(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095539
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】電池セルの構造、電池モジュール、及び電池パック
(51)【国際特許分類】
H01M 50/533 20210101AFI20240703BHJP
H01M 50/176 20210101ALI20240703BHJP
H01M 50/55 20210101ALI20240703BHJP
H01M 50/536 20210101ALI20240703BHJP
H01M 50/15 20210101ALI20240703BHJP
【FI】
H01M50/533
H01M50/176
H01M50/55 101
H01M50/536
H01M50/15
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023197769
(22)【出願日】2023-11-21
(31)【優先権主張番号】202211701992.1
(32)【優先日】2022-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】507357232
【氏名又は名称】株式会社AESCジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100204490
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 葉子
(72)【発明者】
【氏名】車 佩佩
(72)【発明者】
【氏名】張 杰
(72)【発明者】
【氏名】錢 佳
(72)【発明者】
【氏名】曹 生榮
【テーマコード(参考)】
5H011
5H043
【Fターム(参考)】
5H011AA03
5H011BB03
5H011EE04
5H043AA05
5H043AA19
5H043CA04
5H043CA12
5H043CA13
5H043CB04
5H043EA02
5H043EA07
5H043EA32
5H043EA35
5H043EA36
5H043EA39
5H043HA02E
5H043HA06E
5H043HA09E
5H043HA17E
5H043JA01E
5H043JA02D
5H043JA03E
5H043JA06E
5H043LA02E
5H043LA21E
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ピンとタブの接続方法を改善し、エネルギー密度を向上させた電池セル構造体を提供する。
【解決手段】電池セル構造、電池モジュール、及び電池パックが提供される。電池セル構造は、ハウジング26と、電極アセンブリと、トップカバーアセンブリ12と、ピン部13を含む。電極アセンブリは、ハウジング内に配置される。電極アセンブリは、電池セル本体10と、電池セル本体から延びるタブ11と、を含む。トップカバーアセンブリは、トップカバーと、その上に配置された電極端子と、を含む。トップカバー本体は、ハウジングに接続され、ピン部は、互いに接続された端子接続部と、タブガイド部と、を含む。端子接続部は、電極端子に接続される。タブガイド部は、タブに接続される。端子接続部は、タブガイド部に接続される。タブガイド部の電極アセンブリから離れた片側は外面である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジングに配置され、電池セル本体と、前記電池セル本体から延びるタブと、を備える電極アセンブリと、
トップカバー本体と、前記トップカバー本体上に配置された電極端子とを備え、前記トップカバー本体は前記ハウジングに接続されたトップカバーアセンブリと、
端子接続部とタブガイド部を備え、前記端子部が前記タブガイド部に接続され、前記端子接続部は前記電極端子に接続され、前記タブガイド部は前記タブに接続され、前記タブガイド部の前記電極アセンブリから離れた一面は外面であり、前記外面の一部が凹んで溝を形成する前記ピン部と、
を備える電池セル構造。
【請求項2】
前記タブが部分的に前記溝内に収容される、請求項1に記載の電池セル構造体。
【請求項3】
前記溝の底部は底壁面を有し、前記底壁面は、前記電極アセンブリに近づく方向に沿って凹み、貫通溝を形成する、請求項1に記載の電池セル構造体。
【請求項4】
前記貫通溝は、前記トップカバーアセンブリに近い位置から前記トップカバーアセンブリから離れる方向に延びる、請求項3に記載の電池セル構造体。
【請求項5】
前記貫通溝は、前記ピン部を前記トップカバーアセンブリに近い位置から前記トップカバーアセンブリから離れる方向に貫通する、請求項4に記載の電池セル構造体。
【請求項6】
前記タブは、前記タブガイド部の片側から前記外面に折り曲げられる、請求項1に記載の電池セル構造体。
【請求項7】
前記タブの端部は、前記タブガイド部の中央に向けて延び、前記タブの前記端部は、前記溝内に収容される、請求項6に記載の電池セル構造体。
【請求項8】
前記タブの端部は、前記タブガイド部の中央に向けて延び、前記タブの前記端部は、前記溝内に収容されない、請求項6に記載の電池セル構造体。
【請求項9】
前記電極アセンブリは、第1の電極アセンブリと、第2の電極アセンブリと、を含み、第1のタブは、前記第1の電極アセンブリから延び、第2のタブは、前記第2の電極アセンブリから延び、前記第1のタブと前記第2のタブは、それぞれ前記タブガイド部の対向する側から前記タブガイド部の中央に延びる、請求項8に記載の電池セル構造体。
【請求項10】
前記第1のタブの端部と、前記第2のタブの端部は互いに交差し、前記第1のタブと前記第2のタブの前記交差により形成される交差部分は、前記溝内に収容される、請求項9に記載の電池セル構造体。
【請求項11】
前記第1のタブと前記第2のタブの端部は互いに交差しない、請求項9に記載の電池セル構造体。
【請求項12】
前記タブの少なくとも一部は互いに重畳し、前記タブ同士が重なり合って形成された重畳部分が、前記溝内に収容される、請求項1に記載の電池セル構造体。
【請求項13】
少なくとも2つの前記タブは、それぞれ前記タブガイド部の両側から前記外面に折り曲げられ、少なくとも2つの前記タブの終端が重畳し、端子端同士が重なり合って形成された重畳部分が前記溝に収容される、請求項11に記載の電池セル構造体。
【請求項14】
前記溝は、前記タブガイド部の長さ方向に沿って延び、前記溝の長さは前記タブの長さ以上である、請求項1に記載の電池セル構造体。
【請求項15】
前記溝は、前記外面の中央に配置される、請求項1に記載の電池セル構造体。
【請求項16】
前記溝の側壁面と前記外面との間に滑らかな移行が形成され、第1の円弧部を形成する、請求項1に記載の電池セル構造体。
【請求項17】
前記溝の底部は底壁面を有し、前記底壁面と前記外面との間の高さの差は、少なくとも単一の前記タブの厚さである、請求項1に記載の電池セル構造体。
【請求項18】
前記溝の底部は底壁面を有し、前記底壁面は、前記電極アセンブリに近づく方向に沿って凹み、貫通溝を形成し、
前記タブは、前記貫通溝を通過し、前記底壁面に重畳する、請求項1に記載の電池セル構造体。
【請求項19】
請求項1~18のいずれか一項に記載の電池セル構造体を備える、電池モジュール。
【請求項20】
請求項1~18のいずれか一項に記載の電池セル構造体を備える、電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池セル構造の分野に関し、特に、電池セル構造、電池モジュール、及び電池パックに関する。
【背景技術】
【0002】
電池内部にはタブとピンがあり、ピンはタブに電気的に接続されている。タブとピンを溶接する既存の技術プロセスは次の通りである。まず、タブを超音波平面溶接し、次にタブを切断し、最後にタブとピンをレーザー溶接する。
【0003】
ピンとタブの溶接方法には多くの問題がある。まず、タブの切断プロセスでは、金属片が大量に発生するが、清掃が難しく、電池コア内部に残り、絶縁不良を引き起しやすくなる。次に、電池セルの2つのタブを両側からピンに巻き付ける。既存のピンの構造による制限により、タブは部分的にピンと重畳する。タブが切断されていない場合、重畳領域の厚さが増加し、電池の内部空間を占有するだけでなく、電池のエネルギー密度も低下する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的課題は、ピンとタブの不合理な接続方法という従来技術の欠点を克服することである。不合理な接続方法は、タブがピンの上に重畳するため大きな空間を必要とし、電池のエネルギー密度が低下する。
【0005】
上記の技術的課題を解決するために、本発明は、電池セル構造、電池モジュール、及び電池パックを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の技術的問題を解決するために、本発明が採用する技術的解決策は、ハウジングと、電極アセンブリと、トップカバーアセンブリと、ピン部と、を含む電池セル構造である。電極アセンブリは、ハウジング内に配置され、電極アセンブリは電池セル本体と、電池セル本体から延びるタブと、を含む。トップカバーアセンブリは、トップカバー本体と、トップカバー本体上に配置された電極端子と、を含む。トップカバー本体はハウジングに接続される。ピン部は、互いに接続される端子接続部と、タブガイド部とを含む。端子接続部は、電極端子に接続される。タブガイド部は、タブに接続される。端子接続部は、タブガイド部に接続される。タブガイド部の電極アセンブリから離れた一面は外面であり、外面の一部が凹んで溝を形成し、タブが部分的に溝内に収容される。
【0007】
本解決策では、タブは電池セル本体から突出し、タブガイド部の外面に取り付けられる。タブの一部が溝内に収容されるので、タブの一部がタブガイド部の厚さ空間に隠れることにより、タブの終端が占める空間が低減され、電池セルのエネルギー密度の向上に貢献する。また、タブの端子端を切断する必要がないため、金属片が発生せず、電池セル内の絶縁が確保される。
【0008】
好ましくは、タブが部分的に溝内に収容される。
【0009】
好ましくは、溝の底部は底壁面を有し、底壁面は電極アセンブリに近づく方向に沿って凹み、貫通溝を形成する。
【0010】
好ましくは、貫通溝は、トップカバーアセンブリに近い位置からトップカバーアセンブリから離れる方向に延びる。
【0011】
好ましくは、貫通溝は、トップカバーアセンブリに近い位置からトップカバーアセンブリから離れる方向にピン部を貫通するまで延びる。
【0012】
好ましくは、タブは、タブガイド部の片側から外面に折り曲げられる。
【0013】
好ましくは、タブの端部は、タブガイド部の中央に向けて延び、タブの端部は溝内に収容される。
【0014】
好ましくは、タブの端部は溝に収容されない。
【0015】
好ましくは、電極アセンブリは、第1の電極アセンブリと、第2の電極アセンブリと、を含む。第1のタブは、第1の電極アセンブリから延び、第2のタブは第2電極アセンブリから延び、第1のタブと第2のタブは、それぞれタブガイド部の対向する側のウェブからタブガイド部の中央に延びる。
【0016】
好ましくは、第1のタブと第2のタブの端部は互いに交差し、交差部分が溝内に収容される。
【0017】
好ましくは、第1のタブと第2のタブの端部は互いに交差しない。
【0018】
好ましくは、タブの少なくとも一部は互いに重畳し、重畳部分は溝内に収容される。
【0019】
この技術的解決策では、過剰な長さのタブが重畳して溝内に収容されるため、タブガイド部の厚さ方向においてタブの重畳部分が占める空間が低減され、電池セルのエネルギー密度が向上する。
【0020】
好ましくは、少なくとも2つのタブは、それぞれタブガイド部の両側から外面に向けて折り曲げられ、少なくとも2つのタブの終端が重畳し、重畳部分が溝内に収容される。
【0021】
本解決策では、少なくとも2つのタブが電極アセンブリに近い側から外面に向けて折り曲げられ、少なくとも2つのタブの終端の重畳部分が溝内に収容される。これにより、タブの終端の重畳部分が占める空間が低減され、電池セルのエネルギー密度の向上に貢献する。
【0022】
好ましくは、溝はタブガイド部の長さ方向に沿って延び、溝の長さはタブの長さ以上である。
【0023】
本解決策では、タブの長さは溝の長さ以下であるため、溝の外に露出した余分な部分を残すことなくタブを溝内に完全に配置することができ、それによってタブが占める空間が減少する。
【0024】
好ましくは、溝は外面の中央に配置される。
【0025】
本解決策では、溝は外面の中央に配置されるため、タブガイド部の両側と溝の間の距離が同じになる。したがって、同じ長さの2つのタブがそれぞれタブガイド部の両側からタブガイド部を囲んで良い。2つのタブの重畳領域は、2つの電極アセンブリの位置を定義する溝の位置のちょうど反対側に位置する。さらに、2つの電極アセンブリのタブは同じ長さであるため、2つの電極アセンブリの構成順序を考慮する必要がなく、誤操作によりタブの重畳部分を溝に位置合わせできないという状況が回避され、フールプルーフ効果が良好となる。
【0026】
好ましくは、溝の側壁面と外面との間に滑らかな移行が形成され、第1の円弧部を形成する。
【0027】
本解決策では、タブは外面から溝まで延び、第1の円弧部で折り曲げられ、鋭利角で圧迫されてタブが破損することが防止される。
【0028】
好ましくは、溝の底部は底壁面を有し、底壁面と外面との間の高さの差は、少なくとも単一のタブの厚さである。
【0029】
本解決策では、2つのタブは、それぞれタブガイド部の両側からタブガイド部を囲む。第1のタブの終端は溝内に凹み、タブの終端は高レベルから低レベルで形成されている。第2のタブは低レベルにあり、底壁面と外面との間の高さの差によって制限され、高レベルと低レベルとの高さの差は、少なくとも単一のタブの厚さである。したがって、第2のタブの上面は、第1のタブの上面から突出しない。
【0030】
好ましくは、溝の底部は底壁面を有し、底壁面は、電極アセンブリに近づく方向に沿って凹み、貫通溝を形成する。タブは、電極アセンブリにより貫通溝を通って溝に入り、タブの終端は折り曲げられ、底壁面に重畳する。
【0031】
本解決策では、タブがタブガイド部の中央から溝を通過し、タブの終端が溝内に延びて底壁面上に載置される。このようにして、タブの終端が外面から突出しないため、電池セルのエネルギー密度の向上に貢献する。
【0032】
電池モジュールは、上記の電池セル構造を含む。
【0033】
本解決策では、上記電池セル構造は、電池モジュールに適用され、電池モジュールの内部空間を節約し、それによって電池モジュール全体のエネルギー密度を高めることができる。
【0034】
電池パックは、上記電池セル構造又は上記電池モジュールを含む。
【0035】
本解決策では、上記セル構造又は電池モジュールは電池パック内に適用され、これにより電池パック内の無効空間の量が低減され、それによって単位体積当たり電池に含まれる電力が増加する。
【0036】
当該分野における常識に基づいて、上述の好ましい条件を自由に組み合わせて、本発明の好ましい例を得ることができる。
【発明の効果】
【0037】
本発明の有利な効果は、タブは電池セル本体から突出し、タブガイド部の外面に取り付けられ、タブの一部が溝内に収容されるので、タブの一部がタブガイド部の厚さ空間に隠れることにより、タブの終端が占める空間が低減され、電池セルのエネルギー密度の向上に貢献する。また、タブの端子端を切断する必要がないため、金属片が発生せず、電池セル内の絶縁が確保される。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】本発明の電池セル構造の実施形態1における分解構造を示す概略図である。
【
図2】
図1のトップカバーアセンブリ及びピン部の概略構造図である。
【
図4】本発明の電池セル構造の実施形態1におけるタブガイド部を囲むタブの概略図である。
【
図5】本発明の電池セル構造の実施形態2におけるピン部の概略構造図である。
【
図7】本発明の電池セル構造の実施形態2におけるタブガイド部を囲むタブの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本発明は、実施形態を用いて、添付の図面と併せて以下でより明確かつ完全に説明されるが、本発明は実施形態の範囲に限定されない。
【0040】
実施形態1
【0041】
図1~
図4は、本発明の電池セル構造の実施形態を示す。
図1及び
図2に示すように、それは、ハウジング26と、電極アセンブリと、トップカバーアセンブリ12と、ピン部13と、を含み、電極アセンブリはハウジング26の内部に設けられ、電極アセンブリは、電池セル本体10と、電池セル本体10から延びるタブ11と、を含む。
【0042】
電池セル本体10は、積層体であっても良いし、巻芯であっても良い。
【0043】
トップカバーアセンブリ12は、トップカバー本体14と、トップカバー本体14上に配置された電極端子15と、を含み、トップカバー本体14は、ハウジング26に接続される。
【0044】
ピン部13は、互いに接続された端子接続部16と、タブガイド部17と、を含む。端子接続部16は電極端子15に接続され、タブガイド部17はタブ11に接続され、端子接続部16はタブガイド部17に接続される。
【0045】
タブガイド部17の電極アセンブリから離れた一面は外面18であり、外面18の一部が凹んで溝19を形成し、タブ11の一部が溝19内に収容される。
【0046】
本実施形態において、タブ11の一部が溝19内に収容されることにより、タブ11の一部がタブガイド部17の厚さ空間に隠れるため、タブ11が占める空間が低減され、これにより、電池セルのエネルギー密度が向上する。また、タブ11の余剰部分を溝19内に収容することができるので、タブ11の終端の余剰部分を切断する必要がない。そのため、金属片が発生せず、金属片の存在によって電池セル内の絶縁が損傷されることもない。このようにして、電池セルの安全性を向上させることができる。
【0047】
好ましくは、タブ11の少なくとも一部は互いに重畳し、重畳部分は溝19内に収容される。
【0048】
なお、いくつかの実施形態では、タブ11の終端が折り畳まれて溝19内に収容される。他の実施形態では、タブ11の中央部分が折り畳まれて溝19内に収容される。上記2つの実施形態のいずれによっても、タブガイド部17の厚さ空間内にタブ11を隠すことができ、タブ11が占める空間を減少させることができる。
【0049】
好ましくは、少なくとも2つのタブ11は、それぞれタブガイド部17の両側から外面18に向けて折り曲げられ、少なくとも2つのタブ11の終端は互いに重畳し、重畳部分が溝19内に収容される。
【0050】
本実施形態では、2つのタブ11をそれぞれタブガイド部17の両側から外面18に向けて折り曲げ、2つのタブ11の終端の重畳部分を溝19内に収容する。これにより、タブの終端における重畳部分が占める空間が低減され、電池セルのエネルギー密度を向上させることができる。
【0051】
本発明の他の実施形態において、複数のタブ11は、タブガイド部17の片側から外面18まで折り曲げられ、複数のタブ11は、タブガイド部17の他方側から外面18に向けて折り曲げられる。両側の複数のタブ11は外面18で重畳し、その重畳部分が溝19内に収容される。
【0052】
好ましくは、溝19はタブガイド部17の長さ方向に沿って延び、溝19の長さはタブ11の長さ以上である。
【0053】
いくつかの実施形態において、溝19の長さはタブ11の長さよりも長い。タブ11の長さは溝19の長さよりも短いため、溝の外側に露出した余分な部分を残さずにタブ11を溝19内に完全に配置することができ、それによってタブ11が占める空間を低減することができる。
【0054】
いくつかの他の実施形態において、溝19の長さはタブ11の長さと等しく、タブ11は溝19内に正確かつ完全に設置することができる。
【0055】
図4に示すように、いくつかの実施形態において、電極アセンブリの数は2つであり、2つの電極アセンブリは互いに積層され、2つのタブ11はそれぞれタブガイド部17の両側からタブガイド部17を囲む。2つのタブ11は、外面18において互いに重畳し、重畳部分が溝19内に配置される。これにより、タブ11の重畳部分が占める空間が低減され、空間利用率が向上する。
【0056】
なお、電極アセンブリの数は2つに限定されない。本発明の他の実施形態において、電極アセンブリの数は1つであり、1つのタブ11がタブガイド部17の片側からタブガイド部17を囲む。タブ11の終端の余剰部分は折り畳まれて溝19内に配置され、これにより、余剰のタブ11の切断を回避し、タブ11の終端が占める空間を低減する。
【0057】
図3に示すように、いくつかの実施形態において、溝19は外面18の中央に配置される。
【0058】
本実施形態において、2つのタブ11の長さは同じであり、2つのタブ11はタブガイド部17の外面18に向けて両側から折り曲げられ、2つのタブ11は外面18の中央で重畳し、その重畳部分が溝19の位置に直接面する。
【0059】
溝19は、タブガイド部17の両側と溝19との間の距離が同じになるように、外面18の中央に配置され、したがって、同じ長さの2つのタブ11がそれぞれタブガイド部17の両側からタブガイド部17を囲むことができる。2つのタブ11の重畳領域は、2つの電極アセンブリの位置を画定する溝19の位置とちょうど対向する。
【0060】
また、2つの電極アセンブリのタブ11は同じ長さであるため、2つの電極アセンブリの構成順序を考慮する必要がなく、これにより誤操作によりタブ11の重畳部分を溝19に位置合わせできないという状況が回避され、フールプルーフ効果が良好となる。
【0061】
なお、溝19の位置は上記中央位置に限定されるものではない。本発明の他の実施形態において、溝19は、2つのタブ11の異なる長さに対応するために、実際の必要に応じてタブガイド部17の中心位置からずれていても良い。
【0062】
図3に示すように、好ましくは、第1の円弧部20は、溝19の側壁面と外面18との間の滑らかな移行によって形成される。
【0063】
本実施形態において、タブ11は、外面18から溝19まで延び、第1の円弧部20で折り曲げられる。第1の円弧部20の表面は平滑であるため、鋭利角で圧迫されてタブ11が破損することが防止される。
【0064】
好ましくは、溝19の底部は底壁面21を有し、底壁面21と外面18との高さの差は、少なくとも単一のタブ11の厚さである。
【0065】
図4に示すように、いくつかの実施形態において、第1のタブ24は、タブガイド部17の片側から折り曲げられ、タブガイド部17を囲み、第1のタブ24の終端は折り曲げられ、溝19内に凹み、高レベルと低レベルを形成する。
【0066】
第2のタブ25は、タブガイド部17の他方側から折り曲げられ、タブガイド部17を囲み、外面18上に延びて、低レベルに載置される。
【0067】
第1のタブ24は、溝19の外面18と底壁面21に取り付けられ、底壁面21と外面18との高さの差は、単一のタブ11の厚さであり、高レベルと低レベルとの間の高さの差も、単一のタブ11の厚さである。したがって、第2のタブ25の上面は第1のタブ24の上面と一致した状態に保たれ、これによりタブ11の突出厚さが低減される。
【0068】
本発明の他の実施形態において、底壁面21と外面18との間の高さの差は、単一のタブ11の厚さよりも大きい。この場合、第2のタブ25は溝19で凹むので、その上面が第1のタブ24の上面から突出することがなく、同様の効果を得ることができる。
【0069】
好ましくは、端子接続部16とタブガイド部17とはL字状の屈曲板を形成する。L字型の屈曲板は、電極アセンブリの側面に取り付けられ、屈曲板自体が板であるため、屈曲板が占有する空間は少ない。
【0070】
実施形態2
【0071】
図5~
図7は、本発明の電池セル構造の実施形態2を示す。これは、ハウジング26と、電極アセンブリと、トップカバーアセンブリ12と、ピン部13と、を含む。ハウジング26、電極アセンブリ及びトップカバーアセンブリ12は実施形態1と同様であるが、ピン部13は以下に説明するように実施形態1とは異なる特徴を有する。
【0072】
図5及び
図6に示すように、本実施形態において、タブガイド部17の溝19の底部は底壁面21を有し、底壁面21は、電極アセンブリに近づく方向に沿って凹み、貫通溝22を形成する。貫通溝22は、底壁面21の中央領域を切除するので、残りの底壁面21が貫通溝22の縁を囲むように形成される。
【0073】
図7に示すように、タブ11は、電極アセンブリから貫通溝22を通過し、溝19に入り、そして、タブ11の終端は折り曲げられ、底壁面21に重畳する。
【0074】
タブ11は、上記の接続方法を採用しており、タブ11の終端は外面18から突出せず、タブの終端は溝19内に隠れている。したがって、タブガイド部17の厚さ空間を占有し、タブガイド部17の外面を占有しない。これにより、電池セルの内部空間においてタブが占める空間が低減され、電池セルのエネルギー密度の向上に貢献する。
【0075】
図5に示すように、好ましくは、第2の円弧部23は、貫通溝22の側壁面と溝19の底壁面21との間の滑らかな移行によって形成される。
【0076】
この実施形態では、タブ11が貫通溝22から突出し、折り曲げられて、底壁面21に重畳し、タブ11が第2の円弧部23で折り曲げられる。第2の円弧部23は滑らかな移行面を有するため、鋭利角で圧迫されてタブ11が破損することが防止される。
【0077】
図6に示すように、貫通溝22はU字状の溝であり、U字状の溝の開口部は端子接続部16から離れている。
【0078】
この実施形態では、U字状の溝を利用してピン部13を治具に取り付け、治具によりピン部13を固定することにより、タブ11とタブガイド部17とを溶接する。
【0079】
実施形態3
【0080】
電池モジュールは、上記実施形態における電池セル構造を含む。
【0081】
本実施形態では、電池セル構造が電池モジュールに適用され、電池モジュールの内部空間を節約し、それによって電池モジュール全体のエネルギー密度を高めることができる。
【0082】
実施形態4
【0083】
電池パックは、上記電池セル構造及び/又は上記電池モジュールを含む。
【0084】
本実施形態において、上記電池セル構造又は電池モジュールは電池パック内に適用される。これにより電池パック内の無効空間の量が低減され、それによって単位体積当たり電池に含まれる電力が増加する。
【0085】
本発明の具体的な実施について上に説明したが、当業者であれば、これは単なる一例であり、本発明の保護範囲は添付の特許請求の範囲によって規定されることを理解することができる。当業者は、本発明の原理及び本質から逸脱することなく、これらの実施形態に様々な変更又は修正を加えることができ、これらの変更及び修正はすべて、本発明の保護範囲内に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明によって提供される電池セル構造、電池モジュール、及び電池パックは、タブがピンの上に重畳するため大きな空間を必要とし、電池のエネルギー密度が低下するという、ピンとタブとの間の不合理な接続の欠点を克服する。
【符号の説明】
【0087】
10: 電池セル本体
11: タブ
12: トップカバーアセンブリ
13: ピン部
14: トップカバー本体
15: 電極端子
16: 端子接続部
17: タブガイド部
18: 外面
19: 溝
20: 第1の円弧部
21: 底壁面
22: 貫通溝
23: 第2の円弧部
24: 第1のタブ
25: 第2のタブ
26: ハウジング
【外国語明細書】