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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095488
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】大葉用保存容器
(51)【国際特許分類】
   A47J 47/02 20060101AFI20240703BHJP
   A47J 47/04 20060101ALI20240703BHJP
   B65D 85/50 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
A47J47/02
A47J47/04 Z
B65D85/50 120
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023062628
(22)【出願日】2023-04-07
(31)【優先権主張番号】P 2022211063
(32)【優先日】2022-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】506204047
【氏名又は名称】プラスワン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100162824
【弁理士】
【氏名又は名称】石崎 亮
(72)【発明者】
【氏名】青木 尊利
【テーマコード(参考)】
3E035
4B066
【Fターム(参考)】
3E035AA11
3E035BA01
3E035BB01
3E035BB06
3E035CA01
4B066DD11
4B066DD90
(57)【要約】
【課題】コンパクトに構成され、省スペース化を図ることができると共に、大葉の茎部分を浸すための適量の水を貯留することができる大葉用保存容器を提供する。
【解決手段】大葉Lを保存するための大葉用保存容器1は、茎を下にして立てた状態にある1枚以上の大葉Lを収容するように構成された収容部3と、収容部3を閉塞するように構成された蓋部5と、を有し、大葉用保存容器1は、大葉Lの縦方向の長さL21に応じた高さL11を有し、大葉Lの横方向の長さL22に応じた奥行きL12を有し、且つ、大葉Lの縦方向の長さL21及び横方向の長さL22よりも短い幅L13を有するように形成され、収容部3は、その下部に、当該収容部3に収容された大葉Lの茎部分を浸すための水Wを貯留するように形成された凹部3bを有する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
大葉を保存するための大葉用保存容器であって、
茎を下にして立てた状態にある1枚以上の大葉を収容するように構成された収容部と、
前記収容部を閉塞するように構成された蓋部と、
を有し、
前記大葉用保存容器は、前記大葉の縦方向の長さに応じた高さを有し、前記大葉の横方向の長さに応じた奥行きを有し、且つ、前記大葉の縦方向の長さ及び横方向の長さよりも短い幅を有するように形成され、
前記収容部は、その下部に、当該収容部に収容された前記大葉の茎部分を浸すための水を貯留するように形成された凹部を有する、
ことを特徴とする大葉用保存容器。
【請求項2】
前記収容部の前記凹部は、前記収容部の下部の奥行き方向における略中央に設けられた略平坦部と、当該略平坦部の奥行き方向における両端のそれぞれに連結された2つの傾斜部と、により形成されている、
請求項1に記載の大葉用保存容器。
【請求項3】
前記蓋部は、奥行き方向における端部に、前記収容部に連結された連結部を有し、当該連結部を中心にして前記収容部に対して回動可能に構成され、
前記収容部は、前記蓋部が前記連結部を中心にして回動することで、閉塞状態と開放状態のいずれかの状態を取り得る、
請求項1又は2に記載の大葉用保存容器。
【請求項4】
前記蓋部は、奥行き方向において前記連結部が設けられた端部と反対側の部分に、下方に突出する突出部を有し、
前記収容部は、前記蓋部の前記突出部に対応する位置に、当該突出部を受け入れるように形成された切欠部を有する、
請求項3に記載の大葉用保存容器。
【請求項5】
前記収容部は、前記切欠部が形成された部分の高さ方向の長さが、前記大葉の縦方向の長さよりも短く形成される一方で、前記切欠部が形成されていない部分の高さ方向の長さが、前記大葉の縦方向の長さよりも長く形成されている、
請求項4に記載の大葉用保存容器。
【請求項6】
前記収容部の前記凹部には、当該凹部に水を入れる量の目安を示す目印が設けられている、
請求項1又は2に記載の大葉用保存容器。
【請求項7】
前記凹部は、前記収容部に対して着脱可能に構成されている、
請求項1に記載の大葉用保存容器。
【請求項8】
前記収容部の下部には開口部が形成され、前記大葉を前記収容部内に収容したときに、当該大葉の茎部分が前記開口部を通して露出して前記凹部内に貯留された水に浸されるようになっている、
請求項7に記載の大葉用保存容器。
【請求項9】
大葉を保存するための大葉用保存容器であって、
茎を下にして立てた状態にある1枚以上の大葉を収容するように構成された収容部と、
前記収容部を閉塞するように構成された蓋部と、
を有し、
前記大葉用保存容器は、前記大葉の縦方向の長さに応じた高さを有し、前記大葉の横方向の長さに応じた奥行きを有し、且つ、前記大葉の縦方向の長さ及び横方向の長さよりも短い幅を有するように形成され、
前記大葉用保存容器は、更に、前記収容部の下部に着脱可能に取り付けられ、当該収容部に収容された前記大葉の茎部分を浸すための水を貯留するように形成された水貯留部を有する、
ことを特徴とする大葉用保存容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大葉(シソ)を保存するための大葉用保存容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば食用の大葉に関して、その茎部分を水に浸した状態で保存すると、大葉を長持ちさせることができることが知られている。また、このような知見に基づき、茎部分を水に浸した状態で大葉を冷蔵庫に保存するための容器も知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-189335号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の特許文献1に記載された容器は、大葉のサイズに対して比較的大きな円筒形に形成されていたので、この容器を冷蔵庫に収納したときに、冷蔵庫内の空間が容器により無駄に取られる傾向にあった。また、特許文献1に記載された容器は、その下部全体にわたって設けられたスポンジに水を満たしていたので、大葉の茎部分を浸すために水を必要以上に用いていた。また、このスポンジを洗ったり掃除したりする手間や時間がかかる傾向にあった。
【0005】
したがって、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、コンパクトに構成され、省スペース化を図ることができると共に、大葉の茎部分を浸すための適量の水を貯留することができる大葉用保存容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明は、大葉を保存するための大葉用保存容器であって、茎を下にして立てた状態にある1枚以上の大葉を収容するように構成された収容部と、収容部を閉塞するように構成された蓋部と、を有し、大葉用保存容器は、大葉の縦方向の長さに応じた高さを有し、大葉の横方向の長さに応じた奥行きを有し、且つ、大葉の縦方向の長さ及び横方向の長さよりも短い幅を有するように形成され、収容部は、その下部に、当該収容部に収容された大葉の茎部分を浸すための水を貯留するように形成された凹部を有する、ことを特徴とする。
【0007】
このように構成された本発明では、大葉用保存容器は、大葉の縦方向の長さに応じた高さを有し、大葉の横方向の長さに応じた奥行きを有し、且つ、大葉の縦方向の長さ及び横方向の長さよりも短い幅を有するように形成されている。したがって、本発明によれば、大葉用保存容器において、立てた状態にある大葉を倒すことなく保持することができると共に、大葉用保存容器をコンパクトに構成することができる。よって、大葉用保存容器を冷蔵庫などに収容したときに省スペース化を図ることが可能となる。また、本発明によれば、収容部は、その下部に、大葉の茎部分を浸すための水を貯留するように形成された凹部を有する。したがって、本発明によれば、収容部の下部の凹部において、大葉の茎部分を浸すための適量(つまり必要最小限の量)の水を貯留することができる。また、このような収容部の凹部は、上記の特許文献に記載されたようなスポンジと比べて、容易に洗ったり掃除したりすることができ、清潔に保ちやすい。
【0008】
本発明において、好ましくは、収容部の凹部は、収容部の下部の奥行き方向における略中央に設けられた略平坦部と、当該略平坦部の奥行き方向における両端のそれぞれに連結された2つの傾斜部と、により形成されている。
このように構成された本発明では、収容部に水を入れると、この水は、収容部の下部において最も低い位置にある、凹部の略平坦部に溜まることとなる。したがって、水は、収容部の下部における奥行き方向の略中央に位置することとなる。一方で、収容部に収容された大葉の茎部分も、収容部の下部における奥行き方向の中央付近に位置することとなる。以上より、本発明によれば、大葉を収容部に収容すると、この大葉の茎部分を凹部内の水に的確に浸すことが可能となる。
【0009】
本発明において、好ましくは、蓋部は、奥行き方向における端部に、収容部に連結された連結部を有し、当該連結部を中心にして収容部に対して回動可能に構成され、収容部は、蓋部が連結部を中心にして回動することで、閉塞状態と開放状態のいずれかの状態を取り得る。
このように構成された本発明によれば、端部にある連結部を中心にして回動する蓋部を用いることで、ねじ込み式の蓋などを用いる場合と比較して、収容部に対する蓋部の開閉を容易に行うことができる。
【0010】
本発明において、好ましくは、蓋部は、奥行き方向において連結部が設けられた端部と反対側の部分に、下方に突出する突出部を有し、収容部は、蓋部の突出部に対応する位置に、当該突出部を受け入れるように形成された切欠部を有する。
このように構成された本発明によれば、収容部が開放した状態において、この収容部の切欠部から、大葉を収容部に対して容易に出し入れすることができる。
【0011】
本発明において、好ましくは、収容部は、切欠部が形成された部分の高さ方向の長さが、大葉の縦方向の長さよりも短く形成される一方で、切欠部が形成されていない部分の高さ方向の長さが、大葉の縦方向の長さよりも長く形成されている。
このように構成された本発明によれば、切欠部が形成された収容部の部分が大葉よりも低いので、この切欠部を介した大葉の容易な出し入れを効果的に確保できる一方で、切欠部が形成されていない収容部の部分が大葉よりも高いので、この部分において大葉の全体をしっかり覆うことができるため、蓋部を閉じるときに大葉が蓋部と収容部との間に挟まることを防止できる。
【0012】
本発明において、好ましくは、収容部の凹部には、当該凹部に水を入れる量の目安を示す目印が設けられている。
このように構成された本発明によれば、大葉の茎部分を水に浸すための適量の水を、収容部に確実に入れることができる。
【0013】
本発明において、好ましくは、凹部は、収容部に対して着脱可能に構成されている。
このように構成された本発明では、大葉用保存容器において、大葉の茎部分を浸すための水を貯留する部分(凹部)が収容部に対して着脱可能に構成されている。これにより、収容部から取り外した状態にある凹部に対して、水を入れたり、水を入れ替えたり、水を捨てたりする作業を行うことができ、このような作業を容易に行うことが可能となる。例えば、このような作業を、大葉用保存容器において収容部に大葉を収容したまま行うこともできる。更に、凹部を容易に洗ったり掃除したりすることができ、清潔に保ちやすい。
上記の本発明において好適な例では、収容部の下部には開口部が形成され、大葉を収容部内に収容したときに、当該大葉の茎部分が開口部を通して露出して凹部内に貯留された水に浸されるようになっている。
【0014】
他の観点では、上記の目的を達成するために、本発明は、大葉を保存するための大葉用保存容器であって、茎を下にして立てた状態にある1枚以上の大葉を収容するように構成された収容部と、収容部を閉塞するように構成された蓋部と、を有し、大葉用保存容器は、大葉の縦方向の長さに応じた高さを有し、大葉の横方向の長さに応じた奥行きを有し、且つ、大葉の縦方向の長さ及び横方向の長さよりも短い幅を有するように形成され、大葉用保存容器は、更に、収容部の下部に着脱可能に取り付けられ、当該収容部に収容された大葉の茎部分を浸すための水を貯留するように形成された水貯留部を有する、ことを特徴とする。
このように構成された本発明に係る大葉用保存容器によっても、コンパクトに構成され、省スペース化を図ることができると共に、大葉の茎部分を浸すための適量の水を貯留することができる。また、本発明によれば、水貯留部が着脱可能に構成されているので、収容部から取り外した状態にある水貯留部に対して、水を入れたり、水を入れ替えたり、水を捨てたりする作業を行うことができ、このような作業を容易に行うことが可能となる。更に、水貯留部を容易に洗ったり掃除したりすることができ、清潔に保ちやすい。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る大葉用保存容器によれば、コンパクトに構成され、省スペース化を図ることができると共に、大葉の茎部分を浸すための適量の水を貯留することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態に係る、閉塞状態にある大葉用保存容器を斜め上方から見た斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係る、開放状態にある大葉用保存容器を斜め上方から見た斜視図である。
図3】本発明の実施形態に係る大葉用保存容器の側面図である。
図4】本発明の実施形態に係る大葉用保存容器の正面図である。
図5】本発明の実施形態に係る大葉用保存容器を、図4中のV-V線に沿って見た断面図である。
図6】大葉及び水を収容した状態且つ閉塞状態にある、本発明の実施形態に係る大葉用保存容器の側面図である。
図7】大葉及び水を収容した状態且つ開放状態にある、本発明の実施形態に係る大葉用保存容器の側面図である。
図8】本発明の実施形態の変形例に係る大葉用保存容器の斜視図である。
図9】(a)は、本発明の実施形態の変形例に係る大葉用保存容器の正面図であり、(b)は、この大葉用保存容器を(a)中のIXb-IXb線に沿って見た断面図である。
図10】本発明の実施形態の変形例に係る大葉用保存容器を分解した側面図である。
図11】大葉及び水を収容した状態にある、本発明の実施形態の変形例に係る大葉用保存容器の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下では、図1乃至図7を参照して、本発明の実施形態に係る大葉用保存容器について説明する。
【0018】
図1及び図2は、本実施形態に係る大葉用保存容器を斜め上方から見た斜視図である。特に、図1及び図2は、それぞれ、閉塞状態にある大葉用保存容器及び開放状態にある大葉用保存容器の斜視図である。なお、本明細書では、図1に示すように、大葉用保存容器1の高さ方向、奥行き方向及び幅方向を規定するものとする。また、奥行き方向に関して、図1の左側を前側と規定し、図1の右側を後ろ側と規定する。
【0019】
図3は、本実施形態に係る大葉用保存容器を幅方向に沿って見た側面図である。図4は、本実施形態に係る大葉用保存容器を奥行き方向に沿って見た(つまり前側から見た)正面図である。図5は、本実施形態に係る大葉用保存容器を、図4中のV-V線に沿って見た断面図である。図6及び図7は、本実施形態に係る大葉用保存容器内に大葉及び水を収容した使用状態を示す側面図(図3と同様の幅方向に沿って見た側面図)である。特に、図6及び図7は、それぞれ、閉塞状態にある大葉用保存容器及び開放状態にある大葉用保存容器の斜視図であり、また、大葉及び水を透視して示している(これらを破線で表している)。
【0020】
図1乃至図7に示すように、大葉用保存容器1は、全体として箱形に形成されており、上部が開口(開放)し、茎を下にして立てた状態にある1枚以上の大葉Lを収容するように構成された収容部3と、この収容部3の開口部を閉塞するように構成された蓋部5と、を有する。大葉用保存容器1は、1枚以上の大葉Lを収容部3にて収容して、この収容部3を蓋部5により閉塞した状態において、冷蔵庫などにて保存される。なお、図6及び図7では、説明の便宜上、1枚の大葉Lのみが収容された大葉用保存容器1を示しているが、実際には、大葉用保存容器1は2枚以上の大葉Lを収容可能である。
【0021】
大葉用保存容器1の高さは、大葉Lの縦方向の長さL21に応じた長さL11に形成されており、大葉用保存容器1の奥行きは、大葉Lの横方向の長さL22に応じた長さL12に形成されている(図1図6図7参照)。具体的には、大葉用保存容器1の長さL11、L12は、それぞれ、大葉LのL21、L22よりも少し大きな長さになっている。よって、大葉用保存容器1は、立てた状態にある大葉Lにちょうど合うサイズ(つまりぴったり合うサイズ)に構成されている。また、図1図6図7から明らかなように、大葉用保存容器1の幅方向の長さL13は、大葉Lの縦方向の長さL21及び横方向の長さL22よりも短くなっている。これにより、立てた状態にある大葉Lを倒すことなく保持することができる。
上述したようなサイズに大葉用保存容器1を形成することで、大葉用保存容器1をコンパクトに構成することができ、大葉用保存容器1を冷蔵庫などに収容したときに省スペース化を図ることが可能となる。
【0022】
なお、実際には、大葉用保存容器1の長さL11、L12、L13は、一般的な大葉Lの長さL21、L22に基づき決定することができる。つまり、大葉用保存容器1を設計する上で用いる長さL21、L22として、一般的な大葉Lのものを用いればよい。
【0023】
続いて、大葉用保存容器1の収容部3は、図5乃至図7に示すように、その下部に、当該収容部3に収容された大葉Lの茎部分を浸すための水Wを貯留するように形成された凹部3bを有する。このような凹部3bによれば、大葉Lの茎部分を浸すための適量(つまり必要最小限の量)の水Wを貯留することができる。また、上記の特許文献1に記載されたようなスポンジを用いる場合と比べて、収容部3の凹部3bは、容易に洗ったり掃除したりすることができ、清潔に保ちやすいと言える。
【0024】
より具体的には、収容部3の凹部3bは、収容部3の下部の奥行き方向における略中央に設けられた平坦部3b1と、この平坦部3b1の奥行き方向における両端のそれぞれに連結され、外側に向かって上方に傾斜した2つの傾斜部3b2と、により形成されている。この場合、収容部3に水Wを入れると、この水Wは、収容部3の下部において最も低い位置にある、凹部3bの平坦部3b1に溜まることとなる。したがって、水Wは、収容部3の下部における奥行き方向の略中央に位置することとなる。一方で、収容部3に収容された大葉Lの茎部分も、収容部3の下部における奥行き方向の中央付近に位置することとなる。以上より、大葉Lを収容部3に収容すると、この大葉Lの茎部分を凹部3b内の水Wに的確に浸すことができるのである(図6及び図7参照)。
【0025】
なお、他の例では、凹部3bの平坦部3b1は、完全に平坦でなくてもよく、緩やかに湾曲していてもよい。更に他の例では、凹部3bに傾斜部3b2を設けなくてもよい。例えば、局所的な凹陥部を形成し、この凹陥部の周囲を平坦に形成することで、収容部3の凹部3bを構成してもよい。
【0026】
また、収容部3の凹部3bには、当該凹部3bに水Wを入れる量の目安を示す目印3cが設けられている(図5参照)。この目印3cは、使用者が収容部3の開口部から目視できる態様にて設けられている。例えば、目印3cは、凹部3bが設けられた収容部3の内壁面に形成された溝により構成され、この溝が形成された位置まで水Wを入れることを示すようになっている。これにより、大葉Lの茎部分を水Wに浸すための適量の水を、収容部3に確実に入れることができる。
【0027】
続いて、大葉用保存容器1の蓋部5は、奥行き方向及び幅方向に沿って延び、略平坦に形成された基部5aを有する(図1乃至図3等参照)。この基部5aは、奥行き方向の一端に、収容部3に連結された連結部5cを有している。蓋部5は、この連結部5cを中心にして収容部3に対して回動可能に構成され、それにより、収容部3は、閉塞状態と開放状態のいずれかの状態を取り得る(図1図2参照)。このように回動する蓋部5を用いることで、ねじ込み式の蓋などを用いる場合と比較して、収容部3に対する蓋部5の開閉を容易に行うことができる。
【0028】
また、蓋部5は、奥行き方向において連結部5cが設けられた端部と反対側の部分(前側の部分)に、下方に突出する突出部5bを有する一方で、収容部3は、蓋部5の突出部5bに対応する位置に、当該突出部5bを受け入れる(換言すると突出部5bと係合する)ように形成された切欠部3aを有する(図1乃至図3等参照)。これにより、収容部3が開放した状態において、この収容部3の切欠部3aから、大葉Lを収容部3に対して容易に出し入れすることができる。
【0029】
また、収容部3は、図6及び図7に示すように、切欠部3aが形成された部分の高さ方向の長さL11aが、大葉Lの縦方向の長さL21よりも短く形成され、切欠部3aが形成されていない部分の高さ方向の長さL11bが、大葉Lの縦方向の長さL21よりも長く形成されている。これにより、切欠部3aが形成された収容部3の部分(前側の部分)が大葉Lよりも低いので、この切欠部3aを介した大葉Lの容易な出し入れを効果的に確保できる一方で、切欠部3aが形成されていない収容部3の部分(後ろ側の部分)が大葉Lよりも高いので、この部分において大葉Lの全体をしっかり覆うことができるため、蓋部5を閉じるときに大葉Lが蓋部5と収容部3との間に挟まることを防止できる。
【0030】
続いて、より詳細な構成について説明すると、図2に示すように、収容部3において切欠部3aの下方の内壁面には、横断面がコの字状であり高さ方向に延びるコの字状部材7が接合されている。このコの字状部材7は、高さ方向上側の端部が収容部3から露出し、この部分に、幅方向において離間した一対の凸部7aが形成されている。他方で、蓋部5の突出部5bは、高さ方向下側の端部の内壁面に、幅方向において離間した一対の凹部5b2が形成されている。これにより、蓋部5により収容部3が閉塞された状態において、コの字状部材7の一対の凸部7aと蓋部5の一対の凹部5b2とが係合する。
【0031】
また、蓋部5の突出部5bは、奥行き方向の前側で且つ高さ方向の下側にある縁端の外壁面に、凸部5b1が更に形成されている(図1乃至図3等参照)。使用者は、収容部3を開放するときに、この凸部5b1に指をかけることで、蓋部5を収容部3から容易に動かせるようになっている。また、蓋部5において突出部5bが設けられていない基部5aの部分には、幅方向における縁端の内側に、奥行き方向に延びる一対の接触片5dが接合されている(図2参照)。この接触片5dは、蓋部5により収容部3が閉塞された状態において、収容部3における高さ方向上側の縁端の内壁面と接触するようになっている(図5参照)。
【0032】
以上述べたように、本実施形態によれば、大葉用保存容器1は、大葉Lの縦方向の長さL21に応じた高さL11を有し、大葉Lの横方向の長さL22に応じた奥行きL12を有し、且つ、大葉Lの縦方向の長さL21及び横方向の長さL22よりも短い幅L13を有するように形成されている。したがって、大葉用保存容器1により、立てた状態にある大葉Lを倒すことなく保持することができると共に、大葉用保存容器1をコンパクトに構成することができる。よって、大葉用保存容器1を冷蔵庫などに収容したときに省スペース化を図ることが可能となる。また、本実施形態によれば、収容部3は、その下部に、大葉Lの茎部分を浸すための水Wを貯留するように形成された凹部3bを有する。したがって、収容部3の下部の凹部3bにおいて、大葉Lの茎部分を浸すための適量(つまり必要最小限の量)の水Wを貯留することができる。
【0033】
なお、上述した実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、種々の形態で実施することができる。
【0034】
ここで、図8乃至図11を参照して、本発明の実施形態の変形例に係る大葉用保存容器について説明する。なお、ここでは、上述した実施形態と同様の構成については、その説明を省略する。よって、ここで特に説明しない構成は、上述した実施形態と同様であるものとする。
【0035】
図8は、変形例に係る大葉用保存容器の斜視図である。図9(a)は、変形例に係る大葉用保存容器の正面図であり、図9(b)は、この大葉用保存容器を図9(a)中のIXb-IXb線に沿って見た断面図である。図10は、変形例に係る大葉用保存容器を分解した側面図である。図11は、大葉及び水を収容した状態にある、変形例に係る大葉用保存容器の側面図である。なお、図8及び図11は、大葉用保存容器の内部の構成を透視して破線にて表している。
【0036】
図8乃至図11に示すように、変形例に係る大葉用保存容器1aは、収容部3の下部に着脱可能に取り付けられ、当該収容部3に収容された大葉Lの茎部分を浸すための水Wを貯留するように形成された水貯留部9を有する点で、上述した実施形態に係る大葉用保存容器1と異なる。水貯留部9は、上部が開口(開放)しており、この開口部分より水Wを出し入れできるようになっており、また、この開口部分において収容部3の下部を受け入れるようになっている。なお、水貯留部9は、本発明における「凹部」に相当し、上述した実施形態の凹部3bの変形例である。
【0037】
また、変形例に係る大葉用保存容器1aでは、収容部3は、その下部に、水貯留部9の内側に入り込み、この水貯留部9の内壁面と当接することで、当該水貯留部9を保持する保持部3dを有する。保持部3dは、その外壁面において奥行き方向に対向するように設けられた一対の突出部3d1を、水貯留部9の内壁面において奥行き方向に対向するように設けられた一対の凹部9aに係合させることで、当該水貯留部9を保持する(図9(b)参照)。
【0038】
また、収容部3は、上述したような2つの傾斜部3b2の間に、開口部3eが形成されている。このような開口部3eにより、図11に示すように、大葉Lを収容部3内に収容したときに、大葉Lの茎部分が、当該開口部3eを通して収容部3の下部を貫通して、収容部3の外側に露出するようになっている。これにより、収容部3の開口部3eを通して露出した大葉Lの茎部分を、収容部3の下部に取り付けられた水貯留部9に貯留された水Wの中に浸すことができる。
【0039】
このように、変形例に係る大葉用保存容器1aでは、大葉Lの茎部分を浸すための水Wを貯留するための水貯留部9(凹部に相当する)が収容部3に対して着脱可能に構成されている。これにより、収容部3から取り外した状態にある水貯留部9に対して、水を入れたり、水を入れ替えたり、水を捨てたりする作業を行うことができ、このような作業を容易に行うことが可能となる。例えば、このような作業を、大葉用保存容器1aにおいて収容部3に大葉Lを収容したまま行うこともできる。更に、水貯留部9を容易に洗ったり掃除したりすることができ、清潔に保ちやすい。
【符号の説明】
【0040】
1、1a 大葉用保存容器
3 収容部
3a 切欠部
3b 凹部
3b1 平坦部
3b2 傾斜部
3c 目印
5 蓋部
5a 基部
5b 突出部
5c 連結部
9 水貯留部(凹部)
L 大葉
W 水
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11