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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095359
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20240703BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20240703BHJP
   B65H 5/00 20060101ALI20240703BHJP
   B41J 11/70 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
G03G21/00 538
G03G15/00 460
B65H5/00 B
B41J11/70
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022212588
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】古山 達也
(72)【発明者】
【氏名】篠矢 翔太
(72)【発明者】
【氏名】水野 智之
【テーマコード(参考)】
2C058
2H072
2H270
3F101
【Fターム(参考)】
2C058AB10
2C058AC08
2C058AE02
2C058AF51
2C058LA03
2C058LA07
2C058LB10
2C058LB19
2C058LB36
2H072AB17
2H072DA07
2H270KA57
2H270LC17
2H270LC19
2H270MC61
2H270MC67
2H270SA03
2H270SB13
2H270SB17
2H270SB23
2H270SC14
2H270SC21
3F101AB01
3F101AB09
3F101AB11
3F101LA07
3F101LB03
(57)【要約】
【課題】不具合が生じる可能性を低減することができ、かつ、小型化を実現できる画像形成装置を実現する。
【解決手段】画像形成装置(1)は、シートに画像を形成するプロセス部と、ヒータ(83)を有し、シートに画像を定着させる定着部(80)と、ヒータからの熱を含む空気を画像形成装置の外部に排出するファン(101)と、シートを切断するカッター(90)と、ファンとカッターとの間に延びるダクト(110)と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートに画像を形成するプロセス部と、
ヒータを有し、前記シートに画像を定着させる定着部と、
前記ヒータからの熱を含む空気を画像形成装置の外部に排出するファンと、
前記シートを切断するカッターと、
前記ファンと前記カッターとの間に配置されるダクトと、を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記カッターがシートを切断しているとき、前記ファンは動作することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記カッターがシートを切断した後に、前記ファンは動作することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ダクトは、前記ファンの回転軸と交わる方向に延びている第1ダクトを有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記カッターは、前記シートの幅方向に移動可能な移動刃を有し、
前記第1ダクトは、前記移動刃が切断動作を行わないときに位置する待機位置と前記ファンとの間に亘って延びることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第1ダクトは、前記幅方向と交わる方向に延びており、
前記ダクトは、前記移動刃の移動範囲の少なくとも一部を覆うように、前記移動刃の移動方向に沿って延びる第2ダクトを有することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記ファンは、前記移動刃の待機位置より下方に位置することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記カッターは、前記シートの搬送方向において前記定着部の下流側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記移動刃と接触して前記移動刃を清掃するクリーナーを備えることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記移動刃は、前記シートを切断しているとき、前記シートに対して下側に位置し、
前記クリーナーは、前記移動刃に対して下側に位置することを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記カッターは、前記移動刃を支持して前記幅方向に移動するキャリッジを有し、
前記クリーナーは、前記キャリッジに配置されていることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記クリーナーは、前記移動刃を挟み込む第1クリーナーおよび第2クリーナーを有することを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記クリーナーは、前記移動刃の移動経路に沿って延びていることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記シートの幅方向において、前記クリーナーは、前記シートが通過する領域の外側に配置されていることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項15】
クリーナーは、不織繊維で構成されている請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記プロセス部は、感光ドラムと、前記感光ドラムにトナーを供給する現像ローラと、前記感光ドラムに供給された前記トナーを前記シートに転写する転写部とを有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、画像形成部、定着部、カッター、および排出部を備える画像形成装置が開示されている。カッターは、定着部と排出部との間に配置され、定着部を通過した後の用紙を切断する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-362823号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の構成では、カッターにより用紙を切断する際に、紙粉が発生する場合がある。紙粉が画像形成装置の内部に滞留すると、紙粉が画像形成部またはセンサ等に付着して不具合が生じる可能性がある。
【0005】
本開示は、不具合が生じる可能性を低減することができる画像形成装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の画像形成装置は、シートに画像を形成するプロセス部と、ヒータを有し、前記シートに画像を定着させる定着部と、前記ヒータからの熱を含む空気を画像形成装置の外部に排出するファンと、前記シートを切断するカッターと、前記ファンと前記カッターとの間に配置されるダクトと、を備える。
【0007】
ファンにより発生した気流が、ダクトによってカッターとファンとの間で流れる。この気流により、カッターによってシートを切断する際に生じる塵を、カッターの位置に溜めずに運ぶことができる。ファンが外部に空気を排出するため、カッターの位置からファンに向かう気流がダクトを流れ、塵を画像形成装置の外部に排出することができる。それゆえ、画像形成装置に不具合が生じる可能性を低減することができる。また、画像形成装置は、ファンとカッターとの間に延びるダクトを備えることで、ヒータからの熱を含む空気を画像形成装置の外部に排出するファンを利用して、塵の排出を行う。それゆえ、塵の排出のための追加のファンを設ける必要がない。
【0008】
本開示の画像形成装置では、前記カッターがシートを切断しているとき、前記ファンは動作する。
【0009】
シートを切断しているときにファンが動作することにより、シートを切断する際に生じる塵を、カッターの位置に溜めることなく、すぐに運ぶことができる。
【0010】
本開示の画像形成装置では、前記カッターがシートを切断した後に、前記ファンは動作する。
【0011】
シートを切断した後にファンが動作することにより、シートを切断する際に生じた塵を、カッターの位置に溜めることなく、運ぶことができる。また、シートを切断しているときの、ファンによる振動または騒音を抑制することができる。
【0012】
本開示の画像形成装置では、前記ダクトは、前記ファンの回転軸と交わる方向に延びている第1ダクトを有する。
【0013】
カッターがファンの回転軸上にない場合であっても、第1ダクトは、ファンによって生じる気流をカッターの位置に流すことができる。
【0014】
本開示の画像形成装置では、前記カッターは、前記シートの幅方向に移動可能な移動刃を有し、前記第1ダクトは、前記移動刃が切断動作を行わないときに位置する待機位置と前記ファンとの間に亘って延びている。
【0015】
第1ダクトは、移動刃の待機位置に気流を流れさせ、移動刃からこぼれ落ちる塵が移動刃の待機位置に溜まることを抑制することができる。
【0016】
本開示の画像形成装置では、前記第1ダクトは、前記幅方向と交わる方向に延びており、前記ダクトは、前記移動刃の移動範囲の少なくとも一部を覆うように、前記移動刃の移動方向に沿って延びる第2ダクトを有する。
【0017】
第1ダクトと第2ダクトとは、互いに異なる方向に延びている。第2ダクトによって、移動刃が切断しているときに移動刃の移動範囲で生じる塵を気流で運ぶことができる。これにより、ファンと移動刃との位置がずれている、すなわちファンの回転軸の位置と移動刃の移動範囲とが離れている場合であっても、シートを切断する際に生じる塵が溜まることを抑制することができる。
【0018】
本開示の画像形成装置では、前記ファンは、前記移動刃の待機位置より下方に位置する。
【0019】
ファンが移動刃の待機位置より下方に位置し、第1ダクトが移動刃の待機位置とファンとの間を繋いでいる。これにより、塵が第1ダクトの中を落下しやすく、塵をファンから排出しやすくなる。
【0020】
本開示の画像形成装置では、前記カッターは、前記シートの搬送方向において前記定着部の下流側に配置されている。
【0021】
本開示の画像形成装置は、前記移動刃と接触して前記移動刃を清掃するクリーナーを備える。
【0022】
シートを切断する際に生じた塵が移動刃に付着した場合でも、クリーナーにより移動刃を清掃することができる。それゆえ、カッターの切断性能および耐久性が低下することを抑制することができる。
【0023】
本開示の画像形成装置では、前記移動刃は、前記シートを切断しているとき、前記シートに対して下側に位置し、前記クリーナーは、前記移動刃に対して下側に位置する。
【0024】
移動刃を清掃したクリーナーから再びシートまたは移動刃に塵が落ちるのを防ぐことができる。
【0025】
本開示の画像形成装置では、前記カッターは、前記移動刃を支持して前記幅方向に移動するキャリッジを有し、前記クリーナーは、前記キャリッジに配置されている。
【0026】
移動刃の幅方向への移動に合わせて、クリーナーによって移動刃を清掃することができる。それゆえ、クリーナーの幅方向の長さを短くすることができる。
【0027】
本開示の画像形成装置では、前記クリーナーは、前記移動刃を挟み込む第1クリーナーおよび第2クリーナーを有する。
【0028】
第1クリーナーおよび第2クリーナーは、移動刃を挟み込むことにより、移動刃の先端だけでなく、側面の一部も清掃することができる。
【0029】
本開示の画像形成装置では、前記クリーナーは、前記移動刃の移動経路に沿って延びている。
【0030】
クリーナーは、移動刃の移動によって、効率的に移動刃を清掃することができる。
【0031】
本開示の画像形成装置では、前記シートの幅方向において、前記クリーナーは、前記シートが通過する領域の外側に配置されている。
【0032】
清掃時に移動刃またはクリーナーから離れた塵が、シートに付着することを抑制することができる。
【0033】
本開示の画像形成装置では、クリーナーは、不織繊維で構成されている。
【0034】
カッターに付着した塵が飛散することを抑制し、塵を効果的に除去することができる。
【0035】
本開示の画像形成装置では、前記プロセス部は、感光ドラムと、前記感光ドラムにトナーを供給する現像ローラと、前記感光ドラムに供給された前記トナーを前記シートに転写する転写部とを有する。
【発明の効果】
【0036】
本開示の一態様によれば、画像形成装置に不具合が生じる可能性を低減することができ、かつ、従来よりも画像形成装置の小型化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本開示の実施形態に係る画像形成装置の内部構成の概略を示す断面図である。
図2】上記画像形成装置が備えるカッターの構成を示す正面図である。
図3】上記画像形成装置が備えるファンを示す側面図である。
図4】本開示の実施形態に係る画像形成装置の構成の概略を示す上面図である。
図5】本開示の実施形態に係る第2ダクトの構成の一例を示す断面図である。
図6】(A)および(B)は、本開示の実施形態に係る画像形成装置のファンの一動作例のタイミングチャートを示す図である。
図7】一変形例に係る画像形成装置の構成の概略を示す上面図である。
図8】一変形例に係るクリーナーの構成の一例を示す断面図である。
図9】一変形例に係るカッターの構成を示す正面図である。
図10】一変形例に係るカッターの構成を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
<画像形成装置1の構成>
図1は、本開示の実施形態に係る画像形成装置1の内部構成の概略を示す断面図である。画像形成装置1は、例えば、電子写真方式によってシートSに画像を印刷するレーザプリンタである。シートSは、例えば、記録用紙またはOHP(Over Head Projector)シート等である。
【0039】
なお、以下の説明では、図1に示すように、画像形成装置1が使用可能に設置された状態を基準として、画像形成装置1の設置面側を下として上下方向を定義する。また、排出トレイ5に排出されるシートSの排出方向側を前側として前後方向を定義し、前方から画像形成装置1を見て左側を左として左右方向を定義する。なお、左右方向は、シートSの幅方向、または加熱ローラ81の回転軸の延伸方向と称する場合がある。
【0040】
さらに、画像形成装置1として、モノクロ画像の画像形成処理を行うモノクロプリンタを例示するが、本開示はこれに限定されるものではない。画像形成装置1は、例えば、フルカラー画像の画像形成処理を行うカラープリンタであってもよい。また、画像形成装置1は、画像形成機能、つまりプリント機能以外の機能、例えば、スキャナ機能、コピー機能またはファクシミリ機能などの他の機能を併せて備えるMFP(Multi-Function Printer)であってもよい。
【0041】
画像形成装置1は、筐体3と、給送部20と、レジストレーションローラ24と、搬送ローラ25と、排出ローラ26、27と、プロセス部40と、定着部80と、カッター90と、排出トレイ5と、制御部100と、ファン101と、ダクト110と、クリーナー120(図2参照)とを備える。
【0042】
<筐体3及び給送部20等の構成>
筐体3は、画像形成装置1の外容器を構成しており、画像形成装置1の要部構成を収容している。給送部20はシートSを供給する。給送部20は、給送トレイ21と、押圧板22と、ピックアップローラ23と、を有する。給送トレイ21は、上面が開放した箱状の部材であり、所定量のシートSを収容する。
【0043】
ピックアップローラ23は、給送トレイ21に収容されたシートSを送り出す。つまり、シートSが送り出される場合、給送トレイ21に収容されたシートSは、押圧板22によってピックアップローラ23に寄せられ、ピックアップローラ23の回転に伴いレジストレーションローラ24に給送される。レジストレーションローラ24は、シートSの先端の位置を揃えた後、プロセス部40に向けてシートSを搬送する。図1には、シートSが搬送される搬送路R1が実線で示されている。
【0044】
<プロセス部40の構成>
プロセス部40は、レジストレーションローラ24によって搬送されたシートSにトナー像を形成する。プロセス部40は、露光部41と、転写部42と、帯電器43と、現像器44と、感光ドラム46と、を有する。
【0045】
露光部41は、図1に一点鎖線にて示す所定の光ビームBを感光ドラム46に照射することにより、感光ドラム46を露光する。露光部41は、図示しないレーザ光源と、ポリゴンミラー41Gと、走査レンズ41Lと、ポリゴンモータ41Mと、反射鏡41Rと、を有する。
【0046】
ポリゴンミラー41Gは、正六角柱の側面を6つの反射面とする回転多面鏡である。ポリゴンミラー41Gは、レーザ光源が出射した光ビームBを感光ドラム46に向かう方向へ偏向するためのものである。ポリゴンモータ41Mは、制御部100からの動作指示に基づいてポリゴンミラー41Gを回転駆動する。
【0047】
露光部41は、光ビームBをポリゴンミラー41Gにより偏向して、ポリゴンミラー41Gから走査レンズ41L及び反射鏡41Rを介して感光ドラム46の表面に光ビームBを出射する。露光部41は、光ビームBによって感光ドラム46の表面を走査して感光ドラム46を露光する。これにより静電潜像が感光ドラム46の表面に形成される。ポリゴンモータ41Mは、例えばブラシレスDCモータである。
【0048】
帯電器43は、例えば、図示しない帯電ワイヤ及びグリッド部を有するスコロトロン型の帯電器を含む。帯電器43では、図示しない高電圧生成回路により、帯電ワイヤに帯電電圧が印加され、グリッド部にグリッド電圧が印加されることでコロナ放電が発生し、感光ドラム46の表面が一様に帯電される。なお、帯電器43は、スコロトロン型の帯電器に代えて、例えば帯電ローラを含む構成でもよい。
【0049】
現像器44は、トナー収容部44A及び現像ローラ44Rを有する。トナー収容部44Aは、現像剤としてのトナーを収容する。現像ローラ44Rは、トナー収容部44Aの内部からトナーを静電潜像が形成された感光ドラム46の表面に供給する。これにより、静電潜像が可視像化され、感光ドラム46の表面にトナー像が形成される。
【0050】
転写部42は、感光ドラム46との間でシートSを挟む転写ローラを有する。転写部42は、現像器44によって感光ドラム46の表面に形成されたトナー像をシートSに転写する。なお、転写部42は、転写ローラに代えて、例えば転写ベルトを含む構成でもよい。このようにして、プロセス部40は、シートSに画像を形成する。トナー像が転写されたシートSは、感光ドラム46及び転写部42によって定着部80に搬送される。
【0051】
なお、プロセス部40は、感光ドラム46とシートSとの間に中間転写体を備えてもよい。中間転写体は、感光ドラム46に形成されたトナー像を受け取り、トナー像をシートSに転写する。中間転写体は、中間転写ローラまたは中間転写ベルトであってよい。
【0052】
<定着部80の構成>
定着部80は、プロセス部40によってシートSに形成されたトナー像を加熱して定着する。具体的には、定着部80は、感光ドラム46及び転写部42から搬送されるシートSに形成されたトナー像を定着する。定着部80は、加熱ローラ81と、加圧ローラ82と、ヒータ83と、を有する。加熱ローラ81は加熱回転体の一例であり、加圧ローラ82は加圧回転体の一例である。
【0053】
加熱ローラ81は、トナー像が形成されたシートSに接してシートSを加熱する。加圧ローラ82は、図示しない押圧部によって加熱ローラ81側に押圧され、加熱ローラ81との間でニップ部NPを形成する。定着部80では、制御部100の指示に従って押圧部が制御されることにより、加熱ローラ81と加圧ローラ82との間に所定の圧力が加えられた状態で、シートSに対するトナー像の定着処理が行われる。
【0054】
ヒータ83は、加熱ローラ81の内部に配置され、加熱ローラ81を加熱する。ヒータ83は、例えばハロゲンランプにより構成されている。ヒータ83は、通電によって発光するとともに発熱し、輻射熱によって加熱ローラ81を内側から加熱する。なお、定着部80は、加熱回転体として、例えば、無端ベルトを有してもよい。この場合、定着部は、ヒータからの輻射熱を受けるニップ板を有し、ベルトがニップ板の周囲を回転すればよい。ヒータ83は、基板および抵抗発熱体を含む構成であってもよい。
【0055】
具体的には、制御部100は、図示しない通電回路の制御を行うことにより、通電回路からヒータ83への供給電流を制御する。これにより、ヒータ83から加熱ローラ81への加熱が、制御部100によって制御される。そして、定着部80では、トナー像が転写されたシートSが、加熱ローラ81と加圧ローラ82との間に搬送されることで、トナー像がシートSに定着される。トナー像が定着されたシートSは、搬送ローラ25によってカッター90に搬送される。
【0056】
<制御部100の構成>
制御部100は、例えば、CPU、RAM、ROM及び入出力回路を備えており、ROMに記憶されたプログラムやデータなどに基づいて演算処理を行うことによって、画像形成制御を実行する。また、制御部100は、画像形成装置1の各部から取得した情報に応じて、画像形成制御以外の制御処理も適宜実行する。制御部100は、CPU、RAM、ROM及び入出力回路が設けられた低圧基板を備える。
【0057】
<搬送路の構成>
画像形成装置1は、搬送路R1を備える。搬送路R1は、給送部20からプロセス部40を介して定着部80にシートSを搬送し、定着部80を通過したシートSをカッター90に搬送するための搬送路である。
【0058】
排出ローラ26は、搬送ローラ25とカッター90との間に設けられている。排出ローラ26は、シートSをカッター90に搬送する。排出ローラ27は、カッター90を通過したシートSを排出トレイ5に排出する。レジストレーションローラ24、搬送ローラ25及び排出ローラ26,27により、シートSを搬送する搬送部が構成される。
【0059】
<カッター90の構成>
図2は、画像形成装置1が備えるカッター90の構成を示す正面図である。カッター90は、固定部材91と、キャリッジ92と、移動刃93と、第1プーリー94と、第2プーリー95と、無端ベルト96と、固定刃98とを有する。カッター90はシートSを切断するための切断装置である。カッター90は、シートSの搬送方向において、定着部80の下流側に配置されている。
【0060】
移動刃93は、シートSの幅方向に移動可能である。ここでは、移動刃93は、回転可能な円形の刃である。固定刃98は、開口部97に隣接して設けられた、直線状の刃である。固定刃98は、前後方向において、移動刃93と接する。
【0061】
固定部材91は、上下方向において、定着部80の上方に配置される。固定部材91には、シートSが通過するための開口部97が形成されている。固定部材91には第1プーリー94及び第2プーリー95が回転可能に支持されている。無端ベルト96は第1プーリー94及び第2プーリー95に巻回されている。キャリッジ92は、無端ベルト96に固定されており、移動刃93を支持する。
【0062】
制御部100が第1プーリー94を回転駆動することにより、第1プーリー94の回転に伴って無端ベルト96が回転し、無端ベルト96の回転に伴って第2プーリー95も回転する。これにより、キャリッジ92および移動刃93が左右方向に移動する。開口部97を通過するシートSは、移動する移動刃93と固定刃98とに挟まれることで、切断される。
【0063】
固定部材91が上下方向において定着部80の上方に配置されることにより、移動刃93も上下方向において定着部80の上方に配置される。移動刃93は、定着部80によってトナー像が定着されたシートSを切断する。移動刃93は、1つのシートSを切断して搬送方向で前後する2つのシートに分ける。例えば、移動刃93は、1つのA4サイズのシートSを切断して2つのA5サイズのシートに分ける。移動刃93により切断されたシートSは、排出トレイ5に排出される。移動刃93は、切断動作を行わないとき、シートSの幅方向においてシートSが通過する領域の外側の待機位置に位置する。
【0064】
ここでは、移動刃93によりシートSを2つのシートに完全に分けて切断する場合を説明したが、本開示はこの場合に限定されるものではない。例えば、移動刃93は、シートSを切断するために、シートSに折り目を付ける加工をしてもよく、シートSを切断するために、シートSにミシン目を付ける加工をしてもよい。
【0065】
また、移動刃93は開口部97に対して下側に設けられているが、開口部97に対して上側に設けられていてもよい。移動刃93と固定刃98との上下関係は逆でもよい。さらに、カッター90は、上下一対の移動刃93を備えてもよい。カッター90が上下一対の移動刃93を備える場合、一方の移動刃93は開口部97に対して上側に設けられ、他方の移動刃93は開口部97に対して下側に設けられる。
【0066】
<クリーナー120の構成>
クリーナー120は、移動刃93と接触して移動刃93を清掃する。クリーナー120は、移動刃93に付着した紙粉等の塵を移動刃93から取り除く。クリーナー120は、ブロック状の不織繊維で構成され、例えば不織布と同様の素材で構成することができる。クリーナー120は、固定部材91に固定されている。シートSを切断しているとき、移動刃93は、シートに対して下側に位置し、クリーナー120は、移動刃93に対してさらに下側に位置する。
【0067】
クリーナー120は、移動刃93の移動経路に沿って延びている。クリーナー120は、少なくとも移動刃93が1回転する間に移動する範囲に亘って延びていればよい。ここでは、クリーナー120は、移動刃93の移動範囲の全体に亘って延びている。
【0068】
<ファン101の構成>
図3は、画像形成装置1が備えるファン101を示す側面図である。図3において、ピックアップローラ23、レジストレーションローラ24、プロセス部40、搬送ローラ25、排出ローラ26,27、及び制御部100を省略している。給送部20、定着部80、カッター90、ダクト110およびシートSが搬送される搬送路は点線で示している。
【0069】
ファン101は、上下方向において定着部80とカッター90との間に配置される。具体的には、ファン101の回転軸は、上下方向において定着部80の加熱ローラ81とカッター90の移動刃93との間に配置される。また、ファン101の回転軸は、定着部80の加熱ローラ81よりも上方の位置であり、かつ、カッター90の移動刃93よりも下方の位置である。ファン101は、上下方向において移動刃93の待機位置より下方に位置する。ファン101の回転軸の方向は、送風方向である。
【0070】
ファン101は、画像形成装置1の外部に空気を排出する。これにより、ファン101は、定着部80の周辺に気流を生じさせ、定着部80の周辺の空気を画像形成装置1の外部に排出する。ファン101は、定着部80のヒータ83からの熱を含む空気を画像形成装置1の外部に排出することにより、画像形成装置1の内部の温度、および定着部80より上方に位置するカッター90の温度が上昇することを抑制することができる。温度変化によるカッター90の変形を抑制できるので、カッター90の切断精度及び耐久性が低下することを抑制できる。ファン101は、さらにプロセス部40の周辺の空気または制御部100の周辺の空気を画像形成装置1の外部に排出してもよい。
【0071】
<ダクト110の構成>
図4は、本開示の実施形態に係る画像形成装置1の構成の概略を示す上面図である。図4において、カッター90、移動刃93、ファン101、ダクト110、およびクリーナー120を点線で示し、その他の画像形成装置1の内部の構造は省略している。図3および図4を参照して、ダクト110の構造を説明する。
【0072】
ダクト110は、中空の構造を有し、ファン101とカッター90との間を繋ぐ流路を構成する。ダクト110は、第1ダクト111と第2ダクト112とを有する。第1ダクト111の空間と第2ダクト112の空間とは、互いに繋がっている。
【0073】
第1ダクト111は、ファン101とカッター90との間に延びている。より具体的には、第1ダクト111は、移動刃93の待機位置とファン101との間に亘って延びている。第1ダクト111は、ファン101の回転軸と交わる方向に延びている。第1ダクト111は、シートSの幅方向と交わる方向に延びている。ここでは、ファン101の回転軸は左右方向に沿っており、第1ダクト111は、ファン101の回転軸に対して略直交する方向に延びている。より具体的には、第1ダクト111は、ファン101の正面の位置からカッター90の位置に向かって後方斜め上の方向に延びている。第1ダクト111の一端は、ファン101の正面の空間に対して開口している。第1ダクト111の他端は、移動刃93の待機位置に対して開口している。第1ダクト111の延びる方向は上記に限らず、ファン101の回転軸から後方向に延びる仮想線を基準として、ファン101の回転軸を中心に左右方向に±30°回転させた二つ仮想線の領域内であればよい。また、第1ダクト111が後方斜め上の方向に延びる領域の範囲としては、ファン101の回転軸から後方向に延びる仮想線を基準として、上方向に15°~90°の領域内であればよい。
【0074】
第2ダクト112は、移動刃93の移動範囲の少なくとも一部を覆うように、移動刃93の移動方向に沿って延びている。第2ダクト112は、移動刃93の移動範囲の少なくとも一部を囲っているとも言える。ここでは、第2ダクト112は、移動刃93の移動範囲の全体およびカッター90の全体を覆っている。
【0075】
図5は、本開示の実施形態に係る第2ダクト112の構成の一例を示す断面図である。図5は、シートSを切断しているときの移動刃93が位置する断面を示し、図5において、第2ダクト112、移動刃93、固定刃98、およびクリーナー120を示し、他の構成は省略している。図5における矢印はシートSの搬送方向を示す。
【0076】
第2ダクト112は、上部ダクト112Aと、下部ダクト112Bとを有する。上部ダクト112Aは、移動刃93の上部の空間を囲っている。下部ダクト112Bは、移動刃93およびクリーナー120が位置する空間を囲っている。第2ダクト112は、前後方向において、上部ダクト112Aと下部ダクト112Bとの間に、シートSが通過する開口を有する。上部ダクト112Aと下部ダクト112Bとは、搬送されるシートSを案内する搬送ガイドを構成する。
【0077】
<ファン101の動作>
制御部100は、定着部80の周囲の温度が所定の温度を超えないように、印刷動作を行っているとき、および/または、印刷動作を行った後、ファン101を動作させる。これにより、ファン101は、ヒータ83からの熱を含む空気を画像形成装置1の外部に排出することで、定着部80の周囲の温度を所定の温度未満に維持する。さらに、制御部100は、排熱の必要がない場合であっても、以下のタイミングでファン101を動作させる。
【0078】
図6(A)は、本開示の実施形態に係る画像形成装置1のファン101の一動作例のタイミングチャートである。横軸は時刻tを示す。図6(A)に示す例では、制御部100は、時刻t0において、カッター90にシートSの切断動作を開始させる。具体的には、制御部100は、移動刃93の移動を開始する。制御部100は、時刻t0において、ファン101の動作を開始させる。カッター90がシートSを切断しているとき、ファン101は動作する。これにより、切断中においてダクト110の中に気流が生じる。それゆえ、切断で生じた塵をすぐにダクト110を通じてファン101まで運び、塵を画像形成装置1の外部に排出することができる。
【0079】
その後、時刻t1において、制御部100は、カッター90の切断動作を終了させる。具体的には、制御部100は、移動刃93の往復移動を完了する。切断動作が終了した後もしばらくの間、制御部100は、ファン101を動作させる。これにより、切断後に漂っているまたは切断後に移動刃93から落下した塵を画像形成装置1の外部に排出することができる。
【0080】
その後、時刻t2において、制御部100は、ファン101の動作を終了させる。
【0081】
なお、制御部100は、時刻t1以前にファン101の動作を終了させてもよい。また、制御部100は、時刻t0より遅いタイミングで、ファン101の動作を開始させてもよい。
【0082】
なお、例えば複数枚のシートSを切断する場合、制御部100は、複数枚のうちのいずれかのシートSを切断しているときに、ファン101を動作させてもよい。制御部100は、複数枚のうちの他のシートSを切断しているときに、ファン101を動作させなくてもよい。また、制御部100は、切断時以外のときに、ファン101を動作させてもよい。
【0083】
図6(B)は、本開示の実施形態に係る画像形成装置1のファン101の一動作例のタイミングチャートである。図6(B)に示す例では、制御部100は、時刻t0において、カッター90にシートSの切断動作を開始させる。具体的には、制御部100は、移動刃93の移動を開始する。
【0084】
その後、時刻t1において、制御部100は、カッター90の切断動作を終了させる。具体的には、制御部100は、移動刃93の往復移動を完了する。
【0085】
その後、時刻t3において、制御部100は、ファン101の動作を開始させる。カッター90がシートSを切断した後に、ファン101は動作する。これにより、切断で生じた塵を、ダクト110を通じてファン101まで運び、塵を画像形成装置1の外部に排出することができる。また、切断中には、ファン101による振動および気流が生じない。そのため、ファン101による振動および気流が、切断中のシートSに影響すること、および切断精度に影響することを低減することができる。また、切断動作による音とファンの動作による音のタイミングがずれるため、画像形成装置1が発する騒音のピークを低減することができる。
【0086】
その後、時刻t4において、制御部100は、ファン101の動作を終了させる。
【0087】
なお、制御部100は、時刻t1にファン101の動作を開始させてもよい。制御部100は、時刻t0より後かつ時刻t1より前にファン101の動作を開始させてもよい。制御部100は、時刻t1より後の時刻t4まで、ファン101を動作させる。この場合でも、ファン101が動作する期間を限定することで、ファン101による気流が切断中のシートSに影響することを低減することができる。
【0088】
<画像形成装置1の効果>
本開示の実施形態に係る画像形成装置1によれば、ファン101により発生した気流が、ダクト110によってカッター90とファン101との間で流れる。この気流により、カッター90によってシートSを切断する際に生じる塵を、カッター90の位置に溜めずに運ぶことができる。ファン101が外部に空気を排出するため、カッター90の位置からファン101に向かう気流がダクト110を流れ、塵を画像形成装置1の外部に排出することができる。それゆえ、画像形成装置1に不具合が生じる可能性を低減することができる。また、画像形成装置1は、ファン101とカッター90との間に延びるダクト110を備えることで、ヒータ83からの熱を含む空気を画像形成装置1の外部に排出するファン101を利用して、塵の排出を行う。それゆえ、塵の排出のための追加のファンを設ける必要がなく、画像形成装置1の大型化を抑制することができる。すなわち、従来よりも画像形成装置1を小型化することができる。
【0089】
画像形成装置1によれば、第1ダクト111は、移動刃93の待機位置とファン101との間に亘って延びている。そのため、待機位置に気流を生じさせ、移動刃93からこぼれ落ちる塵が待機位置に溜まることを抑制することができる。また、第1ダクト111は待機位置に気流を生じさせればよいので、シートSより長い刃全体に気流を生じさせる場合に比べて、第1ダクト111の断面積を小さくすることができる。それゆえ、ファン101が小さくても強い気流を生じさせ、切断時に生じる塵を効率的に運ぶことができる。
【0090】
画像形成装置1によれば、第1ダクト111は、ファン101の回転軸と交わる方向に延びている。そのため、カッター90がファン101の回転軸上にない場合であっても、第1ダクト111は、ファン101によって生じる気流をカッター90の位置に流すことができる。
【0091】
画像形成装置1によれば、第1ダクト111と第2ダクト112とは、互いに異なる方向に延びている。第2ダクト112によって、移動刃93が切断しているときに移動刃の移動範囲で生じる塵を気流で運ぶことができる。これにより、ファン101と移動刃93との位置がずれている、すなわちファン101の回転軸の位置と移動刃93の移動範囲とが離れている場合であっても、シートSを切断する際に生じる塵が溜まることを抑制することができる。
【0092】
画像形成装置1によれば、ファン101が移動刃93の待機位置より下方に位置し、第1ダクト111が移動刃93の待機位置とファン101との間に延びている。これにより、塵が第1ダクト111の中を落下しやすく、塵をファン101により排出しやすくなる。
【0093】
画像形成装置1によれば、シートSを切断する際に生じた塵が移動刃93に付着した場合でも、クリーナー120により移動刃93を清掃することができる。それゆえ、カッター90の切断性能および耐久性が低下することを抑制することができる。
【0094】
画像形成装置1によれば、クリーナー120は、シートSおよび移動刃93の下側に位置する。そのため、移動刃93を清掃したクリーナー120から再びシートSまたは移動刃93に塵が落ちるのを防ぐことができる。
【0095】
画像形成装置1によれば、クリーナー120は移動刃93の移動経路に沿って延びている。そのため、クリーナー120は、移動刃93の移動によって、効率的に移動刃93を清掃することができる。
【0096】
画像形成装置1によれば、クリーナー120は不織繊維で構成されている。そのため、カッター90に付着した塵が飛散することを抑制し、塵を効果的に除去することができる。
【0097】
〔変形例1〕
図7は、変形例1に係る画像形成装置1Aの構成の概略を示す上面図である。図7において、カッター90、移動刃93、ファン101、ダクト110A、およびクリーナー120を点線で示し、その他の画像形成装置1Aの内部の構造は省略している。
【0098】
画像形成装置1Aは、カッター90、移動刃93、ファン101、ダクト110A、およびクリーナー120を備える。ダクト110Aは、第1ダクト111を備えるが、第2ダクトを備えない。第1ダクト111は、移動刃93の待機位置とファン101との間に亘って延びている。第1ダクト111の一端は、ファン101の正面の空間に対して開口している。第1ダクト111の他端は、移動刃93の待機位置に対して開口している。
【0099】
このように、画像形成装置1Aは、第2ダクトを備えない構成であってもよい。第1ダクト111の他端の開口が、待機位置にある移動刃93に対向している。それゆえ、ファン101は、待機位置にある移動刃93から落ちた塵を、第1ダクト111を通じて、画像形成装置1Aの外部に排出させることができる。
【0100】
〔変形例2〕
図8は、変形例2に係るクリーナー120Aの構成の一例を示す断面図である。図8は、シートSを切断しているときの移動刃93が位置する断面を示し、図8において、第2ダクト112、移動刃93、固定刃98、およびクリーナー120Aを示し、他の構成は省略している。図8における矢印はシートSの搬送方向を示す。
【0101】
クリーナー120Aは、シートSの搬送方向において移動刃93を挟み込む第1クリーナー120Bおよび第2クリーナー120Cを有する。第1クリーナー120Bおよび第2クリーナー120Cは、移動刃93の移動経路に沿って延びている。第1クリーナー120Bおよび第2クリーナー120Cは、移動刃93の移動範囲の全体に亘って延びている。第1クリーナー120Bは、移動刃93の前側に位置する。第2クリーナー120Cは、移動刃93の後側に位置する。第1クリーナー120Bおよび第2クリーナー120Cが、移動刃93を挟み込むことにより、移動刃93の先端だけでなく、側面の一部も清掃することができる。
【0102】
〔変形例3〕
図9は、変形例3に係るカッター90Aの構成を示す正面図である。クリーナー120Dは、移動刃93に接した状態で、カッター90Aのキャリッジ92に配置されている。クリーナー120Dは、キャリッジ92に対して固定されているため、キャリッジ92および移動刃93と共に、シートSの幅方向に移動する。移動刃93は、切断時に移動しながら回転する。クリーナー120Dは、移動刃93の移動に合わせて移動刃93を清掃することができる。それゆえ、移動刃93の移動方向におけるクリーナー120Dの長さを短くすることができる。
【0103】
〔変形例4〕
図10は、変形例4に係るカッター90Bの構成を示す正面図である。クリーナー120Eは、固定部材91に固定されている。移動刃93は、シートSの幅方向において、範囲RAを移動可能である。シートSの幅方向における開口部97の幅は、範囲RAより小さい範囲RBである。範囲RBは、シートSが通過する領域でもある。移動刃93の待機位置は、範囲RBの外側である。クリーナー120Eは、範囲RBの外側の範囲RCに亘って配置されている。シートSは、開口部97を通って前後方向に搬送される。すなわち、上面視において、クリーナー120Eは、シートSが通過する領域の外側に配置されている。シートSの幅方向において、クリーナー120Eは、少なくとも移動刃93が1回転する間に移動する範囲に亘って延びていればよい。
【0104】
シートSを切断した後、移動刃93は、範囲RCにおいて移動する。これにより、クリーナー120Eは、移動しながら回転する移動刃93を清掃することができる。シートSの幅方向において、かつ、上面視において、清掃を行う範囲RCと、シートSが通過する範囲RBとが重なっていない。そのため、清掃により移動刃93またはクリーナー120Eから離れた塵が、シートSが通過する領域に滞留することを抑制することができる。それゆえ、清掃により移動刃93またはクリーナー120Eから離れた塵が、シートSに付着することを抑制することができる。
【0105】
〔変形例5〕
なお、カッターは、シートSの幅方向に移動する回転しない移動刃を有する構成であってもよい。カッターは、シートSの幅方向に移動する移動刃を有する形態に限らず、シートSの面に対して略垂直に移動する、シートSの幅より長い刃を有する構成であってもよい。例えば、カッターは、ギロチン式のように刃が上下方向に動作してシートSを押し切る構成であってもよいし、ハサミのように二枚の刃が上下方向に動作してシートSを挟み込んで切断する構成であってもよい。第2ダクトは、このようなシートSの幅方向に延びる刃に沿って延びている構成であってもよい。
【0106】
本開示は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0107】
1、1A 画像形成装置
40 プロセス部
42 転写部
44R 現像ローラ
46 感光ドラム
80 定着部
83 ヒータ
90、90A、90B カッター
92 キャリッジ
93 移動刃
97 開口部
100 制御部
101 ファン
110、110A ダクト
111 第1ダクト
112 第2ダクト
112A 上部ダクト
112B 下部ダクト
120、120A、120D、120E クリーナー
120B 第1クリーナー
120C 第2クリーナー

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10