(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095335
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】接続端子、およびその接続端子を用いる接続方法
(51)【国際特許分類】
H01R 12/55 20110101AFI20240703BHJP
H01R 4/58 20060101ALI20240703BHJP
H01R 43/02 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
H01R12/55
H01R4/58 B
H01R43/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022212550
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】510123839
【氏名又は名称】ニデックモビリティ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100155712
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 尚
(72)【発明者】
【氏名】笹木 哲
(72)【発明者】
【氏名】西川 聡
(72)【発明者】
【氏名】林 和輝
(72)【発明者】
【氏名】藤本 明宏
(72)【発明者】
【氏名】田中 一也
【テーマコード(参考)】
5E051
5E223
【Fターム(参考)】
5E051KA06
5E051KB05
5E223AC21
5E223AC23
5E223BA27
5E223BB01
5E223CB22
5E223CB31
5E223CD01
5E223DB09
5E223DB11
(57)【要約】
【課題】自立する接続端子を提供する。
【解決手段】両端が電気的に接続された接続端子(1A)であって、その接続端子の一端に配置された第1端子部(10)と、他端に配置された第2端子部(11)と、を備え、接続端子の重心(G1)が、第1端子部と第2端子部との間に位置する、接続端子の釣り合いの支点(P1)より下方に位置する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端が電気的に接続された接続端子であって、
前記接続端子の一端に配置された第1端子部と、
前記接続端子の他端に配置された第2端子部と、を備え、
前記接続端子の重心が、前記第1端子部と前記第2端子部との間に位置する、前記接続端子の釣り合いの支点より下方に位置することを特徴とする接続端子。
【請求項2】
前記第1端子部および前記第2端子部のうち少なくとも一方は、基板に融解接合される端子であることを特徴とする請求項1に記載の接続端子。
【請求項3】
前記第1端子部および前記第2端子部のうち少なくとも一方は、上方向に突出する重心位置調整部を有することを特徴とする請求項1に記載の接続端子。
【請求項4】
前記第1端子部が前記接続端子の載置面に融解接合され、
前記接続端子は、
前記第2端子部が接続対象物に接続されるときに前記第1端子部に加えられる、前記第1端子部と前記第2端子部とを結ぶ第1方向への応力を吸収する第1応力吸収部と、
前記第2端子部が接続対象物に接続されるときに前記第1端子部に加えられる、前記第1方向と交差する第2方向への応力を吸収する第2応力吸収部と、を有することを特徴とする請求項1に記載の接続端子。
【請求項5】
前記第2応力吸収部は、前記載置面に設けられた開口に挿入可能な係止部と、前記接続端子の前記支点から前記係止部に向けて延びる腕部とを有することを特徴とする請求項4に記載の接続端子。
【請求項6】
前記係止部は、前記腕部から突出しており、先端に向けて幅が減少するテーパ部を有することを特徴とする請求項5に記載の接続端子。
【請求項7】
請求項5または6に記載の接続端子の前記係止部を前記開口に挿入する位置決めステップと、
前記位置決めステップで前記係止部が前記開口に挿入された前記接続端子の前記第1端子部および前記第2端子部の一方を、半田付けにより第1接続対象に接続する半田付けステップと、
を備えることを特徴とする接続方法。
【請求項8】
前記第1端子部および前記第2端子部のうち、前記半田付けステップで半田付けされなかった方を第2接続対象に締結する締結ステップを備えることを特徴とする請求項7に記載の接続方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、接続端子、およびその接続端子を用いる接続方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、内側筐体にネジで締結され、電気基板に半田付けされる金属製の保持部材が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、基板等の第1接続対象に接続端子を実装した後に、その接続端子に第2接続対象を固定し、第1接続対象と第2接続対象とを電気的に接続する場合に、接続端子が自立せず、第1接続対象への実装前に接続端子が脱落する等の不具合が生じることがある。このような不具合を防ぐために、固定前の接続端子を保持する等の対策を講じる必要が生じ、第1接続対象および第2接続対象の設計が制限されることがある。
【0005】
本開示の一態様は、第1接続対象に配置されたときに自立する接続端子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る接続端子は、両端が電気的に接続された接続端子であって、前記接続端子の一端に配置された第1端子部と、前記接続端子の他端に配置された第2端子部と、を備え、前記接続端子の重心が、前記第1端子部と前記第2端子部との間に位置する、前記接続端子の釣り合いの支点より下方に位置する。
【0007】
上記構成によれば、接続端子の重心が支点よりも下方に位置するため、接続端子は、ヤジロベエのように釣り合いが取れ、自立させることができる。
【0008】
また、本開示の一態様に係る接続端子では、前記第1端子部および前記第2端子部のうち少なくとも一方は、基板に融解接合される端子である。ここで融解接合とは、半田付け、ロウ付け、溶接、導電性接着剤による接合などを含む。
【0009】
上記構成によれば、融解接合用の接続端子を配置したときに接続端子が安定しているため、半田不良等の融解接合の不具合の発生を低減することができる。
【0010】
また、本開示の一態様に係る接続端子では、前記第1端子部および前記第2端子部のうち少なくとも一方は、上方向に突出する重心位置調整部を有する。
【0011】
上記構成によれば、接続端子が自立する程度に接続端子の重心位置が支点から離れた位置に配置されるように設計することができる。
【0012】
また、本開示の一態様に係る接続端子では、前記第1端子部が前記接続端子の載置面に融解接合され、前記接続端子は、前記第2端子部が接続対象物に接続されるときに前記第1端子部に加えられる、前記第1端子部と前記第2端子部とを結ぶ第1方向への応力を吸収する第1応力吸収部と、前記第2端子部が接続対象物に接続されるときに前記第1端子部に加えられる、前記第1方向と交差する第2方向への応力を吸収する第2応力吸収部と、を有する。
【0013】
上記構成によれば、接続端子は、第1応力吸収部と第2応力吸収部とを有し、第1端子部が載置面に融解接合された後に、第2端子部が接続対象物に接続されるときに第1端子部に加えられる応力が吸収されるため、融解接合の長期信頼性を向上させることができる。
【0014】
また、本開示の一態様に係る接続端子では、前記第2応力吸収部は、前記載置面に設けられた開口に挿入可能な係止部と、前記接続端子の前記支点から前記係止部に向けて延びる腕部とを有する。
【0015】
上記構成によれば、接続端子を配置する位置を決定することができる。
【0016】
また、本開示の一態様に係る接続端子では、前記係止部は、前記腕部から突出しており、先端に向けて幅が減少するテーパ部を有する。
【0017】
上記構成によれば、係止部が先端に向けて幅が減少するテーパ部を有するため、係止部を容易に載置面の開口に挿入することができる。
【0018】
上記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る接続方法は、上記態様の接続端子の前記係止部を前記開口に挿入する位置決めステップと、前記位置決めステップで前記係止部が前記開口に挿入された前記接続端子の前記第1端子部および前記第2端子部の一方を、半田付けにより第1接続対象に接続する半田付けステップと、を備える。
【0019】
上記構成によれば、接続端子の重心が支点よりも下方に位置するため、接続端子は、ヤジロベエのように釣り合いが取れており自立するため、位置決めステップの後に半田付けステップを行う際に、接続端子が脱落する不具合が生じにくい。
【0020】
また、本開示の一態様に係る接続方法では、前記第1端子部および前記第2端子部のうち、前記半田付けステップで半田付けされなかった方を第2接続対象に締結する締結ステップを備える。
【0021】
上記構成によれば、第1端子部および第2端子部の一方が載置面に半田付けされた後に、他方が接続対象物に接続されるときに、半田付けされた側に加えられる応力が吸収されるため、半田付けの長期信頼性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0022】
本開示の一態様によれば、第1接続対象に配置されたときに接続端子を自立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本開示の一実施形態に係る接続端子の斜視図である。
【
図2】本開示の一実施形態に係る接続端子が基板に配置された状態を示す図である。
【
図4】本開示の一実施形態に係る接続端子が固定される接続対象物の一例を示す図である。
【
図5】本開示の一実施形態に係る接続端子に対する比較例を示す図である。
【
図6】本開示の一実施形態に係る接続端子を用いて、基板と接続対象物との間を接続するステップを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本開示の一実施形態について、詳細に説明する。
図1は、本開示の一実施形態に係る接続端子1の斜視図である。接続端子1は、第1端子部10と、第2端子部11と、支持部14とを備える。以下、
図1の矢印で示されるように、接続端子1のX軸方向、Y軸方向、およびZ軸方向を定義する。
【0025】
接続端子1は、金属等の導体材料の板材に対して曲げ加工等を施して形成されている。接続端子1には、X軸方向に沿って、第1端子部10、支持部14、第2端子部11が記載順に配置されており、第1端子部10と第2端子部11との間を電気的に接続する。第1端子部10は、接続端子1の一端に配置されており、リフロー半田等により基板のパターン配線等に接続される。第2端子部11は、接続端子1の他端に配置されており、ネジ穴12を有する。第2端子部11は、ネジ穴12にネジ、ボルト等の締結部材が挿入され、接続対象物に固定される。
【0026】
接続端子1の第1端子部10には、所定端がZ軸方向に曲折されることにより、重心位置調整部13が形成されている。
図1では、接続端子1の第1端子部10の端部のうち、支持部14と接続されている辺と対向する端部が曲折されることにより、第1端子部10から重心位置調整部13が突出するように形成されている。以下では、第1端子部10から重心位置調整部13が突出する側に位置する第1端子部10の面をおもて面、そのおもて面に対向する面を裏面と呼ぶ。第1端子部10の裏面は、基板のパターン配線等に半田付けされる面である。また、以下では、第1端子部10のおもて面が向く方向をZ軸方向上方、裏面が向く方向をZ軸方向下方と呼ぶ。例えば、重心位置調整部13は、第1端子部10のおもて面からZ軸方向上方に突出している。
【0027】
支持部14は、第1端子部10よりもZ軸方向上方の位置に上面部14Aを有している。支持部14は、上面部14AからY軸方向に沿って延びる腕部15Aおよび15Bを有している。腕部15Aは、上面部14AからY軸方向に所定距離離れた位置でZ軸方向下方に曲折しており、その先端に係止部16Aが設けられている。腕部15Bは、上面部14Aを挟んで腕部15Aと対向する位置に設けられている。腕部15Bは、Y軸方向に所定距離離れた位置でZ軸方向下方に曲折しており、その先端に係止部16Bが設けられている。係止部16Aおよび16Bは、その先端に向けて幅が減少するテーパ部19を有しており、テーパ部19の先端のテーパ角が90度未満となっている。
【0028】
支持部14は、第2端子部11と対向する上面部14Aの辺からZ軸方向下方に延在する第1面17と、第1端子部10と対向する上面部14Aの辺からZ軸方向下方に延在する第2面18とを有している。第2端子部11は、第1面17、上面部14Aおよび第2面18を介して第1端子部10に電気的に接続されている。
【0029】
接続端子1の第2端子部11の位置および形状は、接続対象物の形状等に合わせて決定される。例えば、接続端子1は、接続対象物のネジ穴に合わせて、第2端子部11におけるネジ穴12の中心位置および穴径と、上面部14Aから延びる第1面17の長さとを決定することで、接続端子1の第2端子部11の位置および形状を決定する。
【0030】
図2を用いて接続端子1による電気的接続について説明する。
図2は、接続端子1の一例である接続端子1Aが基板20に配置された状態を示す斜視図である。基板20は、集積回路等の部品が載置面20Aにパターン配線21を有する。パターン配線21は、集積回路等の下に設けられるグランド配線や、基板20の各部に電源を供給するための電源配線である。基板20は、載置面20Aに開口22Aおよび22Bを有する。接続端子1Aは、基板20の載置面20Aの実装位置への位置決めのために、係止部16Aおよび16Bが基板20の開口22Aおよび22Bにそれぞれ挿入される。基板20は、接続端子1Aの係止部16Aおよび16Bがそれぞれ基板20の開口22Aおよび22Bに挿入されたとき、第1端子部10の裏面が基板20のパターン配線21の上に位置するように設計されている。接続端子1Aの係止部16Aおよび16Bは、例えば、スルーホールリフロー等で基板20に半田付けすることにしてもよい。
【0031】
図3は、
図2のA-A断面を示す図である。
図3に示すように、接続端子1Aは、第1端子部10の裏面が基板20のパターン配線21の上に配置されたときに、第2端子部11が基板20の載置面20AよりもZ軸方向下方に位置するように設計されている。第2端子部11の位置は、第2端子部11に固定される接続対象物のネジ締め部の設計に合わせて設計される。
【0032】
図4は、接続対象物30のネジ締め部31の一例を示す図である。接続対象物30はネジ締め部31が突出しており、その突出量は基板20の厚さよりも短い。接続端子1Aは、上面部14Aから延びる第1面17の長さが、第1端子部10を基板20のパターン配線21の上に配置したときに第2端子部11がネジ締め部31に接触する長さに定められている。
【0033】
接続端子1Aは、
図3に示すように、第1端子部10の裏面が基板20のパターン配線21の上に配置された状態でも、第2端子部11側に傾いて脱落しないように設計されている。具体的には、接続端子1Aは、釣り合いの支点P1が上面部14Aに位置し、重心G1が支点P1よりもZ軸方向下方の充分離れた位置となるように設計されている。支点P1は、第1端子部10と第2端子部11との間の中間の位置に配置される。重心G1と支点P1との間の距離は、第2面18の長さ、すなわち第1端子部10を基準とした上面部14AのZ軸方向の高さを用いて接続端子1Aの設計段階に調節されている。
【0034】
支点P1および重心G1のX軸方向に沿った位置は、第1端子部10から延びる重心位置調整部13の長さ等によって接続端子1Aの設計段階に調整される。支点P1および重心G1のY軸方向に沿った位置は、腕部15Aおよび15Bのそれぞれの長さ等によって接続端子1Aの設計段階に調整される。
【0035】
図5に示す比較例を用いて、接続端子1Aの重心を支点よりもZ軸方向下方に位置させる利点について説明する。
図5には、平板形状の接続端子40が比較例として示されている。接続端子40は、支点P2と重心G2とがほぼ同じ高さに位置する。そのため、接続端子40の一端を基板20のパターン配線21に半田付けする際、上段
図501に示すように、ネジ穴41を有する他端を保持部20Bなどで支えていないと接続端子40が脱落してしまう。ネジ穴41を有する端部を保持部20Bなどで保持する必要があるため、ネジ穴41を基板20の載置面20Aよりも下方に設けることが難しい。また、接続端子40のネジ穴41に接続対象を締結するためには、
図5の中段
図502のように、保持部20Bをネジ穴41の下方から取り除く工程が必要となり、工程数が嵩む。
【0036】
図5の下段
図503では、接続端子40のネジ穴41に接続対象物50のネジ締め部51を当接させている。ネジ穴41が基板20の載置面20Aよりも上方に位置するため、ネジ締め部51をネジ穴41に当接させるためには、ネジ締め部51を基板20の厚み以上に接続対象物50から突出させる必要があり、接続対象物50の設計の自由度が制限される。
【0037】
一方、
図3に示す接続端子1Aは、第1端子部10を基板20のパターン配線21の上に配置した際に、脱落しないように設計することができる。具体的には、最初に、接続対象物30のおもて面に突出するネジ締め部31に合わせて、第1面17Aの寸法、ならびに第2端子部11上におけるネジ穴12の位置および穴径を決定する。次に、第1端子部10から延びる重心位置調整部13の長さ、ならびに上面部14Aから延びる第1面17、第2面18、腕部15Aおよび腕部15Bの長さを調整することで、接続端子1Aの重心位置を調整することができる。
【0038】
図6は、接続端子1Aを用いて、基板20と接続対象物30との間を電気的に接続するステップを示すフローチャートである。
【0039】
S100のステップでは、接続端子1Aの第1端子部10が基板20のパターン配線21の上に配置される。例えば、実装用吸着ノズルにより接続端子1Aの上面部14Aが吸着され、接続端子1Aがピックアップされる。次に、第1端子部10が基板20のパターン配線21の上に位置するように接続端子1Aが搬送される。例えば、接続端子1の係止部16Aおよび16Bが開口22Aおよび22Bへ挿入されることにより、接続端子1Aの第1端子部10が基板20のパターン配線21の上に位置決めされる。
S101のステップでは、リフロー半田等により、接続端子1Aの第1端子部10が基板20のパターン配線21に半田付けされる。
【0040】
S102のステップでは、接続端子1Aの第2端子部11が、接続対象物30のネジ締め部31に固定される。第2端子部11がネジ締め部31に固定されるとき、第1端子部10とパターン配線21との半田付け部に応力が加わることがある。支持部14は、第1応力吸収部の一例であり、上面部14A、第1面17Aおよび第2面18によるクランク形状により、半田付け部に加わる応力のうち、第1端子部10と第2端子部11とを結ぶ第1方向の成分、例えばX軸方向成分を吸収することができる。また、支持部14の上面部14Aから延びる腕部15Aおよび15Bは、第2応力吸収部の一例であり、半田付け部に加わる応力のうち、第1方向と交わる第2方向の成分、例えばY軸方向成分を吸収することができる。半田付け部に加わる応力のうち、第1方向および第2方向と交わる第3方向の成分、例えばZ軸方向成分については、支持部14のクランク形状、および、半田付けされた係止部16Aおよび16B等により吸収することができる。
【0041】
〔作用効果〕
本開示の一実施形態に係る接続端子1Aは、両端が電気的に接続される接続端子であって、その一端に配置された第1端子部10と、他端に配置された第2端子部11とを備える。接続端子1Aの重心G1が第1端子部10側と第2端子部11側との間に位置する、接続端子1Aの釣り合いの支点P1よりも下方に位置している。上記構成によれば、接続端子1Aの重心G1が支点P1よりも下方に位置するため、接続端子1Aは、ヤジロベエのように釣り合いが取れ、自立させることができる。
【0042】
本開示の一実施形態に係る接続端子1Aは、第1端子部10が半田付け用の端子である。上記構成によれば、半田付けのために接続端子1Aを配置したときに安定しているため、半田不良等の不具合の発生を低減することができる。
【0043】
本開示の一実施形態に係る接続端子1Aでは、第1端子部10は、第1端子部10から上方向に突出する重心位置調整部13を有する。上記構成によれば、接続端子1Aの重心G1の位置が、接続端子1Aが自立する程度に支点P1から離れるように設計することができる。
【0044】
本開示の一実施形態に係る接続端子1Aは、第1端子部10が接続端子1Aの載置面20Aに半田付けされる。接続端子1Aは、上面部14A、第1面17Aおよび第2面18によるクランク形状を有することにより、第2端子部11が接続対象物に接続されるときに第1端子部10に加えられる、第1端子部10と第2端子部11とを結ぶ第1方向への応力を吸収させることができる。また、接続端子1Aは、支持部14の上面部14Aから延びる腕部15Aおよび15Bを有することにより、第1方向と交差する第2方向への応力を吸収させることができる。そのため、第1端子部10が載置面20Aに半田付けされた後に、第2端子部11が接続対象物に接続されるときに第1端子部10に加えられる応力が吸収されるため、半田付けの長期信頼性を向上させることができる。
【0045】
本開示の一実施形態に係る接続端子1Aは、載置面20Aに設けられた開口22Aおよび22Bに挿入可能な係止部16Aおよび16Bと、支点P1が位置する上面部14Aから係止部16Aおよび16Bに向けて延びる腕部15Aおよび15Bとを有する。上記構成によれば、接続端子1Aを配置する位置を決定することができる。
【0046】
本開示の一実施形態に係る接続端子1では、係止部16Aおよび16Bは、腕部15Aおよび15Bから突出しており、先端に向けて幅が減少するテーパ部19を有する。上記構成によれば、係止部16Aおよび16Bがテーパ部19を有するため、係止部16Aおよび16Bを容易に載置面20Aの開口22Aおよび22Bに挿入することができる。
【0047】
本開示の一実施形態に係る接続方法は、接続端子1の係止部16Aおよび16Bを開口22Aおよび22Bへ挿入する位置決めステップ(S100)と、位置決めステップで係止部16Aおよび16Bが開口22Aおよび22Bに挿入された接続端子1Aの第1端子部10および第2端子部11の一方を、半田付けにより基板20(第1接続対象)に接続する半田付けステップ(S101)と、を備える。上記構成によれば、接続端子1Aの重心G1が支点P1よりも下方に位置するため、接続端子1は、ヤジロベエのように釣り合いが取れており自立するため、位置決めステップの後に半田付けステップを行う際に、接続端子1が脱落する不具合が生じにくい。
【0048】
本開示の一実施形態に係る接続方法は、第1端子部10および第2端子部11のうち、半田付けステップ(S101)で半田付けされなかった方を第2接続対象に締結する締結ステップ(S102)を備える。上記構成によれば、第1端子部10および第2端子部11の一方が載置面20Aに半田付けされた後に、他方が接続対象物に接続されるときに、半田付けされた側に加えられる応力が吸収されるため、半田付けの長期信頼性を向上させることができる。
【0049】
〔変形例〕
上記実施形態では、接続端子1Aの第1端子部10が半田付けにより基板20のパターン配線21に固定され、第2端子部11がネジ、ボルト等の締結部材を用いて接続対象物30に固定されるものとした。しかし、接続端子1Aは、第1端子部10および第2端子部11の少なくとも一方が基板に融解接合されるものであればよい。ここで、融解接合とは、半田付け、ロウ付け、溶接、導電性接着剤による接合などを含むものである。例えば、第2端子部11が半田付けにより接続対象物30に固定される半田付け用端子であってもよい。また、第1端子部10および第2端子部11のうち一方が融解接合用の端子でない場合に、当該端子部を固定する方法はネジ等の締結部材だけに限定されない。例えば、当該端子部は、リベット等を用いた方法で接続対象物30に固定されるものとしてもよい。接続端子1Aは、第1端子部10および第2端子部11の両方が半田付け等の融解接合により固定される端子であってもよい。
【0050】
上記実施形態では、重心位置調整部13は、接続端子1の第1端子部10のうち、支持部14と接続されている辺と対向する端部がZ軸方向に曲折されることにより、形成されるものとした。しかし、重心位置調整部13を設ける第1端子部10の端部は、支持部14と接続されている辺と対向する端部だけに限定しない。例えば、第1端子部10の側辺部をZ軸方向に曲折させて形成することにしてもよい。また、第2端子部11に重心位置調整部13を設けてもよく、第1端子部10および第2端子部11の両方に重心位置調整部13を設けることにしてもよい。また、重心位置調整部13は、曲げ加工以外の方法で形成することにしてもよい。例えば、第1端子部10のおもて面に突起部を溶接することにしてもよい。
【0051】
上記実施形態では、支持部14の上面部14Aから腕部15Aおよび15BがY軸方向に沿って延びるものとした。しかし、支持部14の上面部14Aから延びる腕部15の数は、2つに限定されない。また、腕部15の数および形状は、第2端子部11の設計、基板20の設計等に合わせて変更される。
【0052】
本開示は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0053】
1、1A 接続端子
10 第1端子部
11 第2端子部
13 重心位置調整部
14 支持部
14A 上面部
15、15A、15B 腕部
16A、16B 係止部
19 テーパ部
20 基板
20A 載置面
22A、22B 開口
30 接続対象物
G1 重心
P1 支点