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特開2024-954ゲート駆動回路および電力変換装置およびゲート駆動回路の制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024000954
(43)【公開日】2024-01-09
(54)【発明の名称】ゲート駆動回路および電力変換装置およびゲート駆動回路の制御方法
(51)【国際特許分類】
   H02M 1/08 20060101AFI20231226BHJP
   H02M 7/48 20070101ALI20231226BHJP
【FI】
H02M1/08 A
H02M7/48 E
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023006272
(22)【出願日】2023-01-19
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-09-27
(31)【優先権主張番号】P 2022099289
(32)【優先日】2022-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006105
【氏名又は名称】株式会社明電舎
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100104938
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜澤 英久
(74)【代理人】
【識別番号】100210240
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 友幸
(72)【発明者】
【氏名】辻 弘兵
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 勇
【テーマコード(参考)】
5H740
5H770
【Fターム(参考)】
5H740AA05
5H740BA12
5H740BB01
5H740BC01
5H740BC02
5H740JA01
5H740JB01
5H740KK03
5H770EA03
5H770GA03
5H770GA04
5H770GA13
5H770GA14
5H770GA17
5H770JA16Z
(57)【要約】
【課題】DC/AC変調回路でパルストランスを駆動する際に偏磁を抑制しながら、最小オンパルス幅の制限を緩和する。
【解決手段】ゲート駆動回路は、変調回路2,3と、オン側整流回路4と、オフ側整流回路5と、を備える。変調回路2,3は、ゲート指令のオン指令幅およびオフ指令幅に応じて第1変調信号vTr1および第2変調信号vTr2の周波数を可変とする。オン指令幅と第1変調信号vTr1の1つの正パルスの期間を同一とし、オン指令幅と第1変調信号vTr1の1つの負パルスの期間を同一とし、オン指令となる度に第1変調信号vTr1の正パルスと負パルスを交互に出力する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲート指令のオン指令とオフ指令に基づいて、第1変調信号と第2変調信号を出力する変調回路と、
前記第1変調信号が印加されるオン側1次巻線および前記オン側1次巻線に印加された電圧を変圧して出力するオン側2次巻線,オン側3次巻線を有する第1パルストランスと、前記オン側2次巻線の出力を整流する第1ダイオード回路と、前記オン側3次巻線の出力を整流する第2ダイオード回路と、を具備するオン側整流回路と、
前記第2変調信号が印加されるオフ側1次巻線および前記オフ側1次巻線に印加された電圧を変圧して出力するオフ側2次巻線,オフ側3次巻線を有する第2パルストランスと、前記オフ側2次巻線の出力を整流する第3ダイオード回路と、前記オフ側3次巻線の出力を整流する第4ダイオード回路と、を具備するオフ側整流回路と、
を備え、前記第1~第4ダイオード回路の出力に応じて駆動対象の半導体素子を制御するゲート駆動回路であって、
前記変調回路は、
前記ゲート指令のオン指令幅およびオフ指令幅に応じて前記第1変調信号および前記第2変調信号の周波数を可変とし、前記オン指令幅と前記第1変調信号の1つの正パルスの期間を同一とし、前記オン指令幅と前記第1変調信号の1つの負パルスの期間を同一とし、前記オン指令となる度に前記第1変調信号の前記正パルスと前記負パルスを交互に出力することを特徴とするゲート駆動回路。
【請求項2】
ゲート指令のオン指令とオフ指令に基づいて、第1変調信号と第2変調信号を出力する変調回路と、
前記第1変調信号が印加されるオン側1次巻線および前記オン側1次巻線に印加された電圧を変圧して出力するオン側2次巻線,オン側3次巻線を有する第1パルストランスと、前記オン側2次巻線の出力を整流する第1ダイオード回路と、前記オン側3次巻線の出力を整流する第2ダイオード回路と、を具備するオン側整流回路と、
前記第2変調信号が印加されるオフ側1次巻線および前記オフ側1次巻線に印加された電圧を変圧して出力するオフ側2次巻線,オフ側3次巻線を有する第2パルストランスと、前記オフ側2次巻線の出力を整流する第3ダイオード回路と、前記オフ側3次巻線の出力を整流する第4ダイオード回路と、を具備するオフ側整流回路と、
を備え、前記第1~第4ダイオード回路の出力に応じて駆動対象の半導体素子を制御するゲート駆動回路であって、
前記変調回路は、
前記ゲート指令のオン指令幅およびオフ指令幅に応じて前記第1変調信号および前記第2変調信号の周波数を可変とし、前記オフ指令幅と前記第2変調信号の1つの正パルスの期間を同一とし、前記オフ指令幅と前記第2変調信号の1つの負パルスの期間を同一とし、前記オフ指令となる度に前記第2変調信号の前記正パルスと前記負パルスを交互に出力することを特徴とするゲート駆動回路。
【請求項3】
前記変調回路は、
前記ゲート指令の立ち上がりを検出する立ち上がりエッジ検出回路と、
前記ゲート指令の立ち上がりエッジを検出したタイミングでラッチし、ラッチした状態でさらに前記ゲート指令の立ち上がりエッジを検出するとそのタイミングでラッチを解除するラッチ回路と、
前記ゲート指令と前記ラッチ回路の出力の論理積を出力する第1AND回路と、
前記ラッチ回路の出力を反転させるNOT回路と、
前記ゲート指令と前記NOT回路の出力の論理積を出力する第2AND回路と、
前記第1AND回路の出力と前記第2AND回路の出力に基づいてDC/AC変調回路を制御するドライブICと、
前記ドライブICの制御に基づいて前記第1変調信号を出力する前記DC/AC変調回路と、
を備えたことを特徴とする請求項1記載のゲート駆動回路。
【請求項4】
ゲート指令のオン指令とオフ指令に基づいて、第1変調信号と第2変調信号を出力する変調回路と、
前記第1変調信号が印加されるオン側1次巻線および前記オン側1次巻線に印加された電圧を変圧して出力するオン側2次巻線,オン側3次巻線を有する第1パルストランスと、前記オン側2次巻線の出力を整流する第1ダイオード回路と、前記オン側3次巻線の出力を整流する第2ダイオード回路と、を具備するオン側整流回路と、
前記第2変調信号が印加されるオフ側1次巻線および前記オフ側1次巻線に印加された電圧を変圧して出力するオフ側2次巻線,オフ側3次巻線を有する第2パルストランスと、前記オフ側2次巻線の出力を整流する第3ダイオード回路と、前記オフ側3次巻線の出力を整流する第4ダイオード回路と、を具備するオフ側整流回路と、
を備え、前記第1~第4ダイオード回路の出力に応じて駆動対象の半導体素子を制御するゲート駆動回路であって、
前記変調回路は、
前記ゲート指令のオン指令幅およびオフ指令幅に応じて前記第1変調信号および前記第2変調信号の周波数を可変とし、前記ゲート指令のオン指令の期間、前記第1変調信号は正パルスまたは負パルスを出力し、前記ゲート指令の1周期毎に前記第1変調信号の出力開始時の極性を反転し、前記第1変調信号の出力期間が所定時間経過した時に前記第1変調信号の極性を反転させることを特徴とするゲート駆動回路。
【請求項5】
ゲート指令のオン指令とオフ指令に基づいて、第1変調信号と第2変調信号を出力する変調回路と、
前記第1変調信号が印加されるオン側1次巻線および前記オン側1次巻線に印加された電圧を変圧して出力するオン側2次巻線,オン側3次巻線を有する第1パルストランスと、前記オン側2次巻線の出力を整流する第1ダイオード回路と、前記オン側3次巻線の出力を整流する第2ダイオード回路と、を具備するオン側整流回路と、
前記第2変調信号が印加されるオフ側1次巻線および前記オフ側1次巻線に印加された電圧を変圧して出力するオフ側2次巻線,オフ側3次巻線を有する第2パルストランスと、前記オフ側2次巻線の出力を整流する第3ダイオード回路と、前記オフ側3次巻線の出力を整流する第4ダイオード回路と、を具備するオフ側整流回路と、
を備え、前記第1~第4ダイオード回路の出力に応じて駆動対象の半導体素子を制御するゲート駆動回路であって、
前記変調回路は、
前記ゲート指令のオン指令幅およびオフ指令幅に応じて前記第1変調信号および前記第2変調信号の周波数を可変とし、前記ゲート指令のオフ指令の期間、前記第2変調信号は正パルスまたは負パルスを出力し、前記ゲート指令の1周期毎に前記第2変調信号の出力開始時の極性を反転し、前記第2変調信号の出力期間が所定時間経過した時に前記第2変調信号の極性を反転させることを特徴とするゲート駆動回路。
【請求項6】
前記ゲート指令の立ち下がりエッジで「1」、「0」を切り替える反転許可信号を生成する反転許可信号生成部と、
前記ゲート指令がオン、かつ、前記ゲート指令がオンを出力してから所定時間までは「1」を出力し、それ以外の時「0」となるゲート信号GATE1と、前記ゲート指令がオン、かつ、前記ゲート指令がオンを出力してから所定時間経過後は「1」を出力し、それ以外の時「0」となるゲート信号GATE2と、を生成するゲート信号生成部と、
前記反転許可信号が「0」の場合は、前記ゲート信号GATE1が「1」の時に正出力ゲート信号GATE_Pを「1」、前記ゲート信号GATE2が「1」の時に負出力ゲート信号GATE_Nを「1」、それ以外の時、前記正出力ゲート信号GATE_P、前記負出力ゲート信号GATE_Nを「0」とし、前記反転許可信号が「1」の場合は、前記ゲート信号GATE1が「1」の時に前記負出力ゲート信号GATE_Nを「1」、前記ゲート信号GATE2が「1」の時に前記正出力ゲート信号GATE_Pを「1」、それ以外の時、前記正出力ゲート信号GATE_P、前記負出力ゲート信号GATE_Nを「0」とする極性セレクタ部と、
前記正出力ゲート信号GATE_Pと前記負出力ゲート信号GATE_Nに基づいてDC/AC変調回路を制御するドライブICと、
前記ドライブICの制御に基づいて前記第1変調信号を出力する前記DC/AC変調回路と、
を備えたことを特徴とする請求項4記載のゲート駆動回路。
【請求項7】
前記DC/AC変調回路は変調信号生成回路であり、
前記変調回路は、
前記ゲート指令をクロック信号に同期させる同期回路と、
前記同期回路の出力の立ち上がりエッジを検出する立ち上がりエッジ検出部と、
前記同期回路の出力の立ち下がりエッジを検出する立ち下がりエッジ検出部と、
前記同期回路の出力の立ち下がりエッジを検出するとカウントを開始し、前記同期回路の出力の立ち上がりエッジを検出するとカウントを停止し、前記クロック信号が入力されるたびにカウント値を加算するオフパルス幅測定部と、
前記オフパルス幅測定部の出力を1/2にするオフ側1ビットシフト回路と、
前記オフ側1ビットシフト回路の出力を前記同期回路の出力の立ち上がりエッジのタイミングでラッチするオフ側ラッチ回路と、
前記オフ側ラッチ回路の出力と前記クロック信号を入力し、前記クロック信号が入力されるたびにカウント値を減算する第1ダウンカウンタと、
前記オフ側ラッチ回路の出力と前記第1ダウンカウンタの出力と前記クロック信号を入力し、前記クロック信号が入力されるたびにカウント値を減算する第2ダウンカウンタと、
を備え、
前記変調信号生成回路は、前記第1,第2ダウンカウンタのカウンタがゼロになるまで前記第2変調信号を出力することを特徴とする請求項3または6記載のゲート駆動回路。
【請求項8】
前記DC/AC変調回路は、
コンデンサと、
前記コンデンサの両端間に直列接続されたオン側第1,第2半導体素子と、前記コンデンサの両端間に直列接続されたオン側第3,第4半導体素子と、を有するオン信号生成用フルブリッジ回路と、
前記コンデンサの両端間に直列接続されたオフ側第1,第2半導体素子と、前記コンデンサの両端間に直列接続されたオフ側第3,第4半導体素子と、を有するオフ信号生成用フルブリッジ回路と、
を備え、前記オン側第1,第2半導体素子の接続点と前記オン側第3,第4半導体素子の接続点との間に前記第1パルストランスの前記オン側1次巻線が接続され、前記オフ側第1,第2半導体素子の接続点と前記オフ側第3,第4半導体素子の接続点との間に前記第2パルストランスの前記オフ側1次巻線が接続されたことを特徴とする請求項3または6記載のゲート駆動回路。
【請求項9】
前記変調回路は、
前記ゲート指令をクロック信号に同期させる同期回路と、
前記同期回路の出力の立ち上がりエッジを検出する立ち上がりエッジ検出部と、
前記同期回路の出力の立ち下がりエッジを検出する立ち下がりエッジ検出部と、
前記同期回路の出力の立ち下がりエッジを検出するとカウントを開始し、前記同期回路の出力の立ち上がりエッジを検出するとカウントを停止し、前記クロック信号が入力されるたびにカウント値を加算するオフパルス幅測定部と、
前記オフパルス幅測定部の出力を1/2にするオフ側1ビットシフト回路と、
前記オフ側1ビットシフト回路の出力を前記同期回路の出力の立ち上がりエッジのタイミングでラッチするオフ側ラッチ回路と、
前記オフ側ラッチ回路の出力と前記クロック信号を入力し、前記クロック信号が入力されるたびにカウント値を減算し、カウント値が0になるまで前記オフ側第1,第4半導体素子のゲート指令を出力する第1ダウンカウンタと、
前記オフ側ラッチ回路の出力と前記第1ダウンカウンタの出力と前記クロック信号を入力し、前記クロック信号が入力されるたびにカウント値を減算し、カウント値が0になるまで前記オフ側第2,第3半導体素子のゲート指令を出力する第2ダウンカウンタと、
を備えたことを特徴とする請求項8記載のゲート駆動回路。
【請求項10】
前記オフパルス幅測定部はn(n:1以上の整数)段構成であり、
1段目に、
D-FF端子に前記クロック信号を入力し、D端子に第1オン側Dフリップフロップ回路の/Q端子の出力を入力し、Q端子の出力が1bit信号となる前記第1オン側Dフリップフロップ回路、を有し、
2段目に、
前記第1オン側Dフリップフロップ回路のQ端子の出力と第2オン側Dフリップフロップ回路のQ端子の出力を入力する第2オン側XOR回路と、
D-FF端子に前記クロック信号を入力し、D端子に前記第2オン側XOR回路の出力を入力し、Q端子の出力が2bit信号となる前記第2オン側Dフリップフロップ回路と、を有し、
3段目に、
前記第1オン側Dフリップフロップ回路のQ端子の出力と前記第2オン側Dフリップフロップ回路のQ端子の出力を入力する第3オン側AND回路と、
前記第3オン側AND回路の出力と第3オン側Dフリップフロップ回路のQ端子の出力を入力する第3オン側XOR回路と、
D-FF端子に前記クロック信号を入力し、D端子に前記第3オン側XOR回路の出力を入力し、Q端子の出力が3bit信号となる前記第3オン側Dフリップフロップ回路と、を有し、
4段目~n段目に、
k(k:4~nの整数)-1bit信号と(k-2)bit・(k-3)bit…2bit・1bit信号を入力する第kオン側AND回路と、
前記第kオン側AND回路の出力と第kオン側Dフリップフロップ回路のQ端子の出力を入力する第kオン側XOR回路と、
D-FF端子に前記クロック信号を入力し、D端子に前記第kオン側XOR回路の出力を入力し、Q端子の出力がkbit信号となる前記第kオン側Dフリップフロップ回路と、
を有することを特徴とする請求項7記載のゲート駆動回路。
【請求項11】
前記第1,第2ダウンカウンタはn(n:1以上の整数)段構成であり、
1段目に、
D-FF端子に前記クロック信号を入力し、D端子に第1オフ側Dフリップフロップ回路の/Q端子の出力を入力し、Q端子の出力が1bit信号となる前記第1オフ側Dフリップフロップ回路、を有し、
2段目に、
前記第1オフ側Dフリップフロップ回路の/Q端子の出力と第2オフ側Dフリップフロップ回路の/Q端子の出力を入力する第2オフ側XOR回路と、
D-FF端子に前記クロック信号を入力し、D端子に前記第2オフ側XOR回路の出力を入力し、Q端子の出力が2bit信号となる前記第2オフ側Dフリップフロップ回路と、を有し、
3段目に、
前記第1オフ側Dフリップフロップ回路の/Q端子の出力と前記第2オフ側Dフリップフロップ回路の/Q端子の出力を入力する第3オフ側AND回路と、
前記第3オフ側AND回路の出力と第3オフ側Dフリップフロップ回路の/Q端子の出力を入力する第3オフ側XOR回路と、
D-FF端子に前記クロック信号を入力し、D端子に前記第3オフ側XOR回路の出力を入力し、Q端子の出力が3bit信号となる前記第3オフ側Dフリップフロップ回路と、を有し、
4段目~n段目に、
/k(k:4~nの整数)-1bit信号と/(k-2)bit・/(k-3)bit…/2bit・/1bit信号を入力する第kオフ側AND回路と、
前記第kオフ側AND回路の出力と第kオフ側Dフリップフロップ回路の/Q端子の出力を入力する第kオフ側XOR回路と、
D-FF端子に前記クロック信号を入力し、D端子に前記第kオフ側XOR回路の出力を入力し、Q端子の出力がkbit信号となる前記第kオフ側Dフリップフロップ回路と、
を有することを特徴とする請求項7記載のゲート駆動回路。
【請求項12】
請求項1~2、4~5のうち何れかに記載の駆動対象の半導体素子を備えたことを特徴とする電力変換装置。
【請求項13】
ゲート指令のオン指令とオフ指令に基づいて、第1変調信号と第2変調信号を出力する変調回路と、
前記第1変調信号が印加されるオン側1次巻線および前記オン側1次巻線に印加された電圧を変圧して出力するオン側2次巻線,オン側3次巻線を有する第1パルストランスと、前記オン側2次巻線の出力を整流する第1ダイオード回路と、前記オン側3次巻線の出力を整流する第2ダイオード回路と、を具備するオン側整流回路と、
前記第2変調信号が印加されるオフ側1次巻線および前記オフ側1次巻線に印加された電圧を変圧して出力するオフ側2次巻線,オフ側3次巻線を有する第2パルストランスと、前記オフ側2次巻線の出力を整流する第3ダイオード回路と、前記オフ側3次巻線の出力を整流する第4ダイオード回路と、を具備するオフ側整流回路と、
を備え、前記第1~第4ダイオード回路の出力に応じて駆動対象の半導体素子を制御するゲート駆動回路の制御方法であって、
前記変調回路は、前記ゲート指令のオン指令幅およびオフ指令幅に応じて、前記第1変調信号および前記第2変調信号の周波数を可変とし、前記オン指令幅と前記第1変調信号の1つの正パルスの期間を同一とし、前記オン指令幅と前記第1変調信号の1つの負パルスの期間を同一とし、前記オン指令となる度に前記第1変調信号の前記正パルスと前記負パルスを交互に出力することを特徴とするゲート駆動回路の制御方法。
【請求項14】
ゲート指令のオン指令とオフ指令に基づいて、第1変調信号と第2変調信号を出力する変調回路と、
前記第1変調信号が印加されるオン側1次巻線および前記オン側1次巻線に印加された電圧を変圧して出力するオン側2次巻線,オン側3次巻線を有する第1パルストランスと、前記オン側2次巻線の出力を整流する第1ダイオード回路と、前記オン側3次巻線の出力を整流する第2ダイオード回路と、を具備するオン側整流回路と、
前記第2変調信号が印加されるオフ側1次巻線および前記オフ側1次巻線に印加された電圧を変圧して出力するオフ側2次巻線,オフ側3次巻線を有する第2パルストランスと、前記オフ側2次巻線の出力を整流する第3ダイオード回路と、前記オフ側3次巻線の出力を整流する第4ダイオード回路と、を具備するオフ側整流回路と、
を備え、前記第1~第4ダイオード回路の出力に応じて駆動対象の半導体素子を制御するゲート駆動回路の制御方法であって、
前記変調回路は、前記ゲート指令のオン指令幅およびオフ指令幅に応じて、前記第1変調信号および前記第2変調信号の周波数を可変とし、前記オフ指令幅と前記第2変調信号の1つの正パルスの期間を同一とし、前記オフ指令幅と前記第2変調信号の1つの負パルスの期間を同一とし、前記オフ指令となる度に前記第2変調信号の前記正パルスと前記負パルスを交互に出力することを特徴とするゲート駆動回路の制御方法。
【請求項15】
ゲート指令のオン指令とオフ指令に基づいて、第1変調信号と第2変調信号を出力する変調回路と、
前記第1変調信号が印加されるオン側1次巻線および前記オン側1次巻線に印加された電圧を変圧して出力するオン側2次巻線,オン側3次巻線を有する第1パルストランスと、前記オン側2次巻線の出力を整流する第1ダイオード回路と、前記オン側3次巻線の出力を整流する第2ダイオード回路と、を具備するオン側整流回路と、
前記第2変調信号が印加されるオフ側1次巻線および前記オフ側1次巻線に印加された電圧を変圧して出力するオフ側2次巻線,オフ側3次巻線を有する第2パルストランスと、前記オフ側2次巻線の出力を整流する第3ダイオード回路と、前記オフ側3次巻線の出力を整流する第4ダイオード回路と、を具備するオフ側整流回路と、
を備え、前記第1~第4ダイオード回路の出力に応じて駆動対象の半導体素子を制御するゲート駆動回路の制御方法であって、
前記変調回路は、前記ゲート指令のオン指令幅およびオフ指令幅に応じて前記第1変調信号および前記第2変調信号の周波数を可変とし、前記ゲート指令のオン指令の期間、前記第1変調信号は正パルスまたは負パルスを出力し、前記ゲート指令の1周期毎に前記第1変調信号の出力開始時の極性を反転し、前記第1変調信号の出力期間が所定時間経過した時に前記第1変調信号の極性を反転させることを特徴とするゲート駆動回路の制御方法。
【請求項16】
ゲート指令のオン指令とオフ指令に基づいて、第1変調信号と第2変調信号を出力する変調回路と、
前記第1変調信号が印加されるオン側1次巻線および前記オン側1次巻線に印加された電圧を変圧して出力するオン側2次巻線,オン側3次巻線を有する第1パルストランスと、前記オン側2次巻線の出力を整流する第1ダイオード回路と、前記オン側3次巻線の出力を整流する第2ダイオード回路と、を具備するオン側整流回路と、
前記第2変調信号が印加されるオフ側1次巻線および前記オフ側1次巻線に印加された電圧を変圧して出力するオフ側2次巻線,オフ側3次巻線を有する第2パルストランスと、前記オフ側2次巻線の出力を整流する第3ダイオード回路と、前記オフ側3次巻線の出力を整流する第4ダイオード回路と、を具備するオフ側整流回路と、
を備え、前記第1~第4ダイオード回路の出力に応じて駆動対象の半導体素子を制御するゲート駆動回路の制御方法であって、
前記変調回路は、前記ゲート指令のオン指令幅およびオフ指令幅に応じて前記第1変調信号および前記第2変調信号の周波数を可変とし、前記ゲート指令のオフ指令の期間、前記第2変調信号は正パルスまたは負パルスを出力し、前記ゲート指令の1周期毎に前記第2変調信号の出力開始時の極性を反転し、前記第2変調信号の出力期間が所定時間経過した時に前記第2変調信号の極性を反転させることを特徴とするゲート駆動回路の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直列同時駆動する電力変換器におけるゲート駆動回路の変調方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスを直列で駆動する回路では、同時スイッチング性の確保のためにパルストランスを用いてゲート駆動を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-271041号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、DC/AC変調回路を用いてパルストランスを駆動する場合、偏磁対策のために出力の正パルスと負パルスの期間をそれぞれ同一にする必要がある。
【0005】
図17は、DC/AC変調回路の駆動において、ドライブICなどハードウェアの影響で、最小オンパルス幅に制限が生じた場合の動作波形である。正負それぞれに制限がかかるため、その最小オンパルス幅は2倍の時間となる。例えば、最小パルス幅が100nsとすると、変調回路は200ns以下のパルスを出力できず、指令値に制限が生じる。
【0006】
このことはゲート指令と実際の半導体デバイスのスイッチング動作との誤差の増大、つまりインバータの出力電圧精度の悪化につながる。
【0007】
以上示したようなことから、DC/AC変調回路でパルストランスを駆動する際に偏磁を抑制しながら、最小オンパルス幅の制限を緩和したゲート駆動回路を提供することが課題となる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前記従来の問題に鑑み、案出されたもので、その一態様は、ゲート指令のオン指令とオフ指令に基づいて、第1変調信号と第2変調信号を出力する変調回路と、前記第1変調信号が印加されるオン側1次巻線および前記オン側1次巻線に印加された電圧を変圧して出力するオン側2次巻線,オン側3次巻線を有する第1パルストランスと、前記オン側2次巻線の出力を整流する第1ダイオード回路と、前記オン側3次巻線の出力を整流する第2ダイオード回路と、を具備するオン側整流回路と、前記第2変調信号が印加されるオフ側1次巻線および前記オフ側1次巻線に印加された電圧を変圧して出力するオフ側2次巻線,オフ側3次巻線を有する第2パルストランスと、前記オフ側2次巻線の出力を整流する第3ダイオード回路と、前記オフ側3次巻線の出力を整流する第4ダイオード回路と、を具備するオフ側整流回路と、を備え、前記第1~第4ダイオード回路の出力に応じて駆動対象の半導体素子を制御するゲート駆動回路であって、前記変調回路は、前記ゲート指令のオン指令幅およびオフ指令幅に応じて前記第1変調信号および前記第2変調信号の周波数を可変とし、前記オン指令幅と前記第1変調信号の1つの正パルスの期間を同一とし、前記オン指令幅と前記第1変調信号の1つの負パルスの期間を同一とし、前記オン指令となる度に前記第1変調信号の前記正パルスと前記負パルスを交互に出力することを特徴とする。
【0009】
また、他の態様として、ゲート指令のオン指令とオフ指令に基づいて、第1変調信号と第2変調信号を出力する変調回路と、前記第1変調信号が印加されるオン側1次巻線および前記オン側1次巻線に印加された電圧を変圧して出力するオン側2次巻線,オン側3次巻線を有する第1パルストランスと、前記オン側2次巻線の出力を整流する第1ダイオード回路と、前記オン側3次巻線の出力を整流する第2ダイオード回路と、を具備するオン側整流回路と、前記第2変調信号が印加されるオフ側1次巻線および前記オフ側1次巻線に印加された電圧を変圧して出力するオフ側2次巻線,オフ側3次巻線を有する第2パルストランスと、前記オフ側2次巻線の出力を整流する第3ダイオード回路と、前記オフ側3次巻線の出力を整流する第4ダイオード回路と、を具備するオフ側整流回路と、を備え、前記第1~第4ダイオード回路の出力に応じて駆動対象の半導体素子を制御するゲート駆動回路であって、前記変調回路は、前記ゲート指令のオン指令幅およびオフ指令幅に応じて前記第1変調信号および前記第2変調信号の周波数を可変とし、前記オフ指令幅と前記第2変調信号の1つの正パルスの期間を同一とし、前記オフ指令幅と前記第2変調信号の1つの負パルスの期間を同一とし、前記オフ指令となる度に前記第2変調信号の前記正パルスと前記負パルスを交互に出力することを特徴とする。
【0010】
また、一態様として、前記変調回路は、前記ゲート指令の立ち上がりを検出する立ち上がりエッジ検出回路と、前記ゲート指令の立ち上がりエッジを検出したタイミングでラッチし、ラッチした状態でさらに前記ゲート指令の立ち上がりエッジを検出するとそのタイミングでラッチを解除するラッチ回路と、前記ゲート指令と前記ラッチ回路の出力の論理積を出力する第1AND回路と、前記ラッチ回路の出力を反転させるNOT回路と、前記ゲート指令と前記NOT回路の出力の論理積を出力する第2AND回路と、前記第1AND回路の出力と前記第2AND回路の出力に基づいてDC/AC変調回路を制御するドライブICと、前記ドライブICの制御に基づいて前記第1変調信号を出力する前記DC/AC変調回路と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
また、他の態様として、ゲート指令のオン指令とオフ指令に基づいて、第1変調信号と第2変調信号を出力する変調回路と、前記第1変調信号が印加されるオン側1次巻線および前記オン側1次巻線に印加された電圧を変圧して出力するオン側2次巻線,オン側3次巻線を有する第1パルストランスと、前記オン側2次巻線の出力を整流する第1ダイオード回路と、前記オン側3次巻線の出力を整流する第2ダイオード回路と、を具備するオン側整流回路と、前記第2変調信号が印加されるオフ側1次巻線および前記オフ側1次巻線に印加された電圧を変圧して出力するオフ側2次巻線,オフ側3次巻線を有する第2パルストランスと、前記オフ側2次巻線の出力を整流する第3ダイオード回路と、前記オフ側3次巻線の出力を整流する第4ダイオード回路と、を具備するオフ側整流回路と、を備え、前記第1~第4ダイオード回路の出力に応じて駆動対象の半導体素子を制御するゲート駆動回路であって、前記変調回路は、前記ゲート指令のオン指令幅およびオフ指令幅に応じて前記第1変調信号および前記第2変調信号の周波数を可変とし、前記ゲート指令のオン指令の期間、前記第1変調信号は正パルスまたは負パルスを出力し、前記ゲート指令の1周期毎に前記第1変調信号の出力開始時の極性を反転し、前記第1変調信号の出力期間が所定時間経過した時に前記第1変調信号の極性を反転させることを特徴とする。
【0012】
また、他の態様として、ゲート指令のオン指令とオフ指令に基づいて、第1変調信号と第2変調信号を出力する変調回路と、前記第1変調信号が印加されるオン側1次巻線および前記オン側1次巻線に印加された電圧を変圧して出力するオン側2次巻線,オン側3次巻線を有する第1パルストランスと、前記オン側2次巻線の出力を整流する第1ダイオード回路と、前記オン側3次巻線の出力を整流する第2ダイオード回路と、を具備するオン側整流回路と、前記第2変調信号が印加されるオフ側1次巻線および前記オフ側1次巻線に印加された電圧を変圧して出力するオフ側2次巻線,オフ側3次巻線を有する第2パルストランスと、前記オフ側2次巻線の出力を整流する第3ダイオード回路と、前記オフ側3次巻線の出力を整流する第4ダイオード回路と、を具備するオフ側整流回路と、を備え、前記第1~第4ダイオード回路の出力に応じて駆動対象の半導体素子を制御するゲート駆動回路であって、前記変調回路は、前記ゲート指令のオン指令幅およびオフ指令幅に応じて前記第1変調信号および前記第2変調信号の周波数を可変とし、前記ゲート指令のオフ指令の期間、前記第2変調信号は正パルスまたは負パルスを出力し、前記ゲート指令の1周期毎に前記第2変調信号の出力開始時の極性を反転し、前記第2変調信号の出力期間が所定時間経過した時に前記第2変調信号の極性を反転させることを特徴とする。
【0013】
また、一態様として、前記ゲート指令の立ち下がりエッジで「1」、「0」を切り替える反転許可信号を生成する反転許可信号生成部と、前記ゲート指令がオン、かつ、前記ゲート指令がオンを出力してから所定時間までは「1」を出力し、それ以外の時「0」となるゲート信号GATE1と、前記ゲート指令がオン、かつ、前記ゲート指令がオンを出力してから所定時間経過後は「1」を出力し、それ以外の時「0」となるゲート信号GATE2と、を生成するゲート信号生成部と、前記反転許可信号が「0」の場合は、前記ゲート信号GATE1が「1」の時に正出力ゲート信号GATE_Pを「1」、前記ゲート信号GATE2が「1」の時に負出力ゲート信号GATE_Nを「1」、それ以外の時、前記正出力ゲート信号GATE_P、前記負出力ゲート信号GATE_Nを「0」とし、前記反転許可信号が「1」の場合は、前記ゲート信号GATE1が「1」の時に前記負出力ゲート信号GATE_Nを「1」、前記ゲート信号GATE2が「1」の時に前記正出力ゲート信号GATE_Pを「1」、それ以外の時、前記正出力ゲート信号GATE_P、前記負出力ゲート信号GATE_Nを「0」とする極性セレクタ部と、前記正出力ゲート信号GATE_Pと前記負出力ゲート信号GATE_Nに基づいてDC/AC変調回路を制御するドライブICと、前記ドライブICの制御に基づいて前記第1変調信号を出力する前記DC/AC変調回路と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
また、一態様として、前記DC/AC変調回路は変調信号生成回路であり、前記変調回路は、前記ゲート指令をクロック信号に同期させる同期回路と、前記同期回路の出力の立ち上がりエッジを検出する立ち上がりエッジ検出部と、前記同期回路の出力の立ち下がりエッジを検出する立ち下がりエッジ検出部と、前記同期回路の出力の立ち下がりエッジを検出するとカウントを開始し、前記同期回路の出力の立ち上がりエッジを検出するとカウントを停止し、前記クロック信号が入力されるたびにカウント値を加算するオフパルス幅測定部と、前記オフパルス幅測定部の出力を1/2にするオフ側1ビットシフト回路と、前記オフ側1ビットシフト回路の出力を前記同期回路の出力の立ち上がりエッジのタイミングでラッチするオフ側ラッチ回路と、前記オフ側ラッチ回路の出力と前記クロック信号を入力し、前記クロック信号が入力されるたびにカウント値を減算する第1ダウンカウンタと、前記オフ側ラッチ回路の出力と前記第1ダウンカウンタの出力と前記クロック信号を入力し、前記クロック信号が入力されるたびにカウント値を減算する第2ダウンカウンタと、を備え、前記変調信号生成回路は、前記第1,第2ダウンカウンタのカウンタがゼロになるまで前記第2変調信号を出力することを特徴とする。
【0015】
また、一態様として、前記DC/AC変調回路は、コンデンサと、前記コンデンサの両端間に直列接続されたオン側第1,第2半導体素子と、前記コンデンサの両端間に直列接続されたオン側第3,第4半導体素子と、を有するオン信号生成用フルブリッジ回路と、前記コンデンサの両端間に直列接続されたオフ側第1,第2半導体素子と、前記コンデンサの両端間に直列接続されたオフ側第3,第4半導体素子と、を有するオフ信号生成用フルブリッジ回路と、を備え、前記オン側第1,第2半導体素子の接続点と前記オン側第3,第4半導体素子の接続点との間に前記第1パルストランスの前記オン側1次巻線が接続され、前記オフ側第1,第2半導体素子の接続点と前記オフ側第3,第4半導体素子の接続点との間に前記第2パルストランスの前記オフ側1次巻線が接続されたことを特徴とする。
【0016】
また、一態様として、前記変調回路は、前記ゲート指令をクロック信号に同期させる同期回路と、前記同期回路の出力の立ち上がりエッジを検出する立ち上がりエッジ検出部と、前記同期回路の出力の立ち下がりエッジを検出する立ち下がりエッジ検出部と、前記同期回路の出力の立ち下がりエッジを検出するとカウントを開始し、前記同期回路の出力の立ち上がりエッジを検出するとカウントを停止し、前記クロック信号が入力されるたびにカウント値を加算するオフパルス幅測定部と、前記オフパルス幅測定部の出力を1/2にするオフ側1ビットシフト回路と、前記オフ側1ビットシフト回路の出力を前記同期回路の出力の立ち上がりエッジのタイミングでラッチするオフ側ラッチ回路と、前記オフ側ラッチ回路の出力と前記クロック信号を入力し、前記クロック信号が入力されるたびにカウント値を減算し、カウント値が0になるまで前記オフ側第1,第4半導体素子のゲート指令を出力する第1ダウンカウンタと、前記オフ側ラッチ回路の出力と前記第1ダウンカウンタの出力と前記クロック信号を入力し、前記クロック信号が入力されるたびにカウント値を減算し、カウント値が0になるまで前記オフ側第2,第3半導体素子のゲート指令を出力する第2ダウンカウンタと、を備えたことを特徴とする。
【0017】
また、一態様として前記オフパルス幅測定部はn(n:1以上の整数)段構成であり、1段目に、D-FF端子に前記クロック信号を入力し、D端子に第1オン側Dフリップフロップ回路の/Q端子の出力を入力し、Q端子の出力が1bit信号となる前記第1オン側Dフリップフロップ回路、を有し、2段目に、前記第1オン側Dフリップフロップ回路のQ端子の出力と第2オン側Dフリップフロップ回路のQ端子の出力を入力する第2オン側XOR回路と、D-FF端子に前記クロック信号を入力し、D端子に前記第2オン側XOR回路の出力を入力し、Q端子の出力が2bit信号となる前記第2オン側Dフリップフロップ回路と、を有し、3段目に、前記第1オン側Dフリップフロップ回路のQ端子の出力と前記第2オン側Dフリップフロップ回路のQ端子の出力を入力する第3オン側AND回路と、前記第3オン側AND回路の出力と第3オン側Dフリップフロップ回路のQ端子の出力を入力する第3オン側XOR回路と、D-FF端子に前記クロック信号を入力し、D端子に前記第3オン側XOR回路の出力を入力し、Q端子の出力が3bit信号となる前記第3オン側Dフリップフロップ回路と、を有し、4段目~n段目に、k(k:4~nの整数)-1bit信号と(k-2)bit・(k-3)bit…2bit・1bit信号を入力する第kオン側AND回路と、前記第kオン側AND回路の出力と第kオン側Dフリップフロップ回路のQ端子の出力を入力する第kオン側XOR回路と、D-FF端子に前記クロック信号を入力し、D端子に前記第kオン側XOR回路の出力を入力し、Q端子の出力がkbit信号となる前記第kオン側Dフリップフロップ回路と、を有することを特徴とする。
【0018】
また、一態様として、前記第1,第2ダウンカウンタはn(n:1以上の整数)段構成であり、1段目に、D-FF端子に前記クロック信号を入力し、D端子に第1オフ側Dフリップフロップ回路の/Q端子の出力を入力し、Q端子の出力が1bit信号となる前記第1オフ側Dフリップフロップ回路、を有し、2段目に、前記第1オフ側Dフリップフロップ回路の/Q端子の出力と第2オフ側Dフリップフロップ回路の/Q端子の出力を入力する第2オフ側XOR回路と、D-FF端子に前記クロック信号を入力し、D端子に前記第2オフ側XOR回路の出力を入力し、Q端子の出力が2bit信号となる前記第2オフ側Dフリップフロップ回路と、を有し、3段目に、前記第1オフ側Dフリップフロップ回路の/Q端子の出力と前記第2オフ側Dフリップフロップ回路の/Q端子の出力を入力する第3オフ側AND回路と、前記第3オフ側AND回路の出力と第3オフ側Dフリップフロップ回路の/Q端子の出力を入力する第3オフ側XOR回路と、D-FF端子に前記クロック信号を入力し、D端子に前記第3オフ側XOR回路の出力を入力し、Q端子の出力が3bit信号となる前記第3オフ側Dフリップフロップ回路と、を有し、4段目~n段目に、/k(k:4~nの整数)-1bit信号と/(k-2)bit・/(k-3)bit…/2bit・/1bit信号を入力する第kオフ側AND回路と、前記第kオフ側AND回路の出力と第kオフ側Dフリップフロップ回路の/Q端子の出力を入力する第kオフ側XOR回路と、D-FF端子に前記クロック信号を入力し、D端子に前記第kオフ側XOR回路の出力を入力し、Q端子の出力がkbit信号となる前記第kオフ側Dフリップフロップ回路と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、DC/AC変調回路でパルストランスを駆動する際に偏磁を抑制しながら、最小オンパルス幅の制限を緩和したゲート駆動回路を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施形態1,2におけるゲート駆動回路を示す回路構成図。
図2】ゲート駆動回路の各波形を示すタイムチャート。
図3】実施形態1、2における変調回路3を示すブロック図。
図4】実施形態1、2における変調回路3の各波形を示すタイムチャート。
図5】オフパルス幅測定部(n段のアップカウンタ)を示す図。
図6】n段のダウンカウンタを示す図。
図7】実施形態1、2における変調回路2,3の他例を示す図。
図8】実施形態1、2における変調回路3の制御部を示すブロック図。
図9】実施形態1、2における変調回路3の制御部の各波形を示すタイムチャート。
図10】従来の変調信号と実施形態1の変調信号を示す図。
図11】実施形態1における変調回路2の制御部を示すブロック図。
図12】実施形態1における変調回路2の制御部の各波形を示すタイムチャート。
図13図2図12における変調回路の出力波形と特徴を示す図。
図14】実施形態2の変調回路2の制御部を示すブロック図。
図15】実施形態2における変調回路2の各波形を示すタイムチャート。
図16】実施形態2における変調回路2の各波形の他例を示すタイムチャート。
図17】従来におけるゲート指令と変調信号を示すタイムチャート。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本願発明におけるゲート駆動回路の実施形態1、2を図1図16に基づいて詳述する。
【0022】
[実施形態1]
本実施形態1は、ゲート指令を測定し、そのパルス幅に応じてパルストランスの駆動周波数を変更することで変調回路のスイッチング損失を増大させることなく装置の出力パルス(ゲート指令のパルス幅)の時間分解能を向上させる。
【0023】
本実施形態1におけるゲート駆動回路の回路図を図1、ゲート駆動回路の各波形を示すタイムチャートを図2、変調回路のブロック図を図3、変調回路の各波形のタイムチャートを図4に示す。
【0024】
まず、図1のゲート駆動回路について説明する。図1に示すように、本実施形態1のゲート駆動回路は、変調回路2,3と、オン側整流回路4と、オフ側整流回路5と、復調回路6と、ゲート回路7と、を有し、駆動対象の半導体素子8を制御する。
【0025】
ゲート指令のオン指令が変調回路2に出力される。また、ゲート指令のオフ指令が変調回路3に出力される。図1ではオン指令が入力される変調回路2とオフ指令が入力される変調回路3を示しているが、オン指令、オフ指令が1つの変調回路に入力される構成でもよい。
【0026】
変調回路2に、オン側整流回路4の第1パルストランスTr1のオン側1次巻線が接続される。第1パルストランスTr1はオン側1次巻線とオン側1次巻線に印加された電圧を変圧して出力するオン側2次巻線とオン側3次巻線とを有する。第1パルストランスTr1のオン側2次巻線には第1ダイオード回路db1が接続され、第1パルストランスTr1のオン側3次巻線には第2ダイオード回路db2が接続される。
【0027】
変調回路3に、オフ側整流回路5の第2パルストランスTr2のオフ側1次巻線が接続される。第2パルストランスTr2はオフ側1次巻線とオフ側1次巻線に印加された電圧を変圧して出力するオフ側2次巻線とオフ側3次巻線とを有する。第2パルストランスTr2のオフ側2次巻線には第3ダイオード回路db3が接続され、第2パルストランスTr2のオフ側3次巻線には第4ダイオード回路db4が接続される。第1~第4ダイオード回路db1~db4は例えばフルブリッジ回路とする。
【0028】
次に、復調回路6について説明する。第1ダイオード回路db1の一方の端子には第1ダイオードD1のアノードが接続される。第2ダイオード回路db2の一方の端子には第2ダイオードD2のアノードが接続される。第3ダイオード回路db3の一方の端子には第3ダイオードD3のアノードが接続される。第4ダイオード回路db4の一方の端子には第4ダイオードD4のアノードが接続される。
【0029】
第1,第3ダイオードD1,D3のカソードと第2,第4ダイオード回路db2,db4の他方の端子との間に第1,第2コンデンサC1,C2が直列接続される。第1,第3ダイオード回路db1,db3の他方の端子は第1,第2コンデンサC1,C2の接続点に接続される。また、第2ダイオードD2,第4ダイオードD4のカソードは第1,第2コンデンサC1,C2の接続点に接続される。
【0030】
第1ダイオードD1のアノードには第1抵抗R1の一端が接続される。第1抵抗R1の他端には第2半導体素子Q2の第2端子(ドレイン端子)、第3半導体素子Q3の第1端子(ゲート端子)、第4半導体素子Q4の第1端子(ゲート端子)が接続される。
【0031】
第2ダイオードD2のアノードには第4抵抗R4の一端と第1半導体素子Q1の第1端子(ゲート端子)が接続される。第4抵抗R4の他端には、第2,第4ダイオード回路db2,db4の他方の端子が接続される。
【0032】
第4ダイオードD4のアノードには第2抵抗R2の一端が接続される。第2抵抗R2の他端には第1半導体素子Q1の第2端子(ドレイン端子)と第3抵抗R3の一端が接続される。第1半導体素子Q1の第3端子(ソース端子)は第2,第4ダイオード回路db2,db4の他方の端子に接続される。
【0033】
第3抵抗R3の他端には第5抵抗R5の一端と第2半導体素子Q2の第1端子(ゲート端子)が接続される。第5抵抗R5の他端は第2,第4ダイオード回路db2,db4の他方の端子に接続される。第2半導体素子Q2の第3端子(ソース端子)は第2,第4ダイオード回路db2,db4の他方の端子に接続される。
【0034】
次に、ゲート回路7について説明する。第3半導体素子Q3の第1端子(ゲート端子)は第1抵抗R1の他端と第2半導体素子Q2の第2端子(ドレイン端子)と接続される。第3半導体素子Q3の第2端子(ドレイン端子)は第1ダイオードD1のカソードと接続される。第3半導体素子Q3の第3端子(ソース端子)はオン側抵抗Ronの一端と接続される。
【0035】
第4半導体素子Q4の第1端子(ゲート端子)は第1抵抗R1の他端と第2半導体素子Q2の第2端子(ドレイン端子)と接続される。第4半導体素子Q4の第2端子(ドレイン端子)はオフ側抵抗Roffの一端と接続される。第4半導体素子Q4の第3端子(ソース端子)は第2,第4ダイオード回路db2,db4の他方の端子と接続される。
【0036】
オン側抵抗Ronとオフ側抵抗Roffの他端は駆動対象の半導体素子8の第1端子(ゲート端子)に接続される。駆動対象の半導体素子8の第3端子(ソース端子)は第2,第4ダイオードD2,D4のカソードに接続される。
【0037】
ここで、第1パルストランスTr1のオン側1次巻線に印加する第1変調信号(電圧)をvTr1とし、第2パルストランスTr2のオフ側1次巻線に印加する第2変調信号(電圧)をvTr2とする。また、第1コンデンサC1の電圧をVg+とし、第2コンデンサC2の電圧をVg-とする。さらに、駆動対象の半導体素子8のゲート電圧(ゲート-ソース間の電圧)をVgsとする。
【0038】
図1の回路は特許文献1と同様にオン信号、オフ信号に対して第1,第2パルストランスTr1,Tr2を駆動する周波数で変調することにより第1,第2パルストランスTr1,Tr2をドライブし、電力を伝送すると同時に、復調回路6に信号を入力することによりゲート回路7にオンオフ指令を伝達する。この時、ゲート指令として入力されるパルス幅をカウンタにより計測し、その幅を一周期とした周波数で第2パルストランスTr2を駆動し、その幅を1/2周期とした周波数で第1パルストランスTr1を駆動することによりゲート指令のパルス幅に適した周波数で第1,第2パルストランスTr1,Tr2を変調できるため高分解能化を実現できる。
【0039】
図1の回路はゲートオン指令生成用の第1パルストランスTr1とゲートオフ指令生成用の第2パルストランスTr2を具備している点に特徴がある。オン指令を送信したい場合には第1パルストランスTr1に電圧を印加し、オフ指令を送信したい場合には第2パルストランスTr2に電圧を印加すればよい。
【0040】
第1,第2パルストランスTr1,Tr2に3次巻線を設けることでゲート電圧Vgsに負バイアスを印加することができる。Vg+は2次巻線による電圧を整流した電圧,Vg-は3次巻線による電圧を整流した電圧となる。電圧Vg+,Vg-の大きさは第1,第2パルストランスTr1,Tr2の巻数比と第1,第2パルストランスTr1,Tr2に印加する電圧(第1,第2変調信号)vTr1,vTr2により調節できる。
【0041】
プッシュプル回路を構成する第3,第4半導体素子Q3,Q4の出力はオン側とオフ側でゲート抵抗値を分けることを想定し、抵抗を介して結線することでダイオードを省略する構成としている。プッシュプル回路の出力は抵抗を介さずに結線してもよい。
【0042】
まず、オン時の動作について概説する。動作タイムチャートを図2に示す。図2のタイムチャートでは説明を簡略化するために第1~第4半導体素子Q1,Q2,Q3,Q4のゲート電圧閾値は無視するものとする。図2に示すようにゲート指令がhighになると第1パルストランスTr1に第1変調信号vTr1の電圧が印加され、第1,第2ダイオード回路db1,db2を介して第1,第2コンデンサC1,C2が充電される。
【0043】
この時、第1半導体素子Q1のゲート-ソース間に電圧が印加され第1半導体素子Q1が導通し、第2半導体素子Q2がオフ状態となる。第2半導体素子Q2がオフ状態となるので第3,第4半導体素子Q3,Q4のゲート電圧が第1抵抗R1を介して充電される。すると、第3,第4半導体素子Q3,Q4のゲート電圧は第1コンデンサC1と同電位となり、第3半導体素子Q3が導通し、ゲート電圧Vgsが第1コンデンサC1の充電電圧vg+まで上昇する。
【0044】
次に、オフ時の動作について概説する。図2に示すようにゲート指令がlowになると第2パルストランスTr2に第2変調信号vTr2の電圧が印加され、第3,第4ダイオード回路db3,db4を介して第1,第2コンデンサC1,C2が充電される。
【0045】
この時、第2半導体素子Q2のゲート-ソース間は第2抵抗R2を介して充電されるため第2半導体素子Q2が導通する。すると、第3,第4半導体素子Q3,Q4のゲート電圧が第2コンデンサC2と同電位となるため、第4半導体素子Q4が導通しゲート電圧Vgsが第2コンデンサC2の充電電圧-vg-まで低下する。以上の動作を1周期とすることで駆動対象の半導体素子8のオンオフ動作を制御することができる。
【0046】
次に、本実施形態1における第2変調信号vTr2の生成方法について述べる。第2変調信号vTr2の生成は図3に示した変調回路3の構成例を用いることで実現できる。また、変調回路3の各波形のタイムチャートを図4に示す。
【0047】
同期回路9は、ゲート指令(発信器出力)とクロック信号を入力し、ゲート指令(発振器出力)をクロック信号に同期させる。立ち上りエッジ検出部10は、同期回路9の立ち上りエッジを検出する。立ち下りエッジ検出部11は、同期回路9の立ち下りエッジを検出する。
【0048】
オフパルス幅測定部(アップカウンタ)12は同期回路9の立ち下がりエッジを検出するとカウントを開始し、立ち上りエッジを検出するとカウントを停止し、クロック信号が入力されるたびにカウント値を加算する。
【0049】
この時、立ち上がりエッジ、立ち下がりエッジは同期回路9の働きにより、クロック信号と同期しているものとする。これによりオフパルス幅を測定することが可能である。
【0050】
オフ側1ビットシフト回路13によりオフパルス幅測定部12の出力(カウント値)を1/2とする。
【0051】
オフ側ラッチ回路14は、立ち上りエッジを検出したタイミングでオフ側1ビットシフト回路13の出力をラッチする。
【0052】
変調信号生成用カウンタ(第1ダウンカウンタ)15は、オフ側ラッチ回路14の出力とクロック信号を入力し、クロック信号が入力されるたびにカウント値を減算する。変調信号生成用カウンタ(第2ダウンカウンタ)16は、オフ側ラッチ回路14の出力と第1ダウンカウンタ15の出力とクロック信号を入力し、クロック信号を入力するたびにカウント値を減算する。
【0053】
変調信号生成回路17は、第1,第2ダウンカウンタ15,16の出力を入力し、カウント値が0になるまで変調信号を出力するように回路(AC/DC変換回路)を組むことで、指令であるパルス幅を1周期とするduty50%の第2変調信号vTr2を生成できる。
【0054】
したがって、第2変調信号vTr2の周波数を駆動対象の半導体素子8のスイッチング周波数の2倍に抑えることが可能となり、第2パルストランスTr2の駆動周波数を高くすることなくゲート指令のパルス幅の時間分解能を向上することができる。
【0055】
次に、オフパルス幅測定部12(アップカウンタ)について説明する。図5は例としてn(n:1以上の整数)段構成のアップカウンタを示す。
【0056】
1段目において、第1オン側Dフリップフロップ回路18aは、D-FF端子にクロック信号CLKを入力する。D端子に第1オン側Dフリップフロップ回路18aの/Q端子の出力を入力する。第1オン側Dフリップフロップ回路18aのQ端子の出力が1bit信号として出力される。
【0057】
2段目において、第2オン側XOR回路19bは、第1オン側Dフリップフロップ回路18aのQ端子の出力と第2オン側Dフリップフロップ回路18bのQ端子の出力を入力する。
【0058】
第2オン側Dフリップフロップ回路18bのD-FF端子にクロック信号CLKを入力し、D端子に第2オン側XOR回路19bの出力を入力する。第2オン側Dフリップフロップ回路18bのQ端子の出力が2bit信号として出力される。
【0059】
3段目において、第3オン側AND回路20cは、1bit信号と2bit信号とを入力する。
【0060】
第3オン側XOR回路19cは、第3オン側AND回路20cの出力と第3オン側Dフリップフロップ回路18cのQ端子の出力を入力する。
【0061】
第3オン側Dフリップフロップ回路18cは、D-FF端子にクロック信号CLKを入力し、D端子に第3オン側XOR回路19cの出力を入力する。第3オン側Dフリップフロップ回路18cのQ端子の出力が3bit信号として出力される。
【0062】
このように、アップカウンタはn段で構成される。k段目(k:4~nの整数)では、第kAND回路20kはk-1bit信号と(k-2)bit・(k-3)bit…2bit・1bit信号が入力される。
【0063】
第kXOR回路19kは第kAND回路20kの出力信号と第kDフリップフロップ回路18kのQ端子の出力を入力する。
【0064】
第kDフリップフロップ回路18kは、D-FF端子にクロック信号CLKを入力し、D端子に第kXOR回路19kの出力信号を入力する。第kDフリップフロップ回路18kのQ端子の出力がkbit信号となる。
【0065】
次に、第1,第2ダウンカウンタ15,16について説明する。図6にn段構成のダウンカウンタを示す。
【0066】
1段目において、第1オフ側Dフリップフロップ回路21aは、D-FF端子にクロック信号CLKを入力し、D端子に第1オフ側Dフリップフロップ回路21aの/Q端子の出力を入力する。第1オフ側Dフリップフロップ回路21aのQ端子の出力が1bit信号として出力される。
【0067】
2段目において、第2オフ側XOR回路22bは、第1オフ側Dフリップフロップ回路21aの/Q端子の出力と第2オフ側Dフリップフロップ回路21bの/Q端子の出力を入力する。
【0068】
第2オフ側Dフリップフロップ回路21bはD-FF端子にクロック信号CLKを入力し、D端子に第2オフ側XOR回路22bの出力を入力する。第2オフ側Dフリップフロップ回路21bのQ端子の出力が2bit信号として出力される。
【0069】
3段目において、第3オフ側AND回路23cは、第1オフ側Dフリップフロップ回路21aの/Q端子の出力と、第2オフ側Dフリップフロップ回路21bの/Q端子の出力を入力する。
【0070】
第3オフ側XOR回路22cは、第3オフ側AND回路23cの出力と第3オフ側Dフリップフロップ回路21cの/Q端子の出力を入力する。
【0071】
第3オフ側Dフリップフロップ回路21cは、D-FF端子にクロック信号CLKを入力し、D端子に第3オフ側XOR回路22cの出力を入力する。第3オフ側Dフリップフロップ回路21cのQ端子の出力が3bit信号として出力される。
【0072】
このように、ダウンカウンタはn段で構成される。k段目(k:4~nの整数)では、第kAND回路23kは/k-1bit信号と/(k-2)bit・/(k-3)bit…/2bit・/1bit信号が入力される。
【0073】
第kXOR回路22kは第kAND回路23kの出力信号と第kDフリップフロップ回路21kの/Q端子の出力を入力する。
【0074】
第kDフリップフロップ回路21kは、D-FF端子にクロック信号CLKを入力し、D端子に第kXOR回路22kの出力信号を入力する。第kDフリップフロップ回路26kのQ端子の出力がkbit信号となる。
【0075】
図5図6のアップカウンタ,ダウンカウンタはクロック信号が入力されるとカウント値が変更される構成であり、図5はカウントするたびにbitが加算されていき、図6はカウントするたびにカウント値が減算されていく。
【0076】
2進数の出力(1bit~nbit)を読み取りクロック周期と掛け合わせることでパルス幅を判断することができる。カウンタの段数は計測したいパルス幅に応じて増設することで対応することが可能である。
【0077】
以上のような回路構成及び制御方法を用いることでゲート指令に対して高い分解能でゲート電圧を出力できるようになる。
【0078】
次に、実施形態1の変調回路として図7の構成を適用した場合について説明する。オン信号を伝送する第1パルストランスTr1を駆動するオン信号生成用フルブリッジ回路24と、オフ信号を伝送する第2パルストランスTr2を駆動するオフ信号生成用フルブリッジ回路25を具備している点に特徴がある。
【0079】
コンデンサCにオン信号生成用フルブリッジ回路24とオフ信号生成用フルブリッジ回路25が並列接続される。コンデンサCの両端間にオン側第1,第2半導体素子S1on,S2onが直列接続される。また、コンデンサCの両端間にオン側第3,第4半導体素子S3on,S4onが直列接続される。オン側第1~第4半導体素子S1on~S4onがオン信号生成用フルブリッジ回路24となる。
【0080】
オン側第1,第2半導体素子S1on,S2onの接続点とオン側第3,第4半導体素子S3on,S4onの接続点との間にコンデンサCh1と第1パルストランスTr1のオン側1次巻線が接続される。
【0081】
コンデンサCの両端間にオフ側第1,第2半導体素子S1off,S2offが直列接続される。また、コンデンサCの両端間にオフ側第3,第4半導体素子S3off,S4offが直列接続される。オフ側第1~第4半導体素子S1off~S4offがオフ信号生成用フルブリッジ回路25となる。
【0082】
オフ側第1,第2半導体素子S1off,S2offの接続点とオフ側第3,第4半導体素子S3off,S4offの接続点との間にコンデンサCh2と第2パルストランスTr2のオフ側1次巻線が接続される。
【0083】
コンデンサCh1,Ch2は直流成分をカットし、第1,第2パルストランスTr1,Tr2の磁気飽和を防ぐために接続しているが省略してもよい。
【0084】
第2変調信号vTr2の生成は図8に示した制御部を用いてオフ信号生成用フルブリッジ回路25を制御することで実現できる。動作タイムチャートを図9に示す。基本的な動作は図3図4と同様である。
【0085】
図8に示したオフパルス幅測定部(アップカウンタ)12は同期回路9の立ち下がりエッジを検出するとカウントを開始し、立ち上りエッジを検出するとカウントを停止し、クロック信号が入力されるたびにカウント値を加算する。この時、立ち上がりエッジ、立ち下がりエッジは同期回路9の働きにより、クロックと同期しているものとする。
【0086】
これによりオフパルス幅を測定することが可能である。そしてオフ側1ビットシフト回路13によりカウント値を1/2とする。
【0087】
オフ側ラッチ回路14は、立ち上りエッジを検出したタイミングでオフ側1ビットシフト回路13の出力をラッチする。
【0088】
オフ側ラッチ回路14の出力を後段のゲート生成用カウンタ(第1,第2ダウンカウンタ)15,16に入力し、カウント値が0になるまでゲート指令を出力するように回路を組むことで、指令であるパルス幅を1周期とするduty50%の変調信号を生成できる。
【0089】
具体的な動作として、オフ信号を生成する場合には第1ダウンカウンタ15がカウントをしている期間(カウント値が0になるまで)はオフ側第1,第4半導体素子S1off,S4offのゲート指令をhighとし、オフ側第2,第3半導体素子S2off,S3offのゲート指令をlowとする。
【0090】
第2ダウンカウンタ16がカウントをしている期間(カウント値が0になるまで)はオフ側第2,第3半導体素子S2off,S3offのゲート指令をhighとしオフ側第1,第4半導体素子S1off,S4offのゲート指令をlowとする。
【0091】
これにより、第2変調信号vTr2の周波数を駆動対象のスイッチング周波数の2倍に抑えることが可能となり、第2パルストランスTr2の駆動周波数を高くすることなくゲート指令のパルス幅の時間分解能を向上できるためフルブリッジ回路の損失を低減しつつ分解能を向上することができる。
【0092】
次に、第1変調信号vTr1の生成方法について説明する。図10に本実施形態1におけるDC/AC変調回路の動作波形を示す。図2では、オン指令1周期に対して第1変調信号vTr1の正パルス、負パルスを1回ずつ出力するが、本実施形態1では第1変調信号vTr1の正パルス、負パルスの1回ずつの出力をオン指令の2回分に分割する。すなわち、オン指令幅と第1変調信号vTr1の1つの正パルスの期間と同一とし、オン指令幅と第1変調信号vTr1の1つの負パルスの期間を同一とし、オン指令となる度に正パルスと負パルスを交互に出力する。これにより、最小オンパルス幅によって制限される第1変調信号vTr1の制限を最小にできる。
【0093】
図11に本実施形態1におけるDC/AC変調回路のゲート指令生成の一例を示す。図12は、図11の各部の信号である。ゲート指令に対してラッチ回路を用いてイネーブル信号を生成し、元の指令に対して論理積をとることで、ドライブICへの信号を生成する。
【0094】
図11において、立ち上がりエッジ検出回路26はゲート指令の立ち上がりを検出する。ラッチ回路27は立ち上がりエッジを検出したタイミングでラッチし、ラッチした状態で新たに立ち上がりエッジを検出するとそのタイミングでラッチを解除する。
【0095】
AND回路28はゲート指令とラッチ回路27の出力の論理積を出力する。NOT回路29はラッチ回路27の出力を反転させる。AND回路30はゲート指令とNOT回路29の出力の論理積を出力する。
【0096】
ドライブIC31はAND回路28,30の出力に基づいてDC/AC変調回路のゲート指令を出力する。
【0097】
このDC/AC変調回路は、図3の変調信号生成回路17、または、図7の変調回路(オン信号生成用フルブリッジ回路24)であり、ドライブICから出力されたゲート指令に応じて第1変調信号vTr1を出力する。
【0098】
本実施形態1では、例えば最小パルス幅が100nsとすると、変調回路は100ns以上のパルスの出力が可能となる。よって、半導体素子は、よりゲート指令に近いスイッチング動作を行えるようになり、インバータの出力電圧精度を向上できる。
【0099】
また、ゲート指令の周波数やデューティがランプ的に変化した場合、励磁電流が正負どちらかに偏りが生じるが、第1パルストランスTr1の1次側に直列でキャパシタンスch1、ch2を挿入することで対策を講じられる。ただし、キャパシタンスch1、ch2はパルストランスへの直流成分をカットできる一方で、長期的に直流が印加されると、キャパシタンス自体に電荷が充電されるため、短期的にのみ励磁分が偏る場合に有効である。
【0100】
以上示したように、本実施形態1によれば、ゲート信号に応じて第1,第2変調信号vTr1,vTr2の周波数を可変にできる。これにより、第1,第2パルストランスTr1,Tr2の磁気飽和を抑制しつつ、第1,第2パルストランスTr1,Tr2を駆動する変調信号生成回路(DC/AC変換回路)のスイッチング損失を必要最小限に抑制できる。さらに、ゲート指令のパルス幅の時間分解能を低減させないため、指令パルスをより精度良く再現・出力できる。
【0101】
また、最小オンパルス幅によって制限される第1変調信号vTr1の制限を最小にできる。
【0102】
[実施形態2]
図2では、偏磁対策のために、Xゲート指令のパルス幅(オン指令)内で第1変調信号vTr1の正パルス、負パルスを1回ずつ出力し、正パルスと負パルスの期間をXゲート指令のオン指令の1周期内で同一にしている。そのため、Xゲート指令のオン指令の1周期以内で偏磁を解消できるが、正負1パルスずつ出力するため短いゲートパルス幅を出力できない。
【0103】
一方、図12の方法は、第1変調信号vTr1の正パルス、負パルスの1回ずつの出力をXゲート指令のパルス幅(オン指令)の2回分に分割している。そのため、Xゲート指令のパルス幅が短い場合には有利であるが、Xゲート指令のパルス幅が長くなるとトランス1次側電圧の印加時間も長期化するため磁気飽和による破損が起こりやすくなる。
【0104】
図2図12における変調回路の出力波形と特徴を図13にまとめる。これらの特徴に加え、第1変調信号Vtr1の出力期間Ton(図2参照)が長期化すると、第1パルストランスTr1の逆起電力によって2次側に意図しない電圧が印加されゲート電圧Vgsのパルス幅の精度が低下する問題や、飽和磁束密度の向上や発熱対策のためにパルストランスが大型化する問題も発生する。
【0105】
この2つの問題を解決するためには、第1変調信号Vtr1の出力期間Tonの長さに制限を設ける必要がある。例えば、変調回路2にDC/AC変調回路を用いる場合には、Xゲート指令のパルス幅の長さの影響を受けずに、偏磁(電圧の時間積分の一定以上の一極性への偏り)によるパルストランスの磁気飽和を防止しながら、短い第1変調信号Vtr1の出力期間Tonにて動作させる制御が要求される。
【0106】
本実施形態2では、上記問題点を解決するために、図2図12の優位性を両立する方法を説明する。
【0107】
本実施形態2では、図2図12の優位性を両立するためにXゲート指令のパルス幅に応じて第1変調信号vTr1の極性を反転する。DC/AC変調回路の出力極性反転を下記の2条件で行うことで、Xゲート指令のパルス幅に制限を設けることなくパルストランスの偏磁を防止できる。
(1)ゲート指令1周期ごと(図2のXゲート指令1周期ごと)。
(2)出力期間Tonが所定時間を経過した場合。
【0108】
すなわち、本実施形態2の変調回路2では、Xゲート指令のオン指令の期間、第1変調信号vTr1は正パルスまたは負パルスを出力し、Xゲート指令の1周期毎に第1変調信号vTr1の出力開始時の極性を反転し、第1変調信号vTr1の出力期間Tonが所定時間経過した時に第1変調信号vTr1の極性を反転させる。
【0109】
図14に本実施形態2の制御ブロック線図を示す。図14のブロック線図は、上記(1)(2)の条件にて出力極性を操作する反転許可信号を生成する反転許可信号生成部32と、与えられた周期指令にてXゲート指令を刻むゲート信号生成部33と、極性セレクタ部34と、を有する。
【0110】
Xゲート指令は図2のものと同一で、変調回路2への指令信号である。周期指令Tinvは設計者が予め決定した定数である。変調回路2(第1変調信号vTr1)の出力期間TonはTinv/2となる。周期指令Tinvは、直流を印加してもパルストランスを磁気飽和させない長さとして設定される。
【0111】
図14に示すように、反転許可信号生成部32は、周期カウンタ35でXゲート指令が「1」の間、周期指令Tinvをカウントし、Xゲート指令が「0」になるとクリアする。ネガティブエッジ検出部36は、周期カウンタ35の立ち下りエッジを検出する。ネガティブエッジ検出部37は、Xゲート指令の立ち下りエッジを検出する。
【0112】
ネガティブエッジ検出部36の出力はマルチプレクサ38のC端子に入力される。バッファ39はマルチプレクサ38の出力の1演算時間前の値を出力する。NOT回路40はバッファ39の出力を反転させる。マルチプレクサ38の0端子にはバッファ39の出力が入力され、1端子にはNOT回路40の出力が入力される。
【0113】
ネガティブエッジ検出部37の出力はマルチプレクサ41のC端子に入力される。バッファ42はマルチプレクサ41の出力の1演算時間前の値を出力する。マルチプレクサ41の0端子にはバッファ42の出力が入力され、1端子にはマルチプレクサ38の出力が入力される。マルチプレクサ41の出力が反転許可信号EN_POLとなる。すなわち、反転許可信号生成部32は、Xゲート指令の立ち下がりエッジで「1」、「0」を切り替える反転許可信号EN_POLを生成する。
【0114】
ゲート信号生成部33は、除算器43で周期指令Tinvを1/2にする。比較器44は、除算器43の出力と周期カウンタ35の出力を比較し、除算器43の出力の方が大きければ「1」を出力し、小さければ「0」を出力する。比較器45は、周期カウンタ35の出力と除算器43の出力とを比較し、周期カウンタ35の出力の方が大きければ「1」を出力し、小さければ「0」を出力する。
【0115】
AND回路46は比較器44の出力とXゲート指令とを入力し、両方「1」の場合「1」を出力し、それ以外の時「0」をゲート信号GATE1として出力する。AND回路47は比較器45の出力とXゲート指令とを入力し、両方「1」の場合「1」を出力し、それ以外の時「0」をゲート信号GATE2として出力する。
【0116】
すなわち、ゲート信号生成部33は、Xゲート指令がオン、かつ、Xゲート指令がオンを出力してから所定時間(周期指令Tinvの1/2)までは「1」となり、それ以外の時「0」となるゲート信号GATE1と、Xゲート指令がオン、かつ、Xゲート指令がオンを出力してから所定時間(周期指令Tinvの1/2)経過後は「1」となり、それ以外の時「0」となるゲート信号GATE2と、を生成する。
【0117】
極性セレクタ部34は、マルチプレクサ48とマルチプレクサ49とを備える。マルチプレクサ48のC端子には反転許可信号EN_POLが入力され、0端子にゲート信号GATE1が入力され、1端子にゲート信号GATE2が入力される。マルチプレクサ49のC端子には反転許可信号EN_POLが入力され、0端子にゲート信号GATE2が入力され、1端子にゲート信号GATE1が入力される。マルチプレクサ48の出力が正出力ゲート信号GATE_Pとなり、マルチプレクサ49の出力が負出力ゲート信号GATE_Nとなる。
【0118】
すなわち、極性セレクタ部34は、反転許可信号が「0」の場合は、ゲート信号GATE1が「1」の時に正出力ゲート信号GATE_Pを「1」、ゲート信号GATE2が「1」の時に負出力ゲート信号GATE_Nを「1」、それ以外の時、正出力ゲート信号GATE_P、負出力ゲート信号GATE_Nを「0」とする。反転許可信号が「1」の場合は、ゲート信号GATE1が「1」の時に負出力ゲート信号GATE_Nを「1」、ゲート信号GATE2が「1」の時に正出力ゲート信号GATE_Pを「1」、それ以外の時、正出力ゲート信号GATE_P、負出力ゲート信号GATE_Nを「0」とする。
【0119】
ドライブIC50は正出力ゲート信号GATE_Pと負出力ゲート信号GATE_Nに基づいてDC/AC変調回路のゲート指令を出力する。
【0120】
ここで、マルチプレクサ38、41,48、49は以下のように構成される。NOT回路51はC端子に入力された信号を反転させる。AND回路52はNOT回路51の出力信号と0端子に入力された信号を入力し、両方「1」の場合「1」を出力し、それ以外の時「0」を出力する。AND回路53はC端子に入力された信号と1端子に入力された信号を入力し、両方「1」の場合「1」を出力し、それ以外の時「0」を出力する。OR回路54はAND回路52の出力信号とAND回路53の出力信号を入力し、少なくとも何れか一方が「1」の時「1」を出力し、両方「0」の時「0」を出力する。OR回路54の出力がマルチプレクサの出力信号となる。
【0121】
図15に本実施形態2における制御回路の各部の信号を示す。反転許可信号生成部32と極性セレクタ部34は、極性反転条件の(1)を満たすための制御ブロックである。
【0122】
周期カウンタ35のクリア時(立ち下り時)に反転許可信号EN_POLを切り替え、ゲート指令の立ち下がりエッジでのみ、反転許可信号EN_POLの更新を許可する。この反転許可信号EN_POLは極性セレクタ部34での正負出力を反転するために用いる。
【0123】
一方、ゲート信号生成部33は極性反転条件の(2)を成立させるための制御ブロックである。周期指令Tinvの半分と周期カウンタ35の出力で比較演算することで出力期間Tonに相当する信号を生成し、Xゲート指令とANDをとることでゲート信号GATE1、GATE2を生成している。
【0124】
極性セレクタ部34は、ゲート信号GATE1、GATE2と反転許可信号EN_POLに基づいてDC/AC変調回路の正出力ゲート信号GATE_Pと負出力ゲート信号GATE_Nを決定する。
【0125】
ゲート指令のパルス幅が長い場合は図2のようにXゲート指令のオンパルス幅に第1変調信号vTr1の正負パルスを交互に出力し、Xゲート指令のパルス幅が短い場合は図12のように2周期で第1変調信号の正制御を実現できる。結果、図2図12の優位性を両立し、ゲート指令のパルス幅の長さに依存することなくパルス幅の設定範囲拡張やパルストランスの小型化を達成できる。
【0126】
偏磁は、以下の(1)式のように電圧の時間積分が偏ることである。周期指令Tinv1つ分による偏り相当分のみについては許容範囲であり、問題はそれが積算されるということによって生じる。本実施形態2においてはXゲート指令のパルス幅がTinv/4の偶数分の場合はその周期内で、Tinv/4の奇数分が偶数周期繰り返されるならその範囲内で、Tinv/4の奇数分が奇数周期となっても、再度奇数回となる際に対応できる。
【0127】
【数1】
【0128】
図16でXゲート指令のオンパルス幅が3目盛り、3目盛り、4目盛りの例について説明する。ここで、1目盛り=Tinv/4とする。
【0129】
最初のXゲート指令がオンのとき、2目盛りまでは周期カウンタ35の出力が周期指令Tinvの1/2よりも小さいため第1変調信号vTr1は正パルスを出力し、2目盛り以降は周期カウンタ35の出力が周期指令Tinvの1/2よりも大きくなるため第1変調信号vTr1は極性を反転し負パルスを出力する。
【0130】
2番目のXゲート指令がオンのとき、2目盛りまでは周期カウンタ35の出力が周期指令Tinvの1/2よりも小さい。ここで、Xゲート指令の1周期毎に出力開始時の極性が変化するため、第1変調信号vTr1は負パルスを出力する。2目盛り以降は周期カウンタ35の出力が周期指令Tinvの1/2よりも大きくなるため第1変調信号vTr1は極性を反転し正パルスを出力する。3番目にXゲート指令がオンの時は、図15と同様である。
【0131】
このように、Xゲート指令のパルス幅が周期指令Tinvの1/4の偶数分でなくても2周期で磁束の偏りをキャンセルすることができる。また、偶数周期でなく奇数周期であっても再度奇数周期の際に磁束の偏りをキャンセルすることができる。仮に、再度奇数周期がなかったとしても磁束の偏りが積算されなければ問題ない。
【0132】
偏磁を防止する理由は、発熱や磁気飽和による破損であるため、1周期以上の長期的な期間での励磁電流の平均値が0になれば問題はない(あるいは、周期的に電流が過大に増加しなければ問題ない)。
【0133】
以上示したように本実施形態2によれば、パルストランスをDC/AC変調回路で駆動するドライバを持つ高圧高周波数のパルス電源において、パルストランスの偏磁を防止しながら短いゲートパルス幅に対応し高精度なゲートパルス幅を実現できる。
【0134】
以上、本発明において、記載された具体例に対してのみ詳細に説明したが、本発明の技術思想の範囲で多彩な変形および修正が可能であることは、当業者にとって明白なことであり、このような変形および修正が特許請求の範囲に属することは当然のことである。
【0135】
例えば、実施形態1,2の駆動対象の半導体素子8は電力変換装置(コンバータやインバータ等)に用いられる。
【0136】
また、実施形態1、2の第1変調信号vTr1の制御方法は第2変調信号vTr2にも適用可能である。実施形態1と実施形態2のうちどちらか一方に適用してもよく、両方に適用してもよい。
【0137】
第2変調信号vTr2に実施形態1の制御方法を適用する場合は、オフ指令幅と第2変調信号vTr2の1つの正パルスの期間を同一とし、オフ指令幅と第2変調信号vTr2の1つの負パルスの期間を同一とし、オフ指令となる度に第2変調信号vTr2の正パルスと負パルスを交互に出力する。
【0138】
第2変調信号vTr2に実施形態2の制御方法を適用する場合は、ゲート指令のオフ指令の期間、第2変調信号は正パルスまたは負パルスを出力し、ゲート指令の1周期毎に第2変調信号vTr2の出力開始時の極性を反転し、第2変調信号vTr2の出力期間が所定時間経過した時に第2変調信号vTr2の極性を反転させる。
【符号の説明】
【0139】
2,3…変調回路
4…オン側整流回路
5…オフ側整流回路
6…復調回路
7…ゲート回路
8…駆動対象の半導体素子
db1~db4…第1~第4ダイオード回路
9…同期回路
10…立ち上がりエッジ検出回路
11…立ち下がりエッジ検出回路
12…オフパルス幅測定部(アップカウンタ)
13…オフ側1ビットシフト回路
14…オフ側ラッチ回路
15,16…変調信号生成用カウンタ(第1,第2ダウンカウンタ)
17…変調信号生成回路
18,21…Dフリップフロップ回路
19,22…XOR回路
20,23,28,30,46,47,52,53…AND回路
24…オン信号生成用フルブリッジ回路
25…オフ信号生成用フルブリッジ回路
26…立ち上がりエッジ検出回路
27…立ち下がりエッジ検出回路
29,40,51…NOT回路
31,50…ドライブIC
32…反転許可信号
33…ゲート信号生成部
34…極性セレクタ部
35…周期カウンタ
36,37…ネガティブエッジ検出部
38,41,48,49…マルチプレクサ
39,42…バッファ
43…除算器
44,45…比較器
54…OR回路
図1
図2
図3
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図5
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