IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ TRIBAWL株式会社の特許一覧

特開2024-95556情報処理装置、制御方法、およびコンピュータプログラム
<>
  • 特開-情報処理装置、制御方法、およびコンピュータプログラム 図1
  • 特開-情報処理装置、制御方法、およびコンピュータプログラム 図2
  • 特開-情報処理装置、制御方法、およびコンピュータプログラム 図3
  • 特開-情報処理装置、制御方法、およびコンピュータプログラム 図4
  • 特開-情報処理装置、制御方法、およびコンピュータプログラム 図5
  • 特開-情報処理装置、制御方法、およびコンピュータプログラム 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024095556
(43)【公開日】2024-07-10
(54)【発明の名称】情報処理装置、制御方法、およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20230101AFI20240703BHJP
【FI】
G06Q30/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023205394
(22)【出願日】2023-12-05
(31)【優先権主張番号】P 2022211617
(32)【優先日】2022-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】521556417
【氏名又は名称】TRIBAWL株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100190621
【弁理士】
【氏名又は名称】崎間 伸洋
(74)【代理人】
【識別番号】100212510
【弁理士】
【氏名又は名称】笠原 翔
(72)【発明者】
【氏名】山本 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】田中 清貴
(57)【要約】
【課題】完全有人レジの利便性を保ちつつ、完全セルフレジによる省人化を実現する。
【解決手段】情報処理装置は、イベントを受け付けるイベント受付手段と、前記イベントを受け付けた場合に、所定の店舗におけるレジに設けられた所定の表示部の表示を、人が接客を行わない第1モードから、遠隔から人が接客を行う第2モードに切り替える表示切替手段と、を有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イベントを受け付けるイベント受付手段と、
前記イベントを受け付けた場合に、所定の店舗におけるレジに設けられた所定の表示部の表示を、人が接客を行わない第1モードから、遠隔から人が接客を行う第2モードに切り替える表示切替手段と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記第1モードは、アバターによる接客を行うモードである、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
ユーザに関する情報を受け付けるユーザ情報受付手段と、
前記第1モードにおいて前記所定の表示部に表示されるアバターであって、複数のアバターのうち前記ユーザに関する情報に対応するアバターを選択するアバター選択手段と、をさらに有する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記イベントを受け付けた場合には、年齢確認が必要な商品がスキャンされた場合、特定の資格保有者の対応が必要な商品がスキャンされた場合、所定の金額以上の商品がスキャンされた場合、ユーザに所定のボタンを押下された場合、ユーザが予め登録された者に該当する場合、所定のワードが入力された場合のうち少なくとも何れかの場合が含まれる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第2モードの場合に、ユーザが購入しようとする商品を撮像した撮像画像データを取得する撮像画像取得手段をさらに有する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記撮像画像データに基づいて入力された、ユーザが購入しようとする商品に関する購入商品情報を取得する購入商品情報取得手段と、
前記購入商品情報を、前記所定の表示部に出力する出力手段と、をさらに有する、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の情報処理装置と、
前記所定の店舗に設けられ、前記所定の表示部が備えられる店舗端末と、
遠隔から接客を行うためのオペレータ端末と、
を有するアバターレジシステム。
【請求項8】
イベントを受け付けるイベント受付ステップと、
前記イベントを受け付けた場合に、所定の店舗におけるレジに設けられた所定の表示部の表示を、人が接客を行わない第1モードから、遠隔から人が接客を行う第2モードに切り替える表示切替ステップと、
を有する、コンピュータが実行する情報処理装置の制御方法。
【請求項9】
イベントを受け付けるイベント受付ステップと、
前記イベントを受け付けた場合に、所定の店舗におけるレジに設けられた所定の表示部の表示を、人が接客を行わない第1モードから、遠隔から人が接客を行う第2モードに切り替える表示切替ステップと、
をコンピュータによって実行させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、制御方法、およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
人手不足を背景として、スーパーやコンビニエンスストアでは、商品の読み取り及び支払いを従業員が対応する完全有人レジに加えて、商品の読み取りは従業員が行い、支払のみ顧客が行う簡易セルフレジだけでなく、商品の読み取りから支払いまでを顧客が行う完全セルフレジが導入されている。完全セルフレジについては、様々な技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-057084号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、完全セルフレジでは、高齢者がレジの使い方や商品の読み取りに戸惑うことも多い。多くのスーパーでは、完全セルフレジに従業員を配置し、顧客へのサポートを提供しているが、特に過疎地では人手不足が深刻であり、完全セルフレジに従業員を配置することも難しいといった課題があった。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、完全有人レジの利便性を保ちつつ、完全セルフレジによる省人化を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様は、
イベントを受け付けるイベント受付手段と、
前記イベントを受け付けた場合に、所定の店舗におけるレジに設けられた所定の表示部の表示を、人が接客を行わない第1モードから、遠隔から人が接客を行う第2モードに切り替える表示切替手段と、
を有する情報処理装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、完全有人レジの利便性を保ちつつ、完全セルフレジによる省人化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】アバターレジシステムの概要を示す図である。
図2】アバターレジシステムのシステム構成の概要を示す図である。
図3】サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
図4】サーバの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図5】表示切替処理の一例を示すフローチャートである。
図6】サーバの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施形態1)
<概要>
図1は、本実施形態に係るサーバ1(情報処理装置)が適用されるアバターレジシステムの概要を示す図である。本実施形態では、離島にある店舗(一日の来客数が比較的少ない店舗)のセルフレジにおいて、店舗の顧客であるユーザをサポートする例について説明する。
具体的には、本実施形態に係る店舗端末2は、通常のモード(第1モード)では、店舗端末2の表示部にアバターが表示されてユーザ(顧客)をサポートする。そして、所定のイベントが発生した際(第2モード)には、店舗端末2の表示部に本島のオペレータが表示されてユーザをサポートする。
【0010】
第1モードは、本実施形態では、上述のとおり、表示部に表示されたアバターによって、様々なシーンにおいてユーザをサポートするモードである。すなわち、第1モードは、アバターによる接客を行うモードである。
例えば、ユーザの来店時には、「いらっしゃいませ」という音声とともに、アバターの表情や姿勢を変化させて、有人店舗と同様、ユーザの来店に対する姿勢を表現する。
また、例えば、ユーザが商品を探している際には、「お探しの商品はございますか?」という音声を出力するとともに、ユーザの音声を認識して会話を行い、必要に応じて商品の配置場所を伝えることにより、商品の探索をサポートする。
また、例えば、ユーザが会計する際には、「商品かごをレジ台の上においてください」、「商品をスキャンしてください」、「購入商品の合計金額はxxx円です」、「支払方法を選択してください」等の音声を出力するとともに、アバターの表情(例えば、口の動き)を変化させて、有人店舗と同様、ユーザの購入時のセルフレジの操作をサポートする。
なお、本実施形態では、第1モードにおいて、アバターを表示させる例について説明するが、これに限定されず、音声のみでユーザをサポートしてもよく、表示部への文字表示のみでユーザをサポートしてもよい。
なお、第1モードでは、ユーザがアバターと会話することも想定される。例えば、アバターがユーザから購入操作に関する質問や、決済方法に関する質問を受け付けることや、アバターがユーザに対してクイズを出題(例えば、会計待ちの際に、ユーザごとに設けられた店舗端末2を用いてクイズを出題)することが想定される。なお、ユーザとアバターとの会話については、種々の既存の自然言語処理を用いるとよい。
【0011】
第2モードは、本実施形態では、上述のとおり、第1モードで表示されていたアバターに代わり、遠隔地のオペレータ(人間)の顔等を表示部に表示させて、ユーザをサポートする。これにより、ユーザは、完全有人レジや簡易セルフレジの場合と同様に、(遠隔地の)オペレータのサポートを受けながら、完全無人レジの操作を行うことができる。
また、本実施形態では、遠隔地のオペレータによって、商品のスキャン(購入商品の読み取り)を行うこともできる。例えば、店舗に備え付けられた所定のカメラ(撮像装置)を用いて、商品かごを撮像した撮像画像データをオペレータが取得して、当該撮像画像データを確認することで、ユーザの購入商品に関する情報を、ユーザの代行で入力することができる。この際、オペレータは、ユーザに対して、「商品かごをレジ台の上においてください。」と声をかけるだけで、購入商品の種類や価格等を取得できるので、誤ってスキャンすることを防止することができる。また、ユーザにとっても、完全有人レジと同様に、商品かごを置いただけで、購入商品のスキャンが行われるため、利便性を損なわずに完全無人レジを使用することができる。
【0012】
所定のイベントは、無人店舗であっても、実際に人による所定の確認を要する状況である。所定のイベントの一例としては、以下の場合(状況)が挙げられる。
・年齢確認が必要な商品(例えば、酒、たばこ等)がスキャンされた場合(または商品かごに入っていた場合、以下同様)
・特定の資格保有者(例えば、薬剤師)の対応が必要な商品(例えば、一般用医薬品(第2類、第3類))がスキャンされた場合
・所定の金額以上の高額商品がスキャンされた場合
・ユーザに所定のボタン(例えば、ヘルプボタン)を押下された場合
・ユーザが予め登録された者に該当する場合(例えば、いつも対応している高齢者等)
・所定のワードが入力された場合(例えば、「助けて」、「緊急」、「警察」、「救急」、「火事」等の音声が店舗端末2に入力された場合)
【0013】
近年、人手不足等の理由により、品出し等以外は無人の店舗が増えつつある。例えば、離島の店舗では、来客が1時間に数人のこともあり、1つの店舗に、1人の店員を常駐することはコストの面で難しい状況である。そこで、完全無人レジの導入が進み、レジにおける購入操作をユーザ自身に委ねることが行われている。しかし、不測の事態や、人の確認が必要な状況等、所定のイベントが発生した場合には、人が対応(確認)せざるを得ない。そこで、本実施形態では、所定のイベントの発生する度に店員が駆け付けられない状況においても、遠隔地から人が支援することで、完全有人レジの利便性を保ちつつ、完全セルフレジによる省人化を実現することができる。
なお、本実施形態では、オペレータは、遠隔地から、複数の店舗を同時に担当(対応)することを想定している。
【0014】
<システム構成>
図2は、本実施形態に係るアバターレジシステムのシステム構成の概要を示す図である。本実施形態に係るアバターレジシステムは、各種処理を行うサーバ1と、店舗のレジ端末に設けられる店舗端末2と、オペレータが操作するオペレータ端末3とが、インターネット等の所定のネットワークNを介して相互に接続されることで構成される。
サーバ1は、店舗端末2とオペレータ端末3の各動作と協働して各種処理を実行する。
【0015】
店舗端末2は、本実施形態では、レジ端末とは別体のタブレット端末である例について説明するが、レジ端末の一部(表示部)であってもよく、また、タブレット端末以外の端末であってもよい。また、店舗端末2は、店舗内(または店舗外)に設けられるデジタルサイネージでもよく、当該デジタルサイネージに各種情報やアバターを表示することにより、ユーザを支援することもできる。
【0016】
オペレータ端末3は、オペレータによって操作される端末であって、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン等である。
【0017】
<ハードウェア構成>
図3は、本実施形態に係るサーバ1のハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16と、入力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20と、を備えている。
【0018】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。
【0019】
入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。出力部16は、ディスプレイやスピーカ等で構成され、各種情報を画像や音声として出力する。入力部17は、キーボードやマウス等で構成され、各種情報を入力する。記憶部18は、ハードディスクやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。通信部19は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置との間で通信を行う。
【0020】
ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア21が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア21から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。また、リムーバブルメディア21は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0021】
なお、図示はしないが、店舗端末2およびオペレータ端末3も、図3に示すハードウェア構成を有するものとする。
【0022】
<機能構成>
図4は、本実施形態に係るサーバ1、店舗端末2およびオペレータ端末3における機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0023】
サーバ1のCPU11においては、動作する際に、イベント受付部31、表示切替部32、撮像画像取得部33、購入商品情報取得部34、出力部35等が機能する。
【0024】
イベント受付部31は、上述のイベントのうち、少なくとも何れかを店舗端末2から受け付ける。例えば、ユーザが、店舗端末2の表示部に表示されたヘルプボタンを押下(またはタッチ)した場合に、イベント受付部31は、上述のイベントとして受け付ける。また、ユーザによって、商品がスキャンされた場合(スキャン情報を受け付けた場合)や、ユーザが後述する顧客DB41に予め登録された者に該当する場合に、イベント受付部31は、上述のイベントとして受け付ける。なお、ユーザが予め登録された者に該当するか否かは、例えば、店舗に設けられたカメラによって撮像された撮像画像データに基づいて、種々の既存技術を用いて解析(顔認証)を行うことにより、判断することができる。
【0025】
撮像画像取得部33は、第2モード(遠隔有人接客モード)の場合に、ユーザが購入しようとする商品を撮像した撮像画像データ(撮像画像)を取得する。
本実施形態では、撮像画像取得部33は、店舗の天井周辺に設けられる既存の防犯カメラによって撮像された撮像画像データを(例えば、店舗端末2を介して)取得するものとするが、これに限定されない。例えば、撮像画像取得部33は、レジ端末に設けられた撮像部、店舗端末2に設けられた撮像部、またはユーザが使用するスマートフォン等の端末に設けられた撮像部によって撮像された撮像画像データを取得してもよい。すなわち、ユーザが購入しようとする商品(例えば、商品かご)を含む撮像画像データが取得されていればよい。このような撮像画像データは、例えば、後述の出力部35によって、オペレータ端末3に出力されるものとする。
【0026】
購入商品情報取得部34は、撮像画像データに基づいて入力された、ユーザが購入しようとする商品に関する購入商品情報を取得する。本実施形態では、取得された撮像画像データが、不図示の送信部によってオペレータ端末3に送信され、当該撮像画像データを確認したオペレータによって入力された購入商品情報を購入商品情報取得部34が取得するものとする。すなわち、完全有人レジにおいて店員が購入商品情報をPOS端末等でスキャンして取得するのと同様に、完全無人レジにおいても遠隔地にいるオペレータが、撮像画像データに基づいて、スキャン(または検索)した購入商品情報を取得する。
購入商品情報は、ユーザが購入しようとしている商品(例えば、商品かごに入っている商品)に関する情報であって、商品の識別コード、商品名、ジャンル、価格等のうち少なくとも何れかが含まれるものとする。
本実施形態では、オペレータは、撮像画像データ、および後述の商品DB42を参照して、ユーザの購入商品情報を取得するものとする。
なお、購入商品情報取得部34は、機械学習により生成した分類器を用いて、取得された撮像画像データに基づいて購入商品情報を取得してもよい。
また、購入商品情報取得部34は、撮像画像データを用いなくてもよく、例えば、商品に付されたタグ(例えば、ICタグ)を読み取ることにより、購入商品情報を取得してもよい。
【0027】
表示切替部32は、上述のイベントを受け付けた場合に、所定の店舗(拠点)におけるレジ(機器)に設けられた店舗端末2の表示(所定の表示部の表示)を、人が接客を行わない第1モードから、遠隔から人が接客を行う第2モードに切り替える。
本実施形態では、店舗端末2の表示部の表示を、アバター表示(第1モード)から、オペレータ表示(第2モード)に切り替えるものとする。オペレータによる接客では、例えば、既存のWEB会議システムを用いて、音声および動画像を互いにやり取りすることにより、実現することができる。これにより、オペレータは、ユーザに対して、リアルタイムに、各種確認、ユーザの質問への回答、ユーザへの指示(例えば、商品かごを所定の場所においてもらうよう指示)等を行うことができる。
【0028】
出力部35は、購入商品情報を、店舗端末2の表示部に出力する。本実施形態では、オペレータの操作によって取得された購入商品情報(例えば、商品名や合計金額)を、店舗端末2に表示する。これにより、ユーザは購入商品情報を確認の上、現金、カード、ポイント、二次元バーコード決済等により、会計を行うことができる。この会計に関する操作については、上述の簡易セルフレジの場合と同様であるため、詳細な説明を割愛する。
【0029】
また、図4に示すサーバ1の記憶部18においては、顧客DB41、商品DB42が設けられる。
顧客DB41は、各店舗における所定のユーザに関する情報(例えば、顔情報)が格納される記憶部である。
商品DB42は、各店舗において扱われる商品に関する情報(例えば、識別コード、商品名、ジャンル、価格等)が格納される記憶部である。
【0030】
<処理内容>
図5は、本実施形態に係る表示切替処理の一例を示す図である。
【0031】
ステップS1において、イベント受付部31は、上述のイベントを受け付けたか否かを判断する。イベントを受け付けた場合(S1-Yes)はステップS2に進み、そうでない場合(S1-No)はステップS7に進む。本実施形態では、イベント受付部31は、店舗端末2からイベントを受け付けるものとする。
【0032】
ステップS2において、表示切替部32は、店舗端末2の表示モードを「遠隔有人接客モード(第2モード)」に設定する。本実施形態では、通常時の表示モードは第1モードであって、上述のイベントを受け付けた場合に、第1モードから第2モードに表示を切り替えるものとする。なお、本実施形態では、表示の切り替えを行う例示ついて説明するが、音声のみを切り替えてもよい。例えば、第1モードでは、予め設定された自動音声を用いて接客を行い、第2モードでは、オペレータの音声により接客を行ってもよい。
【0033】
ステップS3において、撮像画像取得部33は、店舗端末2から購入商品を含む撮像画像データを取得する。本実施形態では、上述のとおり、店舗に設けられるカメラによって撮像された撮像画像データを取得するものとするが、これに限定されない。例えば、撮像画像取得部33は、レジ端末、または店舗端末2等に設けられたカメラによって撮像された撮像画像データを取得してもよい。
【0034】
ステップS4において、出力部35は、オペレータ端末3に対して、上述の撮像画像データを出力する。
【0035】
ステップS5において、購入商品情報取得部34は、オペレータ端末3から、購入商品情報を取得する。本実施形態では、購入商品情報取得部34は、上述の撮像画像データに基づいてオペレータが入力した購入商品情報を取得するものとする。これは、店舗のレジ装置が完全無人レジに置き換わった場合に、例えば、一部の高齢者は、どのように購入するための操作を行うべきか戸惑うことがある。この場合に、オペレータは「レジ装置の第の上に、商品かごを置いてください」と伝え、当該商品かごを撮像した撮像画像データに基づいて、オペレータが商品をスキャン(購入商品情報を読み取る)して、サーバ1を介して、購入商品情報をレジ装置に入力する。それにより、ユーザ(高齢者)は、商品スキャン等の操作を行うことなく、購入商品情報をレジ装置に入力することができる。
【0036】
ステップS6において、出力部35は、店舗端末2に対して、購入商品情報を出力する。本実施形態では、例えば、購入商品の合計金額を店舗端末2の表示部に表示するよう制御する。これにより、ユーザは、店舗端末2に表示された金額を確認の上、ユーザの所望の決済方法により、決済することができる。なお、表示部への表示は必須ではなく、例えば、オペレータまたはアバターによって合計金額を音声で伝えてもよい。
【0037】
ステップS7において、表示切替部32は、店舗端末2の表示モードを「アバター接客モード(第1モード)」に設定する。
【0038】
ステップS8において、購入商品情報取得部34は、店舗端末2から、購入商品情報を取得する。例えば、購入商品情報取得部34は、ユーザ自身によって商品がスキャンされることにより店舗端末2に入力された購入商品情報を取得する。
【0039】
<本実施形態の有利な効果>
上述の実施形態によれば、通常時は、第1モード(アバター接客モード)によって、アバターが接客を行い、店員の確認等が必要な場合(イベントが発生した場合)には、第2モードによって、オペレータが対応することにより、完全有人レジの利便性を保ちつつ、完全セルフレジによる省人化を実現することができる。
【0040】
また、上述の実施形態によれば、店舗端末の表示モードを切り替えることによって省人化が図れるため、例えば、店舗に設置された複数のカメラの撮像画像データに基づいて、商品を自動認識するような完全無人店舗、無人レジシステムと比較して、安価に省人化を図ることができる。また、既存のレジ装置に対して、タブレット等の店舗端末を追加すればよいため汎用性が高く、様々な店舗において導入することができる。
【0041】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0042】
(実施形態2)
<概要>
上述の実施形態では、イベントの発生に応じて、アバターが接客する第1モードと、人が接客する第2モードとを切り替える例について説明した。本実施形態では、上述の第1モードにおいて、店舗端末2に表示されるアバターを、ユーザごとに変化させる例について説明する。なお、本実施形態におけるシステム構成、ハードウェア構成に関しては、上述と同様のため説明を省略する。
【0043】
<機能構成>
図6は、本実施形態に係るサーバ1、店舗端末2およびオペレータ端末3における機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
サーバ1のCPU11においては、動作する際に、上述したイベント受付部31、表示切替部32、撮像画像取得部33、購入商品情報取得部34、出力部35に加えて、ユーザ情報受付部51、アバター選択部52等が機能する。なお、上述と同様の機能部については、同じ符号を付して、説明を省略する。
【0044】
ユーザ情報受付部51は、ユーザに関する情報を受け付ける。ユーザに関する情報としては、ユーザ固有のID、ユーザの顔画像、年齢、性別等が挙げられる。
【0045】
アバター選択部52は、上述の第1モードにおいて、店舗端末2の表示部(所定の表示部)の表示されるアバターを選択する。
具体的には、アバター選択部52は、複数のアバターのうち、ユーザに関する情報に対応するアバターを選択する。
例えば、アバター選択部52は、ユーザ固有のID(例えば、会員ID)に、所定のアバターが紐づいている(登録されている)場合は、当該ユーザに対して、対応するアバターを選択する。また、例えば、アバター選択部52は、例えば、ユーザの顔画像に基づいて、所定の画像処理を行うことにより、ユーザの年齢や性別を判断して、当該ユーザに対して、年齢や性別に対応するアバターを選択する。なお、予めユーザの年齢や性別が登録されている場合は、当該年齢や性別(ユーザに関する情報)に対応するアバターを選択するとよい。アバターの種類については、特に限定されないが、例えば、子供向け、男性向け、女性向け等のアバターが、記憶部18等に記憶されているものとする。
【0046】
なお、選択されたアバターは、第1モードにおいて、店舗端末2の表示部に適宜表示されるものとするが、表示されるタイミングは特に限定されない。
例えば、ユーザ情報受付部51がユーザの来店時(または会計時)にユーザに関する情報(例えば、顔画像)を取得して、当該ユーザの会計時に、選択されたアバター(ユーザに関する情報に対応するアバター)が店舗端末2の表示部に表示されてもよい。
また、例えば、ユーザのIDが登録されており、かつ、当該ユーザのIDに紐づくアバターが登録されているときは、当該アバターが選択および表示され、登録されていない場合は、ユーザの年齢等に応じたアバターが選択および表示されてもよい。
なお、アバターが選択されるまでの間は、第1モードにおいては、予め登録された所定のアバターが表示されているものとする。
なお、イベントの発生に応じて、第1モードを第2モードに切り替える例については、上述の実施形態と同様のため、説明を省略する。
【0047】
(変形例)
上述の実施形態において、店舗端末はレジ端末に対して設けられる例について説明したが、これに限定されない。例えば、店舗端末をレジ端末の他に、店舗の入り口に設けてもよい。これにより、ユーザが来店した際に、「いらっしゃいませ」と音声を発生し、かつユーザの顔認証等を行うことができる。これは、例えば、上述のイベントにおいて、所定のユーザが来店したことを検知するために用いることができる。
【0048】
また、上述の実施形態において、店舗端末は、店舗における各種制御を行ってもよい。例えば、酒類の棚を、店員の勤怠情報に応じて施錠してもよい。すなわち、所定の時間帯(例えば、深夜帯)においては、酒類等の商品をユーザが手に取れないように制御することが考えられる。
【0049】
また、上述の実施形態において、上述のイベントが発生した際には、第1のモードから第2のモードに、店舗端末の表示を切り替え、さらに、所定の事象が発生した際には、店舗に店員を呼ぶための機能部をサーバが有していてもよい。
【0050】
(その他)
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。換言すると、上述の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に上述の例に限定されない。また、機能ブロックの存在場所も、特に限定されず、任意でよい。例えば、サーバの機能ブロックを他の装置等に移譲させてもよい。逆に他の装置の機能ブロックをサーバ等に移譲させてもよい。また、一つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0051】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0052】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザ等にプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザ等に提供される記録媒体等で構成される。プログラムはネットワークを介して配信可能であることから、記録媒体は、ネットワークに接続された、或いは接続可能なコンピュータに搭載、或いはアクセス可能なものであってもよい。
【0053】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0054】
換言すると、本発明が適用される情報処理装置は、次のような構成を有する各種各様の実施形態を取ることができる。
すなわち、(1)イベントを受け付けるイベント受付手段(例えば、イベント受付部31)と、前記イベントを受け付けた場合に、所定の店舗(拠点)におけるレジ(機器)に設けられた所定の表示部の表示を、人が接客を行わない第1モード(例えば、アバター接客モード)から、遠隔から人が接客を行う第2モード(例えば、遠隔有人接客モード)に切り替える表示切替手段(例えば、表示切替部32)と、を有する情報処理装置である。
これにより、完全有人レジの利便性を保ちつつ、完全セルフレジによる省人化を実現することができる。
【0055】
また、(2)前記第1モードは、アバターによる接客を行うモードであるとよい。
これにより、特段、店員が介在する必要のあるイベントが発生しない間は、アバターによる接客によって、上述のように完全有人レジの利便性を保ちつつ、完全セルフレジによる省人化を実現することができる。
【0056】
また、(3)ユーザに関する情報を受け付けるユーザ情報受付手段(例えば、ユーザ情報受付部51)と、前記第1モードにおいて前記所定の表示部に表示されるアバターであって、複数のアバターのうち前記ユーザに関する情報に対応するアバターを選択するアバター選択手段(アバター選択部52)と、をさらに有するとよい。
これにより、第1モードにおいて、ユーザは、好みやユーザの属性に応じたアバターの接客等を受けることができる。
【0057】
また、(4)前記イベントを受け付けた場合には、年齢確認が必要な商品がスキャンされた場合、特定の資格保有者(例えば、薬剤師等)の対応が必要な商品(例えば、一般用医薬品(第2類、第3類)等)がスキャンされた場合、所定の金額以上の商品がスキャンされた場合、ユーザに所定のボタンを押下された場合、ユーザが予め登録された者に該当する場合(例えば、いつも対応している特定の高齢者等)、所定のワードが入力された場合のうち少なくとも何れかの場合が含まれるとよい。
これにより、上述のイベント発生時においても、店員が対応することができるため、完全有人レジの利便性を損なうことを抑制することができる。
【0058】
また、(5)前記第2モードの場合に、ユーザが購入しようとする商品を撮像した撮像画像データを取得する撮像画像取得手段(例えば、撮像画像取得部33)をさらに有するとよい。
これにより、撮像画像データに基づいて購入商品を確認することができるため、例えば、ユーザの代わりに、オペレータが購入商品情報をレジ装置に入力することができる。
【0059】
また、(6)前記撮像画像データに基づいて入力された、ユーザが購入しようとする商品に関する購入商品情報を取得する購入商品情報取得手段(例えば、購入商品情報取得部34)と、前記購入商品情報(例えば、商品情報、金額等)を、前記所定の表示部に出力する出力手段(例えば、出力部35)と、をさらに有するとよい。
これにより、ユーザによる完全セルフレジの操作をなくす(減らす)ことができるため、完全セルフレジを使い慣れていないユーザに対して有用である。
【0060】
また、本発明が適用されるアバターレジシステムは、次のような構成を有する各種各様の実施形態を取ることができる。
すなわち、(7)上述の情報処理装置と、前記所定の店舗に設けられ、前記所定の表示部が備えられる店舗端末と、遠隔から接客を行うためのオペレータ端末と、を有するアバターレジシステムである。
【0061】
また、本発明の一態様は、(8)イベントを受け付けるイベント受付ステップと、前記イベントを受け付けた場合に、所定の店舗(拠点)におけるレジ(機器)に設けられた所定の表示部の表示を、人が接客を行わない第1モード(アバター接客モード)から、遠隔から人が接客を行う第2モード(遠隔有人接客モード)に切り替える表示切替ステップと、を有する、コンピュータが実行する情報処理装置の制御方法である。
【0062】
また、本発明の一態様は、(9)イベントを受け付けるイベント受付ステップと、前記イベントを受け付けた場合に、所定の店舗(拠点)におけるレジ(機器)に設けられた所定の表示部の表示を、人が接客を行わない第1モード(アバター接客モード)から、遠隔から人が接客を行う第2モード(遠隔有人接客モード)に切り替える表示切替ステップと、をコンピュータによって実行させるためのコンピュータプログラムである。
【符号の説明】
【0063】
1:サーバ 2:店舗端末 3:オペレータ端末
11:CPU 18:記憶部 19:通信部
31:イベント受付部 32:表示切替部 33:撮像画像取得部
34:購入商品情報取得部 35:出力部 41:顧客DB
42:商品DB 51:ユーザ情報受付部 52:アバター選択部
図1
図2
図3
図4
図5
図6