(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095509
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】乾燥装置
(51)【国際特許分類】
F26B 9/00 20060101AFI20240703BHJP
A47L 23/20 20060101ALI20240703BHJP
【FI】
F26B9/00 D
A47L23/20 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023140705
(22)【出願日】2023-08-31
(31)【優先権主張番号】P 2022211811
(32)【優先日】2022-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】394006462
【氏名又は名称】株式会社クレブ
(74)【代理人】
【識別番号】100091373
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 剛
(72)【発明者】
【氏名】岸野 大輔
【テーマコード(参考)】
3L113
【Fターム(参考)】
3L113AA01
3L113AB03
3L113AC01
3L113AC48
3L113AC76
3L113BA09
3L113CB24
(57)【要約】
【課題】本発明は、従来に無い非常に実用的な乾燥装置を提供することを目的とする。
【解決手段】被乾燥物60を配設する配設部1を具備した本体2に、供給源50から前記配設部1に送風する通路部3が設けられた乾燥装置Xであって、前記通路部3は、他の同構造の乾燥装置Xの通路部3と連通連結可能に設けられたものである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被乾燥物を配設する配設部を具備した本体に、供給源から前記配設部に送風する通路部が設けられた乾燥装置であって、前記通路部は、他の同構造の乾燥装置の通路部と連通連結可能に設けられていることを特徴とする乾燥装置。
【請求項2】
請求項1記載の乾燥装置において、前記本体は棚板を上下多段に有するラック構造であり、前記通路部は、前記供給源が連通連結され前記本体の一端部に上下方向に配設される第一ダクト部と、この第一ダクト部に連通連結され前記棚板の一端部に配設される第二ダクト部と、前記棚板の他端部に配設される第三ダクト部と、前記第二ダクト部及び前記第三ダクト部夫々に連通連結され前記棚板の裏面部に配設される第四ダクト部とで構成され、また、前記第四ダクト部には、間隔を介して複数の排気孔が長手方向に並設されており、更に、前記第三ダクト部は、他の同構造の乾燥装置の前記第二ダクト部若しくは前記第三ダクト部と連通連結可能に設けられていることを特徴とする乾燥装置。
【請求項3】
請求項2記載の乾燥装置において、前記第三ダクト部は、ダクト連結用管部材を介して他の同構造の乾燥装置の前記第二ダクト部若しくは前記第三ダクト部と連通連結可能に設けられていることを特徴とする乾燥装置。
【請求項4】
請求項3記載の乾燥装置において、前記第二ダクト部は、前記ダクト連結用管部材を介して前記第一ダクト部に連通連結可能に設けられており、また、前記ダクト連結用管部材は、前記第一ダクト部が前記本体の一端部にして前記棚板の周縁における短辺位置若しくは長辺位置に配設できるように構成されていることを特徴とする乾燥装置。
【請求項5】
請求項2~4記載の乾燥装置において、前記第一ダクト部は、複数の管部材を分離自在に連結して長さが可変可能に構成されたものであることを特徴とする乾燥装置。
【請求項6】
請求項2~4いずれか1項に記載の乾燥装置において、前記第四ダクトは、前記第二ダクト部及び前記第三ダクト部同士間に複数並設されていることを特徴とする乾燥装置。
【請求項7】
請求項5記載の乾燥装置において、前記第四ダクトは、前記第二ダクト部及び前記第三ダクト部同士間に複数並設されていることを特徴とする乾燥装置。
【請求項8】
請求項1記載の乾燥装置において、前記乾燥装置の本体は、下端部に接地部を有し左右対向位置に立設される縦管材と、この縦管材同士間に連通連結される横管材とを含み、前記縦管材の一方に前記供給源が接続される導入口部が設けられ、他方に送風を導出する導出口部が設けられ、前記導出口部は、他の同構造の乾燥装置の前記導入口部と連通連結可能に設けられていることを特徴とする乾燥装置。
【請求項9】
請求項8記載の乾燥装置において、前記導出口部は、他の同構造の乾燥装置の前記導入口部と嵌合して連通連結可能に設けられていることを特徴とする乾燥装置。
【請求項10】
請求項8,9いずれか1項に記載の乾燥装置において、前記横管材には先端部に排気孔を有する排気パイプが傾斜状に立設されていることを特徴とする乾燥装置。
【請求項11】
請求項8,9いずれか1項に記載の乾燥装置において、前記横管材の下面に排気孔が設けられ、前記排気孔の下方にはハンガー吊下げ部が設けられていることを特徴とする乾燥装置。
【請求項12】
請求項1記載の乾燥装置において、前記乾燥装置の通路部は、上下縦方向に風が通過する縦方向通路部と、この縦方向通路部に連通連結され左右横方向に風が通過する横方向通路部とを含み、前記縦方向通路部の上部には、一の前記供給源を接続する上部導入口部が設けられ、前記縦方向通路部の下部には、他の前記供給源を接続する下部導入口部が設けられていることを特徴とする乾燥装置。
【請求項13】
請求項12記載の乾燥装置において、前記下部導入口部に接続される他の前記供給源は温風を発生する温風発生手段を具備することを特徴とする乾燥装置。
【請求項14】
請求項1記載の乾燥装置において、前記乾燥装置の本体は、棚板を上下多段に有するラック構造であり、前記通路部は、上下縦方向に風が通過する縦方向通路部と、この縦方向通路部に連通連結され左右横方向に風が通過する横方向通路部とを含み、前記横方向通路部は、前記棚板の裏面部に管状若しくは断面凹状の通路形成部材を付設して構成されていることを特徴とする乾燥装置。
【請求項15】
請求項1記載の乾燥装置において、前記通路部は、前記供給源を着脱自在に接続する導入口部が設けられていることを特徴とする乾燥装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乾燥装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、被乾燥物を乾燥する乾燥装置として、特許文献1に開示される乾燥装置(以下、従来例という。)が提案されている。
【0003】
この従来例は、長靴を収容して乾燥する箱体と、熱風を発生する熱風発生機とを備え、箱体内には、熱風発生機の熱風を箱体内に導入する縦パイプが設けられ、この縦パイプには、横方向に延びる分岐パイプが設けられ、更に、この分岐パイプには、分岐パイプ内の熱風を先端開口から吹出す多数の吹出パイプが設けられたものであり、この吹出パイプに長靴を被せた状態とすることで、長靴内を乾燥させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前述した乾燥装置について更なる開発を進めた結果、従来に無い非常に実用的な乾燥装置を開発した。
【課題を解決するための手段】
【0006】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0007】
被乾燥物60を配設する配設部1を具備した本体2に、供給源50から前記配設部1に送風する通路部3が設けられた乾燥装置Xであって、前記通路部3は、他の同構造の乾燥装置Xの通路部3と連通連結可能に設けられていることを特徴とする乾燥装置に係るものである。
【0008】
また、請求項1記載の乾燥装置において、前記本体2は棚板2aを上下多段に有するラック構造であり、前記通路部3は、前記供給源50が連通連結され前記本体2の一端部に上下方向に配設される第一ダクト部4と、この第一ダクト部4に連通連結され前記棚板2aの一端部に配設される第二ダクト部5と、前記棚板2aの他端部に配設される第三ダクト部6と、前記第二ダクト部5及び前記第三ダクト部6夫々に連通連結され前記棚板2aの裏面部に配設される第四ダクト部7とで構成され、また、前記第四ダクト部7には、間隔を介して複数の排気孔7aが長手方向に並設されており、更に、前記第三ダクト部6は、他の同構造の乾燥装置Xの前記第二ダクト部5若しくは前記第三ダクト部6と連通連結可能に設けられていることを特徴とする乾燥装置に係るものである。
【0009】
また、請求項2記載の乾燥装置において、前記第三ダクト部6は、ダクト連結用管部材9を介して他の同構造の乾燥装置Xの前記第二ダクト部5若しくは前記第三ダクト部6と連通連結可能に設けられていることを特徴とする乾燥装置に係るものである。
【0010】
また、請求項3記載の乾燥装置において、前記第二ダクト部5は、前記ダクト連結用管部材9を介して前記第一ダクト部4に連通連結可能に設けられており、また、前記ダクト連結用管部材9は、前記第一ダクト部4が前記本体2の一端部にして前記棚板2aの周縁における短辺位置若しくは長辺位置に配設できるように構成されていることを特徴とする乾燥装置に係るものである。
【0011】
また、請求項2~4記載の乾燥装置において、前記第一ダクト部4は、複数の管部材4A,4B,4C,4Dを分離自在に連結して長さが可変可能に構成されたものであることを特徴とする乾燥装置に係るものである。
【0012】
また、請求項2~4いずれか1項に記載の乾燥装置において、前記第四ダクト7は、前記第二ダクト部5及び前記第三ダクト部6同士間に複数並設されていることを特徴とする乾燥装置に係るものである。
【0013】
また、請求項5記載の乾燥装置において、前記第四ダクト7は、前記第二ダクト部5及び前記第三ダクト部6同士間に複数並設されていることを特徴とする乾燥装置に係るものである。
【0014】
また、請求項1記載の乾燥装置において、前記乾燥装置Xの本体2は、下端部に接地部33を有し左右対向位置に立設される縦管材30と、この縦管材30同士間に連通連結される横管材31とを含み、前記縦管材30の一方に前記供給源50が接続される導入口部30aが設けられ、他方に送風を導出する導出口部30bが設けられ、前記導出口部30bは、他の同構造の乾燥装置Xの前記導入口部30aと連通連結可能に設けられていることを特徴とする乾燥装置に係るものである。
【0015】
また、請求項8記載の乾燥装置において、前記導出口部30bは、他の同構造の乾燥装置Xの前記導入口部30aと嵌合して連通連結可能に設けられていることを特徴とする乾燥装置に係るものである。
【0016】
また、請求項8,9いずれか1項に記載の乾燥装置において、前記横管材31には先端部に排気孔32aを有する排気パイプ32が傾斜状に立設されていることを特徴とする乾燥装置に係るものである。
【0017】
また、請求項8,9いずれか1項に記載の乾燥装置において、前記横管材31の下面に排気孔31aが設けられ、前記排気孔31aの下方にはハンガー吊下げ部34が設けられていることを特徴とする乾燥装置に係るものである。
【0018】
また、請求項1記載の乾燥装置において、前記乾燥装置Xの通路部3は、上下縦方向に風が通過する縦方向通路部3Aと、この縦方向通路部3Aに連通連結され左右横方向に風が通過する横方向通路部3Bとを含み、前記縦方向通路部3Aの上部には、一の前記供給源50を接続する上部導入口部3aが設けられ、前記縦方向通路部3Aの下部には、他の前記供給源50を接続する下部導入口部3bが設けられていることを特徴とする乾燥装置に係るものである。
【0019】
また、請求項12記載の乾燥装置において、前記下部導入口部3bに接続される他の前記供給源50は温風を発生する温風発生手段を具備することを特徴とする乾燥装置に係るものである。
【0020】
また、請求項1記載の乾燥装置において、前記乾燥装置Xの本体2は、棚板2aを上下多段に有するラック構造であり、前記通路部3は、上下縦方向に風が通過する縦方向通路部3Aと、この縦方向通路部3Aに連通連結され左右横方向に風が通過する横方向通路部3Bとを含み、前記横方向通路部3Bは、前記棚板2aの裏面部に管状若しくは断面凹状の通路形成部材7を付設して構成されていることを特徴とする乾燥装置に係るものである。
【0021】
また、請求項1記載の乾燥装置において、前記通路部3は、前記供給源50を着脱自在に接続する導入口部が設けられていることを特徴とする乾燥装置に係るものである。
【発明の効果】
【0022】
本発明は上述のように構成したから、使用条件に合わせて被乾燥物の乾燥処理量を変更することができ、しかも、供給源の共有化により被乾燥物を効率良く乾燥することができるなど、従来に無い非常に実用的な乾燥装置となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図5】実施例1に係る一の乾燥装置Xの通路部3と、他の同構造の乾燥装置Xの通路部3とを連通連結した状態の説明図である。
【
図8】実施例1の別構成例を説明する正面図である。
【
図9】実施例1の別構成例を説明する正面図である。
【
図10】実施例1の別構成例を説明する正面図である。
【
図12】実施例2に係る一の乾燥装置Xの通路部3と、他の乾燥装置Xの通路部3とを連通連結した状態の説明図である。
【
図14】実施例2の別構成例を説明する正面図である。
【
図16】実施例3に係る一の乾燥装置Xの通路部3と、他の乾燥装置Xの通路部3とを連通連結した状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0025】
例えば、一の乾燥装置Xの通路部3と他の乾燥装置Xの通路部3とを通気連結する。尚、通気連結する乾燥装置Xの台数は使用条件に合わせて適宜変更する。
【0026】
供給源50から供給される送風は、一の乾燥装置Xの通路部3を通過した後、他の乾燥装置Xの通路部3を通過し、この際、各乾燥装置Xの本体2の配設部1に送風が排気され、この配設部1に配設された被乾燥物60の乾燥処理が行われる。
【0027】
従って、使用条件に合わせて被乾燥物60の乾燥処理量を変更することができ、しかも、供給源50の共有化により被乾燥物60を効率良く乾燥することができる。
【実施例0028】
<実施例1>
本発明の具体的な実施例1について図面に基づいて説明する。
【0029】
本実施例は、例えばスキー・スノーボードで使用するブーツやグローブなどの被乾燥物60を配設する配設部1を有する本体2に、供給源50から配設部1に送風する通路部3が設けられた乾燥装置Xである。尚、本実施例は、例えばスキー・スノーボードのレンタル店やホテルなどの施設に設けられる乾燥室(屋内)に設置される乾燥装置Xであり、供給源50として、加熱構造を備えず室内空気を吸引して送出する100V電源のブロワーを採用しているが、加熱構造を備えることで熱風を発生して送出する熱風発生供給装置(乾燥室でなくても被乾燥物60を乾燥処理できる装置)でも良いなど、本実施例の特性を発揮する構成であれば適宜採用するものである。また、乾燥装置Xとしては、上記に限らず乾燥処理を施す物品、例えば食品(干物など)を乾燥する為の乾燥装置など、その用途は多岐に及ぶものである。
【0030】
以下、本実施例に係る構成各部について詳細な説明をする。
【0031】
本体2は、棚板2aを上下多段に有するラック構造である。
【0032】
具体的には、本体2は、
図1,3,7に図示したように長方形状の基板2a’の周縁に周側板2a”を垂設して成る棚板2a(金属製プレート)と、この棚板2aの四隅に配され上下に配される複数の棚板2aを所定間隔を介した状態で支承する支柱部材2b(金属製丸パイプ)とで構成されている。尚、棚板2aは通気孔が多数形成された通気性を有するメッシュプレートでも良い。
【0033】
本実施例では、1台の乾燥装置Xを構成する本体2として、6枚の棚板2aを支柱部材2bを介した5段構造(最上段の棚板2aは天板として使用する構造)としており、後述する第一ダクト部4,第二ダクト部5,第三ダクト部6及び第四ダクト部8が配設される棚板2a(ダクト配設棚)は、下方に他の棚板2aが配される上段に位置する棚板2aである。
【0034】
また、最下段に位置する棚板2aの裏面部の四隅には移動用キャスター2cが設けられている。
【0035】
通路部3は、供給源50が着脱自在(取替自在)に連通連結され本体2の一端部に上下方向に配設される第一ダクト部4と、この第一ダクト部4に連通連結され棚板2a(ダクト配設棚)の一端部に前後方向(奥行き方向)に配設される第二ダクト部5と、棚板2a(ダクト配設棚)の他端部に前後方向(奥行き方向)に配設される第三ダクト部6と、第二ダクト部5及び第三ダクト部6夫々に連通連結され棚板2a(ダクト配設棚)の裏面部に左右方向(幅方向)配設される第四ダクト部7とで構成されている。
【0036】
第一ダクト部4は、複数の管部材4A,4B,4C,4Dを分離自在に継合連結して長さが可変可能に構成されたものである。
【0037】
具体的には、第一ダクト部4は、
図1~3に図示したように前述した供給源50と蛇腹形状の筒部材51を介して通気連結される導入筒部4aを有し最上部位に配される有天の管部材4A(金属製角筒部材)と、後述するダクト連結用管部材9と通気連結される丸型フランジ付き導出筒部4bを有し他の管部材4A,4C,4Dと通気連結(嵌合連結)する管部材4B(金属製角筒部材)と、上下の管部材4B同士間に配され該管部材4Bに通気連結(嵌合連結)される管部材4C(金属製角筒部材)と、最下部位の管部材4Bの下部に通気連結(嵌合連結)されて該管部材4Bの下部開口部を閉塞する有底の管部材4D(金属製角筒部材)とで構成されている。符号4b’は後述するダクト連結用管部材9の丸型フランジ9bと重合連結する丸型フランジである。
【0038】
本実施例では、1台の乾燥装置Xを構成する第一ダクト部4として、第二ダクト部5,第三ダクト部6及び第四ダクト7が配設される棚板2a(ダクト配設棚)の数に対応して5個の管部材4Bが用意され、更に、この管部材4Bの間に設けられる4個の管部材4Cと、最上部位の管部材4Bの上部に配される1個の管部材4Aと、最下部位の管部材4Bの下部に配される1個の管部材4Dが用意され、これら管部材4A,4B,4C,4Dを通気連結(嵌合連結)することで第一ダクト部4は構成されている。
【0039】
従って、これら管部材4A,4B,4C,4Dの組み合わせにより、第一ダクト部4は、本体2の段数(高さ)に対応した任意の長さに設定することができ、供給源50は最上段の棚板2aの上面部だけでなく、棚板2a同士の間に配置して省スペース化を図ることもできる。
【0040】
第二ダクト部5及び第三ダクト部6は同構造(共通パーツ)である。
【0041】
具体的には、第二ダクト部5及び第三ダクト部6は、
図1~3に図示したように棚板2aの短辺と略同一長さを有する管状体(金属製角筒部材)であり、上面には棚板2aの端部(短辺)に止着するための突板形状の止着部5a,6aが設けられている。
【0042】
また、第二ダクト部5及び第三ダクト部6は、下面にして前後位置にはダクト連結用管部材9が通気連結する方形状の通気開口部5b,6bが設けられ、更に、内面にして前後位置には後述する第四ダクトが通気連結する円形状の通気開口部5c,6cが設けられている。
【0043】
また、通気開口部5b,6bを開放可能に閉塞する閉塞板5d,6dが設けられており、使用条件に応じて使用しない通気開口部5b,6bを閉塞するように構成されている。
【0044】
本実施例では、1台の乾燥装置Xを構成する第二ダクト部5及び第三ダクト部6として、第四ダクト7が配設される棚板2a(ダクト配設棚)の数に対応して5個ずつ用意され、第二ダクト部5は棚板2aの一の端部に止着すると共に一方の通気開口部5bを第一ダクト部4にダクト連結用管部材9を介して通気連結し、第三ダクト部6は棚板2aの他の端部に止着する。この際、第二ダクト部5の使用しない他方の通気開口部5bは閉塞板5dで閉塞されている。
【0045】
従って、通気開口部5b,6bを選択することで第一ダクト部4の配設位置を変更することができる。
【0046】
また、本実施例は、乾燥装置Xを単独で使用する場合には、第三ダクト部6の各通気開口部6bは閉塞板6dで閉塞され、同構造の乾燥装置Xを複数並設して使用する場合には、第三ダクト部6の通気開口部6bは、ダクト連結用管部材9を介して他の同構造の乾燥装置Xの第二ダクト部5若しくは第三ダクト部6と連通連結可能に設けられている。
【0047】
具体的には、
図5に図示したように第三ダクト部6の一方の通気開口部6bに設けたダクト連結用管部材9と、他の同構造の乾燥装置Xの第二ダクト部5の通気開口部5bに設けたダクト連結用管部材9とを連結することで乾燥装置X同士を通気連結することができる。
【0048】
従って、一台の供給源50を使用して複数台の乾燥装置Xにより被処理物60を乾燥処理することができる。
【0049】
尚、前述したように第二ダクト部5と第三ダクト部6は同構造(共通パーツ)であり、第二ダクト部5でなく、第三ダクト部6に第一ダクト部4を通気連結したり、この場合、第二ダクト部5の通気開口部5bを、ダクト連結用管部材9を介して他の同構造の乾燥装置Xの第二ダクト部5若しくは第三ダクト部6と連通連結するようにしても良いのは勿論である。
【0050】
第四ダクト部7は、
図1~3に図示したように棚板2aの長辺(幅)と略同一長さを有する管状体(金属製円筒部材)であり、両端部は第二ダクト部5及び第三ダクト部6の通気開口部5c,6cに止着部材8を介して連結するように構成されている。符号8aはパッキンである。
【0051】
尚、第四ダクト部7は、棚板2a(基板2a’)の裏面部(下面)に直接付設(ねじ止め若しくは溶接)しても良く、この場合、棚板2aの補強構造として機能する。
【0052】
また、第四ダクト部7の下面部には間隔を介して複数の排気孔7aが長手方向に並設されている。この排気孔7aの間隔は被乾燥物60のサイズに合わせて適宜設定される。
【0053】
本実施例では、1台の乾燥装置Xを構成する第四ダクト部7として、第二ダクト部5及び第三ダクト部6が配設される棚板2a(ダクト配設棚)の数に対応して10本用意され、第二ダクト部5に一端部を連結すると共に、第三ダクト部6に他端部を連結する。
【0054】
ダクト連結用管部材9は、
図1~3に図示したように上下に開口する第一筒部9A(金属製角筒部材)と、この第一筒部9Aの周面から突出する第二筒部9B(金属製角筒部材)とで構成されている。
【0055】
第一筒部9Aは、上下の端部開口部に角型フランジ9aが設けられ、第二ダクト部5及び第三ダクト部6の通気開口部5b,6bに通気連結可能に構成されている。
【0056】
また、第一筒部9Aの上下の端部開口部を開放可能に閉塞する閉塞板9cが設けられており、使用条件に応じて使用しない方の端部開口部を閉塞するように構成されている。
【0057】
第二筒部9Bは、L字状に屈曲形成されており、この第二筒部9Bの先端開口部における開口方向は、第一筒部9Aの長手方向と直交する関係に設定されている。
【0058】
また、第二筒部9Bの先端開口部には第一ダクト部4(管部材4Bの導出筒部4b)の丸型フランジ4b’に重合連結する丸型フランジ9bが設けられている。
【0059】
従って、第二ダクト部5は、ダクト連結用管部材9を介して第一ダクト部4に連通連結可能であり、このダクト連結用管部材9における通気連結しない方の端部開口部は閉塞板9cで閉塞されている。
【0060】
また、ダクト連結用管部材9は、前述した構成(形状)から、第一ダクト部4が本体2の一端部にして棚板2aの周縁における短辺位置若しくは長辺位置に配設できるように構成されている。
【0061】
具体的には、
図6,7は通気連結された第一ダクト部4と第二ダクト部5を底面方向から見た状態を図示したものであり(図の上側が棚板2aの前方)、ダクト連結用管部材9を反転させて第一ダクト部4への連結部位と第二ダクト部5への連結部位を切り替えることで、第一ダクト部4が本体2の一端部にして棚板2aの周縁における短辺位置(
図6の状態)若しくは長辺位置(
図7の状態)に配設できることになる。
【0062】
尚、通路部3を構成する、第一ダクト部4,第二ダクト部5,第三ダクト部6,第四ダクト部7及びダクト連結用管部材9を合成樹脂製の部材から成る成形品としても良い。
【0063】
図8は、二台の供給源50を備えた本実施例の別構成例である。
【0064】
具体的には、通路部3は、縦方向に風が通過する縦方向通路部3A(第一ダクト部4)と、この縦方向通路部3Aに連通連結され横方向に風が通過する横方向通路部3B(第二ダクト部5,第三ダクト部6及び第四ダクト部7)とを含み、縦方向通路部3Aを構成する上部の管部材(有天の管部材4A)には、一の供給源50を着脱自在(取替自在)に接続する上部導入口部3aが設けられ、縦方向通路部3Aの下部の管部材(有底の管部材4D)には、他の供給源50を着脱自在(取替自在)に接続する下部導入口部3bが設けられている。
【0065】
また、本実施例では、下部導入口部3bに接続される供給源50(下部供給源)として、温風を発生する温風発生手段(加熱構造)を具備した温風供給装置を採用している。尚、上部導入口部3aに接続される供給源50(上部供給源)を温風供給装置としても良いし、上部導入口部3a及び下部導入口部3b双方に温風発生手段(加熱構造)を具備しない供給源50を接続するようにしても良い。
【0066】
従って、上下二つの供給源50を備えることで、良好且つ迅速に乾燥処理が行われることになる。
【0067】
また、本実施例は、下部導入口部3bに接続される供給源50は温風を発生する温風発生手段を具備するから、暖気が上方に移動する性質を利用して良好に乾燥させることができ、しかも、コスト安な構造となる。
【0068】
また、本実施例は、上部導入口部3aに接続される供給源50は温風発生手段(加熱構造)を具備しないブロアーを採用することで、比較的暖かい空気のある室内の上部空気を利用することでコスト安に良好な乾燥処理が行える。
【0069】
図9,10は、棚板2aの裏面部に横方向通路部3Bを設けた本実施例の別構成例である。
【0070】
具体的には、通路部3は、上下縦方向に風が通過する縦方向通路部3Aと、この縦方向通路部3Aに連通連結され左右横方向に風が通過する横方向通路部3Bとを含み、横方向通路部3Bは、棚板2a(基板2a’)の裏面部(下面)に断面凹状(チャネル形状)の通路形成部材7を直接付設(ねじ止め若しくは溶接)して構成されている。尚、通路形成部材7は管状のものでも良い。
【0071】
この通路形成部材7は底面視H字形状であり、左右両端端部は、左右の周側板2a”夫々に設けられた開口部に連通連結可能に構成されている。尚、使用しない開口部には蓋材10が付設される。
【0072】
従って、縦方向通路部3Aと横方向通路部3Bとの連結構造及び横方向通路部3Bは、部品点数が少なくシンプルな構造で簡易に且つコンパクトに構築することができ、しかも、通路形成部材7は棚板2aを補強する機能も発揮する。符号7aは排気孔である。
【0073】
以上の構成から成る本実施例に係る乾燥装置Xにおける被乾燥物60の乾燥処理について説明する。
【0074】
乾燥装置Xの単独使用においては、供給源50から供給される送風は、第一ダクト部4、第二ダクト部5、第四ダクト部7、第三ダクト部6の順に送られる。この際、第四ダクト部7の排気孔7aから本体2の配設部1に送風が排気され、この配設部1に配設された被乾燥物60の乾燥処理が行われる(
図4参照)。
【0075】
乾燥装置Xの複数台使用(2台使用)においては、一の乾燥装置Xの通路部3と他の乾燥装置Xの通路部3とを通気連結する。
【0076】
供給源50から供給される送風は、一の乾燥装置Xの通路部3(第一ダクト部4、第二ダクト部5、第四ダクト部7、第三ダクト部6)を通過した後、他の乾燥装置Xの通路部3(第二ダクト部5、第四ダクト部7、第三ダクト部6)の順に送られる。この際、各乾燥装置Xにおける第四ダクト部7の排気孔7aから本体2の配設部1に送風が排気され、この配設部1に配設された被乾燥物60の乾燥処理が行われる。
【0077】
よって、本実施例によれば、組み立て式であるため、搬送・設置・撤去が極めて良好に行えることになり、しかも、簡易構造故にコスト安にして量産性に秀れ、そして更に、設置スペースに合わせたサイズや形状(仕様)に構築することができる。
【0078】
また、本実施例は、使用条件に合わせて被乾燥物60の乾燥処理量を変更することができ、しかも、供給源50の共有化により被乾燥物60を効率良く乾燥することができる。
【0079】
また、本実施例は、供給源50が別途設けられる構成であるから、供給源50が故障した場合には、この供給源50のみを交換するだけで簡易且つ迅速に対応可能(専門業者不要)となり(本体2は永続的に使用可能となる。)、しかも、特に供給源50を外した状態での本体2の移動が簡易に行える。
【0080】
<実施例2>
本発明の具体的な実施例2について図面に基づいて説明する。
【0081】
本実施例は、被乾燥物60を配設する配設部1を有する本体2に、供給源50から配設部1に送風する通路部3が設けられた乾燥装置Xであって、本体2は、下端部に接地部33を有し左右対向位置に立設される縦管材30と、この縦管材30同士間に連通連結される4本の横管材31とを含むスタンド構造である。尚、符号33aは移動用キャスターである。
【0082】
具体的には、縦管材30及び横管材31は、
図11に図示したように適宜な金属製の角パイプであり、この縦管材30及び横管材31の内空間が供給源50から送出される送風が通過する通路部3として構成されている。
【0083】
また、左右の縦管材30のうち、一方の縦管材30に供給源50が接続される導入口部30aが設けられ、他方の縦管材30に通路部3内を通過した送風を導出する導出口部30bが設けられ、この導出口部30bにはキャップ形状の閉塞蓋30cが設けられている。
【0084】
また、導出口部30bは、他の同構造の乾燥装置Xの導入口部30aと連通連結可能に設けられている。
【0085】
具体的には、導出口部30bは、
図12に図示したように他の同構造の乾燥装置Xの導入口部30aと嵌合して連通連結可能に設けられている。
【0086】
従って、一台の供給源50を使用して複数台の乾燥装置Xにより被処理物60を乾燥処理することができる。
【0087】
また、横管材31には先端内面部に排気孔32aを有する排気パイプ32が傾斜状に立設されている。
【0088】
従って、この排気パイプ32に被乾燥物60としてのブーツ(スキーブーツやスノーボードブーツや長靴)を被せた状態とすることで、ブーツの内部を良好に乾燥させることができる(
図13参照)。
【0089】
図14は別構成例であり、左右の縦管材30における下部同士間に連通連結され横部材31よりも径大な角型ケース状部材から成る空気溜まり部36が設けられ、この空気溜まり部36の内空間は、横管材31の内空間よりも大きな体積を有するように構成されている。
【0090】
従って、導入口部30aから導入された暖かい空気(室内空気)は、空気溜まり部36に溜められ、この空気溜まり部36を通過して縦管材30を上昇して各横管材31に熱のロスが少なく暖かい空気を良好に供給されることになる。
【0091】
その余は実施例1と同様である。
【0092】
<実施例3>
本発明の具体的な実施例3について図面に基づいて説明する。
【0093】
本実施例は、被乾燥物60を配設する配設部1を有する本体2に、供給源50から配設部1に送風する通路部3が設けられた乾燥装置Xであって、本体2は、下端部に接地部33を有し左右対向位置に立設される縦管材30と、この縦管材30同士間に連通連結される2本の横管材31とを含むスタンド構造である。尚、符号33aは移動用キャスターである。
【0094】
具体的には、縦管材30及び横管材31は、
図15に図示したように適宜な金属製の角パイプであり、この縦管材30及び横管材31の内空間が供給源50から送出される送風が通過する通路部3として構成されている。
【0095】
また、左右の縦管材30のうち、一方の縦管材30に供給源50が接続される導入口部30aが設けられ、他方の縦管材30に通路部3内を通過した送風を導出する導出口部30bが設けられ、この導出口部30bにはキャップ形状の閉塞蓋30cが設けられている。
【0096】
また、導出口部30bは、他の同構造の乾燥装置Xの導入口部30aと連通連結可能に設けられている。
【0097】
具体的には、導出口部30bは、
図16に図示したように他の同構造の乾燥装置Xの導入口部30aと嵌合して連通連結可能に設けられている。
【0098】
従って、一台の供給源50を使用して複数台の乾燥装置Xにより被処理物60を乾燥処理することができる。
【0099】
また、上側の横管材31の下面には、排気孔31aが設けられ、この排気孔31aの下方にして左右の縦管材30同士間には棒状のハンガー吊下げ部34が架設されている。
【0100】
従って、このハンガー吊下げ部34に被乾燥物60としての衣類(ウエアー)を掛けたハンガー35を吊り下げた状態とすることで、衣類を良好に乾燥させることができる(
図15参照)。
【0101】
その余は実施例1と同様である。
【0102】
尚、本発明は、実施例1~3に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。