(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095360
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B41J 29/38 20060101AFI20240703BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240703BHJP
G03G 15/20 20060101ALI20240703BHJP
B41J 11/70 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
B41J29/38 206
G03G21/00 370
G03G15/20 510
B41J11/70
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022212589
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】古山 達也
(72)【発明者】
【氏名】篠矢 翔太
(72)【発明者】
【氏名】水野 智之
【テーマコード(参考)】
2C058
2C061
2H033
2H270
【Fターム(参考)】
2C058AB06
2C058AB18
2C058AC08
2C058LA03
2C058LC02
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AS11
2C061AS13
2C061HJ04
2C061HJ10
2C061HK11
2C061HK19
2C061HN04
2C061HN05
2C061HN18
2H033BA25
2H033BB01
2H033BB28
2H033CA07
2H033CA30
2H270KA57
2H270LC17
2H270LC19
2H270MC61
2H270MC65
2H270MC67
2H270ZC03
2H270ZC04
2H270ZC06
(57)【要約】
【課題】カッターによりシートを切断する場合でも、シートからカッターへの異物の付着を抑制することができ、カッターの切断性能や耐久性などのカッター特性が低下するのを抑えることができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置(1)は、画像形成部(4)と、排出ローラ(40A)と、カッター(100)と、制御部(C)と、を備える。制御部(C)は、切断処理を実行する前に、シート(S)の切断位置に画像が形成されるか否かについて判断する判断処理を実行し、判断処理にて、シート(S)の切断位置に画像が形成されると判断した場合、切断処理時のシート(S)からカッター(100)への異物の付着を抑制する抑制処理を実行する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートに画像を形成する画像形成部と、
シートの搬送方向において画像形成部の下流側に配置され、シートを画像形成装置外に排出するための排出ローラと、
前記搬送方向において前記画像形成部の下流側のカッター位置に配置され、シートを切断するカッターと、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記排出ローラを回転させて前記画像形成部を通過したシートを搬送し、シートの切断位置が前記カッター位置に到達した際に前記排出ローラを停止させ、その後、前記カッターによりシートを切断する切断処理と、
前記切断処理を実行する前に、シートの切断位置に画像が形成されるか否かについて判断する判断処理と、
前記判断処理にて、シートの切断位置に画像が形成されると判断した場合、前記切断処理時のシートから前記カッターへの異物の付着を抑制する抑制処理とを実行する、画像形成装置。
【請求項2】
印刷ジョブを受信する受信部を、さらに備え、
前記制御部は、
前記判断処理では、前記受信部にて受信した前記印刷ジョブに含まれる、前記画像形成部によってシートに印字される印字データを基に、シートの切断位置に画像が形成されるか否かについて判断する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
シートに形成された画像を検出する検出センサを、さらに備え、
前記制御部は、
前記判断処理では、前記検出センサの検出結果を基に、シートの切断位置に画像が形成されるか否かについて判断する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
操作受付部を、さらに備え、
前記制御部は、
前記判断処理では、前記操作受付部が受け付けたシートの切断位置を基に、シートの切断位置に画像が形成されるか否かについて判断する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記搬送方向において前記画像形成部の下流側に配置され、加熱回転体と、前記加熱回転体を加熱するヒータと、前記加熱回転体との間でニップ部を形成する加圧回転体とを有し、シートに画像を定着させる定着部と、
少なくとも前記加熱回転体または前記加圧回転体に駆動力を伝達するメインモータと、をさらに備え、
前記排出ローラは、前記搬送方向において前記定着部の下流側に配置され、
前記カッター位置は、前記搬送方向において前記定着部の下流側であり、
前記制御部は、
前記加熱回転体の目標温度がシートに画像を定着させる印字温度となるよう前記ヒータを制御し、
前記加熱回転体または前記加圧回転体を回転させてシートを搬送するよう前記メインモータを制御するモータ制御処理を実行可能であり、
前記切断処理において、前記排出ローラを回転させて前記ニップ部を通過したシートを搬送し、シートの切断位置が前記カッター位置に到達した際に前記排出ローラを停止させ、その後に、前記カッターによりシートを切断する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記抑制処理として、シートの切断位置が前記ニップ部を通過するタイミングに応じて、前記加熱回転体の目標温度を前記印字温度より高い第1温度として前記ヒータを制御する、請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御部は、
シートの先端が前記ニップ部を通過後、且つシートの後端が前記ニップ部を通過するより前の所定の範囲で、前記加熱回転体の目標温度を前記第1温度としてヒータを制御する、請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記制御部は、
シートの切断位置が前記ニップ部を通過した後、前記加熱回転体の目標温度を前記印字温度として前記ヒータを制御する、請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記画像形成部は、感光ドラムを有し、
前記搬送方向において前記感光ドラムの上流側に配置され、シートを搬送する複数の搬送ローラのうち、前記感光ドラムに最も近い搬送ローラであるレジストレーションローラと、
前記搬送方向において前記感光ドラムと前記レジストレーションローラとの間に配置され、シートの通過を検知可能なシートセンサとを、さらに備え、
前記制御部は、
前記シートセンサがシートを検知した時点に基づいて、前記加熱回転体の目標温度を前記第1温度として前記ヒータを制御する、請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記定着部を通過したシートを前記画像形成部に向けて再搬送するための再搬送経路を、さらに備え、
前記制御部は、
前記抑制処理として、前記定着部を通過したシートを前記再搬送経路に搬送する、請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記制御部は、
前記抑制処理として、シートの後端が前記ニップ部を通過してから、シートの切断位置が前記カッター位置に到達するまでの期間において、前記排出ローラの回転を所定時間停止した後に、前記排出ローラを再度回転させる、請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記制御部は、
前記抑制処理として、シートの切断位置が前記カッター位置に到達してから、前記排出ローラを停止した後、前記切断処理を実行するまでの期間の長さは、シートの切断位置に画像が形成されない場合よりも、シートの切断位置に画像が形成される場合の方を長くする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記制御部は、
前記抑制処理を実行する場合において、前記抑制処理を実行しない場合よりも、シートの搬送速度を遅くする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項14】
外部に排気するファンを、さらに備え、
前記制御部は、
前記抑制処理として、シートの切断位置が前記ニップ部を通過した後、前記ファンの駆動速度を速くする、請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記排出ローラに駆動力を伝達する排出モータを、さらに備える、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記画像形成部は、感光ドラムと、前記感光ドラムにトナーを供給する現像ローラと、前記感光ドラム上に供給されたトナーをシートに転写する転写部と、を有し、
前記感光ドラムと前記現像ローラとは、前記メインモータからの駆動力によって回転する、請求項5に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真プリンタなどの画像形成装置としては、画像形成対象のシートを加熱して現像剤像を定着させる定着器を備えたものが知られている。また、従来の画像形成装置として、例えば、下記特許文献1には、定着部の上方に設けられ、用紙が排出される排出部、及び定着部と排出部との間に設けられ、用紙を切断するカッターを設けることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記従来技術では、シートの画像の形成位置によっては、カッターにシート上の画像からトナーやインクなどの異物が付着する可能性がある。このため、上記従来技術では、カッターによるシートの切断性能やカッターの耐久性などのカッター特性が低下する可能性がある。
【0005】
本開示は、カッターによりシートを切断する場合でも、シートからカッターへの異物の付着を抑制することができ、カッターの切断性能や耐久性などのカッター特性が低下するのを抑えることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本開示の画像形成装置は、シートに画像を形成する画像形成部と、シートの搬送方向において画像形成部の下流側に配置され、シートを画像形成装置外に排出するための排出ローラと、前記搬送方向において前記画像形成部の下流側のカッター位置に配置され、シートを切断するカッターと、制御部と、を備え、前記制御部は、前記排出ローラを回転させて前記画像形成部を通過したシートを搬送し、シートの切断位置が前記カッター位置に到達した際に前記排出ローラを停止させ、その後、前記カッターによりシートを切断する切断処理と、前記切断処理を実行する前に、シートの切断位置に画像が形成されるか否かについて判断する判断処理と、前記判断処理にて、シートの切断位置に画像が形成されると判断した場合、前記切断処理時のシートから前記カッターへの異物の付着を抑制する抑制処理とを実行する。
【0007】
上記構成によれば、シートの切断位置に画像が形成されている場合でも、切断処理の際にシートからカッターへの異物の付着を抑制することができ、カッターの切断性能や耐久性などのカッター特性が低下するのを抑えることができる。
【0008】
本開示の画像形成装置は、印刷ジョブを受信する受信部を、さらに備え、前記制御部は、前記判断処理では、前記受信部にて受信した前記印刷ジョブに含まれる、前記画像形成部によってシートに印字される印字データを基に、シートの切断位置に画像が形成されるか否かについて判断してもよい。
【0009】
上記構成によれば、制御部は、印刷ジョブに含まれる印字データを基に判断処理を実行するので、判断処理を精度よく行うことができる。これにより、切断処理の際にシートからカッターへの異物の付着をより確実に抑制することができ、カッター特性の低下をより確実に抑えることができる。
【0010】
本開示の画像形成装置は、シートに形成された画像を検出する検出センサを、さらに備え、前記制御部は、前記判断処理では、前記検出センサの検出結果を基に、シートの切断位置に画像が形成されるか否かについて判断してもよい。
【0011】
上記構成によれば、制御部は、検出センサの検出結果を基に判断処理を実行するので、判断処理を精度よく行うことができる。これにより、切断処理の際にシートからカッターへの異物の付着をより確実に抑制することができ、カッター特性の低下をより確実に抑えることができる。
【0012】
本開示の画像形成装置は、操作受付部を、さらに備え、前記制御部は、前記判断処理では、前記操作受付部が受け付けたシートの切断位置を基に、シートの切断位置に画像が形成されるか否かについて判断してもよい。
【0013】
上記構成によれば、制御部は、操作受付部が受け付けたシートの切断位置を基に判断処理を実行するので、判断処理を精度よく行うことができる。これにより、切断処理の際にシートからカッターへの異物の付着をより確実に抑制することができ、カッター特性の低下をより確実に抑えることができる。
【0014】
本開示の画像形成装置は、前記搬送方向において前記画像形成部の下流側に配置され、加熱回転体と、前記加熱回転体を加熱するヒータと、前記加熱回転体との間でニップ部を形成する加圧回転体とを有し、シートに画像を定着させる定着部と、少なくとも前記加熱回転体または前記加圧回転体に駆動力を伝達するメインモータと、をさらに備え、前記排出ローラは、前記搬送方向において前記定着部の下流側に配置され、前記カッター位置は、前記搬送方向において前記定着部の下流側であり、前記制御部は、前記加熱回転体の目標温度がシートに画像を定着させる印字温度となるよう前記ヒータを制御し、前記加熱回転体または前記加圧回転体を回転させてシートを搬送するよう前記メインモータを制御するモータ制御処理を実行可能であり、前記切断処理において、前記排出ローラを回転させて前記ニップ部を通過したシートを搬送し、シートの切断位置が前記カッター位置に到達した際に前記排出ローラを停止させ、その後に、前記カッターによりシートを切断してもよい。
【0015】
上記構成によれば、シートの切断位置に画像が形成されている場合でも、切断処理の際にシートからカッターへの異物の付着を抑制することができ、カッター特性の低下を抑えることができる。
【0016】
本開示の画像形成装置では、前記制御部は、前記抑制処理として、シートの切断位置が前記ニップ部を通過するタイミングに応じて、前記加熱回転体の目標温度を前記印字温度より高い第1温度として前記ヒータを制御してもよい。
【0017】
上記構成によれば、制御部は、抑制処理の際にシートの切断位置を局所的に加熱することによって定着強度を高めることができる。これにより、切断処理の際にシートからカッターへの異物の付着をより確実に抑制することができ、カッター特性の低下をより確実に抑えることができる。
【0018】
本開示の画像形成装置では、前記制御部は、シートの先端が前記ニップ部を通過後、且つシートの後端が前記ニップ部を通過するより前の所定の範囲で、前記加熱回転体の目標温度を前記第1温度としてヒータを制御してもよい。
【0019】
上記構成によれば、制御部は、シートの切断位置を局所的に加熱する範囲を所定の範囲とすることができることから、シートを全体的に加熱するのと比べて、シートにカール等が生じるのを抑制することができる。
【0020】
本開示の画像形成装置では、前記制御部は、シートの切断位置が前記ニップ部を通過した後、前記加熱回転体の目標温度を前記印字温度として前記ヒータを制御してもよい。
【0021】
上記構成によれば、制御部は、加熱回転体の目標温度を第1温度から低い印字温度となるようにヒータを制御するので、加熱回転体及び加圧回転体が局所的に昇温することを抑制することができる。
【0022】
本開示の画像形成装置では、前記画像形成部は、感光ドラムを有し、前記搬送方向において前記感光ドラムの上流側に配置され、シートを搬送する複数の搬送ローラのうち、前記感光ドラムに最も近い搬送ローラであるレジストレーションローラと、前記搬送方向において前記感光ドラムと前記レジストレーションローラとの間に配置され、シートの通過を検知可能なシートセンサとを、さらに備え、前記制御部は、前記シートセンサがシートを検知した時点に基づいて、前記加熱回転体の目標温度を前記第1温度として前記ヒータを制御してもよい。
【0023】
上記構成によれば、制御部は、シートセンサの検知結果を基に加熱回転体の目標温度を第1温度とするので、抑制処理において、シートの切断位置を局所的に加熱するのをより適切に行うことができる。
【0024】
本開示の画像形成装置は、前記定着部を通過したシートを前記画像形成部に向けて再搬送するための再搬送経路を、さらに備え、前記制御部は、前記抑制処理として、前記定着部を通過したシートを前記再搬送経路に搬送してもよい。
【0025】
上記構成によれば、制御部は、抑制処理の際にシートを再搬送経路に通紙しているので、定着部に対してシートを2回通過させることとなり、シートでの定着強度を高めることができる。これにより、切断処理の際にシートからカッターへの異物の付着をより確実に抑制することができ、カッター特性の低下をより確実に抑えることができる。
【0026】
本開示の画像形成装置では、前記制御部は、前記抑制処理として、シートの後端が前記ニップ部を通過してから、シートの切断位置が前記カッター位置に到達するまでの期間において、前記排出ローラの回転を所定時間停止した後に、前記排出ローラを再度回転させてもよい。
【0027】
上記構成によれば、制御部は、ニップ部を通過したシートを一時的に搬送停止させることから、シートを確実に冷却することができる。これにより、切断処理の際にシートからカッターへの異物の付着をより確実に抑制することができ、カッター特性の低下をより確実に抑えることができる。
【0028】
本開示の画像形成装置では、前記制御部は、前記抑制処理として、シートの切断位置が前記カッター位置に到達してから、前記排出ローラを停止した後、前記切断処理を実行するまでの期間の長さは、シートの切断位置に画像が形成されない場合よりも、シートの切断位置に画像が形成される場合の方を長くしてもよい。
【0029】
上記構成によれば、制御部は、カッター位置に到達したシートに対する切断処理の実行前にシートを一時的に待機させることとなり、シートを確実に冷却することができる。これにより、切断処理の際にシートからカッターへの異物の付着をより確実に抑制することができ、カッター特性の低下をより確実に抑えることができる。
【0030】
本開示の画像形成装置では、前記制御部は、前記抑制処理を実行する場合において、前記抑制処理を実行しない場合よりも、シートの搬送速度を遅くしてもよい。
【0031】
上記構成によれば、制御部は、抑制処理を実行する場合では、抑制処理を実行しない場合よりも、シートの搬送速度を遅くするので、シートの搬送中にシートを確実に冷却することができる。これにより、切断処理の際にシートからカッターへの異物の付着をより確実に抑制することができ、カッター特性の低下をより確実に抑えることができる。
【0032】
本開示の画像形成装置は、外部に排気するファンを、さらに備え、前記制御部は、前記抑制処理として、シートの切断位置が前記ニップ部を通過した後、前記ファンの駆動速度を速くしてもよい。
【0033】
上記構成によれば、制御部は、シートの切断位置がニップ部を通過した後、ファンの駆動速度を速くするので、シートを確実に冷却することができる。これにより、切断処理の際にシートからカッターへの異物の付着をより確実に抑制することができ、カッター特性の低下をより確実に抑えることができる。
【0034】
本開示の画像形成装置は、前記排出ローラに駆動力を伝達する排出モータを、さらに備えてもよい。
【0035】
上記構成によれば、制御部は、排出モータを制御することによって排出ローラを独立して制御することが可能となり、排出ローラをより適切に動作させることができる。
【0036】
本開示の画像形成装置では、前記画像形成部は、感光ドラムと、前記感光ドラムにトナーを供給する現像ローラと、前記感光ドラム上に供給されたトナーをシートに転写する転写部と、を有し、前記感光ドラムと前記現像ローラとは、前記メインモータからの駆動力によって回転してもよい。
【0037】
上記構成によれば、制御部は、メインモータを制御することによって感光ドラムと現像ローラとを制御することが可能となり、画像形成部をより適切に動作させることができる。
【発明の効果】
【0038】
本開示の一態様によれば、カッターによりシートを切断する場合でも、シートからカッターへの異物の付着を抑制することができ、カッターの切断性能や耐久性などのカッター特性が低下するのを抑えることができる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】本開示の実施形態1に係る画像形成装置の概略構成を説明する図である。
【
図2】
図1に示した画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。
【
図3】
図1に示した画像形成装置の基本的な動作例を示すフローチャートである。
【
図4】
図3に示した印字切断処理の動作例を示すフローチャートである。
【
図5】
図1に示した画像形成装置での定着部の駆動タイミングと定着温度との関係の具体例を示すタイミングチャートである。
【
図6】
図1に示したカッターによるシートの切断処理の具体例を説明する図である。
【
図7】本開示の変形例1に係る画像形成装置での印字切断処理の動作例を示すフローチャートである。
【
図8】本開示の変形例2に係る画像形成装置での印字切断処理の動作例を示すフローチャートである。
【
図9】本開示の実施形態2に係る画像形成装置の概略構成を説明する図である。
【
図10】本開示の実施形態3に係る画像形成装置の概略構成を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
〔実施形態1〕
以下、本開示の実施形態1について
図1を参照しつつ説明する。なお、以下の説明では、画像形成装置1の一例として、トナーを用いてシートSに画像を形成するレーザプリンタについて説明する。
【0041】
〔画像形成装置1の全体構成〕
図1は、本開示の実施形態1に係る画像形成装置1の概略構成を説明する図である。以下の説明では、
図1に示すように、画像形成装置1が使用可能に設置された状態を基準として、設置面側を下として上下方向を定義する。また、排出トレイTRが設けられている側を前として前後方向を定義する。
【0042】
尚、以下の説明では、画像形成装置1として、モノクロ画像の画像形成処理を行うモノクロプリンタを例示する。しかしながら、本開示はこれに限定されるものではなく、例えば、中間転写ベルトを備え、フルカラー画像の画像形成処理を行うカラープリンタであってもよい。また、本開示は、印刷ジョブにより指定される印字データを、例えば、インクを吐出することにより、画像形成処理を施すインクジェット方式のプリンタであってもよい。また、本開示は、画像形成機能、すなわちプリント機能以外の機能、例えば、スキャナ機能、コピー機能、またはファクシミリ機能などの他の機能を併せて備えるMFP(Multi-Function Printer)であってもよい。
【0043】
また、以下の説明では、カッター100により、シートSを搬送方向で前後する2つの第1シートと第2シートとに完全に分けて切断する場合を例示して説明する。しかしながら、本開示は、シートSを切断するための刃を有するものであれば何等限定されない。具体的には、本開示は、シートSを切断するために、カッター100の刃を当てた切断加工をしてもよい。また、本開示は、シートSを切断するために、カッター100の刃を用いて折り目を付ける折目加工をしてもよい。また、本開示は、シートSを切断するために、カッター100の刃を用いてミシン目を付けるミシン目加工をしてもよい。
【0044】
図1に示すように、画像形成装置1は、筐体10と、給送部3と、画像形成部4と、定着部45と、排出トレイTRと、を備える。また、画像形成装置1は、カッター100と、制御部Cと、メインモータM0と、を備える。
【0045】
筐体10は、画像形成装置1の外容器を構成しており、給送部3、画像形成部4、定着部45、カッター100、及び制御部C等の画像形成装置1の要部構成を収容している。
【0046】
〔給送部3の構成〕
給送部3は、シートSを供給する。給送部3は、給送トレイ31と、ピックアップローラ32と、押圧板33と、分離ローラ34と、給送ローラ35と、レジストレーションローラ36と、を備える。給送トレイ31は、上面が開放した箱状の部材であり、所定量のシートSを収容する。なお、シートSとしては、印刷用紙などの紙媒体に限らず、他にも、例えばOHPシート等のプラスチックからなる樹脂媒体であってもよい。
【0047】
ピックアップローラ32は、給送トレイ31に収容されたシートSを送り出す。すなわち、シートSが送り出される場合、給送トレイ31に収容されたシートSは、押圧板33によってピックアップローラ32に寄せられ、ピックアップローラ32の回転に伴い分離ローラ34に給送される。分離ローラ34は、ピックアップローラ32が送り出したシートSを1枚ずつ分離する。給送ローラ35は、シートSをレジストレーションローラ36に向けて搬送する。
【0048】
レジストレーションローラ36は、シートSの先端の位置を揃えた後、画像形成部4に向けてシートSを搬送する。また、レジストレーションローラ36は、シートSを搬送する複数の搬送ローラのうち、後掲の感光ドラム46に最も近い搬送ローラである。また、画像形成装置1では、シートSの通過を検知可能なシートセンサが複数設けられているが、後述のレジ後センサK3は、感光ドラム46とレジストレーションローラ36との間に配置されたシートセンサの一例である。
【0049】
〔画像形成部4の構成〕
画像形成部4は、給送部3によって送り出されたシートSに画像を形成するプロセス処理を実行する。具体的にいえば、画像形成部4は、露光器41と、帯電器43と、感光ドラム46と、を有する。また、画像形成部4は、感光ドラム46上にトナーを供給する現像部44と、感光ドラム46上に供給されたトナーをシートSに転写する転写ローラ42R(
図2)を有する転写部42と、を有する。
【0050】
露光器41は、
図1に一点鎖線にて示す所定の光ビームBをレーザ発生部41A(
図2)から感光ドラム46に照射することにより、感光ドラム46を露光する。具体的にいえば、露光器41は、レーザ発生部41Aと、ポリゴンミラー41Gと、走査レンズ41Lと、ポリゴンモータ41Mと、反射鏡41Rと、を備える。
【0051】
ポリゴンミラー41Gは正六角柱の側面を6つの反射面とする回転多面鏡である。ポリゴンミラー41Gは、レーザ発生部41Aが出射した光ビームBを感光ドラム46に向かう方向へ偏向するためのものである。ポリゴンモータ41Mは、メインモータM0とは異なるモータである。また、ポリゴンモータ41Mは、制御部Cに接続されており、制御部Cからの動作指示に基づいて、メインモータM0とは独立してポリゴンミラー41Gを回転駆動する。
【0052】
露光器41は、光ビームBをポリゴンミラー41Gにより偏向して、ポリゴンミラー41Gから走査レンズ41L及び反射鏡41Rを介して感光ドラム46の表面に光ビームBを出射する。露光器41は、光ビームBによって感光ドラム46の表面を走査して感光ドラム46を露光する。これにより、静電潜像が感光ドラム46の表面に形成される。ポリゴンモータ41Mは、例えば、ブラシレスDCモータである。
【0053】
帯電器43は、例えば、図示しない帯電ワイヤ及びグリッド部を有するスコロトロン型の帯電器を含む。この帯電器43では、図示しない高電圧生成回路により、帯電ワイヤに帯電電圧が印加され、グリッド部にグリッド電圧が印加されることでコロナ放電が発生し、感光ドラム46の表面が一様に帯電される。なお、例えば、スコロトロン型の帯電器に代えて、帯電ローラを帯電器43が含む構成でもよい。
【0054】
現像部44は、感光ドラム46上に現像剤としてのトナーを供給するための現像ローラ44Rと、トナーを収容したトナー収容部44Aと、を備える。また、現像部44は、現像ローラ44Rとトナー収容部44Aとをトナーカートリッジとして一体的に構成されている。
【0055】
転写部42は、感光ドラム46との間でシートSを挟む転写ローラ42R(
図2)を備えており、感光ドラム46からトナー像をシートSに転写する。なお、例えば、転写ローラ42Rに代えて、転写ベルトを転写部42が含む構成でもよい。
【0056】
また、感光ドラム46と帯電器43とは、ドラムカートリッジ47として一体的に構成されている。このドラムカートリッジ47は、筐体10に対して、開閉可能に構成された不図示のフロントカバーが開状態である場合、フロントカバー側から着脱可能になっている。また、フロントカバーが開状態である場合、トナーカートリッジとしての現像部44またはドラムカートリッジ47を着脱し得る。
【0057】
なお、トナーカートリッジとしての現像部44とドラムカートリッジ47とが互いに分離可能なプロセスカートリッジを用いた場合について説明した。しかしながら、本開示はこれに限定されるものではなく、例えば、トナーカートリッジとドラムカートリッジとが分離不可能な一体的なプロセスカートリッジを用いることもできる。
【0058】
画像形成部4では、感光ドラム46の表面が帯電器43により一様に帯電された後、露光器41からの光ビームBにより、制御部Cからの印字データに基づいた静電潜像が感光ドラム46の表面に形成される。また、現像ローラ44Rは、現像部44の内部からトナーを静電潜像が形成された感光ドラム46の表面に供給する。これにより、静電潜像が可視像化され、感光ドラム46の表面上にトナー像が形成される。その後、給送部3から給送されたシートSが、感光ドラム46と転写部42との間である転写位置に搬送されることによって感光ドラム46の表面上に形成されたトナー像がシートS上に転写される。
【0059】
〔定着部45の構成〕
トナー像が転写されたシートSは、感光ドラム46及び転写部42によって、定着部45に搬送される。定着部45は、シートSに形成されたトナー像である、画像を定着させる。具体的には、定着部45は、感光ドラム46及び転写部42から搬送されるシートS上のトナー像を熱定着させる。トナー像が熱定着されたシートSは、中間排出ローラ37及び第1排出ローラ38によって排出トレイTR上に排出される。排出トレイTRは、
図1に実線にて示すように、筐体10の上面の露出部分に設けられたシートSの収容部である。
【0060】
また、定着部45は、例えば、トナー像が形成されたシートSに接してシートSを加熱する加熱ローラ45HRと、図示しない押圧部によって加熱ローラ45HR側に押圧される加圧ローラ45PRと、加熱ローラ45HRを加熱するヒータ45Hと、を備える。また、定着部45では、ニップ部Nが加熱ローラ45HRと加圧ローラ45PRの間に形成されており、ニップ部Nにて所定の圧力が加えられた状態で、シートSに対するトナー像の定着処理が行われる。なお、加熱ローラ45HR及び加圧ローラ45PRは、それぞれ加熱回転体及び加圧回転体の一例である。
【0061】
また、加熱ローラ45HRの内部には、例えば、2つのヒータ45Hが設けられている。ヒータ45Hは、例えば、ハロゲンランプを用いて構成されている。ヒータ45Hは、通電によって発光するとともに発熱し、輻射熱によって加熱ローラ45HRを内側から加熱する。さらに、定着部45の内部には、加熱ローラ45HRの温度を検出する温度センサ45S(
図2)を備えており、温度センサ45Sは、検出した温度に応じた信号を、制御部Cへ出力する。
【0062】
具体的には、制御部Cは、図示しない通電回路の制御を行うことにより、通電回路からヒータ45Hへの供給電流を制御する。これにより、ヒータ45Hから加熱ローラ45HRへの加熱が、制御部Cによって制御される。また、制御部Cは、メインモータM0の制御を行うことにより、加圧ローラ45PRの回転駆動も制御する。そして、定着部45では、トナー像が転写されたシートSが、加熱ローラ45HRと加圧ローラ45PRとの間のニップ部Nに搬送されることで、トナー像がシートS上に熱定着される。換言すれば、制御部Cは、ヒータ45Hの温度制御を実行しつつ、加圧ローラ45PRを回転させて、シートを搬送するようメインモータM0を制御するモータ制御処理を実行可能とされている。
【0063】
なお、上記の説明では、メインモータM0からの駆動力を加圧ローラ45PRに伝達して、加圧ローラ45PRを回転駆動する場合について説明したが、本実施形態はこれに限定されるものではなく、メインモータM0が制御部Cからの指示に従って少なくとも加熱ローラ45HRまたは加圧ローラ45PRに駆動力を伝達して回転駆動する構成であればよい。
【0064】
なお、加熱ローラ45HR及び加圧ローラ45PRの2つのローラを有する定着部45を用いた場合について説明したが、本開示の定着部45はこれに限定されない。例えば、加熱ローラ45HRに代えて、シートSを加圧ローラ45PRとで挟持する無端ベルトを備えてもよい。この場合、ベルトは、ヒータ45Hからの輻射熱を受けるニップ板の周囲を回転する構成でもよい。また、ヒータ45Hは、ハロゲンランプに代えて、基板と基板上に設けられた抵抗発熱体とを有し、ベルト内周面に接触するヒータを備えた加熱ユニットを定着部に用いることができる。また、例えば、シートSを加熱ローラ45HRとで挟持する無端ベルトと、無端ベルトを加熱ローラ45HR側に加圧する加圧パッドを有するニップ形成部材とを設けた加圧パッド方式の定着部を用いることができる。
【0065】
〔搬送路の構成〕
また、画像形成装置1は、
図1に点線にて示すように、シートSを所定の搬送方向に沿って搬送するための空間である搬送路を備える。具体的にいえば、画像形成装置1は、給送部3から画像形成部4に向けてシートSを搬送するための供給搬送路H0と、定着部45を通過したシートSを排出トレイTRに向けて搬送するための第1搬送路H1と、を備える。また、画像形成装置1は、定着部45を通過したシートSを所定のカッター位置に配置されたカッター100に向けて搬送するための第3搬送路H3を備える。換言すれば、第3搬送路H3には、搬送方向において画像形成部4の下流側のカッター位置にカッター100が配置されている。
【0066】
詳細にいえば、供給搬送路H0では、ピックアップローラ32の設置箇所がシートSの搬送開始地点であり、後述のレジ後センサK3の設置箇所がシートSの搬送終了地点である。また、供給搬送路H0には、シートSを搬送するための搬送ローラとして、例えば、ピックアップローラ32、分離ローラ34、給送ローラ35、及びレジストレーションローラ36が設置されている。また、供給搬送路H0には、レジ前センサK2と、レジ後センサK3とが設けられている。
【0067】
レジ前センサK2及びレジ後センサK3は、各々シートSの前端及びシートSの後端を検知する。レジ前センサK2及びレジ後センサK3は、各々シートSが当接することで揺動するアクチュエータを有するセンサや、光センサ等を用いることができる。
【0068】
また、レジ前センサK2及びレジ後センサK3は、検知結果を制御部Cに出力する。具体的には、レジ前センサK2は、制御部Cに対して、シートSの前端がレジ前センサK2の位置に到達したタイミングからシートSの後端がレジ前センサK2の位置を通過するまでの間はオン信号を出力し、それ以外の間はオフ信号を出力する。同様に、レジ後センサK3は、制御部Cに対して、シートSの前端がレジ後センサK3の位置に到達したタイミングからシートSの後端がレジ後センサK3の位置を通過するまでの間はオン信号を出力し、それ以外の間はオフ信号を出力する。
【0069】
第1搬送路H1では、供給搬送路H0の搬送終了地点がシートSの搬送開始地点であり、排出トレイTRとの連結箇所G2がシートSの搬送終了地点である。つまり、第1搬送路H1は、レジ後センサK3の設置箇所と、排出トレイTRにおける、筐体10の上面側で露出されてユーザがシートSを回収可能な端部である連結箇所G2との間の搬送路である。また、第1搬送路H1には、シートSを搬送するための搬送ローラとして、例えば、中間排出ローラ37及び第1排出ローラ38が設置されている。この中間排出ローラ37は、例えば、メインモータM0からの駆動力により、回転するように構成されている。また、第1排出ローラ38は、例えば、排出モータM3からの駆動力により、回転するように構成されている。
【0070】
第1搬送路H1には、検出センサK5が感光ドラム46と定着部45との間に設けられている。検出センサK5は、例えば、光センサを用いて構成されている。検出センサK5は、感光ドラム46と定着部45との間において、シートSに形成された画像の有無を検知するように構成されている。具体的には、検出センサK5は、発光素子及び受光素子を備えた公知の光センサであり、発光素子からシートSに光を照射し、シートSから反射した反射光の光量を受光素子で検出するよう構成されている。そして、検出センサK5は、制御部Cに対して、反射光の正反射成分及び拡散反射成分の光量の検出結果を出力する。制御部Cは、正反射成分及び拡散反射成分の光量に基づいてシートS上のトナーの濃度を検出することにより、画像がシートSの任意の位置、例えば、切断位置に形成されているか否かについて判断するよう構成されている。検出センサK5は、シートSを透過した光の光量を受光素子で検出するよう構成されてもよい。
【0071】
第1搬送路H1には、排紙センサK4が定着部45と中間排出ローラ37との間に設けられている。排紙センサK4は、シートSが当接することで揺動するアクチュエータを有するセンサや、光センサ等を用いて構成されている。排紙センサK4は、定着部45と中間排出ローラ37との間において、シートSの有無を検知するように構成されている。排紙センサK4は、シートSの有無を制御部Cに出力するよう構成されている。
【0072】
具体的にいえば、排紙センサK4は、制御部Cに対して、シートSが排紙センサK4を通過する前はオフ信号を出力し、ニップ部Nを通過したシートSが排紙センサK4を通過中にオン信号を出力する。つまり、搬送方向におけるシートSの先端が排紙センサK4に進入すると排紙センサK4はオン信号を出力し、その後、シートSの後端が排紙センサK4を抜けると排紙センサK4はオフ信号を出力する。
【0073】
第3搬送路H3のシートSの搬送開始地点は、第1搬送路H1との合流箇所G1である。合流箇所G1は、第1排出ローラ38の搬送方向の上流に設けられている。
【0074】
一方、第3搬送路H3のシートSの搬送終了地点は、排出トレイTRに連結された連結箇所G2である。連結箇所G2は、合流箇所G1は異なる箇所である。連結箇所G2は、第1排出ローラ38の搬送方向の下流である。
【0075】
第3搬送路H3は、
図1に示すように、第1搬送路H1とは異なる搬送路である。第3搬送路H3は、第1搬送路H1の上方に配置されている。
【0076】
また、合流箇所G1の近傍には、シートSを第1搬送路H1または第3搬送路H3に振り分けるためのフラッパFPが設けられている。制御部Cは、シートSをカッター100で切断しない場合には、フラッパFPを第1位置に移動させることにより、シートSを排出トレイTRに向けて第1搬送路H1に搬送する。また、制御部Cは、シートSを切断する場合には、フラッパFPを第2位置に移動させることにより、シートSをカッター100に向けて第3搬送路H3に搬送する。
【0077】
また、第3搬送路H3には、シートSを搬送するための搬送ローラとして、例えば、第3搬送路H3での搬送方向に沿ってカッター100を挟むように第2排出ローラ40A及び第3排出ローラ40Bが順次設けられている。第2排出ローラ40A及び第3排出ローラ40Bは、例えば、第1排出ローラ38と同様に、排出モータM3からの駆動力により、動作するように構成されている。換言すれば、第1排出ローラ38、第2排出ローラ40A、及び第3排出ローラ40Bは、シートSの搬送方向において画像形成部4の下流側に配置され、シートSを画像形成装置1外に排出するための排出ローラの一例である。
【0078】
〔カッター100の構成〕
カッター100は、シートSを切断可能な周知のカッター機構である。カッター100は、例えば、刃103Aと、固定刃103Bと、カッターキャリッジと、切断モータM1とを有する。なお、カッター100は、上下一対の刃を有していてもよい。
【0079】
刃103Aは、例えば、回転可能な丸い刃であり、カッターキャリッジに保持されている。固定刃103Bは、筐体10内において左右方向に延びるように設けられたフレームに固定されている。カッターキャリッジは、切断モータM1の駆動力によって、筐体10に左右方向に延びるように設けられたレールに沿って、シートSの幅方向に往復移動可能に構成されている。
【0080】
シートSがカッター100のカッター位置にあるときに、カッターキャリッジがシートSの幅方向に沿って移動することにより、シートSが刃103Aと固定刃103Bとに挟まれることで切断される。
【0081】
なお、上記の説明以外に、例えば、シートSの幅方向に沿って設けられるとともに、シートSに対して上下方向に移動することによってシートSを押し切って切断する、いわゆるギロチン方式の刃を用いたものや、固定刃103Bに代えて、シートSの切断時に刃103AとともにシートSの幅方向に移動する移動刃を有するものでもよい。また、ハサミのような二枚の刃でシートSを挟み込んで切断する構成であってもよい。
【0082】
〔画像形成装置1の電気的構成〕
次に、画像形成装置1の電気的構成について、
図2を参照して説明する。
図2は、
図1に示した画像形成装置1の電気的構成を示すブロック図である。
図2に示すように、画像形成装置1は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)105、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、NVRAM(Non-Volatile Random Access Memory)104と、操作パネル120、通信I/F(通信インターフェース)130と、をさらに備える。
【0083】
ASIC105には、CPU(Central Processing Unit)101が搭載されている。CPU101は、制御部Cの一例であり、画像形成装置1の各部に対する全般的な制御を行う。ASIC105は、ROM102、RAM103、NVRAM104、切断モータM1、電磁クラッチ107、メインモータM0、及び排出モータM3に電気的に接続されている。また、ASIC105は、レジ前センサK2、レジ後センサK3、排紙センサK4、操作パネル120、通信I/F130、画像形成部4、露光器41、及び定着部45に電気的に接続されている。
【0084】
ROM102には、画像形成装置1を制御するための各種制御プログラムや各種設定等が記憶されている。具体的には、ROM102には、シートSに画像を定着させる際の加熱ローラ45HRの定着温度の情報が記憶されている。定着温度には、後述するように、所定の印字温度と印字温度よりも高い第1温度が含まれている。
【0085】
また、ROM102には、シートSが搬送されるのを待つ際の加熱ローラ45HR及び加圧ローラ45PRの待機温度の情報が記憶されている。さらに、ROM102には、給送トレイ31からシートSを搬送する際の加熱ローラ45HRの給紙可能温度の情報が記憶されている。
【0086】
RAM103は、各種制御プログラムが読み出される作業領域、及び印刷ジョブに含まれる画像データを一時的に記憶する記憶領域として利用される。CPU101は、ROM102から読み出した制御プログラムや、各種センサから出力される信号に従って、その処理結果をRAM103またはNVRAM104に記憶させながら、画像形成装置1の各部を制御する。
【0087】
切断モータM1は、例えば、ブラシレスDCモータであり、メインモータM0とは異なるモータである。切断モータM1は、CPU101からの動作指示に基づいて、メインモータM0とは独立してカッターキャリッジを移動させることにより、刃103AをシートSの幅方向に移動させて、シートSを切断する。
【0088】
メインモータM0は、例えば、ブラシレスDCモータである。また、メインモータM0は、ピックアップローラ32、分離ローラ34、給送ローラ35、レジストレーションローラ36、加圧ローラ45PR、及びドラムカートリッジ47に駆動力を伝達する。CPU101がメインモータM0を正転駆動させると、メインモータM0から加圧ローラ45PR、感光ドラム46、現像ローラ44R、ピックアップローラ32、分離ローラ34、給送ローラ35、及びレジストレーションローラ36に駆動力が伝達される。
【0089】
そして、加圧ローラ45PR、感光ドラム46、現像ローラ44R、ピックアップローラ32、分離ローラ34、給送ローラ35、及びレジストレーションローラ36は、シートSを搬送方向に搬送する向きに回転する。メインモータM0が感光ドラム46及び現像ローラ44R等に駆動力を伝達するので、メインモータM0により感光ドラム46及び現像ローラ44R等をまとめて駆動できる。
【0090】
一方、CPU101が、メインモータM0を逆転駆動させても、加圧ローラ45PR、ドラムカートリッジ47、ピックアップローラ32、分離ローラ34、給送ローラ35、及びレジストレーションローラ36には、駆動力が伝達されない構成となっている。
【0091】
電磁クラッチ107は、CPU101により制御される。電磁クラッチ107は、メインモータM0からピックアップローラ32へ駆動力が伝達される伝達状態と、メインモータM0からピックアップローラ32へ駆動力が伝達されない非伝達状態とを切換可能である。
【0092】
具体的には、CPU101は、電磁クラッチ107をオンすることにより、メインモータM0の駆動力がピックアップローラ32に伝達される伝達状態にする。一方、CPU101は、電磁クラッチ107をオフすることにより、メインモータM0の駆動力がピックアップローラ32に伝達されない非伝達状態にする。画像形成装置1の起動時には、CPU101は、電磁クラッチ107をオフに設定する。
【0093】
排出モータM3は、例えば、ブラシレスDCモータである。排出モータM3は、第1排出ローラ38、第2排出ローラ40A、及び第3排出ローラ40Bに駆動力を伝達する。CPU101は、排出モータM3を正転駆動させることで、第1排出ローラ38、第2排出ローラ40A、及び第3排出ローラ40Bに駆動力を伝達する。そして、第1排出ローラ38、第2排出ローラ40A、及び第3排出ローラ40Bは、シートSを搬送方向に搬送する向きに回転する。
【0094】
操作パネル120は、操作受付部の一例であり、例えば、タッチパッド及びディスプレイが一体として形成されたタッチパネルと、キーボタン部とを有する。操作パネル120は、ユーザの操作を受け付け、受け付けた情報をCPU101へ出力する。ユーザは、例えば、操作パネル120を操作することにより、シートSを切断するか否かを設定することが可能である。さらに、CPU101は、操作パネル120が受け付けたシートSの切断位置を基に、シートSの切断位置に画像が形成されるか否かについて判断する判断処理を実行可能に構成されている。
【0095】
通信I/F130は、LAN等のネットワークに接続され、画像形成装置1用のドライバが組み込まれたPC等の外部装置との接続を可能にしている。CPU101は、通信I/F130を介して、印刷ジョブを受信可能であり、受信部の一例である。印刷ジョブには、画像形成するための画像データ、すなわち印字データ、画像形成に用いるシートSのサイズ及び種類等、シートSに画像を形成するために必要な各種情報が含まれている。さらに、CPU101は、通信I/F130にて受信した印刷ジョブに含まれる、画像形成部4によってシートSに印字される印字データを基に、シートSの切断位置に画像が形成されるか否かについて判断する判断処理を実行可能に構成されている。
【0096】
〔動作例〕
次に、
図3乃至
図6も参照して、本実施形態1の画像形成装置1の動作例について具体的に説明する。
図3は、
図1に示した画像形成装置1の基本的な動作例を示すフローチャートである。
図4は、
図3に示した印字切断処理の動作例を示すフローチャートである。
図5は、
図1に示した画像形成装置1での定着部45の駆動タイミングと定着温度との関係の具体例を示すタイミングチャートである。
図6は、
図1に示したカッター100によるシートSの切断処理の具体例を説明する図である。なお、以下の説明では、A4サイズのシートSに対して、片面印刷を行った後、カッター100によるシートSの切断処理を実行する場合を例示して説明する。
【0097】
図3のS11に示すように、CPU101は、通信I/F130を介して印刷ジョブを受信しているかを判定する。そして、CPU101は、通信I/F130を介して印刷ジョブを受信したと判定した場合(S11でYES)、後述のS13の処理に進む。
【0098】
一方、CPU101は、通信I/F130を介して印刷ジョブを受信していないと判定した場合(S11でNO)、S12の処理に進む。S12において、CPU101は、操作パネル120を介して印刷命令の入力を受け付けたかを判定する。そして、CPU101が操作パネル120を介して印刷命令の入力を受け付けていないと判定した場合(S12でNO)、CPU101は、S11の処理に戻る。
【0099】
一方、CPU101は、操作パネル120を介して印刷命令の入力を受け付けたと判定した場合(S12でYES)、S13の処理に進む。S13において、CPU101は、ヒータ45Hの駆動を開始する。例えば、
図5に示すように、CPU101は、時間T1にて、ヒータ45Hの駆動を開始する。つまり、ヒータ45Hへの通電を開始する。
【0100】
ヒータ45Hへの通電を開始した後、S14において、CPU101は、シートSを切断するか否かを判定する。具体的にいえば、例えば、入力された印刷ジョブにおいて、カッター100によりシートSを切断する切断処理が必要と指示されているときに、シートSに切断処理を実行するものと判定し(S14でYES)、S17の処理に進む。一方、CPU101は、シートSの切断処理を実行しない場合(S14でNO)、S15の処理に進む。
【0101】
S15において、CPU101は、フラッパFPを第1位置へ移動させ、S16の処理に進む。フラッパFPが第1位置へ移動することにより、シートSが第1排出ローラ38側に振り分けられる。なお、CPU101は、S15の開始時点で既にフラッパFPが第1位置にある場合は、フラッパFPが第1位置にある状態のまま維持し、S16の処理に進む。
【0102】
S16において、CPU101は、シートSの切断処理を伴わない印字処理を実行する。シートSの切断処理を伴わない印字処理については、詳細な説明を省略するが、トナー画像が形成・定着されたシートは、その先端がフラッパFPによって、第1排出ローラ38が設置された第1搬送路H1に案内される。第1搬送路H1に案内されたシートSは、第1排出ローラ38の回転によって、排出トレイTR上に排出される。
【0103】
一方、CPU101は、シートSに切断処理を実行するものと判定した場合(S14でYES)、S17において、CPU101は、シートSを2等分に切断する切断位置CP(
図6)を決定してRAM103に記憶する。具体的には、
図6に示すように、CPU101は、A4サイズのシートS0を搬送方向の長さが等しい第1シートと第2シートとに2等分する切断位置CPを、先端から搬送方向の長さの位置に決定して、RAM103に記憶する。
【0104】
切断位置CPまでの長さは、例えば、レジ前センサK2がシートSの先端を検知してからレジ前センサK2がシートSの後端を検知するまでの、不図示のエンコーダが検知したシートSの搬送量に基づいて計算される。
【0105】
S18において、CPU101は、シートSに画像を定着させる際の加熱ローラ45HRの印字温度をROM102から読み出す。そして、CPU101は、加熱ローラ45HRの温度を印字温度、例えば、約190℃に達するように設定して、ヒータ45Hに印加する電圧の制御を開始した後、S19の処理に進む。
【0106】
S19において、CPU101は、メインモータM0を正転駆動させた後、S20の処理に進む。これにより、加圧ローラ45PR、感光ドラム46、現像ローラ44R、及びレジストレーションローラ36は、シートSを搬送方向に搬送する向きに回転する。その結果、例えば、
図5に示すように、時間T2にて定着部45の加圧ローラ45PRまたは加熱ローラ45HRが回転駆動された場合、加熱ローラ45HR及び加圧ローラ45PRの間、つまり、ニップ部Nにおける定着温度の温度上昇速度が少し遅くなる。
【0107】
S20において、CPU101は、フラッパFPを第2位置へ移動させ、S21の処理に進む。フラッパFPが第2位置へ移動することにより、シートSは第3搬送路H3に振り分けされて、カッター100側に搬送される。
【0108】
S21において、CPU101は、温度センサ45Sを介して、加熱ローラ45HRの温度が、給紙可能温度に達したか否かを判定する。給紙可能温度は、ピックアップローラ32にメインモータM0の駆動力を伝達可能となる温度であり、例えば、170℃である。そして、CPU101は、温度センサ45Sを介して、加熱ローラ45HRの温度が、給紙可能温度に達していないと判定した場合(S21でNO)、S20に戻る、つまり待機状態となる。
【0109】
一方、CPU101は、温度センサ45Sを介して、加熱ローラ45HRの温度が、給紙可能温度に達したと判定した場合(S21でYES)、S22の処理に進む。S22において、CPU101は、印字切断処理のサブ処理を実行した後、当該処理を終了する。
【0110】
〔印字切断処理のサブ処理〕
次に、
図4も参照して、S22において、CPU101が実行する印字切断処理の流れの一例について具体的に説明する。
【0111】
図4のS31に示すように、CPU101は、給送トレイ31内のシートSをピックアップローラ32によりピックアップするピックアップ命令を実行する。具体的には、CPU101は、電磁クラッチ107をオンにして、メインモータM0の駆動力がピックアップローラ32に伝達される伝達状態に設定する。その後、CPU101は、S32の処理に進む。
【0112】
S32において、CPU101は、レジ後センサK3から入力された検知信号がオフ信号からオン信号になったかを判定する。具体的には、CPU101は、レジ後センサK3が搬送されてくるシートSの先端を検知してレジ後センサK3から送られてくる検知信号を取得することで検知信号がオン信号になったと判定する。
【0113】
そして、CPU101は、レジ後センサK3から入力された検知信号がオフ信号からオン信号になっていない場合は(S32でNO)、S32の処理に戻る。一方、CPU101は、レジ後センサK3から入力された検知信号がオフ信号からオン信号になった場合は(S32でYES)、S33の処理に進む。
【0114】
S33において、CPU101は、画像形成部4によるシートSへの画像形成処理を開始する。具体的には、CPU101は、感光ドラム46及び転写ローラ42Rを制御して、シートSに印字データに基づく画像を形成する。即ち、CPU101は、転写ローラ42Rにより、感光ドラム46上に形成されたトナー像をシートSに転写する。そして、定着部45により、シートSに形成された画像をシートSに定着させる。
【0115】
続いて、S34において、CPU101は、排出モータM3の正転駆動を開始して、第2排出ローラ40A及び第3排出ローラ40Bを回転させ、S35の処理に進む。これにより、シートSは、カッター100に向かって第3搬送路H3を搬送されて、カッター100による切断処理が実行可能な状態となる。
【0116】
また、このS34の後、CPU101は、排紙センサK4から入力された検知信号がオフ信号からオン信号になったかを判定する。具体的には、CPU101は、排紙センサK4が搬送されてくるシートPの先端を検知して排紙センサK4から送られてくる検知信号を取得することで検知信号がオン信号になったと判定する。
【0117】
なお、シートSの搬送方向において、ニップ部Nよりも下流に排紙センサK4が配置されている。よって、排紙センサK4からの検知信号は、
図5に時間T3に例示するように、シートSの先端がニップ部Nを通過した後、若干遅れてオフ信号からオン信号となる。また、排紙センサK4からの検知信号は、
図5に時間T4に例示するように、シートSの後端がニップ部Nを通過した後、若干遅れてオン信号からオフ信号となる。
【0118】
次に、S35において、CPU101は、シートSの切断位置CPに画像が形成されるか否かについて判断する判断処理を実行する。つまり、CPU101は、カッター100による切断処理を実行する前に、判断処理を行う。
【0119】
具体的にいえば、S35の判断処理において、CPU101は、検出センサK5の検出結果を基に、シートSの切断位置CPに画像が形成されるか否かについて判断する。そして、CPU101は、検出センサK5によって切断位置CPに画像が形成されていることが検出されたと判断した場合(S35でYES)、S36に進む。これにより、CPU101は、判断処理にて、シートSの切断位置CPに画像が形成されると判断した場合、後に詳述するように、切断処理時のシートSからカッター100への異物の付着を抑制する抑制処理を実行する。
【0120】
一方、CPU101は、検出センサK5によって切断位置CPに画像が形成されていないことが検出されたと判断した場合(S35でNO)、S40に進む。これにより、CPU101は、判断処理にて、シートSの切断位置CPに画像が形成されないと判断した場合、切断処理時のシートSからカッター100への異物の付着を抑制する抑制処理を実行しない。
【0121】
具体的にいえば、S40において、CPU101は、排紙センサK4から入力された検知信号がオン信号からオフ信号になったかを判定する。換言すれば、CPU101は、排紙センサK4が搬送されてくるシートSの先端を検知した後、シートSの後端を抜けることにより排紙センサK4から送られてくる検知信号が取得できなくなったことで検知信号がオフ信号になったと判定する。
【0122】
そして、CPU101は、排紙センサK4から入力された検知信号がオン信号からオフ信号になっていない場合は(S40でNO)、S40の処理に戻る、つまり待機状態となる。一方、CPU101は、排紙センサK4から入力された検知信号がオン信号からオフ信号になった場合は(S40でYES)、排紙センサK4がシートSの通過完了を検知したと判定して、S41の処理に進む。
【0123】
例えば、
図5に示すように、CPU101は、時間T4にて、排紙センサK4から入力された検知信号がオン信号からオフ信号になった場合、排紙センサK4がシートSの通過完了を検知したと判定する。つまり、CPU101は、シートSの後端がニップ部Nを通過したと判定する。
【0124】
S41において、CPU101は、シートSが搬送されるのを待つ際の加熱ローラ45HRの待機温度をROM102から読み出す。そして、CPU101は、加熱ローラ45HRの目標温度としての設定温度を待機温度、例えば、約130℃に低下するように設定して、ヒータ45Hに印加する電圧の制御を開始した後、S42の処理に進む。待機温度は印字温度よりも低い温度である。例えば、
図5に示すように、CPU101は、時間T5にて、ヒータ45Hの駆動を停止する。時間T5のタイミングにおいて、シートSは、加熱ローラ45HRと加圧ローラ45PRとの間、つまり、ニップ部Nの通過を完了している。
【0125】
S41の処理により、CPU101は、排紙センサK4がシートSの通過完了を検知した時点に基づいて、加熱ローラ45HRの設定温度が印字温度よりも低い待機温度となるようヒータ45Hを制御する。排紙センサK4がシートSの通過を検知した場合、シートSはニップ部Nを通過したことになるので、加熱ローラ45HRの設定温度を下げることが好ましい。この場合において、CPU101は、加熱ローラ45HRの設定温度が印字温度よりも低い待機温度となるようヒータ45Hを制御するので、加熱ローラ45HRが局所的に昇温することを抑制できる。
【0126】
S42において、CPU101は、排紙センサK4からオフ信号が出力された時点からの経過時間の計測を開始する。続いて、CPU101は、経過時間が所定の停止時間に達したか、つまり、所定の停止時間が経過したかを判定する。なお、所定の停止時間は、シートSの切断位置CPがカッター100のカッター位置に到達するまでの経過時間である。所定の停止時間は、予めROM102に記憶されている。例えば、所定の停止時間は、
図5に示す、時間T2を開始時間とする経過時間である。
【0127】
そして、CPU101は、排紙センサK4からオフ信号が出力された時点からの経過時間が所定の停止時間に達していないと判定した場合は(S42でNO)、S42に戻る、つまり待機状態となる。一方、CPU101は、排紙センサK4からオフ信号が出力された時点からの経過時間が所定の停止時間に達したと判定した場合は(S42でYES)、S43の処理に進む。
【0128】
S43において、CPU101は、排出モータM3を駆動停止させた後、S44の処理に進む。また、CPU101は、排出モータM3の駆動停止を行うので、シートSの排紙駆動が停止される。これにより、第2排出ローラ40A及び第3排出ローラ40BがシートSを挟持した状態で停止するため、シートSは、切断位置CPがカッター100のカッター位置に位置した状態で停止する。つまり、CPU101は、シートSにおける切断位置CPがカッター100のカッター位置に到達した際に第2排出ローラ40A及び第3排出ローラ40Bを停止させる。
【0129】
S42及びS43の処理により、CPU101は、排出モータM3の駆動開始から所定時間経過すると、排出モータM3を停止してシートSを停止させることができる。これにより、CPU101は、シートSにおける切断位置CPがカッター100のカッター位置に到達するように第2排出ローラ40A及び第3排出ローラ40Bを適切に制御することができる。
【0130】
S44において、CPU101は、切断モータM1を駆動させて、カッターキャリッジに保持された刃103AをシートSの幅方向に往復移動させる。これにより、シートSは、第1シートと第2シートとに2等分に切断される。ここで、CPU101は、第2排出ローラ40A及び第3排出ローラ40Bを停止させた後、メインモータM0を駆動して加熱ローラ45HRまたは加圧ローラ45PRを回転させている状態で、カッター100によるシートSの切断を開始する。
【0131】
ここで、加熱ローラ45HRの定着温度の一例について
図5に基づいて説明する。CPU101は、時間T5にてヒータ45Hの設定温度を待機温度に設定して、ヒータ45Hの駆動を停止した場合、
図5に示すように、時間T5からニップ部Nの定着温度が下がり始める。
【0132】
そして、CPU101は、切断モータM1を駆動させた時点では、メインモータM0を駆動して加熱ローラ45HRまたは加圧ローラ45PRを回転させている状態である。このため、ニップ部Nの定着温度は、時間T5でのニップ部Nの定着温度よりも低くなっている。
【0133】
したがって、時間T4でシートSの後端がニップ部Nを通過した後、第2排出ローラ40A及び第3排出ローラ40Bが停止した後であっても、加熱ローラ45HR及び加圧ローラ45PRが回転している状態となる。このため、切断モータM1を駆動させた時点で加熱ローラ45HRが局所的に昇温することを抑制できる。よって、定着部45の耐久性が低下することを抑制できる。
【0134】
続いて、S45において、CPU101は、予め設定したメインモータM0の駆動継続時間が経過した時点でメインモータM0を停止させ、その後、S46の処理に進む。
【0135】
例えば、
図5に示すように、CPU101は、時間T6にて、メインモータM0の駆動を停止することにより、定着部45の加熱ローラ45HR及び加圧ローラ45PRを停止して、定着駆動を停止する。これにより、メインモータM0の駆動が必要でない時に、メインモータM0の駆動を停止させることで、メインモータM0により駆動される定着部45の加熱ローラ45HRや加圧ローラ45PRなどの耐久性を向上させることができる。
【0136】
シートSを切断した後、S46において、CPU101は、排出モータM3の駆動を再開して、第2排出ローラ40A及び第3排出ローラ40Bを回転させて、切断された第1シート及び第2シートを排出した後、S47の処理に進む。S47において、CPU101は、排出モータM3の駆動を停止させた後、S48の処理に進む。
【0137】
S44~S47の処理により、CPU101は、カッター100によりシートSを切断した後、排出モータM3を制御して第2排出ローラ40A及び第3排出ローラ40Bを回転させて、切断した後のシートSを排出する。そして、CPU101は、切断した後のシートSを排出した後、第2排出ローラ40A及び第3排出ローラ40Bを停止させる。これにより、第2排出ローラ40A及び第3排出ローラ40Bの駆動が必要ない場合には第2排出ローラ40A及び第3排出ローラ40Bを停止させることで第2排出ローラ40A及び第3排出ローラ40Bによる騒音を抑制できる。
【0138】
S48において、CPU101は、実行中の印刷ジョブに次のシートSの印刷する印字データがあるかを判定する。そして、CPU101は、実行中の印刷ジョブに次のシートSの印刷する印字データがないと判定した場合(S48でNO)、処理を終了する。なお、次のシートSとは、第2排出ローラ40A及び第3排出ローラ40Bによって排出されるシートSの次に、ピックアップローラ32によって給送トレイ31内からピックアップされるシートSである。
【0139】
一方、CPU101は、実行中の印刷ジョブに次のシートSの印刷する印字データがあると判定した場合(S48でYES)、S49の処理に進む。
【0140】
S49において、CPU101は、シートSに画像を定着させる際の加熱ローラ45HRの印字温度をROM102から読み出す。そして、CPU101は、時間T7にて加熱ローラ45HRの設定温度を印字温度に上昇させるように設定して、ヒータ45Hに印加する電圧の制御を開始した後、S50の処理に進む。
【0141】
S49の処理により、CPU101は、連続印字を実行する場合、切断した後のシートSを排出した後、印字温度となるようヒータ45Hを制御する。これにより、次のシートSの印字処理へ向けて加熱ローラ45HRの設定温度を適切に制御できるので、次のシートSに画像を十分に定着させることができる。
【0142】
S50において、CPU101は、メインモータM0が停止中であれば、メインモータM0の駆動を再開して、加熱ローラ45HR及び加圧ローラ45PR等を回転させた後、S51の処理に進む。
【0143】
S51において、CPU101は、温度センサ45Sを介して、加熱ローラ45HRの温度が、給紙可能温度に達したかを判定する。給紙可能温度は、待機温度よりも高い温度であり且つ印字温度以下の温度である。そして、CPU101は、加熱ローラ45HRの温度が給紙可能温度に達していないと判定した場合(S51でNO)、S51に戻る、つまり待機状態となる。
【0144】
一方、CPU101は、加熱ローラ45HRの温度が給紙可能温度に達したと判定した場合(S51でYES)、S31の処理に進む。これにより、印字処理が施された、次のシートSに対する切断処理が実行される。
【0145】
また、S35の判断処理において、CPU101がシートSの切断位置CPに画像が形成されると判断した場合では、CPU101は、S36~S39において、切断処理時のシートSからカッター100への異物の付着を抑制する抑制処理を実行する。
【0146】
具体的にいえば、S36において、CPU101は、例えば、レジ後センサK3からのオン信号を入力した時点から所定の第1時間を経過したか否かについて判別する。この第1時間は、例えば、RAM103に適宜記憶されるものであり、シートSの前端がニップ部Nを通過後のタイミングを規定する時間である。なお、このレジ後センサK3からの検知信号を用いること以外に、例えば、レジ前センサK2または排紙センサK4からのオン信号を入力した時点からの経過時間によって第1時間を規定することもできる。また、本実施形態1では、第1時間を規定することにより、ニップ部Nによる定着処理において、
図6に示すように、シートS0の切断位置CPからシートS0の前端側の寸法L1(例えば、30mm)にて示す部分のみ、局所的に加熱することができる。
【0147】
そして、CPU101は、レジ後センサK3からのオン信号を入力した時点から所定の第1時間を経過していないと判定した場合(S36でNO)、S36に戻る、つまり待機状態となる。
【0148】
一方、CPU101は、レジ後センサK3からのオン信号を入力した時点から所定の第1時間を経過したと判定した場合(S36でYES)、S37に進む。S37において、CPU101は、加熱ローラ45HRの設定温度を印字温度より高い第1温度に上昇させるように設定して、ヒータ45Hに印加する電圧の制御を開始した後、S38の処理に進む。
【0149】
S38において、CPU101は、例えば、レジ後センサK3からのオン信号を入力した時点から所定の第2時間を経過したか否かについて判別する。この第2時間は、例えば、RAM103に適宜記憶されるものであり、シートSの後端がニップ部Nを通過後のタイミングを規定する時間である。なお、このレジ後センサK3からの検知信号を用いること以外に、例えば、レジ前センサK2または排紙センサK4からのオン信号を入力した時点からの経過時間によって第2時間を規定することもできる。また、本実施形態1では、第2時間を規定することにより、ニップ部Nによる定着処理において、
図6に示すように、シートS0の切断位置CPからシートS0の後端側の寸法L2(例えば、30mm)にて示す部分のみ、局所的に加熱することができる。
【0150】
そして、CPU101は、レジ後センサK3からのオン信号を入力した時点から所定の第2時間を経過していないと判定した場合(S38でNO)、S38に戻る、つまり待機状態となる。
【0151】
一方、CPU101は、レジ後センサK3からのオン信号を入力した時点から所定の第1時間を経過したと判定した場合(S38でYES)、S39に進む。S39において、CPU101は、加熱ローラ45HRの設定温度を第1温度から印字温度に下降させるように設定して、ヒータ45Hに印加する電圧の制御を開始した後、S40の処理に進む。
【0152】
例えば、
図5に示すように、CPU101は、時間T8にて、メインモータM0の駆動を開始することにより、定着部45の加熱ローラ45HR及び加圧ローラ45PRを回転して、定着駆動を開始する。その後、CPU101は、時間T9にてシートSの先端がニップ部Nを通過した後、所定のタイムラグ後に排紙センサK4からの検知信号がオン信号となったことを判別する。その後、時間T10にて、加熱ローラ45HRの設定温度を第1温度に上昇させる。その後、CPU101は、第2時間から第1時間を引き算して得られる所定時間の間、第1温度で維持した後、時間T11にて、加熱ローラ45HRの設定温度を印字温度に下降させる。また、CPU101は、時間T12にて、ヒータ45Hの駆動を停止する。時間T12のタイミングにおいて、シートSは、加熱ローラ45HRと加圧ローラ45PRとの間、つまり、ニップ部Nの通過を完了している。さらに、CPU101は、時間T13にて、定着部45の加熱ローラ45HR及び加圧ローラ45PRを停止して、定着駆動を終了する。
【0153】
また、
図5の時間T14~T20及び時間T21~T26に示すように、CPU101は、次のシートS及びさらにその次のシートSについても、シートSの切断位置CPに画像が形成されるか否かについて判断する判断処理と、判断処理にて、シートSの切断位置CPに画像が形成されると判断した場合、切断処理時のシートSからカッター100への物の付着を抑制する抑制処理を逐次実行する。
【0154】
以上のように、本実施形態1の画像形成装置1では、CPU101は、切断処理を実行する前に、シートSの切断位置CPに画像が形成されるか否かについて判断する判断処理を実行する。また、CPU101は、判断処理にて、シートSの切断位置CPに画像が形成されると判断した場合、切断処理時のシートSからカッター100への異物の付着を抑制する抑制処理を実行する。これにより、本実施形態1の画像形成装置1では、シートSの切断位置CPに画像が形成されている場合でも、切断処理の際にシートSからカッター100へのトナー等のインク材料や紙粉などの異物の付着を抑制することができ、カッター100の切断性能や耐久性などのカッター特性が低下するのを抑えることができる。
【0155】
また、本実施形態1の画像形成装置1では、CPU101は、検出センサK5の検出結果を基に判断処理を実行するので、判断処理を精度よく行うことができる。これにより、本実施形態1の画像形成装置1では、切断処理の際にシートSからカッター100への異物の付着をより確実に抑制することができ、カッター特性の低下をより確実に抑えることができる。
【0156】
なお、上記の説明以外に、例えば、S14において、CPU101は、入力された印刷ジョブに含まれる、画像形成部4によってシートSに印字される印字データを基に、シートSの切断位置CPに画像が形成されるか否かについて判断する判断処理を実行してもよい。換言すれば、CPU101は、画像が切断位置CPに形成される前の状態のときに判断処理を実行する。この場合には、CPU101は、S14での判断処理の結果に基づいて、S35でS36に進むか否かについて判断することができる。したがって、切断処理の際にシートSからカッター100への異物の付着をより確実に抑制することができ、カッター特性の低下をより確実に抑えることができる。また、この場合には、検出センサK5の設置を省略することもできる。但し、検出センサK5を設置した場合の方が、画像が切断位置CPに形成される前の状態と画像が切断位置CPに形成された後の状態との双方の状態のときに、CPU101は判断処理を実行することができ、判断処理を高精度に行うことが可能となる点で好ましい。
【0157】
また、上記の説明以外に、例えば、S12において、CPU101は、操作パネル120を介して受け付けた印刷命令に、シートSの切断位置CPを指示する命令が含まれているか否かに基づいて、シートSの切断位置に画像が形成されるか否かについて判断する判断処理を実行してもよい。この場合には、CPU101は、S12での判断処理の結果に基づいて、S35でS36に進むか否かについて判断することができる。換言すれば、CPU101は、画像が切断位置CPに形成される前の状態のときに判断処理を実行することが可能となる。したがって、切断処理の際にシートSからカッター100への異物の付着をより確実に抑制することができ、カッター特性の低下をより確実に抑えることができる。また、この場合には、検出センサK5の設置を省略することもできる。但し、検出センサK5を設置した場合の方が、画像が切断位置CPに形成される前の状態と画像が切断位置CPに形成された後の状態との双方の状態のときに、CPU101は判断処理を実行することができ、判断処理を高精度に行うことが可能となる点で好ましい。
【0158】
また、本実施形態1の画像形成装置1では、S43及びS44に示したように、CPU101は、シートSの切断位置CPがカッター位置に到達した際に第2排出ローラ40A及び第3排出ローラ40Bを停止させた後に、カッター100によりシートSを切断している。これにより、本実施形態1の画像形成装置1では、シートSの切断位置CPに画像が形成されている場合でも、切断処理の際にシートSからカッター100への異物の付着を抑制することができ、カッター特性の低下を抑えることができる。
【0159】
また、本実施形態1の画像形成装置1では、S36~S39に示したように、CPU101は、抑制処理として、シートSの切断位置CPがニップ部Nを通過するタイミングに応じて、加熱ローラ45HRの目標温度を印字温度より高い第1温度としてヒータ45Hを制御している。これにより、CPU101は、抑制処理の際にシートSの切断位置CPを局所的に加熱することによって定着強度を高めることができる。この結果、本実施形態1の画像形成装置1では、切断処理の際にシートSからカッター100への異物の付着をより確実に抑制することができ、カッター特性の低下をより確実に抑えることができる。
【0160】
また、本実施形態1の画像形成装置1では、
図5に時間T9及びT10にて示したように、CPU101は、シートSの先端がニップ部Nを通過後、且つシートSの後端がニップ部Nを通過するより前の所定の範囲で、加熱ローラ45HRの目標温度を第1温度としてヒータ45Hを制御している。これにより、本実施形態1の画像形成装置1では、CPU101は、シートSの切断位置CPを局所的に加熱する範囲を所定の範囲(例えば、
図6の寸法L1及び寸法L2の範囲)とすることができる。この結果、本実施形態1の画像形成装置1では、シートSを全体的に加熱するのと比べて、シートSにカール等が生じるのを抑制することができる。
【0161】
また、本実施形態1の画像形成装置1では、S36~S39に示したように、CPU101は、レジ後センサK3がシートSを検知した時点に基づいて、加熱ローラ45HRの目標温度を第1温度としてヒータ45Hを制御している。これにより、本実施形態1の画像形成装置1では、CPU101は、抑制処理において、シートSの切断位置CPを局所的に加熱するのをより適切に行うことができる。
【0162】
なお、上記の説明以外に、CPU101は、抑制処理を実行する場合において、抑制処理を実行しない場合よりも、シートSの搬送速度を遅くしてもよい。具体的には、CPU101は、排出モータM3を制御することにより、第2排出ローラ40A及び第3排出ローラ40Bの回転速度を変更して、抑制処理の実行の有無に応じて、シートSの搬送速度を変更してもよい。このように、CPU101が、抑制処理を実行する場合では、抑制処理を実行しない場合よりも、シートSの搬送速度を遅くするので、シートSの搬送中にシートSを確実に冷却することができる。この結果、切断処理の際にシートSからカッター100への異物の付着をより確実に抑制することができ、カッター特性の低下をより確実に抑えることができる。
【0163】
〔変形例1〕
本開示の変形例1について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、実施形態1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0164】
図7は、本開示の変形例1に係る画像形成装置1での印字切断処理の動作例を示すフローチャートである。
図7において、本変形例1と実施形態1との主な相違点は、CPU101は、抑制処理として、シートSの後端がニップ部Nを通過してから、シートSの切断位置CPがカッター位置に到達するまでの期間において、第2排出ローラ40A及び第3排出ローラ40Bの回転を所定時間停止した後に、第2排出ローラ40A及び第3排出ローラ40Bを再度回転させる点である。
【0165】
図7に示すように、本変形例1では、S34~S42の間において、CPU101は、S61~S66を実行する。具体的にいえば、S61において、CPU101は、排紙センサK4から入力された検知信号がオン信号からオフ信号になったかを判定する。具体的には、CPU101は、排紙センサK4が搬送されてくるシートPの後端を検知して排紙センサK4から送られてくる検知信号を取得することで検知信号がオフ信号になったと判定する。
【0166】
そして、CPU101は、排紙センサK4から入力された検知信号がオン信号からオフ信号になっていない場合は(S61でNO)、S61の処理に戻る、つまり待機状態となる。一方、CPU101は、排紙センサK4から入力された検知信号がオン信号からオフ信号になった場合は(S61でYES)、排紙センサK4がシートSの通過完了を検知したと判定して、S62の処理に進む。
【0167】
S62において、CPU101は、ROM102を参照することにより、加熱ローラ45HRの設定温度を待機温度に設定する。その後、S63において、CPU101は、S35と同様に、検出センサK5の検出結果を基にシートSの切断位置CPに画像が形成されるか否かについて判断する判断処理を実行する。そして、CPU101は、検出センサK5によって切断位置CPに画像が形成されていないことが検出されたと判断した場合(S63でNO)、S42に進む。
【0168】
一方、CPU101は、検出センサK5によって切断位置CPに画像が形成されていることが検出されたと判断した場合(S63でYES)、S64に進む。S64において、CPU101は、排出モータM3の駆動を停止する。
【0169】
S65において、CPU101は、排出モータM3の駆動停止した時点から所定時間が経過したか否かについて判別する。CPU101は、排出モータM3の駆動停止した時点から所定時間が経過していないことを判別した場合(S65でNO)、S65に戻る、つまり待機状態となる。
【0170】
一方、CPU101は、排出モータM3の駆動停止した時点から所定時間が経過したことを判別した場合(S65でYES)、S66に進む。S66において、CPU101は、排出モータM3の駆動を再開する。これにより、第2排出ローラ40A及び第3排出ローラ40Bは、再度回転して、シートSを搬送する。
【0171】
以上の構成により、本変形例1では、実施形態1と同様な効果を奏する。また、本変形例1では、CPU101は、抑制処理として、ニップ部Nを通過したシートSを一時的に搬送停止させることから、シートSを確実に冷却することができる。これにより、本変形例1では、切断処理の際にシートSからカッター100への異物の付着をより確実に抑制することができ、カッター特性の低下をより確実に抑えることができる。
【0172】
〔変形例2〕
本開示の変形例2について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、実施形態1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0173】
図8は、本開示の変形例2に係る画像形成装置1での印字切断処理の動作例を示すフローチャートである。
図8において、本変形例2と実施形態1との主な相違点は、CPU101は、抑制処理として、シートSの切断位置CPがカッター位置に到達してから、第2排出ローラ40A及び第3排出ローラ40Bを停止した後、切断処理を実行するまでの期間の長さを、シートSの切断位置CPに画像が形成されない場合よりも、シートSの切断位置CPに画像が形成される場合の方を長くした点である。
【0174】
図8に示すように、本変形例2では、S34~S44の間において、CPU101は、S71~S76を実行する。具体的にいえば、S71において、CPU101は、排紙センサK4から入力された検知信号がオン信号からオフ信号になったかを判定する。具体的には、CPU101は、排紙センサK4が搬送されてくるシートPの後端を検知して排紙センサK4から送られてくる検知信号を取得することで検知信号がオフ信号になったと判定する。
【0175】
そして、CPU101は、排紙センサK4から入力された検知信号がオン信号からオフ信号になっていない場合は(S71でNO)、S71の処理に戻る、つまり待機状態となる。一方、CPU101は、排紙センサK4から入力された検知信号がオン信号からオフ信号になった場合は(S71でYES)、排紙センサK4がシートSの通過完了を検知したと判定して、S72の処理に進む。
【0176】
S72において、CPU101は、ROM102を参照することにより、加熱ローラ45HRの設定温度を待機温度に設定する。その後、S73において、CPU101は、S71にて、排紙センサK4からオフ信号を入力した時点から所定の停止時間が経過したか否かについて判別する。CPU101は、排紙センサK4からオフ信号を入力した時点から所定の停止時間が経過していないことを判別した場合(S73でNO)、S73に戻る、つまり待機状態となる。
【0177】
一方、CPU101は、排紙センサK4からオフ信号を入力した時点から所定の停止時間が経過したことを判別した場合(S73でYES)、S74に進む。S74において、CPU101は、排出モータM3の駆動を停止する。これにより、第2排出ローラ40A及び第3排出ローラ40Bは、シートSの搬送を停止する。
【0178】
S75において、CPU101は、S35と同様に、検出センサK5の検出結果を基にシートSの切断位置CPに画像が形成されるか否かについて判断する判断処理を実行する。そして、CPU101は、検出センサK5によって切断位置CPに画像が形成されていないことが検出されたと判断した場合(S75でNO)、S44に進む。
【0179】
一方、CPU101は、検出センサK5によって切断位置CPに画像が形成されていることが検出されたと判断した場合(S75でYES)、S76に進む。S76において、CPU101は、所定時間の間、待機状態となる。その後、CPU101は、所定時間が経過した時点で待機状態を解除して、S44に進む。
【0180】
以上の構成により、本変形例2では、実施形態1と同様な効果を奏する。また、本変形例2では、CPU101は、抑制処理として、S76を実行することにより、シートSの切断位置CPがカッター位置に到達してから、第2排出ローラ40A及び第3排出ローラ40Bを停止した後、切断処理を実行するまでの期間の長さを、シートSの切断位置CPに画像が形成されない場合よりも、シートSの切断位置CPに画像が形成される場合の方を長くしている。これにより、本変形例2では、CPU101は、カッター位置に到達したシートSに対する切断処理の実行前にシートSを一時的に待機させることとなり、シートSを確実に冷却することができる。この結果、本変形例2では、切断処理の際にシートSからカッター100への異物の付着をより確実に抑制することができ、カッター特性の低下をより確実に抑えることができる。
【0181】
〔実施形態2〕
本開示の実施形態2について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、実施形態1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0182】
図9は、本開示の実施形態2に係る画像形成装置1の概略構成を説明する図である。
図9において、本実施形態2と実施形態1との主な相違点は、シートSに対して、両面印刷が可能なように、定着部45を通過したシートSを画像形成部4に向けて再搬送するための再搬送経路を設置して、再搬送経路を抑制処理に利用した点である。
【0183】
図9に示すように、本実施形態2の画像形成装置1には、筐体10の内部において、給送トレイ31と画像形成部4及び定着部45との間に、シートSの搬送路に含まれた、再搬送経路としての第2搬送路H2が形成されている。この第2搬送路H2では、その一端部及び他端部がそれぞれ合流箇所G1及び合流箇所G3で第1搬送路H1に接続されており、相互にシートSを搬送可能となっている。
【0184】
具体的にいえば、第2搬送路H2には、シートSを搬送するための搬送ローラとして、例えば、第2搬送路H2での搬送方向に沿って反転搬送ローラ39A及び反転搬送ローラ39Bが順次設けられている。そして、第2搬送路H2では、第1排出ローラ38によって合流箇所G1からスイッチバックされてきたシートSに対して、反転搬送ローラ39A及び反転搬送ローラ39Bにより、合流箇所G3に向けて順次搬送するように構成されている。これらの反転搬送ローラ39A及び反転搬送ローラ39Bは、例えば、メインモータM0からの駆動力により、回転するように構成されている。
【0185】
本実施形態2の画像形成装置1では、第2搬送路H2により、定着部45を通過したシートSであって、表面(オモテ面)または裏面のいずれかの面に画像形成部4による印字処理が施されたシートSが、CPU101の動作指示に基づいて、感光ドラム46に向けて再搬送される。
【0186】
また、本実施形態2の画像形成装置1では、CPU101は、切断処理時のシートSからカッター100への異物の付着を抑制する抑制処理として、シートSに対する両面印字処理、つまり両面印刷の実行の有無に関わらず、定着部45を通過したシートSを第2搬送路H2に搬送するよう構成されている。
【0187】
以上の構成により、本実施形態2では、実施形態1と同様な効果を奏する。また、本実施形態2では、CPU101は、抑制処理の際にシートSを第2搬送路H2に通紙しているので、定着部45に対してシートSを2回通過させることとなり、シートSでの定着強度を高めることができる。これにより、本実施形態2では、切断処理の際にシートSからカッター100への異物の付着をより確実に抑制することができ、カッター特性の低下をより確実に抑えることができる。
【0188】
〔実施形態3〕
本開示の実施形態3について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、実施形態1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0189】
図10は、本開示の実施形態3に係る画像形成装置1の概略構成を説明する図である。
図10において、本実施形態3と実施形態1との主な相違点は、ファンFを筐体10に設けて、ファンFを抑制処理に利用した点である。
【0190】
図10に示すように、本実施形態3の画像形成装置1には、筐体10の内部において、ファンFが定着部45の上方に設けられており、CPU101が、ファンFを駆動することによって、筐体10の内部の空気を外部に排気するように構成されている。
【0191】
具体的にいえば、ファンFは、例えば、筐体10における、シートSの幅方向の一端側で筐体10の外壁に形成された開口部に接続されるように配置されている。また、ファンFには、図示しないダクトの一端部が接続されている。また、このダクトの他端部は、筐体10の内部において、定着部45の近傍に配置されている。そして、CPU101は、ファンFが駆動することにより、ダクトを通して筐体10の内部の空気を排気する。
【0192】
また、ファンFとダクトとの間には、図示しないフィルタが配置されている。画像形成装置1では、例えば、カッター100において、紙粉などの塵が生じた場合でも、ファンFの機能によって塵をフィルタ側に吸引して、塵が筐体10の内部に飛散するのを抑制しつつ、フィルタで捕集するよう構成されている。
【0193】
また、本実施形態3の画像形成装置1では、CPU101は、切断処理時のシートSからカッター100への異物の付着を抑制する抑制処理として、シートSの切断位置CPがニップ部Nを通過した後、ファンFの駆動速度を速くよう構成されている。
【0194】
以上の構成により、本実施形態3では、実施形態1と同様な効果を奏する。また、本実施形態3では、CPU101は、シートSの切断位置CPがニップ部Nを通過した後、ファンFの駆動速度を速くするので、シートSを確実に冷却することができる。これにより、本実施形態3では、切断処理の際にシートSからカッター100への異物の付着をより確実に抑制することができ、カッター特性の低下をより確実に抑えることができる。
【0195】
なお、上記の説明では、排出モータM3を設けて第1排出ローラ38、第2排出ローラ40A、及び第3排出ローラ40Bに駆動力を伝達する構成について説明した。しかしながら、本開示はこれに限定されるものではなく、例えば、メインモータM0の駆動力を用いて第1排出ローラ38、第2排出ローラ40A、及び第3排出ローラ40Bを動作させる構成でもよい。
【0196】
但し、上記のように、排出モータM3を設ける場合の方が、CPU101が排出モータM3を制御することによって第1排出ローラ38、第2排出ローラ40A、及び第3排出ローラ40Bを独立して制御することが可能となり、第1排出ローラ38、第2排出ローラ40A、及び第3排出ローラ40Bの各排出ローラをより適切に動作させることができる点で好ましい。
【0197】
また、上記の説明では、感光ドラム46と現像ローラ44RとをメインモータM0からの駆動力によって回転させる構成について説明した。しかしながら、本開示はこれに限定されるものではなく、例えば、各々独立したモータを用いて感光ドラム46と現像ローラ44Rとを駆動してもよい。
【0198】
但し、上記のように、メインモータM0の駆動力を用いて感光ドラム46と現像ローラ44Rとを回転させる場合の方が、CPU101は、メインモータM0を制御することによって感光ドラム46と現像ローラ44Rとを制御することが可能となり、画像形成部4をより適切に動作させることができる点で好ましい。
【0199】
上述した各実施形態及び各変形例においては、第3搬送路H3にカッター100を配置した構成について説明した。しかしながら、本開示はこれに限定されない。例えば、第3搬送路H3を設けることなく、第1搬送路H1において、第1排出ローラ38の搬送方向の上流側にカッター100を配置する構成でもよい。この場合、画像形成装置1の本体を小型化することができる。
【0200】
本開示は上述した各実施形態及び各変形例に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、各実施形態おっよび各変形例に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる構成についても本開示の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0201】
1 画像形成装置
4 画像形成部
36 レジストレーションローラ
38 第1排出ローラ
40A 第2排出ローラ
40B 第3排出ローラ
42R 転写ローラ
44R 現像ローラ
45 定着部
45HR 加熱ローラ(加熱回転体)
45PR 加圧ローラ(加圧回転体)
46 感光ドラム
100 カッター
101 CPU(制御部)
120 操作パネル(操作受付部)
130 通信I/F(受信部)
C 制御部
K5 検出センサ
F ファン
M0 メインモータ
M3 排出モータ
N ニップ部
H2 第2搬送路(再搬送経路)
S シート