方向に見て、圧接部52aの形状は、接続部52の周方向中心を通る図示しない仮想直線を対称軸として線対称である。径方向に見て、圧接部52aの下側の部分は、下側から上側に向かうにしたがって周方向の寸法が小さくなる。径方向に見て、圧接部52aの上側の部分は、略同一の周方向の寸法で下側から上側に延びる長穴状である。径方向に見て、圧接部52aの上端は、上側に突出する半円状である。図8に示すように、径方向に見て圧接部52aは、溝部17cと重なる。よって、圧接部52aおよび溝部17cを介して、端子保持部17の径方向外側の空間と端子保持部17の径方向内側の空間とが繋がる。
【0061】
図12に示すように、軸方向に見て、圧接部52aの周方向一方側(+θ側)を向く面は、径方向の両端から径方向の中央に向かうにしたがって周方向一方側に位置し、周方向一方側の端部には角部52mが構成される。軸方向に見て、角部52mは、周方向一方側に向かって尖った形状である。軸方向に見て、圧接部52aの周方向他方側(-θ側)を向く面は、径方向の両端から径方向の中央に向かうにしたがって周方向他方側に位置し、周方向他方側の端部には角部52nが構成される。軸方向に見て、角部52nは、周方向他方側に向かって尖った形状である。角部52m,52nは、互いに周方向に対向する。
【0062】
図11に示すように、第1部分52bは、接続部52のうち、圧接部52aよりも周方向他方側(-θ側)の部分である。第2部分52cは、接続部52のうち、圧接部52aよりも周方向一方側(+θ側)の部分である。第1部分52bおよび第2部分52cは、軸方向に延びている。
【0063】
第1圧入部52dは、第1部分52bの下側の部分から周方向他方側(-θ側)に突出する。第1圧入部52eは、第2部分52cの下側の部分から周方向一方側(+θ側)に突出する。第1圧入部52dの周方向他方側の端部と第1圧入部52eの周方向一方側の端部との間の寸法は、図9に示す保持穴17aの周方向の寸法よりも小さい。したがって、接続部52が保持穴17aの内部に挿入されると、第1圧入部52d,52eは、保持穴17aに圧入される。これにより、接続部52は、保持穴17aに保持される。また、接続部52が保持穴17aの内部に挿入されると、第1部分52bは周方向一方側に弾性変形し、第2部分52cは周方向他方側に弾性変形する。
【0064】
図11に示すように、第2圧入部52gは、第1部分52bの上側の縁部から周方向他方側(-θ側)に突出する。径方向に見て、第2圧入部52gの下側を向く面は、周方向他方側に向かうにしたがって上側に位置するテーパ面である。第2圧入部52gの上側を向く面は、上側を向く平面状である。第2圧入部52gの上側を向く面の周方向他方側の端部は、第2圧入部52gの下側を向く面の周方向他方側の端部と繋がる。第2圧入部52gの周方向他方側の端部は、周方向他方側に尖ったエッジ部52hを構成する。第2圧入部52iは、第2部分52cの上側の縁部から周方向一方側(+θ側)に突出する。径方向に見て、第2圧入部52iの下側を向く面は、周方向一方側に向かうにしたがって上側に位置するテーパ面である。第2圧入部52iの上側を向く面は、上側を向く平面状である。第2圧入部52iの上側を向く面の周方向一方側の端部は、第2圧入部52iの下側を向く面の周方向一方側の端部と繋がる。第2圧入部52iの周方向一方側の端部は、周方向一方側に尖ったエッジ部52jを構成する。エッジ部52hとエッジ部52jとの間の寸法は、図9に示す保持穴17aの周方向の寸法よりも小さい。したがって、接続部52が保持穴17aの内部に挿入されると、第2圧入部52g,52iは、保持穴17aに圧入される。また、端子保持部17に対して接続端子50が上側に移動しようとすると、エッジ部52h,52jが保持穴17aの内側面に引っ掛かるため、端子保持部17に対して接続端子50が上側に移動することを抑制できる。よって、端子保持部材15に対する接続端子50の軸方向の位置を精度良く決めることができる。
【0065】
図11に示すように、基板接続部53は、端子本体部51から上側、すなわち軸方向一方側に突出する板状である。基板接続部53の板面は、径方向を向く。径方向に見て、基板接続部53は、長軸が軸方向に延びる略楕円状である。基板接続部53には、基板接続部53を径方向に貫通する孔が設けられる。径方向に見て、孔は、長軸が軸方向に延びる略楕円状である。基板接続部53には孔が設けられるため、基板接続部53は、周方向に弾性変形可能である。基板接続部53には孔が設けられるため、基板接続部53は、軸方向と交差する方向に弾性変形可能である。本実施形態において、接続端子50は、2個の基板接続部53を有する。一方の基板接続部53は、端子本体部51の周方向他方側(-θ側)の縁部から上側に突出する。他方の基板接続部53は、端子本体部51の周方向一方側(+θ側)の縁部から上側に突出する。2つの基板接続部53は、周方向に互いに間隔をあけて配置される。
【0066】
図5に示すように、各接続端子50それぞれの基板接続部53は、回路基板70の第2貫通孔70bを軸方向に通される。各基板接続部53は、第2貫通孔70bに圧入される。上述のように、基板接続部53は、周方向に弾性変形可能であるため、基板接続部53の復元力によって、各基板接続部53は、第2貫通孔70bに固定される。これにより、各基板接続部53は、回路基板70に接続される。基板接続部53が回路基板70に接続されるため、基板接続部53と回路基板70とは電気的に接続される。よって、本実施形態では、接続端子50と回路基板70とを接続する工程において、予め端子保持部材15に保持された接続端子50の上側から回路基板70を下側に移動させる簡易な作業によって、各基板接続部53を回路基板70の第2貫通孔70bに接続できる。したがって、容易に接続端子50と回路基板70とを接続できるため、モータ2およびポンプ1の組立工数が増大することを抑制できる。
【0067】
図11に示すように、基板支持部54は、端子本体部51から上側に突出する。基板支持部54は、2つの基板接続部53同士の間に配置される。径方向に見て、基板支持部54は、上側に突出する略三角形状である。基板支持部54の上側の端部は、基板接続部53の上端よりも下側に位置する。図9に示すように、基板支持部54は、回路基板70の下側を向く面と軸方向に接触する。これにより、基板支持部54は、回路基板70を軸方向に支持する。したがって、接続端子50によって、端子保持部材15に対する回路基板70の軸方向の位置精度を高めることができる。
【0068】
図12に示すように、本実施形態において、各接続端子50の接続部52には、2本のコイル引出線33cが接続される。2本のコイル引出線33cのそれぞれは、各端子保持部17を周方向に挟んで配置される一対のコイル本体部33aのそれぞれから引き出される。
【0069】
上述のように、コイル引出線33cは、コイル本体部33aから、互いに異なる挿通切欠部32cを介して、環状壁部32aの径方向外側に引き出される。端子保持部17の周方向一方側(+θ側)に配置されるコイル本体部33aから環状壁部32aの径方向外側に引き出された一方のコイル引出線33cは、端子保持部17に向けて周方向他方側(-θ側)に向けて引き出され、端子保持部17と外壁部17eとの間の隙間を周方向他方側に向けて通された後、径方向内側に向けて屈曲し、端子保持部17の溝部17cの内側および接続端子50の圧接部52aの内側を径方向に通される。端子保持部17の周方向他方側に配置されるコイル本体部33aから引き出された他方のコイル引出線33cは、端子保持部17に向けて周方向一方側に引き出され、端子保持部17と外壁部17eとの間の隙間を周方向一方側に向けて通された後、径方向内側に向けて屈曲し、溝部17cの内側および圧接部52aの内側を径方向に通される。
【0070】
本実施形態では、圧接部52aの角部52m,52n同士の間の間隔の寸法は、コイル引出線33cの径よりも小さい。また、上述のように、接続部52の、第1圧入部52d,52e、および第2圧入部52g,52iのそれぞれは、保持穴17aの径方向を向く内側面に圧入される。よって、2本のコイル引出線33cは、接続部52の圧接部52aに圧入され、これにより、コイル引出線33cと接続部52とが接続される。すなわち、接続部52は、コイル部33と接続される。つまり、接続端子50とコイル部33とが接続される。また、上述のように、回路基板70は、接続端子50の基板接続部53と接続される。これらにより、接続端子50は、コイル部33と回路基板70とを電気的に接続する。また、本実施形態では、ステータ30に対して各接続端子50が周方向にずれて配置されていても、コイル本体部33aと接続端子50との間のコイル引出線33cの長さを適宜調整することによって、容易にコイル引出線33cを接続端子50に接続できる。
【0071】
本実施形態のモータ2によれば、ステータ30は、環状のステータコア31と、ステータコア31に装着される複数のコイル本体部33aを有するコイル部33と、ステータコア31とコイル部33との間に配置される絶縁部材32と、を有する。接続端子50は、コイル部33と回路基板70とを電気的に接続し、モータ2は、接続端子50を保持し、ステータ30に取り付けられ周方向に移動可能である端子保持部材15を備える。コイル部33と回路基板70とを接続する接続端子50が、ステータ30の例えば絶縁部材32に保持される構成では、モータハウジング11に対する周方向の位置がずれた状態でステータ30がモータハウジング11に固定されると、回路基板70に対する接続端子50の周方向の位置がずれる。そのため、接続端子50と回路基板70とを接続する工程において、接続端子50と回路基板70とを接続することが困難になる虞があった。これに対して、本実施形態では、接続端子50は、ステータ30に対して周方向に移動可能な端子保持部材15に保持されるため、回路基板70に対する接続端子50の周方向の位置を調整できる。よって、接続端子50を回路基板70に接続する作業の簡易化を図ることができる。また、接続端子50を回路基板70に接続する作業がし易く、作業性に優れる。また、回路基板70に対する接続端子50の周方向の位置の調整を行った結果として、ステータ30に対する接続端子50の周方向の位置がずれた場合であっても、上述のように、コイル本体部33aと接続端子50との間のコイル引出線33cの長さを適宜調整することによって、容易にコイル引出線33cを接続端子50に接続できる。したがって、コイル部33を接続端子50に接続する作業の簡易化を図ることができる。以上のことから、本実施形態では、モータハウジング11に対する周方向の位置がずれた状態でステータ30がモータハウジング11に固定された場合であっても、接続端子50を介して、コイル部33と回路基板70とを接続する作業の簡易化を図ることができる。よって、モータ2およびポンプ1の製造工数が増大することを抑制できる。
【0072】
本実施形態によれば、ステータ30は、ステータ30の外側面から径方向内側に窪み、周方向に延びる取付凹部30aを有し、端子保持部材15は、周方向に延び、ステータコア31の上側、すなわち軸方向一方側に配置される本体部16と、本体部16から下側、すなわち軸方向他方側に延びる爪部18と、を有し、爪部18は、径方向内側に突出する突出部18aを有し、突出部18aは、取付凹部30aの内側に配置される。よって、回路基板70と接続端子50とを接続する工程において、端子保持部材15をステータ30の外側面に沿って周方向に移動させて、回路基板70に対する接続端子50の周方向の位置を調整できる。よって、端子保持部材15を周方向に移動させる際に、回路基板70に対する接続端子50の径方向の位置がずれることを抑制できるため、より容易に回路基板70と接続端子50とを接続できる。したがって、モータ2およびポンプ1の製造工数が増大することをより好適に抑制できる。
【0073】
本実施形態によれば、ステータ30は、周方向に沿って互いに間隔をあけて配置される複数の取付凹部30aを有し、端子保持部材15は、周方向に沿って互いに間隔をあけて配置される複数の爪部18を有し、複数の爪部18の突出部18aのそれぞれは、複数の取付凹部30aそれぞれの内側に配置され、突出部18aの周方向の寸法は、取付凹部30aの周方向の寸法よりも小さく、周方向に見て、突出部18aのそれぞれは、取付凹部30aの内側面のうち周方向を向く面である規制面30bと重なる。よって、上述のように、規制面30bによって、ステータ30に対する端子保持部材15の周方向の移動距離を規制できる。そのため、回路基板70と接続端子50とを接続する工程において、回路基板70に対する接続端子50の周方向の位置を調整する際に、接続端子50が周方向に大きく移動しすぎることを抑制できる。したがって、より容易に、回路基板70に対する接続端子50の周方向の位置を調整できるため、より容易に回路基板70と接続端子50とを接続できる。よって、モータ2およびポンプ1の製造工数が増大することをより好適に抑制できる。
【0074】
本実施形態によれば、絶縁部材32の外側面には、取付凹部30aの内側面のうち下側、すなわち軸方向他方側を向く面である支持面32bが設けられ、爪部18は、径方向外側に弾性変形可能であり、支持面32bは、突出部18aを軸方向に支持する。よって、端子保持部材15をステータ30に取り付ける工程において、予めモータハウジング11に固定されたステータ30の上側から、端子保持部材15を下側に移動させる際に、爪部18の突出部18aが絶縁部材32の環状壁部32aの外側面に接触すると、爪部18は径方向外側に弾性変形する。これにより、爪部18を、環状壁部32aと周壁部11aの間の空間に挿入する際に、爪部18が環状壁部32aの上側を向く面に引っ掛かることを抑制できるため、爪部18を環状壁部32aと周壁部11aの間の空間に容易に挿入できる。また、突出部18aが取付凹部30aと径方向に対向する位置まで端子保持部材15を下側に移動させると、爪部18の径方向内側を向く復元力により、突出部18aを取付凹部30aの内側に配置できる。このとき、支持面32bは、突出部18aを軸方向に支持するため、ステータ30に対する端子保持部材15の軸方向の位置を決めることができ、端子保持部材15をステータ30に取り付けることができる。よって、本実施形態では、端子保持部材15を下側に移動する作業のみによって、端子保持部材15をステータ30に取り付けることがでるため、端子保持部材15をステータ30に取り付ける作業の簡易化を図ることができる。したがって、モータ2およびポンプ1の製造工数が増大することを抑制できる。
【0075】
また、本実施形態によれば、ステータ30に対して、端子保持部材15が軸方向に移動することを抑制できるため、回路基板70に対する接続端子50の軸方向の位置を精度良く決めることができる。したがって、より容易に接続端子50を回路基板70に接続できるため、モータ2およびポンプ1の組立工数が増大することをより好適に抑制できる。
【0076】
本実施形態によれば、端子保持部材15は、複数の接続端子50を保持し、且つ、中心軸線Jを中心とする円環状である。よって、端子保持部材15が1つの部材によって構成されるため、1つの部材をステータ30に取り付ける作業のみによって、複数の接続端子50をステータ30に取り付けることができる。よって、複数の接続端子50をステータ30に取り付ける作業の簡易化を図ることができるため、モータ2およびポンプ1の製造工数が増大することをより好適に抑制できる。
【0077】
本実施形態によれば、端子保持部材15は、接続端子50を保持する端子保持部17を有し、端子保持部17は、端子保持部17の上側、すなわち軸方向一方側を向く面から下側、すなわち軸方向他方側に窪む保持穴17aを有し、接続端子50は、軸方向に延びる端子本体部51と、端子本体部51から下側に延び、コイル部33と接続される接続部52と、を有し、接続部52は、保持穴17aに保持される。よって、接続端子50を端子保持部材15に取り付ける工程において、端子保持部材15の上側から接続端子50を下側に移動させて、接続部52を保持穴17aの内部に挿入する作業のみによって、接続端子50を端子保持部材15に取り付けることができる。したがって、接続端子50を端子保持部材15に取り付ける作業の簡略化を図ることができるため、モータ2およびポンプ1の製造工数が増大することをより好適に抑制できる。
【0078】
また、本実施形態では、接続部52が保持穴17aに保持されるため、端子保持部材15に対する接続部52の位置を精度良く決めることができる。よって、接続部52とコイル引出線33cとの接続を安定させることができるため、接続端子50を介して、コイル部33と回路基板70とを安定して接続できる。したがって、モータ2およびポンプ1を安定して駆動させることができるとともに、モータ2の出力効率を高めることができる。
【0079】
本実施形態によれば、接続部52は、接続部52の下側、すなわち軸方向他方側から上側、すなわち軸方向一方側に窪み、径方向の両側に開口する圧接部52aと、保持穴17aに圧入される第1圧入部52d,52eと、を有し、コイル部33は、コイル本体部33aから引き出されるコイル引出線33cを有し、コイル引出線33cは、圧接部52aの内側を径方向に通され、圧接部52aに圧入される。よって、接続端子50を端子保持部材15に取り付ける工程において、端子保持部材15の上側から接続端子50を下側に移動させて、接続部52を保持穴17aの内部に挿入する作業のみによって、接続部52を保持穴17aに圧入できるため、接続端子50を端子保持部材15に取り付ける作業の簡略化を図ることができるとともに、強固に接続端子50を端子保持部材15に取り付けることができる。
【0080】
また、本実施形態では、接続端子50を端子保持部材15に取り付ける工程において、径方向に引き出されたコイル引出線33cを保持穴17aの上側に配置しつつ、端子保持部材15の上側から接続端子50を下側に移動させて、接続部52を保持穴17aの内部に挿入する作業のみによって、コイル引出線33cを圧接部52aに圧入して、コイル引出線33cと接続端子50とを接続できる。つまり、接続部52を保持穴17aの内部に挿入する1つの作業によって、接続端子50を端子保持部材15に取り付けることができるとともに、コイル引出線33cと接続端子50とを接続できるため、モータ2およびポンプ1の製造工数が増大することをより好適に抑制できる。
【0081】
また、本実施形態では、コイル引出線33cは、圧接部52aに圧入されるため、強固にコイル引出線33cを接続部52に固定できる。そのため、コイル引出線33cと接続端子50との接続を安定させることができる。さらに、コイル引出線33cと接続端子50との接触面積を広くできるため、コイル引出線33cと接続端子50との間の接触抵抗を低減できる。これらにより、接続端子50を介して、コイル部33と回路基板70とを安定して接続できるため、モータ2およびポンプ1をより安定して駆動させることができるとともに、モータ2の出力効率をより高めることができる。
【0082】
本実施形態によれば、接続部52は、板面が径方向を向く板状であり、保持穴17aの径方向の寸法は、接続部52の径方向の寸法よりも大きい。保持穴17aおよび接続部52の寸法のばらつきによって、接続部52の周方向の寸法に対する保持穴17aの周方向の寸法が小さくなりすぎると、接続部52を保持穴17aに圧入するために必要な加圧力が増大する虞がある。これに対して、本実施形態では、上述のように、保持穴17aの径方向の寸法は、接続部52の径方向の寸法よりも大きいため、接続部52の第1部分52bおよび第2部分52cのそれぞれに加わる周方向を向く力が大きくなりすぎると、第1部分52bと第2部分52cとが相対的に径方向にずれることができるため、第1部分52bおよび第2部分52cのそれぞれに加わる周方向を向く力が増大することを抑制できる。これにより、接続部52を保持穴17aに圧入するために必要な加圧力が増大することを抑制できるため、容易に接続端子50を端子保持部材15に取り付けることができる。したがって、モータ2およびポンプ1の製造工数が増大することをより好適に抑制できる。
【0083】
また、本実施形態では、上述のように、接続部52の周方向の寸法に対する保持穴17aの周方向の寸法が小さくなりすぎた場合であっても、第1部分52bおよび第2部分52cのそれぞれに加わる周方向を向く力を低減できるため、圧接部52aに圧入されたコイル引出線33cに加わる周方向を向く圧力が大きくなりすぎることを抑制できる。よって、コイル引出線33cが損傷することを抑制できるため、コイル部33と回路基板70とを安定して電気的に接続できる。したがって、モータ2およびポンプ1を安定して駆動させることができるとともに、モータ2の出力効率を高めることができる。
【0084】
本実施形態によれば、端子保持部17は、上側、すなわち軸方向一方側から下側、すなわち軸方向他方側に窪み、保持穴17aを径方向に横切る溝部17cを有し、径方向に見て、圧接部52aは、溝部17cと重なり、コイル引出線33cは、溝部17cの内側を通される。よって、コイル引出線33cを接続端子50に接続する工程において、コイル引出線33cを、溝部17cの内側を径方向に通すことによって、保持穴17aに対するコイル引出線33cの周方向の位置を精度良く決めることができる。そのため、接続部52を保持穴17aに挿入する際に、より容易にコイル引出線33cを圧接部52aに圧入できる。したがって、より容易にコイル部33と接続端子50とを接続できるため、モータ2およびポンプ1の製造工数が増大することをより好適に抑制できる。
【0085】
本実施形態によれば、端子保持部材15は、径方向に窪む切欠部16bを有する。よって、切欠部16bに治具等を引っ掛けつつ、治具等を周方向に移動させる簡易な作業によって、ステータ30に対して端子保持部材15を周方向に移動できるため、容易に回路基板70に対する接続端子50の周方向の位置を調整できる。したがって、モータ2およびポンプ1の製造工数が増大することを抑制できる。
【0086】
なお、本実施形態において、コイル部33は、銅線の周りを例えばエナメル等の絶縁被膜で被覆したコイル線によって構成されている。このようなコイル線を用いる場合において、コイル引出線33cを接続端子50に電気的に接続する方法としては、少なくとも圧接部52aと接触する部分の絶縁被膜を予め除去した後に、コイル引出線33cを接続端子50に接続する方法、および、エナメル線を溶融させつつ銅線を接続端子50に接合可能な、例えばヒュージング溶接等の接合溶接を行う方法が一般的である。
【0087】
これに対して、本実施形態では、上述のように、圧接部52aには、周方向一方側(+θ側)内側に向かって尖った形状である角部52m、および周方向他方側(-θ側)に向かって尖った形状である角部52nが構成され、角部52m,52n同士は、径方向に互いに対向し、角部52m,52n同士の間の間隔の寸法は、コイル引出線33cの径よりも小さい。よって、絶縁被覆の除去を行っていないコイル引出線33cを、接続部52の下側から圧接部52aの内側に挿入することにより、角部52m,52nによってコイル引出線33cの絶縁被膜を裂くことができるため、圧接部52aとコイル引出線33cの銅線とを接触させることができる。これにより、コイル引出線33cを接続端子50に接続する工程において、コイル引出線33cの絶縁被膜を除去する作業が不要となるため、コイル引出線33cを接続端子50に接続する作業の簡易化を図ることができる。また、コイル引出線33cを圧接部52aの内部に挿入する簡易な作業のみによって、コイル引出線33cと接続端子50とを接続できるため、ヒュージング溶接等の接合溶接を行う作業を行う場合と比較して、コイル引出線33cを接続端子50に接続する作業の簡易化を図ることができる。したがって、モータ2およびポンプ1の製造工数が増大することをより好適に抑制できる。
【0088】
<第2実施形態>
図13に示すように、本実施形態のモータ202は、複数の端子保持部材215を備える。本実施形態において、モータ202は、3個の端子保持部材215を備える。以下の説明において、上述の第1実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0089】
本実施形態において、各端子保持部材215は、中心軸線Jを中心とする略円弧状である。本実施形態において、各端子保持部材215の中心角は、115°程度である。なお、各端子保持部材215それぞれの中心角は、互いに異なる角度であってもよい。各端子保持部材215は、周方向に沿って互いに間隔をあけて配置される。各端子保持部材215は、本体部216と、端子保持部17と、図示しない爪部と、を有する。本実施形態の端子保持部17の構成等は、上述の第1実施形態の端子保持部17の構成等と同一である。
【0090】
本実施形態において、本体部216は、周方向に延びる板状である。本実施形態において、本体部216は、一対の延伸部216aによって構成される。一対の延伸部216aのそれぞれは、中心軸線Jを中心として周方向に延びる板状である。一対の延伸部216aのそれぞれの板面は、軸方向を向く。軸方向に見て、一対の延伸部216aそれぞれの径方向外側を向く外側面は、中心軸線Jを中心とする円弧状である。軸方向に見て、一対の延伸部216aそれぞれの径方向内側を向く内側面は、中心軸線Jを中心とする円弧状である。軸方向に見て、延伸部216aの周方向一方側(+θ側)の端部と中心軸線Jとを繋ぐ直線と、該延伸部216aの周方向他方側(-θ側)の端部と中心軸線Jとを繋ぐ直線とが成す角度は、45°程度である。一対の延伸部216aは、周方向に沿って間隔をあけて配置される。一対の延伸部216aは、端子保持部17を周方向に挟んで配置される。一対の延伸部216aは、端子保持部17と周方向に繋がる。各端子保持部材215の端子保持部17は、接続端子50を保持する。なお、図示しない爪部は、一対の延伸部216aのそれぞれに設けられてもよいし、一方の延伸部216aにのみ設けられてもよい。
【0091】
本実施形態のモータ202によれば、接続端子50を保持する複数の端子保持部材215を備え、複数の端子保持部材215のそれぞれは、中心軸線Jを中心とする円弧状であり、複数の端子保持部材215は、周方向に沿って配置される。端子保持部材が円環状の場合、端子保持部材をステータ30に取り付ける際には、ステータ30を囲んで配置される複数の爪部の突出部を略同時にステータ30の取付凹部30aの内側に配置する必要がある。そのため、端子保持部材をステータ30に取り付ける工程において、端子保持部材の中心とステータ30の中心とを精度良く一致させつつ、ステータ30の上側から端子保持部材を下側に移動させる必要がある。これに対して、本実施形態では、各端子保持部材215のそれぞれが円弧状であるため、各端子保持部材215の爪部は、ステータ30を囲んで配置されない。そのため、端子保持部材215をステータ30に取り付ける工程において、例えば、端子保持部材215の爪部をステータ30よりも径方向外側に位置させつつ、端子保持部材215を下側に移動させ、爪部の突出部が取付凹部30aと径方向に対向した後に、端子保持部材215を径方向内側に移動させて、突出部を取付凹部30aの内側に配置することによって、端子保持部材215をステータ30に取り付けることができる。よって、ステータ30の上側から端子保持部材215を下側に移動させる際に、端子保持部材215の中心とステータ30の中心とを精度良く一致させる必要が無いため、端子保持部材215をステータ30に取り付ける作業の簡易化を図ることができる。したがって、モータ202およびポンプ201の製造工数が増大することを抑制できる。
【0092】
なお、モータ202が有する端子保持部材215の個数は、3個に限定されず、2個でもよいし、4個以上であってもよい。これらの場合においても、端子保持部材215をステータ30に取り付ける作業の簡易化を図ることができる。
【0093】
<第3実施形態>
図14に示すように、本実施形態のハウジング310のモータハウジング311は、取付凹部311jを有し、端子保持部材315の突出部318aは、取付凹部311jの内側に配置される。以下の説明において、上述の第1実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0094】
取付凹部311jは、周壁部311aの内側面から径方向外側に窪む穴である。すなわち、取付凹部311jは、モータハウジング311の内側面から径方向外側に窪む穴である。取付凹部311jは、周方向に延びる。図示は省略するが、径方向に見て、取付凹部311jは、略矩形状である。図示は省略するが、取付凹部311jの内側面のうち周方向を向く面は規制面である。取付凹部311jは、2つの規制面を有する。一方の規制面は、周方向一方側(+θ側)を向き、他方の規制面は、周方向他方側(-θ側)を向く。図示は省略するが、本実施形態において、周壁部311aには、複数の取付凹部311jが設けられる。本実施形態において、周壁部311aには、3個の取付凹部311jが設けられる。各取付凹部311jは、周方向に沿って互いに略等間隔をあけて配置される。
【0095】
本実施形態において、端子保持部材315は、本体部16と、端子保持部17と、爪部318と、を有する。本実施形態の本体部16および端子保持部17それぞれの構成等は、上述の第1実施形態の本体部16および端子保持部17それぞれの構成等と同一である。
【0096】
爪部318は、本体部16から下側、すなわち軸方向一方側に延びる板状である。爪部318は、環状壁部32aの径方向外側、且つ、周壁部11aの径方向内側に配置される。爪部318の板面は、径方向を向く。図示は省略するが、本実施形態において、端子保持部材315は、複数の爪部318を有する。本実施形態において、端子保持部材315は、3個の爪部318を有する。複数の爪部318は、周方向に沿って互いに間隔をあけて配置される。
【0097】
爪部318は、径方向外側に突出する突出部318aを有する。突出部318aは、爪部318の下側の縁部から径方向外側に突出する。各突出部318aのそれぞれは、互いに異なる取付凹部311jの内側に配置される。本実施形態において、各爪部318は、径方向外側に弾性変形可能である。そのため、各突出部318aが径方向外側に移動することを抑制できる。また、取付凹部311jそれぞれの内側面のうち下側を向く面は、突出部318aと軸方向に接触し、突出部318aを軸方向に支持する。これらにより、端子保持部材315は、モータハウジング311に取り付けられる。
【0098】
図示は省略するが、本実施形態において、各突出部318aの周方向の寸法は、取付凹部311jの周方向の寸法よりも小さい。そのため、端子保持部材315は、モータハウジング311に対して周方向に移動可能である。図示は省略するが、各突出部318aのそれぞれは、取付凹部311jの規制面と重なる。そのため、上述の第1実施形態と同様に、規制面によって、モータハウジング311に対する端子保持部材315の周方向の移動距離を規制できる。
【0099】
本実施形態によれば、モータ302は、接続端子50を保持し、モータハウジング311に取り付けられ周方向に移動可能である端子保持部材315を備える。よって、回路基板70に対する接続端子50の周方向の位置を調整できるため、接続端子50を回路基板70に接続する作業の簡易化を図ることができる。また、上述の回路基板70に対する接続端子50の周方向の位置の調整を行った結果として、ステータ30に対する接続端子50の周方向の位置がずれた場合であっても、上述のように、コイル本体部33aと接続端子50との間のコイル引出線33cの長さを適宜調整することによって、容易にコイル引出線33cを接続端子50に接続できる。したがって、コイル部33を接続端子50に接続する作業の簡易化を図ることができる。以上のことから、本実施形態では、モータハウジング311に対する周方向の位置がずれた状態でステータ30がモータハウジング311に固定された場合であっても、接続端子50を介して、コイル部33と回路基板70とを接続する作業の簡易化を図ることができる。よって、モータ302およびポンプ301の製造工数が増大することを抑制できる。
【0100】
本実施形態によれば、モータハウジング311は、モータハウジング311の内側面から径方向外側に窪み、周方向に延びる取付凹部311jを有し、端子保持部材315は、周方向に延び、ステータコア31の上側、すなわち軸方向一方側に配置される本体部16と、本体部16から下側、すなわち軸方向他方側に延びる爪部318と、を有し、爪部318は、径方向外側に突出する突出部318aを有し、突出部318aは、取付凹部311jの内側に配置される。よって、回路基板70と接続端子50とを接続する工程において、端子保持部材315をモータハウジング311の内側面に沿って周方向に移動させることができる。よって、端子保持部材315を周方向に移動させる際に、回路基板70に対する接続端子50の径方向の位置がずれることを抑制できるため、より容易に回路基板70と接続端子50とを接続できる。したがって、モータ302およびポンプ301の製造工数が増大することをより好適に抑制できる。
【0101】
本発明は上述の実施形態に限られず、本発明の技術的思想の範囲内において、他の構成および他の方法を採用することもできる。例えば、端子保持部材が有する端子保持部の個数は3個に限定されず、2個以下でもよいし、4個以上であってもよい。また、モータが有する接続端子の個数は、3個に限定されず、2個以下でもよいし、4個以上であってもよい。また、接続端子と接続されるコイル引出線の本数は、1本でもよいし、3本以上であってもよい。
【0102】
また、基板収容部材が有するフランジ部の個数は、3個以上であってもよい。また、フランジ部は、蓋部材に設けられてもよいし、モータハウジングに設けられてもよい。
【0103】
また、基板接続部53と第2貫通孔70bとを接続する方法は、圧入に限定されず、半田付け等の他の方法によって接続されてもよい。
【0104】
本発明が適用されるモータの用途は、特に限定されない。モータは、ポンプ以外の機器に搭載されてもよい。本発明が適用されるモータを備えるポンプの用途は、特に限定されない。ポンプによって送られる流体の種類は、特に限定されず、水等であってもよい。モータおよびポンプは、車両以外の機器に搭載されてもよい。なお、本明細書において説明した各構成および各方法は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。
【0105】
なお、本技術は以下のような構成をとることが可能である。
(1) 中心軸線を中心として回転可能なロータと、前記ロータと径方向に隙間を介して対向するステータと、を有するモータ部と、前記モータ部の軸方向一方側に配置される回路基板と、軸方向において、前記ステータと前記回路基板との間に配置される接続端子と、軸方向に延びる筒状であり、且つ、前記モータ部を収容するモータハウジングと、を備え、前記ステータは、環状のステータコアと、前記ステータコアに装着される複数のコイル本体部を有するコイル部と、前記ステータコアと前記コイル部との間に配置される絶縁部材と、を有し、前記接続端子は、前記コイル部と前記回路基板とを電気的に接続し、前記接続端子を保持し、前記ステータまたは前記モータハウジングのいずれか一方に取り付けられ周方向に移動可能である端子保持部材を備える、モータ。
(2) 前記ステータは、前記ステータの外側面から径方向内側に窪み、周方向に延びる取付凹部を有し、前記端子保持部材は、周方向に延び、前記ステータコアの軸方向一方側に配置される本体部と、前記本体部から軸方向他方側に延びる爪部と、を有し、前記爪部は、径方向内側に突出する突出部を有し、前記突出部は、前記取付凹部の内側に配置される、(1)に記載のモータ。
(3) 前記ステータは、周方向に沿って互いに間隔をあけて配置される複数の前記取付凹部を有し、前記端子保持部材は、周方向に沿って互いに間隔をあけて配置される複数の前記爪部を有し、複数の前記爪部の前記突出部のそれぞれは、複数の前記取付凹部それぞれの内側に配置され、前記突出部の周方向の寸法は、前記取付凹部の周方向の寸法よりも小さく、周方向に見て、前記突出部のそれぞれは、前記取付凹部の内側面のうち周方向を向く面と重なる、(2)に記載のモータ。
(4) 前記絶縁部材の外側面には、前記取付凹部の内側面のうち軸方向他方側を向く面である支持面が設けられ、前記爪部は、径方向外側に弾性変形可能であり、前記支持面は、前記突出部を軸方向に支持する、(2)または(3)に記載のモータ。
(5) 前記モータハウジングは、前記モータハウジングの内側面から径方向外側に窪み、周方向に延びる取付凹部を有し、前記端子保持部材は、周方向に延び、前記ステータコアの軸方向一方側に配置される本体部と、前記本体部から軸方向他方側に延びる爪部と、を有し、前記爪部は、径方向外側に突出する突出部を有し、前記突出部は、前記取付凹部の内側に配置される、(1)に記載のモータ。
(6) 前記端子保持部材は、複数の前記接続端子を保持し、且つ、前記中心軸線を中心とする円環状である、(2)から(5)のいずれか一項に記載のモータ。
(7) 前記接続端子を保持する複数の前記端子保持部材を備え、複数の前記端子保持部材のそれぞれは、前記中心軸線を中心とする円弧状であり、複数の前記端子保持部材は、周方向に沿って配置される、(2)から(5)のいずれか一項に記載のモータ。
(8) 前記端子保持部材は、前記接続端子を保持する端子保持部を有し、前記端子保持部は、前記端子保持部の軸方向一方側を向く面から軸方向他方側に窪む保持穴を有し、前記接続端子は、軸方向に延びる端子本体部と、前記端子本体部から軸方向他方側に延び、前記コイル部と接続される接続部と、を有し、前記接続部は、前記保持穴に保持される、(1)から(7)のいずれか一項に記載のモータ。
(9) 前記接続部は、前記接続部の軸方向他方側から軸方向一方側に窪み、径方向の両側に開口する圧接部と、前記保持穴に圧入される第1圧入部と、を有し、前記コイル部は、前記コイル本体部から引き出されるコイル引出線を有し、前記コイル引出線は、前記圧接部の内側を径方向に通され、前記圧接部に圧入される、(8)に記載のモータ。
(10) 前記接続部は、板面が径方向を向く板状であり、前記保持穴の径方向の寸法は、前記接続部の径方向の寸法よりも大きい、(9)に記載のモータ。
(11) 前記端子保持部は、軸方向一方側から軸方向他方側に窪み、前記保持穴を径方向に横切る溝部を有し、径方向に見て、前記圧接部は、前記溝部と重なり、前記コイル引出線は、前記溝部の内側を通される、(9)または(10)に記載のモータ。
(12) 前記端子保持部は、互いに周方向に隣り合う前記コイル本体部同士の間に配置される、(8)から(11)のいずれか一項に記載のモータ。
(13) 前記端子保持部材は、径方向に窪む切欠部を有する、(1)から(12)のいずれか一項に記載のモータ。
(14) (1)から(13)のいずれか一項に記載のモータと、前記ロータに接続されるポンプ機構部と、を備える、ポンプ。
【符号の説明】
【0106】
1,201,301…ポンプ、2,202,302…モータ、3…モータ部、11,311…モータハウジング、15,215,315…端子保持部材、16,216…本体部、16b…切欠部、17…端子保持部、17a…保持穴、17c…溝部、18,318…爪部、18a,318a…突出部、20…ロータ、30…ステータ、30a…取付凹部、31…ステータコア、32…絶縁部材、32b…支持面、33…コイル部、33a…コイル本体部、33c…コイル引出線、40…ポンプ機構部、50…接続端子、51…端子本体部、52…接続部、52a…圧接部、52d,52e…第1圧入部、70…回路基板、311j…取付凹部、J…中心軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14