IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社横山基礎工事の特許一覧

<>
  • 特開-鋼管類打設方法、姿勢保持装置 図1
  • 特開-鋼管類打設方法、姿勢保持装置 図2A
  • 特開-鋼管類打設方法、姿勢保持装置 図2B
  • 特開-鋼管類打設方法、姿勢保持装置 図2C
  • 特開-鋼管類打設方法、姿勢保持装置 図2D
  • 特開-鋼管類打設方法、姿勢保持装置 図2E
  • 特開-鋼管類打設方法、姿勢保持装置 図3
  • 特開-鋼管類打設方法、姿勢保持装置 図4A
  • 特開-鋼管類打設方法、姿勢保持装置 図4B
  • 特開-鋼管類打設方法、姿勢保持装置 図5
  • 特開-鋼管類打設方法、姿勢保持装置 図6
  • 特開-鋼管類打設方法、姿勢保持装置 図7
  • 特開-鋼管類打設方法、姿勢保持装置 図8
  • 特開-鋼管類打設方法、姿勢保持装置 図9
  • 特開-鋼管類打設方法、姿勢保持装置 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095441
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】鋼管類打設方法、姿勢保持装置
(51)【国際特許分類】
   E02D 13/04 20060101AFI20240703BHJP
   E02D 27/32 20060101ALI20240703BHJP
   E02D 13/00 20060101ALI20240703BHJP
   E02D 27/12 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
E02D13/04
E02D27/32 Z
E02D13/00
E02D27/12 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022212726
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】593187397
【氏名又は名称】株式会社横山基礎工事
(74)【代理人】
【識別番号】100166039
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 款
(72)【発明者】
【氏名】横山 弘介
【テーマコード(参考)】
2D046
2D050
【Fターム(参考)】
2D046CA07
2D046DA05
2D050AA06
2D050EE10
2D050EE12
(57)【要約】
【課題】桟橋施工において張り出すように設置した桟橋パネルが設計位置から外れないようにその姿勢を安定させる鋼管類打設方法を提供する。
【解決手段】本発明の鋼管類打設方法は、片持ち状に張り出すように桟橋パネルを設置する工程と、片持ち状に張り出した桟橋パネルを利用して支持杭Pを打設する工程と、を繰り返して橋梁を構築する方法に関するものである。この方法において、はじめに、ガイド部3を備えた新設の桟橋パネル1を片持ち状に張り出すように設置する。次いで、片持ち状に張り出した桟橋パネル1が支持杭打設時に設計位置から外れないように、当該桟橋パネル1の姿勢を保持するための姿勢保持装置5を設置する。また、桟橋パネル1のガイド部3に支持杭打設装置4を設置する。そして、片持ち状に張り出した桟橋パネル1を、姿勢保持装置4により設計位置に保持した状態で、支持杭Pを支持杭打設装置4により地盤に打設する。
【選択図】図2E
【特許請求の範囲】
【請求項1】
片持ち状に張り出すように設置した梁構造を利用して鋼管類を打設する方法において、
打設する鋼管類を地盤方向にガイド可能なガイド部を備えた梁構造を、片持ち状に張り出すように設置する工程と、
片持ち状に張り出した前記梁構造が鋼管類打設時に設計位置から外れないように、当該梁構造の姿勢を保持するための姿勢保持装置を設置する工程と、
前記梁構造のガイド部に、鋼管類打設装置を設置する工程と、
片持ち状に張り出した前記梁構造を、前記姿勢保持装置により設計位置に保持した状態で、前記鋼管類を前記鋼管類打設装置により地盤に打設する工程と、
を含むことを特徴とする鋼管類打設方法。
【請求項2】
片持ち状に張り出すように設置された梁構造の荷重の一部を支えるための支持装置を設置して、梁構造の荷重の一部を前記支持装置で支える、ことを特徴とする請求項1に記載の鋼管類打設方法。
【請求項3】
請求項1に記載の鋼管類打設方法で用いる姿勢保持装置であって、
姿勢保持装置を既設の資機材足場構造に対し連結設置するための第一の連結手段と、
姿勢保持装置を梁構造に対し連結設置するための第二の連結手段と、を有しており、
前記第一の連結手段と第二の連結手段の何れか一方または両方は、ステー構造を有しており、
梁構造が片持ち状に張り出すように設置された状態で、前記ステー構造が片持ち状に張り出した前記梁構造の姿勢を保持する、
ことを特徴とする姿勢保持装置。
【請求項4】
前記ステー構造が伸縮機構を具備しており、
梁構造が片持ち状に張り出すように設置された状態で、前記伸縮機構を作動させることで、片持ち状に張り出した前記梁構造の姿勢を調整する、
ことを特徴とする請求項3に記載の姿勢保持装置。
【請求項5】
請求項3または4記載の姿勢保持装置を用いた鋼管類打設方法であって、
姿勢保持装置の第一の連結手段を既設の資機材足場構造に対し連結設置する工程と、
前記第一の連結手段設置の後に、姿勢保持装置の第二の連結手段を梁構造に対し連結設置する工程と、
を含むことを特徴とする鋼管類打設方法。
【請求項6】
請求項3または請求項4記載の姿勢保持装置を用いた鋼管類打設方法であって、
既設の資機材足場構造が、既設の梁構造である、ことを特徴とする鋼管類打設方法。
【請求項7】
請求項5記載の鋼管類打設方法で用いる姿勢保持装置であって、
前記第二の連結手段を取付る際に利用可能な作業足場を具備している、
ことを特徴とする姿勢保持装置。
【請求項8】
請求項1、請求項2、または請求項5記載の鋼管類打設方法を用いた橋梁構築方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼管類打設方法と、それを利用した橋梁の構築方法とに関するものである。なお、この出願で言及する「鋼管類」は、地盤に一時的ないし恒久的に打ち込まれるないし埋設される鋼管類であって、掘削用ケーシングから鋼管杭、鋼管矢板などの支持杭や壁体を構成する管状杭、および各種立坑を形成する鋼管などを含み、「打設」は「鋼管類」を対象地盤に打ち込むないし埋設すること、および杭を地盤に造成することを含み、「橋梁」には、桟橋、仮桟橋、工事用道路、作業構台、災害復旧時の応急橋、人工地盤、その他の橋の様な構造物などが含まれる。
【背景技術】
【0002】
起伏にとんだ我が国の土木事業では、本発明が使用する梁構造の一例として、桟橋、工事用道路、作業構台、災害復旧時の応急橋などの橋梁構築分野において、例えば斜張式設備を利用して上部工をなす梁構造を先行して片持ち状に取り付けるといった施工方法が提案されている。特許文献1には、そのような斜張式の桟橋構築方法が開示されている。
【0003】
(従来の桟橋構築方法の概要)
図7図8に基づいて、従来の桟橋構築方法について説明する。
図7は従来の桟橋構築方法を示す斜視図であって、桟橋の梁構造をなす桟橋パネル1をクレーンで運搬して、設計位置(桟橋構築済み部分に対する連結位置)の近くで吊り降ろしている様子を示している。
図8は、図7の後工程を示す斜視図であって、片持ち状に延設した桟橋パネル1(桟橋の梁構造)をガイドに利用し、橋脚をなす支持杭P(鋼管杭)を地盤に打ち込んでいる様子を示している。
【0004】
特許文献1に開示された桟橋構築方法では、はじめに図7に示すように、桟橋構築済み部分からなる資機材足場構造上に移動式クレーンを用意し、該クレーンで桟橋パネル1を吊り込んで、延設地点(桟橋構築済み部分の先端位置)の近傍へ運搬する。この桟橋パネル1は、桟橋完成後に上部構造の一部として機能し得る「上部構造構成部材(桟橋の梁構造)」であるとともに、図8に示すように支持杭Pの打設時においては「杭ガイド手段」として機能する部材である。
【0005】
桟橋の梁構造をなす桟橋パネル1は、打設時に支持杭Pを地盤へガイドする筒状のガイド部3(杭頭固定管)と、次段の桟橋パネルの基端に対して連結される連結部15を有している。筒状のガイド部3は、打設する支持杭Pを挿通させるための挿通孔(ガイドホール)を有している。
【0006】
図7に示すようにクレーンで運搬してきた桟橋パネル1を、図8に示すように桟橋構築済み部分の先頭にある既設桟橋パネル1’に対し連結して、桟橋構築済み部分から張り出すように片持ち状に取り付ける。なお、資機材足場構造の一部である既設桟橋パネル1’は、新設の桟橋パネル1と同じ構造を具備していて、桟橋構築済み部分の梁構造を構成している。
【0007】
図8に示す状態において、桟橋構築済み部分から張り出すように延設された桟橋パネル1は、ワイヤロープ31を介して丈の長い突出構造を成す柱状構造物(柱体)である反力ポール32の上端部に連結されている。この反力ポール32は、桟橋構築済み部分の先端側において、資機材足場構造の一部である既設桟橋パネル1’上に突出するように直立状態で固定されており、更に後方で斜め方向に張設したバックステー33によって反力の補強が図られている。
【0008】
延設した桟橋パネル1を、図8に示すようにワイヤロープ31を介して反力ポール32に連結することで、該桟橋パネル1の荷重が桟橋構築済み部分側に預けられる。つまり、反力ポール32やワイヤロープ31を利用して、桟橋構築済み部分側から桟橋パネル1を斜張式に吊り込んでいる。
【0009】
そして前述したとおり、立設した丈の長い反力ポール32により桟橋パネル1を斜め方向から吊った状態が確保されたら、次に図8に示すように、橋脚を成す管状の支持杭Pを、片持ち状に延設した桟橋パネル1でガイドしながら、打設予定位置の地盤上にセットする。このとき、支持杭打設装置8のドリルロッドは、支持杭Pの内空部を貫いており、更に、支持杭Pの先端からはドリルロッドの先端ビット(ハンマービット)が突き出ている。
【0010】
続いて、支持杭打設装置8で対象地盤を回転掘削しつつ、同時に打撃力で支持杭Pの打ち込みを行う。そして、打設した支持杭Pの頭部を桟橋パネル1に固定して、支持杭Pの頭部と桟橋パネル1の両者を一体化させる。
【0011】
図示する例では、1つの桟橋パネル1を延設する毎に3本の支持杭Pを横並びに打設して、これらの杭頭部を延設した桟橋パネル1の先端側に固定して一体化させる。このように、打設した複数本の支持杭Pの頭部に桟橋パネル1を固定することで、桟橋パネル1の荷重が支持杭Pによって支えられる。これらの工程を経て、1支間長分(桟橋パネル1枚分)の上部構造及び下部構造の拡張作業が完了する。
【0012】
なお、打設した支持杭Pと桟橋パネル1を一体化させたら、この新設桟橋パネル1からワイヤロープ31を切り離し、更に反力ポール32とバックステー33を既設桟橋パネル1’から取り外す。そして、取り外した反力ポール32とバックステー33は、今回新設した桟橋パネル1に付け直して、次回延設する桟橋パネルを斜めに吊るための斜張式設備として再利用する。
【0013】
そして、上述した工程を繰り返して、支持杭で支持される桟橋パネルを拡張方向に延設し続けることにより桟橋全体を完成させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特許第3211673号公報
【特許文献2】特開2013-147926号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
近年では、工期短縮、施工コスト縮減、環境保全など見地から、コストと時間を最も要する桟橋支持杭の杭打ち工程を短縮することが求められており、そのためには、構築する桟橋の支間長(支持杭の打設間隔)を長くとる必要がある。すなわち、鋼管杭を使用する場合には、大径で長尺の杭を長支間で打ち込むことが求められている。
【0016】
また、構造物の老朽化に伴い、各種河川・ダム湖内の各種構造物や護岸の工事や、海洋橋梁などの海洋構造物の構築工事などで、河床、湖底、海底などの硬質地盤や転石などの障害物、岩盤の介在他、様々な施工条件で導材の設置が困難な現場で、各種構造物基礎工事や締切工事で鋼管杭などの基礎杭や鋼管矢板の打設が求められている。
【0017】
かかる要求に応えるべく、特許文献2では、片持ち状に張り出した桟橋パネル(桟橋の梁構造)を杭打ち用のガイドとして用いる桟橋構築方法において、図9に示すように、支持杭Pを把持し地盤に圧入する機能を持った回転圧入装置4を、片持ち状に張り出した桟橋パネル1の先端部に固定して、この回転圧入装置4と中掘り装置5を併用して支持杭Pを打設することが提案されている。
【0018】
特許文献2によれば、回転圧入装置4を用いた支持杭Pの圧入過程では、打設する支持杭Pが杭心ずれを起こさないように、時折り当該支持杭を上下動させる。すなわち、圧入途中における支持杭Pの引き抜きを繰り返しながら、当該支持杭を目標深度まで打ち込むようにする。
【0019】
しかしながら、片持ち状の梁構造を杭打ちガイドとして用いる桟橋構築方法において「回転圧入装置」を用いる場合には、回転圧入装置の作動時(支持杭の圧入時、引き抜き時)の反力が片持ち状の梁構造に作用する。この片持ち状の梁構造は、片側は桟橋構築済み部分によって保持されているが、その逆側はまだ固定されていないため、外力に対して不安定である。したがって、図10に示す様に、回転圧入装置4の作動時の反力を受けて、片持ち状の梁構造1が上下方向に大きく撓み(上に向かって浮き上がる又は下に向かって撓む)、その位置が予め定めた設計位置が大きく外れ、桟橋の施工品質を大幅に低下させるといった重大な問題があった。
【0020】
また、近年における桟橋支間長(支持杭の打設間隔)の長尺化の要求に応じて、一支間長分の「桟橋の梁構造」は20mを超えるサイズになり、著しく長大化している。そして、桟橋の梁構造の長大化に伴って、施工中の片持ち状態の梁構造は容易に撓んでしまうようになった。そのため、桟橋支間長の長尺化によって、片持ち状に張り出した「桟橋の梁構造」がその長尺さ故に不安定になって、強風時や支持杭打設時の反力や振動等の影響によって梁構造が設計位置から大きく外れ、桟橋の施工品質を大幅に低下させるといった重大な問題があった。
【0021】
更に、上述のような杭の回転圧入などによる打設作業に伴う片持ち状の梁構造に生ずる様々な外力や、長支間化による部材の大型化や大重量化は、従来の桟橋構築方法においては、チェーンブロックのような線材により設計位置から外れないように当該新設の片持ち状の不安定な梁構造の姿勢を調整~保持する作業や、その梁構造を杭打ちのガイドとする杭打設姿勢の矯正~鉛直性保持などの品質確保のための各工程の付帯作業が高難度化し、安全確保が困難となっているという重大な問題を引き起こしていた。
【0022】
そこで上述した従来技術の問題点に鑑み、本発明の目的は、例えば施工中の資機材足場構造となる橋梁完成部分から張り出すように設置した梁構造(例えば桟橋施工で用いる桟橋パネル)が設計位置から外れることが無いように、その姿勢を安定させることを可能にする、鋼管類打設方法とこの方法で用いる姿勢保持装置を提供することにある。
【0023】
なお、この出願で言及する「資機材足場構造」とは、上記仮桟橋や本設の橋梁など施工現場の橋梁完成部分、すなわち本発明によって構築された既設の梁構造、などの片持ち状で張り出す新設の梁構造が連結・固定される支持構造であり、他にも、水上工事でクレーン設備の足場となる台船(クレーン付き台船や自己昇降式台船)ないしその甲板のような水上足場や、完成した梁構造上部の床面への乗り入れの起点に位置する護岸構造などを含んだ人工的に構築、設営、設置された、鋼管類を打設するためのクローラクレーン、杭打ち機などの関連の全ての資機材用の足場を構成する構造を指す。
なお、上記「資機材足場構造」は、その構造の目的上、各種の作業員等の足場として機能していることは、もちろんのことである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
上記目的は、片持ち状に張り出すように設置した梁構造を利用して鋼管類を打設する方法において、打設する鋼管類を地盤方向にガイド可能なガイド部を備えた梁構造を、片持ち状に張り出すように設置する工程と、片持ち状に張り出した前記梁構造が鋼管類打設時に設計位置から外れないように、当該梁構造の姿勢を保持するための姿勢保持装置を設置する工程と、前記梁構造のガイド部に、鋼管類打設装置を設置する工程と、片持ち状に張り出した前記梁構造を、前記姿勢保持装置により設計位置に保持した状態で、前記鋼管類を前記鋼管類打設装置により地盤に打設する工程と、を含むことを特徴とする鋼管類打設方法により達成される。
【0025】
また、前述した目的は、片持ち状に張り出すように設置された梁構造の荷重の一部を支えるための支持装置を設置して、梁構造の荷重の一部を前記支持装置で支える、ことにより達成される。
【0026】
また、前述した目的は、上記鋼管類打設方法で用いる姿勢保持装置であって、
姿勢保持装置を梁構造に対し連結設置するための連結手段を有しており、
前記連結手段は、ステー構造を有しており、
梁構造が片持ち状に張り出すように設置された状態で、前記ステー構造が片持ち状に張り出した前記梁構造の姿勢を保持する、ことを特徴とする姿勢保持装置により達成される。
【0027】
また、前述した目的は、上記鋼管類打設方法で用いる姿勢保持装置であって、姿勢保持装置を既設の資機材足場構造に対し連結設置するための第一の連結手段と、姿勢保持装置を梁構造に対し連結設置するための第二の連結手段と、を有しており、前記第一の連結手段と第二の連結手段の何れか一方または両方は、ステー構造を有しており、梁構造が片持ち状に張り出すように設置された状態で、前記ステー構造が片持ち状に張り出した前記梁構造の姿勢を保持する、ことを特徴とする姿勢保持装置により達成される。
【0028】
上記姿勢保持装置において、ステー構造は伸縮機構を具備しており、梁構造が片持ち状に張り出すように設置された状態で、前記伸縮機構を作動させることで、片持ち状に張り出した前記梁構造の姿勢を調整する。
【0029】
また、前述した目的は、上記姿勢保持装置を用いた鋼管類打設方法であって、
姿勢保持装置の第一の連結手段を既設の資機材足場構造に対し連結設置する工程と、
前記第一の連結手段設置の後に、姿勢保持装置の第二の連結手段を梁構造に対し連結設置する工程と、を含むことを特徴とする鋼管類打設方法により達成される。
【0030】
また、前述した目的は、上記姿勢保持装置を用いた鋼管類打設方法であって、既設の資機材足場構造が、既設の梁構造であることを特徴とする鋼管類打設方法により達成される。
【0031】
また、前述した目的は、上記鋼管類打設方法で用いる姿勢保持装置であって、前記第二の連結手段を取付る際に利用可能な作業足場を具備している、ことを特徴とする姿勢保持装置により達成される。
【0032】
また、前述した目的は、上記鋼管類打設方法を用いた橋梁構築方法により達成される。
【発明の効果】
【0033】
本発明では、片持ち状に張り出した梁構造を、姿勢保持装置(例えば油圧シリンダ付きフロントステーなどの伸縮機構を具備する装置)により設計位置に保持した状態で、鋼管類打設装置(回転圧入装置)を用いて支持杭を地盤に打設する。そのため、例えばパイプ(シリンダー)状の大きい閉断面の部材などで荷重を支持できる構造の油圧駆動装置としたことにより、姿勢保持装置は、曲げや圧縮に対して十分な強度を有することで、片持ち状に張り出した梁構造が設計位置から外れないように、当該梁構造の姿勢を堅固に保持する。したがって、本発明では、鋼管類打設装置による押し込みや引き抜きのための反力が、梁構造と姿勢保持装置を通じて確保されている。つまり、鋼管類打設の過程で、梁構造が設計位置から外れることが無く、その姿勢が安定する。また、従来のようなチェーンブロック操作などに伴う負荷の高い人力作業や、片持ち状の新設梁構造の設計位置保持のための調整や、杭打設姿勢の矯正~鉛直性保持の作業などの各種付帯作業も削減できるようになり、長支間化や大重量化に伴う高難度工事に対して作業性の高い安全な施工を行える。
更に、フロントステー(第二の連結手段)、バックステー(第一の連結手段)からなる姿勢保持装置は、従来のチェーンブロック、ワイヤー等の線材による連結手段に比べて、単純な(例えばパイプ、鋼棒などで構成される)形状で大断面の、従って高強度のステー部材を採用することが容易で、大きな引張力により片持ち状に張り出した梁構造を支持することができる。
そのため、低空頭施工など様々な施工上の要請に応じて、姿勢保持装置の高さが低い、すなわち、第一、第二の連結手段を繋ぎ、支持する反力ポール(突出構造/柱状構造物)の丈が低く(突出量が小さく)、斜材を成す第一、第二の連結手段の角度を小さくした(水平に近づけた)構造を比較的安価に確保することができる。すなわち、姿勢保持装置にステー構造を採用することで、姿勢保持装置の丈を低く設定することができ、その結果、例えば低空頭施工などの要請に応じることが可能になる。
【0034】
また、第一、第二の連結手段となるステー構造が夫々(または何れか一方が)伸縮機構を有していることにより、それら連結手段と既設の資機材足場構造および梁構造に連結する位置を、様々な(例えば、資機材足場構造や梁構造の形状や支間長、各種作業時の荷重条件などの)固有の施工条件に応じて、伸縮機構の可動範囲の中で、自由に選択し連結して施工を行えるようになり、第一、第二の連結手段乃至姿勢保持装置の個体としての拡張性や汎用性を向上させることができる。
【0035】
また、本発明では、姿勢保持装置(例えば油圧シリンダなどの伸縮機構付きフロントステー乃至バックステー)と支持装置(チェーンブロックや反力ポールなどの組合せ)を併用する。これにより、(例えば既設の資材構造足場構造に連結固定した直後の)片持ち状に張り出された梁構造に対して、第二の連結手段であるフロントステーが施工手順の上で後付けされる際に一時的に生じる第二の連結手段が不在の状態―すなわち姿勢保持装置の機能が発現する前の状態―において、予め支持装置により一時的に梁構造を支持することができ、また、姿勢保持装置が作動し梁構造の姿勢を保持する機能が発現した後は、姿勢保持装置の負荷が軽減され、当該装置により高さ位置を微調整することができる。
更に、姿勢保持装置が何らかの不調を来した際にも、支持装置により、梁構造の支持状態を安全に維持することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】桟橋構築方法で利用可能な桟橋の梁構造(桟橋パネル)の一例を示す平面図である。
図2A】鋼管類打設方法および橋梁構築方法の一例である桟橋構築方法の施工時の装置構成を示す側面図(概念図)である。
図2B】鋼管類打設方法および橋梁構築方法の一例である桟橋構築方法の施工時の装置構成を示す側面図(概念図)であって、支持装置の構成を示している。
図2C】鋼管類打設方法および橋梁構築方法の一例である桟橋構築方法の施工時の装置構成を示す側面図(概念図)であって、姿勢保持装置の構成を示している。
図2D】鋼管類打設方法および橋梁構築方法の一例である桟橋構築方法の施工時の装置構成を示す側面図(概念図)であって、支持杭打設装置の設置状況を示している。
図2E】橋梁構築方法の一例である桟橋構築方法の施工時の装置構成を示す側面図(概念図)であって、支持杭を支持杭打設装置4とガイド部3を介して地盤の上に建て込んだ立設状況を示している。
図3】姿勢保持装置の構成を示す側面図である。
図4A】姿勢保持装置の設置手順の一例を示す側面図である(足場構造を具備する反力ポールの上面図を上段に示す)。
図4B】姿勢保持装置の設置手順の一例を示す側面図である(足場構造を具備する反力ポールの上面図を上段に示す)。
図5】桟橋構築方法で利用可能な支持杭打設装置として機能する鋼管類打設装置の一例(回転圧入装置)を示す図である。
図6】桟橋施工における姿勢保持装置の機能作用を示す側面図である。
図7】従来の桟橋構築方法を示す斜視図であって、桟橋の梁構造をなす桟橋パネルを、クレーンで運搬して所定位置(延設予定位置)に吊り降ろしている様子を示している。
図8図7の後工程を示す斜視図であって、桟橋構築済み部分から張り出すように延設した桟橋パネルを杭ガイドとして利用しつつ、支持杭となる鋼管類を打設している様子を示している。
図9】従来の桟橋構築方法を示す側面図である。
図10図9に示す従来の桟橋構築方法における課題を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明の鋼管類打設方法は、その一例である桟橋架設工法においては、橋梁完成部分から片持ち状に張り出した梁構造を利用して支持杭となる鋼管類を打設するといった特徴を含む鋼管類打設方法である。
【0038】
(鋼管類打設方法で用いる梁構造)
はじめに、鋼管類打設方法で用いる梁構造について説明する。
以下、鋼管類打設方法の一例として桟橋構築方法を挙げるとともに、構築する橋梁の一例として桟橋を挙げ、また、桟橋構築方法で用いる梁構造(上部構造構成部材)の一例として桟橋パネルを挙げる。
【0039】
本実施形態の桟橋構築方法では、図1に示すような桟橋パネル1を用いる。この桟橋パネル1は、図7図9に示す従来技術で使う桟橋パネルと同様に、桟橋の梁構造(上部構造構成部材)として機能し得る部材である。
【0040】
本実施形態で用いる桟橋パネル1(桟橋の梁構造)は、図1に示すように、主として、平面視略格子状のメインフレーム11(梁)と、該メインフレームに連結された横桁12(梁)とで構成されている。
【0041】
梁として機能するメインフレーム11は、主桁・横桁としての機能を具備する平面視略格子状の部材である。このメインフレーム11は、資機材足場構造となる前段の既設桟橋パネル(桟橋構築済み部分の先頭部)に対して連結される連結部14を有している。
【0042】
梁として機能する横桁12は、打設時に支持杭となる鋼管類(以降本実施形態における機能である支持杭と記載する)を地盤へガイドする筒状の複数のガイド部3(杭頭固定管)と、次段のメインフレームに対して連結される連結部15を有している。
【0043】
筒状のガイド部3は、打設する橋脚用支持杭を地盤方向にガイドする役割を担うものであり、当該支持杭を挿通させるための挿通孔(ガイドホール)を有している。支持杭の打設後は、ガイド部3は、杭頭固定管として機能する。
【0044】
(鋼管類打設方法/桟橋構築方法)
次に、鋼管類打設方法の一例であって、上述した桟橋パネル(桟橋の梁構造)を用いた桟橋構築方法について、図2A図2Eに基づいて説明する。
図2A図2Eは、鋼管類打設方法の一例である桟橋構築方法の施工時の装置構成を順に示す側面図(装置概念図)である。
【0045】
本実施形態の桟橋構築方法では、主として、桟橋構築済み部分から片持ち状に張り出すように桟橋パネルを設置する工程(図2A図2Cに示す一連の工程)と、片持ち状に張り出した前記桟橋パネルを利用して桟橋の支持杭を打設する工程(図2D図2Eに示す一連の工程)と、を繰り返して桟橋を構築する。具体的には、以下の工程を順に実施することで桟橋を構築する。
【0046】
はじめに、図7に示す従来技術と同様の要領で、ガイド部3を備えた桟橋パネル1(これから新たに設置する新設の桟橋パネル)を、クレーンを使って吊り下ろし、図2Aに示すように、資機材足場構造となる梁構造の桟橋構築済み部分から片持ち状に張り出すように設置する。以後、施工機材や支持杭等の重量物の吊り下ろしには、この工程と同様にクレーンを用いる。
すなわち、桟橋構築済み部分とは、片側が、前段の既設桟橋パネルまたは既設支持杭によって支えられ、その反対側が、既設支持杭によって支えられた部分(つまり各桟橋パネルが支持杭によって地盤によって支持され安定した部分)である。この桟橋構築済み部分は、桟橋施工の過程で安定した梁構造の資機材足場として利用できる部分である。
【0047】
次に、図2Bに示す様に、片持ち状に張り出すように設置された新設の桟橋パネル1と、支持杭P’に支持されている既設の桟橋パネル1’(桟橋構築済み部分)との間に、チェーン式の支持装置2を設置する。
【0048】
本実施形態において、支持装置2は、片持ち状に張り出すように設置された新設の桟橋パネル1の荷重の一部を支える役割を担うものである。
この支持装置2の装置構成に含まれるのは、
・前段の既設桟橋パネル1’に連結される長さ可変式連結部材21と、
・新設の桟橋パネル1に連結される長さ可変式連結部材22と、
・長さ可変式連結部材21と長さ可変式連結部材22を連結する反力ポール23
である。
【0049】
なお、前段の既設桟橋パネル1’は、梁構造の資機材足場構造として機能するものである。
【0050】
突出構造を成す柱状構造物(柱体)である反力ポール23は、桟橋構築済み部分の先端側において、既設桟橋パネル1’に先端部の上に直立状態で(上空に向かって突き出した状態で)固定される。この反力ポール23を立設することで、チェーン等からなる長さ可変式連結部材21,22を斜めに張ることができ、その結果、新設の桟橋パネル1を斜張式に支えることができる。
【0051】
長さ可変式連結部材21は、本実施形態では、ワイヤー25とチェーンブロック26の組合せで構成されており、チェーンブロック26を操作することで当該連結部材21の全体長さを任意の長さに設定することができる。このワイヤー25とチェーンブロック26の組合せからなる長さ可変式連結部材21は、図2Bに示す様に斜めに張設され、その一端は前段の既設桟橋パネル1’に連結され、他端は反力ポール23の上部に連結される。
【0052】
長さ可変式連結部材22は、本実施形態では、ワイヤー28とチェーンブロック29の組合せで構成されており、チェーンブロック29を操作することで当該連結部材22の全体長さを任意の長さに設定することができる。このワイヤー28とチェーンブロック29の組合せからなる長さ可変式連結部材22は、図2Bに示す様に斜めに張設され、その一端は新設の桟橋パネル1に連結され、他端は反力ポール23の上部に連結される。
【0053】
上記構成の支持装置2の設置が完了すると、片持ち状に張り出した新設の桟橋パネル1の荷重の一部は、上記構成の支持装置2を介して、桟橋構築済み部分(既設の桟橋パネル1’)によって支えられる。
この後、姿勢保持装置5が設置を完了して新設の桟橋パネル1を支持し姿勢保持するようになる―すなわち姿勢保持装置5が作動し、その機能が開始する―以前の段階において、支持装置2は片持ち状に張り出した新設の桟橋パネルを支持し続けることができる。
また、姿勢保持装置5の機能が開始された後は、支持装置2を姿勢保持装置5と併用することで、姿勢保持装置5(油圧シリンダ55)の負荷が軽減され、また、支持装置2により(例えば長支間の)新設桟橋パネル1の中間部に生ずる撓みや姿勢を微調整することもできる。
更に、姿勢保持装置5が何らかの不調を来した際にも、新設パネル1を支持することにより、新設パネル1の支持状態を安全に維持することもできる。
【0054】
なお、支持装置2の構成は上述したものに限定されず、新設桟橋パネル1の荷重の一部を当該支持装置2を介して桟橋構築済み部分の側で支えることを可能にするものであれば、いかなるものでも利用できる。好ましくは、本実施形態の如くチェーンブロックなどの長さ可変式連結部材を含んで構成されるのが望ましい。
【0055】
次に、図2Cに示す様に、新設の桟橋パネル1の姿勢を保持するための姿勢保持装置5を設置する。姿勢保持装置5の構成を図3に示す。この姿勢保持装置5は、上述したチェーン式の支持装置2と同様に、新設の桟橋パネル1の荷重の一部を支えるものであるが、支持装置2とは異なり、圧縮方向の力を受けても(チェーンのように)撓んだり変形したり緩むことがない。
【0056】
本実施形態において、姿勢保持装置5の装置構成に含まれるのは、図2C図3に示すように、
・前段の既設桟橋パネル1’に連結されるバックステー51(第一の連結手段)と、
・新設の桟橋パネル1に連結されるフロントステー53(第二の連結手段)と、
・バックステー51とフロントステー53の間に位置し両者を連結する桟橋上に立設した柱状構造物(柱体)となる反力ポール23である。
【0057】
反力ポール23は、桟橋構築済み部分の先端側において、既設桟橋パネル1’(資機材足場構造)に先端部の上に直立状態で固定される。なお、本実施形態において、支持装置2と姿勢保持装置5は、反力ポール23を共用している。すなわち、反力ポール23の上端部に姿勢保持装置5のバックステー51とフロントステー53が向かい合うようにして連結され、その姿勢保持装置の下方となる反力ポール23の中間部分に支持装置2の長さ可変連結部材21、22が連結される構造となっている。この桟橋上に突出するように連結固定した柱体である反力ポール23を使うことで、ステー51,53を斜めに張ることができ、その結果、新設の桟橋パネル1を斜張式に支えることができる。
【0058】
バックステー51(第一の連結手段)はステー構造を有する部材であり、その一端(第一の連結部分61)が前段の既設桟橋パネル1’(梁構造の資機材足場構造)に連結され、他端が反力ポール23の上部に連結される。バックステー51の第一の連結部分61は、姿勢保持装置5の一部分であり、当該第一の連結部分61において、姿勢保持装置5が既設桟橋パネル1’に対し連結されている。なお、この出願では、バックステーを必要に応じて「第一の連結手段」という。
【0059】
このバックステー51は、鋼材などの部材で構成されており、引っ張り方向・圧縮方向どちらの方向の力を受けても現形を維持することができ、容易に変形することがない。すなわち、撓んだり折れ曲がったりすることがない。
【0060】
なお、前述した支持装置2が具備する長さ可変式連結部材21は、ワイヤー25を含んで構成されており、圧縮方向の力を受ければ容易に変形する(撓む)ので、この点で、姿勢保持装置5のバックステー51と支持装置2の長さ可変式連結部材21は全く異なる。本実施形態で用いるバックステー51は、圧縮方向の力を受けても変形する(撓む)ことはなく、また、引っ張り方向の力を受けても変形する(伸びる)ことはない。
【0061】
フロントステー53(第二の連結手段)はステー構造を有する部材であり、その一端(第二の連結部分62)が新設の桟橋パネル1に連結され、他端が反力ポール23の上部に連結される。フロントステー53の第二の連結部分62は、姿勢保持装置の一部分であり、当該第二の連結部分62において、姿勢保持装置5が新設桟橋パネル1に対し連結されている。なお、この出願では、フロントステーを必要に応じて「第二の連結手段」という。
【0062】
このフロントステー53は伸縮機構を介して長さ可変式連結部材として機能するものであり、鋼材などの部材からなるステー本体54と、ピストンロッドを所定長さ分だけ押し引き可能な伸縮機構である油圧シリンダ55と、を含んで構成されている。油圧シリンダ55は図示しない油圧ホースを介して油圧源に接続されている。このフロントステー53は、引っ張り方向・圧縮方向どちらの方向の力を受けても現形を維持することができる。すなわち、ワイヤーやチェーンのように撓んだり折れ曲がったり緩んだりすることがなく、この点で長さ可変式連結部材21,22とは大きく異なる。
【0063】
なお、この出願において「伸縮機構」とは、所望の長さを形成し保持するために伸展した状態または縮退した状態を持続可能な機構である。本実施形態では、一例として、伸縮機構を所定の動力(引っ張り力)を伴いながら伸縮可能な機構である油圧シリンダにより構成しているが、同様の機構である電動シリンダ(電動アクチュエーター)などでも良く、更に圧縮・引張に耐えて所望の長さを保持し得るネジ式(機械式)伸縮装置など、第一、第二の連結手段のステー構造としての機能を保持しつつ伸縮できる装置であれば良いことはもちろんである。
【0064】
フロントステー53が具備する油圧シリンダ55は、必要なときだけ、そのピストンロッドを所定長さ分だけ押し引きすることができる。また、油圧シリンダ55が作動していないときには、そのピストンロッドが(外力を受けても勝手に動かないように)停止位置に固定することができる。油圧シリンダ55のピストンロッドが固定されているときは、フロントステー53の全体長さは固定されており不変である。
【0065】
油圧シリンダ55のピストンロッドを所定長さ分だけ押し出すことで、フロントステー53の全体長さを(油圧シリンダ55の操作前よりも)長く設定することができ、その後は、その全体長さを長い状態に固定することができる。すなわち、姿勢保持装置5の第一の連結部分61から第二の連結部分62に及ぶ姿勢保持装置5(バックステー51とフロントステー53)の全体長さは、油圧シリンダ55を操作することで伸ばすことが可能であり、かつ、伸ばした後のその長さを固定する(予め定めた所定長さに保持する)こともできる。
【0066】
逆に、油圧シリンダ55のピストンロッドを所定長さ分だけ引き戻すことで、フロントステー53の全体長さを(油圧シリンダ55の操作前よりも)短く設定することができ、その後は、その全体長さを短い状態に固定することができる。すなわち、姿勢保持装置5の第一の連結部分61から第二の連結部分62に及ぶ姿勢保持装置5の全体長さは、油圧シリンダ55を操作することで短くすることが可能であり、かつ、短くした後のその長さを固定する(予め定めた所定長さに保持する)こともできる。
【0067】
なお、前述した支持装置2が具備する長さ可変式連結部材22は、ワイヤー28、チェーンブロック29などを含んで構成されており、圧縮方向の力を受ければ容易に変形する(撓む)ので、この点で、姿勢保持装置5のフロントステー53と支持装置2の長さ可変式連結部材22はその機能が全く異なる。本実施形態で用いるフロントステー53は、油圧シリンダ55を作動させない限り、圧縮方向の力を受けても変形する(撓む)ことはなく、また、引っ張り方向の力を受けても変形する(伸びる)ことはない。
【0068】
図2Cに示す様に姿勢保持装置5を取り付けたら、支持装置2のチェーンブロック26,29を緩めるとともに、姿勢保持装置5の油圧シリンダ55を作動させて、新設の桟橋パネル1の姿勢を設計位置に位置決めする。
【0069】
本実施形態のように、姿勢保持装置5をフロントステー53を含んだもので構成し、さらに、フロントステー53を油圧シリンダ55を含んだもので構成することで、片持ち状に張り出すように設置する新設の桟橋パネル1の高さ位置を正確に位置決めすることができる。ここでいう「高さ位置」とは、新設の桟橋パネルの先端側の高さ位置である。つまり、桟橋構築済み部分から新設桟橋パネル1が張り出した状態で、フロントステー53の長さを調節する(すなわち油圧シリンダ55を操作する)ことで、新設桟橋パネル1を水平に設置すべき場合には、傾斜させることなく(また撓ませることもなく)、設計通りに水平に張り出すように設置することができる。また、新設桟橋パネル1を勾配を付けて設置すべき場合には、設計通りの傾斜角度で張り出すように設置することができる。
【0070】
また、バックステー51、フロントステー53が夫々伸縮機構を有する形態を採用することも可能である。これにより、それらと既設の桟橋構築済部分および新設桟橋パネル1に連結する位置を、様々な(例えば、既設の桟橋パネル1’や新設桟橋パネル1の形状や支間長、各種作業時の荷重条件などの)固有の施工条件に応じて、伸縮機構の可動範囲の中で、自由に選択し連結して施工を行えるようになり、バックステー51、フロントステー53乃至姿勢保持装置5の個体としての拡張性や汎用性を向上させることができる。
【0071】
支持装置2と姿勢保持装置5の設置が完了すると、姿勢保持装置5を介して、桟橋構築済み部分(既設の桟橋パネル1’)によって支えられる。
【0072】
なお、本実施形態では、新設の桟橋パネル1の荷重の一部を支える手段として、支持装置2と姿勢保持装置5を併用しているが、姿勢保持装置5単独で、新設の桟橋パネル1の荷重の一部を支えるようにしてもよい。
【0073】
更に、本実施形態では、多くの場合、標準状態において片持ち状に面的に(縦横に一定の広がりをもって)張り出した梁構造である新設桟橋パネル1の延設方向に向かって左右の両側を支持するため、支持装置2と姿勢保持装置5は、(図示しない)架設用のクレーンが乗り入れて作業を行う足場面を形成する資機材足場構造である既設の桟橋パネル1’の橋面を挟んだ(延設方向に向かって左右)両側に設置されていることはいうまでもない。
【0074】
次に、図2Dに示す様に、桟橋パネルが具備するガイド部3に、支持杭打設装置4を設置する。
【0075】
支持杭打設装置4は、当該支持杭打設装置単独で、あるいは、打設する支持杭の内側を掘削する中掘り装置などの第2の支持杭打設装置と協動して、支持杭Pを対象地盤に打設する機能を持った装置である。支持杭打設装置4の具体的構成は後述する。
【0076】
支持杭打設装置4は、支持杭Pを回転圧入する機能を有している。なお、本実施形態では、支持杭打設装置として、桟橋パネルに固定する回転圧入式の装置(図5に例示する装置)を用いるが、これに替えて、ダウンザホールハンマを具備する掘削装置を支持杭打設装置として用いることも可能である。
【0077】
次に、図2Eに示すように、片持ち状に張り出した桟橋パネル1を支えるための支持杭P(鋼管杭)を、クレーンを使って吊り下ろし、支持杭打設装置4とガイド部3を介して地盤の上に建て込んで立設する。
【0078】
次に、前記図2D同様に片持ち状に張り出した新設の桟橋パネル1を、姿勢保持装置5と支持装置2の併用で、または姿勢保持装置5単独で支持することにより設計位置に保持した状態で、支持杭Pを支持杭打設装置4により地盤に打設する。なお、支持杭Pの打設にあたっては、支持杭の回転圧入機能を持った支持杭打設装置4と、鋼管である支持杭の中掘り掘削を行う中掘り装置を併用して行うことも可能である。
【0079】
支持杭打設装置4による支持杭Pの圧入過程では、打設する支持杭Pが杭心ずれを起こさないように、時折り当該支持杭を上下動させる。すなわち、圧入途中における支持杭の引き抜きを繰り返しながら、当該支持杭を目標深度まで打ち込むようにする。
【0080】
本実施形態では、支持杭Pを打設するに際して、桟橋パネル1のガイド部3の上に設置・固定した支持杭打設装置4により支持杭Pに押し込み力を印加して回転圧入を行う。このとき、桟橋パネル1が、押し込み反力の供給源となる。
一方、支持杭打設装置4の押し込み反力を供給する桟橋パネル1は、支持杭Pの押し込みに際して、その反動で浮き上がるおそれがある。
そこで、本実施形態では、片持ち状に張り出した桟橋パネル1が支持杭打設時に設計位置から外れないように、当該桟橋パネル1の姿勢を保持する姿勢保持装置5を設けている。前述したとおり、姿勢保持装置5は、(その油圧シリンダ55が作動していないときには)引っ張り方向・圧縮方向どちらの方向の力を受けても現形を維持することができる。
したがって、支持杭Pの押し込みに際して、その反動で桟橋パネル1が浮き上がるおそれがある場合でも、その浮き上がり方向の力を、姿勢保持装置5のフロントステー53で受け止めることができる、すなわち、桟橋パネル1が浮き上がらないように姿勢保持装置5のフロントステー53が立ちはだかるので、支持杭Pを押し込むための反力が桟橋パネル1に確保される。
【0081】
また、本実施形態では、支持杭Pを打設するに際して、桟橋パネル1のガイド部3の上に設置・固定した支持杭打設装置4により支持杭Pに時折り引き抜き力を印加して上下動させる。このとき、桟橋パネル1が、引き抜き反力の供給源となる。
一方、支持杭打設装置4の引き抜き反力を供給する桟橋パネル1は、支持杭Pの引き抜きに際して、その反動で下方向へ撓むおそれがある。
そこで、本実施形態では、片持ち状に張り出した桟橋パネル1が支持杭打設時に設計位置から外れないように、支持装置2と姿勢保持装置5を設けている。前述したとおり、姿勢保持装置5は、(その油圧シリンダ55が作動していないときには)引っ張り方向・圧縮方向どちらの方向の力を受けても現形を維持することができる。
したがって、支持杭Pの引き抜きに際して、その反動で桟橋パネル1が下方向へ撓むおそれがある場合でも、その下向き撓み方向の力を、支持装置2と姿勢保持装置5のフロントステー53で受け止めることができる、すなわち、桟橋パネル1が下方向へ撓むことがないように支持装置2と姿勢保持装置5が引っ張り続けるので、支持杭Pを引き抜くための反力が桟橋パネル1に確保される。
【0082】
このように、支持杭打設装置4による押し込みや引き抜きのための反力が、地盤と一体化した桟橋パネル1を通じて確保されているので、支持杭打設の過程で、桟橋パネル1が浮き上がったり下方向へ撓むことがないため、その姿勢が安定し、設計位置から外れることがない。すなわち、桟橋パネル1が、支持杭打設の過程で、設計位置の上方向にずれることもなく、また、設計位置の下方向にずれることもない。
【0083】
そして、ガイド部3を介して立設した支持杭の打設が完了したら、隣のガイド部3に支持杭打設装置4を移設して、当該支持杭打設装置4とガイド部3を介して新たな支持杭を地盤の上に建て込んで立設する。そして、前述した工程と同じ要領で、ガイド部3を介して支持杭を打設する。これを、新設の桟橋パネルが有するすべてのガイド部3について実施する。
【0084】
以上により、
・桟橋構築済み部分から片持ち状に張り出すように桟橋パネル1を設置する工程と、
・片持ち状に張り出した桟橋パネル1を利用して桟橋の支持杭Pを打設する工程と、
を含む1支間長分の桟橋部分の構築が完了する。
【0085】
そして、上述した工程(1支間長分の桟橋部分の構築)を繰り返して、支持杭で支持される桟橋パネルを拡張方向に延設し続けることにより桟橋全体を完成させる。
【0086】
なお本発明は、上記桟橋の支持杭打設方法およびそれを用いた桟橋など橋梁架設方法の実施形態に限定されるものではない。
すなわち、本発明は、鋼管類を打設する(地盤に打ち込む)方法であって、打ち込まれるのは鋼管杭、鋼管矢板や立坑用の鋼管などを初めとして、例えば管状の掘削ケーシングでも良い。すなわち、設計条件により、本打設方法で掘削ケーシングを地盤に打ち込み、その後、孔内(掘削されたケーシング内)に砂を充填して砂置換杭、H形鋼や鉄筋籠などを建て込んだ後各種グラウト材などを打設して土留め杭、場所打ち杭などを構築する(その際掘削ケーシングを引き抜く)の施工を行うことができる。
従って、上記各種の鋼管類打設の方法に使用する資機材足場構造は、現場の施工条件に応じて、各種の資機材足場構造、例えば、上記仮桟橋や本設の橋梁など施工現場の橋梁完成部分、すなわち本発明によって構築された既設の梁構造部分、などの片持ち状で張り出す新設の梁構造が連結、固定される支持構造であり、他にも、水上工事でクレーン設備の足場となる台船(クレーン付き台船や自己昇降式台船)ないしその甲板のような水上足場や、完成した梁構造上部の床面への乗り入れの起点に位置する護岸構造などを含んだ人工的に構築、設営、設置された、片持ち状に張り出される構造であってよい。
【0087】
(姿勢保持装置の設置手順)
新設の桟橋パネル1の姿勢を保持する役割を担う姿勢保持装置5は、図2Cに示す様に設置する。以下、図4A図4Bに基づいて、その具体的設置手順の一例について説明する。
【0088】
桟橋構築方法の実施において姿勢保持装置5を設置する際には、はじめに、図4A左側に示すように、姿勢保持装置5のバックステー51(第一の連結手段)を、資機材足場構造である既設桟橋パネル1’に対し連結設置し、バックステー51を設置した後に、フロントステー53(第二の連結手段)を設置する。
【0089】
そのため、先行して既設桟橋パネル1’に片持ち状に張り出すように連結される新設の桟橋パネル1は、予め(支持装置2を構成する)長さ可変式部材22が反力ポール23と桟橋パネル1とに連結されており、それにより、工程上、姿勢保持装置5のバックステー51を、資機材足場構造である既設桟橋パネル1’に対し連結設置した後に一時的に生じることになるフロントステー53不在の期間も、新設の桟橋パネル1は支持された状態が維持され作業の安全が確保されている。
【0090】
なお、その際、本実施形態においては、支持装置2と姿勢保持装置5は、反力ポール23を共用していることから、可変式連結部材21が果たす反力ポール23と既設桟橋パネル1’とを連結することで新設パネル1を支える機能は、バックステー51が担っているので、既設桟橋パネル1’に連結される(長さ可変式連結部材22と同じく支持装置2を構成する)長さ可変式連結部材21は省略することができる。
【0091】
フロントステー53の設置工程では、はじめに、図4A右側に示す様に、フロントステー53をワイヤー30を介してクレーン設備(図示せず)で吊り下ろし、フロントステー53の基端を反力ポール23の上部に連結する。なお、本実施形態では、支持装置2の長さ可変式部材22(および21)は、姿勢保持装置5を成すバックステー51フロントステー53の下に位置するように設計されており、上述のように、フロントステー53を反力ポール23上端部所定位置に連結固定する際のクレーンの荷役作業に対して支持装置2の長さ可変長部材22は支障にならず、安全且つスムーズに作業を進めることができる。
【0092】
フロントステー53の基端を反力ポール23の上部に連結したら、次に図4Bに示す様にフロントステー53の先端側を更に吊り下ろし、その先端部(第二の連結部分62)を新設桟橋パネル1に対し連結する。
【0093】
なお、フロントステー53の設置工程では、その基端を反力ポール23の上部に連結する必要があるため、高所作業が必要となる。
そのため、図4に示す実施形態において、反力ポール23の上部には、当該反力ポール上部における高所作業を可能にするための足場構造35が設けられている。また、反力ポール23の側面には、足場構造35へ通ずる梯子構造36が設けられている。
このような足場構造35や梯子構造36を反力ポール23に予め設けておくことで、フロントステー53を設置する際の高所作業を安全に手際よく進めることができる。
【0094】
(支持杭打設装置)
次に、上述した桟橋施工で用いる支持杭打設装置4の具体的構成について図5に基づいて説明する。
図5は、延設した桟橋パネル1が具備するガイド部3の上に、支持杭打設装置4をボルト締結で固定した状態を示している。
【0095】
この支持杭打設装置4は、図5に示すように、
・該装置自身を桟橋パネル1のガイド部3に固定するための固定部41と、
・打設する支持杭Pをチャッキングするチャック装置43と、
・チャッキングした支持杭Pを上下動させる上下駆動装置45と、
・上下動の際に支持杭Pを回転又は揺動させる回転駆動装置47
を有している。
【0096】
チャック装置43は、打設する支持杭Pをチャッキングして固定する役割を担っている。上下駆動装置45は、主として、チャッキングした支持杭Pを地盤内に圧入する役割を担っている。また、支持杭Pを圧入している間に適当なタイミングで上下動させて、鉛直性を確保するなどの役割も担っている。
回転駆動装置47は、上下駆動装置45を作動させている間、支持杭Pを回転又は揺動させる役割を担っている。
【0097】
上記構成の支持杭打設装置4は、打設する支持杭の内側を掘削する中掘り装置を併用した支持杭Pの打設に用いることができ、また、支持杭打設装置単独で支持杭の打設に用いることもできる。
なお本発明は、上記桟橋の支持杭打設方法に限定されるものではない。
上記のような片持ち状に張り出した梁構造を用いて鋼管類を打設する方法であればよく、例えば、特許文献1記載の支持杭打設方法であっても良い。
【0098】
(姿勢保持装置の機能作用)
【0099】
次に、図2C図6に基づいて、姿勢保持装置5の機能作用について説明する。
片持ち状に張り出した桟橋パネル1の高さ位置を姿勢保持装置5により調整する際には、姿勢保持装置5のフロントステー53が具備する油圧シリンダ55を作動させて、そのピストンロッドを所定長さ分だけ押し出す又は引き戻す。これにより、支持装置2と姿勢保持装置5によって桟橋パネル1が支えられた状態で、当該桟橋パネル1がピストンロッドのストローク分だけ昇降する。
したがって、支持装置2と姿勢保持装置5によって桟橋パネル1が支えた状態で、油圧シリンダ55を作動させることで、図6に示す様に片持ち状に張り出した桟橋パネル1の高さを微調整することができる。
【0100】
なお本発明は、上記桟橋の支持杭打設方法およびそれを用いた桟橋など橋梁架設方法の実施形態に限定されるものではない。
【0101】
すなわち、本発明は、鋼管類を打設する(地盤に打ち込む)方法であって、打ち込まれるのは鋼管杭、鋼管矢板や立坑用の鋼管などを初めとして、例えば管状の掘削ケーシングでも良い。例えば、設計条件により、本打設方法で掘削ケーシングを地盤に打ち込み、その後、孔内(掘削されたケーシング内)に砂を充填して砂置換杭、H形鋼や鉄筋籠などを建て込んだ後各種グラウト材などを打設して土留め杭、場所打ち杭などを構築する(その際掘削ケーシングを引き抜く)の施工を行うことができる。
【0102】
また、上記各種の鋼管類打設の方法に使用する資機材足場構造は、現場の施工条件に応じて、上記仮桟橋や本設の橋梁など施工現場の橋梁完成部分、すなわち本発明によって構築された既設の梁構造などの、片持ち状で張り出す新設の梁構造が連結、固定される支持構造であり、他にも、水上工事でクレーン設備の足場となる台船(クレーン付き台船や自己昇降式台船)ないしその甲板のような水上足場や、完成した梁構造上部の床面への乗り入れの起点に位置する護岸構造などを含んだ人工的に構築、設営、設置された、鋼管類を打設するためのクローラクレーン、杭打ち機などの資機材足場を構成する構造から、片持ち状に張り出される構造であってよい。
その際、梁構造に連結される支持装置および姿勢保持装置は、その施工条件に応じて上記のような様々な構造の上に連結・設置することが可能である。
【符号の説明】
【0103】
P 支持杭(鋼管杭)・・・鋼管類の一例である。
P’ 既設の支持杭(鋼管杭)・・・鋼管類の一例である。
1 桟橋パネル(桟橋の梁構造)
1’ 既設の桟橋パネル(桟橋の梁構造,資機材足場構造)
3 ガイド部(支持杭などの鋼管類をガイドするガイド手段、杭頭固定管)
11 メインフレーム(梁)
12 横桁(梁)
14 連結部
15 連結部
2 支持装置
21 長さ可変式連結部材
22 長さ可変式連結部材
23 反力ポール
25 ワイヤー
26 チェーンブロック
28 ワイヤー
29 チェーンブロック
30 ワイヤー
31 ワイヤロープ
32 反力ポール(突出構造を成す柱状構造物/柱体)
33 バックステー
35 足場構造
36 梯子構造
4 支持杭打設装置(回転圧入装置)・・・鋼管類打設装置の一例である。
41 固定部
43 チャック装置
45 上下駆動装置
47 回転駆動装置
5 姿勢保持装置
51 バックステー(第一の連結手段)
53 フロントステー(第二の連結手段,長さ可変式連結部材)
54 ステー本体
55 油圧シリンダ(伸縮機構)
61 第一の連結部分(フロント側連結部)
62 第二の連結部分(バック側連結部)
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10