(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095361
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B65H 29/60 20060101AFI20240703BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240703BHJP
B65H 29/58 20060101ALI20240703BHJP
B41J 11/70 20060101ALI20240703BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
B65H29/60 D
G03G21/00 370
B65H29/58 A
B41J11/70
G03G15/00 460
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022212590
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】篠矢 翔太
(72)【発明者】
【氏名】水野 智之
(72)【発明者】
【氏名】古山 達也
【テーマコード(参考)】
2C058
2H072
2H270
3F053
【Fターム(参考)】
2C058AB11
2C058AB23
2C058AC08
2C058AE02
2C058AF51
2C058LA03
2C058LB06
2C058LC28
2H072AA17
2H072AA23
2H072AB11
2H072DA07
2H072FA01
2H072FB06
2H072JA02
2H072JA04
2H270KA57
2H270LC17
2H270LC19
2H270MC61
2H270MC65
2H270MC67
2H270ZC04
2H270ZD01
3F053EA02
3F053EC02
3F053ED17
3F053LA02
3F053LB03
(57)【要約】
【課題】シート長の異なるシート排出時における、画像形成装置の排出性能の向上を実現する。
【解決手段】画像形成装置(1)では、第2排出ローラ(37)は、第1排出ローラ(35)よりも排出方向(D3)の下流且つ上方に位置し、載置面(23)の第1排出ローラ(35)側の第1端(231)から、第2排出ローラ(37)の鉛直方向の下方に位置する載置面(23)の基準点(24)までの載置面(23)に沿う方向の最短距離の長さは、第2排出ローラ(37)から排出されるシートのシート長よりも短い。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体と、
シートに画像を形成する画像形成部と、
シートを切断可能な刃を有する切断機構と、
前記装置本体に設けられ、排出後のシートが載置される載置面を有する排出トレイと、
前記画像形成部により画像が形成され、且つ前記切断機構により切断されていないシートを前記排出トレイに排出する第1排出ローラと、
前記画像形成部により画像が形成され、且つ前記切断機構により切断されたシートを前記排出トレイに排出する第2排出ローラと、を備え、
前記第2排出ローラは、前記第1排出ローラよりもシートを排出する方向である排出方向の下流且つ上方に位置し、
前記載置面のうち前記排出方向における前記第1排出ローラ側の第1端から、前記第2排出ローラの鉛直方向の下方に位置する前記載置面の基準点までの前記載置面に沿う方向の最短距離の長さは、前記第2排出ローラから排出されるシートのシート長よりも短い、
画像形成装置。
【請求項2】
前記排出トレイは、前記載置面の前記第1端から上方に向けて突出する立壁を有する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記載置面は、前記第1端が前記第1端とは反対の第2端よりも下方に位置するように、前記第1端と前記第2端との間に形成された傾斜面を有する、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記載置面は、前記傾斜面よりも前記第2端側に形成された水平面を有しており、
前記水平面は、前記第2排出ローラよりも下方である、請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記装置本体は、
前記第1排出ローラが配置され、画像が形成されたシートを前記第1排出ローラに案内する第1搬送経路と、
前記第2排出ローラ及び前記切断機構が配置され、画像が形成されたシートを第2排出ローラに案内する第2搬送経路と、を有する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記装置本体に対して回動可能に設けられ、前記載置面に向かって延びており、前記第1排出ローラにより前記排出トレイに排出されるシートと当接可能な第1スタックレバーと、
前記装置本体に対して回動可能に設けられ、前記載置面に向かって延びており、前記第2排出ローラにより前記排出トレイに排出されるシートと当接可能な第2スタックレバーと、を更に備え、
前記第1スタックレバーの回動範囲における上方の限界位置である上限位置よりも上方に前記第2排出ローラが配置されている、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第1スタックレバーは、前記排出方向と直交する方向である前記載置面の幅方向における一方側の第3端側、及び他方側の第4端側にそれぞれ対応する位置に複数配置されている、請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記第2スタックレバーは、前記排出方向と直交する方向である前記載置面の幅方向において、前記載置面の中央部分に対応する位置に配置されている、請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記第2排出ローラよりも前記排出方向の下流に設けられ、前記第2排出ローラにより排出されているシートと当接することで、シートに帯電する静電気を除電する除電ブラシが設けられる、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記排出トレイは、前記載置面における前記第1端とは反対の第2端側から上方に向けて突出し、排出後のシートと当接可能な当接面を有するストッパを有し、
前記第2排出ローラから前記当接面までの前記排出方向における長さは、前記第2排出ローラにより排出される切断後のシートの最大のシート長よりも長い、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記画像形成部は、感光体ドラムと、前記感光体ドラム上にトナーを供給する現像ローラと、前記感光体ドラム上に供給されたトナーをシートに転写する転写ローラと、加圧回転体及び加熱回転体を有しシートに転写されたトナーをシート上に定着させる定着器と、を有する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記載置面の基準点は、鉛直方向において、上方から前記載置面に向けて前記第2排出ローラを投影したとき、前記載置面上に投影された領域の前記排出方向における下流側の端点である、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項13】
シートを搬送する方向である搬送方向におけるシート長が異なるシートを排出可能な画像形成装置であって、
装置本体と、
前記装置本体に設けられ、排出後のシートが載置される載置面を有する排出トレイと、
前記搬送方向に沿ってシートを搬送する複数の搬送ローラと、
シートに画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部により画像が形成されたシートを前記排出トレイに排出する第1排出ローラと、
前記画像形成部により画像が形成されたシートであって、前記第1排出ローラにより排出されるシートの前記シート長よりも短い前記シート長のシートを前記排出トレイに排出する第2排出ローラと、を備え、
前記第2排出ローラは、前記第1排出ローラよりもシートを排出する方向である排出方向の下流且つ上方となる位置に配置され、
前記載置面のうち前記排出方向における前記第1排出ローラ側の第1端から、前記第2排出ローラの鉛直方向の下方に対応する位置である前記載置面の基準点までの前記載置面に沿う方向の最短距離の長さは、前記第2排出ローラから前記搬送方向において最も前記第2排出ローラに近い位置に位置する前記搬送ローラまでの前記搬送方向における長さよりも短い、
画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像が形成されたシートを切断する切断部を備えた画像形成装置がある。例えば、特許文献1の画像形成装置では、切断部により切断された切断後の用紙は排出トレイに排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の画像形成装置では、用紙長の異なる用紙が、同一の排出ローラにより同一の排出トレイに排出される。このような、用紙長が異なる用紙の排出時における画像形成装置の排出性能には更なる改善の余地がある。
【0005】
本開示は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、シート長の異なるシート排出時における、画像形成装置の排出性能の向上を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本開示の画像形成装置は、装置本体と、シートに画像を形成する画像形成部と、シートを切断可能な刃を有する切断機構と、前記装置本体に設けられ、排出後のシートが載置される載置面を有する排出トレイと、前記画像形成部により画像が形成され、且つ前記切断機構により切断されていないシートを前記排出トレイに排出する第1排出ローラと、前記画像形成部により画像が形成され、且つ前記切断機構により切断されたシートを前記排出トレイに排出する第2排出ローラと、を備え、前記第2排出ローラは、前記第1排出ローラよりもシートを排出する方向である排出方向の下流且つ上方に位置し、前記載置面のうち前記排出方向における前記第1排出ローラ側の第1端から、前記第2排出ローラの鉛直方向の下方に位置する前記載置面の基準点までの前記載置面に沿う方向の最短距離の長さは、前記第2排出ローラから排出されるシートのシート長よりも短い。
【0007】
上記の画像形成装置によれば、第2排出ローラは第1排出ローラよりも排出方向の下流にあるため、第2排出ローラにより切断後のシートを排出することで、排出トレイに排出された切断後のシートを取り出し易くすることができる。また、載置面において、第1排出ローラ側の第1端から基準点までの最短距離の長さは切断後のシートのシート長よりも短くなっている。そのため、第2排出ローラから排出された切断後のシートが、既に排出トレイに積載されているシートの間に入り込む可能性を低減することができる。これにより、切断後のシートを排出トレイに排出したとしても、排出後のシートの順番が入れ替わることを防止することができる。従って、画像形成装置の排出性能の向上が実現できる。
【0008】
また、本開示の画像形成装置の前記排出トレイは、前記載置面の前記第1端から上方に向けて突出する立壁を有していてもよい。
【0009】
上記の画像形成装置によれば、排出後のシートの立壁側の端部を立壁に当接させることができる。これにより、排出後において、シートの立壁側の端部をそろえることができる。
【0010】
また、本開示の画像形成装置の前記載置面は、前記第1端が前記第1端とは反対の第2端よりも下方に位置するように、前記第1端と前記第2端との間に形成された傾斜面を有していてもよい。
【0011】
上記の画像形成装置によれば、排出されたシートを、傾斜面により、載置面に沿って第1端側に移動させることができる。そのため、第1端側に移動したシートは第1端に配置された立壁に当接する。これにより、排出トレイに載置されるシートの立壁側の端部をそろえることができる。
【0012】
また、本開示の画像形成装置の前記載置面は、前記傾斜面よりも前記第2端側に形成された水平面を有しており、前記水平面は、前記第2排出ローラよりも下方であってもよい。
【0013】
上記の画像形成装置によれば、傾斜面よりも載置面の第2端側に形成された水平面が、第2排出ローラよりも下方に位置する。そのため、第2排出ローラと排出トレイの載置面との間の空間を形成することができる。これにより、第2排出ローラでシートが詰まった際に詰まったシートを取り出しやすくすることができる。
【0014】
また、本開示の画像形成装置の前記装置本体は、前記第1排出ローラが配置され、画像が形成されたシートを前記第1排出ローラに案内する第1搬送経路と、前記第2排出ローラ及び前記切断機構が配置され、画像が形成されたシートを第2排出ローラに案内する第2搬送経路と、を有していてもよい。
【0015】
上記の画像形成装置によれば、画像形成後のシートを切断機構にて切断し後に、第2排出ローラにより排出トレイに排出することができる。
【0016】
また、本開示の画像形成装置は、前記装置本体に対して回動可能に設けられ、前記載置面に向かって延びており、前記第1排出ローラにより前記排出トレイに排出されるシートと当接可能な第1スタックレバーと、前記装置本体に対して回動可能に設けられ、前記載置面に向かって延びており、前記第2排出ローラにより前記排出トレイに排出されるシートと当接可能な第2スタックレバーと、を更に備え、前記第1スタックレバーの回動範囲における上方の限界位置である上限位置よりも上方に前記第2排出ローラが配置されていてもよい。
【0017】
上記の画像形成装置によれば、第1スタックレバーの上限位置よりも上方に第2排出ローラが配置されている。よって、第1スタックレバーが装置本体に対して回動範囲の上限位置まで回動したとしても、第1スタックレバーが第2排出ローラと干渉することがない。これにより、シート排出時において、第1スタックレバーは、動作が制限されることなく通常の動作を行うことができる。
【0018】
また、本開示の画像形成装置の前記第1スタックレバーは、前記排出方向と直交する方向である前記載置面の幅方向における一方側の第3端側、及び他方側の第4端側にそれぞれ対応する位置に複数配置されていてもよい。
【0019】
上記の画像形成装置によれば、排出方向と直交する方向であるシートの幅方向において、排出後の切断されていないシートの両端を第1スタックレバーにより抑えることができる。これにより、排出トレイに載置されるシートが幅方向においてカールすることを防ぐことができる。
【0020】
また、本開示の画像形成装置の前記第2スタックレバーは、前記排出方向と直交する方向である前記載置面の幅方向において、前記載置面の中央部分に対応する位置に配置されていてもよい。
【0021】
上記の画像形成装置によれば、第2排出ローラにより排出される切断後のシートと第2スタックレバーとを当接し易くすることができる。そのため、排出された切断後のシートは、シートの前半部分と後半部分との間の紙間が短くなるが、第2スタックレバーにより、シートの前半部分を排出トレイに向けて早く排出させることができる。これにより、前半部分のシートが後半部分のシートにより押圧されて、排出後のシートの順番が入れ替わる虞を軽減できる。
【0022】
また、本開示の画像形成装置は、前記第2排出ローラよりも前記排出方向の下流に設けられ、前記第2排出ローラにより排出されているシートと当接することで、シートに帯電する静電気を除電する除電ブラシが設けられてもよい。
【0023】
上記の画像形成装置によれば、第2排出ローラから排出される切断後のシートに帯電する静電気を除去することができる。これにより、排出トレイに排出された複数のシートが静電気により、互いに引き寄せられることを防ぐことができる。
【0024】
また、本開示の画像形成装置の前記排出トレイは、前記載置面における前記第1端とは反対の第2端側から上方に向けて突出し、排出後のシートと当接可能な当接面を有するストッパを有し、前記第2排出ローラから前記当接面までの前記排出方向における長さは、前記第2排出ローラにより排出される切断後のシートの最大のシート長よりも長くてもよい。
【0025】
上記の画像形成装置によれば、第1排出ローラ及び第2排出ローラにより排出されるシートがストッパと当接することにより、排出トレイの外部にシートが移動してしまう恐れを軽減できる。これにより、排出トレイに排出後のシートを積載することができる。また、第2排出ローラにより排出されたシートが積載されているシートの間に入り込む可能性を軽減することができる。これにより、排出後におけるシートの順番が入れ替わることを防止することができる。
【0026】
また、本開示の画像形成装置の前記画像形成部は、感光体ドラムと、前記感光体ドラム上にトナーを供給する現像ローラと、前記感光体ドラム上に供給されたトナーをシートに転写する転写ローラと、加圧回転体及び加熱回転体を有しシートに転写されたトナーをシート上に定着させる定着器と、を有する。
【0027】
また、本開示の画像形成装置の前記載置面の基準点は、鉛直方向において、上方から前記載置面に向けて前記第2排出ローラを投影したとき、前記載置面上に投影された領域の前記排出方向における下流側の端点であってもよい。
【0028】
上記の課題を解決するために、本開示の画像形成装置は、シートを搬送する方向である搬送方向におけるシート長が異なるシートを排出可能な画像形成装置であって、装置本体と、前記装置本体に設けられ、排出後のシートが載置される載置面を有する排出トレイと、前記搬送方向に沿ってシートを搬送する複数の搬送ローラと、シートに画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部により画像が形成されたシートを前記排出トレイに排出する第1排出ローラと、前記画像形成部により画像が形成されたシートであって、前記第1排出ローラにより排出されるシートの前記シート長よりも短い前記シート長のシートを前記排出トレイに排出する第2排出ローラと、を備え、前記第2排出ローラは、前記第1排出ローラよりもシートを排出する方向である排出方向の下流且つ上方となる位置に配置され、前記載置面のうち前記排出方向における前記第1排出ローラ側の第1端から、前記第2排出ローラの鉛直方向の下方に対応する位置である前記載置面の基準点までの前記載置面に沿う方向の最短距離の長さは、前記第2排出ローラから前記搬送方向において最も前記第2排出ローラに近い位置に位置する前記搬送ローラまでの前記搬送方向における長さよりも短い。
【0029】
上記の画像形成装置によれば、第2排出ローラは第1排出ローラよりも排出方向の上流にあるため、第2排出ローラによりシート長の短いシートを排出することで、排出トレイに排出されたシート長の短いシートを取り出し易くすることができる。また、載置面において、第1排出ローラ側の第1端から基準点までの最短距離の長さは、第2排出ローラから搬送方向において最も第2排出ローラに近い位置に位置する搬送ローラまでの搬送方向における長さよりも短くなっている。そのため、第2排出ローラから排出されたシート長の短いシートが、既に排出トレイに積載されているシートの間に入り込む可能性を低減することができる。これにより、シート長の短いシートを排出トレイに排出したとしても、排出後のシートの順番が入れ替わることを防止することができる。従って、画像形成装置の排出性能の向上が実現できる。
【発明の効果】
【0030】
本開示の一態様によれば、シート長の異なるシート排出時における、画像形成装置の排出性能の向上を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本開示の実施形態1に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。
【
図2】本開示の実施形態1に係る画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。
【
図3】カッターによるシートの切断を説明するための図である。
【
図4】第1排出口及び第2排出口の近傍における各部材と排出トレイの載置面との配置関係を説明するための図である。
【
図5】カッターの概略構成を説明する斜視図である。
【
図6】本開示の実施形態2に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
〔実施形態1〕
以下、本開示の実施形態1に係る画像形成装置1ついて、
図1から
図4を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本開示の実施形態1に係る画像形成装置1の概略構成を示す図である。
【0033】
[画像形成装置の構成]
図1に示すように、画像形成装置1は、モノクロレーザプリンタであり、装置本体2と、搬送部3と、画像形成部4と、フラッパ8と、カッター10と、レジ前センサ110と、レジ後センサ111と、排出センサ112とを備える。以下、説明の便宜上、
図1等の矢印で示されるように、画像形成装置1の上下方向、前後方向、および左右方向を定義する。
【0034】
なお、
図1等に示す上下方向は、水平面上に画像形成装置1を載置した通常の画像形成装置1の使用時における上下方向を指す。また、本実施形態において、
図1等に示す前後方向はシートPの排出方向D3と同じ方向であり、
図4に示す左右方向は排出トレイ22の載置面23の幅方向である。
【0035】
装置本体2は、フロントカバー20と、供給トレイ21と、排出トレイ22と、第1排出口25と、第2排出口26と、を有する。フロントカバー20は、装置本体2の前面に位置する。フロントカバー20は、開閉可能である。
【0036】
供給トレイ21は、装置本体2の下部に位置する。供給トレイ21には、シートPが載置される。シートPは、例えば、普通紙、厚紙、光沢紙、ラベル紙、封筒である。なお、画像形成装置1の供給トレイ21の数は、1個に限定されず、複数個有してもよい。
【0037】
供給トレイ21は、前方に移動することで装置本体2から引き出すことができ、引き出した後に後方に移動させることで装置本体2に装着できる。装置本体2から供給トレイ21を取り外された状態では、ユーザによる供給トレイ21へのシートPの補充、供給トレイ21に載置するシートPの交換等が可能となる。供給トレイ21に載置されるシートのうち、A4サイズのシートの長辺が前後方向に沿うように載置される。すなわち、A4サイズのシートの長辺が、搬送方向に沿うように搬送される。なお、シートのサイズは一例であり、A4サイズに限るものではない。
【0038】
供給トレイ21は、シート押圧板21Aを有する。シート押圧板21Aは、供給トレイ21内のシートPを上方に押し上げる。シート押圧板21AによりシートPが押し上げられると、シートPが供給トレイ21から画像形成部4へ搬送可能な状態となる。
【0039】
排出トレイ22は、装置本体2に設けられ、装置本体2の外部に位置する。より詳細には、排出トレイ22は、装置本体の上面の一部を構成する。排出トレイ22は、載置面23と、ストッパ27と、立壁221とを有している。
【0040】
載置面23は、後述する第1排出ローラ35及び第2排出ローラ37により排出されるシートPが載置される面である。載置面23は、傾斜面23Aと、水平面23Bとを有している。傾斜面23Aは、載置面23の第1端231が載置面23の第2端232よりも下方に位置するように、第1端231と、第2端232との間に形成される。第1端231は排出方向D3における第1排出ローラ35側に位置し、第2端232は第1端231とは排出方向D3において反対側に位置している。傾斜面23Aは、第1端231から第2端232側に向かうにつれ、即ち、本実施形態において後方から前方に向かうにつれ上方に向かって傾斜する面である。
【0041】
水平面23Bは、排出方向D3において傾斜面23Aよりも第2端232側に形成されている。水平面23Bは、傾斜面23Aの第2端232側から連続し、第2端232に至るまでの水平な面である。水平面23Bは、後述する第2排出ローラ37よりも下方に位置している。なお、第1端231と傾斜面23Aとの間に水平面が形成されていてもよい。すなわち、載置面23は、第1端231から排出方向D3に向かって順に、水平面、傾斜面23A、水平面23Bと連続して形成されてもよい。
【0042】
ストッパ27は、排出トレイ22の載置面23の第2端232側に設けられている。ストッパ27は、排出トレイ22に排出されたシートPと当接することで、排出トレイ22に排出されたシートPを排出トレイ22内に積載する。
【0043】
ストッパ27は、回動軸28を中心に、収容位置27Aと使用位置27Bとの間で回動可能である。収容位置27Aは、ストッパ27が排出トレイ22の凹部に収容された状態である。従って、ストッパ27が収容位置27Aに位置するとき、装置本体2の前方に移動するシートP、例えば排出方向D3に排出されるシートPはストッパ27の当接面271に当接しない。即ち、ストッパ27が収容位置27Aに位置するとき、ストッパ27によってシートPの前方への移動が制限されない状態である。
【0044】
ストッパ27の使用位置27Bは、排出トレイ22の凹部から外部にストッパ27が出された状態の位置である。ストッパ27が使用位置27Bに位置するとき、ストッパ27は載置面23から上方に向かって突出する状態である。従って、ストッパ27の当接面271と、装置本体2の前方に移動するシートP、例えば排出方向D3に移動する排出後のシートPとが、当接可能な状態である。これにより、シートPの前方への移動がストッパ27により制限され、シートPを排出トレイ22内に収納することができる。
【0045】
立壁221は、載置面23の第1端231から上方に向けて突出する壁である。立壁221は、装置本体2に形成される第1排出口25の下方に位置する。立壁221は、傾斜面23Aに沿って下方に移動するシートPの後方の端部と当接可能である。そのため、排出後のシートPの後方の端部を揃えることができる。
【0046】
装置本体2は、搬送経路200と、再搬送経路201とを有する。搬送経路200は、供給トレイ21から後述する画像形成部4および定着器5を経由して装置本体2の外部に向けてシートPを搬送するための経路である。再搬送経路201については、後述する。
【0047】
搬送経路200は、第1搬送経路200Aと、第2搬送経路200Bとを有する。搬送経路200は、分岐点200Cから、第1搬送経路200Aと第2搬送経路200Bとに分岐する。
【0048】
第1搬送経路200Aは、搬送経路200の一部であり、分岐点200Cよりも下流側に位置する。第1搬送経路200Aは、分岐点200Cから、装置本体2の外部にシートPを排出するための第1排出口25に至るまでの経路である。第1搬送経路200Aは、画像が形成されたシートPを第1排出ローラ35に案内する経路である。
【0049】
第2搬送経路200Bは、搬送経路200の一部であり、分岐点200Cよりも下流側に位置する。第2搬送経路200Bは、第1搬送経路よりも上方に位置している。第2搬送経路200Bは、分岐点200Cから装置本体2の外部に向けてシートPを排出するための第2排出口26に至るまでの経路である。第2搬送経路200Bは、画像が形成されたシートPを第2排出ローラ37に案内する経路である。
【0050】
分岐点200Cの近傍には、シートPを第1搬送経路200Aまたは第2搬送経路200Bに振り分けるためのフラッパ8が設けられている。フラッパ8は、図示していない駆動モータの駆動力により、実線で示す第1位置8Aと、2点鎖線で示す第2位置8Bとの間を回動することができる。
【0051】
フラッパ8が第1位置8Aに位置するとき、シートPは、第1搬送経路200Aの第1搬送方向D1に搬送され、第1排出口25へ案内される。一方で、フラッパ8が第2位置8Bに位置するとき、シートPは、第2搬送経路200Bの第1搬送方向D1に沿って第2排出口26へ案内される。
【0052】
搬送部3は、ピックアップローラ30と、分離ローラ31と、紙粉取りローラ32と、レジストレーションローラ33と、ローラ34と、第1排出ローラ35と、搬送ローラ36と、第2排出ローラ37と、再搬送ローラ38および39とを有している。また、搬送部3は、
図2を用いて後述するメインモータ108および排出モータ109を更に有し、メインモータ108または排出モータ109から伝達される駆動力により、搬送部3の各部を回転させてシートPを搬送する。
【0053】
ピックアップローラ30は、メインモータ108(
図2)から伝達される駆動力により回転する。ピックアップローラ30は、供給トレイ21においてシート押圧板21Aにより上方に押し上げられたシートPを、ピックアップする。分離ローラ31は、ピックアップローラ30がピックアップしたシートPを1枚ずつ分離する。ピックアップローラ30および分離ローラ31により、供給トレイ21から搬送経路200へシートPを搬送することで、供給トレイ21から搬送経路200へシートPが給紙される。紙粉取りローラ32は、シートPの表面上の紙粉等を除去する。
【0054】
レジストレーションローラ33は、搬送経路200において画像形成部4の上流側に配置される。レジストレーションローラ33は、シートPの先端の方向を揃えた後、画像形成部4へ向けてシートPを搬送する。ローラ34は、定着器5の下流側に配置され、定着器5を通過した後のシートPを分岐点200Cに向けて搬送する。
【0055】
第1排出ローラ35は、第1搬送経路200Aに配置されている。第1排出ローラ35は、載置面23の第1端231よりも排出方向D3の上流に配置されている。第1排出ローラ35は、排出モータ109(
図2)から伝達される駆動力により回転することで、第1搬送経路200Aに沿って第1排出口25から装置本体2の外部に向けてシートPを排出する。第1排出ローラ35により第1排出口25から排出されたシートPは、排出トレイ22の載置面23に載置される。第1排出ローラ35は、排出モータ109の駆動により駆動する駆動ローラ35Aと、駆動ローラ35Aの回転に伴い回転する従動ローラ35Bとにより構成される。
【0056】
搬送ローラ36及び第2排出ローラ37は、第2搬送経路200Bに配置されている。搬送ローラ36及び第2排出ローラ37は、排出モータ109(
図2)から伝達される駆動力により回転する。搬送ローラ36は、第2排出ローラ37に向けてシートPを搬送する。搬送ローラ36は、第1搬送方向D1において最も第2排出ローラ37に近い位置に位置する搬送ローラである。搬送ローラ36は、排出モータ109の駆動により駆動する駆動ローラ36Aと、駆動ローラ36Aの回転に伴い回転する従動ローラ36Bとにより構成される。
【0057】
第2排出ローラ37は、第2搬送経路200Bに沿って第2排出口26から装置本体2の外部に向けてシートPを排出する。第2排出ローラ37により第2排出口26から排出されたシートPは、排出トレイ22の載置面23に載置される。第2排出ローラ37は、第1排出ローラ35よりも排出方向D3の下流、即ち装置本体の前方側に位置している。また、第2排出ローラ37は、第1排出ローラ35の上方に位置している。第2排出ローラ37は、排出モータ109の駆動により駆動する駆動ローラ37Aと、駆動ローラ37Aの回転に伴い回転する従動ローラ37Bとにより構成される。
【0058】
画像形成部4は、ドラムカートリッジ6、レーザユニット7及び定着器5を有し、シートPに画像を形成する。ドラムカートリッジ6は、感光体ドラム61と、トナー収容部62と、供給ローラ63と、現像ローラ64と、ピンチローラ66と、転写ローラTRとを有する。ドラムカートリッジ6は、装置本体2に対して着脱可能である。
【0059】
ドラムカートリッジ6のピンチローラ66は、レジストレーションローラ33と向かい合って位置する。ピンチローラ66は、レジストレーションローラ33の回転に従動回転して、レジストレーションローラ33とともにシートPを搬送する。
【0060】
感光体ドラム61は、メインモータ108(
図2)から伝達される駆動力により、ドラム軸61Xについて回転する。
【0061】
レーザユニット7は、画像データに基づくレーザ光Bを出射し、不図示の帯電器によって表面を一様に帯電させた感光体ドラム61の表面を露光する。露光した感光体ドラム61の表面には、画像データに基づく静電潜像が形成される。
【0062】
ドラムカートリッジ6の供給ローラ63は、トナー収容部62内のトナーを現像ローラ64に供給する。現像ローラ64は、感光体ドラム61の表面上に形成された静電潜像にトナーを供給する。これにより、静電潜像が可視像化され、感光体ドラム61の表面にトナー像が形成される。
【0063】
ドラムカートリッジ6の転写ローラTRは、感光体ドラム61と感光体ドラム61に向かい合って位置する。転写ローラTRは、感光体ドラム61上に供給されたトナーをシートPに転写する。感光体ドラム61と転写ローラTRとの間をシートPが搬送されると、トナー像がシートPに転写される。
【0064】
定着器5は、シートPに転写されたトナーをシートP上に定着させる。定着器5は、加熱ローラ51と、加圧ローラ52と、ヒータ53(
図2)と、温度センサ54(
図2)と、を有する。ヒータ53は、例えばハロゲンヒータであり、加熱ローラ51を加熱する。加熱ローラ51は、加熱回転体の一例である。温度センサ54は、例えば、サーミスタであって、加熱ローラ51の温度を検出する。なお、温度センサ54は、熱電対、測温抵抗体であってもよい。
【0065】
加圧ローラ52は、加熱ローラ51との間でニップNを形成する。加圧ローラ52は、加圧回転体の一例である。加圧ローラ52がメインモータ108(
図2)から伝達される駆動力により回転することにより、シートPはニップNを通過するように搬送される。ニップ部Nを通過したシートPは加熱ローラ51により加熱され、ニップNを通過したシートPにトナー像が熱定着される。加圧ローラ52の代わりに、ベルトと、ベルトを加圧ローラとの間で加圧するパッドと、を有するニップ形成部材が加圧回転体として設けられていてもよい。
【0066】
カッター10は、シートPを切断可能な刃11を有する。カッター10は、切断機構の一例である。カッター10は、第2搬送経路200Bに配置されている。カッター10は、第2搬送経路200Bの第1搬送方向D1と直交する切断方向に刃11を移動させることにより、シートPを切断する。本実施形態において、第1搬送方向D1と直交する切断方向は、前後方向と直交する方向であり、第2排出ローラ37の回転中心軸と平行な方向である。なお、切断方向は、第1搬送方向D1と直交する方向に限らず、第1搬送方向D1と交差する方向であればよい。
【0067】
ここで、カッター10の概略構成について
図5に基づいて説明する。
図5は、カッター10の概略構成を説明する斜視図である。
図5に示すように、カッター10は、支持ガイド10Cと、スライドレール12と、固定刃10Aと、刃11と、カッターキャリッジ13と、切断モータ106と、駆動プーリー14と、従動プーリー15と、プーリーベルト16と、を有している。
【0068】
支持ガイド10Cは、シート搬送方向と直交する方向である副走査方向に延びている。本実施形態の場合、副走査方向は、左右方向であり、第1排出ローラ35及び第2排出ローラ37の回転軸線方向である。また、シートPの幅方向にも相当する。スライドレール12は、支持ガイド10Cに形成された副走査方向に延びるレールである。固定刃10Aは、支持ガイド10Cに固定された副走査方向に延びる平板状の刃である。支持ガイド10Cは、スライドレール12と固定刃10Aとにより、空間10Dが形成されている。スライドレール12と固定刃10Aとにより形成された空間10DをシートPが通過する。刃11は、円板状の刃であり、カッターキャリッジ13に回転可能に固定されている。
【0069】
カッターキャリッジ13は、スライドレール12と係合し、スライドレール12に沿って、スライド移動可能に支持ガイド10Cに取り付けられている。カッターキャリッジ13は、
図5に実線で示す初期位置から破線で示す切断完了位置まで移動可能である。カッターキャリッジ13は、シートPを切断する前は、
図5において実線で示す初期位置に位置している。カッターキャリッジ13がスライドレール12に沿って切断完了位置まで移動すると、1枚のシートPが固定刃10Aと刃11とに挟まれて第1シートP1と第2シートP2とに切断される。
【0070】
カッター10は、切断モータ106の回転力を用いてカッターキャリッジ13を、副走査方向に移動させることで、シートPを切断する。これにより、シートPに対して固定刃10A及び刃11による切断処理が実行されて、シートPは、搬送方向で前後する、第1シートP1と第2シートP2とに完全に分けられる。
【0071】
駆動プーリー14は、支持ガイド10Cの副走査方向の他方側、すなわち、左右方向における右側に設けられている。駆動プーリー14は、切断モータ106の駆動力を受けて、正転および逆転に回転可能である。従動プーリー15は、支持ガイド10Cの副走査方向の一方側に設けられている。プーリーベルト16は、駆動プーリー14および従動プーリー15に巻き掛けられている。また、プーリーベルト16には、カッターキャリッジ13が固定されている。
【0072】
これにより、プーリーベルト16の回転に対応してカッターキャリッジ13が副走査方向にスライド移動するようになっている。詳しくは、切断モータ106を正転させると、カッターキャリッジ13が副査方向の一方側から他方側に向けてスライド移動し、切断モータ106を逆転させると、カッターキャリッジ13が副走査方向の他方側から一方側に向けてスライド移動するようになっている。
【0073】
図3を参照して、カッター10によるシートPの切断について説明する。
図3は、カッター10によるシートPの切断を説明するための図である。
図3(A)には、カッター10により切断されていない状態のシートPが示されている。
図3(B)には、カッター10により切断された状態の第1シートP1および第2シートP2が示されている。切断前のシートPの第1搬送方向D1における長さはPLである。以下、シートPの第1搬送方向D1における長さを単に“シート長”と称する(切断後の第1シートP1及び第2シートP2についても同様)。なお、
図3では、カッター10によりシートPが2等分される場合を例として説明する。
【0074】
図3(A)に示すシートPの切断位置CLが
図1に示すカッター10の切断位置Cの位置まで搬送されると、カッター10によりシートPは切断される。
図3(B)に示すように、第1搬送方向D1の上流側の切断後のシートである第1シートP1と、第1搬送方向D1の下流側の切断後のシートである第2シートP2とに切断される。第1シートP1は切断後のシートの前半部分であり、第2シートP2は切断後のシートの後半部分である。第1シートP1のシート長PL1、および第2シートP2のシート長PL2は、シートPのシート長PLの1/2の長さである。例えば、本実施形態においては、A4サイズ(210mm×297mm)のシートP及びレターサイズ(216mm×279mm)のシートPが切断可能に設定されている。従って、A4サイズのシートが二等分に切断されることにより、A5サイズ(210mm×148mm)の第1シートP1と第2シートP2となる。また、レターサイズのシートPは、切断後の第1シートP1及び第2シートP2とは、(216mm×139mm)となる。
【0075】
図1に示すように、第1スタックレバー40は、装置本体2に対して、回動軸41を中心に回動可能に設けられている。第1スタックレバー40は、第1排出ローラ35よりも下流に位置し、第1排出口25の近傍に設けられている。第1スタックレバー40は、排出トレイ22の載置面23に向かって延びており、第1排出ローラ35により排出トレイ22に排出されるシートPと当接可能である。また、第1スタックレバー40は、載置面23に載置されるシートPと当接可能でもある。
【0076】
第1スタックレバー40は、実線で示す下限位置40Aと、破線で示す上限位置40Bとの間で可動可能である。即ち、第1スタックレバー40の回動範囲は、下限位置40Aと、上限位置40Bとの間の範囲である。下限位置40Aは、第1スタックレバー40の回動範囲における下方の限界位置である。上限位置40Bは、第1スタックレバー40の回動範囲における上方の限界位置である。上限位置40Bよりも上方に第2排出ローラ37が配置されている。
【0077】
図4を参照して第1スタックレバー40と排出トレイ22の載置面23との配置関係について説明する。
図4は、第1排出口25及び第2排出口26の近傍における各部材と排出トレイ22の載置面23との配置関係を説明するための図である。
図4は、第1排出口25及び第2排出口26の近傍に配置される各部材を画像形成装置1の前側から後方に向かって見た図である。なお、
図4において、各部材の配置関係を見やすくするため、装置本体2及び配置関係の説明に用いない各部材は図示を省略している。
【0078】
図4に示すように、第1スタックレバー40は複数設けられている。本実施形態おいて、複数の第1スタックレバー40は、左右方向における載置面23の一方側の第3端233側、および他方側の第4端234側にそれぞれ対応する位置に配置されている。即ち、第1排出ローラ35により排出されるシートPの幅方向の両端と当接可能なように配置されている。
【0079】
図1に示すように、第2スタックレバー45は、装置本体2に対して、回動軸46を中心に回動可能に設けられている。第2スタックレバー45は、第2排出ローラ37よりも下流に位置し、第2排出口26の近傍に設けられている。第2スタックレバー45は、排出トレイ22の載置面23に向かって延びており、第2排出ローラにより排出トレイ22に排出される第1シートP1及び第2シートP2と当接可能である。
【0080】
図4に示すように、第2スタックレバー45は、載置面23の中央部分に対応する位置に配置されている。従って、第2排出ローラ37により排出される第1シートP1及び第2シートP2の中央部分と当接可能である。なお、第2スタックレバー45は、複数設けられてもよい。
【0081】
図1に示すように、第1排出口25及び第2排出口26には、それぞれ除電ブラシ42及び47が設けられている。除電ブラシ42及び47は、シートPと当接することで、シートに帯電する静電気を除電する。除電ブラシ42は、第1排出ローラ35よりも下流に設けられ、第1排出ローラ35により排出されるシートPと当接する。除電ブラシ47は、第2排出ローラ37よりも下流に設けられ、第2排出ローラ37により排出されるシートPと当接する。
図4に示すように、除電ブラシ42及び47は、載置面23の中央部分に対応する位置に配置されている。すなわち、除電ブラシ42は第1排出ローラ35により排出されるシートPの中央部分と当接し、除電ブラシ47は第2排出ローラ37により排出される第1シートP1及び第2シートP2の中央部分と当接する。
【0082】
図1に示すように、レジ前センサ110は、第1搬送方向D1における分離ローラ31とレジストレーションローラ33との間であり、かつ、レジストレーションローラ33の直前に位置する。レジ前センサ110は、そのセンサ位置におけるシートPの有無を検知し、シートPの有無に応じた信号を出力する。以下では、レジ前センサ110の出力信号は、そのセンサ位置にシートPが存在するときオンとなり、存在しないときオフとなるものとする。
【0083】
レジ後センサ111は、第1搬送方向D1におけるレジストレーションローラ33と、感光体ドラム61との間に位置する。レジ後センサ111は、そのセンサ位置におけるシートPの有無を検知し、シートPの有無に応じた信号を出力する。以下では、レジ後センサ111の出力信号は、そのセンサ位置にシートPが存在するときオンとなり、存在しないときオフとなるものとする。
【0084】
排出センサ112は、第1搬送方向D1における定着器5とフラッパ8との間に位置する。排出センサ112は、そのセンサ位置におけるシートPの有無を検知し、シートPの有無に応じた信号を出力する。以下では、排出センサ112の出力信号は、そのセンサ位置にシートPが存在するときオンとなり、存在しないときオフとなるものとする。
【0085】
レジ前センサ110、レジ後センサ111および排出センサ112には、例えば、シートPが当接することで揺動するアクチュエータを有するセンサ、光センサ等を用いることができる。
【0086】
再搬送経路201は、定着器5を通過したシートが画像形成部4に向けて搬送される経路である。定着器5により画像を形成させたシートPの表面(おもてめん)の反対面である裏面に画像を形成させるため、シートPは、再搬送経路201を通過する。
【0087】
再搬送経路201は、第1搬送経路200Aの第1搬送方向D1において排出センサ112よりも下流、かつ、第1排出ローラ35よりも上流の位置201Aから、搬送経路200の第1搬送方向D1においてレジ前センサ110よりも上流の位置201Bまでの経路である。
【0088】
再搬送経路201を用いてシートPの裏面にトナー像を定着させる場合、フラッパ8は、第1位置8Aに位置し、シートPを第1排出ローラ35に向けて案内する。シートPが定着器5を抜けると、第1排出ローラ35が逆回転し、シートPを再搬送経路201へ搬送する。再搬送ローラ38および39は、メインモータ108(
図2)から伝達される駆動力により、再搬送経路201に沿ってシートPを搬送する。再搬送経路201において、シートPは、第1搬送方向D1とは反対の第2搬送方向D2に搬送される。
【0089】
[画像形成装置の電気的構成]
次に、画像形成装置1の電気的構成について、
図2を参照して説明する。
図2は、画像形成装置1の電気的構成を示すブロック図である。
図2に示すように、画像形成装置1は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)105、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、NVRAM(Non-Volatile Random Access Memory)104と、電磁クラッチ107と、メインモータ108と、操作パネル120と、通信インターフェース(I/F)130と、排出モータ109と、を更に備える。
【0090】
ASIC105には、CPU101が搭載されている。CPU101は、画像形成装置1の各部に対する全般的な制御を行う。ROM102には、画像形成装置1を制御するための各種制御プログラム等が記憶されている。CPU101は、RAM103を作業領域として用いてプログラムを実行する。NVRAM104は、画像形成装置1の各種処理の設定、各種処理に用いるデータが記憶されている。
【0091】
ASIC105は、レーザユニット7、帯電器(不図示)、転写ローラTR、定着器5の加熱ローラ51および温度センサ54、ピックアップローラ30の電磁クラッチ107、メインモータ108、排出モータ109、レジ前センサ110、レジ後センサ111、排出センサ112、温湿度センサ113、操作パネル120、ROM102、RAM103、NVRAM104、カッター10の切断モータ106、フラッパ8、ならびに通信インターフェース(I/F)130と電気的に接続されている。
【0092】
CPU101は、レジ前センサ110、レジ後センサ111、および排出センサ112から出力信号を取得する。CPU101は、通信インターフェース(I/F)130を介してLANに接続し、画像形成装置1の外部に位置する外部情報端末と通信することができる。CPU101は、通信インターフェース130を介して外部情報端末から印刷ジョブを受け付けることができる。
【0093】
なお、CPU101は、通信インターフェース130以外のインターフェース、例えば、USBインターフェースを介して印刷ジョブを取得することにしてもよい。また、CPU101は、操作パネル120を介した入力に応じて、ROM102、RAM103またはNVRAM104に記憶されている印刷ジョブに基づいて、シートPへトナー像を定着させるよう、印刷命令を取得することにしてもよい。
【0094】
CPU101は、温度センサ54から加熱ローラ51の温度に関する情報を取得し、ヒータ53を制御し、加熱ローラ51の温度を調整する。
【0095】
CPU101は、切断モータ106を制御する。切断モータ106は、カッター10の刃11を搭載するカッターキャリッジ13に駆動力を伝達するモータである。切断モータ106はCPU101により制御され、切断モータ106の駆動力がカッターキャリッジ13に伝達されることで、刃11が切断方向に移動する。
【0096】
メインモータ108は、ピックアップローラ30、レジストレーションローラ33、再搬送ローラ38および39、加圧ローラ52、感光体ドラム61、現像ローラ64に駆動力を伝達する。
【0097】
メインモータ108は、CPU101の制御により、正転駆動または逆転駆動する。メインモータ108が正転駆動すると、ピックアップローラ30、レジストレーションローラ33、加圧ローラ52、感光体ドラム61、現像ローラ64を正回転させることができる。ピックアップローラ30、レジストレーションローラ33レジストレーションローラ33、加圧ローラ52、感光体ドラム61、および第1排出ローラ35が正回転すると、シートPは、
図1の搬送経路200に沿って搬送される。現像ローラ64が正回転すると、感光体ドラム61の表面に形成された静電潜像にトナーを供給する。
【0098】
メインモータ108が逆転駆動している場合、ピックアップローラ30、レジストレーションローラ33、加圧ローラ52、感光体ドラム61、および現像ローラ64は停止する。
【0099】
再搬送ローラ38および39は、メインモータ108が正転駆動した場合も、逆転駆動した場合も、正回転し、シートPを再搬送経路201に沿って搬送する。
【0100】
ピックアップローラ30は、電磁クラッチ107を有する。電磁クラッチ107は、CPU101により制御される。CPU101は、電磁クラッチ107をオンすることにより、メインモータ108の駆動力がピックアップローラ30に伝達される状態にする。一方、CPU101は、電磁クラッチ107をオフすることにより、メインモータ108の駆動力がピックアップローラ30に伝達されない状態にする。
【0101】
CPU101は、排出モータ109を制御することができる。排出モータ109の駆動力は、搬送ローラ36および第2排出ローラ37に伝達され、シートPが第2搬送経路200Bに沿って搬送される。また、排出モータ109の駆動力は、第1排出ローラ35に伝達され、シートPが第1搬送経路200Aに沿って搬送される。また、排出モータ109が逆転すると、第1排出ローラ35、搬送ローラ36、第2排出ローラ37は逆回転する。
【0102】
CPU101は、図示していない駆動モータを制御することにより、フラッパ8の位置を制御する。より詳細には、CPU101は、画像形成部4により画像が形成され、且つカッター10により切断しないシートPを第1搬送経路200Aに搬送するため、フラッパ8を第1位置8Aに移動させる。また、CPU101は、画像形成部4により画像が形成され、且つカッター10により切断するシートPを第2搬送経路200Bに搬送するため、フラッパ8を第2位置8Bに移動させる。
【0103】
操作パネル120は、装置本体2の上部前方の外表面に配置されている。操作パネル120は、例えば、タッチパネルで構成される。ユーザは、操作パネル120を用いて、画像形成装置1の設定を変更する操作、シートPへの画像形成を開始させる操作などを行うことができる。例えば、ユーザは、操作パネル120を操作することにより、供給トレイ21に載置するシートPの用紙種、シートサイズ等を設定することができる。シートPの用紙種とは、例えば、普通紙、厚紙、光沢紙、ラベル紙、封筒である。シートPのシートサイズとは、例えば、A4サイズ、A5サイズ、レターサイズ、角形2号、長形3号などである。
【0104】
また、印刷方式に関して、シートPの片面にのみトナー像を形成し定着させる片面印刷、もしくはシートPの両面にトナー像を形成し定着させる両面印刷等の印刷条件を指定する操作や、シートPに対して、カッター10によって切断するか否かを指定する操作を、操作パネル120により行うこともできる。さらに、印刷命令、つまり操作パネル120で指定された用紙種、シートサイズ、印刷方式に応じた印刷を開始させる印刷命令を支持する操作を行うことができる。なお、操作パネル120は、表示装置と、複数のボタンとで構成することにしてもよい。
【0105】
〔排出トレイと第2排出ローラとの配置関係について〕
図1を参照して、排出トレイ22と第2排出ローラ37との配置関係について説明する。第2排出ローラ37は、排出トレイ22の載置面23の上方に配置されている。即ち、画像形成装置1を上面視したとき、第2排出ローラ37と載置面23とが排出方向D3において重なる配置関係である。
【0106】
ここで、第2排出ローラ37の鉛直方向の下方に位置する載置面上の基準点24について以下のように定義する。基準点24は、画像形成装置1を水平面に置いた通常の使用状態において、第2排出ローラ37の鉛直方向下方に対応する位置である。より詳細には、画像形成装置1を水平面に置いた通常の使用状態において、画像形成装置1を、鉛直方向において、上方から排出トレイ22の載置面23に向けて第2排出ローラ37を投影したとき、載置面23上に投影された領域の排出方向D3における下流側の端点が基準点24である。
図1に1点鎖線にて示すように、第2排出ローラ37の外径の排出方向D3における下流側の端部から鉛直方向に延びる仮想線VLとする。基準点24は、仮想線VLと載置面23との交点である。
【0107】
本実施形態において、第2排出ローラ37の駆動ローラ37Aよりも下方に位置する従動ローラ37Bの外径により、基準点24が定まる。なお、駆動ローラ37Aが従動ローラ37Bよりも下方に位置するとき、駆動ローラ37Aの外径により基準点24が定まる。また、第2排出ローラ37が複数配置されている場合、排出方向D3において最も下流に位置する第2排出ローラが対象となる。
【0108】
載置面23の第1端231から、載置面23の基準点24までの載置面23に沿う方向の最短距離の長さL1は、第2排出ローラ37から排出される第1シートP1のシート長PL1及び第2シートP2のシート長PL2よりも短い。即ち、切断後のシートのシート長よりも長さL1が短くなるように第2排出ローラ37が配置される。なお、長さL1と比較される切断後のシートのシート長は、画像形成装置1が排出することができる切断後のシートの最小のシート長である。本実施形態においては、レターサイズを二等分したシートが最小のシート長に相当するため、L1は、139mmよりも短くなる。
【0109】
また、第2排出ローラ37からストッパ27の当接面271までの排出方向D3における長さL2は、第2排出ローラ37により排出される第1シートP1のシート長PL1及び第2シートP2のシート長PL2よりも長い。より詳細には、長さL2は、第2排出ローラ37の従動ローラ37Bの外径の排出方向D3における下流側の端部から、当接面271までの最短距離の長さである。第2排出ローラ37は、切断後のシートの最大のシート長よりも長さL2が長くなるように配置されている。
【0110】
<実施形態1の作用効果>
実施形態1に係る画像形成装置1によれば、第2排出ローラ37は第1排出ローラ35よりも排出方向D3の下流にあるため、第2排出ローラ37により切断後の第1シートP1および第2シートP2を排出することで、排出トレイ22に排出された第1シートP1および第2シートP2を取り出し易くすることができる。また、載置面23において、第1排出ローラ35側の第1端231から基準点24までの最短距離の長さL1は第1シートP1および第2シートP2のシート長PL1及びPL2よりも短くなっている。そのため、第2排出ローラ37から排出された第1シートP1および第2シートP2が、既に排出トレイ22に積載されているシートの間に入り込む可能性を低減することができる。これにより、切断後のシートを排出トレイ22に排出したとしても、排出後のシートの順番が入れ替わることを防止することができる。従って、画像形成装置1の排出性能の向上が実現できる。
【0111】
より詳細に説明すると、第2排出ローラ37から排出された第1シートP1及び第2シートP2は、仮想線VLに沿って載置面23に落ちた後、載置面23の傾斜面23Aに沿って、立壁221にシート後端が当接するまで移動する可能性がある。仮に、載置面23において、長さL1が第1シートP1および第2シートP2のシート長PL1及びPL2よりも長い場合、第1シートP1および/または第2シートP2の後端が基準点24の位置に止まることが有る。例えば、先に排紙される第1シートP1が立壁221まで移動したあと、第2シートP2の後端が基準点24の位置にて止まる場合、ユーザが取り出すときに、シートの順番が入れ替わってしまい、第2シートP2が一枚目、第1シートP1が二枚目として取り出されてしまう。また、すでに複数枚のシートPが排出トレイ22に排出されている状態で、排出された第1シートP1及び第2シートP2が立壁221まで移動した場合に、その後さらに排出されるシートPの後端が基準点24の位置になるようにとどまった場合にも、排出後のシートP、第1シートP1及び第2シートP2の順番が入れ替わってしまう。
【0112】
また、画像形成装置1では、排出トレイ22は、載置面23の第1端231から上方に向けて突出する立壁221を有していてもよい。排出トレイ22が立壁221を有する構成によれば、排出後のシートP、第1シートP1及び第2シートP2の立壁221側の端部を立壁221に当接させることができる。これにより、排出後において、シートP、第1シートP1及び第2シートP2の立壁221側の端部をそろえることができる。
【0113】
また、載置面23が傾斜面23Aを有する構成によれば、排出されたシートP、第1シートP1及び第2シートP2を、傾斜面23Aにより、載置面23に沿って第1端231側に移動させることができる。そのため、第1端231側に移動したシートP、第1シートP1及び第2シートP2は第1端231に配置された立壁221に当接する。これにより、排出トレイ22に載置されるシートP、第1シートP1及び第2シートP2の立壁221側の端部をそろえることができる。
【0114】
また、載置面23の水平面23Bが第2排出ローラ37より下方である構成よれば、傾斜面23Aよりも載置面23の第2端232側に形成された水平面23Bが、第2排出ローラ37よりも下方に位置する。そのため、第2排出ローラ37と排出トレイ22の載置面23との間の空間を形成することができる。これにより、第2排出ローラ37で第1シートP1または第2シートP2が詰まった際に詰まった第1シートP1または第2シートP2を取り出しやすくすることができる。
【0115】
第1搬送経路200Aおよび第2搬送経路200Bを有する構成によれば、画像形成後のシートPをカッター10にて切断し後に、第2排出ローラ37により排出トレイ22に排出することができる。
【0116】
第1スタックレバー40の上限位置40Bよりも上方に第2排出ローラ37が配置されている構成によれば、第1スタックレバー40が装置本体2に対して回動範囲の上限位置40Bまで回動したとしても、第1スタックレバー40が第2排出ローラ37と干渉することがない。これにより、第1シートP1及び第2シートP2の排出時において、第1スタックレバー40は、動作が制限されることなく通常の動作を行うことができる。
【0117】
第1スタックレバー40を載置面23の第3端233側、及び第4端234側にそれぞれ配置させる構成によれば、排出方向D3と直交する方向であるシートの幅方向において、排出後の切断されていないシートPの両端を第1スタックレバー40により抑えることができる。これにより、排出トレイ22に載置されるシートPが幅方向においてカールすることを防ぐことができる。
【0118】
第2スタックレバー45を載置面23の幅方向の中央部分に対応する位置に配置させる構成によれば、第2排出ローラ37により排出される切断後の第1シートP1及び第2シートP2と第2スタックレバー45とを当接し易くすることができる。そのため、排出された切断後の第1シートP1及び第2シートP2は、シートの前半部分である第1シートP1と後半部分である第2シートP2との間の紙間が短くなるが、第2スタックレバー45により、第1シートP1を排出トレイ22に向けて早く排出させることができる。これにより、第1シートP1が第2シートP2により押圧されて、排出後のシートの順番が入れ替わる虞を軽減できる。
【0119】
除電ブラシ47を設ける構成によれば、第2排出ローラ37から排出される切断後の第1シートP1及び第2シートP2に帯電する静電気を除去することができる。これにより、排出トレイ22に排出された複数の第1シートP1及び第2シートP2が静電気により、互いに引き寄せられることを防ぐことができる。
【0120】
第2排出ローラ37からストッパ27の当接面271までの長さL2を、排出される切断後の第1シートP1及び第2シートP2の最大のシート長よりも長くする構成によれば、第1排出ローラ35及び第2排出ローラ37により排出されるシートP、第1シートP1及び第2シートP2がストッパ27と当接することにより、排出トレイ22の外部にシートP、第1シートP1及び第2シートP2が移動してしまう恐れを軽減できる。これにより、排出トレイ22に排出後のシートP、第1シートP1及び第2シートP2を積載することができる。また、第2排出ローラ37により排出されたシートP、第1シートP1及び第2シートP2が積載されているシートP、シートP、第1シートP1または第2シートP2の間に入り込む可能性を軽減することができる。これにより、排出後におけるシートの順番が入れ替わることを防止することができる。
【0121】
〔実施形態2〕
本開示の他の実施形態について、
図6を参照して以下に説明する。
図6は、本開示の実施形態2に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。なお、説明の便宜上、上記実施形態1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。実施形態2に係る画像形成装置1Aは、実施形態1に係る画像形成装置1と比べて、カッター10を備えていない点で異なる。
【0122】
画像形成装置1Aは、シートPを搬送する方向である第1搬送方向D1におけるシート長が異なるシートPを排出可能な画像形成装置である。画像形成装置1Aは、シート長に応じてシートPを搬送する搬送経路を異ならせる。より詳細には、画像形成装置1Aは、シート長に応じてシートPを第1搬送経路200A又は第2搬送経路200Bに搬送する。
【0123】
画像形成装置1Aは、供給トレイ21を複数個有している。供給トレイ21のそれぞれには、シート長の異なるシートを載置可能である。なお、
図6において、一の供給トレイ21のみを図示し、その他の供給トレイ21については図示を省略している。
【0124】
画像形成装置1Aにおいて、CPU101は、画像形成部4により画像が形成され、且つ所定のシート長よりも長いシート長を有するシートPを第1搬送経路200Aに搬送するため、フラッパ8を第1位置8Aに移動させる。また、CPU101は、画像形成部4により画像が形成され、且つ所定のシート長以下のシート長を有するシートPを第2搬送経路200Bに搬送するため、フラッパ8を第2位置8Bに移動させる。従って、所定のシート長よりも長いシート長を有するシートPは第1排出ローラ35により排出トレイ22に排出され、所定のシート長以下のシート長を有するシートPは第2排出ローラ37により排出トレイ22に排出される。
【0125】
排出トレイ22の載置面23の第1端231から、載置面23の基準点24までの載置面23に沿う方向の最短距離の長さL1は、第2排出ローラ37から搬送ローラ36までの第1搬送方向D1における長さL3よりも短い。従って、第2排出ローラ37により排出することができる最小のシートPのシート長よりも長さL1が短くなるように第2排出ローラ37が配置される。なお、長さL3は、搬送ローラ36の駆動ローラ36Aと従動ローラ36Bとのニップ点から、第2排出ローラ37の駆動ローラ37Aと従動ローラ37Bとのニップ点までの第1搬送方向D1における長さでもある。
【0126】
また、長さL2は、第2排出ローラ37により排出することができる最大のシートPのシート長よりも長い。即ち、長さL2は、所定のシート長よりも長くなっている。
【0127】
<実施形態2の作用効果>
実施形態2に係る画像形成装置1Aの構成によれば、第2排出ローラ37は第1排出ローラ35よりも排出方向D3の上流にあるため、第2排出ローラ37によりシート長の短いシートPを排出することで、排出トレイ22に排出されたシート長の短いシートPを取り出し易くすることができる。また、排出トレイ22の載置面23において、第1排出ローラ35側の第1端231から基準点24までの最短距離の長さL1は、第2排出ローラ37から第1搬送方向D1において最も第2排出ローラ37に近い位置に位置する搬送ローラ36までの第1搬送方向D1における長さL3よりも短くなっている。そのため、第2排出ローラ37から排出されたシート長の短いシートPが、既に排出トレイ22に積載されているシートPの間に入り込む可能性を低減することができる。これにより、シート長の短いシートPを排出トレイ22に排出したとしても、排出後のシートPの順番が入れ替わることを防止することができる。従って、画像形成装置1Aの排出性能の向上が実現できる。
【0128】
〔その他の実施形態〕
上述した実施形態において、画像形成装置1及び1Aは、モノクロレーザプリンタであるとしたが、カラーレーザプリンタであってもよい。また、カラーレーザプリンタの場合、中間転写ベルトと、中間転写ベルト上のトナー像をシートに転写する転写ローラとを備える構成であってもよい。また、画像形成装置1及び1Aは、インクを吐出することにより画像を形成するインクジェット方式のプリンタであってもよい。
【0129】
また、上述した実施形態において、排出トレイ22の載置面23は、傾斜面23Aおよび水平面23Bを有している構成が開示されているが、このような構成に限られるものではない。載置面23は、傾斜面のみにより構成されてもよいし、水平面のみにより構成されてもよい。
【0130】
また、上述した実施形態において、排出トレイ22が立壁221を有している構成が開示されているが、このような構成に限られるものではない。排出トレイ22は、立壁221を有さない構成としてもよい。
【0131】
また、上述した実施形態において、第1排出ローラ35、搬送ローラ36、及び第2排出ローラ37は、駆動ローラと従動ローラとにより構成されることを開示したが、これに限られるものではない。第1排出ローラ35、搬送ローラ36、及び第2排出ローラ37の内、少なくとも1つが駆動ローラのみにより構成されてもよい。
【0132】
また、上述した実施形態において、切断機構としてのカッター10は、切断方向に刃11を移動させることでシートPを切断する構成が開示されているが、これに限られるものではない。例えば、ハサミのようシートPの幅より長い二つの刃が上下方向に動作して、シートを挟み込んで切断する構成であってもよい。また、シートPの面に対して略垂直、つまり上下方向に移動する、シートPの幅より長い刃を一つ有する構成、例えば、ギロチン式の刃を有する構成であってもよい。
【符号の説明】
【0133】
1、1A 画像形成装置、 2 装置本体、 4 画像形成部、 5 定着器、
10 カッター、 22 排出トレイ、 23 載置面、 23A 傾斜面、
23B 水平面、 24 基準点、 27 ストッパ、 35 第1排出ローラ、
37 第2排出ローラ、 40 第1スタックレバー、42、47 除電ブラシ、
45 第2スタックレバー、 200A 第1搬送経路、 200B 第2搬送経路、
221 立壁、 271 当接面、