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  • 特開-引戸用引手、引戸、および開閉建具 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095470
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】引戸用引手、引戸、および開閉建具
(51)【国際特許分類】
   E05B 1/06 20060101AFI20240703BHJP
【FI】
E05B1/06 105F
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022212780
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】592048176
【氏名又は名称】ケージーパルテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119389
【弁理士】
【氏名又は名称】門脇 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】後藤 正
(57)【要約】
【課題】 安全性および信頼性を図り、指掛けを容易にして引戸の操作性を向上し、引戸の利便性を向上しやすい引戸用引手、引戸、開閉建具を提供する。
【解決手段】 引戸用引手1は、引戸端部31に固定される基台部10と、基台部10に噛み合わされて引戸端部31の上端と下端との間に位置し、引き出し操作される引手部12と、を備える。基台部10は、引戸端部31に連結される基板部14と、基板部14の横方向の両端から引手部12の側へ突出する基板端突出部16と、を備える。引手部12は、引手基板部18と、引手基板部18の横方向の両端から基板端突出部16の外側に沿って突出する外側突出部20と、引手基板部18の横方向の中央で基台部10と逆の方向に向けて衝立状に突出する衝立突出部22と、衝立突出部22の先端で横方向の左右に伸びて人体の指が掛けられる指掛け部24と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
横方向に移動する引戸を収容する引戸収容壁部から前記引戸を引き出すために前記引戸に装着される引戸用引手であって、
前記引戸が有する引き出し側の引戸端部に固定される基台部と、前記基台部に噛み合わされて前記引戸端部の上端と下端との間に位置し、前記引戸を引き出す際に引き出し操作される引手部と、を備え、
前記基台部は、前記引戸端部に連結される基板部と、前記基板部の横方向の両端から前記引手部の側へ突出する基板端突出部と、を備え、
前記引手部は、前記基板部に対向して位置する引手基板部と、前記引手基板部の横方向の両端から前記基板端突出部の外側に沿って突出する外側突出部と、前記引手基板部の横方向の中央で前記基台部と逆の方向に向けて衝立状に突出する衝立突出部と、前記衝立突出部の先端で横方向の左右に伸びて人体の指が掛けられる指掛け部と、を備え、
前記基板端突出部は、前記外側突出部に噛み合う基板端突出凸部を備え、前記外側突出部は、前記基板端突出部に噛み合う外側突出凸部を備え、前記基板端突出凸部および前記外側突出凸部は相互に噛み合うこと、
を特徴とする引戸用引手。
【請求項2】
請求項1に記載の引戸用引手であって、
前記基板端突出凸部および前記外側突出凸部は、縦方向と交差する水平面における断面において、それぞれ鋸歯状であること、
を特徴とする引戸用引手。
【請求項3】
請求項2に記載の引戸用引手であって、
前記基板端突出凸部および前記外側突出凸部は、それぞれ単一の直角三角形を備えること、
を特徴とする引戸用引手。
【請求項4】
請求項2に記載の引戸用引手であって、
前記基板端突出凸部および前記外側突出凸部は、それぞれ複数の三角形を備えること、
を特徴とする引戸用引手。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか一つに記載の引戸用引手であって、
前記基台部は、合成樹脂で構成され、前記引手部は、金属で構成されていること、
を特徴とする引戸用引手。
【請求項6】
請求項1から請求項4までのいずれか一つに記載の引戸用引手であって、
前記基台部は、横方向の中央で締結金具を介して前記引戸端部に締結されること、
を特徴とする引戸用引手。
【請求項7】
請求項6に記載の引戸用引手であって、
前記締結金具は、ねじ頭を有するねじであること、
を特徴とする引戸用引手。
【請求項8】
請求項7に記載の引戸用引手であって、
前記基板端突出部および前記外側突出部は、前記基板端突出凸部および前記外側突出凸部が噛み合ったとき、前記基台部と前記引手基板部との間に前記ねじ頭を収容するねじ空間を形成すること、
を特徴とする引戸用引手。
【請求項9】
請求項1から請求項4までのいずれか一つに記載の引戸用引手であって、
前記指掛け部と前記引戸収容壁部との間の間隔は、人体の指の抜き差しができる指隙間を備えること、
を特徴とする引戸用引手。
【請求項10】
少なくとも一つの引戸収容壁部に収容され、引き出し側の引戸端部に引き出し用の引戸用引手を備える引戸であって、
前記引戸用引手は、請求項1から請求項4までのいずれか一つに記載の引戸用引手であること、
を特徴とする引戸。
【請求項11】
少なくとも一つの引戸収容壁部と、前記引戸収容壁部に収容される引戸と、前記引戸に装着された引戸用引手と、を備える開閉建具であって、
前記引戸は、請求項10に記載の引戸であること、
を特徴とする開閉建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、横方向に移動して空間の開閉、仕切りを行う引戸に装着される引戸用引手、そのような引戸用引手を装着された引戸、および、そのような引戸を収容する引戸収容壁部を備える開閉建具に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、引戸を操作するときに必要となる引手について検討してきた。過去において、具体的には、引手の操作性に関する成果を出願している(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-19061号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1において開示された技術事項は、課題を解決する手段の提供をしてはいるが、それ以外にその他の多くの課題を見出すことになった。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、引戸の引戸端部に装着されて物理的強度を確保し、安全性および信頼性を図り、指掛けを容易にして引戸の操作性を向上し、引戸の利便性を向上しやすい引戸用引手を提供することを目的とする。
また、本発明は、本発明に係る引戸用引手を装着することにより、機械的強度を確保して安全性および信頼性を図り、指掛けを容易にして利便性を向上しやすい引戸を提供することを他の目的とする。
また、本発明は、本発明に係る引戸用引手を装着した引戸と、引戸を収容する引戸収容壁部とを備えることにより、安全性、信頼性、利便性、更には建具としての美感(デザイン性)を確保しやすい開閉建具を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る引戸用引手は、横方向に移動する引戸を収容する引戸収容壁部から前記引戸を引き出すために前記引戸に装着される引戸用引手であって、前記引戸が有する引き出し側の引戸端部に固定される基台部と、前記基台部に噛み合わされて前記引戸端部の上端と下端との間に位置し、前記引戸を引き出す際に引き出し操作される引手部と、を備え、前記基台部は、前記引戸端部に連結される基板部と、前記基板部の横方向の両端から前記引手部の側へ突出する基板端突出部と、を備え、前記引手部は、前記基板部に対向して位置する引手基板部と、前記引手基板部の横方向の両端から前記基板端突出部の外側に沿って突出する外側突出部と、前記引手基板部の横方向の中央で前記基台部と逆の方向に向けて衝立状に突出する衝立突出部と、前記衝立突出部の先端で横方向の左右に伸びて人体の指が掛けられる指掛け部と、を備え、前記基板端突出部は、前記外側突出部に噛み合う基板端突出凸部を備え、前記外側突出部は、前記基板端突出部に噛み合う外側突出凸部を備え、前記基板端突出凸部および前記外側突出凸部は相互に噛み合うこと、を特徴とする。
したがって、本発明に係る引戸用引手は、引戸の引戸端部に装着されて物理的強度を確保し、安全性および信頼性を図り、指掛けを容易にして引戸の操作性を向上し、引戸の利便性を向上しやすい。
【0006】
また、本発明の一実施の形態に係る引戸用引手では、前記基板端突出凸部および前記外側突出凸部は、縦方向と交差する水平面における断面において、それぞれ鋸歯状であること、を特徴とする。
また、本発明の一実施の形態に係る引戸用引手では、前記基板端突出凸部および前記外側突出凸部は、それぞれ単一の直角三角形を備えること、を特徴とする。
また、本発明の一実施の形態に係る引戸用引手では、前記基板端突出凸部および前記外側突出凸部は、それぞれ複数の三角形を備えること、を特徴とする。
また、本発明の一実施の形態に係る引戸用引手では、前記基台部は、合成樹脂で構成され、前記引手部は、金属で構成されていること、を特徴とする。
また、本発明の一実施の形態に係る引戸用引手では、前記基台部は、横方向の中央で締結金具を介して前記引戸端部に締結されること、を特徴とする。
また、本発明の一実施の形態に係る引戸用引手では、前記締結金具は、ねじ頭を有するねじであること、を特徴とする。
また、本発明の一実施の形態に係る引戸用引手では、前記基板端突出部および前記外側突出部は、前記基板端突出凸部および前記外側突出凸部が噛み合ったとき、前記基台部と前記引手基板部との間に前記ねじ頭を収容するねじ空間を形成すること、を特徴とする。
また、本発明の一実施の形態に係る引戸用引手では、前記指掛け部と前記引戸収容壁部との間の間隔は、人体の指の抜き差しができる指隙間を備えること、を特徴とする。
【0007】
本発明に係る引戸は、少なくとも一つの引戸収容壁部に収容され、引き出し側の引戸端部に引き出し用の引戸用引手を備える引戸であって、前記引戸用引手は、本発明のいずれか一つに記載の引戸用引手であること、を特徴とする。
したがって、本発明に係る引戸は、本発明に係る引戸用引手を備えるので、操作しやすい状態を確保しやすく、引戸としての安全性、利便性、および美感(デザイン性)を向上しやすい。
本発明に係る開閉建具は、少なくとも一つの引戸収容壁部と、前記引戸収容壁部に収容される引戸と、前記引戸に装着された引戸用引手と、を備える開閉建具であって、前記引戸は、本発明に係る引戸であること、を特徴とする。
したがって、本発明に係る開閉建具は、本発明に係る引戸用引手を備える引戸を収容する引戸収容壁部を備えるので、引戸の開閉が容易かつ正確になり、安全性、信頼性、利便性、更には建具としての美感(デザイン性)を確保しやすい。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る引戸用引手は、物理的強度を確保して安全性、信頼性を図り、指掛けを容易にして引戸の利便性を向上しやすいという効果を奏する。
また、本発明に係る引戸は、物理的強度を確保して安全性、信頼性を図り、指掛けを容易にする引手を備えるので、利便性を向上しやすいという効果を奏する。
また、本発明に係る開閉建具は、本発明に係る引戸を収容する引戸収容壁部を備えるので、引戸の物理的強度を確保して安全性、信頼性を図り、また、指掛けを容易にする引戸用引手を備えるので、引戸の開閉が容易かつ正確になり、利便性とデザイン性を向上しやすいという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態1に係る引戸用引手および引戸の組み立て前の分離状態の概要を示す分解斜視図である。
図2図1に示した引戸用引手および引戸の組み立て後の概要を示す概観斜視図である。
図3A図1に示した引戸用引手における基台部と引手部とが噛み合う連結状態の第1例を模式的に示す連結模式図である。
図3B図3Aに示した第1例における基板部の基板端突出凸部および外側突出部の外側突出凸部の連結状態を拡大して示す部分拡大断面図である。
図4A図1に示した引戸用引手における基台部と引手部とが噛み合う連結状態の第2例を模式的に示す連結模式図である。
図4B図4Aに示した第2例における基板部の基板端突出凸部および外側突出部の外側突出凸部の連結状態を拡大して示す部分拡大断面図である。
図5A】本発明の実施の形態2に係る開閉建具として引戸収容壁部が一方のみに位置する場合で引戸が引戸収容壁部に収容された状態を横方向断面で示す断面概念図である。
図5B図5Aに示した開閉建具において、引戸が引戸収容壁部から引き出された状態を示す断面概念図である。
図6】本発明の実施の形態2に係る開閉建具として2つの引戸収容壁部が対となって戸袋を構成する場合で引戸が引戸収容壁部に収容された状態を横方向断面で示す断面概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面(図1ないし図6)を参照して本発明の実施の形態1、実施の形態2について説明する。
[実施の形態1](図1図2図3A図3B図4A図4B
図1ないし図4Bを参照して、本発明の実施の形態1に係る引戸用引手1、引戸3について説明する。なお、図1図2においては、縦方向の中間部分は便宜上、相対的に縮尺されている。
図1は、本発明の実施の形態1に係る引戸用引手1および引戸3の組み立て前の分離状態の概要を示す分解斜視図である。
図2は、図1に示した引戸用引手1および引戸3の組み立て後の概要を示す概観斜視図である。
引戸用引手1および引戸3は、互いに連結され、組み立てられて引戸3として機能する。
図3Aは、図1に示した引戸用引手1における基台部10と引手部12とが噛み合う連結状態の第1例を模式的に示す連結模式図である。
図4Aは、図1に示した引戸用引手1における基台部10と引手部12とが噛み合う連結状態の第2例を模式的に示す連結模式図である。
なお、図3A図4Aにおいては、ハッチングを省略する。
【0011】
引戸用引手1は、横方向に移動する引戸3を収容する引戸収容壁部50(図5A図5B図6参照)から引戸3を引き出すために引戸3に装着される。引戸3に対する引戸用引手1の装着は、基板部14(基台部10)を引戸端部31(引戸3)に締結金具26を介して締結・固定してなされる。なお、図2においては、締結金具26は、引手基板部18によって隠される。
引戸用引手1は、引戸3が有する引き出し側の引戸端部31に固定される基台部10と、基台部10に噛み合わされて引戸端部31の上端と下端との間に位置し、引戸3を引き出す際に引き出し操作される引手部12と、を備える。
基台部10は、引戸端部31に連結される基板部14と、基板部14の横方向の両端から引手部12の側へ突出する基板端突出部16と、を備える。
引手部12は、基板部14に対向して位置する引手基板部18と、引手基板部18の横方向の両端から基板端突出部16の外側に沿って突出する外側突出部20と、引手基板部18の横方向の中央で基台部10と逆の方向に向けて衝立状に突出する衝立突出部22と、衝立突出部22の先端で横方向の左右に伸びて人体の指が掛けられる指掛け部24と、を備える。
【0012】
基台部10および引手部12の連結において、基板端突出部16は、外側突出部20に噛み合う基板端突出凸部17を備え、外側突出部20は、基板端突出部16に噛み合う外側突出凸部21を備え、基板端突出凸部17および外側突出凸部21は相互に噛み合う。
基台部10と引手部12が噛み合う連結状態は、図3A(第1例)、図4A(第2例)に示す通り、2つの場合がある。図3Aおよび図4Aにおける円形2点鎖線で囲んだ連結領域について、それぞれ拡大して図3B図4Bとして示す。
図3Bは、図3Aに示した第1例における基板部14の基板端突出凸部17(基板端突出凸部17s)および外側突出部20の外側突出凸部21(外側突出凸部21s)の連結状態を拡大して示す部分拡大断面図である。
図4Bは、図4Aに示した第2例における基板部14の基板端突出凸部17(基板端突出凸部17d)および外側突出部20の外側突出凸部21(外側突出凸部21d)の連結状態を拡大して示す部分拡大断面図である。
なお、図3B図4Bにおいては、図3A図4Aと同様にハッチングを省略する。
基板端突出凸部17sおよび基板端突出凸部17dを区別する必要がないときは、単に基板端突出凸部17とする。外側突出凸部21sおよび外側突出凸部21dを区別する必要がないときは、単に外側突出凸部21とする。
【0013】
引戸用引手1において、基板端突出凸部17および外側突出凸部21は、縦方向と交差する横方向における断面(水平面)において、それぞれ鋸歯状である。縦方向と交差する横方向(水平面)の断面において、基板端突出凸部17と外側突出凸部21との間の噛み合わせは、鋸歯状であるので、確実な噛み合わせを実現しやすい。
基板端突出凸部17sおよび外側突出凸部21sは、それぞれ単一の直角三角形を備える(図3B)。基板端突出凸部17sと外側突出凸部21sとの間の鋸歯状の噛み合わせは、単一の直角三角形で実施するので噛み合わせの強度を確定しやすい。
基板端突出凸部17dおよび外側突出凸部21dは、それぞれ複数の三角形を備える(図4B)。基板端突出凸部17dと外側突出凸部21dとの間の鋸歯状噛み合わせを複数の三角形で実施するので噛み合わせを潤滑的に位置決めして固定しやすい。
基台部10は、合成樹脂で構成され、引手部12は、金属で構成されていることが好ましい。基台部10は合成樹脂であり、引手部12は金属であるので、基板端突出凸部17(基板端突出凸部17s、基板端突出凸部17d)は合成樹脂であり、外側突出凸部21(外側突出凸部21s、外側突出凸部21d)は金属であるので、鋸歯状による噛み合わせを円滑に実現しやすい。
【0014】
引戸用引手1は、基台部10と引手部12とを備えて物理的強度を確保するので、安全性、信頼性を図りやすい。また、引手部12は、基台部10を覆い、指掛け部24および引手基板部18の正面を引手部12として視認させるので、美感(デザイン性)を得やすい。また、引手部12は、引戸端部31の上端から下端にかけて縦方向に長く位置するので、縦方向での指の位置に関わらず、指掛けが容易になり、引戸3を引き出す操作の利便性を向上しやすい。
引手部12および衝立突出部22は、引戸端部31の縦方向の略全体にわたって位置する。このため、引戸用引手1は、引戸3の引戸端部31に装着されて物理的強度を確保し、安全性および信頼性を図り、指掛けを容易にして引戸の操作性を向上し、引戸の利便性を向上しやすい。
【0015】
[実施の形態2](図5A図5B図6
図5Aないし図6を参照して、本発明の実施の形態2に係る引戸用引手1、引戸3、開閉建具5について説明する。また、実施の形態1では、図1において締結金具26を開示したが、本実施の形態では、締結金具26を含む断面概念図を示して説明を補充する。更に、実施の形態1において説明を省略したねじ空間33、指隙間35についても説明を記載する。なお、実施の形態1における引戸用引手1、引戸3は、本実施の形態における引戸用引手1、引戸3と同一であるので、同一符号を付して適宜説明を省略する。
図5Aは、本発明の実施の形態2に係る開閉建具5として引戸収容壁部50が一方のみに位置する場合で引戸3が引戸収容壁部50に収容された状態を横方向断面(水平方向断面)で示す断面概念図である。
図5Bは、図5Aに示した開閉建具5において、引戸3が引戸収容壁部50から引き出された状態を示す断面概念図である。
図6は、本発明の実施の形態2に係る開閉建具5として2つの引戸収容壁部50が対となって戸袋を構成する場合で引戸3が引戸収容壁部50に収容された状態を横方向断面(水平方向断面)で示す断面概念図である。
【0016】
引戸収容壁部50は、引戸3の不使用時に引戸3を収容する構造を備える。引戸収容壁部50は、少なくとも一つあれば機能する。引戸収容壁部50は、1個の場合(図5A図5B)は、壁面状での収容状態となり、引戸3は片引き戸の形態となる。引戸収容壁部50は、2個で対を構成する場合(図6)は、通常戸袋として把握され、引戸3は、引き込み戸の形態となる。
締結金具26について説明する。
基台部10(基板部14)は、横方向の中央で締結金具26を介して引戸端部31に締結される(図1参照)。
横方向の中央で、基台部10(基板部14)を引戸端部31に位置決め固定するので締結の強度を向上し、信頼性を確保しやすい。ねじ穴は、ねじ頭28の反対側の基台部10に位置する(図1では省略)。なお、締結金具26は、基板部14(基台部10)の少なくとも上下2か所に配置される(図1参照)。必要であれば、基板部14の上下方向の中間に更に追加しても良い。
締結金具26は、ねじ頭28を有するねじである。締結金具26は、ねじ頭28を有するねじであるので、ねじ頭28に応じた面積で基台部10に対する強度を確保しやすく、基台部10の締結強度を確保して信頼性の高い締結を実現しやすい。
【0017】
基板端突出部16(基板部14)および外側突出部20(引手基板部18)は、基板端突出凸部17および外側突出凸部21が噛み合ったとき、基台部10と引手基板部18との間にねじ頭28を収容するねじ空間33を形成する(図3A図4A参照)。つまり、ねじ空間33は、基台部10(基板部14)と引手部12(引手基板部18)との間に形成される。ねじ頭28を収容するねじ空間33を形成するので、ねじ頭28を有するねじを締結金具26として効果的に配置しやすい。
【0018】
引戸用引手1において、指掛け部24と引戸収容壁部50との間の間隔は、人体の指の抜き差しができる指隙間35を備える(図5A図6)。
指掛け部24と引戸収容壁部50との間の間隔を所定の広さの指隙間35とすることにより、引戸収容壁部50と引戸3(指掛け部24)との間に挿入される人体の指の抜き差しが容易にできるので、引戸収容壁部50と指掛け部24との間で、人体の指が挟まれること回避しやすい。
特に子供のように指掛け部24と引戸収容壁部50との間の指隙間35について、十分な認識を持たない状態で操作したときにおいても、指が挟まれる状態を回避しやすい。
指隙間35は、安全面およびデザイン面から考慮して、横方向の中心に対して左右対称であることが好ましい。指隙間35は、左右対称により、引戸収容壁部50が単数、複数のいずれであっても同様に機能する。
【0019】
本実施の形態に係る引戸3は、少なくとも一つの引戸収容壁部50に収容され、引き出し側の引戸端部31に引き出し用の引戸用引手1を備える引戸3(図2参照)であり、引戸用引手1は、実施の形態1に係る引戸用引手1である。
引戸3は、実施の形態1に係る引戸用引手1を備えるので、操作しやすい状態を確保しやすく、引戸3としての安全性、利便性、および美感(デザイン性)を向上しやすい。
引戸収容壁部50は、少なくとも一つの引戸収容壁部50を備えれば良く、2個で対を構成する場合は、通常戸袋(図6参照)として把握される。引戸収容壁部50が1個の場合は、壁面状(図5A図5B参照)での収容状態となる。
引戸3は、物理的強度を確保して安全性、信頼性を図り、指掛けを容易にする引手を備えるので、利便性を向上しやすい。
【0020】
本実施の形態に係る開閉建具5は、少なくとも一つの引戸収容壁部50と、引戸収容壁部50に収容される引戸3と、引戸3に装着された引戸用引手1と、を備える。つまり、開閉建具5における引戸3は、本実施の形態に係る引戸3である。
開閉建具5は、実施の形態1に係る引戸用引手1を備える引戸3を収容する引戸収容壁部50を備えるので、引戸3の開閉が容易かつ正確になり、安全性、信頼性、利便性、更には建具としての美感(デザイン性)を確保しやすい。
開閉建具5は、物理的強度を確保して安全性、信頼性を図り、指掛けを容易にする引戸用引手1および引戸3を備えて利便性を向上しやすい。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明は、引戸用引手、引戸、開閉建具を提供する。このため、安全性および信頼性を図り、指掛けを容易にして引戸の操作性を向上し、引戸の利便性を向上しやすい引戸用引手、引戸、開閉建具を有効に利用できる。
【符号の説明】
【0022】
1 引戸用引手
3 引戸
5 開閉建具
10 基台部
12 引手部
14 基板部
16 基板端突出部
17 基板端突出凸部
17s 基板端突出凸部
17d 基板端突出凸部
18 引手基板部
20 外側突出部
21 外側突出凸部
21s 外側突出凸部
21d 外側突出凸部
22 衝立突出部
24 指掛け部
26 締結金具
28 ねじ頭
31 引戸端部
33 ねじ空間
35 指隙間
50 引戸収容壁部
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6