(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095414
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】水中油型乳化化粧料組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/06 20060101AFI20240703BHJP
A61K 8/60 20060101ALI20240703BHJP
A61K 8/39 20060101ALI20240703BHJP
A61K 8/86 20060101ALI20240703BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20240703BHJP
A61K 8/81 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
A61K8/06
A61K8/60
A61K8/39
A61K8/86
A61Q19/10
A61K8/81
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022212687
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000001959
【氏名又は名称】株式会社 資生堂
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 達則
(74)【代理人】
【識別番号】100227592
【弁理士】
【氏名又は名称】孔 詩麒
(72)【発明者】
【氏名】周 林
(72)【発明者】
【氏名】栗延 理絵
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 由樹
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB051
4C083AC122
4C083AC132
4C083AC792
4C083AD021
4C083AD022
4C083AD111
4C083AD221
4C083AD222
4C083AD352
4C083BB11
4C083CC23
4C083DD33
4C083EE06
(57)【要約】
【課題】優れた転相感を有する新規な水中油型化粧料組成物を提供する。
【解決手段】水中油型乳化化粧料組成物であって、ショ糖脂肪酸エステル、下記式(1)で表される構造を有するポリマー、油分、及び水を含み、
式(1)において、R
1、R
2及びR
3は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基であり、Aは、炭素数2~4のアルキレン基であり、かつm及びnは、それぞれ独立して、1.0~50であり、ポリマーの数平均分子量が、10,000以下であり、ポリマーのIOB値が、0.4~1.8であり、かつ油分の含有量が、60質量%以上である、組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水中油型乳化化粧料組成物であって、
ショ糖脂肪酸エステル、下記式(1)で表される構造を有するポリマー、油分、及び水を含み、
【化1】
前記式(1)において、R
1、R
2及びR
3は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基であり、Aは、炭素数2~4のアルキレン基であり、かつm及びnは、それぞれ独立して、1.0~50であり、
前記ポリマーの数平均分子量が、10,000以下であり、
前記ポリマーのIOB値が、0.4~1.8であり、かつ
前記油分の含有量が、60質量%以上である、
組成物。
【請求項2】
前記式(1)において、Aが、下記式(2)で表され:
【化2】
前記式(2)において、R
4は、炭素数1又は2のアルキル基である、
請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記ポリマーが、ランダム共重合体である、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記ショ糖脂肪酸エステルが、ラウリン酸スクロース、ミリスチン酸スクロース、パルミチン酸スクロース、ステアリン酸スクロース、オレイン酸スクロース、ジステアリン酸スクロース、及びヤシ脂肪酸スクロースからなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項5】
前記油分が、炭化水素油を含む、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項6】
前記ショ糖脂肪酸エステルの含有量と、前記ポリマーの含有量との比(前記ショ糖脂肪酸エステル:前記ポリマー)が、1:1~5:1である、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項7】
ポリエチレングリコール骨格を有する成分の含有量が、0.01質量%以下である、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項8】
皮膚洗浄化粧料用である、請求項1又は2に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水中油型乳化化粧料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
油相を構成する分散粒子が水相中に分散した水中油型の乳化組成物が、化粧料等の皮膚外用剤の分野で汎用されている。
【0003】
例えば、特許文献1では、ショ糖脂肪酸エステル(A)と、構成脂肪酸がイソステアリン酸又はオレイン酸であり、HLB値が10~15である、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルからなる群より選択される少なくとも1種のノニオン型界面活性剤(B)と、屈折率が1.440以下であり、1個又は2個のエステル結合を有する25℃で液状の油剤(C)と、を含有する水中油型皮膚外用剤が開示されている。
【0004】
また、特許文献2では、(a)ステアリン酸スクロース及び/又はポリステアリン酸スクロース、(b)グリセリン、(c)4~6価の多価アルコール、(d)ミツロウ、(e)25℃で液状の油性成分30.0~70.0重量%、及び(f)水を含有することを特徴とする水中油型乳化皮膚洗浄料が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017-081848号公報
【特許文献2】特開2019-073462号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような水中油型乳化化粧料組成物のうち、油相含有率が比較的高い水中油型乳化化粧料組成物は、皮膚に適用する際に、圧力等によって油が染み出して、あたかも、水中油型乳化化粧料から油中水型乳化化粧料に転相(変化)したかのような感覚である「転相感」を提供することが知られている。
【0007】
本発明の目的は、従来よりも転相感を更に向上させた新規な水中油型化粧料組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成する本発明は、以下のとおりである。
【0009】
〈態様1〉
水中油型乳化化粧料組成物であって、
ショ糖脂肪酸エステル、下記式(1)で表される構造を有するポリマー、油分、及び水を含み、
【化1】
前記式(1)において、R
1、R
2及びR
3は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基であり、Aは、炭素数2~4のアルキレン基であり、かつm及びnは、それぞれ独立して、1.0~50であり、
前記ポリマーの数平均分子量が、10,000以下であり、
前記ポリマーのIOB値が、0.4~1.8であり、かつ
前記油分の含有量が、60質量%以上である、
組成物。
〈態様2〉
前記式(1)において、Aが、下記式(2)で表され:
【化2】
前記式(2)において、R
4は、炭素数1又は2のアルキル基である、
態様1に記載の組成物。
〈態様3〉
前記ポリマーが、ランダム共重合体である、態様1又は2に記載の組成物。
〈態様4〉
前記ショ糖脂肪酸エステルが、ラウリン酸スクロース、ミリスチン酸スクロース、パルミチン酸スクロース、ステアリン酸スクロース、オレイン酸スクロース、ジステアリン酸スクロース、及びヤシ脂肪酸スクロースからなる群より選択される少なくとも1種を含む、態様1~3のいずれか一項に記載の組成物。
〈態様5〉
前記油分が、炭化水素油を含む、態様1~4のいずれか一項に記載の組成物。
〈態様6〉
前記ショ糖脂肪酸エステルの含有量と、前記ポリマーの含有量との比(前記ショ糖脂肪酸エステル:前記ポリマー)が、1:1~5:1である、態様1~5のいずれか一項に記載の組成物。
〈態様7〉
ポリエチレングリコール骨格を有する成分の含有量が、0.01質量%以下である、態様1~6のいずれか一項に記載の組成物。
〈態様8〉
皮膚洗浄化粧料用である、態様1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、優れた転相感を有する新規な水中油型化粧料組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について詳述する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、発明の本旨の範囲内で種々変形して実施できる。
【0012】
《水中油型乳化化粧料組成物》
本発明の水中油型乳化化粧料組成物(以下、単に「本発明の組成物」とも称する)は、
ショ糖脂肪酸エステル、下記式(1)で表される構造を有するポリマー、油分、及び水を含み、
【化3】
式(1)において、R
1、R
2及びR
3は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基であり、Aは、炭素数2~4のアルキレン基であり、かつm及びnは、それぞれ独立して、1.0~50であり、
ポリマーの数平均分子量が、10,000以下であり、
ポリマーのIOB値が、0.4~1.8であり、かつ
油分の含有量が、60質量%以上である、
組成物
である。
【0013】
本発明の組成物は、従来の油相含有率が比較的高い水中油型乳化化粧料組成物に比べて転相感がより向上されている。
【0014】
理論に限定されるものではないが、これは、本発明のポリマーの特性、すなわち上記式(1)で示す特有の構造、特定の範囲の数平均分子量(10,000以下)、及び特定の範囲のIOB(Inorganic Organic Balance)値(0.4~1.8)に由来するものと推測する。
【0015】
また、ショ糖脂肪酸エステルで乳化した油分粒子は、上記式(1)で示す特有の構造をもつ本発明ポリマーによって壊されやすくなり、このため、従来に比べて転相感が促進されると推測される。更に、この特有の構造をもつ本発明ポリマーは、両親媒性であり、水相に溶解する傾向があるものの、疎水的な性質も有するため、肌と本発明の水中油型化粧料組成物とのなじみを促進し、それによっても転相感の向上に役に立ったと考えられる。
【0016】
従来、水中油型乳化化粧料では、転相感を得るために、ポリエチレングリコール骨格を有する化合物が用いられることが多い。これに対して、上記式(1)におけるAが以下に示す式(2)で表される本発明のポリマーは、ポリエチレングリコール骨格を有さないにもかかわらず、このような本発明のポリマーを含む本発明の組成物は、優れた使用感を有している。
【化4】
(R
4は、炭素数1又は2のアルキル基)
【0017】
上記式(2)で表される部分の原料となるプロピレングリコール及びブチレングリコールは、ポリエチレングリコール骨格の原料となるエチレングリコールと比較して、天然由来の材料を入手しやすく、したがって、ポリエチレングリコール骨格を有さない本発明のポリマーで組成物の転相感を改善できることは好ましい。
〈ショ糖脂肪酸エステル〉
本発明の組成物は、ショ糖脂肪酸エステルを含む。本発明の組成物は、ショ糖脂肪酸エステルを1種単独で含有していてもよく、2種以上含有していてもよい。ショ糖脂肪酸エステルは、油分を乳化することができ、特に、油分の含有率(例えば、60質量%以上の場合)が高くても、乳化安定性を維持することができると考えられる。
【0018】
ショ糖脂肪酸エステルは、1分子中のエステル結合が1個である化合物(すなわち、モノ脂肪酸エステル)であってもよく、1分子中のエステル結合が2個以上である化合物(すなわち、ジ脂肪酸エステル、トリ脂肪酸エステル等)であってもよく、エステル結合の数が異なる2種以上の化合物の混合物であってもよい。
【0019】
ショ糖脂肪酸エステルの構成脂肪酸は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。また、ショ糖脂肪酸エステルの構成脂肪酸は、飽和脂肪酸であってもよく、不飽和脂肪酸であってもよい。また、ショ糖脂肪酸エステルの構成脂肪酸は、1分子中に1種のみであってもよく、2種以上であってもよい。ショ糖脂肪酸エステルの構成脂肪酸の平均炭素数は、両親媒性を示す観点から、例えば、8~20であることが好ましく、10~18であることがより好ましい。
【0020】
ショ糖脂肪酸エステルは、例えば、ラウリン酸スクロース、ミリスチン酸スクロース、パルミチン酸スクロース、ステアリン酸スクロース、オレイン酸スクロース、ジステアリン酸スクロース、及びヤシ脂肪酸スクロースからなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、パルミチン酸スクロース、ジステアリン酸スクロース、及びステアリン酸スクロースからなる群より選択される少なくとも1種を含むことがより好ましく、ステアリン酸スクロースを含むことが更に好ましい。
【0021】
また、ショ糖脂肪酸エステルのHLB値は、乳化分散性の観点から、例えば、9~18であることが好ましく、10~16であることがより好ましい。
【0022】
なお、HLB値は、通常、界面活性剤の分野で使用される親水性-疎水性のバランスを意味する。HLB値は、通常用いる計算式、例えば川上式を使用して計算することができるが、これに限定されない。本明細書においては、計算式として下記の川上式を採用する。下記の式からも分かるように、HLB値の加成性を利用して、任意のHLB値の界面活性剤を得ることができる。
HLB=7+11.7log(Mw/Mo)
(Mwは親水基の分子量であり、Moは疎水基の分子量である。)
【0023】
本発明の組成物において、ショ糖脂肪酸エステルの含有量は、特に限定されず、例えば、組成物全体に対して、0.01質量%以上、0.05質量%以上、0.1質量%以上、0.5質量%以上、1.0質量%以上、1.5質量%以上、又は2.0質量%以上であってよく、また、10質量%以下、9.0質量%以下、8.0質量%以下、7.0質量%以下、6.0質量%以下、5.0質量%以下、4.0質量%以下、3.0質量%以下、又は2.0質量%以下であってよい。
【0024】
また、ショ糖脂肪酸エステルの含有量と、本発明のポリマーの含有量との比(ショ糖脂肪酸エステル:本発明のポリマー)は、特に限定されず、例えば、1:1~5:1であってもよく、2:1~5:1、更には2:1~4.5:1であってもよい。
【0025】
〈本発明のポリマー〉
本発明のポリマーは、下記式(1)で表される構造を有する:
【化5】
【0026】
式(1)において、R1、R2及びR3は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基である。なお、本発明において、炭素数1~4のアルキル基として、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、及びtert-ブチル基等が挙げられる。また、本発明の効果を損なわない限り、これらのアルキル基は、更に置換基を有していてもよい。置換基としては、特に限定されず、例えばハロゲノ基等が挙げられる。
【0027】
本発明の一実施形態によれば、式(1)において、R1、R2及びR3は、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、又はtert-ブチル基であってよい。
【0028】
本発明の一実施形態によれば、式(1)において、R1は、水素原子、メチル基又はエチル基であることが好ましい。また、mが2以上である場合、すなわち、複数のR1が存在する場合、各々のR1は、それぞれ同じであってもよく、異なっていてもよく、特に、R1の少なくとも一部は、メチル基であることが好ましい。R1の少なくとも一部がメチル基である場合には、例えば、本発明の組成物の使用感を向上させる観点から好ましい。
【0029】
本発明の一実施形態によれば、式(1)において、R1は、水素原子と炭素数1~4のアルキル基とが混在していている状態であってよい。すなわち、R1の一部は水素原子であり、かつ他の一部は炭素数1~4のアルキル基であってよい。好ましくは、R1の一部は水素原子であり、かつ他の一部はメチル基である。
【0030】
本発明の一実施形態によれば、式(1)において、R2は、水素原子、メチル基又はエチル基であることが好ましく、特に、メチル基であることがより好ましい。
【0031】
本発明の一実施形態によれば、式(1)において、R2は、水素原子と炭素数1~4のアルキル基とが混在していている状態であってよい。すなわち、R2の一部は水素原子であり、かつ他の一部は炭素数1~4のアルキル基であってよい。好ましくは、R2の一部は水素原子であり、かつ他の一部はメチル基である。
【0032】
本発明の一実施形態によれば、式(1)において、R3は、水素原子、メチル基又はエチル基であることが好ましく、特に、メチル基であることがより好ましい。
【0033】
本発明の一実施形態によれば、式(1)において、R2及びR3の少なくとも一方は、メチル基であることが好ましい。
【0034】
式(1)において、Aは、炭素数2~4のアルキレン基である。より具体的には、Aは例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基等であってよいが、これらに限定されない。特に、Aは、下記式(2)で表されることが好ましい:
【化6】
【0035】
式(2)において、R4は、炭素数1又は2のアルキル基である。より具体的には、R4は、メチル基又はエチル基であってよい。
【0036】
式(1)において、m及びnは、それぞれの構成単位の平均付加モル数を表す。m及びnは、それぞれ独立して、1.0~50であり、より具体的には、1.0以上、1.5以上、2.0以上、3.0以上、4.0以上、5.0以上、6.0以上、7.0以上、8.0以上、9.0以上、又は10以上であってよく、また50以下、45以下、40以下、35以下、34以下、32以下、30以下、28以下、26以下、25以下、24以下、22以下、20以下、18以下、16以下、15以下、14以下、12以下、10以下、又は5.0以下であってよい。
【0037】
また、式(1)において、mは、1.0以上14以下であることが好ましく、2.0以上5.0以下であることがより好ましい。また、式(1)において、nは、2.0以上34以下であることが好ましく、6.0以上12以下であることがより好ましい。
【0038】
本発明の一実施形態によれば、式(1)において、m+nは、4.0以上、4.5以上、5.0以上、6.0以上、7.0以上、8.0以上、9.0以上、10以上、11以上、12以上、13以上、14以上、又は15以上であってよく、また50以下、45以下、40以下、35以下、30以下、25以下、20以下、15以下、又は12以下であってよい。
【0039】
本発明の一実施形態によれば、式(1)において、m:nは、1:10~10:1であってよい。
【0040】
本発明のポリマーは、数平均分子量は、10,000以下である。より具体的には、本発明のポリマーの数平均分子量は、例えば、10,000以下、5,000以下、3,500以下、3,000以下、2,500以下、2,000以下、1,500以下、1,400以下、1,300以下、1,200以下、1,100以下、1,000以下、900以下、800以下、700以下、又は600以下であってよく、また130以上、150以上、200以上、250以上、300以上、350以上、400以上、450以上、又は500以上であってよい。また、本発明のポリマーの数平均分子量は、300以上3,500以下であることが好ましく、500以上1,200以下であることがより好ましい。
【0041】
本発明のポリマーのIOB値は、0.4~1.8である。より具体的には、本発明のポリマーのIOB値は、例えば、0.4以上、0.5以上、0.6以上、又は0.7以上であってよく、また1.8以下、1.6以下、1.4以下、又は1.2以下であってよい。また、本発明のポリマーのIOB値は、0.7以上1.2以下であることが好ましい。
【0042】
ここで、IOB値とは、Inorganic/Organic Balance(無機性/有機性比)の略であって、無機性値の有機性値に対する比率を表す値であり、有機化合物の極性の度合いを示す指標となるものである。IOB値は、具体的には、IOB値=無機性値/有機性値として表される。「無機性値」、「有機性値」のそれぞれについては、例えば、分子中の炭素原子1個について「有機性値」が20、水酸基1個について「無機性値」が100といったように、各種原子又は官能基に応じた「無機性値」、「有機性値」が設定されており、有機化合物中の全ての原子及び官能基の「無機性値」、「有機性値」を積算することによって、当該有機化合物のIOB値を算出することができる(例えば、甲田善生著、「有機概念図-基礎と応用-」、p.11~17、三共出版、1984年発行参照)。なお、IOB値の決定方法については、実施例に記載の方法を参照できる。
【0043】
本発明のポリマーは、ブロック共重合体であってもよく、ランダム共重合体であってもよいが、ランダム共重合体であることが好ましい。
【0044】
本発明のポリマーの製造方法は、特に限定されず、例えば、各構成単位に対応するエポキシドを付加重合することによって行ったよい。また、付加重合は、ブロック重合であってもよく、ランダム重合であってもよいが、ランダム重合であることが好ましい。
【0045】
また、本発明のポリマーの製造方法は、上記の付加重合によって得られたポリマーに対して、更にハロゲン化アルキルと反応させることを更に含んでよい。ハロゲン化アルキルとの反応を介して、得られたポリマーの分子内の水酸基は、アルキル基によって封鎖されて、その結果ポリマー全体の疎水性を所望のとおりに調整することができる。本発明において、ポリマーの分子内において、アルキル基による水酸基の封鎖率は、例えば30%以上、35%以上、40%以上、45%以上、50%以上、又は55%以上であってよく、また60%以下、59%以下、58%以下、57%以下、56%以下、又は55%以下であってよい。なお、アルキル基による水酸基の封鎖率は、実施例に記載の方法によって求めることができる。
【0046】
本発明のポリマーの特徴の一つとして、高い水溶性及び高い脂溶性を兼備することである。
【0047】
本発明のポリマーの水への溶解度は、例えば、10質量%以上、20質量%以上、30質量%以上、40質量%以上、又は50質量%以上であり得る。
【0048】
また、本発明のポリマーの脂溶性の指標として、例えばオリーブ油への溶解度を用いることができる。本発明のポリマーのオリーブ油への溶解度は、例えば、0.01質量%以上、0.05質量%以上、0.10質量%以上、0.50質量%以上、又は1.00質量%以上であり得る。なお、本発明のポリマーのオリーブ油への溶解度の上限値は特に限定されず、例えば10質量%以下であってよい。
【0049】
本発明の組成物において、本発明のポリマーの含有量は、特に限定されず、例えば、0.001質量%以上、0.005質量%以上、0.01質量%以上、0.05質量%以上、0.1質量%以上、0.5質量%以上、1.0質量%以上、2.0質量%以上、3.0質量%以上、又は4.0質量%以上であってよく、また、10.0質量%以下、9.0質量%以下、8.0質量%以下、7.0質量%以下、6.0質量%以下、5.0質量%以下、4.0質量%以下、3.0質量%以下、2.0質量%以下、又は1.0質量%以下であってよい。
【0050】
〈油分〉
本発明の組成物は、油分を含む。油分は、水相中において、上述したショ糖脂肪酸エステルによって乳化され得る。
【0051】
油分は、特に、室温(25℃)において液状の油分であることが好ましい。本発明の組成物において、油分は、炭化水素油、シリコーン油、エステル油、又は植物油等を含むことができる。これらのうち、油分は、特に炭化水素油を含むことが好ましい。
【0052】
より具体的には、炭化水素油としては、例えば、流動パラフィン、α-オレフィンオリゴマー、α-オレフィンオリゴマーの水素添加物(「水添ポリデセン」とも称する)、スクワラン等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0053】
シリコーン油としては、例えば、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0054】
エステル油としては、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソオクチル、イソオクタン酸セチル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、コハク酸ジオクチル、ノナン酸イソノニル等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0055】
植物油としては、例えば、ヤシ油、オリーブ油、コーン油、ホホバ油等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0056】
本発明の組成物において、これらの油分は、1種類を単独で、又は2種類以上を組み合わせて配合することができる。
【0057】
本発明の組成物の特定の構成によって、比較的に高い油分の含有率を達成できている。したがって、本発明の組成物において、油分の含有量は、組成物全体に対して、60質量%以上、65質量%以上、70質量%以上、又は75質量%以上であることができる。また、油分の含有量の上限値は、特に限定されず、例えば、90質量%以下、85質量%以下、80質量%以下、又は75質量%以下であってよい。
【0058】
また、油分は、好適な炭化水素油を含む場合のその含有量は、油分全体に対して、例えば50質量%以上、60質量%以上、70質量%以上、80質量%以上、90質量%以上、又は100質量%であってよい。
【0059】
〈水〉
本発明の組成物は、水を含む。本発明の組成物において、水を含む水相は、連続相である。
【0060】
水としては、特に限定されるものではないが、化粧品、医薬部外品等に使用される水を使用することができ、例えば、精製水、イオン交換水、水道水等を使用することができる。
【0061】
本発明の組成物において、水の含有量は、特に限定されず、例えば、水以外の成分の含有量に応じて適宜調節することができる。より具体的には、水の含有量は、例えば、組成物全体に対して、0.1質量%以上、0.5質量%以上、1.0質量%以上、2.0質量%以上、3.0質量%以上、4.0質量%以上、又は5.0質量%以上であってよく、また、30質量%以下、25質量%以下、20質量%以下、15質量%以下、10質量%以下、又は5.0質量%以下であってよい。
【0062】
〈その他の成分〉
本発明の組成物は、本発明の効果を損なわない限り、その他の成分を更に含んでよい。以下では、その他の成分について、例示的に説明するが、本発明はこれらに限定されることはない。
【0063】
なお、上述したように、水中油型乳化化粧料の転相感を得るために、ポリエチレングリコール骨格を有する化合物が用いられることがある。これに対して、上記式(1)におけるAが上記式(2)で表される本発明のポリマーは、ポリエチレングリコール骨格を有さないにもかかわらず、このような本発明のポリマーを含む本発明の組成物は、転相感に優れている。本発明の組成物は、ポリエチレングリコール骨格を有する成分を実質的に含まないか、又は含む場合にはその含有量が、0.01質量%以下、0.005質量%以下、又は0.001質量%以下であってよい。
【0064】
(多価アルコール)
本発明の組成物は、多価アルコールを更に含んでよい。
【0065】
多価アルコールとは、分子中に水酸基を2個以上もつアルコールである。多価アルコールとして、より具体的には、例えば、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ソルビタン、ソルビトール、マルチトール、グルコース及びスクロース等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0066】
本発明の組成物において、多価アルコールを含む場合のその含有量(2種類以上の多価アルコールの場合はその合計含有量)は、特に限定されず、例えば、組成物全体に対して、1.0質量%以上、5.0質量%以上、10質量%以上、15質量%以上、又は20質量%以上であってよく、また、60質量%以下、55質量%以下、50質量%以下、45質量%以下、40質量%以下、35質量%以下、30質量%以下、25質量%以下、又は20質量%以下であってよい。
【0067】
(界面活性剤)
本発明の組成物は、界面活性剤を更に含んでよい。
【0068】
界面活性剤の種類としては、特に限定されないが、乳化安定性を向上させる観点からは、例えば、アニオン性界面活性剤が好ましく含まれる。アニオン界面活性剤として、ラウリルグリコール酢酸塩等のアルキルグリコール酢酸塩、POEスルホコハク酸塩等のPOEアルキルスルホン酸塩、POEラウリルエーテル硫酸塩等のPOEアルキルエーテル硫酸塩、ココイルメチルタウリン塩等のアルキルタウリン塩、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ナトリウム等のN-アシル-グルタミン酸塩、N-ヤシ油脂肪酸アシルグリシンナトリウム等のN-アシルグリシン塩、及びラウリン酸ナトリウム等の脂肪酸塩等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0069】
本発明の組成物において、界面活性剤が含まる場合のその含有量は、特に限定されず、例えば、組成物全体に対して、0.01質量%以上、0.05質量%以上、0.1質量%以上、又は0.5質量%以上であってよく、また、10質量%以下、5.0質量%以下、又は1.0質量%以下であってよい。
【0070】
(増粘剤)
本発明の組成物は、増粘剤を更に含んでよい。
【0071】
増粘剤としては、増粘剤としては、例えば、多糖類系の増粘剤であってよく、より具体的には、キサンタンガム、サクシノグリカン、寒天、カラギーナン、ジェランガム、グアーガム、ローカストビーンガム等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0072】
本発明の組成物において、増粘剤が含まる場合のその含有量は、特に限定されず、例えば、組成物全体に対して、0.01質量%以上、0.05質量%以上、又は0.1質量%以上であってよく、また、3.0質量%以下、1.0質量%以下、又は0.5質量%以下であってよい。
【0073】
本発明の組成物は、上述したその他の成分以外には、通常の化粧料や皮膚洗浄料等に添加し得る成分を、本発明の効果を損なわない範囲において、任意に添加することができる。かかる成分として、緩衝剤(例えば、クエン酸、クエン酸ナトリウム等)、キレート剤(例えば、EDTA等)、色素、香料等が挙げられるが、これら例示に限定されるものでない。
【0074】
《本発明の組成物の製造方法》
本発明の組成物の製造方法は、特に限定されず、公知の水中油型乳化化粧料組成物の製造方法であってよい。例えば、ショ糖脂肪酸エステルと油分を含む油相とを混合させて、水を含む水相に加え、乳化させることによって、本発明の組成物を製造することできる。また、この際、本発明のポリマーは、乳化後に添加されてもよい。なお、乳化の際は、通常の撹拌に加えて、ホモミキサー、高圧ホモジナイザー等による機械力を与えて乳化することもでき、また、必要に応じて加熱することもできる。
【0075】
《本発明の組成物の用途》
本発明の組成物は、例えば、皮膚洗浄料化粧料、又はマッサージ化粧料等として好適に用いることができる。また、皮膚洗浄料化粧料としては、通常の洗浄料(例えば、洗顔料、ボディーソープ等)であってもよく、メイク落としであってもよいが、より転相感を感じやすい観点からは、メイク落としであることが好ましい。更に、本発明の組成物は、ふき取りタイプ、洗い流しタイプ、又は洗い流さないタイプのいずれであってもよい。
【0076】
本発明の組成物の形態としては、特に限定されず、例えば、乳液状、ジェル状、又はクリーム状等として実施可能であり、より転相感を感じやすい観点からは、クリーム状であることが好ましい。
【実施例0077】
以下に実施例を挙げて、本発明について更に詳しく説明を行うが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0078】
《合成例1及び2》
以下の合成例1及び2は、それぞれ下記式(3)で表される構造を有するポリマーを合成した:
【化7】
なお、式(3)において、[]内は、ランダム共重合体である。
【0079】
〈合成例1〉
合成例1:R1=H、R2=H、R3=CH3、R4=CH3、m=2.0、及びn=6.0のポリマー1
下記方法で合成を行い、ポリマー1を得た。
【0080】
メタノール128g及び触媒として水酸化カリウム6.4gをオートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ中の空気を乾燥窒素で置換した後、攪拌しながら80℃で触媒を完全に溶解した。次に滴下装置によりグリシドール592gとプロピレンオキシド1392gの混合物を95℃にて20時間かけて滴下させ、その後5時間攪拌した。オートクレーブより反応組成物を取り出し、塩酸で中和してpH6~7とし、含有する水分を除去するため減圧-0.095MPa(50mmHg)、100℃で1時間処理した。更に処理後生成した塩を除去するため濾過を行い、合成例1のポリマー1、2000gを得た。
【0081】
以下では、得られたポリマー1に対して、各種の物性値を求めた。
【0082】
(数平均分子量)
得られたポリマー1の数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定により算出した。システムとしてSHODEX(登録商標) GPC101GPC専用システム、示差屈折率計としてSHODEX RI-71s、ガードカラムとしてSHODEX KF-G、カラムとしてHODEX KF804Lを3本連続装着し、カラム温度40℃、展開溶剤としてテトラヒドロフランを1ml/分の流速で流し、得られた反応物の0.1重量%テトラヒドロフラン溶液0.1mlを注入し、BORWIN GPC計算プログラムを用いて屈折率強度と溶出時間で表されるクロマトグラムを得る。このクロマトグラムからポリエチレングリコールを標準とし、数平均分子量を求めたところ、約530であった。
【0083】
(重量平均分子量)
得られたポリマー1の重量平均分子量は、上記と同様にGPC計算によって求めて、約859であった。
【0084】
(多分散度)
上記で求めた数平均分子量及び重量平均分子量の結果から、ポリマー1の多分散度Mw/Mnは、1.62であった。
【0085】
(IOB値)
得られたポリマー1のIOB値は、以下のように求めたところ、1.1であった。
【0086】
より具体的には、ポリマー1において、有機性値として、炭素を20、iso分岐を-10にて計算した。また、無機性値は、水酸基を100、エーテル結合を20にて計算した。
・メタノール部位:(炭素数1、水酸基1)×1
有機性値:20
無機性値:100
・グリシドール部位:(炭素数3、iso分岐1、水酸基1、エーテル結合1)×2
有機性値:(60-10)×2=100
無機性値:(100+20)×2=240
・プロピレンオキシド部位:(炭素数3、iso分岐1、エーテル結合1)×6
有機性値:(60-10)×6=300
無機性値:20×6=120
以上、合計有機性値が420となる、合計無機性値が460となるため、IOB値が1.09となる。
【0087】
(曇点)
得られたポリマー1に対して、5wt%水溶液を調製し、85℃に加温後、冷却し、透明溶液となる温度は74℃であった。よって、ポリマー1の曇点は、74℃であることが分かった。
【0088】
(水酸基価)
得られたポリマー1の水酸基価は、JIS K-1557-1の測定方法に従い測定したところ、294であった。
【0089】
(水への溶解性)
得られたポリマー1の水への溶解性は、後述する「相溶性評価」の方法と同じように求めたところ、50質量%以上であった。
【0090】
(オリーブ油への溶解性)
得られたポリマー1のオリーブ油への溶解性は、以下のように求めた。すなわち、ポリマー1を、濃度が1.0wt%となるようオリーブ油と混合し、外観を確認した。均一であれば「〇」とした。この場合、ポリマー1のオリーブ油への溶解性は、1.0質量%であった。
【0091】
以上で測定したポリマー1の各種物性値は、下記の表1に示す。
【0092】
〈合成例2〉
合成例2:R1=H及びCH3、R2=H及びCH3、R3=CH3、R4=CH3、m=2.0、及びn=6.0のポリマー2
下記方法で合成を行い、ポリマー2を得た。
【0093】
メタノール128gと触媒として水酸化カリウム6.4gをオートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ中の空気を乾燥窒素で置換した後、攪拌しながら80℃で触媒を完全に溶解した。次に滴下装置によりグリシドール592gとプロピレンオキシド1392gの混合物を95℃にて20時間かけて滴下させ、その後2時間攪拌した。次に、水酸化カリウム244gを仕込み、系内を乾燥窒素で置換した後、系内を乾燥窒素で置換した後、塩化メチル200gを温度80~130℃で圧入し5時間反応させた。その後オートクレーブより反応組成物を取り出し、塩酸で中和してpH6~7とし、含有する水分を除去するため減圧-0.095MPa(50mmHg)、100℃で1時間処理した。更に処理後生成した塩を除去するため濾過を行い、ポリマー2、1820gを得た。塩化メチルを反応させる前にサンプリングし、精製したものの水酸基価が125であったことから、R2とR3におけるメチル基と水素原子の割合(CH3/H)は0.57であることが分かった。すなわち、ポリマー2の水酸基封鎖率が57%であった。
【0094】
上述したポリマー1の場合と同様に、得られたポリマー2に対して、各種の物性値を求めて、それぞれの結果は下記の表1に示す。
【0095】
【0096】
《実施例1~6及び比較例1》
以下の表2に示す処方を用いて、クリーム状の皮膚洗浄化粧料組成物を調製した。なお、特に断りのない限り、表2中の数値は、配合量を表し、単位は質量%である。
【0097】
また、得られた各組成物に対して、比較例1の組成物を基準として、専門官能評価パネル5名のメイクした顔をメイク落とした際の、転相感を総合的に評価した。評価基準は、以下のとおりであり、評価結果を表2に示す。
【0098】
〈転相感〉
・基準組成物:比較例1
・評価結果:
「A」:比較例1に比べて明らかに転相感を感じる;
「B」:比較例1に比べてやや転相感を感じる;
「C]:比較例1とほぼ同程度;
【0099】
【0100】
表2の結果から明らかなように、実施例1~6の組成物は、いずれも比較例1に比べて、転相感がより優れていることが分かった。