(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095459
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】電源切替装置
(51)【国際特許分類】
H01H 9/54 20060101AFI20240703BHJP
H01H 47/00 20060101ALI20240703BHJP
H02H 7/00 20060101ALI20240703BHJP
H02J 3/00 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
H01H9/54 B
H01H47/00 A
H02H7/00 L
H02J3/00 160
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022212764
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】川口 直樹
(72)【発明者】
【氏名】林田 靖雄
【テーマコード(参考)】
5G034
5G053
5G057
5G066
【Fターム(参考)】
5G034AA20
5G034AB01
5G053EB08
5G053EC01
5G053FA01
5G057AA11
5G057BB07
5G057BC05
5G057XX20
5G066HA11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】複数の電源の切り替えを行う電源切替装置において、接点が溶着した場合に電源の短絡を防止する。
【解決手段】電源切替装置は、主電源回路と補助電源回路と負荷回路と電源側リレーと負荷側リレーとを備える。電源側リレーは、第1主電源接点と第2主電源接点と第1補助電源接点と第2補助電源接点とを含み、第1主接続状態において第1主電源接点と第2主電源接点とを接続して第1補助電源接点と第2補助電源接点とを遮断し、第2主接続状態において第1補助電源接点と第2補助電源接点とを接続して第1主電源接点と第2主電源接点とを遮断する。負荷側リレーは、第3主電源接点と第3補助電源接点とを含み、第2主接続状態において第3主電源接点と負荷回路とを接続して第3補助電源接点と負荷回路とを遮断し、第2補助接続状態において第3補助電源接点と負荷回路とを接続して第3主電源接点と負荷回路とを遮断する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
負荷の電源を主電源と補助電源との間で切り替える電源切替装置であって、
前記主電源に接続される主電源回路と、
前記補助電源に接続される補助電源回路と、
前記負荷に接続される負荷回路と、
前記主電源回路に接続される第1主電源接点と、前記第1主電源接点に対応して配置される第2主電源接点と、前記補助電源回路に接続される第1補助電源接点と、前記第1補助電源接点に対応して配置される第2補助電源接点とを含み、前記第1主電源接点と前記第2主電源接点とを接続して前記第1補助電源接点と前記第2補助電源接点とを遮断する第1主接続状態と、前記第1補助電源接点と前記第2補助電源接点とを接続して前記第1主電源接点と前記第2主電源接点とを遮断する第1補助接続状態とに切り替え可能な電源側リレーと、
前記第2主電源接点に接続される主連結回路と、
前記第2補助電源接点に接続される補助連結回路と、
前記主連結回路に接続される第3主電源接点と、前記補助連結回路に接続される第3補助電源接点とを含み、前記第3主電源接点と前記負荷回路とを接続して前記第3補助電源接点と前記負荷回路とを遮断する第2主接続状態と、前記第3補助電源接点と前記負荷回路とを接続して前記第3主電源接点と前記負荷回路とを遮断する第2補助接続状態とに切り替え可能な負荷側リレーと、
を備える電源切替装置。
【請求項2】
前記電源側リレーと前記負荷側リレーとを制御するコントローラをさらに備える、
請求項1に記載の電源切替装置。
【請求項3】
前記コントローラは、前記電源側リレーを前記第1主接続状態に切り替え、前記負荷側リレーを前記第2主接続状態に切り替えることで、前記主電源から前記負荷に電力を供給させる、
請求項2に記載の電源切替装置。
【請求項4】
前記コントローラは、前記電源側リレーを前記第1主接続状態に切り替えた後、所定時間経過後に、前記負荷側リレーを前記第2主接続状態に切り替える、
請求項3に記載の電源切替装置。
【請求項5】
前記コントローラは、前記負荷側リレーを前記第2主接続状態に切り替えた後、所定時間経過後に、前記電源側リレーを前記第1主接続状態に切り替える、
請求項3に記載の電源切替装置。
【請求項6】
前記コントローラは、前記電源側リレーを前記第1補助続状態に切り替え、前記負荷側リレーを前記第2補助続状態に切り替えることで、前記補助電源から前記負荷に電力を供給させる、
請求項2に記載の電源切替装置。
【請求項7】
前記コントローラは、前記電源側リレーを前記第1補助接続状態に切り替えた後、所定時間経過後に、前記負荷側リレーを前記第2補助接続状態に切り替える、
請求項6に記載の電源切替装置。
【請求項8】
前記コントローラは、前記負荷側リレーを前記第2補助接続状態に切り替えた後、所定時間経過後に、前記電源側リレーを前記第1補助接続状態に切り替える、
請求項6に記載の電源切替装置。
【請求項9】
前記主電源回路の電圧又は電流を検出する主電源センサをさらに備え、
前記コントローラは、前記主電源センサによって検出された前記主電源回路の電圧又は電流に基づいて、前記第1主電源接点と前記第2主電源接点と前記第3主電源接点との少なくとも1つの溶着を判定する、
請求項2に記載の電源切替装置。
【請求項10】
前記補助電源回路の電圧又は電流を検出する補助電源センサをさらに備え、
前記コントローラは、前記補助電源センサによって検出された前記補助電源回路の電圧又は電流に基づいて、前記第1補助電源接点と前記第2補助電源接点と前記第3補助電源接点の少なくとも1つの溶着を判定する、
請求項2に記載の電源切替装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源切替装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、負荷への電源の切り替えを行う電源切替装置が知られている。例えば、特許文献1は、商用電源の停電時に、負荷への電源を商用電源から他の電源に切り替える電源切替システムを開示している。この電源切替システムは、第1~第4リレーを備えている。第1リレーのa接点は、商用電源に接続されている。第2リレー、のa接点は、他の電源に接続されている。他の電源は、蓄電池と分散電源とを含む。第3リレーのa接点は、蓄電池に接続されている。第4リレーのa接点は、分散電源に接続されている。第1~第4リレーのa接点のオン/オフが切り替えられることで、負荷に接続される電源が切り替えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の電源切替システムでは、接点が溶着した場合には、電源が短絡してしまう。例えば、第1リレーのa接点が溶着した状態で、第2リレーと第3リレーとのa接点がオンに切り替えられると、主電源と蓄電池とが短絡してしまう。本発明の目的は、複数の電源の切り替えを行う電源切替装置において、接点が溶着した場合に、電源の短絡を防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る電源切替装置は、負荷の電源を主電源と補助電源との間で切り替える。電源切替装置は、主電源回路と、補助電源回路と、負荷回路と、電源側リレーと、主連結回路と、補助連結回路と、負荷側リレーとを備える。主電源回路は、主電源に接続される。補助電源回路は、補助電源に接続される。負荷回路は、負荷に接続される。電源側リレーは、第1主電源接点と、第2主電源接点と、第1補助電源接点と、第2補助電源接点とを含む。第1主電源接点は、主電源回路に接続される。第2主電源接点は、第1主電源接点に対応して配置される。第1補助電源接点は、補助電源回路に接続される。第2補助電源接点は、第1補助電源接点に対応して配置される。電源側リレーは、第1主接続状態と第1補助接続状態とに切り替え可能である。電源側リレーは、第1主接続状態において、第1主電源接点と第2主電源接点とを接続して、第1補助電源接点と第2補助電源接点とを遮断する。電源側リレーは、第2主接続状態において、第1補助電源接点と第2補助電源接点とを接続して、第1主電源接点と第2主電源接点とを遮断する。主連結回路は、第2主電源接点に接続される。補助連結回路は、第2補助電源接点に接続される。負荷側リレーは、第3主電源接点と第3補助電源接点とを含む。第3主電源接点は、主連結回路に接続される。第3補助電源接点は、補助連結回路に接続される。負荷側リレーは、第2主接続状態と第2補助接続状態とに切り替え可能である。負荷側リレーは、第2主接続状態において、第3主電源接点と負荷回路とを接続して、第3補助電源接点と負荷回路とを遮断する。負荷側リレーは、第2補助接続状態において、第3補助電源接点と負荷回路とを接続して、第3主電源接点と負荷回路とを遮断する。
【0006】
本態様に係る電源切替装置では、電源側リレーにおいて接点の溶着が発生した場合、電源側リレーでは第1主接続状態と第1補助接続状態との間の切り替えが不可能となるが、負荷側リレーは、第2主接続状態と第2補助接続状態とに切り替え可能である。また、負荷側リレーにおいて接点の溶着が発生した場合、負荷側リレーでは第2主接続状態と第2補助接続状態との間の切り替えが不可能となるが、電源側リレーは、第1主接続状態と第1補助接続状態とに切り替え可能である。それにより、電源の短絡が防止される。
【0007】
電源切替装置は、電源側リレーと負荷側リレーとを制御するコントローラをさらに備えてもよい。コントローラは、電源側リレーを第1主接続状態に切り替え、負荷側リレーを第2主接続状態に切り替えることで、主電源から負荷に電力を供給させてもよい。
【0008】
コントローラは、電源側リレーを第1主接続状態に切り替えた後、所定時間経過後に、負荷側リレーを第2主接続状態に切り替えてもよい。この場合、電源側リレーでのアークの発生が抑えられる。コントローラは、負荷側リレーを第2主接続状態に切り替えた後、所定時間経過後に、電源側リレーを第1主接続状態に切り替えてもよい。この場合、負荷側リレーでのアークの発生が抑えられる。
【0009】
コントローラは、電源側リレーを第1補助続状態に切り替え、負荷側リレーを第2補助続状態に切り替えることで、補助電源から負荷に電力を供給させてもよい。コントローラは、電源側リレーを第1補助接続状態に切り替えた後、所定時間経過後に、負荷側リレーを第2補助接続状態に切り替えてもよい。この場合、電源側リレーでのアークの発生が抑えられる。コントローラは、負荷側リレーを第2補助接続状態に切り替えた後、所定時間経過後に、電源側リレーを第1補助接続状態に切り替えてもよい。この場合、負荷側リレーでのアークの発生が抑えられる。
【0010】
電源切替装置は、主電源回路の電圧又は電流を検出する主電源センサをさらに備えてもよい。コントローラは、主電源センサによって検出された主電源回路の電圧又は電流に基づいて、第1主電源接点と第2主電源接点と第3主電源接点との少なくとも1つの溶着を判定してもよい。この場合、接点の溶着の発生を検出することができる。
【0011】
電源切替装置は、補助電源回路の電圧又は電流を検出する補助電源センサをさらに備えてもよい。コントローラは、補助電源センサによって検出された補助電源回路の電圧又は電流に基づいて、第1補助電源接点と第2補助電源接点と第3補助電源接点との少なくとも1つの溶着を判定してもよい。この場合、接点の溶着の発生を検出することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、複数の電源の切り替えを行う電源切替装置において、接点が溶着した場合に、電源の短絡を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図3】補助接続状態の電源切替装置の拡大図である。
【
図5】電源の切替における電源側リレーと負荷側リレーの制御を示すタイミングチャートである。
【
図6】第1電源側リレーにおいて接点の溶着が発生した場合における電源切替装置の電源の接続状態を示す図である。
【
図7】第1変形例に係る電源切替装置を示す図である。
【
図8】第2変形例に係る電源切替装置を示す図である。
【
図9】第3変形例に係る電源切替装置を示す図である。
【
図10】第4変形例に係る電源切替装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して実施形態に係る電源切替装置について説明する。
図1は、実施形態に係る電源切替装置1の構成を示す模式図である。
図1に示すように、電源切替装置1は、負荷L1-L3と、主電源P1と、補助電源P2とに接続される。主電源P1は、例えば、商用電源である。補助電源P2は、主電源P1の停電時に主電源P1に代わって使用される。補助電源P2は、例えばバッテリ、或いは発電機である。負荷L1-L3は、主電源P1或いは補助電源P2から電力を供給される電気機器である。電源切替装置1は、負荷L1-L3の電源を、主電源P1と補助電源P2との間で切り替える。
【0015】
電源切替装置1は、主電源回路2A-2Cと、補助電源回路3A-3Cと、負荷回路4A-4Cと、電源側リレー5A-5Cと、主連結回路6A-6Cと、補助連結回路7A-7Cと、負荷側リレー8A-8Cと、コントローラ9とを備える。主電源回路2A-2Cは、主電源P1に接続される。主電源回路2A-2Cは、第1主電源回路2Aと、第2主電源回路2Bと、第3主電源回路2Cとを含む。補助電源回路3A-3Cは、補助電源P2に接続される。補助電源回路3A-3Cは、第1補助電源回路3Aと、第2補助電源回路3Bと、第3補助電源回路3Cとを含む。負荷回路4A-4Cは、負荷L1-L3に接続される。負荷回路4A-4Cは、第1負荷回路4Aと、第2負荷回路4Bと、第3負荷回路4Cとを含む。
【0016】
電源側リレー5A-5Cは、主電源回路2A-2Cと補助電源回路3A-3Cとに接続される。電源側リレー5A-5Cは、第1電源側リレー5Aと、第2電源側リレー5Bと、第3電源側リレー5Cとを含む。第1~第3電源側リレー5A-5Cは、それぞれ1a1b型の接点構造を有する。第1電源側リレー5Aは、第1主電源回路2Aと第1補助電源回路3Aとに接続される。第2電源側リレー5Bは、第2主電源回路2Bと第2補助電源回路3Bとに接続される。第3電源側リレー5Cは、第3主電源回路2Cと第3補助電源回路3Cとに接続される。
【0017】
図2は、電源切替装置1の拡大図である。
図2に示すように、第1電源側リレー5Aは、第1主電源接点11Aと、第2主電源接点12Aと、第1補助電源接点13Aと、第2補助電源接点14Aと、第1可動片15Aと、第1コイル16Aとを含む。第1主電源接点11Aは、第1主電源回路2Aに接続される。第2主電源接点12Aは、第1主電源接点11Aに対応して配置される。第1補助電源接点13Aは、第1補助電源回路3Aに接続される。第2補助電源接点14Aは、第1補助電源接点13Aに対応して配置される。
【0018】
第1可動片15Aは、
図2に示す主接続位置と、
図3に示す補助接続位置とに移動可能である。
図2に示すように、第1可動片15Aは、主接続位置において、第1主電源接点11Aと第2主電源接点12Aとを接続し、第1補助電源接点13Aと第2補助電源接点14Aと遮断する。
図3に示すように、第1可動片15Aは、補助接続位置において、第1補助電源接点13Aと第2補助電源接点14Aと接続し、第1主電源接点11Aと第2主電源接点12Aとを遮断する。第1コイル16Aは、磁力により、第1可動片15Aを、主接続位置と補助接続位置とに選択的に移動させる。
【0019】
第1電源側リレー5Aは、主接続状態と補助接続状態とに切り替え可能である。第1可動片15Aが主接続位置に配置されることで、第1電源側リレー5Aは、主接続状態となる。第1電源側リレー5Aは、主接続状態において、第1主電源接点11Aと第2主電源接点12Aとを接続して、第1補助電源接点13Aと第2補助電源接点14Aとを遮断する。第1可動片15Aが補助接続位置に配置されることで、第1電源側リレー5Aは、補助接続状態となる。第1電源側リレー5Aは、補助接続状態において、第1補助電源接点13Aと第2補助電源接点14Aとを接続して、第1主電源接点11Aと第2主電源接点12Aとを遮断する。
【0020】
第2電源側リレー5Bと第3電源側リレー5C構成とは、第1電源側リレー5Aと同様の構成を有する。詳細には、第2電源側リレー5Bは、第1主電源接点11Bと、第2主電源接点12Bと、第1補助電源接点13Bと、第2補助電源接点14Bと、第1可動片15Bと、第1コイル16Bとを含む。第2電源側リレー5Bの第1主電源接点11Bと、第2主電源接点12Bと、第1補助電源接点13Bと、第2補助電源接点14Bと、第1可動片15Bと、第1コイル16Bとは、第1電源側リレー5Aの第1主電源接点11Aと、第2主電源接点12Aと、第1補助電源接点13Aと、第2補助電源接点14Aと、第1可動片15Aと、第1コイル16Aと、それぞれ同様である。
【0021】
第3電源側リレー5Cは、第1主電源接点11Cと、第2主電源接点12Cと、第1補助電源接点13Cと、第2補助電源接点14Cと、第1可動片15Cと、第1コイル16Cとを含む。第3電源側リレー5Cの第1主電源接点11Cと、第2主電源接点12Cと、第1補助電源接点13Cと、第2補助電源接点14Cと、第1可動片15Cと、第1コイル16Cとは、第1電源側リレー5Aの第1主電源接点11Aと、第2主電源接点12Aと、第1補助電源接点13Aと、第2補助電源接点14Aと、第1可動片15Aと、第1コイル16Aと、それぞれ同様である。
【0022】
主連結回路6A-6Cと補助連結回路7A-7Cとは、電源側リレー5A-5Cと負荷側リレー8A-8Cとをそれぞれ接続する。主連結回路6A-6Cは、第1主連結回路6Aと、第2主連結回路6Bと、第3主連結回路6Cとを含む。補助連結回路7A-7Cは、第1補助連結回路7Aと、第2補助連結回路7Bと、第3補助連結回路7Cとを含む。第1主連結回路6Aと第1補助連結回路7Aとは、第1電源側リレー5Aに接続されている。第2主連結回路6Bと第2補助連結回路7Bとは、第2電源側リレー5Bに接続されている。第3主連結回路6Cと第3補助連結回路7Cとは、第3電源側リレー5Cに接続されている。
【0023】
詳細には、第1主連結回路6Aは、第1電源側リレー5Aの第2主電源接点12Aに接続される。第2主連結回路6Bは、第2電源側リレー5Bの第2主電源接点12Bに接続される。第3主連結回路6Cは、第3電源側リレー5Cの第2主電源接点12Cに接続される。第1補助連結回路7Aは、第1電源側リレー5Aの第2補助電源接点14Aに接続される。第2補助連結回路7Bは、第2電源側リレー5Bの第2補助電源接点14Bに接続される。第3補助連結回路7Cは、第3電源側リレー5Cの第2補助電源接点14Cに接続される。
【0024】
負荷側リレー8A-8Cは、負荷回路4A-4Cに、それぞれ接続される。負荷側リレー8A-8Cは、第1負荷側リレー8Aと、第2負荷側リレー8Bと、第3負荷側リレー8Cとを含む。第1~第3負荷側リレー8A-8Cは、それぞれ1a1b型の接点構造を有する。
【0025】
第1主連結回路6Aと第1補助連結回路7Aとは、第1負荷側リレー8Aに接続される。第1負荷側リレー8Aは、第1負荷回路4Aに接続される。第2主連結回路6Bと第2補助連結回路7Bとは、第2負荷側リレー8Bに接続される。第2負荷側リレー8Bは、第2負荷回路4Bに接続される。第3主連結回路6Cと第3補助連結回路7Cとは、第3負荷側リレー8Cに接続される。第3負荷側リレー8Cは、第3負荷回路4Cに接続される。
【0026】
第1負荷側リレー8Aは、第3主電源接点21Aと、第4主電源接点22Aと、第3補助電源接点23Aと、第4補助電源接点24Aと、第2可動片25Aと、第2コイル26Aとを含む。第3主電源接点21Aは、第1主連結回路6Aに接続される。第4主電源接点22Aは、第3主電源接点21Aに対応して配置される。第4主電源接点22Aは、第1負荷回路4Aに接続される。第3補助電源接点23Aは、第1補助連結回路7Aに接続される。第4補助電源接点24Aは、第3補助電源接点23Aに対応して配置される。第4補助電源接点24Aは、第1負荷回路4Aに接続される。
【0027】
第2可動片25Aは、
図2に示す主接続位置と、
図3に示す補助接続位置とに移動可能である。
図2に示すように、第2可動片25Aは、主接続位置において、第3主電源接点21Aと第4主電源接点22Aとを接続し、第3補助電源接点23Aと第4補助電源接点24Aと遮断する。
図3に示すように、第2可動片25Aは、補助接続位置において、第3補助電源接点23Aと第4補助電源接点24Aと接続し、第3主電源接点21Aと第4主電源接点22Aとを遮断する。第2コイル26Aは、磁力により、第2可動片25Aを主接続位置と補助接続位置とに移動させる。
【0028】
第1負荷側リレー8Aは、主接続状態と補助接続状態とに切り替え可能である。第2可動片25Aが主接続位置に配置されることで、第1負荷側リレー8Aは、主接続状態となる。第1負荷側リレー8Aは、主接続状態において、第3主電源接点21Aと第4主電源接点22Aとを接続して、第3補助電源接点23Aと第4補助電源接点24Aとを遮断する。第2可動片25Aが補助接続位置に配置されることで、第1負荷側リレー8Aは、補助接続状態となる。第1負荷側リレー8Aは、補助接続状態において、第3補助電源接点23Aと第4補助電源接点24Aとを接続して、第3主電源接点21Aと第4主電源接点22Aとを遮断する。
【0029】
第2負荷側リレー8Bと第3負荷側リレー8C構成とは、第1負荷側リレー8Aと同様の構成を有する。詳細には、第2負荷側リレー8Bは、第3主電源接点21Bと、第4主電源接点22Bと、第3補助電源接点23Bと、第4補助電源接点24Bと、第2可動片25Bと、第2コイル26Bとを含む。第2負荷側リレー8Bの第3主電源接点21Bと、第4主電源接点22Bと、第3補助電源接点23Bと、第4補助電源接点24Bと、第2可動片25Bと、第2コイル26Bとは、第1負荷側リレー8Aの第3主電源接点21Aと、第4主電源接点22Aと、第3補助電源接点23Aと、第4補助電源接点24Aと、第2可動片25Aと、第2コイル26Aと、それぞれ同様である。
【0030】
第3負荷側リレー8Cは、第3主電源接点21Cと、第4主電源接点22Cと、第3補助電源接点23Cと、第4補助電源接点24Cと、第2可動片25Cと、第2コイル26Cとを含む。第3負荷側リレー8Cの第3主電源接点21Cと、第4主電源接点22Cと、第3補助電源接点23Cと、第4補助電源接点24Cと、第2可動片25Cと、第2コイル26Cとは、第1負荷側リレー8Aの第3主電源接点21Aと、第4主電源接点22Aと、第3補助電源接点23Aと、第4補助電源接点24Aと、第2可動片25Aと、第2コイル26Aと、それぞれ同様である。
【0031】
コントローラ9は、電源側リレー5A-5Cと負荷側リレー8A-8Cとを制御する。コントローラ9は、例えばプロセッサとメモリとを含む。コントローラ9は、第1~第3電源側リレー5A-5Cの第1コイル16A-16Cへ指令信号を出力する。それにより、コントローラ9は、第1~第3電源側リレー5A-5Cをそれぞれ制御する。コントローラ9は、第1~第3負荷側リレー8A-8Cの第2コイル26A-26Cへ指令信号を出力する。それにより、コントローラ9は、第1~第3負荷側リレー8A-8Cをそれぞれ制御する。
【0032】
図1に示すように、コントローラ9は、電源側リレー5A-5Cを主接続状態に設定し、且つ、負荷側リレー8A-8Cを主接続状態に設定することで、主電源P1を負荷L1-L3に接続し、補助電源P2を負荷L1-L3から遮断する。詳細には、第1~第3電源側リレー5A-5Cは、主接続状態において、第1~第3主電源回路2A-2Cを、それぞれ第1~第3主連結回路6A-6Cに接続する。第1~第3負荷側リレー8A-8Cは、主接続状態において、第1~第3主連結回路6A-6Cを、それぞれ第1~第3負荷回路4A-4Cに接続する。それにより、第1~第3主電源回路2A-2Cが、それぞれ第1~第3負荷回路4A-4Cに接続され、主電源P1から負荷L1-L3に電力が供給される。
【0033】
図4に示すように、コントローラ9は、電源側リレー5A-5Cをそれぞれ補助接続状態に切り替え、且つ、負荷側リレー8A-8Cをそれぞれ補助接続状態に切り替えることで、補助電源P2を負荷L1-L3に接続し、主電源P1を負荷L1-L3から遮断する。詳細には、
図4に示すように、第1~第3電源側リレー5A-5Cは、補助接続状態において、第1~第3補助電源回路3A-3Cを、それぞれ第1~第3補助連結回路7A-7Cに接続する。第1~第3負荷側リレー8A-8Cは、補助接続状態において、第1~第3補助連結回路7A-7Cを、それぞれ第1~第3負荷回路4A-4Cに接続する。それにより、第1~第3補助電源回路3A-3Cが、それぞれ第1~第3負荷回路4A-4Cに接続され、補助電源P2から負荷L1-L3に電力が供給される。
【0034】
コントローラ9は、主電源P1が停電した場合に、負荷L1-L3の電源を、主電源P1から補助電源P2に切り替える。コントローラ9は、主電源P1が復旧した場合に、負荷L1-L3の電源を、補助電源P2から主電源P1に切り替える。
図5は、電源の切替における電源側リレー5A-5Cと負荷側リレー8A-8Cの制御を示すタイミングチャートである。
【0035】
図5に示すように、時間T0において、主電源P1は、通電状態であり、コントローラ9は、電源側リレー5A-5Cと負荷側リレー8A-8Cとを主接続状態に設定する。それにより、電力が、主電源P1から、主電源回路2A-2Cと主連結回路6A-6Cと負荷回路4A-4Cとを介して、負荷L1-L3に供給される。
【0036】
時間T1において、主電源P1が停電すると、コントローラ9は、時間T2において、電源側リレー5A-5Cを主接続状態から補助接続状態に切り換える。コントローラ9は、電源側リレー5A-5Cを補助接続状態に切り替えた後、所定時間t1経過後、時間T3において、負荷側リレー8A-8Cを補助接続状態に切り替える。それにより、電力が、補助電源P2から、補助電源回路3A-3Cと補助連結回路7A-7Cと負荷回路4A-4Cとを介して、負荷L1-L3に供給される。
【0037】
時間T4において、主電源P1が通電状態に復旧すると、コントローラ9は、時間T5において、電源側リレー5A-5Cを補助接続状態から主接続状態に切り換える。コントローラ9は、電源側リレー5A-5Cを主接続状態に切り替えた後、所定時間t2経過後、時間T6において、負荷側リレー8A-8Cを主接続状態に切り替える。それにより、電力が、主電源P1から、主電源回路2A-2Cと主連結回路6A-6Cと負荷回路4A-4Cとを介して、負荷L1-L3に供給される。なお、所定時間t2は、所定時間t1と同じであってもよく、或いは異なってもよい。
【0038】
以上説明した本実施形態に係る電源切替装置1では、接点が溶着した場合に、電源の短絡が防止される。例えば、
図6に示すように、主電源P1の復旧時に、第1電源側リレー5Aの第1補助電源接点13Aが溶着した場合、第2電源側リレー5B、第3電源側リレー5C、及び第1~第3負荷側リレー8A-8Cは、主接続状態に切り替わるが、第1電源側リレー5Aは主接続状態に切り替わらない。この場合、第2主電源回路2Bと第3主電源回路2Cとは、それぞれ第2負荷回路4Bと第3負荷回路4Cとにそれぞれ接続されるが、第1主電源回路2Aは、第1負荷回路4Aに接続されない。しかし、第1負荷側リレー8Aは主接続状態に切り替えられており、第1負荷側リレー8Aは、第1補助連結回路7Aと第1負荷回路4Aとを遮断している。従って、第1補助電源回路3Aは、第1負荷回路4Aから遮断されているため、主電源P1と補助電源P2との短絡が防止される。第2電源側リレー5B、第3電源側リレー5C、或いは第1~第3負荷側リレー8A-8Cが溶着した場合も同様に、主電源P1と補助電源P2との短絡が防止される。
【0039】
コントローラ9は、電源側リレー5A-5Cを補助接続状態に切り替えた後、所定時間t1経過後に、負荷側リレー8A-8Cを補助接続状態に切り替える。また、コントローラ9は、電源側リレー5A-5Cを主接続状態に切り替えた後、所定時間t2経過後に、負荷側リレー8A-8Cを主接続状態に切り替える。それにより、電源側リレー5A-5Cにおけるアークの発生が抑えられる。
【0040】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0041】
上述した主電源P1と補助電源P2とは、単相三線式の交流電源である。ただし、主電源P1と補助電源P2とは、三相三線式であってもよい。或いは、
図7に示すように、主電源P1と補助電源P2とは、単相二線式であってもよい。なお、第2電源側リレー5Bと第2負荷側リレー8Bとは省略されてもよい。主電源P1は、商用電源に限らず、蓄電池、或いは発電機などの他の電源であってもよい。
【0042】
コントローラ9は、負荷側リレー8A-8Cを主接続状態に切り替えた後、所定時間経過後に、電源側リレー5A-5Cを主接続状態に切り替えてもよい。コントローラ9は、負荷側リレー8A-8Cを補助接続状態に切り替えた後、所定時間経過後に、電源側リレー5A-5Cを補助接続状態に切り替えてもよい。この場合、負荷側リレー8A-8Cにおけるアークの発生が抑えられる。
【0043】
電源切替装置1の構成は、上記の実施形態のものに限らず、変更されてもよい。例えば、コントローラ9は、省略されてもよい。例えば、スイッチが手動で押されることで、電源側リレー5A-5Cと負荷側リレー8A-8Cとに指令信号が入力されてもよい。それにより、電源側リレー5A-5Cの接続状態と、負荷側リレー8A-8Cの接続状態とが切り替えられてもよい。
【0044】
図8に示すように、電源切替装置1は、主電源センサ31A-31Cと補助電源センサ32A-32Cとをさらに備えてもよい。主電源センサ31A-31Cは、それぞれ主電源回路2A-2Cの電圧を検出する。コントローラ9は、主電源センサ31Aによって検出された第1主電源回路2Aの電圧に基づいて、第1主電源接点11Aと第2主電源接点12Aと第3主電源接点21Aと第4主電源接点22Aとのいずれかの溶着を判定する。コントローラ9は、主電源センサ31Bによって検出された第2主電源回路2Bの電圧に基づいて、第1主電源接点11Bと第2主電源接点12Bと第3主電源接点21Bと第4主電源接点22Bとのいずれかの溶着を判定する。コントローラ9は、主電源センサ31Cによって検出された第3主電源回路2Cの電圧に基づいて、第1主電源接点11Cと第2主電源接点12Cと第3主電源接点21Cと第4主電源接点22Cとのいずれかの溶着を判定する。なお、主電源センサ31A-31Cは、それぞれ主電源回路2A-2Cの電流を検出してもよい。コントローラ9は、主電源センサ31A-31Cによって検出された主電源回路2A-2Cの電流に基づいて、溶着を判定してもよい。
【0045】
補助電源センサ32A-32Cは、それぞれ補助電源回路3A-3Cの電圧を検出する。コントローラ9は、補助電源センサ32Aによって検出された第1補助電源回路3Aの電圧に基づいて、第1補助電源接点13Aと第2補助電源接点14Aと第3補助電源接点23Aと第4補助電源接点24Aとのいずれかの溶着を判定する。コントローラ9は、補助電源センサ32Bによって検出された第2補助電源回路3Bの電圧に基づいて、第1補助電源接点13Bと第2補助電源接点14Bと第3補助電源接点23Bと第4補助電源接点24Bとのいずれかの溶着を判定する。コントローラ9は、補助電源センサ32Cによって検出された第3補助電源回路3Cの電圧に基づいて、第1補助電源接点13Cと第2補助電源接点14Cと第3補助電源接点23Cと第4補助電源接点24Cとのいずれかの溶着を判定する。なお、補助電源センサ32A-32Cは、それぞれ補助電源回路3A-3Cの電流を検出してもよい。コントローラ9は、補助電源センサ32A-3Cによって検出された補助電源回路3A-3Cの電流に基づいて、溶着を判定してもよい。
【0046】
コントローラ9は、主電源接点、或いは補助電源接点のいずれかの溶着が発生していると判定した場合には、警報を出力してもよい。警報は、例えばディスプレイに表示される。或いは、警報は、ランプの点灯などの他の手段によって出力されてもよい。或いは、コントローラ9は、主電源接点、或いは補助電源接点のいずれかの溶着が発生していると判定した場合には、電源の切り替えを禁止してもよい。
【0047】
電源側リレー5A-5Cと負荷側リレー8A-8Cとの構成は上記の実施形態のものに限らず、変更されてもよい。例えば、上記の実施形態において、電源側リレー5A-5Cと負荷側リレー8A-8Cとは、1a1b型の接点構造を有する。しかし、
図9に示すように、電源側リレー5Aと負荷側リレー8Aとは、3a3b型の接点構造を有してもよい。或いは、
図10に示すように、負荷側リレー8A-8Cは、1c型の接点構造を有してもよい。上記の実施形態では、リレーは、ダブルブレーク型の接点構造を有している。しかし、リレーは、シングルブレーク型の接点構造を有してもよい。接点は、可動片と別体であってもよく、或いは可動片の一部であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明によれば、複数の電源の切り替えを行う電源切替装置において、接点が溶着した場合に、電源の短絡を防止することができる。
【符号の説明】
【0049】
1:電源切替装置、 2A:第1主電源回路、 3A:第1補助電源回路、 4A:第1負荷回路、 5A:第1電源側リレー、 6A:第1主連結回路、 7A:第1補助連結回路、 8A:第1負荷側リレー、 9:コントローラ、 11A:第1主電源接点、 12A:第2主電源接点、 13A:第1補助電源接点、 14A:第2補助電源接点、 21A:第3主電源接点、 23A:第3補助電源接点、 31A:主電源センサ、 32A:補助電源センサ、 L1-L3:負荷、 P1:主電源、 P2:補助電源