(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095500
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】スライドレール組立体
(51)【国際特許分類】
A47B 88/423 20170101AFI20240703BHJP
A47B 88/443 20170101ALI20240703BHJP
【FI】
A47B88/423
A47B88/443
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023105351
(22)【出願日】2023-06-27
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-06-27
(31)【優先権主張番号】111150804
(32)【優先日】2022-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】504297766
【氏名又は名称】川湖科技股▲分▼有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】513240939
【氏名又は名称】川益科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】陳 庚金
(72)【発明者】
【氏名】楊 順和
(72)【発明者】
【氏名】張 維成
(72)【発明者】
【氏名】王 俊強
【テーマコード(参考)】
3B160
【Fターム(参考)】
3B160AB41
3B160EA04
3B160EA14
3B160EA32
3B160EB42
(57)【要約】 (修正有)
【課題】スライドレール組立体が伸長状態にある場合に、少なくとも4つのレールのうちの2つを互いに支持することができるスライドレール組立体を提供する。
【解決手段】スライドレール組立体20は、支持フレーム22、第1レール24、第2レール26及び第3レール28を備えている。第1レールは、支持フレームに対して相対的に移動可能である。第2レールは、第1レールに対して相対的に移動可能である。第3レールは、第2レールに対して相対的に移動可能である。スライドレール組立体が伸長状態にある場合に、第1レールは、支持フレームに対して所定位置M1にあり、第2レールは、第1レールに対して伸長位置Eにあり、第3レールは、第2レールに対して開放位置Kにあり、第3レールの後レール区間rは、第1レールの前レール区間fと重なり合う。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持フレームと、
前記支持フレームに対して相対的に移動可能である第1レールと、
前記第1レールに対して相対的に移動可能である第2レールと、
前記第2レールに対して相対的に移動可能である第3レールとを備え、
スライドレール組立体が伸長状態にある場合に、前記第1レールは、前記支持フレームに対して第1所定位置にあり、前記第2レールは、前記第1レールに対して伸長位置にあり、前記第3レールは、前記第2レールに対して開放位置にあり、前記第3レールの後レール区間は、前記第1レールの前レール区間と重なり合う、スライドレール組立体。
【請求項2】
前記支持フレーム、前記第1レール、前記第2レール及び前記第3レールのそれぞれは、前部分と後部分とを含み、
前記支持フレームはさらに、前記第1レールを少なくとも部分的に収容するように構成されている支持チャンネルを含み、
前記第1レールはさらに、前記第2レールを少なくとも部分的に収容するように構成されている第1チャンネルを含み、前記第2レールはさらに、前記第3レールを少なくとも部分的に収容するように構成されている第2チャンネルを含む、請求項1記載のスライドレール組立体。
【請求項3】
スライドレール組立体が前記伸長状態にある場合に、前記第1レールの前記前部分は、前記支持フレームの前記前部分を越えて延び、前記第2レールの前記前部分は、前記第1レールの前記前部分を越えて延び、前記第3レールの前記前部分は、前記第2レールの前記前部分を越えて延びる、請求項2記載のスライドレール組立体。
【請求項4】
スライドレール組立体が前記伸長状態にある場合に、前記第2レールの前記前部分は、前記第3レールの前記後部分を越えて延びる、請求項3記載のスライドレール組立体。
【請求項5】
前記支持フレームはさらに、第1壁と、第2壁と、前記支持フレームの前記第1壁及び前記第2壁の間に接続された長手方向壁とを含み、前記支持チャンネルは、前記支持フレームの前記第1壁、前記第2壁及び前記長手方向壁によって協働して画定され、
前記支持フレームの前記第1壁と前記第2壁とのそれぞれは、第1支持部分と前記第1支持部分に対して屈曲した第2支持部分とを含み、前記支持フレームの前記長手方向壁と前記第1支持部分とのそれぞれは、第1所定厚みを有し、前記第2支持部分は、前記第1所定厚みよりも小さい第2所定厚みを有し、
前記第1レールはさらに、第1壁と、第2壁と、前記第1レールの前記第1壁及び前記第2壁の間に接続された長手方向壁とを含み、前記第1チャンネルは、前記第1レールの前記第1壁、前記第2壁及び前記長手方向壁によって協働して画定され、前記支持フレームの前記第1壁、前記第2壁及び前記長手方向壁は、前記第1レールの前記第1壁、前記第2壁及び前記長手方向壁の少なくとも一部を覆うように構成され、
前記第2レールはさらに、第1壁と、第2壁と、前記第2レールの前記第1壁及び前記第2壁の間に接続された長手方向壁とを含み、前記第2チャンネルは、前記第2レールの前記第1壁、前記第2壁及び前記長手方向壁によって協働して画定され、
前記第3レールはさらに、第1壁と、第2壁と、前記第3レールの前記第1壁及び前記第2壁の間に接続された長手方向壁とを含み、前記第2支持部分は第1表面を含み、前記第3レールの前記長手方向壁は第2表面を含み、前記第1表面と前記第2表面とは同一平面上にない、請求項2ないし4のいずれか1項に記載のスライドレール組立体。
【請求項6】
ブロッキング構造と位置決め構造とが、前記支持フレームに配置され、ブロッキング特徴部と位置決め特徴部とが、前記第1レールに配置され、前記第2レールは、前記第1レールと前記第3レールとの間に移動可能に取り付けられ、
スライドレール組立体はさらに、第1作業部材と第2作業部材とを備え、前記第1作業部材は、前記第1レールに移動可能に取り付けられ、第1状態と第2状態との間で切り替え可能であり、前記第2作業部材は、前記第1レールに移動可能に取り付けられ、第3状態と第4状態とで切り替え可能であり、
前記第1レールが前記支持フレームに対して前記第1所定位置にある場合に、前記ブロッキング構造は、前記第1レールが前記第1所定位置から後退方向に移動することを防止するために、前記第1状態で前記第1作業部材をブロッキングし、
前記第1レールが前記支持フレームに対して第2所定位置にある場合に、前記第2作業部材は、前記第1レールが前記第2所定位置から開放方向に移動することを防止するために、前記第3状態で前記位置決め構造と係合する、請求項1ないし4のいずれか1項に記載のスライドレール組立体。
【請求項7】
前記第1作業部材と前記第2作業部材とは、前記第1レールに枢軸的に接続され、
スライドレール組立体はさらに、前記第1作業部材と前記第2作業部材とに弾性力を与えるようにそれぞれ構成されている第1弾性部材と第2弾性部材とを備え、
前記第1レールが前記支持フレームに対して前記第1所定位置にあり、前記第1作業部材が前記第1状態から前記第2状態に移動した場合に、前記ブロッキング構造は、前記第1レールが前記第1所定位置から前記後退方向に前記第2所定位置へ移動することを可能にするように、前記第2状態で前記第1作業部材をブロッキングしないようにする、請求項6記載のスライドレール組立体。
【請求項8】
前記第1レールが前記支持フレームに対して前記第2所定位置にあり、前記第3レールが前記第1レールに対して後退位置にある場合に、前記第3レールは、前記第2作業部材を支持するように構成され、
これにより、前記第2作業部材は前記第4状態に保持され、前記第1レールが前記第2所定位置から前記開放方向に移動することを可能にするように、前記位置決め構造と係合しないようにする、請求項6記載のスライドレール組立体。
【請求項9】
支持特徴部が前記第1レールに配置され、前記第3レールが前記第1レールに対して前記後退位置にある場合に、前記第3レールを支持するように構成されている、請求項8記載のスライドレール組立体。
【請求項10】
前記第3レールは同期特徴部を含み、前記同期特徴部は、前記第1作業部材に当接し、前記第3レールが前記後退位置から前記開放方向に移動する間に、前記第3レールと前記第1レールとが同期して前記開放方向に移動することを可能にする、請求項8記載のスライドレール組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の(特徴項に先立つ)プレアンブルに係るスライドレール組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許公開第2012/0087604号は、スライドレール組立体を開示し、これは、外フレームと、外フレームの中に収容された外側レールと、外側レールの中に取り付けられた中間フレーム(中間レール)と、中間レールの中に取り付けられた内レールとを備えている。中間レールは、外側レールと内側レールとの間に配置されている。外フレームは、固定板と、上アームと、下アームとを含む。上アームと下アームとは、固定プレートに左右対称に形成され、それぞれ上側と下側とから折り曲げられている。上アームの端部は、下方に曲げられ、固定プレートと平行である。下アームの端部は、上方に曲げられ、固定プレートと平行である。外フレームの上部アームと下部アームとは、外フレームから外側レールが脱落することを防止するために、外側レールを協働して位置決めすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第11641940号
【特許文献2】米国特許第11641939号
【特許文献3】米国特許第10918209号
【特許文献4】米国特許第9861197号
【発明の概要】
【0004】
しかしながら、米国特許公開第2012/0087604号に開示されたスライドレール組立体は、伸長状態にある場合に重い物体を安定的に支持するのに十分な強度を有さない。異なる要求を満たすために、少なくとも4つのレールを有し、スライドレール組立体が伸長状態にある場合に十分な支持能力を有するスライドレール組立体を提供することは、重要な課題となる。
【0005】
このような観点から、本発明は、少なくとも4つのレールを有し、スライドレール組立体が伸長状態にある場合に、少なくとも4つのレールのうちの2つを互いに支持することができるスライドレール組立体を提供することを目的とする。
【0006】
これは、請求項1に係るスライドレール組立体によって達成される。従属請求項は、対応する一層の発展及び改良に関する。
【0007】
下記に述べる詳細な説明から一層明確に理解されるように、請求項に記載したスライドレール組立体は、支持フレーム、第1レール、第2レール及び第3レールを備えている。第1レールは、支持フレームに対して相対的に移動可能である。第2レールは、第1レールに対して相対的に移動可能である。第3レールは、第2レールに対して相対的に移動可能である。スライドレール組立体が伸長状態にある場合に、第1レールは、支持フレームに対して所定位置にあり、第2レールは、第1レールに対して伸長位置にあり、第3レールは、第2レールに対して開放位置にあり、第3レールの後レール区間は、第1レールの前レール区間と重なり合う。
【0008】
本発明のこれらの目的及びその他の目的は、様々な図及び図面に例示された、以下の好ましい実施形態の詳細な説明を読んだ後に、当業者にとって疑いなく明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
以下では、添付の図面を参照しながら、本発明を例としてさらに説明する。その内容は、以下の通りである。
【0010】
【
図1】本発明の実施形態に係るスライドレール組立体の概略構成図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るスライドレール組立体の分解斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る支持フレームの図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る第1レールの図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る操作部材が第1操作位置にある際の、異なる観点での第2レールの図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る操作部材が第1操作位置にある際の、異なる観点での第2レールの図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る操作部材が第2操作位置にある際の、異なる観点での第2レールの図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る操作部材が第2操作位置にある際の、異なる観点での第2レールの図である。
【
図9】本発明の実施形態に係り、第2レールが伸長位置でロックされた際の、伸長状態のスライドレール組立体の図である。
【
図10】本発明の実施形態に係り、第2レールがロック解除され、伸長位置から後退方向に移動可能である際の、伸長状態のスライドレール組立体の図である。
【
図11】本発明の実施形態に係り、第2レールが後退方向に移動する際のスライドレール組立体の図である。
【
図12】本発明の実施形態に係り、第2レールを駆動して第1作業部材に当接させるために後退方向に移動する際のスライドレール組立体の図である。
【
図13】本発明の実施形態に係り、第2レールと第1作業部材との当接によって第1作業部材を駆動して第2状態に移動させるために、第2レールが後退方向に移動する際のスライドレール組立体の図である。
【
図14】本発明の実施形態に係り、第1レールが第2所定位置でロックされた際のスライドレール組立体の図である。
【
図15】本発明の実施形態に係り、第3レールを駆動して第2作業部材に当接させるために、第3レールが後退方向に移動する際のスライドレール組立体の図である。
【
図16】本発明の実施形態に係り、第3レールと第2作業部材との当接によって、第2作業部材を駆動して第4状態に移動させるために第3レールが後退方向に移動する際のスライドレール組立体の図である。
【
図17】本発明の実施形態に係るスライドレール組立体の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の好ましい実施形態の詳細な説明では、明細書の一部を構成する添付の図面を参照し、その中で、本発明が実施可能である特定の実施形態が例示的に示される。この点で、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」などの方向性のある用語は、説明される図(複数可)の姿勢を参照して使用される。本発明の部材は、多数の異なる姿勢に配置されてよい。そのため、方向に関する用語は、例示の目的で使用され、決して限定的なものではない。従って、図面及び説明は、本質的に例示的なものとみなされ、制限的なものとはみなされないことになる。また、特定されない場合に、「接続する」という用語は、間接的又は直接的な機械的接続のいずれかを意味することが意図される。従って、第1装置が第2装置に接続された場合に、その接続は、直接的な機械的接続を介してであってよく、又は他の装置及び接続を介した間接的な機械的接続を介してであってよい。
【0012】
図1に示すように、スライドレール組立体20は、複数部分構成のレール組立体であってよい。本実施形態では、スライドレール組立体20は、4部構成のレール組立体であってよい。具体的には、スライドレール組立体20は、支持フレーム22と、第1レール24と、第2レール26と、第3レール28とを備えている。第2レール26は、第1レール24と第3レール28との間に移動可能に取り付けられている。例えば、第1レール24は外側レールであってよい。第2レール26は中間レールであってよい。第3レール28は内側レールであってよい。支持フレーム22は、補強レール又は固定レールとして使用される第4レールであってよい。支持フレーム22、第1レール24、第2レール26及び第3レール28は、長手方向に互いに相対的に移動可能である。ただし本発明は、この実施形態に限定されない。例えば、別の実施形態では、スライドレール組立体は、支持フレーム又は第3レールに移動可能に取り付けられた追加のレールを含む5部構成のレール組立体であってよい。
【0013】
さらに具体的には、支持フレーム22は、前部分22aと後部分22bとを含む。第1レール24は、前部分24aと後部分24bとを含む。第2レール26は、前部分26aと後部分26bとを含む。第3レール28は、前部分28aと後部分28bとを含む。
【0014】
スライドレール組立体20が伸長状態にある場合に、例えば、完全に伸長された状態にある場合に、第1レール24は、支持フレーム22に対して第1所定位置M1にあり、第2レール26は、第1レール24に対して伸長位置Eにあり、第3レール28は、第2レール26に対して開放位置Kにあり、第3レール28の後レール区間rは、第1レール24の前レール区間fと重なり合う。これにより、第1レール24の前レール区間fと第3レール28の後レール区間rとは、スライドレール組立体20の構造強度を高めるために互いに支持することができる。好ましくは、スライドレール組立体20が伸長状態にある場合に、第1レール24の前部分24aは、開放方向D1に支持フレーム22の前部分22aを越えて延び、第2レール26の前部分26aは、開放方向D1に第1レール24の前部分24aを越えて延び、第3レール28の前部分28aは、開放方向D1に第2レール26の前部分26aを越えて延びる。さらに好ましくは、スライドレール組立体20が伸長状態にある場合に、第2レール26の前部分26aは、開放方向D1に第3レール28の後部分28bを越えて延びる。
【0015】
本実施形態で、レールの長手方向、即ち、レールの長さ方向又は移動方向は、X軸に平行であってよいことに留意するものとする。レールの横断方向、即ち、レールの横方向は、Y軸に平行であってよい。レールの縦方向、即ちレールの高さ方向は、Z軸に平行であってよい。
【0016】
図2及び
図3に示すように、支持フレーム22はさらに、第1壁30aと、第2壁30bと、支持フレーム22の第1壁30a及び第2壁30bの間に接続された長手方向壁32とを含む。支持フレーム22の第1壁30a、第2壁30b及び長手方向壁32は、支持フレーム22の支持チャンネル34を協働して画定する。支持チャンネル34は、第1レール24を少なくとも部分的に収容するように構成されている。ブロッキング構造36と位置決め構造38とが、支持フレーム22に配置されている。
【0017】
好ましくは、支持フレーム22はさらに、前部制限特徴部40と後部制限特徴部42とを含む。前部制限特徴部40と後部制限特徴部42とは、第1レール24の移動距離を制限するように構成されている。例えば、前部制限特徴部40と後部制限特徴部42とは、突出した壁又は突出した部分であってよい。ただし本発明はこれに限定されない。その上、ブロッキング構造36と位置決め構造38とは、前部制限特徴部40と後部制限特徴部42との間に配置されている。この実施形態では、前部制限特徴部40、ブロッキング構造36、位置決め構造(特徴部)38、及び後部制限特徴部42は、支持フレーム22の長手方向壁32に前方から後方に向かって順次配置されてよい。
【0018】
好ましくは、スライドレール組立体20はさらに、支持フレーム22に配置された弾力性のある補助シート(seat,基部)44を備えている。弾力性のある補助シート44は、第1固定部46a、第2固定部46b及び中間部分48を含む。第1固定部46aと第2固定部46bとは、支持フレーム22の長手方向壁32に接続されている。中間部分48は、第1固定部46aと第2固定部46bとの間に位置する。中間部分48は、ブロッキング構造36と、長手方向区間50と、ガイド区間52とを含む。長手方向区間50は、ブロッキング構造36とガイド区間52との間に位置する。例えば、ブロッキング構造36は、ブロッキング壁又は起立する壁であってよく、ガイド区間52は、傾斜面又は円弧面であってよい。ただし本発明はこれに限定されない。
【0019】
好ましくは、例えば、位置決め構造(特徴部)38は、柱状又は突出部の形態に形成することができる。ただし本発明はこれに限定されない。
【0020】
図2及び
図4に示すように、第1レール24は、支持フレーム22の支持チャンネル34の中に、少なくとも部分的に移動可能に取り付けられ、支持フレーム22に対して相対的に移動可能である。第1レール24はさらに、第1壁54aと、第2壁54bと、第1レール24の第1壁54a及び第2壁54bの間に接続された長手方向壁56とを含む。第1レール24の第1壁54a、第2壁54b及び長手方向壁56は、第1レール24の第1チャンネル58を協働して画定する。第1チャンネル58は、第2レール26を少なくとも部分的に収容するように構成されている。第1レール24はさらに、第1側部L1と、第1側部L1の反対側の第2側部L2とを含む。第1レール24の第1側部L1は、支持フレーム22に隣接して配置されている。第1レール24の第2側部L2は、第2レール26に隣接して配置されている。ブロッキング特徴部60と位置決め特徴部62とが、第1レール24に配置されている。本実施形態で、位置決め部材61は、第1レール24に配置され、第1レール24の第1側部L1に接続、例えば、固定的に接続されてよい。位置決め部材61は、位置決め特徴部62を含んでよい。位置決め特徴部62は、第1レール24の第1側部L1から、第1レール24での補助孔63を通って第1レール24の第2側部L2へ延びてよい。ただし本発明は、この実施形態に限定されない。例えば、別の実施形態では、位置決め特徴部は、第1レールの第2側部に配置された突出部であってよい。
【0021】
スライドレール組立体20はさらに、第1作業部材64と第2作業部材66とを備えている。第1作業部材64は、第1レール24に移動可能に取り付けられ、第1レール24に対して第1状態S1と第2状態S2との間で切り替え可能である。第2作業部材66は、第1レール24に移動可能に取り付けられ、第1レール24に対して第3状態S3と第4状態S4との間で切り替え可能である。本実施形態では、第1作業部材64と第2作業部材66とは、それぞれ第1旋回部材68と第2旋回部材70とによって第1レール24の長手方向壁56に枢軸的に連結され、第1レール24の第2側部L2に配置されてよい。ただし本発明は、この実施形態に限定されない。
【0022】
好ましくは、第1レール24はさらに、第1レール24の第1側部L1と第2側部L2とで連通する開口69を含む。第1作業部材64は、開口69を通って第1レール24の第1側部L1へ延びるブロッキング部分71を含む。ブロッキング部分71は、支持フレーム22のブロッキング構造36と協働するように構成されている。第2作業部材66は、支持フレーム22の位置決め構造38と協働するように構成された位置決め部73を含む。例えば、位置決め部73は、係合フックであってよい。ただし本発明はこれに限定されない。
【0023】
好ましくは、第1作業部材64はさらに、第2レール26と協働するように構成された解放部75を含む。
【0024】
好ましくは、スライドレール組立体20はさらに、第1弾性部材72と第2弾性部材74とを備え、第1弾性部材72と第2弾性部材74とはそれぞれ、第1作業部材64と第2作業部材66とを駆動して、第1レール24に対して第1状態S1と第3状態S3とに移動させるために、第1作業部材64と第2作業部材66とに弾性力を与えるように構成されている。
【0025】
好ましくは、第1補助特徴部76と支持特徴部78とが第1レール24に配置されている。ブロッキング特徴部60、位置決め特徴部62、第1補助特徴部76、第1作業部材64及び第2作業部材66は、第1レール24の長手方向壁56に前方から後方へ順次配置されている。
【0026】
好ましくは、第1レール24はさらに、前部制限部80と後部制限部とを含み、前部制限部80と後部制限部とは、支持フレーム22に対する第1レール24の移動距離を制限するために、支持フレーム22の前部制限特徴部40と後部制限特徴部42とにそれぞれ協働するように構成されている。この実施形態では、前部制限部80は、第1レール24の第1側部L1に位置し、支持フレーム22の長手方向壁32の方を向く突出ブロックであってよい。前部制限部80は、支持フレーム22の長手方向壁32の長手方向空間82、例えば、支持フレーム22の長手方向壁32の長手方向スロットの中へ延びて、前部制限特徴部40に対応する位置にあるようにできる。後方制限部は、後部分24bであってよい。ただし本発明は、この実施形態に限定されない。
【0027】
好ましくは、スライドレール組立体20はさらに、第1レール24に配置された弾力性のあるシート84を備えている。弾力性のあるシート84は、第1接続部86aと、第2接続部86bと、支持構造88とを含む。第1接続部86aと、第2接続部86bとは、第1レール24の長手方向壁56に接続されている。支持構造体88は、第1接続部86aと第2接続部86bとの間に配置されている。支持構造体88は、ブロッキング特徴部60と、長手方向部分90と、ガイド部分92とを含む。長手方向部分90は、ブロッキング特徴部60とガイド部分92との間に配置されている。例えば、ブロッキング特徴部60は、ブロッキング壁又は起立する壁であってよく、ガイド部分92は、傾斜面又は円弧面であってよい。ただし本発明はこれに限定されない。
【0028】
図2、
図5及び
図6に示すように、第2レール26は、第1レール24に対して相対的に移動可能である。第2レール26はさらに、第1壁94aと、第2壁94bと、第2レール26の第1壁94a及び第2壁94bの間に接続された長手方向壁96とを含む。第2レール26の第1壁94a、第2壁94b及び長手方向壁96は、第2レール26の第2チャンネル98を協働して画定する。第2チャンネル98は、第3レール28を少なくとも部分的に収容するように構成されている。第2レール26はさらに、第1側部L1と、第1側部L1の反対側の第2側部L2とを含む。第2レール26の第1側部L1は、第1レール24に隣接して配置されている。第2レール26の第2側部L2は、第3レール28に隣接して配置されている。
【0029】
好ましくは、スライドレール組立体20はさらに、第3作業部材100と第4作業部材102とを備えている。第3作業部材100は、第2レール26に移動可能に取り付けられ、第2レール26に対して第5状態S5と第6状態S6との間で切り替え可能である。第4作業部材102は、第2レール26に移動可能に取り付けられ、第2レール26に対して第7状態S7と第8状態S8との間で切り替え可能である。本実施形態では、第3作業部材100と第4作業部材102とは、それぞれ第1軸104と第2軸106とによって第2レール26の長手方向壁96に枢軸的に接続され、第2レール26の第2側部L2に配置されてよい。ただし本発明は、この実施形態に限定されない。
【0030】
好ましくは、スライドレール組立体20はさらに、第1弾性特徴部105と第2弾性特徴部107とを備え、第1弾性特徴部105と第2弾性特徴部107とはそれぞれ、第3作業部材100と第4作業部材102とを駆動して、第2レール26に対して第5状態S5と第7状態S7とに移動させるために、第3作業部材100と第4作業部材102とに弾性力を与えるように構成されている。
【0031】
好ましくは、第2レール26はさらに、少なくとも1つの孔を含み、少なくとも1つの孔は、第2レール26の長手方向壁96に配置され、第2レール26の第1側部L1と第2側部L2とで連通する。本実施形態で、第2レール26は、第1孔H1と第2孔H2とを含んでよい。さらに、第3作業部材100は、第1孔H1へ延びる第1ブロッキング区間108を含む。第1ブロッキング区間108は、第1レール24の長手方向壁56に対面し、第1レール24のブロッキング特徴部60又は位置決め特徴部62と協働するように構成されている。第4作業部材102は、第2孔H2へ延びる第2ブロッキング区間110を含む。第2ブロッキング区間110は、第1レール24の長手方向壁56に対面し、第1レール24の位置決め特徴部62と協働するように構成されている。ただし本発明は、この実施形態に限定されない。例えば、別の実施形態では、第1ブロッキング区間と第2ブロッキング区間とがそこを通過するために、第2レールの長手方向壁に配置される孔は1つだけあってよい。
【0032】
好ましくは、スライドレール組立体20はさらに、操作部材112を含み、操作部材112は、第2レール26に移動可能に取り付けられ、第3作業部材100と第4作業部材102とのうちの1つを操作するように構成されている。
【0033】
好ましくは、操作部材112は、第2レール26の長手方向壁96に取り付けられ、第2レール26の第1側部L1に位置する。操作部材112は、操作部114と、駆動部116と、操作部114及び駆動部116の間に接続された伸長部118とを含む。操作部114は、伸長部118の前端118aに接続されている。操作部114は、第2レール26の前部分26aに隣接して配置されている。駆動部116は、伸長部118の後端118bに接続されている。駆動部116は、第2レール26の後部分26bに隣接して配置されている。その上、第3作業部材100と第4作業部材102とは、第2レール26の後部分26bに隣接して配置されている。
【0034】
好ましくは、第2レール26はさらに、第2レール26の長手方向壁96に配置された第3孔H3を含む。操作部材112の駆動部116は、第3孔H3を介して第2レール26の第1側部L1から第2側部L2へ延び、第3作業部材100に隣接して配置されている。
【0035】
好ましくは、第2レール26はさらに、第2レール26の長手方向壁96に配置された第4孔H4を含む。操作部材112の操作部114は、第4孔H4を介して第2レール26の第2側部L2に露出する。
【0036】
好ましくは、第2レール26と操作部材112とは、第2レール26に対する操作部材112の移動距離を制限するために互いに協働する対応する制限機能を有する。この実施形態では、少なくとも1つの細長い孔120が、操作部材112の伸長部118に配置されてよい。第2レール26はさらに、少なくとも1つの接続部材122を含んでよく、少なくとも1つの接続部材122は、第2レール26の長手方向壁96に接続され、少なくとも1つの細長い孔120の一部を通過する。さらに、第2レール26はさらに、少なくとも1つの伸長する孔111を含んでよい。少なくとも1つの接続区間113は、操作部材112の伸長部118に配置され、少なくとも1つの伸長する孔111の一部分を通過してよい。少なくとも1つの細長い孔120と少なくとも1つの接続部材122との協働、及び少なくとも1つの伸長する孔111と少なくとも1つの接続区間113との協働によって、第2レール26に対する操作部材112の移動距離を制限することが可能である。ただし本発明は、この実施形態に限定されない。例えば、別の実施形態では、互いに協働する、細長い孔と少なくとも1つの接続部材とのみが存在してよい。又は、別の実施形態では、互いに協働する、細長い孔と接続区間のみが存在してよい。
【0037】
好ましくは、
図2及び
図6に示すように、第2補助特徴部123が操作部材112に配置され、第1レール24の第1補助特徴部76と協働するように構成されている。例えば、第1補助特徴部76と第2補助特徴部123とは、突起であってよい。ただし本発明はこれに限定されない。その上、
図6に示すように、第2補助特徴部123は、操作部材112の伸長部118の後端118bに隣接して配置され、第2補助特徴部123と駆動部116とは、操作部材112の伸長部118の2つの反対側の箇所に配置されている。
【0038】
図5及び
図6に示すように、操作部材112が第2レール26に対して第1操作位置P1にある場合に、第3作業部材100と第4作業部材102とはそれぞれ第2レール26に対して第5状態S5と第7状態S7とにある。
【0039】
好ましくは、
図5に示すように、第3作業部材100はさらに、当接部分124と作動部分126とを含む。第1軸104は、当接部分124と作動部分126との間に位置する。当接部分124は、操作部材112の駆動部116に対応する位置であって、操作部材112の駆動部116に対して当接するための位置にある。第1ブロッキング区間108は、作動部分126に隣接して位置する。第1ブロッキング区間108は、第2レール26の第1側部L1へ延びる。第1弾性特徴部105は、第3作業部材100を第5状態S5に保持するために、弾性力を第3作業部材100に与えるように構成されている。
【0040】
好ましくは、
図5に示すように、第4作業部材102は、当接区間128と作動区間130とを含む。第2軸106は、当接区間128と作動区間130との間に位置する。第2ブロッキング区間110は、当接区間128に隣接して位置する。第2ブロッキング区間110は、第2レール26の第1側部L1へ延びる。第2弾性特徴部107は、第4作業部材102を第7状態S7に保持するために、弾性力を第4作業部材102に与えるように構成されている。
【0041】
図5ないし
図8に示すように、操作部材112、例えば操作部材112の操作部114に、ユーザは力Fを加えて、操作部材112を駆動して、第2レール26に対して第1操作位置P1から第2操作位置P2へ相対的に移動させてよい。上述のプロセスの中で、操作部材112は、駆動部116と第3作業部材100の当接部分124との当接により、
図5及び
図6に示す第5状態S5から
図7及び
図8に示す第6状態S6まで、第3作業部材100を駆動して、第2レール26に対して移動させる、例えば、旋回させる。好ましくは、第3作業部材100が、
図5及び
図6に示す第5状態S5から
図7及び
図8に示す第6状態S6に移動した場合に、第3作業部材100は、作動部分126と第4作業部材102の当接区間128との当接により、
図5及び
図6に示す第7状態S7から
図7及び
図8に示す第8状態S8まで、第4作業部材102を駆動して第2レール26に対して相対的に移動させる、例えば、旋回させる。言い換えれば、本実施形態では、第3作業部材100と第4作業部材102とが同期して移動するように構成され、第3作業部材100と第4作業部材102とがそれぞれ操作部材112と第3作業部材100とによって駆動されるように構成されている。ただし本発明はこの実施形態に限定されない。例えば、別の実施形態では、第3作業部材と第4作業部材とは、同期して移動するように構成され、第3作業部材と第4作業部材とはそれぞれ、第4作業部材と操作部材とによって駆動されるように構成されている。これに代えて、第3作業部材と第4作業部材とは、同期して移動するように構成され、第3作業部材と第4作業部材とは、それぞれ操作部材の2つの駆動部によって駆動されるように構成されている。これに代えて、スライドレール組立体はさらに、補助操作部材を備え、第3作業部材と第4作業部材とは、操作部材と補助操作部材とによってそれぞれ駆動され、非同期で移動するように構成されている。
【0042】
好ましくは、
図7及び
図8に示すように、操作部材112が第2操作位置P2にある場合に、操作部材112と第3作業部材100との当接、及び第3作業部材100と第4作業部材102との当接により、第3作業部材100と第4作業部材102とは、それぞれ第6状態S6と第8状態S8とに保持される。
【0043】
図9に示すように、スライドレール組立体20は、限られた環境下で使用され、伸長状態に位置する。上述したように、スライドレール組立体20が伸長状態に位置する場合に、第1レール24は、支持フレーム22に対して第1所定位置M1にあり、第2レール26は、第1レール24に対して伸長位置Eにあり、第3レール28は、第2レール26に対して開放位置K1にある。この時点で、スライドレール組立体20は第1長さJ1を有し、第3レール28の前部分28aは、物体132、例えばドア又は障害物から第1距離X1だけ離間している。第2レール26、例えば第2レール26の第2チャンネル98から、第3レール28を開放方向D1に分離させるためには、第1距離X1は短すぎる。
【0044】
具体的には、
図9に示すように、第1レール24が支持フレーム22に対して第1所定位置M1にある場合に、支持フレーム22のブロッキング構造36は、第1レール24が第1所定位置M1から後退方向D2に移動することを防止するために、第1状態S1で第1作業部材64のブロッキング部分71をブロッキングする。その上、この時点で、操作部材112は、
図5及び
図6と同様に、第1操作位置P1にある。従って、第2レール26が第1レール24に対して伸長位置Eにある場合に、第1レール24のブロッキング特徴部60は、第2レール26が伸長位置Eから後退方向D2に移動することを防止するために、第5状態S5で第3作業部材100の第1ブロッキング区間108をブロッキングする。第4作業部材102の第2ブロッキング区間110は、第1レール24の弾力性のあるシート84のガイド部92に隣接して位置する。第3作業部材100と第4作業部材102とがそれぞれ第5状態S5と第7状態S7とにある場合に、第3作業部材100の第1ブロッキング区間108と第4作業部材102の第2ブロッキング区間110とは、それらが、後退方向D2又は開放方向D1に第1レール24の位置決め特徴部62と位置合わせされる位置にあることに留意するものとする。
【0045】
図10に示すように、操作部材112、例えば操作部材112の操作部114に、ユーザが力Fを加えて、操作部材112を駆動して第1操作位置P1から第2操作位置P2へ移動させると、操作部材112は、駆動部116によって第3作業部材100を駆動して第5状態S5から第6状態S6に移動する。これにより、第2レール26が、第1レール24に対して延長位置Eから後退方向D2に相対的に移動することを可能にするために、ブロッキング特徴部60は、第6状態S6で、第3作業部材100の第1ブロッキング区間108をブロッキングすることができない。
【0046】
さらに、
図10に示すように、操作部材112が第2操作位置P2にある場合に、第3作業部材100と第4作業部材102とは、
図7と同様に、第1弾性特徴部105と第2弾性特徴部107とが弾力的に変形して弾性力を発生するように第6状態S6と第8状態S8とでそれぞれ保持される。その上、第3作業部材100と第4作業部材102とがそれぞれ第6状態S6と第8状態S8とにある場合に、第3作業部材100の第1ブロッキング区間108と第4作業部材102の第2ブロッキング区間110とは、それらが、後退方向D2又は開放方向D1に第1レール24の位置決め特徴部62と位置合わせされる位置から外れている。さらに、
図10に示すように、第2レール26が第1レール24に対して伸長位置Eにある場合に、操作部材112の第2補助特徴部123は、第1レール24の第1補助特徴部76からある距離だけ離れている。
【0047】
好ましくは、
図10及び
図11に示すように、位置決め特徴部62は、前部分62aと後部分62bとを含む。第3作業部材100の第1ブロッキング区間108と、位置決め特徴部62の後部分62bとはそれぞれ、第1ガイド特徴部109と第2ガイド特徴部115とを含む。例えば、第1ガイド特徴部109と第2ガイド特徴部115とは、傾斜面又は円弧面であってよい。
【0048】
第2レール26が後退方向D2に所定距離だけ、例えば、
図11に示す位置まで、移動した場合に、第1レール24の第1補助特徴部76は、操作部材112の第2補助特徴部123に当接し、操作部材112を駆動して、第2操作位置P2から第1操作位置P1へ移動させる。第3作業部材100は駆動されて、第1弾性特徴部105によって第6状態S6から第5状態S5に移動し、第4作業部材102は駆動されて、第2弾性特徴部107によって第8状態S8から第7状態S7に移動する。好ましくは、第1補助特徴部76と第2補助特徴部123とのうちの1つは、第1補助特徴部76と第2補助特徴部123とのうちの他の1つに向く別のガイド面、例えば傾斜面又は円弧面を含んでよく、第2レール26が、第1レール24に対して後退方向D2に相対的に移動した場合に、第2補助特徴部123が後退方向D2に第1補助特徴部76を通り越すことを容易にする。
【0049】
第1レール24が支持フレーム22に対して第1所定位置M1にある場合に、第2レール26は、後部分26bによって第1作業部材64の解放部75に当接するように、伸長位置Eから後退方向D2に移動することができ、これにより、第1作業部材64を駆動して
図12に示す第1状態S1から
図13に示す第2状態S2へ移動させる。その結果、支持フレーム22のブロッキング構造36は、第1レール24が第1所定位置M1から後退方向D2に第2所定位置M2へ移動することを可能にするように、第2状態S2で、第1作業部材64のブロッキング部分71をブロッキングしないようにする。
【0050】
図14に示すように、第1レール24が支持フレーム22に対して第2所定位置M2にある場合に、第2作業部材66、例えば第2作業部材66の位置決め部73は、第1レール24が第2所定位置M2から開放方向D1又は後退方向D2に移動することを防止するために、第1レール24を第2所定位置M2に保持するように、第3状態S3で、支持フレーム22の位置決め構造38に係合可能である。第1レール24が第2所定位置M2にある場合に、スライドレール組立体20は、第1距離X1よりも大きい第2距離X2だけ第3レール28の前部分28aが物体132から離間するように、第1長さJ1よりも小さい第2長さJ2を有する。これは、第2レール26、例えば第2レール26の第2チャンネル98から、第3レール28が開放方向D1に分離することを容易にする。
【0051】
好ましくは、第1レール24が支持フレーム22に対して第2所定位置M2にある場合に、支持フレーム22の後部制限特徴部42は、第1レール24を停止させるために第1レール24の後部分24bに対して当接することができる。さらに第1レール24は、制限部材133を含み、制限部材133は、第2レール26を停止させるために第2レール26の後部分26bに対して当接するように構成されている。制限部材133が第2レール26の後部分26bに対して当接すると、第2レール26は第1レール24に対して完全に畳んで閉じられる(folded)。
【0052】
図15及び
図16に示すように、第3レール28はさらに、第1壁29aと、第2壁29bと、第3レール28の第1壁29a及び第2壁29bの間に接続された長手方向壁31とを含む。第2レール26が支持フレーム22に対して第2所定位置M2にあり、第2レール26が第1レール24に対して完全に畳んで閉じられている場合に、第3レール28は、第1レール24に対して後退方向D2に後退位置Rへ相対的に移動可能である。第3レール28が、第1レール24に対して後退方向D2に後退位置Rへ移動する間に、第3レール28の一部、例えば、第3レール28の後部分28bは、第2作業部材66を駆動してある角度だけ旋回させるために、第3状態S3で、
図15中の第2作業部材66の補助部分134に突き当たってよく、これにより、
図15に示した第3状態S3から
図16に示した第4状態S4に移動する。第3レール28が第1レール24に対して後退位置Rにある場合に、第3レール28の第2壁29bは、第2作業部材66を第4状態S4に保持するために、第2作業部材66を支持し、これにより、第1レール24が第2所定位置M2から開放方向D1に移動することを可能にするように、第2作業部材66の位置決め部73が支持フレーム22の位置決め構造38と係合しないようにする。
【0053】
好ましくは、
図16に示すように、第3レール28が第1レール24に対して後退位置Rにある場合に、第1レール24の支持特徴部78は、スライドレール組立体20の構造強度を高めるために、第3レール28の後レール区間に隣接して第3レール28の第2壁29bの一部を支持するように構成されている。
【0054】
好ましくは、
図16に示すように、第3レール28はさらに、第1同期特徴部136と第2同期特徴部138とを含む。第3レール28が後退位置Rから開放方向D1に移動する間に、第1レール24が第1所定位置M1へ移動するまで、第3レール28と第1レール24とを駆動して、開放方向D1に同期して移動させるために、第3レール28の第1同期特徴部136は、第1作業部材64の第1対応特徴部140に当接することができる。その上、第2レール26が伸長位置Eへ移動するまで、第3レール28と第2レール26とを駆動して、開放方向D1に同期して移動させるために、第3レール28の第2同期特徴部138は、第3作業部材100の第2対応特徴部142に当接することができる。
【0055】
図17に示すように、支持フレーム22の第1壁30a、第2壁30b及び長手方向壁32は、支持フレーム22の支持チャンネル34を協働して画定する。第1壁30aと第2壁30bとのそれぞれは、第1支持部分144と、第1支持部分144から屈曲した第2支持部分146とを有する。支持フレーム22の長手方向壁32と第1支持部分144とのそれぞれは、第1所定厚みT1を有する。第2支持部分146のそれぞれは、第1所定厚みT1よりも小さい第2所定厚みT2を有する。第1支持部分144の第1所定厚みT1は、Z軸に沿った方向にわたっている。長手方向壁32の第1所定厚みT1と、第2支持部分146の第2所定厚みT2とは、Y軸に沿った方向にわたっている。
【0056】
好ましくは、支持フレーム22の第2支持部分146のそれぞれは、第1表面148を含む。第3レール28の長手方向壁31は、第2表面150を含む。第1表面148と第2表面150とは、同一平面上にない(not coplanar,面一でない)。例えば、第1表面148は第1水平面V1上に位置してよく、第2表面150は第1水平面V1から突出した第2水平面V2上に位置してよく、これにより、図示しない載せる物体を第3レール28に取り付けることを容易にする。言い換えれば、支持フレーム22の第1表面148は、載せる物体の第3レール28への装着動作に何ら干渉を生じることはない。
【0057】
第1レール24の第1壁54a、第2壁54b及び長手方向壁56は、第1レール24の第1チャンネル58を協働して画定する。支持フレーム22の第1壁30a、第2壁30b及び長手方向壁32は、第1レール24の支持能力を高めるために、第1レール24の第1壁54a、第2壁54b及び長手方向壁56を少なくとも部分的に覆って、第1レール24を支持するように構成されている。
【0058】
好ましくは、第2レール26の第1壁94a、第2壁94b及び長手方向壁96は、第2レール26の第2チャンネル98を協働して画定する。
【0059】
好ましくは、スライドレール組立体20はさらに、第1促進装置152を備え、第1促進装置152は、第1レール24に対する第2レール26の円滑なスライド移動を確実にするために、第1レール24と第2レール26との間に移動可能に取り付けられている。第1促進装置152は、少なくとも第1ローラ154と第2ローラ156とを含む。第1ローラ154は、第1レール24の第1壁54aと第2レール26の第1壁94aとの間に支持されている。第2ローラ156は、第1レール24の第2壁54bと第2レール26の第2壁94bとの間に支持されている。
【0060】
好ましくは、スライドレール組立体20はさらに、第2促進装置158を備え、第2促進装置158は、第2レール26に対する第3レール28の円滑なスライド移動を確実にするために、第2レール26と第3レール28との間に移動可能に取り付けられている。第2促進装置158は、少なくとも第3ローラ160と第4ローラ162とを含む。第3ローラ160は、第2レール26の第1壁94aと第3レール28の第1壁29aとの間に支持されている。第4ローラ162は、第2レール26の第2壁94bと第3レール28の第2壁29bとの間に支持されている。
【0061】
上述のことにより、本発明のスライドレール組立体20は、スライドレール組立体20が伸長状態にある場合に、以下の特徴を有する。第1レール24は、支持フレーム22に対して第1所定位置M1にあり、第2レール26は、第1レール24に対して伸長位置Eにあり、第3レール28は、第2レール26に対して開放位置Kにあり、第3レール28の後レール区間rは、第1レール24の前レール区間fと重なり合う。その結果、第1レール24の前レール区間fと第3レール28の後レール区間rとは、スライドレール組立体20の構造強度を高めるために互いに支持することができる。
【0062】
本発明の教示を保持しつつ、装置及び方法の多数の修正及び改変がなされてよいことは、当業者であれば容易に理解するものである。従って、上記の開示は、添付の請求項の範囲によってのみ限定されると解釈されるものとする。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持フレームと、
前記支持フレームに対して相対的に移動可能である第1レールと、
前記第1レールに対して相対的に移動可能である第2レールと、
前記第2レールに対して相対的に移動可能である第3レールとを備え、
スライドレール組立体が伸長状態にある場合に、前記第1レールは、前記支持フレームに対して開放方向に延びることで、前記支持フレームに対して第1所定位置にあり、前記第2レールは、前記第1レールに対して前記開放方向に延びることで、前記第1レールに対して伸長位置にあり、前記第3レールは、前記第2レールに対して前記開放方向に延びることで、前記第2レールに対して開放位置にあり、前記第3レールの後レール区間は、前記第1レールの前レール区間と重なり合い、
前記支持フレームはさらに、第1壁と、第2壁と、前記支持フレームの前記第1壁及び前記第2壁の間に接続された長手方向壁とを含み、
前記第2レールはさらに、第1壁と、第2壁と、前記第2レールの前記第1壁及び前記第2壁の間に接続された長手方向壁とを含み、
前記第2レールの前記第1壁と前記第2壁とは、前記第2レールの前記長手方向壁が延びる長手方向にそれぞれ延び、
前記第2レールの前記第1壁と前記第2壁とは、前記支持フレームの前記第1壁と前記第2壁との間に配置されている、スライドレール組立体。
【請求項2】
前記支持フレーム、前記第1レール、前記第2レール及び前記第3レールのそれぞれは、前部分と後部分とを含み、
前記支持フレームはさらに、前記第1レールを少なくとも部分的に収容するように構成されている支持チャンネルを含み、
前記第1レールはさらに、前記第2レールを少なくとも部分的に収容するように構成されている第1チャンネルを含み、前記第2レールはさらに、前記第3レールを少なくとも部分的に収容するように構成されている第2チャンネルを含む、請求項1記載のスライドレール組立体。
【請求項3】
スライドレール組立体が前記伸長状態にある場合に、前記第1レールの前記前部分は、前記支持フレームの前記前部分を越えて延び、前記第2レールの前記前部分は、前記第1レールの前記前部分を越えて延び、前記第3レールの前記前部分は、前記第2レールの前記前部分を越えて延びる、請求項2記載のスライドレール組立体。
【請求項4】
スライドレール組立体が前記伸長状態にある場合に、前記第2レールの前記前部分は、前記第3レールの前記後部分を越えて延びる、請求項3記載のスライドレール組立体。
【請求項5】
前記支持チャンネルは、前記支持フレームの前記第1壁、前記第2壁及び前記長手方向壁によって協働して画定され、
前記支持フレームの前記第1壁と前記第2壁とのそれぞれは、第1支持部分と前記第1支持部分に対して屈曲した第2支持部分とを含み、前記支持フレームの前記長手方向壁と前記第1支持部分とのそれぞれは、第1所定厚みを有し、前記第2支持部分は、前記第1所定厚みよりも小さい第2所定厚みを有し、
前記第1レールはさらに、第1壁と、第2壁と、前記第1レールの前記第1壁及び前記第2壁の間に接続された長手方向壁とを含み、前記第1チャンネルは、前記第1レールの前記第1壁、前記第2壁及び前記長手方向壁によって協働して画定され、前記支持フレームの前記第1壁、前記第2壁及び前記長手方向壁は、前記第1レールの前記第1壁、前記第2壁及び前記長手方向壁の少なくとも一部を覆うように構成され、
前記第2チャンネルは、前記第2レールの前記第1壁、前記第2壁及び前記長手方向壁によって協働して画定され、
前記第3レールはさらに、第1壁と、第2壁と、前記第3レールの前記第1壁及び前記第2壁の間に接続された長手方向壁とを含み、前記第2支持部分は第1表面を含み、前記第3レールの前記長手方向壁は第2表面を含み、前記第1表面と前記第2表面とは同一平面上にない、請求項2ないし4のいずれか1項に記載のスライドレール組立体。
【請求項6】
ブロッキング構造と位置決め構造とが、前記支持フレームに配置され、ブロッキング特徴部と位置決め特徴部とが、前記第1レールに配置され、前記第2レールは、前記第1レールと前記第3レールとの間に移動可能に取り付けられ、
スライドレール組立体はさらに、第1作業部材と第2作業部材とを備え、前記第1作業部材は、前記第1レールに移動可能に取り付けられ、第1状態と第2状態との間で切り替え可能であり、前記第2作業部材は、前記第1レールに移動可能に取り付けられ、第3状態と第4状態とで切り替え可能であり、
前記第1レールが前記支持フレームに対して前記第1所定位置にある場合に、前記ブロッキング構造は、前記第1レールが前記第1所定位置から後退方向に移動することを防止するために、前記第1状態で前記第1作業部材をブロッキングし、
前記第1レールが、前記支持フレームに対して前記後退方向に後退することで前記支持フレームに対して第2所定位置にある場合に、前記第2作業部材は、前記第1レールが前記第2所定位置から前記開放方向に移動することを防止するために、前記第3状態で前記位置決め構造と係合する、請求項1ないし4のいずれか1項に記載のスライドレール組立体。
【請求項7】
前記第1作業部材と前記第2作業部材とは、前記第1レールに枢軸的に接続され、
スライドレール組立体はさらに、前記第1作業部材と前記第2作業部材とに弾性力を与えるようにそれぞれ構成されている第1弾性部材と第2弾性部材とを備え、
前記第1レールが前記支持フレームに対して前記第1所定位置にあり、前記第1作業部材が前記第1状態から前記第2状態に移動した場合に、前記ブロッキング構造は、前記第1レールが前記第1所定位置から前記後退方向に前記第2所定位置へ移動することを可能にするように、前記第2状態で前記第1作業部材をブロッキングしないようにする、請求項6記載のスライドレール組立体。
【請求項8】
前記第1レールが前記支持フレームに対して前記第2所定位置にあり、前記第3レールが前記第1レールに対して前記開放位置と反対側である後退位置にある場合に、前記第3レールは、前記第2作業部材を支持するように構成され、
これにより、前記第2作業部材は前記第4状態に保持され、前記第1レールが前記第2所定位置から前記開放方向に移動することを可能にするように、前記位置決め構造と係合しないようにする、請求項6記載のスライドレール組立体。
【請求項9】
支持特徴部が前記第1レールに配置され、前記第3レールが前記第1レールに対して前記後退位置にある場合に、前記第3レールを支持するように構成されている、請求項8記載のスライドレール組立体。
【請求項10】
前記第3レールは同期特徴部を含み、前記同期特徴部は、前記第1作業部材に当接し、前記第3レールが前記後退位置から前記開放方向に移動する間に、前記第3レールと前記第1レールとが同期して前記開放方向に移動することを可能にする、請求項8記載のスライドレール組立体。