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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024009535
(43)【公開日】2024-01-23
(54)【発明の名称】基板処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/027 20060101AFI20240116BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
H01L21/30 569D
B05C11/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022111141
(22)【出願日】2022-07-11
(71)【出願人】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】秋岡 知輝
(72)【発明者】
【氏名】羽方 満之
(72)【発明者】
【氏名】芳川 典生
【テーマコード(参考)】
4F042
5F146
【Fターム(参考)】
4F042AA02
4F042BA11
4F042CA01
4F042CA07
4F042CB02
4F042CB20
4F042CC07
4F042CC30
4F042DF19
5F146LA11
5F146LA19
(57)【要約】
【課題】泡をタンクから除去しやすくする。
【解決手段】基板処理装置は、基板に対して処理液を用いた処理が行われる処理部と、処理液が貯留されるタンクと、第1端および第2端を有し、処理に用いられた後の処理液が第1端から第2端へと流れてタンクへ回収される経路として機能する第1配管と、第3端および第4端を有し、第2端から発生した泡が第3端から第4端へと流れる経路として機能する第2配管と、第4端へと洗浄液が供給される経路として機能する第3配管と、第3配管から供給された洗浄液が排出される機能を有する第4配管とを備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に対して処理液を用いた処理が行われる処理部と、
前記処理液が貯留されるタンクと、
第1端および第2端を有し、前記処理に用いられた後の前記処理液が前記第1端から前記第2端へと流れて前記タンクへ回収される経路として機能する第1配管と、
第3端および第4端を有し、前記第2端から発生した泡が前記第3端から前記第4端へと流れる経路として機能する第2配管と、
前記第4端から吐出される前記泡へと洗浄液が供給される経路として機能する第3配管と、
前記第3配管から供給された前記洗浄液が排出される機能を有する第4配管と
を備える、基板処理装置。
【請求項2】
前記第3配管は第5端を有し、
前記第5端は、前記第4端から吐出される前記泡へ前記第4端よりも上方から前記洗浄液を散布する散布器として機能する、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記第5端に対して前記第4端とは反対側に設けられ、前記第5端から前記第4端へ向かう方向とは反対側へ向かう排気の経路として機能する第6配管
を更に備える、請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記第4配管は、前記第4端から見て下方に位置し、かつ前記洗浄液の排出口として機能する第6端を有する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記第4配管は前記第4端の下方において鉛直に延び、前記洗浄液の流量は変化する、請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記第4端は下方へ屈曲する、請求項4に記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
基板に対して処理液を用いた処理が行われる技術が公知である。例えば下記の特許文献1,2は、ローラによって搬送される基板に対して処理液が供給される技術を開示する。
【0003】
例えば基板に対して、エッチングのマスクとなるレジストパターンが形成される。かかるレジストパターンは写真製版処理によって形成される。当該写真製版処理においては、フォトレジストを選択的に露光し、露光されたか否かによる区別を反映したレジストパターンが形成される。例えばフォトレジストが露光されたか否かに応じてフォトレジストの溶解度が異なる現像液を用いて、当該レジストパターンが形成される。
【0004】
例えば下記の特許文献3は、レジストの現像に用いられる現像液がタンクに貯蔵され、現像処理に用いられた後の現像液が再びタンクに戻される技術を開示する。特許文献3は、スカムを含む現像液がタンクへ戻されること、およびこのスカムが付着する気泡をタンクから排除する技術を開示する。
【0005】
特許文献3は、泡の存在できる空間の体積を小さくすることで泡自体に発生する自然の押し出し力によって泡をタンクの上方に移動させること、泡を排出するための強制的排出手段をタンクに設けずに泡をタンクから排出すること、および、スカム除去部においてスカムを含む泡ごと除去して廃棄ラインに排出すること、を開示する。
【0006】
特許文献4は後述されるパドル現像に関する技術を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001-102289号公報
【特許文献2】特開2016-167475号公報
【特許文献3】特開2008-159921号公報
【特許文献4】特開2002-324751号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献3では、廃棄ラインにおける圧力について考察されていない。廃棄ラインには他の配管から他の廃液が流れる場合がある。このような場合、廃棄ラインからスカム除去部へと圧力がかかり、泡自体に発生する自然の押し出し力が当該圧力に打ち勝ってスカム除去部へ泡を導入することは、困難になることが想定される。
【0009】
本開示は、上記課題に鑑みてなされたものであり、泡をタンクから除去しやすくする技術の提供を、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の態様に係る基板処理装置は、基板に対して処理液を用いた処理が行われる処理部と、前記処理液が貯留されるタンクと、第1端および第2端を有し、前記処理に用いられた後の前記処理液が前記第1端から前記第2端へと流れて前記タンクへ回収される経路として機能する第1配管と、第3端および第4端を有し、前記第2端から発生した泡が前記第3端から前記第4端へと流れる経路として機能する第2配管と、前記第4端から吐出される前記泡へと洗浄液が供給される経路として機能する第3配管と、前記第3配管から供給された前記洗浄液が排出される機能を有する第4配管とを備える。
【0011】
第2の態様に係る基板処理装置は、第1の態様に係る基板処理装置であって、前記第3配管は第5端を有し、前記第5端は、前記第4端から吐出される前記泡へ前記第4端よりも上方から前記洗浄液を散布する散布器として機能する。
【0012】
第3の態様に係る基板処理装置は、第2の態様に係る基板処理装置であって、前記第5端に対して前記第4端とは反対側に設けられ、前記第5端から前記第4端へ向かう方向とは反対側へ向かう排気の経路として機能する第6配管を更に備える。
【0013】
第4の態様に係る基板処理装置は、第1の態様、第2の態様、または第3の態様に係る基板処理装置であって、前記第4配管は、前記第4端から見て下方に位置し、かつ前記洗浄液の排出口として機能する第6端を有する。
【0014】
第5の態様に係る基板処理装置は、第4の態様に係る基板処理装置であって、前記第4配管は前記第4端の下方において鉛直に延び、前記洗浄液の流量は変化する。
【0015】
第6の態様に係る基板処理装置は、第4の態様または第5の態様に係る基板処理装置であって、前記第4端は下方へ屈曲する。
【発明の効果】
【0016】
第1の態様に係る基板処理装置は、泡をタンクから除去しやすくする。
【0017】
第2の態様に係る基板処理装置は、広い範囲で泡を洗い落としやすい。
【0018】
第3の態様に係る基板処理装置においては、泡が第4端から吐出しやすい。
【0019】
第4の態様に係る基板処理装置においては、泡が自重で排出されやすい。
【0020】
第5の態様に係る基板処理装置は、泡を効率的に除去し易い。
【0021】
第6の態様に係る基板処理装置においては、泡が第4配管に沿って流れやすい。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本開示に係る基板処理装置の構成を概略的に例示する図である。
図2】配管の端を説明する断面図である。
図3】結合部と配管との関係を例示する断面図である。
図4】他の結合部と配管との関係を例示する断面図である。
図5】更に他の結合部と配管との関係を例示する断面図である。
図6】配管の変形を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付の図面を参照しながら、本開示の各実施形態が説明される。各実施形態に記載されている構成要素はあくまでも例示であり、本開示の範囲が例示のみに限定される趣旨ではない。図面は、あくまでも模式的に示されたものである。図面においては、容易に理解が可能となるように、必要に応じて各部の寸法および数が誇張または簡略化されて図示されている場合がある。図面においては、同様な構成および機能を有する部分に対して同じ符号が付されており、重複した説明が適宜省略されている。
【0024】
本開示では、相対的または絶対的な位置関係を示す表現(例えば「平行」「直交」「中心」)は、特に断らない限り、その位置関係を厳密に表すのみならず、公差も含む状態を表すとともに、同程度の機能が得られる範囲で相対的に角度または距離に関して変位された状態も表す。2つ以上のものが等しい状態であることを示す表現(例えば「同一」「等しい」「均質」)は、特に断らない限り、定量的に厳密に等しい状態を表すのみならず、公差もしくは同程度の機能が得られる差が存在する状態も表す。
【0025】
形状を示す表現(例えば「四角形状」または「円筒形状」等)は、特に断らない限り、幾何学的に厳密に形状を表すのみならず、同程度の効果が得られる範囲で、例えば凹凸または面取り等を有する形状も表すものとする。
【0026】
1つの構成要素を「備える」「具える」「具備する」「含む」または「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的表現ではない。
【0027】
「連結」という表現は、特に断らない限り、2つの要素が接している状態のほか、2つの要素が他の要素を挟んで離れている状態も含む表現である。
【0028】
<1.基板処理装置100の概要>
本開示において、鉛直下向き方向が便宜的に方向Zとして採用して説明される。図1は、本開示に係る基板処理装置100の構成を概略的に例示する図である。基板処理装置100は、導入部1と、処理部2と、リンス部3と、乾燥部4と、タンク9,16と、ローラ10と、ポンプ11,17と、配管12,13,14,18と、コントローラ7とを備える。コントローラ7はローラ10の動作と、ポンプ11,17の動作とを制御する。
【0029】
導入部1と、処理部2と、リンス部3と、乾燥部4とがこの順に、方向Fに向かって配置される。基板Wは方向Fに沿って搬送される。例えば導入部1と、処理部2と、リンス部3と、乾燥部4とには、ローラ10が並んで配置される。例えばローラ10のそれぞれは方向Fと直交する方向に延びる。導入部1から搬送されてきた基板Wはローラ10上に載置される。基板Wはローラ10の同期回転によって、方向Fに沿って導入部1、処理部2、リンス部3、乾燥部4へ、この順に搬送経路Lに沿って搬送される。以下、ある位置に対する方向F側が「下流側」と仮称され、その反対側が「上流側」と仮称されることがある。
【0030】
例えばリンス部3は処理部2に対して下流流側にあり、導入部1は処理部2に対して上流側にある。
【0031】
導入部1は基板Wを受け入れる。当該基板Wは、前処理部または前処理装置から、導入部1へ搬送される。前処理部または前処理装置は、例えば処理部2における基板Wへの処理に先だった処理を実行する。前処理部は基板処理装置100に備えられていてもよい。例えば前処理部において、基板Wの表面には選択的に露光されたフォトレジスト膜(以下「露光済みレジスト膜」と仮称される)が形成される。基板Wの表面は、搬送経路Lに対してローラ10とは反対側に位置する基板Wの面である。
【0032】
例えば基板Wは水平姿勢を保って、ローラ10上を方向Fに沿って搬送され、導入部1から処理部2へ搬出される。処理部2は、基板Wの表面に薬液Jを供給して所定の処理をおこなう。薬液Jは基板に対する処理に用いられる処理液である。処理部2はスリットノズル5とローラ15a,15bとを有する。コントローラ7はローラ15a,15bの動作も制御する。
【0033】
薬液Jはタンク9に貯留され、ポンプ11によって配管13を介して処理部2へ供給される。具体的には薬液Jは配管13を介してスリットノズル5へ供給される。スリットノズル5はローラ15a,15bに対して上流側にある。
【0034】
スリットノズル5は、導入部1から搬送されて来た基板Wの表面に対して薬液Jを供給し、薬液Jの膜(以下「薬液膜」とも称される:図示省略)を形成する。例えば前処理部において基板Wの表面に露光済みレジスト膜(図示省略)が形成されている場合、薬液Jとしてはフォトレジストが露光されたか否かに応じてフォトレジストの溶解度が異なる現像液が採用される。
【0035】
スリットノズル5は基板Wに対して薬液Jを、方向Fに向く成分と方向Zを向く成分とを有する方向へ供給する。例えばスリットノズル5は鉛直下向きに対して下流側へ傾斜して配置される。
【0036】
導入部1に基板Wが搬入されるとポンプ11が運転を開始する。ポンプ11は薬液Jを、タンク9から配管13を経由してスリットノズル5へ供給する。
【0037】
ローラ10により導入部1から処理部2へ搬送された基板Wには、スリットノズル5から薬液Jが供給される。基板Wの表面には薬液膜が形成される。例えば、スリットノズル5から上述の様に基板Wの表面へと供給された薬液Jの流れは、基板Wの方向Fに沿った移動と同期する。このような同期により、基板Wの表面には薬液Jが静的に供給される。薬液Jの表面張力と、薬液Jのこのような静的な供給とは、いずれも、基板Wの表面から薬液Jをこぼれ落ちにくくする。
【0038】
導入部1から処理部2へ基板Wが搬送されてから所定時間が経過すると、コントローラ7の制御により、ポンプ11およびローラ10が停止する。当該所定時間は、例えば、基板Wの表面に略均一な薬液膜が形成されると想定される時間である。ポンプ11の停止はスリットノズル5から基板Wへの薬液Jの供給の停止を招く。ローラ10の停止は、基板Wの処理部2における停留を招く。
【0039】
ポンプ11およびローラ10が停止されてから所定時間が経過すると、コントローラ7の制御により、ローラ10が動作する。当該所定時間は、基板Wに対する薬液Jを用いた処理に必要であると想定される時間である。例えば薬液Jが現像液であるとき、露光済みレジスト膜の現像液を用いた現像に必要であると推定される時間である。このように薬液膜を現像液によって得て、露光済みレジスト膜の現像を行う手法は、パドル現像と通称される。
【0040】
ローラ10が動作し、薬液膜を用いた処理が行われた基板Wはローラ15a,15bの間へ搬送される。基板Wはローラ15a,15bの間に挟まれつつ方向Fへ向かって搬送され、基板W上に残留する薬液Jは除去される。
【0041】
基板W上に残留する薬液Jを除去するために、新たな薬液Jが利用されてもよい。例えばスリットノズル5よりも下流側であってローラ15a,15bよりも上流側において、薬液Jを基板Wへ供給する他のスリットノズルが設けられてもよい。基板Wの処理に用いられて残留する薬液Jは、当該スリットノズルから供給される薬液Jによって置換される。例えばローラ15a,15bへ薬液Jを供給するノズルが設けられてもよい。基板Wの処理に用いられて残留する薬液Jは、当該スリットノズルから供給される薬液Jによって置換される。
【0042】
処理部2における処理に用いられた後の薬液J(以下「処理後薬液J」とも称される)は、処理部2から配管12を経由してタンク9へ回収される。薬液Jはタンク9と処理部2との間で循環して使用される。配管12は端12a,12bを有する。端12aは処理部2の底に接続され、処理後薬液Jが、例えば自重で端12aへ流入する。端12bはタンク9内に存在し、端12bから処理後薬液Jがタンク9へ流出する。配管12は、処理後薬液Jが端12aから端12bへと流れてタンク9へ回収される経路として機能する。
【0043】
処理部2における処理、例えば現像処理が施された基板Wは、リンス部3へ搬送される。リンス部3では、基板Wに対してリンス液Qを用いたリンス処理がおこなわれる。リンス液Qはタンク16に貯留され、ポンプ17によって配管14を介してリンス部3へ供給される。具体的にはリンス液Qは配管14を介してリンス部3へ供給される。
【0044】
シャワーノズル8は基板Wの表面側に設けられる。例えば基板Wはリンス部3の中をローラ10によって搬送されながら、シャワーノズル8からリンス液Qが供給される。
【0045】
リンス液Qには例えば脱イオン水が採用される。リンス部3におけるリンス処理に用いられたリンス液Qは、リンス部3の底部に設けられた配管18から排出される。配管18は配管36に接続される。配管36は、例えば基板処理装置100が設置される工場においてユーザが準備する設備であって、廃液を排出する廃液ラインとして機能する。
【0046】
基板Wの裏面側、具体的にはローラ10に対してシャワーノズル8とは反対側に、他のシャワーノズルが設けられてもよい。当該シャワーノズルからもリンス液Qが基板Wへ供給され、基板Wの裏面にリンス処理が施されてもよい。
【0047】
リンス処理が施された基板Wは、乾燥部4へ搬送される。乾燥部4はエアーナイフ19を有する。エアーナイフ19は高圧エア(または窒素ガス)を基板Wへ吹き付ける。乾燥部4において、基板Wがローラ10によって方向Fへ向かって搬送されながら、エアーナイフ19から吹き付けられる高圧エアによって基板Wの表面に付着したリンス液Qが乾燥される。乾燥部4における処理が施された基板Wは、乾燥部4からその下流側へローラ10によって搬出される。
【0048】
コントローラ7は、例えば、基板処理装置100の動作を統括して制御することができる。コントローラ7は、例えば、演算部、メモリおよび記憶部等を有する。演算部は、例えば、1つ以上の中央演算ユニット(Central Processing Unit:CPU)等で構成される。メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)等の揮発性の記憶媒体で構成される。記憶部は、例えば、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive:HDD)またはソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等の不揮発性の記憶媒体で構成される。記憶部は、例えば、プログラムおよび各種情報等を記憶することができる。演算部は、例えば、記憶部に記憶されたプログラムを読み込んで実行することで、各種の機能を実現することができる。このとき、RAMは、例えば、ワークスペースとして使用され、一時的に生成もしくは取得される情報等を記憶する。コントローラ7で実現される機能的構成の少なくとも一部は、例えば、専用の電子回路等のハードウェアで実現されてもよい。
【0049】
<2.泡除去部200の構成>
基板処理装置100は泡除去部200を備える。泡除去部200は結合部20と、配管21,22,23,25とを備える。結合部20は配管21,22,23,25を結合する構造を有する。
【0050】
配管21は配管36に接続される。配管25は、例えば基板処理装置100が設置される工場においてユーザが準備する給水設備(不図示)に接続される。配管23は、例えば基板処理装置100が設置される工場においてユーザが準備する排気設備(不図示)に接続される。後述されるように配管23は設けられない場合がある。
【0051】
<2-1.配管22の説明>
図2は配管22が有する端22aを説明する断面図である。図2にはタンク9、配管12の端12bも例示される。
【0052】
端12bは上方に向いて開口する。図2においては配管12がタンク9の側面を貫通し、タンク9内で屈曲して上方へ向かう態様が例示される。
【0053】
端22aは下方に向いて開口し、端12bを上方から覆う。図2においては端22aの口径が端12bの口径よりも大きい態様が例示される。
【0054】
配管12からタンク9へ回収された薬液Jは、処理部2における処理に用いられたことにより、端12bにおいて泡30が発生し易い。泡30の発生は、例えば薬液Jが現像液であり、処理部2において露光済みレジスト膜の現像に用いられる場合に顕著である。
【0055】
泡30は、薬液Jよりも軽いので、タンク9において薬液Jの液面近傍に移動しやすい。端22aが薬液Jの液面よりも下まで存在することは、泡30が端22aからはみ出して薬液Jの液面へ溢れる可能性を低減し、ひいてはタンク9から泡30を除去することに寄与する。
【0056】
泡30が端12bから端22aへ供給されることにより、泡30は配管22を端22aから離れる方向へ向かって押される。配管22が配管36に接続されることにより、泡30は配管18から流れてくるリンス液Qと共に、配管36へ流れて排出される。しかし、配管36には他の廃液を排出するための配管も接続される場合がある。この場合において配管36から配管22へ向かう圧力が発生することが想定される。このとき、当該圧力によって泡30が配管22へ流れにくいと想定される。
【0057】
図3は結合部20Aと、配管18,21,22,23,25,36との関係を例示する断面図である。結合部20Aは結合部20の一例である。配管36は配管21に対して下方に位置する。配管36は、例えば継手24によって配管18,21と接続される。
【0058】
結合部20Aは、配管21,22,23,25を結合する構成を有する。配管23は配管21よりも上方に位置する。結合部20Aにおいて、配管22が有する端22bは、配管23と配管21との間に設けられる。例えば配管21,23はこれらが一体に形成される配管29である。配管29のうち配管22の端22bよりも上方の部分が配管23として機能する。配管29のうち配管22の端22bよりも下方の部分が配管21として機能する。例えば配管22は配管29へと貫入し、端22bが配管29の内部に位置する。配管22は、端12bにおいて発生した泡30が、端22aから端22bへと流れる経路として機能する。
【0059】
配管25は、端22bから吐出される泡30へと洗浄液Dが供給される経路として機能する。具体的には、上述の例では、洗浄液Dは上述の給水設備(不図示)から得られる水である。図3では配管25が有する端25bは散布器26として機能する場合が例示される。散布器26は、端22bよりも上方から、端22bから吐出される泡30へと、洗浄液Dを散布する。配管25に散布器26が取り付けられて、散布器26を配管25の端25bとして理解することもできる。
【0060】
例えば散布器26として機能する端25bは配管23の内部に位置する。散布器26は配管29の内部において端22bよりも上方に位置する、と理解することもできる。
【0061】
泡30が配管22を通って端22bから吐出される場合、散布器26から散布されたシャワー状、または霧状の洗浄液(以下「散布洗浄液」と仮称される)DSが泡30を端22bから吐出される泡30を洗い落とす。図において散布洗浄液DSとして示される矢印付の破線は、散布洗浄液DSが散布される広がりおよび方向を模式的に例示する。
【0062】
散布洗浄液DSは端22bが散布器26として機能しない場合と比較して、泡30を広い範囲で洗い落としやすい。
【0063】
このような洗い落としにより、泡30と洗浄液Dの混合液DBは、配管21を下方へ、具体的には配管36へ向かって、流れる。図において混合液DBとして示される矢印は、混合液DBが移動する方向を模式的に例示する。
【0064】
配管21は、配管25から供給された洗浄液Dが排出される機能を有する。散布洗浄液DSが用いられることは、泡30の洗い落しに必要な洗浄液Dの低減に寄与する。配管18を流れたリンス液Qも配管36を流れて排出される。図においてリンス液Qとして示される矢印は、配管18においてリンス液Qが移動する方向を模式的に例示する。図においてリンス液Qおよび混合液DBを示す矢印は、リンス液Qおよび混合液DBが配管36において移動する方向を模式的に例示する。
【0065】
配管36から配管21へ向かう圧力が大きいとき、当該圧力に抗して泡30が端22bから吐出されにくい。排気Eが当該圧力を配管23へ逃がすとき、泡30は端22bから吐出され易い。排気Eは上述された排気設備(不図示)によって得られる。配管23は排気Eの経路として機能する。配管23は、端25bに対して端22bとは反対側に設けられる。排気Eは、端25bから端22bへと向かう方向とは反対側へ向かう。
【0066】
端22bから吐出される泡30は上述の様に洗い落とされ、端22b近傍に滞留しにくい。端22b近傍に泡30が滞留しないことは、泡30の配管22における移動を容易にする。泡30が配管22において移動し易いことは、端22aにおける泡30の滞留、ひいては端12bから配管22への泡30の移動を容易にする。端12bから配管22への泡30の移動が容易となることは、泡30をタンク9から除去しやすくする。
【0067】
<2-2.配管21の変形>
配管21において混合液DBは配管36へ向かって、例えば自重によって流れる。このような流れは図3の例示以外においても実現される。
【0068】
図4は結合部20Bと、配管21,22,23,25との関係を例示する断面図である。結合部20Bは結合部20の一例である。結合部20Bは、配管21,22,23,25を結合する構成を有する。
【0069】
配管36は配管21に対して下方に位置する。結合部20A,20Bのいずれが結合部20として採用される場合でも、配管21が有する端21bは、端22bから見て下方に位置する。端21bは洗浄液Dの、より具体的には混合液DBの排出口として機能する。
【0070】
結合部20Bにおいて、配管21は配管23の斜め下方に位置する。このような位置関係であっても、混合液DBは自重によって配管21を下方へ流れる。このような位置関係にあっても、配管21が配管23の下方で鉛直に延びても、泡30は自重によって排出されやすい。
【0071】
結合部20Bにおいても端25bは散布器26として機能する。散布器26は端22bよりも上方から散布洗浄液DSを散布する。
【0072】
例えば結合部20Bにおいて端22bは、上方側よりも下方側が伸び、端22bが鉛直上方向き(方向Zとは反対向き)に開口する。かかる態様の開口は、泡30の吐出を容易にし、泡30が散布洗浄液DSを広く受けることに寄与し、泡30を洗い落とす効果を高めやすい。
【0073】
<2-3.配管25の変形>
排気Eによって配管36からの圧力を逃がすことに代えて、あるいはこれと共に、当該圧力に対して洗浄液Dによる圧力で抗することもできる。図5は結合部20Cと、配管18,21,22,25,36との関係を例示する断面図である。結合部20Cは結合部20の一例である。結合部20Cは泡除去部200において排気Eを利用しない結合部20の態様として例示される。
【0074】
結合部20Cは、配管21,22,25を結合する構成を有する。配管36は配管21よりも下方に位置する。配管18,21,36は継手24によって接続される。
【0075】
端21bは洗浄液Dの、より具体的には混合液DBの排出口として機能する。端21bは端22bから見て下方に位置する。より具体的には配管21は端22bの下方において鉛直に延びる。
【0076】
配管25は端22bから吐出される泡30へ洗浄液Dが供給される経路として機能する。具体的には、例えば、配管21,25はこれらが一体に形成される配管29である。配管29のうち配管22の端22bよりも上方の部分が配管25として機能する。配管29のうち配管22の端22bよりも下方の部分が配管21として機能する。例えば配管22は配管29へと貫入し、端22bが配管29の内部に位置する。
【0077】
端22bからは泡30が吐出される。端22bから吐出される泡30へ配管25から洗浄液Dが供給され、泡30が除去される。配管36からの圧力に抗する圧力で配管25から洗浄液Dを供給すると、混合液DBは配管21を下方へ流れて配管36へ流れ易い。
【0078】
端22bから吐出される泡30が上述の様に洗い落とされることは、泡30をタンク9から除去しやすくする。
【0079】
配管25から洗浄液Dを、配管36からの圧力に抗する圧力で、端22bまたはその近傍もしくはその両方へ供給することが、端22bからの泡30の吐出を妨げることも想定される。配管25から供給される洗浄液Dの流量が少ないとき、端22bからの泡30の吐出が妨げられにくい。配管25から供給される洗浄液Dの流量が多いとき、端22bから吐出される泡30が除去されやすい。
【0080】
配管25から供給される洗浄液Dの流量が変化することは、端22bから泡30が吐出されやすい期間と、泡30を除去しやすい期間とを併存させることに寄与する。かかる期間の併存は、泡30を効率的に除去し易い。例えば配管25から洗浄液Dが間欠的に供給される。
【0081】
<2-4.配管22の変形>
図6は結合部20Cにおける、配管22の変形を例示する断面図である。配管21は端22bの下方に位置するとき、端22bが下方へ屈曲することは、泡30の除去に有利である。端22bが下方へ屈曲することにより、泡30ひいては混合液DBが配管21に沿って流れやすい。
【0082】
混合液DBが配管21に沿って流れやすいことは、端22b近傍の泡30の滞留を妨げ、ひいて、泡30をタンク9から除去しやすくする。
【0083】
このような配管22の変型は、洗浄液Dが連続的に供給されるか、間欠的に供給されるかに依らずに採用され得る。
【0084】
<3.諸構成、諸変形同士の組み合わせの例示>
例えば端22bが下方へ屈曲する配管22は、上述の結合部20Cのみならず、結合部20Aにおいても、採用され得る。
【0085】
例えば、結合部20Aにおいて端25bが散布器26として機能するときにおいても、洗浄液Dが端22bへ間欠的に供給され得る。
【0086】
例えば、端25bが散布器26として機能しないときにおいても、配管23を介した排気Eが行われ得る。
【0087】
このように、上記諸構成および諸変形をそれぞれ構成する全部または一部は、適宜、矛盾しない範囲で組み合わせられ得る。
【符号の説明】
【0088】
2 処理部
9 タンク
12 配管(第1配管)
12a 端(第1端)
12b 端(第2端)
21 配管(第4配管)
21b 端(第6端)
22 配管(第2配管)
22a 端(第3端)
22b 端(第4端)
23 配管(第6配管)
25 配管(第3配管)
25b 端(第5端)
26 散布器
30 泡
100 基板処理装置
D 洗浄液
DS 散布洗浄液
DB 混合液
E 排気
J 薬液(処理液)
W 基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6