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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095428
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】作業機
(51)【国際特許分類】
   B25F 5/02 20060101AFI20240703BHJP
   B24B 23/02 20060101ALI20240703BHJP
   B25F 5/00 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
B25F5/02
B24B23/02
B25F5/00 B
B25F5/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022212709
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005094
【氏名又は名称】工機ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122426
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 清志
(72)【発明者】
【氏名】田子 達寛
(72)【発明者】
【氏名】吉▲崎▼ 陽祐
【テーマコード(参考)】
3C064
3C158
【Fターム(参考)】
3C064AA08
3C064AB02
3C064AC03
3C064BA01
3C064BA13
3C064BB52
3C064BB71
3C064BB83
3C064CA05
3C064CA08
3C064CA28
3C064CB06
3C064CB11
3C064CB17
3C064CB32
3C064CB64
3C064CB72
3C064CB76
3C064CB83
3C064CB91
3C158AA02
3C158CB03
3C158CB04
(57)【要約】
【課題】作業性を向上する。
【解決手段】グラインダ10では、操作レバー54がモータハウジング21の前端側部分にスライド操作可能に設けられ、前後方向においてスイッチ52の少なくとも一部が操作レバー54と同じ位置に配置されている。これにより、グラインダ10では、操作レバー54の操作力をスイッチ52に伝達するためのスライドバー等の伝達部材を、ハウジング20の内部で且つ操作レバー54の後側に設ける必要がなくなる。その結果、ハウジング20における操作レバー54よりも後側部分の外径を小さくすることができる。すなわち、作業者が把持するモータ収容部23を細くして、グラインダ10の把持性能を向上することができる。したがって、グラインダ10の作業性を向上することができる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータ及び前後方向を軸方向として回転するロータを有するモータと、
前記モータを収容するモータハウジングと、
前記モータハウジングの前後方向一方側に設けられたケースと、
前記ケースに保持され、前記モータの駆動力によって回転するスピンドルと、
前記モータハウジングに設けられた操作部と、
少なくとも一部が前後方向において前記操作部と同じ位置又は前記操作部に対して前後方向一方側に配置され、前記操作部の操作によって前記モータを駆動状態又は停止状態に切替えるスイッチと、
を備えた作業機。
【請求項2】
前記ロータ及び前記ステータの前後方向一方側には、前記モータの駆動によって回転するファンと、前記ファンによって生成された空気流をガイドするファンガイドが設けられており、
前記スイッチが前記モータハウジング及び前記ファンガイドによって保持されている請求項1に記載の作業機。
【請求項3】
前記モータハウジング及び前記ファンガイドの一方には、前記スイッチを収容するスイッチ収容部が設けられており、前記モータハウジング及び前記ファンガイドの他方が前記スイッチに当接することで前記スイッチの前記スイッチ収容部への収容状態が維持される請求項2に記載の作業機。
【請求項4】
前記モータハウジングは、分割不能な単一部材で構成されると共に、前記モータを収容する筒状のモータ収容部と、前記ファンを収容し且つ前記モータ収容部の径方向外側に張出されたファン収容部と、を含んで構成されており、
前記スイッチ収容部は、前記モータ収容部の前後方向一方側端部に設けられると共に、前記モータ収容部の径方向外側へ突出し、前後方向一方側へ開放された凹状に形成されている請求項3に記載の作業機。
【請求項5】
前記スイッチ収容部には、前記操作部が前後方向にスライド可能に組付けられており、
前記操作部は、
前記モータハウジングの外部に操作可能に露出されたレバー本体と、
前記スイッチ収容部の内部に配置され、前記レバー本体が操作されることで前記スイッチを押圧するスイッチ押圧部と、
を含んで構成されている請求項4に記載の作業機。
【請求項6】
前記スイッチ収容部には、前後方向に延在され且つ前記スイッチ収容部の内部と外部とを連通するスライド溝部が形成され、前記スライド溝部の前後方向一方側端部が、前後方向一方側へ開口しており、
前記操作部は、前記レバー本体と前記スイッチ押圧部とを連結し且つ前記スライド溝部にスライド可能に挿入されたスライド軸を有しており、
前記ファンガイドは、前記スライド溝部の前後方向一方側端部を閉塞するカバー部を有している請求項5に記載の作業機。
【請求項7】
前記スイッチ押圧部と前記ファンガイドとの間には、付勢部材が設けられており、前記付勢部材の一部が前記スイッチ収容部の内部に配置され、前記付勢部材によって前記スイッチ押圧部が、前後方向他方側へ付勢されている請求項6に記載の作業機。
【請求項8】
前記スイッチ収容部は、前記ファン収容部の外周部よりも前記モータ収容部の径方向外側へ突出していない請求項4に記載の作業機。
【請求項9】
前記スイッチが、前記ファンの径方向外側に配置されている請求項2に記載の作業機。
【請求項10】
前記操作部の前後方向一方側には、前記スピンドルの下端部周辺を照明する照明装置が設けられており、
前記照明装置が前記ファンガイドに保持されている請求項2に記載の作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載のグラインダ(作業機)では、モータがモータハウジングに収容されており、スイッチレバー(操作部)がモータハウジングの前端部の外側にスライド操作可能に設けられている。また、モータを駆動又は停止に切替えるスイッチがモータの後側に設けられており、スイッチがテールカバーの内部に配置されている。さらに、モータハウジング及びテールカバーの内部には、スライドバーが設けられている。スイッチレバーが操作されると、スイッチレバーと共にスライドするスライドバーによってスイッチがオンされて、モータが駆動する。これにより、作業者がモータハウジングを把持して、加工材に対する研磨加工等を施す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-81231号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記グラインダでは、以下に示す点において、改善の余地がある。すなわち、グラインダによる加工時には、作業者が、主としてモータハウジングにおけるスイッチレバーよりも後側部分を把持する。一方、上述のように、モータハウジングの内部には、スイッチレバーとスイッチとの間において、スライドバーが設けられている。このため、作業者が把持するモータハウジングの外径が比較的大きくなり、グラインダの作業性が低下する可能性がある。
【0005】
本発明は、上記事実を考慮して、作業性を向上することができる作業機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、ステータ及び前後方向を軸方向として回転するロータを有するモータと、前記モータを収容するモータハウジングと、前記モータハウジングの前後方向一方側に設けられたケースと、前記ケースに保持され、前記モータの駆動力によって回転するスピンドルと、前記モータハウジングに設けられた操作部と、少なくとも一部が前後方向において前記操作部と同じ位置又は前記操作部に対して前後方向一方側に配置され、前記操作部の操作によって前記モータを駆動状態又は停止状態に切替えるスイッチと、を備えた作業機である。
【0007】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記ロータ及び前記ステータの前後方向一方側には、前記モータの駆動によって回転するファンと、前記ファンによって生成された空気流をガイドするファンガイドが設けられており、前記スイッチが前記モータハウジング及び前記ファンガイドによって保持されている作業機である。
【0008】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記モータハウジング及び前記ファンガイドの一方には、前記スイッチを収容するスイッチ収容部が設けられており、前記モータハウジング及び前記ファンガイドの他方が前記スイッチに当接することで前記スイッチの前記スイッチ収容部への収容状態が維持される作業機である。
【0009】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記モータハウジングは、分割不能な単一部材で構成されると共に、前記モータを収容する筒状のモータ収容部と、前記ファンを収容し且つ前記モータ収容部の径方向外側に張出されたファン収容部と、を含んで構成されており、前記スイッチ収容部は、前記モータ収容部の前後方向一方側端部に設けられると共に、前記モータ収容部の径方向外側へ突出し、前後方向一方側へ開放された凹状に形成されている作業機である。
【0010】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記スイッチ収容部には、前記操作部が前後方向にスライド可能に組付けられており、前記操作部は、前記モータハウジングの外部に操作可能に露出されたレバー本体と、前記スイッチ収容部の内部に配置され、前記レバー本体が操作されることで前記スイッチを押圧するスイッチ押圧部と、を含んで構成されている作業機である。
【0011】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記スイッチ収容部には、前後方向に延在され且つ前記スイッチ収容部の内部と外部とを連通するスライド溝部が形成され、前記スライド溝部の前後方向一方側端部が、前後方向一方側へ開口しており、前記操作部は、前記レバー本体と前記スイッチ押圧部とを連結し且つ前記スライド溝部にスライド可能に挿入されたスライド軸を有しており、前記ファンガイドは、前記スライド溝部の前後方向一方側端部を閉塞するカバー部を有している作業機である。
【0012】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記スイッチ押圧部と前記ファンガイドとの間には、付勢部材が設けられており、前記付勢部材の一部が前記スイッチ収容部の内部に配置され、前記付勢部材によって前記スイッチ押圧部が、前後方向他方側へ付勢されている作業機である。
【0013】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記スイッチ収容部は、前記ファン収容部の外周部よりも前記モータ収容部の径方向外側へ突出していない作業機である。
【0014】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記スイッチが、前記ファンの径方向外側に配置されている作業機である。
【0015】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記操作部の前後方向一方側には、前記スピンドルの下端部周辺を照明する照明装置が設けられており、前記照明装置が前記ファンガイドに保持されている作業機である。
【発明の効果】
【0016】
本発明の1又はそれ以上の実施形態によれば、作業性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本実施形態に係るディスクグラインダを示す左側から見た側面図である。
図2図1に示されるディスクグラインダの内部を示す左側から見た断面図である。
図3図1に示されるディスクグラインダのモータハウジングを示す前側から見た正面図である。
図4図1に示されるディスクグラインダのスイッチ機構の左斜め前方から見た分解斜視図である。
図5図1に示されるディスクグラインダのスイッチ機構の右斜め後方から見た分解斜視図である。
図6図1に示されるディスクグラインダのスイッチ機構の上側から見た断面図(図1の6-6線断面図)である。
図7図6に示されるスイッチ機構のスイッチの支持状態を示す右側から見た断面図(図6の7-7線断面図)である。
図8図2に示される駆動制御部におけるスイッチングユニットを示す右斜め下方側から見た斜視図である。
図9図8に示されるスイッチングユニットの分解斜視図である。
図10】(A)は、図2に示されるスイッチングユニットにおけるカバーケースのヒートシンクへの締結状態を示す後側から見た断面図(図2の10A-10A線断面図)であり、(B)は、図2に示されるスイッチングユニットにおけるカバーケースとヒートシンクとの係合状態を示す後側から見た断面図(図2の10B-10B線断面図)であり、(C)は、図2に示されるスイッチングユニット内におけるスイッチング素子の収容状態を示す後側から見た断面図(図2の10C-10C線断面図)である。
図11図8に示される左側のカバーケースを拡大して示す右斜め下方から見た斜視図である。
図12】(A)は、図1に示されるスイッチ機構の変形例1を示す側面図であり、(B)は、(A)の変形例1におけるスイッチ機構の上側から見た断面図(図12(A)の12B-12B線断面図)である。
図13】(A)は、図1に示されるスイッチ機構の変形例2を示す側面図であり、(B)は、(A)の変形例2におけるスイッチ機構の上側から見た断面図(図13(A)の13B-13B線断面図)である。
図14】(A)は、図8に示されるスイッチングユニットの変形例を示す右斜め下方側から見た斜視図であり、(B)は、(A)の変形例のスイッチングユニットの後側から見た断面図(図14(A)の14B-14B線断面図)である。
図15図14に示される変形例のスイッチングユニットの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を用いて、本実施形態に係る作業機としてのディスクグラインダ10(以下、単にグラインダ10という)について説明する。なお、図面において適宜示される矢印UP、矢印FR、及び矢印LHは、それぞれグラインダ10の上側、前側、及び左側を示している。以下の説明において、上下、前後、左右の方向を用いて説明するときには、特に断りのない限り、グラインダ10の上下方向、前後方向、左右方向を示すものとする。
【0019】
グラインダ10は、加工材に研磨加工等を施す電動工具として構成されている。図1及び図2に示されるように、グラインダ10は、ハウジング20と、駆動部としてのモータ40と、スイッチ機構50と、駆動制御部60と、を含んで構成されている。以下、グラインダ10の各構成について説明する。
【0020】
(ハウジング20について)
ハウジング20は、グラインダ10の外郭を構成している。ハウジング20は、全体として前後方向に延在された中空柱状に形成されている。ハウジング20は、ハウジング20の前後方向中間部を構成するモータハウジング21と、ハウジング20の後端部を構成するテールカバー26と、ハウジング20の前端部を構成するケースとしてのギヤケース28と、を含んで構成されている。
【0021】
(モータハウジング21について)
図3にも示されるように、モータハウジング21は、分割不能な単一部材で構成されている。モータハウジング21は、略段付き円筒状に形成されている。具体的には、モータハウジング21の前端部がファン収容部22として構成され、モータハウジング21におけるファン収容部22以外の部分がモータ収容部23として構成されており、ファン収容部22がモータ収容部23よりも径方向外側へ張り出されている。ファン収容部22は、2重筒形状に形成されている。具体的には、ファン収容部22は、内筒22A及び外筒22Bを有しており、内筒22Aの後端部が、モータ収容部23の前端部に接続されている。詳しくは、モータ収容部23の前端部には、前側へ向かうに従い径方向外側へ傾斜する傾斜部23Aが形成されており、傾斜部23Aの前端部が内筒22Aの後端部に接続されている。外筒22Bは、前側から見て、略矩形筒状に形成されており、内筒22Aが外筒22B内に接するように配置され、外筒22Bの内周部が内筒22Aの外周部に接続されている。
【0022】
モータ収容部23の後端側部分の内部には、軸受固定部23Bが設けられており、軸受固定部23Bは、前後方向を軸方向とする略円筒状に形成されている。軸受固定部23Bの上下方向両側には、第1軸受連結部23Cがそれぞれ設けられており、第1軸受連結部23Cは軸受固定部23Bから上下方向外側へ延出されてモータ収容部23の内周面に接続されている。また、軸受固定部23Bの左右方向両側には、上下一対の第2軸受連結部23Dがそれぞれ設けられており、第2軸受連結部23Dは軸受固定部23Bから左右方向外側へ延出されてモータ収容部23に接続されている。
【0023】
モータハウジング21の後側には、後述する駆動制御部60を収容するためのインナケース30(図2参照)が設けられている。インナケース30は、前後方向に延在され且つ下側へ開放された略箱形状に形成されており、インナケース30の前端部が、モータハウジング21の第1軸受連結部23Cに締結固定されている。
【0024】
図1図3図7に示されるように、モータ収容部23の前端部の左側部には、後述するスイッチ機構50のスイッチ52を収容するためのスイッチ収容部24が設けられている。スイッチ収容部24は、モータ収容部23よりも左側へ突出すると共に、前側へ開放された略矩形凹状に形成されている。スイッチ収容部24は、前側から見て、傾斜部23Aと重なるように配置されると共に、ファン収容部22の外周部に対して左側に一段下がった位置に配置されている。すなわち、スイッチ収容部24は、モータ収容部23の内周面に対して径方向内側へ突出しない位置に配置されている。ファン収容部22の左側部には、モータ収容部23の前側において、切欠部22Cが形成されており、切欠部22Cによって、モータ収容部23の前側空間が左右方向に貫通している。
【0025】
スイッチ収容部24の右壁及び左壁の下部には、支持溝部24Aがそれぞれ形成されており、支持溝部24Aは前後方向に延在されると共に、前側へ開放している。右側の支持溝部24Aは、左右方向に貫通した溝状に形成されており、左側の支持溝部24Aは、右側へ開放された溝状に形成され、スイッチ収容部24の内部と連通している。
【0026】
スイッチ収容部24の右壁には、支持溝部24Aの上側において、配線用溝部24Bが形成されている。配線用溝部24Bは、前後方向に延在され且つ左右方向に貫通した溝状に形成されると共に、前側へ開放している。また、配線用溝部24Bは、スイッチ収容部24から後側へ延びており、配線用溝部24Bの後端部が、軸受固定部23Bの左側(径方向外側)に位置している。すなわち、配線用溝部24Bは、モータ収容部23の内周面にも形成されており、モータ収容部23に形成された配線用溝部24Bは、右側へ開放された溝状に形成されている。
【0027】
スイッチ収容部24の左壁には、配線用溝部24Bの右側において、スライド溝部24Cが形成されている。スライド溝部24Cは、前後方向に延在され且つ左右方向に貫通された溝状に形成されると共に、前側へ開放している。また、スライド溝部24Cは、右側から見て、横向きの略T字形状に形成されており、スライド溝部24Cの開口部24Dの上下寸法が、スライド溝部24Cの後部の上下寸法よりも大きくなっている。
【0028】
(テールカバー26について)
図1及び図2に示されるように、テールカバー26は、前側へ開放された略有底円筒状に形成されている。テールカバー26は、モータハウジング21の後側に隣接配置されて、インナケース30を収容している。また、テールカバー26の後壁が、インナケース30の後壁に締結固定されている。テールカバー26の外径は、モータ収容部23の外径と略一致しており、テールカバー26の外周面とモータ収容部23の外周面とが面一となるように配置されている。テールカバー26の後部における右側部及び左側部には、複数の吸気口26Aが貫通形成されている。
【0029】
(ギヤケース28について)
ギヤケース28は、左右方向から見て、略三角形を成す中空状に形成されると共に、下側へ開放されている。ギヤケース28の後端部には、被連結部28Aが形成されており、被連結部28Aは、モータハウジング21のファン収容部22の外筒22Bに対応する略矩形筒状に形成されている。そして、ファン収容部22と被連結部28Aとが前後方向に突き合わされて、被連結部28Aが、ファン収容部22に締結固定されている。ギヤケース28の下側には、パッキングランド31が設けられている。パッキングランド31は、上下方向を軸方向とする段付き円筒状に形成されて、ギヤケース28に固定されている。
【0030】
ギヤケース28内には、スピンドル32が設けられており、スピンドル32は、上下方向を軸方向とする略円柱状に形成されている。スピンドル32の上端部は、ギヤケース28に固定された軸受33に回転可能に支持され、スピンドル32の上下方向中間部が、パッキングランド31に固定された軸受34に回転可能に支持されている。スピンドル32の下端部には、砥石35が取付けられており、後述するモータ40の駆動力によって、砥石35がスピンドル32と共に回転することで、加工材に対して研磨加工等を施すようになっている。また、パッキングランド31の下端部には、ホイルガード36が着脱可能に固定されており、ホイルガード36によって、砥石35の一部が覆われている。
【0031】
(モータ40について)
図2に示されるように、モータ40は、モータハウジング21のモータ収容部23に収容されている。モータ40は、前後方向を軸方向とする回転軸40Aと、回転軸40Aの径方向外側に配置されたロータ40Bと、ロータ40Bの径方向外側に配置されたステータ40Cと、を有している。回転軸40Aの後端部が、モータ収容部23の軸受固定部23Bに固定された第1モータ軸受41に回転可能に支持されており、回転軸40Aの前端側部分が、ギヤケース28に固定された第2モータ軸受42に回転可能に支持されている。ロータ40Bは、回転軸40Aに一体回転可能に設けられており、ステータ40Cがモータハウジング21に保持されている。
【0032】
回転軸40Aの前端部は、ギヤケース28内に配置されており、回転軸40Aの前端部には、ピニオンギヤ43が固定されている。ピニオンギヤ43は、スピンドル32の上端側部分に設けられたベベルギヤ37に噛合されており、モータ40の駆動力が、ベベルギヤ37によってスピンドル32に伝達される構成になっている。モータ40は、後述する駆動制御部60に電気的に接続されている。
【0033】
回転軸40Aの前端側部分には、ロータ40B及びステータ40Cの前側において、ファン44が一体回転可能に設けられている。ファン44は、遠心ファンとして構成されている。具体的には、ファン44は、ファン44の中心部に後側から流入された空気を径方向外側へ流し、ファン収容部22内に設けられたファンガイド45によって、当該空気を前側へ流すようになっている。これにより、テールカバー26の吸気口26Aからハウジング20内に流入される空気流ARが発生し、空気流ARは、ハウジング20内を前側へ流れると共に、ギヤケース28に形成された排気口28Bからハウジング20の外部へ流出されるようになっている。
【0034】
(ファンガイド45について)
ファンガイド45は、前側へ開放された比較的底の浅い略有底円筒状に形成されており、ファンガイド45の底壁45Aの中央部には、ガイド側挿通孔45Bが貫通形成されている。ファンガイド45は、モータハウジング21に組付けられ、ファンガイド45の組付状態では、ファン44がファンガイド45内に配置され、モータ40の回転軸40Aがガイド側挿通孔45B内を挿通している。なお、ファンガイド45の底壁45Aは、径方向内側へ向かうに従い後側へ若干傾斜している。
【0035】
図1、及び図4図7に示されるように、ファンガイド45の外周部の左側部には、モータハウジング21の切欠部22Cに対応する位置において、カバー部としてのガイド側カバー部45Cが設けられている。ガイド側カバー部45Cは、左右方向を板厚方向とする板状に形成されており、ガイド側カバー部45Cの後部がファンガイド45から後側へ突出している。ガイド側カバー部45Cは、左側から見て、切欠部22C及びスイッチ収容部24のスライド溝部24Cの前側部分を塞ぐように、横向きの略T字形状に形成されている。すなわち、ガイド側カバー部45Cは、切欠部22Cを塞ぐ第1カバー部45C1と、第1カバー部45C1の上下方向中間部から後側へ突出し且つスライド溝部24Cの開口部24Dを塞ぐ第2カバー部45C2と、第2カバー部45C2の上下方向中間部から後側へ突出し且つスライド溝部24Cの前後方向中間部を塞ぐ第3カバー部45C3と、を有している。
【0036】
ガイド側カバー部45Cの左側面における前端側部分には、段差部45Dが形成されており、段差部45Dによって、ガイド側カバー部45Cの左側面の後部が、左側面の前部よりも右側へ一段下がった位置に配置されている。詳しくは、ガイド側カバー部45Cの左側面の前部がファンガイド45の外周面と面一となるように配置され、ガイド側カバー部45Cの左側面の後部がスイッチ収容部24の左側外周面と面一となるように配置されている。第2カバー部45C2の上端部及び下端部には、上下一対の突起部45Eが一体に形成されており、突起部45Eは、略直方体状に形成されて、第2カバー部45C2から左側へ突出している。
【0037】
第1カバー部45C1における後端部(ファンガイド45の底壁45Aよりも後側へ突出した部分)の下部には、後述するスイッチ52を支持するためのスイッチ支持部45F(図5図7参照)が設けられている。スイッチ支持部45Fは、第1カバー部45C1の後端部から右側へ突出し且つ上下方向に延在されたリブ状に形成されると共に、底壁45Aに接続されている。スイッチ支持部45Fは、スイッチ収容部24の前側に隣接配置されて、スイッチ収容部24における開口部の左下部を閉塞している。
【0038】
ファンガイド45の底壁45Aには、スイッチ支持部45Fの上側において、支持ボス45G(図5参照)が一体に形成されている。支持ボス45Gは、前後方向を軸方向とする略円柱状に形成されて、底壁45Aから後側へ突出している。
【0039】
(スイッチ機構50について)
スイッチ機構50は、スイッチ52と、操作部としての操作レバー54と、付勢部材としてのリターンスプリング58と、を含んで構成されている。また、前述したモータハウジング21に設けられたスイッチ収容部24、及び、ファンガイド45に設けられたガイド側カバー部45C、スイッチ支持部45F、支持ボス45Gが、スイッチ機構50の一部を構成している。
【0040】
スイッチ52は、モータ40を駆動状態又は停止状態に切替えるスイッチである。スイッチ52は、スイッチ本体52A及びレバー部52Bを有している。スイッチ本体52Aは、左右方向を厚み方向とする略直方体状に形成されて、スイッチ収容部24内に前側から収容されている。スイッチ本体52Aには、前後一対の支持ピン52Cが設けられている。支持ピン52Cは、左右方向を軸方向として配置されており、支持ピン52Cの軸方向両端部がスイッチ本体52Aから左右方向外側へ突出している。そして、一対の支持ピン52Cの軸方向両端部が、スイッチ収容部24の支持溝部24A内に前側から挿入されて、スイッチ収容部24に支持されている。また、後側の支持ピン52Cが支持溝部24Aの後端に当接して、スイッチ52の後側への移動が制限されている。さらに、前述したファンガイド45のスイッチ支持部45Fが、スイッチ本体52Aに前側から当接して、スイッチ52を前側から支持している。これにより、スイッチ52がファンガイド45及びモータハウジング21によって保持されている。スイッチ本体52Aは、プランジャ52Dを有しており、プランジャ52Dは押圧操作可能にスイッチ本体52Aから上側へ突出している。
【0041】
レバー部52Bは、プランジャ52Dの上側において、左右方向を軸方向として回転可能にスイッチ本体52Aに連結されている。そして、レバー部52Bが下側へ回転してプランジャ52Dを押圧することで、スイッチ52がオフからオンに切り替わる。
【0042】
スイッチ52は、後述する駆動制御部60に電気的に接続されている。具体的には、スイッチ52から延出される配線(図示省略)が、配線用溝部24B内に配策されて、モータハウジング21から後側へ延出されている。
【0043】
操作レバー54は、スイッチ収容部24に前後方向にスライド可能に組付けられている。具体的には、操作レバー54は、オフ位置(図1図6、及び図7に示される位置)と、オフ位置から前側へスライドしたオン位置と、の間のスライド可能に構成されている。操作レバー54は、レバー本体55と、スイッチ押圧部56と、を含んで構成されている。
【0044】
レバー本体55は、左右方向を板厚方向とする略矩形板状に形成されて、スイッチ収容部24の左側に配置されている。すなわち、前後方向において、前述したスイッチ52の少なくとも一部が、操作レバー54と同じ位置に配置されている。レバー本体55の右側面の前部は、平面視でレバー本体55の前後方向中間部から前側へ向かうに従い左側へ傾斜しており、レバー本体55の右側面の後部は、平面視でレバー本体55の前後方向中間部から後側へ向かうに従い左側へ傾斜している。レバー本体55の右側面の前後方向中間部には、スライド軸55Aが設けられている。スライド軸55Aは、左右方向を軸方向とする略矩形柱状に形成され、レバー本体55から右側へ突出すると共に、スイッチ収容部24のスライド溝部24C内にスライド可能に挿入されている。また、スライド軸55Aは、スライド溝部24Cの後端部に位置しており、オフ位置における操作レバー54の後側への移動がスライド軸55Aによって制限されている。
【0045】
レバー本体55の右側面の前端部には、前側及び右側へ開放された第1凹部55Bが形成され、レバー本体55の右側面の前部には、第1凹部55Bの後側において、右側へ開放された第2凹部55Cが形成されている。すなわち、レバー本体55には、第1凹部55Bと第2凹部55Cとの間において、レバー係合部55Dが形成されており、レバー係合部55Dがファンガイド45の突起部45Eの後側に隣接配置されている。これにより、レバー係合部55Dが突起部45Eに係合して、初期位置における操作レバー54の前側へのスライドが制限されている。
【0046】
なお、操作レバー54のオン位置へのスライド時では、レバー本体55の後端部を右側へ押圧することでレバー本体55の姿勢を変更させて、レバー係合部55Dの突起部45Eへの係合状態を解除した後に、前側へスライドする。また、図示は省略するが、操作レバー54のオン位置では、突起部45Eが第2凹部55C内に配置され、後述するリターンスプリング58の付勢力によってレバー係合部55Dが突起部45Eに係合して、操作レバー54がオン位置に保持されるようになっている。
【0047】
スイッチ押圧部56は、レバー本体55の右側に配置されると共に、スイッチ52のレバー部52Bの上側においてスイッチ収容部24内に収容されている。スイッチ押圧部56は、左右方向を厚み方向とし且つ後端部を頂点とする略三角形ブロック状に形成されている。スイッチ押圧部56の左端部には、下側へ延出された接続片56Aが形成されており、接続片56Aがスライド軸55Aの右端部に接続されている。これにより、スイッチ押圧部56がレバー本体55に連結されている。そして、操作レバー54のオン位置へのスライドにより、スイッチ押圧部56がスイッチ52のレバー部52Bを押圧して、スイッチ52がオフからオンに切替わることで、モータ40が停止状態から駆動状態に切替わる。
【0048】
リターンスプリング58は、圧縮コイルスプリングとして構成されている。リターンスプリング58は、ファンガイド45の底壁45Aとスイッチ押圧部56との間で前後方向に延在されて、リターンスプリング58の両端部が両者に係止されている。詳しくは、リターンスプリング58の後部が、スイッチ収容部24内に配置され、リターンスプリング58が、スイッチ押圧部56を後側へ付勢している。これにより、操作レバー54がオフ位置に保持されている。また、ファンガイド45の支持ボス45Gがリターンスプリング58の前端部内に配置されており、径方向におけるリターンスプリング58の移動を支持ボス45Gによって制限している。
【0049】
(駆動制御部60について)
図2に示されるように、駆動制御部60は、制御基板62を有しており、制御基板62は、上下方向を板厚方向とし且つ前後方向を長手方向とする略矩形板状に形成されている。制御基板62は、インナケース30の上部内に配置されて、インナケース30に保持されている。制御基板62には、前述したモータ40がモータ用配線(図示省略)によって電気的に接続されると共に、スイッチ52が配線(図示省略)によって電気的に接続されている。また、制御基板62には、電源コード64が接続されており、電源コード64は、テールカバー26の後端部から後側へ延出している。電源コード64は、交流電源に接続可能に構成されている。これにより、モータ40及びスイッチ52に電力が供給されるように構成されている。
【0050】
制御基板62の下面(一側面)の前端部には、スイッチングユニット70が設けられている。スイッチングユニット70は、複数のスイッチング素子76を有しており、スイッチング素子76は、モータ40におけるステータコイルの通電状態を切替えるインバータ回路を構成している。以下、スイッチングユニット70について説明する。
【0051】
図2、及び図8図10に示されるように、スイッチングユニット70は、ヒートシンク72と、左右一対の絶縁シート74と、複数(本実施形態では、6個)のスイッチング素子76と、左右一対の絶縁部材としてのカバーケース78と、を含んで構成されている。
【0052】
ヒートシンク72は、熱導電性のよい金属(本実施形態では、アルミニウム)によって構成されている。ヒートシンク72は、前後方向に延在され、その長手方向から見て、下側へ開放された略逆U字形状に形成されている。ヒートシンク72の左壁及び右壁の下部には、それぞれ前後一対の嵌合孔72Aが貫通形成されている。また、ヒートシンク72の左壁及び右壁には、嵌合孔72Aの上側において、それぞれ前後一対のネジ部72Bが貫通形成されており、ネジ部72Bの内周面には、雌ネジが形成されている。
【0053】
ヒートシンク72の左壁及び右壁の下端部には、複数(本実施形態では、4箇所)の係合凹部72Cがそれぞれ形成されている。すなわち、ヒートシンク72には、8箇所の係合凹部72Cが形成されている。係合凹部72Cは、下側及び左右方向内側へ開放された凹状に形成されている。ヒートシンク72の左壁及び右壁では、前後方向に並ぶ一対の係合凹部72Cを1組として、2組の係合凹部72Cが前後方向に所定の間隔を空けて配置されている。具体的には、前後方向において、嵌合孔72A及びネジ部72Bが一対の係合凹部72Cの間に配置されるように、係合凹部72Cの位置が設定されている。
【0054】
絶縁シート74は、樹脂等の絶縁材によって構成されている。絶縁シート74は、左右方向を板厚方向とする略矩形シート状に形成されて、ヒートシンク72の左右方向外側にそれぞれ隣接配置されている。絶縁シート74には、ヒートシンク72の嵌合孔72Aに対応する位置において、前後一対のシート側孔部74Aが貫通形成されている。また、絶縁シート74には、ヒートシンク72のネジ部72Bに対応する位置において、前後一対の挿通孔部74Bが貫通形成されている。
【0055】
スイッチングユニット70では、前後方向に並ぶ3個のスイッチング素子76を1組とし、2組のスイッチング素子76が、絶縁シート74の左右方向外側に隣接配置されている。具体的には、左右方向から見て、絶縁シート74のシート側孔部74A及び挿通孔部74Bが、前後方向に隣り合うスイッチング素子76の間に配置されるように、スイッチング素子76が前後方向に所定の間隔を空けて配置されている。
【0056】
スイッチング素子76の上部は、モールド部76Aとして構成され、モールド部76Aは、樹脂材によって構成されると共に、左右方向を板厚方向とする略矩形板状に形成されている。スイッチング素子76の下部は、導電部76Bとして構成されている。導電部76Bは、左右方向を板厚方向とする矩形板状に形成されており、導電部76Bの板厚がモールド部76Aの板厚と比べて薄く設定されている。導電部76Bは、モールド部76Aと一体に形成されると共に、モールド部76Aの左右方向内側端部(絶縁シート74側端部)から下側へ突出しており、導電部76B及びモールド部76Aの左右方向内側面が面一に配置されている。導電部76Bの略中央部には、素子側孔部76Cが貫通形成されている。
【0057】
スイッチング素子76は、3本の端子76Dを有しており、端子76Dは、モールド部76Aから上側へ突出すると共に、前後方向に所定の間隔を空けて並んでいる。端子76Dは制御基板62に半田付されており、スイッチング素子76が制御基板62に電気的に接続されている。
【0058】
左右一対のカバーケース78は、ヒートシンク72の左右方向外側に配置されており、ヒートシンク72の左右方向中央部に対して左右対称に構成されている。このため、以下、ヒートシンク72に対して左側に配置されたカバーケース78を用いて、カバーケース78について説明する。
【0059】
図11にも示されるように、カバーケース78は、樹脂等の絶縁材によって構成されている。カバーケース78はヒートシンク72に組付けられて、カバーケース78及びヒートシンク72によって、前述したスイッチング素子76及び絶縁シート74を、左右方向両側から挟持し且つ覆っている。
【0060】
カバーケース78は、左右方向を板厚方向とする略矩形板状に形成されている。カバーケース78の右側面には、スイッチング素子76を収容するための3箇所の嵌合凹部78Aが形成されており、嵌合凹部78Aは前後方向に並んで配置されている。嵌合凹部78Aは、右側及び上側へ開放された凹状に形成されると共に、スイッチング素子76の形状に対応して形成されている。詳しくは、嵌合凹部78Aの上端部が、スイッチング素子76の端子76Dを収容する上側収容部78A1として構成され、嵌合凹部78Aの上下方向中間部がスイッチング素子76のモールド部76Aを収容する中間収容部78A2として構成され、嵌合凹部78Aの下端部がスイッチング素子76の導電部76Bを収容する下側収容部78A3として構成されている。下側収容部78A3の左側内周面は、上側収容部78A1及び中間収容部78A2の左側内周面よりも右側へ一段上がった位置に配置されている。また、上側収容部78A1の幅寸法(前後方向の寸法)が中間収容部78A2及び下側収容部78A3の幅寸法よりも若干小さく設定されている。なお、嵌合凹部78Aの形状に対応して、カバーケース78の左面の下端部が、他の部分よりも右側へ一段下がった位置に配置されている。
【0061】
そして、スイッチング素子76が嵌合凹部78A内に嵌め込まれて、スイッチング素子76が嵌合凹部78A内に収容されている。これにより、カバーケース78のヒートシンク72への組付前では、スイッチング素子76がカバーケース78に仮保持される構成になっている。下側収容部78A3の左側内周面には、スイッチング素子76の素子側孔部76Cに対応する位置において、素子用ボス78Bが設けられている。素子用ボス78Bは、左右方向を軸方向とする略円柱状に形成され、素子側孔部76C内に嵌入されている(図10(C)参照)。
【0062】
カバーケース78には、前後に隣り合う嵌合凹部78Aを区画するための区画部78Cが形成されており、区画部78Cは、絶縁シート74の板厚分だけ、カバーケース78の右側面よりも左側に一段下がった位置に配置されている。これにより、絶縁シート74が区画部78Cの右側に隣接配置されて、スイッチング素子76と共に、嵌合凹部78A内に収容されている。区画部78Cには、絶縁シート74のシート側孔部74Aに対応する位置において、シート用ボス78Dが設けられている。シート用ボス78Dは、左右方向を軸方向とする略円柱状に形成され、シート側孔部74A内に嵌入されている。また、カバーケース78のヒートシンク72への組付状態では、シート用ボス78Dの先端部がヒートシンク72の嵌合孔72A内に嵌入されている(図10(A)参照)。これにより、カバーケース78のヒートシンク72に対する位置が決定されている。
【0063】
カバーケース78の右側面における下端部には、ヒートシンク72の係合凹部72Cに対応する位置において、係合部としての係合フック78Eが一体に設けられている。すなわち、カバーケース78には、4箇所の係合フック78Eが設けられており、前後方向において、一対の係合フック78Eが、スイッチング素子76の間に配置されている。係合フック78Eは、カバーケース78から右側へ突出したアーム部78E1と、アーム部78E1の先端部から上側へ突出したフック部78E2と、を含んで構成されている。そして、アーム部78E1がヒートシンク72の下側に隣接配置され、フック部78E2が、係合凹部72C内に配置され、係合凹部72Cと左右方向に係合している(図10(B)参照)。これにより、カバーケース78がヒートシンク72に左右方向に係合した状態で組付けられている。すなわち、カバーケース78及びヒートシンク72によって、スイッチング素子76及び絶縁シート74を左右方向両側から挟持して、スイッチング素子76がヒートシンク72に固定される。
【0064】
また、カバーケース78の上端部には、前後方向に並ぶ上側収容部78A1の間において、前後一対の突当部78Fが一体に形成されている。突当部78Fは、左右方向に延在された略矩形柱状に形成されて、カバーケース78から右側へ突出している。そして、左右一対のカバーケース78のヒートシンク72への組付状態では、左右の突当部78Fが、ヒートシンク72の上側に隣接配置されると共に、左右方向外側から互いに突き当てられている。これにより、係合フック78E及び突当部78Fがヒートシンク72を上下方向外側から挟み込んで、カバーケース78がヒートシンク72に組付けられている。
【0065】
また、区画部78Cには、ヒートシンク72のネジ部72Bに対応する位置において、左側へ開放されたネジ用切欠部78Gが形成されている。ネジ用切欠部78Gの底面は、嵌合凹部78Aの中間収容部78A2の左側内周面と面一となる位置に配置されている。ネジ用切欠部78Gは、前後方向に貫通しており、ネジ用切欠部78Gによって前後に隣り合う嵌合凹部78Aが連通されている。カバーケース78の左側面には、ネジ部72Bに対応する位置において、凹状のザグリ部78Hが形成されており、ザグリ部78Hは、ネジ用切欠部78Gと連通している。そして、ザグリ部78Hに左側から挿入された固定部材としての固定ネジ80がヒートシンク72のネジ部72Bに螺合されて、カバーケース78がヒートシンク72に締結されている(図10(A)参照)。
【0066】
(作用効果)
次に、本実施形態のグラインダ10の作用及び効果について説明する。
【0067】
上記のように構成されたグラインダ10による加工時には、作業者が、操作レバー54をオフ位置から前側へスライドすることで、操作レバー54のスイッチ押圧部56がスイッチ52のレバー部52Bを下側へ押し倒す。これにより、スイッチ52がオンして、モータ40が停止状態から駆動状態に切替わり、モータ40の駆動によって、スピンドル32及び砥石35が回転する。よって、グラインダ10による加工材に対する研磨加工等を施すことができる。具体的には、作業者が、ハウジング20における操作レバー54よりも後側部分(主として、モータ収容部23)を把持して、加工材に対する研磨加工等を施す。
【0068】
また、モータ40の駆動時には、ファン44が回転して、吸気口26Aからハウジング20内に流入される空気流ARが発生する。空気流ARは、ハウジング20内を前側へ流れて、排気口28Bから流出される。これにより、空気流ARによって、駆動制御部60のスイッチングユニット70及びモータ40が冷却される。
【0069】
ここで、グラインダ10では、操作レバー54がモータハウジング21の前端側部分にスライド操作可能に設けられており、前後方向においてスイッチ52の少なくとも一部が操作レバー54と同じ位置に配置されている。そして、上述のように、操作レバー54の操作によってスイッチ52が作動して、モータ40が駆動状態又は停止状態に切替わる。これにより、グラインダ10では、操作レバー54の操作力をスイッチ52に伝達するためのスライドバー等の伝達部材を、ハウジング20の内部で且つ操作レバー54の後側に設ける必要がなくなる。その結果、ハウジング20における操作レバー54よりも後側部分の外径を小さくすることができる。すなわち、作業者が把持するモータ収容部23を細くして、グラインダ10の把持性能を向上することができる。したがって、グラインダ10の作業性を向上することができる。
【0070】
また、モータハウジング21には、スイッチ収容部24が設けられており、スイッチ52がスイッチ収容部24に収容されている。さらに、ファン44によって生成される空気流ARをガイドするためのファンガイド45には、スイッチ支持部45Fが設けられており、スイッチ支持部45Fがスイッチ52に当接することで、スイッチ52のスイッチ収容部24への収容状態が維持される。これにより、空気流ARをガイドするファンガイド45を活用して、スイッチ52のスイッチ収容部24への収容状態を維持することができる。換言すると、スイッチ52のスイッチ収容部24への収容状態を維持するための部材を別途設けることなく、モータハウジング21及びファンガイド45によってスイッチ52をハウジング20内に保持することができる。
【0071】
また、モータハウジング21は、分割不能な単一部材で構成されると共に、モータ40を収容する筒状のモータ収容部23と、モータ収容部23の径方向外側に張出されたファン収容部22と、を含んで構成されている。そして、スイッチ収容部24が、モータ収容部23の前端部に設けられると共に、モータ収容部23の径方向外側へ突出し、前側へ開放された凹状に形成されている。これにより、スイッチ52をスイッチ収容部24に前側から収容し、その後にファンガイド45をファン収容部22内に配置することで、スイッチ52をモータハウジング21に固定することができる。したがって、把持部であるモータハウジング21の剛性を高くしつつ、スイッチ52のモータハウジング21への組付性を向上することができる。
【0072】
また、操作レバー54は、スイッチ収容部24の外部にスライド操作可能に露出されたレバー本体55と、スイッチ収容部24の内部に配置されたスイッチ押圧部56と、を含んで構成されている。そして、レバー本体55がスライド操作されることで、スイッチ押圧部56がスイッチ52のレバー部52Bを押圧する。すなわち、操作レバー54のスイッチ押圧部56によって、操作力をスイッチ52に直接的に伝達して、スイッチ52をオン又はオフに切替える。これにより、操作レバー54に入力された操作力をスイッチ52に伝達するための部材を別途設ける必要がなくなる。したがって、グラインダ10の部品点数の削減及びコストダウンに寄与することができる。
【0073】
また、スイッチ収容部24のスライド溝部24Cは、前後方向に延在されており、スライド溝部24Cの開口部24Dが前側へ開放されている。そして、操作レバー54のスライド軸55Aがスライド溝部24Cにスライド可能に挿入されており、スライド溝部24Cの開口部24Dがファンガイド45のガイド側カバー部45Cにおける第2カバー部45C2によって閉塞されている。これにより、操作レバー54をスイッチ収容部24に前側から組付け、その後にファンガイド45をモータハウジング21に組付けることで、操作レバー54のスイッチ収容部24からの脱落を防止することができる。したがって、操作レバー54のスイッチ収容部24への組付性を向上することができる。
【0074】
また、操作レバー54のスイッチ押圧部56とファンガイド45の底壁45Aとの間には、リターンスプリング58が設けられており、リターンスプリング58によってスイッチ押圧部56が、後側へ付勢されている。これにより、操作レバー54をオフ位置に保持することができる。また、リターンスプリング58の後部が、スイッチ収容部24内に収容されている。これにより、例えば、支持ボス45Gによってリターンスプリング58の前端部を支持した状態で、リターンスプリング58の後部をスイッチ収容部24内に収容しつつ、ファンガイド45をモータハウジング21に組付けることで、リターンスプリング58をスイッチ押圧部56とファンガイド45の底壁45Aとの間に組付けることができる。したがって、リターンスプリング58の組付性を向上できる。
【0075】
また、スイッチ収容部24は、モータハウジング21のファン収容部22の外周部よりもモータ収容部23の径方向外側(左側)へ突出していない。これにより、モータ収容部23の左側への突出量が大きくなることを抑制しつつ、スイッチ52をモータハウジング21に設けることができる。これにより、左右方向におけるグラインダ10の体格の大型化を抑制しつつ、スイッチ52をモータハウジング21に設けることができる。
【0076】
また、駆動制御部60では、スイッチングユニット70が、ヒートシンク72と、複数のスイッチング素子76と、絶縁材によって構成されたカバーケース78と、を含んで構成されており、カバーケース78によって、スイッチング素子76がヒートシンク72に固定されている。具体的には、カバーケース78がヒートシンク72に組付けられることで、カバーケース78及びヒートシンク72によって、スイッチング素子76が、左右方向両側から挟持される。これにより、例えば、スイッチング素子76をヒートシンク72に固定するための固定ネジや、当該固定ネジとスイッチング素子76との間の短絡を防止するための絶縁材等を設ける必要がなくなる。したがって、本実施形態のグラインダ10では、コストダウンに寄与しつつ、スイッチング素子76をヒートシンク72に固定することができる。
【0077】
また、カバーケース78は、複数(本実施形態では3個)のスイッチング素子76を収容可能に構成されており、カバーケース78によって複数のスイッチング素子76をヒートシンク72に固定することができる。このため、スイッチングユニット70の部品点数の増加を抑制しつつ、複数のスイッチング素子76をまとめてヒートシンク72に固定することができる。したがって、グラインダ10のコストダウンに一層寄与することができると共に、スイッチングユニット70の組立性を向上することができる。
【0078】
また、カバーケース78には、複数の係合フック78Eが設けられており、係合フック78Eのフック部78E2がヒートシンク72の係合凹部72Cに係合することで、カバーケース78及びヒートシンク72によってスイッチング素子76を左右方向両側から挟持する。このため、簡易な構成で、カバーケース78をヒートシンク72に組付けて、カバーケース78及びヒートシンク72によって、スイッチング素子76を左右方向両側から挟持することができる。
【0079】
また、前後方向において、係合フック78Eが複数のスイッチング素子76の間に配置されている。これにより、絶縁シート74を介したスイッチング素子76のヒートシンク72への密着性を良好に維持することができる。
【0080】
また、スイッチング素子76がヒートシンク72及びカバーケース78によって覆われている。具体的には、カバーケース78には、嵌合凹部78Aが設けられており、スイッチング素子76が嵌合凹部78A内に嵌め込まれると共に、ヒートシンク72によって嵌合凹部78Aが閉塞されている。これにより、スイッチング素子76に対する防塵性を向上することができる。しかも、上述のように、スイッチング素子76が嵌合凹部78A内に嵌め込まれるため、スイッチング素子76を仮保持した状態のカバーケース78をヒートシンク72に組付けることができる。したがって、スイッチングユニット70の組立性を一層向上することができる。
【0081】
また、カバーケース78における嵌合凹部78Aの下側収容部78A3には、素子用ボス78Bが設けられており、素子用ボス78Bがスイッチング素子76の素子側孔部76C内に嵌入される。これにより、スイッチング素子76のカバーケース78に対する位置を素子用ボス78B及び素子側孔部76Cによって決定することができる。したがって、スイッチング素子76のカバーケース78への組付性を向上することができる。
【0082】
また、絶縁シート74には、シート側孔部74Aが形成されており、カバーケース78には、シート側孔部74Aに嵌入されるシート用ボス78Dが設けられている。これにより、絶縁シート74を位置決めしつつ、絶縁シート74をカバーケース78に組付けることができる。したがって、絶縁シート74のカバーケース78への組付性を向上することができる。
【0083】
また、ヒートシンク72には、嵌合孔72Aが形成されており、シート用ボス78Dが嵌合孔72Aに嵌入される。これにより、シート用ボス78Dによって、カバーケース78のヒートシンク72に対する位置を決定することができる。
【0084】
また、固定ネジ80によってカバーケース78がヒートシンク72に締結されている。これにより、固定ネジ80による締付力がスイッチング素子76に作用するため、絶縁シート74を介したスイッチング素子76のヒートシンク72への密着性を一層向上することができる。したがって、スイッチング素子76に対するヒートシンク72の放熱性を一層向上することができる。
【0085】
また、固定ネジ80は、複数のスイッチング素子76の間に配置されている。このため、部品点数の増加の抑制を図りつつ、固定ネジ80による締付力をスイッチング素子76に効果的に作用させることができる。
【0086】
(スイッチ機構50の変形例1について)
次に、図12(A)及び(B)を用いて、スイッチ機構50の変形例1について説明する。なお、図12では、本実施形態のスイッチ機構50と同様に構成されている部材に同一の符号を付している。
【0087】
図12(A)及び(B)に示されるように、スイッチ機構50の変形例1では、スイッチ52がファン44の径方向外側(左側)に位置している。すなわち、スイッチ52及びスイッチ収容部24が、本実施形態と比べて、前側且つ左側に位置している。これに対応して、ファンガイド45のガイド側カバー部45Cが、本実施形態と比べて前側且つ左側に位置している。また、ギヤケース28の後端部の左側部には、後側へ開放された切欠部28Cが形成され、ガイド側カバー部45Cが切欠部28C内に配置されている。
【0088】
そして、スイッチ機構50の変形例1においても、前後方向において、スイッチ52の少なくとも一部が操作レバー54と同じ位置に配置されている。このため、本実施形態と同様に、作業者が把持するモータ収容部23を細くして、グラインダ10の把持性能を向上することができる。したがって、グラインダ10の作業性を向上することができる。
【0089】
また、スイッチ機構50の変形例1では、上述のように、スイッチ52がファン44の径方向外側(左側)に位置している。すなわち、スイッチ52及びスイッチ収容部24が、本実施形態と比べて、前側且つ左側に位置している。このため、モータハウジング21におけるスイッチ収容部24よりも後側部分の前後長さを、本実施形態と比べて長くすることができる。すなわち、作業者が把持するモータ収容部23の長さを本実施形態と比べて長くすることができる。したがって、グラインダ10の作業性を一層向上することができる。
【0090】
(スイッチ機構50の変形例2について)
次に、図13(A)及び(B)を用いて、スイッチ機構50の変形例2について説明する。なお、図13では、本実施形態のスイッチ機構50と同様に構成されている部材に同一の符号を付している。
【0091】
図13(A)及び(B)に示されるように、スイッチ機構50の変形例2では、照明装置90が、操作レバー54の前側で且つギヤケース28の後端部に設けられている。照明装置90は、ファンガイド45におけるガイド側カバー部45Cに組付けられて、ファンガイド45に保持されると共に、ギヤケース28の外部へ視認可能に露出されている。
【0092】
照明装置90は、照明基板94と、照明基板94を保持するホルダ92と、を含んで構成されている。ホルダ92は、光を透過可能な樹脂材にて構成されると共に、全体として、左右方向を板厚方向とする略矩形板状に形成されている。ホルダ92の前部は、ホルダ本体92Aとして構成され、ホルダ92の後部が、取付片92Bとして構成されている。そして、取付片92Bがファンガイド45の第1カバー部45C1に組付けられている。具体的には、第1カバー部45C1には、前側へ開放された取付凹部45Hが形成されており、取付片92Bが取付凹部45Hに前側から取付けられて、ファンガイド45に保持されている。ホルダ本体92Aは、第1カバー部45C1から前側へ突出している。また、ギヤケース28の後端部の左側部には、左側及び後側へ開放された露出凹部28Dが形成され、ホルダ本体92Aが露出凹部28D内に配置されている。
【0093】
照明基板94は、前後方向を板厚方向として、ホルダ本体92Aの内部において、ホルダ92に保持されている。照明基板94の前面には、図示しないLED等の光源が設けられており、光源が駆動制御部60に電気的に接続されている。光源によって発光された光はホルダ本体92Aから前側へ照射されて、当該光によってスピンドル32の下端部周辺(すなわち、砥石35の周辺)が照明される構成になっている。
【0094】
そして、スイッチ機構50の変形例2においても、前後方向において、スイッチ52の少なくとも一部が操作レバー54と同じ位置に配置されている。このため、本実施形態と同様に、作業者が把持するモータ収容部23を細くして、グラインダ10の把持性能を向上することができる。したがって、グラインダ10の作業性を向上することができる。
【0095】
また、スイッチ機構50の変形例2では、操作レバー54の前側に照明装置90が設けられており、照明装置90によってスピンドル32の下端部周辺が照明される。また、照明装置90は、ホルダ92を有しており、ホルダ92の取付片92Bがファンガイド45に組付けられて保持されている。したがって、ファンガイド45によって、スイッチ52を支持しつつ、照明装置90のホルダ92を保持することができる。
【0096】
また、照明装置90は、操作レバー54の前側に配置されている。よって、照明装置90及びスイッチ52を集約して配置することができる。したがって、照明装置90から延出される配線とスイッチ52から延出される配線とを、まとめてモータハウジング21内に配策することができる。
【0097】
(スイッチングユニット70の変形例について)
次に、図14(A)及び(B)と図15とを用いて、スイッチングユニット70の変形例について説明する。図14図15に示されるように、変形例のスイッチングユニット70は、左右方向に2分割されている。すなわち、スイッチングユニット70は、左右一対の分割スイッチングユニット70Aによって構成されており、分割スイッチングユニット70Aが、左右対称に構成されている。以下、右側の分割スイッチングユニット70Aを用いて分割スイッチングユニット70Aの構成について説明する。なお、図14及び図15では、本実施形態のスイッチングユニット70と同様に構成された部材については、同一の符号を付している。
【0098】
分割スイッチングユニット70Aは、ヒートシンク72と、絶縁シート74と、3個のスイッチング素子76と、カバーケース78と、を含んで構成されている。
【0099】
ヒートシンク72は、左右方向を板厚方向とする略矩形板状に形成されている。ヒートシンク72の右側面(左右方向外側面)には、複数のフィン72Dが形成されている。フィン72Dは、前後方向に延在されたリブ状に形成されており、複数のフィン72Dが上下方向に所定の間隔を空けて並んでいる。ヒートシンク72には、本実施形態と同様に前後一対の嵌合孔72Aと、前後一対のネジ部72Bと、が設けられている。上側のフィン72D及び下側のフィン72Dには、それぞれ4箇所の係合凹部72Cが形成されており、係合凹部72Cは、上側から見て、右側へ開放された凹状に形成されている。
【0100】
絶縁シート74は、ヒートシンク72の左側に隣接して配置されている。スイッチング素子76は、本実施形態と比べて、左右方向に反転した姿勢で配置されて、絶縁シート74の左側に隣接して配置されている。
【0101】
カバーケース78は、本実施形態のスイッチングユニット70と比べて、左右方向に反転した姿勢で配置されている。分割スイッチングユニット70Aに用いられるカバーケース78では、カバーケース78の上端部にも、4箇所の係合フック78Eが形成されている。すなわち、8箇所の係合フック78Eがカバーケース78に形成されている。具体的には、変形例では、突当部78Fの代わりに係合フック78Eがカバーケース78に形成されており、カバーケース78から右側へ突出した部分が係合フック78Eとして構成されている。また、変形例では、係合フック78Eにおけるアーム部78E1の長さが本実施形態と比べて長く設定されている。
【0102】
そして、変形例のスイッチングユニット70においても、カバーケース78がヒートシンク72に組付けられることで、カバーケース78及びヒートシンク72によって、スイッチング素子76が、左右方向両側から挟持されて、ヒートシンク72に固定されている。したがって、変形例のスイッチングユニット70においてもコストダウンに寄与しつつ、スイッチング素子76をヒートシンク72に固定することができる。
【0103】
なお、本実施形態のスイッチングユニット70においても、変形例と同様に、4箇所の係合フック78Eをカバーケース78の上端部に設けてもよい。この場合には、4箇所の係合凹部72Cをヒートシンク72の上面に形成して、係合フック78Eがヒートシンク72の上端部に係合するように構成してもよい。
【0104】
また、スイッチング素子76のヒートシンク72への密着性を向上するという点では、固定ネジ80によってカバーケース78をヒートシンク72に締結することが好ましいが、スイッチングユニット70(変形例を含む)において、固定ネジ80を省略してもよい。この場合でも、係合フック78Eによってカバーケース78をヒートシンク72に係合させた状態で組付けることで、スイッチング素子76をヒートシンク72に固定することができる。
【0105】
また、本実施形態のスイッチ機構50では、前後方向において、スイッチ52の少なくとも一部が操作レバー54と同じ位置に配置されているが、スイッチ52が操作レバー54よりも前側に位置するように構成してもよい。また、この場合には、操作レバー54のスライド操作に連動する部材によって、スイッチ52のオンオフを切替える構成にしてもよい。
【0106】
また、本実施形態のスイッチ機構50では、スイッチ52を収容するスイッチ収容部24をモータハウジング21に設け、スイッチ52を前側から支持するスイッチ支持部45Fをファンガイド45に設けているが、スイッチ収容部をファンガイド45に設けて、スイッチ支持部をモータハウジング21に設けてもよい。この場合は、スイッチ収容部を後側へ開放された凹状に設定して、モータハウジング21のスイッチ支持部によってスイッチ52を後側から支持してもよい。
【符号の説明】
【0107】
10 ディスクグラインダ(作業機)
21 モータハウジング
22 ファン収容部
23 モータ収容部
24 スイッチ収容部
24C スライド溝部
28 ギヤケース(ケース)
32 スピンドル
40 モータ
40B ロータ
40C ステータ
44 ファン
45 ファンガイド
45C ガイド側カバー部(カバー部)
52 スイッチ
54 操作レバー(操作部)
55 レバー本体
55A スライド軸
56 スイッチ押圧部
58 リターンスプリング(付勢部材)
90 照明装置
図1
図2
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図15