(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095366
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】異常検知支援装置、異常検知支援方法、及び異常検知支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20230101AFI20240703BHJP
【FI】
G06Q10/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022212607
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】新田 駿侍
(72)【発明者】
【氏名】大西 孝明
(72)【発明者】
【氏名】飯田 雄教
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA06
5L049AA06
(57)【要約】
【課題】業務データに対する異常を検知した場合に、担当者が、異常に対する対応状況を簡単に確認することが可能な異常検知支援装置、異常検知支援方法、及び異常検知支援プログラムを提供すること。
【解決手段】本実施の形態に係る異常検知支援装置は、アラート画面の表示を制御し、当該アラート画面において、判定結果データを参照して、異常検知結果の一覧を一覧表示領域に表示し、その際、判定結果コメントデータを参照して、各異常検知結果の対応ステータスを表示する表示制御手段を備えている。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備え、業務データに対する異常検知結果を表示する異常検知支援装置であって、
前記制御部は、
異常検知の結果を管理するためのものであり、実行ID、行番号、異常判定結果、検知対象、検知日時、定義名、概要メッセージを含む判定結果データと、
異常検知に対して登録したコメントを管理するためのものであり、コメントID、実行ID、実行行番号、コメント内容、対応状況を示す対応ステータス、更新ユーザ、更新日時を含む判定結果コメントデータと、
にアクセス可能に構成されており、
アラート画面の表示を制御し、当該アラート画面において、前記判定結果データを参照して、異常検知結果の一覧を一覧表示領域に表示し、その際、前記判定結果コメントデータを参照して、各異常検知結果の対応ステータスを表示する表示制御手段を備えたことを特徴とする異常検知支援装置。
【請求項2】
前記対応ステータスは、要対応、確認済み、対応中、保留中、対応完了、又は対応不要を含むことを特徴とする請求項1に記載の異常検知支援装置。
【請求項3】
前記制御部は、さらに、
前記アラート画面において、対象の異常検知結果に対して担当者により入力されるコメントを前記判定結果コメントデータに登録するコメント処理手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の異常検知支援装置。
【請求項4】
前記コメントは、複数の担当者が複数回入力可能に構成されていることを特徴とする請求項3に記載の異常検知支援装置。
【請求項5】
前記コメント処理手段は、前記判定結果コメントデータを参照して、対象の異常検知結果に対するコメントの履歴を表示することを特徴とする請求項3又は4に記載の異常検知支援装置。
【請求項6】
前記制御部は、
既定値更新条件ID、条件明細NO、類似判定条件を関連付けて登録した既定値更新条件明細マスタと、
既定値更新条件ID、既定値更新条件名、実行ID、実行行番号、対応不要を指定するステータスを関連付けて登録した既定値更新条件マスタと、
にアクセス可能に構成されており、
前記判定結果データは、類似判定結果を含み、
前記既定値更新条件明細マスタに登録された類似判定条件に従い、対象の異常検知結果について既存の異常検知結果と類似判定を実施し、類似と判定した場合は、前記判定結果データの類似判定結果を「True」に更新し、前記既定値更新条件マスタのステータスに従い、前記判定結果コメントデータの対応ステータスを対応不要に更新する類似判定手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の異常検知支援装置。
【請求項7】
制御部を備えた情報処理装置が実行する異常検知支援方法であって、
前記制御部は、
異常検知の結果を管理するためのものであり、実行ID、行番号、異常判定結果、検知対象、検知日時、定義名、概要メッセージを含む判定結果データと、
異常検知に対して登録したコメントを管理するためのものであり、コメントID、実行ID、実行行番号、コメント内容、対応状況を示す対応ステータス、更新ユーザ、更新日時を含む判定結果コメントデータと、
にアクセス可能に構成されており、
前記制御部において実行される、
アラート画面の表示を制御し、当該アラート画面において、前記判定結果データを参照して、異常検知結果の一覧を一覧表示領域に表示し、その際、前記判定結果コメントデータを参照して、各異常検知結果の対応ステータスを表示する表示制御工程を含むことを特徴とする異常検知支援方法。
【請求項8】
制御部を備えた情報処理装置が実行するための異常検知支援プログラムであって、
前記制御部は、
異常検知の結果を管理するためのものであり、実行ID、行番号、異常判定結果、検知対象、検知日時、定義名、概要メッセージを含む判定結果データと、
異常検知に対して登録したコメントを管理するためのものであり、コメントID、実行ID、実行行番号、コメント内容、対応状況を示す対応ステータス、更新ユーザ、更新日時を含む判定結果コメントデータと、
にアクセス可能に構成されており、
前記制御部において、
アラート画面の表示を制御し、当該アラート画面において、前記判定結果データを参照して、異常検知結果の一覧を一覧表示領域に表示し、その際、前記判定結果コメントデータを参照して、各異常検知結果の対応ステータスを表示する表示制御工程を実行させるための異常検知支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異常検知支援装置、異常検知支援方法、及び異常検知支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、業務データ上の異常を検知するシステムが増加傾向にある。検知された異常の内容によっては、業務に重大な影響を及ぼす可能性があるため、迅速かつ正確な是正対応ができるような仕組みが必要である。従来、異常を検出するシステムとして、例えば、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、業務データに対する異常を検知した場合に、担当者が、異常に対する対応状況を簡単に確認することに関して、何等記載されていない。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、業務データに対する異常を検知した場合に、担当者が、異常に対する対応状況を簡単に確認することが可能な異常検知支援装置、異常検知支援方法、及び異常検知支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備え、業務データに対する異常検知結果を表示する異常検知支援装置であって、前記制御部は、異常検知の結果を管理するためのものであり、実行ID、行番号、異常判定結果、検知対象、検知日時、定義名、概要メッセージを含む判定結果データと、異常検知に対して登録したコメントを管理するためのものであり、コメントID、実行ID、実行行番号、コメント内容、対応状況を示す対応ステータス、更新ユーザ、更新日時を含む判定結果コメントデータと、にアクセス可能に構成されており、アラート画面の表示を制御し、当該アラート画面において、前記判定結果データを参照して、異常検知結果の一覧を一覧表示領域に表示し、その際、前記判定結果コメントデータを参照して、各異常検知結果の対応ステータスを表示する表示制御手段を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の一態様によれば、前記対応ステータスは、要対応、確認済み、対応中、保留中、対応完了、又は対応不要を含むことにしてもよい。
【0008】
また、本発明の一態様によれば、前記制御部は、さらに、前記アラート画面において、対象の異常検知結果に対して担当者により入力されるコメントを前記判定結果コメントデータに登録するコメント処理手段を備えることにしてもよい。
【0009】
また、本発明の一態様によれば、前記コメントは、複数の担当者が複数回入力可能に構成されていることにしてもよい。
【0010】
また、本発明の一態様によれば、前記コメント処理手段は、前記判定結果コメントデータを参照して、対象の異常検知結果に対するコメントの履歴を表示することにしてもよい。
【0011】
また、本発明の一態様によれば、前記制御部は、既定値更新条件ID、条件明細NO、類似判定条件を関連付けて登録した既定値更新条件明細マスタと、既定値更新条件ID、既定値更新条件名、実行ID、実行行番号、対応不要を指定するステータスを関連付けて登録した既定値更新条件マスタと、にアクセス可能に構成されており、前記判定結果データは、類似判定結果を含み、前記既定値更新条件明細マスタに登録された類似判定条件に従い、対象の異常検知結果について既存の異常検知結果と類似判定を実施し、類似と判定した場合は、前記判定結果データの類似判定結果を「True」に更新し、前記既定値更新条件マスタのステータスに従い、前記判定結果コメントデータの対応ステータスを対応不要に更新する類似判定手段を備えることにしてもよい。
【0012】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備えた情報処理装置が実行する異常検知支援方法であって、前記制御部は、異常検知の結果を管理するためのものであり、実行ID、行番号、異常判定結果、検知対象、検知日時、定義名、概要メッセージを含む判定結果データと、異常検知に対して登録したコメントを管理するためのものであり、コメントID、実行ID、実行行番号、コメント内容、対応状況を示す対応ステータス、更新ユーザ、更新日時を含む判定結果コメントデータと、にアクセス可能に構成されており、前記制御部において実行される、アラート画面の表示を制御し、当該アラート画面において、前記判定結果データを参照して、異常検知結果の一覧を一覧表示領域に表示し、その際、前記判定結果コメントデータを参照して、各異常検知結果の対応ステータスを表示する表示制御工程を含むことを特徴とする。
【0013】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備えた情報処理装置が実行するための異常検知支援プログラムであって、前記制御部は、異常検知の結果を管理するためのものであり、実行ID、行番号、異常判定結果、検知対象、検知日時、定義名、概要メッセージを含む判定結果データと、異常検知に対して登録したコメントを管理するためのものであり、コメントID、実行ID、実行行番号、コメント内容、対応状況を示す対応ステータス、更新ユーザ、更新日時を含む判定結果コメントデータと、にアクセス可能に構成されており、前記制御部において、アラート画面の表示を制御し、当該アラート画面において、前記判定結果データを参照して、異常検知結果の一覧を一覧表示領域に表示し、その際、前記判定結果コメントデータを参照して、各異常検知結果の対応ステータスを表示する表示制御工程を実行させるための異常検知支援プログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、業務データに対する異常を検知した場合に、担当者が、異常に対する対応状況を簡単に確認することが可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本発明の課題1を説明するための図である。
【
図2】
図2は、本発明の課題2を説明するための図である。
【
図3】
図3は、本発明の課題3を説明するための図である。
【
図4】
図4は、本発明の課題4を説明するための図である。
【
図5】
図5は、本発明の課題5を説明するための図である。
【
図6】
図6は、本実施の形態に係る異常検知支援装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、既定値更新条件マスタの構成例を示す図である。
【
図8】
図8は、既定値更新条件明細マスタの構成例を示す図である。
【
図9】
図9は、異常判定定義マスタの構成例を示す図である。
【
図10】
図10は、判定結果データ列情報マスタの構成例を示す図である。
【
図11】
図11は、既定値更新履歴テーブルの構成例を示す図である。
【
図13】
図13は、判定結果コメントデータの構成例を示す図である。
【
図14】
図14は、本実施形態に係る異常検知支援装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図15】
図15は、本実施形態に係る異常検知支援装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図16A】
図16Aは、本実施形態に係る異常検知支援装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図16B】
図16Bは、本実施形態に係る異常検知支援装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図17】
図17は、本実施形態に係る異常検知支援装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図18A】
図18Aは、本実施形態に係る異常検知支援装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図18B】
図18Bは、本実施形態に係る異常検知支援装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図19A】
図19Aは、本実施形態に係る異常検知支援装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図19B】
図19Bは、本実施形態に係る異常検知支援装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図20】
図20は、本実施形態に係る異常検知支援装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図21】
図21は、本実施形態に係る異常検知支援装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図22】
図22は、本実施形態に係る異常検知支援装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図23】
図23は、本実施形態に係る異常検知支援装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図24】
図24は、本実施形態に係る異常検知支援装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図25】
図25は、本実施形態に係る異常検知支援装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図26】
図26は、本実施形態に係る異常検知支援装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図27】
図27は、本実施形態に係る異常検知支援装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図28】
図28は、本実施形態に係る異常検知支援装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図29】
図29は、本実施形態に係る異常検知支援装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【
図30】
図30は、本実施形態に係る異常検知支援装置の制御部の処理の具体例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0017】
[1.概要]
本発明の概要を、背景、課題・施策の順に説明する。
【0018】
(1-1.背景)
近時、業務データ上の異常を検知するシステムが増加傾向にある。検知された異常の内容によっては、業務に重大な影響を及ぼす可能性があるため、迅速かつ正確な是正対応ができるような仕組みが必要である。したがって、異常検知支援装置では、異常検知のロジックのみならず、検知された異常を是正するフローについても実装されている必要がある。検知された異常を是正するフローについては、下記3点が重要な要件となる。
【0019】
・是正担当者が、異常に対する対応状況を簡単に確認できること
・是正対応の内容を詳細に登録すること
・過去の是正対応の内容を管理・確認できること
【0020】
(1-2.課題・施策)
図1~
図5を参照して、本発明の課題1~5、それに対する施策を説明する。
図1~
図5は、本発明の課題1~5とそれに対する施策、その機能概要を説明するための図である。
【0021】
(1)課題1
検知された異常について、最新の対応状況の確認に手間がかかるという課題がある。具体的には、検知された異常の是正・管理する場合に、異常の最新の対応状況の把握が必要
であり、最新状況確認に手間がかかると、後続の是正対応も遅延してしまう。例えば、是正対応中の異常の状況確認には、是正対応の関係者とのやり取りが必要となり、状況確認に手間が発生する。このため、検知された異常の最新の対応状況を迅速かつ簡単に確認するための仕組みが必要となる。
【0022】
これに対する施策として、本発明では、異常検知結果ごとに、対応状況を表す「対応ステータス」の設定し、対応状況に応じて対応ステータスを変更する機能を搭載し、さらに、発生した異常の一覧画面に、異常検知結果ごとの対応ステータスを表示する機能を搭載した。
【0023】
これにより、是正担当者が、異常の対応状況を迅速に確認することが可能となる。
【0024】
(2)課題2
異常の是正内容を詳細に登録・管理する必要があるという課題がある。具体的には、検知された異常について、是正対応の具体的な内容を確認する場合に、「対応中」、「対応済」といったステータスのみでは不充分である。また、是正担当者以外が、異常対応の現在の状況を正確に把握することが困難であり、是正担当者が複数の場合、担当者間で認識齟齬が発生する可能性がある。例えば、ステータスが「対応中」の異常について、「どのような」対応を「どの程度まで」行っているかが不明瞭である。このため、是正対応の内容をコメント形式で登録できる仕組みが必要となる。
【0025】
これに対する施策として、本発明では、異常検知結果ごとにコメントを登録する機能を搭載した。
【0026】
これにより、異常検知結果ごとに詳細を記載することができるため、是正内容を細かい粒度で管理することが可能となる。
【0027】
(3)課題3
1つの異常に対して複数人で是正対応する業務を想定し、各担当者が複数回、コメントを登録できる必要があるという課題がある。具体的には、検知された異常を複数担当者で是正する場合に、各担当者が自身の対応の詳細や、他の担当者とのやり取りをコメントに登録する場合、担当者全員が、複数回コメントを登録できることが必要である。
【0028】
例えば、是正実施をUser1が担当し、是正対応の対応確認をUser2が担当する場合は、下記のようなコメントの活用方法が想定される。
【0029】
・User1は、是正対応の詳細をコメントに記載
・User2は、User1の是正対応を確認した旨をコメントに記載
・User1とUser2の間のやり取りもコメントに記載
【0030】
このため、1つの異常に対して複数の是正担当者が複数回、コメントを登録できる仕組みが必要である。
【0031】
これに対する施策として、本発明では、異常検知結果ごとに、複数の担当者が複数回、コメントを登録できる機能を搭載した。
【0032】
これにより、複数の担当者が異常を是正する業務に対応することが可能となる。
【0033】
(4)課題4
過去に登録されたコメント履歴を確認できる必要があるという課題がある。具体的には、ある異常の過去の是正対応について確認する場合に、最新のコメントだけでなく、過去に登録されたコメント履歴の確認が必要となり、コメント履歴が確認できない場合、過去の是正対応を管理することが困難となる。例えば、是正未完了のまま放置された異常が存在する場合、過去のコメント履歴を確認し、放置されている原因の確認が必要となる。このため、過去に登録されたコメント履歴を確認する仕組みが必要となる。
【0034】
これに対する施策として、本発明では、コメントの履歴の管理を可能とする機能を搭載した。
【0035】
これにより、過去の是正対応の管理や不正なデータ操作の統制が可能となる。
【0036】
(5)課題5
内容が類似した異常が繰り返し検知されてしまうと、是正対応の業務に支障をきたすリスクが発生するという課題がある。具体的には、定期的に異常検知が実施される場合に、
既に発生した異常が対応未完了の場合、類似内容の異常が再度検知される可能性があり、既に発生した異常と類似の異常と、新規で発生した異常の区別が困難となる。このため、同じ内容の異常に複数回対応をするリスクや、発生異常の通知量が膨大となり、より重要度の高い異常を見逃すリスクが発生する。
【0037】
例えば、是正対応に数日かかる異常ART001が存在する中、異常検知の自動実行が日次で行われる場合に、ART001の是正対応が完了するまで、類似内容の異常が繰り返し発生(異常ART002,ART003,ART004・・・)した場合、ART002,ART003,ART004・・・は対応が必要かどうかを判断することが困難となる。このため、発生した異常が、既存の異常と内容が類似しているか、していないかを区別する仕組みが必要となる。
【0038】
これに対する施策として、本発明では、既存の異常検知結果と類似していると判定された場合、異常検知結果の対応ステータスを、マスタに設定された対応ステータスに更新する機能を搭載した。
【0039】
これにより、同じ内容の異常に、複数回対応をするリスクを低減異常の通知量を削減し、より重要度の高い異常を見逃すリスクを低減した。
【0040】
本発明の異常検知支援装置は、全業種・全業界に適用可能である。
【0041】
[2.構成]
図6を参照して、本実施形態に係る異常検知支援装置100の構成の一例について説明する。
図6は、異常検知支援装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0042】
異常検知支援装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、異常検知支援装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0043】
異常検知支援装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。異常検知支援装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0044】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置及び専用線等の有線又は無線の通信回線を介して、異常検知支援装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、異常検知支援装置100と、サーバ200、業務システム400、端末装置500とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0045】
業務システム400は、ネットワーク300を介して、異常検知支援装置100とデータ通信可能に構成されている。業務システム400は、原価データ、製造データ、受注データ、発注データ、仕入データ、売上データ、仕訳データ等の各種の業務データを生成する。異常検知支援装置100の異常検知部102aは、この業務データの自動異常検知を実行する。
【0046】
端末装置500・・・は、例えば、User1,User2,User3等が使用する端末装置である。端末装置500・・・は、ネットワーク300を介して、異常検知支援装置100とデータ通信可能に構成されている。例えば、User1,User2,User3等は端末装置500・・・を使用して、異常検知支援装置100にアクセスして、異常検知支援装置100が提供するアラート画面で異常検知結果の対応状況の確認やコメントの入力等を行う。
【0047】
入出力インターフェース部108には、入力装置112及び出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及び、マイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112又はマウス112として記載する場合がある。また、モニタ114に情報を表示して、ユーザが入力装置112を操作すること等を、「UIを介したユーザ操作」と記載する場合がある。
【0048】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、及びファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び光ディスク等を用いることができる。
【0049】
記憶部106は、既定値更新条件マスタ106a、既定値更新条件明細マスタ106b、異常判定定義マスタ106c、判定結果データ列情報マスタ106d、既定値更新履歴テーブル106e、判定結果データ、判定結果コメントデータ等を格納する。
図7は、既定値更新条件マスタ106aの構成例を示す図である。
図8は、既定値更新条件明細マスタ106bの構成例を示す図である。
図9は、異常判定定義マスタ106cの構成例を示す図である。
図10は、判定結果データ列情報マスタ106dの構成例を示す図である。
図11は、既定値更新履歴テーブル106eの構成例を示す図である。
図12は、判定結果データの構成例を示す図である。
図13は、判定結果コメントデータの構成例を示す図である。
【0050】
既定値更新条件マスタ106aは、既存の異常検知結果と類似していると判定された異常検知結果に対し、更新する対応ステータスとコメントを管理するためのマスタである。
既定値更新条件マスタ106aは、
図7に示すように、既定値更新条件ID、既定値更新条件名、実行ID、実行行番号、ステータスタイプ、ステータス、コメント複写するか、既定コメントを追加するか、既定コメント内容を関連付けて登録したテーブル等で構成することができる。同図に示す例では、1行目は、既定値更新条件ID「UC001」、既定値更新条件名「既定値更新条件A」、実行ID「EX002」、実行行番号「1」、ステータスタイプ「固定値」、ステータス「対応不要」、コメント複写するか「False」、既定コメントを追加するか「True」、既定コメント内容「自動で更新されました」となっている。
【0051】
既定値更新条件明細マスタ106bは、新たに検知された異常が、既存の異常検知結果と類似しているかどうかの判定をする際の条件を管理するためのマスタである。既定値更新条件明細マスタ106bは、
図8に示すように、既定値更新条件ID、条件明細NO、類似判定条件(結果テーブル情報ID、比較演算子、判定値タイプ、及び判定値)等を関連付けて登録したテーブル等で構成することができる。同図に示す例では、1行目は、既定値更新条件ID「UC001」、条件明細NO「1」、結果テーブル情報ID「会計年度」、比較演算子「=」、判定値タイプ「判定元の異常と同じ値」、2行目は、既定値更新条件ID「UC001」、条件明細NO「2」、結果テーブル情報ID「商品名」、比較演算子「=」、判定値タイプ「判定元の異常と同じ値」となっている。
【0052】
異常判定定義マスタ106cは、業務データ上の異常判定の定義を管理するためのマスタである。異常判定定義マスタ106cは、
図9に示すように、異常判定定義ID、異常判定定義名等を関連付けて登録したテーブル等で構成することができる。同図に示す例では、1行目は、異常判定定義ID「JD001」、異常判定定義名「在庫回転アラート」となっている。異常判定定義マスタ106cは、異常判定定義ID以外は本出願と関連がないため詳細説明を省略する。
【0053】
判定結果データ列情報マスタ106dは、判定結果データのテーブル列の情報(ヘッダ名、型など)を管理するためのマスタである。判定結果データ列情報マスタ106dは、
図10に示すように、異常判定定義ID、列番号、列、列名、型、型名を関連付けて登録したテーブル等で構成することができる。同図に示す例では、1行目は、異常判定定義ID「JD001」、列番号「1」、列「AlertDefinitionID」、列名「異常判定定義ID」、型「string」、型名「文字」となっている。
【0054】
既定値更新履歴テーブル106eは、既定値更新の際、実際に既定値更新の対象の判定に用いられた条件を管理するためのテーブルである。既定値更新履歴テーブル106eは、
図11に示すように、既定値更新履歴ID、実行ID、実行行番号、既定値更新条件IDを含んでいてもよい。同図に示す例では、1行目は、既定値更新履歴ID「UH001」、実行ID「EX002」、実行行番号「1」、既定値更新条件ID「UC001」となっている。
【0055】
判定結果データは、業務データ上の異常判定の結果を管理するためのテーブルである。
判定結果データは、異常判定定義ID、実行ID、行番号、判定結果、異常度ランク、会計年度、会計年月、商品名、在庫回転率、類似判定結果かどうか、検知日時、定義名、概要メッセージ、検知対象、検知手法、閾値、判定方法、下限値を含んでいてもよい。「異常度ランク」は、自動異常判定実行時に使用した異常判定手法の計算値より、異常度の段階をランク付けしたものである。同図に示す例では、1行目は、異常判定定義ID「JD001」、実行ID「EX001」、行番号「1」、判定結果「True」、異常度ランク「3」、会計年度「2022」、会計年月「2022/11」、商品名「商品名A」、在庫回転率「0.36」、類似判定結果かどうか「False」、検知日時「2022/11/1 01:02:03」、定義名「在庫回転アラート」、概要メッセージ「商品Aが検出されました」、検知対象「2022/11 商品A 0.36」、検知手法「四分位範囲」、閾値「正常範囲1.5倍」、判定方法「下限値より小さい値を異常と判定」、下限値「0.83」となっている。
【0056】
判定結果コメントデータは、異常に対して登録したコメントを管理するためのデータである。判定結果コメントデータは、
図13に示すように、コメントID、実行ID、実行行番号、コメント内容、対応ステータス、更新ユーザ、更新日時を含んでいてもよい。同図に示す例では、1行目は、コメントID「CM001」、実行ID「EX001」、実行行番号「1」、対応ステータス「要対応」、更新ユーザ「自動実行」、更新日時「2022/11/1 01:02:03」となっている。
【0057】
制御部102は、異常検知支援装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0058】
制御部102は、記憶部106に格納されている、既定値更新条件マスタ106a、既定値更新条件明細マスタ106b、異常判定定義マスタ106c、判定結果データ列情報マスタ106d、既定値更新履歴テーブル106e、判定結果データ、判定結果コメントデータ等にアクセス可能に構成されている。なお、既定値更新条件マスタ106a、既定値更新条件明細マスタ106b、異常判定定義マスタ106c、判定結果データ列情報マスタ106d、既定値更新履歴テーブル106e、判定結果データ、判定結果コメントデータは、他の場所(例えば、サーバ200)に設けられていてもよく、制御部102がアクセス可能な構成であればよい。
【0059】
制御部102は、機能概念的に、異常検知部102aと、類似判定部102bと、コメント処理部102cと、画面表示制御部102dと、を備えている。
【0060】
制御部102は、異常検知結果に対するコメント・対応状況付与機能と類似判定機能を備えている。
【0061】
異常検知部102aは、異常判定定義マスタ106c等に従って、業務システム400で生成される各種業務データの自動異常検出を行いその異常検出結果を、判定結果データとして記憶部106に登録する。
【0062】
画面表示制御部102dは、各種画面の表示及びその入力を制御する。例えば、画面表示制御部102dは、アラート画面の表示及びその入力を制御し、当該アラート画面において、判定結果データを参照して、異常検知結果の一覧を一覧表示領域に表示し、その際、判定結果コメントデータを参照して、各異常検知結果の対応ステータスを表示する。対応ステータスは、要対応、確認済み、対応中、保留中、対応完了、又は対応不要を含むことにしてもよい。
【0063】
コメント処理部102cは、アラート画面において、対象の異常検知結果に対して担当者により入力されるコメントを判定結果コメントデータに登録する。コメントは、複数の担当者が複数回入力可能に構成されていてもよい。コメント処理部102cは、判定結果コメントデータを参照して、対象の異常検知結果に対するコメントの履歴を表示することにしてもよい。
【0064】
類似判定部102bは、既定値更新条件明細マスタ106bに設定されている類似判定条件に従い、対象の異常検知結果について既存の異常検知結果と類似判定を実施し、類似と判定した場合は、判定結果データの類似判定結果を「True」に更新し、既定値更新条件マスタ106aのステータスに従い、判定結果コメントデータの対応ステータスを対応不要に更新する。
【0065】
[3.具体例]
図14~
図30を参照して、本実施の形態における異常検知支援装置100の制御部102の処理の具体例について説明する。
図14~
図30は、本実施の形態における異常検知支援装置100の制御部102の処理の具体例を説明するための図である。
【0066】
(3-1.コメント機能)
図14~
図20を参照して、アラート画面でのコメント機能を説明する。
図14を参照して、アラート画面でのコメント機能の概略を説明する。
図14は、アラート画面でのコメント機能の概略を説明するための図である。
【0067】
アラート画面は、アラート一覧画面(初期画面)と、アラート詳細画面の2画面で構成される。「アラート一覧画面」は、検知された異常を一覧形式で確認できる画面であり、異常検知結果ごとの対応ステータスを一覧画面で確認することが可能となっている。「アラート詳細画面」は、検知された異常の詳細を確認するための画面である。
【0068】
異常に対してコメントを登録したり、過去のコメント履歴を確認したりすることが可能
となっている。下記の3つの操作について説明をする。
【0069】
1.1人の担当者が、異常の是正対応の詳細をコメントに記載する場合(User001が担当)
1.1 アラート一覧画面での操作
異常の対応状況を表す「対応ステータス」を設定
1.2 アラート詳細画面での操作
異常検知結果ごとにコメントを登録
【0070】
2.既に別の担当者がコメントを登録した異常に対し、コメントを登録する場合(User002が担当)
2.1 アラート詳細画面での操作
異常検知結果ごとに、複数の担当者がコメントを登録可能
【0071】
3.対応が完了した異常を、管理者が確認する場合(User003が担当)
3.1 アラート詳細画面での操作
過去のコメントの履歴の管理・確認が可能
【0072】
図15は、1人の担当者が、異常の是正対応の詳細をコメントに記載する場合(User001が担当)を説明するための図である。
図15において、(A)は、アラート一覧画面の表示例を示しており、併せて、判定結果データ、判定コメントデータのどの列を参照してデータを抽出しているかを示している。
【0073】
(A)に示すように、アラート一覧画面は、抽出条件指定エリアと、異常検知結果一覧表示エリアと、コメントボタンと、を備えている。
【0074】
抽出条件指定エリアは、対応ステータスの入力欄と、表示ボタンを備えている。対応ステータスを指定して表示ボタンを押すと、指定された対応ステータスに該当する判定結果データ及び判定結果コメントデータが抽出されて判定結果一覧表示エリアに表示される。
具体的には、判定結果コメントデータから対応ステータスが指定された対応ステータスとなっている実行IDを取得し、取得した実行ID及び実行行番号をキーとして、判定結果データを抽出する。判定結果一覧表示エリアでは、異常判定実行における1処理(実行ID単位及び実行行番号毎)を1明細として表示される。抽出条件を指定しない場合は、全判定結果が表示される。
図15に示す例では、抽出条件を指定しない場合を示している。
【0075】
異常検知結果一覧表示エリアでは、1明細に、判定結果データの定義名、検知日時、概要メッセージ、異常の対応状況を示す対応ステータスと、判定結果コメントデータのコメント件数、最新のコメントの更新ユーザ及び更新日時と、が表示される。コメント件数は、判定結果コメントデータの実行ID及び実行行番号毎に、コメント内容の数を集計したものである。コメント未入力のレコードは集計対象外とする。例えば、同図に示す例では、1明細目に、定義名「在庫回転アラート」、検知日時「2022/11/1 01:02:03」、概要メッセージ「商品Aが検出されました」、対応ステータス「要対応」、コメント件数「0件」が表示されている。また、2明細目に、定義名「在庫回転アラート」、検知日時「2022/11/2 01:02:03」、概要メッセージ「商品Aが検出されました」、対応ステータス「対応中」、コメント件数「2件」、更新ユーザ「User002」、更新日時「2022/11/2 12:22:32」が表示されている。
【0076】
このように、「要対応」「対応中」のように、異常の対応状況に応じたステータスを設定可能となっており、異常検知結果ごとの対応ステータスを、アラート一覧画面で確認可となっている。対応ステータスには、それぞれ背景色を設定可能であり、例えば、背景色を、「要対応」を赤、「確認済み」を緑、「対応中」を青、「保留中」を黄、「対応完了」を紺、「対応不要」を灰で表示することができる。背景色はあらかじめ固定で指定することができる。このように、本実施の形態では、異常検知結果毎の対応状況を簡単に確認可能となっている。
【0077】
つぎに、
図16A及び
図16Bを参照して、アラート詳細画面での操作を説明する。
図16A及び
図16Bは、アラート詳細画面での操作を説明するための図であり、(A)はアラート一覧画面の表示例、(B)はアラート詳細画面の表示例、(C)は、アラート詳細画面の対応・コメント領域でコメントを入力した場合の表示例を示しており、さらに、判定結果データ、判定コメントデータのどの列を参照してデータを抽出しているかを示している。
【0078】
(A)に示すように、アラート一覧画面の異常検知結果一覧表示エリアで対象の異常検知結果をクリックすると、(B)に示すようなアラート詳細画面が表示される。アラート詳細画面では、異常検知結果の詳細と、対応・コメント領域が表示される。
【0079】
異常検知結果の詳細には、クリックされた異常検知結果に対応する実行ID及び実行行番号をキーとして、判定結果データの会計年月、商品名、在庫回転率、検知対象、検知手法、閾値、反映手法、下限値等のデータが抽出されて、異常検知結果の詳細が表示される。
【0080】
対応・コメント領域には、実行ID及び実行行番号をキーとして、判定結果コメントデータを参照して、最新の対応状況、コメント更新履歴、コメント入力欄が表示される。最新の対応状況では、最新更新者、更新日付、対応ステータス、コメントの状況が表示される。この例では、最新の対応状況の「対応ステータス」は、「要対応」となっている。
【0081】
コメント更新履歴には、判定結果コメントデータにコメントが存在する場合に、最新コメントや履歴を表示する。コメント入力欄は、対応ステータスを選択でき、コメントを登録するための追加ボタンを備えている。コメント入力欄において、対応ステータスを選択し、コメントを入力して、追加ボタンを押すと、入力内容に応じた判定結果コメントデータが新たに登録される。
【0082】
(C)に示すように、コメント入力欄において、User1が対応ステータス「対応中」を選択し、「売上伝票A001の売上金額を10,000円→1,000円に変更」のコメントを入力して、追加ボタンを押すと、例えば、判定結果コメントデータに、コメントID「CM004」、実行ID「EX001」、実行行番号「1」、コメント内容「売上伝票A001の売上金額を10,000円→1,000円に変更」、対応ステータス「対応中」、更新ユーザ「User001」、更新日時「2022/11/9 20:21:00」が新たに登録される。
【0083】
このように、異常検知結果ごとに、対応の詳細をコメント形式で登録可能となっており、担当者の対応内容を詳細に登録することが可能となっている。これにより、是正内容を細かい粒度で管理することが可能となる。
【0084】
図17を参照して、コメントボタンを押下することで、「対応・コメント領域」の表示・非表示を切り替える場合を説明する。
図17は、コメントボタンを押下することで、「対応・コメント領域」の表示・非表示を切り替える場合を説明するための図であり、(A)は、コメントボタン押下前、(B)コメントボタン押下後を示している。コメントボタンを押下することで、「対応・コメント領域」の表示・非表示を切り替えることができる。(A)において、コメントボタンを押下すると、(B)に示すように、「対応・コメント領域」が非表示となる。また、(B)において、コメントボタンを押下すると、(A)に示すように、「対応・コメント領域」が表示される。
【0085】
図18A及び
図18Bを参照して、既に別の担当者がコメントを登録した異常に対し、コメントを登録する場合(User002が担当)を説明する。
図18A及び
図18Bは、既に別の担当者がコメントを登録した異常に対し、コメントを登録する場合(User002が担当)を説明するための図であり、(A)は、User001がコメントを登録した状態を示す図(
図16(C)でUser001がコメントを登録した後の状態)、(B)は、User002が更にコメントを登録した状態を示す図であり、併せて、参照される判定結果データ、参照・登録される判定コメントデータを示している。ここでは、アラート一覧画面から、異常検知結果を選択した後の操作について記載する。
【0086】
(A)に示すように、異常検知結果の詳細には、対応ステータス「対応中」、コメント件数「1件」が表示されている。また、対応・コメント領域では、最新の対応状況について、最新更新者「User001」、更新日付「2022/11/9 20:21:00」、対応ステータス「対応中」、コメント「売上伝票A001の売上金額を10,000円→1,000円に変更」が表示されている。また、コメント更新履歴には、「User001 2022/11/9 20:21:00 対応中 売上伝票A001の売上金額を10,000円→1,000円に変更」が表示されている。
【0087】
ここで、(B)に示すように、コメント入力欄において、User002が対応ステータス「対応中」を選択し、「User001の是正対応を確認」のコメントを入力して、追加ボタンを押すと、例えば、判定結果コメントデータに、コメントID「CM005」、実行ID「EX001」、実行行番号「1」、対応ステータス「対応中」、更新ユーザ「User002」、コメント内容「User001の是正対応を確認」、更新日時「2022/11/10 20:54:00」が新たに登録される。
【0088】
このように、異常検知結果ごとに、複数の担当者がコメントを登録可能とした。具体的には、異常検知結果ごとに、複数の担当者が複数回、コメントを登録することが可能となり、各担当者が、自身の対応内容の詳細を登録することが可能となる。また、担当者間のやり取りをコメントに登録することが可能となり、複数の担当者が関係することで複雑化する是正対応の証跡を、詳細に残すことが可能となる。これにより、複数の担当者が異常を是正する業務に対応することが可能となる。
【0089】
図19A及び
図19Bを参照して、対応が完了した異常を、管理者が確認する場合(User003が担当)する場合を説明する。
図19A及び
図19Bは、対応が完了した異常を、管理者が確認する場合(User003が担当)する場合を説明するための図であり、(A)は、User002がコメントを登録した状態を示す図(
図18(B)でUser002がコメントを登録した後の状態)、(B)は、User003が更にコメントを登録した状態を示す図であり、併せて、参照される判定結果データ、参照・登録される判定コメントデータを示している。ここでは、アラート一覧画面から、異常検知結果を選択した後の操作について記載する。
【0090】
(A)に示すように、異常検知結果の詳細には、対応ステータス「対応中」、コメント件数「2件」が表示されている。また、対応・コメント領域では、最新の対応状況について、最新更新者「User002」、更新日付「2022/11/10 20:54:00」、対応ステータス「対応中」、コメント「User001の是正対応を確認中」が表示されている。また、コメント更新履歴には、「User002、2022/11/10 20:54:00、対応中、User001の是正対応を確認中」のコメントと、「User001 2022/11/9 20:21:00 対応中 売上伝票A001の売上金額を10,000円→1,000円に変更」のコメントが新着順に表示されている。
【0091】
ここで、(B)に示すように、コメント入力欄において、User003が対応ステータス「対応完了」を選択し、「本異常対応をクローズとする」のコメントを入力して、追加ボタンを押すと、例えば、判定結果コメントデータに、コメントID「CM006」、実行ID「EX001」、実行行番号「1」、対応ステータス「対応完了」、更新ユーザ「User003」、コメント内容「本異常対応をクローズとする」、更新日時「2022/11/11 20:35:00」が新たに登録される。
【0092】
このように、過去のコメントの履歴の管理・確認が可能となっている。具体的には、異常検知結果ごとに、過去に登録されたコメントの履歴管理することが可能であり、過去に登録されたコメント履歴を確認することが可能である。コメント履歴には更新担当者名と更新日時が表示されるため、「誰が」「いつ」コメントを登録したかを確認可能である。これにより、過去の是正対応の管理や不正なデータ操作の統制が可能となる。
【0093】
(3-2.類似判定機能)
図20~
図30を参照して、類似判定機能を説明する。ここでは、検知された異常検知結果に対して、過去の異常検知結果と比較して類似判定するメカニズムについて説明する。既存の異常検知結果と類似していると判定された異常検知結果に対して、あらかじめマスタで設定された対応ステータスやコメントを更新する機能を、「既定値更新」と呼称する。
【0094】
ここで想定する業務の例を説明する。例えば、月末のタイミングで、在庫回転率についての異常検知を実行する。月末は会計上の締めのタイミングとなっていることが多く、締処理と同時に会計上の異常値がないかを確認することが多い、また、同じ商品について、同じ会計年度中で在庫回転率の異常が検出されると、同じキー項目の在庫回転率の異常が複数存在することになり、担当者の混乱を招く虞がある。そこで、同じキーを持つ異常が再検知された場合、該当の異常は「是正対応中」とみなし、異常検知結果を「対応不要」とする。
【0095】
以下では、類似判定の条件の一例として、(1)会計年度が一致、(2)商品名が一致した場合を一例として説明する。類似判定された場合には、判定結果コメントデータに、コメント内容「自動で更新されました」、対応ステータス「対応不要」、更新ユーザ「自動実行」を自動登録する。また、アラート一覧画面の異常検知結果の明細には、対応ステータス「対応不要」を表示する。
【0096】
図20を参照して、既定値更新条件マスタ106a及び既定値更新条件明細マスタ106bの設定例を説明する。上記の想定業務を実施するために、既定値更新条件マスタ106aと既定値更新条件明細マスタ106bにデータを設定する。
【0097】
今回は、「実行ID=EX002,実行行番号=1」の異常検知結果を確認し、以後類似の異常が検知された場合に備えてマスタレコードが提供されたものとする。
【0098】
図20(A)は、既定値更新条件マスタ106aのデータ設定例を示す図である。既定値更新条件マスタ106aは、既定値更新条件ID、既定値更新条件名、実行ID、実行行番号、ステータスタイプ、ステータス、コメント複写するか、既定コメントを追加するか、既定コメント内容の項目を備えている。実行ID及び実行行番号は、判定元の異常検知結果(判定結果データ)を指定するためのものである。「対応ステータス」は、類似判定された異常検知結果の対応ステータスを指定するためのものである。「ステータスタイプ」は、「固定値」か「判定元と同じ値」を指定する想定である。「判定元と同じ値」を設定した場合の挙動は後述する。「コメント複写するか」、「既定コメントを追加するか」、及び「既定コメント内容」は、類似判定された異常検知結果のコメントを制御するためのものである。「コメント複写するか」については後述する。
【0099】
同図に示す例では、既定値更新条件ID「UC001」、既定値更新条件名「既定値更新条件A」、実行ID「EX002」、実行行番号「1」、ステータスタイプ「固定値」、ステータス「対応不要」、コメント複写するか「False」、既定コメントを追加するか「True」、既定コメント内容「自動で更新されました」が設定されている。
【0100】
図20(B)は、既定値更新条件明細マスタ106bのデータ設定例を示す図である。
既定値更新条件明細マスタ106bは、既定値更新条件ID、条件明細NO、結果テーブル情報ID、比較演算子、判定値タイプ、及び判定値の項目を備えている。「結果テーブル情報ID」、「比較演算子」、「判定値タイプ」、及び「判定値」で、類似判定の条件を指定する。「判定値タイプ」には固定値を指定することも可能となっており、その場合は、「判定値」に固定の値を入力する。
【0101】
同図に示す例では、1行目は、既定値更新条件ID「UC001」、条件明細NO「1」、結果テーブル情報ID「会計年度」、比較演算子「=」、判定値タイプ「判定元の異常と同じ値」、2行目は、既定値更新条件ID「UC001」、条件明細NO「2」、結果テーブル情報ID「商品名」、比較演算子「=」、判定値タイプ「判定元の異常と同じ値」となっている。
【0102】
既定値更新条件マスタ106aについて、1つの既定値更新条件を、複数の異常検知結果に適用することが可能となっており、
図20(C)は、1つの既定値更新条件を、複数の異常検知結果に適用した例を示している。同図に示す例では、既定値更新条件ID「UC001」、既定値更新条件名「既定値更新条件A」を、実行ID「EX002」、実行行番号「1」と、実行ID「EX001」、実行行番号「1」と、実行ID「EX001」、実行行番号「1」に適用している。
【0103】
既定値更新条件マスタ106a及び既定値更新条件明細マスタ106bのレコードは、検知された異常判定結果を確認後、類似判定の必要性に応じて提供される。また、上記既定値更新条件マスタ106a及び既定値更新条件明細マスタ106bのレコードは、在庫回転率についての異常検知用に設定された一例となる。実際のレコードの内容は、異常判定定義ごとに設定された項目(判定結果データ列情報マスタ106dの設定)や、類似判定に用いる条件によって変化する。以下の説明では、異常検知の実行は既に完了しているものとして説明する。
【0104】
図21を参照して、類似判定を行う場合を説明する。
図21は、類似判定を行う場合を説明するための図である。(A)は、判定結果データの例を示しており、(B)は、判定結果コメントデータを示している。類似判定は、「異常判定定義ID」が同じ異常検知結果同士で行い、「異常判定定義ID」が異なる場合は、異常判定定義の種類が異なるため行わない。
【0105】
例えば、(A)、(B)において、判定結果データの1行目と、判定結果コメントデータの1行目及び2行目は、過去に検知された異常検知結果を示しており、判定結果データの2行目は、今回の異常検知の結果作成された異常検知結果を示している。判定結果データの2行目の「異常判定定義ID「JD001」は、1行目と同じであるので、1行目と類似判定を行う。この場合、会計年度と商品名が一致するので、類似判定結果は「True」となる。
【0106】
他方、(C)に示すように、異常判定定義IDが異なる場合は、類似判定を行わない。なお、異常判定定義IDが異なる場合は、会計年度と商品名が一致しても類似判定を行わない。
【0107】
図22~
図24を参照して、類似判定のメカニズムを説明する。
図22~
図24は、類似判定のメカニズムを説明するための図である。類似判定は、以下の順に行われる。
【0108】
1.既定値更新条件明細マスタ106bに登録された条件に従い、類似判定を実施
2.既定値更新条件マスタ106aに登録された設定に従い、コメントを登録
3.類似判定された異常検知結果に対し、対応ステータスを更新
【0109】
以下、これらの処理を詳細に説明する。
(1.既定値更新条件明細マスタ106bに登録された条件に従い、類似判定を実施)
類似の異常検知結果と判定された場合、既定値更新履歴テーブル106eに類似判定履歴の情報を新規登録する。
【0110】
図22において、既定値更新条件明細マスタ106bでは、類似判定条件が、会計年度
=判定元の異常と同じ値、商品名=判定元の異常と同じ値に設定されている。判定結果データの1行目の実行ID「EX002」、行番号「1」は、会計年度「2022」、商品名「商品A」となっている。今回の異常検知結果である実行ID「EX003」、行番号「1」は、会計年度「2022」、商品名「商品A」となっており、類似判定条件に合致し、類似判定結果を「True」に更新し、既定値更新履歴テーブル106eに新規登録する。同図に示す例では、既定値更新履歴ID「UH001」、実行ID「EX003」、実行行番号「1」、既定値更新条件ID「UC001」が新規登録される。
【0111】
(2.既定値更新条件マスタ106aに登録された設定に従い、コメントを登録)
図23において、既定値更新条件マスタ106aでは、規定コメントを追加するか「True」、規定コメント内容「自動で更新されました」が設定されている。類似判定された場合には、この設定に従い、判定結果コメントデータに、コメント内容「自動で更新されました」、対応ステータス「要対応(異常検出された場合の初期値)」、更新ユーザ「自動実行」を登録する。
【0112】
このように、発生した異常が、既存の異常と内容が類似しているか、していないかを自動で区別することが可能となる。
【0113】
(3.類似判定された異常検知結果に対し、対応ステータスを更新)
類似の異常検知と判定されたレコードの「対応ステータス」を、既定値更新条件明細マスタ106bで設定されているステータスに更新する。
【0114】
図24において、既定値更新条件明細マスタ106bでは、ステータス「対応不要」が設定されている。この設定に従い、判定コメントデータの対応ステータスを、「要対応」から「対応不要」に更新する。
【0115】
このように、発生した異常が、既存の異常と内容が類似しているか、していないかを自動で区別することが可能となっており、異常検知結果が、既存の異常検知結果と類似していると判定された場合、対応ステータスを「対応不要」に更新する。このため、担当者が手動で対応ステータスを更新することなく、自動で対応ステータスの更新が可能となる。
これにより、同じ内容の異常に、複数回対応をするリスクを低減し、異常の通知量を削減し、より重要度の高い異常を見逃すリスクを低減することができる。
【0116】
つぎに、
図25~
図27を参照して、類似判定された異常検知結果のアラート一覧画面及びアラート詳細画面での見え方を説明する。類似の異常検知結果と判定された異常検知結果については、各画面に機能を追加している。
【0117】
図25において、アラート一覧画面の異常検知結果一覧表示エリアには、判定結果データの類似判定結果が「True」の場合は、
図24の既定値更新条件マスタ106aのステータスに従って対応ステータスを表示すると共に、類似インフォメーションアイコンを表示する。既存の異常検知結果と類似していると判断された場合のみ、類似インフォメーションアイコンを表示する。例えば、類似インフォメーションアイコンをマウスオーバー時に、既存の異常と類似内容であるというメッセージ、例えば、「類似判定により対応ステータスが更新されました。詳細は類似判定結果を確認してください。」を表示する。これにより、アラート一覧画面から、既存の異常検知結果を類似内容であることを確認可能となる。
【0118】
異常検知結果をクリックすると、例えば、
図26に示すようなアラート詳細画面が表示される。対応・コメント領域には、「類似判定結果の確認」ボタンと、類似判定日時が表示される。「類似判定結果の確認」ボタンは、類似判定によって「対応不要」となった異常検知結果の場合のみ表示する。「類似判定結果の確認」ボタンが押下されると、類似判定結果詳細画面へ遷移する。類似判定日時は、判定結果データの更新日時が表示される。
【0119】
図27を参照して、類似判定結果詳細画面を説明する。
図27は、類似判定結果詳細画面の表示例を示す図である。
図26において、「類似判定結果の確認」ボタンが押下されると、
図27に示すような類似判定結果詳細画面が表示される。類似判定結果詳細画面では、(1)既存の異常検知結果と類似していると判定された異常検知結果、(2)判定元の異常検知結果、(3)類似判定で用いられた条件、(4)既定値更新で用いられた設定と値が表示される。
【0120】
図28を参照して、類似の異常検知結果と判定された際の対応ステータス・コメント複写機能を説明する。
【0121】
類似判定の機能では、「類似判定された異常に対し、判定元の異常から最新対応ステータス・コメントを複写する」という設定も可能である。既に類似の異常が存在すると判定された異常検知結果を「対応不要」とせず、対応が必要な異常検知結果として残す運用で使用する場合を想定している。これは、既定値更新条件マスタ106aの設定により制御可能である。
【0122】
図28において、既定値更新条件マスタ106aにおいて、ステータスタイプを「判定元と同じ値に更新」に設定することで、判定元と同じ最新の対応ステータスを判定結果コメントデータの対応ステータスに登録することができる。また、既定値更新条件マスタ106aにおいて、コメント複写するかを「True」に設定することで、判定元のコメントを判定結果コメントデータのコメント内容に登録することができる。
【0123】
図29及び
図30を参照して、1つの異常検知結果に対して複数の既定値更新条件を設定する場合を説明する。類似判定機能では、1つの異常検知結果に対して、複数の既定値更新条件マスタ106aを紐づけることが可能となっている。異常検知結果の内容によって、既定値更新の処理内容を分岐する運用で使用する場合がある。
【0124】
例えば、在庫回転アラートにおいて、「在庫回転率の閾値からの外れ度合」によって既定値更新の条件を分岐させる場合を説明する。例えば、「在庫回転率の閾値からの外れ度合」が一定の値を超えた場合、類似判定された異常検知結果の対応ステータスを「要対応」とする(新規の異常として取り扱う)。また、「会計年度」「商品名」の条件に加え、「異常度ランク」の条件を追加する。
【0125】
図29において、既定値更新条件マスタ106aでは、同一の異常検知結果に複数の規定値更新条件IDの紐付けが可能となっている。同図に示す例では、実行ID「EX002」、実行行番号「1」に、規定値更新条件ID「UC001」と、「UC002」が設定されている。「UC001」については、ステータス「対応不要」、「UC0002」には、ステータス「要対応」が設定されている。
【0126】
既定値更新条件明細マスタ106bでは、「UC001」と「UC002」には、それぞれ、3つの類似判定条件が設定されており、「UC002」の明細条件NO「3」では、結果テーブル情報ID「異常度ランク」、比較演算子「≧」、判定値タイプ「固定値」、判定値「3」が設定されている。判定結果データの異常度ランク「3」となっているので(商品名及び会計年度は、判定元と同じ)、判定結果コメントデータの対応ステータスは、「要対応」に更新される。
【0127】
なお、異常度ランクとは、検出対象となった異常値がどの程度閾値から外れているかによって算出されたランクをいう。ランクの数字が大きいほど閾値からの外れ度合いが大きいことを表す。
図30は、在庫回転率の閾値からの乖離度合いにより、商品A,B,Cの異常度ランクを算出した場合の例を示している。
【0128】
以上説明したように、本実施の形態によれば、アラート画面の表示を制御し、当該アラート画面において、判定結果データを参照して、異常検知結果の一覧を一覧表示領域に表示し、その際、判定結果コメントデータを参照して、各異常検知結果の対応ステータスを表示する画面表示制御部102dを備えているので、業務データに対する異常を検知した場合に、担当者が、異常に対する対応状況を簡単に確認することが可能となる。
【0129】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0130】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0131】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0132】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0133】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0134】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0135】
また、異常検知支援装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0136】
例えば、異常検知支援装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部又は任意の一部を、CPU及び当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて異常検知支援装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROM又はHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0137】
また、このコンピュータプログラムは、異常検知支援装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部又は一部をダウンロードすることも可能である。
【0138】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム商品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、及び、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0139】
また、「プログラム」とは、任意の言語又は記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコード又はバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成及び読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0140】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0141】
また、異常検知支援装置100は、既知のパーソナルコンピュータ又はワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、異常検知支援装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラム又はデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0142】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部又は一部を、各種の付加等に応じて又は機能負荷に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【符号の説明】
【0143】
100 異常検知支援装置
102 制御部
102a 異常検知部
102b 類似判定部
102c コメント処理部
102d 画面表示制御部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 既定値更新条件マスタ
106b 既定値更新条件明細マスタ
106c 異常判定定義マスタ
106d 判定結果データ列情報マスタ
106e 既定値更新履歴テーブル
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク
400 業務システム
500 端末装置