(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095491
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】遠位位置センサを有するバスケットエンドエフェクタ
(51)【国際特許分類】
A61B 18/14 20060101AFI20240703BHJP
A61B 34/20 20160101ALI20240703BHJP
【FI】
A61B18/14
A61B34/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023073159
(22)【出願日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】63/477,425
(32)【優先日】2022-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/128,054
(32)【優先日】2023-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ・トーマス・キース
(72)【発明者】
【氏名】ケビン・ジャスティン・ヘレラ
(72)【発明者】
【氏名】ナサニエル・ジェンキンス
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK03
4C160KK04
4C160KK17
4C160KK35
4C160KK54
4C160KK63
4C160MM38
(57)【要約】
【課題】カテーテルのエンドエフェクタを提供すること。
【解決手段】本明細書に提示されるシステム及び方法は、概して、バスケットアセンブリの遠位部分上に非外傷性構造を有する遠位先端部にバスケットアセンブリを伴うカテーテルと、非外傷性構造に結合された遠位センサとを含む。バスケットアセンブリは、送達シースカテーテルを通した送達のためにつぶれ、送達シースカテーテルの遠位端から出ると自己拡張するスパインを含む。バスケットアセンブリは、カテーテルのシャフトに結合された近位センサを更に含むことができ、シャフトセンサ及び遠位センサからの位置信号を使用して、バスケットアセンブリが組織又は別の表面に押し付けられたときのバスケットアセンブリの電極の位置を決定することができる。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルのエンドエフェクタであって、
長手方向軸から離れる方向に近位部分から遠位スパイン部分まで自己拡張してバスケット構成を形成するように構成されている複数のスパインを備える支持フレームであって、前記遠位スパイン部分が、前記長手方向軸の周りに半径方向に配置されたクローバー葉構造を画定し、前記クローバー葉構造が、前記長手方向軸を中心として配置された中心領域を有する中心切り欠きを画定し、前記クローバー葉構造が、前記長手方向軸を中心として凹状外周を画定する内側円弧を含む、支持フレームと、
前記近位部分に向かって延在する前記クローバー葉構造の内側円弧のみが可視であるように、前記支持フレームの前記クローバー葉構造の一部分を覆う非外傷性構造と、
を備える、エンドエフェクタ。
【請求項2】
前記複数のスパイン上の複数のジャケットを更に備え、前記複数のジャケットは、前記非外傷性構造が前記複数のジャケットのうちの各ジャケットのそれぞれの遠位部分を含むように、前記クローバー葉構造の大部分上に延在する、請求項1に記載のエンドエフェクタ。
【請求項3】
前記内側円弧は、前記複数のジャケットの遠位端から、前記複数のジャケットのうちの隣接するジャケット間に延在する、請求項2に記載のエンドエフェクタ。
【請求項4】
前記クローバー葉構造と前記複数のジャケットのうちのあるジャケットの遠位部分との間に配置されたセンサと、
複数の電極であって、前記複数の電極のうちのそれぞれの電極が前記複数のスパインのうちのそれぞれのスパインに結合されるように、前記複数のスパインに結合されている、複数の電極と、
を更に備える、請求項2に記載のエンドエフェクタ。
【請求項5】
前記センサは、前記バスケット構成において、前記支持フレームの遠位表面に対して遠位方向に配置されている、請求項4に記載のエンドエフェクタ。
【請求項6】
前記センサが接触力センサを含む、請求項4に記載のエンドエフェクタ。
【請求項7】
前記センサが位置センサを含む、請求項4に記載のエンドエフェクタ。
【請求項8】
前記位置センサが誘導コイルを含む、請求項7に記載のエンドエフェクタ。
【請求項9】
前記位置センサが磁気センサを含む、請求項7に記載のエンドエフェクタ。
【請求項10】
各スパインがそれぞれの電極対を含むように、かつスパインの前記それぞれの電極対が隣接するスパインの電極対と長手方向に重ならないように、対で配置された複数の電極を更に備える、請求項1に記載のエンドエフェクタ。
【請求項11】
前記複数の電極は、電極の近位対及び電極の遠位対を、前記電極の近位対及び前記電極の遠位対が前記複数のスパイン上に交互に配置されるように含み、
前記電極の近位対は完全に、前記バスケット構成の赤道の近位にある、請求項10に記載のエンドエフェクタ。
【請求項12】
前記複数の電極のうちの各電極は、本体を備え、前記本体は、前記電極の前記本体を通って延在する中空部分を画定し、それにより、スパインが前記中空部分に挿入され、前記スパイン上に保持され得る、請求項10に記載のエンドエフェクタ。
【請求項13】
各スパインは、保持部材を備え、前記保持部材は、圧縮されて電極が前記保持部材上を移動することを可能にするように構成され、前記保持部材は、拡張して前記スパインに沿った前記電極の移動を阻止するように構成されている、請求項12に記載のエンドエフェクタ。
【請求項14】
前記複数の電極が、不可逆エレクトロポレーションのための電気パルスを送達するように構成され、前記電気パルスが、少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を含む、請求項10に記載のエンドエフェクタ。
【請求項15】
前記複数のスパインが、前記バスケット構成にあるときに、ほぼ球形の形状のバスケットアセンブリを形成するように構成されている、請求項1に記載のエンドエフェクタ。
【請求項16】
前記複数のスパインは、前記バスケット構成にあるときに、ほぼ扁球のバスケットアセンブリを形成するように構成されている、請求項1に記載のエンドエフェクタ。
【請求項17】
カテーテルのエンドエフェクタであって、
長手方向軸から離れる方向に近位部分から遠位スパイン部分まで自己拡張してバスケット構成を形成するように構成されている複数のスパインを備える支持フレームであって、前記遠位スパイン部分が、前記長手方向軸の周りに半径方向に配置されたクローバー葉構造を画定し、前記クローバー葉構造が、前記長手方向軸を中心として配置された中心領域を有する中心切り欠きを画定する、支持フレームと、
前記複数のスパイン及び前記クローバー葉構造の大部分上の複数のジャケットと、
前記複数のスパインのうちのそれぞれのスパインに各々が結合された複数の電極と、
を備える、エンドエフェクタ。
【請求項18】
前記複数のジャケットのうちのそれぞれのジャケットと前記クローバー葉構造との間に各々が配置された複数のセンサを更に備える、請求項17に記載のエンドエフェクタ。
【請求項19】
前記複数のセンサが誘導センサを含む、請求項18に記載のエンドエフェクタ。
【請求項20】
前記複数のセンサは、三軸センサとして集合的に機能するように構成されている、請求項18に記載のエンドエフェクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2022年12月28日に出願された先願の米国特許仮出願第63/477,425号(代理人整理番号253757.000256-BIO6743USPSP1)の、米国特許法第119条に基づく優先権を主張するものであり、当該米国特許仮出願は、本明細書に完全に記載されているかのように、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、概して、医療デバイス、特に組織をマッピング及び/又はアブレーションするように構成されている電極を有するカテーテルに関し、更に、心臓組織の不可逆エレクトロポレーション(irreversible electroporation、IRE)を誘導するための使用に好適なカテーテルに関するが、これに限定されない。
【背景技術】
【0003】
心房細動(atrial fibrillation、AF)などの心臓不整脈は、心臓組織の領域が隣接組織に電気信号を異常に伝達するときに生じる。これは、正常な心周期を混乱させ、非同期的な律動を引き起こす。不整脈を治療するための処置としては、不整脈の原因となる信号の発生源を外科的に破壊すること、及びそのような信号の伝導路を破壊することがある。カテーテルを介してエネルギーを印加して心臓組織を選択的にアブレーションすることによって、心臓の一部分から別の部分への望ましくない電気信号の伝播を停止又は変更することが時に可能である。
【0004】
当該技術分野における多くの最近のアブレーションアプローチは、高周波(radiofrequency、RF)電気エネルギーを利用して組織を加熱する傾向にある。RFアブレーションは、組織の炭化、焼損、スチームポップ、横隔神経麻痺、肺静脈狭窄、及び食道瘻の原因となり得る熱細胞損傷のリスクが高まるなど、操作者の技能に起因する、特定のまれな欠点を伴う可能性がある。冷凍アブレーションは、RFアブレーションの代替アプローチであり、RFアブレーションに関連する何らかの熱リスクを低減できるが、かかるデバイスの超低温の性質に起因して、組織損傷を提示し得る。しかしながら、冷凍アブレーションデバイスを操作し、冷凍アブレーションを選択的に適用することは、一般に、RFアブレーションと比較してより困難である。したがって、冷凍アブレーションは、電気アブレーションデバイスによって到達され得る特定の解剖学的幾何形状では実行可能ではない。
【0005】
いくつかのアブレーションアプローチは、非熱アブレーション法を使用して心臓組織をアブレーションするために不可逆エレクトロポレーション(IRE)を使用する。IREは、高電圧の短パルスを組織に送達し、細胞膜の回復不能な透過化を生じさせる。多電極カテーテルを使用する組織へのIREエネルギーの送達は、特許文献において以前に提案された。IREアブレーションのために構成されたシステム及びデバイスの例は、米国特許公開第2021/0169550(A1)号、同第2021/0169567(A1)号、同第2021/0169568(A1)号、同第2021/0161592(A1)号、同第2021/0196372(A1)号、同第2021/0177503(A1)号、及び同第2021/0186604(A1)号に開示されており、その各々は、参照により本明細書に組み込まれ、優先米国特許出願第63/477,425号の付録に添付されている。
【0006】
心臓組織の領域は、異常な電気信号を識別するためにカテーテルによってマッピングすることができる。同じ又は異なるカテーテルを使用してアブレーションを実行することができる。いくつかの例示的なカテーテルは、その上に電極が配置された多数のスパインを含む。電極は、一般に、スパインに取り付けられ、はんだ付け、溶接、又は接着剤を使用することによって定位置に固定される。更に、複数の線形スパインは、概して、線形スパインの両端をチューブ状シャフト(例えば、プッシャ管)に取り付けて球形バスケットを形成することによって、ともに組み立てられる。バスケットが組織に押し付けられたときに組織が損傷を受けないように非外傷性であるバスケット形状を有することが望ましく、組織に対するバスケットの場所を視覚化することが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
カテーテルの例示的なエンドエフェクタは、支持フレーム及び非外傷性構造を含むことができる。支持フレームは、長手方向軸から離れる方向に近位部分から遠位スパイン部分まで自己拡張してバスケット構成を形成するように構成されている複数のスパインを含むことができる。遠位スパイン部分は、長手方向軸の周りに半径方向に配置されたクローバー葉構造を画定することができる。クローバー葉構造は、長手方向軸を中心として配置された中心領域を有する中心切り欠きを画定することができる。クローバー葉構造は、長手方向軸を中心として凹状外周を画定する内側円弧を含むことができる。非外傷性構造は、クローバー葉構造の内側円弧のみが可視であるように、支持フレームのクローバー葉構造の一部分を覆うことができる。
【0008】
エンドエフェクタは、非外傷性構造に結合されたセンサを更に含むことができる。エンドエフェクタは、複数の電極であって、複数の電極のうちのそれぞれの電極が複数のスパインのうちのそれぞれのスパインに結合されるように、複数のスパインに結合されている、複数の電極を更に含むことができる。
【0009】
センサは、バスケット構成において、支持フレームの遠位表面に対して遠位方向に配置され得る。
【0010】
センサは、接触力センサを含むことができる。センサは、心電図センサを含むことができる。センサは、位置センサを含むことができる。位置センサは、誘導コイルを含むことができる。位置センサは、磁気センサを含むことができる。
【0011】
位置センサは、長手方向軸と同軸であるセンサ軸を有する単軸センサを含むことができる。
【0012】
非外傷性構造は、フレックス回路を含むことができる。
【0013】
フレックス回路は、円形部分及び細長い部分を含むことができる。円形部分は、支持フレームの遠位表面を覆うことができ、それによって、支持フレームの遠位表面の上に非外傷性カバーを形成する。細長い部分は、複数のスパインのうちのあるスパインに沿って近位に延在することができる。
【0014】
単軸センサは、フレックス回路の円形部分に埋め込まれたスパイラル導体を含むことができる。
【0015】
支持フレームは、スパインを接合し、長手方向軸を中心として配置された中心領域を有する中心切り欠きを画定する遠位構造を含むことができる。非外傷性構造は、中心切り欠きの少なくとも一部分を覆うことができる。
【0016】
遠位構造は、長手方向軸の周りの方向に1つのスパインから隣接するスパインまで延在し、クローバー葉構造を形成する正弦曲線状部材を含むことができる。
【0017】
エンドエフェクタは、複数のスパイン上に複数のジャケットを更に含むことができる。
【0018】
複数のジャケットは、非外傷性構造が複数のジャケットのうちの各ジャケットのそれぞれの遠位部分を含むように、クローバー葉構造の大部分上に延在する。
【0019】
内側円弧は、複数のジャケットの遠位端から、複数のジャケットのうちの隣接するジャケット間に延在する。
【0020】
エンドエフェクタは、各スパインがそれぞれの電極対を含むように、かつスパインの電極対が隣接するスパインの電極対と長手方向に重ならないように、対で配置された複数の電極を更に含むことができる。
【0021】
各電極は、電極の本体を通って延在する中空部分を画定する本体を含むことができ、それにより、スパインが中空部分に挿入され、スパイン上に保持され得る。各スパインは、圧縮されて電極が保持部材上を移動することを可能にするように構成されている保持部材を含むことができる。保持部材は、拡張してスパインに沿った電極の移動を阻止するように構成され得る。
【0022】
複数の電極は、不可逆エレクトロポレーションのための電気パルスを送達するように構成され得、パルスは、少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を含む。
【0023】
複数のスパインが、バスケット構成にあるときに、ほぼ球形の形状のバスケットアセンブリを形成するように構成され得る。
【0024】
複数のスパインが、バスケット構成にあるときに、ほぼ扁球のバスケットアセンブリを形成するように構成され得る。
【0025】
別の例示的なエンドエフェクタは、支持フレームと、非外傷性構造と、センサと、複数の電極とを含むことができる。支持フレームは、長手方向軸から離れる方向に拡張するように構成された複数のスパインを含むことができる。非外傷性構造は、支持フレームの遠位端において複数のスパインに結合され得る。センサは、非外傷性構造に結合され、支持フレームの遠位に配置され得る。複数の電極は、複数の電極のうちのそれぞれの電極が複数のスパインのうちのそれぞれのスパインに結合されるように、複数のスパインに結合され得る。
【0026】
非外傷性構造は、剛性の電気絶縁構造を含むことができる。
【0027】
非外傷性構造は、支持フレームの遠位表面における複数のスパインのうちのあるスパインの相対位置を維持するように構成され得る。
【0028】
位置センサは、単軸センサ、二軸センサ、及び/又は三軸センサを含むことができる。
【0029】
センサは、接触力センサを含むことができる。位置センサは、心電図センサを含むことができる。センサは、位置センサを含むことができる。位置センサは、誘導コイルを含むことができる。位置センサは、磁気センサを含むことができる。位置センサは、長手方向軸と同軸であるセンサ軸を有する単軸センサを含むことができる。
【0030】
各電極は、スパインが中空部分に挿入されてスパイン上に保持され得るように、電極の本体を通って延在する中空部分を画定する本体を有することができる。
【0031】
各スパインは、圧縮されて電極が保持部材上を移動することを可能にするように構成されている保持部材を含むことができる。保持部材は、スパインに沿った電極の移動を阻止するように拡張するように構成することができる。
【0032】
複数の電極は、不可逆エレクトロポレーションのための電気パルスを送達するように構成され得、パルスは、少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を含む。
【0033】
複数のスパインは、バスケット構成にあるときに、ほぼ球形の形状のバスケットアセンブリを形成するように構成され得る。
【0034】
複数のスパインは、バスケット構成にあるときに、ほぼ扁球のバスケットアセンブリを形成するように構成され得る。
【0035】
例示的なシステムは、カテーテルと、少なくとも1つの磁界放射器と、処理回路とを含むことができる。カテーテルは、生体の身体部分に挿入されるように構成され得る。カテーテルは、シャフトと、バスケットアセンブリとを含むことができる。シャフトは、シャフトの遠位端の近くに配置された第1のコイルベースの位置センサを含むことができる。バスケットアセンブリは、自己拡張可能支持フレームと、自己拡張可能支持フレームの遠位端に結合された第2のコイルベースの位置センサとを含むことができる。バスケットアセンブリは、複数の電極のうちのそれぞれの電極が複数のスパインのうちのそれぞれのスパインに結合されるように、複数のスパインに結合された複数の電極を更に含むことができる。少なくとも1つの磁界放射器は、身体部分が位置する領域に交番磁界を送信するように構成され得る。第1及び第2の位置センサは、送信された交番磁界に応答してそれぞれの第1及び第2の位置信号を出力するように構成され得る。処理回路は、第1及び第2の位置センサから第1及び第2の位置信号を受信し、受信されたそれぞれの位置信号に応答して、第1及び第2の位置センサが同軸であるという制約に従って、相互依存的に反復して位置センサの各々の場所座標及び配向座標が計算される位置計算を使用して、第1及び第2の位置センサの場所座標及び配向座標を計算し、第1の位置センサの計算された場所座標と第2の位置センサの計算された場所座標との間の距離を計算し、少なくとも計算された距離に応じて複数のスパインのそれぞれの位置を推定するように構成され得る。
【0036】
別の例示的なシステムは、カテーテルと、少なくとも1つの磁界放射器と、処理回路とを含むことができる。カテーテルは、生体の身体部分に挿入されるように構成され得る。カテーテルは、シャフトと、バスケットアセンブリとを含むことができる。シャフトは、シャフトの遠位端の近くに配置された第1のコイルベースの位置センサを含むことができる。バスケットアセンブリは、自己拡張可能支持フレームと、自己拡張可能支持フレームの遠位端に結合された第2のコイルベースの位置センサとを含むことができる。バスケットアセンブリは、複数の電極のうちのそれぞれの電極が複数のスパインのうちのそれぞれのスパインに結合されるように、複数のスパインに結合された複数の電極を更に含むことができる。少なくとも1つの磁界放射器は、身体部分が位置する領域に交番磁界を送信するように構成され得る。第1及び第2の位置センサは、送信された交番磁界に応答してそれぞれの第1及び第2の位置信号を出力するように構成され得る。処理回路は、第1及び第2の位置センサから第1及び第2の位置信号を受信し、受信された位置信号に応答して第1の位置センサと第2の位置センサとの間の距離及び相対配向角度を計算し、相対配向角度がゼロより大きい値を有するとき、複数のスパインのうちの1つ又は2つ以上の対称配置からの歪みを考慮しながら、少なくとも計算された距離及び相対配向角度に応じて複数のスパインのそれぞれの位置を推定するように構成される。
【0037】
第2のコイルベースの位置センサは、自己拡張可能支持フレームの遠位表面に対して遠位方向に配置され得る。
【0038】
例示的な方法は、当業者が理解するように、様々な順序で実行される以下のステップを含むことができ、追加のステップを含むことができる。本方法は、生体の身体部分にカテーテルを挿入することを含むことができる。カテーテルは、シャフトと、バスケットアセンブリとを含むことができる。第1のコイルベースの位置センサは、シャフトの遠位端に配置され得る。バスケットアセンブリは、自己拡張可能支持フレームと、自己拡張可能支持フレームの遠位端に結合された第2のコイルベースの位置センサとを含むことができる。バスケットアセンブリは、複数の電極のうちのそれぞれの電極が複数のスパインのうちのそれぞれのスパインに結合されるように、複数のスパインに結合された複数の電極を更に含むことができる。本方法は、自己拡張可能支持フレームがバスケット形状を形成することを可能にするように、バスケットアセンブリをシースから出すことを更に含むことができる。本方法は、身体部分が位置する領域に交番磁界を送信することを更に含むことができる。本方法は、第1及び第2の位置センサによって、送信された交番磁界に応答して、それぞれの第1及び第2の位置信号を出力することを更に含むことができる。本方法は、第1及び第2の位置センサから第1及び第2の位置信号を受信することを更に含むことができる。本方法は、受信されたそれぞれの位置信号に応答して、第1及び第2の位置センサが同軸であるという制約に従って、相互依存的に反復して位置センサの各々の場所座標及び配向座標が計算される位置計算を使用して、第1及び第2の位置センサの場所座標及び配向座標を計算することを更に含むことができる。本方法は、第1の位置センサの計算された場所座標と第2の位置センサの計算された場所座標との間の距離を計算することを更に含むことができる。本方法は、少なくとも計算された距離に応じて複数のスパインのそれぞれの位置を推定することを更に含むことができる。
【0039】
別の例示的な方法は、当業者が理解するように、様々な順序で実行される以下のステップを含むことができ、追加のステップを含むことができる。本方法は、生体の身体部分にカテーテルを挿入することを含むことができる。カテーテルは、シャフトと、バスケットアセンブリとを含むことができる。第1のコイルベースの位置センサは、シャフトの遠位端に配置され得る。バスケットアセンブリは、自己拡張可能支持フレームと、自己拡張可能支持フレームの遠位端に結合された第2のコイルベースの位置センサとを含むことができる。バスケットアセンブリは、複数の電極のうちのそれぞれの電極が複数のスパインのうちのそれぞれのスパインに結合されるように、複数のスパインに結合された複数の電極を更に含むことができる。本方法は、自己拡張可能支持フレームがバスケット形状を形成することを可能にするように、バスケットアセンブリをシースから出すことを更に含むことができる。本方法は、身体部分が位置する領域に交番磁界を送信することを含むことができる。本方法は、第1及び第2の位置センサによって、送信された交番磁界に応答してそれぞれの第1及び第2の位置信号を出力することを含むことができる。本方法は、第1及び第2の位置センサから第1及び第2の位置信号を受信することを含むことができる。本方法は、受信された位置信号に応答して、第1の位置センサと第2の位置センサとの間の距離及び相対配向角度を計算することを含むことができる。本方法は、相対配向角度がゼロより大きい値を有するときに、対称配置からの複数のスパインのうちの1つ又は2つ以上の歪みを考慮しながら、少なくとも計算された距離及び相対配向角度に応じて複数のスパインのそれぞれの位置を推定することを含むことができる。
【0040】
医療用プローブを構築する例示的な方法は、当業者が理解するように、様々な順序で実行される以下のステップを含むことができ、追加のステップを含むことができる。本方法は、複数のスパインを含む支持フレームを形成することを含むことができる。本方法は、複数のスパインを、長手方向軸の周りに配置され、長手方向軸から離れる方向に自己拡張可能であるように構成することを含むことができる。本方法は、支持フレームの遠位表面を非外傷性構造で覆うことを含むことができる。本方法は、センサを非外傷性構造に結合することを含むことができる。本方法は、複数の電極のうちのそれぞれの電極が複数のスパインのうちのそれぞれのスパインに結合されるように、複数の電極を複数のスパインに結合することを含むことができる。
【0041】
支持フレームは、スパインを接合し、長手方向軸を中心として配置された中心領域を有する中心切り欠きを画定する遠位構造を含むことができる。中心切り欠きは、支持フレームの遠位表面内に開口部を画定することができる。
【0042】
複数のスパインから支持フレームを形成することは、遠位構造がチューブを取り囲み、複数のスパインがチューブに沿って長手方向に延在するように、チューブを切断することを含むことができる。
【0043】
本方法は、複数のスパインの遠位部分を非外傷性構造と結合することを含むことができる。
【0044】
センサは、非外傷性構造に埋め込むことができる。
【0045】
医療用プローブを構築する別の例示的な方法は、当業者が理解するように、様々な順序で実行される以下のステップを含むことができ、追加のステップを含むことができる。本方法は、複数のスパインが長手方向軸に沿って近位の中央近位スパイン部分から遠位スパイン部分まで延在するように、複数のスパインを複数のジャケットに挿入することを含むことができる。遠位スパイン部分は、長手方向軸の周りに半径方向に配置されたクローバー葉構造を画定することができる。クローバー葉構造は、長手方向軸を中心として配置された中心領域を有する中心切り欠きを画定することができる。複数のジャケットは各々が、遠位スパイン部分の大部分を覆うことができる。本方法は、複数のスパインを、電極の本体を通って延在するルーメンを各々が有する複数の電極と位置合わせすることを更に含むことができる。本方法は、複数のスパインのうちの各スパインを複数の電極のうちのある電極のルーメンに挿入することを更に含むことができる。本方法は、複数の電極を複数のスパイン上に保持することを更に含むことができる。
【0046】
複数のスパイン上に複数の電極を保持することは、少なくとも1つの付勢部材を用いて複数の電極のうちの電極を保持することを含むことができる。
【0047】
少なくとも1つの付勢部材は、電極のルーメンの外側に配置され得る。
【0048】
少なくとも1つの付勢部材は、電極のルーメンの内側に配置され得る。
【0049】
本方法は、複数の電気絶縁性ジャケットのうちのある電気絶縁性ジャケットのルーメンを通してワイヤを配置することを更に含むことができる。本方法は更に、複数の電極のうちのある電極を電気絶縁ジャケット上に配置することを含むことができる。本方法は、電気絶縁ジャケット内の開口を通してワイヤを電極に電気的に接続することを更に含むことができる。
【0050】
複数のスパインのうちの各それぞれのスパインは、第1の電極及び第2の電極を含むことができる。本方法は、複数のスパインのうちの各それぞれのスパインを第1の電極及び第2の電極と位置合わせすることを更に含むことができる。本方法は、複数のスパインのうちの各それぞれのスパインを第1の電極のルーメン内及び第2の電極のルーメン内に挿入することを更に含むことができる。本方法は、複数のスパインのうちの各それぞれのスパインの端部を、血管系を横断するようにサイズ決定されたチューブ状シャフトに嵌合させることを更に含むことができる。
【0051】
本方法は、長手方向軸に沿って隣接するスパイン間で電極をオフセットすることを更に含むことができる。
【0052】
電極本体ルーメンは、医療用プローブのワイヤを受容するように構成され得る。
【0053】
ワイヤは、スパインから絶縁され得る。
【図面の簡単な説明】
【0054】
本発明の上記及び更なる態様は、添付の図面と併せて以下の説明を参照して更に考察され、様々な図面において、同様の数字は、同様の構造要素及び特徴を示す。図面は、必ずしも縮尺どおりではなく、代わりに、本発明の原理を例示することに主眼が置かれている。図は、限定としてではなく単なる例解として、本発明のデバイスの1つ又は2つ以上の実装形態を描写している。
【
図1】本発明の態様による、例示的なカテーテルに基づく電気生理学的マッピング及びアブレーションシステムの図である。
【
図2A】本発明の態様による、拡張形態の医療用プローブの斜視図である。
【
図2B】本発明の態様による、管材から形成される医療用プローブのチューブ状フレームの図である。
【
図2C】本発明の態様による、
図2Aのバスケットアセンブリの遠位端面図である。
【
図3A】本発明の態様による、非外傷性遠位カバーが図から省略された、
図2Aのバスケットアセンブリの遠位端面図の別の図である。
【
図3B】本発明の態様による、非外傷性遠位カバーが図から省略された、
図2Aのバスケットアセンブリの遠位端面図の別の図である。
【
図3C】本発明の態様による、非外傷性遠位カバーが図から省略された、
図2Aのバスケットアセンブリの遠位端面図の別の図である。
【
図4A】遠位端の凹面を示す、
図2Aに示されるバスケットの遠位端の斜視図である。
【
図4B】遠位端の凹面を示す、
図2Aに示されるバスケットの遠位端の側面図である。
【
図5A】本発明の態様による、拡張形態の別の例示的な医療用プローブの斜視図である。
【
図5B】
図5Aに示される医療用プローブの遠位端面図である。
【
図5C】
図5Aに示される医療用プローブのつぶれた図である。
【
図6A】長手方向軸上に位置する観察者が見るために、バスケットスパイン全体が2枚の平坦なガラス板の間に平坦に捕捉されているかのような、
図5Aのバスケットスパイン構造の遠位端の端面図及び平坦化図である。
【
図6B】本発明の態様による、バスケット遠位端における遠位センサの図である。
【
図7A】本発明の態様による別の例示的な医療用プローブの斜視図である。
【
図7B】
図7Aに示される医療用プローブの遠位端の斜視図である。
【
図7C】本発明の態様による、医療用プローブのループ保持ハブの図である。
【
図8A】本発明の態様による、例示的なバスケットカテーテルを使用する
図1のシステムの動作の方法におけるステップを含むフローチャートである。
【
図8B】
図8Aの動作の方法におけるサブステップを含むフローチャートである。
【
図8C】
図8Aの動作の方法における代替のサブステップを含むフローチャートである。
【
図9】本発明の態様による、例示的なバスケットカテーテルを使用する
図1のシステムの動作の別の方法におけるステップを含むフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0055】
詳細な説明は、限定ではなく例として本発明の原理を示す。この説明は、当業者が本発明を製造及び使用することを明らかに可能にし、また本発明を実施するための最良の態様であると現在考えられているものを含めて、本発明のいくつかの実施形態、適応例、変形例、代替物及び使用を説明する。
【0056】
本明細書で使用される場合、任意の数値又は範囲に対する「約」又は「ほぼ」という用語は、構成要素の一部又は集合が本明細書に記載の意図された目的のために機能することを可能にする好適な寸法公差を示す。より具体的には、「約」又は「ほぼ」は、列挙された値の±20%の値の範囲を指し得、例えば、「約90%」は、71%~110%の値の範囲を指し得る。
【0057】
本明細書で使用する場合、「患者」、「ホスト」、「ユーザ」及び「被験体」という用語は、任意のヒト被験体又は動物被験体を指し、上述のシステム又は方法をヒトにおける使用に限定することを目的としたものではないが、ヒト患者における対象の本発明の使用は、好ましい実施形態を代表するものである。加えて、「患者」、「ホスト」、「ユーザ」、及び「被験者」の血管系は、ヒト又は任意の動物の血管系であり得る。動物は、哺乳類、獣医学的動物、家畜動物、又はペット類の動物などを含むがこれらに限定されない、種々のあらゆる該当する種類のものであり得ることを理解するべきである。一例として、動物は、ヒトに類似したある特定の性質を有するように特に選択された実験動物(例えば、ラット、イヌ、ブタ、サルなど)であり得る。被験者は、例えば、あらゆる該当するヒト患者でよいことを理解するべきである。
【0058】
本明細書で使用される場合、用語「近位」は、操作者に近い方の場所を示す一方、「遠位」は、操作者又は医師から更に遠い場所を示す。
【0059】
本明細書で使用される場合、「操作者」は、医師、外科医、技術者、科学者、又は被験体への薬物難治性心房細動の治療のための多電極カテーテルの送達に関連する任意の他の個人若しくは送達器具を含むことができる。
【0060】
本明細書で使用される場合、用語「アブレーションする」又は「アブレーション」は、本開示のデバイス及び対応するシステムに関する場合、本開示全体を通して、パルス電界(pulsed electric field、PEF)及びパルス場アブレーション(pulsed field ablation、PFA)と互換的に称される、不可逆エレクトロポレーション(IRE)などの非熱エネルギーを利用することによって、細胞内の不規則心臓信号の生成を低減又は防止するように構成された構成要素及び構造的特徴を指す。本開示のデバイス及び対応するシステムに関する場合、アブレーションすること又はアブレーションは、不整脈、心房粗動アブレーション、肺静脈隔離、上室頻脈アブレーション、及び心室性頻脈アブレーションを含むがこれらに限定されない特定の状態の心臓組織の非熱アブレーションを参照して、本開示全体を通して使用される。「アブレーションする」又は「アブレーション」という用語はまた、当業者によって理解されるように、熱アブレーションを含む様々な形態の身体組織アブレーションを達成するための既知の方法、デバイス、及びシステムを含む。
【0061】
本明細書で論じられるように、「双極」、「ユニポーラ」、及び「単極」という用語は、アブレーションスキームを指すために使用される場合、電流経路及び電界分布に関して異なるアブレーションスキームを説明する。「双極」とは、両方とも治療部位に配置された2つの電極間の電流経路を利用するアブレーションスキームを指す。電流密度及び電束密度は、典型的には、2つの電極の各々でほぼ等しい。「ユニポーラ」及び「単極」とは、本明細書で互換的に使用され、2つの電極間の電流経路を利用するアブレーションスキームを指し、ここで、高電流密度及び高電束密度を含む1つの電極が治療部位に配置され、比較的低い電流密度及びより低い電束密度を含む第2の電極が、治療部位から遠隔に配置される。
【0062】
本明細書で論じられるように、「チューブ状」及び「チューブ」という用語は、広義に解釈されるものとし、直円柱構造、若しくは断面が厳密に円形である構造、又はその長さ全体にわたって均一な断面である構造に限定されるものではない。例えば、チューブ状構造は、概して、実質的な直円柱構造として例解される。しかしながら、チューブ状構造は、本開示の範囲から逸脱することなく、テーパ状又は湾曲した外面を有してもよい。
【0063】
本明細書に記載の教示、表現、変形例、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上は、本明細書に記載の他の教示、表現、変形例、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上と組み合わせることができる。したがって、以下に記載されている教示、表現、変形例、実施例などは、互いに単独で考慮されるべきではない。本明細書の教示に照らして、本明細書の教示を組み合わせることができる種々の好適な方法が、当業者には容易に明らかとなろう。このような修正例及び変形形態は、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【0064】
図1は、例示的なカテーテルに基づく電気生理学的マッピング及びアブレーションシステム10を示す図である。システム10は、患者の血管系を通じて、心臓12の腔又は血管構造内に医師24によって経皮的に挿入される複数のカテーテルを含む。典型的には、送達シースカテーテルは、心臓12内の所望の場所付近の左心房又は右心房に挿入される。その後、複数のカテーテルを送達シースカテーテルに挿入して、所望の場所に到達させることができる。複数のカテーテルは、心内電位図(Intracardiac Electrogram、IEGM)信号の感知専用のカテーテル、アブレーション専用のカテーテル、及び/又は感知及びアブレーションの両方に専用のカテーテルを含んでもよい。IEGM及びアブレーションを感知するように構成された例示的なカテーテル14が本明細書に示されている。医師24は、心臓12の標的部位を感知するために、カテーテル14の遠位先端部28を心臓壁と接触させる。
【0065】
図示されるカテーテル14は、カテーテル14の遠位先端部28においてバスケットアセンブリ100の複数のスパイン214にわたって任意選択的に分散され、カテーテルシャフト84の遠位端85から遠位に延在する、1つ、好ましくは複数の電極40を含む例示的なカテーテルである。バスケットアセンブリ100は、IEGM信号を感知し、及び/又はアブレーション信号を提供するように構成することができる。カテーテル14は、シース又は中間カテーテル(図示せず)を通して心臓12に送達されてもよい。カテーテル14は、遠位先端部28の位置及び配向を追跡するために、遠位先端部28内又はその近くに埋め込まれた位置センサ29を更に含むことができる。任意選択的にかつ好ましくは、位置センサ29は、三次元(three-dimensional、3D)位置及び配向を感知するための3つの磁気コイルを含む磁気ベースの位置センサである。位置センサ29は、バスケットアセンブリ100の近位方向において、カテーテルシャフト84の遠位部分上に示されている。追加的又は代替的に、バスケットアセンブリ100は、バスケットアセンブリ100の遠位端に同様に構成された位置センサを含むことができる。図示されたバスケットアセンブリ100は、スパイン214の遠位部分上に非外傷性構造45を含む。位置センサ、又は接触力センサ若しくは心電図センサなどの他の種類のセンサを、非外傷性構造45に結合することができる。非外傷性構造45は、バスケットアセンブリ100の遠位端が、組織を損傷することなく組織に押し付けられることを可能にすることができる。
【0066】
1つ又は2つ以上の磁気ベースの位置センサ(例えば、シャフト84に結合された位置センサ29及び/又はバスケットアセンブリ100の遠位端に結合された位置センサ)は、所定の可動範囲内に磁界を発生させるように構成された複数の磁気コイル32を含む場所パッド25とともに動作され得る。カテーテル14の遠位先端部28のリアルタイム位置は、場所パッド25を用いて生成され、磁気ベースの位置センサによって感知される磁界に基づいて追跡され得る。磁気ベースの位置感知技術の詳細は、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,391,199号、同第5443489号、同第5558091号、同第6172499号、同第6239724号、同第6332089号、同第6484118号、同第6618612号、同第6690963号、同第6,788,967号、及び同第6,892,091号に記載され、これらは参照により本明細書に組み込まれ、かつ優先権特許出願第63/477,425号の付録に添付されている。
【0067】
システム10は、場所パッド25、並びに電極40のインピーダンスベースの追跡及び/又はバスケットアセンブリ100の遠位端にあるインピーダンスベースのセンサのための場所基準を確立するために患者23上の皮膚接触のために配置された1つ又は2つ以上の電極パッチ38を含む。インピーダンスベースの追跡のために、電流は、電極40(及び/又はバスケットアセンブリ100の遠位端にあるセンサ)に向けられ、電極皮膚パッチ38において感知され、その結果、各電極及び/又はセンサの場所は、電極パッチ38を介して三角測量され得る。インピーダンスベースの場所追跡技術の詳細は、米国特許第7,536,218号、同第7756576号、同第7848787号、同第7,869,865号、及び同第8,456,182号に記載され、これらは参照により本明細書に組み込まれ、かつ優先権特許出願第63/477,425号の付録に添付されている。
【0068】
レコーダ11は、体表面ECG電極18で捕捉された電位
図21と、カテーテル14の電極40及び/又はバスケットアセンブリ100の遠位端にあるセンサで捕捉された心臓内電位図(IEGM)とを表示する。レコーダ11は、心拍リズムをペーシングするためのペーシング能力を含んでもよく、及び/又は独立型ペーサに電気的に接続されてもよい。
【0069】
システム10は、アブレーションのために構成されたバスケットアセンブリ100の電極40のうちの1つ又は2つ以上にアブレーションエネルギーを伝導するように適合されたアブレーションエネルギー発生器50を含むことができる。アブレーションエネルギー発生器50によって生成されるエネルギーは、不可逆エレクトロポレーション(IRE)をもたらすために使用され得るような単極又は双極高電圧DCパルスを含む、無線周波数(RF)エネルギー若しくはパルス場アブレーション(PFA)エネルギー、又はそれらの組み合わせを含み得るが、それらに限定されない。
【0070】
患者インターフェースユニット(patient interface unit、PIU)30は、カテーテル、電気生理学的機器、電源、及びシステム10の動作を制御するためのワークステーション55の間の電気通信を確立するように構成されたインターフェースである。システム10の電気生理学的機器は、例えば、複数のカテーテル、場所パッド25、体表面ECG電極18、電極パッチ38、アブレーションエネルギー発生器50、及びレコーダ11を含んでもよい。任意選択的に、かつ好ましくは、PIU30は、カテーテルの場所のリアルタイム計算を実施するため、かつECG計算を実行するための処理能力を含む。
【0071】
ワークステーション55は、メモリと、適切なオペレーティングソフトウェアがロードされたメモリ又は記憶装置を有するプロセッサユニットと、ユーザインターフェース機能とを含む。ワークステーション55は、複数の機能を提供するように構成することができ、任意選択的に、(1)心内膜解剖学的構造を三次元(3D)でモデル化し、そのモデル又は解剖学的マップ20を表示デバイス27に表示するためにレンダリングすることと、(2)表示デバイス27上に、記録された電位
図21からコンパイルされた活性化シーケンス(又は他のデータ)を、レンダリングされた解剖学的マップ20上に重ね合わされた代表的な視覚的印又は画像で表示することと、(3)心腔内の複数のカテーテルのリアルタイムの場所及び配向を表示することと、(4)アブレーションエネルギーが印加されたところなどの関心部位を表示デバイス27上に表示することとを含む。システム10の要素を具現化する1つの市販製品は、Biosense Webster,Inc.,31 Technology Drive,Suite 200,Irvine,CA 92618,USAから市販されている、CARTO(商標)3システムとして入手可能である。
【0072】
システム10は、灌注流体システムを更に含むことができ、ワークステーション55は、灌注流体をカテーテル14に送達するように更に構成することができる。
【0073】
図2Aは、拘束されていないときの拡張形態にあるバスケットアセンブリ100aを含む医療用プローブ22aの斜視図である。医療用プローブ22aは、
図1に示すカテーテル14の代わりに使用することができる。シースの遠位部分は、挿入チューブ60(透明として図示される)を含むことができる。バスケットアセンブリ100aは、つぶれた状態で挿入チューブ60のルーメンを横断することができ、挿入チューブ60の遠位端66から前進したときに図示されるような拡張形態に拡張することができる。バスケットアセンブリ100aは、バスケットアセンブリ100aを拡張形態に拡張させるために、プッシャチューブ又はプラーワイヤなどの追加の機構を必要とすることなく、スパイン214が挿入チューブ60を出ると長手方向軸86から離れる方向に拡張するように、自己拡張可能であり得る。スパイン214は、バスケットアセンブリ100aの重要な構造的及び機械的機能を提供するバスケットアセンブリ100aの支持フレームを形成する。
【0074】
プローブ22aは、心臓組織に対するスパイン214の接触力を決定するための接触力センサ400を含んでもよい。接触力センサ400の詳細は、2021年3月18日に公開された米国特許出願公開第2021/0077180(A1)号に示され、記載されており、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0075】
拡張形態では、スパイン214は、半径方向外向きに湾曲し、つぶれ形態(図示せず)では、スパイン214は、挿入チューブ60の長手方向軸86に概ね沿って配置される。バスケットアセンブリ100aは、各スパイン214上に複数の電気絶縁性のジャケット217を含み、ジャケット217がそれぞれのスパイン214とそれぞれの電極40との間に配置され、それによって電極40をスパイン214から電気的に絶縁する。例示のために、
図2Aの図では、スパイン214のうちの1つの上のジャケット217の一部分は省略されており、バスケットアセンブリ100aは、好ましくは、すべてのスパイン214の上にジャケット217を含む。各電極40は、スパイン214と一体的に形成された保持部材220によってスパイン214に対して実質的に所定位置に配置することができる。
【0076】
スパイン214は、バスケットアセンブリ100aの両端で接続することができる。医療処置中、医療専門家24は、チューブ状シャフト84を挿入チューブ60から延在させ、バスケットアセンブリ100aを挿入チューブ60から出して拡張形態に移行させることによって、バスケットアセンブリ100aを展開することができる。スパイン214は、円形若しくは楕円形の断面、正方形若しくは長方形の断面、又は他の断面形状を有してもよい。断面形状は、平坦に見えてもよい。スパイン214は、可撓性の弾性材料、例えば、ニチノールとしても知られるニッケル-チタンなどの形状記憶合金を含んでもよい。バスケットアセンブリ100aは、近位部分36と、遠位部分39aと、を有する。支持フレームの遠位部分39aは、クローバーの葉に似た遠位構造300を含み、したがって、構造300は、以下では「クローバー葉構造」と称される。スパイン214は、近位スパイン部分216からクローバー葉構造300を含む遠位スパイン部分まで、長手方向軸86に沿って延在する。クローバー葉構造300は、長手方向軸86の周りに半径方向に配置される。クローバー葉構造300は、中心領域が長手方向軸を中心に配置された中心切り欠きを画定する。
【0077】
好ましくは、スパイン214は、ニチノール、コバルトクロム、ステンレス鋼、チタン、及びこれらの組み合わせ又は合金から作製することができる。各電極40は、ステンレス鋼、コバルトクロム、金、白金、パラジウム、及びこれらの合金で作製することができる。
【0078】
医療用プローブ22aは、チューブ状シャフト84の遠位端からバスケットアセンブリ100aの遠位部分39aに向かって長手方向に延在する、スパイン保持ハブ90を含むことができる。スパイン保持ハブ90は、チューブ状シャフト84内に挿入され、チューブ状シャフト84に取り付けられ得る。スパイン保持ハブ90は、複数のレリーフランド(relief land)96と、バスケットスパインによって画定される容積内への灌注流体の流出を可能にする複数の灌注開口部98と、ハブ端部99とを含む円筒部材94含み得る。ワークステーション55は、チューブ状シャフト84を通してバスケットアセンブリ100aに灌注流体を送達し、スパイン保持ハブ90の灌注開口部98から出す灌注モジュールを含み得る。レリーフランド96は、円筒部材94の外面に配置され、各スパイン取り付け端部216など各スパイン214の一部分を、接触力センサ400のためのカップラとしても知られる保持ハブ90のそれぞれのレリーフランド96に嵌合し得るように構成することができる。取り付け端部216は、スパイン214の概ね直線状の端部であり得る。取り付け端部216は、バスケットアセンブリ100aがスパイン保持ハブ90から外向きに、その結果として、チューブ状シャフト84から外向きに配置されるように、スパイン保持ハブ90から外向きに延在するように構成され得る。このようにして、スパイン214は、バスケットアセンブリ100aが展開されるときに、バスケットアセンブリ100aをチューブ状シャフト84の遠位端から遠位に、かつ挿入チューブ60の遠位端から遠位に配置するように構成され得る。基準電極95は、円筒部材94又はハブ端面99に配置することができる。ハブ90は、事実上、(1)スパイン脚部を近位に保持する、(2)ハブ90(並びにバスケットアセンブリ100a)が遠位チューブ84に接続されることを可能にする、(3)遠位チューブ84を通して送達される灌注流体のための流体ダイバータとして機能する、及び(4)基準電極95を提供する、という複数の機能を有することができることに留意されたい。
【0079】
バスケットアセンブリ100aは、非外傷性遠位カバー45aを含む。非外傷性遠位カバー45aは、組織に対するバスケットアセンブリ100aの遠位部分39aの圧力に起因する組織損傷の可能性を低減するように構成され得る。非外傷性遠位カバー45aは、クローバー葉構造300の大部分を覆う。非外傷性遠位カバー45aは、組織に対するバスケットアセンブリ100aの遠位部分39aの圧力に起因する組織損傷の可能性を低減するために、当業者によって理解されるように、バスケットアセンブリ100aの代替構成において遠位スパイン部分に適用され得る。非外傷性遠位カバー45aは、支柱を有するバスケットアセンブリ構造又はバスケットアセンブリの遠位端に配置される縁を伴う構造に特に好適であり得る。非外傷性遠位カバー45aは、長手方向軸86を中心に中心開口部47を含むことができる。非外傷性遠位カバー45aは、センサを伴うフレックス回路を含むことができる。追加的又は代替的に、非外傷性遠位カバー45aは、クローバー葉構造300を浸漬コーティングすることによって構築され得る。
【0080】
図2Bは、管材から形成された医療用プローブのチューブ状フレーム110の図である。チューブ状フレームは、クローバー葉構造300によって遠位スパイン部分で接合され、近位リング112によって近位スパイン部分で接合されたスパイン214を含む。チューブ状フレーム110は、近位リング112を受け入れるために保持ハブ90に変更を加えて、
図2Aに示すスパイン214の代わりに使用され得る。更に、チューブ状フレーム110のスパイン214は、
図2Aに示すスパイン214の特徴を含むように変更することができる。
図2Aに示される回転楕円体のバスケット形状を達成するために、スパイン214が平坦なシート材から形成され、切断され、熱処理されることも本発明の範囲内である。
図2Bのチューブ状フレーム110は、長手方向に圧縮することができ、スパイン214は、半径方向に拡張して、
図2Aに示すものと同様のバスケット形状のスパイン構造を形成することができる。同様に、
図2Aに示すスパイン214は、
図2Bに示すように、長手方向に位置合わせされようにつぶれることができる。チューブ状フレーム110は、
図2Aに示されるものと同様に、クローバー葉構造300を覆う非外傷性遠位カバー45aを含む。チューブ状フレーム110は、
図2Aに示すバスケットアセンブリ100aと同様のバスケットアセンブリのための支持フレームとして機能することができる。
【0081】
図2Cは、
図2Aのバスケットアセンブリ100aの遠位端面図である。センサ150aは、非外傷性遠位カバー45aに結合することができる。例えば、非外傷性遠位カバー45aは、フレックス回路を含むことができ、センサ150aは、フレックス回路上にパターン化され得る。非外傷性遠位カバー45aは、バスケットアセンブリ100aの支持フレームの遠位表面上に配置される。
【0082】
センサ150aは、接触力センサ、心電図センサ、及び/又は位置センサを含むことができる。図示のように、センサ150aは、単軸磁気位置センサとして機能することができる誘導コイルを含む。センサ150aは、スパイラルインダクタ152を含む円形部分151と、スパイラルインダクタ152の外側部分からの第1の導電性トレース154及びスパイラルインダクタ152の内側部分からの第2の導電性トレース155を含む線形部分153とを含む。線形部分153は、スパイン214に沿ってシャフト84まで近位方向に延在し、遠位センサ150bのシステム10(
図10)への電気的接続を提供する。図示のセンサ150aは、例示のために1つのスパイラルインダクタ152のみを含むが、当業者によって理解されるように、巻き数、したがってセンサ感度を増加させるために、図示のスパイラルインダクタ152と同様のサイズの複数のスパイラルインダクタを積み重ねることができる。ジャケット217は、例示のために
図2Cに示されるスパイン214のいくつかから省略されている。好ましくは、各スパイン214はジャケット217を含む。
【0083】
図3Aは、例示のために非外傷性遠位カバー45aが除去された、
図2Aのバスケットアセンブリ100aの遠位表面の遠位端面図の別の図である。クローバー葉構造300は、長手方向軸86の周りに半径方向に配置される。クローバー葉構造300は、クローバー切り欠き212を含む。各クローバー切り欠き212は、軸86から直交して延在する放射軸A、B、C、D、E、Fに沿って位置合わせされ、その結果、複数のスパイン214は、それぞれ隣接するスパイン間のそれぞれの角度がほぼ等しくなるような等角パターンで延在する。好ましい実施形態は6つのスパインを含むが、4~12の任意の数のスパインを有することは本発明の範囲内である。
【0084】
クローバー葉構造300は、負又は空の領域A0が長手方向軸86を中心に配置された中心切り欠きC0を画定する。クローバー葉構造300は、クローバー葉構造300の一部分が、2つの隣接するスパイン214が位置する任意の2つの放射軸の間の場所に近接して中心円C0に接するように構成される。例えば、スパイン214が放射軸A上にあり、隣接するスパイン214が軸B上にある場合、クローバー葉構造300は、中心軸86に接続された線Q1によって2つの放射軸A及びBを二等分する場所において、開いた円C0に接する。開放領域A0の周りの正弦曲線クローバー葉部材300のこの接線特性は、二等分軸Q1、Q2、Q3、Q4、Q5、Q6のすべてについて、任意の2つの隣接するスパイン214(例えば、軸B上のスパイン214及び軸C上のスパイン214など)について繰り返される。二等分軸Q1、Q2、Q3、Q4、Q5、Q6は、クローバー葉構造300の頂点に対応し、放射軸A、B、C、D、E、Fは、クローバー葉構造の谷に対応し、クローバー葉構造の頂点は、中心軸86により近く、谷は、中心軸86からより遠い。
【0085】
図3Bは、バスケットアセンブリ100aがシャフト84から取り外され、バスケットアセンブリ100aの遠位部分39aが2枚のガラス板の間で平坦化されているかのような、
図2Aに示されたバスケットアセンブリ100aの端面図を示す。クローバー葉構造300は、正弦曲線状であり得、1つのスパイン214から隣接するスパイン214まで、例えば、長手方向軸86の周りで反時計回り又は時計回りの方向に延在する。正弦曲線構造300のこの特性は、例えば、スパイン214が放射軸A上に位置する
図3Bに見ることができる。軸A上のこのスパイン214から開始して、クローバー葉構造300は、円R1によって近似され得る負の又は開放した第1の領域A1を有する切り欠き212の一部分の周りに正弦曲線状部材302を形成する破線によって示されるように蛇行するように構成される。本明細書で使用される場合、「開放領域」という用語は、フレーム材料を欠く空間を画定するためのいかなる固体構造も存在しないことを意味する。「開放領域」は、非外傷性遠位カバー45aなどの二次材料で覆われるか、又は少なくとも部分的に充填されてもよい。この第1の開放領域A1は、中心領域A0の約20%である。便宜上、第1の開放領域A1は、中心が長手方向軸86に対して第1の距離L1に位置する第1の仮想円R1によって近似することができる。引き続き
図4Bにおいて、正弦曲線クローバー葉部材300は、軸Aから軸Fへと、第2の開放領域A2の周りを、軸F上に位置する隣接スパイン214に向かって反時計回り方向に蛇行する。便宜上、第2の開放領域A2は、第1の開放領域A1の約90%の第2の開放領域A2を有する第2の仮想円R2に近似することもできる。第2の仮想円は、長手方向軸86までの第1の距離L1よりも小さい第2の距離L2に位置する半径R2の中心を有してもよいことに留意されたい。
図4Bの軸Fに向かって継続すると、正弦曲線クローバー葉部材300は、蛇行して、便宜上、半径R3を伴う第3の仮想円によって近似される、第3の開放領域A3の周りに正弦曲線状部材302を形成する。第3の仮想円は、中心軸86に対して距離L2よりも大きく第1の距離L1にほぼ等しい第3の距離L3に位置する半径R3の中心を有する。正弦曲線クローバー葉部材300が軸Fと交差すると、軸Eに近い軸Fの他方の側にある別の第1の開放領域A1に関して構造命名法が再び繰り返され、クローバー葉構造300は、正弦曲線状部材302を表す破線によって示されるように、軸E上に位置する次のスパイン214に向かって蛇行する。
【0086】
スパイン214の幅T0は、0.25~1mmとすることができる一方、正弦曲線部材302は、T0の幅の約1/2の最大幅T1を有し、スパイン幅T0の約1/3の最小幅T2を有する。スパイン軸(A、B、C、D、E又はF)に近接する幅T3は、T1の最大値とほぼ同じである。半径R0によって近似される中心領域A0は、約0.8mm2であり、第4の仮想円C4は、中心領域A0よりも約14倍大きい領域を有し得る。第1及び第3の仮想円R1及びR3の各々は、中心軸86から約1.5mmの第1の距離L1に配置され、第2の仮想円R2は、第1の距離L1の約1/2の距離L2に配置される。
【0087】
図3Cは、バスケットアセンブリ100aがシャフト84から取り外され、バスケットアセンブリ100aの遠位部分39aが2枚のガラス板の間で平坦化されているかのような、
図2Aに示されたバスケットアセンブリ100aの別の端面図を示す。
図3Cは、バスケットアセンブリ100aの所望の機械的特性を達成するように調整することができるクローバー葉構造300の選択された寸法を示す。正弦曲線部材302の第1の開放領域A1の半径R1、第2の開放領域A2の半径R2、第3の開放領域A3の半径R3、及び最小幅T2は、各々、所望の機械的特性を達成するように調整することができる。これらの寸法は
図3Bにも示されている。加えて、高さH1は、所望の機械的特性を達成するように調整することができる。高さH1は、第2の開放領域A2の最も内側の点から、長手方向軸L-Lから離れる方向に第2の開放領域A2から直接半径方向外側にあるネック218まで測定される。ネック218は、クローバー葉構造300の隣接する近位部分306が互いに最も近接する場所に配置される。
【0088】
長手方向軸L-Lから第2の仮想円A2(
図3B)の中心までの第2の長さL2は、クローバー葉構造300の内側円弧304と外側部分306との間の境界を画定する。
【0089】
図4Aは、クローバー葉構造300の凹面を示す、
図2Aに示されるバスケットアセンブリ100aの遠位部分39aの斜視図である。例示のために、ジャケット217及び電極40は省略されている。
【0090】
図4Bは、クローバー葉構造300の凹面を示す、
図2Aに示されるバスケットアセンブリ100aの遠位部分39aの側面図である。例示のために、ジャケット217及び電極40は省略されている。バスケットアセンブリ100aの遠位部分39aは、湾曲305を有するように成形することができる。図示されるように、クローバー葉構造300は、その開放中心211が、中心円C0によって画定される平面に隣接し、クローバー葉構造300を取り囲む第4の仮想円C4によって画定される平面に対して間隙Gによって離間されるように曲げられる。凹面は、円の弓形区分であり得る湾曲305の破線によって示される。
【0091】
図5Aは、スパイン214を含む例示的なバスケットアセンブリ100bを有する別の例示的な医療用プローブ22bの斜視図を示しており、スパイン214の各々は、密集した電極対40a、40bと、クローバー葉300の近位部分306(
図3C)の上に延在するジャケット217bとを含む。スパイン214及びバスケットアセンブリ100bは、他の点では、
図2Aに示されるバスケットアセンブリ100aと同様に構成され得る。各電極対40a、40bの電極は、対の電極間にエッジ間間隔S1を有する。電極対40a、40bは、1つおきのスパイン214上により遠位に配置された電極対40aと、1つおきのスパイン214上に配置されたより近位に配置された電極対40bとの交互パターンで配置される。バスケットアセンブリ100bは、バスケット形状の円周は最大となる、長手方向軸86に垂直な赤道E1を画定する。近位電極対40bは完全に、赤道E1の近位にある。赤道E1は、遠位電極対40aの各々の近位電極を横切る。
【0092】
図5Bは、
図5Aに示されるバスケットアセンブリ100bの遠位端面図を示す。クローバー葉構造300の内側円弧304は露出される一方、クローバー葉構造300の外側部分306(
図3C)は、ジャケット217bによって覆われ、バスケットアセンブリ100bの非外傷性遠位部分39bを提供する。したがって、ジャケット217bの遠位部分は、クローバー葉構造の一部分を覆う非外傷性構造を形成する。長手方向軸L-Lから第2の仮想円A2(
図3B)の中心までの第2の長さL2は、クローバー葉300(
図3C)の内側円弧304と外側部分306との間の境界を画定する。各外側部分306(
図3C)の大部分は、それぞれのジャケット217bによって覆われている。内側円弧304の大部分は環境に露出される。各ジャケット217bの遠位部分は、ジャケット271aによって覆われたクローバー葉構造300のそれぞれの近位部分306(
図3C)の湾曲に従って、外向き及び内向きにテーパ状である。各ジャケット217bの遠位部分は、バスケットアセンブリが拡張されるとき、バスケットアセンブリ100bの遠位部分39bにおいて互いに当接する。ジャケット271aの遠位端は、ヒートセット閉鎖及び/又は熱融着され得る。追加的又は代替的に、少量のポリマーが、各ジャケット217bの遠位端に塗布され、ジャケット217bをスパイン214に封着させることができる。
【0093】
図5Cは、送達のためにつぶれた形態にある、
図5Aに示されるバスケットアセンブリ100bの2つの隣接するスパイン214の側面図を示す。例示を簡単にするために、2つのスパイン214のみが示されている。各スパイン214は、遠位円弧304の頂点において、シャフト84の遠位端85からクローバー葉300の遠位端まで測定される長さL4を有する。赤道E1は、スパイン214の長さL4のほぼ中間点に配置される。電極対40a、40bは、隣接するスパイン214上の電極対40a、40bがスパイン214の長さL4に沿って重なり合わないように配置される。バスケットアセンブリ38dが送達のためにつぶれているとき、遠位電極対40aの電極は完全に、近位電極対40bの電極の遠位にある。
【0094】
バスケットアセンブリ100bは、
図5Cに示されるようなつぶれた状態で挿入チューブ60(
図2A)のルーメンを横断することができ、挿入チューブ60(
図2A)の遠位端66から前進させられると、
図5Aに示されるような拡張形態に拡張することができる。バスケットアセンブリ100bは、バスケットアセンブリ100bを拡張形態に拡張させるために、プッシャチューブ又はプラーワイヤなどの追加の機構を必要とすることなく、スパイン214が挿入チューブ60(
図2A)から出ると長手方向軸86から離れる方向に拡張するように、自己拡張可能であり得る。スパイン214は、バスケットアセンブリ100bの重要な構造的及び機械的機能を提供するバスケットアセンブリ100bの支持フレームを形成する。スパイン214は、バスケットアセンブリ100bの重要な構造的及び機械的機能を提供するバスケットアセンブリ100bの支持フレームを形成する。
【0095】
図6Aは、長手方向軸上に位置する観察者が見るために、バスケットスパイン全体が2枚の平坦なガラス板の間に平坦に捕捉されているかのような、
図5Aのバスケットスパイン構造の遠位部分の端面図及び平坦化図である。ジャケット217bは、例示のためにクローバー葉構造300の外側部分306の上に描かれていない。バスケットアセンブリ100bは、クローバー葉構造300の外側部分306に結合されたセンサ150bを含む。センサ150bは各々が、支持フレームの遠位表面に結合され、したがって、支持フレームの遠位表面に対して遠位方向に配置される。
【0096】
ジャケット217b(
図5A)の遠位部分は、センサ150b及びクローバー葉構造300の外側部分306に結合され、センサ150b及びクローバー葉構造300の外側部分306の上に非外傷性構造を形成することができる。バスケットアセンブリ100bの遠位部分39bは、1つ又は2つ以上のセンサ150bを含むことができる。
図4Bに示されるように、クローバー葉構造300は、湾曲305を含むことができる。その場合、センサ150bは、長手方向軸と正確に位置合わせされていない軸を有する場合がある。湾曲305度に応じて、センサ150bは、長手方向軸にほぼ位置合わせされ、したがって、集合的に単軸センサとして機能するとみなされてもよく、又は十分な湾曲305度を有する場合、センサ150bは、二軸センサ又は三軸センサとして集合的に機能してもよい。
【0097】
図6Bは、
図6Aに示すクローバー葉構造300の外側部分306の上に配置することができる遠位センサ150bの図である。遠位センサ150bは、円形部分151bと、線形部分153と、を含む。円形部分151は、スパイラルインダクタ152を含む。円形部分は、バスケットアセンブリ100aの支持フレームの遠位表面の上に配置される。線形部分153は、スパイラルインダクタ152bの外側部分からの第1の導電性トレース154と、スパイラルインダクタ152の内側部分からの第2の導電性トレース155とを含む。線形部分153は、スパイン214に沿ってシャフト84まで近位方向に延在し、遠位センサ150bのシステム10(
図10)への電気的接続を提供する。図示のセンサ150は、例示のために1つのスパイラルインダクタ152のみを含むが、当業者によって理解されるように、巻き数、したがってセンサ感度を増加させるために、図示のスパイラルインダクタ152と同様のサイズの複数のスパイラルインダクタを積み重ねることができる。
【0098】
図7Aは、挿入チューブ60ルーメン(
図2A)の遠位端66から前進して出ることなどによる、非拘束時の拡張形態のバスケットアセンブリ100cを含む別の例示的な医療用プローブ22cの斜視図を示す。医療用プローブ22cは、
図2Aに示すバスケットアセンブリ100aを
図7Aに示すバスケットアセンブリ100cに置き換えて、医療用プローブ22aと同様に構成することができる。バスケットアセンブリ100cは、バスケットアセンブリ100cの遠位部分39cに保持ハブ180によって保持されるスパインセクション214cを含む。スパインセクション214cは、保持ハブ180を通って延在するスパインループと、チューブ状シャフト84内に固定された2つの近位端とを含む。代替的に、スパインセクション214cは、保持ハブ180によって保持されるそれぞれの遠位端と、チューブ状シャフト84内に固定されるそれぞれの近位端とを各々が有する個々のスパインを含むことができる。遠位ハブ180は、スパインセクション214cの遠位部分を覆う非外傷性構造であり得る。遠位ハブ180は、支持フレームの遠位表面におけるスパイン214の相対位置を維持するように構成される。
【0099】
チューブ状シャフト84は、長手方向軸86に沿って概ね位置合わせされる。スパインセクション214cの近位端は、
図2Aに示される近位スパイン部分216と同様に構成することができ、
図2Bに示されるものと同様に近位リング112に結合することができ、又は別様にチューブ状シャフト84に固定することができる。
【0100】
バスケットアセンブリ100cは、各スパインセグメント214cの上に電極40を含み、スパインセグメント214c当たり2つの電極を有する。電極40は、
図2Aに示した電極40と同様に、又は
図5Aに示した電極40bと同様に配置することができ、スパインセグメント214cは、スパイン保持ハブ90を用いてシャフト84に取り付けることができる。スパイン保持ハブ90は、灌注部分98と、
図2Aに示される保持ハブ90と同様の他の特徴とを含むことができる。
【0101】
バスケットアセンブリ100cは、つぶれた状態で挿入チューブ60(
図2A)のルーメンを横断することができ、挿入チューブ60(
図2A)の遠位端66から前進させられると、
図7Aに示されるような拡張形態に拡張することができる。バスケットアセンブリ100cは、バスケットアセンブリ100cを拡張形態に拡張させるためのプッシャチューブ又はプラーワイヤなどの追加の機構を必要とすることなく、挿入チューブ60(
図2A)から出ると、スパイン部分214cが長手方向軸86から離れる方向に拡張するように、自己拡張可能であり得る。
【0102】
スパイン214は、バスケットアセンブリ100cの重要な構造的及び機械的機能を提供するバスケットアセンブリ100cの支持フレームを形成する。保持ハブ180の第1の部分182は、スパイン214の遠位表面の上にあり、したがって、支持フレームの遠位表面の上にある。したがって、遠位センサ150cも、支持フレームの遠位表面に対して遠位方向に配置される。
【0103】
図7Bは、
図7Aに示す医療用プローブ22cの遠位部分39cの斜視図である。保持ハブ180は、スパイン214の遠位部分が保持ハブ180の第1の部分182と第2の部分186との間に挟まれるように、スパイン214に対して遠位方向に配置された第1の部分182と、第1の部分182に対して近位方向に配置された第2の部分186とを含む。突起部184は、スパイン214の遠位部分の間に配置される。
【0104】
図7Cは、第1の部分182が第2の部分186から分離され、センサ150cを含む、
図7A及び
図7Bに示される保持ハブ180の図である。センサ150cは、センサ150cがスパイン214に対して遠位方向に配置されるように、第1の部分に結合される。センサ150cは、接触力センサ、心電図センサ、及び/又は位置センサを含むことができる。図示のように、センサ150cは、単軸磁気位置センサとして機能することができる誘導コイルを含む。センサ150cは、スパイラルインダクタ152を含む円形部分151と、スパイラルインダクタ152の外側部分からの第1の導電性トレース154及びスパイラルインダクタ152の内側部分からの第2の導電性トレース155を含む線形部分153とを含む。線形部分153は、スパイン214に沿ってシャフト84まで近位方向に延在し、遠位センサ150bのシステム10(
図1)への電気的接続を提供する。
【0105】
スパイラルインダクタ152は、長手方向軸86(
図7A)と同心の軸を有する。図示のセンサ150cは、例示のために1つのスパイラルインダクタ152のみを含むが、当業者によって理解されるように、巻き数、したがってセンサ感度を増加させるために、図示のスパイラルインダクタ152と同様のサイズの複数のスパイラルインダクタを積み重ねることができる。更に、保持ハブ180内のセンサ150cが二軸センサ又は三軸センサとして機能するように修正されるように、図示されるスパイラルインダクタ152に対してある角度をなす追加のスパイラルインダクタを、第1の部分182及び/又は第2の部分186内の保持ハブ180に追加することができる。
【0106】
追加的又は代替的に、センサ150cは、第2の部分186に結合され得る。そうでなければ、センサ150cは、本明細書の他の箇所に開示されるセンサ、その代替形態、及び当業者に理解されるような変形形態と同様に構成され得る。
【0107】
保持ハブ180の第2の部分186は、保持ハブ180の第1の部分182から近位方向に延在する突起部184を受容するように構成された窪み188を含む。ハブ180は、スパイン214が突起部184の間で保持ハブ180を通ってループ状になることができ、突起部184が窪み188に係合して保持ハブ180の第1の部分182と第2の部分186とを一緒にロックするように構成される。保持ハブ180の機械的構造は、当業者によって理解されるように、非外傷性構造として機能し、遠位センサ150cを含むように、様々な方法で修正され得る。
【0108】
本明細書に開示される各バスケットアセンブリ100、100a、100b、100cの互換性のある特徴は、組み合わせ可能である。電極40、40a、40bは各々、スパイン214が中空部分に挿入され、スパイン214上に保持され得るように、電極の本体を通って延在する中空部分を画定する本体を含むことができる。各バスケットアセンブリ100、100a、100b、100cは、スパイン214を電極40、40a、40bから電気的に絶縁するために、各スパイン214の上に、本明細書に示されるジャケット217、217b、その変形形態、又はその代替形態などの絶縁カバーを含むことができる。追加的に又は代替的に、スパイン214の少なくとも一部分が導電性であってもよく、電極40、40a、40bの少なくとも1つが導電性スパイン214に電気的に結合されてもよい。バスケットアセンブリ100、100a、100b、100cのうちのいずれかのスパイン214は、
図2Aに示される保持部材220などの保持部材を含むことができ、かつ/又は電極40、40a、40bをスパイン214に結合するための代替手段、例えば、糊、接着剤、溶接、締まり嵌め、又は他の機械的構造を含むことができる。バスケットアセンブリ100、100a、100b、100cのうちのいずれかの電極40、40a、40bは、IREのための電気パルスを送達するように構成され得る。パルスは、少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を有することができる。IREパルスは、そうでなければ、
図1に関連して説明されるように、本明細書の他の箇所に開示されるように、参照により本明細書に組み込まれる刊行物に開示されるように、又は当業者によって理解されるように、送達され得る。スパイン214は、
図1、
図2A、
図5A、及び
図7Aに示されるようなバスケット構成に拡張されたとき、ほぼ球形状又はほぼ扁球形状を形成することができる。
【0109】
図8Aは、当業者によって理解されるように、
図1に示されるカテーテル14、その変形形態、又はその代替形態などのバスケットカテーテルの実施例を使用する、
図1のシステム10の動作の方法460におけるステップを含む、フローチャートである。カテーテル14は、当業者に理解されるように、本明細書に開示される例示的な医療用プローブ22a、22b、22c、それらの変形形態、及びそれらの代替形態と同様に構成することができる。
【0110】
ブロック462において、位置センサからの位置信号を受信することができる。ワークステーション55(
図1)は、シャフト84上のセンサ29(以下、「シャフトセンサ29」と称される)からの第1の位置信号と、バスケットアセンブリ100の遠位部分に配置されたセンサからの第2の位置信号とを受信するように構成され得る。シャフトセンサ29及びバスケットアセンブリの遠位部分に配置されたセンサは各々が、磁気センサを含むことができる。同様に、シャフトセンサ29の磁気センサは、磁気センサ29の1つ又は2つ以上のコイルに対応する1つ又は2つ以上の位置信号を提供することができる。同様に、バスケットアセンブリ100の遠位部分にある磁気センサは、1つ又は2つ以上のコイルに対応する1つ又は2つ以上の位置信号を提供し得る。
【0111】
バスケットアセンブリ100は、当業者によって理解されるように、本明細書に開示されるバスケットアセンブリ100a、100b、100c、それらの変形形態、及びそれらの代替形態と同様に構成することができる。バスケットアセンブリ100の遠位部分は、当業者によって理解されるように、本明細書に開示される例示的な遠位部分39a、39b、39c、それらの変形形態、又はそれらの代替形態と同様に構成することができる。バスケットアセンブリ100の遠位部分における磁気センサは、遠位センサ150(
図1)と同様に構成することができ、これは、当業者によって理解されるように、本明細書に開示される例示的な遠位センサ150a、150b、150c、それらの変形形態、又はそれらの代替形態と同様に構成することができる。遠位センサ150の磁気センサは、当業者によって理解されるように、
図2A~
図2Cに示される遠位カバー45a、
図5Aに示されるジャケット217bの遠位部分、
図7A~
図7Cに示されるスパイン保持ハブ180、それらの変形形態、又はそれらの代替形態などの非外傷性構造に結合され得る。
【0112】
シャフトセンサ29及び遠位センサ150は各々が、それぞれの単軸センサ(single axis sensor、SAS)、二軸センサ(double axis sensor、DAS)、又は三軸センサ(three axis sensor、TAS)を含んでもよい。シャフトセンサ29及び遠位センサ150の磁気センサは、同じ種類のセンサであってもよく、異なる種類のセンサであってもよい。シャフトセンサ29及び遠位センサ150の両方の磁気センサが単軸センサである場合、カテーテル14は、通常、バスケットアセンブリ100のロールを追跡するための別の位置センサを含む。シャフトセンサ29及び遠位センサ150の磁気センサは、磁界発生器コイル32(
図1)によって送信された送信交番磁界に応答して、それぞれの第1及び第2の位置信号を出力するように構成される。
【0113】
ブロック464において、位置センサの場所座標及び配向座標を計算することができる。この計算は、第1及び第2の位置センサについて計算された配向座標が等しいという制約に従うこともできる。ワークステーション55は、ブロック462で受信した位置信号に少なくとも部分的に基づいて、シャフトセンサ29及び遠位センサ150の場所座標及び配向座標を計算するように構成することができる。ワークステーション55は、シャフトセンサ29及び遠位センサ150の磁気センサの場所座標及び配向座標が、受信されたそれぞれの位置信号に応答して、相互依存的に反復して計算され、磁気センサが同軸であり、したがって同じ配向を有するコイルを含むという制約に従う位置計算を使用するように構成され得る。センサ29、150a、150b、150cのコイルは、長手方向軸86と同軸であり得る。
【0114】
ワークステーション55は、(シャフトセンサ29及び遠位センサ150の)磁気センサの計算された配向座標が、プラス又はマイナス2度などの所与の許容範囲内で等しくなるという制約に従って、磁気センサの場所座標及び配向座標を計算するように構成され得る。
【0115】
ブロック464のステップについて、
図7B及び
図7Cを参照してより詳細に説明する。
【0116】
ブロック466において、ワークステーション55は、シャフトセンサ29の磁気センサの計算された場所座標と遠位センサ150の磁気センサの計算された場所座標との間の距離を計算するように構成され得る。計算された距離は、ブロック470のステップを参照してより詳細に後述するように、スパイン214の湾曲及びバスケットアセンブリ100の全体的な形状を示す。
【0117】
ブロック468において、ワークステーション55は、シャフトセンサ29の磁気センサから、及び/又は遠位センサ150の磁気センサから、及び/又はカテーテル14の別の位置センサからの位置信号に応答して、バスケットアセンブリ100のロールを計算するように構成され得る。ロールの計算のためのデータを提供するセンサは、DAS又はTASを含み得る。
【0118】
スパイン214の湾曲及び/又はカテーテル14上の固定点に対するスパイン214上の電極40(又は他の特徴部)の位置は、シャフトセンサ29の磁気センサと遠位センサ150の磁気センサとの間の様々な距離について測定されてもよい。固定点は、シャフト84の遠位端85、スパイン保持ハブ90の遠位表面99(
図2A)、又は他の好適な場所にあってもよい。例えば、
図2Aを参照すると、バスケットアセンブリ100aは、長手方向軸86に沿って遠位部分39aに加えられる長手方向の力によって圧縮することができ、カテーテル14上の固定点に対する電極40の位置は、固定点に対する遠位部分39aの0.2mm移動ごとに測定することができ、0.2mm移動ごとに、シャフトセンサ29の磁気センサと遠位センサ150aの磁気センサとの間の計算された距離が、電極40の位置とともに記録される。同じ技術を、
図5A及び
図7Aに示すバスケットアセンブリ100b、100cに適用することができる。次いで、このデータを使用して、シャフトセンサ29の磁気センサと遠位センサ150の磁気センサとの間の計算された距離に応じて、カテーテル14上の固定点に対するスパイン214の湾曲及び/又はスパイン214上の電極40(又は他の特徴部)の位置を見出すことができる。
【0119】
スパイン214の湾曲及び/又はカテーテル14上の固定点に対するスパイン214上の電極40(又は他の特徴部)の位置は、シャフトセンサ29の磁気センサ及び遠位センサ150の磁気センサと、カテーテル14のモデルとの間の計算された距離及び配向に基づいて計算されてもよく、これはスパイン214の機械的特性及び寸法に基づいて計算された距離に対するスパイン214の湾曲及び電極40の位置を提供する。
【0120】
ブロック470において、ワークステーション55は、シャフトセンサ29及び遠位センサ150の磁気センサのうちの1つ又は2つ以上の計算された距離、計算されたロール、並びに計算された場所座標及び配向座標に応じてスパイン214のそれぞれの位置を推定するように構成され得る。計算された距離は、カテーテル14の固定点に対するスパイン214のそれぞれの位置を提供する。磁気センサのうちの1つ以上の計算されたロール、場所座標及び配向座標は、システム10(
図1)で使用される磁気座標フレームに対するスパイン214のそれぞれの位置を提供する。
【0121】
ブロック472において、ワークステーション55は、(例えば、シャフトセンサ29から受信された信号に基づく)スパイン214の推定されたそれぞれの位置及びカテーテル14の遠位先端部28の計算された位置に応じて、カテーテル14及び身体部分(例えば、心臓26)の少なくとも一部の表現20をディスプレイ27(
図1)にレンダリングするように構成され得る。
【0122】
図8Bは、
図8Aの動作の方法460におけるサブステップを含む方法474のフローチャートである。以下のサブステップは、
図8Aのブロック464のステップのサブステップである。
【0123】
ブロック476において、1つのセンサの場所及び配向を計算することができる。ワークステーション55(
図1)は、シャフトセンサ29又は遠位センサ150の磁気センサのうちの1つのセンサの受信信号に応答して、位置計算を使用して、その1つのセンサの場所座標及び配向座標を計算するように構成され得る。
【0124】
ブロック478において、他方のセンサの計算された配向が一方のセンサの計算された配向座標と等しくなるという制約に従って、他方のセンサの場所座標を計算することができる。ワークステーション55は、他方のセンサの計算された配向座標がプラス又はマイナス2度などの所与の許容範囲内で一方のセンサの計算された配向座標と等しくなるという制約に従って、位置計算を使用して、磁気センサのうちの他方のセンサの場所座標を計算するように構成され得る。
【0125】
図8Cは、
図8Aの動作の方法480における代替のサブステップを含むフローチャートである。以下のサブステップは、
図8Aのブロック464のステップのサブステップである。
【0126】
ブロック482において、両方のセンサ29、150の座標の初期場所及び配向を計算することができる。ワークステーション55(
図1)は、位置計算を使用して、シャフトセンサ29及び遠位センサ150の両方の磁気センサの初期場所及び初期配向座標を計算するように構成され得る。
【0127】
ブロック484において、配向座標の平均を計算することができる。ワークステーション55は、磁気センサの初期配向座標の平均を計算するように構成され得る。例えば、配向座標が、例えば、ヨー及びピッチをそれぞれ表す2つの角度θ、φによって表され、シャフトセンサ29の磁気センサの配向がθA、φAであり、遠位センサ150の磁気センサの配向がθB、φBである場合、磁気センサの平均配向はθav、φavに等しく、θavはθA及びθBの平均であり、φavはφA及びφBの平均である。
【0128】
ブロック486において、両方のセンサの計算された配向座標が初期配向座標の計算された平均と等しくなるという制約に従って、両方のセンサの座標を計算することができる。ワークステーション55は、センサ29、150から受信された信号に基づく位置計算を使用して、シャフトセンサ29及び遠位センサ150の磁気センサの配向座標がプラス又はマイナス2度などの所与の許容範囲内で初期配向座標の計算された平均と等しくなるという制約に従って、両方の磁気センサの場所座標及び配向座標を計算するように構成され得る。
【0129】
バスケットアセンブリ100はまた、シャフトセンサ29及び遠位センサ150の磁気センサが同軸でないように変形されてもよい。例えば、長手方向軸86に対してある角度をなす横方向の力をバスケットアセンブリ100の側部分又は遠位部分に加えて、バスケットアセンブリ100を非対称的に変形させて、遠位センサ150を長手方向軸86との位置合わせから外すことができる。
【0130】
図9は、当業者によって理解されるように、
図1に示されるカテーテル14、その変形形態、又はその代替形態などのバスケットカテーテルの実施例を使用する、
図1のシステム10の動作の別の方法510におけるステップを含む、フローチャートである。カテーテル14は、当業者に理解されるように、本明細書に開示される例示的な医療用プローブ22a、22b、22c、その変形形態、及びそれらの代替形態と同様に構成することができる。
【0131】
ブロック512において、シャフトセンサ29及び遠位センサ150の位置センサから位置信号を受信することができる。ワークステーション55(
図1)は、シャフトセンサ29及び遠位センサ150の磁気センサからそれぞれ第1及び第2の位置信号を受信するように構成され得る。いくつかの実施形態では、シャフトセンサ29の磁気センサは、磁気センサの1つ又は2つ以上のコイルに対応する1つ又は2つ以上の位置信号を提供してもよい。同様に、遠位センサ150の磁気センサは、磁気センサの1つ又は2つ以上のコイルに対応する1つ又は2つ以上の位置信号を提供してもよい。
【0132】
ブロック514において、センサ間の距離及び相対配向角度を計算することができる。ワークステーション55は、ブロック512で受信された受信位置信号に応答して、磁気センサ間の距離及び相対配向角度を計算するように構成され得る。ゼロより大きい値を有する相対配向角度は、概して、バスケットアセンブリ100が長手方向軸86に対して横にたわんでいることを示し、スパイン214のうちの少なくとも一部が、バスケットアセンブリ100が長手方向軸86の周りに中央に配置されたときのスパイン214の形状と比べて、歪んでいることを示す。
【0133】
ブロック516において、バスケットアセンブリ100のロールを計算することができる。ワークステーション55は、磁気センサのうちの1つ又は2つ以上から又はカテーテル14に配置された他のセンサからの位置信号に応答して、バスケットアセンブリ100のロールを計算するように構成され得る。
【0134】
カテーテル14上の固定点に対するスパイン214の湾曲及び/又はスパイン214上の電極40(又は他の特徴部)の位置は、シャフトセンサ29及び遠位センサ150の磁気センサの間の様々な距離に対して、及び磁気センサ間の様々な相対配向角度に対して測定され得る。固定点は、シャフト84の遠位端85、スパイン保持ハブ90の遠位表面99(
図2A)、又は他の好適な場所にあってもよい。例えば、カテーテル14上の固定点に対する電極40の位置は、シャフト84に対する遠位センサ150の約0.2mmの移動ごとに、並びにシャフトセンサ29及び遠位センサ150の磁気センサ間の1度ごとの相対的配向について(バスケットアセンブリ100の最大の横方向移動まで)測定されてもよい。各異なる距離/相対配向の組み合わせで、シャフトセンサ29及び遠位センサ150の磁気センサ間の計算された距離及び計算された相対配向角度は、電極40の位置データとともに記録される。次いで、このデータを使用して、シャフトセンサ29の磁気センサと遠位センサ150の磁気センサとの間の計算された距離及び相対配向角度に応じて、カテーテル14上の固定点に対するスパイン214の湾曲及び/又はスパイン214上の電極40(又は他の特徴部)の位置を推定することができる。
【0135】
追加的又は代替的に、スパイン214の湾曲は、以下の仮定に基づいて推定されてもよい:(a)スパイン214の各々は、固定の既知の長さである、(b)スパイン214の各々は、遠位センサ150が遠位結合部材(例えば、クローバー葉構造300、保持ハブ180など)を用いて長手方向軸86を挟んで実質的に垂直(±10度の誤差内)であるように、長手方向軸86に対して対称なバスケットアセンブリの遠位端で結合される、(c)スパイン214の各々は、長手方向軸86(例えば、スパイン保持ハブ90など)に実質的に平行に(±10度の誤差内で)シャフト84に接続される、上記の仮定(a)~(c)に基づいて、並びにシャフトセンサ29及び遠位センサ150の磁気センサの計算された位置に基づく結合部材の計算された位置に基づいて、スパイン214の各々の湾曲は、三次多項式を使用して計算されてもよい。いくつかの実施形態では、スパイン214の湾曲及び/又はカテーテル14上の固定点に対するスパイン214上の電極40(又は他の特徴部)の位置は、シャフトセンサ29の磁気センサ及び遠位センサ150の磁気センサと、カテーテル14のモデルとの間の計算された距離及び配向に基づいて計算されてもよく、これはスパイン214の機械的特性及び寸法に基づいて計算された距離に対するスパイン214の湾曲及び電極40の位置を提供する。
【0136】
ブロック518において、スパイン214のそれぞれの位置は、少なくとも計算された距離、相対配向角度、及びロールに応じて推定することができる。ワークステーション55は、シャフトセンサ29に対する長手方向軸86に対する遠位センサ150の相対配向角度がゼロより大きい値を有するとき、長手方向軸86を挟んだ対称配置からのスパイン214のうちの1つ又は2つ以上の歪みを考慮しながら、少なくとも計算された距離及び相対配向角度に応じてスパイン214のそれぞれの位置を推定するように構成され得る。シャフトセンサ29及び遠位センサ150の磁気センサ間の計算された距離及び相対配向角度は、カテーテル14の固定点に対するスパイン214のそれぞれの位置を提供する。シャフトセンサ29及び遠位センサ150の磁気センサの1つ又は2つ以上の計算されたロール、場所座標及び配向座標は、システム10(
図1)で使用される磁気座標フレームに対するスパイン214のそれぞれの位置を提供する。
【0137】
ブロック520において、カテーテル14及び身体部分の少なくとも一部の表現をレンダリングすることができる。ワークステーション55は、(例えば、シャフトセンサ29の磁気センサから受信された信号に基づく)スパイン214の推定されたそれぞれの位置及びシャフト84の計算された位置に応じて、カテーテル14及び身体部分(例えば、心臓26)の少なくとも一部の表現20をディスプレイ27(
図1)にレンダリングするように構成され得る。
【0138】
本発明に含まれる主題の例示的な実施形態について図示及び説明したが、本明細書に記載の方法及びシステムの更なる適合は、特許請求の範囲から逸脱することなく適切な修正によって達成することができる。更に、上記の方法及びステップが特定の順序で発生する特定の事象を示す場合、特定のステップは、説明された順序で実行される必要はなく、ステップが、実施形態がそれらの意図された目的のために機能することを可能にする限り、任意の順序で実行されることが意図される。したがって、本開示の趣旨の範囲内であるか、又は特許請求の範囲に見出される本発明と同等である本発明の変形例が存在する限り、本特許はそれらの変形例も包含することが意図されている。一部のそのような修正は、当業者には明らかであるはずである。例えば、上述の実施例、実施形態、幾何学的形状、材料、寸法、比率、ステップなどは、例示的なものである。したがって特許請求の範囲は、明細書及び図面に記載される構造及び操作の特定の詳細に限定されるべきではない。
【0139】
以下の条項は、本開示の非限定的な実施形態を列挙する。
条項1.カテーテルのエンドエフェクタであって、長手方向軸から離れる方向に近位部分から遠位スパイン部分まで自己拡張してバスケット構成を形成するように構成されている複数のスパインを備える支持フレームであって、遠位スパイン部分が、長手方向軸の周りに半径方向に配置されたクローバー葉構造を画定し、クローバー葉構造が、長手方向軸を中心として配置された中心領域を有する中心切り欠きを画定し、クローバー葉構造が、長手方向軸を中心として凹状外周を画定する内側円弧を含む、支持フレームと、近位部分に向かって延在するクローバー葉構造の内側円弧のみが可視であるように、支持フレームのクローバー葉構造の一部分を覆う非外傷性構造と、を備える、エンドエフェクタ。
条項2.非外傷性構造に結合されたセンサと、複数の電極であって、複数の電極のうちのそれぞれの電極が複数のスパインのうちのそれぞれのスパインに結合されるように、複数のスパインに結合されている、複数の電極と、を更に備える、条項1に記載のエンドエフェクタ。
条項3.センサは、バスケット構成において、支持フレームの遠位表面に対して遠位方向に配置される、条項2に記載のエンドエフェクタ。
条項4.センサが接触力センサを含む、条項2又は3に記載のエンドエフェクタ。
条項5.センサが心電図センサを含む、条項2~4のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
条項6.センサが位置センサを含む、条項2~5のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
条項7.位置センサが誘導コイルを含む、条項6に記載のエンドエフェクタ。
条項8.位置センサが磁気センサを含む、条項6又は7に記載のエンドエフェクタ。
条項9.位置センサは、長手方向軸と同軸であるセンサ軸を含む単軸センサを含む、条項6~8のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
条項10.非外傷性構造がフレックス回路を含む、条項9に記載のエンドエフェクタ。
条項11.フレックス回路は、支持フレームの遠位表面を覆い、それによって支持フレームの遠位表面の上に非外傷性カバーを形成する円形部分と、複数のスパインのうちのあるスパインに沿って近位に延在する細長い部分とを備える、条項10に記載のエンドエフェクタ。
条項12.単軸センサが、フレックス回路の円形部分に埋め込まれたスパイラル導体を備える、条項10又は11に記載のエンドエフェクタ。
条項13.支持フレームは、スパインを接合し、長手方向軸を中心として配置された中心領域を有する中心切り欠きを画定する遠位構造を備え、非外傷性構造は、中心切り欠きの少なくとも一部分を覆う、条項10~12のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
条項14.遠位構造は、長手方向軸の周りの方向に1つのスパインから隣接するスパインまで延在し、クローバー葉構造を形成する正弦曲線状部材を備える、条項13に記載のエンドエフェクタ。
条項15.複数のスパイン上に複数のジャケットを更に備える、条項1~9のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
条項16.複数のジャケットは、非外傷性構造が複数のジャケットのうちの各ジャケットのそれぞれの遠位部分を含むように、クローバー葉構造の大部分上に延在する、条項15に記載のエンドエフェクタ。
条項17.内側円弧は、複数のジャケットの遠位端から、複数のジャケットのうちの隣接するジャケット間に延在する、条項15又は16に記載のエンドエフェクタ。
条項18.各スパインがそれぞれの電極対を含むように、かつスパインの電極対が隣接するスパインの電極対と長手方向に重ならないように、対で配置された複数の電極を更に備える、条項15~17のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
条項19.各電極は、本体を備え、本体は、電極の本体を通って延在する中空部分を画定し、それにより、スパインが中空部分に挿入され、スパイン上に保持され得る、条項1~18のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
条項20.各スパインは、保持部材を備え、保持部材は、圧縮されて電極が保持部材上を移動することを可能にするように構成され、保持部材は、拡張してスパインに沿った電極の移動を阻止するように構成されている、条項19に記載のエンドエフェクタ。
条項21.複数の電極が、不可逆エレクトロポレーションのための電気パルスを送達するように構成され、パルスが、少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を含む、条項1~20のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
条項22.複数のスパインが、バスケット構成にあるときに、ほぼ球形の形状のバスケットアセンブリを形成するように構成されている、条項1~21のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
条項23.複数のスパインは、バスケット構成にあるときにほぼ扁球のバスケットアセンブリを形成するように構成されている、条項1~22のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
条項24.カテーテルのエンドエフェクタであって、長手方向軸から離れる方向に拡張してバスケット構成を形成するように構成されている複数のスパインを備える支持フレームと、支持フレームの遠位端において複数のスパインに結合された非外傷性構造と、非外傷性構造に結合され、支持フレームの遠位に配置されたセンサと、複数の電極であって、複数の電極のうちのそれぞれの電極が複数のスパインのうちのそれぞれのスパインに結合されるように、複数のスパインに結合されている、複数の電極と、を備える、エンドエフェクタ。
条項25.非外傷性構造は、剛性の電気絶縁構造を含む、条項24に記載のエンドエフェクタ。
条項26.非外傷性構造は、支持フレームの遠位表面における複数のスパインのうちのあるスパインの相対位置を維持するように構成されている、条項24又は25に記載のエンドエフェクタ。
条項27.センサが単軸センサ、二軸センサ、及び/又は三軸センサを含む、条項24~26のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
条項28.センサが接触力センサを含む、条項24~27のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
条項29.センサが心電図センサを含む、条項24~28のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
条項30.センサが位置センサを含む、条項24~29のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
条項31.位置センサが誘導コイルを含む、条項30に記載のエンドエフェクタ。
条項32.位置センサが磁気センサを含む、条項30又は31に記載のエンドエフェクタ。
条項33.位置センサは、長手方向軸と同軸であるセンサ軸を含む単軸センサを含む、条項30~32のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
条項34.各電極は、本体を備え、本体は、電極の本体を通って延在する中空部分を画定し、それにより、スパインが中空部分に挿入され、スパイン上に保持され得る、条項24~33のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
条項35.各スパインは、保持部材を備え、保持部材は、圧縮されて電極が保持部材上を移動することを可能にするように構成され、保持部材は、拡張してスパインに沿った電極の移動を阻止するように構成されている、条項34に記載のエンドエフェクタ。
条項36.複数の電極が、不可逆エレクトロポレーションのための電気パルスを送達するように構成され、パルスが、少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を含む、条項24~35のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
条項37.複数のスパインが、バスケット構成にあるときに、ほぼ球形の形状のバスケットアセンブリを形成するように構成されている、条項24~36のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
条項38.複数のスパインは、バスケット構成にあるときにほぼ扁球のバスケットアセンブリを形成するように構成されている、条項24~37のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
条項39.生体の身体部分に挿入されるように構成されているカテーテルであって、カテーテルは、シャフトと、バスケットアセンブリとを備え、シャフトが、シャフトの遠位端の近くに配置された第1のコイルベースの位置センサを備え、バスケットアセンブリが、自己拡張可能な支持フレームと、自己拡張可能支持フレームと、自己拡張可能支持フレームの遠位端に結合された第2のコイルベースの位置センサとを備え、バスケットアセンブリは、複数のスパインに結合された複数の電極を更に備え、複数の電極のそれぞれの電極が複数のスパインのそれぞれのスパインに結合されるようになっている、カテーテルと、身体部分が位置する領域内に交番磁界を送信するように構成されている少なくとも1つの磁界放射器であって、第1及び第2の位置センサは、送信された交番磁界に応答してそれぞれ第1及び第2の位置信号を出力するように構成されている、磁界放射器と、第1及び第2の位置センサから第1及び第2の位置信号を受信し、位置センサの各々の場所座標及び配向座標が受信されたそれぞれの位置信号に応答して相互依存的に反復して計算される位置計算を使用して、第1及び第2の位置センサが同軸であるという制約に従って、第1及び第2の位置センサの場所座標及び配向座標を計算し、第1の位置センサの計算された場所座標と第2の位置センサの計算された場所座標との間の距離を計算し、少なくとも計算された距離に応じて複数のスパインのそれぞれの位置を推定する、ように構成されている処理回路と、
を備える、システム。
条項40.生体の身体部分に挿入されるように構成されているカテーテルであって、カテーテルは、シャフトと、バスケットアセンブリとを備え、シャフトが、シャフトの遠位端の近くに配置された第1のコイルベースの位置センサを備え、バスケットアセンブリが、自己拡張可能な支持フレームと、自己拡張可能支持フレームと、自己拡張可能支持フレームの遠位端に結合された第2のコイルベースの位置センサとを備え、バスケットアセンブリは、複数のスパインに結合された複数の電極を更に備え、複数の電極のそれぞれの電極が複数のスパインのそれぞれのスパインに結合されるようになっている、カテーテルと、身体部分が位置する領域内に交番磁界を送信するように構成されている少なくとも1つの磁界放射器であって、第1及び第2の位置センサは、送信された交番磁界に応答してそれぞれ第1及び第2の位置信号を出力するように構成されている、磁界放射器と、第1及び第2の位置センサから第1及び第2の位置信号を受信し、受信された位置信号に応答して第1の位置センサと第2の位置センサとの間の距離及び相対配向角度を計算し、少なくとも計算された距離及び相対配向角度に応じて複数のスパインのそれぞれの位置を推定する一方で、相対配向角度がゼロより大きい値を有するとき、複数のスパインのうちの1つ又は2つ以上の対称配置からの歪みを考慮する、ように構成されている処理回路と、を備える、システム。
条項41.第2のコイルベースの位置センサは、自己拡張可能支持フレームの遠位表面に対して遠位方向に配置されている、条項39又は40に記載のシステム。
条項42.カテーテルを生体の身体部分に挿入することであって、カテーテルは、シャフトと、バスケットアセンブリとを備え、シャフトの遠位端の近くに第1のコイルベースの位置センサが配置され、バスケットアセンブリが、自己拡張可能な支持フレームと、自己拡張可能支持フレームと、自己拡張可能支持フレームの遠位端に結合された第2のコイルベースの位置センサとを備え、バスケットアセンブリは、複数のスパインに結合された複数の電極を更に備え、複数の電極のそれぞれの電極が複数のスパインのそれぞれのスパインに結合されるようになっている、挿入することと、自己拡張可能支持フレームがバスケット形状を形成することを可能にするように、バスケットアセンブリをシースから出すことと、身体部分が位置する領域に交番磁界を送信することと、第1及び第2の位置センサによって、送信された交番磁界に応答してそれぞれの第1及び第2の位置信号を出力することと、第1及び第2の位置センサから第1及び第2の位置信号を受信することと、位置センサの各々の場所座標及び配向座標が受信されたそれぞれの位置信号に応答して、第1及び第2の位置センサが同軸であるという制約に従って、相互依存的に反復して計算される位置計算を使用して、第1及び第2の位置センサの場所座標及び配向座標を計算することと、第1の位置センサの計算された場所座標と第2の位置センサの計算された場所座標との間の距離を計算することと、少なくとも計算された距離に応じて複数のスパインのそれぞれの位置を推定することと、を含む、方法。
条項43.カテーテルを生体の身体部分に挿入することであって、カテーテルは、シャフトと、バスケットアセンブリとを備え、シャフトの遠位端の近くに第1のコイルベースの位置センサが配置され、バスケットアセンブリが、自己拡張可能な支持フレームと、自己拡張可能支持フレームと、自己拡張可能支持フレームの遠位端に結合された第2のコイルベースの位置センサとを備え、バスケットアセンブリは、複数のスパインに結合された複数の電極を更に備え、複数の電極のそれぞれの電極が複数のスパインのそれぞれのスパインに結合されるようになっている、挿入することと、自己拡張可能支持フレームがバスケット形状を形成することを可能にするように、バスケットアセンブリをシースから出すことと、身体部分が位置する領域に交番磁界を送信することと、第1及び第2の位置センサによって、送信された交番磁界に応答してそれぞれの第1及び第2の位置信号を出力することと、第1及び第2の位置センサから第1及び第2の位置信号を受信することと、受信された位置信号に応答して、第1の位置センサと第2の位置センサとの間の距離及び相対配向角度を計算することと、少なくとも計算された距離及び相対配向角度に応答して、複数のスパインのそれぞれの位置を推定する一方で、相対配向角度がゼロより大きい値を有するとき、対称配置からの複数のスパインのうちの1つ又は2つ以上の歪みを考慮することと、を含む、方法。
条項44.医療用プローブを構築する方法であって、複数のスパインを含む支持フレームを形成することと、複数のスパインを、長手方向軸の周りに配置され、長手方向軸から離れる方向に自己拡張可能であるように構成することと、支持フレームの遠位表面を非外傷性構造で覆うことと、センサを非外傷性構造に結合することと、複数の電極のうちのそれぞれの電極が複数のスパインのうちのそれぞれのスパインに結合されるように、複数の電極を複数のスパインに結合することと、を含む、方法。
条項45.支持フレームは、スパインを接合し、長手方向軸を中心として配置された中心領域を有する中心切り欠きを画定する遠位構造を備え、中心切り欠きは、支持フレームの遠位表面に開口部を画定する、条項44に記載の方法。
条項46.複数のスパインから支持フレームを形成することは、遠位構造がチューブを取り囲み、複数のスパインがチューブに沿って長手方向に延在するように、チューブを切断することを含む、条項45に記載の方法。
条項47.複数のスパインの遠位部分を非外傷性構造と結合することを更に含む、条項44に記載の方法。
条項48.センサは、非外傷性構造に埋め込まれている、条項47に記載の方法。
条項49.医療用プローブを構築する方法であって、複数のスパインが長手方向軸に沿って近位中央の近位スパイン部分から遠位スパイン部分まで延在するように、複数のスパインを複数のジャケットに挿入することであって、遠位スパイン部分が長手方向軸の周りに半径方向に配置されたクローバー葉構造を画定し、クローバー葉構造が長手方向軸を中心として配置された中心領域を有する中心切り欠きを画定し、複数のジャケットが各々、遠位スパイン部分の大部分を覆うようにする、挿入することと、複数のスパインを、電極の本体を通って延在するルーメンを各々が有する複数の電極と位置合わせすることと、複数のスパインのうちの各スパインを複数の電極のうちのある電極のルーメンに挿入することと、複数のスパイン上に複数の電極を保持することと、を含む、方法。
条項50.複数のスパイン上に複数の電極を保持することは、少なくとも1つの付勢部材を用いて複数の電極のうちのある電極を保持することを含む、条項49に記載の方法。
条項51.少なくとも1つの付勢部材は、電極のルーメンの外側に配置されている、条項50に記載の方法。
条項52.少なくとも1つの付勢部材は、電極のルーメンの内側に配置されている、条項50に記載の方法。
条項53.電気絶縁性ジャケットのルーメンを通してワイヤを配置することと、電気絶縁ジャケット上に複数の電極のうちのある電極を配置することと、電気絶縁ジャケットの開口を通してワイヤを電極に電気的に接続することと、を更に含む、条項49に記載の方法。
条項54.複数のスパインのうちの各それぞれのスパインが、第1の電極及び第2の電極を含み、方法が、複数のスパインのうちの各それぞれのスパインを第1の電極及び第2の電極と位置合わせすることと、複数のスパインのうちの各それぞれのスパインを第1の電極のルーメン及び第2の電極のルーメンに挿入することと、複数のスパインのうちの各それぞれのスパインの端部を、血管系を横断するようにサイズ決定されたチューブ状シャフトに嵌合させることと、を更に含む、条項49に記載の方法。
条項55.隣接するスパインの間で長手方向軸に沿って電極をオフセットすることを更に含む、条項49~54のいずれか一項に記載の方法。
条項56.電極本体ルーメンが、医療用プローブのワイヤを受容するように構成されている、条項49~54のいずれか一項に記載の方法。
条項57.ワイヤがスパインから絶縁されている、条項49~56のいずれか一項に記載の方法。
条項58.カテーテルのエンドエフェクタであって、長手方向軸から離れる方向に近位部分から遠位スパイン部分まで自己拡張してバスケット構成を形成するように構成されている複数のスパインを備える支持フレームであって、遠位スパイン部分が、長手方向軸の周りに半径方向に配置されたクローバー葉構造を画定し、クローバー葉構造が、長手方向軸を中心として配置された中心領域を有する中心切り欠きを画定する、支持フレームと、複数のスパイン及びクローバー葉構造の大部分の上の複数のジャケットと、各々が複数のスパインのうちのそれぞれのスパインに結合される複数の電極と、を備える、エンドエフェクタ。
条項59.複数のジャケットのうちのそれぞれのジャケットとクローバー葉構造との間に各々が配置された複数のセンサを更に備える、条項58に記載のエンドエフェクタ。
条項60.複数のセンサは、誘導センサを含む、条項59に記載のエンドエフェクタ。
条項61.複数のセンサは、三軸センサとして集合的に機能するように構成されている、条項58又は59に記載のエンドエフェクタ。
【0140】
〔実施の態様〕
(1) カテーテルのエンドエフェクタであって、
長手方向軸から離れる方向に近位部分から遠位スパイン部分まで自己拡張してバスケット構成を形成するように構成されている複数のスパインを備える支持フレームであって、前記遠位スパイン部分が、前記長手方向軸の周りに半径方向に配置されたクローバー葉構造を画定し、前記クローバー葉構造が、前記長手方向軸を中心として配置された中心領域を有する中心切り欠きを画定し、前記クローバー葉構造が、前記長手方向軸を中心として凹状外周を画定する内側円弧を含む、支持フレームと、
前記近位部分に向かって延在する前記クローバー葉構造の内側円弧のみが可視であるように、前記支持フレームの前記クローバー葉構造の一部分を覆う非外傷性構造と、
を備える、エンドエフェクタ。
(2) 前記複数のスパイン上の複数のジャケットを更に備え、前記複数のジャケットは、前記非外傷性構造が前記複数のジャケットのうちの各ジャケットのそれぞれの遠位部分を含むように、前記クローバー葉構造の大部分上に延在する、実施態様1に記載のエンドエフェクタ。
(3) 前記内側円弧は、前記複数のジャケットの遠位端から、前記複数のジャケットのうちの隣接するジャケット間に延在する、実施態様2に記載のエンドエフェクタ。
(4) 前記クローバー葉構造と前記複数のジャケットのうちのあるジャケットの遠位部分との間に配置されたセンサと、
複数の電極であって、前記複数の電極のうちのそれぞれの電極が前記複数のスパインのうちのそれぞれのスパインに結合されるように、前記複数のスパインに結合されている、複数の電極と、
を更に備える、実施態様2に記載のエンドエフェクタ。
(5) 前記センサは、前記バスケット構成において、前記支持フレームの遠位表面に対して遠位方向に配置されている、実施態様4に記載のエンドエフェクタ。
【0141】
(6) 前記センサが接触力センサを含む、実施態様4に記載のエンドエフェクタ。
(7) 前記センサが位置センサを含む、実施態様4に記載のエンドエフェクタ。
(8) 前記位置センサが誘導コイルを含む、実施態様7に記載のエンドエフェクタ。
(9) 前記位置センサが磁気センサを含む、実施態様7に記載のエンドエフェクタ。
(10) 各スパインがそれぞれの電極対を含むように、かつスパインの前記それぞれの電極対が隣接するスパインの電極対と長手方向に重ならないように、対で配置された複数の電極を更に備える、実施態様1に記載のエンドエフェクタ。
【0142】
(11) 前記複数の電極は、電極の近位対及び電極の遠位対を、前記電極の近位対及び前記電極の遠位対が前記複数のスパイン上に交互に配置されるように含み、
前記電極の近位対は完全に、前記バスケット構成の赤道の近位にある、実施態様10に記載のエンドエフェクタ。
(12) 前記複数の電極のうちの各電極は、本体を備え、前記本体は、前記電極の前記本体を通って延在する中空部分を画定し、それにより、スパインが前記中空部分に挿入され、前記スパイン上に保持され得る、実施態様10に記載のエンドエフェクタ。
(13) 各スパインは、保持部材を備え、前記保持部材は、圧縮されて電極が前記保持部材上を移動することを可能にするように構成され、前記保持部材は、拡張して前記スパインに沿った前記電極の移動を阻止するように構成されている、実施態様12に記載のエンドエフェクタ。
(14) 前記複数の電極が、不可逆エレクトロポレーションのための電気パルスを送達するように構成され、前記電気パルスが、少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を含む、実施態様10に記載のエンドエフェクタ。
(15) 前記複数のスパインが、前記バスケット構成にあるときに、ほぼ球形の形状のバスケットアセンブリを形成するように構成されている、実施態様1に記載のエンドエフェクタ。
【0143】
(16) 前記複数のスパインは、前記バスケット構成にあるときに、ほぼ扁球のバスケットアセンブリを形成するように構成されている、実施態様1に記載のエンドエフェクタ。
(17) カテーテルのエンドエフェクタであって、
長手方向軸から離れる方向に近位部分から遠位スパイン部分まで自己拡張してバスケット構成を形成するように構成されている複数のスパインを備える支持フレームであって、前記遠位スパイン部分が、前記長手方向軸の周りに半径方向に配置されたクローバー葉構造を画定し、前記クローバー葉構造が、前記長手方向軸を中心として配置された中心領域を有する中心切り欠きを画定する、支持フレームと、
前記複数のスパイン及び前記クローバー葉構造の大部分上の複数のジャケットと、
前記複数のスパインのうちのそれぞれのスパインに各々が結合された複数の電極と、
を備える、エンドエフェクタ。
(18) 前記複数のジャケットのうちのそれぞれのジャケットと前記クローバー葉構造との間に各々が配置された複数のセンサを更に備える、実施態様17に記載のエンドエフェクタ。
(19) 前記複数のセンサが誘導センサを含む、実施態様18に記載のエンドエフェクタ。
(20) 前記複数のセンサは、三軸センサとして集合的に機能するように構成されている、実施態様18に記載のエンドエフェクタ。
【外国語明細書】