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特開2024-95462面材取付構造、面材の施工方法及びフェンス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095462
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】面材取付構造、面材の施工方法及びフェンス
(51)【国際特許分類】
   E04H 17/16 20060101AFI20240703BHJP
   E04H 17/14 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
E04H17/16 101
E04H17/14 102
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022212768
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】柴田 航輔
(72)【発明者】
【氏名】市川 聖士
(72)【発明者】
【氏名】宮▲崎▼ 慎也
【テーマコード(参考)】
2E142
【Fターム(参考)】
2E142DD06
2E142DD10
2E142DD15
2E142DD23
2E142DD32
2E142HH01
2E142HH13
2E142HH22
2E142MM04
(57)【要約】
【課題】面材の施工性が良い面材取付構造及び面材の施工方法を提供すること。
【解決手段】面材と、面材を支持する支持部材と、面材の端面を前記支持部材の側面に取り付ける取付部材と、を備え、取付部材は、面材の支持部材に対向する面に取り付けられる面材側取付部材と、支持部材の面材に対向する面に取り付けられる支持部材側取付部材と、を有し、面材側取付部材は、面材側取付部材の長さ方向に沿って延びるとともに支持部材に向けて突出する第1取付片を有し、支持部材側取付部材は、支持部材側取付部材の長さ方向に沿って延びるとともに面材に向けて突出する第2取付片を有し、第1取付片は、面材によって仕切られる空間の一方側から第2取付片に重なり、一方側からねじによって、第2取付片に固定される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
面材と、
前記面材を支持する支持部材と、
前記面材の端面を前記支持部材の側面に取り付ける取付部材と、を備え、
前記取付部材は、
前記面材の前記支持部材に対向する面に取り付けられる面材側取付部材と、
前記支持部材の前記面材に対向する面に取り付けられる支持部材側取付部材と、
を有し、
前記面材側取付部材は、前記面材側取付部材の長さ方向に沿って延びるとともに前記支持部材に向けて突出する第1取付片を有し、
前記支持部材側取付部材は、前記支持部材側取付部材の長さ方向に沿って延びるとともに前記面材に向けて突出する第2取付片を有し、
前記第1取付片は、前記面材によって仕切られる空間の一方側から前記第2取付片に重なり、前記一方側からねじによって、前記第2取付片に固定される、面材取付構造。
【請求項2】
前記取付部材は、前記面材側取付部材に対して着脱可能に取り付けられて前記一方側から前記ねじによって固定された前記第1取付片を覆うカバー部材を有する、請求項1に記載の面材取付構造。
【請求項3】
前記支持部材側取付部材は、前記面材によって仕切られる前記空間の他方側から前記第2取付片を覆うカバー片を有する、請求項2に記載の面材取付構造。
【請求項4】
前記カバー部材と前記カバー片とのそれぞれの正面形状は、同一形状である、請求項3に記載の面材取付構造。
【請求項5】
面材の端部を支持部材に取り付ける面材の施工方法であって、
前記面材の前記支持部材に対向する面に、面材側取付部材を取り付け、
前記面材側取付部材は、前記面材側取付部材の長さ方向に沿って延びるとともに前記支持部材に向けて突出する第1取付片を有し、
前記支持部材の前記面材に対向する面に、支持部材側取付部材を取り付け、
前記支持部材側取付部材は、前記支持部材側取付部材の長さ方向に沿って延びるとともに前記面材に向けて突出する第2取付片を有し、
前記面材によって仕切られる空間の一方側から前記第1取付片を前記第2取付片に重ねることによって前記面材を前記支持部材に対して装着した後、前記一方側から前記第1取付片を前記第2取付片に対してねじ固定する、面材の施工方法。
【請求項6】
請求項1~4のいずれかに記載の面材取付構造を備える、フェンス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、面材取付構造、面材の施工方法及びフェンスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、空間を一方側と他方側とに仕切る面材である仕切り部材を、一方側から他方側に向けて引き寄せて支持部材である桁に装着した後、他方側から一方側に向けてねじ込まれるねじによって桁に固定した仕切り構造体が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-206830号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、支持部材に対する面材の装着方向が一方側から他方側へ向かうのに対し、ねじのねじ込み方向が他方側から一方側に向かうように構成される。そのため、支持部材に対する面材の装着方向とねじのねじ込み方向とが異なり、施工性が悪い。
【0005】
本開示は、面材の施工性が良い面材取付構造、面材の施工方法及びフェンスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、面材と、前記面材を支持する支持部材と、前記面材の端面を前記支持部材の側面に取り付ける取付部材と、を備え、前記取付部材は、前記面材の前記支持部材に対向する面に取り付けられる面材側取付部材と、前記支持部材の前記面材に対向する面に取り付けられる支持部材側取付部材と、を有し、前記面材側取付部材は、前記面材側取付部材の長さ方向に沿って延びるとともに前記支持部材に向けて突出する第1取付片を有し、前記支持部材側取付部材は、前記支持部材側取付部材の長さ方向に沿って延びるとともに前記面材に向けて突出する第2取付片を有し、前記第1取付片は、前記面材によって仕切られる空間の一方側から前記第2取付片に重なり、前記一方側からねじによって、前記第2取付片に固定される、面材取付構造に関する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態に係る面材の正面図である。
図2】本実施形態に係る面材の部分を一部破断して示す斜視図である。
図3図1中のA-A線に沿う断面図である。
図4】本実施形態に係る枠部材の部分を示す斜視図である。
図5】本実施形態に係る取付部材の部分を示す分解斜視図である。
図6】本実施形態に係る面材と枠部材との分解斜視図である。
図7】本実施形態に係る面材の施工方法を説明する図である。
図8】本実施形態に係る面材の施工方法を説明する図である。
図9】本実施形態に係る面材の施工方法を説明する図である。
図10】本実施形態に係る面材の部分を敷地内から見た図である。
図11】本実施形態に係る面材の部分を敷地外から見た図である。
図12】他の実施形態に係る面材の正面図である。
図13】他の実施形態に係る面材の正面図である。
図14】他の実施形態に係る面材の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。本開示の面材取付構造及び面材の施工方法が適用される面材は、代表的には、敷地の境界等に設置されるフェンス、バルコニー等に設置される柵、等が挙げられる。本開示の面材取付構造及び面材の施工方法は、これらに限定されず、面材によって空間を一方側と他方側とに仕切る構造体に広く適用できる。
【0009】
本実施形態では、面材として、細幅状の複数の横桟4を使用し、複数の横桟4を支持部材である柱材2,2間に平行に架け渡すことによって構成されるフェンス1を例に挙げて説明する。各図中におけるX1、X2は、フェンス1によって一方側と他方側とに仕切られる空間及びフェンス1から見たときの空間が配置される方向を示す。本明細書では、X1は敷地内と定義し、X2は敷地外と定義する。
【0010】
図1は、フェンス1を、敷地外である空間X2側から見た正面図である。フェンス1は、一対の柱材2,2と、一対の柱材2,2の上端部を横方向に連結する桁材3と、桁材3の下方において一対の柱材2,2に亘って架け渡される複数の横桟4と、複数の横桟4を柱材2,2にそれぞれ取り付けるための取付部材5と、を有する。
【0011】
柱材2は、アルミニウム等の金属材からなる押出型材である。柱材2は、図3に示すように、断面矩形状の角柱からなる。柱材2は、内部に矩形の中空部20を有する。一対の柱材2,2は、横桟4を配置可能な距離をおいて設置面から平行に立設される。柱材2の上端面は、金属もしくは樹脂からなるキャップ材21によって閉塞される。本実施形態の柱材2は、本開示の支持部材に対応する。
【0012】
桁材3は、アルミニウム等の金属材からなる断面矩形状の押出型材である。桁材3は、図1及び図2に示すように、一対の柱材2,2の上端部を横方向に連結する。詳しくは、桁材3の両端面は、一対の柱材2,2の互いに対向する側面2a、2aの上端部に当接し、図示しない固定部材によって固定される。
【0013】
横桟4は、アルミニウム等の金属材からなる押出型材である。横桟4は、図6に示すように、断面矩形状の角柱状に形成される。横桟4は、内部に矩形の中空部40を有する。本実施形態では、図1に示すように、一対の柱材2,2間に横方向に架設される20本の横桟4によって、空間X1,X2を仕切る面材を構成する。複数の横桟4は、隣り合う横桟4,4間に僅かな隙間をあけて、上下方向に沿って1列に平行に配列される。
【0014】
取付部材5は、横桟4を柱材2に取り付けるための部材であり、柱材2と横桟4との間に配置される。詳しくは、取付部材5は、柱材2の横桟4に対向する側面2aと、横桟4の柱材2に対向する端面4aと、の間に配置され、柱材2と横桟4とを接続する。取付部材5は、全ての横桟4の端面4aに亘って上下方向に延びている。取付部材5は、一対の柱材2,2の各側面2a,2aと、横桟4の両端面4aと、の間にそれぞれ配置される。
【0015】
取付部材5は、図3図5に示すように、横桟側取付部材51と、柱材側取付部材52と、を含んで構成される。横桟側取付部材51は、複数の横桟4の端面4aに亘って取り付けられる縦枠部材である。柱材側取付部材52は、柱材2の側面2aに取り付けられる枠部材である。横桟側取付部材51及び柱材側取付部材52は、いずれもアルミニウム等の金属材からなる押出型材である。本実施形態の横桟側取付部材51、柱材側取付部材52は、それぞれ本開示の面材側取付部材、支持部材側取付部材に対応する。
【0016】
横桟側取付部材51は、複数の横桟4の端面4aに亘って取り付けられる。本実施形態の横桟側取付部材51は、図6に示すように、上下に配列される4本の横桟4の各端面4aに対して1つずつの横桟側取付部材51が配置される。したがって、本実施形態のフェンス1では、20本の横桟4に対応して、両端面にそれぞれ5本ずつの横桟側取付部材51が配置される。
【0017】
横桟側取付部材51は、図4に示すように、基板部511と、第1取付片512と、一対の係止片513a,513bと、を一体に有する。
【0018】
基板部511は、複数の横桟4の端面4aに亘って当接して当該端面4aに取り付けられる部位である。基板部511は、取付け対象となる上下方向に配列される複数の横桟4の全ての端面4aに亘る上下方向の長さを有する。基板部511には、横桟4の端面4aに開口するタッピングホール41の位置に対応して、基板部511を横桟4の端面4aに取り付けるためのねじ510を貫通させる複数のねじ孔5112が設けられている。
【0019】
第1取付片512は、後述の柱材側取付部材52に対して取り付ける板状の部位である。第1取付片512は、基板部511の幅方向(空間X1-X2方向)における空間X1寄りの位置から、横桟4の端面4aと対向する柱材2の側面2aに向けて突出している。第1取付片512の両面512a,512bは、空間X1,X2に面している。第1取付片512は、基板部511の上下の長さ方向の全長に亘って一定幅で延びている。第1取付片512には、柱材側取付部材52に対して取り付けるためのねじ50を貫通させる複数のねじ孔5121が設けられている。第1取付片512は、ねじ50をねじ込むのに必要十分な突出方向の幅を有する。
【0020】
一対の係止片513a,513bは、後述のカバー部材53を着脱可能に係止する板状の部位である。一対の係止片513a,513bは、基板部511の上下の長さ方向の全長に亘って延びている。一対の係止片513a,513bは、空間X1に向けて平行に突出している。一方の係止片513aは、第1取付片512よりも空間X1側に配置される基板部511の端縁部によって形成される。他方の係止片513bは、第1取付片512における基板部511から遠い側の端縁に配置され、空間X1に向けて突出している。空間X1-X2方向に沿う係止片513a,513bの先端位置は、同一位置に配置されている。横桟側取付部材51において、係止片513aを含む基板部511の空間X1-X2方向に沿う幅は、空間X1-X2方向に沿う横桟4の厚み以上である。
【0021】
柱材側取付部材52は、図5に示すように、基板部521と、第2取付片522と、カバー片523と、を一体に有する。
【0022】
基板部521は、柱材2の側面2aに当接して当該側面2aに取り付けられる部位である。基板部521は、面材を構成する20本の横桟4の配列方向の長さに対応する上下方向の長さを有する。すなわち、横桟側取付部材51は、上下方向に5本に分割されているのに対し、柱材側取付部材52は、柱材2の側面2aに、5本の横桟側取付部材51に対して1本設けられる。基板部521には、柱材2の側面2aに取り付けるためのねじ520を貫通させる複数のねじ孔5211が設けられている。
【0023】
第2取付片522は、横桟側取付部材51に対して取り付ける板状の部位である。詳しくは、第2取付片522は、柱材2に横桟4を取り付けるために、横桟側取付部材51の第1取付片512と重ねられる部位である。第2取付片522は、基板部521の幅方向(空間X1-X2方向)における空間X1側の端縁から、柱材2の側面2aと対向する横桟4の端面4aに向けて突出している。第2取付片522の両面522a,522bは、空間X1,X2に面している。第2取付片522は、基板部521の上下の長さ方向の全長に亘って一定幅で延びている。第2取付片522には、ねじ孔の代わりに、空間X1に面する面522aに、ねじ50のねじ込み位置を指示する断面V形状の切欠き溝5221が、第2取付片522の全長に亘って設けられている。第2取付片522の突出方向の幅は、横桟側取付部材51の第1取付片522の突出方向の幅と略同一である。
【0024】
カバー片523は、柱材側取付部材52の最も空間X2側に配置される部位である。カバー片523は、基板部521の幅方向(空間X1-X2方向)における空間X2側の端縁から、横桟4の端面4aに向けて突出している。カバー片523は、基板部521の上下の長さ方向の全長に亘って一定幅で延びている。横桟4の端面4aに向けたカバー片523の突出方向の幅は、横桟側取付部材51の一対の係止片513a,513bの幅に略等しい。詳しくは、カバー片523の突出方向の幅は、一対の係止片513a,513bの相反する側面間の距離に略等しい。カバー片523は、空間X2側から第2取付片522の全体を覆い隠すように設けられる。カバー片523は、柱材側取付部材52の空間X2側の化粧面を構成する。
【0025】
カバー片523における基板部521から遠い側の端縁には、空間X1に向けて基板部521と略平行に延びる端縁部5231が一体に設けられる。さらに、端縁部5231の空間X1側の端縁には、横桟側取付部材51の基板部511の空間X2側の端縁を当接させる当接片5232が一体に設けられる。当接片5232は、端縁部5231の空間X1側の端縁から、端縁部5231を基板部521側に向けて屈曲するように形成される。当接片5232の先端は、基板部521側且つ空間X1に向けて僅かに屈曲している。端縁部5231及び当接片5232は、基板部521の上下の長さ方向の全長に亘って一定幅で延びている。
【0026】
複数の横桟4に亘って取り付けられた横桟側取付部材51は、柱材2の側面2aに取り付けられた柱材側取付部材52に対して、図3に示すように、第1取付片512が第2取付片522の空間X1側に重なるように装着されている。第1取付片512と第2取付片522とが重なった状態において、柱材側取付部材52のカバー片523は、横桟側取付部材51の基板部511よりも空間X2側にはみ出している。カバー片523の端縁部5231は、横桟側取付部材51の基板部511の空間X2側に、基板部511に対して略面一状に配置される。カバー片523の当接片5232は、横桟側取付部材51の基板部511の空間X2側の端縁に対して、空間X2側から当接している。重なった第1取付片512及び第2取付片522は、空間X1側からねじ込まれるねじ50によって固定される。
【0027】
取付部材5は、図3に示すように、さらにカバー部材53を有する。カバー部材53は、アルミニウム等の金属材もしくは樹脂材によって形成される。カバー部材53は、横桟側取付部材51及び柱材側取付部材52とは別体の部品である。カバー部材53は、柱材側取付部材52の上下方向の長さと同一長さを有する。すなわち、カバー部材53は、横桟側取付部材51の5本分の長さを有する。
【0028】
カバー部材53は、カバー部材本体531と、一対の係止爪532,532と、を有する。カバー部材本体531は、カバー部材53の上下の長さ方向の全長に亘って一定幅で延びている。カバー部材本体531は、カバー部材53の空間X1に面する化粧面を構成する。一対の係止爪532,532は、カバー部材本体531の幅方向の両端縁から空間X2に向けてそれぞれ同一高さで突出している。一対の係止爪532,532は、横桟側取付部材51の一対の係止片531a,531bの内側に対して、空間X1側から着脱可能に取り付けられる。これによって、カバー部材53は、ねじ50によって固定された第1取付片512を空間X1側から覆い隠す。カバー部材本体531の幅は、柱材側取付部材52のカバー片523の幅と同一幅である。そのため、カバー部材53が取り付けられた状態の空間X1側から見たときの取付部材5と、空間X2側から見たときの取付部材5とは、同一意匠である。
【0029】
次に、一対の柱材2,2の間に複数の横桟4を取り付けてフェンス1を構築するための施工方法について、図6図9を参照して説明する。
【0030】
図6に示すように、複数の横桟4を一列に配列し、複数の横桟4の端面4aに横桟側取付部材51を取り付ける。詳しくは、横桟側取付部材51の基板部511を、複数の横桟4の端面4aに亘って当接し、ねじ孔5112を通してタッピングホール41にねじ510をねじ込むことによって固定する。本実施形態では4本の横桟4ずつ同様の作業を繰り返し、4本の横桟4の両端面4a,4aに横桟側取付部材51,51が取り付けられた5組の横桟組立体400を形成する。このとき、横桟4の両端面4a,4aの横桟側取付部材51,51は、同一の向きに取り付けられる。すなわち、横桟側取付部材51,51は、一対の係止片513a,513bが同一方向に突出するように、横桟4の両端面4a,4aに取り付けられる。
【0031】
図7に示すように、柱材2の側面2aに、柱材側取付部材52を取り付ける。詳しくは、柱材側取付部材52の基板部521を、柱材2の上下の長さ方向に沿って柱材2の側面2aの所定位置に当接し、ねじ孔5211を通して側面2aにねじ520をねじ込むことによって固定する。
【0032】
次に、図8に示すように、柱材側取付部材52が取り付けられた柱材2に対して、横桟組立体400を装着する。詳しくは、横桟組立体400の両端から張り出している横桟側取付部材51の第1取付片512を、空間X1側から、一対の柱材2,2の柱材側取付部材52,52から内方に向けて張り出している第2取付片522に当接させて重ね合わせる。その後、第1取付片512から第2取付片522に亘って、空間X1側からねじ50をねじ込むことによって、横桟組立体400を一対の柱材2,2の間に固定する。同様にして、柱材2,2の上下方向に全ての横桟組立体400を固定する。これによって、全ての横桟組立体400が、柱材2,2に支持される。
【0033】
その後、図9に示すように、横桟側取付部材51に、空間X1側からカバー部材53を取り付ける。詳しくは、カバー部材53の一対の係止爪532,532を、空間X1側から、横桟側取付部材51の一対の係止片513a,513bの内側に嵌合して取り付ける。これによって、図3に示すように、柱材2と横桟4との間に、横桟側取付部材51と柱材側取付部材52とが一体に組み合わされた取付部材5が構成される。取付部材5には、図2に示すように、樹脂製のキャップ部材54が取り付けられる。図2には、上側のキャップ部材54のみが示されているが、キャップ部材54は、取付部材5の上下両端面にそれぞれ取り付けられる。これによって、取付部材5の内部への雨水及びゴミの浸入が防止される。
【0034】
全ての横桟4が柱材2,2間に取り付けられた後、柱材2,2の上端部に亘って桁材3が取り付けられる。これによってフェンス1が完成する。
【0035】
このように構成されるフェンス1において、柱材2に横桟4を装着方向は、空間X1から空間X2に向かう方向である。一方、横桟4を柱材2に固定するねじ50のねじ込み方向も、空間X1から空間X2に向かう方向である。両方向は一致するため、フェンス1の組立てを、同一の空間X1側から行うことができる。そのため、フェンス1は、横桟4の施工性に優れる。柱材2及び横桟4には、特別な加工を施す必要はなく、支持部材として通常の柱材2を使用することができ、面材として通常に横桟4を使用することができる。
【0036】
取付部材5は、空間X1側と空間X2側とで同一意匠であるため、図10に示すように、フェンス1を空間X1側から見たときの意匠と、図11に示すように、フェンス1の図10と同一の部位を空間X2側から見たときの意匠との間に差は見られない。そのため、フェンス1は意匠性に優れる。
【0037】
柱材2,2間に架け渡される横桟は、全て同一形状のものに限定されない。例えば、図12に示すフェンス1Aのように、一部の横桟4Aは、横桟4よりも細幅状に形成されたものであってもよい。横桟4と幅の異なる横桟4Aは、例えば、図13に示すように、横桟4が設けられる領域を挟んで、その上下に分散されて配置されてもよい。図14に示すフェンス1Cのように、桁材3は必ずしも設けられなくてもよい。
【0038】
本実施形態に係る面材取付構造及び面材の施工方法によれば、以下の効果を奏する。
【0039】
(1) 面材取付構造は、面材である横桟4、支持部材である柱材2と、横桟4の端面4aを柱材2の側面2aに取り付ける取付部材5と、を備え、取付部材5は、横桟4の柱材2に対向する面である端面4aに取り付けられる横桟側取付部材51と、柱材2の横桟4に対向する面である側面2aに取り付けられる柱材側取付部材52と、を有し、横桟側取付部材51は、横桟側取付部材51の長さ方向に沿って延びるとともに柱材2に向けて突出する第1取付片512を有し、柱材側取付部材52は、柱材側取付部材52の長さ方向に沿って延びるとともに横桟4に向けて突出する第2取付片522を有し、第1取付片512は、横桟4によって仕切られる空間X1,X2の一方側の空間X1から第2取付片522に重なり、一方側の空間X1からねじ50によって、第2取付片522に固定される。
【0040】
これによれば、柱材2に横桟4を装着方向と、横桟4を柱材2に固定するためにねじ50をねじ込む方向とが、同一方向であるため、組立て作業を同一の空間X1側から行うことができる。そのため、面材である横桟4の施工性に優れる。
【0041】
(2) 上記(1)に記載の面材取付構造において、取付部材5は、面材側取付部材51に対して着脱可能に取り付けられて一方側の空間X1からねじ50によって固定された第1取付片512を覆うカバー部材53を有する。
【0042】
これよれば、第1取付片512と第2取付片522のねじ50による固定部位を、空間X1側から見隠しすることができるため、空間X1側からの見栄えが向上する。
【0043】
(3) 上記(2)に記載の面材取付構造において、柱材側取付部材52は、横桟4によって仕切られる空間X1,X2の他方側の空間X2から第2取付片522を覆うカバー片523を有する。
【0044】
これよれば、第1取付片512と第2取付片522のねじ50による固定部位を、空間X2側から見隠しすることができるため、空間X2側からの見栄えが向上する。
【0045】
(4) 上記(3)に記載の面材取付構造において、カバー部材53とカバー片523とのそれぞれの正面形状は、同一形状である。
【0046】
これよれば、空間X1側から見たときの意匠と、空間X2側から見たときの意匠との間に差は見られないため、意匠性がさらに向上する。
【0047】
(5) 面材の施工方法は、面材である横桟4の端部を支持部材である柱材2に取り付ける面材の施工方法であって、横桟4の柱材2に対向する面である端面4aに、横桟側取付部材51を取り付け、横桟側取付部材51は、横桟側取付部材51の長さ方向に沿って延びるとともに柱材2に向けて突出する第1取付片512を有し、柱材2の横桟4に対向する面である側面2aに、柱材側取付部材52を取り付け、柱材側取付部材52は、柱材側取付部材52の長さ方向に沿って延びるとともに横桟4に向けて突出する第2取付片522を有し、横桟4によって仕切られる空間X1,X2の一方側の空間X1から第1取付片512を第2取付片522に重ねることによって横桟4を柱材2に対して装着した後、一方側の空間X1から第1取付片512を第2取付片522に対してねじ固定する。
【0048】
これによれば、柱材2に横桟4を装着方向と、横桟4を柱材2に固定するためにねじ50をねじ込む方向とが、同一方向であるため、組立て作業を同一の空間X1側から行うことができる。そのため、面材である横桟4の施工性に優れる。特に、敷地内の家側から施工可能であるため、隣家や道路を気にすることなく、施工現場の敷地内で作業を行うことができる。
【0049】
以上、本開示の一実施形態について説明したが、本開示の面材取付構造は上記実施形態に限定されない。面材は、複数の横桟4,4Aによって構成されるもの限定されない。図示しないが、面材は、柱材の上下にそれぞれ配置され桁材に亘って上下方向に延びる複数の縦桟によって構成されてもよい。この場合、取付部材5は、上下の桁材と縦桟との間に配置される。面材は、上下左右に交差する格子であってもよい。この場合、取付部材5は、上下の桁材と左右の柱材の両方に配置されてもよい。面材は、横桟4のように複数のパーツを組み合わせて構成されるものに限定されない。面材は、平板状のパネル板、多数の開孔を有するメッシュ板等であってもよい。
【符号の説明】
【0050】
2 柱材(支持部材)、 2a 側面、 4 横桟(面材)、 4a 端面、 5 取付部材、 50 ねじ、 51 横桟側取付部材(面材側取付部材)、 512 第1取付片、 52 柱材側取付部材(支持部材側取付部材)、 522 第2取付片、 523 カバー片、 53 カバー部材、 X1,X2 空間
図1
図2
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図10
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図14