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特開2024-95473キャップ付き繰出し容器、繰出し容器のレフィル、及び繰出し容器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095473
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】キャップ付き繰出し容器、繰出し容器のレフィル、及び繰出し容器
(51)【国際特許分類】
   A45D 40/00 20060101AFI20240703BHJP
【FI】
A45D40/00 Y
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022212783
(22)【出願日】2022-12-28
(71)【出願人】
【識別番号】000001959
【氏名又は名称】株式会社 資生堂
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】高木 千枝
(57)【要約】
【課題】キャップ付き容器において、キャップの製造を困難にすることなく、キャップされた容器における、レフィルの飛び出しを防ぐ。
【解決手段】キャップ7と、繰出し容器10とを有するキャップ付き繰出し容器100であって、繰出し容器10は、外側の筒状のケースαと、ケースαの内側に位置する繰出し筒6と、繰出し筒6と螺合係合し、棒状内容物Lを保持する部分を有するスティックホルダー5と、繰出し筒6の外側に位置し、ケースαに対して回転可能なスリーブ4と、を有し、スリーブ4の外周面には抜け止め43が設けられ、キャップ7の内周面には位置規制部93が設けられ、繰出し容器10とキャップ7とが係合状態にあるときに、抜け止め43は、ケースのα上端とキャップ7の位置規制部93との間に位置する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャップと、繰出し容器とを有するキャップ付き繰出し容器であって、
前記繰出し容器は、
外側の筒状のケースと、
前記ケースの内側に位置する繰出し筒と、
前記繰出し筒と螺合係合し、棒状内容物を保持する部分を有するスティックホルダーと、
前記繰出し筒の外側に位置し、前記ケースに対して回転可能なスリーブと、を有し、
前記スリーブの外周面には、抜け止めが設けられ、
前記キャップの内周面には、位置規制部が設けられ、
前記繰出し容器と前記キャップとが係合状態にあるときに、前記抜け止めは、前記ケースの上端と前記キャップの前記位置規制部との間に位置する
キャップ付き繰出し容器。
【請求項2】
前記繰出し筒、前記スティックホルダー、及び前記スリーブは、前記ケース及び前記キャップに対して交換可能なレフィルとなり、
前記スリーブの前記抜け止めは、前記繰出し容器と前記キャップとが係合状態にあるときに、前記レフィルが前記ケースから抜けることを防ぐ
請求項1に記載のキャップ付き繰出し容器。
【請求項3】
前記ケースは、外側の周壁を有する外袴筒、及び底面と、該底面の上面から起立し、外周面に嵌合突起が設けられた起立筒とを有する内袴筒、を有し、
前記繰出し筒の下端は、径方向内側に伸び出す内向きフランジとなっており、
前記繰出し筒の前記内向きフランジの内縁が、前記内袴筒の前記嵌合突起を乗り越えることで、前記レフィルが前記ケースに係合する
請求項2に記載のキャップ付き繰出し容器。
【請求項4】
前記繰出し容器と前記キャップとが係合状態にあるとき、
前記スリーブの前記抜け止めは、前記キャップの前記位置規制部に接触又は近接し、
前記スリーブの前記抜け止めと、前記キャップの前記位置規制部との間隔は、前記内袴筒の底面上面から前記起立筒の前記嵌合突起までの距離から、前記内向きフランジの厚さを差し引いた間隔よりも小さい
請求項3に記載のキャップ付き繰出し容器。
【請求項5】
前記スリーブの前記抜け止めは、外周に設けられた環状突起、又は環状に配置された複数の突起である
請求項1に記載のキャップ付き繰出し容器。
【請求項6】
前記キャップは、
有天筒状の外キャップと、
前記外キャップの内側に嵌め込まれる内キャップと、を有し、
前記キャップの前記位置規制部は、前記内キャップの側面の下端と前記外キャップの内側面との境界によって形成されている段差である
請求項1に記載のキャップ付き繰出し容器。
【請求項7】
前記ケースには、周壁の上端近傍に磁石が設けられ、
前記キャップは、
有天筒状の外キャップと、
前記外キャップの内に嵌め込まれる内キャップと、
前記内キャップと前記外キャップとの間に位置し、前記外キャップの側壁の下端近傍に位置する磁石と、を有し、
前記キャップの前記位置規制部は、前記内キャップの内周面の上部が厚肉部で下部が薄肉部であることで形成される段差である
請求項1に記載のキャップ付き繰出し容器。
【請求項8】
前記キャップの前記位置規制部は、前記キャップの側面の内周に形成された環状突起、環状に配置された複数の断続環状突起、又は内周に環状に配置された複数のリブである
請求項1に記載のキャップ付き繰出し容器。
【請求項9】
前記ケースは、周壁を有する袴筒を有し、
前記レフィルは、下部が該レフィルの外側面となるボディを有し、
前記ボディの前記下部の外周面には、環状嵌合突起が設けられ、
前記袴筒の周壁の内周面には、環状に設けられた複数の突起が設けられ、
前記ボディの前記環状嵌合突起が、前記袴筒の前記複数の突起を乗り越えることで、前記レフィルが前記ケースに係合する
請求項2に記載のキャップ付き繰出し容器。
【請求項10】
外側のケースに対して交換可能な繰出し容器のレフィルであって、
前記ケースの内側に位置する繰出し筒と、
前記繰出し筒と螺合係合し、棒状内容物を保持する部分を有するスティックホルダーと、
前記繰出し筒の外側に固定され、前記ケースに対して回転可能なスリーブと、を有し、
前記繰出し容器がキャップと係合状態にあるときに、当該レフィルが前記ケースから外れることを防ぐ抜け止めが、前記スリーブの外周面に設けられている
繰出し容器のレフィル。
【請求項11】
キャップと係合可能な繰出し容器であって、
外側の筒状のケースと、
前記ケースの内側に位置する繰出し筒と、
前記繰出し筒と螺合係合し、棒状内容物を保持する部分を有するスティックホルダーと、
前記繰出し筒の外側に固定され、前記ケースに対して回転可能なスリーブと、を有し、
前記繰出し筒、前記スティックホルダー、及び前記スリーブは、前記ケースに対して交換可能なレフィルとなり、
前記スリーブの外周面には、抜け止めが設けられ、
前記キャップの内周面には、位置規制部が設けられ、
前記繰出し容器と前記キャップとが係合状態にあるときに、前記抜け止めは、前記ケースの上端と前記キャップの前記位置規制部との間に位置する
繰出し容器。
【請求項12】
前記繰出し筒、前記スティックホルダー、及び前記スリーブは、前記ケースに対して交換可能なレフィルとなり、
前記ケースは、外側の周壁を有する外袴筒、及び底面と、該底面の上面から起立し、外周面に嵌合突起が設けられた起立筒とを有する内袴筒と、を有し、
前記繰出し筒の下端は、径方向内側に伸び出す内向きフランジとなっており、
前記繰出し筒の前記内向きフランジの中央孔の内縁が、前記内袴筒の前記嵌合突起を乗り越えることで、前記レフィルが前記ケースに係合する
請求項11に記載の繰出し容器。
【請求項13】
前記レフィルが前記ケースにセットされた状態では、
前記内袴筒の前記起立筒の外側面と、前記繰出し筒の前記内向きフランジの中央孔の内縁に回転規制機構が設けられていることで、前記繰出し筒は前記ケースに対して回転が規制され、
前記ケースと前記スリーブとを相対的に回転させることで、前記スティックホルダーは前記ケース及び前記繰出し筒に対して上下方向に移動可能である
請求項12に記載の繰出し容器。
【請求項14】
前記ケースは、周壁を有する袴筒を有し、
前記レフィルは、下部が該レフィルの外側面となるボディを有し、
前記ボディの前記下部の外周面には、環状嵌合突起が設けられ、
前記袴筒の周壁の内周面には、環状に設けられた複数の突起が設けられ、
前記ボディの前記環状嵌合突起が、前記袴筒の前記複数の突起を乗り越えることで、前記レフィルが前記ケースに係合する
請求項11に記載の繰出し容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャップと棒状内容物を繰り出す繰出し容器を備えるキャップ付き繰出し容器、該繰出し容器のレフィル、及び繰出し容器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、口紅などの棒状化粧物と収容する容器の一部をカートリッジ化(レフィル化)することが増えている。しかし、一部がレフィルとして交換可能な口紅容器では、容器の落下や振動などによって、キャップされた容器内でレフィルがはずれて、口紅の天面に傷がついてしまうおそれがあった。さらに、キャップされた容器内でレフィルが外れると、使用者がキャップを開けた際に、レフィルが飛び出してしまうおそれがあった。
【0003】
そこで、キャップされた容器内で、レフィルの飛び出しを押させるレフィル(カートリッジの抜け防止技術として、特許文献1には、レフィルの上側であって、キャップの天面の内側下面に、下方向にレフィルを押すオーリング状のレフィル押さえ部材を設けることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平2-1017号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1のように、レフィル押さえ部材を、キャップ内にセットするとクリアランスの設定が難しくなるとともに、製造工程においてキャップ内へ押さえ部材の嵌め込みの組み立てが難しかった。
【0006】
そこで、本発明は上記事情に鑑み、キャップの製造を困難にすることなく、キャップされた容器内で、レフィルの飛び出しを防ぐことができる、キャップ付き繰出し容器の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本開示の一態様では、
キャップと、繰出し容器とを有するキャップ付き繰出し容器であって、
前記繰出し容器は、
外側の筒状のケースと、
前記ケースの内側に位置する繰出し筒と、
前記繰出し筒と螺合係合し、棒状内容物を保持する部分を有するスティックホルダーと、
前記繰出し筒の外側に位置し、前記ケースに対して回転可能なスリーブと、を有し、
前記スリーブの外周面には、抜け止めが設けられ、
前記キャップの内周面には、位置規制部が設けられ、
前記繰出し容器と前記キャップとが係合状態にあるときに、前記抜け止めは、前記ケースの上端と前記キャップの前記位置規制部との間に位置する
キャップ付き繰出し容器、を提供する。
【発明の効果】
【0008】
一態様によれば、キャップ付き容器において、キャップの製造を困難にすることなく、キャップされた容器における、レフィルの飛び出しを防ぐ。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1実施形態の繰出し容器とキャップの全体図。
図2】第1実施形態のキャップ付き繰出し容器の全体断面図。
図3】第1実施形態のキャップ付き繰出し容器の分解図。
図4】第1実施形態の繰出し容器の起立筒を通る横断面図。
図5】第1実施形態のレフィルをケースに取り付ける際の起立部近傍の係合の説明図。
図6】第1実施形態の、抜け止めと内キャップ下端との距離と、内袴筒の突起と、レフィル係合部との距離の説明図。
図7】第1実施形態のスリーブの抜け止めの変形例の図。
図8】第1実施形態のキャップとスリーブが直接係合する場合の変形例の図。
図9】第1実施形態のキャップの位置規制部の変形例1の図。
図10】第1実施形態のキャップの位置規制部の変形例2の図。
図11】第2実施形態の繰出し容器とキャップの全体図。
図12】第3実施形態のキャップ付き繰出し容器の全体断面図。
図13】第3実施形態のレフィルをケースに取り付ける際の袴筒の段差部近傍の係合の説明図。
図14】第3実施形態の抜け止めと内キャップ段差との距離と、袴筒の周壁の突起とボディの嵌合突起との距離の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。下記、各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
【0011】
本発明は、棒状内容物を繰り出す繰出し容器およびキャップを備えるキャップ付き繰出し容器に関する。
【0012】
ここで、本発明の繰出し容器で収容し、繰り出し可能な棒状体として、棒状化粧料と、化粧料以外の棒状物を含みうる。棒状化粧料とは、例えば、口紅、リップクリーム、コンシーラー、スティックアイシャドウ、スティックファンデーション、スティック状の美容液、スティック状の保湿剤、等でありうる。
【0013】
化粧料以外の棒状物とは、例えば、スティック状の練り香水、スティック状の制汗料、スティック状の日焼け止め、スティック状の薬、スティック状の虫除け、スティック状の固体洗剤、スティック糊、スティック接着剤、消しゴム、口紅を模したおもちゃ等でありうる。
【0014】
また、棒状体は、所定の形状に形成された固体の他、一定以上の粘度を有した、所定の形状を維持可能な材料、例えば、粘弾性材料等も含みうる。さらに、棒状体は、予め棒状に成形されたものをスティックホルダーに取りつけてもよいし、あるいは、後述するようにスティックホルダーの保持筒の内周面と、保持皿の上面とで形成される補充空間に材料を充填して棒状体を形成する場合も含まれる。
【0015】
以下において、棒状体として、棒状化粧料Lを例として説明する。
【0016】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係るキャップ付き繰出し容器100の全体図である。図2は、キャップ付き繰出し容器100の縦断面図である。図3は、キャップ付き繰出し容器100の分解図である。図4は、図2のAA面断面図であって、第1実施形態に係る繰出し容器10の起立筒24を通る横断面図である。
【0017】
図1図4を参照して、キャップ付き繰出し容器100の全体構成について説明する。本開示では、口紅等の棒状化粧料Lを繰り出す繰出し容器10と、繰出し容器10と係合するキャップ7とを合わせて、キャップ付き繰出し容器100と呼ぶ。
【0018】
繰出し容器10は、外袴筒1、内袴筒2、ジョイント部3、スリーブ4、スティックホルダー5、及び繰出し筒6を備えており、棒状化粧料Lを収容している。本実施形態に係るキャップ7は、外キャップ8と内キャップ9とを備えている。
【0019】
繰出し容器10は、棒状化粧料周辺の部分をレフィルとして取り換え可能なレフィルタイプ繰出し容器(付け替え式繰出し容器)であって、外袴筒1、内袴筒2、及びジョイント部3は、繰り返し使用可能なケースαとなる。また、スリーブ4、スティックホルダー5、及び繰出し筒6は、交換されるレフィルβとなる。
【0020】
図1図2に示すように、レフィルβをケースαにセットした、組付品である繰出し容器10のジョイント部3に、キャップ7が着脱自在にとりつけられる。
【0021】
なお、キャップ7は必ずしもジョイント部3に取り付けられる必要はなく、繰出し容器のスリーブの外周側に、キャップ7が着脱自在に取り付けられても良い(図8参照)。
【0022】
外袴筒1は、繰出し容器10の外筒部であり、例えば、円筒形状又は多角筒形状で構成されている。外袴筒1は、周壁11と底壁12を有する。なお、図2では、外袴筒1は底壁12を有する例を示しているが、内袴筒2の上下方向の位置を規定できれば、外袴筒1の底壁12には孔が形成されていてもよい。外袴筒1の周壁11の上端13は、ジョイント部3の環状凸部33の下端と接触している。
【0023】
内袴筒2は、外袴筒1よりも小径の有底筒状の部材である。外袴筒1内部に嵌め込まれ、レフィルβをケースαに固定する際の係合機構が設けられている。内袴筒2は、中筒21と、底面23とを備え、底面23の上面中央から、角筒状の起立筒24が設けられている。起立筒24には、径の外側に延びだす外側環状突起である嵌合突起25が設けられている。図4に示すように、起立筒24の外周及び内周は断面が、角丸正方形形状などの多角形である。
【0024】
ジョイント部3は、ケースαの内袴筒2が外袴筒1から抜けることを防止し、キャップ7の外キャップ8の下端83と接触する、筒状の部材である。本実施形態ではジョイント部3の上端31がケースαの上端となる。キャップ係合時、外キャップ8を有するキャップ7は、ジョイント部3の環状凸部33と接触又は近接する位置で止まる。なお、ジョイント部3の環状凸部33は設けなくてもよい。
【0025】
さらに、本構成では、ジョイント部3の外周面に、リブ34が設けられ、リブ34は、キャップ7からの係合力を受け止める。
【0026】
図2を参照して、ケースαを組み立てる際は、外袴筒1の内側に内袴筒2が嵌め込まれ、内袴筒2は、ジョイント部3によって下側に押し付けられている。
【0027】
スリーブ4は、ケースαの外袴筒1よりも径が小さく、外袴筒1に対して、先端側に飛び出すように構成されている。スリーブ4は、スティックホルダー5を軸線方向にスライド可能に支持する、筒部である。また、スリーブ4は、ケースαに対して相対的に回転可能である。
【0028】
スリーブ4と外袴筒1とを相対的に回転させることで、棒状化粧料Lが、外袴筒1に対して軸方向(図2の左右方向)に、前進、後退移動する。レフィル装着時、スリーブ4は内袴筒2に対して、回転可能に固定されている。一方、繰出し筒6は内袴筒2の角筒状の起立筒24と係合して回転規制されるため、繰出し筒6が、スリーブ4に対して、ケースαと共に回転することで、スティックホルダー5が上下する。
【0029】
詳しくは、図2に示すように、スリーブ4は、上側の上部スリーブ筒40と、下部筒45とを有する。上部スリーブ筒40の大半の内側面は、内部をスティックホルダー5の保持筒の外側面と接触しながら移動する、摺動筒部である。
【0030】
また、上部スリーブ筒40の外周面には、抜け止め43が設けられている。
【0031】
下部筒45は、上部スリーブ筒40の内側に一部が固定された、上部スリーブ筒40よりの小径の筒であって、レフィルβ内で、繰出し筒6の外側と接触している。
【0032】
上部スリーブ筒40の上端41は、棒状化粧料の上面形状に合わせて図2に示すように傾斜していてもよいし、平坦であってもよい。
【0033】
スティックホルダー5は、棒状化粧料の固定具(例えば、口紅固定具、リードホルダー、中皿ともいう)であって、先端には、棒状化粧料Lが取りつけられる。
【0034】
スティックホルダー5は、保持筒51と、押筒54を有し、保持筒51の下端には保持皿52が設けられている。保持筒51は、スティックホルダー5の先端側に設けられ、棒状化粧料Lのくわえ部Lsの側面を保持する。保持皿52は、保持筒51の棒状化粧料Lの底面を保持する。押筒54は棒状に延伸する筒状の部材であり、繰出し筒6内部を移動する部分である。押筒54の下端には、係合突起55が設けられている。
【0035】
繰出し筒6は、スリーブ4の内側に位置し、下端側がスリーブ4から突出した部材であって、スティックホルダー5に対して相対的に回転することで、スティックホルダー5を軸線方向に移動させる回動筒であって、繰出用部材として機能する。
【0036】
繰出し筒6は、筒部61と、筒部61の下端から内側に延びる孔空き面である内向きフランジ64を有している。筒部61の内周面には、螺旋溝62が形成されている。また、筒部61の外周面の一部と、スリーブ4の下部筒45の突起(不図示)が嵌合している。
【0037】
また、図4に示すように、内向きフランジ64の孔部65の縁部は、多角形状である。レフィルβをケースαに係合する際は、繰出し筒6の内向きフランジ64の多角形状の孔部65の内側に、内袴筒2の多角形状の外形を有する起立筒24が入り込むことで、繰出し筒6と、内袴筒2とが、回転不能に係合される。
【0038】
ここで、レフィルβを組み立てる際、スティックホルダー5が、繰出し筒6の中に移動可能に取り付けられる。例えば、繰出し筒6は、内部に螺旋溝又は螺旋突起を有する雌ネジ形状であり、スティックホルダー5が回転することで繰出し筒6に取り付けられる。
【0039】
そして、スティックホルダー5が取り付けられた繰出し筒6は、スリーブ4内部に組み付けられ、レフィルβとなる。
【0040】
レフィルβの状態になったら、スリーブ4の先端側(図2の左側)から、保持筒51の内周及びスリーブ4の内側に固体の化粧料を差し込んで装填する。
【0041】
あるいは、スリーブ4の先端側(図2の左側)から、保持筒51の内周及びスリーブ4の内側に流動体の化粧料を注入して充填してもよい。注入により充填可能な化粧料とは、例えば、充填時に周囲温度を高く設定することにより、変形可能な流動体である、バーム状であって、ワセリンや蜜蝋などをベースに肌に塗りやすく、液だれしないように、半固形にしたものを指す。なお、先端側からだけでなく、容器を少し改造して、後端側から化粧料を充填してもよい。流動体が充填されることで、スティックホルダー5の先端の保持筒(チャック)51の内側と保持皿52の上面に囲まれる空間に存在する化粧料は、固まった後の棒状化粧料Lの、後端部の径の小さい部分である、被保持部であるくわえ部Lsとなる。
【0042】
組み立てられたレフィルβ内において、スティックホルダー5は、繰出し筒6に対して、回転しながら移動可能(螺進可能)であり、スリーブ4に対して、回転を規制されながら軸線方向にスライド移動可能である。
【0043】
その後、組み立てられたレフィルαを、ケースβに対して取り付けられることで、繰出し容器10が組み立てられる。
【0044】
繰出し容器10として組み立てられた状態では、上述のように繰出し筒6は、内袴筒2を介して、外筒体である外袴筒1に回転不能に固定される。そのため、例えば、使用者が、スリーブ4を固定して外袴筒1を回転させる、あるいは、外袴筒1を固定してスリーブ4を回転させることで、繰出し筒6は、スティックホルダー5に対して相対的に回転することになり、この相対的な回転に応じて、スティックホルダー5が繰出し筒6に対して先端方向に移動し、棒状化粧料Lが前進又は後退する。
【0045】
このように組み立てられた繰出し容器10に対して、キャップ7は着脱可能に取りつけられる。
【0046】
本実施形態では、キャップ7は、外キャップ8と内キャップ9の2部品からなる。外キャップ8は、周壁81と天面82を有する有天筒状の蓋である。本実施形態の内キャップ9は、筒部91と内側天面92を有し、筒部91の下端は、外キャップ8の後端の近くまで延びている。そのため、キャップ7を組み立てる際に、内キャップ9の筒部の下端後端を、外キャップ8の天面近くの奥まで押し込む必要はなく、若干量押すだけで嵌め込みが完成する。よって、本実施形態の抜け止めを押し込むための位置規制部を有するキャップでは、キャップ7製造時の組み立てが簡単になる。
【0047】
なお、本実施形態では、キャップ7の内キャップ9は有天筒状である例を示したが、外キャップ8の内側に嵌め込まれる内キャップ9は、外キャップ8の天面82の下面と接触可能な筒状であれば、天面を有していなくてもよい。この場合も内キャップ9の筒部は、キャップ係合時に、外キャップ8の天面82下面と接触する位置から、下端93がスリーブ4の抜け止め43と近接する位置まで延びている。
【0048】
(レフィル部とケースの係合)
ここで、レフィルβとケースαとの係合の詳細について、図4図5を用いて説明する。図5は、第1実施形態のレフィルβをケースαに取り付ける際の起立部近傍の係合の説明図である。図5(a)は、係合直前の状態を示し、図5(b)は係合後の状態を示す。
【0049】
上述のように、レフィルβの繰出し筒6の下端は、径方向内側に延び出す内向きフランジ64となっている。レフィルβをケースαに取り付ける際、繰出し筒6の内向きフランジ64の孔部65の内縁が、内袴筒2の起立筒24の嵌合突起25を乗り越えることで、繰出し筒6が内袴筒2に係合する。
【0050】
図5(a)→図5(b)のように、内向きフランジ64の孔部65の縁部が嵌合突起25を乗り越えるため、内向きフランジ64の孔部65の縁部が嵌合突起25と接触する際、嵌合突起25又は孔部65の縁部が若干潰れるように、弾性変形するように構成されている。
【0051】
また、上述の図4で示したように、繰出し筒6の内向きフランジ64の孔部65の内縁が四角形で、外側面が略四角形である内袴筒2の起立筒24が嵌まり込むことで、繰出し筒6は内袴筒2に対して回転が規制されている。
【0052】
このように、内袴筒2の起立筒24の外側面と、繰出し筒6の下端の内向きフランジ64の孔部65の内縁が相似形であることが、回転規制機構となる。この回転規制機構により、繰出し筒6はケースαに対して回転が規制される。これにより、ケースαとスリーブ4とを相対的に回転させる際、スティックホルダー5はケースα及び繰出し筒6に対して上下方向に移動可能となる。
【0053】
なお、図4では、内袴筒2と、繰出し筒6との回転規制機構として、係合面である起立筒24の外形及び内向きフランジ64の孔部65の孔形状が多角形の一例として四角形である例を示したが、回転規制を有する嵌め合い構造として、五角形以上の多角形、例えば角丸八角形であってもよい。さらに、内袴筒と繰出し筒との回転止め機能を有して入れば、多角形に限られず、他の回転規制構造であってもよい。例えば、軸方向に延びる複数のリブと溝部の嵌め合いであってもよい。
【0054】
(抜け止め構造)
図6(a)は、キャップ係合状態の抜け止め43近傍の拡大図であり、図6(b)は、ケースαとレフィルβの係合部近傍の拡大図である。図6を用いて、第1実施形態の、抜け止め43と内キャップ下端93との距離、及びレフィル係合状態の繰出し筒6の内向きフランジ64と内袴筒2の底面23上面から起立筒24の嵌合突起25までの距離を説明する。
【0055】
図2に示したように、繰出し容器10とキャップ7とが係合状態にあるとき、スリーブ4の抜け止め43は、キャップ7の位置規制部である内キャップ下端93に接触又は近接している。
【0056】
ここで、図6(a)に示すスリーブ4の抜け止め43とキャップ7の位置規制部93との間隔D1は、図6(b)に示す、内袴筒2の底面23上面から起立筒24の嵌合突起25までの距離D3から、内向きフランジ64の厚さTを差し引いた間隔D2よりも小さい。
【0057】
このような寸法であることで、キャップ7をつけている繰出し容器10に対して、落下等の外部から衝撃が加わって、レフィルβがケースαから先端側に飛び出しそうになっても、レフィルβ側の係合部である内向きフランジ64が、ケースα側の係合部である嵌合突起25を乗り越える前に、スリーブ4の抜け止め43がキャップ7の位置規制部である内キャップ下端93に接触して、レフィルβがケースα側に押し戻される。これにより、キャップされている繰出し容器に外部から衝撃が加わった場合でも、レフィルβとケースαとの係合が外れず、レフィルβのケースαからの脱離を防ぐことができる。
【0058】
<スリーブ側抜け止めの変形例>
図7は第1実施形態のスリーブの抜け止めの変形例の図である。
【0059】
上述のスリーブ4の抜け止め43は、図1図3で示すように、スリーブ4の外周面に設けられた環状突起であるが、抜け止めは、他の形状であってよい。なお、図1に示す環状突起状の抜け止め43は、スリーブ4が金属の場合、紐だし加工によって製造される。
【0060】
容器10A側の抜け止めの変形例として、図7(a)に示すように、スリーブ4Aの外周面上に設けられる、周方向において断続的な突起430であってもよい。
【0061】
あるいは、容器10B側の抜け止めの変形例として、図7(b)に示すように、スリーブ4Bの周方向において複数設けられる、縦リブ431であってもよい。
【0062】
ここで、キャップ7は必ずしもジョイント部3に取り付けられる必要はなく、ジョイント部がキャップと干渉しない構成の場合は、繰出し容器10Cのスリーブ4Cの外周側に、キャップ7を着脱自在に取り付け可能である。図8は、第1実施形態のキャップとスリーブが直接係合する場合の変形例の図である。
【0063】
図8(a)では、スリーブ4Cの抜け止め430は環状リブである例を示したが、ジョイント部がキャップと係合しない場合も、スリーブに設けられる抜け止めの形状は、図1のような環状突起や、図7(a)のような環状で断続的な突起であってもよい。
【0064】
キャップ7Cとジョイント部3Cが係合せず、キャップ7Cがスリーブ4Cだけと係合する場合、図8(b)に示すように、キャップ7Cの係合力調整のため、キャップ7Cの内キャップ9Cの内側面に天面近傍に上下方向に延びる複数の係止リブ95が設けられていると好ましい。
【0065】
なお、図7(a)、図7(b)、図8(a)のようにスリーブの抜け止め430、431が周方向において断続的である場合は、抜け止め効果を確保するため、対向するキャップ7の位置規制部は、図2図9のように周方向に連続的な形状のものを使用する。
【0066】
<キャップ側位置規制部の変形例>
上記では、キャップ7の位置規制部として、外キャップ8の内側に有天筒状の内キャップ9を設け、内キャップ下端93(後端)が、位置規制部として機能する例を説明したが、キャップの位置規制部として、外キャップ8とは別体の内キャップ9を設けなくてもよい。
【0067】
図9は、第1実施形態のキャップの位置規制部の変形例の図である。図9では、容器側の一部の構成を省略して示している。図8の構成では、キャップ側の位置規制部として、内キャップを設けず、キャップの内側の一部を加工することで、位置規制部としている。
【0068】
図9(a)は、キャップの位置規制部の変形例1の縦断面図を示し、図9(b)は図9(a)の縦断面図において、容器側の一部を省略して示した図である。
【0069】
図9(a)、図9(b)に示す変形例1の構成では、キャップ8Aの位置規制部84は、内側環状突起である。
【0070】
図10は、第1実施形態のキャップの位置規制部の変形例2、変形例3の図である。図10(a)は、キャップの位置規制部の変形例2の縦断面図を示し、図10(b)はキャップの位置規制部の変形例の縦断面図を示し、図10(a)、図10(b)において、容器側の一部を省略して示した図である。
【0071】
図10(a)に示すように、キャップ側の位置決めのさらに変形例として、キャップ8Bの位置規制部は、周方向に断続的な突起840であってもよい。
【0072】
あるいは、図10(b)に示すように、断続的な突起の他の例として、キャップ8Cの内周面に、軸方向に延びる縦リブ841が複数設けられていてもよい。
【0073】
なお、図10(a)、図10(b)のようにキャップの位置規制部840、841が周方向において断続的である場合は、抜け止め効果を確保するため、対向するスリーブ4の抜け止め43は、図1のように周方向に連続的な形状のものを使用する。
【0074】
図9図10のように、抜け止めを押し込むための位置規制部を有するキャップが一部材で構成される場合は、キャップにおける組み立て工程は不要となり、成形工程のみとなるため、キャップの製造が簡単になる。
【0075】
<第2実施形態>
次に、図11を用いて、第2実施形態のキャップ付き繰出し容器100Dについて説明する。図11は、第2実施形態の繰出し容器とキャップの全体図である。
【0076】
本実施形態の繰出し容器10Dは、外袴筒1D、ジョイント部3D、キャップ7Dの外形形状は第1実施形態と異なるが、図示していない、内袴筒、スティックホルダー、及び繰出し筒から成るレフィルβDの構造は、第1実施形態とほぼ同様の構成及び機能を有する。
【0077】
本実施形態の繰出し容器10Dも、口紅周辺の部分をレフィルとして取り換え可能なレフィルタイプ繰出し容器(付け替え式繰出し容器)であって、外袴筒1D、内袴筒(不図示)、及びジョイント部3Dは、繰り返し使用可能なケースαDとなる。また、スリーブ4Dと、図示のスティックホルダー及び繰出し筒は、交換されるレフィルβDとなる。下記、相違点を中心に説明する。
【0078】
図11に示すように、本実施形態のキャップ7Dの外形、及び、ケースαDの外形は、略角柱形である。
【0079】
そして、ケースαDの四隅の角部には磁石Ma、Mb、Mc、Mdが設けられ、キャップ7Dの四隅の角部の四隅には磁石Me、Mf、Mg、Mhが設けられている。
【0080】
図11に示すように、ジョイント部3Dの外形及び外袴筒1Dの外形はいずれも略角柱形であって、ケースαDの磁石Ma~Mdは、ジョイント部3Dの上端近傍に設けられている。
【0081】
例えば、キャップ7D内の4つの磁石は同極であってもよいし、あるいはS極とN極が交互に配置されていてもよい。いずれの場合も、ケースαDであるジョイント部3D内の4つの磁石と、キャップ側磁石が引き合うようことでキャップが容器から外れにくくなる。
【0082】
また、スリーブ4Dの外周面には、外周環状突起である抜け止め43Dが設けられており、キャップ7Dの内キャップ9Dの内側面には、内周の段差である位置規制部94が設けられている。
【0083】
なお、図示はしていないが、本実施形態における繰出し容器10DにおけるレフィルβDとケースαDの係合関係は、第1実施形態と同様である。
【0084】
したがって、キャップをつけている繰出し容器10Dに対して、落下等の外部から衝撃が加わって、レフィルβDがケースから先端側に飛び出しそうになっても、レフィルβD側の繰出し筒の内向きフランジが、ケースαD側の内袴筒の嵌合突起を乗り越える前に、スリーブ4Dの抜け止め43Dがキャップ7Dの位置規制部94に接触して、レフィルβDがケースαD側に押し戻される。これにより、キャップされている繰出し容器に外部から衝撃が加わった場合でも、レフィルβDとケースαDとの係合が外れず、レフィルβDのケースαDからの脱離を防ぐことができる。
【0085】
なお、図11では、スリーブ4Dの抜け止め43Dは環状突起である例を示している。しかし、スリーブ4Dの抜け止め43Dは、図7(a)に示すように、外周面に設けられた断続的な環状突起であってもよく、図7(b)に示すように、複数の縦リブであってもよい。なお、スリーブ4の抜け止め43Dが周方向において断続的である場合は、抜け止め効果を確保するため、対向するキャップ7Dの位置規制部94は、図11図9のように周方向に連続的な形状のものを使用する。
【0086】
あるいは、キャップ7Dの内キャップ9Dの位置規制部94は下端に設けられた段差である例を示したが、図9に示すような環状突起や、図10(a)に示すような内周面に設けられた断続的な環状突起や、図10(b)に示すような、内周面に設けられた複数の縦リブであってもよい。なお、キャップの位置規制部が周方向において断続的である場合は、抜け止め効果を確保するため、対向するスリーブ4Dの抜け止め43Dは、図11のように周方向に連続的な形状のものを使用する。
【0087】
<第3実施形態>
次に、図12図14を用いて、第3実施形態のキャップ付き容器について説明する。図12は、第3実施形態のキャップ付き繰出し容器100Eの全体断面図である。本実施形態においても、キャップ付き繰出し容器100Eは、口紅等の棒状化粧料Lを繰り出す繰出し容器10Eと、繰出し容器10Eと係合するキャップ7Eで構成されている。
【0088】
本実施形態では、繰出し容器10Eは、袴筒1E、リング3E、スリーブ4E、スティックホルダー5E、ボディ600及び、繰出し筒6Eを備えており、棒状化粧料Lを収容している。本実施形態に係るキャップ7Eは、外キャップ8Eと内キャップ9Eを備えている。
【0089】
本実施形態の繰出し容器10Eも、レフィルタイプ繰出し容器であって、袴筒1Eは、繰り返し使用可能なケースαEとなる。また、リング3E、ボディ600、スリーブ4E、スティックホルダー5E、及び繰出し筒6Eは、交換されるレフィルβEとなる。
【0090】
本実施形態において、レフィルβEの上部側では、径方向において外側からスリーブ4E、繰出し筒6E、ボディ600、スティックホルダー5Eの順に並んでいる。本構成のスティックホルダー5Eは、上下で径が等しい筒部56と、筒部56の略中央に位置する保持皿52Eを有している。筒状のボディ600には、下部を除いて、上下方向に長く延びるL字状のスリットが形成されている。スティックホルダー5Eの筒部56が外周に設けられた係合突起55は、スリットの一部からボディ600の外側に突出して、外側の繰出し筒6Eの筒部61の内周面の螺旋溝62と係合している。
【0091】
そのため、スティックホルダー5Eが繰出し筒6Eに対して繰出し筒6に対して回転しながら上昇する際、ボディ600はスティックホルダー5Eとともに、繰出し筒6に対して回転する。ここで、本実施形態においても、ボディ600はケースαEに対して回転が規制されており、繰出し筒6Eはスリーブ4Eに対して回転が規制されている。よって、ケースαEとスリーブ4Eとを相対的に回転させることで、スティックホルダー5Eは移動可能となる。そしてケースαEとスリーブ4Eとを相対的に回転させる期間、ボディ600は、スリーブ4E及び繰出し筒6Eに対して、上下方向には移動せずに、スティックホルダー5E及びケースαEとともに回転する。
【0092】
また、レフィルβEの下部では、ボディ600がレフィルβEの外側面となる。詳しくは、ボディ600は、中央筒部601よりも外側に厚肉になる厚肉根元筒603となっており、厚肉根元筒603の外周面には環状嵌合突起607が設けられ、厚肉根元筒603の下は孔空き下面604となっている。また、レフィルβEでは、上下方向においてスリーブ4Eの下側かつ厚肉根元筒603の上側で、径方向の中央筒部601の周りに、リング3Eが設けられている。リング3Eは部分的に上下がつながり、大半が上下二体に分かれた構成である。
【0093】
一方、ケースαEにおいて、袴筒1Eは、外側の周壁11Eと底壁12を有している。袴筒1Eの周壁11Eの内側面には、環状に(図11奥行方向に)複数設けられたポッチ突起(複数の突起、乗り越え突起、凸部)16と、下側が分厚くなる段差部15が設けられている。
【0094】
また、キャップ7Eにおいて、内キャップ9Eの下端93Eの近傍は段差94となっている。本実施形態では、繰出し容器10Eとキャップ7Eとが係合状態にあるとき、スリーブ4Eの抜け止め43は、キャップ7Eの位置規制部である内キャップ段差94に接触又は近接している。
【0095】
本実施形態では、ケースαEとレフィルβEとの係合として、袴筒1Eの周壁11Eの内側に位置するポッチ突起16と、段差部15の間に、ボディ600の下部の厚肉根元筒603の外側に位置する環状嵌合突起607が挟まれることで、レフィルβEのケースαEに対する上下方向の位置が規制される。
【0096】
ここで、図13図14を用いて、本実施形態におけるレフィルとケースの係合について説明する。図13は、第3実施形態のレフィルをケースに取り付ける際の袴筒の周壁の段差部近傍の係合の説明図である。図14は、第3実施形態の抜け止めと内キャップ段差との距離と、袴筒の周壁の突起とボディの環状嵌合突起との距離の説明図である。
【0097】
本実施形態では、ボディ600の環状嵌合突起607が、袴筒1Eのポッチ突起16を乗り越えることで、レフィルβEがケースαEに係合する(図13(a)→図13(b))。係合状態では、ボディ600の環状嵌合突起607が、袴筒1Eのポッチ突起16と、段差部15に挟まれた状態になり、レフィルβEのケースαEに対する上下方向の位置が規制される。
【0098】
ここで、図14(a)に示すスリーブ4Eの抜け止め43とキャップ7Eの位置規制部である段差94との間隔D4は、図14(b)に示す、袴筒1Eの段差部15からポッチ突起16までの距離D5から、ボディ600の環状嵌合突起607の軸方向幅T2を差し引いた間隔D6よりも小さい。
【0099】
したがって、キャップ7Eをつけている繰出し容器10Eに対して、落下等の外部から衝撃が加わって、レフィルβEがケースαEから先端側に飛び出しそうになっても、レフィルβE側の環状嵌合突起607がケースαE側の袴筒1Eのポッチ突起16を乗り越える前に、スリーブ4Eの抜け止め43がキャップ7Eの内キャップ段差94に接触して、レフィルβEがケースαE側に押し戻される。これにより、キャップされている繰出し容器に外部から衝撃が加わった場合でも、レフィルβEとケースαEとの係合が外れず、レフィルβEのケースαEからの脱離を防ぐことができる。
【0100】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の実施形態の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
【符号の説明】
【0101】
1、1D 外袴筒
1E 袴筒
2、内袴筒
3、3D ジョイント部
3E リング
4、4A、4C スリーブ
5、5C スティックホルダー
6、6C 繰出し筒
7、7C キャップ
8 外キャップ
8A、8B、8C キャップ
9、9E 内キャップ
10、10D、10E 繰出し容器
16 ポッチ突起(複数の突起)
17 段差
23 底面
24 起立筒
25 嵌合突起(レフィル側の嵌合突起、外周環状突起)
43、430 抜け止め
431 縦リブ(抜け止め)
64 内向きフランジ
65 孔部
84、840 内周環状突起(位置規制部)
85 リブ(位置規制部)
93 内キャップ下端(位置規制部)
94 段差(位置規制部)
100、100D、100E キャップ付き繰出し容器
600 ボディ
607 環状嵌合突起
L 棒状化粧料(棒状体)
α、αD、αE ケース
β、βD、βE レフィル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14