(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095316
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】系統連系装置
(51)【国際特許分類】
H02H 9/02 20060101AFI20240703BHJP
H02J 3/04 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
H02H9/02 D
H02J3/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022212516
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000003942
【氏名又は名称】日新電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】福田 有貴
(72)【発明者】
【氏名】河崎 吉則
【テーマコード(参考)】
5G013
5G066
【Fターム(参考)】
5G013AA01
5G013BA01
5G013CA05
5G066AD01
(57)【要約】
【課題】安価でコンパクトな系統連系装置を実現する。
【解決手段】商用電源系統(20)と重要負荷系統(30)との間に介在され、両系統を相互に連系させる系統連系装置(10a)において、両系統の各相連系端子間に接続される2つの交流端子を接続する接続部(C1、C2)と、接続部のうち、いずれか一方には、一対の第1ダイオード(12、14)が接続され、いずれか他方には、一対の第2ダイオード(16、17)が接続されて構成される単相整流回路と、第1ダイオードと第2ダイオードとの各接続点に接続される直流リアクトル(15)と、を備え、接続部、単相整流回路および直流リアクトルに流れる電流の経路において、直列に少なくとも1つの機械式スイッチ(11、13)をさらに備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの電力系統間を接続し、両系統を相互に連系させる系統連系装置において、
両系統の各相連系端子にそれぞれ接続される2つの接続部と、
前記2つの接続部のうち、一方には、一対の第1ダイオードが接続され、他方には、一対の第2ダイオードが接続されて構成される単相整流回路と、
前記第1ダイオードと前記第2ダイオードとの各接続点である2つの直流端子間に接続される直流リアクトルと、を備え、
前記接続部、前記単相整流回路および前記直流リアクトルに流れる電流の経路において、直列に少なくとも1つの機械式スイッチをさらに備える、系統連系装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの機械式スイッチは、前記単相整流回路における前記2つの電力系統の一方側に向かって電流が流れる経路に配置された第1機械式スイッチと、他方側に向かって電流が流れる経路に配置された第2機械式スイッチとを含む、請求項1に記載の系統連系装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの機械式スイッチは、前記直流リアクトルに対して直列に接続されている、請求項1に記載の系統連系装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの機械式スイッチは、前記単相整流回路より一方の前記電力系統側において、前記接続部に対して直列に接続されている、請求項1に記載の系統連系装置。
【請求項5】
前記機械式スイッチは、前記電力系統において開動作開始から遅くとも3/4サイクルで遮断する、請求項1から4のいずれか1項に記載の系統連系装置。
【請求項6】
制御部をさらに備え、
前記制御部は、両系統のいずれか一方の電圧が低下した場合に、前記機械式スイッチを遮断する、請求項1から4のいずれか1項に記載の系統連系装置。
【請求項7】
前記機械式スイッチに対し、並列に半導体スイッチをさらに備える、請求項1から4のいずれか1項に記載の系統連系装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は系統連系装置に関する。
【背景技術】
【0002】
工場・病院などでは、発電機を有しており、商用系統電源が瞬時電圧低下または瞬時停電が発生した場合に、電圧変動があってはいけない重要負荷のための電源として、発電機の電力を一時的に割り当てることがある。このように電源系統が変わっても動作させるために、商用系統電源と発電機の電源とは系統連系している。
【0003】
商用電源系統において、瞬時電圧低下または瞬時停電が発生すると、系統連系しているために、発電機側の系統(重要負荷系統)から、商用電源系統に電力が供給されることになり、発電機が過負荷になることがある。
【0004】
そのため、系統連系装置には、限流するための保護装置を設けることが一般的である。
図7は、従来の電源系統100の一例を示す回路図である。
図7に示すように、商用電源である商用電源系統20は、保護器22で保護された商用電源21に対し、トランス23で変圧され、再度保護器24で保護されている。また、電源を遮断できない重要な負荷が接続される系統である重要負荷系統30に接続された発電機31は、保護器32で保護されている。
【0005】
商用電源系統20と重要負荷系統30とは、系統連系装置10で相互に連系している(接続されている)。系統連系装置10は、遮断器41によって系統連系を遮断することができるようになっている。系統連系装置10としては、交流をサイリスタ18および19とダイオード16および17とを用いて整流し、その電流の経路において直流リアクトル15を配置した回路が知られている。このような回路では、商用系統電源20において、瞬時電圧低下または瞬時停電が発生した場合でも、直流リアクトル15による、電流保存作用によって、系統連系装置10を流れる電流を制限する、すなわち限流することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述のような従来技術は、サイリスタ18および19が半導体素子であるために、通電損失が発生する。また、サイリスタ18および19はサイズが大きく、コストが高い部品である。そのため、導入ハードルが高い欠点がある。
【0008】
本発明の一態様は、安価でコンパクトな系統連系装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る系統連系装置は、2つの電力系統間に介在され、両系統を相互に連系させる系統連系装置において、両系統の各相連系端子間に接続される2つの交流端子を接続する接続部と、前記接続部のうち、いずれか一方には、一対の第1ダイオードが接続され、いずれか他方には、一対の第2ダイオードが接続されて構成される単相整流回路と、前記第1ダイオードと前記第2ダイオードとの各接続点である2つの直流端子間に接続される直流リアクトルと、を備え、前記接続部、前記単相整流回路および前記直流リアクトルに流れる電流の経路において、直列に少なくとも1つの機械式スイッチをさらに備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、通電損失が少ない系統連系装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】実施形態に係る電源系統における各部の状態を示すグラフである。
【
図3】変形例の一例に係る電源系統の回路図である。
【
図4】変形例の別の例に係る電源系統の回路図である。
【
図5】変形例のさらに別の例に係る電源系統の回路図である。
【
図6】半導体スイッチを機械式スイッチに並列に接続した場合の電源系統の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
〔実施形態〕
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0013】
(構成)
図1は、実施形態1に係る電源系統1aの回路図である。電源系統1aでは、電源系統100と異なり、系統連系装置10の代わりに、系統連系装置10aを備える。系統連系装置10aは、商用電源系統20と重要負荷系統30との間を接続し、両系統を相互に連系させる。系統連系装置10aは、両系統の各相連系端子42および43にそれぞれ接続される2つの接続部C1およびC2を備える。接続部C1は、遮断器41に接続している。接続部C2は、重要負荷系統30に接続している。相連系端子42は、商用電源系統20と系統連系装置10aとの接続点であり、相連系端子43は、重要負荷系統30と系統連系装置10aとの接続点である。
【0014】
接続部C1には、機械式スイッチ11および第1ダイオード12による直列回路と、機械式スイッチ13および第1ダイオード14による直列回路とが接続される。第1ダイオード12のアノードが、機械式スイッチ11を介して、接続部C1に接続される。第1ダイオード14のカソードが、機械式スイッチ13を介して、接続部C1に接続される。
【0015】
接続部C2には、第2ダイオード16、および第2ダイオード17が接続される。第2ダイオード16のアノードが、接続部C2に接続される。第2ダイオード17のカソードが接続部C2に接続される。
【0016】
第1ダイオード12および第2ダイオード16は、互いに極性が逆となるように接続される(直流端子C3に対してそれぞれのカソードが接続される)。第1ダイオード14および第2ダイオード17は、互いに極性が逆となるように接続される(直流端子C4に対してそれぞれのアノードが接続される)。
【0017】
接続部C1およびC2は入れ替わってもよい。すなわち、系統連系装置10aは、接続部C1およびC2のうち、一方には、一対の第1ダイオード12および14が接続され、他方には、一対の第2ダイオード16および17が接続されて構成される単相整流回路(ダイオードブリッジ回路)を有する。
【0018】
また、系統連系装置10aは、第1ダイオード12および14と第2ダイオード16および17との各接続点である2つの直流端子間に、直流リアクトル15を備える。
【0019】
さらに、系統連系装置10aは、制御部(図示省略)を備えてもよい。制御部は、系統連系装置10aの各部を統括的に制御する。すなわち、制御部は、商用電源系統20の電圧、または重要負荷系統30の電圧が低下した場合に、機械式スイッチ11および13を遮断する。なお、正常時には、機械式スイッチ11および13は閉の状態である。
【0020】
(機械式スイッチ)
機械式スイッチ11および13としては、例えば、VCB(Vacuum Circuit Breaker:真空遮断器)およびGIS(Gas Insulated Switchgear:ガス絶縁開閉装置)などが挙げられる。
【0021】
機械式スイッチ11および13は、高速に電流を遮断可能なスイッチであり、遮断信号でもって開動作を開始してから、商用電源の遅くとも3/4サイクルでもって遮断することができる。これは、VCBまたはGISなどの方式を採用することにより、アークの消弧が高速な点に加えて、構造上、速く接点を開閉できるようになっているためである。
(整流作用)
電源系統1aにおいて、商用電源系統20から重要負荷系統30に向かって電流が流れる場合、単相整流回路には、接続部C1、機械式スイッチ11、第1ダイオード12、直流端子C3、直流リアクトル15、直流端子C4、第2ダイオード17、接続部C2の順に電流が流れる。また、重要負荷系統30から商用電源系統20に向かって電流が流れる場合、単相整流回路には、接続部C2、第2ダイオード16、直流端子C3、直流リアクトル15、直流端子C4、第1ダイオード14、機械式スイッチ13、接続部C1の順に電流が流れる。
【0022】
そのため、直流リアクトル15には、
図1において第1ダイオード12と第2ダイオード16との接続点(直流端子C3)から第1ダイオード14と第2ダイオード17との接続点(直流端子C4)に向かって電流が流れることになる。この電流の流れる向きは一定である。
【0023】
(限流作用)
図2は、実施形態1に係る電源系統1aにおける各部の状態を示すグラフである。
図2には、商用電源系統20の電圧と、系統連系装置10aを流れる電流と、重要負荷系統30の電圧と、発電機31のトルクとの時間変化が示されている。なお、実線は、系統連系装置10aを用いた場合を示し、破線は仮に系統連系装置10aを用いずに商用電源系統20と重要負荷系統30とを系統連系した場合を示す。
【0024】
図2において、期間ΔTにおいて、商用電源系統20において瞬時電圧低下が発生している。そのため、商用電源系統20の電圧は期間ΔTの間低下している。この時、自然と、重要負荷系統30から商用電源系統20に向かって電流が流れだし、商用電源系統20の電圧低下を抑えようと働く。そのため、重要負荷系統30から商用電源系統20に向かっての電流(連系電流)は、系統連系装置10aがない場合、破線のように急激に増加する。ここで、系統連系装置10aにおける直流リアクトル15の電流保存作用によって、連系電流の変化は、破線から実線のようになる。すなわち、系統連系装置10aは、連系電流を限流することができる。
【0025】
また、重要負荷系統30から流れ出す電流を直流リアクトル15が抑制するために、重要負荷系統30の電圧変動を破線から実線へと抑えることができる。さらに、発電機31のトルクも系統連系装置10aがない場合、破線のように急上昇していたはずが、実線のように若干の上昇までで抑えることができる。そのため、発電機31に対して過負荷を与えることを防ぐことができる。
【0026】
さらに、系統連系装置10aは、制御部(図示省略)を備え、連系電流、商用電源系統20の電圧および重要負荷系統30の電圧でもって、瞬時電圧低下または瞬時停電を判断する。制御部は、瞬時電圧低下または瞬時停電を検出した場合に、機械式スイッチ11および13を遮断する。これは、重要負荷系統30に対し、商用電源系統20が影響を及ぼすことを防ぐことを目的とする。そのため、瞬時電圧低下または瞬時停電が発生すると、連系電流は0となる。
【0027】
(電力損失)
特許文献1では、系統連系装置10のスイッチングのために、サイリスタ18および19を用いたが、実施形態1では、系統連系装置10aのスイッチングのために、機械式スイッチ11および13を用いた。そのため、スイッチング素子が半導体素子から機械式スイッチに変わる。さらに、サイリスタの整流作用に代えてダイオードによる整流作用を用いる。そのため、ダイオードはサイリスタよりは電力損失が小さいため、電力損失を低減することができる。
(コスト・サイズ)
また、大電流を流せるサイリスタは、同様の定格を有する機械式スイッチおよびダイオードよりも高価である。さらに、同様の定格を有するサイリスタと機械式スイッチおよびダイオードとのサイズを比較すると、機械式スイッチはサイリスタの1/3程の大きさで済む。すなわち、実施形態1に係る系統連系装置10aの方は、特許文献1に係る系統連系装置10に対し、安価でコンパクトである。
【0028】
〔変形例〕
(機械式スイッチの配置)
図3は、変形例の一例に係る電源系統1bの回路図である。
図3では、系統連系装置10bを構成する機械式スイッチ11および13の位置が、系統連系装置10aと異なる位置に位置する。
【0029】
機械式スイッチ11および13は、単相整流回路における直流リアクトル15よりも上流側に位置する。すなわち、機械式スイッチ11および13は、単相整流回路を構成する第1ダイオード12および14ならびに第2ダイオード16および17によるブリッジ回路の上半分に位置する。この場合でも、系統連系装置10bは、系統連系装置10aと同様の効果を得ることができる。また、機械式スイッチ11および13の位置は、単相整流回路における直流リアクトル15に対して下流側(
図3において、単相整流回路のブリッジにおける下半分)に位置してもよい。
【0030】
実施形態および
図3の変形例では、機械式スイッチ11は単相整流回路における重要負荷系統30に向かって電流が流れる経路に配置されていればよく、位置の制限はない。同様に、機械式スイッチ13は商用電源系統20に向かって電流が流れる経路に配置されていればよく、位置の制限はない。
【0031】
図4は、変形例の別の例に係る電源系統1cの回路図である。
図4では、系統連系装置10cには機械式スイッチ11のみしかなく、機械式スイッチ13を有しない。また、機械式スイッチ11の位置が、系統連系装置10aと異なっている。
【0032】
機械式スイッチ11は、接続部C1と遮断器41との間に接続されている。この場合でも、系統連系装置10cは、系統連系装置10aと同様の効果を得ることができる。また、機械式スイッチ11は、接続部C2と重要負荷系統30との間に接続されてもよい。
【0033】
図4の変形例において、機械式スイッチ11が位置する電力系統はいずれでもよい。つまり、機械式スイッチ11は単相整流回路より商用電源系統20または重要負荷系統30のうち一方側において、接続部C1またはC2に対して直列に接続されていればよい。
【0034】
なお、遮断器41は、瞬時停電ではなく停電が発生した場合に、復電時に意図しないタイミングで突入電流が流れ二次災害が起きることを予防するために、意図的に開の状態にしておく遮断器である。そのため、遮断器41は、機械式スイッチ11(および13)よりも動作速度が遅い。また、遮断器41の遮断は自動で行ってもよいが、閉の状態に戻すためには、ユーザの判断が必要となる。
【0035】
図5は、変形例のさらに別の例に係る電源系統1dの回路図である。
図5では、系統連系装置10dには機械式スイッチ11のみしかなく、機械式スイッチ13を有しない。また、機械式スイッチ11の位置が、系統連系装置10aと異なっている。
【0036】
機械式スイッチ11は、直流リアクトル15に対し直列に接続されている。この場合でも、系統連系装置10dは、系統連系装置10aと同様の効果を得ることができる。
【0037】
すなわち、機械式スイッチ11(および13)は、接続部C1およびC2、単相整流回路、ならびに直流リアクトル15に流れる電流の経路において、直列に少なくとも1つの機械式スイッチを備えればよい。当該機械式スイッチ11(および13)を、商用電源系統20における瞬時電圧低下または瞬時停電の発生時に遮断することによって、商用電源系統20の影響を、重要負荷系統30に与えることを防ぐことができる。
【0038】
(機械式スイッチの構造)
図6は、半導体スイッチ11aおよび13aを機械式スイッチ11および13に並列に接続した場合の電源系統1eの回路図である。
図6では、機械式スイッチ11および13に対して、並列に半導体スイッチ11aおよび13aを設けている。この場合、通常時の通電は機械式スイッチ11および13を通して導通するが、遮断する必要がある場合に、半導体スイッチ11aおよび13aをオンにし、半導体スイッチ11aまたは13aに転流したうえで、機械式スイッチをオフにする。その後、半導体スイッチ11aおよび13aをオフにすることで、アークレスで電流を遮断することができるため、高速に動作しえない機械式スイッチであっても、高速に電流を遮断することができる。すなわち、遅くとも3/4サイクルで機械式スイッチ11および13ならびに半導体スイッチ11aおよび13aを遮断することができる。
【0039】
〔まとめ〕
【0040】
上記の課題を解決するために、本発明の態様1に係る系統連系装置は、2つの電力系統間を接続し、両系統を相互に連系させる系統連系装置において、両系統の各相連系端子にそれぞれ接続される2つの接続部と、前記2つの接続部のうち、一方には、一対の第1ダイオードが接続され、他方には、一対の第2ダイオードが接続されて構成される単相整流回路と、前記第1ダイオードと前記第2ダイオードとの各接続点である2つの直流端子間に接続される直流リアクトルと、を備え、前記接続部、前記単相整流回路および前記直流リアクトルに流れる電流の経路において、直列に少なくとも1つの機械式スイッチをさらに備える。
【0041】
上記の構成によれば、安価でコンパクトな系統連系装置を実現することができる。
【0042】
本発明の態様2に係る系統連系装置は、上記態様1において、前記少なくとも1つの機械式スイッチは、前記単相整流回路における前記2つの電力系統の一方側に向かって電流が流れる経路に配置された第1機械式スイッチと、他方側に向かって電流が流れる経路に配置された第2機械式スイッチとを含んでもよい。
【0043】
上記の構成によれば、2つの機械式スイッチによって、系統の連系を遮断することができる。
【0044】
本発明の態様3に係る系統連系装置は、上記態様1において、前記少なくとも1つの機械式スイッチは、前記直流リアクトルに対して直列に接続されてもよい。
【0045】
上記の構成によれば、1つの機械式スイッチによって、系統の連系を遮断することができる。
【0046】
本発明の態様4に係る系統連系装置は、上記態様1において、前記少なくとも1つの機械式スイッチは、前記単相整流回路より一方の前記電力系統側において、前記接続部に対して直列に接続されてもよい。
【0047】
上記の構成によれば、1つの機械式スイッチによって、系統の連系を遮断することができる。
【0048】
本発明の態様5に係る系統連系装置は、上記態様1から4のいずれかにおいて、前記機械式スイッチは、前記電力系統において遅くとも3/4サイクルで遮断してもよい。
【0049】
上記の構成によれば、高速に機械式スイッチによって遮断することができるため、電力系統間での連系を、影響が少ない範囲で遮断することができる。
【0050】
本発明の態様6に係る系統連系装置は、上記態様1から5のいずれかにおいて、制御部をさらに備え、前記制御部は、両系統のいずれか一方の電圧が低下した場合に、前記機械式スイッチを遮断してもよい。
【0051】
上記の構成によれば、機械式スイッチによって、電力系統間での連系を遮断することができるため、両系統間での影響を排除することができる。
【0052】
本発明の態様7に係る系統連系装置は、上記態様1から6のいずれかにおいて、前記機械式スイッチに対し、並列に半導体スイッチをさらに備えてもよい。
【0053】
上記の構成によれば、機械式スイッチから半導体スイッチに電流を転流させることによって、高速にかつアークレスで機械式スイッチを遮断することができるようになる。
【0054】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0055】
1a、1b、1c、1d、1e、100 電源系統
10、10a、10b、10c、10d 系統連系装置
11、13 機械式スイッチ
11a、13a 半導体スイッチ
12、14 第1ダイオード
15 直流リアクトル
16、17 第2ダイオード
18、19 サイリスタ
20 商用電源系統
30 重要負荷系統
42、43 相連系端子
C1、C2 接続部
C3、C4 直流端子